以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。便宜上、同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
図1にパチンコ機100の前面の構成を示す。パチンコ機100の遊技盤101の外周部分には遊技領域103の周囲を囲む形状で、遊技盤101から遊技者側に突出する形状の枠部材(ガラス枠)110が配置される。該枠部材110は、遊技領域の前方に位置するように中央部にガラス板を支持し、上側と下側には複数のライト112を備えた演出ライト111(ランプユニット)が設置される。各ライト112はパチンコ機100の正面にいる遊技者を照射し、その照射位置が遊技者の頭上から腹部に沿って移動するように、演出ライト111内のモータ(図示省略)による駆動によって光の照射方向が上下方向に変更自在になっている。各ライト112は演出ライト111内の別のモータにより、照射位置がパチンコ機100を基準にして円をなしてパチンコ機の周囲を照射可能なように光の照射方向が回転自在にもなっている。
枠部材110の下方位置には、発射部292を備える操作ハンドル113が配置され、発射部292の駆動によって発射された遊技球がレール102a、102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、遊技球を不特定の方向に向けて落下させるための図示しない複数の釘に加え、遊技球の落下方向を変化させる風車や入球口が配置されている。
遊技領域103の中央部分には例えば液晶表示器(LCD)を用いた図柄表示部104が配置される。図柄表示部104の下方には遊技球を受入れ可能な第1始動口105が配置され、第1始動口105の下方には一対の可動片を有する第2始動口120が配置される。第2始動口120は一対の可動片が閉状態のときに遊技球の受入れを困難にし、開状態のときに第1始動口105よりも遊技球の受入れを容易にする。
図柄表示部104の左側には、遊技球の通過を検出し、第2始動口120を一定時間だけ開放させる普通図柄の抽選を行うための入賞ゲート106が配置される。入賞ゲート106の下方位置等には、遊技球が入球したときに所定数(例えば10個)の賞球払い出しの権利を獲得する普通入賞口107が配置される。遊技領域103の最下部にはどの入球口にも入球しなかった遊技球を回収する回収口108が配置される。
図柄表示部104は第1始動口105、または第2始動口120に遊技球が入球したときに複数の装飾図柄の変動表示を開始し、所定時間経過後に当該装飾図柄の変動を停止させる。停止時に特定図柄(例えば「777」)が揃えば、大当たり遊技(長当たり遊技)を実行する権利を獲得したこととなり、その後、大当たり遊技(長当たり遊技)が開始される。大当たり遊技(長当たり遊技)が開始されると、遊技領域103の下方に位置する大入賞口ユニット109における開閉扉109aが一定時間、開放する動作を所定回数(例えば15回)繰り返し、入球した遊技球に対応する賞球が払い出される。
枠部材110の下側には、図示しない貸し玉装置から貸し出される遊技球が供給される受け皿ユニット119が設置される他、操作ハンドル113が配置されている。操作ハンドル113は遊技盤101から前方(遊技者側)へ突出し、上記発射部292の駆動によって遊技球を発射させる際に遊技者によって操作される。
操作ハンドル113は上記発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材16を備えている。発射指示部材16は操作ハンドル113の外周部に、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられ、遊技者によって直接操作されているときに発射部に遊技球発射の指示を与える。
図柄表示部104の上側及び側方には、演出用の役物(以下、「演出役物」という)115、116が配置される。演出役物115は例えばソレノイドによって駆動され、演出役物116はモータによって駆動される。同様の演出役物115、116を異なる種類の駆動源によって駆動することにより、演出役物115、116それぞれに独自の動きを生じさせることができ、演出効果が高められている。
枠部材110の下側にはまた、遊技者による操作を受け付けるチャンスボタン117が配置される。チャンスボタン117の操作は例えば遊技中における特定のリーチ演出に際し、チャンスボタン117の操作を促すガイダンスが表示されている間有効となる。
図4にチャンスボタン117の斜視図を、図5にチャンスボタン117の分解斜視図を、図6にチャンスボタン117の断面図を示す。チャンスボタン117の上方側にはドーム状を呈するカバー12が設けられる。チャンスボタン117は主として演出効果を高める目的で設置され、カバー12のみが枠部材110の外に露出する。カバー12の内側中央部には、左右に並んだ空気噴出孔12a,12aが設けられた平面形状が円形の凹部12bが設けられる。該凹部12bには、左右に並んだ2つの網状部14a,14aが設けられた網部材14が嵌合される。このとき、カバー12の空気噴出孔12a,12a及び網部材14の網状部14a,14aの位置が揃うように配置される。なお、空気噴出孔12aの個数、配置等に関しては、これに限定されない。
カバー12は、枠部材110に形成された略筒状の開口110aに摺動自在に設けられる略筒状の基部20の上端に固定される。基部20の下端には開口が設けられた底板20aが固定されており、該底板20aと開口110aの下端に設けられた段部110cとの間にスプリング等の付勢部材25が設けられる。これによりカバー12は原位置に復帰自在に支持されることになる。カバー12は周囲にフランジ12bを有し、このフランジ12bが枠部材110の開口110aの上縁部に形成された段部110bに付勢の向きに係止することで、付勢部材25に付勢された状態で安定する。なお、カバー12の押圧はチャンスボタン検出部220(図4乃至6において図示省略、図7参照)によって検出され後述する副制御基板202に送信される。
カバー12及び基部20の内部には、上部が二股に分かれた通気孔24aを有する先端部材24が固定される。なお、先端部材24の通気孔24aの上部はカバー12の空気噴出孔12a,12aに連通すように配置される。また、先端部材24の通気孔24aの下部側は内径が一様なパイプ状であり、後述する空気送出部30の空気送出孔32aに連結されるパイプ状部材22が摺動自在に連通する。
これによって、空気送出部30の空気送出孔32a、パイプ状部材22、先端部材24の通気孔24a、網部材14の網状部14a,14a及びカバー12の空気噴出孔12a,12aが連通する。なお、空気送出孔32aと、パイプ状部材22と、通気孔24aの下方側(遊技機側)の内径は略同じに構成され、通気孔24aの上部側(カバー12側)と、網状部14aと、空気噴出孔12aの内径が略同じに構成される。ここで、先端部材24の通気孔24aは、上部側の内径が下部側の内径より小さく形成され、さらに、上部側の2つの通気孔24aの面積の合計が下部側の面積より小さく形成されることが好ましい。
空気送出部30は蓋部32及びスピーカ部34からなる。蓋部32は、空気送出孔32aを有し、該空気送出孔32aに向かって徐々に内径が小となる漏斗状を呈し、外周にはネジ33によってフレームに固定するためのネジ孔32bが4カ所に設けられる。蓋部32は例えば、ABS(アクリロニトリル・ブダジエン・スチレン)等の合成樹脂によって形成される。
スピーカ部34は、フレーム36、磁気回路37及び振動体38を有している。実施例においてはコーン型のスピーカを用いる例を示すが、これに限られず例えばドーム型等であっても良い。フレーム36は底部に開口部36aを有する略凹状であり、側壁外周の対向する位置に振動止め36d,36dが設けられる。該振動止め36d,36dは空気送出部30がパチンコ機100内に固設されたときの、スピーカ部34の駆動による外部への振動を吸収するためのものである。フレーム36の内側には、後述のヨーク37aが固定される前記開口部36a、後述のダンパ38bが固定される下段部36b、後述のエッジ38cが固定される上段部36cが設けられる。フレーム36の側壁には蓋部32のネジ孔32bに対応する位置にネジ孔36eが設けられ、蓋部32を固定することができる。フレーム36は例えば、ABS(アクリロニトリル・ブダジエン・スチレン)等の合成樹脂によって形成される。
磁気回路37は、略凹状を呈し上端部の内周が内側に突出するように形成されたヨーク37aの底部に円柱状の磁石37bが接着され、該磁石37bの上面に円柱状のプレート37cが接着されて構成される。プレート37cの外径は、ヨーク37a上端部の内周より一回り小さく形成されているため、ヨーク37aとプレート37cの間には僅かな間隙が形成される。この間隙が磁気ギャップGとなり、ここに磁界が形成される。ヨーク37a及びプレート37cは、例えば鉄等の磁性材料によって形成される。
振動体38は、振動板38a、エッジ38c、ボイスコイル支持部38d、ボイスコイル38e、ダンパ38b及び内蓋38fを有している。振動板38aはいわゆるコーン型であり外周部にはエッジ38cが設けられる。エッジ38cはフレーム36の上端縁付近に設けられる上段部36cに接着剤等で接着される。振動板38aの内周部には円筒状のボイスコイル支持部38dが設けられ、該ボイスコイル支持部38dの下端部付近にはボイスコイル38eが巻装される。またボイスコイル支持部38dの中間位置付近にはダンパ38bが設けられ、該ダンパ38bの外周はフレーム36に設けられた下段部36bに接着剤等によって接着される。ボイスコイル支持部38dはエッジ38c(振動板38a)及びダンパ38bを介してフレーム36に支持されており、振動が起こっていない非通電時において磁気ギャップG内にボイスコイル38eが収まるように調整される。
振動板38aの上側には、振動板38aの外径と略同径の外径を有する円板状の内蓋38fが接着される。これによってボイスコイル支持部38d及び振動板38aの上側は内蓋38fによって覆われる。このような状態で、フレーム36に蓋部32が装着されると、蓋部32、エッジ38c及び内蓋38fによって空気送出孔32a以外に空気の出入り口がない閉空間S(空気貯留部)が形成される。
ボイスコイル38eはリード線(図示省略)によって電極40に接続されており、通電するとフレミングの法則に従って上下に振動する。この振動によって振動板38aが振動するため、連動してエッジ38c及び内蓋38fも振動することになる。蓋部32、エッジ38c及び内蓋38fによって形成される閉空間Sは、ボイスコイル支持部38d及び振動板38aの振動に連動してエッジ38c及び内蓋38fが上下に振動するため、これに伴って容積を変化させる。閉空間Sの容積が小さくなるように変化すると(エッジ38c及び内蓋38fが上側に動くと)、その分の空気が空気送出孔32aから送出される。蓋部32の内径は、空気送出孔32aに向かって徐々に小さくなる漏斗状を呈しているため、容積の変化による空気が空気送出孔32aに集中し、強い衝撃をもって空気を送出することができる。また、空気送出孔32aの断面積より2カ所の空気噴出孔12aの断面積の合計の方が小さく形成されているため、空気噴出孔12aにも空気が集中し、より強い衝撃をもって空気を噴射することができる。
なお、空気送出部30は一部にスピーカ部34を備えているため、空気を送出する機能だけでなく、当然に音響を放出するスピーカとしての機能も有する。空気送出のためには20〜100Hz程度の周波数をもった電圧が好ましく、より好ましくは40〜80Hz程度、特に約60Hz程度の周波数が好ましい。さらに、例えば間欠的に空気を送出する場合には、約60Hzの周波数の電圧を一定状態で印加するのではなく、20ms程度印加を休止する休止期間を設けることによって(例えば200msの印加と20msの休止を交互に繰り返す)、休止のタイミングで強い衝撃をもって空気を噴射することができる。これは、空気送出部30には空気の出入り口が空気送出孔32aの1カ所のみであり、吸気と送出(排気)の両方が空気送出孔32aによって行われるため、電圧を一定状態で印加し続けていると、空気の送出(排気)が吸気によって打ち消されてしまうためであると考えられる。
また、空気送出部30はスピーカ部34によって駆動するため、応答性が良く所望のタイミングで空気の噴射が実行でき、演出に同調させて空気を噴射することが容易に行える。また、他のアクチュエータを用いて駆動する場合に比し熱の発生が少なく、部品の消耗が少ない。
また、図2に示すように、枠部材110は、その一端側(正面からみて左端側)が連結部材122によって回動可能に外枠123と連結され外枠123に対して開閉可能となっており、他端側には枠部材110と外枠123とを固定するためのロック機構124が設けられる。該ロック機構による固定は専用のカギによって解除可能となっている。枠部材110の裏側はガラス板固定フック125が設けられており、ガラス板126が着脱可能となっている。枠部材110の裏側上部には左右にわたって板状に形成された鉄板127が設けられており、枠部材110の強度を補強している。
パチンコ機100の外枠123の内周面には遊技盤保持枠128が当接して設けられ、該遊技盤保持枠128には遊技盤101を保持するための遊技盤固定フック128a及び遊技盤保持爪128bが設けられる。枠部材110が閉じた状態において、外枠123及び枠部材110は遊技盤101を囲繞し当接しているため、ドライバ、針金等が不正に外枠123と枠部材110との間に挿入されることが防止される。外枠123は例えばアルミニウム等の金属材料によって形成され、遊技盤保持枠128は木材等によって形成される。なお、外枠123及び遊技盤保持枠128の材料は上記に限られず、金属、木材、プラスチック等を単一又は組み合わせて用いることができる。
外枠123には、演出効果音、または不正を知らしめる音声を出力するスピーカ277が組み込まれている。スピーカ277は高音・中音・低音の領域を出力できる機能を有し、通常演出時は高音・中音・低音をバランス良く出力するが、特別演出時、または不正等があった場合には周りに良く聞こえるように高音領域を高く出力するように制御される。さらに、外枠123には外部端子接続用の基板、払出制御基板、電源基板が取り付けられており、これらは外部からの不正な操作を防止するために、それぞれ、外端ケース(図示省略)、払出制御基板ケース131、電源基板カバー132によって覆われる。
遊技盤101の裏面には、主制御基板、副制御基板、賞球制御基板、ランプ制御基板を含む制御手段200を構成する基板ユニットが設けられる(図示省略)。該基板ユニットは基板ケース(図示省略)によって被われることで、外部からの不正な操作を防止している。さらに基板ケースは保護ケース135に覆われており、セキュリティを高めている。
主制御基板201はパチンコ機100の遊技に関する基本動作を制御し、ROM201bに記憶されたプログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行するCPU201aと、CPU201aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM201c等を備える。主制御基板201は第1始動口105、もしくは第2始動口120への遊技球の入球を契機として、大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に基づいてROM201bに記憶されている演出に係わるコマンドの選択を行う。
主制御基板201の入力側には、第1始動口105に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出部221と、第2始動口120に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出部225と、入賞ゲート106を遊技球が通過したことを検出するゲート検出部222と、普通入賞口107に入球した遊技球を検出する普通入賞口検出部223と、大入賞口装置9に入球した遊技球を検出する大入賞口検出部224とが接続されている。
主制御基板201の出力側には大入賞口開閉部231が接続されている。本実施形態においては上記大入賞口開閉部231を、開閉扉109aを開閉させる大入賞口開閉ソレノイド(駆動装置)と、第2始動口120を開閉させる第2始動口開閉ソレノイドとによって構成している。
大入賞口開閉部231は主制御基板201によって制御され、大当たり遊技(長当たり遊技、短当たり遊技)時に大入賞口開閉ソレノイドに通電して開閉扉109aを開放させ、また上記普通図柄の当選によって第2始動口開閉ソレノイド120bに通電して第2始動口120を開閉する。
副制御基板202の入力側には上記のチャンスボタン117が操作されたことを検出するチャンスボタン検出部220が接続されている。この副制御基板202は主に遊技中における演出を制御し、主制御基板201より送信されるコマンドに基づいて演出の抽選及び演出処理を実行するCPU202aと、プログラム及び過去の演出パターンを記憶するROM202bと、CPU202aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM202c等を備えている。
副制御基板202は主制御基板201より送信される演出に係るコマンドを受信すると、このコマンドに基づいて抽選を行い、演出背景パターン、リーチ演出パターン、登場キャラクター等の演出を確定すると共に、当該確定した演出の制御を行う。副制御基板202の出力側には図柄表示部104が接続され、抽選によって決定された内容の通りに図柄表示部104において装飾図柄演出を展開する。副制御基板202には図柄表示部104に表示させる画像データを書き込むVRAM202dも備えられている。
通常時には、CPU202aがROM202bに記憶されたプログラムを読み込んで、背景画像表示処理、図柄画像表示及び変動処理、キャラクター画像表示処理など各種画像処理を実行し、必要な画像データをROM202bから読み出してVRAM202dに書き込む。背景画像、図柄画像、キャラクター画像は表示画面上において図柄表示部104に重畳表示される。すなわち、図柄画像やキャラクター画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法等、周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAM202dに記憶させる。
副制御基板202の出力側にはスピーカ277及び空気送出部30を制御する音声制御基板204が接続されている。音声制御基板204は副制御基板202より送信されたコマンドに基づき、プログラムを作動させて演出処理を実行するCPU204aと、各種演出パターンデータを記憶するROM204bと、CPU204aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM204c等を備えている。音声制御基板204は、スピーカ277に対して音声を出力する音声制御を行い、空気送出部30のスピーカ部34に対して空気を送出する空気送出制御や音声を出力する音声制御を行う。
また、副制御基板202の出力側にはランプ262、演出ライト111、及び演出役物作動装置254を制御するランプ制御基板206が接続されている。演出役物作動装置254は演出役物115,116等の、演出用の役物を作動させるモータやソレノイド等によって構成されている。ランプ制御基板206は副制御基板202より送信されたコマンドに基づき、プログラムを作動させて演出処理を実行するCPU206aと、各種演出パターンデータを記憶するROM206bと、CPU206aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM206c等を備えている。
ランプ制御基板206は遊技盤101や台枠等に設けられている各種ランプ262に対する点灯制御等を行う他、演出ライト111における複数のライト112に対する点灯制御等を行い、各ライト112からの光の照射方向を変更するためにモータに対する駆動制御等を行う。ランプ制御基板206はまた、副制御基板202より送信されたコマンドに基づき、演出役物115を動作させるソレノイドに対する駆動制御等を行い、演出役物116を動作させるモータに対する駆動制御等を行う。
主制御基板201には賞球制御基板203が双方向に送信可能に接続されている。賞球制御基板203はROM203bに記憶されたプログラムを作動させて賞球制御の処理を実行するCPU203aと、CPU203aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM203c等を備え、ROM203bに記憶されたプログラムに基づき、賞球制御を行う。
賞球制御基板203は接続される払出部291に対して入球時の賞球数を払い出す制御を行う。また発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出し、遊技球の発射を制御する。払出部291は遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータ等からなる。
賞球制御基板203はこの払出部291に対して、各入球口(第1始動口105、第2始動口120、普通入賞口107、大入賞口孔109)に入球した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御を行う。発射部292は発射指示部材16の回転角度を検出するセンサ(図示省略)と、遊技球を発射させるソレノイド等(図示省略)を備え、遊技のための遊技球を発射する。賞球制御基板203は発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された発射指示部材16の回転角度に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
(実施例1)
上記構成のパチンコ機100によれば、遊技状況に応じて発生する音声、ライトの点灯(点滅)、図柄表示部104の表示内容等に合わせて所望のリズムによってチャンスボタン117から空気を噴出することができ、チャンスボタン117の入力操作を行う遊技者の掌に空気の衝撃を与えることができる。
遊技において、第1始動口105又は第2始動口120への遊技球の入球が第1始動口検出部221又は第2始動口検出部225によって検出されると、主制御基板201によって大当たり抽選が行われる。そして、この抽選結果に基づいてROM201bに記憶されている演出に係わるコマンドの選択が行われ、副制御基板202に送信される。
副制御基板202は、主制御基板201より送信される演出に係るコマンドを受信すると、このコマンドに基づいて抽選を行い、演出背景パターン、リーチ演出パターン、登場キャラクター等の演出を確定すると共に、当該確定した演出の制御を行う。そして、副制御基板202の出力側に接続された図柄表示部104によって、確定した演出内容通りに図柄表示部104において装飾図柄演出が展開される。
また、副制御基板202からは、ランプ制御基板206に対して、上記演出内容に合わせて各種ランプ262及び演出ライト111を点灯(点滅)させる点灯制御等に係るコマンドが送信される。そして、該コマンドを受信したランプ制御基板206によって演出内容通りに各種ランプ262及び演出ライト111において点灯制御が行われる。
さらに、副制御基板202からは、音声制御基板204に対して、上記演出内容に合わせてスピーカ277から音声を出力する音声制御に係るコマンドが送信される。そして、該コマンドを受信した音声制御基板204によって演出内容通りにスピーカ277による音声制御が行われる。
そして、副制御基板202によってチャンスボタン117の操作が有効となる演出パターンが選択された場合には、例えば、図柄表示部104においてチャンスボタン117の操作を促すガイダンスの表示とともに、演出ライト111の点灯等やスピーカ277からの効果音等による演出に同期してチャンスボタン117のカバー12における空気噴出孔12aから空気を噴出する演出が行われる。これにより遊技者は、チャンスボタン117に掌を近づけ、操作し、そして掌を離し遠ざけるまでの一連の動作の間、掌に空気の衝撃を感じることができ、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、ランプ制御基板206による点灯制御と音声制御基板204による空気送出部30の空気送出制御との同期について説明する。例えば、ランプ制御基板206の点灯制御によるランプの点灯及び消灯並びに輝度の高低の一例を図8(a)に示す。ここでは、演出開始後に、ランプが低輝度の点灯から高輝度の点灯に移行した後に再び低輝度の点灯に移行するという制御が行われた後、一定時間消灯されてから低輝度での点灯、消灯、高輝度での点灯の順番に制御が行われるものとする。この場合、音声制御基板204による空気送出部30の空気送出制御は、例えば、低輝度での点灯時には1回の空気送出、高輝度での点灯時には2回の空気放出を実行するものとする。この制御は、図8(b)に示すように、低輝度での点灯に同期させて、例えば約60Hzの電圧を所定時間T1(200ms)だけ印加するものであり、また、高輝度での点灯に同期させて、例えば約60Hzの電圧を所定時間T1(200ms)だけ印加した後、休止期間T2(20ms)だけ印加を休止してから再び所定時間T1の間だけ印加するものである。なお、チャンスボタン117内にLED等の発光手段を設け、これをランプ制御基板206によって制御する構成としてもよい。
また、音声制御基板204によるスピーカ277の音声制御と空気送出部30の空気送出制御との同期について説明する。例えば、スピーカ277から効果音を流す場合には、その効果音の発生に合わせて空気送出制御を行い、スピーカ277からサウンド(楽曲)を流す場合には、そのサウンドのリズムやベースのリズムに合わせて、空気送出制御を行う。なお、この場合には空気送出部30のスピーカ部34からも効果音、サウンド等を流すように構成しても構わない。
また、図柄表示部104の表示内容に合わせて空気放出制御を行うことも可能である。例えば、図柄表示器104において装飾図柄が描かれたドラムが回転し、チャンスボタン117の操作によってドラムの回転が停止するという演出の場合、ドラムの回転速度に応じて単位時間あたりの空気の送出回数を変更する制御を行うことができる。より具体的には、ドラムの回転速度が速い演出が行われているときには、例えば電圧印加の休止期間(例えば20ms)を1秒間に10回程度行うことで空気の噴出回数を多く制御し、ドラムの回転速度が遅い演出が行われているときには、電圧印加の休止期間(例えば20ms)を1秒間に1回程度行うようにし空気の噴出回数を少なく制御する。また、反対に、ドラムの回転速度が速い演出が行われているときに、電圧印加の休止期間(例えば20ms)を1秒間に1回程度行い、ドラムの回転速度が遅い演出が行われているときに、電圧印加の休止期間(例えば20ms)を1秒間に10回程度行うようにしても良い。また、特定の図柄が出現する際に空気の噴出回数を増やすように制御しても良い。例えば装飾図柄が「77−」のようにリーチ状態となっている場合に、回転中のドラムの図柄で「7」が近づいてきたら空気の噴出回数を増やすように制御すれば、遊技者は視覚だけでなく触覚によっても図柄の認識が可能となる。
また、例えば図柄表示部104において「チャンスボタンを連打!」という趣旨のガイダンスがなされる場合には、チャンスボタン117の有効期間中は常に一定のリズムで空気を噴射するようにしても良い。
(実施例2)
また、上記構成のパチンコ機によれば、チャンスボタン117の入力操作に応じて瞬時に遊技者の掌に空気の衝撃を与えることによって、例えば、確実に入力操作がなされたことを遊技者に報知することが可能となる。また、演出の双方向性が強調されることによって遊技の興趣が高まる。
遊技において、副制御基板202によってチャンスボタン117の操作が有効となる演出パターンが選択された場合、例えば、チャンスボタン117の操作を促すガイダンスの表示とともに、図9に示すように所定時間Taだけチャンスボタン117による入力操作が有効となる。
遊技者によってチャンスボタン117の入力操作(押圧)が行われると、入力操作を検出するチャンスボタン検出部220からの入力情報が副制御基板202に送信され、副制御基板202によって入力操作に応じた所定の演出が行われる。そして、このときチャンスボタン検出部220からの入力情報は副制御基板202を介して音声制御基板204にも送信される。
入力情報を受信した音声制御基板204は、所定のプログラムに基づき空気送出部30に対して空気送出制御(スピーカ部34の駆動)を所定時間だけ実行する。図9においては、チャンスボタン117による入力操作の有効期間中に2回の入力操作が行われ、入力操作と略同時に空気送出部30による空気送出制御が行われている。
なお、図9に示すように、チャンスボタン117による入力操作が無効である期間Tbにおいては、チャンスボタン117による入力操作が行われてもチャンスボタン検出部220による入力情報が副制御基板202に受け付けられないため、空気送出部30による空気送出制御は実行されない。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、入力操作部として押圧式のチャンスボタンを示したが、これに限られない。例えば、掌で触れることによって入力操作を行う接触式のチャンスボタンや所定距離以内に掌をかざすことによって入力操作を行う非接触式であっても構わない。
また、例えば、空気送出部30の空気送出孔32aから空気噴出孔12aまでが直線状に連通される例を示したが、これに限られない。例えば、パイプ状部材22を90°曲折して形成することでチャンスボタン117におけるカバー12が前面(遊技者側)を向くように構成しても構わない。これは、設置スペースが限定されている場合等に有効であるが、実施例のように直線状に設けたほうが空気送出時のロスが少ないため、より強く空気を噴出することができる。
また、上述の演出に関する実施例は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。