JP5406515B2 - 可変抵抗素子並びにその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、両端にパルス電圧が印加されることで抵抗特性が変化する可変抵抗素子並びにその製造方法に関するものである。
フラッシュメモリやFeRAM、MRAMなどの電源をオフにしても記録された情報が保持できる不揮発性メモリは、音楽や動画や文章などの記録メディアとして利用可能である。また近年では、カルコゲナイド等を用いたPCRAMや金属酸化物を用いたRRAM(「RRAM」は本出願人シャープの登録商標)、硫化金属を用いたCBRAMなど電圧や電流を印加することで抵抗値の変化する可変抵抗体を用いた不揮発性可変抵抗素子の開発が進められている(例えば特許文献1、非特許文献1参照)。なお、特許文献1では、可変抵抗体としてタンタル酸化物を用いた例が開示されている。
これらの素子では、書き換え、読み出しの両動作共に、電圧パルスを印加することによってなされることが特徴として挙げられる。書き換え動作については、例えば、2〜4V程度のパルス電圧を素子に印加することでその抵抗値を変化させることで行う。また、読み出し動作については、例えば1V程度のパルス電圧を印加し、印加時の電流の大小を検出することで行う。
国際公開2008/126365号パンフレット W.W.Zhuang他,"Novell Colossal Magnetoresistive Thin Film Nonvolatile Resistance Random Access Memory(RRAM)",IEDM Technical Digest,pp.193-196,2002年12月 P.Knauth他,"Electrical and defect thermodynamic properties of nanocrystalline titanium dioxide.",Journal of Applied Physics Vol.85,Num.2 pp897-902,1999年1月 Sung-Dong Cho他,"Study on the amorphous Ta2O5 thin film capacitors deposited by dc magnetron reactive sputtering for multichip module applications",Materials Science and Engineering,B67(1999),108-112,1999年
しかしながら、可変抵抗素子には書き換え回数の問題がある。例えば、特許文献1に開示されたような「タンタル酸化物」を可変抵抗体として用いた場合、数百回から数千回の書き換えを行うことで抵抗値が不安定になり、高抵抗化時(例えば消去処理時)に所望の抵抗値まで高抵抗化しなくなるというエンデュランスの問題があった。なお、この問題は、後述する図4(b)においても明らかである。
本発明は、容易なプロセスで良好なエンデュランス特性を示し、プロセス耐性の高い可変抵抗素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る可変抵抗素子は、第1電極と第2電極の間に可変抵抗体が各電極と接触して狭持され、前記両電極の間に電圧パルスが印加されることで前記両電極間の電気抵抗が変化する可変抵抗素子であって、前記可変抵抗体が、遷移金属を含む材料の酸化物で構成されており、前記第1電極または前記第2電極の一方または双方が、金属酸化物からなる金属酸化物電極で構成され
前記金属酸化物電極は、前記可変抵抗体を構成する酸化物を構成する遷移金属とは異なる金属の酸化物、或いは、前記可変抵抗体を構成する酸化物を構成する遷移金属と同じ金属の酸化物(Ni酸化物を除く)からなり、
前記金属酸化物電極は、前記金属酸化物の室温で安定した化学量論的組成と比べて過剰に酸素を含有していることを特徴とする。
遷移金属を含む材料の酸化物で構成される可変抵抗体は、当該可変抵抗体内に形成される電流パスの抵抗変化領域において、酸素の含有量が電圧パルスの印加によって変動し、これが抵抗変化として現れると考えられる。特に高抵抗化に際しては、正電圧が印加された電極付近での陽極酸化によって可変抵抗体中の酸素含有量が増加し、これによって可変抵抗体が高抵抗化すると考えられる。
このとき、繰り返し書き換えを行うことで抵抗変化領域付近の酸素が拡散して酸素量が減少し、これによって高抵抗化を生じさせるのに十分な酸素量が確保できないため、結果として高抵抗化が進まなくなってしまう。
従って、可変抵抗体に接触する第1電極、第2電極の一方若しくは双方を金属酸化物電極として酸素を含有させることで、この電極が可変抵抗体への酸素供給源としての役目も兼ねることとなる。すなわち、繰り返し書き換え動作が行われた結果、抵抗変化領域付近の酸素が拡散したとしても、金属酸化物電極から酸素が補完され、この結果可変抵抗体には高抵抗化を実現するのに必要な酸素量を確保することができる。これによって、従来構成よりもエンデュランス特性が向上する。
しかも、本発明によれば、可変抵抗体と接触する電極の一方または双方を金属酸化物で構成するのみで良いため、通常の酸化膜成膜プロセス、あるいは酸化プロセスによって高いエンデュランス特性を示す可変抵抗素子を製造することができる。すなわち、このような高いエンデュランス特性を示す可変抵抗素子を製造するに際し、特有のプロセスを必要とするものではないため汎用性が高く、また製造コストの大幅な上昇を招くことがない。
また、上記構成において、前記可変抵抗体と接触しない側の前記金属酸化物電極の面に接触して、金属材料で構成された補助電極をさらに備えるものとしても良い。
このようにすることで、可変抵抗体が高抵抗状態に遷移するのに必要な酸素量を十分に確保することができる。
なお、前記金属酸化物電極は、Co,Ta,Ti,Ni,Cu,Wのうち少なくともいずれか一つの元素を含む材料の酸化物とすることができる。
また、前記可変抵抗体は、Ta,Tiのうち少なくともいずれか一つの元素を含む材料の酸化物とすることができる。
また、本発明の可変抵抗素子の製造方法は、所定の基板上に金属材料を成膜して前記第1電極を形成する工程と、前記第1電極に接触するように、遷移金属を含む材料の酸化物を成膜して前記可変抵抗体を形成する工程と、前記可変抵抗体に接触するように、前記可変抵抗体よりも酸素含有濃度を高くして前記金属酸化物を成膜することで、低抵抗状態の前記可変抵抗体よりも抵抗値が低い前記金属酸化物電極で構成された前記第2電極を形成する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の可変抵抗素子の製造方法は、所定の基板上に前記金属酸化物を成膜して前記金属酸化物電極で構成された前記第1電極を形成する工程と、前記第1電極に接触するように、前記第1電極よりも酸素含有濃度を低くして遷移金属を含む材料の酸化物を成膜することで、低抵抗状態において前記第1電極よりも抵抗値が高い前記可変抵抗体を形成する工程と、前記可変抵抗体に接触するように、金属材料を成膜して前記第2電極を形成する工程と、を有することを特徴とする。ここで、前記所定の基板としては、例えば、シリコン基板上に絶縁膜を成膜した状態のものを利用することができる。
このとき、前記所定の基板上に金属材料を成膜して補助電極を形成した後、当該補助電極上に前記金属酸化物を成膜することで前記第1電極を形成するものとしても良い。
また、上記特徴に加え、少なくとも酸素を含む雰囲気下でスパッタ法によって前記金属酸化物を成膜するものとしても良い。
また、本発明の可変抵抗素子の製造方法は、所定の基板上に金属材料を成膜する工程と、成膜された金属材料膜の上面を酸化することで、少なくとも前記金属材料膜の上面に前記金属酸化物電極で構成された前記第1電極を形成する工程と、前記第1電極に接触するように、前記第1電極よりも酸素含有濃度を低くして遷移金属を含む材料の酸化物を成膜することで、前記第1電極よりも抵抗値が高い前記可変抵抗体を形成する工程と、前記可変抵抗体に接触するように、金属材料を成膜して前記第2電極を形成する工程と、を有することを特徴とする。
このとき、前記金属材料膜の上面を酸素ラジカル雰囲気下で酸化することで前記第1電極を形成するものとしても良い。
また、上記特徴に加え、前記金属材料膜が、Co,Ta,Ti,Ni,Cu,Wのうち少なくともいずれか一つの元素を含む金属材料で構成されることを特徴とする。
また、本発明の可変抵抗素子の製造方法は、所定の基板上に金属材料を成膜して前記第1電極を形成する工程と、前記金属材料に接触するように、含有酸素濃度を断続的に上昇させながら前記遷移金属を含む材料の酸化物を成膜して前記可変抵抗体を形成する工程と、前記可変抵抗体に接触するように、金属材料を成膜して前記第2電極を形成する工程と、を有することを特徴とする。
このとき、酸素を含む雰囲気下で酸素分圧を断続的に上昇させながらスパッタ法によって前記遷移金属を含む材料の酸化物を成膜して前記可変抵抗体を形成するものとしても良い。
また、上記特徴に加え、前記遷移金属を含む材料の酸化物をTaまたはTiの酸化物とすることができる。
本発明の構成によれば、十分な回数の書き換えを行ってもなお安定した書き換えが可能な可変抵抗素子を実現でき、しかもそれを容易なプロセスで実現することができる。
本発明に係る可変抵抗素子の各実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す各図は模式的に示されたものであり、図面上の寸法比は実際の寸法比と異なるものである。特に、本発明の理解の容易化を図るべく、膜厚方向の長さを実際よりも強調して示す場合がある。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態における可変抵抗素子の概略的構成を示す断面図である。図1に示す可変抵抗素子1は、半導体基板10,シリコン酸化膜11,第1電極12,可変抵抗体13,第2電極14を備えて構成される。
図1に示す可変抵抗素子1の製造方法は、以下の通りである。
まず、半導体基板10上に、シリコン酸化膜11を形成した後、第1電極12を構成する電極材料膜を成膜する。ここでは、Ti膜(12a)とTiN膜(12b)の積層膜からなる電極材料膜を成膜する。
次に、可変抵抗体13を構成する金属酸化物、例えば酸化タンタルをリアクティブスパッタ法で約14nm程度成膜する。このスパッタ工程は、金属タンタルをターゲットとして用い、アルゴンと酸素の混合雰囲気中で行う。なお、タンタル酸化物やチタン酸化物の抵抗値が成膜時の酸素分圧に強く依存することは従来知られている(例えば上記非特許文献2,3参照)。本実施形態では、作成された素子の初期抵抗が約1MΩ〜100MΩ程度の比較的高い抵抗値になるように酸素分圧を調整する。これは、タンタル酸化物の初期抵抗値が低過ぎた場合、スイッチング動作(可変抵抗素子の抵抗値の可逆的変化)そのものの実行は可能であるが、書き換え時に生じる電流が大きくなるという問題を生じ、あまり好ましくないためである。
次に、可変抵抗体13上に、第2電極14を構成する電極材料膜を成膜する。本実施形態では、電極材料として金属酸化物である酸化コバルトを利用し、リアクティブスパッタ法によって成膜した。なお、図1を含む以下の図面においては、薄い色で塗りつぶされている電極(図1では第1電極12)は金属材料で形成されていることを示しており、濃い色で塗りつぶされている電極(図1では第2電極14)が金属酸化物で形成されていることを示している。
図2は、コバルト酸化物を抵抗確認用の評価用素子を用いて評価した結果を示すものであり、スパッタ時の酸素流量を横軸、抵抗値を縦軸としてグラフ化したものである。図2を参照すれば、約7%程度の酸素流量時に抵抗値がピークを示しており(グラフ内のK1参照)、それを超える酸素流量の場合には抵抗値が減少している。これは、抵抗値がピークを示す付近においては、成膜されるコバルト酸化物が化学量論的組成であるCoOに近い状態であることを示している。そして、このことは、コバルト酸化物においても、タンタル酸化物やチタン酸化物と同様、抵抗値が成膜時の酸素分圧に強く依存することを示唆するものである。
本実施形態では、上記の点を踏まえ、第2電極14そのものの抵抗が10kΩ以下程度、すなわち素子の初期抵抗と比較して十分小さい抵抗値となるように酸素分圧を調整する。一例としては、第2電極14を構成するコバルト酸化物の成膜時において、酸素を12%程度導入し、化学量論的組成と比較して過剰な酸素を有するように酸素流量を調整する。
次に、既知のフォトリソグラフィ法とドライエッチング法を用いて第2電極14と可変抵抗体13とを一括して加工する。これにより、図1に示される構成を得る。
このようにして製造された可変抵抗素子1に対し、市販のマニュアルプローバーを用いて第1電極12、第2電極14のそれぞれに測定用針を接触させ、電気特性の評価を行った。電気特性評価方法としては、第1電極12、第2電極14の両端に市販のパルスジェネレーターを用いて電圧パルスを印加した後、配線を切り替えて市販の半導体パラメータアナライザーを用いて素子の抵抗値を測定した。書き換え時における印加電圧パルスとしては、パルス幅20ns、電圧値2V(絶対値)のものを利用し、正負のパルス電圧を交互に印加した。また、読み出し時には、0.5Vの電圧を両端に印加し、読み出される電流値から抵抗値を導出した。
図3は、本実施形態における可変抵抗素子と従来の可変抵抗素子のエンデュランス特性の比較結果を示すものであり、書き換え回数を横軸、抵抗値を縦軸としてグラフ化したものである。なお、縦軸、横軸ともに対数表示している。図3において、(a)は第2電極14としてコバルト酸化物を用いて構成した本実施形態の可変抵抗素子、(b)は第2電極として金属材料(コバルト)を用いて構成した従来の可変抵抗素子の特性を示している。なお、図3(b)に特性が示されている比較対象としての従来の可変抵抗素子は、本実施形態の可変抵抗素子1と比較して、第2電極14の材料のみが異なる構成である。
図3は、可変抵抗素子に対しパルス電圧を複数回印加した後に読み出し動作を行って読み出された抵抗値を、パルス電圧の印加回数と関連付けてグラフにしたものである。図3に示すように、可変抵抗素子は高抵抗状態と低抵抗状態を取り得る素子であり、パルス電圧の印加によってこの両抵抗状態間を遷移する特性を有している。なお、エンデュランス特性を得るに際し、一回の書き換え動作を行う毎に読み出し動作を行うのは非常に多大な時間を要する。このため、パルス電圧を印加するごとに抵抗値の読み出しを行うということは行わず、繰り返し複数回のパルス電圧の印加を行った後に、適宜抵抗値の読み出しを行っている。
図3(b)のように、第2電極14としてコバルト電極を採用した場合、書き換え回数が一定回数(10回)を超えると、十分に高抵抗化できなくなることが示される(図内の領域K2参照)。このことは、高抵抗化が消去動作に割り当てられている場合、第2電極14としてコバルト電極を利用する構成では、書き換え回数が一定回数を超えると正しく消去処理が行えないということを示唆するものである。
これに対し、図3(a)のように、第2電極14としてコバルト酸化物電極を採用した本実施形態の場合、書き換え回数が1011回を超えてもなお高抵抗状態と低抵抗状態の2状態を、十分な抵抗差を有した状態で認識することが可能である。このことは、書き換え回数が1011回を超えても、なお、書き込み処理並びに消去処理を正しく実行できることを意味するものである。すなわち、第2電極14としてコバルト電極を利用する場合に比べ、コバルト酸化物電極を利用した本実施形態の構成によればエンデュランス特性が著しく向上することを表すものである。
図4〜図6は、第2電極14として用いる材料を図3の場合と異ならせて、図3と同様に、読み出された抵抗値を、パルス電圧の印加回数に関連付けてグラフ化したものである。
図4では、本実施形態の構成として第2電極14にタンタル酸化物電極を利用したものを(a)に示し、比較対象としてタンタル電極を利用したものを(b)に示した。図5では、本実施形態の構成として第2電極14にチタン酸化物電極を利用したものを(a)に示し、比較対象としてチタン電極を利用したものを(b)に示した。図6では、本実施形態の構成として第2電極14にニッケル酸化物電極を利用したものを(a)に示し、比較対象としてニッケル電極を利用したものを(b)に示した。
なお、図4(a)、図5(a)、及び図6(a)の構成は、コバルト酸化物電極を第2電極14に用いた場合と比較して、第2電極14の材料を異ならせるのみで、他の方法は同一にして製造したものである。すなわち、第2電極14を構成する電極膜(タンタル酸化物電極、チタン酸化物電極、ニッケル酸化物電極)を形成するに際し、化学量論的組成と比較して過剰な酸素を有するように酸素流量を調整して成膜している。なお、タンタル酸化物、チタン酸化物、あるいはコバルト酸化物と同様、ニッケル酸化物においても抵抗値が成膜時の酸素分圧に依存するものと考えられる。
図4(b)、図5(b)、図6(b)によれば、第2電極14としてそれぞれタンタル電極、チタン電極、ニッケル電極を採用した従来構成の場合、書き換え回数が一定回数(10〜10回)を超えると、十分に高抵抗化できなくなることが示される(図内の領域K3,K4,K5参照)。これに対し、図4(a)、図5(a)、図6(a)によれば、第2電極14としてそれぞれタンタル酸化物電極、チタン酸化物電極、ニッケル酸化物電極を採用した本実施形態の場合、コバルト酸化物電極の場合と同様、書き換え回数が1011回を超えてもなお高抵抗状態と低抵抗状態の2状態を、十分な抵抗差を有した状態で認識することが可能である。
以上によれば、第2電極14として、金属電極ではなく過剰に酸素を含む金属酸化物電極を採用することで、その金属酸化物電極を構成する材料によらずエンデュランス特性が大幅に上昇することが分かる。このことは、言い換えれば、従来構成と比較して、単に第2電極14の材料を金属酸化物で構成することのみで実現できるため、本発明に特有のプロセスが別途必要となるわけではなく、従来の製造プロセスで実現できるというメリットも有している。
図3〜図6に示されるように、第2電極14として金属電極を用いた場合、書き換え回数が増大すると高抵抗化が起こりにくくなる一方、金属酸化物電極を用いることでそのような事態が生じなくなる理由として、本発明者は以下のような考えに至った。
金属酸化物からなる可変抵抗体、例えばチタンやタンタルの酸化物は、酸素の組成比によって抵抗値が非常に大きく異なることが知られている。
これらの材料を可変抵抗体13として用いた可変抵抗素子1は、可変抵抗体13の中の電流パスの抵抗変化領域において、酸素の含有量が電圧パルスの印加によって変動し、これが抵抗変化として現れると考えられる。特に高抵抗化に際しては、正電圧が印加された電極付近での陽極酸化によって可変抵抗体13中の酸素含有量が増加し、これによって可変抵抗体13が高抵抗化すると考えられる。
このとき、繰り返し書き換えを行うことで抵抗変化領域付近の酸素が拡散して酸素量が減少し、これによって高抵抗化を生じさせるのに十分な酸素量が確保できないため、結果として高抵抗化が進まなくなってしまう。
従って、本実施形態のように、可変抵抗体13に接触する第2電極14に酸素を含有させることで、第2電極14が可変抵抗体13への酸素供給源としての役目も兼ねることとなる。すなわち、繰り返し書き換え動作が行われた結果、抵抗変化領域付近の酸素が拡散したとしても、第2電極14を構成する金属酸化物内から酸素が補完される結果、可変抵抗体13には高抵抗化を実現するのに必要な酸素量を確保することができる。これによって、従来構成では10〜10回程度の書き換え回数で高抵抗化が正しく行えなかったが、本実施形態の構成では1011回を超えてもなお高抵抗化の実現が可能となったものと考えられる。
図7は、本実施形態における可変抵抗素子と従来の可変抵抗素子の熱耐性の比較結果である。図7では、一例として、第2電極14としてタンタル酸化物電極を用いて製造した本実施形態のサンプルと、タンタル電極を用いて製造した従来構成のサンプルを、それぞれ400℃で10分間加熱した後、室温に戻して測定した抵抗値と、加熱前の抵抗値を比較している。
図7によれば、第2電極14としてタンタル電極を用いた従来構成のサンプルの場合、加熱によって抵抗値が大きく減少している。これに対し、タンタル酸化物電極を用いた本実施形態のサンプルの場合、加熱前後で抵抗値の変動がほとんどなく、安定していることが分かる。これによれば、第2電極14としてタンタル酸化物電極を用いることで、エンデュランス特性のみならず熱耐性をも向上する効果があることが分かった。
なお、ここでは図示しないが、他の金属酸化物(コバルト酸化物、チタン酸化物、ニッケル酸化物)を用いて第2電極14を構成した場合にも、タンタル酸化物の場合と同様に熱耐性が向上する効果があることが分かった。
また、上述した本実施形態では、可変抵抗体13としてタンタル酸化物を利用したが、これに限定されるものではなく、チタン等他の遷移金属の酸化物或いは酸窒化物としても構わない。これは以下の各実施形態においても同様とする。
さらに、本実施形態では、金属酸化物電極を構成しない側の電極(ここでは第1電極12)としてTiとTiNの積層膜を用いたが、これに限られるものではなく、電極として通常用いられる金属(Pt,Ta,W,Cu,Ti等)を利用するものとして構わない。以下の各実施形態においても同様とする。
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態(以下、適宜「本実施形態」という)における可変抵抗素子の概略的構成を示す断面図である。図8に示す可変抵抗素子2は、半導体基板10,シリコン酸化膜11,第1電極21,可変抵抗体13,第2電極22を備えて構成される。なお、第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付している。
図8に示す可変抵抗素子2の製造方法は、以下の通りである。
まず、半導体基板10上に、シリコン酸化膜11を形成した後、第1電極21を構成する電極材料膜を成膜する。ここでは、チタン膜(21a)とチタン酸化膜(21b)の積層膜(50nm/10nm)からなる電極材料膜をスパッタ法にて成膜した。なお、チタン酸化膜21bを成膜するに際しては、チタン酸化物が酸素の含有比率に依存して大きく抵抗値を変化させるため、リアクティブスパッタする際に酸素流量を適宜調整し、この後に成膜する可変抵抗体膜の低抵抗状態の抵抗値よりも十分小さな抵抗値を示すようにした。なお、チタンの場合はTiOが安定な酸化物であるが、酸素比率を下げることで容易に低抵抗のチタン酸化物を製造可能である。
次に、第1電極21(の上面を構成するチタン酸化膜21b)上に、可変抵抗体13を構成する金属酸化物(本実施形態ではチタン酸化物とする)をリアクティブスパッタ法で10nm成膜する。なお、ここでのチタン酸化膜の成膜工程においては、組成比がほぼTiOとなるように酸素流量を調整する。チタン酸化物においても、図2に示したコバルト酸化物同様、スパッタ時の酸素流量が所定値である場合において抵抗値がピークを示す。このため、本成膜工程においては、このピーク値を示す場合の酸素流量に近い値でチタン酸化膜を成膜する。これによって、低抵抗状態においても、可変抵抗体13の抵抗値は、第1電極21を構成するチタン酸化膜21bよりも著しく大きい値を示すこととなる。
その後、可変抵抗体13上に、第2電極22を構成する電極材料膜を成膜する。本実施形態では、電極材料としてチタン電極を利用する。そして、既知のフォトリソグラフィ法とドライエッチング法を用いて第2電極22と可変抵抗体13とを一括して加工する。これにより、図8に示される構成を得る。
図9は、本実施形態における可変抵抗素子のエンデュランス特性を示すものであり、書き換え回数を横軸、抵抗値を縦軸としてグラフ化したものである。なお、縦軸、横軸ともに対数表示している。
なお、図9のエンデュランス特性を得るに際しては、第1実施形態と同様、作成した素子に市販のマニュアルプローバーを用いて第1電極21、第2電極22のそれぞれに測定用針を接触させて、特性評価を行った。特性評価方法としては、第1電極21、第2電極22の両端に市販のパルスジェネレーターを用いて電圧パルスを印加した後、配線を切り替えて市販の半導体パラメータアナライザーを用いて素子の抵抗値を測定した。なお、第1電極21側に、パルス幅20ns,+2Vのパルス電圧を印加するステップと、第2電極22側に、パルス幅30ns,+3Vのパルス電圧を印加するステップを交互に繰り返して実行した。また、読み出し時には、0.5Vの電圧を両端に印加し、読み出される電流値から抵抗値を導出した。
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様、パルス電圧を印加するごとに抵抗値の読み出しを行うということは行わず、繰り返し複数回のパルス電圧の印加を行った後に、適宜抵抗値の読み出しを行っている。
図9によれば、同じチタン酸化物電極を備える場合の第1実施形態の特性を示す図5(a)と同様、書き換え回数が1011回を超えてもなお高抵抗状態と低抵抗状態の2状態を、十分な抵抗差を有した状態で認識することが可能である。図5(a)は、下部電極を構成する第1電極12を金属電極とし、上部電極を構成する第2電極14をチタン酸化物電極とした場合のエンデュランス特性である。一方、図9は、下部電極を構成する第1電極21のうち、可変抵抗体13と接触する領域(21b)をチタン酸化物電極とし、上部電極を構成する第2電極22を金属電極とした場合のエンデュランス特性である。
これにより、可変抵抗体13の上部か下部かにかかわらず、可変抵抗体13に接触する電極をチタン酸化物電極とすることで、第1及び第2電極が金属電極で形成される従来構成よりも著しくエンデュランス特性を向上させる効果があることが分かる。なお、本実施形態では、第1電極21の一部(21b)をチタン酸化物電極とした場合についてのみ結果を示したが、第1実施形態と同様に、他の金属酸化物(コバルト酸化物,タンタル酸化物,ニッケル酸化物)とした場合においても、同様の効果を有する。
なお、本実施形態においても、可変抵抗体13の材料、並びに金属酸化物電極を構成しない側の電極材料については、第1実施形態と同様に適宜選択し得るものである。
[第3実施形態]
図10は、第3実施形態(以下、適宜「本実施形態」という)における可変抵抗素子の概略的構成を示す断面図である。図10に示す可変抵抗素子3は、半導体基板10,シリコン酸化膜11,第1電極31,可変抵抗体13,第2電極32,下地電極35を備えて構成される。なお、第1あるいは第2実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付している。
図10に示す可変抵抗素子3の製造方法は、以下の通りである。
まず、半導体基板10上にシリコン酸化膜11を形成した後、下地電極35としてチタン膜をスパッタ法にて10nm程度の膜厚で成膜する。次に、第1電極31の一部を構成する金属材料膜(ここではコバルト膜31とする)をスパッタ法で膜厚50nm程度成膜する。
次に、ラジカル酸化法によりコバルト膜31の表面を酸化する。具体的には、酸化温度を400℃〜600℃程度とし、酸素ラジカル雰囲気で5〜15分程度の酸化処理を行う。これによって、コバルト膜31の上面の一部が酸化され、コバルト酸化膜31aが形成される。なお、コバルト酸化膜31aの下層には、酸化されていないコバルト膜31bが残存しており、このコバルト膜31bとコバルト酸化膜31aによって第1電極31が構成される。
次に、第1電極31上に、可変抵抗体13として金属酸化物(ここではタンタル酸化物とする)をリアクティブスパッタ法で14nm程度成膜する。その後、この可変抵抗体13上に、第2電極32を構成する電極材料膜を成膜する。本実施形態では、電極材料としてタンタル電極を利用する。そして、既知のフォトリソグラフィ法とドライエッチング法を用いて第2電極32と可変抵抗体13とを一括して加工する。これにより、図10に示される構成を得る。
図11は、本実施形態における可変抵抗素子のエンデュランス特性を示すものであり、書き換え回数を横軸、抵抗値を縦軸としてグラフ化したものである。なお、縦軸、横軸ともに対数表示している。
なお、図11のエンデュランス特性を得るに際しては、第1,第2実施形態と同様、作成した素子に市販のマニュアルプローバーを用いて第1電極31、第2電極32のそれぞれに測定用針を接触させて、特性評価を行った。特性評価方法としては、第1電極31、第2電極32の両端に市販のパルスジェネレーターを用いて電圧パルスを印加した後、配線を切り替えて市販の半導体パラメータアナライザーを用いて素子の抵抗値を測定した。なお、第1電極31側に、パルス幅20ns,+2V〜+3Vのパルス電圧を印加するステップと、第2電極32側に、パルス幅30ns,+2V〜+3Vのパルス電圧を印加するステップを交互に繰り返して実行した。また、読み出し時には、0.5Vの電圧を両端に印加し、読み出される電流値から抵抗値を導出した。
また、本実施形態においても、第1,第2実施形態と同様、パルス電圧を印加するごとに抵抗値の読み出しを行うということは行わず、繰り返し複数回のパルス電圧の印加を行った後に、適宜抵抗値の読み出しを行っている。
図11によれば、同じコバルト酸化物電極を備える場合の第1実施形態の特性を示す図3(a)と同様、書き換え回数が1011回を超えてもなお高抵抗状態と低抵抗状態の2状態を、十分な抵抗差を有した状態で認識することが可能である。第1実施形態では、酸化膜を成膜することで金属酸化物電極を形成したが、本実施形態によれば、金属材料の表面を酸化して酸化物電極を形成した場合であっても、エンデュランス特性を向上する効果があることが分かる。
図12,図13は、本実施形態と同様の製法の下で、第1電極31の一部を構成する金属材料を変更して同様の評価を行った場合の特性を示すグラフである。第1電極31として、タンタル,チタン,ニッケルを用いた場合の特性をそれぞれ図12(a),(b),(c)に示し、銅,タングステンを用いた場合の特性をそれぞれ図13(a),(b)に示している。なお、これらの各グラフの特性評価方法は、図11の場合と同様である。
第1電極31の一部を構成する金属材料として、タンタル,チタン,ニッケル,銅,タングステンを成膜する場合、その後に酸化処理を行うことで当該金属材料の上面には、それぞれタンタル酸化物,チタン酸化物,ニッケル酸化物,銅酸化物,タングステン酸化物が形成される。すなわち、これらの各酸化物が、可変抵抗体13と接触する第1電極31aを構成する。
図12,図13を参照すれば、高抵抗状態、低抵抗状態のそれぞれにおいて、多少の抵抗変動は見られるものの、1011回の書き換え動作を行った後においても依然として高抵抗状態の抵抗値と低抵抗状態の抵抗値は十分分離できる程度に差があり、良好な特性となっていることが分かる。
これらの結果から、金属酸化膜を成膜して電極を形成する場合と同様に、電極の可変抵抗体側の面を酸化することで電極の一部を金属酸化膜で構成した場合においても、エンデュランス特性を良好にすることができる。
なお、上述の第1〜第3実施形態では、第1電極と第2電極のいずれか一方が、可変抵抗体と接触する領域において金属酸化物で形成されるものとし、他方の電極は金属で形成されるものとした。これに対し、両電極ともに可変抵抗体と接触する領域において金属酸化物で形成されるものとしても構わない。
[第4実施形態]
図14は、第4実施形態(以下、適宜「本実施形態」という)における可変抵抗素子の概略的構成を示す断面図である。図14に示す可変抵抗素子4は、半導体基板10,シリコン酸化膜11,第1電極12,可変抵抗体41,第2電極22を備えて構成される。なお、第1〜第3実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付している。
図14に示す可変抵抗素子4の製造方法は、以下の通りである。
まず、半導体基板10上に、シリコン酸化膜11を形成した後、第1電極12を構成する電極材料膜を成膜する。ここでは、Ti膜(12a)とTiN膜(12b)の積層膜からなる電極材料膜を成膜する。
次に、可変抵抗体41を構成する金属酸化物、例えば酸化タンタルをリアクティブスパッタ法で約14nm程度成膜する。このスパッタ工程は、第1実施形態と同様、金属タンタルをターゲットとして用い、アルゴンと酸素の混合雰囲気中でスパッタを行う。そして、本実施形態では、第1実施形態と異なり、成膜中に酸素分圧を変動させることで酸化タンタル中の酸素の含有量を成膜方向で変化させる。例えば、酸化タンタルの成膜開始から最初の1分12秒は酸素の分圧を20%として10nm程度を成膜し(41a)、続いて酸素の分圧を42%として2分成膜し、17nm程度成膜する(41b)。これによって、第1電極12側と第2電極14側で酸素の含有率の異なる合計膜厚27nm程度の酸化タンタル膜41を形成し、可変抵抗体とする。
次に、可変抵抗体41上(41b上)に、第2電極22を構成する電極材料膜を成膜する。本実施形態では、電極材料としてチタン電極を利用する。そして、既知のフォトリソグラフィ法とドライエッチング法を用いて第2電極22と可変抵抗体41とを一括して加工する。これにより、図14に示される構成を得る。
図15は、本実施形態における可変抵抗素子のエンデュランス特性を示すものであり、書き換え回数を横軸、抵抗値を縦軸としてグラフ化したものである。なお、縦軸、横軸ともに対数表示している。
なお、図15のエンデュランス特性を得るに際しては、第1〜第3実施形態と同様、作成した素子に市販のマニュアルプローバーを用いて第1電極12、第2電極22のそれぞれに測定用針を接触させて、特性評価を行った。特性評価方法としては、第1電極12、第2電極22の両端に市販のパルスジェネレーターを用いて電圧パルスを印加した後、配線を切り替えて市販の半導体パラメータアナライザーを用いて素子の抵抗値を測定した。なお、第1電極12側に、パルス幅30ns,+2.4のパルス電圧を印加するステップと、第2電極22側に、パルス幅20ns,+1.8Vのパルス電圧を印加するステップを交互に繰り返して実行した。また、読み出し時には、0.5Vの電圧を両端に印加し、読み出される電流値から抵抗値を導出した。
また、本実施形態においても、第1〜3実施形態と同様、パルス電圧を印加するごとに抵抗値の読み出しを行うということは行わず、繰り返し複数回のパルス電圧の印加を行った後に、適宜抵抗値の読み出しを行っている。
図15によれば、高抵抗状態、低抵抗状態のそれぞれにおいて、多少の抵抗変動は見られるものの、1010回の書き換え動作を行った後においても依然として高抵抗状態の抵抗値と低抵抗状態の抵抗値は十分分離できる程度に差があり、良好な特性となっていることが分かる。本実施形態における可変抵抗素子4は、第1及び第2電極の双方ともに金属材料で構成している。そして、第1及び第2電極の双方ともに金属材料で構成している従来構成の可変抵抗素子のエンデュランス特性(図3(b),図4(b),図5(b),図6(b))と比較すると、著しく特性が向上していることが分かる。
本実施形態と従来構成との相違点は、可変抵抗体の成膜方法にある。すなわち、本実施形態の場合、可変抵抗体41内に、酸素含有量の多い領域(41b)を設けている点に特徴を有する。すなわち、このように製造することで、繰り返しスイッチング動作が実行された後においても、可変抵抗体41内に、高抵抗化に必要な酸素量を依然として確保することができるため、従来構成と比較してエンデュランス特性が向上したものと考えられる。
なお、上記実施形態では、可変抵抗体の成膜時において、上面側の酸素含有量が高くなるように金属酸化膜を成膜したが、逆に下面側の酸素含有量が高くなるように金属酸化膜を成膜しても良い。例えば、予め酸素分圧を高くして金属酸化膜を成膜した後、表面を還元雰囲気に暴露させるなどして還元して上面側の酸素含有量を減少させるという方法も可能である。
なお、本実施形態では、可変抵抗体41の材料としてタンタル酸化物を用いたが、他の金属酸化物を用いることも可能である。また、第1及び第2電極の材料についても、他の金属材料を用いるものとしても構わない。
第1実施形態の可変抵抗素子の概略的構成を示す断面図 酸化コバルトの抵抗値と成膜時の酸素流量比との関係を示すグラフ 第1実施形態の可変抵抗素子(コバルト酸化物電極)と従来構成のエンデュランス特性の比較結果を示すグラフ 第1実施形態の可変抵抗素子(タンタル酸化物電極)と従来構成のエンデュランス特性の比較結果を示すグラフ 第1実施形態の可変抵抗素子(チタン酸化物電極)と従来構成のエンデュランス特性の比較結果を示すグラフ 第1実施形態の可変抵抗素子(ニッケル酸化物電極)と従来構成のエンデュランス特性の比較結果を示すグラフ 第1実施形態の可変抵抗素子と従来構成の熱耐性の比較結果を示すグラフ 第2実施形態の可変抵抗素子の概略的構成を示す断面図 第2実施形態の可変抵抗素子(チタン酸化物電極)のエンデュランス特性を示すグラフ 第3実施形態の可変抵抗素子の概略的構成を示す断面図 第3実施形態の可変抵抗素子(コバルト酸化物電極)のエンデュランス特性を示すグラフ 第3実施形態の可変抵抗素子(タンタル,チタン,ニッケル酸化物電極)のエンデュランス特性を示すグラフ 第3実施形態の可変抵抗素子(銅,タングステン酸化物電極)のエンデュランス特性を示すグラフ 第4実施形態の可変抵抗素子の概略的構成を示す断面図 第4実施形態の可変抵抗素子のエンデュランス特性を示すグラフ
符号の説明
1,2,3,4: 可変抵抗素子
11: シリコン酸化膜
12,21,31: 第1電極
12a,21a: Ti膜
12b: TiN膜
21b: 酸化チタン膜
13,41: 可変抵抗体
14,22,32: 第2電極
35: 下地電極

Claims (12)

  1. 第1電極と第2電極の間に可変抵抗体が各電極と接触して狭持され、前記両電極の間に電圧パルスが印加されることで前記両電極間の電気抵抗が変化する可変抵抗素子であって、
    前記可変抵抗体が、遷移金属を含む材料の酸化物で構成されており、
    前記第1電極または前記第2電極の一方または双方が、金属酸化物からなる金属酸化物電極で構成され、
    前記金属酸化物電極は、前記可変抵抗体を構成する酸化物を構成する遷移金属とは異なる金属の酸化物からなり、
    前記金属酸化物電極は、前記金属酸化物の室温で安定した化学量論的組成と比べて過剰に酸素を含有していることを特徴とする可変抵抗素子。
  2. 第1電極と第2電極の間に可変抵抗体が各電極と接触して狭持され、前記両電極の間に電圧パルスが印加されることで前記両電極間の電気抵抗が変化する可変抵抗素子であって、
    前記可変抵抗体が、遷移金属を含む材料の酸化物で構成されており、
    前記第1電極または前記第2電極の一方または双方が、金属酸化物からなる金属酸化物電極で構成され、
    前記金属酸化物電極は、前記可変抵抗体を構成する酸化物を構成する遷移金属と同じ金属の酸化物(Ni酸化物を除く)からなり、
    前記金属酸化物電極は、前記金属酸化物の室温で安定した化学量論的組成と比べて過剰に酸素を含有していることを特徴とする可変抵抗素子。
  3. 前記可変抵抗体と接触しない側の前記金属酸化物電極の面に接触して、金属材料で構成された補助電極をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の可変抵抗素子。
  4. 前記金属酸化物電極が、
    前記可変抵抗体を構成する酸化物を構成する遷移金属とは異なる金属の酸化物の場合、Co,Ta,Ti,Ni,Cu,Wのうち少なくともいずれか一つの元素を含む材料の酸化物であり、
    前記可変抵抗体を構成する酸化物を構成する遷移金属と同じ金属の酸化物の場合、Co,Ta,Ti,Cu,Wのうち少なくともいずれか一つの元素を含む材料の酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の可変抵抗素子。
  5. 前記可変抵抗体が、Ta,Tiのうち少なくともいずれか一つの元素を含む材料の酸化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変抵抗素子。
  6. 請求項1又は2に記載の可変抵抗素子の製造方法であって、
    所定の基板上に金属材料を成膜して前記第1電極を形成する工程と、
    前記第1電極に接触するように、遷移金属を含む材料の酸化物を成膜して前記可変抵抗体を形成する工程と、
    前記可変抵抗体に接触するように、前記可変抵抗体よりも酸素含有濃度を高くして前記金属酸化物を成膜することで、低抵抗状態の前記可変抵抗体よりも抵抗値が低い前記金属酸化物電極で構成された前記第2電極を形成する工程と、を有することを特徴とする可変抵抗素子の製造方法。
  7. 請求項1又は2に記載の可変抵抗素子の製造方法であって、
    所定の基板上に前記金属酸化物を成膜して前記金属酸化物電極で構成された前記第1電極を形成する工程と、
    前記第1電極に接触するように、前記第1電極よりも酸素含有濃度を低くして遷移金属を含む材料の酸化物を成膜することで、低抵抗状態において前記第1電極よりも抵抗値が高い前記可変抵抗体を形成する工程と、
    前記可変抵抗体に接触するように、金属材料を成膜して前記第2電極を形成する工程と、を有することを特徴とする可変抵抗素子の製造方法。
  8. 前記所定の基板上に金属材料を成膜して補助電極を形成した後、当該補助電極上に前記金属酸化物を成膜することで前記第1電極を形成することを特徴とする請求項に記載の可変抵抗素子の製造方法。
  9. 少なくとも酸素を含む雰囲気下でスパッタ法によって前記金属酸化物を成膜することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の可変抵抗素子の製造方法。
  10. 請求項1又は2に記載の可変抵抗素子の製造方法であって、
    所定の基板上に金属材料を成膜する工程と、
    成膜された金属材料膜の上面を酸化することで、少なくとも前記金属材料膜の上面に前記金属酸化物電極で構成された前記第1電極を形成する工程と、
    前記第1電極に接触するように、前記第1電極よりも酸素含有濃度を低くして遷移金属を含む材料の酸化物を成膜することで、前記第1電極よりも抵抗値が高い前記可変抵抗体を形成する工程と、
    前記可変抵抗体に接触するように、金属材料を成膜して前記第2電極を形成する工程と、を有することを特徴とする可変抵抗素子の製造方法。
  11. 前記金属材料膜の上面を酸素ラジカル雰囲気下で酸化することで前記第1電極を形成することを特徴とする請求項10に記載の可変抵抗素子の製造方法。
  12. 前記金属材料膜が、Co,Ta,Ti,Cu,Wのうち少なくともいずれか一つの元素を含む金属材料で構成されることを特徴とする請求項10又は11に記載の可変抵抗素子の製造方法。
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