しかしながら、上述した光学式タッチパネルでは、表示画面の近傍に、検出すべき位置座標の分解能に対応する多数の光源及び光検出器或いは光スイッチや導光構造などを配列させる必要があり、構造が複雑になってしまうという技術的問題点がある。また、例えば光源の数が多いほど、消費電力が大きくなってしまうという技術的問題点もある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、簡易な構成を有し、低消費電力で、対象物体の位置を検出可能な位置検出装置、このような位置検出装置を備える電気光学装置、及びこのような電気光学装置を備える電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る第1の位置検出装置は上記課題を解決するために、検出平面範囲内における対象物体の位置を検出する位置検出装置であって、前記検出平面範囲に対して第1の位置検出光を出射する第1の位置検出用光源と、前記検出平面範囲の法線方向から見て、前記第1の位置検出用光源とは異なる位置に配置され、前記検出平面範囲に対して第2の位置検出光を出射する第2の位置検出用光源と、前記検出平面範囲の法線方向から見て、前記第1及び第2の位置検出用光源を通る直線からずれた位置に配置され、前記検出平面範囲に対して第3の位置検出光を出射する第3の位置検出用光源と、前記第1、第2及び第3の3つの位置検出光が前記検出平面範囲内で前記対象物体によって反射された光を検出する光検出器と、前記光検出器によって検出される3つの検出値に基づいて前記対象物体の平面位置情報を取得する第1の位置情報取得手段と、を備える。
本発明に係る第1の位置検出装置によれば、その動作時には、第1、第2及び第3の位置検出用光源から第1、第2及び第3の位置検出光が検出平面範囲に入射される。尚、第1、第2及び第3の位置検出光は、直接的に検出平面範囲に対して出射されてもよいし、例えば導光板を介して検出平面範囲に対して出射されるなど、間接的に検出平面範囲に対して出射されてもよい。例えば指やタッチペン等の対象物体が検出平面範囲内に配置された場合、検出平面範囲に入射された第1、第2及び第3の位置検出光が、対象物体によって反射され、この反射された光が光検出器によって検出される。対象物体によって反射される第1、第2及び第3の位置検出光の各々が、その位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離(即ち、第1の位置検出光が第1の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離、第2の位置検出光が第2の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離、及び第3の位置検出光が第3の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離)は、検出平面範囲内における対象物体の平面位置によって変化する。
本発明では特に、光検出器によって検出される3つの検出値(例えば、各位置検出光の光量或いは強度)に基づいて対象物体の平面位置情報を取得する第1の位置情報取得手段を備える。第1の位置情報取得手段は、例えば、光検出器によって検出される検出値に基づいて、第1、第2及び第3の位置検出光のうち第1及び第3の位置検出光についての光量比、位相差などのデータを導出し、このデータから検出平面範囲内における第1の方向(例えば、第1の位置検出用光源から第3の位置検出用光源へ向かう方向)における位置情報を取得する。更に、第1の位置情報取得手段は、例えば、光検出器によって検出される検出値に基づいて、第1、第2及び第3の位置検出光のうち第2及び第3の位置検出光についての光量比、位相差などのデータを導出し、このデータから検出平面範囲内における第2の方向(例えば、第2の位置検出用光源から第3の位置検出用光源へ向かう方向)における位置情報を取得する。よって、検出平面範囲内における対象物体の平面位置を確実に検出することができる。尚、第1の位置情報取得手段は、例えばプロセッサ、メモリ等を備えて構成される。第1の位置情報取得手段は、位置検出装置自体に含まれる必要はなく、例えば、位置検出装置が搭載される電子機器内の例えばMPU(Micro Processing Unit)や電子回路を含む制御部によって構成されてもよい。但し、位置検出装置自体が第1の位置情報取得手段を備えることで、取得した平面位置情報をそのまま搭載されるべき電子機器に出力することができるというメリットもある。
ここで、本発明では特に、第3の位置検出用光源は、第1及び第2の位置検出用光源を通る直線からずれた位置に配置される(言い換えれば、第1、第2及び第3の位置検出用光源は、一直線上にないように配置される)ので、検出平面範囲内における対象物体の平面位置を確実に検出することができる。即ち、例えば、光検出器によって検出された第1及び第3の位置検出光についての検出値(例えば、第1及び第3の位置検出光の光量或いは強度)に基づいて、例えば、第1及び第3の位置検出光の光量比や位相差等のデータを導出できる。よって、これらのデータと、第1の位置検出光が第1の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離及び第3の位置検出光が第3の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離とに基づいて、第1の位置検出用光源から第3の位置検出用光源へ向かう方向に沿った第1の方向における位置情報(言い換えれば、第1の方向における座標)を取得することができる。更に、光検出器によって検出された第2及び第3の位置検出光についての検出値(例えば、第2及び第3の位置検出光の光量或いは強度)に基づいて、例えば、第2及び第3の位置検出光の光量比や位相差等のデータを導出できる。よって、これらのデータと、第2の位置検出光が第2の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離及び第3の位置検出光が第3の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離とに基づいて、第2の位置検出用光源から第3の位置検出用光源へ向かう方向に沿った第2の方向における位置情報(言い換えれば、第1の方向に交差する第2の方向における座標)を取得することができる。
このように、本発明では特に、3つの位置検出用光源(即ち、第1、第2及び第3の位置検出用光源)から位置検出光を検出平面範囲に対して出射させ、対象物体によって反射された光を光検出器によって検出するという簡易な構成を有している。よって、仮に、検出平面範囲の周辺に、分解能に対応する多数の光源及び光検出器或いは光スイッチや導光構造などを配列させる場合と比較して、光源、光検出器等の数が少なく、消費電力を低減できる。更に、低コストで製造することも可能となる。
以上説明したように、本発明に係る第1の位置検出装置によれば、簡易な構成を有し、低消費電力で、対象物体の位置を検出することができる。
本発明に係る第1の位置検出装置の一態様では、前記第1、第2及び第3の位置検出光を、前記第1、第2及び第3の位置検出用光源から前記検出平面範囲へ導く矩形状の導光板を備え、前記第1、第2及び第3の位置検出用光源は、前記導光板の4つの辺のうち互いに隣接する2つの辺、及び該2つの辺間に位置する角部のいずれかに隣接して配置される。
この態様によれば、第1、第2及び第3の位置検出用光源は、導光板の4つの辺のうち互いに隣接する2つの辺、及び該2つの辺間に位置する角部のいずれかに隣接して配置されており、導光板の4つの辺のうち他の2辺には配置されていない。よって、導光板の4つの辺のうち第1、第2及び第3の位置検出用光源が隣接して配置される2辺を除く他の2辺については、第1、第2及び第3の位置検出用光源を配置するためのスペースを導光板の周辺に設ける必要がない。従って、検出平面範囲の外側に広がる額縁領域を縮小することができ、当該位置検出装置の小型化を図ることも可能となる。
上述した、第1、第2及び第3の位置検出用光源が、導光板の4つの辺のうち互いに隣接する2つの辺、及び該2つの辺間に位置する角部のいずれかに隣接して配置される態様では、前記光検出器は、前記検出平面範囲の法線方向から見て、前記導光板の4つの辺のうち、前記第1、第2及び第3の位置検出用光源のうち少なくとも一の位置検出用光源が隣接して配置された辺に隣接して配置される。
この場合には、光検出器は、導光板の4つの辺のうち、第1、第2及び第3の位置検出用光源のうち少なくとも一の位置検出用光源が隣接して配置された辺に隣接して配置されており、導光板の4つの辺のうち他の2辺には配置されていない。よって、導光板の4つの辺のうち第1、第2及び第3の位置検出用光源が隣接して配置される2辺を除く他の2辺については、第1、第2及び第3の位置検出用光源並びに光検出器を配置するためのスペースを導光板の周辺に設ける必要がない。従って、検出平面範囲の外側に広がる額縁領域をより確実に縮小することができ、当該位置検出装置のより一層の小型化を図ることも可能となる。
本発明に係る第2の位置検出装置は上記課題を解決するために、検出空間内における対象物体の位置を検出する位置検出装置であって、前記検出空間に対して第1の位置検出光を出射する第1の位置検出用光源と、前記第1の位置検出用光源とは異なる位置に配置され、前記検出空間に対して第2の位置検出光を出射する第2の位置検出用光源と、前記第1及び第2の位置検出用光源を通る直線からずれた位置に配置され、前記検出空間に対して第3の位置検出光を出射する第3の位置検出用光源と、前記第1、第2及び第3の位置検出用光源を通る平面からずれた位置に配置され、前記検出空間に対して第4の位置検出光を出射する第4の位置検出用光源と、前記第1、第2、第3及び第4の位置検出光が前記検出空間内で前記対象物体によって反射された光を検出する光検出器と、を備える。
本発明に係る第2の位置検出装置によれば、その動作時には、第1、第2、第3及び第4の位置検出用光源から第1、第2、第3及び第4の位置検出光が、例えば直方体状の空間として規定される検出空間に入射される。尚、第1、第2、第3及び第4の位置検出光は、直接的に検出空間に対して出射されてもよいし、例えば導光板を介して検出空間に対して出射されるなど、間接的に検出空間に対して出射されてもよい。例えば指やタッチペン等の対象物体が検出空間内に配置された場合、検出空間に入射された第1、第2、第3及び第4の位置検出光が、対象物体によって反射され、この反射された光が光検出器によって検出される。対象物体によって反射される第1、第2、第3及び第4の位置検出光の各々が、その位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離(即ち、第1の位置検出光が第1の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離、第2の位置検出光が第2の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離、第3の位置検出光が第3の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離、及び第4の位置検出光が第4の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離)は、検出空間内における対象物体の位置によって変化する。従って、対象物体によって反射される第1、第2、第3及び第4の位置検出光を光検出器によって検出することにより、検出された検出値(例えば、各位置検出光の光量或いは強度)に基づいて、例えば、第1、第2、第3及び第4の位置検出光の光量比や位相差等のデータを導出でき、このデータから対象物体の空間位置情報を取得することができる(即ち、検出空間内における対象物体の位置を検出することができる)。
ここで、本発明では特に、第3の位置検出用光源は、第1及び第2の位置検出用光源を通る直線からずれた位置に配置され(言い換えれば、第1、第2及び第3の位置検出用光源は、一直線上にないように配置され)、且つ、第4の位置検出用光源は、第1、第2及び第3の位置検出用光源を通る平面からずれた位置に配置される。言い換えれば、4つの位置検出用光源(即ち、第1、第2、第3及び第4の位置検出用光源)は、いずれの3つの位置検出用光源も一直線上にないように配置される。よって、検出空間内における対象物体の位置を確実に検出することができる。即ち、例えば、光検出器によって検出された第1及び第3の位置検出光についての検出値(例えば、第1及び第3の位置検出光の光量或いは強度)に基づいて、例えば、第1及び第3の位置検出光の光量比や位相差等のデータを導出できる。よって、これらのデータと、第1の位置検出光が第1の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離及び第3の位置検出光が第3の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離とに基づいて、第1の位置検出用光源から第3の位置検出用光源へ向かう方向に沿った第1の方向における位置情報(言い換えれば、第1の方向における座標)を取得することができる。更に、光検出器によって検出された第2及び第3の位置検出光についての検出値(例えば、第2及び第3の位置検出光の光量或いは強度)に基づいて、例えば、第2及び第3の位置検出光の光量比や位相差等のデータを導出できる。よって、これらのデータと、第2の位置検出光が第2の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離及び第3の位置検出光が第3の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離とに基づいて、第2の位置検出用光源から第3の位置検出用光源へ向かう方向に沿った第2の方向における位置情報(言い換えれば、第1の方向に交差する第2の方向における座標)を取得することができる。加えて、光検出器によって検出された第3及び第4の位置検出光についての検出値(例えば、第3及び第4の位置検出光の光量或いは強度)に基づいて、例えば、第3及び第4の位置検出光の光量比や位相差等のデータを導出できる。よって、これらのデータと、第3の位置検出光が第3の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離及び第4の位置検出光が第4の位置検出用光源から対象物体まで伝搬する距離とに基づいて、第3の位置検出用光源から第4の位置検出用光源へ向かう方向に沿った第3の方向における位置情報(言い換えれば、第1及び第2の方向に交差する第3の方向における座標)を取得することができる。
このように、本発明では特に、4つの位置検出用光源(即ち、第1、第2、第3及び第4の位置検出用光源)から位置検出光を検出空間に対して出射させ、対象物体によって反射された光を光検出器によって検出するという簡易な構成を有している。よって、仮に、検出空間の周辺に、分解能に対応する多数の光源及び光検出器或いは光スイッチや導光構造などを配列させる場合と比較して、光源、光検出器等の数が少なく、消費電力を低減できる。更に、低コストで製造することも可能となる。
以上説明したように、本発明に係る第2の位置検出装置によれば、簡易な構成を有し、低消費電力で、対象物体の位置を検出することができる。
本発明に係る第2の位置検出装置の一態様では、前記光検出器によって検出される検出値に基づいて前記対象物体の空間位置情報を取得する第2の位置情報取得手段を備える。
この態様によれば、第2の位置情報取得手段は、例えば、光検出器によって検出される検出値に基づいて、第1、第2、第3及び第4の位置検出光のうち第1及び第3の位置検出光についての光量比、位相差などのデータを導出し、このデータから検出空間内における第1の方向(例えば、第1の位置検出用光源から第3の位置検出用光源へ向かう方向)における位置情報を取得する。更に、第2の位置情報取得手段は、例えば、光検出器によって検出される検出値に基づいて、第1、第2、第3及び第4の位置検出光のうち第2及び第3の位置検出光についての光量比、位相差などのデータを導出し、このデータから検出空間内における第2の方向(例えば、第2の位置検出用光源から第3の位置検出用光源へ向かう方向)における位置情報を取得する。加えて、第2の位置情報取得手段は、例えば、光検出器によって検出される検出値に基づいて、第1、第2、第3及び第4の位置検出光のうち第3及び第4の位置検出光についての光量比、位相差などのデータを導出し、このデータから検出空間内における第3の方向(例えば、第3の位置検出用光源から第4の位置検出用光源へ向かう方向)における位置情報を取得する。よって、検出空間内における対象物体の位置(即ち、互いに交わる3つの方向における座標)を確実に検出することができる。尚、第2の位置情報取得手段は、例えばプロセッサ、メモリ等を備えて構成される。第2の位置情報取得手段は、位置検出装置自体に含まれる必要はなく、例えば、位置検出装置が搭載される電子機器内の例えばMPUや電子回路を含む制御部によって構成されてもよい。但し、位置検出装置自体が第2の位置情報取得手段を備えることで、取得した平面位置情報をそのまま搭載されるべき電子機器に出力することができるというメリットもある。
尚、本発明に係る第2の位置検出装置においても、上述した本発明に係る第1の位置検出装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
本発明に係る第1の電気光学装置は上記課題を解決するために、上述した本発明に係る第1の位置検出装置(但し、その各種態様も含む)と、前記検出平面範囲に少なくとも部分的に重なる表示領域を有する電気光学パネルとを備える。
本発明に係る第1の電気光学装置によれば、上述した本発明に係る第1の位置検出装置を備えるので、低消費電力で、電気光学パネルの表示領域に重なる検出平面範囲における対象物体の平面位置を検出することが可能となる。
本発明に係る第1の電気光学装置の一態様では、前記電気光学パネルは、一対の第1及び第2基板が互いに貼り合わされてなり、前記第1基板は、当該第1基板の少なくとも一辺において前記第2基板より張り出した張出部を有し、前記第1、第2及び第3の位置検出用光源は、前記第1基板の法線方向から見て前記張出部に重なるように配置される。
この態様によれば、表示領域及び検出平面範囲の外側に広がる額縁領域を縮小することができ、当該電気光学装置の小型化を図ることも可能となる。
本発明に係る第2の電気光学装置は上記課題を解決するために、上述した本発明に係る第2の位置検出装置(但し、その各種態様も含む)と、前記検出空間に少なくとも部分的に重なる表示領域を有する電気光学パネルと、を備える。
本発明に係る第2の電気光学装置によれば、上述した本発明に係る第2の位置検出装置を備えるので、低消費電力で、電気光学パネルの表示領域上の検出空間における対象物体の位置を検出することが可能となる。
本発明に係る第2の電気光学装置の一態様では、前記電気光学パネルは、一対の第1及び第2基板が互いに貼り合わされてなり、前記第1基板は、当該第1基板の少なくとも一辺において前記第2基板より張り出した張出部を有し、前記第1、第2、第3及び第4の位置検出用光源は、前記第1基板の法線方向から見て前記張出部に重なるように配置される。
この態様によれば、表示領域及び検出空間範囲の外側に広がる額縁領域を縮小することができ、当該電気光学装置の小型化を図ることも可能となる。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明に係る第1又は第2の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備してなる。
本発明の電子機器によれば、上述した本発明に係る第1又は第2の電気光学装置を具備してなるので、低消費電力で、対象物体の位置を検出可能な、カーナビゲーションシステム、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置、電子放出装置(Field Emission Display及びConduction Electron-Emitter Display)、これら電気泳動装置、電子放出装置を用いた表示装置を実現することも可能である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。尚、以下の実施形態では、本発明の位置検出装置を備える電気光学装置として、液晶装置を例にとる。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1から図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す分解斜視図である。図2は、本実施形態に係る液晶装置の全体構成を模式的に示す断面図である。図3は、本実施形態に係る位置検出装置の構成を模式的に示す平面図である。
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶装置100は、液晶パネル20と、照明ユニット40と、位置検出ユニット10と、光反射板14と、光学シート16と、光検出器15とを備えている。尚、位置検出ユニット10及び光検出器15が、本発明に係る「位置検出装置」の一例を構成する。即ち、本実施形態に係る位置検出装置は、位置検出ユニット10と、光検出器15とを備えている。また、本実施形態に係る位置検出装置は、後述するように、液晶パネル20の表示領域20Rに一致する検出平面範囲10Rにおける対象物体Obの平面位置を検出することが可能に構成されている。但し、検出平面範囲10Rは、表示領域20Rの少なくとも一部に平面的に重なっていればよく、表示領域20Rに完全に一致していなくてもよい。
液晶パネル20は、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子によって液晶素子を駆動するアクティブマトリクス駆動方式の表示パネルであり、表示領域20Rにおいて画像を表示することが可能に構成されている。尚、液晶パネル20は、本発明に係る「電気光学パネル」の一例である。
液晶パネル20は、例えばガラス等の透光性材料から夫々形成された第1基板21及び第2基板22間に液晶層24(図2参照)が挟持された構造を有する透過型の液晶パネルとして構成されている。第1基板21及び第2基板22は、枠状のシール材23(図2参照)によって互いに貼り合わされている。この枠状のシール材23によって規定される領域に液晶層24が設けられている。尚、本発明では、液晶パネル20は、特定の構成に限定されず、周知の種々の構成を採り得る。
より具体的には、液晶パネル20の第1基板21は、当該第1基板21の4辺21a、21b、21c及び21d(図3参照)のうち相隣接する2辺21a及び21bにおいて第2基板22より張り出した基板張出部21tを有している。基板張出部21t(より正確には、基板張出部21tにおける第2基板22側の表面)上には、例えば液晶パネル20を駆動するための駆動回路等を含む電子部品25や、例えばフレキシブル配線基板(FPC:Flexible Printed Circuit)等の配線部材26が実装されている。但し、基板張出部21t上には、電子部品25及び配線部材26のうち配線部材26のみが実装されていてもよいし、電子部品25及び配線部材26のいずれも実装されていなくてもよい。尚、第1基板21及び第2基板22の外面側には、必要に応じて、偏光板(図示省略)が配置されてもよい。
図2に示すように、液晶パネル20の視認側(即ち、操作側)には透光性(或いは光透過性)を有する表装板30が配置されている。表装板30の外面(即ち、液晶パネル20とは反対側の面、つまり、視認側の面)上に後述する光検出器15が配置されている。また、表装板30の外面側には、液晶装置100を保持固定するための枠体や液晶装置100を搭載する電子機器の筐体などで構成される表面板31(図2中、二点鎖線で示す)が配置されている。この表面板31には、表装板30のうち液晶パネル20の表示領域20R(言い換えれば、本実施形態に係る位置検出装置の検出平面範囲10R)を露出させる開口部31aが設けられている。
図1及び図2において、照明ユニット40は、照明用光源41と、照明用導光板43とを有しており、液晶パネル20に対して照射光L4を照射するバックライトとして機能することが可能に構成されている。
照明用光源41は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の発光素子で構成され、図示しない駆動回路から出力される駆動信号に応じて例えば白色の照射光L4を放出する。本実施形態では、複数の照明用光源41が、照明用導光板43の一側面である光入射面(或いは入光端面)43aに沿って配列されている。液晶装置100の動作時には、照明用光源41からの照射光L4が照明用導光板43の光入射面43aに入射される。
照明用導光板43は、透光性材料から形成されており、光入射面43aに入射される照明用光源41からの照射光L4を、液晶パネル20が配置される側の光出射面43sから出射して、液晶パネル20へと導くライトガイドとして機能する。
位置検出ユニット10は、後述する光検出器15と共に、本実施形態に係る位置検出装置を構成している。
図1から図3において、位置検出ユニット10は、3つの位置検出用光源12A、12B及び12C(即ち、第1の位置検出用光源12A、第2の位置検出用光源12B及び第3の位置検出用光源12C)と、導光板13とを備えている。
3つの位置検出用光源12A、12B及び12Cが夫々出射する位置検出光L2a、L2b及びL2cは、特に限定されないが、信号処理等によって外光と区別して検出可能なものが好ましく、可視光と波長分布が異なるか、或いは、点滅するなど変調が加えられることで発光態様が異なることが好ましい。また、例えば指やタッチペン等の対象物体Obにより効率的に反射される波長域を有することが好ましい。例えば、対象物体Obが指等の人体であれば、人体の表面で反射率の高い赤外線(特に可視光領域に近い近赤外線、例えば波長で850nm付近)であることが好ましい。
第1の位置検出用光源12Aは、その発光面が導光板13の側面13aに対向するように配置されている。第2の位置検出用光源12Bは、その発光面が導光板13の側面13aに隣接する側面13bに対向するように配置されている。第3の位置検出用光源12Cは、その発光面が、導光板13の側面13aと側面13bとの間に位置する角部に形成された光入射面13vに対向するように配置されている。液晶装置100の動作時には、第1の位置検出用光源12Aからの第1の位置検出光L2aが導光板13の側面13aに入射され、第2の位置検出用光源12Bからの第2の位置検出光L2bが導光板13の側面13bに入射され、第3の位置検出用光源12Cからの第3の位置検出光L2cが導光板13の光入射面13vに入射される。よって、第1の位置検出光L2a、第2の位置検出光L2b及び第3の位置検出光L2cは、導光板13の内部を互いに異なる方向に伝搬しながら、それらの伝搬方向に沿って徐々に光出射面13sから出射される。
導光板13は、例えばポリカーボネートやアクリル樹脂等の透光性材料から形成されている。本実施形態では、導光板13は、平面視矩形状で全体として平板状に構成されている。導光板13の4つの側面13a〜13dのうち互いに隣接する側面13a及び13bに上述した位置検出用光源12A及び12Bがそれぞれ配置され、側面13a及び13b間に位置する角部に形成された光入射面13vに上述した第3の位置検出用光源12Cが配置されている。
導光板13の光出射面13s又はこの光出射面13の反対の背面である光反射面13tには、図示しない表面凹凸構造、プリズム構造、散乱層などが設けられ、このような光散乱構造によって、導光板13の側面13a、13b及び光入射面13vから入射して内部を伝搬する光は、その伝搬方向に進むに従って徐々に偏向されて光出射面13sから出射するように構成されている。この結果、位置検出光L2a〜L2cは並行して導光板13の光出射面13sから面状に放出される。例えば、位置検出光L2aは、側面13aから側面13bに向けて導光板13の内部を伝搬しながら徐々に光出射面13sから放出されていく。
導光板13の光出射面13sから面状に放出された位置検出光L2a〜L2cは、照射用導光板43、光学シート16、液晶パネル20及び表装板30を透過して、表装板30の視認側(即ち、操作側、つまり、対象物体Obが配置される側)の検出平面範囲10R全体から出射される。表装板30の視認側に例えば指等の対象物体Obが配置されると、検出平面範囲10Rから出射された位置検出光L2a〜L2cが対象物体Obによって反射され、その反射光の一部が後述する光検出器15によって検出される。
光反射板14は、例えば反射シートから構成されており、導光板13の光反射面13tに対向するように配置されている。光反射板14は、導光板13の光反射面13tから出射された光を反射して、導光板13の内部へ戻す。
光学シート16は、導光板13の光出射面13s側(本実施形態では、照明用導光板43の光出射面43s側)に配置されている。光学シート16は、位置検出光L2a〜L2cや照明光L4の均一化を図るための光拡散板、位置検出光L2a〜L2cや照明光L4の指向性を高めるためのプリズムシート等の集光板などの光学シートである。尚、光学シート16としては、導光板13の光出射面13sから出射される位置検出光L2a〜L2cの出射角(光出射面13sの法線方向との角度)が小さくなるように屈折させるための集光シートが用いられることが好ましい。これによって位置検出光L2a〜L2cが効率的に視認側(即ち、操作側)に出射され、高精度の、しかも安定した位置検出が可能となるように構成できる。
光検出器15は、上述した表装板30の外面上に配置されている。光検出器15は、例えばフォトダイオード等の受光素子で構成され、上述した位置検出光L2a〜L2c(即ち、対象物体Obによって反射された位置検出光L2a〜L2c)の強度を検出可能となるように構成されている。例えば、位置検出光L2a〜L2cが赤外線であれば、光検出器15も赤外線に感度を有する受光素子で構成される。光検出器15の受光感度を位置検出光L2a〜L2cの波長域を選択的に検出できるように選定することにより、外光などの他の光による影響を低減できる。
次に、光検出器15によって検出される検出値に基づいて検出平面範囲10Rにおける対象物体Obの平面位置情報(位置座標)を取得する取得方法について説明する。この平面位置情報を取得する方法としては種々のものが考えられるが、例えば、その一例として、2つの位置検出光の検出光量の比率に基づいてそれらの減衰係数の比率を求め、この減衰係数の比率から両位置検出光の伝播距離を求めることにより、対応する2つの光源を結ぶ方向の位置座標を求める方法が挙げられる。
より具体的には、2つの位置検出用光源として第1の位置検出用光源12A及び第3の位置検出用光源12Cを用いる場合を例に挙げて説明すると、第1の位置検出用光源12Aの制御量(例えば電流量)、変換係数及び放出光量をそれぞれIa、k及びEaとし、第3の位置検出用光源12Cの制御量(例えば電流量)、変換係数及び放出光量をそれぞれIc、k及びEcとすれば、Ea=k・Ia、Ec=k・Icとなる。また、第1の位置検出光L2aの減衰係数及び検出光量をそれぞれfa及びGaとし、第3の位置検出光L2cの減衰係数及び検出光量をそれぞれfc及びGcとすれば、Ga=fa・Ea=fa・k・Ia、Gc=fc・Ec=fc・k・Icとなる。
従って、光検出器15において両位置検出光の検出光量の比であるGa/Gcが検出できるとすれば、Ga/Gc=(fa・Ea)/(fc・Ec)=(fa/fc)・(Ia/Ic)となるから、放出光量の比Ea/Ec及び制御量の比Ia/Icに相当する値が分かれば、減衰係数の比fa/fcが判明する。この減衰係数の比と両位置検出光の伝播距離との比の間には正の相関があるので、この相関関係を予め設定しておくことで、対象物体Obの平面位置情報(第1の位置検出光源12Aから第3の位置検出光源12Cへ向かう方向、例えば図中でX方向の位置座標)を得ることができる。
上述した減衰係数の比fa/fcを求める方法としては、例えば、第1の位置検出用光源12Aと第3の位置検出用光源12Cとを逆相で点滅(例えば、矩形波状若しくは正弦波状の駆動信号を伝播距離の差に起因する位相差が無視できる周波数で相互に180度の位相差を持つように動作)させた上で、検出光量の波形を解析する。より現実的には、例えば、一方の制御量Iaを固定し(Ia=Im)、検出波形が観測できなくなるように(即ち、検出光量の比Ga/Gcが0となるように)他方の制御量Icを制御し、このときの制御量Ic=Im・(fa/fc)から上述した減衰係数の比(fa/fc)を導出する。
また、両制御量の和が常に一定Im=Ia+Icとなるように制御してもよい。この場合には、Ic=Im・Ic/(fa+fc)となるので、fc/(fa+fc)=αとすると、fa/fc=(1−α)/αにより、減衰係数の比が求まる。
本実施形態の場合、対象物体Obの図中X方向の位置情報は、第1の位置検出用光源12Aと第3の位置検出用光源12Cとを相互に逆相で駆動することで取得することができる。また、同様に、対象物体Obの図中Y方向の位置情報は、第2の位置検出用光源12Bと第3の位置検出用光源12Cとを相互に逆相で駆動することで取得することができる。従って、制御系において上記X方向及びY方向の検出動作を順次行うことにより、検出平面範囲10Rにおける対象物体Obの位置座標を取得できる。
図3において、上述した対象物体Obの平面位置情報の取得は、例えば電子部品25の一部として含まれるマイクロプロセッサ等から構成される位置情報取得部251によって行われる。尚、位置情報取得部251は、所定のソフトウエア(動作プログラム)を実行することによって平面位置情報を取得する構成としてもよいし、例えば論理回路等のハードウエアを用いて所定の処理を行うことで平面位置情報を取得する構成としてもよい。また、このような位置情報取得部251は、液晶装置100の一部として組み込まれていてもよいし、液晶装置100が搭載される電子機器の内部において構成されていてもよい。
尚、平面位置情報の取得方法としては、上述したような2つの位置検出光の伝搬距離に対応する光量比に基づく方法の他、例えば、2つの位置検出光の伝搬距離に対応する位相差に基づく方法も考えられる。この場合には、当該位相差の大小と上記伝搬距離の差との関係に応じて対象物体Obの平面位置情報を算出することができる。
次に、本実施形態に係る位置検出装置の構成について、図3及び図4を参照して説明を加える。
図4は、本実施形態における3つの位置検出用光源の配置を説明するための模式図である。
図3及び図4において、本実施形態では特に、第3の位置検出用光源12Cは、第1の位置検出用光源12A及び第2の位置検出用光源12Bを通る直線910(図4参照)からずれた位置に配置されている(言い換えれば、3つの位置検出用光源12A、12B及び12Cは、一直線上にないように配置されている)ので、検出平面範囲10R内における対象物体Obの平面位置を確実に検出することができる。
即ち、第3の位置検出用光源12Cが、第1の位置検出用光源12A及び第2の位置検出用光源12Bを通る直線910からずれた位置に配置されているが故に、上述したように、検出平面範囲10Rにおける対象物体Obの位置座標を取得できる。つまり、光検出器15によって検出された第1の位置検出光L2a及び第3の位置検出光L2cについての検出値と、第1の位置検出光L2aが第1の位置検出用光源12Aから対象物体Obまで伝搬する距離及び第3の位置検出光L2cが第3の位置検出用光源12Cから対象物体Obまで伝搬する距離とに基づいて、第1の位置検出用光源12Aから第3の位置検出用光源12cへ向かう方向に沿った第1の方向(例えば図中X方向)における位置情報(例えば第1の方向における座標)を取得することができる。更に、光検出器15によって検出された第2の位置検出光L2b及び第3の位置検出光L2cについての検出値と、第2の位置検出光L2bが第2の位置検出用光源12Bから対象物体Obまで伝搬する距離及び第3の位置検出光L2cが第3の位置検出用光源12Cから対象物体Obまで伝搬する距離とに基づいて、第2の位置検出用光源L2bから第3の位置検出用光源L2cへ向かう方向に沿った第2の方向(例えば図中Y方向)における位置情報(言い換えれば、第1の方向に交差する第2の方向における座標)を取得することができる。
このように、本実施形態では特に、3つの位置検出用光源12A、12B及び12Cから位置検出光L2a、L2b及びL2cを検出平面範囲10Rに対して出射させ、対象物体Obによって反射された光を光検出器15によって検出するという簡易な構成を有している。よって、仮に、検出平面範囲10Rの周辺に、分解能に対応する多数の光源及び光検出器或いは光スイッチや導光構造などを配列させる場合と比較して、光源、光検出器等の数が少なく、消費電力を低減できる。更に、低コストで製造することも可能となる。
更に、図3において、本実施形態では特に、上述したように、第1の位置検出用光源12Aは、その発光面が導光板13の側面13aに対向するように配置され、第2の位置検出用光源12Bは、その発光面が導光板13の側面13aに隣接する側面13bに対向するように配置され、第3の位置検出用光源12Cは、その発光面が、導光板13の光入射面13vに対向するように配置されている。言い換えれば、3つの位置検出用光源12A、12B及び12Cは、導光板13の4つの辺のうち互いに隣接する2つの辺(即ち、側面13a及び13bが形成される辺)、及び該2つの辺間に位置する角部のいずれかに隣接して配置されており、導光板13の4つの辺のうち他の2辺(即ち、側面13c及び13dが形成される辺)には配置されていない。よって、導光板13の4つの辺のうち位置検出用光源12A及び12Bが隣接して配置される2辺を除く他の2辺(即ち、側面13c及び13dが形成される辺)については、位置検出用光源を配置するためのスペースを導光板13の周辺に設ける必要がない。従って、検出平面範囲10Rの外側に広がる、表示領域20Rの周囲を取り囲む額縁領域を縮小することができ、液晶装置100の小型化を図ることも可能となる。
加えて、本実施形態では特に、3つの位置検出用光源12A、12B及び12Cは、第1基板21の法線方向から見て、基板張出部21tに重なるように配置されている。よって、検出平面範囲10Rの外側に広がる額縁領域をより確実に縮小することができる。
更に加えて、本実施形態では特に、光検出器15は、導光板13の4つの辺のうち、第1の位置検出用光源12が隣接して配置された辺(即ち、側面13aが形成される辺)に隣接して配置されている。よって、導光板13の4つの辺のうち位置検出用光源12A、12B及び12Cが隣接して配置されない他の2辺(即ち、側面13c及び13dが形成される辺)については、光検出器15を配置するためのスペースも導光板13の周辺に設ける必要がない。従って、検出平面範囲10Rの外側に広がる額縁領域をより確実に縮小することができ、液晶装置100のより一層の小型化を図ることも可能となる。
次に、比較例に係る位置検出装置について、図5を参照して説明する。
図5は、比較例に係る位置検出ユニットを示す平面図である。
図5において、比較例に係る位置検出装置は、上述した本実施形態に係る位置検出ユニット10に代えて位置検出ユニット800を備える点で、上述した本実施形態に係る位置検出装置と異なり、その他の点については、上述した本実施形態に係る位置検出装置と概ね同様に構成されている。
図5に示すように、比較例に係る位置検出ユニット800では、4つの位置検出用光源912A、912B、912C及び912Dが、導光板13の4つの角部に1つずつ、各々の発光面が導光板13の中央を向くように配置されている。比較例に係る位置検出装置では、位置検出ユニット800の4つの位置検出用光源912A、912B、912C及び912Dの各々からの位置検出光が検出平面範囲10R内で対象物体Obによって反射された光を光検出器15によって検出することにより、検出平面範囲10Rにおける対象物体Obの平面位置を検出するように構成されている。このように構成された比較例に係る位置検出装置では、本実施形態に係る位置検出装置と比べて、位置検出用光源が1つ多い分だけ消費電力が大きくなってしまいやすい。しかるに、本実施形態によれば、検出平面範囲10Rにおける平面位置を取得するのに、理論上最小限必要な、一直線上にない3つの位置検出用光源12A、12B及び12Cだけが設けられているので、上述した比較例と比較して、消費電力を確実に低減することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る液晶装置100によれば、位置検出ユニット10及び光検出器15を備えるので、低消費電力で、液晶パネル20の表示領域20Rに一致する検出平面範囲10Rにおける対象物体Obの平面位置を検出することが可能となる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について、図6から図8を参照して説明する。尚、図6から図8において、図1から図4に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、本実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す分解斜視図である。図7は、本実施形態に係る位置検出装置の構成を模式的に示す平面図である。
図6において、本実施形態に係る液晶装置200は、液晶パネル20と、位置検出ユニット10bと、光検出器15bとを備えている。尚、位置検出ユニット10b及び光検出器15bが、本発明に係る「位置検出装置」の一例を構成する。即ち、本実施形態に係る位置検出装置は、位置検出ユニット10bと、光検出器15とを備えている。また、本実施形態に係る位置検出装置は、後述するように、液晶パネル20の表示領域20R上に例えば直方体状の空間として規定される検出空間10Sにおける対象物体Obの位置(3次元座標)を検出することが可能に構成されている。
尚、本実施形態に係る液晶装置200は、図1を参照して上述した第1実施形態に係る液晶装置100と概ね同様に、照明ユニット40、光反射板14や光学シート16を備えていてもよい。
図6及び図7において、位置検出ユニット10bは、4つの位置検出用光源12bA、12bB、12bC及び12bD(即ち、第1の位置検出用光源12bA、第2の位置検出用光源12bB、第3の位置検出用光源12bC及び第4の位置検出用光源12bD)を備えている。
4つの位置検出用光源12bA、12bB、12bC及び12bDは、例えばLED等の発光素子で構成され、図示しない駆動回路から出力される駆動信号に応じて例えば赤外線である位置検出光L3a、L3b、L3c及びL3d(即ち、第1の位置検出光L3a、第2の位置検出光L3b、第3の位置検出光L3c及び第4の位置検出光L3d)を検出空間10Sに対して出射する。
第1の位置検出用光源12bAは、液晶パネル20のパネル面の法線方向(図中Z方向)から見て、液晶パネル20の矩形状の表示領域20Rの一辺に隣接して配置されている。
第2の位置検出用光源12bBは、液晶パネル20のパネル面の法線方向(図中Z方向)から見て、液晶パネル20の矩形状の表示領域20Rの、第1の位置検出用光源12bAが隣接して配置された辺に隣接する辺に隣接して配置されている。
第3の位置検出用光源12bCは、液晶パネル20のパネル面の法線方向(図中Z方向)から見て、液晶パネル20の矩形状の表示領域20Rの、第1の位置検出用光源12bAが隣接して配置された辺と第1の位置検出用光源12bAが隣接して配置された辺の間に位置する角部に配置されている。
第4の位置検出用光源12bDは、液晶パネル20のパネル面の法線方向(図中Z方向)から見て、第3の位置検出用光源12bCに重なるように配置されている。第4の位置検出用光源12bDは、第3の位置検出用光源12bCよりも液晶パネル20に近い側に配置されている。
光検出器15bは、例えばフォトダイオード等の受光素子で構成され、検出空間10Sにおいて対象物体Obによって反射された位置検出光L2a〜L2dの強度を検出可能となるように構成されている。例えば、位置検出光L2a〜L2dが赤外線であれば、光検出器15bも赤外線に感度を有する受光素子で構成される。光検出器15bの受光感度を位置検出光L2a〜L2dの波長域を選択的に検出できるように選定することにより、外光などの他の光による影響を低減できる。
このように構成された本実施形態に係る位置検出装置によれば、上述した第1実施形態に係る位置検出装置による検出平面範囲10Rにおける対象物体Obの平面位置情報(例えばX方向及びY方向における座標)の取得方法と同様の取得方法を例えばZ方向にも適用することができ、検出空間10Sにおける対象物体Obの空間位置情報を取得することができる。
つまり、本実施形態の場合、対象物体Obの図中X方向の位置情報は、第1の位置検出用光源12bAと第3の位置検出用光源12bCとを相互に逆相で駆動することで取得することができる。また、同様に、対象物体Obの図中Y方向の位置情報は、第2の位置検出用光源12bBと第3の位置検出用光源12bCとを相互に逆相で駆動することで取得することができる。また、同様に、対象物体Obの図中Y方向の位置情報は、第4の位置検出用光源12bDと第3の位置検出用光源12bCとを相互に逆相で駆動することで取得することができる。従って、制御系において上記X方向、Y方向及びZ方向の検出動作を順次行うことにより、検出空間10Sにおける対象物体Obの空間位置情報(即ち、X方向、Y方向及びZ方向の各々における位置座標)を取得できる。
図7において、上述した対象物体Obの空間位置情報の取得は、例えば電子部品25の一部として含まれるマイクロプロセッサ等から構成される位置情報取得部251bによって行われる。
次に、本実施形態に係る位置検出装置の構成について、図7及び図8を参照して説明を加える。
図8は、本実施形態における4つの位置検出用光源の配置を説明するための模式図である。
図7及び図8において、本実施形態では特に、第3の位置検出用光源12bCは、第1の位置検出用光源12bA及び第2の位置検出用光源12bBを通る直線920からずれた位置に配置され(言い換えれば、3つの位置検出用光源12bA、12bB及び12bCは、一直線上にないように配置され)、且つ、第4の位置検出用光源12bDは、第1の位置検出用光源12bA、第2の位置検出用光源12bB及び第3の位置検出用光源12bCを通る平面950から、この平面950の法線方向N1に距離d1だけ、ずれた位置に配置されている。言い換えれば、4つの位置検出用光源12bA、12bB、12bC及び12bDは、いずれの3つの位置検出用光源も一直線上にないように配置されている。よって、検出空間10S内における対象物体Obの位置を確実に検出することができる。
即ち、第4の位置検出用光源12bDが、一直線上にない第1の位置検出用光源12bA、第2の位置検出用光源12bB及び第3の位置検出用光源12bCを通る面950からずれた位置に配置されているが故に、上述したように、検出空間10Sにおける対象物体Obの位置座標を取得できる。つまり、光検出器15bによって検出された第1の位置検出光L3a及び第3の位置検出光L3cについての検出値と、第1の位置検出光L3aが第1の位置検出用光源12bAから対象物体Obまで伝搬する距離及び第3の位置検出光L3cが第3の位置検出用光源12bCから対象物体まで伝搬する距離とに基づいて、第1の位置検出用光源12bAから第3の位置検出用光源12bCへ向かう方向に沿った第1の方向(例えば図中X方向)における位置情報(言い換えれば、第1の方向における座標)を取得することができる。更に、光検出器15bによって検出された第2の位置検出光L3b及び第3の位置検出光L3cについての検出値と、第2の位置検出光L3bが第2の位置検出用光源12bBから対象物体Obまで伝搬する距離及び第3の位置検出光L3cが第3の位置検出用光源12bCから対象物体Obまで伝搬する距離とに基づいて、第2の位置検出用光源12bBから第3の位置検出用光源12bCへ向かう方向に沿った第2の方向(例えば図中Y方向)における位置情報(言い換えれば、第1の方向に交差する第2の方向における座標)を取得することができる。加えて、光検出器15bによって検出された第3の位置検出光L3c及び第4の位置検出光L3dについての検出値と、第3の位置検出光L3cが第3の位置検出用光源12bCから対象物体Obまで伝搬する距離及び第4の位置検出光L3dが第4の位置検出用光源12bDから対象物体Obまで伝搬する距離とに基づいて、第3の位置検出用光源12bCから第4の位置検出用光源12bDへ向かう方向に沿った第3の方向(例えば図中Z方向)における位置情報(言い換えれば、第1及び第2の方向に交差する第3の方向における座標)を取得することができる。
このように、本実施形態では特に、4つの位置検出用光源12bA、12bB、12bC及び12bDから位置検出光L3a、L3b、L3c及びL3dを検出空間10Sに対して出射させ、対象物体Obによって反射された光を光検出器15bによって検出するという簡易な構成を有している。よって、仮に、検出空間10Sの周辺に、分解能に対応する多数の光源及び光検出器或いは光スイッチや導光構造などを配列させる場合と比較して、光源、光検出器等の数が少なく、消費電力を低減できる。更に、低コストで製造することも可能となる。
更に、図7において、本実施形態では特に、4つの位置検出用光源12bA、12bB、12bC及び12bDは、第1基板21の法線方向(即ち、図中Z方向)から見て基板張出部21tに重なるように配置されている。よって、表示領域20Rの外側に広がる、表示領域20Rの周囲を取り囲む額縁領域を縮小することができ、液晶装置200の小型化を図ることも可能となる。
<電子機器>
次に、上述した実施形態に係る液晶装置を適用可能な電子機器の具体例について、図9を参照して説明する。
ここでは、上述した実施形態に係る位置検出装置を備えた液晶装置を、車載用のカーナビゲーションシステムの表示部に適用した例について説明する。図9は、カーナビゲーションシステムの構成を示す斜視図である。
図9に示すように、カーナビゲーションシステム1200は、本体1210と、この本体1210に接続された表示部1220とを備えている。本体1210には、操作ボタン等を配設した操作面1211が設けられると共に、DVD等の記録媒体の導入口1212が設けられている。表示部1220の内部には、上述した実施形態に係る液晶装置100が格納されており液晶装置100の表示領域20Rに形成される画像、即ち、ナビゲーション画像の表示が表示部1220の表示画面1220aにて視認されるように構成されている。また、表示画面1220a上に例えば指やタッチペン等の対象物体を配置することで、上述した位置検出光L2a〜L2dが反射され、光検出器15によって検出されることにより、表示画面1220a上の対象物体Obの位置情報を入力することができるように構成されている。
尚、図9を参照して説明した電子機器の他にも、可搬型のパーソナルコンピュータ、携帯電話、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
また本発明は、上述の実施形態で説明した液晶装置以外にも、シリコン基板上に素子を形成する反射型液晶装置(LCOS)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED、SED)、有機ELディスプレイ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、電気泳動装置等にも適用可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う位置検出装置、電気光学装置及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。