JPWO2019176107A1 - 誘導電動機の回転子及び誘導電動機 - Google Patents

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Abstract

誘導電動機の回転子(60)は、回転子鉄心(61)と、回転子鉄心(61)に形成される複数のスロットのそれぞれに設けられる導体バー(63)とを備える。誘導電動機の回転子(60)は、回転子鉄心(61)の軸方向の端部に設けられ、複数の導体バー(63)を互いに電気的に接続するエンドリング(64)と、スロットを形作る壁面(61a)と導体バー(63)との間に設けられる絶縁部材である絶縁シート(66)と、壁面(61a)と絶縁シート(66)との間に設けられる非磁性導体材料であるダイキャスト部材(65)とを備えることを特徴とする。

Description

本発明は、誘導型の回転電機である誘導電動機の回転子及びこの回転子を備えた誘導電動機に関する。
誘導型の回転電機は、同期型の回転電機に比べて堅牢な構造でかつ製造コストが安く、また電源に直接繋いで始動することができるという利点があるため、多く使用されている。以下では誘導型の回転電機を誘導機と称する場合がある。
誘導機では、固定子の巻線に交流電流が流れることによって回転磁界が発生し、この回転磁界が回転子の二次導体に作用することによって、回転子の二次導体に起電力が発生して電流が流れる。回転子の二次導体は、回転子鉄心に設けられるエンドリングと、回転子鉄心に挿入される回転子バーとで構成される。この電流と回転磁界の間にフレミングの左手の法則に基づく電磁力が発生することによって、二次導体が回転磁界の方向に引っ張られて回転子が回転する。このように構成される誘導機では、二次導体に流れる電流の経路の抵抗を低くすることによって、回転子の回転効率を高めることができる。
回転子バーの材料に抵抗率が比較的小さい銅を用いることによって、二次導体の抵抗を低くして回転効率の向上が図られる場合がある。
また、回転子に不要な電流が流れることで生じる横流損失を低減させることでも、誘導機の回転効率を高めることができる。横流損失とは、二次導体にスキューをかけた場合、二次導体と回転子鉄心との間に電位差が発生することによって、二次導体と回転子鉄心との間に本来流れるべきでない電流が流れることによって生じる損失である。
横流損失の低減方法としては、特許文献1に開示されるように、回転子鉄心に設けられるスロットを形作る壁面に絶縁剤を浸して含ませた後、この絶縁剤を硬化させることによって当該壁面に絶縁剤層を設ける方法が考えられる。絶縁剤層を設けることによって、スロットを形作る壁面と回転子バーとの間の絶縁抵抗が増大し、回転子バーから回転子鉄心に向かって流れる電流が抑制され、横流損失が低減される。
特開2001−25222号公報
しかしながら、特許文献1に開示される方法によって、回転子鉄心のスロットを形作る壁面に絶縁剤層を形成するためには、回転子鉄心へ絶縁剤を施すための槽と、この絶縁剤を硬化させるための炉とが必要になる。従って、回転子鉄心のサイズが大型化するとこれらの槽及び炉を大きくしなければならないため、回転子鉄心のサイズに対応した槽及び炉の製作が必要になり、回転子の生産効率が低下するという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、横流損失に起因する回転効率の低下を抑制しながら生産効率を向上できる誘導電動機の回転子を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の誘導電動機の回転子は、回転子鉄心と、回転子鉄心に形成される複数のスロットのそれぞれに設けられる導体バーとを備える。誘導電動機の回転子は、回転子鉄心の軸方向の端部に設けられ、複数の導体バーを互いに電気的に接続するエンドリングと、スロットを形作る壁面と導体バーとの間に設けられる絶縁部材と、壁面と絶縁部材との間に設けられる非磁性導体材料とを備えることを特徴とする。
本発明に係る誘導電動機の回転子は、横流損失に起因する回転効率の低下を抑制しながら生産効率を向上できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る誘導電動機の構造を示す図 図1に示す誘導電動機の回転子の斜視図 図1に示す誘導電動機の回転子鉄心の斜視図 図1に示す回転子鉄心のスロットに絶縁シートを挿入中の状態を示す図 図4に示す回転子鉄心のスロットに挿入された絶縁シートを拡大して示す図 図4に示す絶縁シートの内側に導体バーを挿入中の状態を示す図 図6に示す回転子鉄心の両端のそれぞれにエンドリングを設けた状態を示す図 本発明の実施の形態2に係る誘導電動機が備える回転子に用いられる導体バーの外観図 図8に示す導体バーが挿入された回転子鉄心の斜視図 図9に示す回転子鉄心及び導体バーを備える回転子の断面図 図10に示す回転子鉄心の両端のそれぞれにエンドリングを設けた状態を示す図 図11に示す回転子鉄心、エンドリング及び導体バーの断面図 本発明の実施の形態2の第1の変形例に係る導体バーに設けられる絶縁部材の構成図 本発明の実施の形態2の第2の変形例に係る導体バーに設けられる絶縁部材の構成図 本発明の実施の形態2の第3の変形例に係る導体バーに設けられる絶縁部材の構成図 本発明の実施の形態3に係る誘導電動機が備える回転子に用いられる導体バーの外観図
以下に、本発明の実施の形態に係る誘導電動機の回転子及び誘導電動機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る誘導電動機の構造を示す図である。図2は図1に示す誘導電動機の回転子の斜視図である。図3は図1に示す誘導電動機の回転子鉄心の斜視図である。
図1には実施の形態1に係る誘導電動機100の片側断面が示される。図1において、回転子鉄心61の中心軸AXが伸びる方向である軸方向は、図1中に矢印D1で示される方向である。回転子鉄心61の中心軸AXの周方向は、図1中に矢印D2で示される方向である。
誘導電動機100は、有底円筒状のフレーム11と、フレーム11の開口部を閉塞する端板12と、フレーム11の内周面に固定される環状の固定子10と、フレーム11の底部に設けられるベアリング1と、端板12に設けられるベアリング2とを備える。フレーム11及び端板12によりハウジング3が構成される。
また誘導電動機100は、固定子10の内側に設けられる筒状の回転子60と、ベアリング1及びベアリング2に回転可能に支持され回転子60の内側に設けられるシャフト70とを備える。
回転子60は、複数の鋼板を軸方向に積層して構成される筒状の回転子鉄心61を備える。回転子鉄心61には、複数のスロット62が形成されている。複数のスロット62は、回転子鉄心61の外周面寄りに周方向に並べて形成され、複数のスロット62のそれぞれは、軸方向に伸び、回転子鉄心61の一端部から他端部に貫通する。複数のスロット62のそれぞれは、スロット62は周方向にスキューされている。
また回転子60は、複数のスロット62の内側に設けられる導体バー63と、回転子鉄心61の軸方向の両端のそれぞれに設けられ複数の導体バー63を接続する端絡環であるエンドリング64と、非磁性導体材料であるダイキャスト部材65とを備える。
導体バー63の材料には、アルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金といった非磁性導体材料を例示できる。
次に図4から図7を用いて、回転子60の製造方法を説明する。図4は図1に示す回転子鉄心のスロットに絶縁シートを挿入中の状態を示す図である。図5は図4に示す回転子鉄心のスロットに挿入された絶縁シートを拡大して示す図である。図6は図4に示す絶縁シートの内側に導体バーを挿入中の状態を示す図である。図7は図6に示す回転子鉄心の両端のそれぞれにエンドリングを設けた状態を示す図である。
回転子60を製造する場合、まず回転子鉄心61と、軸方向に沿って見てV字形状の絶縁シート66とが製造される。
絶縁シート66は、メタ系アラミド繊維、マイカなどの耐熱性が高い材料で構成される絶縁性のシートを折り畳むことによって、図4に示すようにV字の形になされる。
次に、製造された絶縁シート66の軸方向の一端部を折り返すことによって、絶縁シート66に襟形状の折り返し部661が形成される。折り返し部661が形成された絶縁シート66は、スロット62に挿入される。絶縁シート66のV字形状の頂点は中心軸側に向けられている。スロット62に挿入された絶縁シート66の他端部にも同様の折り返し部661が設けられる。
次に図6に示すように、スロット62に挿入された絶縁シート66の内側に棒状の導体バー63が挿入される。導体バー63が絶縁シート66へ挿入されることによって、絶縁シート66の内側の面が導体バー63に押されて、絶縁シート66がスロット62を形作る壁面に向かって広がる。
折り返し部661を設けることによって、スロット62に挿入された絶縁シート66の内側に導体バー63を挿入する際、絶縁シート66が導体バー63に接触しても、折り返し部661が回転子鉄心61の端部に引っ掛かり、軸方向への絶縁シート66の移動が抑制される。従って、折り返し部661がない場合に比べて、回転子60の生産効率が向上する。
その後、図7に示すように、上記の非磁性導体材料をダイキャスト材料として利用して、回転子鉄心61の軸方向の一端面61b及び他端面61cのそれぞれにエンドリング64が設けられると共に、ダイキャスト部材65が設けられる。2つのエンドリング64とダイキャスト部材65とはダイキャストによって一括して成形される。
エンドリング64は、複数の導体バー63を互いに電気的に接続する機能と、複数の導体バー63のそれぞれを回転子鉄心61へ固定する機能とを有する。
ダイキャスト部材65は、スロット62を形作る壁面61aと絶縁シート66との間の隙間と、導体バー63と絶縁シート66との間の隙間とに設けられる。
なお、スロット62内に二次導体を形成する方法には、スロット62に予め導体バー63を設けずに、融解したダイキャスト材料をスロット62に流し込むことによって二次導体をダイキャストで形成する方法がある。このように、絶縁シート66の内側に導体バー63が挿入されていない状態でスロット62内に二次導体を形成する場合、ダイキャスト圧力により、絶縁シート66の軸方向の端部が座屈して、座屈した絶縁シート66の軸方向の端部がスロット62に入り込む可能性がある。
このように絶縁シート66が座屈した場合、スロット62を形作る壁面61aと、スロット62内に設けられたダイキャスト部材65との間に、絶縁シート66が存在しない部分が生じる。そのため、回転子鉄心61とダイキャスト部材65との間の絶縁抵抗は、絶縁シート66が座屈していないときに比べて、低い値を示す。そのため、回転子60に生じる横流損失は、絶縁シート66が座屈していないときに回転子60へ生じる横流損失に比べて、大きな値を示す。
また、座屈した絶縁シート66によってスロット62が閉塞される可能性がある。この場合、スロット62へのダイキャスト材料の通過が妨げられ、絶縁シート66の内側の空間にダイキャスト材料が充填されていない部分が生じる可能性がある。この場合、絶縁シート66が座屈していないときに比べて、回転子60の回転効率が低下する。
実施の形態1に係る回転子60によれば、絶縁シート66の内側に導体バー63が設けられているため、絶縁シート66にダイキャスト圧が加わった場合でも、絶縁シート66が導体バー63に支えられるため、絶縁シート66が座屈することを抑制できる。
そのため、ダイキャスト部材65の形成後も、導体バー63と回転子鉄心61との間に絶縁シート66を介在させることができる。従って、回転子鉄心61とダイキャスト部材65との間の絶縁抵抗は、絶縁シート66が座屈したときに比べて、高い値を示す。その結果、回転子60に生じる横流損失は、絶縁シート66が座屈した場合に回転子60に生じる横流損失に比べて、低い値となる。
またスロット62へのダイキャスト材料の通過が妨げられないため、絶縁シート66の内側の空間にダイキャスト材料が充填されていない部分が生じることを抑制できる。従って、絶縁シート66が座屈した場合に比べて、回転子60の回転効率が向上すると共に、絶縁シート66の内側に挿入された導体バー63をダイキャスト材料で強固に固定することができる。
また実施の形態1によれば、スロット62を形作る壁面61aに絶縁剤層を設ける工程が不要になるため、回転子鉄心61へ絶縁剤を施すための槽と、この絶縁剤を硬化させて絶縁剤層を形成するための炉とが不要になる。従って、回転子鉄心61のサイズが大型化した場合でも、大型化した回転子60のサイズに対応した槽及び炉の製作が不要になり、回転子60の生産効率が向上する。
また絶縁剤層を形成するためには回転子鉄心61を加熱する必要があり、この加熱に要する時間は長時間に及ぶ。実施の形態1に係る回転子60によれば、スロット62を形作る壁面61aに絶縁剤層を形成する工程が不要であるため、回転子60の生産効率が大きく改善される。
導体バー63の材料には、非磁性導体材料の内、融解点が低い材料よりも抵抗率が小さい材料を優先して選択することで、回転子60の回転効率の向上を図ることができる。また、ダイキャストに用いられる材料には、非磁性導体材料の内、抵抗率が小さい材料よりも融解点が低い材料を優先して選択することで、回転子60の生産効率の向上を図ることができる。従って、例えば、導体バー63の材料に銅を選択し、エンドリング64及びダイキャスト部材65の材料にアルミニウムを選択することで、回転子60の回転効率及び生産効率の向上を図ることができる。
実施の形態2.
図8は本発明の実施の形態2に係る誘導電動機が備える回転子に用いられる導体バーの外観図である。実施の形態2の誘導電動機100に用いられる導体バー63は、導体バー63の表面の内、軸方向の中心寄り部分が絶縁被膜90で覆われ、軸方向の端部寄り部分が絶縁被膜9で覆われていない。
絶縁被膜90の材料には、シリカ、マイカなどの耐熱性が高い材料を例示できる。例えば、導体バー63の表面の内、軸方向の中心寄り部分に、耐熱性が高い材料がスプレーで塗装され、その後、導体バー63を加熱して乾燥させることによって、絶縁被膜90が形成される。絶縁被膜90の形成方法は、これに限定されず、耐熱性が高い材料を含む水溶液を電解液として、電着作用によって導体バー63の表面に絶縁被膜90を形成する電着塗装でもよい。
図9は図8に示す導体バーが挿入された回転子鉄心の斜視図である。図10は図9に示す回転子鉄心及び導体バーを備える回転子の断面図である。図11は図10に示す回転子鉄心の両端のそれぞれにエンドリングを設けた状態を示す図である。図12は図11に示す回転子鉄心、エンドリング及び導体バーの断面図である。
図9及び図10には、軸方向の導体バー63の中心位置が軸方向の回転子鉄心61の中心位置と一致するように、複数のスロット62に導体バー63が挿入された状態が示される。
図10において、軸方向の導体バー63の長さの内、絶縁被膜90が形成されている部分の幅は、Yで示される。軸方向の回転子鉄心61の一端面から他端面までの幅は、Xで示される。実施の形態2の回転子60Aでは、絶縁被膜90の軸方向の幅Yは、組立て公差を考慮して、軸方向の回転子鉄心61の幅Xよりも短い値に設定される。
このように構成する理由は、図11及び図12に示すように、複数の導体バー63同士をエンドリング64によって電気的に接続する必要があるためである。エンドリング64は、スロット62に導体バー63が挿入された後、ダイキャスト材料を用いてダイキャストにより形成される。
回転子60を構成する部品の組立て公差、絶縁被膜90を形成する際の製造誤差などによって、回転子鉄心61に挿入された導体バー63の内、回転子鉄心61の端部から突き出る部分に絶縁被膜90が形成された状態で、エンドリング64が設けられた場合、複数の導体バー63同士が離れて二次抵抗が増加する。この二次抵抗の増加によって、回転子60の回転効率が低下し、誘導電動機100の出力が低下することになる。
実施の形態2に係る誘導電動機100では、導体バー63の端部寄り部分が絶縁被膜90で覆われていないため、エンドリング64が設けられたときに複数の導体バー63同士が電気的に接続され、二次抵抗の増加が抑制される。
また、実施の形態2に係る誘導電動機100によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができると共に、絶縁シート66をスロット62に挿入する必要がないため、回転子鉄心61のスロット62の断面積が小さい場合でも回転子60Aの製造が容易化される。
また、導体バー63の熱容量は、回転子鉄心61の熱容量よりも小さいため、回転子鉄心61を炉に入れて、スロット62を形作る壁面61aに絶縁剤層を設ける場合に比べて、熱容量が小さい炉を用いて短時間に、絶縁剤層である絶縁被膜90を、導体バー63へ設けることができる。従って実施の形態2では、回転子鉄心61を炉に入れる場合に比べて、回転子60Aの生産効率を高めることができる。
図13は本発明の実施の形態2の第1の変形例に係る導体バーに設けられる絶縁部材の構成図である。図13に示す導体バー63には複数の絶縁部材90Aが設けられている。複数の絶縁部材90Aは軸方向に互いに離れて設けられている。
複数の絶縁部材90Aのそれぞれは、導体バー63の表面に、軸方向に互いに離れるマスキングを複数箇所施した上で、耐熱性が高い材料をスプレー塗装することで導体バー63へ設けたものでもよいし、耐熱性が高い材料を電着塗装によって導体バー63へ設けたものでもよい。
また、複数の絶縁部材90Aのそれぞれは、耐熱性が高い材料を用いてリング状に形成された絶縁部材を導体バー63に嵌め合わせたものでもよい。
図14は本発明の実施の形態2の第2の変形例に係る導体バーに設けられる絶縁部材の構成図である。図14に示す導体バー63には、螺旋状の絶縁部材90Bが設けられている。絶縁部材90Bは、導体バー63の表面に螺旋状のマスキングを施した上で、耐熱性が高い材料をスプレー塗装することで導体バー63へ設けたものでもよいし、耐熱性が高い材料を電着塗装によって導体バー63へ設けたものでもよい。
また、絶縁部材90Bは、耐熱性が高い帯状の絶縁シートを導体バー63へ螺旋状に巻き付けて形成したものでもよい。
図15は本発明の実施の形態2の第3の変形例に係る導体バーに設けられる絶縁部材の構成図である。図15に示す導体バー63には、編み目状の絶縁部材90Cが設けられている。絶縁部材90Cは、耐熱性が高い編み目状の絶縁シートを導体バー63へ巻き付けて形成したものでもよいし、耐熱性が高い編み目状の筒体を導体バー63へ取り付けたものでもよい。
複数の絶縁部材90Aと、絶縁部材90Bと、絶縁部材90Cとの何れか1つを導体バー63に設けることによって、絶縁部材の材料の使用量を低減可能なため、回転子60Aの製造コストを低減できる。
実施の形態3.
図16は本発明の実施の形態3に係る誘導電動機が備える回転子に用いられる導体バーの外観図である。実施の形態3の誘導電動機100には、図6に示す導体バー63の代わりに導体バー63Aが用いられる。
導体バー63Aは、複数の細線材63bで構成される。複数の細線材63bは絶縁シート91で束ねられている。複数の細線材63bを束ねる前の絶縁シート91は帯状である。複数の細線材63bを束ねた状態で帯状の絶縁シート91が巻かれることにより、1つの導体バー63Aが形成される。
実施の形態3では、実施の形態1と同様の効果を得ることができると共に、複数の細線材63bのそれぞれの線径を変更し、また細線材63bの使用本数を変更することによって、スロット62の軸方向と直交する断面形状に合わせて、導体バー63Aの軸方向と直交する断面形状を容易に変更することができる。そのため、導体バー63Aの形状を、スロット62の断面形状が異なる様々な種類の回転子鉄心61に対応させることができるため、回転子60の生産効率が向上する。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1,2 ベアリング、3 ハウジング、10 固定子、11 フレーム、12 端板、60,60A 回転子、61 回転子鉄心、61a 壁面、61b 一端面、61c 他端面、62 スロット、63,63A 導体バー、63b 細線材、64 エンドリング、65 ダイキャスト部材、66,91 絶縁シート、70 シャフト、90 絶縁被膜、90A,90B,90C 絶縁部材、100 誘導電動機、661 折り返し部。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の誘導電動機の回転子は、回転子鉄心と、回転子鉄心に形成される複数のスロットのそれぞれに設けられる導体バーとを備える。誘導電動機の回転子は、回転子鉄心の軸方向の端部に設けられ、複数の導体バーを互いに電気的に接続するエンドリングと、導体バーの表面を覆う絶縁被膜である絶縁部材と、スロットを形作る壁面と絶縁部材との間に設けられる非磁性導体材料とを備え、軸方向の絶縁被膜の幅は、軸方向の回転子鉄心の幅よりも狭いことを特徴とする。

Claims (8)

  1. 回転子鉄心と、
    前記回転子鉄心に形成される複数のスロットのそれぞれに設けられる導体バーと、
    前記回転子鉄心の軸方向の端部に設けられ、複数の前記導体バーを互いに電気的に接続するエンドリングと、
    前記スロットを形作る壁面と前記導体バーとの間に設けられる絶縁部材と、
    前記壁面と前記絶縁部材との間に設けられる非磁性導体材料と、
    を備えることを特徴とする誘導電動機の回転子。
  2. 前記導体バーの材料は、銅であり、
    前記非磁性導体材料及び前記エンドリングのそれぞれの材料は、アルミニウムであることを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機の回転子。
  3. 前記絶縁部材は、絶縁シートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導電動機の回転子。
  4. 前記絶縁部材の端部には折り返し部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の誘導電動機の回転子。
  5. 前記導体バーは、複数の線材を束ねて一体に構成したものであることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の誘導電動機の回転子。
  6. 前記絶縁部材は、絶縁被膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導電動機の回転子。
  7. 前記軸方向の前記絶縁被膜の幅は、前記軸方向の前記回転子鉄心の幅よりも狭いことを特徴とする請求項6に記載の誘導電動機の回転子。
  8. 請求項1から7の何れか一項に記載の誘導電動機の回転子と、
    内側に前記回転子が設けられる固定子と、
    を備えることを特徴とする誘導電動機。
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