JP2019161828A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】損失を低減して高効率化を図ることができる回転電機を提供する。【解決手段】埋込磁石型の回転電機において、回転子12は、磁極ごとに、固定子13とは反対側に凸となる凸形状をなし、かつ径方向に2層以上に設けられたスリット32を有する回転子コア31と、そのスリット32に収容される磁石33とを有している。各スリット32には、それぞれ少なくとも1つの磁石33が収容されている。また、2層以上のスリット32のうち固定子13から遠い側となるスリット32における長手方向の磁石総幅が、固定子13に近い側となるスリット32における磁石総幅よりも大きく、かつ、固定子13から遠い側となるスリット32に収容された磁石個数が、固定子13に近い側となるスリット32に収容された磁石個数よりも多い構成となっている。【選択図】 図3

Description

本発明は、埋込磁石型の回転電機に関するものである。
埋込磁石式の回転電機に用いられる回転子において、磁極ごとに径方向に並べて複数のスリット(多層スリット)を設け、そのスリット内に永久磁石を配置したものが知られている。例えば特許文献1に記載の技術では、回転子コアに、複数のスリットを形成し、その複数のスリットのうち径方向内側(すなわち回転中心側)のスリットに永久磁石を配置し、径方向外側のスリットに永久磁石を配置しない構成としている。また、永久磁石が配置されているスリットを、永久磁石の両側に設けた2つずつの繋ぎ部により分断するとともに、永久磁石が配置されていないスリットを、1以上の繋ぎ部により分断している。そして、各繋ぎ部の位置及び大きさの工夫により、永久磁石の減磁を抑制するものとしている。
特開2016−178828号公報
しかしながら、上記特許文献1を含め多層スリットを有する埋込磁石型回転電機の既存技術では、回転子コアの各層のスリットに、単一の永久磁石が収容される構成となっている。そのため、各層の永久磁石において渦電流損失が生じ、それに起因して高効率化が妨げられることが懸念される。また、埋込磁石型回転電機では、回転子の突極性により高調波に起因する磁石損失の増加が懸念される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、損失を低減して高効率化を図ることができる回転電機を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について説明する。
第1の手段では、
回転自在に支持された回転子と、
前記回転子と同軸に配置され、多相巻線が巻装された固定子と、
を備える埋込磁石型の回転電機であって、
前記回転子は、磁極ごとに、前記固定子とは反対側に凸となる凸形状をなし、かつ径方向に2層以上に設けられたスリットを有する回転子コアと、そのスリットに収容される磁石とを有しており、
前記各スリットに、それぞれ少なくとも1つの前記磁石が収容されており、
前記2層以上のスリットのうち前記固定子から遠い側となる前記スリットにおける長手方向の磁石総幅が、前記固定子に近い側となる前記スリットにおける前記磁石総幅よりも大きく、かつ、前記固定子から遠い側となる前記スリットに収容された磁石個数が、前記固定子に近い側となる前記スリットに収容された磁石個数よりも多い。
上記構成の回転電機では、回転子の回転子コアに、磁極ごとに、固定子との対向面の側から反対側に凸となる凸形状をなし、かつ径方向に2層以上となるスリットが設けられている。そして、その各スリットに、それぞれ少なくとも1つの磁石が収容されている。この場合、全層のスリットに磁石が収容されていることで、回転子の各磁極において磁石磁束が通過する磁路をd軸上に確保することができ、ひいては固定子の界磁磁束(巻線励磁磁束)と磁石磁束とによる磁気飽和を抑制できる。
また、固定子から遠い側となるスリットにおける磁石総幅が、固定子に近い側となるスリットにおける磁石総幅よりも大きく、かつ、固定子から遠い側となるスリットに収容された磁石個数が、固定子に近い側となるスリットに収容された磁石個数よりも多いため、磁極ごとに適正に磁石磁束を生じさせつつ、各スリットにおける磁石分割により渦電流損失の低減を図ることができる。
第2の手段では、前記固定子から遠い側となる前記スリット内の前記磁石において最も前記固定子側となる部位を通る仮想円の半径が、前記固定子に近い側となる前記スリット内の前記磁石において最も前記固定子側となる部位を通る仮想円の半径よりも小さい。
仮に、固定子とは反対側に凸状をなす多層のスリットにおいて、固定子に対して遠い側のスリットと近い側のスリットとで、最も固定子側となる磁石が径方向に同じ位置に配置されている場合を想定する(図6(a)参照)。かかる場合、遠い側のスリット内において最も固定子側となる磁石を通る磁束は、各スリット間の磁路をスリット長手方向に流れた後に、近い側のスリット内の磁石に到達すると考えられる。そのため、各スリット間の磁路において、固定子の巻線励磁磁束と磁石磁束とにより磁気飽和が生じることが懸念される。
これに対し、固定子から遠い側となるスリット内の磁石において最も固定子側となる部位を通る仮想円の半径が、固定子に近い側となるスリット内の磁石において最も固定子側となる部位を通る仮想円の半径よりも小さい構成とすれば(図4(a)、図5参照)、磁石磁束が各スリット間の磁路を流れることを抑制できる。そのため、固定子の巻線励磁磁束と磁石磁束とによる磁気飽和を抑制できる。
第3の手段では、前記各スリットのうち最も前記固定子側となるスリットを第1スリット、それ以外のスリットを第2スリットとする場合に、前記第2スリットに収容された前記磁石における幅方向の中心軸の延長線が、前記第1スリットに収容された前記磁石を通るようにして、前記各スリットに前記磁石が配置されている。
仮に、各スリットのうち最も固定子側となる第1スリットと、それ以外の第2スリットとにおいて、第2スリット内の磁石における幅方向の中心軸の延長線が、第1スリット内の磁石を通らない構成となっていれば、第2スリット内の磁石の磁束は、各スリット間の磁路をスリット長手方向に流れた後に、第1スリット内の磁石に到達すると考えられる(図7(b)参照)。そのため、各スリット間の磁路において、固定子の巻線励磁磁束と磁石磁束とにより磁気飽和が生じることが懸念される。
これに対し、第2スリット(最も固定子側となる第1スリット以外のスリット)に収容された磁石における幅方向の中心軸の延長線が、第1スリットに収容された磁石を通るようにして、各スリットに磁石が配置されている構成とした(図7(a)参照)。これにより、磁石磁束が各スリット間の磁路を流れることを抑制でき、固定子の巻線励磁磁束と磁石磁束とによる磁気飽和を抑制できる。
第4の手段では、前記磁石は、横断面が矩形状をなす磁石である。
横断面が矩形状をなす磁石は、汎用性が高くコスト面において優位となる。ここで、上記各手段を用いることにより、汎用性の高い矩形状磁石を用いつつも、所望の効果を奏することができる。
第5の手段では、前記各スリットにおいて、隣り合う前記磁石が互いに離間した状態で配置されている。
各スリットにおいて、隣同士となる各磁石が互いに離間した状態で配置されていることにより、回転子における冷却効果を高めることができる。この場合、磁石同士の間を空隙とし、その空隙を、冷媒の流通が可能な冷媒流路として用いることも可能である。
回転電機の概略構成を示す縦断面図。 回転子及び固定子の横断面図。 回転子及び固定子を示す部分横断面図。 (a)は実施形態における回転子及び固定子を示す部分横断面図、(b)は比較例の回転子及び固定子を示す部分横断面図。 回転子における磁石の配置を説明する平面図。 (a)(b)は比較例の回転子及び固定子を示す部分横断面図。 (a)は実施形態における回転子及び固定子を示す部分横断面図、(b)は比較例の回転子及び固定子を示す部分横断面図。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態における回転電機は、例えば車両動力源として用いられる。ただし、回転電機は、産業用、車両用、家電用、OA機器用、遊技機用などとして広く用いられることが可能となっている。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
本実施形態に係る回転電機10は、埋込磁石型の同期式多相交流モータであり、インナロータ構造(内転構造)のものとなっている。回転電機10の概要を図1及び図2に示す。図1は、回転電機10の回転軸11に沿う方向での縦断面図であり、図2は、回転軸11に直交する方向での回転子12及び固定子13の横断面図である。ただし図2では、便宜上断面部分のハッチングを付与せずに示している。以下の記載では、回転軸11が延びる方向を軸方向とし、回転軸11を中心として放射状に延びる方向を径方向とし、回転軸11を中心として円周状に延びる方向を周方向としている。
回転電機10は、回転軸11に固定された回転子12と、回転子12を包囲する位置に設けられる固定子13と、これら回転子12及び固定子13を収容するハウジング14とを備えている。回転子12及び固定子13は、同軸で、かつ径方向内外に互いに対向するように配置されている。回転子12及び固定子13の間には所定のエアギャップが形成されている。ハウジング14は、一対のハウジング部材14a,14bを有し、ハウジング部材14a,14bが互いに接合された状態で不図示のボルト等の締結により一体化されている。ハウジング14には軸受け16,17が設けられ、この軸受け16,17により回転軸11及び回転子12が回転自在に支持されている。
図2に示すように、固定子13は、周方向に複数のスロット21を有する円環状の固定子コア22と、固定子コア22の各スロット21に巻装された多相巻線としての固定子巻線23とを備えている。固定子コア22は、円環状の複数の電磁鋼板を軸方向に積層し、カシメ等により固定することで構成されている。固定子コア22は、円環状のヨーク24と、ヨーク24から径方向内側へ突出し周方向に所定距離を隔てて配列された複数のティース25とを有し、隣り合うティース25の間にスロット21が形成されている。各ティース25は、周方向に等間隔でそれぞれ設けられている。
各スロット21は、固定子巻線23の1相あたり2個ずつ隣り合わせにして設けられている。つまり、固定子コア22には、周方向に繰り返し2個ずつ配置されたU相スロット、V相スロット及びW相スロットが形成されている。各スロット21には、ティース25に巻回されるようにして固定子巻線23が巻装されている。固定子巻線23は、例えばU相、V相、W相からなる3相巻線である。
回転子12は、回転軸11に固定される回転子コア31と、その回転子コア31に形成されたスリット32に収容された複数の磁石33とを有している。回転子コア31は、円環状の複数の電磁鋼板を軸方向に積層し、カシメ等により固定することで構成されている。各スリット32は磁石収容孔であり、回転子コア31において磁極ごとに各々複数設けられている。本実施形態では、回転子12に、磁石33による磁極として8つの磁極が設けられ、周方向において異なる磁極が交互に配置されている。
図3には、回転子12及び固定子13の1極分が拡大して示されている。以下に、図3を用いて回転子12の構成を詳細に説明する。
回転子コア31には、磁極中心であるd軸を挟んで両側に延びるようにして複数層(すなわち2層以上)のスリット32が形成されている。スリット32は、平面視で回転子12の中心側(すなわち固定子13の反対側)に凸となる凸形状をなしており、かつ回転子コア31の軸方向に延びる貫通孔として形成されている。スリット32は、d軸を挟んで両側に対称形をなしている。各層のスリット32は、互いの間隔、すなわち径方向における離間距離が略同じになるようにして設けられており、各スリット32の間に、固定子巻線23の通電に伴い生じる回転磁界の磁束を通す磁路(q軸磁路)が形成されている。そして、各スリット32にそれぞれ磁石33が収容されている。磁石33は、例えば焼結ネオジム磁石等の希土類磁石よりなる永久磁石である。なお図3には、便宜上、磁石33を、ドットを付して示している。
本実施形態では、各磁極に、径方向に並ぶ各3層のスリット32が形成されており、以下の記載では、各層のスリット32を、回転子コア31の外周面側から順に、スリット32A、スリット32B、スリット32Cとする。なお、回転子コア31の径方向外側を表層側とし、回転子コア31の径方向内側を深層側とすれば、スリット32Aは表層スリット、スリット32Bは中層スリット、スリット32Cは深層スリットとも言える。ここでは、d軸上(磁極中心)での位置を基準にして、回転子コア31の外周面側を表層側とし、回転子コア31の中心軸側を深層側としている。スリット32Aが「最も固定子側となる第1スリット」、スリット32B,32Cが「第1スリット以外の第2スリット」に相当する。
各層のスリット32A〜32Cは、平面視における長手方向の長さが異なり、「スリット32Aの長さ<スリット32Bの長さ<スリット32Cの長さ」となっている。各スリット32A〜32Cの両端はそれぞれ回転子コア31の外周面付近に達しており、スリット32Aの両端の間の周方向距離は約2スロットピッチ、スリット32Bの両端の間の周方向距離は約4スロットピッチ、スリット32Cの両端の間の周方向距離は約6スロットピッチとなっている。
各層のスリット32A〜32Cにはその全てに磁石33が収容されている。具体的には、スリット32Aには2つの磁石33が収容され、スリット32Bには4つの磁石33が収容され、スリット32Cには6つの磁石33が収容されている。つまり、各スリット32A〜32Cにおける磁石個数は深層側ほど多くなっており、「スリット32Aの磁石個数<スリット32Bの磁石個数<スリット32Cの磁石個数」となっている。要するに、各スリット32A〜32Cには、分割された状態でそれぞれ複数の磁石33が収容されている。各磁石33は、軸方向に直交する横断面形状が矩形状をなしており、各スリット32A〜32Cに沿う方向を長手方向として各スリット32A〜32Cに収容されている。本実施形態では、各スリット32A〜32Cに収容される磁石33として、横断面における幅寸法(すなわち周方向寸法)と厚さ寸法(すなわち径方向寸法)とが同じである同一形状の磁石を用いている。
各層のスリット32A〜32Cでは、その長手方向における磁石総幅が各々異なっており、深層側(すなわち固定子13から遠い側)となるスリット32における磁石総幅が、表層側(すなわち固定子13に近い側)となるスリット32における磁石総幅よりも大きいものとなっている。詳しくは、磁石33の幅寸法をWとすると、スリット32Aでは磁石総幅が「2×W」であり、スリット32Bでは磁石総幅が「4×W」であり、スリット32Cでは磁石総幅が「6×W」である。
また、各スリット32A〜32Cでは、隣り合う磁石33が互いに離間した状態で配置されている。この場合、磁石33同士の間には、スリット32を挟んで一方側と他方側とを繋ぐ繋ぎ部が適宜設けられているとよい。なお、図示の構成では、少なくともd軸上となる部分に、中央繋ぎ部が設けられている。
また、各層の磁石33は、d軸を基準にしてその両側に配置されており、各スリット32A〜32Cの両端部にはそれぞれ、磁石33が配置されていない磁気的空隙部として外側バリア35A,35B,35Cが形成されている。外側バリア35A〜35Cにより、回転子コア31の径方向外側(すなわち固定子13の対向面側)において磁石33の端部付近で生じる磁束の自己短絡が抑制される。外側バリア35A〜35Cは、スリット長手方向の長さが相違しており、外側バリア35Aが最も短く、外側バリア35Cが最も長くなるように設けられている。
各スリット32A〜32Cにおける磁石33同士の間、及び各外側バリア35A〜35Cは、空隙とされるか、又は非磁性体が収容されているとよい。これら各部が空隙とされる場合、その各部が、冷媒を流通させる冷媒流路として用いるとよい。
本実施形態の回転電機10では、全層のスリット32A〜32Cに磁石33が収容される構成となっている。これにより、固定子13による巻線励磁磁束(q軸磁束)と磁石磁束とによる磁気飽和を抑制できるものとなっている。この優位点を、図4を用いて補足説明する。図4において(a)には、全層のスリット32A〜32Cに磁石33が収容されている構成を示し、(b)には、比較例として一部のスリット32に磁石33が収容されていない構成を示す。図4では、固定子巻線23の通電に伴い生じるq軸磁束の流れを破線で示し、回転子12の磁石磁束を実線で示している。後述の図6,図7も同様である。
図4(b)に示すように、最も表層側となるスリット32Aが、磁石33が収容されていないスリットになっている場合には、磁石磁束が、スリット32Aを回避するようにして進む。そのため、磁石磁束が、q軸磁束が流れるq軸磁路に流入し、図中のX1において、q軸磁束と磁石磁束とが同じ方向で重複することで磁気飽和が生じ、ひいては出力低下の懸念が生じる。
これに対して、図4(a)に示すように、全層のスリット32A〜32Cに磁石33が収容されている場合には、図示のようにd軸に沿うように磁石磁束が進む。そのため、回転子12の各磁極において磁石磁束が通過する磁路をd軸上に確保することができ、ひいてはq軸磁束と磁石磁束とによる磁気飽和を抑制できる。
また、深層側となるスリット32における磁石総幅が、表層側となるスリット32における磁石総幅よりも大きく、かつ、深層側となるスリット32に収容された磁石個数が、表層側となるスリット32に収容された磁石個数よりも多い構成になっているため、磁極ごとに適正に磁石磁束を生じさせつつ、各スリット32における磁石分割により渦電流損失の低減を図ることができる。
また、各スリット32A〜32C内の磁石33が分割されて渦電流損失が低減されることにより、回転子コア31の温度上昇を抑制でき、降伏応力を向上させることができる。そのため、回転子コア31において各スリット32の外周側のコアブリッジの薄肉化が可能となり、漏れ磁束の低減を図ることができる。
また、本実施形態の回転電機10では、深層側(固定子13から遠い側)となるスリット32内の磁石33において最も固定子13側となる部位を通る仮想円の半径が、表層側(固定子13に近い側)となるスリット32内の磁石33において最も固定子13側となる部位を通る仮想円の半径よりも小さいものとなっている。詳しくは、図5に示すように、スリット32Aに収容された磁石33では、最も固定子13側となる部位が磁石33の角部P1であり、その角部P1を通る仮想円の半径はR1である。また、スリット32Bに収容された磁石33では、最も固定子13側となる部位が磁石33の角部P2であり、その角部P2を通る仮想円の半径はR2である。スリット32Cに収容された磁石33では、最も固定子13側となる部位が磁石33の角部P3であり、その角部P3を通る仮想円の半径はR3である。この場合、R1>R2>R3となっている。
ここで、図6(a)に示すように、仮の構成として、深層側のスリット32と表層側のスリット32とで、最も固定子13側となる磁石33が径方向に同じ位置に配置されている場合を想定する。スリット32A内の磁石33において最も固定子13側となる部位を通る仮想円の半径はR11であり、スリット32B内の磁石33において最も固定子13側となる部位を通る仮想円の半径はR12であり、スリット32C内の磁石33において最も固定子13側となる部位を通る仮想円の半径はR13である。この場合、R11<R12<R13となっている。
かかる場合、図6(a)に示す構成では、スリット32C,32B内において最も固定子13側となる磁石33を通る磁束は、各スリット32間のq軸磁路をスリット長手方向に流れた後、表層側のスリット32A内の磁石33に到達する。そのため、図中のX2において、q軸磁束と磁石磁束とにより磁気飽和が生じることが懸念される。
これに対し、本実施形態の回転電機10では、図5で示したように、深層側となるスリット32内の磁石33において最も固定子13側となる部位を通る仮想円の半径が、表層側となるスリット32内の磁石33において最も固定子13側となる部位を通る仮想円の半径よりも小さい構成(R1>R2>R3とした構成)であるため、磁石磁束がq軸磁路を流れることを抑制できる(図4(a)参照)。そのため、q軸磁束と磁石磁束とによる磁気飽和を抑制できる。
また、既述のとおり各スリット32A〜32Cにおける仮想円の半径をR11<R12<R13とする構成では、図6(b)に示すように、深層側のスリット32C内の磁石33が固定子13に近づくことになる。そのため、固定子13側からの界磁磁束が反磁界成分として磁石33に作用し、磁石33の減磁が生じることが懸念される。
この点、各スリット32A〜32Cにおける仮想円の半径をR1>R2>R3とする構成では、各スリット32A〜32C内の磁石が、d軸に近い側、すなわち深層側に寄せて配置されることになり、磁石33の減磁が抑制される。
さらに、本実施形態の回転電機10では、図7(a)に示すように、各スリット32A〜32Cのうちスリット32B,32C(第2スリットに相当)に収容された磁石33における幅方向の中心軸の延長線Yが、スリット32A(第1スリットに相当)に収容された磁石33を通るようにして、各スリット32に磁石33が配置されている。
ここで、図7(b)は、図7(a)とは異なり、最も表層側となるスリット32Aと、それ以外のスリット32B,32Cとにおいて、スリット32B,32C内の磁石33における幅方向の中心軸の延長線Yが、スリット32A内の磁石33を通らない構成となっている。この場合、スリット32B,32C内の磁石33の磁束は、q軸磁路をスリット長手方向に流れた後、スリット32A内の磁石33に到達すると考えられる。そのため、q軸磁路において、q軸磁束と磁石磁束とにより磁気飽和が生じることが懸念される。
これに対し、図7(a)に示す構成とすれば、磁石磁束が、q軸磁路をスリット長手方向に流れることを抑制できる。そのため、やはりq軸磁束と磁石磁束とによる磁気飽和を抑制できる。
以上のように本実施形態では、磁気飽和を抑制することで、その磁気飽和に起因する出力低下を抑制できる。これにより、小型高出力であり、かつ高効率な回転電機10を実現することができる。
その他に、本実施形態の回転電機10では、以下に示す効果が得られる。
磁石33として、横断面が矩形状をなす磁石を用いる構成とした。この場合、汎用性が高くコスト面において優位となる矩形状磁石を用いつつも、所望の効果を奏することができる。また、各磁石33として、横断面が同寸法(同一の幅、同一厚さ)でかつ同形状の磁石を用いることにより、回転子12において部分発熱の均一化を図ることができる。
各スリット32において、隣同士となる各磁石33が互いに離間した状態で配置されていることにより、回転子12における冷却効果を高めることができる。この場合、磁石33同士の間を冷媒流路として用いれば、冷却効果を一層高めることができる。
(他の実施形態)
上記実施形態を例えば次のように変更してもよい。
・上記実施形態では、各層のスリット32A〜32Cにそれぞれ偶数個の磁石33を配置したが、これに代えて、各層のスリット32A〜32Cにそれぞれ奇数個の磁石33を配置する構成としてもよい。
・上記実施形態では、各層のスリット32にいずれも同じ磁石33を収容する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、磁石33として、厚さ寸法が同じであり、かつ幅寸法が異なる複数の磁石33を用いてもよい。
・磁石33として、断面矩形状の磁石を用いることに代えて、断面円弧状の磁石を用いてもよい。
・回転子コア31におけるスリット32の層数を変更してもよい。スリット32を、2層、又は4層以上とすることが可能である。
10…回転電機、12…回転子、13…固定子、23…固定子巻線(多相巻線)、32…スリット、33…磁石。

Claims (5)

  1. 回転自在に支持された回転子(12)と、
    前記回転子と同軸に配置され、多相巻線(23)が巻装された固定子(13)と、
    を備える埋込磁石型の回転電機(10)であって、
    前記回転子は、磁極ごとに、前記固定子とは反対側に凸となる凸形状をなし、かつ径方向に2層以上に設けられたスリット(32)を有する回転子コア(31)と、そのスリットに収容される磁石(33)とを有しており、
    前記各スリットに、それぞれ少なくとも1つの前記磁石が収容されており、
    前記2層以上のスリットのうち前記固定子から遠い側となる前記スリットにおける長手方向の磁石総幅が、前記固定子に近い側となる前記スリットにおける前記磁石総幅よりも大きく、かつ、前記固定子から遠い側となる前記スリットに収容された磁石個数が、前記固定子に近い側となる前記スリットに収容された磁石個数よりも多い回転電機。
  2. 前記固定子から遠い側となる前記スリット内の前記磁石において最も前記固定子側となる部位を通る仮想円の半径が、前記固定子に近い側となる前記スリット内の前記磁石において最も前記固定子側となる部位を通る仮想円の半径よりも小さい請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記各スリットのうち最も前記固定子側となるスリットを第1スリット(32A)、それ以外のスリットを第2スリット(32B,32C)とする場合に、前記第2スリットに収容された前記磁石における幅方向の中心軸の延長線が、前記第1スリットに収容された前記磁石を通るようにして、前記第2スリットに前記磁石が配置されている請求項1又は2に記載の回転電機。
  4. 前記磁石は、横断面が矩形状をなす磁石である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 前記各スリットにおいて、隣り合う前記磁石が互いに離間した状態で配置されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回転電機。
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