JP5407021B2 - ロールペーパーケース - Google Patents
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Description
トイレット用のロールペーパーは、その用途から一般的に紙質を柔らかくし表面を微細な凹凸となるようにして肌に優しく触れるように配慮されており、更に使用感を良くするためにエンボス加工されているものもある。
従って、ペーパーを引き出したときにペーパーストッパー部は接触するペーパーの凹凸部或いはエンボス部に引掛かりペーパーの破断力の弱い部分から切れ始めると切れた部分が更に引掛かり幅方向以外の場所から切れてしまうという欠点があった。
また、ペーパーには一定の間隔でミシン目が施されており、ミシン目の穴部にペーパーストッパー部が引っ掛かりペーパーが切れ始めると前述と同様に幅方向以外の場所から切れてしまい、切り取ったペーパーが使い難いという欠点があった。
従って、ペーパーを切ろうとする方向に引き出して鋸歯状刃を揺動させるとペーパー押さえ部に押し付けられた部分以外は引き出されペーパーカット刃以外の部分で破れて幅方向に直線的に切れないため切り取ったペーパーが使い難いという欠点があった。
また、ロールペーパーの残り量が少なくなり重量が軽くなると、ペーパーは引き出すときの張力が無くなり、ペーパー端を上に引き上げてもペーパーカット刃にペーパーが食い込まないで滑るので上方に揺動しないから、ペーパー押さえ部がペーパーを支持面に押し付けできない。
従って、ペーパーは制止されないで継続して引き出されるから、切断することができないという欠点があった。
図5はペーパーカット手段の基本的構成部分とロールペーパーRとの位置関係を示している。
特許文献1及び特許文献2では、引き出されたペーパーを押し付ける機能および切る機能を備えた部材は枢軸方向に曲げ部を形成しているが、本願発明との比較において容易に理解を得るため図5及び図6では該部材を平坦形状にしてブレード7としている。
図6に示すように、ペーパーSを引き出す時、ブレード7に形成されたペーパー押さえ部72とストッパー片4に設けられたストッパー面41が離れているときペーパーSは抵抗なく自由に引き出すことが出来る。
必要な長さに引き出した後ペーパーSを切断するために引張る方向(以下切る方向と称する)Tに向けて引張るとブレード7に形成された切断歯71にペーパーSが当接する。
ペーパーSはその張力により当接する切断歯71の各場所に分散して押し力p1が作用するので、ブレード7が揺動する。
ブレード7が揺動するとペーパー押さえ部72はペーパーSを介してストッパー面41に分散した当接力p2(矢印の方向は反力として示している)で押し付ける。
当接力p2で押し付けられたペーパーSは引き出される力に抵抗して張力が増し、押し力p1が増加するので、その結果当接力p2も増加する。
従って、押し力p1も当接力p2も順次増加するので、切断歯71に当接しているペーパーSの破断力を押し力p1(即ちペーパーSの引張り力となる)が超えるとペーパーSは切断歯71の位置で切断して分離できる。
図7及び図8は図6のA矢視図とする。
枢支穴9の加工誤差或いはストッパー片4の取り付け誤差により、ブレード7のペーパー押さえ部72とストッパー面41の良好な平行度は精密加工しない限り得られない。
ロールペーパーケースの筐体1或いはストッパー片4等に使用される部材は、通常では板金、射出成形、木工、紙工など精密加工でない工法で得るから当然製作誤差が生じることになる。
また、図7で示すように枢支穴9の枢軸線とストッパー面41との距離は一方がD1、他方がD2とするとD1とD2は等しくなく、平行になっていない場合が多い。
この図ではD1<D2である。
従って、これらの製作誤差がいくつか重なって、ペーパー押さえ部72とストッパー面41が平行にならないことが多い。
そのため、ペーパー押さえ部72はストッパー面41の一端41aに当接してペーパーSを押さえるが、ストッパー面41の他端41bには隙間が生じてペーパーSを押さえないので、ペーパーSを切る方向Tに引張ると、ペーパーSは偏って引張られるため(図7では図示を省いてある)切断歯71により一端41a側は切れるが他端41bは切れないで更に引張られるので幅方向に直線的に切れないため切り取ったペーパーが使い難いという欠点があった。
ストッパー面41の一端41a及び他端41bと枢軸8との距離は夫々D1及びD2であり、ペーパーカット手段を構成する各部材の製作精度が良かったとすると、D1とD2は等しく、ペーパー押さえ部72とストッパー面41が平行である。
ペーパーSを切る方向Tに引張ると、図8に示すように切断歯71のペーパーSの当接する全長にわたり分散した押し力p1が作用する。
ブレード7は枢軸方向に長くなると剛性が劣ってくる。従って枢軸8に近い両端は押し力p1による曲げモーメントが小さいので撓み量が少ないが、ブレード7の中央に近づくほど押し力p1による曲げモーメントが大きくなるので撓み量が大きくなる。
従って、ペーパー押さえ部72は両端がストッパー面41の一端41a及び他端41bにそれぞれ当接するが、ブレード7の中央に向かって徐々にストッパー面41との隙間が大きく開いてしまう。
当然、隙間の発生した場所はペーパーSを押さえることができないので、ペーパーSは切る方向Tに引張られると幅の両端が停止させられて中央付近が引き出されるから(図8では図示を省いてある)、ペーパーSに偏った力が作用して幅方向に直線的に切れないという欠点があった。
前述のごとく、ストッパー面41と枢軸8との距離の関係は図7に示すようにD1<D2となっている。
ペーパーSを切る方向Tに引張ると、切断歯71の各場所に分散して押し力p1が作用するので、ペーパー押さえ部72は初めに一端41aに当接し、その後ブレード7は捩じれて他端41bにも当接する。
しかし、ブレード7の枢軸8を支点として押し力p1による曲げモーメントは中央に向かって大きくなり、ブレード7の中央に向かって徐々にストッパー面41との隙間が大きく開き、図8に示すような隙間ができる。
従って、ペーパーSは幅の両端が停止させられるが、中央付近が引張られて引き出されるので、ペーパーSに偏った力が作用して幅方向に直線的に切れないという欠点があった。
また、第2の課題解決手段は、前記ストッパー面に前記ペーパーを押し付けてペーパーの通過を制動する押し付け部材を前記筐体前壁に固設したことで前記第1の課題解決手段に記載のロールペーパーケースを構成している。
従って、引き出されたペーパーは切る方向に引張られると切断歯を押し、ブレードが揺動するからペーパー押さえ部がペーパーを介してストッパー面に当接する。
更にペーパーを引張るとブレードは両端の枢軸を支点にして面方向に撓もうとするが、筐体に固定された受け片に形成された稜線がブレードの枢軸線の近傍にブレードに隣接するように配設されているので、ブレードの面が該稜線に当接して撓みを阻止される。
更にペーパーを引張ると今度はブレードに当接している稜線が揺動支点となり、ブレードは枢軸線方向で捩じれを伴いながら各場所において梃子の原理でストッパー面に当接するから、ペーパー押さえとストッパー面に挟まれたペーパーは全幅に亘り一様に押さえられて通過を停止されるので、ペーパーが当接する切断歯にも全幅に亘り一様な押し力が加えられ、該押し力即ちペーパーの切断力が作用するから、切断力がペーパーの破断力を超えれば幅方向に直線的に切断できるので、切られたペーパーが使い易いという効果が得られる。
従って、ペーパー表面に細かい凹凸、エンボス面、或いはミシン目が施されていたとしてもペーパー押さえ部がこれらに引っかからないから、ペーパーは破れることなく楽に引き出すことができるという利点がある。
従って、切断された後のペーパー端がペーパーの自重で筐体内に落下しようとしてもペーパーは押し付け部材とストッパー面に挟まれて軽く押さえられるので、ペーパー端が筐体内に落下せずブレードの位置に止まるから、次回取り出すときにペーパー端を指先で容易に摘んで引き出すことができるという効果が得られる。
従って、ペーパーは切る方向に引張ると張力が発生し切断歯の歯先上を滑ることなく少し食い込むから更に切断歯に押し力が加わり、ペーパー押さえ部もペーパーを押さえる力が増してペーパーの張力が増すという相乗効果により押し力即ちペーパーの引張り力がペーパーの破断力を超えるとペーパーは切断歯の位置で幅方向に楽に切断できるという効果が得られる。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
ペーパーSを引き出すときはブレード7に強く接触しないようにストッパー片4に設けられたストッパー面41に凡そ平行に引出すか或いはペーパーSが切断歯71に強く当接しない程度傾けて引き出しても良い。
ペーパーSの端部を持って引き出すとロールペーパーRが回転し、筐体1の内面を摺動して発生する摺動抵抗によりペーパーSには張力が生じる。
必要長さを引き出した後ペーパーSは切る方向Tに向けて引張られると、前記張力によって切断歯71に当接した後ペーパーSの全幅の各場所が押し力p1で切断歯71を押すので、ペーパーSは切断歯71の刃に僅かに食い込み切断歯71を移動させるからブレード7は揺動する。
ブレード7が揺動すると、ペーパー押さえ部72はペーパーSを介してストッパー面41に当接するからペーパー押さえ部72とストッパー面41に挟まれたペーパーSは全幅の各場所に当接力p2を受けて引出される動きを制止される。(図2は当接直前の状態を表している)
枢軸8から切断歯71までの距離が、枢軸8からペーパー押さえ部72までの距離より大きければ梃子の原理でp1<p2となり、距離の差を大きくすれば当接力p2が大きくなりペーパーSの引出される動きを制止する力が強くなるから、ペーパーSが破断力の大きい材質であったとしても切断できるという利点がある。
しかし、本発明においては、図2に示すようにブレード7の撓む方向側の前壁5に受け片10を固設し、該受け片10の稜線12をブレード7の枢軸線の近傍にてブレード7と隣接して接触するように配置してあるため、押し力p1が作用してブレード7が撓もうとしても稜線12がブレード7の撓み力を受け力p3で受けるので、ブレード7は撓みが抑えられるからペーパー押さえ部72の全ての箇所にて当接力p2でペーパーSを押さえることができる。
ブレード7が枢軸線方向に長くなり剛性が劣るようになっても、稜線12がブレード7の全長に亘り梃子の支点となるから、概略であるが押し力p1+当接力p2=受け力p3となり、ペーパー押さえ部72の各場所でペーパーSを当接力p2で押さえることができるという効果が得られる。
従って、押し力p1即ちペーパーSの引張り力は、ペーパーSの全幅に均等に作用するのでペーパーSの破断力を超えれば切断歯71の当接部分から直線的に切断できるからペーパーSを幅方向に直線的に使いやすい形で切り取れるという効果が得られる。
切断歯71はペーパーSが刃先に食い込み易くするため鋸歯状に形成しても良い。
鋸歯状に形成すれば、ペーパーSが歯の先端に食い込むことにより断続的にペーパSを破断することになり、ペーパーSを引張る力が小さくても切れるので、切る作業が楽になる。
また、引張る方向を正面に対し右方向M、或いは左方向Hにすると押し力p1がペーパーSの幅の片側から順次移動するのに対し、対応する位置の当接力p2も順次移動するので、ペーパーSも順次切れていくから、幅全体を一気に切るよりペーパーSを引張る力が大幅に小さくなって切る作業が楽になる。
一方、ペーパー押さえ部72と他端41bとの間には隙間が生じているのでペーパーSを押さえることができないからさらに引張ると他端41b側は切断しないで移動するのでペーパーSは幅方向に直線的に切断されなかった。
しかし、本発明の第1の実施の形態では受け片10の稜線12をブレード7の枢軸線の近傍にてブレード7と隣接するように配置してあるので、切断歯71の各場所が押し力p1で押されるとブレード7が撓もうとする力を稜線12で受けた後ブレード7の全長に亘り稜線12を支点として揺動するから、各場所の押し力p1に対応してペーパー押さえ部72の各場所がストッパー面41に当接するまでブレード7が捩じれる。
従って、図9に示すようにペーパー押さえ部72はストッパー面41の全ての位置でペーパーSを押し付けるのでペーパーSの通過を全幅に亘り制止できる。
従って、ペーパーSは切断歯71の当接部分から幅方向に直線的に切断できるので使いやすい形で切り取れるという効果が得られる。
従って、前述と同様にペーパーSは切断歯71の当接部分から幅方向に直線的に切断できるからを使いやすい形で切り取れるという効果が得られる。
この手順は片手で作業できるので、他方の手が塞がっているとき、片手が不自由な人、或いはロ−ルペーパーケースが片手を伸ばして届く場所に置かれている場合等に楽に操作できるという効果が得られる。
なお、これらの本発明の異なる実施の形態の説明に当たって、前記本発明の実施例1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
即ち、ストッパー面41にペーパーSを軽く押し付けてペーパーSの通過を制動する押し付け部材16を前記筐体1の前壁5に設けている。
シュー部材18は切り取られた後のペーパーSの端部が自重で筐体1内に落下しないようにペーパーSをストッパー面41に軽く押し付ける役割を果たしている。
従って、ペーパーSを引き出して必要長さに切った後に残ったペーパーSの端部は自重で落下することなくブレード7の位置に止まっているので、次にペーパーSを取り出すには止まっているペーパーSの端部を掴めば引き出せるという利点がある。
押し付け部材16が無い場合、ペーパーSを切る方向Tに引張るとペーパーSに張力が無いので切断歯71に押し力p1が作用せず、ブレード7が揺動してペーパー押さえ部72がペーパーSを制止する力が発生しないので、ペーパーSは切断歯71の上を滑って連続的に引出されてしまう。
しかし、本発明では押し付け部材16がペーパーSを軽く押し付けているのでペーパーSを引き出すとペーパーSの押し付け部材16が接触する位置から先端までに張力が発生するから、ペーパーSを切る方向Tに引張ると切断歯71の歯先上を滑ることなく僅かに食い込むから更に切断歯71に押し力p1が加わり、従ってペーパーSを押さえる当接力p2が増すという相乗効果でペーパーSの押し力p1即ち切断力がペーパーSの破断力を超えると切断歯71の当接部分から直線的に切断できるからペーパーSを使い易い形で切り取れるという効果が得られる。
このような形態にすると、ロールペーパーRを必要長さに切って使う生活環境或いは生活状況に関連した小物を整理保管するときにトレイの上に置けば保管取出しに便利になるという利点がある。
この場合、ロールペーパーRが回転するときの保持部材22との回転抵抗が小さいので、ペーパーSに張力を発生させるために押付け部材16を前壁5に設けてペーパーSの通過を制動している。
従って、ペーパーSを引き出すとペーパーSの押し付け部材16が接触する位置から先端までに張力が発生するから、ペーパーSを切る方向Tに引張ると切断歯71の歯先上を滑ることなく僅かに食い込むから更に切断歯71に押し力p1が加わり、従ってペーパーSを押さえる当接力p2が増すという相乗効果でペーパーSの押し力p1即ち切断力がペーパーSの破断力を超えると切断歯71の当接部分から直線的に切断できるからペーパーSを使い易い形で切り取れるという効果が得られる。
ロールペーパーRを筐体1内に収容し、ペーパーSの端部を引き出した後ストッパー片4をガイド溝24に挿入保持すれば前記本発明の第4の実施の形態と同様にブレード7がペーパーSを介してストッパー片4のストッパー面41に当接するのでペーパーSの通過を制止するから片手でペーパーSを引き出して切ることができる。
筐体1の後壁23をトイレットの壁面Wに取り付ければ、従来のトイレットペーパーホルダーと同様にペーパーSを引き出すことができるという利点が得られる。
掛止部材25には枢支穴9が設けられ、ブレード7が枢支されている。
掛止部材25にはガイド溝24が形成されておりストッパー片4の両端部がガイド溝24に着脱可能に嵌入して保持され、ブレード7が揺動してペーパー押さえ部72が当接したときに撓まないように長さ方向にL字状に形成して剛性を持たせている。
また、受け片10の両端はそれぞれ掛止部材25に固定され、受け片10に形成された稜線12はブレード7に枢軸線の近傍にて隣接している。
ロールシートR’を筐体1にセットするには、最初にストッパー片4をガイド溝24からスライドさせて取り外しておき、蓋板3を開けてロールシートR’を筐体1に収容した後シートS’の端部を筐体1の外に引き出してストッパー片4を両サイドのガイド溝24に嵌入させて完了である。
ブレード7は長くなるとシートS’を切る方向に引張ったとき引張られた方向に撓もうとするが、稜線12に当接して撓みを押えられると同時に稜線12がブレード7の揺動支点となるので、前記第1の実施の形態と同様にペーパー押さえ部72がシートS’の全幅を押えるからシートS’
は当接する切断歯71の各場所に切断力が作用し、切断力がシートS’の破断力を超えれば切断歯71の当接部分から直線的に切断できるからシートS’を使いやすい形で切り取れるという効果が得られる。
2:蓋体
3:蓋板
4:ストッパー片
5:前壁
6:側壁
7:ブレード
8:枢軸
9:軸支穴
10:受け片
11:取出し口
12:稜線
15:蝶番
16:押し付け部材
17:ベース部材
18:シュー部材
21:周壁
22:保持部材
23:後壁
24:ガイド溝
25:掛止部材
26;縁部
41:ストッパー面
41a:一端
41b:他端
71:切断歯
72:ペーパー押さえ部
R:ロールペーパー
S:ペーパー
T:切る方向
Claims (2)
- 筐体に収容されたロールペーパーから引き出されたペーパーの取出し口に設けられ、該ペーパーの幅方向で両端に枢軸を持ち揺動するブレードと、該ブレードのロールペーパー側の一辺に形成したペーパー押さえ部がペーパーを介して当接し該ペーパーの通過を押さえるストッパー面と、ブレードのペーパー押さえ部の対辺に形成されペーパーを幅方向に切断する切断歯とからなるペーパーカット手段において、ペーパーを切る方向に引張りブレードの切断歯に押し力を与えたときに両端の枢軸を支点にして面方向に撓むブレードに当接して撓みを阻止すると共に当接後は該ブレードの揺動支点となる稜線をブレードの枢軸線の近傍に配設してなる受け片を前記筐体に固設したことを特徴とするロールペーパーケース。
- 前記ストッパー面に前記ペーパーを押し付けてペーパーの通過を制動する押し付け部材を前記筐体前壁に固設したことを特徴とする、前記請求項1に記載のロールペーパーケース。
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