JP5412880B2 - 電動機 - Google Patents

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本発明は、電動機に関するものである。
従来、ステータコアに絶縁部材を介してコイルを巻回したステータが用いられている。
このようなステータでは、モータの振動を低減するために、ステータコアと絶縁部材の間のうちステータコアの積層方向の両面のコイルエンド部に振動吸収部材を配置する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−35616号公報
しかしながら、前記した従来のモータでは、強いテンションでコイルを巻回すと、剛性の小さい振動吸収部材が潰されてしまって振動を吸収できなくなるという問題があった。
そこで、本発明は、コイルを巻回しても振動を吸収できるステータを備える電動機を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の電動機では、円環状のヨーク部と、前記ヨーク部から内周方向に歯状に突出したステータコア部とから構成されるステータと、前記ステータコア部に被せられる絶縁部材と、前記絶縁部材を介して前記ステータコア部に巻回されるコイルとを備えている。
この電動機において、前記ステータコア部の回転方向に向いた側面と前記絶縁部材の内面との間に空隙を設けた。
また、この電動機において、前記ステータは、電磁鋼板を回転軸方向に積層して形成され、前記ステータコア部の積層方向の高さは、前記絶縁部材の内面における前記積層方向の高さよりも低く形成され、前記絶縁部材の内面と前記ステータコア部の側面は前記積層方向に接触させた。
このように、本発明では、ステータコア部の回転方向に向いた側面と絶縁部材の内面との間に空隙を設けることで、積層面間の変位が拘束されなくなって歪みが大きくなる。そのため、積層面間で摩擦熱を発生させることによってステータの振動を減衰することができる。
加えて、ステータコア部の積層方向の高さは、絶縁部材の内面における積層方向の高さよりも低く形成され、絶縁部材の内面とステータコア部の側面は積層方向に接触させているので、電磁鋼板はコイルの巻回しによるテンションを受けずに、積層方向に与圧だけで保持されるので、電磁鋼板どうしが互いにずれやすくなっていっそう効果的に減衰を得ることができる。
電動機の全体構成を説明する断面図である。 ステータの構成を説明する斜視図である。 ステータの振動モードを説明する説明図である。(a)は逆位相同振幅の場合であり、(b)は同位相振幅違いの場合であり、(c)は同位相同振幅の場合である。 実施例1のステータの構成を示した断面図である。(a)は正面方向から見た断面図であり、(b)は側面方向からみたA−A断面図である。 実施例2のステータの構成を示した断面図である。(a)は正面方向から見た断面図であり、(b)は側面方向からみたA−A断面図である。 実施例3のステータの構成を示した断面図である。(a)は正面方向から見た断面図であり、(b)は側面方向からみたA−A断面図である。 実施例4のステータの構成を示した断面図である。(a)は正面方向から見た断面図であり、(b)は側面方向からみたA−A断面図である。 実施例5のステータの構成を示した断面図である。(a)は正面方向から見た断面図であり、(b)は側面方向からみたA−A断面図である。 振動の計測結果を示したグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を用いて本実施例の電動機1の全体構成を説明する。
一般に、電動機(モータ)には直流(DC)モータと交流(AC)モータがあるが、本実施例の電動機1を含む交流モータの特徴として、直流モータのようにブラシや整流子などの接触部分を持たないため、騒音が少なく、電気的なノイズが発生しにくく、メンテナンスの必要がなく、寿命が長いなどの特徴がある。
そして、本実施例の電動機1は、交流(AC)モータであり、回転を伝達するシャフト2に連結されたロータ3と、このロータ3の周囲を取り囲むステータ4と、ステータ4が取付けられており外側を覆うケース5と、を備えている。
このロータ3は、短円筒状に形成されたステータ4の内周側に所定の微小間隔だけ離れて配置されるインナー型の回転子であり、ロータコア31、ロータコア31の内部に埋め込まれる永久磁石(不図示)などを備えて構成されている。
さらに、ロータコア31は、渦電流を防止するために薄い板状の鋼板を積層して形成されており、ステータ4に近い外周部に複数の永久磁石が固定されている。この永久磁石は、ロータ3をステータ4に組み付けた状態で、ステータ4の電磁石との関係によって磁路を形成する。
そして、本実施例のステータ4は、全体として円環状ないし短円筒状に構成された固定子である。このステータ4は、図2に示すように、渦電流を防止するために電磁鋼板を回転軸方向に積層して形成されるもので、円環部分が分割された複数のヨーク部40と、このヨーク部40から中心方向にティース(歯)状に突出したステータコア部41と、このステータコア部41を覆うように被せられる絶縁部材としてのボビン42と、ボビン42の周囲に巻回されるコイル43と、を備えている。
このヨーク部40は、円環部分が分割されて形成されるもので、回転方向の両端面に円弧状の凹凸が設けられて、隣接するヨーク部(不図示)に嵌合してホルダによって締めつけられて固定される。
また、ステータコア部41は、ヨーク部40の側面から中心方向にティース状に突出する矩形断面の柱状に形成されるもので、側面全体がボビン42によって覆われており、このボビン42を介して絶縁されたコイル43が巻回されている。
さらに、絶縁部材としてのボビン42は、コイル43とステータコア部41とを電気的に絶縁するための部材であり、回転方向D1に2つに分割されており、ステータコア部41を回転方向D1の両側から挟み込んだ状態でコイル43が巻回されて固定される。
そして、本実施例のボビン42の回転方向D1に向いた両側の内面42aには、図4に示すように、ステータコア部41の回転方向D1に向いた側面41aとの間に、径方向D3に貫通する薄い空隙44が設けられている。
この空隙44は、ボビン42の側部42bの積層方向D2の両端近傍に設けられた段差状の膨出部42c,42cがステータコア部41に当接することで、この膨出部42cの厚みに相当する幅を有して形成されている。この膨出部42c,42cの長さ(接触範囲)は、ステータコア部41の積層厚さの略1/3とされている。
したがって、ボビン42の内面42aとステータコア部41の側面41aは積層方向D2の両端近傍の2箇所で接触し、空隙44はステータ4の積層方向の中心寄りに位置することとなる。
また、左右一対のボビン42の噛み合わせ部47は、ステータコア部41の回転方向D1の幅の寸法交差内で先端面が突き当たらないように製作されており、ステータコア部41の側面41aとボビン42の内面42aの膨出部42cとが確実に密着するように形成されている。
そして、コイル43は、小型化、省材料化、銅損低減を実現するために、複数のステータコア部41に対して集中巻きされるが、集中巻きではコイルが整列されて空隙も多く存在することから、分布巻きよりも減衰が少ないことが知られている。
次に、本実施例の電動機1の振動低減作用について説明する。
電動機1を運転させると、ステータ4とロータ3の間での吸引力が時間的、空間的に変化し、固定子であるステータ4に振動が発生する。
この振動の形態を観察した一例を示すと、図3に示すような様々な振動モードとなる。すなわち、(a)は積層方向D2の中央近傍を境界として逆位相で同振幅の場合であり、(b)は同位相(同一象限)で振幅違いの場合であり、(c)は同位相(同一象限)で同振幅の場合である。
電気自動車やハイブリッド自動車などの車両に搭載される電動機1においては、トルクリプルの低減を目的として、ロータ3の積厚方向D2の中心などで回転角(位相)をずらしたロータスキューを用いることがある。ここにおいて、トルクリプルとは、出力トルクの変動分を基準となる平均トルクに対する割合で示したものである。また、ロータスキューとは、コギングトルクやトルクリプル対策としてロータ3の積層方向D2について、ロータ3を斜めにして位相をずらすことをいう。
一方、このようにロータスキューを採用すると、ステータ4とロータ3の間での吸引力が積層方向D2の中心を境界として変わる場合があり、これに応じて位相も積層方向D2の中心を境界として変わる。そうすると、電動機1の運転時にステータ4の積層方向D2の両端でのモード変位が逆位相で同振幅となる振動モード(図3(a))が発生することとなる。
このような逆位相同振幅の振動モードでは、最大せん断歪みがステータコア部41の積層方向D2の中心付近で発生するため、本実施例のように中心付近に空隙44を設けることで、鋼板同士の摩擦を拘束せずにステータ4に摩擦を生じさせて、振動・騒音を低減できる。
次に、効果を説明する。この実施例1の電動機1は、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)ステータ4のヨーク部40から突出したステータコア部41と、ステータコア部41に被せられる絶縁部材としてのボビン42と、ボビン42を介してステータコア部41に巻回されるコイル43と、を備える電動機1において、ステータコア部41の回転方向D1に向いた側面41aとボビン42の内面42aとの間には空隙44が設けられる。このため、空隙44を設けることによって各積層面間の相対移動(ずれ)が拘束されず、ステータ4のせん断歪みを大きくして内部応力を低減しつつ、電磁鋼板どうしの摩擦によって減衰を得ることができる。
すなわち、図9に示す実験結果のように、ある特定の周波数においてスパイク状に生じていた固有モードのピーク値を、小さい値に抑制することで電動機1の振動・騒音を低減できる。この図9において、500Hz付近に生じるピーク値は円環1次モードに対応し、その隣の1300Hz付近に生じるピーク値が円環2次モードに対応している。この図9に示すように、特に、高周波数領域である円環0次若しくは2次以上の振動に対して最大で20%程度の振幅低減効果が認められる。
(2)ステータコア部41の積層方向D2の高さは、絶縁部材としてのボビン42の積層方向D2の内空高さよりも低く形成されることで、ボビン42がステータコア部41の端面に接することがなくなる。したがって、電磁鋼板はコイル43の巻回しによるテンションを受けずに、積層方向に与圧だけで保持されるので、電磁鋼板どうしが互いにずれやすくなっていっそう効果的に減衰を得ることができる。
(3)空隙44は、径方向D3に貫通していることで、積層されたうちの一部の電磁鋼板では積層面方向にせん断ひずみを抑制する構造がまったくなくなるので、効果的に電磁鋼板同士の摩擦による減衰を向上することができる。
(4)絶縁部材としてのボビン42は、空隙44に対応する回転方向D1に向いた側部42bが薄肉化されていることで、ねじり剛性が低下するため、ボビン42がステータ4を拘束することによるせん断歪み抑制作用を低減できる。
(5)空隙44は、ステータ4の振動モードの径方向D3のせん断歪みが最大となる積層方向D2の位置に対応して設けられることで、ステータ4の最大せん断歪み部以外はステータ4と接触するので、電磁鋼板同士の摩擦による減衰をステータコア部41に付加しつつも、コイル43、ボビン42によるステータ4の保持力、抜熱性能の低下を防ぐことができる。
(6)ステータ4の積層方向D2の両端での径方向D3の変位が逆位相となる振動モードが生じる場合、空隙44は、ステータコア部41の積層方向D2の中心近傍に対応して設けられることで、最大のせん断歪みが発生するステータ中心部に空隙44を限定できるので、抜熱性能とボビン42による保持性能を低下させずにステータ4の減衰を向上できる。
(7)ステータコア部41は、積層方向D2の両端近傍において絶縁部材としてのボビン42と接触させることで、安定してステータ4とボビン42、コイル43を保持でき、巻回時のテンションにも耐えることができる。
(8)ステータコア部41は、積層方向D2の端部から高さの1/3の範囲で絶縁部材としてのボビン42と接触させることで、空隙44の過不足がなくなるので、抜熱性能と防振性能を両立できる。
以下、図5を用いて、前記実施例とは別の形態のステータ4について説明する。なお、前記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
まず、構成について説明すると、本実施例の絶縁部材としてのボビン42では、回転方向D1に向いた両側の内面42aにおいて、ステータコア部41の側面41aとの間に、径方向D3に貫通する薄い空隙44が設けられている。
この空隙44は、ボビン42の側部42bの積層方向D2の一方の端部近傍に設けられた膨出部42cがステータコア部41に当接することで、この膨出部42cの厚みに相当する幅を有して形成されている。
したがって、ボビン42の内面42aとステータコア部41の側面41aは積層方向D2の一方の端部近傍の1箇所のみで接触し、他方の端部近傍は接触しておらず、空隙44はステータ4の積層方向の中心を含むやや下よりに位置することとなる。
加えて、本実施例のボビン42のステータコア部41に当接しない他方の噛み合わせ部47,47の外面には、噛み合わせ部47,47に跨るように非磁性材料の薄板状の補強部材45が設置されている。
なお、構造上の制約によって、補強部材45を設けることができず、ステータコア部41の積層方向の両端を保持する必要がある場合には、振幅が大きい一方のステータコア部41の端部の接触範囲を大きくし、振幅が小さい他方の接触範囲を小さくすることもできる。
次に、本実施例の電動機1の振動低減作用について説明すると、本実施例は実施例1に対して空隙44の位置を変更したものである。
車両に搭載される電動機1は、機能やレイアウトの制約により、ステータ4を保持するケース5が、ステータ4の積層方向D2の両端で同等の剛性を有しない場合が多く、電動機1の運転時にステータ4の積層方向D2の両端でのモード変位の振幅が異なる振動モード(図3(b))が問題になることがある。
そのような場合、振幅が大きい方のステータコア部41の端部をボビン42と接触させつつ、他方の端部は接触させずに空隙44を設けることで、最大せん断歪みが生ずる振幅の小さい側のステータコア部41の端部付近で、空隙44が電磁鋼板同士の摩擦を制約することなくステータ4に減衰を発生させ、振動・騒音を低減できる。
次に、効果を説明する。この実施例2の電動機1は、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)ステータ4の積層方向D2の両端での径方向D3の変位が異なる振動モードが生じる場合、ステータコア部41は、変位が大きい一方の端部を絶縁部材としてのボビン42と接触させることで、最大のせん断歪みが発生するステータ4端部の一方に空隙44を限定できるので、抜熱性能とボビン42の保持性能を低下させずにステータ4の減衰を向上できる。
(2)ステータ4の積層方向D2の両端での径方向D3の変位が異なる振動モードが生じる場合、ステータコア部41は、変位が大きい一方の接触範囲を広くし、他方の接触範囲を狭くすることで、一方のみを接触させて支持する片持ち構造よりも、安定したボビン42の保持が可能となる。
(3)ステータ4の積層方向D2の両端での径方向D3の変位が異なる振動モードが生じる場合、ステータコア部41は、変位が小さい他方の端部に補強部材45が設置されることで、補強部材45により片側端部のボビン42の剛性を補うことができ、この補強部材45によって巻回テンションを受けられるので、巻回テンションによるボビン42の割れを防止できる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施例と略同様であるため説明を省略する。
以下、図6を用いて、前記実施例とは別の形態のステータ4について説明する。なお、前記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
まず、構成について説明すると、本実施例の絶縁部材としてのボビン42では、回転方向D1に向いた両側の内面42aにおいて、ステータコア部41の側面41aとの間に、径方向D3に貫通する2つの薄い空隙44,44が設けられている。
この空隙44は、ボビン42の側部42bの積層方向D2の中央近傍に設けられた膨出部42cがステータコア部41に当接することで、この膨出部42cの厚みに相当する幅を有して形成されている。
したがって、ボビン42の内面42aとステータコア部41の側面41aは積層方向D2の中央近傍の1箇所のみで接触し、両端近傍は接触しておらず、ステータ4の積層方向の中心近傍で分割された一方の空隙44と他方の空隙44が形成されることとなる。
なお、空隙44を設けたボビン42の両端の噛み合わせ部47,47の外面に、噛み合わせ部47,47に跨るように非磁性材料の薄板状の補強部材を設置して、巻回時のテンションによる破損を防止することもできる。
次に、本実施例の電動機1の振動低減作用について説明すると、本実施例は実施例1に対して空隙44の位置を変更したものである。
車両に搭載される電動機1は、例えば両端が非常に高剛性なエンジンブロックやミッションケースに保持されていながら、ステータ4の積層方向D2の中心部は薄肉で低剛性なケース5である場合がある。このような場合、電動機1の運転時にステータ4両端でのモード変位が同位相で略同振幅となる振動モード(図3(c))が問題になることがある。
そのような場合、最大せん断歪みがステータコア部41の積層方向の両端付近で発生するため、このステータコア部41の両端に設けた空隙44が電磁鋼板同士の摩擦を制約することなくステータに減衰を発生させて、振動・騒音を低減できる。
次に、効果を説明する。この実施例3の電動機1は、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)ステータ4の積層方向D2の両端での径方向D3の変位及び位相が等しい振動モードが生じる場合、ステータコア部41は、積層方向D2の中心近傍を絶縁部材としてのボビン42と接触させることで、最大のせん断歪みが発生するステータ4両端部に空隙44,44を限定できるので、抜熱性能とボビン42の保持性能を低下させずにステータ4の減衰を向上できる。
(2)ステータ4の積層方向D2の両端での径方向D3の変位及び位相が等しい振動モードが生じる場合、ステータコア部41は、積層方向D2の両端部に補強部材が設置されることで、補強部材により両側端部のボビン42の剛性を補うことができるため、巻回テンションを受けてボビン42の割れを防止することができる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施例と略同様であるため説明を省略する。
以下、図7を用いて、前記実施例とは別の形態のステータ4について説明する。なお、前記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
まず、構成について説明すると、本実施例のボビン42の回転方向D1に向いた両側の内面42aには、ステータコア部41の回転方向D1に向いた側面41aとの間に、径方向D3に貫通する薄い空隙44が設けられている。
この空隙44は、ボビン42の側部42bの積層方向D2の両端近傍に設けられた膨出部42c,42cがステータコア部41に当接することで、この膨出部42cの厚みに相当する幅を有して形成されている。
したがって、ボビン42の内面42aとステータコア部41の側面41aは積層方向D2の両端近傍の2箇所で接触し、空隙44はステータ4の積層方向の中心寄りに位置することとなる。
加えて、本実施例では、ステータコア部41の積層方向D2の端面とボビン42の内面との間に、振動吸収機能を有する弾性部材46が設置されている。なお、この弾性部材46は、コイル43とステータコア部41との絶縁性を高めるために電気絶縁性を有する材料で形成されることが好ましい。
次に、本実施例の電動機1の振動低減作用について説明すると、本実施例は実施例1から実施例3に対して、ステータコア部41の端面とボビン42の内面の間に弾性部材46を設けるように変更したものである。
このように弾性部材46を設けることによって、ステータ4の積層方向D2に所望のテンションを付加でき、電磁鋼板同士の摩擦力を調整できるようになる。これにより、電磁鋼板間で発生する摩擦減衰を調整可能とする。
次に、効果を説明する。この実施例4の電動機1は、下記の効果を得ることができる。
(1)ステータコア部41の積層方向D2に向いた端面には、絶縁部材としてのボビン42との間に弾性部材46が配置されていることで、弾性部材46によって任意の加重をステータ4の積層方向D2に付加することが可能となり適度な摩擦減衰を得ることができる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施例と略同様であるため説明を省略する。
以下、図8を用いて、前記実施例とは別の形態のステータ4について説明する。なお、前記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
まず、構成について説明すると、本実施例の絶縁部材としてのボビン42では、回転方向D1に向いた両側の内面42aにおいて、ステータコア部41の側面41aとの間に、径方向D3に貫通せずに接触部分を有する薄い空隙44が設けられている。
この空隙44は、ボビン42の側部42bの積層方向D2の両端近傍に設けられた膨出部42c,42cがステータコア部41に当接することで、この膨出部42cの厚みに相当する幅を有して形成されている。
そして、この両端の膨出部42c,42cは、ステータコア部41のヨーク部40に近い側で繋がって連繋部42dが形成されており、この連繋部42dによってもステータコア部41に当接している。
したがって、ボビン42の内面42aとステータコア部41の側面41aは一対の膨出部42c,42cと連繋部42dとによってコ字状に接触しており、空隙44は連繋部42dによって径方向D3を遮られている。
次に、本実施例の電動機1の振動低減作用について説明すると、本実施例は実施例1から実施例4に対して空隙44の深さを変更したものである。
ステータコア部41の径方向D3においてもせん断歪み分布は存在する場合があるため、空隙44が貫通させずにせん断歪みの大きな一部のみを空隙44とすることで、減衰効果を得ることができるうえに、連繋部42dによってステータコア部41とボビン42の保持剛性及び抜熱性能を向上することができる。
次に、効果を説明する。この実施例5の電動機1は、下記の効果を得ることができる。
(1)絶縁部材としてのボビン42は、空隙44に対応する回転方向D1に向いた側部42bの一部が薄肉化されていることで、ボビン42のねじり剛性が低下するため、ボビン42がステータ4を拘束することによるせん断歪み抑制作用を低減できる。
(2)空隙44は、ステータ4の振動モードの回転方向D1の歪みが最大となる径方向D3の位置に対応して設けられることで、ステータ4の最大せん断歪み部以外はステータ4と接触するので、電磁鋼板同士の摩擦による減衰をステータコア部41に付加しつつも、コイル43、ボビン42によるステータ4の保持力、抜熱性能の低下を防ぐことができる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施例と略同様であるため説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、積層方向D2について膨出部42cを1箇所又は2箇所有するボビン42について説明したが、これに限定されるものではなく、中央及び両端の3箇所に設けるものであってもよいし、スキューに対応させて配置することができる。
また、前記実施例では、ボビン42の内面42aに段差状に膨出部42cを設ける場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ボビン42の内面を円弧状に形成するものであってもよいし、正弦曲線状に形成するものであってもよい。
さらに、前記実施例では、ステータコア部41の回転方向D1の側面41aとボビン42の内面42aの間に空隙44が設けられ、この空隙44には他の部材を挿入しない場合について説明したが、これに限定されるものではなく、熱伝導性の良好な減衰部材を注入して、低振動でありつつ抜熱性能の優れた構成とすることができる。
そして、前記実施例5では、ステータコア部41の径方向D3についてヨーク部40に近い付け根側にボビン42の連繋部42dを設ける場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ヨーク部40に遠い先端側に連繋部42dを設けるものであってもよい。
D1 回転方向
D2 積層方向
D3 径方向
1 電動機
3 ロータ
4 ステータ
40 ヨーク部
41 ステータコア部
41a 側面
42 ボビン(絶縁部材)
42a 内面
42b 側部
42c 膨出部
43 コイル
44 空隙
45 補強部材
46 弾性部材
5 ケース

Claims (13)

  1. 円環状ヨーク部と、
    前記ヨーク部から内周方向に歯状に突出したステータコア部とから構成されるステータと、
    前記ステータコア部に被せられる絶縁部材と、前記絶縁部材を介して前記ステータコア部に巻回されるコイルと、を備える電動機において、
    前記ステータコア部の回転方向に向いた側面と前記絶縁部材の内面との間に空け、
    前記ステータは、電磁鋼板を回転軸方向に積層して形成され、
    前記ステータコア部の積層方向の高さは、前記絶縁部材の内面における前記積層方向の高さよりも低く形成され、
    前記絶縁部材の内面と前記ステータコア部の側面は前記積層方向に接触させた
    ことを特徴とする電動機。
  2. 前記空隙は、ステータコア部の径方向に貫通していることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
  3. 前記絶縁部材は、前記空隙に対応する周方向に向いた側面が薄肉化されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動機。
  4. 前記空隙は、前記ステータの振動モードのせん断歪みが最大となる積層方向の位置に対応して設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電動機。
  5. 前記ステータの積層方向の両端での変位が逆位相となる振動モードが生じる場合、前記空隙は、前記ステータコア部の積層方向の中心近傍に対応して設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電動機。
  6. 前記ステータコア部は、積層方向の両端近傍において前記絶縁部材と接触させることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電動機。
  7. 前記ステータコア部は、積層方向の端部から高さの1/3の範囲で前記絶縁部材と接触させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の電動機。
  8. 前記ステータの積層方向の両端での変位が異なる振動モードが生じる場合、前記ステータコア部は、変位が大きい一方の端部を前記絶縁部材と接触させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電動機。
  9. 前記ステータの積層方向の両端での変位が異なる振動モードが生じる場合、前記ステータコア部は、変位が大きい一方の接触範囲を広くし、他方の接触範囲を狭くすることを特徴とする請求項1乃至請求項4又は請求項8のいずれか一項に記載の電動機。
  10. 前記ステータの積層方向の両端での変位が異なる振動モードが生じる場合、前記ステータコア部は、変位が小さい他方の端部に補強部材が設置されることを特徴とする請求項1乃至請求項4又は請求項8若しくは請求項9のいずれか一項に記載の電動機。
  11. 前記ステータの積層方向の両端での変位及び位相が等しい振動モードが生じる場合、前記ステータコア部は、積層方向の中心近傍を前記絶縁部材と接触させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電動機。
  12. 前記ステータの積層方向の両端での変位及び位相が等しい振動モードが生じる場合、前記ステータコア部は、積層方向の両端部に補強部材が設置されることを特徴とする請求項1乃至請求項4又は請求項11のいずれか一項に記載の電動機。
  13. 前記ステータコア部の積層方向に向いた端面には、前記絶縁部材との間に弾性部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の電動機。
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