JP5411004B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕主面間に貫通した貫通孔又は第1主面に開口した凹部として形成された収容部を有する板状のコア基板と、該収容部内に収容された部品と、該収容部と該部品との間隙を閉塞する充填部と、を備えた配線基板の製造方法であって、
複数の前記コア基板が連結されてなる連結コア部と、該連結コア部の外側に配置されると共に孔部が形成された外側部と、を備えたコア基板集合体を準備するコア基板集合体準備工程と、
前記外側部の前記第1主面側に、閉塞部材を密着して、前記孔部の該第1主面側の開口部を塞ぐ閉塞工程と、
前記収容部の各々に前記部品を配置する部品配置工程と、
前記第1主面上に、フィルム状の絶縁材を配置する絶縁材配置工程と、
前記絶縁材を加熱押圧して、該絶縁材の一部を前記収容部内に充填するとともに、前記充填部を形成する絶縁材充填工程と、を備えることを特徴とする配線基板の製造方法。
〔2〕前記絶縁材充填工程後に、前記閉塞部材を、前記第1主面から剥離する閉塞部材剥離工程を備え、
前記閉塞部材剥離工程は、絶縁材が固化する前に行うか、又は、絶縁材を軟化させて行う前記〔1〕に記載の配線基板の製造方法。
〔3〕前記コア基板集合体は、光学的位置検知を行うための光学標識を前記外側部に備え、且つ、該光学標識は、孔部に対して連結コア部寄りに配置されており、
前記閉塞工程では、前記孔部の前記第1主面側の開口部を塞ぎつつ、前記光学標識を覆わないように、前記閉塞部材を密着する前記〔1〕又は〔2〕に記載の配線基板の製造方法。
〔4〕前記絶縁材配置工程では、前記絶縁材を、連結コア部を覆いつつ、前記閉塞部材に接触しないように配置する前記〔1〕乃至〔3〕のうちのいずれかに記載の配線基板の製造方法。
〔5〕前記閉塞部材剥離工程の後に、前記収容部に充填された絶縁材を硬化させる絶縁材硬化工程を備える前記〔2〕乃至〔4〕のうちのいずれかに記載の配線基板の製造方法。
閉塞部材剥離工程を備え、この閉塞部材剥離工程を、絶縁材が固化する前に行うか、又は、絶縁材を軟化させて行う場合は、閉塞部材を確実に剥離して除去できる。また、閉塞部材の剥離に伴う絶縁材(既に収容部内に充填された絶縁材等)への負担を抑制できる。
ビルドアップ部形成工程をさらに備え、ビルドアップ部を構成する絶縁層及び充填部は、共に樹脂及び無機フィラーを含有し、絶縁層全体に含まれる無機フィラーの質量割合をR1とし、且つ、充填部全体に含まれる無機フィラーの質量割合をR2とした場合に、R1<R2である場合は、前述の必要な部位へ確実に絶縁材を充填させつつ、意図しない部位への流れ込みが防止されるという作用をより効果的に得ることができる。
光学標識を外側部に備え且つ光学標識が孔部に対して連結コア部寄りに配置されており、閉塞工程では、孔部の第1主面側の開口部を塞ぎつつ、光学標識を覆わないように、閉塞部材を密着する場合は、光学標識上を絶縁材で覆うことができる。これによって、後工程で絶縁材を研磨する際に、光学標識が欠損することを防止できる。
絶縁材配置工程で絶縁材が連結コア部を覆いつつ、閉塞部材に接触しないように配置される場合は、絶縁材の流動をより確実に制御して、閉塞部材上を絶縁材が不必要に覆うことを抑制できる。
閉塞部材剥離工程の後に、収容部に充填された絶縁材を硬化させる絶縁材硬化工程を備える場合は、不必要な絶縁材を除去したうえで、絶縁材を硬化させることとなり、後工程における作業性を向上させることができる。
複数の前記コア基板11が連結されてなる連結コア部AG11と、該連結コア部AG11の外側に配置されると共に孔部AG14が形成された外側部AG13と、を備えたコア基板集合体AGを準備するコア基板集合体準備工程PR1と、
前記外側部AG13の前記第1主面MP1側に、閉塞部材3を密着して、前記孔部AG14の該第1主面MP1側の開口部AG14sを塞ぐ閉塞工程PR2と、
前記収容部111の各々に前記部品12を配置する部品配置工程PR3と、
前記第1主面MP1上に、フィルム状の絶縁材S15を配置する絶縁材配置工程PR4と、
前記絶縁材S15を加熱押圧して、該絶縁材S15の一部を前記収容部111内に充填するとともに、前記充填部15を形成する絶縁材充填工程PR5と、を備えることを特徴とする。
前記「配線基板(1)」は、コア基板11と、部品12と、充填部15と、を備える(図1参照)。
前記「コア基板(11)」は、絶縁材料から構成された板状体であり、配線基板1の厚さ方向における中心部をなす。コア基板11を構成する絶縁材料としては絶縁性樹脂が好ましく、例えば、エポキシ樹脂やビスマレイミド−トリアジン樹脂等が挙げられる。また、コア基板11には、補強材(ガラス繊維等の補強繊維)及び充填剤(シリカ、アルミナ等の各種フィラー)等が含まれてもよい。即ち、例えば、コア基板11としては、ガラス繊維強化エポキシ樹脂等の繊維強化樹脂板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂板等の耐熱性樹脂板などを用いることができる。また、このコア基板11は、複層化されていてもよく、更には、内部に配線層(内層パターン)を有していてもよい。
また、収容部111の内壁面(内側壁面)は、充填部15と内壁面との密着性を向上させるための各種処理が施されていてもよい。このような処理としては、過マンガン酸カリウム等による粗化処理や、絶縁材S15と収容部111の内壁面との両方の材料に対して親和性を有するカップリング剤によるカップリング処理等が挙げられる。
セラミック層121は、絶縁性セラミック材料から構成されている。この絶縁性セラミック材料としては、各種ガラス(ホウケイ酸系ガラス、ホウケイ酸鉛系ガラス等)、アルミナ、シリカ、窒化珪素、及び窒化アルミニウム等が挙げられる。これらの絶縁性セラミック材料は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。即ち、例えば、前記ガラスと、そのガラス内に分散含有された他の絶縁性セラミック材料からなるフィラーと、を含むガラスセラミック絶縁性材料等が挙げられる。より具体的にはフィラーを40〜60質量部添加したガラスセラミック絶縁材料(ガラスを100質量部とする)等が挙げられる。
この導体層122には、少なくとも2種の導体層122a及び導体層122bが含まれる。導体層122aは、導体層122a同士は貫通導体123のうちの貫通導体123aによって接続されている。一方、導体層122b同士は貫通導体123のうちの貫通導体123bによって接続されている。これらの導体層122aと導体層122bは、図7に例示されるように交互に配置される。更に、図7に示されるように、積層セラミックコンデンサの表裏には、各々表面導体層124を備える。表面導体層124は、貫通導体123のうちの貫通導体123a及び貫通導体123bを各々積層セラミックコンデンサの表面に導出する外部電極パッド(メタライズパッド124a及び124b)と、この外部電極パッドを取り囲むメタライズ層124cとを備える。
また、積層セラミックコンデンサに限られず、収容される部品12とコア基板11やビルドアップ部13等との導通は、部品12の一方の主面側のみから行ってもよく、図1に例示されるように、両主面MP1、MP2側から行ってもよい。
尚、間隙16は、部品12の体積に対して余剰な収容部111の内容積である。
尚、前記ガラス転移温度は、熱機械分析装置(TMA、JPCA−BU01に規定される)により得られる値である。
絶縁材S15を構成する成分は特に限定されないが、通常、硬化可能な硬化性樹脂と、硬化性樹脂内に分散・含有された無機フィラーとが含まれる。このうち硬化性樹脂の種類は特に限定されず、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、これらの硬化性樹脂が有する硬化特性は、熱硬化性であってもよく、光硬化性であってもよく、これらが併用された硬化特性を有してもよい。
また、絶縁材S15は、フィルム状をなしている。その厚さは特に限定されず、収容部111の大きさに応じて適宜の厚さとすることができるものの、200〜400mmが好ましい。
また、ビルドアップ部13を備える場合であって、その絶縁層131が、充填部15と同様に、硬化樹脂と、硬化樹脂内に分散・含有された無機フィラーとを含む場合、絶縁層131全体に含まれる無機フィラーの質量割合をR1とし、且つ、充填部15全体に含まれる無機フィラーの質量割合をR2とした場合に、R1<R2であることが好ましい。即ち、絶縁層131の方が、充填部15よりも無機フィラーの質量割合が低いことが好ましい。この質量割合は、R2/R1として表した場合に、1.1〜2.5が好ましく、1.4〜2.2がより好ましく、1.7〜1.9が特に好ましい。
複数の前記コア基板11が連結されてなる連結コア部AG11と、該連結コア部AG11の外側に配置されると共に孔部AG14が形成された外側部AG13と、を備えたコア基板集合体AGを準備するコア基板集合体準備工程PR1と、
前記外側部AG13の前記第1主面MP1側に、閉塞部材3を密着して、前記孔部AG14の該第1主面MP1側の開口部AG14sを塞ぐ閉塞工程PR2と、
前記収容部111の各々に前記部品12を配置する部品配置工程PR3と、
前記第1主面MP1上に、フィルム状の絶縁材S15を配置する絶縁材配置工程PR4と、
前記絶縁材S15を加熱押圧して、該絶縁材S15の一部を前記収容部111内に充填するとともに、前記充填部15を形成する絶縁材充填工程PR5と、を備える。
連結コア部AG11は、外側部AG13よりも内側に配置される部位である。この連結コア部AG11は、通常、四角形状を呈する。この連結コア部AG11には、コア基板11以外の他部を有してもいてもよい。この他部としては、コア基板11同士の間に挟まれた裁断しろ部等が挙げられる。また、コア基板集合体AGは、通常、前記コア基板11と同じ材質からなる。
前記配線基板1は、1つのコア基板11を用いて1つの配線基板1を製造することもできるが、通常、コア基板11の集合体を用いて、一括して、複数の配線基板1が連結された状態に形成し、得られた複数の配線基板1の集合体から分割して1つの配線基板1を得る。
この孔部AG14は、1つのみを有してもよく、2つ以上を有してもよいが、通常、前記用途から複数の孔部AG14を備えている。孔部AG14を複数備える場合であって、前記(1)のように、外側部AG13が連結コア部AG11の全周を取り囲む形態である場合には、外周部AG13の全周に孔部AG14を備えてもよく、図4に例示されるように、外周部AG13のうちの対向する2辺側にのみ備えてもよい。また、前記(2)のように、外側部AG13が連結コア部AG11の対向2辺を挟む形態である場合には、通常、外側部AG13の2辺側に孔部AG14を備える。
前記閉塞部材3の構成及び材質などは特に限定されず、また、どのようにして閉塞部材3を密着させてもよく、開口部AG14sを塞ぐことができればよい。この閉塞部材3としては、各種の貼着用物を用いることが好ましい。貼着用物とは、少なくとも一面に貼着性(粘着性、接着性など)を有し、通常、貼着性を有する貼着層とこれを支持する支持層(樹脂フィルム、紙など)とを備えたフィルム状を呈する。貼着性を有することにより、貼着用物自体の位置ずれを防止して、各工程においてより確実に孔部AG14への絶縁材S15の侵入を防止できる。貼着用物としては、マスキングテープ、ラバー等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
このように、光学標識AG15を備える場合であって、特に外側部AG13のうちの孔部AG14に対して連結コア部AG11寄りに光学標識AG15を備える場合、工程PR2では、孔部AG14の第1主面MP1側の開口部AG14sを塞ぎつつ、光学標識AG15は覆わないように、閉塞部材3を密着することが好ましい。光学標識AG15を覆わないことにより、後工程で絶縁材を研磨する際に、光学標識が欠損する事を防止できる(図5参照)。
また、この工程PR4では、この際に、複数枚の絶縁材S15を用いてもよいが、通常、1枚の絶縁材S15を用いて充填が必要な部位を覆うように配置する。1枚の絶縁材S15を用いた方が作業性がよい。
この加熱押圧は、加熱及び押圧(加圧)を行うことを意味しており、通常、加熱及び押圧を同時に行うものである。但し、加熱及び押圧を同時に行う時間を有すればよく、加熱又は押圧のうちのいずれか一方を先に行った後に、他方を追加して行うことにより、加熱及び押圧を同時に行う時間を形成してもよい。尚、絶縁材S15の十分な流動性を確保できるのであれば、加熱を行った後、加熱を停止して押圧を行うこともできる。加熱押圧における加熱条件及び加圧条件は特に限定されず、用いる絶縁材S15の特性及び量により適宜の条件とすることが好ましい。
また、押圧は、バッチ式プレス機で行ってもよいが、製造ラインを流通させながら押圧を行うことができるために、ローラー式プレス機等を用いることが好ましい。
更に、絶縁材S15は、充填を完了し、加圧を停止し、更に、加熱を停止することにより、絶縁材S15自体の温度が低下し、絶縁材S15が固化して充填部15を形成してもよいが、絶縁材S15を硬化させて充填部15とすることができる。従って、後工程で絶縁材S15の硬化を行う場合には、絶縁材充填工程PR5で充填して得られた充填部15は、硬化前の充填部15(以下、「硬化前充填部」ともいう)である。
閉塞部材剥離工程を備える場合には、どのように閉塞部材3の剥離を行ってもよいが、絶縁材S15が固化する前に行うか、又は、絶縁材S15を軟化させて行う。これにより、閉塞部材3をより確実且つ作業性よく剥離できる。また、閉塞部材の剥離に伴う絶縁材の他部への負担を抑制できる。即ち、閉塞部材3に隣接された領域にある固化された絶縁材S15にひび割れ等を来すことなく剥離を行うことができる。尚、前記絶縁材S15を軟化させて剥離を行う場合、この剥離は、絶縁材S15を軟化させつつ行ってもよく、また、絶縁材S15を軟化させた後、絶縁材S15の軟化状態を維持して剥離を行ってもよい。
更に、前記閉塞部材剥離工程PR6を行った後には、収容部111に充填された絶縁材S15を硬化させる絶縁材硬化工程PR7を備えることができる。この工程における硬化条件等は特に限定されず、用いる絶縁材S15の特性に応じた硬化を行うことが好ましい。
(1)コア基板集合体準備工程PR1
縦415mm×横415mm×厚み0.8mmのガラス繊維強化エポキシ樹脂板で構成され、収容部111として主面MP1、MP2間に貫通した収容部111としての貫通孔を有し、両主面がパターニングされ、光学標識AG15が形成された厚み35μmの銅めっき製のコア基板導体層112を備えたコア基板11(コア基板11は、ガラス繊維強化エポキシ樹脂板からなるコア層113と、その両主面MP1、MP2に形成された導体層112とを備える)が複数連結されてなるコア基板集合体AGを用意する(図2、図4、図6参照)。
この外側部AG13のうちの対向する2辺部分には、貫通孔である孔部AG14が孔設されている。この孔部AG14(孔部AG14の中心)は、コア基板集合体AGの外側端から15mm内側(連結コア部AG11寄り)に配置されている(図4におけるD1の距離)。
また、連結コア部AG11の四隅には光学標識AG15を各隅に1つずつ合計4つを備える(図4及び図6参照)。各光学標識AG15(光学標識AG15の中心)は、コア基板集合体AGの外側端から30mm内側(連結コア部AG11寄り)に配置されている(図4におけるD2の距離)。
加えて、コア基板集合体AGの第2主面MP2側には、貼着面を有する貼着シート2が貼着されており、収容部111内に貼着面が露出されている。
閉塞部材3として、マスキングテープ9を用い、外側部AG13の第1主面MP1側に、このマスキングテープ9を密着して、孔部AG14の第1主面MP1側の開口部AG14sを塞ぐ。このマスキングテープ9は、幅40mm×厚さ40μmであり、コア基板集合体AGの各辺各々よりも10mm程度長く裁断して用いる。更に、図5に示すように、1本のマスキングテープで1辺の孔部AG14の5つ全てを塞ぐ。また、マスキングテープ9の余剰部分は折り返して、マスキングテープ同士の貼着面を貼り合わせてテープ端処理を行う。更に、図5に示すように、外側部AG13のうちの孔部AG14を有さない対向した2辺にも、マスキングテープ9を貼着する。尚、このマスキングテープ9は、基材層と貼着層とから構成され、前記貼着シートと同様なものを用いることができる。また、マスキングテープ9は、前記光学標識AG15を覆わないように貼着される。
上記(2)までに得られたマスキングテープ9が貼着されたコア基板集合体AGの収容部111内に、積層セラミックコンデンサ12をマウント装置で収容し、収容部111内に露出された貼着シート2の貼着面(貼着層22)に積層セラミックコンデンサ12を固着する。収容は収容部111の内壁面から等間隔となるように、積層セラミックコンデンサ12は中央部に収容され、収容部111の内壁面と積層セラミックコンデンサ12との間には幅1mm隙間16が形成される。この間隙16には、後工程において絶縁材S15が充填されることとなる。
更に、積層セラミックコンデンサ12は、第1主面MP1側のメタライズパッド124a及び124b及びメタライズ層124cのみ(第2主面MP2側には施されていない)に銅粗化処理が施されている。第2主面MP2側は、貼着シート2の貼着面に貼着されるが、銅粗化処理が施されていないため、粗化凹凸に貼着剤が埋まることがない。
絶縁材S15を、前記(3)までに積層セラミックコンデンサ12が収容部111に収容されたコア基板集合体AGの第1主面MP1上に配置する。この絶縁材S15は、エポキシ樹脂とシリカフィラーとを含有し、これらの合計を100質量%とした場合に、シリカフィラーの割合が68質量%である(この割合は、硬化後においても実質的に変化しないものであり、充填部15のシリカフィラーの質量割合R2に等しい)。尚、後述するように、ビルドアップ部13を構成する絶縁層131はシリカフィラーの割合R1が38質量%であり、R1<R2である。また、絶縁材S15には、離型シート151が付されており、配置後には第1主面MP1側に位置される。この離型シート151があることによって加熱押圧時に、プレス機に絶縁材S15が付着することを防止できる。
更に、絶縁材S15は、コア基板連結部AG11の全面を覆いつつ、マスキングテープ9と接しないように配置される。更に、前記光学標識AG15は覆って配置される。
前記(4)で配置された絶縁材S15を前記離型シート151が付されたままの状態で、真空ラミネーション法を実現するラミネート機により、減圧雰囲気下で加熱押圧される。この加熱押圧は、第1主面MP1及び第2主面MP2の両側からローラーにより施されることによって、コア基板11の第1主面MP1に絶縁材S15が圧着されると共に、絶縁材S15の一部が収容部111と積層セラミックコンデンサ12との間隙16にも充填されることとなる。加熱温度は100℃とし、加圧条件は0.7MPaとする。これにより、絶縁材S15は、収容部111と積層セラミックコンデンサ12との間隙16の全部に十分に充填される(第2主面MP2側からの再充填の必要はない)。
前記(5)の絶縁材充填工程PR5の後、絶縁材S15が放冷して固化する前に素早く、マスキングテープ9の全てを剥離する。固化前に剥離を行ったために、コア基板集合体AG上に残存される絶縁材S15にひび割れなどを来すことなく剥離できる。
温度170℃の硬化炉内を通過させて、絶縁材S15を加熱硬化する。これにより、収容部111と積層セラミックコンデンサ12との間隙16に充填された絶縁材S15も硬化されて、充填部15となる。
前記(7)までに得られた絶縁材S15の硬化された不要部分を除去するために、コア基板重合体AGの第1主面MP1側を研磨して、コア基板11の第1主面MP1側のコア基板導体層112を露出させた(PR8について図12〜13参照)。尚、通常、研磨にはベルトサンダーが使用される。光学標識AG15が絶縁材S15に覆われていない場合、光学標識の欠損を防止するためには細かな研磨条件の制御が必要になり、作業性が悪くなる。しかしながら、光学標識が絶縁材に覆われていると、細かな研磨条件の制御が不要となり、光学標識が欠損する心配もない。
前記(8)までに得られたコア基板集合体AGの両主面MP1、MP2に各々ビルドアップ層13を形成する。各ビルドアップ層13は、公知のビルドアップ法(セミアディティブ法やフォトリソグラフィ技術などを組み合わせた工程)を用いて形成できる。
具体的には、前記(8)までに得られたコア基板集合体AGの第1主面MP1側に、ビルドアップ部絶縁層131となる未硬化絶縁層S131を積層する。未硬化絶縁層S131は、エポキシ樹脂とシリカフィラーとを含有し、これらの合計を100質量%とした場合に、シリカフィラーの割合が38質量%である(この割合は、硬化後においても実質的に変化しないものであり、絶縁層131のシリカフィラーの質量割合R1に等しい)。尚、未硬化絶縁層S131の厚さは40μmである。
次いで、未硬化絶縁層S131を、前記絶縁材S15の硬化と同様にして、加熱押圧して圧着した後、加熱硬化して絶縁層131とする。
次いで、第2主面MP2側の表面を銅粗化処理したうえで、第2主面MP2側にも、第1主面MP1側と同様にして絶縁層131を形成する。
次いで、必要に応じてビルドアップ部13の絶縁層131及び導体層132を前記と同様にして、交互に積層形成して、ビルドアップ部13を積層形成する。
1;配線基板、
11;コア基板、111;収容部、112;導体層(コア基板導体層)、113;コア層、
12;部品(積層セラミックコンデンサ)、
121;セラミック層、122、122a、122b;導体層、123、123a、123b;貫通導体、124;表面導体層、124a、124b;メタライズパッド、124c;メタライズ層、
13;ビルドアップ部、131;絶縁層、S131;未硬化絶縁層、132;導体層、133;ビア導体、H133;ビア孔、134;レジスト層、135;半田バンプ、136;スルーホール、137;スルーホール導体、138;穴埋め材(スルーホール導体内穴埋め材)、139;蓋導体、
15;充填部、S15;絶縁材、151;離型シート、
16;間隙(収容部と部品との間隙)、
2;貼着シート、21;基材層、22;貼着層、
3;閉塞部材、
AG;コア基板集合体、AG11;連結コア部、AG13;外側部、AG14;孔部(ガイドホール)、AG14s;開口部(ガイドホール開口部)、AG15;光学標識、
PR1;コア基板集合体準備工程、PR2;閉塞工程、PR3;部品配置工程、PR4;絶縁材配置工程、PR5;絶縁材充填工程、PR6;閉塞部材剥離工程、PR7;絶縁材硬化工程、PR8;研磨工程。
Claims (5)
- 主面間に貫通した貫通孔又は第1主面に開口した凹部として形成された収容部を有する板状のコア基板と、該収容部内に収容された部品と、該収容部と該部品との間隙を閉塞する充填部と、を備えた配線基板の製造方法であって、
複数の前記コア基板が連結されてなる連結コア部と、該連結コア部の外側に配置されると共に孔部が形成された外側部と、を備えたコア基板集合体を準備するコア基板集合体準備工程と、
前記外側部の前記第1主面側に、閉塞部材を密着して、前記孔部の該第1主面側の開口部を塞ぐ閉塞工程と、
前記収容部の各々に前記部品を配置する部品配置工程と、
前記第1主面上に、フィルム状の絶縁材を配置する絶縁材配置工程と、
前記絶縁材を加熱押圧して、該絶縁材の一部を前記収容部内に充填するとともに、前記充填部を形成する絶縁材充填工程と、を備えることを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記絶縁材充填工程後に、前記閉塞部材を、前記第1主面から剥離する閉塞部材剥離工程を備え、
前記閉塞部材剥離工程は、絶縁材が固化する前に行うか、又は、絶縁材を軟化させて行う請求項1に記載の配線基板の製造方法。 - 前記コア基板集合体は、光学的位置検知を行うための光学標識を前記外側部に備え、且つ、該光学標識は、孔部に対して連結コア部寄りに配置されており、
前記閉塞工程では、前記孔部の前記第1主面側の開口部を塞ぎつつ、前記光学標識を覆わないように、前記閉塞部材を密着する請求項1又は2に記載の配線基板の製造方法。 - 前記絶縁材配置工程では、前記絶縁材を、連結コア部を覆いつつ、前記閉塞部材に接触しないように配置する請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の配線基板の製造方法。
- 前記閉塞部材剥離工程の後に、前記収容部に充填された絶縁材を硬化させる絶縁材硬化工程を備える請求項2乃至4のうちのいずれかに記載の配線基板の製造方法。
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