JPH1098843A - 回転電機 - Google Patents

回転電機

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JPH1098843A
JPH1098843A JP24981396A JP24981396A JPH1098843A JP H1098843 A JPH1098843 A JP H1098843A JP 24981396 A JP24981396 A JP 24981396A JP 24981396 A JP24981396 A JP 24981396A JP H1098843 A JPH1098843 A JP H1098843A
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rotor
conductor bar
conductor
rotating electric
electric machine
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JP24981396A
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English (en)
Inventor
Koichiro Ohara
光一郎 大原
Takashi Yasuhara
隆 安原
Hiromitsu Fuku
裕光 富久
Yukiro Endo
幸郎 遠藤
Izumi Shimizu
泉 清水
Yoshiharu Saito
嘉治 斉藤
Kaoru Ogawa
薫 小川
Yoichiro Asano
洋一郎 浅野
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導体バーに良導電率材を用いても回転子表面
損を低減し、すべりが小さく、効率のよい回転電機を提
供する。 【解決手段】 かご形巻線用のスロット7dを形成した
薄板の電磁鋼板5aを所定枚数積層して成形される積層
鉄心と、該積層鉄心のかご形巻線用スロット7dに、軸
方向に沿って挿通される導体バー7aと、当該導体バー
の両端に接続されるエンドリングとからなるかご形巻線
部を有する回転子を具備する回転電機において、前記導
体バー7aは、その径方向に同一材料または異なる材料
からなる導体で包み重ねて半径方向に多層になるように
構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比較的小容量の誘
導電動機などで、かご形巻線部を備えた回転子を有し、
特に、高効率化を図るのに好適な回転電機の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図8および図9を用いて従来の誘導電動
機の回転子の構造を説明する。図8は、従来の誘導電動
機を説明する上半分を破断した全体図であり、図9は、
この誘導電動機に用いる回転子鉄心の構造を説明する断
面図である。誘導電動機は、後述の回転子および固定子
等を収容するハウジング1と、該ハウジング1の両側を
閉塞するエンドブラケット2A,2Bと、固定子3と、
前記エンドブラケット2A,2Bに取り付けられた軸受
4A,4Bと、回転子5と、回転子5が取り付けられて
いる回転軸6と、エンドリング7と、内部ファン8と、
外部ファン9と、エンドカバー10とから構成されてい
る。
【0003】ハウジング1は、鋳鉄など鉄系材料を鋳造
することによって、ほぼ筒状に成形されて誘導電動機の
外被を構成している。ハウジング1の外周には、放熱フ
ィン1aがその軸方向に沿って、放射状に一体的に成形
されている。ハウジング1の両側の開口部には、エンド
ブラケット2A、2Bが、たとえば、それぞれ嵌合され
るように取り付けられている。固定子3は、電磁鋼板を
複数枚積層して形成された固定子鉄心3aと、この固定
子鉄心3aの内周部に複数成形されたスロット部に巻回
された固定子コイル3bとで構成され、ハウジング1の
内周部に嵌合しかつ固定されている。
【0004】回転子5は、回転軸6の外周部に取り付け
られるとともに、固定子3と対向した位置に取り付けら
れ、その両端面に、図示されていない導体バーに接続さ
れたエンドリング7を有する。さらに、回転子5は、前
記エンドリング7と一体的に形成された内部ファン8を
有している。回転子5を構成する回転子鉄心5aは、た
とえば、図9に示す導体バー7aを挿入するスロット7
dが成形された電磁鋼板を積層して構成される。回転軸
6は、エンドブラケット2A、2Bに対し軸受4A、4
Bを介し回転自在に保持されている。また、回転軸6の
一端部(図8において右側)は、エンドブラケット2B
を挿通して外部に突出し、出力軸をなしており、その他
端部(図8において左側)は、エンドブラケット2Aを
挿通して外部ファン9が装着されている。
【0005】エンドカバー10は、外部ファン9を覆う
もので、その一側面に外気を取り込むための開孔10a
が形成され、該開孔10aと反対側は、開放された円筒
形に形成され、エンドブラケット2Aに組み付けたと
き、エンドブラケット2Aおよびハウジング1の外径部
との間に径方向の隙間部10bが形成される。上記外部
ファン9によって発生した風は、上記隙間部10bから
放熱フィン1aの間を通過しながら、ハウジング1を冷
却する。
【0006】このような構成の回転電機は、予め固定子
3をハウジング1の内周壁に嵌合して固定しておき、そ
の後、この固定子3内に回転軸6を有する回転子5が挿
入される。そして、軸受4A、4Bが固定されたエンド
ブラケット2A、2Bには、ハウジング1の両端がそれ
ぞれ嵌合され、図示されていない複数本のボルトによっ
て、ハウジング1に取り付けられる。そして、回転軸6
の駆動により外部ファン9が回転すると、その回転力に
よりエンドカバー10の開孔10aから、図8における
矢印(イ)の如く、外気が吸い込まれ、吸い込まれた空
気は、隙間部10bからエンドカバー10の他端側の外
部に吹き出され、エンドブラケット2A、ハウジング1
の放熱フィン1a、エンドブラケット2Bの表面を通風
することにより、冷却作用が得られるようにしている。
【0007】一方、回転電機の内部で回転子5が回転す
ると、回転子に取り付けられた内部ファン8が回転して
内部空気を循環流通させ、回転子5、エンドリング7、
固定子コイル3bおよび固定子鉄心3aを冷却しながら
通過した後、ハウジング1に比べ、比較的温度上昇の低
いエンドブラケット2A、2Bの内側を通過することに
より冷却される。なお、この種に関連する公知技術の例
として、特開昭61−251440号公報、特開平3−
98442号公報等が挙げられる。
【0008】たとえば、上記特開平3−98442号公
報におけるかご形回転子の製造方法は、積層された鉄心
にスロットを打ち抜く。その後、前記スロットには、同
一形状のパイプが挿入される。次に、ローターを金型に
セットした後、溶解した導体材料をプランジャーにより
鋳込んでいる。上記発明は、導体バーとエンドリングと
を溶解した導体材料で鋳込んでいるため、作製が簡単容
易になったというものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の回転子は、一般
に、薄い電磁鋼板を積層して回転子鉄心を形成し、この
回転子鉄心の外周付近に設けたスロットに、たとえばア
ルミニウム製の導体バーをダイカスト鋳造により鋳造し
ていた。したがって、上記回転子のかご形巻線は、導体
バーとエンドリングとが鋳造により一体に成形されてい
た。ところで、誘導電動機の固定子に通電することによ
り発生した回転磁界の変化する磁束が回転子鉄心に入る
時、回転子スロット内を縦の方向に通る磁束と回転子導
体とが鎖交して渦電流が生じる。前記縦の方向に通る磁
束のうち、波形の歪に起因する高調波成分は、回転子表
面近傍で顕著であることから、渦電流損は、回転子導体
バーの外周表面で多く発生する。
【0010】つまり、この渦電流は、導体バーの回転子
表面付近に多く流れる。また、渦電流は、導体バーの導
電率が小さいとき程大きくなり、ジュール熱となって、
電力を消費するいわゆる回転子の表面損が発生して、回
転子表面の温度を上昇させる。すなわち、二次側の銅損
が発生する。このため、従来の誘導電動機は、すべりが
大きくなり、効率の低下を来すという問題があった。
【0011】本発明は、上記した課題を解決しようとす
るもので、導体バーに良導電率材を用いても渦電流の発
生を抑制することができ回転子表面損が低減し、すべり
が小さく、効率のよい回転電機を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(第1発明)前記目的を達成するために、本発明の回転
電機は、かご形巻線用のスロットが成形された薄板の電
磁鋼板を所定枚数積層した積層鉄心5aと、該積層鉄心
5aのかご形巻線用のスロット7dに回転軸方向に沿っ
て挿通される導体バー7aと、該導体バー7aの両端に
接続されたエンドリングとからなるかご形巻線部を有し
て回転子5を構成するもので、前記導体バー7aは、複
数の導体を導体バー7aの半径方向に包み重ねて多層に
構成したことを特徴とする。
【0013】(第2発明)本発明の回転電機における導
体バーは、絶縁層74を介して多層に構成したことを特
徴とする。
【0014】(第3発明)本発明の回転電機における導
体バーは、回転子の外径方向に向かうに従って抵抗値が
大きくなるように構成したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の回転電機における回転子
は、かご形巻線用のスロットが形成された薄板の電磁鋼
板を所定枚数積層して成形される積層鉄心と、該積層鉄
心のかご形巻線用のスロットに軸方向に沿って挿通され
る導体バーと、当該導体バーの両端に接続されるエンド
リングとからなるかご形巻線部を有している。上記回転
子における導体バーは、その径方向に導体で包み重ねて
半径方向に多層になるように構成されている。また、前
記導体バーは、絶縁層を介して多層になるように構成さ
れている。さらに、前記導体バーは、回転子の外径方向
に向かうに従って抵抗値が大きくなるように構成されて
いる。
【0016】上記回転電機は、固定子コイルに通電して
発生した回転磁界の磁束が、回転子鉄心に入る時、回転
子スロット内を縦の方向に通る磁束と回転子導体とが鎖
交して渦電流を発生させる。前記渦電流は、縦の方向に
通る磁束のうち波形の歪に起因する高調波成分が回転子
表面近傍で顕著であることから、回転子導体バーの外周
表面で多く発生する。つまり、この渦電流は、導体バー
の回転子表面付近に多く流れ、また、導体バーの導電率
が小さい部分程大きくなり、ジュール熱となって電力消
費する銅損いわゆる回転子の表面損が発生して、回転子
表面の温度を上昇させる。
【0017】本発明は、導体バーを軸方向に直角な断面
において多層に構成したので、各層の導体バーに生じた
渦電流が、相互に影響し合う結果、低減する。また、同
一スロット内における導体バーは、電気的絶縁層を介し
て多層に形成されると、層ごとに渦電流の回路が独立す
ることで、層間で渦電流を打ち消し合う作用がより拡大
する。一般に、すべりが最大の誘導電動機の始動時に
は、二次周波数は一次周波数に等しいから、いわゆる表
皮効果が最も著しく、導体バーの径方向表面に電流が多
く流れる。本発明によれば、導体バーは、半径方向に向
かって抵抗値が大きくなるように形成されているので、
始動時における電流が制限されて小さくなる。しかも、
始動トルクは大きくなる。一方、運転状態ではすべりが
小さくなるので、二次電流の分布は均一となり、二次低
抵抗の電動機となる。以上のように、本発明によれば、
回転子表面損失が小さい、すなわちすべりが小さく高効
率の誘導電動機を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図6を用
いて説明する。図1は、本発明にかかる回転電機におけ
る上半分を破断した全体図である。図2は、本発明にか
かる回転電機の回転子および多層導体バーの構造を説明
する断面図である。図3は、本発明にかかる多層導体バ
ーの第一の実施例を説明する断面図であり、図4は、本
発明にかかる多層導体バーの第二の実施例を説明する断
面図である。図5は、本発明にかかる多層導体バーの第
三の実施例を説明する断面図であり、図6は、本発明に
かかる多層導体バーの第四の実施例を説明する断面図で
ある。
【0019】図1において、誘導電動機は、後述する回
転子および固定子等を収容するハウジング1と、当該ハ
ウジング1の両側を閉塞するエンドブラケット2A,2
Bと、固定子3と、前記エンドブラケット2に取り付け
られた軸受4A,4Bと、回転子5と、回転子5が取り
付けられている回転軸6と、エンドリング7と、外部フ
ァン9と、エンドカバー10とから構成されている。
【0020】ハウジング1は、例えば、鋳鉄など鉄系材
料、あるいはアルミニウム系材料を鋳造することによっ
て、ほぼ筒状に成形されて誘導電動機の外被を構成して
いる。ハウジング1の外周には、放熱フィン1aがその
軸方向に沿って、放射状に一体的に成形されている。ハ
ウジング1の両側の開口部には、エンドブラケット2
A,2Bが、たとえば、それぞれ嵌合されるように取り
付けられている。固定子3は、電磁鋼板を複数枚積層し
て形成された固定子鉄心3aと、この固定子鉄心3aの
内周部に複数成形されたスロット部に巻回された固定子
コイル3bとで構成され、ハウジング1の内周部に嵌
合、たとえば、焼き嵌めし、かつ固定されている。
【0021】回転子5は、回転軸6の外周部に取り付け
られるとともに、固定子3と対向した位置に取り付けら
れ、その両端面に、導体バー7aと、該導体バー7aに
接続されたエンドリング7b,7cとを有する。回転子
5を構成する回転子鉄心5aは、例えば、図2に示す導
体バー7aを挿入するスロット7dが成形された電磁鋼
板を積層して構成される。回転軸6は、エンドブラケッ
ト2A,2Bに対し軸受4A,4Bを介し回転自在に保
持されている。また、回転軸6の一端部(図1において
右側)は、エンドブラケット2Bを挿通して外部に突出
し、出力軸をなしており、その他端部(図1において左
側)は、エンドブラケット2Aを挿通して外部ファン9
が装着されている。
【0022】エンドカバー10は、外部ファン9を覆う
もので、その一側面に外気を取り込むための開孔10a
が形成され、該開孔10aと反対側は、開放された円筒
形に形成され、エンドブラケット2Aに組み付けたと
き、エンドブラケット2Aおよびハウジング1の外径部
との間に径方向の隙間部10bが形成される。上記外部
ファン9によって発生した風は、上記隙間部10bから
放熱フィン1aの間を通過しながら、ハウジング1を冷
却する。
【0023】図2を用いて、本発明にかかる回転電機で
用いられる導体バー7aの構造を詳述する。図2に示さ
れている導体バー7aは、軸方向に直角な断面で同一材
料を用いて多層に包み重ねた形に形成され、回転子鉄心
5aのスロット7dに挿入されて回転子5を構成してい
る。
【0024】図3に上記第一の実施例の導体バーの断面
形状を拡大して示す。図3に示されるように、第一の実
施例の導体バー7aは、中心となる導体73を同一材料
からなる中殻となる導体72で包み重ね、さらに、その
上に外殻となる導体71を包み重ねて、径方向に多層に
なるように形成されている。第一実施例は、導体71,
72,73の3層で形成された例が示されているが、こ
の層数の数に限定されるものではない。このような多層
構造の導体バー7aを形成する各導体71,72,73
は、それぞれ線材を図示を省略したダイを用いて引き出
すことなどの周知の方法を用いることによって簡単に製
作することができる。導体バー7aの材料としては、銅
やアルミニウム、あるいはこれらの合金がよいが、電気
導電率のよい非磁性体なら特に制限はない。導体71,
72,73の表面には、引き出し成形によって表面に自
然に酸化膜ができるので、上記構造の導体バー7aは、
渦電流の発生が制限された、効率のよい回転電機ができ
る。
【0025】図4に第二の実施例の導体バー7aの構造
を示す。この導体バー7aは、第一の実施例と同様に、
多層構造になっている。第二の実施例が第一の実施例と
異なるところは、導体71と導体72の間、および導体
72と導体73の間に絶縁層74を設けた構造になって
いる点である。例えば、絶縁層74は、導体71または
導体72の材質が銅の場合、その表面に形成した酸化被
膜であり、アルミニウムの場合、その表面に形成した四
三酸化鉄(Fe34)系の酸化被膜が良好である。ま
た、第二実施例の変形例としては、導体71,72,7
3の材質を変えることもできる。
【0026】図5に第三の実施例の導体バー7aの構造
を示す。この実施例は、第一の実施例に示した導体バー
7aにおいて、回転子の外周に近い位置にある導体バー
部分の導体76と回転子の中心に近い位置にある導体バ
ー部分の導体77とを、抵抗値が異なる材質で構成し、
接合面75で接合して構成している。ここで導体76の
固有抵抗は導体77の固有抵抗より大きくされている。
すなわち、第三の実施例における導体バー7aは、その
抵抗値が回転子の外径に向かうに従って大きくなるよう
に構成されている。第三の実施例における材質は、例え
ば、導体76にアルミニウムあるいはアルミニウム合金
を用い、導体77に銅を用いている。つまり、導体76
には導体77より高い固有抵抗の材料が用いられる。
【0027】図6に第四の実施例の導体バー7aの構造
を示す。この導体バー7aは、回転子の中心側に位置す
る導体を第三の実施例における多層化した導体77に代
えて、単層の導体78を使用している。そして、単層の
導体78は、第三実施例と同様に、導体76より小さい
固有抵抗を有する材料を用いて構成している。
【0028】次に、本発明の作用を説明する。図7を用
いて本発明にかかる回転電機の導体バー近傍における漏
れ磁束と渦電流について説明する。図7は、固定子鉄心
と回転子鉄心および回転子導体部分の磁束の状態を説明
する図である。誘導電動機の固定子3のコイルに通電す
ることにより発生した磁束は、回転子鉄心5aに入り、
回転子スロット内を縦の方向に通る磁束と導体バー7a
とが鎖交して導体バー7a内に渦電流が発生する。正弦
波電圧が与えられて固定子に発生した変化する磁束は、
固定子鉄心および回転子鉄心ならびに間隙の形状などの
磁路の形状などに起因して歪んだ正弦波、すなわち、高
調波成分を含んだ磁束となる。前記縦の方向に通る磁束
のうち波形の歪に起因する高調波成分は基本波に比較し
て渦電流の発生が顕著となることから、高調波成分に起
因する渦電流は、回転子の外周近傍の導体バー7aの外
周表面で多く発生する。つまり、高調波成分によって生
じる渦電流は、導体バー7aの回転子表面付近に多く流
れ、また導体バー7aの導電率が小さいとき程大きくな
り、ジュール熱となって電力を消費するいわゆる回転子
の表面損(銅損)が発生して、回転子表面の温度が上昇
する。本発明は、導体バー7aを軸方向に直角な断面で
多層となるように構成しているので、各層の導体バー7
aに生じる渦電流は、隣接する層に生じる渦電流と相互
に影響し合い(打ち消し合い)低減する。この作用は、
同一スロット内における導体バー7aを、電気的絶縁層
を介して多層に形成することによって、各層ごとに渦電
流の回路が独立し、層間で渦電流を打ち消し合う作用が
より拡大する。
【0029】一般に、誘導電動機の始動時には、二次周
波数は一次周波数に等しいから、いわゆる表皮効果が最
も著しく、導体バー7aの回転子の外径方向表面に電流
が多く流れる。本発明は、導体バー7aを回転子の外径
方向に向かって抵抗値が大きくなるように形成している
ので、始動時に導体バーの回転子の外径方向表面に流れ
る電流が制限されて小さくなり、始動トルクが大きくな
る。一方、運転状態ではすべりが小さいので、二次電流
の分布は均一となり、磁束は回転子の表面のみならず回
転子の中心に近い部分にまで達し、導体バーの低い抵抗
値の部分にまで達するので二次低抵抗の電動機となる。
以上のように、本発明によれば、回転子表面損失が小さ
い、すなわち、すべりが小さく高効率の誘導電動機を提
供することができる。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、回
転子の導体バーをその半径方向に同一材料または異なる
材料からなる導体で包み重ねて多層構造にしたので、渦
電流の発生を減少させることができ、効率のよい回転電
機を得ることができた。本発明によれば、回転子の導体
バーを半径方向に包み重ねて多層構造とする際に、各導
体バー間に絶縁層を介在させたので、各導体間で渦電流
の発生を抑え、効率のよい回転電機を得ることができ
た。本発明によれば、回転子の導体バーを半径方向に包
み重ねるとともに、回転子の外径方向に向かうに従って
抵抗値が大きくなるようにしたので、高調波成分に基づ
く渦電流の発生を抑え、回転子表面損を低減することが
できる。その結果すべりが小さい効率のよい回転電機を
得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる導体バーを用いた回転電機の構
造を説明する上半分を破断した全体図。
【図2】図1に示した回転電機の回転子の構造を説明す
る断面図。
【図3】本発明にかかる多層導体バーの構造を説明する
断面図。
【図4】本発明の第二の実施例にかかる多層導体バーの
構造を説明する断面図。
【図5】本発明の第三の実施例にかかる多層導体バーの
構造を説明する断面図。
【図6】本発明の第四の実施例にかかる多層導体バーの
構造を説明する断面図。
【図7】本発明にかかる回転電機の漏れ磁束と渦電流を
説明する断面図。
【図8】従来の誘導電動機の構造を説明する上半分を破
断した全体図。
【図9】従来の誘導電動機の回転子の構造を説明する断
面図。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 エンドブラケット 3 固定子 4 軸受 5 回転子 5a 回転子鉄心 6 回転軸 7a 導体バー 7b,7c エンドリング 7d スロット 71,72,73 導体 74 絶縁層 75 接合面 76,77 抵抗値の異なる導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 幸郎 千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器事業部内 (72)発明者 清水 泉 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 斉藤 嘉治 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 小川 薫 千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器事業部内 (72)発明者 浅野 洋一郎 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 かご形巻線用のスロットが成形された薄
    板の電磁鋼板を所定枚数積層した積層鉄心と、該積層鉄
    心のかご形巻線用のスロットに回転軸方向に沿って挿通
    される導体バーと、該導体バーの両端に接続されたエン
    ドリングとからなるかご形巻線部を有して回転子を構成
    する回転電機において、前記導体バーを、複数の導体を
    導体バーの半径方向に包み重ねて導体バーの径方向に多
    層に構成したことを特徴とする回転電機。
  2. 【請求項2】 導体バーを、絶縁層を介して多層に構成
    したことを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 【請求項3】 導体バーを、回転子の外径方向に向かう
    に従って抵抗値が大きくなるように構成したことを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の回転電機。
JP24981396A 1996-09-20 1996-09-20 回転電機 Pending JPH1098843A (ja)

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JP24981396A JPH1098843A (ja) 1996-09-20 1996-09-20 回転電機

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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