JP2005007680A - 木粉含有塗膜層を有する漆器 - Google Patents
木粉含有塗膜層を有する漆器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】生地の表面に最初に塗った第1層の着色漆塗膜層M1の色相と、次いで塗る第2層の着色漆塗膜層M2の色相とを斑模様をなして同時に表出し、新規の視覚的品質感を創出するとともに、触感および温度伝達特性を改善する。
【解決手段】天然漆または合成漆に木粉を混入し、高粘度に練成してなる異なる色の着色漆塗料を生地11に重ね塗りし、第1層の着色漆塗膜層M1の塗装肌の凹部に第2層の着色漆塗膜層M2の一部を残存させるように第2層の着色漆塗膜層M2を研削除去する。
【選択図】 図1
【解決手段】天然漆または合成漆に木粉を混入し、高粘度に練成してなる異なる色の着色漆塗料を生地11に重ね塗りし、第1層の着色漆塗膜層M1の塗装肌の凹部に第2層の着色漆塗膜層M2の一部を残存させるように第2層の着色漆塗膜層M2を研削除去する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木粉を混合した天然漆または合成樹脂塗料(以下、「合成漆」という)を新規の使用形態で用いることによって、視覚的品質感、触感、熱伝達特性等を改善した漆器に関する。
【0002】
【従来の技術】
伝統技法によって製造される漆器は、従来、木製生地の表面に付与される漆塗装の重厚な色調と磨き抜かれた深い光沢感を特徴としている。しかし、高分子化学の進歩に伴い、良質な合成樹脂製の生地材料および合成漆が提供されるとともに、このような材料の利用技術としての漆器の量産技術も進歩し、今日では、熟練職人が伝統技法によって製作したものに遜色ない出来栄えの量産漆器が提供されている。
【0003】
このことは、安価な漆器を容易に入手することができるという利点を生み出した反面、伝統技法に基づくものと視覚的に差別化できないことにより、伝統技法による漆器の価格が理解されない傾向が生じており、伝統技術を衰退させないためにも何らかの差別化対策が望まれている。なお、漆器に蒔絵、象眼を施すという技術によって量産漆器との差別化は可能であるが、価格差が一層甚だしいものとなってしまう。低コストで視覚的高品質漆器を提供することは、伝統的漆器における課題であるとともに、量産漆器においても好ましいことである。
【0004】
一方、両者は、視覚的には同等の品質感を有するとしても、触感および食器等として使用したときの使用感は、大きく異なっている。木製の生地を用いた伝統的漆器は、軽くて暖かく、そして軟らかく、しかも、手に馴染む感じがする。一方、合成樹脂の生地を用いた量産漆器は、重く冷たく硬質で滑り易い感じがする。すなわち、生地の材質の違いが表面の塗膜層を通して感取されるのである。したがって、量産漆器においては、合成樹脂製の生地を用いることによるこれらの欠点を解消することが望まれている。
【0005】
塗装によって生地の欠点を補足ないし改善しようとする技術には、次のような技術が開示されている。すなわち、ツンドラを以って塗装セル保温保冷容器製造方法(昭和9年特許第105627号公報)である。
【0006】
上記技術の要旨とするところは、ツンドラの粉末またはツンドラの粉末に他の植物繊維を加えたものに、有機溶媒に懸濁した膠状のゴム液を注加して良く混和し、これをガラス製、陶磁器製、金属製、木製容器に塗布した後よく乾燥し、乾燥後、この上に漆、ベークライト、ニス、ラッカー等の防水性塗料を塗布して仕上げることである。
【0007】
ツンドラの粉末は、保温性に寄与するための主要な要素として用いられ、これに加える他の植物繊維としての木材、パルプ、バガス、屑麻等は、増量および補強のための要素として用いられ、また、ゴム液は、粘着物質として用いられ、仕上げ塗りに用いられる漆等は、防水および剥落し易いツンドラを押さえる要素として用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そして、これらの要素によって構成される容器は、保温保冷性大にして、手触りや外観もよく、携帯用水筒等の用途に適するとのことである。すなわち、この技術は、今日のレジャー用の魔法瓶構造の水筒若しくはクーラボックスのような容器を念頭に置いて構成され、この用途における当時の要求を満たしたと考えられる。
【0009】
しかし、今日伝統的漆器および量産漆器に求められている課題としての低コストで視覚的高品質漆器を提供すること、および合成樹脂の生地に起因する量産漆器における問題点は、上記公報に開示される技術によっては到底達成されない。
【0010】
本発明は、視覚的高級感に寄与する要素として2色の着色漆塗料を斑模様をなして同時に現わす手法とともに、手触りや温度伝達特性を木質の生地を用いる漆器と同等のものにする要素として木質粉末(以下、「木粉」という)を採用することによって、伝統的漆器および量産漆器において低コストで高級な外観を実現するとともに、合成樹脂製の生地を用いる漆器においても、天然木の生地を用いる伝統漆器同様の手触りや温度特性等を実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための手段として本発明は、次のような構成を採用する。
【0012】
本発明に係る木粉含有塗膜層を有する漆器は、天然木切削または合成樹脂材料を所定形状に成形してなる生地に対し、天然漆または合成漆に木粉を混入し、高粘度に練成してなる異なる色の着色漆塗料を順次に重ね塗りし、生地の表面に最初に塗った第1層の着色漆塗膜層の色相と、次いで塗った第2層の着色漆塗膜層の色相とを斑模様をなして同時に表出してなり、この際の斑模様は、第1層の着色漆塗膜層の塗装肌を凹凸が連続する荒れ肌状に塗布乾燥し、該第1層の着色漆塗膜層上に第2層の着色漆塗膜層を塗布乾燥した後、該第2層の着色漆塗膜層上の凸部を滑らかに研削し、該第1層の着色漆塗膜層の塗装地の凹部に第2層の着色漆塗膜層の一部を残存させて形成することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、木粉を含む高粘度の天然漆または合成漆は、研削しても生地が現れない十分な厚みを有する塗膜層を簡単に形成することができる。生地に対して塗布される第1層の着色漆塗膜層は、表面に凹凸を有する荒れ肌に形成され、第2層の着色漆塗膜層は、第1層の着色漆塗膜層に密着させて形成される。したがって、第2層の着色漆塗膜層は、第1層の着色漆塗膜層の凹部に及んでいる。この状態で表面側を滑らかに研削すると、高い部分から順次に第2層の着色漆塗膜層の凸部が除去されるので、第1層の着色漆塗膜層の凸部とともに高い部分から塗膜層が除去され、第1層の着色漆塗膜層が部分的に表面に現れるとともに、第1層の着色漆塗膜層の凹部には、第2層の着色漆塗膜層が残存する。この結果、生地の表面には、色の異なる第1層の着色漆塗膜層と第2層の着色漆塗膜層との斑模様が形成される。また、含まれる木粉は、植物細胞のセル構造によって多量の空気を含むので、断熱性と適度な柔軟性とを備える木質特有の諸特性を発揮することができる。
【0014】
本発明に係る木粉含有塗膜層を斑模様に形成してなる漆器は、天然木製の生地にマスキング処理をした後、生地に第1層の着色漆塗膜層と第2層の着色漆塗膜層とを形成し、第1層の着色漆塗膜層の塗装肌の凹部に第2層の着色漆塗膜層の一部を残存させて第2層の着色漆塗膜層を研削除去した後、マスキング処理を解除することによって、天然木の木肌と第1層の着色漆塗膜層と第2層の着色漆塗膜層とによる斑模様とを同時に表出させることもできる。
【0015】
この構成によれば、天然木製の生地を用いた場合において、生地の表面にマスキング処理をすることによって、第1層および第2層の着色漆塗膜層の付着を部分的に忌避し、生地の木目をそのまま残すことができるので、完成した漆器の表面に天然木の木肌と斑模様とを同時に表出し、天然木の特徴を生かすことができる。
【0016】
本発明に係る木粉含有塗膜層を有する漆器は、表面に凹凸を残して第2層の着色漆塗膜層を研削除去することができる。
【0017】
この構成によれば、表面に凹凸を残すことによって、斑模様に加え、乾漆仕上げの仕上げ感をも備えるものとすることができる他、凹凸によって滑りを防止することができるので、安定な触感が実現される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を引用しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
本発明に係る木粉含有塗膜層を有する漆器は、漆器の種類を問わずに適用することが可能である。ここでは、椀10(図1)、浅皿20(図4)、菜箸30(図6)、重箱40(図7)を例示して説明する。なお、図示していないが、漆器としてこのほかにも多数のものに応用されており、例えば、丼、盆、弁当箱、膳、置物台等、一般家庭用として広く利用されている。
【0020】
椀10は、食品用合成樹脂材料を椀型に射出成形してなる生地11の内側面10Bをカシュー等の合成漆によって仕上げるとともに、外側面10Aには、斑模様の塗膜層Mが形成されている(図1(A),(B))。なお、同図(B)は、同図(A)の領域Eの拡大図である。
【0021】
斑模様の塗膜層Mの形成には、色の異なる顔料を用いた2種類の着色漆塗料を用意する。各着色漆塗料には、合成漆によく乾燥した木粉を混入し、高粘度に調整したものが用いられる。すなわち、粘度調整剤に代えて木粉を用いることにもなる。この際、混入される木粉は、木製漆器の生地を削り出すときに排出される天然木の切り粉が用いられる。この切り粉は、例えば椀10を切削する場合、欅の木をよく乾燥した後、轆轤のように回転しながら切削され、極めて粒子の細かい微粉末状になっており、混合するには好都合であり、切り粉の利用改善にも寄与する。
【0022】
生地11の表面には、最初にいずれか一方の着色漆塗料が表面に凹凸を形成するようにして塗布され、第1層の着色漆塗膜M1が形成される。この表面の凹凸は、着色漆塗料に木粉を混濁するので高粘度となっており、木粉を混入していない塗料よりも塗装したときの伸びがなく、必然的に形成される。通常の重ね塗りは、最初の塗装をよく固化させて行なうが、意図的に不十分な乾燥上に重ね塗りすることもある。
【0023】
第1層の着色漆塗膜M1は、自然乾燥または熱風乾燥によって十分に乾燥させる。次いで、この上に第2層の着色漆塗膜層M2を形成する(図1ないし図3)。従って、この第2層の着色漆塗料に混入する木粉は、第1層の着色漆塗料に混入した木粉量よりも少なくして、塗料としての伸びを重視する方が、よい結果が生じる。この際には、第1層の着色漆塗膜M1が完全に隠れる必要はなく、その凸部が現れていても差し支えない。
【0024】
第2層の着色漆塗膜層M2が完全に乾燥した後、表面を研削する。研削作業は、例えば、轆轤や木工用旋盤等の回転工具を利用し、回転する椀10に各種のポリッシュ部材を押し付けて実施する。したがって、研削作業は、用いるポリッシュ部材によっては、磨き作業を兼ねることとなる。研削作業は、第1層の着色漆塗膜M1の凸部が明瞭に現れる時点で完了する。この時点では、第1層の着色漆塗膜M1の凹部に第2層の着色漆塗膜M2が残存していることから、第1層の着色漆塗膜M1の凸部は、第2層の着色漆塗膜M2に対して島(ランド)として表出し、不定形の斑模様の塗膜層Mが形成される(図1(B),図3)。したがって、第1層および第2層の着色漆塗料の色調が鮮やかなコントラストをなし、高級感に富んだ外観を呈する。
【0025】
図3は、石川県工業試験場所有のデジタルマイクロスコープ(メーカー・型式:株式会社キーエンス VH−6200)によって、図1に示す椀10の一部断面を50倍に拡大して観察した模式図である。すなわち、塗膜層Mは生地11と第1層の着色漆塗膜M1が親密に塗装され、その塗膜M1の凹部または隙間に第2層の着色漆塗膜M2が融合もしくは浸入するように埋め込んでいる様子が観察できた。そして、その融合・浸入状態の外観は一定でなく、ランダムに形成されている。
【0026】
本発明の実施の形態として示す浅皿20は、一般的には茶托として用いられているが、天然木製の生地21を用いたものである。浅皿20の表面側には、マスキング処理をして形成した斑模様の塗装膜Mが部分的に形成され、したがって、その他の部分には、生地21の木肌がそのまま表出している(図4,図5)。マスキング処理は、市販のマスキングテープやカッティングシートを利用する方法で足りる。ここで、用いるカッティングシートSは、全体が円形に成形され、任意形状の抜き孔S1,S1が設けられている。これを浅皿20の表面20Aに貼り付けて、上記と同様の塗装作業および研削作業を実施すると、抜き孔S1,S1に対応する部分に斑模様の塗膜層Mが形成されるのである。
【0027】
本発明の実施の形態として示す菜箸30は、マスキング処理を行なって矢羽根形の図案を現わしたものである(図6)。第1層の着色漆塗膜層M1と第2層の着色漆塗膜層M2とは、天然漆または合成漆に混入する木粉の量を抑えた低粘度の漆塗料が用いてある。したがって、斑模様Mは、細かく現れている。漆塗料を塗布する面積が小さいため、大きい斑模様の表現に適さないとともに、マスキングテープを剥がす際に欠落する塗膜層が目に付き易いからである。
【0028】
本発明の実施の形態として示す重箱40は、本体41と重蓋42とからなり、重蓋42の半分には、対角線位置で区画した斬新な斑模様の塗膜層Mが形成されている(図7)。第1層の着色漆塗膜層M1と第2層の着色漆塗膜層M2とによる斑模様は、塗布面積に応じた大きな模様として表出されている。この塗膜層Mは、重蓋42の上面全体であっても、また、本体41の外周にも実施することは可能である。
【0029】
なお、上記いずれの実施の形態においても、研削作業後は、つや出しもしくはクリヤ仕上げを行うと、さらに光沢が得られる。そしてまた、研削作業は、斑模様の塗膜層Mの表面に凹凸を残した状態とすることができる。表面を完全に平滑に仕上げたものとは異なる視覚的高級感を演出することができ、従来の漆器になかった美観の他、実用的にも滑り難いという利点が得られる。
【0030】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る木粉含有塗膜層を斑模様に形成してなる漆器は、天然漆または合成漆に木粉を混入し、高粘度に練成してなる異なる色の着色漆塗料を生地に重ね塗りし、第1層の着色漆塗膜層の塗装肌の凹部に第2層の着色漆塗膜層の一部を残存させて第2層の着色漆塗膜層を研削除去することによって、生地の表面に最初に塗った第1層の着色漆塗膜層の色相と、次いで塗る第2層の着色漆塗膜層の色相とを斑模様をなして同時に表出させることができるので、漆器としての新しいデザイン境地に基づく視覚的高品質感を創出するとともに、天然漆または合成漆に含まれる木粉による軟らかい触感および保温性、保冷性に優れた温度伝達特性が実現され、さらには、木製漆器製造上発生する木粉の処理を有効利用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明に係る椀の実施の形態を示す斜視図。
(B)本発明に係る椀の実施の形態を示す表面の拡大図。
【図2】本発明に係る椀の実施の形態を示すX−X線断面図。
【図3】本発明に係る椀の一部断面をデジタルマイクロスコープで観察した模式図。
【図4】本発明に係る浅皿の実施の形態を示す斜視図。
【図5】本発明に係る浅皿の実施の形態を示す平面図。
【図6】本発明に係る菜箸の実施の形態を示す平面図。
【図7】本発明に係る重箱の実施の形態を示す要部の斜視図。
【符号の説明】
M (斑模様の)塗膜層
M1 第1層の着色漆塗膜層
M2 第2層の着色漆塗膜層
10 椀
11 生地
20 浅皿
21 生地
30 菜箸
40 重箱
【発明の属する技術分野】
本発明は、木粉を混合した天然漆または合成樹脂塗料(以下、「合成漆」という)を新規の使用形態で用いることによって、視覚的品質感、触感、熱伝達特性等を改善した漆器に関する。
【0002】
【従来の技術】
伝統技法によって製造される漆器は、従来、木製生地の表面に付与される漆塗装の重厚な色調と磨き抜かれた深い光沢感を特徴としている。しかし、高分子化学の進歩に伴い、良質な合成樹脂製の生地材料および合成漆が提供されるとともに、このような材料の利用技術としての漆器の量産技術も進歩し、今日では、熟練職人が伝統技法によって製作したものに遜色ない出来栄えの量産漆器が提供されている。
【0003】
このことは、安価な漆器を容易に入手することができるという利点を生み出した反面、伝統技法に基づくものと視覚的に差別化できないことにより、伝統技法による漆器の価格が理解されない傾向が生じており、伝統技術を衰退させないためにも何らかの差別化対策が望まれている。なお、漆器に蒔絵、象眼を施すという技術によって量産漆器との差別化は可能であるが、価格差が一層甚だしいものとなってしまう。低コストで視覚的高品質漆器を提供することは、伝統的漆器における課題であるとともに、量産漆器においても好ましいことである。
【0004】
一方、両者は、視覚的には同等の品質感を有するとしても、触感および食器等として使用したときの使用感は、大きく異なっている。木製の生地を用いた伝統的漆器は、軽くて暖かく、そして軟らかく、しかも、手に馴染む感じがする。一方、合成樹脂の生地を用いた量産漆器は、重く冷たく硬質で滑り易い感じがする。すなわち、生地の材質の違いが表面の塗膜層を通して感取されるのである。したがって、量産漆器においては、合成樹脂製の生地を用いることによるこれらの欠点を解消することが望まれている。
【0005】
塗装によって生地の欠点を補足ないし改善しようとする技術には、次のような技術が開示されている。すなわち、ツンドラを以って塗装セル保温保冷容器製造方法(昭和9年特許第105627号公報)である。
【0006】
上記技術の要旨とするところは、ツンドラの粉末またはツンドラの粉末に他の植物繊維を加えたものに、有機溶媒に懸濁した膠状のゴム液を注加して良く混和し、これをガラス製、陶磁器製、金属製、木製容器に塗布した後よく乾燥し、乾燥後、この上に漆、ベークライト、ニス、ラッカー等の防水性塗料を塗布して仕上げることである。
【0007】
ツンドラの粉末は、保温性に寄与するための主要な要素として用いられ、これに加える他の植物繊維としての木材、パルプ、バガス、屑麻等は、増量および補強のための要素として用いられ、また、ゴム液は、粘着物質として用いられ、仕上げ塗りに用いられる漆等は、防水および剥落し易いツンドラを押さえる要素として用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そして、これらの要素によって構成される容器は、保温保冷性大にして、手触りや外観もよく、携帯用水筒等の用途に適するとのことである。すなわち、この技術は、今日のレジャー用の魔法瓶構造の水筒若しくはクーラボックスのような容器を念頭に置いて構成され、この用途における当時の要求を満たしたと考えられる。
【0009】
しかし、今日伝統的漆器および量産漆器に求められている課題としての低コストで視覚的高品質漆器を提供すること、および合成樹脂の生地に起因する量産漆器における問題点は、上記公報に開示される技術によっては到底達成されない。
【0010】
本発明は、視覚的高級感に寄与する要素として2色の着色漆塗料を斑模様をなして同時に現わす手法とともに、手触りや温度伝達特性を木質の生地を用いる漆器と同等のものにする要素として木質粉末(以下、「木粉」という)を採用することによって、伝統的漆器および量産漆器において低コストで高級な外観を実現するとともに、合成樹脂製の生地を用いる漆器においても、天然木の生地を用いる伝統漆器同様の手触りや温度特性等を実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための手段として本発明は、次のような構成を採用する。
【0012】
本発明に係る木粉含有塗膜層を有する漆器は、天然木切削または合成樹脂材料を所定形状に成形してなる生地に対し、天然漆または合成漆に木粉を混入し、高粘度に練成してなる異なる色の着色漆塗料を順次に重ね塗りし、生地の表面に最初に塗った第1層の着色漆塗膜層の色相と、次いで塗った第2層の着色漆塗膜層の色相とを斑模様をなして同時に表出してなり、この際の斑模様は、第1層の着色漆塗膜層の塗装肌を凹凸が連続する荒れ肌状に塗布乾燥し、該第1層の着色漆塗膜層上に第2層の着色漆塗膜層を塗布乾燥した後、該第2層の着色漆塗膜層上の凸部を滑らかに研削し、該第1層の着色漆塗膜層の塗装地の凹部に第2層の着色漆塗膜層の一部を残存させて形成することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、木粉を含む高粘度の天然漆または合成漆は、研削しても生地が現れない十分な厚みを有する塗膜層を簡単に形成することができる。生地に対して塗布される第1層の着色漆塗膜層は、表面に凹凸を有する荒れ肌に形成され、第2層の着色漆塗膜層は、第1層の着色漆塗膜層に密着させて形成される。したがって、第2層の着色漆塗膜層は、第1層の着色漆塗膜層の凹部に及んでいる。この状態で表面側を滑らかに研削すると、高い部分から順次に第2層の着色漆塗膜層の凸部が除去されるので、第1層の着色漆塗膜層の凸部とともに高い部分から塗膜層が除去され、第1層の着色漆塗膜層が部分的に表面に現れるとともに、第1層の着色漆塗膜層の凹部には、第2層の着色漆塗膜層が残存する。この結果、生地の表面には、色の異なる第1層の着色漆塗膜層と第2層の着色漆塗膜層との斑模様が形成される。また、含まれる木粉は、植物細胞のセル構造によって多量の空気を含むので、断熱性と適度な柔軟性とを備える木質特有の諸特性を発揮することができる。
【0014】
本発明に係る木粉含有塗膜層を斑模様に形成してなる漆器は、天然木製の生地にマスキング処理をした後、生地に第1層の着色漆塗膜層と第2層の着色漆塗膜層とを形成し、第1層の着色漆塗膜層の塗装肌の凹部に第2層の着色漆塗膜層の一部を残存させて第2層の着色漆塗膜層を研削除去した後、マスキング処理を解除することによって、天然木の木肌と第1層の着色漆塗膜層と第2層の着色漆塗膜層とによる斑模様とを同時に表出させることもできる。
【0015】
この構成によれば、天然木製の生地を用いた場合において、生地の表面にマスキング処理をすることによって、第1層および第2層の着色漆塗膜層の付着を部分的に忌避し、生地の木目をそのまま残すことができるので、完成した漆器の表面に天然木の木肌と斑模様とを同時に表出し、天然木の特徴を生かすことができる。
【0016】
本発明に係る木粉含有塗膜層を有する漆器は、表面に凹凸を残して第2層の着色漆塗膜層を研削除去することができる。
【0017】
この構成によれば、表面に凹凸を残すことによって、斑模様に加え、乾漆仕上げの仕上げ感をも備えるものとすることができる他、凹凸によって滑りを防止することができるので、安定な触感が実現される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を引用しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
本発明に係る木粉含有塗膜層を有する漆器は、漆器の種類を問わずに適用することが可能である。ここでは、椀10(図1)、浅皿20(図4)、菜箸30(図6)、重箱40(図7)を例示して説明する。なお、図示していないが、漆器としてこのほかにも多数のものに応用されており、例えば、丼、盆、弁当箱、膳、置物台等、一般家庭用として広く利用されている。
【0020】
椀10は、食品用合成樹脂材料を椀型に射出成形してなる生地11の内側面10Bをカシュー等の合成漆によって仕上げるとともに、外側面10Aには、斑模様の塗膜層Mが形成されている(図1(A),(B))。なお、同図(B)は、同図(A)の領域Eの拡大図である。
【0021】
斑模様の塗膜層Mの形成には、色の異なる顔料を用いた2種類の着色漆塗料を用意する。各着色漆塗料には、合成漆によく乾燥した木粉を混入し、高粘度に調整したものが用いられる。すなわち、粘度調整剤に代えて木粉を用いることにもなる。この際、混入される木粉は、木製漆器の生地を削り出すときに排出される天然木の切り粉が用いられる。この切り粉は、例えば椀10を切削する場合、欅の木をよく乾燥した後、轆轤のように回転しながら切削され、極めて粒子の細かい微粉末状になっており、混合するには好都合であり、切り粉の利用改善にも寄与する。
【0022】
生地11の表面には、最初にいずれか一方の着色漆塗料が表面に凹凸を形成するようにして塗布され、第1層の着色漆塗膜M1が形成される。この表面の凹凸は、着色漆塗料に木粉を混濁するので高粘度となっており、木粉を混入していない塗料よりも塗装したときの伸びがなく、必然的に形成される。通常の重ね塗りは、最初の塗装をよく固化させて行なうが、意図的に不十分な乾燥上に重ね塗りすることもある。
【0023】
第1層の着色漆塗膜M1は、自然乾燥または熱風乾燥によって十分に乾燥させる。次いで、この上に第2層の着色漆塗膜層M2を形成する(図1ないし図3)。従って、この第2層の着色漆塗料に混入する木粉は、第1層の着色漆塗料に混入した木粉量よりも少なくして、塗料としての伸びを重視する方が、よい結果が生じる。この際には、第1層の着色漆塗膜M1が完全に隠れる必要はなく、その凸部が現れていても差し支えない。
【0024】
第2層の着色漆塗膜層M2が完全に乾燥した後、表面を研削する。研削作業は、例えば、轆轤や木工用旋盤等の回転工具を利用し、回転する椀10に各種のポリッシュ部材を押し付けて実施する。したがって、研削作業は、用いるポリッシュ部材によっては、磨き作業を兼ねることとなる。研削作業は、第1層の着色漆塗膜M1の凸部が明瞭に現れる時点で完了する。この時点では、第1層の着色漆塗膜M1の凹部に第2層の着色漆塗膜M2が残存していることから、第1層の着色漆塗膜M1の凸部は、第2層の着色漆塗膜M2に対して島(ランド)として表出し、不定形の斑模様の塗膜層Mが形成される(図1(B),図3)。したがって、第1層および第2層の着色漆塗料の色調が鮮やかなコントラストをなし、高級感に富んだ外観を呈する。
【0025】
図3は、石川県工業試験場所有のデジタルマイクロスコープ(メーカー・型式:株式会社キーエンス VH−6200)によって、図1に示す椀10の一部断面を50倍に拡大して観察した模式図である。すなわち、塗膜層Mは生地11と第1層の着色漆塗膜M1が親密に塗装され、その塗膜M1の凹部または隙間に第2層の着色漆塗膜M2が融合もしくは浸入するように埋め込んでいる様子が観察できた。そして、その融合・浸入状態の外観は一定でなく、ランダムに形成されている。
【0026】
本発明の実施の形態として示す浅皿20は、一般的には茶托として用いられているが、天然木製の生地21を用いたものである。浅皿20の表面側には、マスキング処理をして形成した斑模様の塗装膜Mが部分的に形成され、したがって、その他の部分には、生地21の木肌がそのまま表出している(図4,図5)。マスキング処理は、市販のマスキングテープやカッティングシートを利用する方法で足りる。ここで、用いるカッティングシートSは、全体が円形に成形され、任意形状の抜き孔S1,S1が設けられている。これを浅皿20の表面20Aに貼り付けて、上記と同様の塗装作業および研削作業を実施すると、抜き孔S1,S1に対応する部分に斑模様の塗膜層Mが形成されるのである。
【0027】
本発明の実施の形態として示す菜箸30は、マスキング処理を行なって矢羽根形の図案を現わしたものである(図6)。第1層の着色漆塗膜層M1と第2層の着色漆塗膜層M2とは、天然漆または合成漆に混入する木粉の量を抑えた低粘度の漆塗料が用いてある。したがって、斑模様Mは、細かく現れている。漆塗料を塗布する面積が小さいため、大きい斑模様の表現に適さないとともに、マスキングテープを剥がす際に欠落する塗膜層が目に付き易いからである。
【0028】
本発明の実施の形態として示す重箱40は、本体41と重蓋42とからなり、重蓋42の半分には、対角線位置で区画した斬新な斑模様の塗膜層Mが形成されている(図7)。第1層の着色漆塗膜層M1と第2層の着色漆塗膜層M2とによる斑模様は、塗布面積に応じた大きな模様として表出されている。この塗膜層Mは、重蓋42の上面全体であっても、また、本体41の外周にも実施することは可能である。
【0029】
なお、上記いずれの実施の形態においても、研削作業後は、つや出しもしくはクリヤ仕上げを行うと、さらに光沢が得られる。そしてまた、研削作業は、斑模様の塗膜層Mの表面に凹凸を残した状態とすることができる。表面を完全に平滑に仕上げたものとは異なる視覚的高級感を演出することができ、従来の漆器になかった美観の他、実用的にも滑り難いという利点が得られる。
【0030】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る木粉含有塗膜層を斑模様に形成してなる漆器は、天然漆または合成漆に木粉を混入し、高粘度に練成してなる異なる色の着色漆塗料を生地に重ね塗りし、第1層の着色漆塗膜層の塗装肌の凹部に第2層の着色漆塗膜層の一部を残存させて第2層の着色漆塗膜層を研削除去することによって、生地の表面に最初に塗った第1層の着色漆塗膜層の色相と、次いで塗る第2層の着色漆塗膜層の色相とを斑模様をなして同時に表出させることができるので、漆器としての新しいデザイン境地に基づく視覚的高品質感を創出するとともに、天然漆または合成漆に含まれる木粉による軟らかい触感および保温性、保冷性に優れた温度伝達特性が実現され、さらには、木製漆器製造上発生する木粉の処理を有効利用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明に係る椀の実施の形態を示す斜視図。
(B)本発明に係る椀の実施の形態を示す表面の拡大図。
【図2】本発明に係る椀の実施の形態を示すX−X線断面図。
【図3】本発明に係る椀の一部断面をデジタルマイクロスコープで観察した模式図。
【図4】本発明に係る浅皿の実施の形態を示す斜視図。
【図5】本発明に係る浅皿の実施の形態を示す平面図。
【図6】本発明に係る菜箸の実施の形態を示す平面図。
【図7】本発明に係る重箱の実施の形態を示す要部の斜視図。
【符号の説明】
M (斑模様の)塗膜層
M1 第1層の着色漆塗膜層
M2 第2層の着色漆塗膜層
10 椀
11 生地
20 浅皿
21 生地
30 菜箸
40 重箱
Claims (3)
- 天然木を切削または合成樹脂材料を所定形状に成形してなる生地に対し、天然漆または合成漆に木粉を混入し、高粘度に練成してなる異なる色の着色漆塗料を順次に重ね塗りし、生地の表面に最初に塗った第1層の着色漆塗膜層の色相と、次いで塗った第2層の着色漆塗膜層の色相とを斑模様をなして同時に表出してなり、
該斑模様は、第1層の着色漆塗膜層の塗装地には凹凸が連続する荒れ肌状に塗布して乾燥し、ついで、該第1層の着色漆塗膜層上に第2層の着色漆塗膜層を塗布乾燥した後、該第2層の着色漆塗膜層上の凸部を滑らかに研削し、第1層の着色漆塗膜層の塗装地の凹部に第2層の着色漆塗膜層を残存させて形成すること、を特徴とする、
木粉含有塗膜層を有する漆器。 - 天然木製の生地にマスキング処理をした後、該生地に第1層の着色漆塗膜層と第2層の着色漆塗膜層とを形成し、第1層の着色漆塗膜層の塗装肌の凹部に第2層の着色漆塗膜層の一部を残存させて第2層の着色漆塗膜層を研削除去した後、
マスキング処理を解除することによって、天然木の木肌と第1層の着色漆塗膜層と第2層の着色漆塗膜層とによる斑模様とを同時に表出すること、を特徴とする、
請求項1に記載の木粉含有塗膜層を有する漆器。 - 表面に凹凸を残して第2層の着色漆塗膜層の凸部を研削除去すること、を特徴とする、
請求項1または請求項2に記載の木粉含有塗膜層を有する漆器。
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