JP5407531B2 - 板材搬送システム - Google Patents

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Description

この発明は、パンチプレスやレーザ加工機等の板材加工機で素材板材から切り取り加工された製品板材を板材搬送装置で搬出する板材搬送システムに関する。
この種の板材搬送装置として、所定の軌道に沿って走行するローダに吸着パッド等の複数の板材保持具を設け、これら板材保持具により板材を保持して搬送するものがある(例えば特許文献1)。一般的に、前記板材保持具は、搬送される板材のうち最大のものに合わせて配列される。
しかし、板材を安定して搬送するには、板材の端縁付近を板材保持具で広く保持するのが望ましい。そのため、多くの板材保持具を広い範囲に配置する必要があり、板材保持具およびその支持フレームからなる保持具配列体が大型のものとなっていた。保持具配列体が大型であると、装置自体の重量が大きく、走行体の速度アップおよび加減速時間の短縮を図ることが難しい。
このような課題を解消するものとして、図14に示すように、平行に設置された2本の軌道11,12にローダ13,14をそれぞれ走行自在に設置し、各ローダ13,14に板材保持具23の配列体19,20を設けたものが提案されている(例えば、特許文献2)。大きな板材WC は、2台のローダ13,14で協働して保持し、搬送する。比較的小さい板材WA ,WB については、各ローダ13,14がそれぞれ個別に搬送する。
上記構成であると、各ローダ13,14の板材保持具23の配列体を小型化できるため、ローダ13,14の速度アップおよび加減速時間の短縮を図ることができる。また、2台のローダ13,14を交互に用いることで、搬送効率を格段に向上させることができる。
特開2000−351032号公報 特開2008−264861号公報
走行するローダを備えた板材搬送装置を実用化する場合に、各種の作業具をローダに付加する場合がある。例えば、素材載置部に積層された板材の積層体から最上段の1枚の板材を板材保持具で吸着して持ち上げようとした場合、最上段の板材の下面にその下の段の板材が油等で付着して持ち上がる場合がある。そのため、板材の1枚分離器となる作業具58を設ける場合がある。この1枚分離の作業具58は、例えば、板材の縁部のみを吸着して持ち上げ、上下に振動させることで、積層された板材を角部から捲りあげるように持ち上げることで、1枚分離の確実を図るものである。この他に、板材Wの板材加工機への搬入時の位置決め用の手段となる作業具59を設ける場合がある。
このような作業具58,59をローダに付加する場合、図14の例のような2台のローダ13,14を備えたものでは、両ローダ13,14で協働作業を行う素材板材Wの場合にのみ必要であるため、片方のローダ13のみに作業具58,59を設ける。また、板材Wの縁部を吸着するために、作業具58は、その片方のローダ13における前方に突出して配置することになる。位置決め用の作業具58についても、ローダ13における前方に突出して配置される。
上記のような作業具58を有するローダ13を用いる場合、図15のように、板材加工機1の板材送り機構8におけるワークホルダ57の近傍に位置する小物製品の板材W5 を持ち上げるときに、作業具58がワークホルダ57に干渉する恐れがある。
このような干渉を避けるには、ワークホルダ57のグリップ代Bとなるネスティング不可領域として、すなわち、素材板材W0に対して製品板材Wをネスティングで配置できない領域として、例えば板材Wの前縁から80〜100mmの範囲などと、大きな範囲を取る必要がある。
しかし、板金加工において、歩留り向上のために、グリップ代Bを少なくする要求が出てきている。なお、作業具58,59として、1枚分離器や位置決め機構他に、カメラ、バーコードリーダ、印字装置等を設けることがあるが、その場合にも、これらの作業具との干渉を避けるグリップ代Bを少なくすることが求められる。
この発明の目的は、板材搬送装置として、平行な2つの軌道に沿って独立走行可能な複数のローダを有し、かつ片方のローダにワークホルダ側へ突出した作業具を有する板材搬送システムにおいて、複数のローダの交互運転等による効率的な搬出を可能としながら、素材板材のワークホルダによるグリップ代を少なくしたネスティングであっても干渉なく搬出が行える板材搬送システムを提供することである。
この発明の他の目的は、搬送効率の低下をできるだけ防止しながら、作業具とワークホルダとの干渉を回避することである。
この発明のさらに他の目的は、板材がワークホルダの近傍でかつ設定寸法以下という条件を充足するか否かを、搬送制御装置において容易に判断可能とすることである。
この発明の板材搬送システムは、その前提構成として、素材となる板材(W0)から製品となる板材(W(W1 〜W5 ))を切り取り可能な板材加工機(1)と、この板材加工機(1)に対して板材(W)の搬出を行う板材搬送装置(2)と、この板材搬送装置(2)を制御する搬送制御装置(70)とを備える。
上記板材加工機(1)は、板材(W0)に加工を施す加工ヘッド(7)と、この加工ヘッド(7)の前方にあって板材(W0)の前縁を把持するワークホルダ(57)を有しこのワークホルダ(57)の移動により板材(W)を前後左右に移動させる板材送り機構(8)とを有する。
上記板材搬送装置(2)は、上記板材加工機(1)とこの板材加工機(1)の側方に設けられた板材載置部との間で前後方向に離間して平行に設置された2つの軌道(11,12)と、これら各軌道(11,12)に沿ってそれぞれ独立して走行可能であって板材(W)を保持する板材保持具(23)を有する前側および後ろ側のローダ(13,14)とを備える。前側のローダ(13)は、上記板材保持具(23)の配置範囲よりも前方に位置して、板材(W)に対して作業を行う作業具(58,59)を有し、この作業具(58,59)は、上記板材保持具(23)が板材加工機(1)上の板材(W)を把持するときに上記ワークホルダ(57)と干渉する恐れのある高さにある。後ろ側のローダ(14)は上記作業具(58,59)を有しない。
この発明は、上記前提構成の板材搬送システムにおいて、上記搬送制御装置(70)を、板材加工機(1)により切り取られた板材(W)のうち、上記ワークホルダ(57)の近傍でかつ設定寸法以下の板材(W5 )を、上記後ろ側のローダ(14)により搬送し、他の板材(W)は前側および後ろ側のいずれかのローダ(13,14)で搬送するように制御するものとしたことを特徴とする。
この構成の板材搬送システムによると、板材加工機(1)により切り取られた板材(W(W1 〜W5 ))のうち、ワークホルダ(57)の近傍でかつ設定寸法以下の板材(W5 )は、搬送制御装置(70)の制御により、上記の前方に突出した作業具(58,59)を有しない後ろ側のローダ(14)により搬送されることになる。このように前方に突出した作業具(58,59)を有しないローダ(14)で搬送するため、作業具(58,59)とワークホルダ(57)との干渉の問題がなくなる。そのため、素材板材(W0)に対して、ワークホルダ(57)によるグリップ代(B)を少なくしたネスティングが、干渉の問題なく行え、歩留りの向上が図れる。
設定寸法よりも大きな板材(W)や、ワークホルダ(57)の近傍に位置しない板材(W)は、作業具(58,59)とワークホルダ(57)との干渉の問題がないため、いずれのローダ(13,14)で搬送しても良い。このような板材(W)は、両ローダ(13,14)を交互に運転して搬出することなどで、効率的な搬出が可能である。
なお、ある程度大きな板材(W)は、一部がワークホルダ(57)の近傍にあっても、ワークホルダ(57)から離れた位置に十分な大きさの被保持領域があれば、前方に突出した作業具(58,59)を有するローダ(13)を用いても、作業具(58,59)とワークホルダ(57)との干渉の問題を生じることなく搬出が行える。上記「上記ワークホルダの近傍でかつ設定寸法以下の板材を、」とある中の「設定寸法」は、このような作業具とワークホルダ(57)との干渉の問題が回避できる寸法であれば良く、任意に設定した値で良い。また、「ワークホルダの近傍で」とは、その板材(W)を上記前側のローダで板材保持具により保持しようとすれば上記作業具(58,59)がワークホルダ(57)に干渉する程度にワークホルダ(57)に近い板材を言う。
この発明において、上記搬送制御装置(70)は、板材加工機(1)により切り取られた板材(W)を板材載置部へローダ(13,14)で搬送させる搬送パターンとして、2台のローダ(13,14)に交互に搬送させる基本搬送パターンと、この基本搬送パターンを解除して後ろ側のローダ(14)に上記ワークホルダ(57)の近傍の板材(W)を搬送させるローダ特定搬送パターンとを有するものとしても良い。
通常は、基本搬送パターンとして2台のローダ(13,14)に交互に搬送させることにより、板材(W)の効率的な搬出が可能になる。ワークホルダ(57)の近傍でかつ設定寸法以下の板材(W)を搬出するときは、交互運転では作業具(58,59)とワークホルダ(57)との干渉の問題があるが、基本搬送パターンの制御を解除し、前側に突出した作業具(57)を有しないローダ(14)に搬送させることで、作業具(58,59)とワークホルダ(57)との干渉が回避できる。このようなワークホルダ近傍の板材(57)は数は少ないため、常時は交互運転の基本搬送パターンを用い、ワークホルダ近傍の小さな板材(W)のときのみローダ特定搬送パターンを用いることで、搬送効率の低下をできるだけ防止しながら、作業具(58,59)とワークホルダ(57)との干渉を回避することができる。
この発明において、上記板材加工機(1)を加工プログラム(62)の実行により制御する加工機制御装置(60)を備え、上記搬送制御装置(70)は、上記加工プログラム(62)中に記述された情報である、切り取り済み板材がワークホルダの近傍でかつ設定寸法以下あることを示すワークホルダ近傍情報(b)を上記加工機制御装置(60)から受けることで、板材(W)がワークホルダ(57)の近傍でかつ設定寸法以下であることを認識し、後ろ側のローダ(14)により搬送させるものとしても良い。
上記のように加工プログラム(62)中にワークホルダ近傍情報(b)を記述しておくことで、板材(W)がワークホルダ(57)の近傍でかつ設定寸法以下という条件を充足するか否かを、搬送制御装置(70)において容易に判断できる。加工機制御装置(60)と搬送制御装置(70)とは、板材加工と搬出とのタイミングを取るために、一般的に各種信号の送受が行われるため、その信号の一つとしてワークホルダ近傍情報(b)を含ませることにより、簡易な構成でワークホルダ近傍情報の送受が行える。
この発明の板材搬送システムは、素材となる板材から製品となる板材を切り取り可能な板材加工機と、この板材加工機に対して板材の搬出を行う板材搬送装置と、この板材搬送装置を制御する搬送制御装置とを備え、上記板材加工機は、板材に加工を施す加工ヘッドと、この加工ヘッドの前方にあって板材の前縁を把持するワークホルダを有しこのワークホルダの移動により板材を前後左右に移動させる板材送り機構とを有し、上記板材搬送装置は、上記板材加工機とこの板材加工機の側方に設けられた板材載置部との間で前後方向に離間して平行に設置された2つの軌道と、これら各軌道に沿ってそれぞれ独立して走行可能であって板材を保持する板材保持具を有する前側および後ろ側のローダとを備え、前側のローダは、上記板材保持具の配置範囲よりも前方に位置して、板材に対して作業を行う作業具を有し、この作業具は、上記板材保持具が板材加工機上の板材を把持するときに上記ワークホルダと干渉する恐れのある高さにあり、後ろ側のローダは上記作業具を有せず、上記搬送制御装置は、板材加工機により切り取られた板材のうち、上記ワークホルダの近傍でかつ設定寸法以下の板材を、上記後ろ側のローダにより搬送し、他の板材は前側および後ろ側のいずれかのローダで搬送するように制御するものとしたため、複数のローダの交互運転等による効率的な搬出を可能としながら、素材板材のワークホルダによるグリップ代を少なくしたネスティングで干渉なく搬出を行うことができる。
上記搬送制御装置が、板材加工機により切り取られた板材を板材載置部へローダで搬送させる搬送パターンとして、2台のローダに交互に搬送させる基本搬送パターンと、この基本搬送パターンの制御を解除して後ろ側のローダに上記ワークホルダの近傍の板材を搬送させるローダ特定搬送パターンとを有する場合は、搬送効率の低下をできるだけ防止しながら、作業具とワークホルダとの干渉を回避することができる。
上記板材加工機を加工プログラムの実行により制御する加工機制御装置を備え、上記搬送制御装置は、上記加工プログラム中に記述された情報である、切り取り済み板材がワークホルダの近傍でかつ設定寸法以下あることを示すワークホルダ近傍情報を上記加工機制御装置から受けることで、板材がワークホルダの近傍でかつ設定寸法以下であることを認識し、後ろ側のローダにより搬送せるものとした場合は、板材がワークホルダの近傍でかつ設定寸法以下という条件を充足するか否かを、搬送制御装置において容易に判断することができる。
この発明の一実施形態にかかる板材搬送システムの概念構成を示すブロック図である。 同板材搬送システムにおける板材加工機および板材搬送装置を示す板材加工システムの機械系の斜視図である。 同板材搬送装置のローダおよび保持具配列体の側面図である。 同板材搬送装置の後側のローダおよび保持具配列体の正面図である。 (A)は同保持具配列体の一状態の平面図、(B)は同保持具配列体の異なる状態の平面図である。 (A),(B),(C)はそれぞれ異なる種類の板材保持具を示す説明図である。 (A)板材分離用板材保持具およびその周辺部の一状態を示す側面図、(B)は同板材分離用板材保持具およびその周辺部の異なる状態を示す側面図である。 位置決め用の作業具の構造を示す底面図である。 (A)〜(C)はいずれも同保持具配列体の平面図で、それぞれ異なる板材を保持している状態を示す。 異なる保持具配列体の平面図である。 この発明の板材搬送システムにおける搬送制御装置の搬送パターン変更制御を示す流れ図である。 同板材搬送システムにおける基本動作パターンの動作説明図である。 同板材搬送システムにおけるローダ特定搬送パターンを示す動作説明図である。 提案例に係る板材搬送装置を平面視で見た説明図である。 同提案例の課題を示す説明図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図13と共に説明する。この板材搬送システムは、板材加工機1と、この板材加工機1に対して素材となる板材W0の搬入および製品となる板材Wの搬出を行う板材搬送装置2と、板材加工機1を制御する加工機制御装置60と、板材搬送装置2を制御する搬送制御装置70とを備える。各制御装置60,70は、後に図1等と共に説明することとし、まず機械系の構成を説明する。
図2は、板材加工機1と、板材搬送装置2と、板材載置部としてのパレット9、および板材運搬台車3と、板材ストッカ4とを備えた板材加工システムの機構系の全体斜視図である。この板材加工システムは、この他に板材加工機1に対して素材板材W0を搬入する板材搬入装置(図示せず)を備えるが、板材搬入装置については説明を省略する。
板材加工機1は、テーブル5上の素材板材W0から複数の製品板材Wを打ち抜き等によって切り取る機能を備えたものであり、パンチプレスまたはレーザ加工機等からなる。この例では、板材加工機1はパンチプレスであり、ダイ工具(図示せず)に対してパンチ工具(図示せず)を昇降させて加工を行なう加工ヘッド7と、素材板材W0をテーブル5上で前後(Y方向)および左右(X方向)に移動させる板材送り機構8とを備える。板材送り機構8は、前後移動するキャリッジ55に、左右移動するクロススライド56を設け、このクロススライド56に、素材板材W0の前縁を把持するワークホルダ57を左右に並べて複数設けたものである。キャリッジ55およびクロススライド56は、それぞれサーボモータにより送りねじ機構(いずれも図示せず)介して進退駆動される。ワークホルダ57は、シリンダ装置等により開閉駆動されて把持解除および把持を行う。
板材ストッカ4は、板材加工機1で加工される製品板材Wをパレット9上に積層状に積層する装置であり、パレット9を載置する多段の棚4aを有する。板材ストッカ4は、任意の段の棚4aにおいて、パレット9が、図示した後ろ側の板材載置位置と、その板材載置位置から前方へ移動した貯蔵位置との間で進退可能とされている。
板材搬送装置2は、この実施形態では、板材加工機1により加工された製品板材Wをパレット9または板材運搬台車3に搬出する装置とされている。板材搬送装置2は、板材加工機1と板材運搬台車3の停車位置間に平行に設置された左右方向に沿う前後2本の軌道11,12と、これら軌道11,12に沿ってそれぞれ独立して走行可能な前後のローダ13,14とを備える。
2本の軌道11,12は、左右両端で互いに連結されて一体とされており、左右一対の前後移動フレーム16に支持されている。各前後移動フレーム16はいずれも、前後移動用レール18に沿って移動自在で、図示しない前後移動駆動源により前後移動させることができる。前後移動駆動源は、例えばサーボモータとその回転を直線動作に変換するボールねじ等の変換機構等からなる。
図3は前後のローダ13,14の側面図、図4は前側のローダ14の正面図である。各ローダ13,14は、そのローダ本体となる走行体24が、それぞれ軌道11,12にガイド部材(図示せず)を介して走行自在に設けられ、サーボモータ等の走行駆動源(図示せず)により自走する。ガイド部材は、例えば直線転がり軸受やガイドローラ等であり、走行体24と軌道11,12との間に介在させてある。
各ローダ13,14はそれぞれ、板材を保持する保持具配列体19,20を有する。保持具配列体19,20は、板材保持具取付フレーム21,22と、この板材保持具取付フレーム21,22に取付けられた複数の板材保持具23A,23B,23Cとでなる。
保持具配列体19,20は、ローダ13,14の走行体24に対し昇降自在である。この実施形態では、走行体24に上下に長い昇降体25が昇降自在に設置されている。この昇降体25の下端に、傾斜機構26を介して板材保持具取付フレーム21,22が取付けられ、昇降駆動源(図示せず)により昇降体25を昇降させる。傾斜機構26は、昇降体25に対して板材保持具取付フレーム21,22を支軸27回りに前後に傾動させる機構であり、駆動ギヤが出力軸に設けられた傾動用モータ29と部分ギヤ28からなる。
図5に示すように、保持具配列体19,20は、固定部19a,20aおよび可動部19b,20bで構成される。可動部19b,20bは、固定部19a,20aに対して、図5(A)に示す近接した近接位置と、図5(B)に示す離間した離間位置とに位置変更自在とされている。ここで言う保持具配列体19,20の固定部19a,20aおよび可動部19b,20bは、板材保持具フレーム21,22の固定部21a,22aおよび可動部21b,22bに板材保持具23(23A,23B,23C)を取付けたものである。
保持具配列体19の可動部19bは、近接位置にある状態において保持具配列体19の全体の後側かつ左側部分に位置し、その左端部を回動支点31として回動自在に支持され、可動部回動用エアシリンダ32を伸縮させることで前記回動支点31回りに回動するようになっている。近接位置(図5(A))にある状態から矢印A1の方向に90度回動させた状態が離間位置(図5(B))である。また、保持具配列体20の可動部20bは、近接位置にある状態において保持具配列体20全体の前側かつ右側部分に位置し、その右端部を回動支点33として回動自在に支持され、可動部回動用エアシリンダ34を伸縮させることで前記回動支点33回りに回動するようになっている。近接位置(図5(A))にある状態から矢印A2の方向に90度回動させた状態が離間位置(図5(B))である。
板材保持具23は、板材を吸着して保持するものであり、エア吸引式のもの23A,23Bと、磁石式のもの23Cとがある。エア吸引式のうち符号23Aで示すものは、図6(A)のように、それぞれが個別にエアホース23a等からなるエア経路を介して真空源に接続された複数の吸着管23bの束からなる。この板材保持具23Aは、一部分が板材等の吸着対象物から外れていても吸着保持が可能であるという特長を有する。エア吸引式のうち符号23Bで示すものは、図6(B)のように、弾性を有する材料でできたカップ状の吸着パッド23cを備え、この吸着パッド23cの内部がエアホース23a等からなるエア経路を介して真空源に接続されている。この板材保持具23Bは、板材保持具23Aよりも吸着力が強いという特長を有する。これら板材保持具23A,23Bは、エア経路中に設けた絞り部を開閉することで、板材の保持とその解除を行なう。磁石式のもの23Cは、図6(C)のように、電磁石からなる吸着部23dを有し、この吸着部23dにより鉄板である板材を吸着する。吸着部23dへの通電を入り切りすることで、板材の保持とその解除を行なう。
また、板材保持具は、保持具配列体19,20の配置されている箇所によっても区分される。すなわち、図4(A)において符号35で示す範囲の板材保持具23A,23B,23Cは、両保持具配列体19,20で互いに対応させて配置された共通板材保持具である。符号36で示す範囲の板材保持具23Bは、それぞれの保持具配列体19,20にだけに設けられた固有板材保持具である。
保持具配列体19,20の可動部19b,20bが近接位置にある状態(図5(A))では、両保持具配列体19,20で、共通板材保持具23A,23B,23Cの相対的な位置および種類共に全く同じ配置である。詳しくは、両保持具配列体19,20共に、共通板材保持具23A,23B,23Cが、前後に2列、各列複数個ずつ設けられている。前列の方が後列よりも少しだけ左側に張り出しており、その張り出し部分は小物保持部37になっている。この小物保持部37には、前記複数の吸着管23bの束からなるエア吸引式の板材保持具23Aおよび磁石式の板材保持具23Cが設けられている。図5(A)に示すように、可動部19b,20bが近接位置にある状態の各保持具配列体19,20は、その外周を囲む仮想の外周形状(図示せず)が、X方向(走行方向)を長辺とする平面視略長方形をしている。
保持具配列体19,20の可動部19B,20Bが離間位置にある状態(図5(B))では、可動部19b,20bの一部分が隣合う保持具配列体19,20の走行領域R1,R2に位置している。ここで言う走行領域R1,R2は、可動部19b,20bが近接位置にある状態の保持具配列体19,20が走行により通過する領域のことである。図5(B)に示すように、この状態で、両保持具配列体19,20の並びの外周を囲む仮想の外周形状(図示せず)は、X方向(走行方向)を長辺とする平面視略長方形をしている。可動部19B,20Bが離間位置にある状態の両保持具配列体19,20の外周を囲うこの仮想の長方形は、可動部19b,20bが近接位置にある状態の保持具配列体19,20をそれぞれ単独に囲う前記仮想の長方形に比べて、長辺および短辺が大きい。両保持具配列体19,20の並びの外周を囲む仮想の外周形状が略長方形であるということは、換言すれば、板材保持具23A,23B,23Cの配置は、対称中心点Oを中心とする点対称であると言える。対称中心点Oは、両保持具配列体19,20の間に位置する。
保持具配列体19の固有板材保持具23Bのうち符号(1)を付したものは、積層された板材から一番上の板材を吸着保持する際に、一番上の板材を他の板材から分離する板材分離用板材保持具であり、板材分離用の作業具58を構成する。この板材分離用板材保持具23B(1)は、図7に示すように、支持ロッド40を介して支持部材41に支持されている。支持部材41の左右両側にピン42が突出しており、このピン42が板材保持具取付フレーム固定部21aに形成された長穴43に摺動自在に嵌合している。長穴43は前側が低位となる傾斜した穴である。ピン42には揺動部材44が揺動自在に取付けられ、この揺動部材44に板材分離用エアシリンダ45のピストンロッド45aが固定されている。なお、支持ロッド40は、支持部材41に対して出没自在であり、復帰ばね46により突出する側に付勢されている。この支持ロッド40と復帰ばね46とでなる緩衝機構は、他の板材保持具にも設けられている。
保持具配列体19の単独または保持具配列体19,20の協働で、積層された板材から一番上の板材を吸着保持する際には、以下のようにして一番上の板材を他の板材から分離する。まず、図7(A)のように、板材保持具23B(1)で一番上の板材Wの前端部を吸着する。その状態でエアシリンダ45のピストンロッド45aを引っ込ませると、ピン42が長穴43に案内されることにより、支持部材41が後方に傾動しながら斜め上向き後方へ移動する。これにより、図7(B)のように、板材保持具23B(1)は前側が浮いた姿勢で持ち上げられて、一番上の板材Wの前端部を他の板材Wから引き離す。
保持具配列体19の固有板材保持具のうち符号(2)を付したものは、板材加工機1のテーブル5上に板材Wを載置する際に板材Wの位置決めする位置決め用板材保持具であって、位置決め用の作業具59を構成する。保持具配列体19の要部の底面図である図8に示すように、この位置決め用板材保持具23B(2)を支持する第1の支持部材47は、一対の前後スライドロッド48に支持され、前後吸収ばね49により前方に付勢されている。また、前記前後スライドロッド48および前後吸収ばね49を支持する第2の支持部材50は、一対の左右スライドロッド51に支持され、左右吸収ばね52により左方に付勢されている。左右スライドロッド51および左右吸収ばね52は、板材保持具フレーム21の固定部21aに支持されている。
板材の位置決めは、テーブル5に設けられた、板材の前後方向の位置決め基準となるワークホルダ57と、左右方向の位置決め基準となるエンドロケータ(図示せず)とを利用して行なう。板材をテーブル5上に搬入したなら、全板材保持具23A,23B,23Cの吸着を解除して、一旦板材をテーブル5上に載置する。そして、位置決め用の板材保持具23B(2)だけで板材を保持し、左右一対の前後移動フレーム16を前方に移動させ、板材が上記ワークホルダに当接したなら前後移動フレーム16の移動を停止する。前後移動フレーム16が余分に移動した場合は、前後吸収ばね49により吸収される。これにより、板材の前後(X方向)の位置決めが完了する。次に、走行体13を左方向に移動させ、板材が上記エンドロケータに当接したなら走行体13の移動を停止する。走行体13が余分に移動した場合は、左右吸収ばね52により吸収される。これにより、板材の左右(Y方向)の位置決めが完了する。左右(Y方向)の位置決めを行ってから、前後(X方向)の位置決めを行なってもよく、あるいは左右(Y方向)および前後(X方向)の位置決めを同時に行なってもよい。
図5において、保持具配列体20の固有板材保持具23B(3)は、寸法の大きな板材を搬送する場合に用いる板材保持具である。保持具配列体19の固有板材保持具23B(1),23B(2)も、寸法の大きな板材を搬送に用いられる。
この板材搬送装置2は、前後移動フレーム16が前後移動用レール18に沿って前後移動し、ローダ13,14が軌道11,12に沿って走行し、保持具配列体19,20が昇降することで、保持具配列体19,20が板材加工機1上で保持した製品板材Wを、板材載置部であるパレット9または板材運搬台車3まで搬送する。保持具配列体19,20による製品板材Wの保持は、図9(A),(B),(C)のように行なう。
すなわち、小さい製品板材Waについては、図9(A)のように、保持具配列体19(20)の小物保持部37の板材保持具23A,23Cにより製品板材Waを保持する。その理由は、前列左端部に位置する小物保持部37の板材保持具23A,23cを使用すると、保持具配列体20が板材加工機1に干渉することを防ぎやすいからである。中程度の大きさの製品板材W2については、図9(B)のように、可動部19b(20b)を近接位置にした保持具配列体19(20)の一部または全部の板材保持具23A,23B,23Cにより製品板材W2を保持する。図9(A),(B)には、保持具配列体19で製品板材Wa,Wbを保持する場合だけ示しているが、保持具配列体19で製品板材Wa,Wbを保持する場合も同様である。
また、大きい製品板材Wcについては、図9(C)のように、2台のローダ13,14を軌道11,12上に並んで停止させ(ローダ13,14の走行体24のみを図示)、各保持具配列体19,20の可動部19b,20bを離間位置に位置変更させて、両保持具配列体19,20により製品板材W3を保持する。このように2台のローダ13,14の保持具配列体19,20で共通の板材Wcを保持させることにより、大きな板材Wcであっても板材の端縁付近を板材保持具23A,23B,23Cで保持することができ、板材W3を安定して搬送することができる。可動部19B,20Bが離間位置にある状態では、両保持具配列体19,20の各板材保持具23A,23B,23Cの配列が略長方形をしているため、長方形である製品板材W3を搬送するのに適する。ローダ13,14の相対位置を走行方向にずらすことで製品板材Wcの大きさに対応させられる。
このように、各ローダ13,14が保持具配列体19,20により比較的小さな板材Wa,Wbを保持して個別に搬送する個別搬送動作と、2台のローダ13,14が保持具配列体19,20により共通の大きな板材Wcを保持して搬送する協働搬送動作とを選択的に行なうことにより、大きさの異なる種々の板材を効率良く搬送することができる。
この板材搬送装置2は、2台のローダ13,14が協働して大きな板材Wcを搬送する構成としたことにより、各ローダ13,14の保持具配列体19,20を小型化することができる。そのため、ローダ13,14の速度アップおよび加減速時間の短縮を図れる。また、軌道11,12間の距離を狭くすることができ、板材搬送装置2全体をコンパクトにできる。保持具配列体19,20の可動部19b,20bが近接位置にある状態では、2台のローダ13,14が保持具配列体19,20同士を干渉させずにすれ違うことが可能である。そのため、個々のローダ13,14が単独で、かつ両ローダ13,14が同時に、比較的小さな板材Wa,Wbを搬送することができ、比較的小さな板材Wa,Wbの搬送効率を向上させられる。
さらに、可動部19b,20bが近接位置にある状態における両保持具配列体19,20の共通板材保持具23A,23B,23Cの配列が、相対的な位置および種類共に全く同じであるため、同じ寸法および形状の板材については、各保持具配列体19,20が同じ条件で保持することができる。そのため、各ローダ13,14が個別搬送動作を行なう場合に、どの板材についても各ローダ13,14の保持具配列体19,20が保持することができ、搬送の効率が良い。また、板材保持具23A,23B,23Cの配列と同一であると、各板材保持具23A,23B,23Cの動作に関する制御を各保持具配列体19,20で共通化でき、保持具配列体19,20ならびに板材搬送装置2全般の制御が簡単である。
保持具配列体19,20の可動部19b,20bを、回動支点31,33を中心にして旋回することで位置変更する構成としているため、可動部19b,20bを近接位置と離間位置とに容易に切り換えることができる。また、保持具配列体19,20の可動部19b,20bが互いに走行方向反対側に設けられているため、可動部19b,20bを離間位置にした状態で板材保持具23A,23B,23Cの配置されている範囲が広く、両保持具配列体19,20により大きな板材を保持できる。
この実施形態のように、可動部19b,20bを旋回することで位置変更する構成とせずに、例えば図10に示すように、板材保持具フレーム21,22の可動部21b,22bを走行体の軌道11,12と直交する方向に移動させることで、保持具配列体19,20の可動部19b,20bを位置変更するようにしても良い。図では板材保持具フレーム21,22の可動部21b,22bの支持機構および移動機構について具体的に示していないが、任意の適当な機構を採用することができる。
図1と共に制御系を説明する。加工制御装置60は、板材加工機1を制御する装置であり、コンピュータ式の数値制御装置により構成される。この加工制御装置60は、NCデータ等で記述された加工プログラム62を演算制御部61で解読して実行することにより、板材加工機1の加工ヘッド7や板材送り機構8等の各部に制御指令を出力する。
この加工プログラム62に、加工する個々の製品板材Wが、2台のローダ13,14のすれ違い動作で搬送可能なサイズであるか否かを示す情報である、「すれ違い可サイズ情報a」と、製品板材Wがワークホルダ57の近傍でかつ設定寸法以下あることを示す「ワークホルダ近傍情報b」が記述されている。これら「すれ違い可サイズ情報a」および「ワークホルダ近傍情報b」は、命令種類を示すG○○等のコードの種類と、そのコードの内容となるフラグ等により構成される。具体的には、加工プログラム62は、各軸の板材送り命令や加工ヘッド7のパンチ動作等の加工命令の各命令行を実行順に並べたものであり、製品板材Wを1枚分加工する命令行の並びである命令群Cが複数設けられている。これら各命令群Cに、「すれ違い可サイズ情報a」および「ワークホルダ近傍情報b」が記述される。ワークホルダ近傍情報bは、例えば、ワークホルダ57の近傍でかつ設定寸法以下という条件に合致する命令群Cにのみ設けても良く、また全ての命令群Cに合致するか否かの区別内容を含む情報として設けても良い。演算制御部61は、これらすれ違い可サイズ情報a、ワークホルダ近傍情報bを読み出すと、搬送制御装置70に転送する。
上記すれ違い可サイズ情報aおよびワークホルダ近傍情報bは、自動プログラミング装置で加工プログラム62を生成するときに設けられる。すれ違い可サイズであるか否かの判定は、適宜定めた寸法と比較して定めれれば良い。また、ワークホルダ近傍情報bの基準となるワークホルダの近傍でかつ設定寸法以下という条件を充足するか否かは、作業具とワークホルダとの干渉の問題が回避できる範囲で、任意に設定した値を基準として判断すれば良い。
搬送制御装置70は、板材搬送装置2を制御する装置であって、板材搬送装置2の前後移動用フレーム16を進退駆動する駆動源や、ローダ13,14の走行体24の走行駆動源、昇降体25の昇降駆動源の軸移動制御、および各保持具23の吸引,吸引解除の制御等を行う。搬送制御装置70は、加工機制御装置60と接続されていて、互いに動作の開始や完了等の信号の送受を行い、板材加工機1の各動作に応じて板材搬送装置2を制御する。搬送制御装置70は、コンピュータ式のプログラマブルコントローラ等から構成されていて、搬送プログラムとこれを実行する演算制御部(いずれも図示せず)を備え、これらにより、次の搬送パターン判断手段71およびシーケンス制御手段72が構成されている。搬送制御装置70は、この他に、上記各駆動源の上記軸移動制御を行う軸移動制御手段等を有するが、その説明は省略する。
搬送パターン判断手段71は、シーケンス制御手段72で設定された複数の搬送パターンのうちのいずれの搬送パターンを用いるかを判断する手段であり、加工機制御装置60から送信されるすれ違い可サイズ情報aおよびワークホルダ近傍情報bから、次のいずれの搬送パターンとするかを判断する。
搬送パターンには、図9と共に前述したように、2台のローダ13,14を同期移動させて両ローダ13,14により1枚の板材Wcを搬送する2台同期搬送パターンと、2台のローダ13,14を別々に走行させて搬送する非同期系搬送パターンとに大別される。非同期系搬送パターンには、2台のローダ13,14を交互に走行させる基本搬送パターンと、2台のうちの特定のローダ13,14のみを走行させるローダ特定搬送パターンとがある。
シーケンス制御手段72は、上記非同期系搬送パターンの制御を行う非同期系搬送パターン制御部73と、上記同期搬送パターンの制御を行う2台同期搬送パターン制御部74とを有する。非同期系搬送パターン制御部73には、基本搬送パターン、すなわち交互運転によるすれ違い動作の搬送パターンで動作させる基本搬送パターン制御部73aと、後ろ側のローダ14のみを用いる搬送パターンで動作させるローダ特定搬送パターン制御部73bとがある。これら各手段の詳細は、図11の流れ図と共に説明する。
図11および図12,13と共に、搬送パターンの判断およびパターン別の搬送動作を説明する。
搬送制御装置70は、図11のステップS1で示すように、すれ違い可サイズであるか否かを判断する。この判断は、図1の加工機制御装置60から送信される「すれ違い可サイズ情報a」によって行う。すれ違い可サイズである場合は基本搬送パターンの指令を行う(S2)。すなわち、図1の基本搬送パターン制御部73aによって、2台のローダ13,14を交互に運転する制御が行われる。例えば、図12(A)に示すように、片方のローダ13で板材加工機1上の切り取り加工済みの製品板材Wを保持して搬出し、板材加工機1により次の製品板材Wの加工が完了すると、同図(B)のようにその製品板材Wをもう片方のロダ14で保持して搬出する。
ステップS1で、すれ違い可サイズでないと判断された場合は、2台同期搬送パターンの指令を行う(S3)。すなわち、図1の2台同期搬送パターン制御部74により、2台のローダ13,14で共同して1枚の板材Wを搬送する制御を行う。
すれ違い可サイズである場合は、ワークホルダ近傍であるか否かの判断が行われる(S4)。この判断は、図1の加工機制御装置60から送信されるワークホルダ近傍情報bによって行われる。すなわち、ワークホルダ近傍情報bがない場合、またはワークホルダ近傍情報bがワークホルダ近傍であることを示す場合は、ワークホルダ近傍であると判断する。
ワークホルダ近傍でない場合は、基本搬送パターンを維持して2台のローダ13,14の交互運転が行われる(S5)。
ワークホルダ近傍である場合は、基本搬送パターンを解除し(S6)、前側ローダ13の退避指令を行い(S7)、前側ローダ13の退避の完了を待って(S8)、後ろ側ローダ14による保持指令がなされ(S9)、図13のように、後ろ側ローダ14による製品板材Wの搬出が行われる。この基本搬送パターンの解除(S6)からステップS9の保持指令までの一連の制御はローダ特定搬送パターン制御部73bによって行われる。
図12,図13と共に、基本搬送パターンとローダ特定搬送パターンとを用いる具体例を説明する。図12(A)は、素材板材W0から、5枚の製品板材W1 〜W5 を切り取り加工する場合を示す。製品板材W1 〜W4 は、すれ違い可サイズであって、ワークホルダ近傍ではない板材である。製品板材W5 は、ワークホルダ近傍の小寸法の板材である。
まず、製品板材W1 を前側のローダ13で搬出したとすると、次の製品板材W2 は、図12(B)のように、後ろ側のローダ14で搬出することになる。交互運転のため、製品板材W3 は前側のローダ13で搬出し、製品板材W4 は後ろ側のローダ14で搬出する。次の製品板材W5 は、交互運転を続けるとすれば、後ろ側のローダ14で搬出することになる。しかし、後ろ側のローダ14で搬出するのでは、製品板材W5 がワークホルダ57の近傍であってかつ小サイズであるため、図15で示すように、板材保持具23で保持しようとしたときに、後ろ側のローダ14の持つ前方に突出した作業具58,59がワークホルダ57に干渉し、搬出が行えない。
そこで、ワークホルダ近傍の製品板材W5 については、交互運転を解除し、作業具58,59を有しない後ろ側のローダ14により、ワークホルダ57の近傍で小サイズの製品板材W5 を搬送するようにした。これにより、ローダ14の板材保持具配列体20を下降させて製品板材W5 を保持するときに、作業具がワークホルダ57に干渉することが回避される。
この構成の板材搬送システムによると、このように、板材加工機1により切り取られた板材Wのうち、ワークホルダ57の近傍でかつ設定寸法以下の板材Wは、搬送制御装置70の制御により、前方に突出した作業具58,59を有しない後ろ側のローダ14により搬送されることになる。このように前方に突出した作業具58,59を有しないローダ14で搬送するため、作業具58,59とワークホルダ57との干渉の問題がなくなる。そのため、素材板材W0に対して、ワークホルダ57によるグリップ代を少なくしたネスティングが、干渉の問題なく行え、歩留りの向上が図れる。
設定寸法よりも大きな板材Wや、ワークホルダ57の近傍に位置しない板材Wは、作業具58,59とワークホルダ59との干渉の問題がないため、いずれのローダ13,14で搬送しても良い。このような板材13,14は、両ローダ13,14を交互に運転して搬出するため、効率的な搬出が可能である。
なお、ある程度大きな板材Wは、一部がワークホルダ57の近傍にあっても、ワークホルダ57から離れた位置に十分な大きさの被保持領域があれば、前方に突出した作業具58,59を有するローダ13を用いても、作業具58,59とワークホルダ57との干渉の問題を生じることなく搬出が行える。そのため、このような板材Wは基本搬送パターンで搬送するようにしている。
また、この実施形態では、加工プログラム62中にワークホルダ近傍情報bを記述しておくため、板材Wがワークホルダ57の近傍でかつ設定寸法以下という条件を充足するか否かを、搬送制御装置70において容易に判断することができる。
なお、上記実施形態では、2台のローダ13,14を前後の軌道11,12に設置した場合につき説明したが、各軌道11,12のいずれか一方または両方に複数台のローダを設置しても良い。また、この実施形態では、板材搬送装置2が、板材加工機1から製品板材Wを搬出する場合を説明したが、板材搬送装置2は素材板材W0を板材加工機1に搬入するのに用いてもよい。
1…板材加工機
2…板材搬送装置
5…テーブル
7…加工ヘッド
8…板材送り機構
9…パレット(板材載置部)
11,12…軌道
13,14…ローダ
16…前後移動フレーム
19,20…保持具配列体
23,23A,23B,23C…板材保持具 24…走行体
25…昇降体
57…ワークホルダ
58,59…作業具
60…加工機制御装置
61…演算制御部
62…加工プログラム
70…搬送制御装置
71…搬送パターン判断手段
72…シーケンス制御手段
73…非同期系搬送パターン制御部
74…2台同期搬送パターン制御部
73a…基本搬送パターン制御部
7b…ローダ特定搬送パターン制御部
a…すれ違い可サイズ情報
b…ワークホルダ近傍情報
B…グリップ代
C…命令群
W…製品となる板材
W0…素材となる板材

Claims (3)

  1. 素材となる板材から製品となる板材を切り取り可能な板材加工機と、この板材加工機に対して板材の搬出を行う板材搬送装置と、この板材搬送装置を制御する搬送制御装置とを備え、
    上記板材加工機は、板材に加工を施す加工ヘッドと、この加工ヘッドの前方にあって板材の前縁を把持するワークホルダを有しこのワークホルダの移動により板材を前後左右に移動させる板材送り機構とを有し、
    上記板材搬送装置は、上記板材加工機とこの板材加工機の側方に設けられた板材載置部との間で前後方向に離間して平行に設置された2つの軌道と、これら各軌道に沿ってそれぞれ独立して走行可能であって板材を保持する板材保持具を有する前側および後ろ側のローダとを備え、前側のローダは、上記板材保持具の配置範囲よりも前方に位置して、板材に対して作業を行う作業具を有し、この作業具は、上記板材保持具が板材加工機上の板材を把持するときに上記ワークホルダと干渉する恐れのある高さにあり、後ろ側のローダは上記作業具を有せず、
    上記搬送制御装置は、板材加工機により切り取られた板材のうち、上記ワークホルダの近傍でかつ設定寸法以下の板材を、上記後ろ側のローダにより搬送し、他の板材は前側および後ろ側のいずれかのローダで搬送するように制御するものとした、
    板材搬送システム。
  2. 上記搬送制御装置は、板材加工機により切り取られた板材を板材載置部へローダで搬送させる搬送パターンとして、2台のローダに交互に搬送させる基本搬送パターンと、この基本搬送パターンの制御を解除して後ろ側のローダに上記ワークホルダの近傍の板材を搬送させるローダ特定搬送パターンとを有する請求項1記載の板材搬送システム。
  3. 上記板材加工機を加工プログラムの実行により制御する加工機制御装置を備え、上記搬送制御装置は、上記加工プログラム中に記述された情報である、切り取り済み板材がワークホルダの近傍でかつ設定寸法以下あることを示すワークホルダ近傍情報を上記加工機制御装置から受けることで、板材がワークホルダの近傍でかつ設定寸法以下であることを認識し、後ろ側のローダにより搬送させるものとした請求項1記載の板材搬送システム。
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