JP5411335B2 - 呼び出し装置 - Google Patents

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Description

本発明は、呼び出し装置に関し、たとえば、レストラン等のテーブルからウェイトレス等の店員を呼び出すために用いて好適な呼び出し装置に関する。
この種の呼び出し装置としては、たとえば、下記の特許文献1に記載の「標識表示装置」が知られている。以下、この装置を従来技術ということにする。
図15は、従来技術のシステム構成図である。この図において、レストラン等のテーブルの上に置かれる子機1は、客によって操作される押しボタン2(以下、単にボタンという。)を備えている。ボタン2が操作された子機1からは、その子機1に固有の情報を持つ無線信号3が送信され、この無線信号3は、店内の壁面等の見やすい場所に取り付けられた表示器4のアンテナ5で受信される。無線信号3を受信した表示器4は、ボタン2が操作された子機1(呼び出し元の子機1)の特定を行うと共に、その特定結果に従って、呼び出し元の子機1に予め与えられている番号(前記の“固有の情報”であり、たとえば、テーブル番号である。)をディスプレイ6に表示し、同時に、スピーカ7から呼び出し音8を拡声する。
呼び出し音8を耳にした不図示の店員(レストランであればウェイトレスやウェイター等)は、表示器4のディスプレイ6を見て呼び出しテーブルを確認し、そのテーブルに出向いて所要のサービス(注文を受ける等)を行い、その注文内容を厨房に伝えた後、ディスプレイ6の番号表示の消去操作を行う。
ここで、従来技術においては、表示器4から延びたケーブル9の先に操作パネル10がつながっており、ディスプレイ6の番号表示の消去操作を行う場合は、この操作パネル10のテンキー(0、1、2、・・・・、9)を押した後、消去ボタン11を操作するとされている。すなわち、たとえば、テーブル番号の“2”の表示を消す場合は、テンキーの「2」を押した後、消去ボタン11を押すとされている。
特開昭59−64898号公報
しかしながら、前記の従来技術にあっては、ディスプレイ6の番号表示を消去する際に誤操作が行われる可能性がある。たとえば、テーブル番号の“2”の表示を消そうとして、誤って別の番号、たとえば、テンキーの「1」を押してから、消去ボタン11を押してしまうことがある。このような誤操作を行ったとき、もし、テーブル番号「2」のサービスがまだ完了していなかった場合には、そのテーブル「2」の客はひたすらに待ち続けることとなり、客に不快感を与えてしまうという、接客業にとって見過ごすことができない不都合を招く。
そこで、本発明の目的は、呼び出し番号の消去を確実に行うようにし、客に対して不快感を与えることがない呼び出し装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、複数の置き台の各々の上に1台ずつ載置される子機と、この子機からの呼び出しに応答して当該呼び出し元の子機の情報を表示する親機とからなる呼び出し装置において、さらに、前記子機に対して、所定の電波強度に調整された微弱電波信号を送信可能な微弱電波信号送信手段を有する機器を備え、前記子機は、当該機器からの微弱電波信号を受信する微弱電波信号受信手段と、該微弱電波信号受信手段によって前記微弱電波信号が受信されたときに前記親機に対して前記呼び出し元の子機の情報の消去を促す消去信号を送信する消去信号送信手段と、を具備し、前記所定の電波強度が、前記複数の置き台の各々の上に1台ずつ載置されている子機のうち、前記機器の近くに位置する1台の子機にのみ受信される強度に調整されていることを特徴とする呼び出し装置である。
請求項記載の発明は、前記機器は携帯型の送信機であることを特徴とする請求項記載の呼び出し装置である。
請求項記載の発明は、前記機器は前記親機に組み込まれた送信機であることを特徴とする請求項記載の呼び出し装置である。
本発明では、呼び出し番号の消去を確実に行うようにし、客に対して不快感を与えることがない呼び出し装置を提供することができる。
第1の実施形態の全体構成図である。 第1の実施形態の子機25の構成図である。 子機25の内部ブロック図である。 呼び出し信号と消去信号の一態様例を示す概念図である。 第1の実施形態の親機31の外観図及び表示画面図である。 親機31の内部ブロック図である。 制御部64で実行される制御プログラムの処理フローを示す概略図である。 第2の実施形態の子機25の内部ブロック図である。 永久磁石76が組み込まれた接客に必要な道具の一例を示す図である。 第3の実施形態のテーブル番号消去の概念図である。 第3の実施形態における親機82の外観図及び要部ブロック図である。 第3の実施形態の子機83の内部ブロック図である。 第4の実施形態のテーブル番号消去の概念図である。 第4の実施形態の子機99の内部ブロック図である。 従来技術のシステム構成図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の全体構成図である。この図において、たとえば、レストランの店内20には、複数のテーブル(ここでは、テーブル21〜24)が並べられており、それらのテーブル21〜24を置き台として、各々の置き台の上に子機25が置かれている。各テーブル21〜24には予め識別のためのテーブル番号が付与されており、このテーブル番号は、たとえば、左上のテーブル21について「1」、右上のテーブル22について「2」、左下のテーブル23について「3」、右下のテーブル24について「4」であるとする。
各テーブル21〜24の上の子機25は、前記の従来技術の子機1と同様に、客26によって操作されるボタン27を備えており、且つ、ボタン27が操作された子機25(呼び出し元の子機25)からは、その子機25に固有の情報を持つ無線信号28が送信されるようになっている。
店内20には、複数(ここでは便宜的に二人とする。)の店員29、30が居て、各々同一構成の親機31を携帯している。
図2は、第1の実施形態の子機25の構成図である。この図において、子機25は、たとえば、好適にデザインされた形状(ここでは、円筒状)のボディ32の上面に若干量突出した比較的大きな押しボタン(ボタン27)を備えている。このボタン27は、ボディ32の内部に形成された二階床面33との間に縮設されたバネ34、35によって図面上方向に付勢されており、通常は、この付勢により、二階床面33に取り付けられた呼び出しスイッチ36とボタン27の下面とが接触しないようになっており、この通常状態では呼び出しスイッチ36が“オフ”になっているが、バネ34、35の付勢力に抗してボタン27が図面下方向に押されたときには、呼び出しスイッチ36とボタン27の下面とが接触して呼び出しスイッチ36が“オン”するようになっている。
ボディ32の二階床面33の下側には一階床面37が設けられており、これら二つの床面(一階床面37と二階床面33)の間の空間38には、後述の呼び出し信号生成部42や消去信号生成部43、送信部44及びアンテナ45などを含む電子回路部39とバッテリ40とが収められている。
加えて、ボディ32の一階床面37の下側には、持ち上げ検出スイッチ41が取り付けられており、この持ち上げ検出スイッチ41は、子機25をテーブル(便宜的にテーブル22とする。)に置いた状態では、(b)に示すように子機25の自重によって“オン”しているが、子機25をテーブル22から持ち上げることによって、(c)に示すように“オフ”するようになっている。
これら二つのスイッチ(呼び出しスイッチ36と持ち上げ検出スイッチ41)の動作は以下のとおりである。
・呼び出しスイッチ36:通常状態では“オフ”し、ボタン27が操作されたときには“オン”する。
・持ち上げ検出スイッチ41:通常状態では“オン”し、子機25がテーブルから持ち上げられたときには“オフ”する。
図3は、子機25の内部ブロック図である。子機25は、前記の呼び出しスイッチ36、持ち上げ検出スイッチ41を備えると共に、さらに、呼び出しスイッチ36が“オン”になったとき(つまり、ボタン27が操作されたとき)に呼び出し元の子機25に固有の情報を持つ信号(以下、呼び出し信号という。)を発生する呼び出し信号発生部42と、持ち上げ検出スイッチ41が“オフ”になったとき(つまり、子機25が持ち上げられたとき)に呼び出し元の子機25の呼び出し状態を解除するための信号(以下、消去信号という。)を発生する消去信号発生部43と、呼び出し信号や消去信号を微弱な無線信号28に変調してアンテナ45から送信する送信部44と、これらの各部に電源を供給するバッテリ40とを備える。なお、“微弱”とは、電波法の適用を受けない程度の小さな送信出力のことをいう。
ここで、呼び出し信号と消去信号の態様について、その一例を説明する。
図4は、呼び出し信号と消去信号の一態様例を示す概念図である。この図において、1C、2C、3C、・・・・は、各テーブル21〜24に置かれたそれぞれの子機25からの呼び出し信号を表し、1R、2R、3R、・・・・は、各テーブル21〜24に置かれたそれぞれの子機25からの消去信号を表しており、さらに、“C”は呼び出しを意味し、“R”は消去を意味し、“1”、“2”、“3”、・・・・はテーブル番号を意味している。たとえば、“1C”はテーブル番号「1」の子機25から送信された呼び出し信号であり、又は、1R”はテーブル番号「1」の子機25から送信された消去信号である。
複数の子機25の識別方法としては様々な技術を用いることができるが、ここでは、最も簡単な技術として周波数識別技術を用いることにする。すなわち、1C、2C、3C、・・・・や1R、2R、3R、・・・・にそれぞれ異なるキャリア周波数(f0、f1、f2、f3、f4、f5、・・・・)を割り当てて各子機25の呼び出し信号と消去信号を識別することにする。もちろん、発明の思想上はこの周波数識別技術に限定されない。他の技術、たとえば、各子機25に固有のIDコードを割り当て、そのIDコードを符号化した無線信号28を送信したりしてもよいが、本明細書中では説明の便宜上、上記の周波数識別技術を用いることにする。
次に、親機31について説明する。
図5は、第1の実施形態の親機31の外観図及び表示画面図である。親機31は、携帯に適した薄型軽量のボディ49の前面にタッチパネル付の液晶表示部50と、バイブコール及びスピーカコール了解ボタン51と、スピーカ52の拡声穴53とを備えており、さらに、その側面に電源スイッチ54と、バイブON/OFFスイッチ55と、スピーカON/OFFスイッチ56とを備えている。
液晶表示部50には、各テーブル21〜24の子機25からの呼び出し状態を告知するための、適切にデザインされたインターフェース画面57が表示されるようになっており、このインターフェース画面57は、たとえば、それぞれのテーブル番号に対応した「1」〜「4」までの番号コントロール58〜61を配置して構成されており、呼び出し状態のテーブル番号を明るい色やブリンクさせるなどして目立つように強調表示し、また、非呼び出し状態又はサービス完了状態のテーブル番号を薄色等で目立たないように表示する。なお、図示のインターフェース画面57では、テーブル番号の「1」から「4」の順番(昇順)で番号コントロール58〜61を固定配列しているが、これに限定されない。たとえば、冒頭の特許文献1に示されているように、各テーブルからの呼び出しの先着順が明らかとなるように番号コントロール58〜61の配列を適宜に入れ替えながら更新表示するようにしてもよい。
図6は、親機31の内部ブロック図である。親機31は、前記の液晶表示部50、バイブコール及びスピーカコール了解ボタン51、スピーカ52、電源スイッチ54、バイブON/OFFスイッチ55、及び、スピーカON/OFFスイッチ56を備えると共に、呼び出し信号送信元又は消去信号送信元の子機25からの無線信号28を受信するアンテナ62、その無線信号28から呼び出し信号や消去信号を再生し、前記の識別技術(周波数識別技術)などに従って呼び出し信号送信元の子機25又は消去信号送信元の子機25を特定する受信部63と、この親機31の動作を統括制御する制御部64と、液晶表示部50の前面に取り付けられたタッチパネル65と、タッチパネル65のタッチ座標を検出してその座標信号を生成するタッチ座標信号生成部66と、バイブON/OFFスイッチ55がオン状態にあるときに無線信号28の受信に応答してバイブモータ69を駆動するバイブ駆動部67と、スピーカON/OFFスイッチ56がオン状態にあるときに無線信号28の受信に応答して所定の音源でスピーカ52を拡声駆動するスピーカ駆動部68と、電源スイッチ54がオンになっているときに親機31の各部に電源を供給するバッテリ70とを備えている。
ここで、制御部64は、特にそれに限定されないが、CPU71やRAM72、PROM73及びその他の周辺回路からなる1チップマイコン(マイクロコンピュータ又は単にコンピュータ)で構成されており、PROM73に予め格納されたオペレーティングシステムや各種制御プログラム等のソフトウェアリソースと、CPU71やRAM72、PROM73及びその他の周辺回路等のハードウェアリソースとの有機的結合により、子機25からの呼び出し状態表示などの処理を行うものである。CPU71は当該処理の中心的役割を担う情報処理部であり、RAM72は当該処理を実行する際のワーキングメモリとして動作するものである。
図7は、制御部64で実行される制御プログラムの処理フローを示す概略図である。このフローは、当初、子機25からの無線信号28の待ち受け状態にある(ステップS1)。無線信号28の受信を判定すると(ステップS2の“YES”)、次に、無線信号28の信号種別を判定する(ステップS3)。信号種別はノイズ等の不要信号を無視すれば、「呼び出し信号」と「消去信号」のいずれかである。すなわち、図4の1C、1R、2C、2R、3C、3R、・・・・のうちの*C(*は1、2、3、・・・・)を受信したときは「呼び出し信号」を判定し、*Rを受信したときは「消去信号」を判定する。
受信した無線信号28が「呼び出し信号」(図4の1C、2C、3C、・・・・のいずれか。)であった場合は、次に、呼び出し元の子機25の番号(テーブル番号;たとえば、2Cを受信した場合は、テーブル番号「2」)を特定し、その番号に対応する番号コントロール59を強調して液晶表示部50に表示する(ステップS4)と共に、バイブ駆動開始信号とスピーカ駆動開始信号を出力(ステップS5)した後、再び、子機25からの無線信号28の待ち受け状態(ステップS1)に復帰する。
たとえば、ステップS4で特定されたテーブル番号が「2」であったとするならば、図5(b)に示すように、そのテーブル番号「2」に対応した番号コントロール59を明るい色やブリンクさせるなどして目立つように強調表示する。また、テーブル番号の表示と同時に、バイブ駆動開始信号とスピーカ駆動開始信号を出力するので、バイブON/OFFスイッチ55やスピーカON/OFFスイッチ56がオンになっていれば、バイブ駆動部67とスピーカ駆動部68により、バイブモータ69が駆動される(バイブコールという。)と共に、スピーカ52から告知音が拡声される(スピーカコールという。)。このため、仮に、親機31をポケットに入れていた場合であっても、子機25からの呼び出しを知ることができ、ポケットから親機31を取り出して、その液晶表示部50を見ることにより、どのテーブルからの呼び出しであるかを速やかに確認することができる。
かかる呼び出し元テーブル番号の表示と、バイブコール又はスピーカコールは、全ての店員29、30が携帯する親機31で行われる。全ての店員29、30は、自己が携帯する親機31の表示を確認し、手空きの店員又は当該テーブルの近くにいる店員は、当該テーブルに出向いて所要のサービス(注文の確認等)を行う。なお、バイブコールやスピーカコールは、各店員29、30が携帯する親機31のバイブコール及びスピーカコール了解ボタン51を操作することによって、コールを停止することができるようになっている。また、バイブコールを禁止する場合は、各々の親機31のバイブON/OFFボタン55をオフにしておけばよく、あるいは、スピーカコールを禁止する場合は、各々の親機31のスピーカON/OFFボタン56をオフにしておけばよい。これらの禁止選択は、各店員29、30の所望により行うことができる。
さて、呼び出し元テーブルのサービスを完了したとき、当該サービスを行った店員(たとえば、店員29)は、そのテーブル(たとえば、テーブル22)に置かれた子機25をさりげなく持ち上げるという操作を行う。この操作を行うことにより、当該子機25の持ち上げ検出スイッチ41が“オフ”になって、消去信号生成部43で消去信号(図4の1R、2R、3R、・・・・のいずれか。)が生成され、この消去信号が送信部44からアンテナ45を介して無線信号28として送信される。
この無線信号28が親機31で受信されると、ステップS3の判定結果が「消去信号」となり、次に、消去信号送信元の子機25の番号(テーブル番号;たとえば、2Rを受信した場合は、テーブル番号「2」)を特定し、その番号に対応する番号コントロール59を薄色表示するなどして目立たないように(ステップS6)した後、再び、子機25からの無線信号28の待ち受け状態(ステップS1)に復帰する。ここで、本実施形態では、「番号コントロール59を薄色表示するなどして目立たないようにする」ことを、便宜的に「テーブル番号の消去」と称している。これは、消去信号の“消去”に対応させるためである。
かかるテーブル番号の消去は、全ての店員29、30が携帯する親機31で自動的に行われるので、全ての店員29、30は、いちいち自己が携帯する親機31を操作して該当するテーブル番号を消去する必要がない。
以上のとおりであるから、この第1の実施形態においては、以下の効果を得ることができる。
(1)店内20の客26が店員29、30を呼ぶ際には、自分のテーブルの上に置かれた子機25のボタン27を操作するだけでよく、いちいち大きな声を出して店員29、31を呼んだりする必要がない。この効果は、冒頭の従来技術でも得られるが、この第1の実施形態においては、加えて、次の特有の効果が得られる。
(2)客26によって子機25のボタン27が操作されたとき、店内20の全ての店員29、30が携帯する親機31でバイブコールやスピーカコールがなされる。これらのコールは、バイブON/OFFスイッチ55やスピーカON/OFFスイッチ56によって任意にオンオフが可能であり、バイブコールとスピーカコールの双方の禁止またはいずれか一方の禁止を行うことができるようになっている。したがって、たとえば、全ての店員29、30が携帯する親機31でバイブコールだけを許容しておけば、店内20の静粛性を保つことができ、雰囲気を壊すことがないという特有のメリットが得られる。ちなみに、前記の従来技術においては、壁等に設置された表示器4(図15参照)のスピーカ7から呼び出し音8を拡声するようになっており、この呼び出し音8は、店内の騒音にかき消されない程度の大きな音量にする必要があるため、とりわけ、混雑時には度重なる呼び出し音8の拡声によって店内の雰囲気が著しく損なわれてしまうという不都合があるが、この第1の実施形態では、かかる不都合を解決できるという点で有益性がある。なお、スピーカON/OFFスイッチ56をオンにしてスピーカコールを許容する場合、そのスピーカコールの音量を子機25ごとに任意に設定できるようにしてもよい。
(3)子機25からの呼び出しに応答して、近くの店員(たとえば、店員29)が当該呼び出しテーブル(たとえば、テーブル22)に出向き、所要のサービスを完了した際には、そのテーブル22の上の子機25(すなわち、呼び出し元の子機25)をさりげなく持ち上げるだけで、呼び出しテーブル番号の消去を行うことができる。重要な点は、当該テーブル番号の消去が、呼び出し元の子機25に対する直接的な行為(ここでは子機25の持ち上げ。)を引き金にして行われることにある。したがって、この第1の実施形態においては、原理的に従来技術のような誤消去(間違ったテーブル番号の消去)の発生する余地がない。その結果、常に正しいテーブル番号を消去することができ、客からの呼び出し状態を放置することがなくなるので、客に不快感を与えないという特有の効果が得られる。
なお、第1の実施形態では、子機25を“持ち上げる”ことによってテープル番号を消去するようにしているが、これに限定されない。たとえば、子機25を持ち上げ、さらに、子機25を所定角度に傾けたときにテープル番号を消去するようにしてもよい。このようにすると、万が一、客によって不用意に子機25が持ち上げられた際のテーブル番号の誤消去を防止できるから好ましい。ちなみに、子機25の所定角度の傾き判定は、たとえば、傾斜センサによって行うことができる。つまり、子機25の内部に傾斜センサを設けておき、この傾斜センサで検出された傾斜角度が所定角度を超えたか否かを判定し、この判定結果が“YES”であって、且つ、持ち上げ検出スイッチ41が“オフ”のときに、消去信号生成部43で消去信号を生成出力すればよい。
<第2の実施形態>
上記の第1の実施形態では、テーブル番号を消去する際に、客の目の前で子機25を持ち上げなければならず、スマートさに欠けるおそれがある。以下の第2の実施形態は、スマートさを考慮して、子機25を持ち上げずにテーブル番号を消去できるようにしたものである。
図8は、第2の実施形態の子機25の内部ブロック図である。第2の実施形態の子機25は、呼び出しスイッチ36、信号発生部42、消去信号発生部43、アンテナ45、送信部44及びバッテリ40を備える点で前記の第1の実施形態と共通し、持ち上げ検出スイッチ41の代わりに磁気検出部74を備える点で相違すると共に、消去信号発生部43が、磁気検出部74で磁気75が検出されたときに呼び出し元の子機25の呼び出し状態を解除するための信号(消去信号)を発生する点で相違する。
ここで、磁気75とは、たとえば、永久磁石76から発生する磁気のことをいう。この永久磁石76は、接客に必要な道具に組み込むことができる。
図9は、永久磁石76が組み込まれた接客に必要な道具の一例を示す図である。この図において、伝票立て77は、永久磁石76を内部に収容したベース78と、そのベース78の上に立設された伝票保持部79とからなり、客からの注文内容を記した伝票80を伝票保持部79に差して客のテーブルの上に置かれるものである。したがって、この伝票立て77は、接客に必要な道具の一つということができる。
この第2の実施形態においては、子機25からの呼び出しに応答して、近くの店員(たとえば、店員29)が当該呼び出しテーブル(たとえば、テーブル22)に出向き、所要のサービスを完了した際には、そのテーブル22の上の子機25(すなわち、呼び出し元の子機25)の近傍に伝票立て77を置くことにより、呼び出しテーブル番号の消去を行うことができる。したがって、この第2の実施形態では、当該テーブル番号の消去が、呼び出し元の子機25に対する間接的な行為(ここでは呼び出し元の子機25の近傍に伝票立て77を置くこと。)を引き金にして行われるから、前記の第1の実施形態と同様に、従来技術のような誤消去(間違ったテーブル番号の消去)の発生する余地がない。その結果、常に正しいテーブル番号を消去することができ、客からの呼び出し状態を放置することがなくなるので、客に不快感を与えない。加えて、子機25を持ち上げずに、伝票立て77を置くだけというスマートな行為で済むので、客に違和感を与えないという特有のメリットも得られる。
以上の二つの実施形態(第1及び第2の実施形態)においては、テーブル番号を消去する際に、呼び出し元の子機25を持ち上げるという直接的な行為、又は、永久磁石76を近づけるという間接的な行為を行っていたが、発明の思想上は、これらの態様に限定されない。要は、呼び出し元の子機25に対して何らかの働きかけをし、その働きかけをきっかけにしてテーブル番号の消去を行えばよく、たとえば、以下のようにしてもよい。
<第3の実施形態>
図10は、第3の実施形態のテーブル番号消去の概念図である。この図において、店員81が携帯する親機82から呼び出し元の子機83に向けて指向性信号84が送信されている。この指向性信号84は、たとえば、赤外線信号であるが、“指向性”があるワイヤレス信号であればそれ以外の信号であってもよい。以下、説明の便宜上、この指向性信号84を赤外線信号とする。すなわち、親機82には、指向性信号84を送信するための送信ボタン85と、指向性信号84の発光窓86とが設けられており、一方の子機83には、第1の実施形態の子機25と同様のボタン27と、指向性信号84の受光窓87とが設けられている。
図11は、第3の実施形態における親機82の外観図及び要部ブロック図である。親機82は、携帯に適した薄型軽量のボディ49の前面にタッチパネル付の液晶表示部50と、バイブコール及びスピーカコール了解ボタン51と、スピーカ52の拡声穴53とを備え、さらに、その側面に電源スイッチ54と、バイブON/OFFスイッチ55と、スピーカON/OFFスイッチ56とを備える点で前記の第1の実施形態と共通し、その前面に指向性信号84を送信するための送信ボタン85を備える点と、その上端面に指向性信号84の発光窓86を備える点で相違し、また、この親機82は、内部に赤外線送信部88を備える点でも相違する。
図12は、第3の実施形態の子機83の内部ブロック図である。第3の実施形態の子機83は、呼び出しスイッチ36、信号発生部42、消去信号発生部43、アンテナ45、送信部44及びバッテリ40を備える点で前記の第1の実施形態と共通し、持ち上げ検出スイッチ41の代わりに受光窓87と、赤外線受光部89を備える点で相違すると共に、消去信号発生部43が、赤外線受光部89で指向性信号84が受信(受光)されたときに呼び出し元の子機83の呼び出し状態を解除するための信号(消去信号)を発生する点で相違する。
この第3の実施形態においては、子機83からの呼び出しに応答して、近くの店員が当該呼び出しテーブルに出向き、所要のサービスを完了した際には、図10に示すように、そのテーブルの上の子機83(すなわち、呼び出し元の子機83)に発光窓86を向けて親機82を構え、親機82の送信ボタン85を操作して、指向性信号84を送信することにより、呼び出しテーブル番号の消去を行うことができる。したがって、この第3の実施形態では、当該テーブル番号の消去が、呼び出し元の子機83に対する間接的な行為(ここでは指向性信号84を送信すること。)を引き金にして行われるから、前記の第1の実施形態と同様に、従来技術のような誤消去(間違ったテーブル番号の消去)の発生する余地がない。その結果、常に正しいテーブル番号を消去することができ、客からの呼び出し状態を放置することがなくなるので、客に不快感を与えない。加えて、子機83を持ち上げたり、伝票立て77を置いたりする必要がなく、よりスマートな方法でテーブル番号の消去を行うことができる。
なお、この第3の実施形態では、指向性信号84を送信するための送信ボタン85や赤外線送信部88を「親機82」に組み込んでいるが、これに限定されない。親機82以外の任意の機器に組み込む態様であってもよく、たとえば、小さな筐体に収められたリモコンのような機器に組み込んでもよい。
<第1〜第3の実施形態のまとめ>
以上の各実施形態(第1〜第3の実施形態)のようにすることにより、冒頭で説明した本願発明の目的、つまり、「呼び出し番号の消去を確実に行うようにし、客に対して不快感を与えることがない呼び出し装置を提供すること」が達成できるのであるが、この目的達成のための技術的工夫は、これらの実施形態に限られるものではない。
前記の各実施形態を端的に示せば、以下のとおりである。
第1の実施形態では、呼び出し元の子機を持ち上げると、その子機から親機に対して呼び出し番号の消去を促す無線信号を送信するようにして、前記の目的を達成している。
第2の実施形態では、呼び出し元の子機の近くに、磁性体を組み込んだ物体(実施形態では伝票立て)を近づけると、その子機から親機に対して呼び出し番号の消去を促す無線信号を送信するようにして、前記の目的を達成している。
第3の実施形態では、店員が携帯する親機から呼び出し元の子機に対して赤外線等の指向性信号を送信すると、その子機から親機に対して呼び出し番号の消去を促す無線信号を送信するようにして、前記の目的を達成している。
このように、各実施形態(第1〜第3の実施形態)は、本願発明の目的(呼び出し番号の消去を確実に行うようにし、客に対して不快感を与えることがない呼び出し装置を提供すること)を達成できる点で過不足のないものということができるが、本願発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、たとえば、以下のようにしてもよい。
<第4の実施形態>
図13は、第4の実施形態のテーブル番号消去の概念図である。この図において、店員91は、微弱無線送信機(以下、単に「送信機」という。)92を携帯している。この送信機92は、たとえば、カード型のケース93の内部にループアンテナ94と送信部95及びバッテリ96とを実装したものであり、ほぼ無指向性の微弱な無線電波を用いた微弱電波信号97を周囲に送信することができるものである。
ここで、“微弱電波信号97”とは、次のことを意味する信号である。一般的に無線電波の到達距離は、送信電力の大きさに対して指数関数的に比例する関係にあり、電力が少なくなるほど近距離にしか届かない。このことを利用して、信号の到達距離を局限した小型の送信機が試作されている。たとえば、TDK株式会社は、2007年10月1日、数メートル届く微弱電波を3年以上発信し続ける「カード」の無線送信機の開発に成功したことを明らかにした。開発したのはカード型の微弱無線送信機で、厚さ約1.5ミリながら、ポリマーリチウム電池と発信用アンテナを内蔵している。電波は最長約7メートル飛ばせるが、試作品は2〜3メートルに設定したという。
本実施形態における送信機92に、この試作品(又はそれに相当するもの)を用いることができる。ただし、上記の試作品の信号到達距離は2〜3メートルであるが、この距離が適切であるかどうかは、本実施形態の呼び出し装置を適用するレストラン等のテーブルレイアウトを考慮して適宜に判断すべきことはもちろんである。
この判断について説明すると、店内のテーブル98には子機99が載置されており、同様に図示を略した他のテーブルにも子機が載置されている。これらの子機は、後述するように、送信機92からの微弱電波信号97を受信すると、親機31に対して、呼び出し番号の消去を促す消去信号28を送信する。
今、送信機92の信号到達距離を図中の符号Xで示すことにすると、このXは前記の試作品の場合、2〜3メートルになる。店内の子機同士の距離がXを充分に越えていれば、送信機92の通信範囲(破線100)に収まる子機99は1台だけになる。
このように、送信機92の通信範囲(破線100)に1台の子機99が収まっている場合、特段の不都合は生じない。送信機92からの微弱電波信号97が1台の子機99のみによって受信されるからである。
しかしながら、送信機92の通信範囲(破線100)に複数台の子機が収まっている場合は、送信機92からの微弱電波信号97がそれら複数台の子機に同時に受信されるという不都合を招くので、Xの調整(送信機92の送信電力を減少させる調整)が必要である。このように、送信機92の送信電力は、「送信機92からの微弱電波信号97が1台の子機99のみによって受信される」ようになっている必要があり、前記試作品の値(2〜3メートル)に限定されない。要するに、送信機92の送信電力(微弱電波信号97の到達距離X)は、実際の店内レイアウトを考慮して適応的に調整すればよい。
図14は、第4の実施形態の子機99の内部ブロック図である。第4の実施形態の子機99は、呼び出しスイッチ36、信号発生部42、消去信号発生部43、アンテナ45、送信部44及びバッテリ40を備える点で前記の実施形態(たとえば、第1の実施形態)と共通し、持ち上げ検出スイッチ41の代わりに受信アンテナ101と受信部102を備える点で相違すると共に、消去信号発生部43が、図13の送信機92からの微弱電波信号97が受信部102で受信されたときに呼び出し元の子機(ここでは、子機99)の呼び出し状態を解除するための信号(消去信号)を発生する点で相違する。
この第4の実施形態においては、子機99からの呼び出しに応答して、近くの店員が当該呼び出しテーブルに出向いた際に、その店員は、呼び出し番号の消去操作を行う必要がない。図13に示すように、店員91が携帯する送信機92から送信される微弱電波信号97が、呼び出し元の子機99に受信され、その子機99から親機31に対して呼び出し番号の消去信号28が自動的に送信されるからである。
したがって、この第4の実施形態においても、テーブル番号の消去が、呼び出し元の子機99に対する間接的な行為(ここでは微弱電波信号97を送信すること。)を引き金にして行われるから、前記の第1の実施形態と同様に、従来技術のような誤消去(間違ったテーブル番号の消去)の発生する余地がない。その結果、常に正しいテーブル番号を消去することができ、客からの呼び出し状態を放置することがなくなるので、客に不快感を与えない。加えて、送信機92を携帯するだけでよいので、いちいち子機99を持ち上げたり、伝票立て77を置いたりする必要がなく、よりスマートな方法でテーブル番号の消去を行うことができる。
なお、この第4の実施形態では、微弱電波信号97を送信するための専用の送信機92を店員91が携帯することとしたが、これに限定されない。店員91が携帯する親機31に、その送信機92の機能(微弱電波信号97の送信機能)を組み込んでもよい。
なお、以上の各実施形態では、携帯型の親機を例にしているが、これに限定されず、たとえば、従来例の表示器4のような壁掛け型であってもよい。
C1、C2、C3 呼び出し信号
1R、2R、3R 消去信号
21〜24 テーブル(置き台)
25 子機
31 親機
41 持ち上げ検出スイッチ(持ち上げ検出手段)
43 消去信号生成部(消去信号送信手段)
74 磁気検出部(磁気検出手段)
76 永久磁石(磁気物体)
77 伝票立て(道具)
82 親機
83 子機
84 指向性信号
88 赤外線送信部(指向性信号送信手段)
89 赤外線受光部(指向性信号受信手段)
92 送信機(機器)
95 送信部(微弱電波信号送信手段)
97 微弱電波信号
99 子機
102 受信部(微弱電波信号受信手段)

Claims (3)

  1. 複数の置き台の各々の上に1台ずつ載置される子機と、この子機からの呼び出しに応答して当該呼び出し元の子機の情報を表示する親機とからなる呼び出し装置において、
    さらに、前記子機に対して、所定の電波強度に調整された微弱電波信号を送信可能な微弱電波信号送信手段を有する機器を備え、
    前記子機は、
    当該機器からの微弱電波信号を受信する微弱電波信号受信手段と、
    該微弱電波信号受信手段によって前記微弱電波信号が受信されたときに前記親機に対して前記呼び出し元の子機の情報の消去を促す消去信号を送信する消去信号送信手段と、
    具備し、
    前記所定の電波強度が、前記複数の置き台の各々の上に1台ずつ載置されている子機のうち、前記機器の近くに位置する1台の子機にのみ受信される強度に調整されていることを特徴とする呼び出し装置。
  2. 前記機器は携帯型の送信機であることを特徴とする請求項記載の呼び出し装置。
  3. 前記機器は前記親機に組み込まれた送信機であることを特徴とする請求項記載の呼び出し装置。
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