JP2009164580A - 抵抗スイッチングNiO層を含むメモリ素子の製造方法、およびそのデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】データを蓄積するために使用される、可逆的な抵抗スイッチング層を含む不揮発性メモリデバイスにおいてON状態のデータ保持を良好とする製造方法。
【解決手段】抵抗スイッチング不揮発性メモリ素子であって、上部電極と下部電極とに挟まれた抵抗スイッチング金属酸化物層を含み、金属酸化物層は、厚み方向に傾斜した酸素を有するメモリ素子である。
【選択図】図1

Description

本発明は、データを蓄積するために使用される、可逆的な抵抗スイッチング層を含む不揮発性メモリデバイスに関する。
この層の抵抗は、少なくとも2つの安定した抵抗状態の間で変化し、少なくとも1つのビットがそこに蓄積される。特に、この抵抗スイッチング層は、金属酸化物または金属窒化物である。
今日、電荷がMOSFET構造に組み込まれた導電性または非導電性電荷蓄積層の中に蓄積されるフラッシュ型不揮発性メモリ技術が、不揮発性メモリの市場を支配している。このタイプの不揮発性メモリ技術は、半導体の国際技術ロードマップ(International Technology Roadmap for Semiconductors: ITSR)の「2005年版、プロセス統合、デバイスおよび構造」で提案されているように、このデータ蓄積メカニズムの基本的な物理的限界により、45nm技術ノードを越えると、厳しい小型化の問題に直面すると考えられている。
メモリのセル寸法の更なる小型化を可能とするポテンシャルを有する他の不揮発メモリ技術が現れている。最も将来性のある技術は、抵抗スイッチングメモリであり、Resistive Random Access Memory(RRAM)として知られている。そのようなRRAMメモリは、メモリ要素と選択要素とを含む。不揮発性メモリ素子の抵抗は、電圧誘起の、または電流誘起の材料の抵抗変化を用いる、少なくとも2つの安定抵抗状態の間で可逆的に変化できる。そのような可逆的な抵抗変化活性材料の例として、カルコゲニド(chalcogenide)、カーボンポリマー、酸化ニッケル、酸化タングステン、酸化銅、のような選択された二元系金属酸化物、酸化ニッケルコバルトのような三元系金属酸化物、または、CrドープされたSr(Ti)ZrOやPr0.7Ca0.3Mn0.3のような更に複雑な金属酸化物が該当する。
高密度レベルのために不揮発性メモリ技術を選択するための重要な基準は、メモリセルが低電圧動作であることである。供給電圧が少なくなると、メモリセルの動作電圧も低減が必要となる。メモリセル用により低い供給電圧が可能となると、とりわけ、消費電圧の低減、バッテリ寿命の増加、集積回路の熱の低減が可能となる。
以下で検討するように、OxRRAMメモリ技術の電気形成(electro-forming)プロセスは、特に関係がある。なぜなら、数ボルト、一般には4〜6Vを、一般にはミリ秒より長い時間、適用する必要があるからである。熱誘起リセットメカニズムに関して、ON状態のデータ保持が良好ではない。
特に、メモリセルが高温の環境で使用される、自動車の部分に酸化ニッケルOxPPAMメモリを使用した場合、温度に依存するリセットメカニズムが、最先端の酸化ニッケルOxRRAMメモリセルの弱点となる。それゆえに、セット信号およびリセット信号の増幅を減らすために、「形成プロセス(forming process)」の必要性をなくすことが有利である。
第1の形態では、抵抗スイッチング不揮発性メモリ素子が記載され、このメモリ素子は、上部電極と下部電極との間に挟まれた抵抗スイッチング金属酸化物層を含み、金属酸化物層は、層の膜厚方向に傾斜した酸素を有する。金属酸化物層の酸素の傾斜は、好適には、上部電極から下部電極に向かって減少する。メモリ素子は、好適には、異極性のセット電圧とリセット電圧を有する。
メモリ素子の金属酸化物は、ニッケルを含む。このニッケル含有金属酸化物は、好適には二元系ニッケル酸化物である。メモリ素子の下部電極は、ニッケルを含んでも良い。メモリ素子の下部電極は、このように、ニッケル酸化物の金属酸化物層に隣接するニッケル含有層と、ニッケル含有層に隣接するチタン含有層とを含む。好適には、下部電極は、ニッケル酸化物層に隣接するニッケル層と、ニッケル層に隣接するチタン窒化物層と、チタン窒化物層に隣接するチタン層とのスタックである。上部電極と下部電極とは同じ材料から形成されても良い。好ましい具体例では、上部電極、下部電極、および金属酸化物層は、ニッケルを含む。
また、上述のいずれかのメモリ素子と、電極の1つに電気的に接続された選択素子とを含むメモリセルが開示される。選択素子はMOSFETであり、MOSFETのソース/ドレイン接合の1つが、電極の1つに電気的に接続されている。
第2の形態では、抵抗スイッチング不揮発性メモリ素子の製造方法が記載され、この方法は、基板を提供する工程と、基板上に下部電極を形成する工程と、下部電極上に抵抗スイッチング金属酸化物層であって、金属酸化物層は膜厚方向に酸素の傾斜を有する工程と、金属酸化物層上に上部電極を形成する工程とを含む。メモリ素子は、好適には、異極性のセット電圧とリセット電圧を有する。
下部電極、金属酸化物層、および上部電極を形成する工程は、1またはそれ以上の下部電極層、金属酸化物層、および1またはそれ以上の上部電極層のスタックを形成する工程と、このスタックをパターニングしてメモリ素子を形成する工程とを含む。
下部電極は、基板上に金属層を形成して形成され、続いて、金属酸化物層は、金属層の上部のみを金属酸化物層に変えることにより形成される。金属層を熱酸化することにより、金属層を金属酸化物層に変えることができる。熱酸化プロセスのプロセスパラメータは、メモリ素子の望まれる電気的特性の観点から決定され、このプロセスパラメータは、酸素分圧、酸化時間、および/または酸化温度のグループから選択される。好適には、電気的特性は、メモリ素子のセット電圧とリセット電圧である。
好適には、金属層は、その上部部分を金属酸化物層に変える工程に先立って、実質的に酸素の無い雰囲気で加熱される。
金属層の金属は、ニッケルでも良い。次に、金属酸化物層の金属は、ニッケルでも良い。好適には、ニッケル酸化物層は二元系ニッケル酸化物である。上部電極は、ニッケル酸化物層の上にニッケルの層を形成する工程により形成される。
下部電極は、金属酸化物層に隣接するニッケル含有層と、ニッケル含有層に隣接するチタン含有層とを含む。このチタン含有層は、上部電極に隣接するチタン窒化物層と、チタン窒化物層に隣接するチタン層とのスタックとして形成される。
第3の形態では、抵抗スイッチング不揮発性メモリ素子の電気的特性を決定する方法が開示され、かかるメモリ素子は、金属の上部層を有する下部電極と、上部金属層の一部を熱酸化して形成された抵抗スイッチング金属酸化物層と、膜厚方向に酸素が傾斜した金属酸化物層と、金属酸化物層の上に形成された上部電極とを含み、決定される方法は、メモリ素子の所望の電気的特性の観点から金属酸化物層中の酸素の傾斜を決定する工程を含む。電気的特性は、好適には、セット電圧とリセット電圧である。
酸素の傾斜は、熱酸化工程のプロセスパラメータの値を決定することにより決められ、それらのプロセスパラメータは、酸素分圧、酸化時間、および/または酸化温度のグループから選択される。酸素の傾斜は、または、熱酸化される金属層の膜厚の選択によっても決定される。
酸素の傾斜は、また、熱酸化される金属層の酸化速度を変えることによっても決定される。酸化速度は、金属層を熱酸化する工程に先立って、実質的に酸素の無い雰囲気で金属層を加熱し、金属層を再結晶化することにより変えられる。
金属酸化層の金属や、下部電極の上部金属層の金属は、ニッケルでも良い。ニッケル金属酸化物は、好適には二元系ニッケル酸化物である。
下部電極は、更に、上部金属層の下にあるチタン含有層を含んでも良い。好適には、チタン含有層は、上部金属層に隣接したチタン窒化物層と、チタン窒化物層に隣接したチタン層とのスタックとして形成される。
全ての図面は、本発明の幾つかの形態と具体例を描くことを意図する。図面において、幾つかの要素の相対的な大きさは、それらの実際の大きさとは異なり、図示目的で縮小されている。
従来のDC堆積されたニッケル酸化物RRAMメモリ素子の一般的な電流−電圧特性を示す。 本実施の形態により製造された抵抗スイッチング不揮発性メモリデバイスの4つの電流−電圧特性(1−4)を示す。メモリデバイスは、−1Vと+1Vの間を4サイクルした。メモリデバイスは、ニッケル上部電極とニッケル/チタン/ニッケル窒化物上部電極との間に挟まれたニッケル酸化物抵抗スイッチング層を有し、シリコンウエハ上に形成されるが、シリコン酸化層によりそこから分離されている。ニッケル酸化物層は、純O雰囲気中で、400℃20分間のRTA酸化により形成された。 図2の抵抗スイッチング不揮発性メモリデバイスの上部電極の面積への、オン状態(低抵抗状態またはLRS)とオフ状態(高抵抗状態またはHRS)とにおける電流の依存性を示す。 一の具体例にかかるメモリ素子の断面図を示す。 一の具体例にかかる製造工程の断面図を模式的に示す 一の具体例にかかる製造工程の断面図を模式的に示す 一の具体例にかかる製造工程の断面図を模式的に示す 一の具体例にかかる製造工程の断面図を模式的に示す 一の具体例にかかる製造工程の断面図を模式的に示す 一の具体例にかかる製造工程の断面図を模式的に示す 一の具体例にかかる製造工程の断面図を模式的に示す 一の具体例にかかる製造工程の断面図を模式的に示す 一の具体例にかかるNi/NiO/Ni/SiO/Si/Siスタックの電気的特性を示す。 一の具体例にかかる、酸化プロセスパラメータの関数としてのNi/SiO/Si/Siスタックの閾値電圧を示す。 一の具体例にかかる堆積したままのNi層を酸化する前に、Ni/SiO/Si/Siスタック中の堆積したままのNiをアニールすることによる、シート抵抗への影響を示す。 一の具体例にかかる、酸化前にNi層をアニールしたNi/NiO/Ni/SiO/Si/Siスタックの電気的特性を示す。 一の具体例にかかる、その上にNi層が形成された基板(TiN/TivsSiO)の、Ni層の酸化速度への影響を示す。 一の具体例にかかる、酸化前にNi層をアニールすることによるNi/NiO/Ni/TiN/TiSiOスタックの電気的特性を示す。 一の具体例にかかる、酸化前にNi層をアニールすることによるNi/NiO/Ni/TiN/TiSiOスタックの電気的特性を示す。 一の具体例にかかる、酸化前にNi層をアニールすることによるNi/NiO/Ni/TiN/TiSiOスタックの電気的特性を示す。 TiN/Ti層の上に形成されたメモリ素子を製造するための2つの統合スキームを示す。 TiN/Ti層の上に形成されたメモリ素子を製造するための2つの統合スキームを示す。 一の具体例にかかるXPDプロファイルを示す。 (a)酸化前における24nmと100nmのNi層の(111)Niブラッグ反射の比較である(θ−2θ回折パターン)。 (b)非酸化の100nm膜厚のNi層の、{111}Ni極点図である。 (c)非酸化の100nm膜厚のNi層の、{200}Ni極点図である。 (d)Ni層(膜厚100nm)を400℃で120秒間、純酸素中で酸化して形成したNiO膜の{111}NiO極点図である。 一の具体例にかかるTEM断面図を示す。 (a)Pt/NiO/Ni/SiO/Si/SiスタックのTEM断面図である。NiO膜は、400℃で30秒間、純酸素中で行われるRTAを用いてNi層を酸化して得られた。上部層は、FIBカッティング中にスタックを保護する。 (b)選択された領域の、(111)Niと(200)Niブラッグスポットに対応する電子回折パターン像と暗視野像である。 一の具体例にかかるNi結晶構造と酸化時間との関係を示す。(111)NiO(左側)と(111)Ni(右側)のブラッグ反射の、変化と酸化時間の関係である。 一の具体例にかかるNi結晶構造と酸化時間との関係を示す。(111)NiOブラッグ反射の積分幅βと対応するNiO結晶の平均寸法の、アニール時間に依存性を示す。 一の具体例にかかる、Ni結晶構造とNi結晶構造とアニー理温度の間の関係を示す。25〜400℃の真空中で測定した回折パターンの温度依存性である(100nm膜厚のNi層)。 一の具体例にかかる、Ni結晶構造とNi結晶構造とアニー理温度の間の関係を示す。(111)Ni積分強度の対応する温度依存性である。 一の具体例にかかる、Ni結晶構造とNi結晶構造とアニー理温度の間の関係を示す。プロファイルフィッティング手順を用いて、Ni結晶寸法に関して解釈される(111)Ni反射の積分幅βを引き出すために、回折ピーク拡がり分析が行われた。 一の具体例にかかるNi結晶構造とアニール温度との間の関係を示す。400℃一定で純酸素中で記録された回折パターンの時間依存性であり、(111)Niと(111)NiOのブラッグ反射が同時に増加する。 一の具体例にかかるNi結晶構造とアニール温度との間の関係を示す。積分強度の対応する変化である。 一の具体例にかかるNi結晶構造と酸化パラメータとの関係を示す。400℃と500℃で測定された(111)NiOブラッグ反射の、積分強度比I(t)/I(t→∞)の、変化と酸化時間との関係である。 一の具体例にかかるNi結晶構造と酸化パラメータとの関係を示す。400℃と500℃で測定された(111)NiO反射の積分幅βから導き出した、NiOの見かけの微結晶寸法の、時間に依存した成長を示す。実線はJMACモデル(詳細は明細書参照)から計算した曲線である。挿入図は、400℃と500℃で前処理したNi膜と、直接400℃の酸化雰囲気に晒されたNi層の、NiO微結晶寸法の変化(t<2時間)を比較したものである。 Pt/NiO/NiMRM構造の、典型的なI(V)スイッチング特性を示す。NiO膜は、純酸素中で400℃、10秒間のRTAを用いて、100nm膜厚のNi層の酸化から得られた。 本発明の一の具体例にかかる、アニール時間を関数とした電気パラメータの変化を示す。Pt/NiO/NiMRM構造について、アニール時間の関数としての閾値電圧(Vth)の変化である。I(V)特性は、10秒から300秒の間、異なった温度(200、300、400℃)において純O中でアニールした、最初の膜厚が24nmまたは100nm膜厚のNi層を有する試料で測定された。200℃でアニールされた100nm膜厚のNi層で、変化無しが観察された。 本発明の一の具体例にかかる、アニール時間を関数とした電気パラメータの変化を示す。純O中で300℃で酸化された24nmまたは100nm膜厚のNi層の、低抵抗(RON)および高抵抗(ROFF)の典型的なアニール時間依存性を示す。 一の具体例にかかる異なった酸化雰囲気(200℃および400℃で、30秒および180秒のRTA)で形成したPt/NiO/NiMRM構造について、閾値電圧(Vth)の分布を示す。 一の具体例で形成したメモリデバイスの電気特性を示す。
本発明は、特定の具体例について、所定の図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではなく、請求の範囲によってのみ限定されるものである。記載された図面は、単に概略であり、限定するものではない。図面において、図示目的で、いくつかの要素の大きさは拡張され、縮尺通りに記載されていない。寸法と相対寸法は、本発明の実施の実際の縮小には対応していない。
また、記載や請求の範囲中の、上、上に、下に等の用語は、記載目的のために使用され、相対的な位置を示すものではない。そのように使用される用語は、適当な状況下で入替え可能であり、ここに記載された発明は、ここに記載や図示されたものと異なる位置でも操作できることを理解すべきである。
また、請求の範囲で使用される「含む(comprising)」の用語は、それ以降に示される要素に限定して解釈されること排除するものであり、他の要素や工程を排除しない。このように、言及された特徴、数字、工程、または成分は、その通りに解釈され、1またはそれ以上の他の特徴、数字、工程、または成分、またはこれらの組み合わせの存在または追加を排除してはならない。このように、「手段AおよびBを含むデバイス」の表現の範囲は、構成要素AとBのみを含むデバイスに限定されるべきではない。本発明では、単にデバイスに関連した構成要素がAとBであることを意味する。
この明細書を通じて参照される「一の具体例(one embodiment)」または「ある具体例(an embodiment)」は、この具体例に関係して記載された特定の長所、構造、または特徴は、本発明の少なくとも1つの具体例に含まれることを意味する。このように、この明細書を通して多くの場所の「一の具体例(one embodiment)」または「ある具体例(an embodiment)」の語句の表現は、同じ具体例を表す必要はなく、表しても構わない。更に、特定の長所、構造、または特徴は、この記載から当業者に明らかなように、1またはそれ以上の具体例中で適当な方法で組み合わせることができる。
同様に、本発明の例示の具体例の記載中において、多くの発明の形態の1またはそれ以上の記載を能率的にし、理解を助ける目的で、本発明の多くの長所は、時には1つの具体例、図面、またはその記載中にまとめられることを評価すべきである。しかしながら、この開示の方法は、請求される発明がそれぞれの請求項に記載されたものより多くの特徴を必要とすることを意図して表されていると解釈すべきではない。むしろ、以下の請求項が表すように、発明の態様は、1つの記載された具体例の全ての長所より少なくなる。このように詳細な説明に続く請求の範囲は、これにより詳細な説明中に明確に含まれ、それぞれの請求項は、この発明の別々の具体例としてそれ自身で成立する。
更に、ここで記載された幾つかの具体例は、他の具体例に含まれる幾つかの特徴以外の特徴を含み、異なった具体例の長所の組み合わせは、本発明の範囲に入ることを意味し、当業者に理解されるように異なった具体例を形成する。例えば、以下の請求の範囲では、請求された具体例のいくつかは、他の組み合わせにおいても使用することができる。
ここで提供された説明では、多くの特定の細部について説明される。しかしながら、本発明の具体例は、それらの特定の細部無しに行うことができるかも知れない。他の例では、公知の方法、構造、または技術は、この記載の理解を不明瞭にしないために、詳細には記載されていない。
活性材料に電流または電圧信号を与えることで、一の抵抗状態から他の抵抗状態に変えることができる物理的メカニズムは、RRAMメモリセルで使用される材料に依存する。特に、とりわけ、D.C.Kim, S.Seo, S.E.Ahn らがApplied Physics Letter 88(20), 202102 (2006)で記載しているように、二元系ニッケル酸化物の不揮発性メモリで切り替えられる抵抗が、ニッケル酸化物膜を通る細いフィラメント(filamentary)の導電経路のそれぞれの形成/破壊に基づいて示された。このフィラメントメカニズムは、不揮発性メモリセルの寸法に無関係であることが期待されるため、そのようなニッケル酸化物RRAM技術は、高い小型化の可能性を有する。
OxRRAMとして知られている、多層交差点構造のニッケル酸化物二元系酸化物抵抗RAMの製造は、高密度のストレージ応用について、G.Baek, M.S.Lee, S.SeoらがInternational Electron Devices Meeting Tech. Dig., p.587 (2004)または国際特許出願WO2006/121837中で示している。これらは全体が参照されることにより、ここに組み込まれる。そのようなOxRRAMメモリセルは、上部電極と下部電極の間に挟まれた抵抗スイッチング金属酸化物を含む、金属−絶縁体−金属(MIM)構造を形成する、メモリ素子を含む。これらの電極は、例えばプログラミング、消去、またはその読み出しのようなメモリセルの動作中に、例えば電圧または電流のような電気信号を、抵抗スイッチング層に与えることができる。メモリセルは、好ましくは、更に、電極の1つと電気的に接続された、例えば金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)やバイポーラトランジスタのようなダイオードまたはトランジスタのような選択素子を含む。この選択素子は、メモリセルのアロイの一部で、OxRRAMメモリセルの選択アドレスを助ける。
D.C.Kim, S.Seo, S.E.Ahn らがApplied Physics Letter 88(20), 202102 (2006)に記載しているように、OxRRAMメモリ素子を製造するために、通常、ニッケル酸化物膜が金属の導電性基板の上にDC反応性スパッタにより形成される。そのようなOxRRAMメモリ素子の一般的な電流−電圧変化特性が、図1に示される。ここで、矢印は、電気信号がOxRRAMメモリ素子の与えられる方向および順序を示す。
最初に、即ち、ニッケル酸化層を形成した後で、他の電極バイアスを与える前において、ニッケル酸化物層は高抵抗状態にある。数Vの範囲、一般には4V〜6Vの電圧が、可逆的な抵抗スイッチングニッケル酸化物層の形成に適用される。最初の高抵抗状態から、低抵抗状態へのこの遷移は、上部電極と下部電極の間のニッケル酸化物層中の導電性のフィラメント経路の形成によることが最もありそうである。このプロセスは、電気形成(electro-forming)プロセスと呼ばれ、安定した抵抗状態の間でOxPPAMメモリ素子を切り替えるのに必要な大きさより高い初期電圧信号が必要とされる。電鋳プロセスは、図1には示されない。
ニッケル酸化物層の電気形成後に、OxRRAMメモリ素子は抵抗的にリセットとセットになりうる。セットスイッチング、即ちON状態または低抵抗状態への切替は、電圧で制御される。ニッケル酸化物OxRRAMメモリ素子のセットを可能とする物理的メカニズムは、下部電極と上部電極の間に導電性のフィラメント経路を形成するような、ソフトブレイクダウンメカニズムと同様であろう。リセットスイッチング、即ちOFF状態または高抵抗への切替は、電流で制御され、下部電極と上部電極の間で導電性のフィラメント経路が切れる電気熱メカニズムによると信じられている。
図1に示すように、ニッケル酸化物OxRRAMメモリは、それをリセットとセットを切替るために、ユニポーラモードおよびバイポーラモードの双方で動作できる。ユニポーラ動作では、セットおよびリセット電圧信号が同じ極性であり、即ち、負または正である。一方、バイポーラ動作では、セットおよびリセット電圧信号が逆の極性である。ユニポーラまたはバイポーラのどちらの動作モードであっても、スイッチング電圧の大きさは、セットとリセットで異なる。特に、より信頼がある通常の動作は、ユニポーラモードである。
この記載の具体例では、好適にはニッケル酸化物層である金属酸化物層をその中にデータ蓄積のために含む、抵抗スイッチング不揮発性メモリ素子を製造する方法が記載される。それらの具体例により製造されるメモリ素子は、とりわけ以下の特性を有する。
使用前にメモリ素子がすでに低抵抗状態、即ちON状態であるため、電気形成プロセスが不要である。これにより、メモリ素子は、使用前の状態から低電圧として動作できる。
メモリ素子はバイポーラモードのみで動作し、即ちセット電圧およびリセット電圧は、図2に示されるように反対の極性となる。
スイッチング電圧は、図2に示されるように、セット電圧およびリセット電圧の双方に対して実質的に同じである。
スイッチング電圧の大きさは、1Vまたは0.5Vより小さくてもよい。
このセットおよびリセットのスイッチング電圧は、金属酸化物の抵抗スイッチング層を形成するためのプロセス条件を選択することにより調整できる。
熱的に誘起されるリセットのスイッチングは不要であり、メモリ要素の記憶寿命に有益な影響が期待され、リセットは、電流制御ではなく電圧制御である。
セットおよびリセットのスイッチングメカニズムが、上部電極と下部電極の間の導電性のフィラメントのそれぞれの形成/切断によるため、メモリ素子は小型化できる。
これは図3に示され、ここでは、1Hz周波数で±0.9Vの大きさの三角波形を提供することにより、この具体例により製造されるメモリ素子を通って電流が測定される。ここでは、下部電極と金属酸化物層は、基板上に延びたパターニングされない層として形成され、一方、上部電極は、上部電極と金属酸化層との間に様々な面積の界面領域が形成されるようにパターニングされる。ここで、この界面の面積は、常に、金属酸化物層と下部電極の間の界面の面積より小さい。ON状態(低抵抗状態:LRS)では、上部電極の面積が増加しても、電流は本質的に一定であり、一方、OFF状態(高抵抗状態:HRS)では、上部電極の面積が増加すると、電流も増加する。これらの結果は、HRSの条件は、上部電極の面積により強く支配され、一方、酸化物中での導電性フィラメント経路の形成はLRSの導電性を説明することを示す。面積がより広くなっても、導電性フィラメントの経路の総数は変わらないため、この面積範囲の面積では、ON状態の抵抗は小さくならない。
これらの特性は、抵抗スイッチング金属酸化物層を製造する特定のプロセスと関係すると信じられている。具体例にかかる金属酸化物層の特徴は、上部電極を有する界面から、下部電極層を有する界面に、金属酸化物層の膜厚方向に酸素の傾斜が存在することである。
好適には、金属酸化物が過剰の酸素を有して完全に酸化されるか、化学量論的な金属酸化物が得られる上部電極から、金属酸化物が過剰の金属を有する下部電極に向かって、この金属酸化物層中の酸素量は減少する。このように、ニッケル酸化物層中のニッケル酸化物に対する酸素の割合は、1つの界面で純ニッケルに対応する0から、化学量論的な二元系のニッケル酸化物に対応する反対側の界面での約0.5まで、金属酸化物層中で範囲を持つ。このニッケル酸化物に対する酸素の比は、この反対側の界面において、0.5より高い場合もある。
図4は、下部電極2と上部電極4との間に挟まれた抵抗スイッチング金属酸化層3を含むメモリ素子1の断面図を示す。下部電極2は、基板5の上に形成される。金属酸化物層3は、一つの電極から他の電極に勾配のある酸素を含む。好適には、この勾配は、下部電極2に向かって減少する。
一の具体例では、抵抗スイッチング不揮発性メモリ素子を製造するためのプロセスが記載されている。図4は、下部電極2と上部電極4との間に挟まれた抵抗スイッチング金属酸化物層3を含むこのメモリ素子1の断面図を示す。下部電極2は、基板5の上に形成される。製造プロセスは、図5aから図5dに示される以下の工程を含む。
図5aに示されるように、下部電極2の第1層6が、基板5の上に形成される。基板5は、バルクシリコンウエハ、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板のようなシリコンベースの基板でも良い。好適には、下部電極は、シリコン酸化物および/またはシリコン窒化物のような誘電体層により、または基板5と下部電極2との間の接合により、基板から電気的に分離される。下部電極2は、最初に基板5の上にTi層を形成し、Ti層の上にTiN層を形成することにより形成される。Ti層およびTiN層6は、イオン化金属成長(IMP)プロセス、物理気相成長(PVD)プロセス、または化学気相成長(CVD)プロセスを用いて形成しても良い。一般には、約20nmのTiと約40nmのTiNが形成される。TiおよびTiNの膜厚は、3nm〜100nmの範囲である。
図5bに示すように、ニッケル金属膜7は、露出したTiN表面6の上に形成される。Ni層7は、イオン化金属成長(IMP)プロセス、物理気相成長(PVD)プロセス、または化学気相成長(CVD)プロセスを用いて形成しても良い。一般には、約100nmのNiが形成される。Ni層の膜厚は、約20nmから約250nmの範囲であり、一般には約100nmである。Ni層7を形成した後に、熱処理がスタック層6、7に行われる。この酸素の無い雰囲気での熱処理工程は、堆積したままのNi層7の粒径や結晶方位のような微細構造を安定化することであり、本質的にはNi層7は酸化されない。好適には、スタック層6、7は、この熱処理工程中に真空中で加熱される。一般には、約400℃で約10分間、Ni層の7の予備酸化を防止するために真空雰囲気での熱アニール工程が用いられる。一般に、温度は400℃から500℃の範囲内であり、10分から20分間行われる。このアニール工程は、堆積したままのNi層7の(111)結晶方位を安定化させ拡大し、堆積したままのNi層7の酸化速度を遅くすると信じられ、これによりニッケル酸化物の抵抗スイッチング層3の酸素の傾斜と、これにより、メモリ素子1の閾値電圧を、良好に制御する。この加熱工程中に、下部電極2の上部層7が再結晶すると思われる。
図5cに示すように、アニールされたNi層7は、少なくとも部分的に、その膜厚方向の少なくとも一部で酸素の勾配を有するニッケル酸化物層3に変えられる。露出したNi層7の上部部分は、酸素を含み、一方、Ni層の下部部分は、酸化されないままで、下部電極2の一部となる。酸化されないニッケル層7との界面近傍では、ニッケル酸化物層3が過剰のニッケルを有し、一方、ニッケル酸化物層3の露出した部分に向かって、ニッケル酸化物層中のニッケルは実質的に完全に酸化され、露出表面近傍では、化学量論的なニッケル酸化物が得られる。上部電極4が形成される表面では、化学量論的な組成を越えて酸化されても良い。
ニッケル層の酸化されない下部部分は、酸化された上部部分に対して、良好な付着力と低いコンタクト抵抗を与える。ニッケル層7を、ニッケル酸化物層3とニッケル層7の積層に変えるには、ニッケル層の熱酸化、例えば高周波遠隔プラズマ酸化を用いたニッケル層のプラズマ酸化、ニッケル層7の上部部分に酸素を注入した後にニッケル酸化物3を形成するための熱酸化工程を行うなどの様々なプロセスが使用できる。
熱酸化がニッケル層7の変換に使用された場合、金属酸化物層3中の酸素勾配は、酸素分圧、酸化時間、および酸化温度のような熱酸化工程のプロセスパラメータにより制御できる。熱酸化工程の異なった期間が、酸化物層3の膜厚や酸素勾配を調整し、メモリ素子1のメモリウインドウを最適化するのに使用される。同様に、熱酸化工程が、異なった酸素分圧で行われて、金属酸化物層3の膜厚や酸素勾配、これによりメモリ要素1の閾値電圧が決定される。一般に、純酸素中で400℃までの温度の高速熱アニール(RTA)が、ニッケル層7の上部部分3の酸化のために使用される。上述のように、酸化速度は、また、アニールされたNi層7のモフォロジにも依存し、これはとりわけ、下層の金属層6と酸素の無いアニール工程により決められる。好適には、ニッケル層7は、部分的に酸化され、ニッケル層は基板5の近傍に残る。
図5dに示すように、上部電極4が、金属酸化層3の上に、イオン化金属成長(IMP)プロセス、物理気相成長(PVD)プロセス、または化学気相成長(CVD)プロセスを用いて、1またはそれ以上の層を形成することにより形成される。それらの上部電極層の材料は、Ni、Ti、TiN、Ptでも良い。好適には、Niが上部電極4を形成するために使用される。
下部電極層2のスタック、金属酸化物層3、および上部電極4を形成した後、このスタックはパターニングされて、図4に示されたメモリ素子のような、アレイ状のメモリ素子1となる。当業者にとって明らかなように、相互接続構造を形成するために追加のプロセスが必要となり、これにより、プログラミング、書き込み、およびその消去のために、個々のメモリ素子に電気的に接続される。相互接続構造とその製造方法の例が、参照することによりここに組み込まれる国際出願WO2007/062014に開示されている。ここで、ダイオードが、選択された素子としてメモリ素子に組み込まれるが、当業者が認めるように、MOSFETのようなトランジスタまたはバイポーラトランジスタが基板5中に存在し、個々のトランジスタが選択素子としてそれぞれのメモリ素子1に接続されても良い。
一の好適な具体例では、抵抗スイッチング不揮発性メモリ素子の製造プロセスが記載されている。図4は、下部電極2と上部電極4との間に挟まった抵抗スイッチング金属酸化物層3を含むメモリ素子の断面図を示す。下部電極2は基板5の上に形成される。製造プロセスは、図6a〜図6dに示す以下の工程を含む。
図6aに示すように、下部電極2が基板5の上に形成される。基板5は、バルクシリコンウエハ、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板のようなシリコンベースの基板でも良い。好適には、下部電極は、シリコン酸化物および/またはシリコン窒化物のような誘電体層により、または基板5と下部電極2との間の接合により、基板から電気的に分離される。下部電極2は、最初に基板5の上にTi層を形成し、Ti層の上にTiN層を形成することにより形成される。Ti層およびTiN層6は、イオン化金属成長(IMP)プロセス、物理気相成長(PVD)プロセス、または化学気相成長(CVD)プロセスを用いて形成しても良い。一般には、約20nmのTiと約40nmのTiNが形成される。TiおよびTiNの膜厚は、3nm〜100nmの範囲である。
図6bに示すように、犠牲ニッケル金属膜7は、露出したTiN表面6の上に形成される。Ni層7は、イオン化金属成長(IMP)プロセス、物理気相成長(PVD)プロセス、または化学気相成長(CVD)プロセスを用いて形成しても良い。一般には、約100nmのNiが形成される。Ni層の膜厚は、約20nmから約250nmの範囲であり、一般には約100nmである。Ni層7を形成した後に、熱処理がスタック層6、7に行われる。この酸素の無い雰囲気での熱処理工程は、堆積したままのNi層7の粒径や結晶方位のような微細構造を安定化することであり、本質的にはNi層7は酸化されない。好適には、スタック層6、7は、この熱処理工程中に真空中で加熱される。一般には、約400℃で約10分間、Ni層の7の予備酸化を防止するために真空雰囲気での熱アニール工程が用いられる。一般に、温度は400℃から500℃の範囲内であり、10分から20分間行われる。このアニール工程は、堆積したままのNi層7の(111)結晶方位を安定化させ拡大し、堆積したままのNi層7の酸化速度を遅くすると信じられ、これによりニッケル酸化物の抵抗スイッチング層3の酸素の傾斜と、これにより、メモリ素子1の閾値電圧を、良好に制御する。この加熱工程中に、下部電極2の上部層7が再結晶すると思われる。
図6cに示すように、アニールされたNi層7は、その膜厚方向に酸素の勾配を有するニッケル酸化物層3に変えられる。下部電極2との界面近傍では、ニッケル酸化物層3が過剰のニッケルを有し、一方、ニッケル酸化物層3の露出した部分に向かって、ニッケル酸化物層中のニッケルは実質的に完全に酸化され、露出表面近傍では、化学量論的なニッケル酸化物が得られる。上部電極4が形成される表面では、化学量論的な組成を越えて酸化されても良い。
熱酸化がニッケル層7の変換に使用された場合、金属酸化物層3中の酸素勾配は、酸素分圧、酸化時間、および酸化温度のような熱酸化工程のプロセスパラメータにより制御できる。熱酸化工程の異なった期間が、酸化物層3の膜厚や酸素勾配を調整し、メモリ素子1のメモリウインドウを最適化するのに使用される。同様に、熱酸化工程が、異なった酸素分圧で行われて、金属酸化物層3の膜厚や酸素勾配、これによりメモリ要素1の閾値電圧が決定される。一般に、純酸素中で400℃までの温度の高速熱アニール(RTA)が、ニッケル層7の上部部分3の酸化のために使用される。上述のように、酸化速度は、また、アニールされたNi層7のモフォロジにも依存し、これはとりわけ、下層の金属層6と酸素の無いアニール工程により決められる。好適には、ニッケル層7は、部分的に酸化され、ニッケル層は基板5の近傍に残る。
図6dに示すように、上部電極4が、金属酸化層3の上に、イオン化金属成長(IMP)プロセス、物理気相成長(PVD)プロセス、または化学気相成長(CVD)プロセスを用いて、1またはそれ以上の層を形成することにより形成される。それらの上部電極層の材料は、Ni、Ti、TiN、Ptでも良い。好適には、Niが上部電極4を形成するために使用される。
下部電極層2のスタック、金属酸化物層3、および上部電極4を形成した後、このスタックはパターニングされて、図4に示されたメモリ素子のような、アレイ状のメモリ素子1となる。当業者にとって明らかなように、相互接続構造を形成するために追加のプロセスが必要となり、これにより、プログラミング、書き込み、およびその消去のために、個々のメモリ素子に電気的に接続される。相互接続構造とその製造方法の例が、参照することによりここに組み込まれる国際出願WO2007/062014に開示されている。ここで、ダイオードが、選択された素子としてメモリ素子に組み込まれるが、当業者が認めるように、MOSFETのようなトランジスタまたはバイポーラトランジスタが基板5中に存在し、個々のトランジスタが選択素子としてそれぞれのメモリ素子1に接続されても良い。
図5a〜図5d、および図6a〜図6bに示された具体例では、ニッケル層7が最初に形成され、酸化されて金属酸化物層3が形成された。しかしながら、金属酸化物層3は、ニッケルと酸素を下部電極2上に反応性スパッタして形成しても良い。下部電極2は、図5cに示すスタックと同様に、上部ニッケル層7を有しても良い。好適には、この上部ニッケル層7は、チタン含有層の上に形成される。好適には、このチタン含有層は、チタン層の上にチタン窒化物があるスタックである。下部電極2は、図6cに示すような、Pt、Ti、Wのような他の金属層を上部層として有しても良い。反応性スパッタ中に、酸素とアルゴンが混合されたガス中の酸素は、堆積チャンバ中の全圧力に対する酸素分圧の比として定義され、変えることができる。好適には、堆積チャンバ中の酸素量は、堆積プロセス中に増加する。最初、過剰の金属を有する層に対応して、酸素量は5%より少ないが、更にニッケル酸化物層7が形成されると、ニッケル酸化物層が完全に堆積された場合の過剰の酸素を有する層に対応して、最大約20%まで増加する。
一の具体例では、NiO/Ni/SiO/Siのスタックを含むメモリ素子、またはNiO/Ni/Ni/TiN/Ti/SiO/Siのスタックを含むメモリ素子について得られたプロセス条件および実験結果が記載される。NiO抵抗スイッチング層は、ニッケル層の熱酸化で形成される。例示したように、リセット電圧、即ちメモリ素子がON状態からOFF状態に切り替わる閾値電圧の、酸化プロセスパラメータ依存性が示される。酸化パラメータは、酸化時間、酸素分圧として表される酸素量、酸化温度である。堆積されたままのニッケル層に追加のアニール工程を行うことによる、アニールされたニッケル層の酸化速度への影響が、酸化された層のシート抵抗を測定することにより研究される。そのようなアニール工程は、堆積されたままのニッケル層の再結晶を助け、実質的に酸化プロセスを遅らせる。ニッケル層7をTiN/Ti層の上に形成することにより、堆積したままのニッケル層の酸化プロセスが加速される。このTiN/Ti層はまた、ニッケル酸化物層の機械的安定性を改良すると考えられる。
表1は、Ni酸化からNiO膜を形成するのに使用した実験条件を示す。Ni層は、SiOオンSiNiオンSiを含む多層基板の上に堆積される。形成されたNi層は、100nmまたは24nmのいずれかである。Ni層の酸化は、RTA炉中で、多くのプロセスパラメータ、即ち表1に示した温度、酸化時間、酸化雰囲気を変えて行われた。
図7は、2つのNi電極の間に挟まれたNiO層(Ni/NiO/Ni)を含むこの構造にかけた電圧の関数として、このように形成された構造を流れる電流を示す。最初、試料はON状態である。閾値電圧Vthにおいて、構造はOFF状態に変わる。電圧が増加した場合、スイッチングは可逆的で無くなり、最後に構造は、非常に低い電流が流れる「開回路(open circuit)」状態になる。
図8は、閾値電圧Vthに対するプロセスパラメータの影響を示す。温度、酸化時間、および酸化雰囲気中の酸素分圧の増加とともに、閾値電圧は増加する。メモリ応用の必要性に応じて、対応するプロセスパラメータを変えることにより、閾値電圧は必要な値に調整できる。
Ni膜の酸化中に、NiO膜が、このNi膜の漸進的消費とともに、時間に依存する方法で成長する。Ni膜は、酸化前の加熱中に、Ni流が成長するように微細構造が変化し、これにより、NiO/Ni界面が粗くなり、NiO膜は正常でない膜厚となる。また、NiO/Ni界面やSiOにおいて、NiO層の剥離が観察された。NiのRTA酸化中に、2つの成長メカニズムが競争する。Ni層の酸化とこのNi層の再結晶である。
図9は、酸化工程前の、堆積されたままのNi膜への追加の熱処理工程の影響を示す。堆積されたままのNi層がRTA酸化された場合、シート抵抗は酸化時間とともに増加する。しかしながら、堆積されたままのNi層に、例えば500℃で10分間、真空中でアニール工程が行われた場合、Ni層のシート抵抗は、酸化時間に対して本質的に一定である。酸化工程前に堆積したままのNi層をアニールすると、酸化速度がより遅くなる。
この追加のアニール工程の、メモリセルの電気的特性への影響が、図10に示される。最初、試料はON状態である。例えば2Vより低い低電圧で、電圧の変化に伴って、OFF状態とON状態との間で、可逆的なスイッチングが起きる。印加電圧が増加すると、試料は、最初非常に高い電流レベルにあり、最後に、非常に低い電流が流れる「開回路」状態に切り替わる。このように、堆積したままのNi層を酸化前にアニールすることで、電気的特性を改良できる。
図7〜図10に示される実験では、Ni上部電極/NiOスイッチング層/Ni下部電極のスタックが、SiO層の上に形成されたが、これらの先の実験で使用された試料と類似した追加の試料が作製された。これらの試料では、追加のTiN/Ni層スタックが、Ni層とSiO膜との間に挿入された。SiO膜の上に、20nmのTiが形成された。このTi層の上に、40nmのTiNが形成された。続いて、24nmまたは100nmのNiが形成され、Ni層は酸化工程が行われ、NiOスイッチング層が形成された。このNiO層の上には、Ni上部電極層が形成される。再び、堆積されたままのNi層が、真空中でアニールされる。様々な試料がRTA炉中で酸化され、ここでは、温度や酸化時間が変えられた。図11は、Ni/SiO/Si/Siスタックを備えた試料、およびNi/TiN/Ti/SiO/Si/Siスタックを備えた試料について、酸化時間を関数としたシート抵抗を示す。その上に酸化されるNi膜が形成される。例えばSiOまたはTi/TiNのような基板は、シート抵抗に影響する。TiN/Ti基板の場合、Ni膜の酸化されない部分の増加したシート抵抗により、示されたように酸化速度はより速くなる。
TiN/Tiの、このようにして得られたメモリセルの電気的挙動への影響は、図12〜図14に示される。最初に、試料はON状態にある。−1Vから+1Vの電圧範囲内で、可逆的で反復性のスイッチング挙動が観察される。高い電流と低い電流との間の区別が得られる。この区別は、図12と比較した図13により示されるように、酸化時間により違ってきて、ここでは、増加した酸化時間が、増加したメモリウインドウ、即ちON状態とOFF状態との間の間隔をもたらす。この区別は、また、試験温度にも依存する。図14に示すように、メモリの動作ウインドウは、130℃で測定した場合に小さくなる。このように、好適な構造は、NiO/Ni/TiN/Ti/SiOスタックであり、ここで、Ni層は、NiOメモリスイッチング層を形成するための酸化前にアニール工程に晒される。
図15a〜図15bは、2つの集積スキームを示す。図15aでは、TiN/TiがSiO層の上に形成される。続いて、SiO層が、このTiN/Ti層スタックを覆うように形成される。この覆ったSiO層に開口部が形成され、このTiN/Ti層の一部が露出される。このように形成された開口部の中に、Cuおよび/またはWが堆積され、続いて酸化によりメモリスイッチング層が形成される。
図15aにおいて、TiN/TiはSiO層の上に形成される。Ni層はこのTiN/Tiスタック層を覆うように形成される。次にSiO層が、Ni/TiN/Tiスタック層を覆うように形成される。このSiO層中に開口部が形成され、このNi/TiN/Ti層に一部が露出される。このように形成された開口部中で、露出したNiが酸化され、NiOメモリスイッチング層が形成される。この方法で、共通の下部電極を有するメモリ素子のマトリックスが形成される。それぞれのメモリ素子は、次に分離された上部電極に接続される。これらの開口部は、150nmまたはそれ以下の直径を有する。
他の具体例では、この具体例で製造されたメモリ素子の電気的特性、特にセット電圧およびリセット電圧の、酸化プロセスパラメータおよび部分的に酸化されるニッケル層の微細構造に対する依存性について、詳細な分析が行われた。
この具体例では、高速熱アニールルートを用いて全Ni金属膜を部分酸化し、残ったNi層を下部電極として使用した、NiOベースのMRM構造が形成される可能性について研究された。X線回折が、Ni酸化速度を検知するために使用され、一方、透過電子顕微鏡が、部分的な微細構造や膜界面の調査を可能とした。このような分析は、特に、堆積されたままのNi金属膜の微細構造(微結晶の大きさおよび方位)の、(i)酸化速度、(ii)NiO膜微細構造特性(微結晶サイズ、組織、および界面粗さ)、および(iii)二次の電気的挙動に対する支配的な役割を重点的に行った。最後の点では、成長したままのNiO膜は、スパッタ膜に通常必要とされる電気形成工程無しに、最初から低抵抗のON状態であった。酸化条件に依存して2V〜5Vに変わる閾値電圧の上で、Pt/NiO/NiMRM構造は、不可逆的に高抵抗のOFF状態にスイッチした。この不可逆性は、導電性経路を再構築するのが困難な、NiO膜の微細構造に起因すると考えられる。
1.概要
外部電流または電圧で制御される抵抗スイッチング現象は、将来の高密度不揮発性メモリデバイスにとって多くの魅力を有する。抵抗スイッチングベースのメモリのコンセプトは、接続されたおよび相互接続されたメモリ素子を集積し、メモリセルの小型化を可能とする。更に、このコンセプトは、3次元の積み重ね(スタック)を可能とする。抵抗メモリ材料は、有機物((例えば、銅テトラシアノキノジメタン(copper tetracyano quinodimethane))から無機物(例えば、カルコゲナイド合金、ペロブスカイト型酸化物または遷移金属酸化物)材料までの範囲で、金属または導電性酸化物のいずれかの電極を有する。無機材料では、双安定のスイッチング現象が、Nb、Al、Ta、TiO、NiO、またはZrOのような多くの金属酸化物で報告されている。
金属/抵抗酸化物/金属(MRM)構造の、典型的な電流−電圧I(V)特性は、高抵抗状態(即ちOFF状態)と低抵抗状態(即ちON状態)との間で、ドラスチックな変化を示す。遷移金属酸化物の中で、NiOは、標準CMOSプロセスとの互換性、その高いON/OFF比と、および単純な構成ゆえに、期待される材料である。結晶ニッケル酸化物膜中での抵抗スイッチングは、1964年に観察され、スイッチングメカニズムは、界面からNiO膜を通るフィラメント導電性経路の、可逆的な形成/切断により説明された。
報告書では、多結晶NiO膜のほとんどが、導電性基板上にDC反応性スパッタで形成され、MRM構造を形成する。この報告では、高速熱アニール(RTA)ルートを用いる代わりの方法を探した。これ故に、NiO膜は、下部電極として使用される全Niの部分的な酸化により形成された。このアプローチは、双安定CuO/Cuスタックの形成に提案されたものと同じである。酸化時間、アニール温度、および酸素分圧のような多くのプロセスパラメータが、NiO膜の成長を制御するためにテストされた。電気的テストに加えて、X線回折実験がNiの酸化速度を検出するのに可能とし、断面の透過電子顕微鏡(TEM)が、スタックの微細構造と膜界面の双方の観察に使用された。
2.実験の詳細
24nmまたは100nmの膜厚のNi金属膜が、室温で、DC物理気相成長(Applied Material sputtering tool)を用いて、SiO/Si/Si基板の上に形成された。膜形成は、数mTorrの基準圧力で、400または2000WのDC電源を用いて行われ、(成長速度10nm/分および55nm/分に対応して)薄い膜と厚い膜がそれぞれ評価された。
異なったRTA処理が、Ni膜を酸化するために評価された。酸化時間(10秒から30分)、アニール温度(200、200、400℃)、および酸素分圧(純O、500ppmO)のような多くのプロセスパラメータがテストされた。Ni酸化の後、100nm膜厚のPt上部電極(TE)が、1.000〜160μmの範囲の大きさを有するシャドーマスクを通してスパッタされ、基本のMRM構造の電気的挙動のテストを行った。
エネルギー分散分光法(EDS)分析と結合した局部TEM観察が行われ、Ni膜およびNiO膜の微細構造の調査が行われた。TEM試料は、集積イオンビーム(FIB)技術(30kVで加速されたGaイオン;準備の最後に、表面洗浄のために低電流イオンビームが用いられた)を用いて準備され、200kV(波長0.0251Å)のTecnaiG(FEI社)を用いて画像化が行われた。EDS分析は、Z>11の要素の観察を可能にする薄いベレリウムウインドウを有するSi(Li)検出器を用いて、EDAX器機で行われた。
X線テクスチュア分析は、シュルツ(Schulz)反射配置中のシーファート(Siefert)4サークル回折計で行われた。X線管から放出される銅の放射は単色にされ(λKα(Cu)=1.5418Å)、Xenocsの二次元多層光学システムで平行にされた。立体画法の極点図は、0°〜90°の傾斜角度χを3°ずつ、0°〜360°の方角度Φを3°ずつ走査して測定された。極点図は、試料を回転させた場合の、所定のブラッグ反射の回折強度の投影である。実験データは、バックグラウンドについても集められた。
X線回折技術は、異なった実験条件で、Ni金属膜の酸化速度を検出するのに使用された。各温度処理の後、実験装置外(ex situ)の分析が行われ、Ni相およびNiO相の存在がチェックされた。回折パターンは、室温で、CuKα放射で操作され回折ビームモノクロメータとソーラースリットを備えた、Brugg-Brentano 配置で設計された、Siemens-Bruker D5000 回折計に登録された。データは、0.02°ごとに、2θで36°から46°の角度範囲で集められ、Ni相およびNiO相の(111)ブラッグ反射の強度が測定された。プロファイルフィッティング手順を用いて、ピーク拡がり分析(peak broadening analysis)が行われ、Ni結晶とNiO結晶の平均サイズが求められた(実験データはインストルメンタルブローデニングで集められた)。
この他に、その場(in situ)X線回折実験が、制御された雰囲気で温度依存性の測定が可能なAnton-Paar HTK 1200N 炉を備えたBrucker D8 Advance x-ray diffractometerで行われた。実験条件は以下の通りである。真空状態で、25℃から公称温度まで、18℃/分の加熱速度で加熱された後、純酸素中で400℃または500℃の等温とされた。線形検出器(linear detector)(Bruker Vantec 1)を用いて、10秒ごとに、0.00741°毎に2θで36°〜46°の同じドメイン角度でデータが集められた。ピークブローデニング分析が行われ、NiおよびNiOの結晶サイズの、時間および温度依存性が検出された。
電流−電圧I(V)特性は、三角波(一般には±5Vと10Hz、対応する電圧;対応する電圧スイープ:0.2V/msec)または階段ランプ電圧(電圧ステップ0.1V、休止時間1ステップごとに1秒)のいずれかを用いて、AixACCT TF分析器2000システムで、MRM構造に対して測定された。これらの測定から、NiO膜の双安定抵抗特性がチェックされ、(スイッチングが起きる時の)スイッチングVthが決定された。MRM構造は、最初はON状態であり、閾値電圧は、低抵抗状態から高抵抗状態に切り替えるのに対応する。更に、低抵抗(RON)および高抵抗(ROFF)は、I(V)特性の傾きから導き出された。Vth、RON、およびROFFの値は、続いてプロセスパラメータに関連づけられる。
3.NiOの微細構造および成長速度
3.1 Ni膜およびNiO膜の微細構造分析
予備のθ−2θが、24nmと100nmの膜厚のNi層について、酸化工程前に集められた。図16(a)に示すように、(111)Ni反射のX線回折プロファイルは、最初に、100nmのNi層が、24nmのNi層に比較して、[111]方向に沿って強いテクスチュアを表すことを示す。更に、結晶サイズの観点から(111)Ni回折ピークの幅を解釈すると、24nmのNi層は、100nmのNi層(約40nm)に比較して、より小さな結晶サイズ(10nm)を表す。
更に、X線テクスチュア分析が、非酸化の100nm膜厚のNi層の{111}Niと{200}Niのブラッグ反射について行われた。一方、図16(b)に示された{111}Niの極点図は、堆積されたままのNi膜の方位を定量的に示す。(111)Niブラッグ反射の最大強度は、極点図の中央であり、[111]方向は、基板の垂線を中心とする円錐状に分散し、半値全幅は約5°である。一方、{200}Niの極点図(図16(c))は、基板の垂線の周囲に、[200]方向の任意の方位に非常に低いテクスチュアを示す。このように、{111}Niと{200}Niの極点図の双方は、Ni層の強い[111]ファイバテクスチュア(fibre texture)を示す。
同様のテクスチュア分析が、400°で120秒、純O中で行ったNi酸化で得られたNiO膜(100nm膜厚の層)についても行われた。{111}NiOの極点図(図16(d))では、最大強度は中央であり、残りの強度は広い角度範囲に拡がる。この強度分布は、例えNi金属膜上で観察されたものと比較して非常に小さくても、明らかに、[111]方向に沿ったNiO層のテクスチュアを表す。この結果、NiO結晶の結晶方位は、下層のNi膜のテクスチュアにより調整されることがわかる。なぜならば、NiO膜は、基板の垂線に平行な[111]方向に優先的に成長するからである。
TEM実験が、様々な方向条件で得られたスタックについて行われた。例えば、図17(a)および17(b)は、100nm膜厚のNi層で覆われ、純O雰囲気で30秒間アニールされ、Pt上部電極で覆われた試料で行われた。断面観察は、異なったコントラストを有する多くの層のスタックを示す(図17(a))。その場X線エネルギー分散分光法(EDS)分析は、それぞれの膜の化学的組成の検出を可能とし、Siリッチ層の上の薄いNiリッチ層、上部電極層がPtである証拠となる。残念ながら、使用されたEDS検出器は、酸素のような軽い元素は検出できない。このように、NiO層の存在は、ESD分析からは明らかにできなかった。
NiO層の存在を検出するために、選択された領域の電子回折実験が、最も小さい開口部で行われた。この開口部は、1つの層だけを選択するにはまだ大きすぎるが、NiOの存在は確認できた。もちろん、d(111)[NiO]のような、いくつかのNiOのd間隔(Powder Diffraction File, PDF no. 47-1049)は、周囲の層のd間隔からは十分に異なり、明白にニッケル酸化物を特定する。Niのd間隔(PDF no. 04-0850)を用いた同様のアプローチで、Ni層の存在が確認された。更に、d(111)[NiO]=2.412Åまたはd(200)[Ni]=1.762Å(図17(b))のいずれかに対応する回折スポットを用いた暗視野像実験が行われた。この実験は、NiO層の存在を確認し、スタック中でNi層およびNiO層の双方の配置を可能とした(図17(a))。
図17(a)のTEM断面に示すように、典型的には40nm〜75nmの範囲に、NiO膜厚の大きな拡がりがある。Ni層は、表面に平行な350nmまでの平均サイズを有する円柱形の粒が密集し構成される。マイクロ回折実験(図示せず)は、Ni層は、基板の垂線に平行な[111]結晶方向に優先的に配置されることを示唆し、これは先のx線テクスチュア分析と一致する。このほかに、Ni/SiO界面は平坦で、欠陥がなく、一方Pt/NiO界面およびNiO/Ni界面は、粗く幾つかの孔(ボイド)を含む。NiO層は、最大サイズが120nmのNiに比較して、より小さい粒からなる。
3.2 金属層の酸化層速度
3.2.1 RTA酸化を検出するための実験装置外X線回折
NiO/Niスタック形成の詳細な分析が、10秒から30分の範囲のアニール時間で、400°の温度で、純O中でRTA酸化した後の100nm膜厚のNi膜について集められたx線回折パターンについて行われた。図18aにおいて、Ni相(減少)およびNiO相(増加)の両立する回折強度変化が、酸化時間の増加とともに観察された。この特徴は、Ni金属膜が、NiO膜の成長で次第に消費されることを示す。加えて、ピークプロファイルは、それぞれプログラムWinplotr[14]を用いて調整され、(111)NiO反射と(111)Ni反射の双方の、積分強度と半置全幅(FWHM)の時間依存性評価を導き出した。強度の時間依存性の変化は、最初の非常に急な酸化に、より遅い酸化速度が続くことを示す(ここでは図示せず)。加えて、(FWHMに関連する)(111)NiOブラッグピークの積分幅βは、酸化時間の増加に伴って減少する(図18b)。積分幅βは、Scherrerの式:β=λ/(D×cosθ)を用いて結晶サイズに関して解釈される。ここでDは見かけ上の微結晶サイズである(この場合、局所的な歪の影響は考慮されない)。この結果、βの減少は、酸化時間に沿ったNiO結晶の成長として解釈される(図18b)。
3.2.2 その場時間依存X線回折からの酸化速度
先の実験装置外分析を補完するために、その場温度および時間依存性X線回折実験が、400℃または500℃で、純O中でアニールした、100nmの膜厚のNi膜について行われた。酸化工程前に、Ni金属膜は、回折計に搭載された炉の中で、真空状態で加熱され、X線回折パターンが、25℃から400℃または500℃まで集められた。図19aに示すように、(111)Niブラッグ反射の温度依存性評価は、強烈な強度の減少を示す。独立したプロファイルプロッタ手法を用いて、積分強度(図19b)と積分幅β(図19c左)が導き出される。それぞれの評価は、更に、加熱中のNi相の結晶化を示し、100℃より高くでのβの減少は、平均Ni結晶サイズの減少として解釈される(図19c右)。同じ傾向が、500℃まで加熱した試料でも観察される。
第2のステップで、時間依存性X線回折パターンが、純O中で、15時間一定温度で集められた。走査角度範囲は、2θで36°〜46°、(111)Ni反射および(111)NiO反射を含むドメインに限定された。等温であっても、Ni強度とNiO強度の双方の間に両立する変化が、400℃の等温についての図20aに示すように、酸化時間の増加に伴って観察された。図20bは、(111)NiOおよび(111)Niブラッグピークの400℃における時間依存性の変化を示す。これらの評価は、Ni金属膜が、Ni層の全てが消費されるまでNiO膜の成長として漸次消費されることを示す。同種の評価が、より速い酸化速度の500℃において観察された。図21aは、全てのNiが消費された後の、時間tと最終時間(即ちt→∞)との間の、(111)NiO積分強度比I(t)/I(t→∞)の、400℃と500℃における時間依存性の変化を示す。これらの比は、Ni酸化速度が、アニール股間の増加とともに増加することを、定量的に示す。
図21bは、400℃および500℃における、(111)NiO積分幅βの減少から推測した、NiO平均微結晶サイズDの、時間に依存した増加を示す。粒子の等温核形成/成長プロセスは、通常、Johnson-Mehl-Avrami-Kolmogorov(JMAK)理論として記載される。このモデルは、核形成の体積V(t)および成長相の時間依存性評価を行う。この場合、NiO微結晶サイズDの時間における評価は、JMAK型の式:D(t)=D[1−exp(−k×t)]を用いてフィッティングされる。ここで、Dはt→∞とした場合の、最終微結晶サイズに対応する。図21bに示す実験データの満足なフィッティングは、NiO微結晶の成長がJMAKモデルに従うことを明確に示す。表2に、各温度に対するJMAKモデルのパラメータを要約する。パラメータnとkは、それぞれ、温度に依存したJMAK係数と成長速度定数である。成長速度定数kは、400℃で0.96程度で、一方500℃ではkは1.42となる。この他に、微結晶サイズは、温度に影響される。400℃ではDは26mm程度で、500℃ではDは32mm程度となる。これらの結果は、NiO微結晶の成長が、500℃で十分に加速されることを明確に示す。
3.2.3 RTAとその場酸化条件の比較
図21bの挿入図は、NiO微結晶の成長と酸化時間(<2時間)との関係であり、(i)400℃または500℃のNi膜の前処理について(その場回折実験)、(ii)酸化雰囲気に直接晒したNi層について(実験装置外での回折実験)を示す。400℃では、異なった成長速度常数kは、酸化速度が、RTAルート(表2)で非常に速いことを示す。2つの条件の組の間の主な違いは、酸化前の、Ni金属層の前処理である。更に、30分、純O中で400℃とすると、Ni膜が真空状態で前処理された場合、微結晶サイズは約14nmであり、一方、前処理の無い場合、21nmとなる。このように、これらの分析は、Ni層の酸化速度が、熱による前処理により変えられる微細構造に強く依存することを示す。
4.様々な条件で得られたNiO膜の電気的性質
4.1 一般的なスイッチング特性
図22は、Pt/NiO/Niスタックに階段状の電圧勾配を与えて測定した、一般的な電流−電圧I(V)スイッチング特性を示す。測定は、最初、純O中で、400℃、10秒間のRTAを用いて酸化した100nm膜厚のNi層について行った。電圧のスイープは0→4V→0→4V→0であり、スイッチングは起きず、高電流応答が、最初の低抵抗状態を示す。電圧が4.5Vまで上げられると、4.2Vで電流は急に減少し、MRM構造が、低抵抗(RON=55Ω)から高抵抗(ROFF=2360Ω)に抵抗変化したことを示す。後者の場合、スイッチングは不可逆的であり。バイアスが中断しても、OFF状態の構造が維持される。
抵抗スイッチングのPt上部電極面積への依存性もまた研究された。TEの直径を540μmから160μmに減らした場合、低抵抗状態(LRS)の電流は、全く変化しないままであり、一方、高抵抗状態(HRS)の電流は、一桁減少する。これらの結果、HRSは強く上部電極の面積に影響されるが、一方、酸化物中でのフィラメント経路の形成が、LRSの状態を説明するのに提案されている。このほかに、先の文節では、0.2V/m秒の速度で下部電極に正の電圧を印加した場合、MRM構造は、約4.2Vにおいて規則的にオフとなると述べている。電圧スイープの減少で、構造を通る電流は増加し、一方閾値電圧は減少する(例えば0.02V/m秒のスイープでは、スイッチングは3.7Vで観察される)。このように、電流レベルや閾値の反対の分布は、LRS中のフィラメント連続した切断と、HRSへのスイッチングを伴う加熱ジュール効果のためと思われる。
4.2 純酸素状態でのアニール時間と温度の影響
24nmまたは100nmの膜厚のNi層で覆われ、純O中で異なった温度(200、300、および400℃)で、10秒から5分までのRTA時間で酸化した試料について、I(V)測定が行われた。観察された電気的性質は、Ni相および/またはNiO相の検出が可能な実験装置外でのX線回折パターンと、規則的に相関関係があった。図23aは、Ni膜の初期膜厚によらず、アニール時間に伴って閾値電圧Vthが増加することを示す。
300℃またはそれ以上で、純O中でアニールされた100nmの膜厚のNi層を有する試料では、金属膜の少なくとも部分酸化が必要とされ、3.5Vから5Vの範囲の閾値電圧で抵抗スイッチングを示すNiOベース構造を形成することが必要とされた(表3a)。もちろん、300℃および400℃でのRTAに対する(111)NiOブラッグ反射の観察は、双安定NiO層の形成と一致し、一方、200℃でのRTAでのNiO相の不存在は、スイッチング特性の欠如を説明する。更に、閾値電圧Vthは、アニール温度とともに増加する。例えば、180秒の酸化後、Vthは300℃の4.3Vから400℃の5Vまで上昇する。
24nm膜厚のNi相を有する試料では、アニール時間と温度とともに増加し、Vthは同じ傾向にある(図23a)。例えば、180秒のアニール後、Vthは200℃の3.8Vから300℃の3.8Vまで増加する。更に、Ni膜が400℃で30秒より長い時間アニールした場合に、スイッチングが起きないことが観察されている。X線回折実験は、これらの条件では、(続いて起きる下部電極の消滅とともに)Ni金属膜は全て消費されていることを示す。後者の場合、電気的測定は不可能である。閾値電圧の他に、300℃でアニールされた試料で測定されたI(V)曲線の勾配から導き出される、RON抵抗およびROFF抵抗の評価は、ROFF/RON比は変化しないにもかかわらず、アニール時間とともに僅かに増加することを示す(図23b)。ROFF/RON比の平均は、最初100nm膜厚のNi層で、300℃でアニールした試料に対して、約55である。一方、24nmの膜厚のNi層では約15である。それゆえに、メモリデバイスの展望では、100nm膜厚のNi層は、ON状態とOFF状態の間のより良い区別を可能とする大きなメモリウインドウを提供する。これと比較して、緩やかな温度で短いアニール時間で酸化した24nm膜厚のNi層で測定した低い閾値電圧は、低電圧応用の要求に適合するであろう。
4.3 酸化雰囲気の影響
異なった酸化雰囲気(20ppmおよび500ppm、純O)が、最初24nmまたは100nmの膜厚のNi層で覆われ、200℃と400℃で、30秒から3分までのRTA時間でアニールした試料について、テストされた。I(V)特性は、X線回折パターンと、規則的な相関関係を有した。図24は、異なった実験条件で測定した、閾値電圧Vthの分布を示す。主な傾向は、酸素分圧の増加に伴うVthの増大である。Vthは2.2V(200℃で、30秒間、20ppmのOでアニールした20nm膜厚のNi層)から5V(400℃で、180秒間、純Oでアニールした100nm膜厚のNi層)まで変わる。24nm膜厚のNi層に対してスイッチングが観察されなかった場合はほとんど無いことに留意する価値がある(表3の(b))。例えば400℃では、酸素分圧がいくつであっても、(X線回折で検出される)Ni層が全部酸化されるのを避けるために、アニール時間は30秒に制限されなければならない。これに比べて、アニール時間や酸素分圧が何であっても、低い温度(即ち、200℃および300℃)ではNi層が部分的にのみ酸化され、スイッチングが観察される。
部分的生と目として、図24は、モニターアニール時間および/またはO分圧で容易に調整できる。スイッチング電圧を有する双安定NiO膜を形成するために必要な、実験条件を決めるのに役立つ。
5.検討
このセクションでは、Pt/NiO/NiのMRM構造の微細構造および電気的な特性の双方について検討する。表3(a)および表3(b)は、実験条件、(X線回折で検出された)Ni層および/またはNiO層の存在、および、スイッチングが観察された場合にはMRM構造の閾値電圧を集めたものである。
5.1 Niの微細構造の、酸化速度への影響
先のセクションで示した電気的なテストは、酸化工程前のNiの微細構造に関連するスイッチング強度の大きな違いを示す。もちろん、抵抗スイッチングは、200℃で酸化された24nmのNi層で起き、一方、同じ条件でアニールされた100nmNi膜では観察されない(表3(a)、3(b)参照)。
この特別な挙動は、酸化速度に影響するNi層の膜厚に依存する微細構造に、その原因が見られる。図16(a)に示すように、24nm膜厚のNi層は、100nm膜厚のNi層に比較して、より小さな結晶性とより低い[111]Ni方向に沿ったテクスチュアを示す。このように、NiO膜の成長速度は、最初のNi金属層のテクスチュアや結晶サイズに依存すると思われる。多くの一致が、この仮説を支持する。
第1に、X線テクスチュア分析(図16(d))は、[111]方向に沿ってNiO膜のファイバ状のテクスチュアを示した(セクション3.1参照)。この結果は、Czerwinskiらの仕事と良い一致を示す。この仕事は、酸化後に、[111]Ni基板テクスチュアがより強くなり、[111]NiO酸化層テクスチュアがより強くなることを示した。これと比較して、Lopez-Beltranらは、弱いテクスチャのNi膜の酸化から、テクスチュアの無い多結晶NiO層を得た。
第2に、Ni膜のテクスチュアについて、CzerwinskiらとParaldiらは、酸化速度に対する、Niの結晶方位の重要な役割を示した。これにより、Niの強い[111]テクスチュアは、強力で遅い成長のNiO膜を形成する。即ち、より弱いNiテクスチュアは、酸化の抵抗を十分に低減する。
最後に、Grahamらは、酸化速度は、Ni表面のモフォロジに強く依存することを示した。更に、より低温では、酸素輸送の影響は、結晶粒界や転位のような短絡経路を通って増加する。結果として、より小さなNi結晶では、酸素拡散を促進し、NiOの形成を加速する結晶粒界がより多くなる。
この結果、200℃での100nm膜厚のNi膜の非酸化(これに続いてスイッチングがなくなる)は、その原因は、(i)酸化に対する抵抗を増加させる、より強い[111]Niテクスチュアや、(ii)粒界の量を減らし、酸素の拡散を制限する、より大きな結晶によることが見出される。
その他に、図21bに挿入したように、(実験装置外およびその場X線回折実験から導かれた)NiO結晶の時間に依存した成長との比較は、NiO成長への、Ni微細構造の影響を再確認する。Ni金属膜が、酸化前に真空でアニールされた場合、更なる結晶化は、[111]Niテクスチュアの増大とNi結晶の成長とともに起きる(図4bおよび図4c参照)。これに比較して、RTA条件は、むしろ、同時に起きる2つの競合するメカニズムを有する異なった状況となる。即ち、続いて起きる微細構造の変化を伴うNi結晶化と、Ni層の漸次の消費を伴うNiOの成長である。このように、酸化前のNi層の異なった「履歴」は、前処理無しに金属層が酸化雰囲気に直接晒されるRTA条件で観察される、より速い速度を説明できる(表1参照)。
まとめとして、先に出版された仕事と一致して、Ni層のモフォロジや酸化前の熱処理は、NiO膜の成長速度を急速に変化させる。この結果、本実験は、Niの結晶化と酸化との間の競合を避けるためには、プレ熱処理が重要であることを強調する。
5.2 最初のON状態
文献で報告されたスパッタ膜と比較して、Ni酸化で得られたNiO膜は、一般に導電状態を得るために必要とされる特定の電気形成なしに、最初からON状態である。酸化膜中の酸素含有量は、そのような挙動を説明できる。スパッタガスに混合される酸素含有量を変えることにより、多くの著者が、低酸素含有量(スパッタガス中の酸素<5%)の(Ni過剰膜)金属的挙動から、高酸素含有量(>20%)の単安定状態の閾値スイッチング(Ni不足膜)まで、NiO膜の電気的特性の大きく変えることができ、このメモリスイッチング領域は、中間の酸素含有量(10〜17%)に限定されることを示している[27、28]。純酸素中で得られた膜(a=4.18Å)の単位セルパラメータ(cubic cell parameter)の、Ni不足の膜(a=4.23Å)およびNi過剰の膜(a=4.17Å)との比較は、Ni酸化で得られたニッケル酸化膜は、メモリスイッチング領域中でNi過剰領域と非常に似ていることを示している。更に、金属特性領域の近似は、最初の導電状態の説明も可能となる。
5.3 不可逆的スイッチング
先の検討に基づいて、NiOベースの構造の可逆的なスイッチングが期待できる。反対に、MRM構造は、最初の独特のスイッチング後において、OFF状態のままである。この非可逆性は、TEM断面像(図17(a))で見られるNiO/Ni界面およびPt/NiO界面の粗さに確かに起因する。もちろん、TEM観察は、Ni金属表面が、連続するが、膜厚が40nmから75nmの間で不均一な酸化層に覆われていることを表す。この後者の特性は、スイッチングの可逆性に重要な影響を及ぼす。なぜならば、多くの著者は、スイッチングを、界面近傍の導電性経路の形成/切断が原因としているからである。
酸化中に、NiO酸化膜の成長は、異なったNi粒方向に異なった成長速度に起因して、むしろ不均一となる。もちろん、Peraldiらは、ニッケルの結晶方位の酸化速度に対する重要な役割を示している。例えば、(100)ニッケル面の酸化は、(110)面、(111)面、および(112)面の酸化より速い。NiO膜の粗さを減らすために、酸化工程前にNi膜の微細構造を安定化することは困難なようである。
最後に、先の仕事で、Haugsrudは、高温でのNi酸化から得られるNiO酸化物中の、微細亀裂の存在について言及している。多くの主ルートが、微細亀裂の存在を説明するために提案された。それらの結果から、スイッチング後の導電性経路の再形成の困難性を説明する、NiO膜中でのそのような微細亀裂の存在を提案する。これらの微細亀裂は、Ni膜とNiO膜との間の界面で部分的な亀裂を形成し、そのような亀裂は、時々、機械研磨(三脚技術)で準備された試料のTEM断面で観察される。
6.結論
この論文では、Pt/NiO/NiのMRM構造中で電圧誘起の抵抗スイッチングを示すNiO層を形成するために、Ni金属膜の酸化速度が理解された。急速熱アニールルートのプロセスパラメータ(温度、アニール時間、および酸化雰囲気)が、酸化するために試験された。異なった熱処理が、(i)下部電極として使用されるNi膜の完全な消費を避ける条件、および(ii)双安定酸化膜を形成する条件で、金属膜を酸化するために選択された。それらの経験的な条件では、堆積させたままのNiO膜は、通常スパッタされたNiO膜で必要な特別な電気形成を行うことなく、最初に低抵抗ON状態であった。Niが過剰な酸化膜を得ることは、最初の金属的な挙動を説明できる。それにもかかわらず、酸化条件により2Vから5Vまでばらつく閾値電圧より上で、MRM構造は高抵抗OFF状態に、不可逆的にスイッチする。この不可逆性は、安定化されていない酸化前のNi膜微細構造により、NiO/Ni界面およびPt/NiO界面の粗さに関係する。
メモリデバイスの展望では、可逆的なメモリ素子の閾値電圧を下げるために、更なる微細構造と電気的分析が必要となる。現在、酸化前のNiの結晶化やNi酸化のための代わりのルートを制御するために新しい実験条件が見積もられ、例えば例えばNiOまたはOを用いたプラズマ処理が研究されている。最後に、バイア構造中に集積された双安定のNiO/Niスタックが形成され、バックエンドプロセスで使用される条件に近い条件でMRM構造の安定性が検討されるであろう。
図25は、この具体例で形成したメモリデバイスの電気特性を示す。対称なNi/NiO/Ni/TiN/Ti/SiO/Si/Siスタックが形成され、ここでは、追加のTiN/Ti層スタックは、Ni下部電極層と下にある基板との間に挿入される。図25に示すように、1Vより低いセット電圧およびリセット電圧での、可逆的で繰り返された双安定スイッチングが得られる。ON状態とOFF状態との間の区別は、酸化時間の増加(400℃で純O中のRTAに対して、30秒、3分、または20分)により改良される。

表1は、本発明の一の具体例にかかる、Ni酸化からNiO膜を形成するのに用いられた実験条件を表す。
表2は、Johnson-Mehl-Avrami-Kolmogorov(いわゆるJMAK)の式:D(t)=D[1−exp(−k×t)]のパラメータを示す。この式は、一の具体例にかかる様々な実験条件(RTA条件またはその場酸化)におけるNiO結晶の核形成/成長プロセスを示す。
表3は、一の具体例にかかるX線回折により調査されたNiO相および/またはNi相の存在と関係する電気的挙動のまとめである。最初のNi膜厚は(a)100nmまたは(b)24nmである(NSW=スイッチング無し、SW=スイッチング有り、対応するVthは、抵抗スイッチングが観察された時点の値である。)

Claims (35)

  1. 抵抗スイッチング不揮発性メモリ素子であって、
    上部電極と下部電極とに挟まれた抵抗スイッチング金属酸化物層を含み、
    金属酸化物層は、厚み方向に傾斜した酸素を有するメモリ素子。
  2. 逆極性のセット電圧とリセット電圧とを有する請求項1に記載のメモリ素子。
  3. 酸素の傾斜は、上部電極から下部電極に向って減少する請求項2に記載のメモリ素子。
  4. 金属酸化物は、ニッケルを含む請求項1に記載のメモリ素子。
  5. 金属酸化物は、二元系ニッケル酸化物である請求項4に記載のメモリ素子。
  6. 下部電極は、ニッケルを含む請求項4に記載のメモリ素子。
  7. 上部電極は、ニッケルを含む請求項4に記載のメモリ素子。
  8. 下部電極は、
    ニッケル酸化物層に隣接するニッケル含有層と、
    ニッケル含有層に隣接するチタン含有層と、を含む請求項4に記載のメモリ素子。
  9. 下部電極は、
    ニッケル酸化物層に隣接するニッケル層と、
    ニッケル層に隣接するチタン窒化物層と、
    チタン窒化物層に隣接するチタン層と、を含む請求項8に記載のメモリ素子。
  10. 上部電極と下部電極は、同じ材料から形成された請求項1に記載のメモリ素子。
  11. 請求項1にかかるメモリ素子と、
    その電極の1つに電気的に接続された選択素子と、を含むメモリセル。
  12. 選択素子は、MOSFETであり、
    MOSFETのソース/ドレイン接合の1つが、電極の1つと電気的に接続された請求項11に記載のメモリセル。
  13. 抵抗スイッチング不揮発性メモリ素子を形成する方法であって、
    基板を提供する工程と、
    基板上に下部電極を形成する工程と、
    下部電極上に、厚み方向に酸素の傾斜を有する、抵抗スイッチング金属酸化物層を形成する工程と、
    金属酸化物層上に、上部電極を形成する工程と、を含む方法。
  14. メモリ素子は、逆極性のセット電圧とリセット電圧とを有する請求項13に記載の方法。
  15. 下部電極、金属酸化物層、および上部電極を形成する工程は、
    1またはそれ以上の下部電極層、金属酸化物層、および1またはそれ以上の上部電極層のスタックを形成する工程と、
    このスタックをパターニングして、メモリ素子を形成する工程と、を含む請求項13に記載の方法。
  16. 下部電極を形成する工程は、金属層を形成する工程を含み、
    金属酸化物層を形成する工程は、金属層の上部部分のみを金属酸化物層に変える工程を含む請求項13に記載の方法。
  17. 金属は、ニッケルである請求項13に記載の方法。
  18. 金属酸化物は、二元系ニッケル酸化物である請求項17に記載の方法。
  19. 上部電極を形成する工程は、ニッケル酸化物層の上にニッケル層を形成する工程を含む請求項17に記載の方法。
  20. 金属層を金属酸化物層に変える工程は、金属層を熱酸化する工程を含む請求項16に記載の方法。
  21. 更に、所望のメモリ素子の電気的特性の観点から熱酸化プロセスのプロセスパラメータを決定する工程を含み、
    プロセスパラメータは、酸素分圧、酸化時間、および/または酸化温度のグループから選択される請求項20に記載の方法。
  22. 電気的特性は、セット電圧とリセット電圧である請求項21に記載の方法。
  23. 更に、金属層の上部部分を金属酸化層に変える工程前に、実質的に酸素の無い雰囲気中で金属層を加熱する工程を含む請求項16に記載の方法。
  24. 下部電極は、
    金属酸化物層に隣接するニッケル含有層と、
    ニッケル含有層に隣接するチタン含有層と、を含む請求項17に記載のメモリ素子。
  25. チタン含有層は、
    上部電極に隣接するチタン窒化物層と、チタン窒化物層に隣接するチタン層とのスタックから形成される請求項24に記載の方法。
  26. 抵抗スイッチング不揮発性メモリ素子の電気的特性を決定する方法であって、
    メモリ素子は、
    金属の上部層を有する下部電極と、
    上部金属層の一部を熱酸化して形成された抵抗スイッチング金属酸化物層であって、厚み方向に酸素の傾斜を有する金属酸化物層と、
    金属酸化物層の上に形成された上部電極と、を含み、
    決定方法は、
    所望のメモリ素子の電気的特性の観点から、酸素の傾斜を決定する工程を含む方法。
  27. 電気的特性は、セット電圧とリセット電圧である請求項26に記載の方法。
  28. 酸素の傾斜を決定する工程は、
    熱酸化工程のプロセスパラメータの値を決定する工程を含み、プロセスパラメータは、酸素分圧、酸化時間、および/または酸化温度のグループから選択される請求項26に記載の方法。
  29. 酸素の傾斜を決定する工程は、熱酸化される金属層の膜厚を選択する工程を含む請求項28に記載の方法。
  30. 酸素の傾斜を決定する工程は、熱酸化される金属層の酸化速度を調整する工程である請求項29に記載の方法。
  31. 酸化速度を調整する工程は、金属層を熱酸化する工程前に、実質的に酸素の無い雰囲気で、金属層を加熱して、金属層を再結晶化する工程を含む請求項30に記載の方法。
  32. 金属は、ニッケルである請求項26に記載の方法。
  33. 金属酸化物は、二元系のニッケル酸化物である請求項32に記載の方法。
  34. 下部電極は、更に、上部金属層の下にチタン含有層を含む請求項32に記載の方法。
  35. チタン含有層は、
    上部金属層に隣接するチタン窒化物層と、チタン窒化物層に隣接するチタン層とのスタックからなる請求項34に記載の方法。
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