JP5412568B1 - 湿式ブラスト用噴射ガン - Google Patents
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Abstract
【課題】能率良くかつ省スペースで湿式ブラストを実施できる湿式ブラスト用噴射ガンを提供する。
【解決手段】ガン本体11の内部に、第1のスラリー室61と、第2のスラリー室62が形成されている。エアジェット部材12は、第1のエア室95と、第2のエア室96と、第1のエア流通部161と、第2のエア流通部162と、第1および第2のエア噴出部171,172とを有している。ノズル部材14には、流路断面がスリット形の第1および第2の噴射流通部191,192と、スラリー投射口230,231が形成されている。第1の噴射流通部191の入口側開口191aが第1のスラリー室61に開口している。エアジェット部材12の第1のエア噴出部171がノズル部材14の入口側開口191aと対向している。第2の噴射流通部192の入口側開口192aが第2のスラリー室62に開口している。第2のエア噴出部172が入口側開口192aと対向している。
【選択図】図5
【解決手段】ガン本体11の内部に、第1のスラリー室61と、第2のスラリー室62が形成されている。エアジェット部材12は、第1のエア室95と、第2のエア室96と、第1のエア流通部161と、第2のエア流通部162と、第1および第2のエア噴出部171,172とを有している。ノズル部材14には、流路断面がスリット形の第1および第2の噴射流通部191,192と、スラリー投射口230,231が形成されている。第1の噴射流通部191の入口側開口191aが第1のスラリー室61に開口している。エアジェット部材12の第1のエア噴出部171がノズル部材14の入口側開口191aと対向している。第2の噴射流通部192の入口側開口192aが第2のスラリー室62に開口している。第2のエア噴出部172が入口側開口192aと対向している。
【選択図】図5
Description
本発明は、液体中に研磨材を含有させたスラリーをワークに向けて噴射する湿式ブラスト用噴射ガンに関する。
ワークの表面処理等に使用されるブラスト装置の一種に、例えば特許文献1,2に記載されているように、液体中に研磨材を含有させたスラリーをワークに向けて噴射することにより、ワークの表面処理を行なう湿式ブラスト装置が知られている。湿式ブラスト装置は、スラリーをエアと共にワークに向けて噴出するノズルを有する噴射ガンと、該噴射ガンにスラリーと圧縮エアとを圧送するスラリー供給系およびエア供給系とを備え、前記ノズルからワークに向けてスラリーを投射するようにしている。湿式ブラストは液体ホーニングと呼ばれることもある。
また本発明者達は、流路断面がスリット形の噴射口を有するフラットタイプの噴射ガンの開発も行なってきた。スリット形の噴射口を有する噴射ガンは、搬送機構によって連続的に移動するワークに向かってスラリーを幅広い範囲に投射することができるため、ワークの表面処理を能率良く行なうことが可能である。
前記スリット形の噴射口を有する噴射ガンを用いて湿式ブラストを行なう場合、1台の噴射ガンで行なえる湿式ブラストの処理能力にはおのずと限界がある。このため2台の噴射ガンをワークの移動方向に並べることにより、処理能力を高めることが考えられた。しかし2台の噴射ガンをワークの移動方向に並べた場合、設置のために必要なスペースが大きくなるだけでなく、それぞれの噴射ガンを保持するための機構が2台分必要となる。また、コンベア等の搬送機構によって移動させられるワークの先端が横長なスラリー投射領域内に徐々に進入するように、例えば図4に2点鎖線で示した投射口Aのように、ワークWの上方から見てワークWの移動方向Fに対し斜めに角度θをなして噴射ガンが設置されることもある。
このようにスリット形の投射口を有する噴射ガンをワークWの移動方向に対して斜めに設置する場合、互いに独立した2台の噴射ガンをワークWの移動方向に斜めに並べたとすると、それぞれの噴射ガンから投射されるスラリー投射領域間の距離L1(図4に示す)がかなり大きくなる。このため、それぞれのスラリー投射領域の幅方向の両端部がワークWの幅Yの外側にはみ出す量が大きくなり、その分、投射されたスラリーが有効に使用されないだけでなく、ワークの反対側に配置されているスラリー受け部材Bが1台の噴射ガンのみを使用する場合と比較して、かなり大きなものが必要になるという問題が生じた。
従って本発明の目的は、能率良くかつ省スペースで湿式ブラストを実施できる湿式ブラスト用噴射ガンを提供することにある。
本発明の湿式ブラスト用噴射ガンは、互いに仕切られた第1のスラリー室と第2のスラリー室を有するガン本体と、前記第1のスラリー室に連通する第1のスラリー導入口と、前記第2のスラリー室に連通する第2のスラリー導入口と、前記ガン本体に設けられたエアジェット部材と、ノズル部材と、第1のエア供給口と、第2のエア供給口とを有している。前記エアジェット部材は、互いに仕切られた第1のエア室および第2のエア室と、前記第1のエア室に連通する第1のエア流通部と、前記第2のエア室に連通する第2のエア流通部とを有している。前記ノズル部材は、第1の噴射流通部と第2の噴射流通部とを有している。前記第1の噴射流通部は、流路断面がスリット形で前記第1のスラリー室に開口する入口側開口を有し、該入口側開口が前記第1のエア流通部のエア噴出部と対向している。前記第2の噴射流通部は、流路断面がスリット形で前記第2のスラリー室に開口する入口側開口を有し、該入口側開口が前記第2のエア流通部のエア噴出部と対向している。
前記エアジェット部材の一例は、流路断面がスリット形の前記第1のエア流通部と、該第1のエア流通部の下流側に複数のエア噴出孔を該エアジェット部材の幅方向に等ピッチで形成してなる第1のエア噴出部と、流路断面がスリット形の前記第2のエア流通部と、該第2のエア流通部の下流側に複数のエア噴出孔を該エアジェット部材の幅方向に等ピッチで形成してなる第2のエア噴出部とを具備している。
また前記ノズル部材の一例は、厚さ方向に重ねた3枚のノズル構成板を有し、これらノズル構成板のうち第1のノズル構成板と第2のノズル構成板との間に、流路断面がスリット形の前記第1の噴射流通部が形成され、第2のノズル構成板と第3のノズル構成板との間に、流路断面がスリット形の前記第2の噴射流通部が形成されている。
また1つの実施形態では、前記第1のスラリー導入口に接続された第1のスラリー供給系と、前記第2のスラリー導入口に接続された第2のスラリー供給系と、前記第1のエア供給口に接続された第1のエア供給系と、前記第2のエア供給口に接続された第2のエア供給系とを具備している。
また前記ノズル部材の一例は、厚さ方向に重ねた3枚のノズル構成板を有し、これらノズル構成板のうち第1のノズル構成板と第2のノズル構成板との間に、流路断面がスリット形の前記第1の噴射流通部が形成され、第2のノズル構成板と第3のノズル構成板との間に、流路断面がスリット形の前記第2の噴射流通部が形成されている。
また1つの実施形態では、前記第1のスラリー導入口に接続された第1のスラリー供給系と、前記第2のスラリー導入口に接続された第2のスラリー供給系と、前記第1のエア供給口に接続された第1のエア供給系と、前記第2のエア供給口に接続された第2のエア供給系とを具備している。
本発明の湿式ブラスト用噴射ガンによれば、1つのノズル部材に2系統の噴射流通部とスラリー投射口とを備えたことにより、湿式ブラストを能率良く実施することができる。また、2系統のスラリー投射口を有していながら、設置に要するスペースが小さくて済むものである。また、第1のスラリー供給系および第1のエア供給系と、第2のスラリー供給系および第2のエア供給系の両方を使用することもできるし、一方のスラリー供給系およびエア供給系のみを用いて湿式ブラストを行なうこともできる。
以下に本発明の1つの実施形態について、図1から図8を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る湿式ブラスト用噴射ガン10(これ以降、単に噴射ガン10と称する)の斜視図である。図2は噴射ガン10の分解斜視図、図3は噴射ガン10の平面図である。図4は、ワークWと、該ワークWの上方に設置された噴射ガン10とを模式的に示す平面図である。ワークWは、例えばタイミングベルト等を備えた搬送機構1によって矢印Fで示す方向に連続的に移動する。
図1は、本実施形態に係る湿式ブラスト用噴射ガン10(これ以降、単に噴射ガン10と称する)の斜視図である。図2は噴射ガン10の分解斜視図、図3は噴射ガン10の平面図である。図4は、ワークWと、該ワークWの上方に設置された噴射ガン10とを模式的に示す平面図である。ワークWは、例えばタイミングベルト等を備えた搬送機構1によって矢印Fで示す方向に連続的に移動する。
図1に示された噴射ガン10は、中空のガン本体11と、ガン本体11の一方側(図2において上側)に設けられたエアジェット部材12および蓋部材13と、ガン本体11の他方側(図2において下側)に設けられたノズル部材14と、ガン本体11の両端に設けられた一対の接続ブロック15,16とを含んでいる。
図2に示すように一方の接続ブロック15は、ボルト20によってガン本体11の一方の端面11aに固定されている。この接続ブロック15に、第1のスラリー導入口21,22と、第2のスラリー導入口23,24が形成されている。第1のスラリー導入口21,22のいずれか一方に、第1のスラリー供給管25(図1に示す)が接続される。つまり第1のスラリー供給管25のレイアウト等に応じて、第1のスラリー導入口21,22の一方に第1のスラリー供給管25が接続され、他方が栓26によって閉鎖される。また第2のスラリー導入口23,24のいずれか一方に、第2のスラリー供給管30(図1に示す)が接続される。つまり第2のスラリー供給管30のレイアウト等に応じて、第2のスラリー導入口23,24の一方に第2のスラリー供給管30が接続され、他方が栓31によって閉鎖される。
他方の接続ブロック16は、ボルト35によってガン本体11の他方の端面11bに固定されている。この接続ブロック16に、第1のスラリー導入口36,37と、第2のスラリー導入口38,39が形成されている。第1のスラリー導入口36,37のいずれか一方に、第1のスラリー供給管25が接続される。つまり第1のスラリー供給管25のレイアウト等に応じて、第1のスラリー導入口36,37の一方に第1のスラリー供給管25が接続され、他方が栓40によって閉鎖される。また第2のスラリー導入口38,39のいずれか一方に、第2のスラリー供給管30が接続される。つまり第2のスラリー供給管30のレイアウト等に応じて、第2のスラリー導入口38,39の一方に第2のスラリー供給管30が接続され、他方が栓41によって閉鎖される。
図1に示すように第1のスラリー供給管25は、開閉弁50を介してスラリー供給機構51に接続されている。第1のスラリー供給管25と開閉弁50とは、第1のスラリー供給系53を構成している。第2のスラリー供給管30は、開閉弁52を介してスラリー供給機構51に接続されている。第2のスラリー供給管30と開閉弁52とは、第2のスラリー供給系54を構成している。図1中の矢印Qは、第1および第2のスラリー供給系53,54においてスラリーが流れる方向を示している。
スラリー供給機構51の一例は、スラリー55が収容されたタンク56と、タンク56内のスラリー55をスラリー供給管25,30に圧送するポンプ57などを含んでいる。スラリー55は、液体(例えば水)に研磨材を混ぜたものである。研磨材の一例は、平均粒径が数十μmから数百μmの樹脂製研磨材であるが、金属、ガラスあるいはアルミナ等のセラミックスからなる研磨材が使用されてもよい。
中空の前記ガン本体11は、内部に形成されたスラリー流入空間60(図2に示す)を有している。図5に示されるようにスラリー流入空間60は、後述するジェットボディ90が挿入されることにより、互いに液密に仕切られた第1のスラリー室61と第2のスラリー室62とに2分されている。第1のスラリー室61は、第1のスラリー導入口21,22,36,37と連通している。第2のスラリー室62は、第2のスラリー導入口23,24,38,39と連通している。
図2に示すようにガン本体11の上部に開口65が形成されている。この開口65はスラリー流入空間60と連通している。開口65の周囲(ガン本体11とエアジェット部材12との対向面)には、全周にわたって連続するOリング等のシール部材66が設けられている。また開口65の周囲でシール部材66の外側に、ガン本体11とエアジェット部材12と蓋部材13とを共締めするためのボルト70を挿入するねじ孔71が形成されている。
ガン本体11の下部にクランプ部80がガン本体11と一体に設けられている。クランプ部80は、第1のクランプ要素81と第2のクランプ要素82とを有し、これらクランプ要素81,82を一対のボルト83によって互いに締結することにより、ノズル部材14を挾持するようになっている。ノズル部材14については後に詳しく説明する。
前記エアジェット部材12は、ガン本体11の前記開口65からスラリー流入空間60に挿入されるジェットボディ90と、ジェットボディ90と一体に形成されたベース部91と、ジェットボディ90の先端部に設けられたジェット先端部材92とを有している。
ベース部91には、互いに仕切られた第1のエア室95と第2のエア室96とが互いに平行に形成されている。ベース部91の一方の端部に、第1のエア室95に連通する第1のエア供給口100,101と、第2のエア室96に連通する第2のエア供給口102,103が形成されている。ベース部91の他方の端部に、第1のエア室95に連通する第1のエア供給口110,111と、第2のエア室96に開口する第2のエア供給口112,113が形成されている。
図3において左側に位置する第1のエア供給口100,101のいずれか一方に、第1のエア供給管120(図1に示す)が接続される。つまり第1のエア供給管120のレイアウト等に応じて、第1のエア供給口100,101の一方に第1のエア供給管120が接続され、他方が栓121によって閉鎖される。また第2のエア供給口102,103のいずれか一方に、第2のエア供給管125が接続される。つまり第2のエア供給管125のレイアウト等に応じて、第2のエア供給口102,103の一方に第2のエア供給管125が接続され、他方が栓126によって閉鎖される。
図3において右側に位置する第1のエア供給口110,111のいずれか一方に、第1のエア供給管120(図1に示す)が接続される。つまり第1のエア供給管120のレイアウト等に応じて、第1のエア供給口110,111の一方に第1のエア供給管120が接続され、他方が栓130によって閉鎖される。また第2のエア供給口112,113のいずれか一方に、第2のエア供給管125が接続される。つまり第2のエア供給管125のレイアウト等に応じて、第2のエア供給口112,113の一方に第2のエア供給管125が接続され、他方が栓131によって閉鎖される。
図1に示すように第1のエア供給管120は、開閉弁140を含む第1のエア供給系141を介して、圧縮エアの供給源142に接続されている。第2のエア供給管125は、開閉弁145を含む第2のエア供給系146を介して、圧縮エアの供給源142に接続されている。この実施形態で言うエアは空気であるが、空気の主成分である窒素が使用されてもよいし、あるいは化学的に不活性なガスであってもよい。図1中の矢印Gは、第1および第2のエア供給系141,146においてエアが流れる方向を示している。
前記エア室95,96は蓋部材13によって覆われている。蓋部材13は、ボルト70によって、エアジェット部材12のベース部91に固定されている。蓋部材13とベース部91との間にシール部材150が設けられている。このシール部材150によって、一対のエア室95,96間がシールされている。
蓋部材13の外面側に取付部材151が設けられている。この取付部材151は、ワークW(図4に示す)に対して噴射ガン10を所定位置に保持するための保持機構152、あるいはロボットアーム等に固定されるようになっている。
図5に示すようにジェットボディ90の内部には、第1のエア室95に連通する第1のエア流通部161と、第2のエア室96に連通する第2のエア流通部162とが形成されている。これらエア流通部161,162は、それぞれ、流路断面がジェットボディ90の幅方向(図6に矢印Xで示す方向)に長いスリット形をなしている。ジェットボディ90の先端に、超硬合金等の硬質金属からなる耐摩耗性のジェット先端部材92がボルト165(図5と図7に示す)によって固定されている。ジェット先端部材92の内部には、第1のエア流通部161に連通する第1のエア噴出部171と、第2のエア流通部162に連通する第2のエア噴出部172とが形成されている。
図6に第1のエア流通部161と第1のエア噴出部171が示されている。第1のエア噴出部171は、互いに平行に形成された複数のエア噴出孔175を有している。これらエア噴出孔175は、ジェット先端部材92の幅方向(矢印Xで示す方向)に等ピッチで形成されている。第2のエア噴出部172も、第1のエア噴出部171と同様に、互いに平行に形成された複数のエア噴出孔176(図7に示す)を有している。
ノズル部材14の基部は、ガン本体11の前記クランプ部80の第1のクランプ要素81と第2のクランプ要素82との間に挿入される。ノズル部材14の一例は、3枚のノズル構成板181,182,183を厚さ方向に重ねることによって構成されている。第1のノズル構成板181と第2のノズル構成板182との間に、流路断面がスリット形の第1の噴射流通部191が形成されている。第2のノズル構成板182と第3のノズル構成板183との間に、流路断面がスリット形の第2の噴射流通部192が形成されている。これら噴射流通部191,192は互いに平行であり、それぞれ、出口側の開口幅X2(図6に示す)が入口側の開口幅X1よりも僅かに大きくなるような先広がりのテーパ形状をなしている。
ノズル部材14の基部側は、一対のボルト83によってガン本体11のクランプ部80に固定されている。ノズル部材14の先端側は、クランプ部材200によって、ノズル構成板181,182,183が互いに締結されている。図8に示すように、クランプ部材200は第1のクランプ片201と第2のクランプ片202とからなり、これらクランプ片201,202を一対のボルト203によって互いに締結することにより、ノズル構成板181,182,183が互いに締結されている。ガン本体11とノズル部材14との嵌合部にシール部材210(図6に示す)が設けられている。
各ノズル構成板181,182,183の両側部には、基部側と先端側にそれぞれ弧状の凹部220,221が形成されている。一方の凹部220にボルト83の軸部を嵌合させ、かつ、他方の凹部221にボルト203の軸部を嵌合させることにより、各ノズル構成板181,182,183の互いの位置決めがなされている。
図5に示すように第1の噴射流通部191の入口側開口191aは、第1のスラリー室61に開口している。しかもこの入口側開口191aは、第1のエア噴出部171と少し離れて対向している。この入口側開口191aは、ジェット先端部材92のエア噴出部171に向かって板厚方向の開口幅が広がるように傾斜したガイド面を有する形状であり、この入口側開口191a内にジェット先端部材92の先端部分92aが入り込んでいる。
第2の噴射流通部192の入口側開口192aは、第2のスラリー室62に開口している。しかもこの入口側開口192aは、第2のエア噴出部172と少し離れて対向している。この入口側開口192aは、ジェット先端部材92のエア噴出部172に向かって板厚方向の開口幅が広がるように傾斜したガイド面を有する形状であり、この入口側開口192a内にジェット先端部材92の先端部分92bが入り込んでいる。
第1の噴射流通部191の入口側開口191aと第2の噴射流通部192の入口側開口192aとの間には、互いにエアが流通しないようにシール部材211(図5に示す)が設けられている。第1の噴射流通部191と第2の噴射流通部192の先端はそれぞれノズル部材14の端面において開口し、エアとスラリーをワークに向けて投射するための投射口230,231をなしている。
次に前記構成の噴射ガン10の作用について説明する。
図4に示された実施形態の噴射ガン10は、コンベア等の搬送機構1によって移動させられるワークWの先端W1がスラリー投射領域S1,S2内に徐々に進入するように、ワークWの上方から見て、移動方向Fに対し斜めに角度θをもたせた状態で保持機構152によって保持されている。ただしワークWの種類によっては、スラリー投射領域S1,S2がワークWの移動方向Fに対し直角となるように噴射ガン10が設置されてもよい。
図4に示された実施形態の噴射ガン10は、コンベア等の搬送機構1によって移動させられるワークWの先端W1がスラリー投射領域S1,S2内に徐々に進入するように、ワークWの上方から見て、移動方向Fに対し斜めに角度θをもたせた状態で保持機構152によって保持されている。ただしワークWの種類によっては、スラリー投射領域S1,S2がワークWの移動方向Fに対し直角となるように噴射ガン10が設置されてもよい。
図1に示すスラリー供給機構51から圧送されるスラリーが第1のスラリー供給管25を通り、第1のスラリー導入口21,36を経て第1のスラリー室61に供給されるとともに、スラリー供給機構51から圧送されるスラリーが第2のスラリー供給管30を通り、第2のスラリー導入口23,38を経て第2のスラリー室62に供給される。また第1のエア供給系141から圧送されるエアが第1のエア供給口100,110から第1のエア室95に供給されるとともに、第2のエア供給系146から圧送されるエアが第2のエア供給口102,112から第2のエア室96に供給される。
第1のエア室95に供給されたエアは第1のエア流通部161を通り、第1のエア噴出部171のエア噴出孔175から第1の噴射流通部191に向けて噴出する。こうして噴出するエアと共に、第1のスラリー室61内のスラリーが入口側開口191aに入り、第1の噴射流通部191の下流側のスラリー投射口230からワークWに向けて噴出することにより、図4に示すように横に長い形状の第1のスラリー投射領域S1が形成される。
第2のエア室96に供給されたエアは第2のエア流通部162を通り、第2のエア噴出部172のエア噴出孔176から第2の噴射流通部192に向けて噴出する。こうして噴出するエアと共に、第2のスラリー室62内のスラリーが入口側開口192aに入り、第2の噴射流通部192の下流側のスラリー投射口231からワークWに向けて噴出することにより、図4に示すように横に長い形状の第2のスラリー投射領域S2が形成される。
ワークWが矢印F方向に移動することにより、第1のスラリー投射領域S1において第1の湿式ブラストがなされる。さらにワークWが矢印F方向に移動することにより、第2のスラリー投射領域S2において第2の湿式ブラストがなされる。このように第1のスラリー投射領域S1と第2のスラリー投射領域S2とによる湿式ブラストがワークWの1回のパスで行なわれるため、従来のように1台の噴射ガンによる湿式ブラストと比較して能率良く湿式ブラストを行なうことができる。また第1のスラリー投射領域S1に吹付けられたエアおよびスラリーと、第2のスラリー投射領域S2に吹付けられたエアおよびスラリーの相互作用によって、ワークWの表面から研磨材が除去されることが助長されることもあるため、湿式ブラスト工程後に研磨材の除去のために実施するクリーニングが軽減する場合もある。
本実施形態の噴射ガン10は、第1のスラリー供給系53と第1のエア供給系141のみを使用して、第1のスラリー投射領域S1のみによる湿式ブラストを行なうこともできる。また第2のスラリー供給系54と第2のエア供給系146のみを使用して、第2のスラリー投射領域S2のみによる湿式ブラストを行なうこともできる。すなわち本実施形態の噴射ガン10は、必要に応じて2つのスラリー投射領域S1,S2を同時に形成して湿式ブラストを行なう場合と、2つのスラリー投射領域S1,S2のうちの一方のみによって湿式ブラストを行なう場合とを選択することができる。また、実施形態によっては、第1のスラリー供給系53に使用する研磨材と、第2のスラリー供給系54に使用する研磨材とを互いに異ならせることにより、2種類の研磨材を用いる湿式ブラストを行なうこともできるし、第1のエア供給系141のエア圧と第2のエア供給系146のエア圧を互いに異ならせるなどして、湿式ブラストにバリエーションをもたせることが可能である。
本実施形態の噴射ガン10では、第1のスラリー室61の一端側(図7において左側)にスラリー導入口21,22が形成され、第1のスラリー室61の他端側(図7において右側)にもスラリー導入口36,37が形成されているため、第1のスラリー供給系53によって供給されるスラリーが第1のスラリー室61の両端側から第1のスラリー室61に流入して合流する。このため第1のスラリー室61内でスラリー圧等が片寄ることが抑制され、スラリーを入口側開口191aに向けて好ましい状態で入り込ませることができる。
同様に第2のスラリー室62の一端側(図7において左側)にスラリー導入口23,24が形成され、第2のスラリー室62の他端側(図7において右側)にもスラリー導入口38,39が形成されているため、第2のスラリー供給系54によって供給されるスラリーが第2のスラリー室62の両端側から第2のスラリー室62に流入して合流する。このため第2のスラリー室62内でスラリー圧等が片寄ることが抑制され、スラリーを入口側開口192aに向けて好ましい状態で入り込ませることができる。
また本実施形態のエアジェット部材12は、流路断面がスリット形の第1のエア流通部161の下流側に、多数のエア噴出孔175をエアジェット部材12の幅方向に等ピッチで配列してなる第1のエア噴出部171が形成されているため、スリット形の第1のエア流通部161を通るエアを第1の噴射流通部191に向けて均等に分配して噴射することが可能である。また、流路断面がスリット形の第2のエア流通部162の下流側に、多数のエア噴出孔176をエアジェット部材12の幅方向に等ピッチで配列してなる第2のエア噴出部172が形成されているため、スリット形の第2のエア流通部162を通るエアを第2の噴射流通部192に向けて均等に分配して噴射することが可能である。
ノズル部材14は、平板状の第2のノズル構成板182の厚さ方向両側に、第1のノズル構成板181と第3のノズル構成板183とを重ねることによって、第1の噴射流通部191と第2の噴射流通部192とを形成している。このため、従来のように2台の噴射ガンを並べたものと比較して、第1の噴射流通部191と第2の噴射流通部192との間の距離を小さくすることができる。よって、本実施形態の噴射ガン10(フラット形の2連噴射ガン)は、従来のように2台の噴射ガンを並べたものと比較して、設置に要するスペースが小さくて済む。しかも第2のノズル構成板182の厚さの最適化を図ることによって、第1の噴射流通部191と第2の噴射流通部192との間の距離を最適化することにより、スラリー投射領域S1,S2が互いに干渉しないようにスラリー投射領域S1,S2間の距離L2を適度に確保することもできる。
また、図4に示すようにワークWの移動方向Fに対して噴射ガン10を斜めに角度θをもたせて設置した場合でも、スラリー投射領域S1,S2の両端部がワークWからはみ出す量が小さくて済むため、投射されたスラリーを有効に利用できるとともに、ワークWの反対側に配置されているスラリー受け部材Bが小さくて済むという利点もある。
なお本発明を実施するに当たって、噴射ガンを構成するガン本体やエアジェット部材およびノズル部材をはじめとする各部の具体的な形状や配置等を適宜に変更して実施できることは言うまでもない。また、スラリーを構成する液は水以外であってもよいし、研磨材は樹脂以外であってもよい。噴射ガンはワークの上方からスラリーを投射する以外に、ワークの下方あるいは水平方向、斜め方向などからスラリーを投射するように配置されてもよいなど、噴射ガンの姿勢は任意である。
10…噴射ガン、11…ガン本体、12…エアジェット部材、13…蓋部材、14…ノズル部材、15,16…接続ブロック、21,22…第1のスラリー導入口、23,24…第2のスラリー導入口、36,37…第1のスラリー導入口、38,39…第2のスラリー導入口、53…第1のスラリー供給系、54…第2のスラリー供給系、60…スラリー流入空間、61…第1のスラリー室、62…第2のスラリー室、80…クランプ部、90…ジェットボディ、91…ベース部、92…ジェット先端部材、95…第1のエア室、96…第2のエア室、100,101…第1のエア供給口、102,103…第2のエア供給口、110,111…第1のエア供給口、112,113…第2のエア供給口、141…第1のエア供給系、146…第2のエア供給系、161…第1のエア流通部、162…第2のエア流通部、171…第1のエア噴出部、172…第2のエア噴出部、175,176…エア噴出孔、181,182,183…ノズル構成板、191…第1の噴射流通部、192…第2の噴射流通部、230,231…スラリー投射口。
Claims (4)
- 互いに仕切られた第1のスラリー室と第2のスラリー室を有するガン本体と、
前記第1のスラリー室に連通する第1のスラリー導入口と、
前記第2のスラリー室に連通する第2のスラリー導入口と、
前記ガン本体に設けられ、互いに仕切られた第1のエア室と第2のエア室とを有し、かつ、前記第1のエア室に連通する第1のエア流通部と前記第2のエア室に連通する第2のエア流通部とを有したエアジェット部材と、
前記第1のエア室にエアを供給する第1のエア供給口と、
前記第2のエア室にエアを供給する第2のエア供給口と、
前記ガン本体に設けられたノズル部材とを有し、
該ノズル部材は、
流路断面がスリット形で前記第1のスラリー室に開口する入口側開口を有し、該入口側開口が前記第1のエア流通部のエア噴出部と対向する第1の噴射流通部と、
流路断面がスリット形で前記第2のスラリー室に開口する入口側開口を有し、該入口側開口が前記第2のエア流通部のエア噴出部と対向する第2の噴射流通部と、
を具備したことを特徴とする湿式ブラスト用噴射ガン。 - 前記エアジェット部材は、
流路断面がスリット形の前記第1のエア流通部と、
該第1のエア流通部の下流側に複数のエア噴出孔を該エアジェット部材の幅方向に等ピッチで形成してなる第1のエア噴出部と、
流路断面がスリット形の前記第2のエア流通部と、
該第2のエア流通部の下流側に複数のエア噴出孔を該エアジェット部材の幅方向に等ピッチで形成してなる第2のエア噴出部と、
を具備したことを特徴とする請求項1に記載の湿式ブラスト用噴射ガン。 - 前記ノズル部材は、厚さ方向に重ねた3枚のノズル構成板を有し、これらノズル構成板のうち第1のノズル構成板と第2のノズル構成板との間に流路断面がスリット形の前記第1の噴射流通部が形成され、第2のノズル構成板と第3のノズル構成板との間に流路断面がスリット形の前記第2の噴射流通部が形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の湿式ブラスト用噴射ガン。
- 前記第1のスラリー導入口に接続された第1のスラリー供給系と、
前記第2のスラリー導入口に接続された第2のスラリー供給系と、
前記第1のエア供給口に接続された第1のエア供給系と、
前記第2のエア供給口に接続された第2のエア供給系と、
を具備したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の湿式ブラスト用噴射ガン。
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