JP4744339B2 - 電磁成形コイル - Google Patents

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Description

本発明は、導電体の管及び板等を電磁成形する際に使用される電磁成形コイルに関する。
電磁力を利用して導電体を塑性加工する電磁成形は、板状及び管状等多様な形状に柔軟に対応できるため、様々な分野への適用が検討されている。電磁成形とは、高電圧で蓄えられた電荷を電磁成形コイルに瞬時に放電させ、その周囲に極めて短時間で強力な磁場を形成し、この磁場の中に被加工材を配置することにより、被加工材と電磁成形コイルとの間に反発力を発生させて成形を行うものである(例えば特許文献1)。
図5(a)は、従来技術の電磁拡管成形を模式的に示す縦断面図、図5(b)は同じく横断面図である。導線23をコイル状に巻回して形成されたコイル24に樹脂を含浸することにより、コイル24の周りが樹脂25によって被覆されている。これらによって電磁成形コイル26が形成され、この外側に、この電磁成形コイル26を取り囲むようにして導電性の材料からなる筒状の成形管27が配置されている。
コイル24にパルス電圧を印加することによってコイル24の導線23に瞬発的な電流を流すと、この電流によって発生する電磁場の変化により、導電体である成形管27に誘導電流が発生し、この誘導電流と電磁場との相互作用によって成形管27に、図5の矢印28で示す向きに瞬発的な電磁力が作用する。この電磁力は成形管27を外側に押し広げるように作用するため、成形管27が拡管成形される。
特開2004−351455号公報
しかしながら、上述の従来技術においては、以下のような問題点がある。拡管成形の際、成形管27に瞬発的な電磁力を作用させるとき、同時にコイル24の導線23には、導線23内に流れる電流とコイル24自身が形成する磁束密度との相互作用(フレミングの左手の法則)により、中立軸に向かう径方向(図5の矢印29で示す向き)の電磁力(向心力)が作用する。この電磁力(向心力)によってコイル24自体が破損する虞がある。また、コイル24が破損しなくても、変形すること等により成形管27の成形精度に影響する虞がある。
コイル24に樹脂25を含浸していない場合、拡管成形の際に成形管27に瞬発的な電磁力を作用させると、図5の矢印29で示す向きの電磁力(向心力)によって導線23同士が接触し、導通する虞がある。コイル24は、導通が起こると同時にスパークし、弾くように大きく変形し、破損する。
また、コイル24の導線23の間を樹脂25で絶縁している場合でも、拡管成形の際に成形管27に瞬発的な電磁力を作用させると、図5の矢印29で示す向きの電磁力(向心力)によって樹脂が圧壊又は剥離を起こす等の原因で絶縁破壊することがある。この結果、導線23同士が接触し、コイル24は、導通が起こると同時にスパークし、弾くように大きく変形し、破損する。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、電磁成形コイルによって導電体の管及び板等を電磁成形する際に、コイルの導線自体に作用する電磁力を低減することによってコイルの破損及び変形を防止し、成形精度が高い電磁成形コイルを提供することを目的とする。
本発明に係る電磁成形コイルは、導線をコイル状に巻回して形成された電磁コイル本体と、この電磁コイル本体の内側に配置された筒状又は中実状の導電体と、を有し、筒状の被成形体が前記電磁コイル本体の外側に、この電磁コイル本体を取り囲むように配置され、前記電磁コイル本体の前記導線にのみ通電し、前記電磁コイル本体により前記被成形体が拡管されることを特徴とする。
本発明に係る他の電磁成形コイルは、導線をコイル状に巻回して形成された電磁コイル本体と、この電磁コイル本体の外側に電磁コイル本体を取り囲むように配置された筒状の導電体と、を有し、筒状の被成形体が前記電磁コイル本体の内側に配置され、前記電磁コイル本体の前記導線にのみ通電し、前記電磁コイル本体により前記被成形体が縮管されることを特徴とする。
本発明に係る更に他の電磁成形コイルは、導線をコイル状に巻回して形成された電磁コイル本体と、この電磁コイル本体における被成形体が配置される側の反対側に配置された板状の導電体と、を有し、前記電磁コイル本体の前記導線にのみ通電することを特徴とする。
前記導電体は、前記被成形体と同種の材質からなり、前記導電体と前記電磁成形コイルとの間の距離が前記電磁成形コイルと前記被成形体との間の距離と同一であることが好ましい。
また、前記導電体は、アルミニウム、銅、非磁性のステンレス鋼、チタン又は鋼であることが好ましい。
前記導電体の肉厚又は厚さは、前記被成形体の肉厚又は厚さよりも大きいことが好ましい。
本発明によれば、電磁成形コイルによって導電体の管又は板等を成形加工する際に、コイルの導線自体に作用する電磁力を低減し、コイルの破損及び変形を防止することができる。この結果、成形精度の高い電磁成形加工を行うことができる。
次に、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る電磁成形コイルによる電磁拡管成形を模式的に示す縦断面図、図1(b)は同じく横断面図である。導線1をコイル状に巻回して形成された電磁コイル(コイル2)に樹脂を含浸することにより、コイル2の周りが樹脂3によって被覆されている。このコイル2の内側には筒状の導電体である芯管4が配置されている。換言すれば、金属の巻枠(ボビン)(芯管4)に導線1がコイル状に巻回されてコイル2を形成し、これらが樹脂3で被覆されている。これらによって電磁成形コイル(拡管用環状コイル)5が形成され、この外側に、この拡管用環状コイル5を取り囲むようにして導電性の材料からなる筒状の被成形体(成形管6)が配置されている。これにより、拡管用環状コイル5によって成形管6を拡管する。
芯管4の材料としては、例えばアルミニウム、銅、非磁性のステンレス鋼、チタン又は鋼等の良導電性材料が好適である。また、芯管4の肉厚又は厚さは、成形管6の肉厚又は厚さよりも大きく、電磁力で変形しないように高強度及び高剛性を有するものを使用することが好ましい。
次に、本発明の第1実施形態に係る電磁成形コイルによる電磁拡管成形方法について説明する。コイル状に巻回された導線1からなるコイル2にパルス電圧を印加することによって導線1に瞬発的な電流を流すと、この電流によって発生する電磁場の変化により、導電体である成形管6に誘導電流が発生し、この誘導電流と電磁場との相互作用によって成形管6に対し、成形管6を外側に押し広げる向き(図1の矢印7で示す向き)に瞬発的な電磁力が作用する。この瞬発的な電磁力によって成形管6が拡管成形される。
また、このとき同時にコイル2の導線1には、導線1内に流れる電流とコイル2自身が形成する磁束密度との相互作用(フレミングの左手の法則)により、成形管6に作用する電磁力と逆向き(図1の矢印8で示す向き)に電磁力(向心力)が作用する。更に、このとき同時にコイル2の内側に導電体の芯管4が配置されていることによりコイル2の導線1には外周に向かう向き(図1の矢印9で示す向き)(遠心力)にも電磁力が作用する。
コイル2の内側に配置された芯管4及びコイル2の外側に配置された成形管6の2つの管の作用によって、コイル2の導線1には、向心力と遠心力とが同時に作用する。この2つの力の差し引きで、コイル2の導線1に作用する電磁力を打ち消し合い、結果としてコイル2の導線1に作用する力が低減される。これによって、コイル2の変形及び破損を防止することができる。
次に、本発明の電磁成形コイルのシミュレーション結果について説明する。本発明の第1実施形態に係る電磁成形コイル(拡管用環状コイル)5によって成形管6を拡管成形する場合において、計算モデルとして、コイル2の外径を80mm、内径を75mm、成形管6の材質はアルミニウムで外径を90mm、内径を87mmとし、芯管4の外径を65mm〜75mmに変化させたときに成形管6に作用する電磁力P及びコイル2の導線1に作用する電磁力Pを、成形管6の内周面とコイル2の外縁との距離をδ、芯管4の外周面とコイル2の内縁との距離をδとし、このδとδの比であるδ/δをパラメータとしてシミュレーションした。
図2は上述のδ/δをパラメータとして成形管6に作用する電磁力P及びコイル2の導線1に作用する電磁力Pをシミュレーションした結果に基づいて、δ/δをパラメータとしたときのP及びP/Pの値を示すグラフである。
X軸はδ/δの比を示しており、原点においてはδが無限大、即ち芯管4を配置しないときのP及びP/Pの値を示している。また、X軸がプラス方向に向かうにつれて、芯管4がコイル2に接近していくため、芯管4が配置されているためにコイル2の導線1に作用する電磁力が大きくなる。
図2より、成形管6に作用する電磁力Pはコイル2の内側に芯管4を配置することによって減少するが、それ以上の割合でコイル2の導線1に作用する電磁力Pを減少させることができることが分かる。例えば、成形管6とコイル2の外径との距離δ=3mmに対して、コイル2の外径と芯管4の外径との距離δ=4mmとすると、δ/δの値は0.75となり、このときコイル2の導線1に作用する電磁力Pはほぼゼロまで下がることが分かる。
芯管4と成形管6が同じ材質からなる場合、コイル2の導線1に作用する電磁力Pを最小にできる芯管4の配置位置は、導線1を対称軸として成形管6と鏡面対称位置近辺であり、言い換えれば、成形管6の外径とコイル2の外径との距離δと管4の外径とコイル2の外径との距離δの比δ/δの値が1になる位置の近辺である。
例えば2次元の場合、つまり上述のコイル2の代替として平面型コイル、成形管6の代替として平板の成形体、芯管4の代替として平板とし、成形体と平板とが同じ材質からなる場合には、平板を平面型コイルの導線を対称軸として成形体と鏡面対称の位置に配置すると、平面型コイルの導線を対称軸として鏡面対称の電磁力が平面型コイルの導線に作用し互いに打ち消し合うことから、平面型コイルの導線に作用する電磁力が理論上ゼロとなる。成形体及び電磁成形コイルが円筒形を有する場合においては、成形管6と芯管4とが同一材料からなる場合であっても、径の影響があるために、コイル2の導線1に作用する電磁力Pを最小にできる芯管4の配置位置は、導線1を対称軸として成形管6と鏡面対称位置ではなく、鏡面対称位置から外れた位置になる。
コイル2の内側に芯管4を配置することによって、コイル2の導線1に作用する電磁力Pが低減され、コイル2の変形及び破損を防止することができるが、同時に成形管6に作用する電磁力Pが減少する。成形管6を拡管成形加工するための電磁力Pが足りない場合には、コイル2に印加するパルス電圧を上げなければならないが、印加電圧を上限に設定しても電磁力Pが足りない場合には、コイル2の導線1に作用する電磁力Pの低減を犠牲にして、芯管4の位置を設定することが望ましい。
上述のように、拡管用環状コイル5の外側に、この拡管用環状コイル5を取り囲むようにして導電性の材料からなる筒状の成形管6を配置して拡管成形加工を行う際、拡管用環状コイル5のコイル2の内側に、導電性材料からなる芯管4を、その配置位置を調整して配置することによって、コイル2の導線1に作用する電磁力が低減され、コイル2の変形及び破損を防止することができる。
次に、本発明の第1実施形態に係る電磁成形コイルの変形例について説明する。上述の第1実施形態においては、コイル2の内側に筒形の導電体である芯管4を配置したが、本変形例は芯管4の代わりに中実状の導電体を挿入する点が異なり、それ以外は第1実施形態と同様の構造を有している。筒形の導電体である芯管4の代わりに中実状の導電体を挿入しても、コイルの導線にかかる電磁力は同様の挙動を示すため、本変形例の電磁成形コイルも第1実施形態と同様の効果が得られる。
次に、本発明の第2実施形態に係る電磁成形コイルについて説明する。第1実施形態においては拡管成形の場合について述べたが、本実施形態においては縮管成形の場合について説明する。図3(a)は、本発明の第2実施形態に係る電磁成形コイルによる電磁縮管成形を模式的に示す縦断面図、図3(b)は同じく横断面図である。図3において、図1と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
拡散成形の場合においては、樹脂3によって被覆されたコイル2の内側に筒状の導電体である芯管4が配置され、これによって形成された拡管用環状コイル5の外側に、この拡管用環状コイル5を取り囲むようにして成形管6が配置されるのに対し、縮管成形の場合においては、樹脂3によって被覆されたコイル2の外側にコイル2本体を取り囲むように筒状の導電体(管10)が配置され、これによって形成された電磁成形コイル(縮管用環状コイル)11の内側に、筒状の被成形体(成形管6)が配置される。これにより、縮管用環状コイル11によって成形管6を縮管する。
管10の材料としては、例えばアルミニウム、銅、非磁性のステンレス鋼、チタン又は鋼等の良導電性材料が好適である。また、管10の肉厚又は厚さは、成形管6の肉厚又は厚さよりも大きく、電磁力で変形しないように高強度及び高剛性を有するものを使用することが好ましい。
次に、本発明の第2実施形態に係る電磁成形コイルによる電磁縮管成形方法について説明する。コイル状に巻回された導線1からなるコイル2にパルス電圧を印加することによって導線1に瞬発的な電流を流すと、この電流によって発生する電磁場の変化により、導電体である成形管6に誘導電流が発生し、この誘導電流と電磁場との相互作用によって成形管6に対し、成形管6を内側に押し縮める向き(図3の矢印12で示す向き)に瞬発的な電磁力が作用する。この瞬発的な電磁力によって成形管6が縮管成形される。
また、このとき同時にコイル2の導線1には、導線1内に流れる電流とコイル2自身が形成する磁束密度との相互作用(フレミングの左手の法則)により、成形管6に作用する電磁力と逆向き(図3の矢印13で示す向き)に電磁力(遠心力)が作用する。更に、このとき同時にコイル2の外側に導電体の管10が配置されていることによりコイル2の導線1には内周に向かう向き(図3の矢印14で示す向き)にも電磁力(向心力)が作用する。
コイル2の外側に配置された管10及びコイル2の内側に配置された成形管6の2つの管の作用によって、コイル2の導線1には、向心力と遠心力とが同時に作用する。この2つの力の差し引きで、コイル2の導線1に作用する電磁力を打ち消し合い、結果としてコイル2の導線1に作用する力が低減される。これによって、コイル2の変形及び破損を防止することができる。
管10と成形管6が同じ材質からなる場合、コイル2の導線1に作用する電磁力Pを最小にできる管10の配置位置は、上述の第1実施形態と同様に、導線1を対称軸として成形管6と鏡面対称位置近辺であるが、径の影響があるために、鏡面対称位置から外れた位置になる。
コイル2の外側に管10を配置することによって、コイル2の導線1に作用する電磁力Pが低減され、コイル2の変形及び破損を防止することができるが、同時に成形管6に作用する電磁力Pが減少する。成形管6を縮管成形加工するための電磁力Pが足りない場合には、コイル2に印加するパルス電圧を上げなければならないが、印加電圧を上限に設定しても電磁力Pが足りない場合には、コイル2の導線1に作用する電磁力Pの低減を犠牲にして、管10の位置を設定することが望ましい。
上述のように、縮管用環状コイル11の内側に、導電性の材料からなる筒状の成形管6を配置して縮管成形加工を行う際、縮管用環状コイル11のコイル2の外側に、導電性材料からなる管10を、その配置位置を調整して配置することによって、コイル2の導線1に作用する電磁力が低減され、コイル2の変形及び破損を防止することができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る電磁成形コイルについて説明する。第1及び第2実施形態においては被成形物が中空の管である場合について述べたが、本実施形態においては被成形物が板状である場合について説明する。図4(a)は、本発明の第3実施形態に係る電磁成形コイルによる電磁成形を模式的に示す縦断面図、図4(b)は同じく横断面図である。図4において、図1と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
導線16が平面状に巻回されることによって形成された平面コイル17に樹脂を含浸することにより、平面コイル17の周りが樹脂3によって被覆されている。この平面コイル17における被成形体が配置される側の反対側に、板状の導電体(平板15)が配置され、これによって電磁成形コイル(板成形用平面コイル18)が形成されている。平面コイル17のもう一方の側には被成形体(成形板19)が対向するように配置されている。これにより、板成形用平面コイル18によって成形板19を成形する。
平板15の材料としては、例えばアルミニウム、銅、非磁性のステンレス鋼、チタン又は鋼等の良導電性材料が好適である。また、平板15の肉厚又は厚さは、成形板19の肉厚又は厚さよりも大きく、電磁力で変形しないように高強度及び高剛性を有するものを使用することが好ましい。
次に、本発明の第3実施形態に係る電磁成形コイルによる電磁成形方法について説明する。平面コイル17にパルス電圧を印加することによって導線16に瞬発的な電流を流すと、この電流によって発生する電磁場の変化により、導電体である成形板19に誘導電流が発生し、この誘導電流と電磁場との相互作用によって成形板19に対し、成形板19を外側に押し広げる向き(図4の矢印20で示す向き)に瞬発的な電磁力が作用する。この瞬発的な電磁力によって成形板19が電磁成形される。
また、このとき同時に平面コイル17の導線16には、導線16内に流れる電流と平面コイル17自身が形成する磁束密度との相互作用(フレミングの左手の法則)により、成形板19に作用する電磁力と逆向き(図4の矢印21で示す向き)に電磁力が作用する。更に、このとき同時に平面コイル17に対して成形板19と逆側に導電体の平板15が配置されていることにより平面コイル17の導線16にはこの矢印21で示す向きの電磁力の反対の向き(図4の矢印22で示す向き)にも電磁力が作用する。
平面コイル17の片側に配置された成形板19及び平面コイル17のもう一方の側に配置された平板15の2つの板の作用によって、平面コイル17の導線16には、2つの互いに逆方向の力が同時に作用する。この2つの力の差し引きで、平面コイル17の導線16に作用する電磁力を打ち消し合い、結果として平面コイル17の導線16に作用する力が低減される。これによって、平面コイル17の変形及び破損を防止することができる。
平板15と成形板19が同じ材質からなる場合、平面コイル17の導線16に作用する電磁力Pを最小にできる平板15の配置位置は、上述のように、導線16を対称軸として成形板19と鏡面対称位置である。
平面コイル17に対し成形板19と反対側に平板15を配置することによって、平面コイル17の導線16に作用する電磁力Pが低減され、平面コイル17の変形及び破損を防止することができるが、同時に成形板19に作用する電磁力Pが減少する。成形板19を電磁成形加工するための電磁力が足りない場合には、平面コイル17に印加するパルス電圧を上げなければならないが、印加電圧を上限に設定しても電磁力Pが足りない場合には、平面コイル17の導線16に作用する電磁力Pの低減を犠牲にして、平板15の位置を設定することが望ましい。
上述のように、板成形用平面コイル18によって板成形を行う際、板成形用平面コイル18の平面コイル17に対し成形板19と反対側に、導電性材料からなる平板15を、その配置位置を調整して配置することによって、平面コイル17の導線16に作用する電磁力が低減され、平面コイル17の変形及び破損を防止することができる。
(a)は本発明の第1実施形態に係る電磁成形コイルの縦断面を示す模式図、(b)は同じく横断面を示す模式図である。 成形管6に作用する電磁力P及び導線1に作用する電磁力Pをシミュレートした結果を示すグラフである。 (a)は本発明の第2実施形態に係る電磁成形コイルの縦断面を示す模式図、(b)は同じく横断面を示す模式図である。 (a)は本発明の第3実施形態に係る電磁成形コイルの縦断面図を示す模式図、(b)は同じく横断面を示す模式図である。 (a)は従来技術において導電体の管を電磁成形により拡管成形する電磁成形コイルの縦断面を示す模式図、(b)は同じく横断面を示す模式図である。
符号の説明
1;導線
2;コイル
3;樹脂
4;芯管
5;拡管用環状コイル
6;成形管
7;成形管にかかる電磁力
8;導線にかかる電磁力
9;導線にかかる電磁力
10;管
11;縮管用環状コイル
12;成形管にかかる電磁力
13;導線にかかる電磁力
14;導線にかかる電磁力
15;平板
16;導線
17;平面コイル
18;板成形用平面コイル
19;成形板
20;成形管にかかる電磁力
21;導線にかかる電磁力
22;導線にかかる電磁力
23;導線
24;コイル
25;樹脂
26;電磁成形コイル
27;成形管
28;成形管にかかる電磁力
29;導線にかかる電磁力

Claims (6)

  1. 導線をコイル状に巻回して形成された電磁コイル本体と、この電磁コイル本体の内側に配置された筒状又は中実状の導電体と、を有し、筒状の被成形体が前記電磁コイル本体の外側に、この電磁コイル本体を取り囲むように配置され、前記電磁コイル本体の前記導線にのみ通電し、前記電磁コイル本体により前記被成形体が拡管されることを特徴とする電磁成形コイル。
  2. 導線をコイル状に巻回して形成された電磁コイル本体と、この電磁コイル本体の外側に電磁コイル本体を取り囲むように配置された筒状の導電体と、を有し、筒状の被成形体が前記電磁コイル本体の内側に配置され、前記電磁コイル本体の前記導線にのみ通電し、前記電磁コイル本体により前記被成形体が縮管されることを特徴とする電磁成形コイル。
  3. 導線をコイル状に巻回して形成された電磁コイル本体と、この電磁コイル本体における被成形体が配置される側の反対側に配置された板状の導電体と、を有し、前記電磁コイル本体の前記導線にのみ通電することを特徴とする電磁成形コイル。
  4. 前記導電体は、前記被成形体と同種の材質からなり、前記導電体と前記電磁成形コイルとの間の距離が前記電磁成形コイルと前記被成形体との間の距離と同一であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電磁成形コイル。
  5. 前記導電体が、アルミニウム、銅、非磁性のステンレス鋼、チタン又は鋼であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電磁成形コイル。
  6. 前記導電体の肉厚又は厚さは、前記被成形体の肉厚又は厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電磁成形コイル。
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