第1の発明は断熱壁によって内部に貯蔵室が形成された断熱箱体を備えた冷蔵庫本体と、前記冷蔵庫本体に備えられた少なくとも圧縮機を有する冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルをコントロールする制御基板とを有し、前記断熱箱体を形成する断熱壁は外箱と内箱との間に断熱材を充填するものであり、前記外箱は前記断熱箱体の左右両側面と少なくとも下面の一部とを一体で形成した底面部を有し、前記圧縮機は前記冷蔵庫本体の奥側上部に配置され、前記断熱箱体の上面部を形成する上面部材に前記圧縮機の支持台と、前記制御基板を収容する制御基板収容部を一体に形成し、前記制御基板収容部の高さ位置を前記圧縮機よりも低い位置に配置するもので、前記冷凍サイクルに可燃性冷媒を用いるとともに、前記圧縮機外周を覆う圧縮機カバーと、前記圧縮機カバーに設けられ前記圧縮機の排熱を排気する排気口とをさらに有し、制御基板収容部の左右方向から外れた位置に前記排気口を設けたことにより、外箱の下部の剛性が増すため、断熱箱体全体としての剛性も増すことになり、冷蔵庫の転倒に対する安全性を向上させることができる。しかも前記従来の構成に示すように、外箱の材料が鋼板である場合には、一体で形成することによる断熱箱体の剛性の向上は顕著となるとともに、可燃性冷媒を用いた場合の冷蔵庫の安全性を確保することができるという格別の効果を奏するものである。
また、断熱箱体の上面部と圧縮機支持台、制御基板収容部を一体に形成しているため、部品点数を削減し、組立て性を向上させることができる。
また、温かい空気は上昇するため、圧縮機よりも低い位置に制御基板を配置することで、圧縮機の排熱が制御基板を温めることがなく、制御基板の温度上昇を抑制し、冷蔵庫の長期信頼性を向上させることができる。
第2の発明は、上面部材に備えられた圧縮機支持台の下面に、断熱箱体と連続した断熱材を充填したことにより、圧縮機支持台に求められる強度を小さくすることができるため、薄肉化などの軽量化を図ることができ、冷蔵庫上部の重量が低減し、冷蔵庫の転倒に対する安全性を向上させることができる。
第3の発明は、断熱箱体の上面部の前側と奥側とに段差を設け、圧縮機支持台を有する奥側の上下方向の位置を前側よりも低く形成したことにより、冷蔵庫本体の天面高さと機械室高さをあわせることで、冷蔵庫の設置高さを大きくすることなく構成することができる。このとき、冷蔵庫奥側上部は使用者の手の届きにくい位置にあるため、本部の庫内側に圧縮機収納部分が突き出しても使い勝手は悪化しない。
第4の発明は、上面部を樹脂材料にて形成したことにより、冷蔵庫上方の軽量化を実現し、冷蔵庫の転倒に対する安全性を向上させることができる。
第5の発明は、断熱箱体は断熱材よりも比重の大きい真空断熱材を備え、前記真空断熱材を前記断熱箱体の上下方向の中心よりも下部側に多く備えたことにより、冷蔵庫の重心が下方へ移動して、冷蔵庫の転倒に対する安全性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図、図2は同実施の形態の冷蔵庫の断面図、図3は同実施の形態の冷蔵庫の断熱箱体の分解斜視図を示すものである。
図1と図2,図3において、冷蔵庫本体20の断熱箱体21は樹脂にて形成された内箱22と鋼板などの金属磁性体および樹脂にて形成された外箱23との間に断熱材24を充填した断熱壁により、前面開口部21aを有する枡形を構成しており、奥側上部に断熱箱体21の天面と背面の一部を内側に凹ませて構成された凹部21bを有する。また、前面開口部21aにより開放された断熱箱体内部は、仕切壁25,26,27,28により、上部から冷蔵室29、製氷室30、第一の冷凍室31、第2の冷凍室32、野菜室33と複数の貯蔵室を形成している。但し、製氷室30と第1の冷凍室31とは左右並列に配置されている。
また、各貯蔵室には全閉時に前面開口部21aを閉塞し、断熱箱体21と連結され、それぞれ断熱壁を有する冷蔵室ドア29a、製氷室ドア30a、第一の冷凍室ドア31a、第2の冷凍室ドア32a、野菜室ドア33aを備える。更に冷蔵室ドア29aは右側上下端をそれぞれ回転軸を有する上部ヒンジ34と下部ヒンジ35とで断熱箱体21と回動自在に連結されており、その他の貯蔵室は引出し式であり、各貯蔵室に備えられたレール部材36によって前後方向に開閉自在に断熱箱体21と連結されている。
レール部材36は各貯蔵室の引出し容量や引出し長さに応じて、例えば比較的容量の小さい製氷室30と容量の大きい野菜室33とで異なる部材や位置に形成しても良い。
更に、各貯蔵室ドアの断熱箱体21側の面は、全閉時に前面開口部21aとの間に5mm程度の空間37を有し、空間37は各貯蔵室ドアの断熱箱体21の面の上下左右4辺に設けられたマグネットを有するガスケット38の磁力にて前面開口部21aにガスケット38を吸着させることで密着させることができ、各貯蔵室は略密閉にシールされる。
また、断熱箱体21は冷蔵庫本体20を運転時に冷却する冷凍サイクル(図示せず)を有し、この冷凍サイクルは圧縮機50と側部冷媒配管51や前部冷媒配管52などからなる凝縮器と減圧器(図示せず)と蒸発器53とを順に備えて一連の冷媒流路を構成している。
この圧縮機50はピストンがシリンダ内を往復運動することで冷媒の圧縮を行う往復運動型圧縮機であり、圧縮機50および冷凍サイクルの冷媒として炭化水素系冷媒であるたとえばイソブタンを使用している。
また、凝縮器は外箱23の左右両側面の断熱材24側に固着された側部冷媒配管51と、前面開口部21a近傍に配置され外箱23の断熱材24側に固着された前部冷媒配管52とからなる断熱壁内凝縮器が凝縮器全長の80%以上を占めている。
側部冷媒配管51と前部冷媒配管52とは、凝縮器として冷凍サイクルの一部を構成する役割に加えて、冷媒凝縮時の放熱を利用して、それぞれ断熱箱体21の両側面と前面開口部21aやガスケット38の結露防止の役割も有する。
外箱23は、断熱箱体21の前面開口部21aと両側面と底面とを一体に形成する側面部材54と、奥面を形成する奥面部材55と、上面前側を形成する上面前側部材56と、断熱箱体凹部21bを形成する樹脂製の上面奥側部材57とから構成される。
上面奥側部材57は上面と奥面とを開口した箱形状を有し、内箱22の奥側上部に設けられた上凹部22aと対向するよう形成され、上面奥側部材57の前面及び底面と内箱22との間、上面奥側部材57の左右両側面と側面部材54の左右両側面との間に断熱材24を充填している。
また、上面奥側部材57は圧縮機支持部57aと断熱箱体21奥面側のフランジ部57bを有し、フランジ部57bの左右方向中央位置に制御基板収容部57cとを備える。冷凍サイクルの圧縮機50は上面奥側部材57に設けられた圧縮機支持部57aに支持され、断熱箱体凹部21bに収容されている。制御基板収容部57cは、圧縮機50の運転を制御するなど冷蔵庫本体20をの冷凍サイクルの動作を制御し、コントロールする制御基板58を収容する。
また、除霜水処理部60は断熱箱体21の奥側下部に備えられ、奥面部材55の下部を貫通して奥面を開放した箱形状を有する樹脂製のベース61の内部に除霜水処理ユニット62を有する。
野菜室33の奥側下部は内箱22の除霜水処理部60の凸形状と対向する位置に下凹部22bを設け、下凹部22bとベース61との間に断熱材24を充填している。
また、ベース61の左右両側面及び底面と、側面部材54との間にも断熱材24を充填し、それらの断熱壁は野菜室33の両側面及び底面の断熱壁とほぼ同じ厚さを有して、断熱箱体21の断熱壁と連続して一体に形成されている。
なお、断熱材24が発泡断熱材である場合には、断熱箱体21に断熱材24を充填発泡するのと同時に、上面奥側部材57とベース61周辺の断熱材24を充填発泡するように形成するほうが断熱箱体21の剛性は増す。
側部冷媒配管51の少なくとも製氷室30、第一の冷凍室31、第2の冷凍室32と対向する部分には、断熱材24よりも比重が大きく且つ熱伝導率が小さい真空断熱材70が配置され、側面部材54の断熱材24側に側部冷媒配管51を挟んで固着されている。
真空断熱材70は、冷蔵室29の下端面29b( 現実には冷蔵室29と製氷室30および第一の冷凍室31とを区画する仕切壁25の上下方向の中心線25a)より下方における面積または厚みが、上方における面積または厚みより大きくなるよう配置されている。
圧縮機カバー71は上面奥側部材57の開口している上面と奥面を塞ぐ形で構成され、上面奥側部材57に備えられた制御基板収容部57cよりも左右方向外側に排気口71aを有する。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、冷凍サイクルが運転されると圧縮機50の圧縮動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器にて冷蔵庫本体20の周りの空気と熱交換して放熱しながら側面部材54の両側面及び前面開口部21aやガスケット38の結露を防止する。放熱によって凝縮液化した冷媒は減圧器に至って減圧された後、蒸発器において貯蔵室内の空気と熱交換を行い蒸発する。この時、蒸発作用により蒸発器周辺の空気が比較的低温になり、その空気を貯蔵室内に循環させることで各貯蔵室が冷却される。
また、側部冷媒配管51と前部冷媒配管52とは凝縮器として必要な放熱量の大部分を担うために比較的配管長が長くなるが、配管長が長くなると圧縮機50から冷媒と共に冷凍サイクル内に吐出された冷凍機油をいかに冷凍サイクルの配管を経由して圧縮機50に戻すかが、圧縮機50の信頼性にかかわる重要なポイントになる。
しかしながら、冷媒の流速を確保するために圧縮機50の気筒容積を大きくしたり、回転数を上げたりして冷凍能力を増大させようとすると、蒸発器53の蒸発温度低下を招き、圧縮機50の圧縮比が大きくなり消費電力量が増大するので、これらの手段で解決することは困難であった。
そこで、本実施の形態では冷媒として炭化水素系であるイソブタンを使用している。
(表1)にイソブタンと、従来の代替フロンである例えばR134aとの−30℃の飽和液における物性値を示す。
(表1)に示すように、イソブタンの単位体積当たりの冷凍能力が520.8kJであるのに対して、従来の代替フロン冷媒であるR134aの単位体積当たりの冷凍能力は971.6kJとなり、イソブタンはR134aと比較すると単位体積当たりの冷凍能力が約1/2である。よって圧縮機50の冷凍能力をR134aと同等にするために圧縮機50の気筒容積は約2倍程度まで大きくなり、圧縮機50の単位時間当たりのピストン押しのけ量も同様に約2倍程度まで増大する。すなわち、冷媒の単位時間当たりの体積流量が増大するので、圧縮機50運転時の配管内の流速が2倍程度まで増加する。
また、自然冷媒であるCO2の単位体積当たりの冷凍能力は11258.5kJとなり、イソブタンはCO2と比較すると単位体積当たりの冷凍能力が約1/20である。よって圧縮機50の冷凍能力をCO2と同等とするためには、圧縮機50の気筒容積を約20倍に大きくすることで約20倍の配管内の流速を得ることができる。
これにより、本実施の形態のように、従来と比較して配管長が長くなり、圧縮機50から冷媒と共に冷凍サイクル内に吐出された冷凍機油が圧縮機50に戻りにくい場合でも、冷凍サイクル内に滞留した冷凍機油を速やかに圧縮機50へ戻すことが可能となり、圧縮機50内の冷凍機油不足による、圧縮機50損傷などの危険性を低減できる。
一般的に圧縮機支持台7は圧縮機6を長期間支持可能な剛性を得るために外箱3よりも厚い鋼板にて形成されている。本構成では天面部外殻の一部を構成する樹脂製の天面奥側部材57と内箱22の間に断熱材24を充填することにより強度を確保できるため、厚い鋼板製の圧縮機支持台を必要としない。また、制御基板収容スペース57cも一体成形することで別途制御基板盆も必要ない。したがって、部品点数と重量を低減することができるため、組立作業性および、転倒に対する安全性を向上させることができる。
また、外箱23は側面部材54と、奥面部材55と、上面前側部材56と、上面奥側部材57とに分割されることでそれぞれの成型工法を簡素化している。分割することで断熱箱体21の剛性低下が懸念されるが、発明者らの検証では例えば貯蔵室内に食品を収納した際に冷蔵庫本体20は断熱箱体21の底面近傍より歪が生じることを確認しており、本実施の形態にあるように側面部材54が左右両側面と底面とを一体に形成していれば剛性低下は生じにくい。もちろん、上面前側部材56と上面奥側部材57とを一体に形成してもよい。
更に、本実施の形態では側面部材54の底面には切り欠きを設けていないが、どうしても必要な場合には当然ながらなるべく狭い範囲に限定し、かつできるだけ断熱箱体21の奥側に設けるほうがよい。それは側面部材54の前側が上部ヒンジ34と下部ヒンジ35により冷蔵室ドア29aを支えており、断熱箱体21に前方向の応力がかかるため、冷蔵庫本体20がやや前のめりになり断熱箱体21の前面下部に応力集中を起こすためである。
また、除霜水処理部60のベース61の奥側の開放面以外を全て断熱材24で覆ったことにより、従来の冷蔵庫1に備えられていた圧縮機支持台7を廃止した場合でも、断熱箱体21は十分な剛性を確保することができる。
このように、断熱箱体21の下面奥部の剛性を大幅に向上させた上で、断熱箱体21の下面奥部と側壁が一体形成されていることで側壁の剛性も大幅に向上する。
また、圧縮機50を断熱箱体21の上方に配置したことで、蒸発水処理部60を従来より小さく構成できる。従って、断熱箱体21奥側下部の下凹部22bやベース61を小さくすることができるので、断熱箱体21の剛性が増すとともに、引出し式の庫内容量を大きくすることができるため、使い勝手が向上する。
また、温かい空気は上昇するため、圧縮機よりも低い位置に制御基板を配置することで、圧縮機の排熱が制御基板を温めることがなく、制御基板の温度上昇を抑制する。
また、本実施の形態では冷媒として空気より比重が大きく、可燃性であるイソブタンを使用しているが、圧縮機カバー71は制御基板58の直上に排気口71aを持たないために、万が一冷媒が漏洩した場合にも制御基板58の横を通って下へ流れるため、制御基板収容部57cへの侵入を抑制することができ、発火の危険性を低減できる。
なお、本実施の形態では制御基板58を断熱箱体21の左右方向中央に配置し、排気口71aはその両側に形成しているが、制御基板58の位置を片側に寄せることも可能である。それにより、排気口71aは制御基板58に対し左右逆の位置に寄せることができる。したがって、圧縮機50の隣にファンなどの通風機構を配置し、制御基板58側から排気口側へ風を流すことで、さらに制御基板58へ漏洩した冷媒が流れる危険性を低減することができる。さらに、通風機構により圧縮機50の温度上昇を抑制することができ、圧縮機50の長期信頼性を向上させるという効果も得られる。
また、側部冷媒配管51が放熱する際の貯蔵室側への熱侵入は、側部冷媒配管51より貯蔵室側に真空断熱材70を配置したことにより大幅に低減される。
なお、本実施の形態では真空断熱材70を少なくとも製氷室30、第一の冷凍室31、第2の冷凍室32と対向する部分に配置するとしたが、一般的に真空断熱材70は断熱材24よりも比重が大きいので、できるだけ使用量を最小限にするほうが冷蔵庫本体20の重量増加を抑制できる。
一方で重量増加を許容できる場合には、当然ながら真空断熱材70を断熱箱体21の両側面、底面、奥面にも備えることで断熱箱体21の貯蔵室側への熱侵入を抑制できるので、冷蔵庫本体20の消費電力量を低減できる。
断熱箱体21の断熱箱体凹部21bに、冷蔵庫本体20の構成部品の中で重量の重い物である圧縮機50や凝縮器(図示せず)、圧縮機50と側部冷媒配管51や前部冷媒配管52などを接続する各種冷媒配管(図示せず)を収納することで、冷蔵庫本体20は重心位置が高くなり転倒しやすくなるが、冷蔵室29の下端面29bより下方に真空断熱材70の配設する面積または厚みを大きくする、すなわち真空断熱材70を下方に配設する重量を大きくすることにより、冷蔵庫本体20の重心が下方へ移動して転倒防止を可能にする。
この時、真空断熱材70は無機材料を用いており、上部に用いているウレタン等の発泡断熱材と比べて密度が高いものとなる。断熱材24を密度が20〜50kg/m3の発泡断熱材とし、真空断熱材70を200〜250kg/m3とすることで、少なくとも4倍以上の密度となる。
なお、本実施の形態においては、冷蔵室ドア29a以外のドアは引出し式としたが、その他のドアも冷蔵室ドア29aと同様に回転扉式とすることで、庫内収納物が冷蔵庫本体20前方に移動しないため、ドア開閉時の重心位置の変化を抑制し、冷蔵庫本体20の転倒に対する安全性を向上させることができる。
また、圧縮機50を断熱箱体21の奥側に配置することで、前側より奥側の重量を増やし、使用者の方向へ転倒する危険性を低減することができるため、安全性が向上する。
また、凹部21bを設けそこに圧縮機50を収めることで、冷蔵庫本体20の高さを大きくすることなく、従来と同等の貯蔵質の間口高さを確保することができるため、使い勝手を損なうことはない。
このとき、貯蔵室奥側上部は使用者の手の届きにくい位置にあるため、上凹部22aが貯蔵室内側に突き出しても使い勝手は悪化しない。
以上のように、本実施の形態においては、断熱箱体21の左右両側面と少なくとも下面の一部とを一体で形成した底面部を有することにより、外箱の下部の剛性が増すため、断熱箱体全体としての剛性も増し、冷蔵庫本体20の転倒に対する安全性を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、断熱箱体21の上面奥側部材57により圧縮機支持部57aと制御基板収容部57cとを一体に形成しているため、冷蔵庫本体20の部品点数を削減し、組立て性を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、圧縮機50よりも低い位置に制御基板58を配置することで、圧縮機50の排熱が制御基板58を温めることがないため、制御基板58の温度上昇を抑制し、冷蔵庫本体の長期信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、上面奥側部材57を樹脂材料にて形成し、上面奥側部材57前面及び底面と内箱22とのの左右両側面と側面部材54の左右両側面との間に断熱材24を充填したことにより、圧縮機50を支える強度を確保したまま、冷蔵庫本体20上方の軽量化を実現し、転倒に対する安全性を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、仕切壁25の上下方向の中心線25aより下方に真空断熱材70を多く備えたことにより、冷蔵庫本体20の重心が下方へ移動して、転倒に対する安全性を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、冷蔵庫本体20は冷媒として空気より比重が大きく、可燃性であるイソブタンを使用しているが、圧縮機カバー71の排気口71aを制御基板収容スペース57cの左右方向の位置より外側の位置に設けたことにより、万一可燃性冷媒が漏洩しても制御基板収容スペース57cに流れにくくなるため、冷蔵庫本体20の発火の危険性を低減することができる。
また、本実施の形態においては、凹部21bを設けそこに圧縮機50を収めることで、冷蔵庫本体20の高さを大きくすることなく、従来と同等の前面開口部21aの面積を確保することができるため、使い勝手を損なうことはなく構成することができる。
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2における冷蔵庫の断面図、図5は同実施の形態の冷蔵庫の断熱箱体の分解斜視図を示すものである。
なお、本実施の形態において実施の形態1と同一の構成に関しては同一の番号を付し、説明を省略する。
図4および図5において、冷蔵庫本体100の断熱箱体101は樹脂にて形成された内箱102と鋼板などの金属磁性体にて形成された外箱103との間に断熱材104を充填した断熱壁から形成されるものであり、前面開口部101aを有する。
外箱103は、断熱箱体101の前面開口部101aと両側面と底面とを一体に形成する側面部材105と、奥面を形成する奥面部材106と、上面を形成する上面部材107とから構成される。
上面部材107は上向きに開放したコの字形状をしており、上端が側面部材105の上端と一致するように、外箱103の左右両側面の間に設置される。
上面部材107の底面は、最奥に圧縮機支持部107aと、最前に制御基板収容部107bと、圧縮機支持部107aと制御基板収容部107bとの間に、少なくとも圧縮機50の溶接位置より高い高さを持った仕切壁107cとを備える樹脂部品である。
上面部材107の内側は、機械室108であり、圧縮機支持部107a上に圧縮機50を、制御基板収容部107b上に制御基板58を、仕切壁107cより圧縮機50側に凝縮機109を有する。
仕切壁107cはファン110を備え、ファン110は上面部材107内部の空気を前方から後方へ流す。
冷蔵庫本体100は、使用者が温度設定などを行うことのできる操作部111を備え、操作部111は、上面部材107の前面に設けられた凹部107d内に配置され、制御基板58と接続されている。
上面部材107は、前面凹部107cの左右方向外側に吸気口107eと、奥面に排気口107fとを有する。
上面部材107は、鋼板などの金属磁性体で形成された前面部材112を介して内箱102と接合している。これにより、前面開口部101aは前周に亘りガスケット38を吸着させ、各ドアと密着させることができ、各貯蔵室は略密閉にシールされる。
なお、本実施の形態では上面部材107に樹脂部品を使用したが、鋼板などの金属磁性体を用いる場合は、前面部材112と一体に形成することが可能であり、部品点数を削減し、組立て性を向上させることができる。
また、冷蔵庫本体100は機械室カバー113を有する。機械室カバー113は、機械室108の上面を塞ぐ板状部材であり、必要に応じて通気口113aを有する。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
制御基板58を冷蔵庫本体100の前側上方に配置することで、制御基板58の交換などの作業を冷蔵庫本体100の前面にいながらできるため、サービス性が向上する。さらに、操作部111とも直接接続することができるため、部品点数を削減し、組立て作業性を向上することができる。
なお、本実施の形態では、操作部111は上面部材107の前面凹部107d内に配置したが、冷蔵室ドア29aや冷蔵室29を構成する各断熱壁内面に設置することも可能である。操作部110は、使用者の使い勝手を考慮して断熱壁25の中心線25aより高い位置で、かつ、冷蔵庫本体100の前面または、前面開口部101aにできるだけ近い断熱箱体に設置することが望ましく、いずれの場合にも、断熱箱体101の前側上部に配置された制御基板58からの距離が小さくなるため、構成の簡素化が見込まれる。
また、圧縮機50を最奥部に、制御基板58を最前部に配置することで、圧縮機50と制御基板58との距離を大きくとることができ、制御基板58が受ける圧縮機50の排熱の影響を小さくできるため、温度上昇を抑制し長期信頼性を向上させることができる。
また、機械室108が断熱箱体101上部全面に亘るため、側部冷媒配管51および前部冷媒配管52など機械室108に出入りする部品は、断熱箱体101のどの位置に配置されていても、真上に伸ばすことで機械室108に届くことができるため、部品形状の簡素化が可能であり、組立作業性を向上できる。
なお、本実施の形態では、断熱箱体101の上面部材107により機械室108の底面および前面、背面を一体で形成しているが、板状の上面部材107上に、箱状の機械室ユニット120を載せて構成することも可能である。機械室ユニット120は上面を開放した箱型形状を有する機械室ケース121内に、機械室108と同様にして圧縮機50と制御基板58、凝縮機109、ファン110を有する。機械室ユニット120は事前に組み立てることが可能であり、断熱箱体101に直接行う組立作業を削減することができるため、組立て性が向上する。
このとき断熱箱体101に側部冷媒配管51や前部冷媒配管52とは異なる結露防止装置を備えることで、冷却システムを構成する凝縮機を凝縮機109のみとすることができるため、断熱箱体101と機械室ユニット120間の溶接作業を削減することができ、さらに組立て性が向上する。
また、上面部材107が断熱箱体101上部全面に亘るため、実施の形態1における上部前側部材56に比べ、前面部材112を小さくすることができる。一般的に前面部材112は外観を重視するため塗装加工などを行い、奥面部材106などの日常見えない部品に比べ材料費が高くなる。したがって、前面部材112の面積を小さくすることは、安価な冷蔵庫を提供するのに、効果的であるといえる。
また、本実施の形態では冷媒として空気より比重が大きく、可燃性であるイソブタンを使用しているが、圧縮機50の溶接箇所より高い位置まで仕切壁107cを有するため、万が一冷媒が漏洩した場合にも制御基板収容部107bへの侵入を防ぎ、冷蔵庫本体100の発火の危険性を低減することができる。
さらに、仕切壁107cにファン110を配置し、制御基板収容部107bから圧縮機支持部107aへ風を流すことで、漏洩した可燃性冷媒の制御基板収容部107bへの侵入および発火の危険性はより低いものとなる。また、ファン110により圧縮機50の温度上昇を抑制することができ、圧縮機50の長期信頼性を向上させるという効果も得られる。
以上のように、本実施の形態においては、制御基板58を圧縮機50の前方に配置することで、サービス性と組立作業性を向上させる。
また、本実施の形態においては、機械室108を断熱箱体101上部全面に配置したことで、機械室108に出入りする部品形状を簡素化することができ、組立て性を向上できる。