JP5412365B2 - 扉装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、開閉建具の厚さに応じて、建具本枠の取り付け位置を調整して取り付ける必要があり、建具本枠が上下に長尺であることと相俟って面倒な作業となることが考えられる。つまり、建具本枠を垂直に取り付けなければ、建具本枠と開閉建具との間の隙間寸法が上下で異なってしまい見栄えが悪くなることから、高い施工精度が要求され、見栄えを向上させるには、面倒な作業となることが考えられる。
また、本発明においては、前記縦枠本体の位置合わせ部を、前記開口部の内側面側及び前方に開口するように形成された切欠段部の段底面としてもよい。
また、本発明においては、前記位置決め縦枠部材の鉤状片部を、前記壁材と略同厚さとされたものとしてもよい。
また、本発明においては、前記位置決め縦枠部材を、前記壁材の前面よりも前方に突出するとともに、この壁材の開口部側端部を覆い隠す突出部を更に連成したものとしてもよい。
図1及び図2は、第1実施形態に係る扉装置について説明するための説明図である。
なお、以下の各実施形態では、図1(a)に示すY方向から見た状態を基準として、図1(a)において下側を前方、図1(a)において上側を後方とし、各実施形態に係る扉装置を施工した状態を基準として、その方向等を説明する。
内壁4は、図1(b)に示すように、柱材(間柱)や横桟、胴縁、飼木等の下地材(壁下地)6の前面6a及び後面に壁材5,5を添設して構成されている。これら壁材5,5は、例えば、石膏ボードや合板捨張下地等の下地ボードとされ、図例では、これら壁材5,5の表面(前面5a)には、壁クロスや壁紙、化粧樹脂シートなどの表面化粧材7が貼着されている。
また、可動側戸板11の支持態様としては、図例のような上吊式に限られず、下荷重式としてもよい。この場合は、可動側戸板の上端部に案内片やピボット等を設け、それを受け入れるガイド凹溝を有した上レールを上方に配設し、可動側戸板の下端部に戸車等を設け、それに応じた下レールを床側に設置するようにしてもよい。
この縦枠本体20の内方側側面には、吊元側蝶番30の蝶番台座31が固定されている(図2(b)も参照)。
吊元側蝶番30は、例えば、スライド蝶番等とされており、そのカップ部33が吊元側戸板11の吊元側端部の後面11bに埋め込まれ、リンク部材等からなる蝶番本体部32が、縦枠本体20に固定された蝶番台座31に連結固定されている。このような構成によって、吊元側戸板11は、縦枠本体20に対して回動自在に支持、すなわち、軸支されている。なお、図示は省略するが、吊元側蝶番30は、吊元側戸板11を回動自在に縦枠本体20によって支持し得るように、上下方向に沿って間隔を空けて複数箇所に設けられている。
なお、この縦枠本体20は、施工された状態で少なくとも表面側に露出する外周が上記同様の表面化粧材乃至は突板で構成されている。
鉤状片部26は、図1(b)に示すように、下地材6の出隅部6cに引っ掛けられるようにして、その後面(裏面)が下地材前面6aに当接される。また、この鉤状片部26は、本実施形態では、この下地材前面6aに添設される壁材5の厚さ寸法と略同厚さとされている(図2(c)も参照)。つまり、図2(c)に示すように、鉤状片部26の外方側端面に、壁材5の開口部側端面が突き合わせられるように配設された状態では、この鉤状片部26の前面を含み、当該位置決め縦枠部材25の前面と壁材5の前面5aとが、略面一状となる。なお、この鉤状片部26の厚さ寸法は、汎用の石膏ボードなどの下地ボードの厚さ寸法に応じたものとすればよく、例えば、壁材の厚さ寸法に対応させて、12.5mmまたは12.0mm程度、9.0mm程度等としてもよい。
また、この内側片部27の前端から後端27aまでの前後の幅寸法(見込み幅寸法)D1は、縦枠本体20の段底面22が、後端27aに当接された状態で、閉止状態における吊元側戸板11の前面11aと、壁材5の前面5aとが、略同一平面状となるように形成されている。つまり、縦枠本体20の段底面22から段壁部21の前面21aまでの前後の幅寸法に、吊元側戸板11の開閉に必要となる吊元側戸板11と段壁部21の前面21aとの前後のクリアランス及び吊元側戸板11の厚さ寸法を加えた寸法に応じた寸法となるように、内側片部27の前後の幅寸法D1が形成されている。
ここに、閉止状態における吊元側戸板11の前面11aと壁材5の前面5aとが略同一平面状とは、閉止状態における吊元側戸板11の前面11aが、壁材5の前面5aに対して、前後に5mm程度の範囲以内に配設される場合を含む。このような程度の範囲以内であれば、外観上は、同一平面状に見え、すっきりとした印象を与えることができる。
図2(a)では、内壁4の下地材6の前面6a及び開口側側面6bが露出した状態で、前面側の壁材5が下地材6の前面6aに添設される前の状態を示している。この状態で、まず、位置決め縦枠部材25を固定する。この際、鉤状片部26と内側片部27とによって略L字状とされた位置決め縦枠部材25の入隅部を、下地材6の出隅部6cに一致させるようにして、鉤状片部26の後面及び内側片部27の外方側側面のそれぞれを、下地材6の前面6a及び開口側側面6bに当接させる。つまり、位置決め縦枠部材25を下地材6に押し付けるようにして位置決めすれば、当該位置決め縦枠部材25の位置決めがなされる。このように、位置決め縦枠部材25の位置決めがなされれば、位置決め縦枠部材25を下地材6に対して固定する。
なお、この位置決め縦枠部材25の下地材6への固定は、木ねじや釘等の固定止具を止着させることにより、若しくは接着剤による接着によって、またはこれらを組み合わせることによって固定するようにしてもよい。
なお、縦枠本体20に、吊元側蝶番30の蝶番台座31の固定位置を位置決めする加工穴等の位置決め部を下加工しておき、縦枠本体20を下地材6に対して固定した後に、蝶番台座31を縦枠本体20に対して固定するようにしてもよい。
また、縦枠本体20に固定された蝶番台座31に、吊元側戸板11にカップ部33を介して固定された蝶番本体部32を連結固定して、吊元側戸板11を縦枠本体20に軸支させる。また、可動側戸板11の可動側蝶番35を上枠3の上レール3aに支持されたランナー3bに連結固定して、折戸10を吊り込む(図1(a)参照)。
そして、必要に応じて、図1(b)に示すように、表面化粧材7を貼着する。図例では、後方側の壁材5の表面から、縦枠本体20が固定された開口側側面6bにおける縦枠本体20の後端に至る部位まで後方側の表面化粧材7を貼着した例を示している。また、前方側の壁材5の前面5a及び鉤状片部26の前面から、内側片部27の内方側側面における縦枠本体20の段壁部21の前面21aに至る部位まで前方側の表面化粧材7を貼着した例を示している。このように、前方側の表面化粧材7を貼着することで、位置決め縦枠部材25の見付け面(手前面)及び見込み面(内方側側面)が露出せず、手前から開口部8を見た状態では、縦枠部材2が概ね露出せず、すっきりとした印象を与えることができる。
なお、上記施工手順は、一例であり、各部材、各部の機能を阻害しない限りにおいて、別手順でなされるようにしてもよい。
図3(a)は、第2実施形態に係る扉装置について説明するための説明図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
折戸10Aの戸板11Aは、上記第1実施形態に係る扉装置1が備える戸板11よりもその厚さ寸法が大きく形成されており、この戸板11Aの厚さ寸法に応じて、位置決め縦枠部材25Aの内側片部27Aの前後の幅寸法D2が形成されている。換言すれば、この位置決め縦枠部材25Aの内側片部27Aは、この戸板11Aと、上記第1実施形態に係る扉装置1の戸板11との厚さ寸法差を加味して、その前後の幅寸法D2が、上記第1実施形態に係る扉装置1の内側片部27の幅寸法D1よりも大きく形成されている。
なお、本実施形態に係る扉装置1Aの施工手順等については、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
また、この位置決め縦枠部材25(25A)の内側片部27(27A)の後端27aに、縦枠本体20の段底面22を当接させることで、縦枠本体20を容易に、かつ適切な位置に固定できる。
さらに、このように固定された縦枠本体20に軸支される戸板11(11A)の前面11aと、壁材5の前面5aとが略同一平面状となるように、位置決め縦枠部材25(25A)の内側片部27(27A)の前後の幅寸法D1(D2)が形成されている。従って、手前側においては、すっきりとした印象となり、見栄えを向上させることができる。
さらに、上記各実施形態では、位置決め縦枠部材25(25A)の鉤状片部26の厚さ寸法を、壁材5の厚さ寸法と略同厚さの寸法としている。従って、戸板11(11A)の前面11a、壁材5の前面5a及び開口縦枠を構成する位置決め縦枠部材25(25A)の前面が略同一平面状となり、よりすっきりとした印象となり、より見栄えを向上させることができる。
図3(b)は、第3実施形態に係る扉装置について説明するための説明図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態では、位置決め縦枠部材25Bを、壁材5の前面5aよりも前方に突出するとともに、この壁材5の開口部側端部5bを覆い隠す突出部28を更に連成した構造としている。つまり、鉤状片部26と内側片部27とによって横断面形状が略L字状とされたその前面に、前方に向けて突出し、かつ、鉤状片部26の外方側端面よりも外方側に向けて突出する突出部28を連成している。この突出部28は、図例では、その内方側角部に、面取り状の段部が形成されており、額縁状の前面形状とされている。
また、本実施形態では、この位置決め縦枠部材25Bは、施工された状態で少なくとも表面側に露出する外周が上記同様の表面化粧材乃至は突板で構成されている。
なお、本実施形態に係る扉装置1Bの施工手順等については、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
また、本実施形態では、位置決め縦枠部材25Bに、突出部28を設けているので、壁材5の開口部側端部5bを見栄え良く納めることができる。
また、戸板11の前面11aと壁材5の前面5aとを略同一平面状としてすっきりとした印象を与えつつも、位置決め縦枠部材25Bの突出部28によって、重厚感のあるケーシング枠のような印象を与えることができる。
また、上記各実施形態では、吊元側戸板をスライド蝶番を介して縦枠本体によって軸支する態様としているが、このような態様に限られず、その他の蝶番等の連結部材を介して縦枠本体によって吊元側戸板を軸支する態様としてもよい。
さらに、縦枠本体によって軸支される扉体としては、図例のような折戸の吊元側戸板に限られず、開き戸を扉体としてもよい。
さらに、上記各実施形態では、閉止状態における扉体の前面と略同一平面状とされる壁材の前面を、表面化粧材を貼着する前の壁材の前面としたが、表面化粧材が貼着された状態のその前面を、壁材の前面として把握するようにしてもよい。この場合は、表面化粧材の厚さ寸法を加味して位置決め縦枠部材の内側片部の前後の幅寸法を形成するようにすればよい。
さらにまた、上記各実施形態では、扉装置の施工対象として、木造軸組の壁下地(内壁の下地材)を例示しているが、このような態様に限られず、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の壁下地を施工対象としてもよい。
4 内壁
5 壁材
5a 壁材の前面
5b 壁材の開口部側端部
6 内壁の下地材
6a 下地材前面
6b 下地材の開口側側面(開口部の内側面)
6c 出隅部
8 開口部
11 折戸の吊元側戸板(扉体)
11a 戸板の前面(扉体の前面)
11b 閉止状態における折戸の吊元側端部の後面
20 縦枠本体
21a 段壁部の前面(開口部内方側寄りの前面)
22 切欠段部の段底面(位置合わせ部)
25,25A,25B 位置決め縦枠部材
26 鉤状片部
27,27A 内側片部
27a 内側片部の後端
28 突出部
D1,D2 内側片部の前後の幅寸法
Claims (5)
- 内壁の開口部に配設される扉体と、この扉体を軸支し、かつ、前記開口部の内側面に固定される縦枠本体と、前記内壁の下地材前面と前記開口部の内側面との出隅部に対して位置決めされる鉤状片部及びこの鉤状片部に連成され、前記開口部の内側面に沿うようにして固定され、後端が前記縦枠本体の前面側に設けられた位置合わせ部に当接される内側片部を有した位置決め縦枠部材と、を備え、
前記位置決め縦枠部材の内側片部の後端に前記縦枠本体の位置合わせ部を当接させ、当該扉装置を施工した状態で、閉止状態における前記扉体の前面と前記内壁の下地材前面に添設される壁材の前面とが略同一平面状となるように、前記縦枠本体には、前記扉体に連結固定される連結部材の固定位置を位置決めする位置決め部が設けられ、かつ前記内側片部の前後の幅寸法が形成されていることを特徴とする扉装置。 - 請求項1において、
前記縦枠本体は、開口部内方側寄りの前面が閉止状態における前記扉体の吊元側端部の後面に近接対面するように、前記扉体を軸支する構造とされていることを特徴とする扉装置。 - 請求項1または2において、
前記縦枠本体の位置合わせ部は、前記開口部の内側面側及び前方に開口するように形成された切欠段部の段底面とされていることを特徴とする扉装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記位置決め縦枠部材の鉤状片部は、前記壁材と略同厚さとされていることを特徴とする扉装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記位置決め縦枠部材は、前記壁材の前面よりも前方に突出するとともに、この壁材の開口部側端部を覆い隠す突出部を更に連成していることを特徴とする扉装置。
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