JP5418136B2 - ポリアリーレンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアリーレンの製造方法に関する。
芳香族ジハライド化合物を重合して得られるポリアリーレンは、陽イオン交換樹脂、吸水性樹脂、固体高分子形燃料電池用の高分子電解質等に有用である。
ポリアリーレンの製造方法としては、例えば、特許文献1には、分子の両端に塩素原子を有するポリエーテルスルホンに、芳香族ジハライド化合物として4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)をニッケル触媒の存在下にカップリング反応させる方法が記載されている。
特開2008−285661号公報(実施例)
従来の製造方法では、カップリング反応が過度に進行し、所望の分子量よりも高い分子量を有するポリアリーレンを与える場合や、カップリング反応が十分に進行せず、十分な量の芳香族ジハライド化合物がカップリング反応しない場合があり、所望の分子量を有するポリアリーレンを製造することは必ずしも容易ではなかった。
このような状況下、本発明者は、芳香族ジハライド化合物をカップリング反応させて、所望の分子量を有するポリアリーレンを与える製造方法を見出すため鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。
すなわち、本発明は、
<1> 溶媒、触媒量の遷移金属錯体、1種以上の芳香族ジハライド化合物、および、前記遷移金属錯体1モルに対して、カルボキシル基を有する化合物、水酸基を有する化合物、アミノ基を有する化合物および水からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物2〜20モルを含む混合物を攪拌することにより芳香族ジハライド化合物のカップリング反応を行うことを特徴とするポリアリーレンの製造方法;
<2> 芳香族ジハライド化合物が、式(1)
Figure 0005418136
(式中、Xは独立して、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表わす。Arは、2価の芳香族基を表わし、該2価の芳香族基は、下記(a)〜(f)からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい。
(a)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基
(b)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基
(c)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数6〜20のアリール基
(d)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基
(e)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数2〜20のアシル基
(f)−SO−O−で示される基を含む基)
で示される芳香族ジハライド化合物を含む<1>記載のポリアリーレンの製造方法;
<3> 混合物が、さらに、式(2)
Figure 0005418136
(式中、a、bおよびcはそれぞれ独立して、0または1を表わし、nは5以上の整数を表わす。YおよびYはそれぞれ独立して、単結合、−CO−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−またはフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。
およびZはそれぞれ独立して、酸素原子または硫黄原子を表わす。Xは独立して、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表わす。Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立して、2価の芳香族基を表わす。ここで、該2価の芳香族基は、下記(g)〜(k)からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい。
(g)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基
(h)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基
(i)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基および炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数6〜20のアリール基
(j)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基
(k)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数2〜20のアシル基)
で示される化合物を含む<1>または<2>に記載のポリアリーレンの製造方法;
<4> 遷移金属錯体が、ニッケル錯体である<1>〜<3>のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法;
<5> ニッケル錯体が、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)と含窒素二座配位子とから調製される錯体である<4>記載のポリアリーレンの製造方法;
<6> ニッケル錯体が、ハロゲン化ニッケルと含窒素二座配位子とから、亜鉛の共存下で調製される錯体である<4>記載のポリアリーレンの製造方法;
<7> カルボキシル基を有する化合物、水酸基を有する化合物、アミノ基を有する化合物および水からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が、水である<1>〜<6>のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法;
<8> Arが、式(3)
Figure 0005418136
(式中、Rは独立して、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、シアノ基または−SO−O−で示される基を含む基を表わし、mは0〜4の整数を表わす。)
で示される基である<2>〜<7>のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法;
<9> Arが、式(4)
Figure 0005418136
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、シアノ基または−SO−O−で示される基を含む基を表わし、jは0〜4の整数を表わし、kは0〜4の整数を表わす。)
で示される基である<2>〜<7>のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法;
<10> 式(3)で示される基が、一つ以上の式(5)
Figure 0005418136
(式中、Rは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルキル基で置換されていてもよいアンモニウム、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を表わし、前記炭素数1〜20のアルキル基および炭素数6〜20のアリール基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基およびシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい。)
で示される基を有する<8>記載のポリアリーレンの製造方法;
<11> 式(4)で示される基が、一つ以上の式(5)
Figure 0005418136
(式中、Rは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルキル基で置換されていてもよいアンモニウム、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を表わし、前記炭素数1〜20のアルキル基および炭素数6〜20のアリール基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基およびシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい。)
で示される基を有する<9>記載のポリアリーレンの製造方法;
等である。
本発明の製造方法によれば、所望の分子量を有するポリアリーレンを製造することが可能である。
本発明は、溶媒、触媒量の遷移金属錯体、1種以上の芳香族ジハライド化合物、および、前記遷移金属錯体1モルに対して、カルボキシル基を有する化合物、水酸基を有する化合物、アミノ基を有する化合物および水からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物2〜20モルを含む混合物を攪拌することにより芳香族ジハライド化合物のカップリング反応を行うことを特徴とするポリアリーレンの製造方法である。
本発明において、”芳香族ジハライド化合物”は、芳香環およびヘテロ芳香環からなる群から選ばれる少なくとも一つの環を有し、芳香環またはヘテロ芳香環に結合するハロゲン原子を2つ有する化合物を意味する。芳香族ジハライド化合物は、2つのハロゲン原子が一つの芳香環またはヘテロ芳香環に結合している化合物であってもよいし、1つのハロゲン原子が結合した芳香環またはヘテロ芳香環を2つ有する化合物であってもよい。1つのハロゲン原子が結合した芳香環またはヘテロ芳香環を2つ有する化合物において、2つの芳香環またはヘテロ芳香環は直接結合していてもよいし、連結基を介して結合していてもよい。
芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環およびフェナントレン環が挙げられ、ベンゼン環およびナフタレン環が好ましく、ベンゼン環が好ましい。
ヘテロ芳香環としては、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環およびキノキサリン環が挙げられる。
芳香族ジハライド化合物の2つのハロゲン原子は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。かかるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられ、塩素原子および臭素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
本発明の製造方法において、好ましい芳香族ジハライド化合物としては、式(1)
Figure 0005418136
(式中、Xは独立して、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表わす。Arは、2価の芳香族基を表わし、該2価の芳香族基は、下記(a)〜(f)からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい。
(a)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基
(b)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基
(c)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数6〜20のアリール基
(d)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基
(e)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数2〜20のアシル基
(f)−SO−O−で示される基を含む基)
で示される芳香族ジハライド化合物(以下、化合物(1)と略記する。)が挙げられる。
2価の芳香族基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基等の芳香族基、および、ピリジンジイル基、キノキサリンジイル基、チオフェンジイル基等のヘテロ芳香族基が挙げられ、芳香族基が好ましく、フェニレン基およびビフェニレン基がより好ましい。
(a)、(c)、(d)および(e)における炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、2−メチルペンチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基およびイコシル基が挙げられる。
(a)〜(e)における炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基およびイコシルオキシ基等が挙げられ、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。
(a)、(b)、(c)および(e)における炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−フェナントリル基および2−アントリル基が挙げられる。
(a)〜(e)における炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、3−フェナントリルオキシ基、2−アントリルオキシ基等の前記炭素数6〜20のアリール基と酸素原子とから構成されるものが挙げられる。
(e)における炭素数2〜20のアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の炭素数2〜20の脂肪族または芳香族アシル基が挙げられる。
(f)における−SO−O−で示される基を含む基としては、式(5)
Figure 0005418136
(式中、Rは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルキル基で置換されていてもよいアンモニウム、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を表わし、前記炭素数1〜20のアルキル基および炭素数6〜20のアリール基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基およびシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい。)
で示される基および式(5)で示される基と連結基とが結合した基が挙げられ、式(5)で示される基が好ましい。
式(5)におけるアルカリ金属原子としては、ナトリウム原子、カリウム原子およびリチウム原子が挙げられ、アルカリ土類金属原子としては、マグネシウム原子およびカルシウム原子が挙げられる。アルキル基で置換されていてもよいアンモニウムとしては、アンモニウムおよびメチルアンモニウム等の炭素数1〜10のアルキル基で置換されたアンモニウムが挙げられる。
式(5)における炭素数1〜20のアルキル基としては、前記(a)、(c)、(d)および(e)における炭素数1〜20のアルキル基と同様の基が挙げられる。式(5)における炭素数6〜20のアリール基としては、前記(a)、(b)、(c)および(e)における炭素数6〜20のアリール基と同様の基が挙げられる。式(5)における炭素数1〜20のアルコキシ基としては、前記(a)〜(e)における炭素数1〜20のアルコキシ基と同様の基が挙げられる。式(5)における炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、前記(a)〜(e)における炭素数6〜20のアリールオキシ基と同様の基が挙げられる。式(5)における炭素数2〜20のアシル基としては、前記(e)における炭素数2〜20のアシル基と同様の基が挙げられる。
式(5)で示される基と連結基が結合した基における連結基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基等の炭素数1〜20のアルキレン基、オキシメチレン基、オキシエチレン基等の炭素数1〜20のオキシアルキレン基、フェニレン基、ナフタレンジイル基等のアリーレン基、メチレンフェニレン基、ジメチレンフェニレン基および炭素数7〜20のカルボニルアリーレン基が挙げられる。
Arが(f)を有する2価の芳香族基である化合物(1)が好ましい。
Arが、式(3)
Figure 0005418136
(式中、Rは独立して、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、シアノ基または−SO−O−で示される基を含む基を表わし、mは0〜4の整数を表わす。)
で示される基である化合物(1)およびArが、式(4)
Figure 0005418136
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、シアノ基または−SO−O−で示される基を含む基を表わし、jは0〜4の整数を表わし、kは0〜4の整数を表わす。)
で示される基である化合物(1)が好ましい。
式(3)および(4)における炭素数1〜20のアルキル基としては、前記(a)、(c)、(d)および(e)における炭素数1〜20のアルキル基と同様の基が挙げられる。式(3)および(4)における炭素数6〜20のアリール基としては、前記(a)、(b)、(c)および(e)における炭素数6〜20のアリール基と同様の基が挙げられる。式(3)および(4)における炭素数1〜20のアルコキシ基としては、前記(a)〜(e)における炭素数1〜20のアルコキシ基と同様の基が挙げられる。式(3)および(4)における炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、前記(a)〜(e)における炭素数6〜20のアリールオキシ基と同様の基が挙げられる。式(3)および(4)における炭素数2〜20のアシル基としては、前記(e)における炭素数2〜20のアシル基と同様の基が挙げられる。式(3)および(4)における−SO−O−で示される基を含む基としては、前記式(5)で示される基および式(5)で示される基と連結基が結合した基が挙げられる。
式(3)および(4)で示される基としては、1つ以上の式(5)で示される基を有する基であることが好ましい。
化合物(1)において、2つのXは同一であってもよいし、異なっていてもよい。Xは同一であることが好ましい。Xは塩素原子または臭素原子であることが好ましく、塩素原子であることがより好ましい。
Arが、式(3)で示される基である化合物(1)としては、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,3−ジブロモベンゼン、1,4−ジブロモベンゼン、1,3−ジヨードベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、2,4−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロトルエン、3,5−ジクロロトルエン、2,4−ジブロモトルエン、2,5−ジブロモトルエン、3,5−ジブロモトルエン、2,4−ジヨードトルエン、2,5−ジヨードトルエン、3,5−ジヨードトルエン、1,3−ジクロロ−4−メトキシベンゼン、1,4−ジクロロ−3−メトキシベンゼン、1,3−ジブロモ−4−メトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−3−メトキシベンゼン、1,3−ジヨード−4−メトキシベンゼン、1,4−ジヨード−3−メトキシベンゼン、1,3−ジクロロ−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジクロロ−3−アセトキシベンゼン、1,3−ジブロモ−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−3−アセトキシベンゼン、1,3−ジヨード−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジヨード−3−アセトキシベンゼン、2,5−ジクロロベンゾフェノン、2,5−ジブロモベンゾフェノン、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジブロモ−4’−フェノキシベンゾフェノン、
2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸カリウム、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸リチウム、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸オクチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ペンタデシル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−ドデシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−イコシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸オクチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ペンタデシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イコシル、
2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸ナトリウム、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸カリウム、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸リチウム、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸オクチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸ペンタデシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−ドデシル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−イコシル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸オクチル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸ペンタデシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イコシル、
2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸ナトリウム、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸カリウム、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸リチウム、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸オクチル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸ペンタデシル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−ドデシル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−イコシル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸オクチル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸ペンタデシル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イコシル、
2,4−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジクロロ−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモ−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモ−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨード−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨード−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジクロロ−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロ−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモ−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモ−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨード−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨード−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、
4−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、4−(2,5−ジブロモベンゾイル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、4−(2,5−ジヨードベンゾイル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3−(2,5−ジブロモベンゾイル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)および3−(2,5−ジヨードベンゾイル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)が挙げられる。
Arが、式(3)で示される基である化合物(1)は、市販されているものを用いてもよいし、特開2007−284653号公報等に記載の公知の方法に従って製造したものを用いてもよい。
Arが、式(4)で示される基である化合物(1)としては、2,2’−ジクロロビフェニル、2,2’−ジブロモビフェニル、2,2’−ジヨードビフェニル、3,3’−ジクロロビフェニル、3,3’−ジブロモビフェニル、3,3’−ジヨードビフェニル、4,4’−ジクロロビフェニル、4,4’−ジブロモビフェニル、4,4’−ジヨードビフェニル、
4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ナトリウム、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸カリウム、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸リチウム、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ナトリウム、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸カリウム、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸リチウム、
4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ナトリウム、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸カリウム、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸リチウム、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ナトリウム、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸カリウム、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸リチウム、
4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジメチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジエチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジブチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジオクチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジペンタデシル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイコシル、
4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジメチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジエチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジプロピル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジブチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジオクチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジペンタデシル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイコシル、
4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジメチル、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジエチル、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジブチル、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジオクチル、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジペンタデシル、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジイコシル、
4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジメチル、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジエチル、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジプロピル、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジブチル、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジオクチル、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジペンタデシルおよび4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジイコシルが挙げられる。
Arが、式(4)で示される基である化合物(1)は、市販されているものを用いてもよいし、特開2007−270118号公報等に記載の公知の方法に従って製造したものを用いてもよい。
本発明の製造方法では、芳香族ジハライド化合物に加えて、式(2)
Figure 0005418136
(式中、a、bおよびcはそれぞれ独立して、0または1を表わし、nは5以上の整数を表わす。YおよびYはそれぞれ独立して、単結合、−CO−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−またはフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。
およびZはそれぞれ独立して、酸素原子または硫黄原子を表わす。Xは独立して、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表わす。Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立して、2価の芳香族基を表わす。ここで、該2価の芳香族基は、下記(g)〜(k)からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい。
(g)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基
(h)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基
(i)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基および炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数6〜20のアリール基
(j)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基
(k)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数2〜20のアシル基)
で示される化合物(以下、化合物(2)と略記する。)を用いてもよい。
(g)、(i)、(j)および(k)における炭素数1〜20のアルキル基としては、前記(a)、(c)、(d)および(e)における炭素数1〜20のアルキル基と同様の基が挙げられる。(g)、(h)、(i)および(k)における炭素数6〜20のアリール基としては、前記(a)、(b)、(c)および(e)における炭素数6〜20のアリール基と同様の基が挙げられる。(g)〜(k)における炭素数1〜20のアルコキシ基としては、前記(a)〜(e)における炭素数1〜20のアルコキシ基と同様の基が挙げられる。(g)〜(k)における炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、前記(a)〜(e)における炭素数6〜20のアリールオキシ基と同様の基が挙げられる。(k)における炭素数2〜20のアシル基としては、前記(e)における炭素数2〜20のアシル基と同様の基が挙げられる。
化合物(2)としては、以下に示す化合物および下記化合物の両末端の塩素原子が臭素原子に代わった化合物が挙げられる。
Figure 0005418136
Figure 0005418136
Figure 0005418136
Figure 0005418136
Figure 0005418136
Figure 0005418136
かかる化合物(2)は、日本特許第2745727号明細書等に記載の公知の方法に従って製造したものを用いてもよいし、市販されているものを用いてもよい。市販されているものとしては、住友化学株式会社製スミカエクセルPES等が挙げられる。
化合物(2)としては、ポリスチレン換算の重量平均分子量が2,000以上のものを用いることが好ましく、3,000以上であるものがより好ましい。
本発明の製造方法では、1種以上の芳香族ジハライド化合物が用いられ、対応する繰り返し単位を有するポリアリーレンが得られる。
芳香族ジハライド化合物として、化合物(1)のみを用いた場合、式(6)
Figure 0005418136
(式中、Arは上記と同一の意味を表わす。)
で示される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(6)と略記する。)
のみからなるポリアリーレンが得られる。
芳香族ジハライド化合物として、化合物(1)と化合物(1)とは異なる芳香族ジハライド化合物とを用いた場合、繰り返し単位(6)と化合物(1)とは異なる芳香族ジハライド化合物に由来する繰り返し単位とを含むポリアリーレンが得られる。
芳香族ジハライド化合物として、化合物(1)を用い、さらに、化合物(2)を用いた場合、繰り返し単位(6)と式(7)
Figure 0005418136
(式中、a、b、c、n、Ar、Ar、Ar、Ar、Y、Y、ZおよびZはそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)
で示されるセグメント(以下、セグメント(7)と略記する。)とを含むポリアリーレンが得られる。
繰り返し単位(6)を含むポリアリーレンにおいては、例えば、少なくとも2個の繰り返し単位(6)が連続しているものなどを挙げることができる。
繰り返し単位(6)を含むポリアリーレンは、繰り返し単位(6)以外の繰り返し単位やセグメントを含んでいてもよい。繰り返し単位(6)とセグメント(7)とを含むポリアリーレンは、繰り返し単位(6)とセグメント(7)のみからなるポリアリーレンであってもよいし、繰り返し単位(6)とセグメント(7)に加えて、繰り返し単位(6)とセグメント(7)以外の繰り返し単位やセグメントを含んでいてもよい。
本発明の製造方法で得られるポリアリーレンのポリスチレン換算の重量平均分子量は、例えば、5,000〜600,000の範囲等を挙げることができる。
繰り返し単位(6)としては、下記式(6a)〜(6i)で示される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0005418136
Figure 0005418136
セグメント(7)としては、式(7a)〜(7x)で示されるセグメントが挙げられる。なお、下記式中、nは上記と同一の意味を表わし、nは5以上が好ましく、より好ましくは10以上である。かかるセグメント(7)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、例えば、2,000以上等を挙げることができ、好ましくは3,000以上等が挙げられる。
Figure 0005418136
Figure 0005418136
Figure 0005418136
Figure 0005418136
Figure 0005418136
Figure 0005418136
Figure 0005418136
繰り返し単位(6)とセグメント(7)とを含むポリアリーレンとしては、前記式(6a)〜(6i)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位と前記式(7a)〜(7x)で示されるセグメントのうちのいずれか一つのセグメントとを含むポリアリーレンが挙げられる。具体的には、下記式(I)〜(X)で示されるポリアリーレンが挙げられる。ここで、下記式中、nは前記と同一の意味を表わし、pは2以上の整数を表わす。
Figure 0005418136
Figure 0005418136
Figure 0005418136
Figure 0005418136
繰り返し単位(6)とセグメント(7)とを含むポリアリーレン中の繰り返し単位(6)の含有量は、当該ポリアリーレンの総重量を基準として、5重量%以上、95重量%以下が好ましく、30重量%以上、90重量%以下がより好ましい。繰り返し単位(6)とセグメント(7)とを含むポリアリーレン中のセグメント(7)の含有量は、当該ポリアリーレンの総重量を基準として、5重量%以上、95重量%以下が好ましく、10重量%以上、70重量%以下がより好ましい。
繰り返し単位(6)を含むポリアリーレンは、触媒量の遷移金属錯体の存在下に、化合物(1)を含む芳香族ジハライド化合物のカップリング反応を行うことにより製造することができる。
繰り返し単位(6)のみからなるポリアリーレンは、化合物(1)のみを、触媒量の遷移金属錯体の存在下にカップリングさせることにより製造することができる。繰り返し単位(6)とセグメント(7)とを含むポリアリーレンは、触媒量の遷移金属錯体の存在下に、化合物(1)と化合物(2)とを含む芳香族ジハライド化合物をカップリングさせることにより製造することができる。
また、化合物(1)のみを、触媒量の遷移金属錯体の存在下に、カップリングさせた後、化合物(2)を加えてさらにカップリング反応を行うことにより、繰り返し単位(6)とセグメント(7)とを含むポリアリーレンを製造することもできる。
芳香族ジハライド化合物中の化合物(1)の含量を調整することにより、得られるポリアリーレン中の繰り返し単位(6)の含量を調整することができる。
本発明で用いられる遷移金属錯体としては、ニッケル錯体、パラジウム錯体、白金錯体および銅錯体が挙げられる。中でも、ゼロ価の遷移金属錯体が好ましく、ゼロ価ニッケル錯体、ゼロ価パラジウム錯体等のゼロ価遷移金属錯体が好ましく用いられ、ゼロ価ニッケル錯体がより好ましい。ゼロ価ニッケル錯体としては、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)、ニッケル(0)(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)およびニッケル(0)テトラキス(トリフェニルホスフィン)が挙げられ、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)が好ましい。
ゼロ価遷移金属錯体は、市販されているものを用いてもよいし、公知の方法に従って予め調製したものを用いてもよい。また、重合反応系中で、遷移金属化合物と、亜鉛等の還元剤とを接触させることにより、重合反応系中でゼロ価遷移金属錯体を調製してもよい。遷移金属化合物としては、例えば、2価の遷移金属化合物等のゼロ価以外の遷移金属化合物などが用いられ、2価の遷移金属化合物が好ましい。なかでも、ニッケル化合物が好ましく、2価ニッケル化合物が好ましい。2価ニッケル化合物としては、ハロゲン化ニッケル(例えば、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル等)、ニッケルカルボン酸塩(例えば、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル等)、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、(ジメトキシエタン)塩化ニッケル等の2価ニッケル化合物が挙げられ、ハロゲン化ニッケルが好ましい。
本発明の製造方法においては、触媒量の遷移金属錯体が用いられ、具体的には、芳香族ジハライド化合物1モルに対して、例えば、0.01〜0.99モルの範囲等を挙げることができ、好ましくは0.01〜0.5モルの範囲等が挙げられる。
遷移金属錯体の配位子となり得る化合物(以下、配位子化合物と略記する。)を含むことが好ましい。
配位子化合物としては、含窒素二座配位子が好ましい。含窒素二座配位子としては、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられ、2,2’−ビピリジンが好ましい。含窒素二座配位子を用いる場合のその使用量は、遷移金属錯体1モルに対して、例えば、0.5〜2モルの範囲等が挙げられ、好ましくは0.8〜1.5モルの範囲等が挙げられる。
また、本発明の製造方法では、亜鉛の共存下にカップリング反応を行うことが好ましい。亜鉛は粉末状のものが取り扱いやすいことから好ましい。亜鉛を用いる場合のその使用量は、芳香族ジハライド化合物1モルに対して、1モル以上が好ましく、5モル以下、好ましくは3モル以下であると、カップリング反応後の処理が容易になり、また経済的にも有利となる傾向があることから好ましい。
亜鉛を用いる場合、メタンスルホン酸等の酸で亜鉛を活性化させて用いてもよい。
芳香族ジハライド化合物のカップリング反応は、溶媒の存在下に行われることが好ましい。溶媒としては、芳香族ジハライド化合物および生成するポリアリーレンが溶解し得る溶媒であればよい。かかる溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒等が挙げられる。かかる溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、エーテル溶媒および非プロトン性極性溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルアセトアミドがより好ましい。溶媒の使用量は、芳香族ジハライド化合物1重量部に対して、例えば、1〜200重量倍の範囲等を挙げることができ、好ましくは5〜100重量倍の範囲等が挙げられる。前記範囲であると、分子量が適度に調整される傾向があり、結果として、反応混合物の性状に優れ、取扱いが容易になる傾向があることから好ましい。
カップリング反応は、例えば、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で行われる。
反応温度は、例えば、0〜250℃の範囲等を挙げることができ、好ましくは0〜100℃の範囲等が挙げられる。
反応時間は、例えば、0.5〜48時間の範囲等を挙げることができる。
カップリング反応は、溶媒、触媒量の遷移金属錯体、1種以上の芳香族ジハライド化合物、および、前記遷移金属錯体1モルに対して、カルボキシル基を有する化合物、水酸基を有する化合物、アミノ基を有する化合物および水からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物2〜20モルを含む混合物を攪拌する。このことにより、カップリング反応が良好に進行するだけでなく、カップリング反応が過度に進行するのを防ぐことができ、所望の分子量、例えば、5,000〜600,000の範囲等の重量平均分子量を有するポリアリーレンを得ることができる。そのため、反応混合物からのポリアリーレンの取り出しも容易となる。
遷移金属錯体1モルに対して、カルボキシル基を有する化合物、水酸基を有する化合物、アミノ基を有する化合物および水からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物が前記混合物中に2モル以上存在すると、カップリング反応が十分に進行することから好ましい。また、遷移金属錯体1モルに対して、カルボキシル基を有する化合物、水酸基を有する化合物、アミノ基を有する化合物および水からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物が20モル以下、好ましくは10モル以下であると、過度なカップリング反応の進行が抑制され、結果として、反応混合物からのポリアリーレンの取り出し操作が容易となる傾向があることから好ましい。
例えば、式(2)で表わされる化合物に芳香族ジハライド化合物のカップリング反応させる場合、上記化合物が2〜20モルの範囲内であると、所望の分子量(例えば、重量平均分子量5,000〜600,000)を有するポリアリーレンを与えることができる。
カルボキシル基を有する化合物、水酸基を有する化合物、アミノ基を有する化合物および水の中でも、水酸基を有する化合物および水が好ましく、水がより好ましい。
カルボキシル基を有する化合物としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、アクリル酸、メタクリル酸、イソ酪酸、イタコン酸、オクチル酸、オレイン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコンン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、フルオロ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸等が挙げられる。
水酸基を有する化合物としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、シクロヘキサノール、アリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
アミノ基を有する化合物としては、メチルアミン、アリルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、tert−ブチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン等が挙げられる。
また、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、乳酸エチル、グリセリン酸、ヒドロキシマロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸等のカルボキシル基と水酸基とを有する化合物も用いることができる。
カップリング反応終了後、例えば、生成したポリアリーレンを溶解しない溶媒または溶解しにくい溶媒と反応混合物とを混合してポリアリーレンを析出させ、析出したポリアリーレンを濾過により、得られた混合物から分離することにより、ポリアリーレンを取り出すことができる。また、生成したポリアリーレンを溶解しない溶媒または溶解しにくい溶媒と反応混合物とを混合した後、塩酸等の酸の水溶液を得られた混合物に加え、析出したポリアリーレンを濾過により、得られた混合物から分離してもよい。
得られたポリアリーレンの分子量や構造は、ゲル浸透クロマトグラフィ、NMR等の分析手段により分析することができる。生成したポリアリーレンを溶解しない溶媒または溶解しにくい溶媒としては、水、メタノール、エタノール、アセトニトリル等が挙げられ、水およびメタノールが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。得られたポリアリーレンを、ゲル浸透クロマトグラフィにより分析し、分析結果からポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を算出した。
<分析条件>
測定装置:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)
カラム:TSK−GEL(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
移動相:臭化リチウム含有N,N−ジメチルアセトアミド(臭化リチウム濃度:10mmol/dm
流量:0.5mL/分
検出波長:300nm
[実施例1]
窒素置換した反応容器に、臭化ニッケル1.45g、2,2’−ビピリジン1.04gおよびN−メチル−2−ピロリドン129.8gを加えた。得られた混合物を65℃で2時間攪拌した後、20℃に冷却し、ニッケル含有溶液を調製した。
窒素置換した別の反応容器に、下記式
Figure 0005418136
で示されるスミカエクセルPES 3600P(住友化学株式会社製;Mw=37,000、Mn=22,000:上記分析条件で測定)10.74g、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)19.00g、亜鉛粉末3.26gおよびN−メチルピロリドン127.2gを加えた。得られた混合物を40℃で2時間攪拌した。得られた溶液に、メタンスルホン酸38mgとN−メチル−2−ピロリドン2.6gとを混合することにより調製した溶液を加えた。得られた混合溶液を40℃で3時間攪拌した後、20℃に冷却し、モノマー溶液を得た。
得られたモノマー溶液とニッケル含有溶液とを混合して得られる混合物中の水の量が、ニッケル錯体1モルに対して、2.4モルとなるよう、ニッケル含有溶液に水を加えた。得られた水およびニッケル含有溶液をモノマー溶液に注ぎ、得られた混合物を20℃で13時間攪拌し、カップリング反応を行った。得られたポリアリーレンを含む反応混合物は流動性のよい溶液であった。また、該反応混合物と該ポリアリーレンを溶解しにくい溶媒とを混合することにより、下記式(6i)
Figure 0005418136
で示される繰り返し単位と下記式(7b)
Figure 0005418136
で示されるセグメントを含み、Mwが470,000であるポリアリーレンを、反応混合物から容易に取り出すことができた。
[実施例2]
実施例1において、得られたモノマー溶液とニッケル含有溶液とを混合して得られる混合物中の水の量が、ニッケル錯体1モルに対して、4.7モルとなるよう、ニッケル含有溶液に水を加えた以外は、実施例1と同様にカップリング反応を実施し、上記式(6i)で示される繰り返し単位と上記式(7b)で示されるセグメントとを含み、Mwが375,000であるポリアリーレンを得た。得られたポリアリーレンを含む反応混合物は流動性のよい溶液であった。また、該反応混合物と該ポリアリーレンを溶解しにくい溶媒とを混合することにより、前記ポリアリーレンを容易に取り出すことができた。
[実施例3]
実施例1において、得られたモノマー溶液とニッケル含有溶液とを混合して得られる混合物中の水の量が、ニッケル錯体1モルに対して、6.0モルとなるよう、ニッケル含有溶液に水を加えた以外は、実施例1と同様にカップリング反応を行い、上記式(6i)で示される繰り返し単位と上記式(7b)で示されるセグメントとを含み、Mwが323,000であるポリアリーレンを得た。得られたポリアリーレンを含む反応混合物は流動性のよい溶液であった。また、該反応混合物と該ポリアリーレンを溶解しにくい溶媒とを混合することにより、前記ポリアリーレンを容易に取り出すことができた。
[実施例4]
実施例1において、得られたモノマー溶液とニッケル含有溶液とを混合して得られる混合物中の水の量が、ニッケル錯体1モルに対して、7.3モルとなるよう、ニッケル含有溶液に水を加えた以外は、実施例1と同様にカップリング反応を行い、上記式(6i)で示される繰り返し単位と上記式(7b)で示されるセグメントとを含み、Mwが284,000であるポリアリーレンを得た。得られたポリアリーレンを含む反応混合物は流動性のよい溶液であった。また、該反応混合物と該ポリアリーレンを溶解しにくい溶媒とを混合することにより、前記ポリアリーレンを容易に取り出すことができた。
[実施例5]
実施例1において、得られたモノマー溶液とニッケル含有溶液とを混合して得られる混合物中の水の量が、ニッケル錯体1モルに対して、8.6モルとなるよう、ニッケル含有溶液に水を加えた以外は、実施例1と同様にカップリング反応を行い、上記式(6i)で示される繰り返し単位と上記式(7b)で示されるセグメントとを含み、Mwが246,000であるポリアリーレンを得た。得られたポリアリーレンを含む反応混合物は流動性のよい溶液であった。また、該反応混合物と該ポリアリーレンを溶解しにくい溶媒とを混合することにより、前記ポリアリーレンを容易に取り出すことができた。
[実施例6]
実施例1において、得られたモノマー溶液とニッケル含有溶液とを混合して得られる混合物中の水の量が、ニッケル錯体1モルに対して、17.4モルとなるよう、ニッケル含有溶液に水を加えた以外は、実施例1と同様にカップリング反応を行い、上記式(6i)で示される繰り返し単位と上記式(7b)で示されるセグメントとを含み、Mwが69,000であるポリアリーレンを得た。得られたポリアリーレンを含む反応混合物は流動性のよい溶液であった。また、該反応混合物と該ポリアリーレンを溶解しにくい溶媒とを混合することにより、前記ポリアリーレンを容易に取り出すことができた。
[参考例1]
実施例1において、得られたモノマー溶液とニッケル含有溶液とを混合して得られる混合物中の水の量が、ニッケル錯体1モルに対して、1.5モルとなるよう、ニッケル含有溶液に水を加えた以外は、実施例1と同様にカップリング反応を行った。得られたポリアリーレンを含む反応混合物は流動性が乏しく、そのため、反応容器から、ポリアリーレンを取り出すことはできなかった。反応容器中のポリアリーレンの一部をスパチュラで削り取り、ゲル浸透クロマトグラフィで分析したところ、Mwは774,000であった。
[参考例2]
実施例1において、得られたモノマー溶液とニッケル含有溶液とを混合して得られる混合物中の水の量が、ニッケル錯体1モルに対して、23.1モルとなるよう、ニッケル含有溶液に水を加えた以外は、実施例1と同様にカップリング反応を行い、反応混合物を得た。反応混合物から取り出したポリマーのMwは35,000であった。得られたポリマーのMwが用いたスミカエクセルPES 3600PのMwとほぼ同じであったことから、カップリング反応はほとんど進行しなかったことが分かった。
本発明の製造方法によれば、所望の分子量を有するポリアリーレンを製造することが可能である。

Claims (10)

  1. 溶媒、触媒量の遷移金属錯体、1種以上の芳香族ジハライド化合物、および、前記遷移金属錯体1モルに対して、水2〜20モルを含む混合物を攪拌することにより芳香族ジハライド化合物のカップリング反応を行うことを特徴とするポリアリーレンの製造方法。
  2. 芳香族ジハライド化合物が、式(1)
    Figure 0005418136
    (式中、Xは独立して、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表わす。Arは、2価の芳香族基を表わし、該2価の芳香族基は、下記(a)〜(f)からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい。
    (a)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基
    (b)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基
    (c)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数6〜20のアリール基
    (d)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基
    (e)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数2〜20のアシル基
    (f)−SO−O−で示される基を含む基)
    で示される芳香族ジハライド化合物を含む請求項1記載のポリアリーレンの製造方法。
  3. 混合物が、さらに、式(2)
    Figure 0005418136
    (式中、a、bおよびcはそれぞれ独立して、0または1を表わし、nは5以上の整数を表わす。YおよびYはそれぞれ独立して、単結合、−CO−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−またはフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。
    およびZはそれぞれ独立して、酸素原子または硫黄原子を表わす。Xは独立して、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表わす。Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立して、2価の芳香族基を表わす。ここで、該2価の芳香族基は、下記(g)〜(k)からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい。
    (g)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基
    (h)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基
    (i)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基および炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数6〜20のアリール基
    (j)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基
    (k)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい炭素数2〜20のアシル基)
    で示される芳香族ジハライド化合物を含む請求項1又は2記載のポリアリーレンの製造方法。
  4. 遷移金属錯体が、ニッケル錯体である請求項1〜3のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法。
  5. ニッケル錯体が、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)と含窒素二座配位子とから調製される錯体である請求項4記載のポリアリーレンの製造方法。
  6. ニッケル錯体が、ハロゲン化ニッケルと含窒素二座配位子とから、亜鉛の共存下で調製される錯体である請求項4記載のポリアリーレンの製造方法。
  7. Arが、式(3)
    Figure 0005418136
    (式中、Rは独立して、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、シアノ基または−SO−O−で示される基を含む基を表わし、mは0〜4の整数を表わす。)
    で示される基である請求項2〜のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法。
  8. Arが、式(4)
    Figure 0005418136
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立して、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、シアノ基または−SO−O−で示される基を含む基を表わし、jは0〜4の整数を表わし、kは0〜4の整数を表わす。

    で示される基である請求項2〜のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法。
  9. 式(3)で示される基が、一つ以上の式(5)
    Figure 0005418136
    (式中、Rは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルキル基で置換されていてもよいアンモニウム、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を表わし、前記炭素数1〜20のアルキル基および炭素数6〜20のアリール基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基およびシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい。)
    で示される基を有する請求項記載のポリアリーレンの製造方法。
  10. 式(4)で示される基が、一つ以上の式(5)
    Figure 0005418136
    (式中、Rは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルキル基で置換されていてもよいアンモニウム、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を表わし、前記炭素数1〜20のアルキル基および炭素数6〜20のアリール基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基およびシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい。)
    で示される基を有する請求項記載のポリアリーレンの製造方法。
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