JP5410786B2 - 集束イオンビーム装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電界電離型イオン源を有する集束イオンビーム装置に関するものである。
従来から、半導体デバイス等の試料の観察や各種の評価、解析等を行ったり、試料から微細な薄片試料を取り出した後、該薄片試料を試料ホルダに固定してTEM試料を作製したりするための装置として、集束イオンビーム装置が知られている。
この集束イオンビーム装置は、イオンを発生させるイオン源を備えており、ここで発生したイオンを、その後集束イオンビーム(FIB:Focused Ion beam)にして照射している。
イオン源としては、いくつか種類があり、例えばプラズマ型イオン源や液体金属イオン源等が知られているが、これらのイオン源よりもビーム径が小さく、高輝度の集束イオンビームを発生させることができる電界電離型イオン源(GFIS:Gas Field Ion Source)が提供されている。
この電界電離型イオン源は、先端が原子レベルで先鋭化された針状のエミッタと、エミッタの周囲にヘリウム(He)等のガスを供給するガス源と、エミッタを冷却させる冷却部と、エミッタの先端から離れた位置に配設された引出電極と、を主に備えている。
このような構成において、ガスを供給した後、エミッタと引出電極との間に引出電圧を印加させると共にエミッタを冷却すると、ガスがエミッタ先端部の高電界によって電界電離してイオン化し、ガスイオンとなる。すると、このガスイオンは、正電位に保持されているエミッタから反発して引出電極側に引き出される。その後、引き出されたガスイオンは、適度に加速されると共に集束され、集束イオンビームとなる。
特に、電界電離型イオン源から発生される集束イオンビームは、上述したようにビーム径が小さく、エネルギー広がりも小さいので、ビーム径を小さく絞ったまま試料に照射することができる。従って、観察時の高分解能化を図ったり、より微細なエッチング加工を行ったりすることが可能になる。
ところで、できるだけビーム径の小さい集束イオンビームを発生させるためには、エミッタの先端の結晶構造をピラミッド状にし、極力1つの原子が最先端に配列されていることが好ましい。こうすることで、先端の一点でガスをイオン化してガスイオンにすることが可能であるので、ビーム径の小さい集束イオンビームを発生させることができる。
従って、エミッタの先端には、上述した結晶構造が常時安定的に維持されていることが重要である。
そこで、エミッタ先端のエミッションパターン像、即ち、電界イオン像(FIM像)を観察することができる機構が、集束イオンビームを照射する鏡筒に組み込まれた装置が知られている(特許文献1参照)。
この装置は、裏面側が蛍光面とされ、集束イオンビームの光軸上に配設されたマイクロチャンネルプレート(MCP)を備えている。これにより、集束イオンビームは、MCPにて増幅された後に蛍光面に入射する。そのため、蛍光面にFIM像を映し出すことができる。また、このFIM像は、ミラーによってCCDカメラに導かれた後、表示されるようになっている。従って、FIM像を観察することで、エミッタ先端の結晶構造の状態を必要時に確認することが可能とされている。
特開平7−240165号公報
しかしながら、単にFIM像を観察しただけでは、エミッタ先端の結晶構造を正確に把握することは難しい。通常、ガスは、エミッタの表面の凸部分で集中的にイオン化してガスイオンとなってしまう。これは、凸部分で電界が局所的に強くなっているからである。そのため、FIM像の高輝度の部分は、エミッタ表面の凸部分を表示している。ところが、エミッタ表面にコンタミネーション等の汚染分子が付着している場合には、エミッタ先端の結晶構造に起因するエミッションも、コンタミネーションに起因するエミッションもFIM像上では同じ輝点として表示されてしまう。従って、FIM像を観察しただけでは、エミッタ先端の結晶構造に起因するエミッションと、コンタミネーションに起因するエミッションとを区別することが困難であり、結晶構造を正確に把握することが難しかった。特に、コンタミネーションは、イオン源の安定性の低下に繋がるものであるので、正確に原子と区別できることが望まれている。
また、エミッタ先端の結晶構造は壊れ易く、元の状態から構造が変化し易い。そこで、このような場合には、エミッタ先端の結晶構造を元の状態に戻す手法が知られている。具体的には、エミッタの先端を800℃〜900℃程度まで加熱する。すると、原子の再配列が生じて結晶構造が元のピラミッド状の構造に戻り、先鋭化した状態となる。従って、定期的、或いは、必要時に原子の再配列を行わせて、エミッタ先端の結晶構造を元の理想的な状態に戻すことが好ましい。
しかしながら、原子の再配列を行わせたとしても、毎回確実な再現性を得られるわけではなく、状況によっては結晶構造が不完全になってしまう場合があった。従って、原子の再配列を行わせた後、結晶構造が元の状態に戻ったか、或いは、不完全であるかを正確に判断する必要があるが、FIM像を見ただけでは、そこまで判断することは難しいものであった。FIM像は、電界が最も強い部分しか観察できないため、結晶構造を確認するには一度エミッタを電界蒸発させて確認する必要がある。ところが、電界蒸発してしまうので、結晶構造を確認し終わった時点で、既にエミッタは使用できない状態になっている。
従って、上述したように、FIM像を見ただけでは、結晶構造が元の状態に戻ったか、或いは、不完全であるかを判断することが難しかった。この問題も、上述したコンタミネーションと同様に、イオン源の安定性の低下に繋がるものであるので、正確に判断することが望まれている。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、FIM像から、コンタミネーション等の外乱に影響されずにエミッタの結晶構造を正確に把握することができるうえ、原子の再配列を行わせたとしても、エミッタの結晶構造が正確に元の状態に戻ったか否かを判断することができる集束イオンビーム装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明に係る集束イオンビーム装置は、先端が先鋭化され、先端の結晶構造がピラミッド状のエミッタと、該エミッタの周囲にガスを供給するガス源と、前記エミッタを冷却させる冷却部と、前記エミッタの先端を局所的に加熱して、エミッタを構成する原子の再配列を行わせる加熱部と、前記エミッタの先端から離間して配設された引出電極と、前記エミッタと前記引出電極との間に引出電圧を印加して、エミッタの先端で前記ガスをイオン化させてガスイオンにさせた後、引出電極側に引き出させる引出電源部と、引き出された前記ガスイオンを集束イオンビームにした後に試料に照射させるビーム光学系と、前記集束イオンビームから前記エミッタ先端のFIM像を取得する画像取得機構と、取得した前記FIM像を表示する表示部を有すると共にFIM像を記憶する記憶部を有する制御部と、を備え、前記記憶部には、前記エミッタ先端の理想的な結晶構造を表示するガイドが予め記憶され、前記ガイドが、前記再配列を行う前における前記エミッタのFIM像に基づいて予め作製されたガイドであり、前記制御部が、取得した前記FIM像に前記ガイドを重ねた状態で前記表示部に表示可能とされていると共に、その表示したガイドと前記再配列を行った後に再度取得したFIM像とを重ねて表示可能とされていることを特徴とする。




この発明に係る集束イオンビーム装置において、集束イオンビームを試料に照射する場合には、ガス源からエミッタの周囲にガスを供給すると共に、冷却部によりエミッタを所定の温度まで冷却しておく。この状態で、引出電源部が引出電極とエミッタとの間に引出電圧を印加すると、ガスがエミッタの先端で電界電離してイオン化し、ガスイオンとなる。そして、このガスイオンは、引出電極側に引き出される。引き出されたガスイオンは、ビーム光学系によって集束イオンビームとなり、試料に向けて照射される。これにより、集束イオンビームを利用して、試料の観察や加工等を行える。
ここで、エミッタ先端の結晶構造を確認する場合には、画像取得機構によりエミッタ先端のFIM像を取得する。取得されたFIM像は、制御部に送られた後、記憶部に記憶されると共に表示部に表示される。よって、表示されたFIM像を観察することで、実際のエミッタ先端の結晶構造を確認することができる。
ところで、記憶部には、エミッタ先端の理想的な結晶構造を表示するガイドが予め記憶されており、制御部が取得したFIM像にガイドを重ねた状態で表示部に表示することが可能とされている。
よって、ガイドを指標としながらFIM像を観察することができ、実際の結晶構造が理想的な状態(つまり、エミッタ先端がピラミッド状で最先端が1個の原子又は数個の原子からなる状態)であるか否かを正確に把握することができる。これにより、例えば、コンタミネーション等の付着に起因してFIM像上に輝点が現れていたとしても、ガイドを指標とするので、この輝点は原子ではなくコンタミネーション等の影響であると正確に区別することができる。
また、使用中、エミッタ先端の結晶構造が壊れてしまった場合には、加熱部によりエミッタの先端を局所的に加熱して、エミッタを構成する原子の再配列を行わせることができる。これにより、エミッタ先端の結晶構造を元のピラミッド状の構造に戻すことができる。この場合であっても、再配列後に取得したFIM像とガイドとを対比することで、再配列後の結晶構造が元の理想的な状態に戻ったか否かを正確に判断することができる。
上述したように、ガイドを利用することで、コンタミネーション等の外乱に影響されずにエミッタの結晶構造を正確に把握することができるうえ、原子の再配列を行ったとしても、やはりエミッタの結晶構造が正確に元の理想的な状態に戻ったか否かを判断することができる。従って、ガスイオンを常時安定的に発生させることができ、ビーム径の小さい高輝度な集束イオンビームを照射し続けることができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置は、上記本発明の集束イオンビーム装置において、前記制御部が、取得した前記FIM像と前記ガイドとを重ねた後、FIM像から読み取れる前記エミッタ先端の実際の結晶構造が前記ガイドで表示された結晶構造と一致するか否かを自動的に判断することを特徴とする。
この発明に係る集束イオンビーム装置においては、画像取得機構から取得したFIM像が送られてくると、制御部がFIM像にガイドを重ねた状態で表示部に表示した後、引き続きFIM像とガイドとを対比して、エミッタ先端の実際の結晶構造がガイドで表示された結晶構造と一致するか否かを自動的に判断する。従って、ユーザは、特別な操作をすることなく、エミッタの結晶構造を正確に把握することができる。よって、使い易くなり、利便性を向上することができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置は、上記本発明の集束イオンビーム装置において、前記制御部が、一致していないと判断した場合には、前記引出電圧が所定の振幅で変動するように前記引出電源部を制御することを特徴とする。
この発明に係る集束イオンビーム装置においては、エミッタ先端の実際の結晶構造がガイドで表示された結晶構造と一致していないと制御部が判断すると、引出電源部を制御してエミッタと引出電極との間の引出電圧を所定の振幅で変動させる。すると、エミッタ表面の凸部分で電界が局所的に高まり、電界蒸発が生じやすい状態になる。よって、エミッタの表面にコンタミネーションが付着している場合には、このコンタミネーションを優先的に電界蒸発によって飛ばすことが可能となる。従って、コンタミネーションが付着していない高品質なエミッタとすることができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置は、上記本発明の集束イオンビーム装置において、前記制御部が、前記引出電圧を変動させた後に一致していないと判断した場合には、前記加熱部を作動させて、前記エミッタの原子の再配列を再度行わせることを特徴とする。
この発明に係る集束イオンビーム装置においては、引出電圧の変動を行ってもまだエミッタ先端の実際の結晶構造がガイドで表示された結晶構造と一致していないと制御部が判断すると、結晶構造が不完全で元の理想的な状態に戻っていないと判断する。よって、制御部は、加熱部によりエミッタ先端を局所的に加熱して、原子の再配列を再度行わせる。これにより、エミッタ先端の結晶構造を元の理想的な状態に戻すことができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置は、上記本発明の集束イオンビーム装置において、前記制御部が、前記加熱部を作動させてもまだ一致していないと判断した場合には、前記加熱部の加熱温度を先ほどよりもさらに上昇させた状態で加熱部を再度作動させて、前記エミッタの原子の再配列を再度行わせることを特徴とする。
この発明に係る集束イオンビーム装置においては、原子の再配列を行わせてもまだ実際の結晶構造がガイドで表示された結晶構造と一致していないと制御部が判断すると、加熱温度が適正ではないために原子の再配列が適切に行われていないと判断する。よって、制御部は、加熱温度を先ほどよりもさらに上昇させた状態でエミッタ先端を加熱部により局所的に加熱する。これにより、適正な温度で原子の再配列を行わせることができるので、エミッタ先端の結晶構造を元の理想的な状態に確実に戻すことができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置は、上記本発明の集束イオンビーム装置において、前記記憶部には、前記加熱部を加熱させる際の加熱シーケンスが予め記憶され、前記加熱部が、前記加熱シーケンスに基づいて加熱することを特徴とする。
この発明に係る集束イオンビーム装置においては、エミッタ先端を局所的に加熱して原子の再配列を行わせる際、予め設定された加熱シーケンスに基づいて加熱するので、エミッタの種類等に応じて最適な加熱を行うことができ、原子の再配列を高精度に行うことが可能となる。
本発明に係る集束イオンビーム装置は、上記本発明の集束イオンビーム装置において、前記ガイドが、前記エミッタ先端の結晶構造のうち、最先端に配列されている原子構造を示す構造表示マークを有していることを特徴とする。
この発明に係る集束イオンビーム装置においては、重ね合わされたFIM像とガイドとを対比した際に、FIM像の輝点が構造表示マークに一致していれば、エミッタ先端の結晶構造が確実にピラミッド状となっているうえ最先端の結晶構造が理想的な状態になっていると判断できる。しかも、この輝点がコンタミネーションではなく、原子であると明確に判断することができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置は、上記本発明の集束イオンビーム装置において、前記ガイドが、前記エミッタ先端の結晶構造の稜線に沿って延在する複数のラインマークを有していることを特徴とする。
この発明に係る集束イオンビーム装置においては、重ね合わされたFIM像とガイドとを対比した際に、FIM像の輝点が複数のラインマークの交点に略一致していれば、エミッタ先端の結晶構造が確実にピラミッド状となっているうえ最先端の結晶構造がほぼ理想的な状態になっていると判断できる。しかも、この輝点がコンタミネーションではなく、原子であると明確に判断することができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置は、上記本発明の集束イオンビーム装置において、前記ガイドが、前記エミッタ先端の結晶構造のうち、2段目以降に配列されている原子を示す階層マークを有し、前記階層マークが、各段毎に異なるマークとされていることを特徴とする。
この発明に係る集束イオンビーム装置においては、ガイドがピラミッド状に構成されているエミッタ先端の結晶構造のうち、2段目以降に配列されている原子を示す階層マークを有している。しかも、階層マークは、各段毎に異なるマーク、例えば、色や形等が異なるマークとされている。
従って、エミッタの結晶構造を再確認するため、引出電圧を徐々に上昇させて電界蒸発させた際に、FIM像の輝点と階層マークとが一致するか否かで結晶構造が確実に構成されているか否かを確認することができる。特に、原子の再配列を行う際に、加熱温度が適正でないと原子の再配列が不完全になる場合がある。ところが、上述したように、階層マークを有しているので、一旦電界蒸発させてエミッタの結晶構造を再確認することができ、加熱温度が適正か否かを確認できる。従って、原子の再配列をより正確に行わせることができ、エミッタの高品質化に繋げることができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置は、上記本発明の集束イオンビーム装置において、前記記憶部には、前記各マークに対応したパターンが見え始める引出電圧が前記ガイドと共に記憶され、前記制御部が、記憶された前記引出電圧と共に前記各マークを表示することを特徴とする。
この発明に係る集束イオンビーム装置においては、各マークに対応したパターンが見え始める引出電圧が各マークと共に表示されるので、電界蒸発が生じてしまう引出電圧のレベルを把握することができる。従って、電界蒸発を生じさせることなく、より明瞭で高輝度なFIM像を取得することができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置によれば、コンタミネーション等の外乱に影響されずにエミッタの結晶構造を正確に把握することができるうえ、原子の再配列を行ったとしても、やはりエミッタの結晶構造が正確に元の理想的な状態に戻ったか否かを判断することができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置の一実施形態を示す全体構成図である。 図1に示す集束イオンビーム装置を構成する集束イオンビーム鏡筒の構成図である。 図2に示すエミッタの先端を拡大した図である。 図3に示すエミッタの先端を原子レベルで拡大した図である。 図2に示すエミッタの先端からガスイオンを発生させている状態を示す図である。 図1に示す制御部の記憶部に記憶され、エミッタ先端の理想的な結晶構造を表示するガイドを示す図である。 図3に示すエミッタ先端の結晶構造を示す斜視図である。 図7に示す状態から、最先端に配列されている原子が電界蒸発によって飛散した後の状態を示す斜視図である。 図8に示す状態から、2段目に配列されている3つの原子が電界蒸発によって飛散した後の状態を示す斜視図である。 エミッタ先端のFIM像と図6に示すガイドとを重ねて表示した図であって、中心マークと輝点とが一致している状態を示す図である。 図3に示すエミッタの先端を結晶構造が変化した一例を示す図である。 図11に示す結晶構造のときのエミッタ先端のFIM像である。 エミッタ先端のFIM像と図6に示すガイドとを重ねて表示した図であって、階層マークと輝点とが一致している状態を示す図である。 エミッタ先端のFIM像と図6に示すガイドとを重ねて表示した図であって、階層マークと輝点とがずれている状態を示す図である。 図7に示す結晶構造を有するエミッタ先端のFIM像であって、最先端に配列されている原子を示す輝点が現れ始めている状態を示す図である。 図15に示す状態の後、引出電圧をさらに上昇させることで、最先端に配列されている原子を示す輝点がより明確に現れた状態を示す図である。 図16に示す状態の後、引出電圧をさらに上昇させることで、最先端に配列されている原子の電界蒸発に伴って先ほどの輝点が消滅した後、2段目に配列されているトリマーを示す3つの輝点が現れ始めている状態を示す図である。 図17に示す状態の後、引出電圧をさらに上昇させることで、2段目に配列されているトリマーを示す3つの輝点がより明確に現れた状態を示す図である。 図18に示す状態の後、引出電圧をさらに上昇させることで、トリマーの電界蒸発に伴って先ほどの3つの輝点が消滅した後、3段目以降に配列されている原子を示す複数の輝点が現れ始めている状態を示す図である。 図19に示す状態の後、引出電圧をさらに上昇させることで、3段目以降に配列されている原子を示す複数の輝点がより明確に現れた状態を示す図である。 図20に示す状態の後、引出電圧をさらに上昇させることで、結晶構造の稜線に沿って複数の輝点が現れた状態を示す図である。 図6に示すガイドを作製する際の一工程を示す図であって、最先端に配列されている原子を示す輝点がFIM像に現れた際に、中心マークを設定している状態を示す図である。 図6に示すガイドを作製する際の一工程を示す図であって、トリマーを示す3つの輝点がFIM像に現れた際に、第1の階層マークを設定している状態を示す図である。 図6に示すガイドを作製する際の一工程を示す図であって、3段目以降の原子を示す複数の輝点がFIM像に現れた際に、第2の階層マークを設定している状態を示す図である。 図6に示すガイドを作製する際の一工程を示す図であって、結晶構造の稜線に沿って複数の輝点がFIM像に現れた際に、ラインマークを設定している状態を示す図である。 図6に示すガイドの変形例を示す図である。 図26に示すガイドのラインマークを設定する際の一工程であって、ファセット前に稜線に沿ってラインマークを設定した状態を示す図である。 エミッタ先端の結晶構造の変形例を示す図である。 図2に示す画像取得機構の変形例を示す図である。
以下、本発明に係る一実施形態について、図1から図29を参照して説明する。
本実施形態の集束イオンビーム装置1は、図1に示すように、試料Sが載置されるステージ2と、集束イオンビーム(FIB)を照射する集束イオンビーム鏡筒3と、集束イオンビーム(FIB)の照射によって発生した二次荷電粒子Rを検出する検出器4と、デポジション膜を形成するための原料ガスG1を供給するガス銃5と、検出された二次荷電粒子Rに基づいて画像データを生成すると共に、該画像データを表示部6に表示させる制御部7と、を主に備えている。
ステージ2は、制御部7の指示に基づいて作動するようになっており、5軸に変位することができるようになっている。即ち、このステージ2は、水平面に平行で且つ互いに直交するX軸及びY軸と、これらX軸及びY軸に対して直交するZ軸とに沿って移動する水平移動機構8aと、ステージ2をX軸(又はY軸)回りに回転させて傾斜させるチルト機構8bと、ステージ2をZ軸回りに回転させるローテーション機構8cとから構成される変位機構8によって支持されている。
よって、変位機構8によりステージ2を5軸に変位させることで、集束イオンビーム(FIB)を所望する位置に向けて照射することができるようになっている。ところで、ステージ2及び変位機構8は、真空チャンバ9内に収納されている。そのため、真空チャンバ9内で集束イオンビーム(FIB)の照射や原料ガスG1の供給等が行われるようになっている。
集束イオンビーム鏡筒3は、図2に示すように、エミッタ10と、ガス源11と、冷却部12と、加熱部13と、引出電極14と、引出電源部15と、ビーム光学系16と、画像取得機構17と、を主に備えている。
上記エミッタ10は、図3に示すように先端が先鋭化された針状の部材であり、例えば、タングステン(W)等からなる基材10aにイリジウム(Ir)等の貴金属10bが被膜されることで構成されている。このエミッタ10の先端は、原子レベルで先鋭化されており、詳細には図4に示すように、結晶構造がピラミッド状になるように構成されている。なお、図4は、エミッタ10の先端を原子レベルに拡大した図である。
このように構成されたエミッタ10は、図2に示すように、イオン発生室20内に収容された状態で支持されている。このイオン発生室20は、内部が高真空状態に維持されるようになっている。上記ガス源11は、エミッタ10の周囲に微量のガス(例えば、ヘリウム(He)ガス)G2を供給するものであり、ガス導入管11aを介してイオン発生室20に連通している。
上記加熱部13は、エミッタ10の先端を局所的に加熱するものであり、例えばフィラメントである。この加熱部13は、制御部7からの指示によって作動する電流源13aからの電流により所定温度までエミッタ10の先端を局所的に加熱して、エミッタ10を構成する原子の再配列を行わせる働きをしている。
また、イオン発生室20の開口には、上記引出電極14がエミッタ10の先端から離間した状態で配設されている。この引出電極14には、エミッタ10の先端に対向する位置に開口部14aが形成されている。上記引出電源部15は、引出電極14とエミッタ10との間に引出電圧を印加する電極である。この引出電源部15は、引出電圧を印加することにより、図5に示すようにエミッタ10の先端でガスG2をイオン化させてガスイオンG3にさせた後、このガスイオンG3を引出電極14側に引き出させる役割を果している。
上記冷却部12は、液体ヘリウム若しくは液体窒素等の冷媒によってエミッタ10を冷却するものであり、本実施形態では図2に示すように引出電極14を含む空間Eの全体を冷却するように設計されている。但し、少なくともエミッタ10が冷却されていれば良い。また、冷却方法として、冷凍機を使用しても構わない。
ところで、上述したエミッタ10、ガス源11、加熱部13、引出電極14、引出電源部15及びイオン発生室20は、ガスG2からガスイオンG3を発生させる電界電離型イオン源(GFIS)21を構成している。
また、引出電極14の下方には、接地電位の陰極22が設けられている。この陰極22とエミッタ10との間には、加速電源部23から加速電圧が印加されるようになっており、引き出されたガスイオンG3にエネルギーを与えて加速させ、イオンビームにしている。陰極22の下方には、イオンビームを絞り込む第1のアパーチャー24が設けられている。第1のアパーチャー24の下方には、イオンビームを集束して集束イオンビーム(FIB)にするコンデンサーレンズ25が設けられている。
コンデンサーレンズ25の下方には、X軸及びY軸方向に移動可能とされ、集束イオンビーム(FIB)をさらに絞り込む第2のアパーチャー26が設けられている。第2のアパーチャー26の下方には、試料S上で集束イオンビーム(FIB)を走査する偏光器27が設けられている。偏光器27の下方には、集束イオンビーム(FIB)の焦点を試料S上に合わせる対物レンズ28が設けられている。
上述した陰極22、加速電源部23、第1のアパーチャー24、コンデンサーレンズ25、第2のアパーチャー26、偏光器27及び対物レンズ28は、引き出されたガスイオンG3を集束イオンビーム(FIB)にした後に試料Sに照射させる上記ビーム光学系16を構成している。また、図示していないが、従来の集束イオンビーム(FIB)で使用されている非点補正器、ビーム位置調整機構もビーム光学径6に含まれる。
また、コンデンサーレンズ25と第2のアパーチャー26との間には、MCP(マイクロチャネルプレート)30及びミラー31が、集束イオンビーム(FIB)の光軸上の位置と光軸から離れた位置との間で移動自在に設けられている。この際、MCP30とミラー31とは、制御部7からの指示に基づいて同期しながら移動するようになっており、集束イオンビーム(FIB)を試料Sに照射する場合には同じタイミングで光軸上から離れ、エミッタ10先端のFIM像(電界イオン像)を取得する場合には光軸上に位置するように制御されている。
なお、MCP30は、FIM像の取得時にはゲインが自動調整されるようになっている。また、MCP30及びミラー31は、常に位置が記録されており、毎回光軸上の同じ位置にセットされるようになっている。
MCP30の下面には、蛍光スクリーン32が設けられており、FIM像をMCPにより増幅させた後に蛍光スクリーン32に入射させている。これにより、蛍光スクリーン32にエミッタ10先端のFIM像が映し出されるようになっている。映し出されたFIM像は、ミラー31で反射されて向きが変わり、CCDカメラ33に導かれる。このようにして、FIM像を取得することが可能とされている。なお、取得されたFIM像は、制御部7に送られるようになっている。
上述したMCP30、ミラー31、蛍光スクリーン32及びCCDカメラ33は、集束イオンビーム(FIB)からエミッタ10先端のFIM像を取得する画像取得機構17を構成している。
検出器4は、集束イオンビーム(FIB)が照射されたときに、試料Sから発せられる二次電子、二次イオン、反射イオンや散乱イオン等の二次荷電粒子Rを検出して、制御部7に出力している。
ガス銃5は、デポジション膜の原料となる物質(例えば、フェナントレン、プラチナ、カーボンやタングステン等)を含有した化合物ガスを原料ガスG1として供給するようになっている。この原料ガスG1は、集束イオンビーム(FIB)の照射によって発生した二次荷電粒子Rによって分解され、気体成分と固体成分とに分離するようになっている。そして、分離した2つの成分のうち固体成分が堆積することで、デポジション膜となる。
また、ガス銃5には、エッチングを選択的に加速させる物質(例えば、フッ化キセノン、塩素、ヨウ素、水)を使用することができる。例えば、試料Sが、Si系の場合にはフッ化キセノンを、有機系の場合には水を使用する。また、イオンビームと同時に照射することで、特定の材質のエッチングを進めることができる。
制御部7は、上述した各構成品を総合的に制御していると共に、引出電圧や加速電圧やビーム電流等を適宜変化させることができるようになっている。そのため、集束イオンビーム(FIB)のビーム径を自在に調整できるようになっている。これにより、観察画像を取得するだけでなく、試料Sを局所的にエッチング加工(粗加工や仕上げ加工等)することができるようになっている。
また、制御部7は、検出器4で検出された二次荷電粒子Rを輝度信号に変換して観察画像データを生成した後、該観察画像データに基づいて表示部6に観察画像を出力させている。これにより、表示部6を介して観察画像を確認できるようになっている。また、制御部7には、オペレータが入力可能な入力部7aが接続されており、該入力部7aによって入力された信号に基づいて各構成品を制御している。つまり、オペレータは、入力部7aを介して、所望する領域に集束イオンビーム(FIB)を照射して観察したり、所望する領域をエッチング加工したり、所望する領域に原料ガスG1を供給しながら集束イオンビーム(FIB)を照射してデポジション膜を堆積させたりすることができるようになっている。
また、制御部7は、CCDカメラ33から送られてきたFIM像を記憶するメモリ(記憶部)7bを有していると共に、このFIM像を表示部6に表示させることも可能とされている。なお、このメモリ7bには、上述した観察画像データ等も記憶される。
ここで、本実施形態のメモリ7bには、エミッタ10先端の理想的な結晶構造を表示するための、図6に示すガイド40が予め記憶されている。このガイド40は、図7に示すエミッタ10先端の理想的なピラミッド状の結晶構造のうち、最先端に配列されている原子A1を示す構造表示マーク41と、結晶構造の稜線に沿って延在する複数(3本)のラインマーク42と、2段目以降に配列されている原子A2、A3を示す階層マーク43と、を有している。
なお、本実施形態では、最先端に1原子(原子A1)が配列されている結晶構造を有するエミッタ10を例に挙げて説明する。
本実施形態の階層マーク43は、エミッタ10先端の結晶構造のうち、図8に示すように2段目に配列されている3つの原子(以下、適宜トリマーと称する)A2を示す第1の階層マーク43aと、図9に示すように3段目に配列されている原子A3を示す第2の階層マーク43bと、で構成されている。この際、第1の階層マーク43aと第2の階層マーク43bとは、段数の違いを表すため、色や形や線幅が異なるように設計されている。本実施形態では、図6に示すようにトリマーA2を示す第1の階層マーク43aの方が、第2の階層マーク43bよりも線幅が太く表示されている場合を例にしている。
そして、制御部7は、取得したFIM像を表示部6に表示する際に、上記ガイド40を重ねた状態で表示することが可能とされている。
また、メモリには、加熱部13を加熱させる際の加熱シーケンスが予め記憶されている。電流源13aは、この加熱シーケンスに基づいて加熱部13を加熱させ、エミッタ10先端を局所的に加熱するようになっている。例えば、一定速度でフィラメント電流を上昇させ、その後、目標温度に達してから該温度を一定時間保持させ、加熱後、一定速度で温度が下降させるといった加熱シーケンスに基づいて加熱を行わせるようになっている。
次に、このように構成された集束イオンビーム装置1を使用する場合について、以下に説明する。
なお、初期段階では、エミッタ10先端の結晶構造は図4及び図7に示すように理想的なピラミッド状に構成されているものとして説明する。
はじめに、試料Sや目的に応じて集束イオンビーム(FIB)を照射する際の初期設定を行う。即ち、引出電圧、加速電圧やガスG2を供給するガス圧、温度等を最適な値にセットする。また、電界電離型イオン源21の位置や傾き、第2のアパーチャー26の位置等を調整して、光軸調整を行う。また、MCP30及びミラー31を光軸上から離れるように移動させておく。
この初期設定が終了した後、ガス源11からイオン発生室20内にガスG2を供給すると共に、冷却部12によりエミッタ10を所定の温度、例えば20K程度まで冷却する。ガスG2の供給及びエミッタ10の冷却が十分に行われた後、引出電源部15により引出電極14とエミッタ10との間に引出電圧を印加する。すると、エミッタ10の先端の電界が局所的に高まるので、図5に示すようにイオン発生室20内のガスG2がエミッタ10の先端で電界電離してイオン化し、ガスイオンG3となる。そして、このガスイオンG3は、正電位に維持されているエミッタ10から反発して引出電極14側に引き出される。
引き出されたガスイオンG3は、図2に示すように、ビーム光学系16によって集束イオンビーム(FIB)となり、試料Sに向けて照射される。これにより、試料Sの観察やエッチング加工等を行える。また、集束イオンビーム(FIB)を照射する際に、ガス銃5から原料ガスG1を供給することで、デポジション膜を生成することも可能である。つまり、集束イオンビーム(FIB)の照射によって発生した二次電子が、原料ガスG1を分解して気体成分と固体成分とに分離させる。すると、分離した2つの成分のうち、固体成分だけが試料S上に堆積してデポジション膜となる。
このように、観察や加工だけでなくデポジション膜の生成も可能とすることができる。従って、本実施形態の集束イオンビーム装置1は、これらの特徴を適宜使い分けることで、顕微鏡、測長、断面観察、断面測長、TEM試料作製、マスクリペア、描画等を行う装置して幅広く利用することができる。
特に、本実施形態の集束イオンビーム(FIB)は、電界電離型イオン源21から発生されたビームであるので、プラズマ型イオン源や液体金属イオン源と比較して、ビーム径が小さく高輝度のビームである。従って、観察を行う場合には高分解能で観察でき、加工を行う場合には微細で非常に高精度な加工を行うことができる。
ところでエミッタ10は、極めて尖鋭であり、結晶構造が壊れやすいうえコンタミネーション等の汚染分子が付着し易い。
そこで、定期的或いは必要時に、画像取得機構17によりエミッタ10先端のFIM像を取得して結晶構造を確認する。つまり、MCP30及びミラー31を移動させて、光軸上に位置させる。すると、ガスイオンG3は、MCP30で電子に変換され、増幅された後に蛍光スクリーン32に入射する。これにより、蛍光スクリーン32上にFIM像を映し出すことができる。映し出されたFIM像は、ミラー31を介してCCDカメラ33で取得された後、制御部7に送られる。
制御部7は、送られてきたFIM像をメモリ7bに記憶すると共に表示部6に表示させる。これにより、ユーザは、表示されたFIM像を観察することで、実際のエミッタ10先端の結晶構造を確認することができる。しかも、制御部7は、FIM像を単に表示するだけでなく、予めメモリ7bに記憶されているガイド40を重ねた状態で表示する。よって、ユーザは、ガイド40を指標としながらFIM像を観察することができ、実際の結晶構造が理想的な状態であるか否かを正確に把握することができる。
例えば、図10に示すように、重ね合わされたFIM像とガイド40とを対比した際に、FIM像の輝点が構造表示マーク41に一致していれば、エミッタ10先端の結晶構造が確実にピラミッド状となっているうえ、最先端に原子A1が存在していると判断することができる。しかも、この輝点が、コンタミネーションではなく原子であると明確に区別することができる。その結果、エミッタ10先端の結晶構造が、図7に示すように依然として理想的なピラミッド状であると判断できる。
仮に、エミッタ10の表面にコンタミネーションが付着している場合には、FIM像上にコンタミネーションの付着に起因する輝点が現れる。この場合であっても、ガイド40を指標とするので、この輝点が原子ではなく、コンタミネーションの影響であると正確に区別することができる。
このように、本実施形態によれば、コンタミネーション等の外乱に影響されずにエミッタ10の結晶構造を正確に把握することができる。
ところで、使用中にエミッタ10の結晶構造が壊れてしまった場合、エミッタ10を構成する原子の再配列を行わせる。なお、結晶構造が壊れたか否かを判断するには、FIM像を観察することで判断することができる。例えば、エミッタ10先端の結晶構造が、図11に示すような状態となった場合には、図12に示すFIM像が取得される。よって、結晶構造が明らかに変化してしまったと判断することができる。
このように、結晶構造が壊れてしまった場合には、加熱部13を作動させてエミッタ10の先端を局所的に加熱(例えば、800℃〜900℃で数分間)する。この際、メモリ7bに記憶されている加熱シーケンスに基づいて加熱を行う。すると、エミッタ10を構成する原子が再配列され、エミッタ10先端の結晶構造を図4に示す元のピラミッド状の構造に戻すことができる。
特に、予め設定された加熱シーケンスに基づいて加熱するので、エミッタ10の種類等に応じて最適な加熱を行うことができ、原子の再配列を高精度に行うことができる。
そして、原子の再配列を行わせた後に、再度FIM像を取得してガイド40と対比する。これにより、再配列後の結晶構造が元の理想的な状態に戻ったか否かを正確に判断することができる。
上述したように、本実施形態の集束イオンビーム装置1によれば、ガイド40を利用することで、コンタミネーション等の外乱に影響されずエミッタ10の結晶構造を正確に把握することができるうえ、原子の再配列を行ったとしても、やはりエミッタ10の結晶構造が正確に元の理想的な状態に戻ったか否かを判断することができる。従って、ガスイオンG3を常時安定的に発生させることができ、ビーム径の小さい高輝度な集束イオンビーム(FIB)を照射し続けることができる。
ところで、本実施形態では、ガイド40がラインマーク42及び階層マーク43を有しているので、原子の再配列を行わせた後、引出電圧を徐々に上昇させて電界蒸発させながら、エミッタ10の結晶構造が完全に再配列されたか否かを確認することが可能である。
つまり、図10に示す状態から引出電圧を上昇させると、エミッタ10先端の結晶構造のうち最先端に配列されている原子A1が電界蒸発により飛散する。この状態から引出電圧をさらに上昇させると、図13に示すように2段目に配列されているトリマーA2の電界が高まるのでFIM像に3つの輝点が現れる。このとき、3つの輝点が第1の階層マーク43aに一致することで、トリマーA2も理想的に再配列されていると判断することができる。この時点で、図14に示すように3つの輝点が第1の階層マーク43aから外れている場合には、トリマーA2の位置(回転)が不完全な状態で再配列されてしまったと判断することができる。
特に、原子の再配列を行う際、加熱温度が適正でないと原子の再配列が不完全になる場合がある。ところが、本実施形態のガイド40は、階層マーク43やラインマーク42を有しているので、一旦電界蒸発させてエミッタ10の結晶構造を再確認することができ、加熱温度が適正か否かを確認することができる。従って、原子の再配列をより正確に行わせることができ、エミッタ10の高品質化に繋げることができる。
なお、図14に示す状態から、さらに引出電圧を上昇させることで、トリマーを電界蒸発により飛散させることができると共に、3段目以降の原子A3の配列や結晶構造の稜線をFIM上に輝点として現すことができる。この際、これらの輝点を第2の階層マーク43bやラインマーク42と比較することで、より詳細に結晶構造が完全に再配列されたか否かを確認することも可能である。
次に、上記実施形態で使用したガイド40の作製方法について、説明する。
この方法は、先端の結晶構造が、図7に示すように理想的なピラミッド状とされているエミッタ10のFIM像を取得しながら、引出電圧を徐々に上昇させて電界蒸発を行わせ、その間の変化を見ながら各マークを設定して作製する方法である。
はじめに、引出電圧を徐々に上昇させて電界蒸発を行わせている間のFIM像の変化について、説明する。
上昇した引出電圧が4.3kV程度になると、図15に示すように最先端の原子A1の電界が徐々に高まるので、最先端の原子A1を現す輝点がFIM像に現れ始める。次に、引出電圧が上昇して4.5kV程度になると、図16に示すように最先端の原子A1の電界がより高まり、最先端の原子A1を現す輝点がFIM像に明確に現れる。ところが、さらに引出電圧が上昇すると、図17に示すように、最先端の原子A1が電界蒸発により飛散してしまい先ほどの輝点が消滅すると共に、2段目に配列されているトリマーA2を表す3つの輝点がFIM像に現れ始める。そして、引出電圧がさらに上昇して4.6〜4.8kV程度になると、図18に示すようにトリマーA2の電界がより高まり、トリマーA2を現す3つの輝点がFIM像に明確に現れる。
ところが、さらに引出電圧が上昇すると、トリマーA2も飛散してしまい先ほどの3つの輝点が消滅すると共に、5.0〜6.0kV程度になると、図19に示すように3段目以降に配列されている原子A3を表す複数の輝点がFIM像に現れ始める。そして、引出電圧をさらに上昇させて6.0kVを超え始めると、図20に示すように3段目以降に配列されている原子A3の電界がより高まって輝点の数が増えはじめ、引出電圧のさらなる上昇によって、図21に示すように結晶構造の稜線に沿って輝点が現れ始める。
このように、引出電圧を徐々に上昇させて電界蒸発を行わせることで、エミッタ10先端の結晶構造の変化をFIM像で徐々に確認することができる。
そこで、図22に示すように、最先端の原子A1を現す輝点がFIM像に明確に現れた時点で、構造表示マーク41を設定する。続いて、図23に示すように、トリマーA2を現す3つの輝点がFIM像に明確に現れた時点で、第1の階層マーク43aを設定する。続いて、図24に示すように、3段目の原子A3を現す複数の輝点がFIM像に明確に現れた時点で、第2の階層マーク43bを設定する。そして最後に、図25に示すように、結晶構造の稜線を現す複数の輝点がFIM像に明確に現れた時点で、ラインマーク42を設定する。
これにより、図6に示すガイド40を完成させることができる。なお、このガイド40は、表示部6の画面上において、移動、回転、中心位置変更や尺度変更が自由とされているうえ、表示及び非表示切り替えも可能とされている。よって、ユーザは、ガイド40無しの状態で、FIM像を観察することも当然に可能とされている。
また、各マークを設定する際に、各マークに対応した輝点が現れた際の引出電圧をメモリ7bに記憶させ、ガイド40に合わせて表示させるようにしても構わない。
このようにすることで、ガイド40を表示させたときに、各マークに対応したパターンが見え始める引出電圧が各マークと共に表示されるので、電界蒸発が生じてしまう引出電圧のレベルを把握することができる。従って、電界蒸発を生じさせることなく、より明瞭で高精度なFIM像を取得することができる。
なお、上述したガイド40の作製方法は、メーカーサイドで予め行い、作製したガイド40をメモリ7bに記憶させておいても構わないし、エミッタ10を入手した際にユーザサイドで行い、作製したガイド40をメモリ7bに記憶させるようにしても構わない。
また、上記実施形態において、エミッタ10先端の結晶構造を制御部7が自動的に判断するように構成しても構わない。
この場合には、取得したFIM像とガイド40とを重ね合わせて表示した後、FIM像から読み取れるエミッタ10先端の実際の結晶構造がガイド40で表示された結晶構造と一致するか否かを自動的に判断するように制御部7を構成すれば良い。このようにすることで、ユーザは、特別な操作をすることなく、エミッタ10の結晶構造を正確に把握することができる。従って、より使い易くなり、利便性を向上することができる。
特に、上述したように構造表示マーク41に対応した引出電圧がガイド40に表示されている場合には、ユーザは現在の引出電圧と表示されている引出電圧とを参考に現在の引出電圧を上昇させ、結晶構造を確認することも可能である。
また、一致していないと判断した場合には、引出電圧が所定の振幅で変動するように引出電源部15を制御部7が制御するように構成すると良い。
この場合には、エミッタ10先端の実際の結晶構造がガイド40で表示された結晶構造と一致していないと制御部7が判断すると、引出電源部15を制御してエミッタ10と引出電極14との間の引出電圧を所定の振幅で変動させる。すると、エミッタ10表面の凸部分で電界が局所的に高まり、電界蒸発が生じやすい状態になる。よって、エミッタ10の表面にコンタミネーションが付着している場合には、コンタミネーションの結合力が結晶構造よりも弱いため、このコンタミネーションを優先的に電界蒸発によって飛ばすことが可能となる。従って、コンタミネーションが付着していない高品質なエミッタ10とすることができる。
更に、引出電圧を変動させた後に一致していないと判断した場合には、加熱部13を作動させてエミッタ10の原子の再配列を再度行わせるように制御部7を構成すると良い。
この場合には、引出電圧の変動を行ってもまだエミッタ10先端の実際の結晶構造がガイド40で表示された結晶構造と一致していないと制御部7が判断すると、結晶構造が不完全で元の理想的な状態に戻っていないと判断する。よって、制御部7は、加熱部13によりエミッタ10先端を局所的に加熱して、原子の再配列を再度行わせる。これにより、エミッタ10先端の結晶構造を元の理想的な状態に戻すことができる。
更には、加熱部13を作動させてもまだ一致していないと判断した場合には、加熱部13の加熱温度を先ほどよりもさらに上昇させた状態で、エミッタ10の原子の再配列を再度行わせるように制御部7を構成しても構わない。
この場合には、原子の再配列を行わせてもまだ実際の結晶構造がガイド40で表示された結晶構造と一致していないと制御部7が判断すると、加熱温度が適正でないために原子の再配列が適切に行われていないと判断する。よって、制御部7は、加熱温度を先ほどよりもさらに上昇させた状態でエミッタ10先端を加熱部13により局所的に加熱する。これにより、エミッタ10先端の結晶構造を元の理想的な状態に確実に戻すことができる。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、構造表示マーク41、階層マーク43及びラインマーク42を有するガイド40を例に挙げて説明したが、構造表示マーク41や、ラインマーク42だけを有するガイド40としても構わない。また、その他にも、原子構造〔FCC(体心立方)、BCC(面心立方)〕を示すマークや、格子面や方位を示すマーク等を有しているガイド40としても構わない。
また、3つのラインマーク42を有するガイド40としたが、図26に示すように6つのラインマーク42、45を有するガイド40しても構わない。このうち、追加した3本のラインマーク45は、図27に示すように、ファセット前に設定した稜線を示すマークである。
つまり、上記実施形態のように、エミッタ10の結晶方位が(111)面の場合には、ラインマークを3回、6回対称としても構わない。
また、上記実施形態では、エミッタ10の結晶方位を(111)面としたが、図28に示すように(100)面でも構わないし、(110)面としても構わない。なお、エミッタ10の結晶方位が(100)面の場合にはラインマークを4回、8回対称とし、(110)面の場合にはラインマークを2回、4回対称とすれば良い。
また、上記実施形態では、エミッタ10の基材10aをタングステン(W)としたが、モリブデン(Mo)としても構わない。また、基材10aの表面を被膜する貴金属10bをイリジウム(Ir)としたが、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)等を用いても構わない。特に、エミッタ10は、このような各種の貴金属10bによって表面が被膜されているので、化学的な耐性を有している。なお、化学的な耐性という点においては、イリジウム(Ir)を用いることが好ましい。
また、上記実施形態では、最先端に1原子(原子A1)が配列されている結晶構造を有するエミッタ10を例に挙げて説明したが、必ずしも1原子で終端されている場合に限定されるものではなく、再生処理(原子の再配列)により同じ結晶構造が再現されるのであれば、3原子等が最先端に配列されるような結晶構造でも構わない。なお、結晶構造は、結晶の材質や再生処理に異なる。
なお、最先端に配列される結晶構造が3原子の場合には、ガイド40の構造表示マーク41もこれに合わせて3原子を表示するようなマークにすれば良い。
また、上記実施形態では、イオン発生室20内に供給するガスG2として、ヘリウム(He)ガスを供給したが、この場合に限定されず、例えば、アルゴン(Ar)ガス、ネオン(Ne)ガス、クリプトン(Kr)ガス、キセノン(Xe)ガス等を用いても構わない。更に、水素(H)、酸素(O)等の希ガス以外のガスも使用可能である。この際、集束イオンビーム(FIB)の用途に応じて、ガスG2の種類を途中で切り替えたり、2種類以上のガスG2を混合して供給したりするようにしても構わない。
また、上記実施形態では、エミッタ10を構成する原子を再配列する際に、エミッタ10先端を局所的に加熱したが、この際、単に加熱するだけでなく、加熱に加え、強電界中で電子放出することで再配列させても構わない。更に、加熱に加え、強電界中でヘリウム(He)ガスやネオン(Ne)ガスやアルゴン(Ar)ガスを導入しながら電子放出することで再配列させても構わない。更には、加熱に加え、酸素(O)や窒素(N)を導入しながら再配列させても構わない。これらの場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、MCP30、ミラー31、蛍光スクリーン32及びCCDカメラ33で画像取得機構17を構成したが、FIM像を取得できれば画像取得機構をどのように構成しても構わない。
例えば、図29に示すように、コンデンサーレンズ25と第2のアパーチャー26との間に、集束イオンビーム(FIB)の光軸を調整するアライナ50を設け、このアライナ50を利用してFIM像を取得しても構わない。
つまり、アライナ50を利用することで、ある分布を持つ集束イオンビーム(FIB)を第2のアパーチャー26上で走査することができる。すると、走査に伴って第2のアパーチャー26を通過した集束イオンビーム(FIB)のパターンのみ試料Sに当たり、二次荷電粒子Rを発生させる。そして、このときの二次荷電粒子Rを検出器4で検出する。そして、アライナ50に加えた走査時のスキャン信号と、検出器4で二次荷電粒子Rを検出した際の検出信号とを同期させ、画像を構成することでFIM像と同等の像を観察することができる。従って、この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。なお、この場合には、アライナ50及び検出器4が、画像取得機構51として機能する。
なお、このように構成した際に、コンデンサーレンズ25を使用して第2のアパーチャー26上に像を結像するように構成しても構わない。
FIB…集束イオンビーム
G2…ガス
G3…ガスイオン
1…集束イオンビーム装置
6…表示部
7…制御部
7b…メモリ(記憶部)
10…エミッタ
11…ガス源
12…冷却部
13…加熱部
14…引出電極
15…引出電源部
16…ビーム光学系
17…画像取得機構
40…ガイド
41…構造表示マーク
42…ラインマーク
43…階層マーク

Claims (10)

  1. 先端が先鋭化され、先端の結晶構造がピラミッド状のエミッタと、
    該エミッタの周囲にガスを供給するガス源と、
    前記エミッタを冷却させる冷却部と、
    前記エミッタの先端を局所的に加熱して、エミッタを構成する原子の再配列を行わせる加熱部と、
    前記エミッタの先端から離間して配設された引出電極と、
    前記エミッタと前記引出電極との間に引出電圧を印加して、エミッタの先端で前記ガスをイオン化させてガスイオンにさせた後、引出電極側に引き出させる引出電源部と、
    引き出された前記ガスイオンを集束イオンビームにした後に試料に照射させるビーム光学系と、
    前記集束イオンビームから前記エミッタ先端のFIM像を取得する画像取得機構と、
    取得した前記FIM像を表示する表示部を有すると共にFIM像を記憶する記憶部を有する制御部と、を備え、
    前記記憶部には、前記エミッタ先端の理想的な結晶構造を表示するガイドが予め記憶され、
    前記ガイドは、前記再配列を行う前における前記エミッタのFIM像に基づいて予め作製されたガイドであり、
    前記制御部は、取得した前記FIM像に前記ガイドを重ねた状態で前記表示部に表示可能とされていると共に、その表示したガイドと前記再配列を行った後に再度取得したFIM像とを重ねて表示可能とされていることを特徴とする集束イオンビーム装置。
  2. 請求項1に記載の集束イオンビーム装置において、
    前記制御部は、取得した前記FIM像と前記ガイドとを重ねた後、FIM像から読み取れる前記エミッタ先端の実際の結晶構造が前記ガイドで表示された結晶構造と一致するか否かを自動的に判断することを特徴とする集束イオンビーム装置。
  3. 請求項2に記載の集束イオンビーム装置において、
    前記制御部は、一致していないと判断した場合には、前記引出電圧が所定の振幅で変動するように前記引出電源部を制御することを特徴とする集束イオンビーム装置。
  4. 請求項3に記載の集束イオンビーム装置において、
    前記制御部は、前記引出電圧を変動させた後に一致していないと判断した場合には、前記加熱部を作動させて、前記エミッタの原子の再配列を再度行わせることを特徴とする集束イオンビーム装置。
  5. 請求項4に記載の集束イオンビーム装置において、
    前記制御部は、前記加熱部を作動させてもまだ一致していないと判断した場合には、前記加熱部の加熱温度を先ほどよりもさらに上昇させた状態で加熱部を再度作動させて、前記エミッタの原子の再配列を再度行わせることを特徴とする集束イオンビーム装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の集束イオンビーム装置において、
    前記記憶部には、前記加熱部を加熱させる際の加熱シーケンスが予め記憶され、
    前記加熱部は、前記加熱シーケンスに基づいて加熱することを特徴とする集束イオンビーム装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の集束イオンビーム装置において、
    前記ガイドは、前記エミッタ先端の結晶構造のうち、最先端に配列されている原子構造を示す構造表示マークを有していることを特徴とする集束イオンビーム装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の集束イオンビーム装置において、
    前記ガイドは、前記エミッタ先端の結晶構造の稜線に沿って延在する複数のラインマークを有していることを特徴とする集束イオンビーム装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の集束イオンビーム装置において、
    前記ガイドは、前記エミッタ先端の結晶構造のうち、2段目以降に配列されている原子を示す階層マークを有し、
    前記階層マークは、各段毎に異なるマークとされていることを特徴とする集束イオンビーム装置。
  10. 請求項7から9のいずれか1項に記載の集束イオンビーム装置において、
    前記記憶部には、前記各マークに対応したパターンが見え始める引出電圧が前記ガイドと共に記憶され、
    前記制御部は、記憶された前記引出電圧と共に前記各マークを表示することを特徴とする集束イオンビーム装置。
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