(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図である。図2は、本実施の形態の冷蔵庫の断面図である。図2は、冷蔵庫を右側方から見た断面図である。図3は、本実施の形態の冷蔵庫の断熱箱体の分解斜視図である。図4は、本実施の形態の冷蔵庫の底面図である。なお、図2において左側が冷蔵庫の正面である。図4において、下側が冷蔵庫の正面である。
冷蔵庫本体20の断熱箱体21は、内箱22と、外箱23と、断熱材24とから構成される。内箱22は、樹脂で形成される。外箱23は、鋼板などの金属磁性体で、かつ、熱伝導性の良い材料で形成される。断熱材24は、内箱22と外箱23との間に充填される。内箱22と、外箱23と、それらの間に充填された断熱材24とにより、断熱壁が形成される。つまり、内箱22や外箱23などを構成する壁面で挟まれた断熱材24が、断熱壁として作用する。断熱箱体21は、前面に、前面開口部21aを有する。断熱箱体21の内部は、仕切壁25、26、27、28により仕切られる。これにより、断熱箱体21には、複数の貯蔵室が形成される。複数の貯蔵室は、上から、冷蔵室29、製氷室30、第1の冷凍室31、第2の冷凍室32、野菜室33である。なお、図1に示すように、製氷室30と第1の冷凍室31とは横に並んで形成される。
各貯蔵室は、各々、ドアを備える。具体的には、各々のドアは、冷蔵室ドア29a、製氷室ドア30a、第1の冷凍室ドア31a、第2の冷凍室ドア32a、野菜室ドア33aである。各々のドアは、断熱壁を有する。各々のドアが閉じられることにより、前面開口部21aが閉じられる。つまり、各貯蔵室は、各ドアによって開閉される。冷蔵室ドア29aは、右上端に上部ヒンジ34、右下端に下部ヒンジ35を備える。上部ヒンジ34および下部ヒンジ35は、各々、回転軸を有する。これにより、冷蔵室ドア29aは、断熱箱体21に対して、回動して開閉する。他のドアに対応する貯蔵室は引き出し式である。つまり、各貯蔵室に備えられたレール部材36によって、各ドアは、断熱箱体21に対して、前後方向に開閉する。
レール部材36は、各貯蔵室の引出し容量や、引出し長さに応じて構成される。例えば、容量の小さい製氷室30と、容量の大きい野菜室33とでは、異なる部材や、異なる位置で構成される。
各ドアを閉じた場合、各ドアの断熱箱体21側の面と、前面開口部21aとの間には、5mm程度の空間37が形成される。各ドアの断熱箱体21側の面の周囲には、ガスケット38が設けられる。なお、図1においては、冷蔵室ドア29aに設けたガスケット38を図示したが、他の貯蔵室のドアにも同様にガスケット38が設けられる。ガスケット38はマグネットを有する。マグネットの磁力により、前面開口部21aの周囲である、外箱23を構成する鋼板に、ガスケット38が密着する。これにより、各貯蔵室は密閉される。
断熱箱体21には、冷蔵庫本体20を冷却するための冷凍サイクルが設けられる。冷凍サイクルは、圧縮機50と、側部冷媒配管52や前部冷媒配管53などからなる凝縮器と、減圧器(図示せず)と、蒸発器51とを順に連通させて構成される。この様にして、一連の冷媒流路が構成される。
また、冷凍サイクルの運転により、蒸発器51には霜が発生する。霜を融かして水にする事を除霜と言う。霜を融かして発生した水を除霜水と言う。よって冷凍サイクルに必要となる冷凍サイクル関連機器として、冷蔵庫本体20は、除霜水を蒸発させるための除霜水処理部100を有する。
これらの冷凍サイクルの各機器を含む冷凍サイクル関連機器の中で、外気に曝される外部機器は、圧縮機50および除霜水処理部100である。外気に曝される外部機器である圧縮機50には、往復運動型圧縮機が用いられる。往復運動型圧縮機は、ピストンがシリンダの内部を往復運動することにより、冷媒の圧縮を行う。冷媒としては、例えばイソブタンが用いられる。イソブタンは、炭化水素系の冷媒である。イソブタンは、一般的に、代替フロンとして家庭用冷蔵庫の冷媒として用いられる。イソブタンは、可燃性であり、また、空気より比重が大きい。
外気に曝される外部機器である除霜水処理部100は、断熱箱体21の奥側下部に設けられる。具体的には、背面部材61の下部に、孔61aが形成される。孔61aには、樹脂製の収納部101が装着される。収納部101は、背面側が開放されており、内部に圧縮機50と除霜水処理ユニット102とが設けられる。収納部101、圧縮機50、除霜水処理ユニット102により、除霜水処理部100が構成される。
図4に示すように、凝縮器としての側部冷媒配管52は、外箱23の左右の両側面の内側、つまり断熱材24の側に固着される。凝縮器としての前部冷媒配管53は、外箱23の前面開口部21a近傍で、かつ、断熱材24の側に固着される。つまり、側部冷媒配管52および前部冷媒配管53は、断熱壁の内側に位置する。側部冷媒配管52および前部冷媒配管53は、凝縮器の全長の80%以上を占める。
ここで、前部冷媒配管53が外箱23に配設される位置について説明する。前部冷媒配管53は、図3に示すように、断熱箱体21の上側を開放端とした1本の配管により形成される。前部冷媒配管53は、仕切壁25より上方、つまり、冷蔵室29の側方においては、前面開口部21aから奥側に90mmの位置に、側部冷媒配管52と同様に配設される。つまり、前部冷媒配管53は、外箱23の断熱材24側に固着される。
一方、前部冷媒配管53は、仕切壁25より下方においては、より前面側に配設される。図5は、図1の5−5線における断面図である。つまり、図5は、断熱箱体21の仕切壁25より下方の前面左側を水平に切断した断面図である。図5において、下側が冷蔵庫本体20の正面側である。前部冷媒配管53は、仕切壁25より下方においては、外箱23の前面フランジ23aに沿って配設される。外箱23の前面フランジ23aは、貯蔵室の前面である外フランジ23bと、外フランジ23bの背面側に形成される内フランジ23cとから構成される。従って、前部冷媒配管53の下部は、内フランジ23cと前面フランジ23aとにより形成される角部であって、断熱材24が充填される側に配設される。
上述の通り、側部冷媒配管52および前部冷媒配管53は、凝縮器として冷凍サイクルの一部を構成する。側部冷媒配管52および前部冷媒配管53は、冷媒が凝縮するときの凝縮熱を放熱する。この放熱により、断熱箱体21の左右の側面と前面開口部21aの近傍、およびガスケット38の結露が防止される。つまり、側部冷媒配管52および前部冷媒配管53は、発熱体として作用する。
図3および図4に示すように、外箱23は、主部材60と上面部材62と背面部材61とから構成される。主部材60は、底面部60aと左右の側面部60bとの一体化により形成される。上面部材62は、外箱23の上面を形成する。背面部材61は、外箱23の奥、つまり、冷蔵庫本体20の背面を形成する。
側部冷媒配管52の、少なくとも製氷室30、第1の冷凍室31、第2の冷凍室32と対向する部分には、真空断熱材70が設けられる。真空断熱材70は、主部材60の断熱材24の側に、側部冷媒配管52を挟んで固着される。真空断熱材70の熱伝導率は、断熱材24の熱伝導率よりも小さい。
断熱箱体21は、底面に、支持脚として、2つの前側支持脚80および、2つの奥側支持脚90を備える。前側支持脚80は、冷蔵庫本体20の前側の左右のコーナに設けられる。奥側支持脚90は、冷蔵庫本体20の奥側の左右のコーナに設けられる。
具体的には、前側支持脚80は、主部材60の底面であって、両側面より内側に固着される。前側支持脚80の前側先端部81は、野菜室ドア33aの前面とほぼ同じ位置にまで、前面開口部21aより突出して設けられる。前側先端部81によって、冷蔵庫本体20が支持される。
脚奥側支持脚90は、主部材60の底面であって、断熱箱体21の奥側の左右のコーナの面取り領域21cに設けられる。面取り領域21cとは、断熱箱体21の奥側の左右のコーナに設けられた面取り部21bの面と、冷蔵庫本体20の側面の延長面と、冷蔵庫本体20の背面の延長面とで囲まれた領域である。奥側支持脚90の奥側先端部91は、断熱箱体21の最も奥の近傍まで突出して設けられる。奥側先端部91によって、冷蔵庫本体20が支持される。
前側支持脚80および奥側支持脚90としては、例えば、アジャスターやキャスターが用いられる。アジャスターは、高さ調節機能を備えた脚である。アジャスターにより、接地面に対する冷蔵庫本体20の姿勢が調節される。キャスターは、ローラーなどを備えた脚である。キャスターにより、冷蔵庫本体20の移動が容易となる。
野菜室33の奥側下部、つまり、内箱22の奥側下部には、下凹部22bが形成される。下凹部22bは、外気に曝される外部機器である除霜水処理部100を収納する収納部101の形状に対応して形成される。下凹部22bと収納部101との間には、断熱材24が充填される。また、収納部101の左右の両側面および底面と、主部材60との間にも断熱材24が充填される。この様にして、収納部101の周囲の断熱壁が形成される。収納部101の周囲の断熱壁は、野菜室33の左右の両側面および底面の断熱壁と、同じの厚さを有する。
この同じの厚さとは、ほぼ同じ厚さの場合を含む。具体的には、収納部101の最も前面側の底面の断熱壁の厚さは、野菜室33の最も奥側の底面の断熱壁の厚さの±10%、すなわち90%〜110%の厚さである。
また、収納部101の周囲には、底面の断熱壁以外に、側面の断熱壁が形成される。側面の断熱壁は、断熱箱体21の左右面を構成する左右の断熱壁と、収納部101と野菜室33との間に形成される断熱壁からなる。収納部101の側面の断熱壁の厚さは、収納部101の底面の断熱壁の厚さの±10%、すなわち90%〜110%の厚さであることが最も望ましい。しかしながら、設計上の制約等により、収納部101の側面の断熱壁の厚さは、収納部101の底面の断熱壁の厚さの±15%、すなわち85%〜115%の厚さであってもよい。この場合であっても、底面部の近傍の剛性は偏らず、剛性の高い断熱箱体21が形成される。収納部101の下部の断熱壁は、野菜室33の底面の断熱壁と略水平(水平を含む)であり、断熱箱体21の断熱壁と連続して一体的に形成される。
断熱箱体21の最下部の貯蔵室である野菜室33の奥側下部に備えられた収納部101は、野菜室33の底面の断熱壁60aから延出した延出部101aを備える。野菜室33の底面の断熱壁60aと延出部101aとは一体的に形成される。また、収納部101の背面側は、カバー101bにより覆われる。カバー101bには、冷蔵庫の周囲の空気である外気と連通する開口が形成される。この開口により、収納部101には、外気との空気の出入がある。つまり、収納部101の内部は外気に曝される。
断熱材24として発泡断熱材を用いる場合は、内箱22と外箱23との間に断熱材24を充填する。この充填と同時に、収納部101の周囲に断熱材24を充填することにより、断熱箱体21の剛性がさらに増す。
以上のように構成された冷蔵庫について、動作、作用を説明する。
圧縮機50が動作することにより、冷媒が圧縮される。圧縮された冷媒は、高温かつ高圧となり、圧縮機50から吐出される。吐出された冷媒は、凝縮器において、冷蔵庫本体20の周りの空気と熱交換することにより放熱する。この放熱により、主部材60の左右の側面部60b、前面開口部21aの近傍、およびガスケット38の結露が防止される。放熱によって冷媒は凝縮し、凝縮液となる。凝縮液となった冷媒は、減圧器において減圧される。減圧された冷媒は、蒸発器において、貯蔵室の内部の空気と熱交換することにより蒸発する。この蒸発により、蒸発器の周辺の空気が低温となる。この低温となった空気を貯蔵室の内部に循環させることにより、貯蔵室が冷却される。凝縮器として必要な放熱量の大部分は、側部冷媒配管52および前部冷媒配管53が担う。
本実施の形態においては、冷媒としてイソブタンを用いる。イソブタンは、炭化水素系の冷媒である。
表1に、イソブタン、R134a、CO2の−30℃の飽和液における物性値を示す。R134aは、従来の代替フロンである。CO2は自然冷媒である。
表1に示すように、イソブタンの単位体積当たりの冷凍能力は520.8kJである。これに対して、R134aの単位体積当たりの冷凍能力は971.6kJである。つまり、イソブタンの単位体積当たりの冷凍能力は、R134aと比較すると、約1/2である。従って、イソブタンによる冷凍能力をR134aと同等にするために、圧縮機50は、約2倍の気筒容積を有するように構成される。
CO2の単位体積当たりの冷凍能力は11258.5kJである。つまり、イソブタンの単位体積当たりの冷凍能力は、CO2と比較すると、約1/20である。従って、イソブタンによる冷凍能力をCO2と同等にするために、圧縮機50は、約20倍の気筒容積を有するように構成される。
一般的に、気筒容積が大きい圧縮機は、圧縮機の内部のアンバランス量が大きい。このため、気筒容積が大きい圧縮機50は、振動が増加する傾向がある。本実施の形態においては、断熱箱体21の下部の剛性が向上することにより、断熱箱体21の剛性が向上するこのため、気筒容積が大きい圧縮機50を搭載した場合であっても、圧縮機50の振動による冷蔵庫の振動が抑制される。
さらに、下凹部22bと、収納部101と、これらの間に充填された断熱材24とにより、機械室104が形成される。圧縮機50は機械室104に配設される。断熱材24が充填されることにより、機械室104の剛性は高い。従って、気筒容積が大きい圧縮機50を搭載した場合であっても、圧縮機50の振動が冷蔵庫に伝達することが低減される。つまり、気筒容積の大きい圧縮機50を搭載することが可能である。
前述のとおり、側部冷媒配管52よりも貯蔵室の側には、真空断熱材70が設けられる。これにより、側部冷媒配管52から放熱された熱が貯蔵室へ侵入することが低減される。
なお、本実施の形態においては、真空断熱材70は、少なくとも製氷室30、第1の冷凍室31、第2の冷凍室32と対向する場所に設けられる。一般的に、真空断熱材70は、断熱材24よりも比重が大きい。従って、真空断熱材70の使用量を低減することにより、冷蔵庫本体20の重量は小さくなる。
一方、冷蔵庫本体20の重量が大きくなっても良い場合は、真空断熱材70は、多くの場所に設けられる。具体的には、真空断熱材70は、断熱箱体21の両側面、底面、背面に設けられる。これにより、貯蔵室への熱の侵入が、さらに低減する。熱の侵入が低減することにより、冷蔵庫本体20の消費電力量が低減する。加えて、真空断熱材70は、ウレタンによって作られた断熱材と比べて剛性が高い。このため、真空断熱材70は、断熱箱体21の剛性を向上させる効果を有する。
外箱23は、主部材60と背面部材61と上面部材62とから構成される。この様に分割して作製することにより、各々の成型加工が簡素化される。一方、分割して作製することにより、断熱箱体21としての剛性の低下が懸念される。しかしながら、貯蔵室に食品を収納した場合、冷蔵庫本体20は、断熱箱体21の底面近傍から歪が生じることを、発明者らは確認した。
断熱箱体21が歪む原因としては、回転式である冷蔵室ドア29aの開閉によって、断熱箱体21の上部前面側に最も大きな力が掛かることであると推測される。冷蔵室29は、断熱箱体21の最上部に備えられる貯蔵室であるため、この力の影響は大きい。
冷蔵室ドア29aは、冷蔵庫のドアの中で最も重量が大きい。冷蔵室ドア29aは、ドアポケットを有するため、飲料ビンなど重量の大きい物が収納される。このため、冷蔵室ドア29aが開いたとき、冷蔵室ドア29aを支える上部ヒンジ34および下部ヒンジ35に大きな荷重が掛かる。
断熱箱体21において、上記のような大きな荷重が掛かる冷蔵室ドア29aの対角線上に、機械室104を形成する下凹部22bが位置する。本実施の形態のように、下凹部22b近傍の剛性を向上させることにより、冷蔵室ドア29aが開いた場合の、冷蔵庫全体の撓みが抑制される。
本実施の形態においては、冷凍サイクル関連機器の中で外気に曝される外部機器を収納する収納部101は、断熱箱体21の最下部の貯蔵室である野菜室33の奥側下部に配置される。また、断熱箱体21は、野菜室33の底面部と収納部101の底面部とが一体化により形成された断熱壁を有する。この構成により、断熱箱体21の底面近傍の剛性が高くなる。
また、主部材60が底面部60aと左右の側面部60bとの一体化により形成されることにより、断熱箱体21の側壁の剛性が高くなる。このため、冷蔵室ドア29aの大きな荷重に対しても、長期間、断熱箱体21の変形が抑制される。さらに、断熱箱体21の底面近傍の剛性が高くなることにより、断熱箱体21の歪みが防止される。
本実施の形態においては、主部材60は、底面部60aに切り欠きを有しない。しかしながら、切り欠きが必要な場合は、なるべく狭い範囲で、かつ、できる限り断熱箱体21の奥側に切り欠きを設けることが望ましい。主部材60の前側は、上部ヒンジ34と下部ヒンジ35とを介して、冷蔵室ドア29aを支える。冷蔵室ドア29aの開閉により、冷蔵庫本体20に、前方向への応力が掛かる。これにより、冷蔵庫本体20が、やや前のめりになる。つまり、断熱箱体21の前面下部、特に前側支持脚80の固着部の近傍に応力が集中する。従って、主部材60に切り欠きを設ける場合は、できる限り断熱箱体21の奥側に切り欠きを設ける。
近年、冷蔵室ドア29aには、ドアポケットと呼ばれる、飲料ビンなどを収納する食品貯蔵部が設けられることが多い。つまり、使用時において、冷蔵室ドア29aの総重量が増加することが多い。このため、冷蔵室ドア29aの開閉による応力の集中に対して、さらに注意が必要である。
ここで、冷蔵室29の周辺の断熱箱体21が変形した場合、例えば、外箱23と冷蔵室ドア29aとの係合部の周辺において、隙間が発生する。具体的には、外箱23と断熱材24との間、もしくは、外箱23と内箱22との間に隙間が発生する。この場合、隙間に冷気が入り、外箱23と冷蔵室ドア29aとの係合部の周辺で結露が発生する可能性がある。しかしながら、本実施の形態においては、断熱箱体21の剛性が高いため、変形が抑制される。このため、上記のような結露の発生が抑制される。
冷蔵庫本体20の前側への転倒防止に対する信頼性は、前側支持脚80の前側先端部81の前後方向の位置により、決定される。この転倒防止に対する信頼性は、前側先端部81が前面開口部21aより突出されるほど、向上する。ここで、前側先端部81が前面開口部21aより突出して配設された場合、てこの原理により、前側支持脚80の固着部に、応力が集中する。従って、前面開口部21aを基準面とした場合、前側支持脚80の固着部の奥側への突出量は、前側先端部81の前方への突出量と比較して、同等もしくはそれ以上であることが望ましい。一方で、本実施の形態に示すように、前側先端部81は、野菜室ドア33aの前面より前方に出ないことが、美観の上で望ましい。
同様に、奥側支持脚90は、断熱箱体21に対して、できる限り奥側に配設されることが望ましい。これにより、冷蔵庫本体20の奥側への転倒が防止される。一方で、奥側支持脚90が断熱箱体21の背面より後方へ突出して配設された場合、冷蔵庫本体20の設置に必要な奥行き寸法が大きくなる。
蒸発器51の除霜水処理について説明する。冷凍サイクルの運転が停止されると、蒸発器51に付着した霜は融ける。霜が融けた除霜水は、除霜水処理ユニット102に流れ込む。除霜水処理ユニット102は、熱源からの熱や送風機からの風を利用することにより、除霜水を蒸発させる。蒸発した除霜水は、除霜水処理部100の奥側から排気される。これにより、除霜水は、除霜水処理ユニット102から溢れない。除霜水処理ユニット102は、圧縮機50の横に設けられる。従って、除霜水を蒸発させるための熱源として、圧縮機50からの放熱が利用される。
除霜水処理のタイミングは、冷凍サイクルの連続運転時間、外気温、湿度などの条件により定期的に設定される。前回の除霜水処理と次回の除霜水処理との間隔が短い場合、蒸発器51に付着する霜の量は少ない。このため、除霜水を蒸発させるための処理時間は、短く設定される。逆に、この間隔が長い場合は、蒸発器51に付着する霜の量は多い。このため、除霜水を蒸発させるための処理時間は、長く設定される。この様に設定することにより、除霜水は除霜水処理ユニット102から溢れない。
従来の冷蔵庫は、圧縮機を支持する圧縮機支持台を備える。圧縮機支持台は、長期間、圧縮機を支持する。圧縮機支持台は、充分な剛性を得るために、外箱よりも厚い鋼板を用いて形成される。このため、従来の冷蔵庫は重量が大きい。
本実施の形態の除霜水処理部100は、収納部101の開放面以外は、全て断熱材24により覆われる。この構成により、収納部101が樹脂製であっても、充分な剛性を得ることができる。従って、従来の冷蔵庫の様な圧縮機支持台を用いない場合であっても、充分な剛性を得ることができる。つまり、樹脂製の収納部101が、従来の圧縮機支持台を代替するため、冷蔵庫本体20の重量が軽減される。
以上のように、断熱箱体21の下面奥部の剛性が大幅に向上する。この上で、断熱箱体21の下面奥部と側壁とが一体的に形成されるため、側壁の剛性が大幅に向上する。
除霜水処理部100の外郭である収納部101の周囲の断熱壁は、断熱箱体21の断熱壁の一部である、野菜室33の左右の両側面および底面の断熱壁と、ほぼ同じ厚さを有する。収納部101の下部の断熱壁は、野菜室33の底面の断熱壁と略水平(水平を含む)である。また、収納部101の周囲の断熱壁は、断熱箱体21の断熱壁と連続して一体的に形成される。これにより、各貯蔵室に収納した食品の荷重による応力が、断熱箱体21に底面部60aに掛かった場合であっても、屈曲点が、底面部60aに発生することが抑制される。従って、断熱箱体21は歪み難く、長期間の使用に対する耐久性が向上する。
以上のように、主部材60が底面部60aと左右の側面部60bとの一体化により形成されることにより、断熱箱体21が構成される。従って、外箱23の下部の剛性が増すことにより、断熱箱体21の剛性が増す。
除霜水処理部100は、下部に、断熱箱体21の底面部60aと連続した断熱壁を有する。つまり、断熱箱体21は、底面部60aに切り欠きを有しない。これにより、断熱箱体21の剛性がさらに増す。
除霜水処理部100の左右の側部は、断熱箱体21の左右の側面部60bと連続した断熱壁を有する。つまり、除霜水処理部100と断熱箱体21とが、断熱材24を介して連結される。これにより、断熱箱体21の剛性がさらに増す。
断熱箱体21の底面部60aの断熱壁と、除霜水処理部100の下部の断熱壁とが略水平(水平を含む)に、かつ、ほぼ同じ厚さを有する。これにより、断熱箱体21の底面部60aに屈曲点が発生し難い。このため、断熱箱体21の剛性および耐久性が増す。さらに、この構成においては、断熱材24が均一に充填される。つまり、前面開口部21aを下に向けて、断熱材24を断熱箱体21の背面から注入して発泡させることにより充填を行う場合、発泡の流れが阻害されない。これにより、断熱材24は均一に発泡し、断熱性能が向上する。
断熱箱体21の奥側の左右のコーナに、面取り領域が設けられる。冷蔵庫本体20の奥側支持脚90は、面取り領域からはみ出ない位置に設けられる。これにより、冷蔵庫本体20の奥行き寸法を増加させることなく、断熱箱体21の奥側に奥側支持脚90を備えることができる。この構成により、冷蔵庫本体20の設置性を確保しつつ、冷蔵庫本体20が後方に転倒することが抑制される。
前部冷媒配管53の上側が開放されるため、冷蔵庫本体20の上面を通る冷媒配管を配設する必要が無い。このため、貯蔵室への熱の侵入が低減される。一般的に、前面開口部21aの上部においては、冷気が下方へ流れる。このため、前面開口部21aの上部においては、結露は発生し難い。特に、本実施の形態においては、最上部に位置する貯蔵室は冷蔵室29である。つまり、貯蔵室の内部の温度と、外気の温度との差が小さい。このため、結露が発生し難い傾向は顕著である。従って、結露が発生し難いため、冷媒配管が無い部位における断熱箱体21の断熱壁を厚くする必要が無い。つまり、貯蔵室の容量を大きくすることができる。
一方、前面開口部21aの下部は、設置面との距離が近い。このため、空気の対流が発生し難い。この結果、前面開口部21aの下部においては、結露が発生し易い。本実施の形態においては、側部冷媒配管52および前部冷媒配管53が断熱箱体21の底面を通る。このため、前面開口部21aの下部における、結露の発生が防止される。
なお、電子制御式の冷蔵庫の場合、上面部材62に制御基板を配設することにより、制御基板からの発熱を利用することができる。これにより、さらに確実に結露が防止される。
また、前面開口部21aの冷蔵室29の両側部は、結露の発生が顕著ではない。従って、冷蔵室29の両側部においては、前部冷媒配管53は、前面フランジ23aから離して配設される。具体的には、主部材60の断熱材24の側であって、前面から奥側へ90mmの位置に、前部冷媒配管53が配設される。前部冷媒配管53は、上部が下部よりも断熱箱体21の前面から遠い。このため、貯蔵室への熱の侵入が抑制されつつ、前面開口部21aの結露が防止される。外箱23を厚さ0.5mmの鋼板で作成した場合、前面開口部21aから奥側へ100mmの位置に設置した前部冷媒配管53から、前面開口部21aの結露の防止に充分な熱が伝わることを、発明者らは確認した。従って、本実施の形態においては、冷媒配管は、前面開口部21aから奥側へ100mm以内の位置である、90mmの位置に設置される。
なお、側部冷媒配管52が、前面開口部21aから奥側に100mmの位置に配設された場合は、前部冷媒配管53の上部を廃止することができる。つまり、冷媒配管の全長がさらに短くなる。
冷蔵室29の両側部における結露が発生し難い場合は、前部冷媒配管53の上部を廃止することができる。冷蔵室29の上面は、底面部60aと対向する。この上面以外の箇所に、一体で形成された発熱体を備えることにより、エネルギー消費量を削減することができる。この場合、仕切壁25において折り返された前部冷媒配管53を、側部冷媒配管52と一本で形成することにより、エネルギー消費量がさらに削減される。
上記の場合、側部冷媒配管52および前部冷媒配管53が短くなるため、放熱量が減少する。断熱箱体21の外側に凝縮器を配設することにより、減少した放熱量を補うことができる。断熱箱体21の外側に凝縮器を配設することにより、貯蔵室への熱の侵入を増加させること無く、必要な放熱量を確保することができる。
なお、前部冷媒配管53の上部を廃止する構成としては、前部冷媒配管53を、内箱22の前面開口部21aの周縁に備える構成がある。しかしながら、この構成では、貯蔵室と冷媒配管との距離が極めて近い。つまり、貯蔵室への熱の侵入が増加する。
前部冷媒配管53は、前面フランジ23aの内フランジ23cの断熱材24の側に配設される。これにより、前部冷媒配管53が前面フランジ23aに接触するため、結露が防止される。この構成においては、冷媒配管から貯蔵室までの距離が遠いため、貯蔵室への熱の侵入が低減される。
前部冷媒配管53は、前面フランジ23aに接触されながら配設された後に、前面開口部21aから離れて配設される。つまり、前部冷媒配管53は、経路の途中で、前面フランジ23aから離れる。上記の構成においては、前部冷媒配管53が前面フランジ23aから離れるに際し、内フランジ23cに切り欠きを設ける必要が無い。切り欠きが無いため、断熱材24を発泡させて充填する際に、断熱材24が漏れる可能性が低減される。また、前部冷媒配管53が切り欠きに接触することによる、前部冷媒配管53の損傷が防止される。
前部冷媒配管53は、上側が開放端として形成される。主部材60は、断熱箱体21の上側を開放端として、底面部60aと左右の側面部60bとが一体で形成される。前部冷媒配管53と主部材60とが、共に上側が開放端として形成されることにより、冷蔵庫本体20の組み立てが容易となる。
以上のように、本実施の形態においては、前部冷媒配管53は、外箱23の側面部60bの少なくとも一部と、底面部60aとに一体で形成される。これにより、前面開口部21aの上部に発熱体を設ける必要が無い。さらに、貯蔵室への熱の侵入が低減されるため、消費電力量が低減される。また、発熱体として冷媒配管を利用することにより、ヒータなどの発熱体を設ける必要が無い。つまり、ヒータへの電力供給が不要であり、さらに消費電力量が低減される。
断熱箱体21において、最も上に位置する貯蔵室は、冷蔵室29である。冷蔵室29の冷却温度は、冷蔵温度帯である。従って、断熱箱体21の上面に発熱体を設けない場合であっても、結露は防止される。つまり、消費電力量が低減される。
前部冷媒配管53は、前面フランジ23aの内フランジ23cの断熱材24の側に配設される。前部冷媒配管53が前面フランジ23aに接触することにより、結露が防止されると共に、冷媒配管から貯蔵室までの距離が遠くなる。これにより、貯蔵室への熱の侵入が低減される。つまり、結露が防止され、かつ、消費電力量が低減される。
前部冷媒配管53の上部は、前面開口部21aから奥側に、100mm以内の位置である90mmの位置に配設される。これにより、前面フランジ23aに接触する前部冷媒配管53の長さが短くなる。一方、前面フランジ23aに接触する前部冷媒配管53からは、貯蔵室への熱の侵入が大きい。従って、貯蔵室への熱の侵入が低減され、消費電力量が低減される。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の断面図である。図6は、冷蔵庫を右側方から見た断面図である。図7は、本実施の形態の冷蔵庫の断熱箱体の分解斜視図である。本実施の形態において、実施の形態1と同じ構成に関しては、同じ符号を用いる。
図6および図7に示すように、冷蔵庫本体200の断熱箱体201は、樹脂製の内箱202と、金属磁性体製の外箱203と、それらの間に充填された断熱材24とから構成される。内箱202と、外箱203と、断熱材24とにより、断熱壁が形成される。断熱箱体201は、前面に、前面開口部201aを有する。断熱箱体201は、奥側上部に、断熱箱体凹部である天面収納部201bを有する。
外箱203は、主部材260と上面前側部材262と上面奥側部材213と背面部材261とから構成される。主部材260は、底面部260aと左右の側面部260bとの一体化により形成される。上面前側部材262は、外箱203の上面の前側を形成する。上面奥側部材213は、樹脂製であり、断熱箱体凹部である天面収納部201bを形成する。背面部材261は、外箱203の奥、つまり、冷蔵庫本体200の背面を形成する。
冷凍サイクルを構成する圧縮機220は、上面奥側部材213に支持される。つまり、圧縮機220は、断熱箱体凹部である天面収納部201bに収容される。
上面奥側部材213は、上面および背面が開放された、箱形状を有する。上面奥側部材213は、内箱202の奥側上部に設けられた上凹部202aと対向するように形成される。上面奥側部材213の前面および底面と、内箱202との間には、断熱材24が充填される。さらに、上面奥側部材213の左右の側面と、主部材260の左右の側面部260bとの間には、断熱材24が充填される。
除霜水処理部230は、断熱箱体201の奥側下部に設けられる。具体的には、背面部材261の下部に形成された孔に、樹脂製の収納部231が装着される。収納部231は、背面側が開放されており、冷凍サイクル関連機器の中で外気に曝される外部機器を収納する。内部に外部機器である除霜水処理ユニット232が設けられる。収納部231、除霜水処理ユニット232により、除霜水処理部230が構成される。
野菜室33の奥側下部、つまり、内箱202の奥側下部には、下凹部202bが形成される。下凹部202bは、除霜水処理部230の外郭である収納部231の形状に対応して形成される。下凹部202bと収納部231との間には、断熱材24が充填される。また、収納部231の左右の両側面および底面と、主部材260との間にも断熱材24が充填される。この様にして、収納部231の周囲の断熱壁が形成される。収納部231の周囲の断熱壁は、野菜室33の左右の両側面および底面の断熱壁と、ほぼ同じ厚さを有する。収納部231の下部の断熱壁は、野菜室33の底面の断熱壁と略水平(水平を含む)である。収納部231の周囲の断熱壁は、断熱箱体201の断熱壁と連続して一体に形成される。
断熱材24として発泡断熱材を用いる場合は、内箱202と外箱203との間に断熱材24を充填すると同時に、収納部231の周囲に断熱材24を充填する。こうすることにより、断熱箱体201の剛性が増す。
以上のように構成された冷蔵庫について、動作、作用を説明する。実施の形態1で説明したとおり、断熱箱体201の歪みは、底面部260aの剛性が影響する。断熱箱体201は、圧縮機220を配設するための断熱箱体凹部である天面収納部201bを、底面部260aではなく断熱箱体201の最上部の貯蔵室の奥側上部に有する。従って、圧縮機220を奥側下部の収納部231に収納する場合と比較して、奥側下部の収納部231の空間容積は小さくなる。さらに、振動源である圧縮機220を収納しないことにより、断熱箱体201の剛性の低下は生じ難い。
圧縮機220と、側部冷媒配管52および前部冷媒配管53の開放端とは、ともに断熱箱体201の上方に位置する。この構成により、圧縮機が下方に配設された場合に比べて、冷媒配管を往復させるための経路の無駄が低減される。つまり、側部冷媒配管52および前部冷媒配管53を短くすることができる。このため、貯蔵室への熱の侵入が低減される。
圧縮機220と除霜水処理部230とは、断熱箱体201の上方と下方とに別々に配設される。実施の形態1においては、圧縮機50と除霜水処理部100とは、共に収納部101に配設される。従って、本実施の形態における下凹部202bおよび収納部231は、実施の形態1における下凹部22bおよび収納部101よりも小さくすることができる。
以上のように、圧縮機220は、冷蔵庫本体200の奥側上部の天面収納部201bに配設される。これにより、断熱箱体201の奥側下部の下凹部202bおよび収納部231を小さくすることができる。この結果、断熱箱体201の剛性が増す。
圧縮機220が冷蔵庫本体200の奥側上部に配設されるため、圧縮機220の廃熱を冷蔵庫本体200の上面に循環させることができる。これにより、冷蔵庫本体200の上面の結露が防止される。上面の結露を防止するための発熱体を別途配設する必要が無い。従って、断熱箱体201の上面の断熱壁を薄くすることができ、貯蔵室の容積を大きくすることができる。
側部冷媒配管52および前部冷媒配管53は、断熱箱体201の上側に開放端を有する。従って、配管を伸ばすことなく、配管の溶接箇所を断熱箱体凹部である天面収納部201bに集約することができる。このため、製造時の作業性が向上する。
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の断面図である。図9は、本実施の形態の冷蔵庫の別な構成を示す断面図である。図8および図9は、冷蔵庫を右側方から見た断面図である。本実施の形態において、実施の形態1と同じ構成に関しては、同じ符号を用いる。また、上記実施の形態1と2とを組み合わせて適用することに支障がない構成や技術思想は、組み合わせて適用することが可能である。
図8および図9に示すように、冷蔵庫本体300の断熱箱体301は、樹脂製の内箱302と、金属磁性体製の外箱303と、それらの間に充填された断熱材24とから構成される。内箱302と、外箱303と、断熱材24とにより、断熱壁が形成される。断熱箱体301は、前面に、前面開口部301aを有する。
外箱303は、主部材360と上面前側部材362と背面部材361とから構成される。主部材360は、底面部360aと左右の側面部との一体化により形成される。
断熱箱体301は、圧縮機220を配設するための断熱箱体凹部である天面収納部301bを有する。なお、天面収納部301bは、断熱箱体301の底面部360aではなく、断熱箱体301の最上部の貯蔵室の奥側上部に配設される。
断熱箱体301は、断熱箱体301の背面を形成する背面部材361と、断熱箱体301の上面を形成する上面前側部材362と、天面収納部301bの奥側と下面側を形成する上面奥側部材313とを有する。
制御基板358は、圧縮機220よりも低い位置に配設される。制御基板358の収納部は、上面奥側部材313により形成される。上面奥側部材313は、金属板によって形成される。
上面奥側部材313は、上面と背面とが開口した箱形状を有する。上面奥側部材313は、内箱302の奥側上部に設けられた天面収納部301bと対向して形成される。上面奥側部材313は、背面部材361と、上面前側部材362とを一体により形成される。断熱箱体301は、内箱302と外箱303との間に、断熱材24が充填されて構成される。
図8に示すように、上面奥側部材313には、圧縮機支持部313aに支持された圧縮機220に加え、冷凍サイクル関連機器の中で外気に曝される外部機器である制御基板358が収納される。この様な場合であっても、断熱箱体301は、底面部に加え、奥側上部の剛性が高くなる。
また、上面奥側部材313が金属板により形成されたことにより、更に断熱箱体301の剛性が高くなる。これにより、冷蔵庫本体300の耐久性が向上する。
図8の構成では、重量が大きい圧縮機220が上方に配設される。これにより、冷蔵庫本体300の重心は奥側になる。上面奥側部材313は、樹脂よりも比重の大きい金属板により形成される。これにより、冷蔵庫本体300の重心が奥側であっても、冷蔵庫本体300が前側に転倒することが抑制される。つまり、冷蔵庫の安全性が向上する。
圧縮機支持部313aの下面に、断熱箱体301と連続した断熱材24を充填したことにより、圧縮機支持部313aの下面の剛性と共に、断熱箱体301の剛性が高くなる。これにより、冷蔵庫本体300の耐久性が向上する。本実施の形態においては、天面収納部301bには、段差が設けられる。この段差に、圧縮機220に加え、制御基板358が収納される。この様な構成であっても、天面収納部301bの剛性が高くなる。
一方、図9は、本実施の形態の冷蔵庫の別な構成として、圧縮機220と制御基板358とが、下方に配置された構成である。また、この構成では、収納部331には段差が設けられる。
収納部331の内部には、除霜水処理部330と圧縮機220とが配設される。また、除霜水処理部330および圧縮機220の上方に段差が設けられ、制御基板358が配設される。断熱箱体301は、断熱箱体301の背面を形成する背面部材361と、断熱箱体301の上面を形成する上面前側部材362と、収納部331の奥側下部の機械室を形成する下面奥側部材323とを有する。
制御基板358は、圧縮機220よりも高い位置に配設される。制御基板358の収納部は、下面奥側部材323により形成される。下面奥側部材323は、金属板により、段差状に形成される。
下面奥側部材323は、背面が開口した箱形状を有する。下面奥側部材323は、背面部材361と上面前側部材362とを、一体により形成される。断熱箱体301は、内箱302と外箱303との間に、断熱材24が充填されて構成される。このように、収納部331に段差を設け、圧縮機220に加え、制御基板358を収納する構成であっても、収納部331の剛性が高くなる。
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4における冷蔵庫の断面図である。図10は、冷蔵庫を右側方から見た断面図である。図11は、本実施の形態の冷蔵庫の断熱箱体の分解斜視図である。本実施の形態において、実施の形態1〜3と同じ構成に関しては、同じ符号を用いる。また、実施の形態1〜3と同様の構成に関しては、同様の作用効果を奏するため、説明は省略する。本実施の形態は、制御基板458が、圧縮機220よりも低い位置に配設された点で、実施の形態2と異なる。
図10および図11に示すように、冷蔵庫本体400の断熱箱体401は、実施の形態2と同様に、内箱202と、外箱403と、それらの間に充填された断熱材24とから構成される。断熱箱体401は、奥側上部に、断熱箱体凹部である天面収納部401bを有する。つまり、断熱箱体401は剛性が高い。
外箱403は、主部材260と上面前側部材262と上面奥側部材413と背面部材461とから構成される。上面奥側部材413は、樹脂製であり、上面と背面とが開放された形状を有する。上面奥側部材413は、内箱202の奥側の上部に形成された上凹部202aと対向するように形成される。上面奥側部材413と内箱202と主部材260との間に断熱材24が充填される。この様にして、天面収納部401bが形成される。
上面奥側部材413は、圧縮機支持部413aと、圧縮機支持部413aから下方に延びるフランジ部413bとを有する。フランジ部413bの左右方向の中央には、制御基板収容部413cが形成される。圧縮機220は、圧縮機支持部413aに支持される。冷蔵庫本体400の動作を制御するための制御基板458は、制御基板収容部413cに収容される。
側部冷媒配管52の、少なくとも製氷室30、第1の冷凍室31、第2の冷凍室32と対向する部分には、真空断熱材70が設けられる。真空断熱材70は、主部材260の断熱材24の側に、側部冷媒配管52を挟んで固着され。本実施の形態における真空断熱材70は、断熱材24よりも比重が大きく、かつ、熱伝導率が小さい。
真空断熱材70は、断熱箱体401の上下方向の中心より、下方における面積または厚みが、上方における面積または厚みより大きい。断熱箱体401の上下方向の中心とは、冷蔵室29の下端面29b、もしくは、図10の一点鎖線25aに示すとおりの、仕切壁25の上下方向の中心である。
圧縮機カバー423は、上面奥側部材413の上面および背面を覆う。圧縮機カバー423は、上面奥側部材413の制御基板収容部413cの左右方向の外側に対応する位置に、排気口423aを有する。
従来の冷蔵庫における圧縮機支持台は、長期間、圧縮機を支持する。従って、従来の圧縮機支持台は、充分な剛性を得るために、外箱よりも厚い鋼板を用いて形成される。このため、従来の冷蔵庫は重量が大きい。本実施の形態においては、冷蔵庫本体400の上面奥側は、上面奥側部材413と内箱202との間に断熱材24を充填して構成される。この構成により、充分な剛性が得られ、重量の大きい鋼板製の圧縮機支持台が不要である。また、制御基板収容部413cが一体的に成形されるため、制御基板を収容するための、別な構成が不要である。さらに、上面奥側部材413は樹脂製である。従って、冷蔵庫の部品点数および重量が低減される。これにより、冷蔵庫を組み立てる際の、作業性が向上する。特に、冷蔵庫の上部における重量が低減されるため、転倒し難い構成となる。
圧縮機220は、圧縮機支持部413aに支持される。制御基板458は、圧縮機支持部413aより下方に位置する制御基板収容部413cに収容される。つまり、制御基板458は、圧縮機220より低い位置に配設される。温かい空気は上昇するため、圧縮機220からの排熱によって制御基板458が温められることが無い。つまり、制御基板458の温度上昇が抑制される。
本実施の形態においては、冷媒としてイソブタンが用いられる。イソブタンは可燃性であり、かつ、空気より比重が大きい。圧縮機カバー423は、制御基板458の左右方向の外側に、排気口423aを有する。つまり、制御基板458の直上には、排気口423aは無い。このため、仮に、可燃性である冷媒が漏洩した場合であっても、冷媒は、制御基板458の横を通って下へ流れる。このため、制御基板458への冷媒の接触が抑制される。
本実施の形態の形態においては、制御基板458は、断熱箱体401の左右方向の中央に配設され、かつ、排気口423aは、制御基板458の両側に形成される。一方、制御基板458は、断熱箱体401の片側に寄せて配設することもできる。この場合、排気口423aは、制御基板458に対して、片側に形成することができる。さらに、圧縮機220の隣にファンなどの通風機構を設けることにより、制御基板458の側から排気口423aの側へ風を流すことができる。この構成により、制御基板458への冷媒の接触がさらに抑制されると共に、圧縮機220の温度上昇が抑制される。
真空断熱材70は、側部冷媒配管52と貯蔵室との間に配設される。これにより、側部冷媒配管52から放熱された熱が貯蔵室に侵入することが大幅に低減される。
天面収納部401bは、断熱箱体401の上部に位置する。圧縮機220、凝縮器、配管などが、天面収納部401bに配設されることにより、冷蔵庫本体400の重心位置が高くなる。特に、圧縮機220は、冷蔵庫本体400を構成する部品の中で、重量が大きい。このため、冷蔵庫本体400は、転倒し易くなる。本実施の形態においては、真空断熱材70は、断熱箱体401の上下方向の中心より、下方における面積または厚みが、上方における面積または厚みより大きい。従って、冷蔵庫本体400の重心が下方へ移動するため、冷蔵庫本体400の転倒が防止される。
真空断熱材70は、無機材料により構成される。真空断熱材70の密度は、200〜250kg/m3である。断熱材24は、ウレタン等の発泡断熱材により構成される。断熱材24の密度は、20〜50kg/m3である。従って、真空断熱材70は、断熱材24の4倍以上の密度を有する。
冷蔵室ドア29aは回転扉式であり、また、製氷室ドア30a、第1の冷凍室ドア31a、第2の冷凍室ドア32a、野菜室ドア33aは引き出し式であると説明した。一方、製氷室ドア30a、第1の冷凍室ドア31a、第2の冷凍室ドア32a、野菜室ドア33aが回転扉式である場合は、引き出し式である場合に比べて、ドアの開閉に伴う、冷蔵庫本体400の重心位置の変化が少ない。つまり、ドアを回転扉式にすることにより、冷蔵庫本体400の転倒が、さらに防止される。
圧縮機220は、断熱箱体401の奥側に配設される。つまり、冷蔵庫本体400の前側よりも、奥側の重量が増加する。これにより、冷蔵庫本体400は、前側、つまり、使用者の方向へ転倒する可能性が低減される。
圧縮機220は、断熱箱体401の奥側上部に形成された天面収納部401bに配設される。これにより、冷蔵庫本体400の高さを高くすること無く、従来と同等の冷蔵室29の間口高さが確保される。つまり、使い勝手が損なわれない。冷蔵室29の奥側上部は、使用者の手の届き難い場所である。従って、内箱202の上凹部202aが、冷蔵室29の内側に突き出した形状であっても、使い勝手は損なわれない。
以上、本実施の形態においては、圧縮機支持部413aと制御基板収容部413cとを一体化により形成して、上面奥側部材413が構成される。これにより、冷蔵庫本体400の部品点数が削減される。また、冷蔵庫本体400の組み立てが容易となる。
制御基板458は、圧縮機220よりも低い位置に配設される。これにより、圧縮機220の排熱による、制御基板458の温度上昇が防止される。つまり、冷蔵庫本体400の信頼性が向上する。
断熱箱体401は、上面奥側部材413と、外箱403と、内箱202と、これらの間に充填された断熱材24から構成される。この構成により、圧縮機220が支持される。また、上面奥側部材413は樹脂材料により構成される。つまり、圧縮機220を支持する強度が確保されると共に、冷蔵庫本体400の上方が軽量化される。これにより、冷蔵庫本体400の転倒が防止され、安全性が向上する。
断熱材24よりも比重が大きい真空断熱材70が、断熱箱体401の上下方向の中心よりも下方に多く配設される。これにより、冷蔵庫本体400の重心が下方へ移動するため、冷蔵庫本体400の転倒が防止される。
圧縮機カバー423の排気口423aは、制御基板収容部413cの左右方向の外側に形成される。これにより、可燃性の冷媒であるイソブタンが漏洩した場合であっても、イソブタンは空気よりも比重の大きいため、イソブタンが、制御基板収容部413cに流れることが抑制される。つまり、冷蔵庫本体400の安全性が確保される。
圧縮機220は、断熱箱体401の奥側上部に形成された天面収納部401bに配設される。これにより、冷蔵庫本体400の高さを高くすること無く、従来と同等の前面開口部201aの面積が確保される。つまり、使い勝手が損なわれることが無い。
(実施の形態5)
図12は、本発明の実施の形態5における冷蔵庫の断面図である。図12は、冷蔵庫を右側方から見た断面図である。図13は、本実施の形態の冷蔵庫の断熱箱体の分解斜視図である。本実施の形態において、実施の形態1〜4と同じ構成に関しては、同じ符号を用いる。また、実施の形態1〜4と同様の構成に関しては、同様の作用効果を奏するため、説明は省略する。本実施の形態は、制御基板458が、圧縮機220よりも高い位置に配設された点で、実施の形態4と異なる。
外箱503は、主部材260と上面前側部材262と上面奥側部材513と背面部材561とから構成される。上面奥側部材513は、樹脂製であり、上面と背面とが開放された形状を有する。上面奥側部材513は、内箱202の奥側の上部に形成された上凹部202aと対向するように形成される。上面奥側部材513と内箱202と主部材260との間に断熱材24が充填される。この様にして、断熱箱体凹部である天面収納部501bが形成される。
上面奥側部材513は、二重底の構造を有する。上面奥側部材513は、下側の底面に、圧縮機支持部513aを有する。上面奥側部材513は、上側の底面に、制御基板収容部513cを有する。圧縮機220は、圧縮機支持部513aに支持される。制御基板458は、制御基板収容部513cに配設される。この様にして、圧縮機220および制御基板458は、天面収納部501bに配設される。
圧縮機カバー523は、上面奥側部材513の上面および背面を覆う。圧縮機カバー523は、冷蔵庫本体500の奥側となる位置に、排気口523aを有する。
冷媒としては、イソブタンが用いられる。イソブタンは、引火性ガスである。イソブタンは、空気中での爆発限界が1.8〜8.4vol%である。イソブタンは、発火温度が460℃である。このため、イソブタンが漏洩し、制御基板458に流れ込んだ場合、制御基板458で発生した火花に、イソブタンが接触する可能性がある。
一方、イソブタンは、空気よりも比重が大きい。制御基板収容部513cは、上面奥側部材513の上側の底面に位置する。つまり、制御基板458は、圧縮機220よりも上に位置する。従って、イソブタンが漏洩した場合であっても、イソブタンは、制御基板458に流れ込み難い。つまり、冷蔵庫本体500の安全性が確保される。
圧縮機220は、制御基板収容部513cの下に位置する。ここで、制御基板収容部513cにシート状の断熱材を設けることにより、圧縮機220の排熱が制御基板収容部513cに伝わることが低減される。つまり、制御基板458の温度上昇が抑制される。また、断熱材24を上面奥側部材513の上側の底面の内部に充填することにより、部品点数を増やすことなく、さらに断熱効果が得られる。
制御基板458を、圧縮機220の真上ではなく、左右方向に外れた位置に配設した場合、制御基板458と圧縮機220との距離が大きくなる。これにより、圧縮機220から制御基板458への熱の伝導が低減される。さらに、天面収納部501bの上下方向のスペースが有効利用されるため、上凹部202aを小さくすることにより、貯蔵室の容積を大きくすることができる。
制御基板458のカバーは、圧縮機カバー523と一体で形成される。このため、冷蔵庫本体500の部品点数が削減される。また、冷蔵庫本体500の組み立てが容易となる。
圧縮機カバー523は、冷蔵庫本体500の背面に対して、上からの差込み式に構成することができる。この場合、圧縮機カバー523は、断熱箱体501に差し込まれた後に、上からネジにより固定される。つまり、上からの作業のみにより、圧縮機カバー523が着脱される。冷蔵庫本体500は、後方の壁に近接して設置される場合が多い。この構成により、制御基板458が故障した場合において、冷蔵庫本体500を前方に動かすこと無く、メンテナンスを行うことができる。
冷媒として用いられるイソブタンは、可燃性で、かつ、空気より比重が大きい。圧縮機220または、その周辺の溶接箇所から冷媒が漏洩した場合、冷媒は、排気口523aから冷蔵庫本体500の後方へ排出される。このため、冷媒が制御基板収容部513cへ流れ込むことが抑制される。つまり、冷蔵庫本体500の安全性が向上する。
(実施の形態6)
図14は、本発明の実施の形態6における冷蔵庫の断面図である。図14は、冷蔵庫を右側方から見た断面図である。図15は、本実施の形態の冷蔵庫の断熱箱体の分解斜視図である。本実施の形態において、実施の形態1〜5と同じ構成に関しては、同じ符号を用いる。また、実施の形態1〜5と同様の構成に関しては、同様の作用効果を奏するため、説明は省略する。本実施の形態は、断熱箱体601の上部の構成が、実施の形態2〜5と異なる。
外箱603は、主部材260と上面部材662と背面部材661とから構成される。上面部材662の構成については、後に詳細に説明する。外箱603と内箱602との間に断熱材24が充填される。この様にして、断熱箱体601が構成される。
図15に示すように、上面部材662は、樹脂製であり、上および左右が開放された形状を有する。図15の一点鎖線に示すように、上面部材662は、上面部材662の上端の高さ方向の位置と、主部材260の上端の高さ方向の位置とが一致するように、外箱603の左右の側面部260bの間に配設される。
上面部材662は、奥側の底面に、圧縮機支持部613aを有する。圧縮機支持部613aに、圧縮機220が支持される。上面部材662は、前側に制御基板収容部613cを有する。制御基板収容部613cに、制御基板458が配設される。上面部材662は、圧縮機支持部613aと制御基板収容部613cとの間に、仕切板662cを有する。仕切板662cの高さは、少なくとも圧縮機220の溶接位置より高い。上面部材662には、仕切板662cより圧縮機220の側に、凝縮器669が配設される。この様にして、上面部材662の内部は、機械室604を構成する。
仕切板662cには、ファン611が配設される。ファン611は、上面部材662の内部の空気、つまり機械室604の空気を、前方から後方へ流す。
冷蔵庫本体600は、使用者が温度設定などを行うための操作部(図示せず)を有する。操作部は、上面部材662の前面に設けられた前面凹部662dの内に配設される。操作部は、制御基板458に接続される。
上面部材662の前面には、前面凹部662dの左右の外側に、吸気口662eが形成される。上面部材662の背面には、排気口662fが形成される。
上面部材662は、前面部材612を介して、内箱602と接合される。前面部材612は、鋼板などの金属磁性体からなる。この構成により、前面開口部201aは、全周にわたり、ガスケット38が密着する。従って、各貯蔵室が密閉される。
本実施の形態においては、上面部材662は樹脂製とした。一方、上面部材662は、前面部材612と共に、鋼板などの金属磁性体により、一体で構成することができる。この場合、冷蔵庫本体600の部品点数が削減されると共に、組み立てが容易となる。
冷蔵庫本体600は、板状の機械室カバー623を有する。機械室カバー623により、機械室604の上面が覆われる。機械室カバー623には、必要に応じて、通気口623aが形成される。
以上のように構成された冷蔵庫について、動作、作用を説明する。
制御基板458は、冷蔵庫本体600の前側上方に配設される。これにより、制御基板458の交換などを行う場合、冷蔵庫本体600の前面側から作業を行うことができる。つまり、メンテナンスが容易となる。また、制御基板458は、操作部と直接接続される。このため、冷蔵庫本体600の部品点数が削減されると共に、組み立てが容易となる。
本実施の形態においては、操作部は、上面部材662の前面凹部662dの内部に配設される。一方、操作部は、冷蔵室ドア29aの前面や、冷蔵室29の内部の壁面に配設することができる。この場合、操作部は、使用者の使い勝手を考慮した位置に配設される。具体的には、仕切壁25の中心線25aより高い位置で、かつ、冷蔵庫本体600の前面または、前面開口部201aに近い位置に、操作部が配設される。上記いずれの位置であっても、断熱箱体601の前側上部に配設された制御基板458からの距離は小さい。つまり、配線や構成を簡素にすることができる。
圧縮機220は、冷蔵庫本体600の最も奥に、配設される。制御基板458は、冷蔵庫本体600の最も前に、配設される。この構成により、圧縮機220と制御基板458との距離が大きい。従って、制御基板458が受ける圧縮機220からの排熱の影響は小さい。つまり、制御基板458の温度上昇が抑制される。このため、制御基板458の信頼性が向上する。
上面部材662の内部が機械室604となるため、断熱箱体601の上部全面が機械室604となる。従って、側部冷媒配管52および前部冷媒配管53などが、断熱箱体601のどの位置に配設された場合であっても、配管を真上に伸ばすことにより、機械室604に導入することができる。つまり、配管などの形状を簡素にすることができる。さらに、配管の接続などの組み立てが容易となる。
本実施の形態においては、上面部材662は、上および左右が開放された形状を有する。つまり、機械室604は、底面と前面と背面とが一体で形成される。一方、平面形状の上面部材662の上に、箱形状の機械室604を載置して構成することができる。この構成により、圧縮機220、制御基板458、凝縮器669、ファン611等の内装部品を、予め機械室604の内部に配設することができる。予め内装部品が配設された機械室604を用いることにより、冷蔵庫本体600の組み立てが容易となる。この構成において、側部冷媒配管52や前部冷媒配管53とは異なる結露防止装置を断熱箱体601に設け、かつ、冷凍サイクルを構成する凝縮器を凝縮器669のみとした場合、断熱箱体601と機械室604との間の溶接作業が不要となる。これにより、さらに、冷蔵庫本体600の組み立てが容易となる。
上面部材662は、断熱箱体601の上部全面を形成する。前面部材612は、上面部材662とは異なる部材として構成される。このため、実施の形態4における上面前側部材262を用いた構成に比べ、前面部材612を小さくすることができる。一般的に、前面部材612は、見た目の美観が重視される。このため、前面部材612には、塗装などの加工が施される。つまり、前面部材612は、背面部材661などの使用者から見えない部材に比べて、材料費が高い。従って、前面部材612の面積が小さいため、製造コストが低減される。
冷媒としては、イソブタンが用いられる。イソブタンは、可燃性で、かつ、空気より比重が大きい。仕切板662cの高さは、圧縮機220の溶接位置より高い。従って、冷媒が漏洩した場合であっても、冷媒が制御基板収容部613cへ流れ込むことが防止される。つまり、冷蔵庫本体600の安全性が確保される。
仕切板662cに配設されたファン611により、制御基板収容部613cから圧縮機支持部613aへ風を流す。これにより、冷媒が制御基板収容部613cへ流れ込むことが、さらに防止される。また、この風により、圧縮機220の温度上昇が抑制される。つまり、圧縮機220の信頼性が向上する。
以上のように、制御基板458が、圧縮機220の前方に配設されるため、冷蔵庫本体600のメンテナンス性が向上すると共に、組み立てが容易となる。機械室604は、断熱箱体601の上部全面に配設される。これにより、機械室604に出入りする部品の形状を簡素にすることができる。従って、冷蔵庫本体600の組み立てが容易となる。
(実施の形態7)
図16は、本発明の実施の形態7における冷蔵庫の断面図である。図16は、冷蔵庫を右側方から見た断面図である。図17は、本実施の形態の冷蔵庫の断熱箱体の分解斜視図である。本実施の形態において、実施の形態1〜6と同じ構成に関しては、同じ符号を用いる。また、実施の形態1〜6と同様の構成に関しては、同様の作用効果を奏するため、説明は省略する。本実施の形態は、上面部材762の奥側の底面が、前側の底面よりも低く構成される点で、実施の形態6と異なる。
外箱703は、主部材260と上面部材762と背面部材661とから構成される。上面部材762の構成については、後に詳細に説明する。外箱703と内箱702との間に断熱材24が充填される。この様にして、断熱箱体701が構成される。
図17に示すように、上面部材762は、樹脂製であり、上および左右が開放された形状を有する。図17の一点鎖線に示すように、上面部材762は、上面部材762の上端の高さ方向の位置と、主部材260の上端の高さ方向の位置とが一致するように、外箱703に配設される。
上面部材762は、奥側の底面に、圧縮機支持部713aを有する。圧縮機支持部713aに、圧縮機220が支持される。上面部材762は、前側に制御基板収容部713cを有する。制御基板収容部713cに、制御基板458が配設される。また、上面部材762は、奥側の底面と前側の底面とを比較した場合、奥側の底面が低く構成される。つまり、圧縮機220は、制御基板458よりも低い位置に配設される。この様にして、上面部材762の内部は、機械室704を構成する。
上面部材762の前面には、前面凹部762dの左右の外側に、吸気口762eが形成される。上面部材762の背面には、排気口762fが形成される。冷蔵庫本体700は、実施の形態6と同様に、板状の機械室カバー623を有する。機械室カバー623により、機械室704の上面が覆われる。機械室カバー623には、必要に応じて、通気口623aが形成される。冷媒としては、イソブタンが用いられる。イソブタンは、可燃性で、かつ、空気より比重が大きい。
以上の構成により、圧縮機220は、制御基板458よりも低い位置に配設される。従って、冷媒が漏洩した場合であっても、冷媒が制御基板458へ流れ込むことが防止される。つまり、冷蔵庫本体700の安全性が確保される。
さらに、制御基板458と圧縮機220との間にファンなどの通風機構を設けた場合、制御基板収容部713cから圧縮機支持部713aへ風を流すことができる。これにより、漏洩した冷媒の制御基板収容部713cへの流れ込みが、さらに防止される。また、この風により、圧縮機220の温度上昇が抑制される。つまり、圧縮機220の信頼性が向上する。