JP5412055B2 - リン酸銅水溶液の製造方法および脱臭材の製造方法 - Google Patents
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Description
そこでこれを解消するため、上記の金属塩を添着した脱臭材にリン酸を再添着することが提案されている(例えば特許文献2参照、以下、従来技術という。)。
CuSO4 + H3PO4 →(Cu)n(H2PO4)m + CuSO4 + H2SO4 …(1)
この硫酸を生じる反応は、例えば硫酸銅水溶液にリン酸水溶液を加えると、いずれの水溶液よりも混合水溶液のpHが低くなることで実証される。そして、上記の反応で生じた硫酸は、リン酸に比べて酸としての強度が著しく強いため、例えば混抄紙を形成する天然繊維やバインダーが早期に劣化するなど、脱臭材の耐久性が低下して、長期間の使用ができなくなる問題がある。
CuSO 4 + 2NaOH → Cu(OH) 2 + Na 2 SO 4 …(2)
そして得られた沈殿物を固液分離し、必要に応じて水洗し、硫酸ナトリウムを十分に除去したのち、水和水を含んだ状態でリン酸を添加すると、次式(3)によりリン酸銅水溶液が得られる。
Cu(OH) 2 + H 3 PO 4 → (Cu) n (H 2 PO 4 ) m + H 2 O …(3)
また、上記の多孔性吸着物質も特定のものに限定されず、活性炭、シリカゲル、活性白土、ゼオライト及びアルミナのグループから選ばれたいずれか1種または2種以上のものを用いることができる。特に活性炭は、中性臭気ガス成分の吸着性能に優れるので、上記の多孔性吸着物質にこの活性炭を用いると、酸性臭気ガス成分と中性臭気ガス成分と塩基性臭気ガス成分との、全ての臭気ガス成分を良好に吸着除去でき、より好ましい。
なお、上記のリン酸銅水溶液を基材に担持させる方法は特定の手法に限定されず、例えば浸漬、噴霧、ロール転写などの手法を単独で、或いは複数の手法を組み合わせて用いることができる。
水溶性銅塩として、例えば硫酸銅を用いる。この硫酸銅の1モル/L水溶液に、0.1〜0.2N濃度の水酸化ナトリウムを、pH8〜10になるまで加えると、水酸化第二銅の沈殿物が生成される。沈殿した水酸化第二銅と溶液とを分離したのち、水和水を十分に含む湿潤状態の沈殿物にリン酸を加えると、この沈殿物が良好に溶解し、高濃度の銅イオンを含むリン酸銅水溶液が得られる。
多孔性吸着物質を混抄したシートを、上記の製造方法で得られたリン酸銅水溶液に浸漬する。或いはこの浸漬に代えて、噴霧や塗布など、通常用いられている担持法により、上記のリン酸銅水溶液を上記のシートに担持させてもよい。その後、この水酸化銅水溶液が担持されたシートを、自然乾燥や適度の温度に加熱して乾燥させる。これにより、リン酸イオンと銅イオンを含んでいる脱臭シートが得られる。
1モル/Lの硫酸銅水溶液20mLに、0.2Nの水酸化ナトリウム128mLを少しずつ添加して水酸化銅[Cu(OH)2]の沈殿物を生成させた。このときの水溶液のpHは8.8であった。これを15分間静置したのち上澄み液をデカントで除去し、残余の液体と沈殿物とを遠心分離機で30分間2700rpmで処理して固液を分離した。この分離された沈殿物が湿潤し十分に水和水を含んでいる状態で、1モル/Lのリン酸水溶液40mLを加えたところ、沈殿物は全て溶解してリン酸銅水溶液が得られた。このリン酸銅水溶液に含まれる銅イオンとリン酸イオンとの比率は、リン酸イオン1モルに対し、銅イオン0.5モルである。その後、このリン酸銅水溶液に水を加え、全量が50mLとなるように調整した。
このシリカゲル混抄シート7.5×8.5cm2を、上記のリン酸銅水溶液中に浸漬したのち、この浸漬したシリカゲル混抄シートを室温で60分間自然乾燥させ、次いで65℃で60分間加熱して水分を除去し、さらに室温で30分間放置して、銅イオンとリン酸イオンを担持した脱臭シートを得た。
活性炭70重量部、パルブ4重量部、ポリエステル繊維8重量部、ポリエステル繊維バインダー7重量部、その他11重量部の割合で混抄し、厚さ0.25mmの活性炭混抄シートを得た。
この活性炭混抄シート7.5×8.5cm2を、上記の実施例1で調製したリン酸銅水溶液中に浸漬したのち、この浸漬した活性炭混抄シートを室温で60分間自然乾燥させ、次いで65℃で60分間加熱して水分を除去し、さらに室温で30分間放置して、銅イオンとリン酸イオンを担持した脱臭シートを得た。
1モル/Lの硫酸銅水溶液15mLに、0.2Nの水酸化ナトリウム109mLを少しずつ添加して水酸化銅[Cu(OH)2]の沈殿物を生成させた。このときの水溶液のpHは9.6であった。これを15分間静置したのち上澄み液をデカントで除去し、残余の液体と沈殿物とを遠心分離機で30分間2700rpmで処理して固液を分離した。この分離された沈殿物が湿潤し十分に水和水を含んでいる状態で、1モル/Lのリン酸水溶液40mLを加えたところ、沈殿物は全て溶解してリン酸銅水溶液が得られた。このリン酸銅水溶液に含まれる銅イオンとリン酸イオンの比率は、リン酸イオン1モルに対し、銅イオン0.375モルである。その後、このリン酸銅水溶液に水を加え、全量が50mLとなるように調整した。
このリン酸銅水溶液中に、上記の実施例2で得た活性炭混抄シート7.5×8.5cm2を浸漬したのち、この浸漬した活性炭混抄シートを室温で60分間自然乾燥させ、次いで65℃で60分間加熱して水分を除去し、さらに室温で30分間放置して、銅イオンとリン酸イオンを担持した脱臭シートを得た。
1モル/Lの硫酸銅水溶液10mLに、0.2Nの水酸化ナトリウム70mLを少しずつ添加して水酸化銅[Cu(OH)2]の沈殿物を生成させた。このときの水溶液のpHは10.9であった。これを15分間静置したのち上澄み液をデカントで除去し、残余の液体と沈殿物とを遠心分離機で30分間2700rpmで処理して固液を分離した。この分離された沈殿物が湿潤し十分に水和水を含んでいる状態で、1モル/Lのリン酸水溶液40mLを加えたところ、沈殿物は全て溶解してリン酸銅水溶液が得られた。このリン酸銅水溶液に含まれる銅イオンとリン酸イオンの比率は、リン酸イオン1モルに対し、銅イオン0.25モルである。その後、このリン酸銅水溶液に水を加え、全量が50mLとなるように調整した。
このリン酸銅水溶液中に、上記の実施例2で得た活性炭混抄シート7.5×8.5cm2を浸漬したのち、この浸漬した活性炭混抄シートを室温で60分間自然乾燥させ、次いで65℃で60分間加熱して水分を除去し、さらに室温で30分間放置して、銅イオンとリン酸イオンを担持した脱臭シートを得た。
上記の実施例2で得た活性炭混抄シートを、リン酸銅水溶液を担持させずに、比較例1の脱臭シートとして用いた。
1モル/Lの硫酸銅水溶液に、上記の実施例2で得た活性炭混抄シート7.5×8.5cm2を浸漬したのち、この浸漬した活性炭混抄シートを室温で60分間自然乾燥させ、次いで65℃で60分間加熱して水分を除去し、さらに室温で30分間放置して、硫酸銅を担持した脱臭シートを得た。
1モル/Lのリン酸水溶液に、上記の実施例2で得た活性炭混抄シート7.5×8.5cm2を浸漬したのち、この浸漬した活性炭混抄シートを室温で60分間自然乾燥させ、次いで65℃で60分間加熱して水分を除去し、さらに室温で30分間放置して、リン酸を担持した脱臭シートを得た。
1モル/Lの硫酸銅水溶液に、上記の実施例2で得た活性炭混抄シート7.5×8.5cm2を浸漬したのち、この浸漬した活性炭混抄シートを室温で60分間自然乾燥させたのち、硫酸銅が溶出しない条件で1モル/Lのリン酸水溶液を塗布した。次いで、この塗布した活性炭混抄シートを室温で60分間自然乾燥させたのち、65℃で60分間加熱して水分を除去し、さらに室温で30分間放置して、硫酸銅とリン酸とを担持した脱臭シートを得た。
これに対し、本発明のリン酸銅を担持させた上記の実施例1〜4では、アンモニアと硫化水素との両者に対し、いずれも優れた吸着性能を発揮することができた。
Claims (8)
- 銅塩の水溶液にアルカリ性水溶液を添加して水酸化銅の沈殿物を生成させ、沈殿物から液体を分離させたのち、水和水を含んだ状態の沈殿物にリン酸水溶液を添加してこの沈殿物に含まれる銅成分を溶解させたことを特徴とする、リン酸銅水溶液の製造方法。
- 上記のリン酸水溶液に含まれるリン酸は、上記の沈殿物に含まれる水酸化銅1モルに対し4モル以下である、請求項1に記載のリン酸銅水溶液の製造方法。
- 上記の銅塩は、硫酸銅、塩化銅、硝酸銅及び酢酸銅のグループから選ばれたいずれか1種または2種以上の銅塩である、請求項1または請求項2に記載のリン酸銅水溶液の製造方法。
- 多孔性吸着物質を含有する基材に、上記の請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法で製造したリン酸銅水溶液を担持させたのち、水分を除去することを特徴とする、脱臭材の製造方法。
- 上記のリン酸銅水溶液は、リン酸1モルに対し0.25モル以上の銅イオンを含んでいる、請求項4に記載の脱臭材の製造方法。
- 上記の多孔性吸着物質が活性炭、シリカゲル、活性白土、ゼオライト及びアルミナのグループから選ばれたいずれか1種または2種以上からなる、請求項4または請求項5に記載の脱臭材の製造方法。
- 上記の多孔性吸着物質を繊維製基材に混抄してある、請求項4から6のいずれか1項に記載の脱臭材の製造方法。
- 上記のリン酸銅水溶液を、浸漬、噴霧、ロール転写の少なくともいずれかの手法により担持させた、請求項4から7のいずれか1項に記載の脱臭材の製造方法。
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