JP5410339B2 - 電磁拡管成形用インダクタ及びその製造方法 - Google Patents

電磁拡管成形用インダクタ及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、導電体である金属管等を電磁力を利用して拡管成形する際に使用される電磁拡管成形用インダクタ及びその製造方法に関する。
電磁拡管成形は、高電圧で蓄えられた電荷を電磁成形用インダクタに瞬時に放電させて、その周囲に極めて短時間で強力な磁場を形成し、この強磁場の中に被成形体を配置することにより、被成形体と成形用コイルとの間に電磁反力を発生させて、被成形体を拡管成形する技術である(特許文献1)。
この電磁拡管成形は、電磁力を利用して導電体(Al、Cu、非磁性ステンレス鋼、Ti等)の塑性加工が可能であるため、パイプ状及び板状等の種々の多様な形状の被成形体を加工することができるので、様々な分野への適用が検討されている。
このような電磁拡管成形に使用される電磁拡管成形用インダクタとして、例えば特許文献2に開示されたものがある。図6は、特許文献2に記載された従来の電磁成形用インダクタを示す断面図である。なお、図6は、電磁拡管成形用コイルの中心軸(1点差線)から一方の周面までの半分の部分を示す。
図6に示すように、電磁拡管成形用インダクタ101は、絶縁性樹脂により軸状に構成されたボビン2を有している。このボビン2の周面には、ガラスクロステープ6により被覆された矩形断面を有する中空の導体素線4が、ボビン2を軸心として螺旋状に巻回されコイルを構成している。なお、この導体素線4の中心の中空部5は、冷媒が通流して導体素線4を冷却するようになっている。そして、この導体素線4は隣接する導体素線4の相対する表面同士が平行になるように巻回されている。また、コイルの外側には、所定の厚さを有するようにガラスクロス7が巻き付けられている。絶縁性の樹脂8は、ガラスクロステープ6、ガラスクロス7及び各構成物間の空隙に含浸され、これにより絶縁層及び導体が固着されている。なお、電磁拡管成形用インダクタ101は、樹脂8の含浸後にガラスクロス7の外周を切削加工されることにより、所定の外径を有している。
特許文献3には、コイル間及び全体を、硬化樹脂により一体的に固めて成形した電磁拡管成形用インダクタにおいて、筒状コイルの両端部分を中央部分より疎巻きすることにより、特にコイルの両端部にて、導体素線に作用するコイル軸方向の圧縮力を低減する技術が開示されている。
特開2004−351455号公報 特開2009−54808号公報 特公昭58−37051号公報
しかしながら、上述の従来の技術には以下に示すような問題点がある。図7に示す従来の電磁拡管成形用インダクタ101において、樹脂8は含浸の際にガラスクロスの繊維に沿って含浸していき、かつボビン2の樹脂自体には浸透しない。このため、各導体を被覆するガラスクロステープ6同士の境界でボビン直上の部分(図6に示すB部)は、樹脂の浸透が不十分になりやすく、その結果として空隙が生じやすい。一方、電磁拡管成形用インダクタ101の使用時には、大電流がコイルに通電されることにより導体素線4が振動するため、電磁成形用コイル101の内部に空隙があるとその部分が亀裂の発生源となりやすい。発生した亀裂は、繰り返しの使用により進展し、やがて電磁拡管成形用インダクタ101の変形及び破損等を引き起こす可能性がある。従って、内部に空隙を有する電磁拡管成形用インダクタは、その寿命が短くなってしまう。
図7は、電磁拡管成形時に導線に作用する電磁力を示す模式図である。軸部21の周面に、樹脂22で被覆された導線23が巻回されて、電磁拡管成形用インダクタが構成されており、このインダクタを外嵌するように、金属製被成形パイプ20が配置されている。電磁力を利用した拡管成形では、被成形パイプに瞬発的な電磁力を作用させたときに、同時に、コイル導線23は、導線23に流れる電流と磁束密度との相互作用により、コイル中立軸に向かう半径方向に電磁反力24を受け、更に、被成形パイプの端部近傍に中立軸方向(図7の矢印25で示す方向)に電磁反力を受けて、インダクタ自身又は導線が変形することにより破損してしまうという問題点がある。なお、図7において、Frは半径方向に作用する電磁力を示し、Fzは軸方向に作用する電磁力を示す。
更に、瞬発的な電磁反力の繰り返しにより、ダメージが蓄積され、上述のような変形が大きく、軸部21と含浸性樹脂によって被覆された導線23との界面(図6に示すA部)に作用する剪断力により、剥離が進行して隣り合う導線23が接触した場合、導通によりスパークして破損をもたらすため、コイル導線間に絶縁性を有する含浸樹脂22を配置しているが、瞬間的な電磁反力のために、含浸樹脂22をも圧壊又は剥離して破損させてしまう虞がある。
上述の特許文献3に開示された技術は、導体素線に作用するコイル軸方向の圧縮力を低減することができる。しかしながら、この特許文献3の技術は、導体素線の周囲を、例えばガラスクロス等の含浸性樹脂で被覆した構成の電磁拡管成形用インダクタにおいて、図7に示すようなコイル中立軸に向かう半径方向に作用する電磁反力24を低減するものではなく、軸部21と樹脂含浸繊維層22との界面に作用する剪断応力を低減するものでもない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、コイル導線に作用する電磁反力を低減し、樹脂含浸繊維層によって被覆された導線と軸部との界面に作用する剪断応力を低減して、耐久性を向上させ、長寿命化した電磁拡管成形用インダクタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る電磁拡管成形用インダクタは、軸部と、この軸部の周面に巻回されたコイルと、このコイルの外周を被覆し絶縁性樹脂が含浸された外側樹脂含浸繊維層と、を有し、前記コイルは、導線の周囲を絶縁性樹脂が含浸された樹脂含浸繊維層により被覆して構成されており、前記軸部の長手方向の両端部を夫々第1及び第2の区間とし、前記第1の区間と第2の区間との間を第3の区間としたとき、前記第1及び第2の区間は、その半径方向外側に被拡管部材が存在しない区間であり、この第1及び第2の区間では、前記コイルは相互に離隔して配置され、コイル間には前記外側樹脂含浸繊維層が進入しており、前記第3の区間では、前記コイルは接触するように配置されており、前記軸部の中心軸をとおる断面において、前記導線の前記軸部中心軸に平行の方向の幅をd、前記第1及び第2の区間における前記導線間の距離をd、前記第3の区間における前記導線間の距離をdとしたときに、前記第3の区間における前記導線の中心間距離d+dは、前記第1及び第2の区間における前記導線の中心間距離d+dに対する2乗比(d+d/(d+dで、0.30乃至0.82であることを特徴とする。
本発明に係る電磁拡管成形用インダクタの製造方法は、導線に樹脂含浸性繊維層を被覆し、この樹脂含浸性繊維層に絶縁性樹脂を含浸させる工程と、軸部の周面に前記樹脂含浸後の導線を軸方向に同一巻き数で巻回してコイルを形成する工程と、前記コイルの上から更に樹脂含浸性繊維層を被覆し、この樹脂含浸性繊維層に絶縁性樹脂を含浸させて外側樹脂含浸繊維層を形成する工程と、を有し、前記コイルを形成する工程において、前記軸部の長手方向の両端部を夫々第1及び第2の区間とし、前記第1の区間と第2の区間との間を第3の区間として、前記第1及び第2の区間では、前記コイルを相互に離隔させて配置し、前記第3の区間では、前記コイルを接触するように配置し、前記軸部の中心軸をとおる断面において、前記導線の前記軸部中心軸に平行の方向の幅をd、前記第1及び第2の区間における前記導線間の距離をd、前記第3の区間における前記導線間の距離をdとしたときに、前記第3の区間における前記導線の中心間距離d+dを、前記第1及び第2の区間における前記導線の中心間距離d+dに対する2乗比(d+d/(d+dで、0.30乃至0.82となるように形成し、前記外側樹脂含浸繊維層を形成する工程において、前記第1及び第2の区間のコイル間に樹脂含浸性繊維層を形成した後、前記コイルの上から樹脂含浸性繊維層を被覆することを特徴とする。
本発明の電磁拡管成形用インダクタは、コイルの導線が樹脂含浸繊維層によって被覆され、軸部の長手方向の両端部の第1及び第2の区間において、半径方向の外側に被拡管部材は存在せず、この第1及び第2の区間において、コイルは離隔して配置され、第1の区間と第2の区間との間の第3の区間において、コイルは接触するように配置されている。これにより、コイルへの通電時に、第1及び第2の区間に配置されたコイル導線に作用する電磁反力を低減し、樹脂含浸繊維層によって被覆された導線と軸部との界面に作用する剪断応力を低減することができる。また、第1及び第2の区間において、コイル導線と被拡管部材との位置関係を変化させることにより、コイル導線に作用する電磁反力の方向を変化させ、導線を被覆している樹脂含浸繊維層と軸部との界面に作用する剪断応力を低減することができる。その結果、電磁拡管成形用インダクタの耐久性を向上させ、長寿命化することができる。
また、軸部の中心軸をとおる断面において、第1及び第2の区間における導線の中心間距離を、第3の区間における導線の中心間距離を基準として適正な範囲で規定している。これにより、第3の区間の半径方向の外方に被拡管部材を配置すれば、コイルへの通電時に、第3の区間のコイルにより、十分な成形力を得て拡管しながら、第1及び第2の区間に配置されたコイル導線に作用する電磁反力を低減し、導線を被覆している樹脂含浸繊維層と軸部との界面に作用する剪断応力を低減することができる。
本発明の電磁拡管成形用インダクタの製造方法によれば、耐久性を向上させ、長寿命化した電磁拡管成形用インダクタを得ることができる。
本発明の実施形態に係る電磁拡管成形用インダクタを示す断面図である。 同じく電磁拡管成形用インダクタを示す断面図である。 電磁拡管成形用インダクタにおいて、導線の中心間距離の比に対する剪断応力比の変化を示すグラフ図である。 電磁拡管成形用インダクタにおいて、導線の中心間距離の2乗比に対する剪断応力比の変化を示すグラフ図である。 従来構造の電磁拡管成形用インダクタについて、剪断応力比と成形可能寿命比との関係を示す図である。 従来の電磁拡管成形用インダクタを示す断面図である。 電磁成形時に発生する応力を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本実施形態に係る電磁拡管成形用インダクタを示す断面図である。なお、図1は、電磁拡管成形用インダクタの中心軸(1点鎖線にて示す)をとおる断面において、一方の半分の部分を示すものである。
図1に示すように、本実施形態の電磁拡管成形用インダクタ1は、軸部を構成するボビン2を有している。このボビン2の周面には、ガラスクロステープ6により被覆された矩形断面を有する中空の導体素線4が、ボビン2を軸心として螺旋状に巻回されコイルを構成している。そして、この導体素線4は隣接する導体素線4の相対する表面同士が平行になるように巻回されている。また、コイルの外側には、所定の厚さを有するようにガラスクロス7が巻き付けられている。そして、ガラスクロステープ6、ガラスクロス7及び各構成物間の空隙には、絶縁性の樹脂8が含浸され、各絶縁層及び導体が固着されている。
ボビン2は、例えば絶縁性樹脂により形成されている。ボビン2は、柱状であり、本実施形態においては、断面形状が円形となるように構成されている。なお、ボビン2には、例えばその軸方向端部において、電磁拡管成形用インダクタ1を外部に固定するためのフランジ部等が設けられていてもよい。また、本実施形態においては、ボビン2は軸状であるが、例えば筒状であってもよい。
導体素線4は、矩形断面を有し、中心に円形の冷媒流通用の中空部5が形成された筒状をなし、上述の如く、外面には樹脂含浸性繊維層であるガラスクロステープ6が被覆されている。このガラスクロステープ6は樹脂含浸性を有し、絶縁性樹脂が含浸されて硬化されている。そして、ボビン2の周面には、中空の導体素線4が、ボビン2を軸心として螺旋状に巻回されてコイルが構成されている。この場合、隣接する導体素線4の相対する表面同士が平行になるように巻回されている。従来の電磁拡管成形用インダクタにおいては、導体素線4は、その周囲を被覆しているガラスクロステープ6同士が互いに接触するように密に巻回されている(図6)が、本発明においては、ボビン2の長手方向の両端部の第1及び第2の区間11,12においては、導線を被覆しているガラスクロステープ6同士は離隔して配置され、従って、隣り合う導体素線4間の距離が従来よりも大きい。そして、この第1の区間11と第2の区間12との間の第3の区間13においては、導体素線4は、その周囲を被覆しているガラスクロステープ6同士が、図6に示す従来構造の電磁拡管成形用インダクタと同様に、互いに接触するように密に巻回されている。本実施形態においては、導体素線4の巻き数は、ボビン4の半径方向に1回である。
図1に示すように、ボビン2の中心軸をとおる断面において、導線4のボビン中心軸に平行の方向の幅をd、第1及び第2の区間11、12における隣り合う導線間の距離をd、第3の区間13における隣り合う導線間の距離をdとしたときに、第1及び第2の区間において、導線4の中心間距離はd+dとなり、第3の区間において、導線4の中心間距離はd+dとなる。本発明の電磁拡管成形用インダクタは、第3の区間13における導線4の中心間距離d+dは、第1及び第2の区間11、12における導線4の中心間距離d+dに対する2乗比(d+d/(d+dで、0.30乃至0.82である。導体素線4は、例えば銅又は銅合金により製造され、図示しない電源装置に接続されて給電されるようになっている。なお、導体素線4の中空部5の内部には、冷媒装置から液体又は気体の冷媒が循環供給されて、コイルとしての使用時に発生する熱を冷却するようになっている。
コイルの外周面上には、所定の厚さを有するように外側樹脂含浸層用の繊維層であるガラスクロス7が巻き付けられている。このガラスクロス7はシート状であるが、例えばテープ状とすることもできる。ガラスクロス7も樹脂含浸性の繊維層であり、絶縁性の樹脂8がインダクタの周面から含浸されて硬化されている。この絶縁性樹脂8は、各繊維層(ガラスクロステープ6及びガラスクロス7)の間にも含浸されて硬化している。ガラスクロス7は絶縁性樹脂8が含浸されて硬化することにより外側樹脂含浸層を形成している。絶縁性樹脂8としては、例えば熱硬化性を有するエポキシ樹脂等を使用することができる。このとき、導体素線4の周囲を被覆しているガラスクロステープ6に含浸させる絶縁性樹脂と、ガラスクロス7に含浸させる絶縁性樹脂とは同一の材料により構成されていてもよいし、異なる材料により構成されていてもよい。なお、電磁成形用インダクタ1は、絶縁性樹脂の含浸後にガラスクロス7の外周面を切削加工することにより、所定の外径を有するものとなっている。
本実施形態においては、上述の如く、第1及び第2の区間11、12において、導線を被覆しているガラスクロステープ6同士が離隔して配置され、従って、コイル形成時には、第1及び第2の区間の隣り合う導線4の周囲のガラスクロステープ6同士は、相互間に隙間が形成されている。ガラスクロス7は、この隙間を埋めるように巻き付けられており(図1中破線部)、更にその上からガラスクロス7が所定の厚さで巻回されている。
次に、本実施形態の電磁拡管成形用インダクタの製造方法について説明する。図1に示す本実施形態の電磁拡管成形用インダクタ1は、例えば、以下に示す方法により製造することができる。先ず、導体素線4の周囲にガラスクロステープ6を巻回することにより、導線4に樹脂含浸性繊維層を被覆する。引き続いて、このガラスクロステープ6に例えば熱硬化性を有するエポキシ樹脂等を含浸させて硬化させて、周囲に樹脂含浸繊維層が形成された導体素線4を得る。
次に、樹脂含浸繊維層で被覆された導体素線4をボビン2の周面に螺旋状に巻回することによりコイルを形成する。本発明においては、図1に示すように、ボビン2の長手方向の両端部の夫々第1及び第2の区間11、12において、隣り合う導線4の中心間距離d+dが従来よりも大きくなるように導体素線4を巻回する。また、第1の区間11と第2の区間12とに挟まれた第3の区間においては、導線4の周囲のガラスクロステープ6同士を互いに接触するように、導線4を密に巻回する。即ち、本実施形態においては、ボビン2の中心軸をとおる断面において、第3の区間13における導線4間の軸方向の距離dは、導線4の周囲のガラスクロステープ6(樹脂含浸繊維層)の厚さの2倍である。このとき、隣接する導体素線4の相対する表面同士が平行となるように導体素線4をボビン4の軸方向に同一巻き数で巻回する。第1及び第2の区間11、12においては、例えば導体素線4の中心間距離d+dが一定となるように導体素線4を巻回してもよく、第3の区間における導体素線4の中心間距離d+dが前記d+dに対する2乗比で0.30乃至0.82の範囲となるように、導体素線4の中心間距離を第1及び第2の区間11、12の間で変化させて導体素線4を巻回してもよい。なお、本実施形態において、導体素線の巻き数はボビン4の半径方向に1回であるが、2重巻き以上で軸方向に同一の巻き数で巻回してもよい。
次に、コイルの外周に、ガラスクロス7を巻回する。先ず、例えば、市販のガラスクロス7を、第1及び第2の区間11、12における導線4の周囲のガラスクロステープ6の相互間に形成された隙間に、この隙間を埋めるように巻き付ける(図1中破線部)。ガラスクロステープ6間の隙間をガラスクロス7により埋めた後、このガラスクロス7及びコイルの上から、更にガラスクロス7を巻回する。このとき、例えばハーフラップ(幅方向の部分を50%重ねる)となるように、ガラスクロス7を軸方向に均一に巻回する。その後、ガラスクロステープ6及びガラスクロス7に樹脂8を含浸させて外側樹脂含浸層を形成する。樹脂8としては、例えば絶縁性及び熱硬化性を有するエポキシ樹脂を使用する。その後、樹脂8を加熱・硬化させることにより、絶縁層が強固に固着する。その後、ボビン2を軸心としてガラスクロス7の外周面を切削加工することにより、所定の形状を有する電磁成形用コイル1が得られる。なお、コイルの外周にガラスクロス7を巻回すると、第3の区間13のコイルが外見からは判別できなくなる。これを避けるために、ガラスクロス7の巻回時に、第1の区間11と第3の区間13との境界部分、及び第2の区間12と第3の区間13との境界部分のガラスクロス7にマーキングを施しておくことが好ましい。これにより、拡管時に、金属管(被拡管部材20)を第3の区間13に位置するコイルの半径方向の外方に配置することが容易となる。
次に、本実施形態の電磁拡管成形用インダクタの動作について説明する。例えば、本実施形態の電磁拡管成形用インダクタ1を金属管20(被拡管部材)の拡管に使用する場合、先ず、図示されている電磁拡管成形用インダクタ1の軸部を被加工材である金属管20内に挿入し、図2に示すように、電磁拡管成形用インダクタ1の第3の区間13の半径方向の外側に金属管20を配置する。これにより、第3の区間において、金属管20を成形する。
次に、導体素線4により構成されたコイルに衝撃大電流を通電し、電磁拡管成形用コイル1の軸部の周囲に磁場を発生させる。これにより、金属管は磁場の反発力により外側へ向けて強い拡張力を受けて拡管し、金属管の外側に配置された成形型(図示せず)に押し付けられて成形される。このとき、導体素線4の中心間距離を大きく形成した第1及び第2の区間11、12においては、第3の区間に比して、発生する電磁力は低いが、この第1及び第2の区間11、12においては、半径方向の外側には、被拡管部材である金属管20は位置しておらず、第3の区間13に配置されたコイルの電磁力により十分な拡管力を得て、金属管20を拡管することができる。なお、この際、導体素線4に発生する熱を冷却するために、導体素線4の中空部5に冷媒が流通している。
従来、図7に示すように、金属管20の拡管時には、導線4は、導線4に流れる電流と磁束密度との相互作用により、コイル軸に向かう方向(図7の矢印24で示す方向)に電磁反力を受ける。また、特に被成形パイプ(金属管20)の(コイル軸方向の)端部近傍においては、導体素線4の周囲のガラスクロステープ6(樹脂含浸被覆層)とボビン2(軸部)との界面にはコイル軸方向に剪断力が作用する。これに対して、本実施形態においては、図1及び図2に示すように、ボビン2の長手方向の両端部の夫々第1及び第2の区間11、12において、導体素線4の中心間距離を大きく形成している。これにより、第1及び第2の区間11、12においては、その半径方向外側には被拡管部材である金属管20は位置しておらず、導線4と金属管20との距離は、図6に示す従来構造の電磁拡管成形用インダクタに比して大きくなり、従って、第1及び第2の区間11、12における電磁力は、第3の区間13に比して小さい。従って、第1及び第2の区間11、12において、コイルに作用する電磁反力を低減することができ、導体素線4の周囲のガラスクロステープ6(樹脂含浸被覆層)とボビン2(軸部)との界面に発生する剪断応力も低減することができる。また、第1及び第2の区間11、12においては、コイルを相互に離隔して配置することにより、コイルを接触するように配置した第3の区間13に比して導体素線4と金属管20との間の距離はコイル軸方向に増大し、これにより、導体素線4と金属管20との位置関係が変化する。よって、導体素線4に作用する電磁力の方向も変化する。従って、第1及び第2の区間11、12においては、電磁反力を低減する効果は、主に、導体素線4と金属管20との間の距離が増大することにより得られるが、導体素線4に作用する電磁力の方向が変化することによっても得ることができる。
そして、本実施形態においては、第1及び第2の区間11、12における導線4の中心間距離d+dを、第3の区間における導線4の中心間距離d+dを基準として適正な範囲で規定している。これにより、本実施形態の電磁拡管成形用インダクタによれば、導体素線4が密に巻回された第3の区間13において、十分な成形力を得て拡管しつつ、隣り合う導体素線4の中心間距離を大きく形成した第1及び第2の区間11、12において、コイルに作用する電磁反力を低減し、導体素線4の周囲のガラスクロステープ6(樹脂含浸被覆層)とボビン2(軸部)との界面に発生する剪断応力を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態においては、隣り合う導体素線4を密に巻回した区間において、十分な成形力を得て拡管しつつ、被拡管部材を配置しないボビン2の長手方向の両端部においては、コイルに作用する電磁反力を低減し、導体素線4の周囲の樹脂含浸繊維層(ガラスクロステープ6)と軸部(ボビン2)との界面に発生する剪断応力を低減することができる。これにより、繰り返し使用によっても電磁成形用コイルを破損する虞が極めて少なくなる。その結果、電磁成形用コイルを長寿命化することができる。
また、本実施形態の電磁拡管成形用インダクタにおいては、導体素線4を密に巻回した区間において、その半径方向の外側に被拡管部材を配置して拡管することにより、被拡管部材に電磁力を確実に作用させ、拡管することができる。そして、電磁拡管成形用インダクタに投入された投入エネルギーに対して、使用する成形エネルギーの割合を向上させることができ、従来構造の電磁拡管成形用インダクタに比して、効率のよい拡管成形を行うことができる。
次に、図6に示す従来構造の電磁拡管成形用インダクタ101について、剪断応力と成形可能寿命との関係について説明する。従来構造の電磁拡管成形用インダクタへの通電時に、軸部(ボビン2)と導線周囲の被覆含浸層(ガラスクロステープ6)との界面に生じる剪断応力τrzを、有限要素法による数値解析によって求めた。
図5は、従来構造の電磁拡管成形用インダクタ101について、剪断応力比τrz/τを横軸にとり、成形可能寿命比β/αの対数値を縦軸にとって、両者の関係を示すグラフ図である。なお、τは、図6に示す従来の電磁拡管成形用インダクタ101において、通電時にコイル導線4間に介在しているガラスクロステープ6(樹脂含浸繊維層)同士の接触界面(図6の領域B)に生じる剪断応力、τrzは、従来の電磁拡管成形用インダクタ101において、通電時にボビン2(軸部)と導線4の周囲のガラスクロステープ6(樹脂含浸繊維層)との界面(図6の領域A)に生じる剪断応力である。また、α,βは、図6に示す従来構造の電磁拡管成形用インダクタ101において、通常の使用条件で使用したときの成形可能寿命であり、αは電磁拡管成形用インダクタの採算を確保することができる基準値としての成形可能寿命、βは電磁拡管成形用インダクタの成形可能寿命の測定値を示す。図5においては、剪断応力比τrz/τの値が0.86及び1であるときの夫々において、電磁拡管成形用インダクタの成形可能寿命βのばらつきを前記基準値αに対する比として垂直細線にて示してある。また、黒丸は、β/αの平均値である。そして、このβ/αの平均値を直線で結んでいる。電磁拡管成形用インダクタにおいては、ガラスクロステープ6同士の境界(図6の領域B)に生じる空隙から亀裂が生じ、通電時のインダクタ導線4の振動によりこの亀裂が拡大して変形及び破損が生じる。一般に、繰り返し荷重による疲労破壊においては、応力振幅Sと応力付加回数N(インダクタでは通電回数に相当)との間に、Kを定数として、下記数式1の関係がある。そして、応力振幅Sは剪断応力τに比例し、応力付加回数Nは成形可能寿命βに比例する。従って、従来の電磁拡管成形用インダクタにおいては、剪断応力値τを基準値としたときのボビン2(軸部)と導線4の周囲のガラスクロステープ6(樹脂含浸繊維層)との間に生じる剪断応力値τrzの比τrz/τは、採算を確保することができる成形可能寿命αを基準としたときの成形可能寿命βの比β/αの対数に比例する。前述の如く、図5における実線は、成形可能寿命比β/αと剪断応力比τrz/τとの関係を示す。そして、破線は、剪断応力比τrz/τが1のときに成形可能寿命βのばらつきの中で最小(β/α=0.45)となる点を起点とし、平均値を結んだ直線と同じ傾きで直線を延長したものである。
Figure 0005410339
図5に示すように、電磁拡管成形用インダクタは、内部に生じる空隙のために成形可能寿命βのばらつきが大きく、図6に示す従来の電磁拡管成形用インダクタ101(τrz/τ=1)においては、成形可能寿命βが採算を確保することができる寿命の0.45倍であるものも存在している。しかしながら、電磁拡管成形用インダクタの寿命が短いと、加工コストが増大するため、成形可能寿命を採算が確保することができる寿命まで向上させることは極めて重要である。図5に示すように、剪断応力τrzを低減すると、成形可能寿命βを高めることができ、成形可能寿命βが最小(β/α=0.45)である従来の電磁拡管成形用インダクタ101においても、剪断応力比τrz/τを19%低減すれば(τrz/τ=0.81)、成形可能寿命βを採算が確保することができる値(β/α=1)まで高めることができる。τrz/τを低減するためには、具体的にはインダクタ半径、通電電圧、又はコンデンサ容量を小さくすればよい。
次に、本実施形態の電磁拡管成形用インダクタ(図1)において、有限要素法により剪断応力を数値解析した結果について説明する。ボビン2(軸部)の長手方向の両端部の第1及び第2の区間11、12において、導体素線4の中心間距離d+dを変化させ(実際はdを変化させ)、導線4の中心間距離の比(d+d)/(d+d)をパラメータとして、有限要素法による数値解析を行い、通電時にボビン2(軸部)と導線4の周囲のガラスクロステープ6(樹脂含浸繊維層)との界面に生じる剪断応力τrzを求めた。その結果を図3に示す。なお、dは、コイル同士(ガラスクロステープ6同士)を接触するように配置した第3の区間13における導体素線4間の距離である。このとき、ボビン2の半径方向外側に被拡管部材20が面していない第1及び第2の区間11、12において、ボビン2とガラスクロステープ6との界面(図1の領域A)に生じる剪断応力τrzを求めた。なお、この有限要素法による数値解析では、各構成要素の縦弾性係数を、夫々軸部が30GPa、導線周囲のガラスクロステープ6(樹脂含浸繊維層)が16GPa、導体(導体素線4)が118GPaとした。
図3は、導線4の中心間距離の比(d+d)/(d+d)を横軸にとり、剪断応力比τrz/τを縦軸にとって、両者の関係を示すグラフ図である。なお、τは、dがdに等しいとき(図6のように軸部両端部のコイルも接触している場合)の領域Bの剪断応力である。図3においては、断面矩形の導線4を使用し、第1及び第2の区間11、12の導線4間の距離dをd=1/6×d、2/6×d、及び3/6×dとした場合における剪断応力比τrz/τを(d+d)/(d+d)に対してプロットしてある。図3に示すように、導線4の中心間距離d+dが大きくなる程、即ち、導線間距離dが大きくなる程、通電時にボビン2と導線4の周囲のガラスクロステープ6との界面(図1の領域A)に生じる剪断応力を低減できることが分かる。
図4は、図1に示す電磁拡管成形用インダクタ1において、導線4の中心間距離の2乗比(d+d/(d+dを横軸にとり、剪断応力比τrz/τを縦軸にとって、両者の関係を示すグラフ図である。一般に、導体間に作用する電磁力は、導体間の距離の2乗に反比例する。また、ボビン2(軸部)と導線4の周囲のガラスクロステープ6(樹脂含浸繊維層)との界面に生じる剪断応力τrzは導線4が被拡管部材20から受ける電磁反力に比例すると考えられる。従って、ボビン2(軸部)と導線4の周囲のガラスクロステープ6(樹脂含浸繊維層)との界面に生じる剪断応力τrzも導線4と被拡管部材20との間の距離の2乗に反比例すると考えられる。図4より、ボビン2(軸部)と導線4の周囲のガラスクロステープ6(樹脂含浸繊維層)との界面に生じる剪断応力τrzは、導線4の中心間距離d+dの2乗にほぼ反比例していることが分かる。なお、図4においては、剪断応力τrzが導線4の中心間距離d+dの2乗に反比例するものであると仮定し、図3に示す剪断応力比τrz/τから最小2乗法により傾き及び切片を求め、導線4の中心間距離の2乗比(d+d/(d+dと剪断応力比τrz/τとの関係を直線にて示してある。図4においては、第1及び第2の区間11、12の導線4間の距離dをd=2/6×d、及び3/6×dとした場合において、剪断応力比τrz/τのプロットが、直線から外れているが、これは、導線4と金属管20との位置関係の変化により、導線4に作用する電磁力の方向が変化したことによるものであると考えられる。上述の如く、電磁拡管成形用インダクタ1において、成形可能寿命βを採算が確保することができる値αまで高めるためには、通電時にコイル導線4間に介在しているガラスクロステープ6同士の接触界面に生じる剪断応力τを基準として、ボビン2とガラスクロステープ6との界面に生じる剪断応力τrzを0.81以下となるまで低減すればよい。従って、図1に示す本実施形態の電磁拡管成形用インダクタ1においても、コイルの配置が従来と同様の第3の区間13において、通電時にガラスクロステープ6同士の接触界面(図1の領域B)に生じる剪断応力τを基準として、ボビン2と導線4の周囲のガラスクロステープ6との界面(図1の領域A)に生じる剪断応力τrzを0.81以下となるまで低減すればよい。図4より、本実施形態の電磁拡管成形用インダクタ1において、ボビン2(軸部)と導線4の周囲のガラスクロステープ6(樹脂含浸繊維層)との界面(図1の領域A)に生じる剪断応力τrzを19%以上低減する(τrz/τが0.81以下)ためには、導線4の中心間距離の2乗比(d+d/(d+dを0.82以下とすればよい。一方、第1及び第2の区間11、12において、導線4の中心間距離d+dを大きくし過ぎると、コイルに生じる磁界の磁束密度が小さくなり、これにより、被拡管部材20に生じる誘導電流が小さくなって、被拡管部材20を成形するのに十分な拡管力を得られなくなる。本実施形態の電磁拡管成形用インダクタ1においては、導線4の中心間距離の2乗比(d+d/(d+dが0.30未満となると、被拡管部材20を拡管するために十分な拡管力を得ることが難しくなる。従って、本発明においては、導線4の中心間距離の2乗比(d+d/(d+dを0.30乃至0.82とする。これにより、被拡管部材20を拡管するための十分な拡管力を得ながら、通電時にボビン2(軸部)と導線4の周囲のガラスクロステープ6(樹脂被覆含浸層)との界面に生じる剪断応力τrzを低減することができる。
以上説明したように、本発明においては、ボビン2の長手方向の両端部の第1及び第2の区間11、12において、コイルを離隔して配置し、第1の区間11と第2の区間12との間の第3の区間においては、コイルを接触するように配置しており、第1及び第2の区間における隣り合う導線の中心間距離を、第3の区間における隣り合う導線の中心間距離を基準として、適正な範囲に規定している。これにより、導線4間を密に巻回した第3の区間13において、十分な成形力を得て被拡管部材20を拡管しつつ、ボビン2の長手方向の両端部の第1及び第2の区間においては、コイルに作用する電磁反力を低減し、導体素線4の周囲のガラスクロステープ6(樹脂含浸繊維層)とボビン2(軸部)との界面に発生する剪断応力τrzを低減することができる。これにより、繰り返し使用によっても電磁成形用コイルを破損する虞が極めて少なくなる。その結果、電磁成形用コイルを長寿命化することができる。
なお、本実施形態においては、ボビン2として絶縁性樹脂を使用している。ボビン2の材質に求められる特性としては、例えば高絶縁性、高強度、高切削加工性及び外表面含浸樹脂との親和性等がある。ここで、本実施形態によれば、樹脂が導体周囲全面に含浸され強固に固定されているので、ボビン2に使用する樹脂として多様な材料を用いることができる。例えば、本実施形態では導体素線4とその周囲の含浸層(ガラスクロステープ6、ガラスクロス7及び樹脂)との一体性が高いため、ボビン2はガラスクロス7(外表面含浸樹脂層)との親和性がやや低い材料であってもよい。そのため、ボビン2に低コストの材料を用いることができる。
また、本実施形態においては、導体素線4は矩形断面を有しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば導体素線4が円形断面を有していてもよく、また、冷却性能の向上を目的として、例えば導体素線4の外面又は内面に溝が形成されていてもよい。この場合においても、電磁反力及び剪断応力を低減し、電磁拡管成形用インダクタを長寿命化することができる。更に、本実施形態においては、導体素線4には中空部5が設けられているが、電磁拡管成形用インダクタ1が拡管時の熱によりダメージを受けない限り、中空部5を設けなくてもよい。
1:電磁拡管成形用コイル、2:ボビン、3:ガラスクロステープ、4:導体、5:中空部、6:ガラスクロステープ、7:ガラスクロス、8:樹脂、11:第1の区間、12:第2の区間、13:第3の区間、20:金属管(被拡管部材)

Claims (2)

  1. 軸部と、この軸部の周面に巻回されたコイルと、このコイルの外周を被覆し絶縁性樹脂が含浸された外側樹脂含浸繊維層と、を有し、
    前記コイルは、導線の周囲を絶縁性樹脂が含浸された樹脂含浸繊維層により被覆して構成されており、
    前記軸部の長手方向の両端部を夫々第1及び第2の区間とし、前記第1の区間と第2の区間との間を第3の区間としたとき、前記第1及び第2の区間は、その半径方向外側に被拡管部材が存在しない区間であり、この第1及び第2の区間では、前記コイルは相互に離隔して配置され、コイル間には前記外側樹脂含浸繊維層が進入しており、前記第3の区間では、前記コイルは接触するように配置されており、
    前記軸部の中心軸をとおる断面において、前記導線の前記軸部中心軸に平行の方向の幅をd、前記第1及び第2の区間における前記導線間の距離をd、前記第3の区間における前記導線間の距離をdとしたときに、前記第3の区間における前記導線の中心間距離d+dは、前記第1及び第2の区間における前記導線の中心間距離d+dに対する2乗比(d+d/(d+dで、0.30乃至0.82であることを特徴とする電磁拡管成形用インダクタ。
  2. 導線に樹脂含浸性繊維層を被覆し、この樹脂含浸性繊維層に絶縁性樹脂を含浸させる工程と、軸部の周面に前記樹脂含浸後の導線を軸方向に同一巻き数で巻回してコイルを形成する工程と、前記コイルの上から更に樹脂含浸性繊維層を被覆し、この樹脂含浸性繊維層に絶縁性樹脂を含浸させて外側樹脂含浸繊維層を形成する工程と、を有し、
    前記コイルを形成する工程において、前記軸部の長手方向の両端部を夫々第1及び第2の区間とし、前記第1の区間と第2の区間との間を第3の区間として、前記第1及び第2の区間では、前記コイルを相互に離隔させて配置し、前記第3の区間では、前記コイルを接触するように配置し、前記軸部の中心軸をとおる断面において、前記導線の前記軸部中心軸に平行の方向の幅をd、前記第1及び第2の区間における前記導線間の距離をd、前記第3の区間における前記導線間の距離をdとしたときに、前記第3の区間における前記導線の中心間距離d+dを、前記第1及び第2の区間における前記導線の中心間距離d+dに対する2乗比(d+d/(d+dで、0.30乃至0.82となるように形成し、
    前記外側樹脂含浸繊維層を形成する工程において、前記第1及び第2の区間のコイル間に樹脂含浸性繊維層を形成した後、前記コイルの上から樹脂含浸性繊維層を被覆することを特徴とする電磁拡管成形用インダクタの製造方法。
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