JP5094333B2 - 電磁拡管方法 - Google Patents
電磁拡管方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5094333B2 JP5094333B2 JP2007275909A JP2007275909A JP5094333B2 JP 5094333 B2 JP5094333 B2 JP 5094333B2 JP 2007275909 A JP2007275909 A JP 2007275909A JP 2007275909 A JP2007275909 A JP 2007275909A JP 5094333 B2 JP5094333 B2 JP 5094333B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electromagnetic
- workpiece
- cylindrical member
- coil
- conductor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
Description
例えば特許文献1には、チャンネル形押出形材の一対のフランジ面に穴を形成し、その穴にアルミニウム製の円筒補強部材を嵌挿して両端部を各フランジ面から突出させ、補強部材の内周側に電磁拡管用コイルを配置し、電磁拡管用コイルに電気エネルギーを投入して補強部材を電磁拡管し、補強部材を穴の内周面に密着させると共に、補強部材の前記チャンネル形押出形材のフランジ面から突出した部分をフランジ状に拡開し、かつフランジ面間の部分を張り出させ、これによりチャンネル形押出形材に補強部材を結合することが記載されている。特許文献2にも同様の電磁拡管技術が記載されている。
特許文献5には、アルミニウム押出材からなる軸部材の周囲を金型で包囲し、軸部材の端部を金型の端面から突出させ、穴が形成された板状のフランジ部材を軸部材に嵌めて金型の両端面にセットし、軸部材の内周側に電磁拡管用コイルを配置し、電磁拡管用コイルに電気エネルギーを投入して軸部材を電磁拡管し、軸部材を穴の内周面に密着させると共に、軸部材の端部をフランジ状に拡開し、かつフランジ部材間の部分を張り出させ、これによりフランジ部材に軸部材を結合することが記載されている。特許文献6では軸部材の周囲を金型で包囲していないが、同様の電磁拡管技術が記載されている。
なお、電磁拡管コイル1は一般に樹脂等の絶縁性材料からなる軸部に導線3を巻き付け、さらにその表面を絶縁性材料で被覆したものである。軸部の全長は導線3が巻かれた部分の長さより一般に長く、軸方向の両端部に導線3が巻かれていない箇所がある。本発明では、導線3が巻かれていない両端部を含めてこの軸状の部材全体をいうときはコイル体4といい、コイル体4のうち特に導線3が巻かれた部分のみを指していうときは電磁拡管用コイル1という。
図1において電磁拡管用コイル1の被加工材2が存在する範囲を1aで示し、被加工材2の端部から突出した部分を1bで示す。
導線3に作用する径方向力に関しては、被加工材2が存在する部分では縮小方向にほぼ一定であるが、被加工材2が存在しなくなる位置近傍でわずかに縮小方向の力が増大した後、被加工材2が存在しない部分では端になるほど急激に逆方向の拡大方向の力が作用するようになる(図2(a)参照)。
導線3に作用する軸方向力に関しては、被加工材2が存在する部分ではほぼ発生しないが、被加工材2が存在しなくなる位置近傍で導線3を軸方向に大きくさせようとする力が発生し、被加工材2が存在しない部分では端になるほど急激に導線3を軸方向に小さくさせようとする力が作用する(図2(b)参照)。
なお、有限要素法の解析には、ANSYSなど市販の電磁場と変形の連成解析が可能なソルバと同種の計算アルゴリズムが利用できる。解析対象モデルとして、被加工材は6000系アルミニウム合金、厚さ:2.0mm、軸方向長さ:160mm、外径:60mm、電磁拡管用コイルは軸方向長さ:200mm、内径:40mm、両端の突出長さ:各20mmとして、被加工材と電磁拡管用コイルの軸心を一致させ、投与電圧:約10kV、コンデンサ容量:約500μFとした。得られた電流波形を図3に点線で示す。
本発明は、このような従来の電磁拡管方法の問題点に鑑みてなされたもので、筒形の被加工材が外周側に存在しない範囲にある電磁拡管用コイルの導線に作用する電磁力を緩和して、電磁拡管用コイルの耐用回数を延長させることを目的とする。
本発明は、前記筒形部材を設置することにより、筒形部材を設置しない場合に比べて、被加工材が存在しない範囲の電磁拡管コイルに作用する電磁力を緩和し、被加工材が存在しない範囲の電磁拡管コイルに作用する電磁力を、被加工材が存在する範囲の電磁拡管用コイルに作用する電磁力の大きさに近づけるというのが基本概念である。
この電磁拡管方法は、一般的な拡管、被加工材端部へのフランジ形成(特許文献3,4参照)、被加工材を他部材に形成された穴に嵌挿した状態で拡管成形し、前記被加工材を前記穴の内周面に密着させて前記被加工材と他部材を結合する場合(特許文献1,2,5,6参照)等、種々の拡管方法に好適に利用できる。
筒形部材5は、電磁拡管コイル1の被加工材2が存在しない範囲1bにおいて導線3に作用する電磁力を緩和する(望ましくは被加工材が存在する範囲1aの導線3に作用する電磁力と同程度にする)ために設置するものである。筒形部材5は当然導体であり、銅やアルミニウムの金属又は合金のような良導体が望ましいが、10%IACS程度以上の導電率があれば他の金属又は合金も使用できる。繰り返し使えるように、付加される電磁力により変形しないだけの十分な強度を有することが望ましい。
図6に示す実施形態は、筒形部材5が電磁拡管用コイル1の被加工材2から突出した範囲1bを越えて設置されている(筒形部材5の軸方向長さが範囲1bの軸方向全長より大きい)場合を示す。この場合、筒形部材5の前記範囲1bを越えた箇所に誘起される電流が電磁拡管用コイル1の端部導線(前記範囲1b内の導線)に作る磁界が、該端部導線に作用する電磁力を緩和する方向ではないことが、有限要素法による数値解析により確認されている。しかし、筒形部材5の電磁拡管用コイル1を越えた箇所に誘起される電流は、筒形部材5の前記範囲1b内の箇所に誘起される電流量より十分に小さく、図4の実施形態と比べたときの実質上の悪影響はわずかである。
一方、被加工材2及び筒形部材5と電磁拡管用コイル1の軸方向の設置精度が図4の実施形態より緩やかでよくなり、また筒形部材5の汎用性が高くなる(異なる軸方向長さの被加工材又は電磁拡管用コイルに対しても適用できる)利点がある。
筒形部材5は、その内径が電磁拡管コイル1に近づくほど、その厚みが大きいほど、その導電率が高いほど、筒形部材5内に誘起される電流量が増加する。筒形部材5内の誘起電流が電磁拡管コイル1の端部導線に作る磁界により、該端部導線に作用する力の方向と大きさが変化し、筒形部材5内に誘起される電流量が大きくなりすぎると、筒形部材5の設置による電磁力の緩和作用が低減する。例えば被加工材2より導電率が高い筒形部材5を用いる場合など、筒形部材5内に誘起される電流量が大きくなりすぎないように、筒形部材5を被加工材2より外径側に配置し、電磁拡管コイル1の被加工材2が存在しない範囲1bにおいて導線3に作用する電磁力を有効に緩和することが望ましい。
筒形部材5が小さい肉厚であることにより、筒形部材5の重量が軽くなり、取り扱いが容易となる。また、筒形部材5の肉厚を小さくすることにより、筒形部材5内に誘起される電流量が減少するので、例えば筒形部材5の導電率が被加工材2の導電率より大きい場合などに、筒形部材5内に誘起される電流量を適正にして、電磁拡管コイル1の被加工材2が存在しない範囲1bにおいて導線3に作用する電磁力を有効に緩和することができる。
なお、有限要素法による解析によれば、導電率、肉厚、設置位置を考慮した筒形部材5の電磁気的特性が被加工材とほぼ同一になるような場合に、コイル端部に作用する電磁力の緩和効果が上がる傾向がみられた。
図11に示す実施形態は、筒形部材5に非良導体(不導体を含む)の蓋部5bが一体化されている点で、図6に示す実施形態と異なる。これも被加工材2の拡管成形を自動化する場合、蓋部5bがあることで、筒形部材5の着脱が容易となる利点がある。図10の実施形態に比べると(他の条件が一定の場合)、電磁拡管用コイル1の端部導線(範囲1b内の導線)に作用する電磁力の緩和作用は大きい。
図13に示す実施形態は、筒形部材5の外周側に非良導体(不導体を含む)の外枠5dが一体化され、かつ筒形部材5が金型6に設置したスライダ7に沿って上下動可能に設置されている。筒形部材5を金型6と連結させることにより、筒形部材5の着脱及び位置決めが容易となり、位置決め精度も向上する。
図15に示す実施形態は、筒形部材5をコイル体4の表面に密着させ、かつ筒形部材5の外周側に非良導体(不導体を含む)の外枠5fが一体化され、さらに外枠5f内に冷媒を通している。筒形部材5の蓄熱を防止し、変形を拘束し、コイル体4の冷却を行うことができる。
2 被加工材
3 導線
4 コイル体
5 筒形部材
Claims (3)
- 筒形の金属製被加工材の内周側に、電磁拡管用コイルを前記被加工材の端部から突出させて配置し、かつ前記電磁拡管用コイルの突出した部分の外周側又は内周側の、前記被加工材が前記電磁拡管用コイルの外周側に存在しない範囲に導体からなる筒形部材を配置して、前記電磁拡管用コイルに電気エネルギーを投入し、前記被加工材を拡管成形することを特徴とする電磁拡管方法。
- 前記筒形部材が前記電磁拡管用コイルの突出した部分の軸方向全長にわたって配置されていることを特徴とする請求項1に記載された電磁拡管方法。
- 前記被加工材を他部材に形成された穴に嵌挿した状態で拡管成形し、前記被加工材を前記穴の内周面に密着させて前記被加工材と他部材を結合することを特徴とする請求項1又は2に記載された電磁拡管方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007275909A JP5094333B2 (ja) | 2007-10-24 | 2007-10-24 | 電磁拡管方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007275909A JP5094333B2 (ja) | 2007-10-24 | 2007-10-24 | 電磁拡管方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009101389A JP2009101389A (ja) | 2009-05-14 |
JP5094333B2 true JP5094333B2 (ja) | 2012-12-12 |
Family
ID=40703710
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007275909A Expired - Fee Related JP5094333B2 (ja) | 2007-10-24 | 2007-10-24 | 電磁拡管方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5094333B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5244081B2 (ja) * | 2009-12-09 | 2013-07-24 | 株式会社神戸製鋼所 | 電磁拡管成形用インダクタ及びその製造方法 |
JP5410339B2 (ja) * | 2010-03-04 | 2014-02-05 | 株式会社神戸製鋼所 | 電磁拡管成形用インダクタ及びその製造方法 |
CN113502379B (zh) * | 2021-06-23 | 2022-06-07 | 华中科技大学 | 一种利用脉冲电磁力消除工件残余应力的装置及方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5837051B2 (ja) * | 1978-09-18 | 1983-08-13 | 株式会社井上ジャパックス研究所 | 電磁成形用コイル |
JPS6163322A (ja) * | 1984-09-03 | 1986-04-01 | Agency Of Ind Science & Technol | 電磁力を用いた高精度加工法 |
JPH10314870A (ja) * | 1997-05-22 | 1998-12-02 | Showa Alum Corp | バイクマフラーの製造方法 |
JP3847102B2 (ja) * | 2000-09-12 | 2006-11-15 | 株式会社神戸製鋼所 | 構造部材及びその製造方法 |
JP4136802B2 (ja) * | 2002-09-27 | 2008-08-20 | 株式会社神戸製鋼所 | ビード付き円筒形リングの製造方法 |
-
2007
- 2007-10-24 JP JP2007275909A patent/JP5094333B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009101389A (ja) | 2009-05-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9705293B2 (en) | Corona ignition device and method for producing a corona ignition device | |
JP5094333B2 (ja) | 電磁拡管方法 | |
US20160221059A1 (en) | Electromagnetic forming coil device and method of making electromagnetically formed product | |
CN103855821A (zh) | 电动机的定子 | |
JP2010239113A (ja) | 電磁拡管成形用インダクタ及びその製造方法 | |
JPS5837051B2 (ja) | 電磁成形用コイル | |
JP4744339B2 (ja) | 電磁成形コイル | |
JP5410339B2 (ja) | 電磁拡管成形用インダクタ及びその製造方法 | |
JP5244081B2 (ja) | 電磁拡管成形用インダクタ及びその製造方法 | |
JP4786474B2 (ja) | 電磁成形用インダクター | |
JP5026390B2 (ja) | 電磁成形方法 | |
KR101598772B1 (ko) | 정류기, 정류기의 제조 방법 및 전동 모터 | |
JP6334280B2 (ja) | コイルおよびその製造方法 | |
EP3084016B1 (en) | Induction heating coil and induction heating method | |
JP4026844B2 (ja) | 電磁拡管成形用コイル | |
JP2017006948A (ja) | 電磁成形コイル並びにこれを用いた自動車用バンパーステイの製造方法 | |
JP4750089B2 (ja) | 電磁成形用コイル及びその製造方法 | |
US20210249160A1 (en) | Wire having a hollow micro-tubing and method therefor | |
JP4407928B2 (ja) | 電磁拡管成形用コイル | |
DE102017102570A1 (de) | Turbodrehzahlsensor und verfahren zur herstellung desselben sowie turbolader | |
JP4030933B2 (ja) | 電磁拡管成形用コイル | |
JP6965769B2 (ja) | 電磁成形用コイル | |
JP6954852B2 (ja) | 鋳造部品付パイプの製造方法 | |
JP2010131636A (ja) | 電磁成形装置 | |
JP2013085417A (ja) | 絶縁物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090929 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111222 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120105 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120303 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120918 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120918 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5094333 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |