JP5406224B2 - 多層ディスクのグループ判別方法および光ディスク装置 - Google Patents

多層ディスクのグループ判別方法および光ディスク装置 Download PDF

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Description

本発明は多層ディスクに対応した光ディスクにデータを記録、あるいは再生する光ディスク装置に関し、特に起動時に従来の単層、2層の光ディスクから16層、20層に至る多種の多層ディスクの種類判別を行う光ディスク装置に関している。
光ディスクに記録されているデータは、比較的弱い一定の光量の光ビームを回転する光ディスクに照射し、光ディスクによって変調された反射光を検出することによって再生される。
再生専用の光ディスクには、光ディスクの製造段階でピットによる情報が予めスパイラル状に記録されている。これに対して、書き換え可能な光ディスクでは、スパイラル状のランドまたはグルーブを有するトラックが形成された基材表面に、光学的にデータの記録/再生が可能な記録材料膜が蒸着等の方法によって堆積されている。書き換え可能な光ディスクにデータを記録する場合は、記録すべきデータに応じて光量を変調した光ビームを光ディスクに照射し、それによって記録材料膜の特性を局所的に変化させることによってデータの書き込みを行う。
なお、ピットの深さ、トラックの深さ、および記録材料膜の厚さは、光ディスク基材の厚さに比べて小さい。このため、光ディスクにおいてデータが記録されている部分は、2次元的な面を構成しており、「記録面」または「情報面」と称される場合がある。本明細書では、このような面が深さ方向にも物理的な大きさを有していることを考慮し、「記録面(情報面)」の語句を用いる代わりに、「情報層」または「層」の語句を用いることとする。光ディスクは、このような情報層を少なくとも1つ有している。なお、1つの情報層が、現実には、相変化材料層や反射層などの複数の層を含んでいてもよい。
本明細書では、積層されたN層(2以上の整数)の情報層を備える光ディスクを「N層ディスク」と称する。また、複数の情報層を備える光ディスクを包括的に「多層ディスク」と称し、1層の情報層を有する光ディスクは、「単層ディスク」と称する。
多層ディスクにおいて、光が入射するディスク表面から各情報層までの距離を、その情報層の「深さ」と称する場合がある。多層光ディスクにおいて、深さが最も近い情報層とディスク表面との間は、「光透過層」と呼ばれる透明なカバー層が存在する。情報層と情報層との間にも光を透過する層が存在するが、本明細書では、特に断らない限り、「光透過層」の用語は、カバー層を意味するものとする。
光ディスクに記録されているデータを再生するとき、または、記録可能な光ディスクにデータを記録するとき、光ビームが情報層における目標トラック上で常に所定の集束状態となる必要がある。このためには、「フォーカス制御」および「トラッキング制御」が必要となる。「フォーカス制御」は、光ビームの焦点(集束点)の位置が常に情報層上に位置するように対物レンズの位置を情報面の法線方向(以下、「基板の深さ方向」と称する場合がある。)に制御することである。一方、トラッキング制御とは、光ビームのスポットが所定のトラック上に位置するように対物レンズの位置を光ディスクの半径方向(以下、「ディスク径方向」と称する。)に制御することである。
上述したフォーカス制御およびトラッキング制御を行うためには、光ディスクから反射される光に基づいて、フォーカスずれやトラックずれを検知し、そのずれを縮小するように光ビームスポットの位置を調整することが必要である。フォーカスずれおよびトラックずれの大きさは、それぞれ、光ディスクからの反射光に基づいて生成される「フォーカス誤差(FE)信号」および「トラッキング誤差(TE)信号」によって示される。
特許文献1に示される従来の光ディスク装置においては、多層ディスクが装填された場合には、特許文献1の図10のフローチャートに示されるように、予め2つの既知の球面収差をそれぞれ設定し、それぞれの設定でフォーカスサーチを行い、所定の閾値をもって検出されたFE信号の数が一致するまで繰り返していき、ちょうど一致した最多のFEの数が装填されたディスクの層数とする判別を行っている。これによってNAの大きな(NA 0.85)ブルーレイディスク(BD)での厚さむらによる球面収差の影響や非点収差の影響によるFE信号の検出精度の劣化を低減して多層ディスクでのFE信号のカウントによる精度の改善が示されている。
また特許文献2においては、特許文献2の図3に示されるように、光束中心部と光束周辺部のFE信号を独立に検出できるようなフォーカス検出系を追加した構成を開示している。このような構成によれば、中心部と周辺部の差動信号によって球面収差信号を生成できる。さらに多層ディスクでの各層において球面収差補正素子の駆動したときに上記球面収差信号の電圧値が0(極性反転)となる球面収差補正値の関係を予めメモリに格納しておく。実際にこの装置に多層ディスクが装填されてフォーカスを引き込み、引き込んだ層でこの球面収差が0になるように球面収差補正素子を駆動すると、その補正値を上記メモリの値と比較することで多層ディスクのどの層にフォーカスを引き込めたかを判別する方法が開示されている。
特開2006−344268号公報 特開2004−171635号公報
従来技術(特許文献1)においては、球面収差を切り換えその都度フォーカスサーチを実行する。そのときの検出されたFE信号(S字信号)をカウントし、2つの状態のS字が一致するまで繰り返す。そのため従来のBDと同じ層間ピッチ25μm(2層BD)に近い値にすることが可能な3層、4層BD程度であれば実現性が高く、効果的である。ところがさらに8層、16層などの多層ディスクでは、BD2層の層間ピッチ25μmの中に8層分、16層分の情報層を積み重ねて入れることは難しい。そのため、光透過層(カバー層)をBD2層の光透過層(厚さ75μm)よりもさらに薄くしなければ、8層、16層の積層ディスクの実現は難しい。
よって、層数の多い多層ディスクでは、ディスク表面に最も近い情報層(以下、「最近層」と称する)の深さとディスク表面から最も遠い情報層の深さとの間の差が大きくなるため、2つあるいは2つ以上の球面収差を設定した状態でFE信号の数を一致させることは困難である。また現状の2層BDおける層間25μmの領域に可能な限り多くの層を積め込んだとしても、そのときの層間ピッチが非常に狭小となるため、層間クロストークが発生するのは必至である。その層間クロストークを低減するために各層の反射率を下げると、FEの検出感度はさらに低下するので、検出精度が悪化してしまうという課題が発生する。
また従来技術(特許文献2)においては、球面収差信号を検出するために追加で光検出器およびプリアンプが必要であり、そのため光ピックアップが複雑となり、その小型化や低コスト化の妨げとなる。また反射光を分割して周辺部の光を球面収差検出用の光検出器に導光するため、RF信号を検出するメインの光検出器の光量が低下するため、特に多層など反射率の低いメディアの再生にはRF信号のSN面で不利であるという課題があった。
従って、本発明の目的は上記課題を鑑み、簡単な構成で多層メディア(多層BD)の判別を実現することができる多層ディスクのグループ判別方法およびこの判別を実行する光ディスク装置を提供することである。
本発明による多層光ディスクのグループ判別方法は、同一波長の光ビームによって記録情報の再生が可能な構造を有し、かつ、複数のグループに分けられた多層光ディスクのグループ判別方法であって、前記多層光ディスクに含まれる複数の情報層のうちの第1情報層と前記第1情報層に隣接する第2情報層との間の距離、または前記第1情報層と光ディスク表面との間の距離を測定するステップ(A)と、前記距離に基づいて前記多層光ディスクが属するグループを決定するステップ(B)とを含む。
ある好ましい実施形態において、前記ステップ(A)は、前記多層光ディスクの前記第1情報層に対応した球面収差補正量を生じさせるように前記光ビームを調整するステップと、前記調整された光ビームで前記多層光ディスクを照射しながら、前記光ビームの収束点の位置を光ディスク表面に垂直な方向に移動させるステップと、前記光ビームの収束点が前記光ディスク表面上に位置する第1照射条件と前記第1情報層上に位置する第2照射条件との相違から前記光ディスク表面と前記第1情報層との距離を決定するステップとを含む。
ある好ましい実施形態において、前記第1情報層は、前記多層光ディスクの光入射側表面に最も近い情報層である。
ある好ましい実施形態において、前記ステップ(A)は、前記多層光ディスクにおける前記第1情報層に対応した第1の球面収差補正量を生じさせるように前記光ビームを調整するステップと、前記調整された光ビームで前記光ディスク装置に装填された多層光ディスクを照射し、前記第1情報層でフォーカスエラー信号又はトラッキングエラー信号の振幅が最大になるように前記光ビームの球面収差量を第2の球面収差補正量に調整するステップと、前記第2の球面収差補正量に基づいて、前記光ディスク装置に装填された前記多層光ディスクにおける前記第1情報層と前記光ディスク表面との距離を決定するステップとを含む。
本発明の多層光ディスク判別方法は、上記いずれかの多層光ディスクのグループ判別方法によって光ディスク装置に装填された多層光ディスクが属するグループを決定するステップXと、前記多層光ディスに含まれる情報層に光ビームを照射し、前記情報層から反射される光ビームに基づいて、前記多層光ディスクに含まれる情報層の層数を決定するステップYとを含む。
ある好ましい実施形態において、前記ステップYは、前記光ディスク表面に最も近い情報層からアドレス情報を読み出すステップと、前記アドレス情報に基づいて前記多層光ディスクに含まれる情報層の層数を決定するステップとを含む。
ある好ましい実施形態において、前記ステップYは、前記グループに属する複数の多層光ディスクのうちの第1候補となる多層光ディスクにおける光ディスク表面に最も近い情報層に対応した第1球面収差補正量を設定するステップと、前記第1収差補正量に設定された光ビームで、装填された多層光ディスクの光ディスク表面に最も近い情報層を照射し、第1トラッキングエラー信号を取得するステップと、前記グループに属する複数の多層光ディスクのうちの第2候補となる多層光ディスクにおける光ディスク表面に最も近い情報層に対応した第2球面収差補正量を設定するステップと、前記第2収差補正量に設定された光ビームで、前記装填された多層光ディスクの光ディスク表面に最も近い情報層を照射し、第2トラッキングエラー信号を取得するステップと、前記第1トラッキングエラー信号の振幅が前記第2トラッキングエラー信号の振幅よりも大きな場合は、前記装填された多層光ディスクが第1候補の多層光ディスクであると決定し、前記第2トラッキングエラー信号の振幅が前記第1トラッキングエラー信号の振幅よりも大きな場合は、前記装填された多層光ディスクが第2候補の多層光ディスクであると決定する。
ある好ましい実施形態において、光ディスク装置に装填された多層光ディスクが属する1つのグループが、N層(Nは3以上の整数)の情報層を備えるN層光ディスクと、(N+1)層の情報層を備える(N+1)層光ディスクとによって構成される場合、前記ステップYは、前記光ディスク装置に装填された多層光ディスクの光ディスク表面に最も近い情報層におけるトラックが形成するスパイラルの向きを検出するステップを含み、前記トラックが形成するスパイラルの向きに基づいて、前記光ディスク装置に装填された多層光ディスクに含まれる情報層の層数を決定する。
本発明による他の光ディスク判別方法は、ディスク表面から同一の深さに基準層を備える単層BD、2層BD、3層BD、および4層BDを判別する光ディスク判別方法であって、装填された光ディスクの回転数を単層BDおよび2層BDに対応する回転数又は3層BDに対応する回転数又は4層BDに対応する回転数に設定するステップと、前記光ディスクの基準層でPLLの引き込みを実行し、前記光ディスクが、1層BDからなる第1グループおよび2層BDからなる第2グループいずれか一方に属するか、それとも、3層BDおよび4層BDからなる第3グループに属するかを判別するステップと、前記光ディスクが、前記第3グループに属すると判別された場合、前記光ディスクが3層BDおよび4層BDのいずれかを判別するステップとを含む。
本発明による他の光ディスク判別方法は、N層(Nは3以上の整数)の情報層を備えるN層光ディスクと(N+1)層の情報層を備える(N+1)層光ディスクを判別する光ディスク判別方法であって、装填された光ディスクに含まれる特定の情報層に光ビームを照射するステップと、前記特定の情報層におけるトラックが形成するスパイラルの向きを検出するステップと、前記トラックが形成するスパイラルの向きに基づいて前記光ディスクがN層および(N+1)層のいずれかを判別するステップとを含む。
本発明の光ディスク装置は、同一波長の光ビームによって記録情報の再生が可能な構造を有し、かつ、複数のグループに分けられた多層光ディスクからデータを再生することができる光ディスク装置であって、多層光ディスクを回転させるモータと、前記波長の光ビームを放射する光源と、前記光ビームを収束させる対物レンズと、前記光ディスクで反射された光ビームを検知する光検知部と、前記光ビームの収束状態を変化させる機構と、前記光検知部の出力に基づいて、前記光ディスクに含まれる少なくとも2層の情報層の距離又は情報層と光ディスク表面との間の距離を検出し、前記距離に基づいて前記光ディスクが属するグループを決定する制御部とを備える。
本発明の他の光ディスク装置は、同一波長の光ビームによって記録情報の再生が可能な構造を有し、かつ、複数のグループに分けられた多層光ディスクからデータを再生することができる光ディスク装置であって、多層光ディスクを回転させるモータと、前記波長の光ビームを放射する光源と、前記光ビームを収束させる対物レンズと、前記光ディスクで反射された光ビームを検知する光検知部と、前記光ビームの収束状態を変化させる機構と、前記光検知部の出力に基づいて、前記光ディスクに含まれる少なくとも2層の情報層の距離又は情報層と光ディスク表面との間の距離を検出し、前記距離に基づいて前記光ディスクが属するグループを決定する制御部とを備え、前記制御部は、前記多層光ディスクに含まれる情報層の層数を決定する。
本発明の更に他の光ディスク装置は、N層(Nは3以上の整数)の情報層を備えるN層光ディスクと(N+1)層の情報層を備える(N+1)層光ディスクを判別することができる光ディスク装置であって、多層光ディスクを回転させるモータと、前記波長の光ビームを放射する光源と、前記光ビームを収束させる対物レンズと、前記光ディスクで反射された光ビームを検知する光検知部と、前記光ビームの収束状態を変化させる機構と、装填された光ディスクに含まれる特定の情報層に光ビームを照射することにより、前記特定の情報層におけるトラックが形成するスパイラルの向きを検出し、前記トラックが形成するスパイラルの向きに基づいて前記光ディスクがN層および(N+1)層のいずれかを判別する制御部とを備える。
本発明の光ディスク装置は、サポートする多層ディスクにおいて、1)表面から最近層までの距離を測定するか、または2)層間距離を測定することで、多層ディスクのグループ分けをする。判別されたグループ内に単一の多層ディスクだけが存在する場合は、これで多層判別ができたことになる。
また、判別されたグループ内に複数の多層ディスクの候補がある場合は、その後さらに最近層のアドレス情報あるいはTE振幅などの物理特性によって層数を判別する。
よって全てのS字の測定カウントではなく、スタート時点から球面収差をほぼ最適な状態で最低必要な2つの層のみのS字検出を行うことで、層毎の反射率差や記録未記録によるS字の振幅ばらつきの影響を受けることがなく、正確な多層判別のできる装置を提供できる。
さらに球面収差切換、フォーカスサーチを繰り返す従来技術に比べ、判別時間が短くなり、球面収差以外の反射率のばらつきにも強いので4層、6層のみならず16層、さらに20層といった多層ディスクでも正確な判別ができ、その効果は大きい。
本発明の光ディスク装置の構成を示すブロック図 図1の光ピックアップ103、サーボ制御回路106とその周辺部分の詳細構成図 球面収差補正部228の詳細構成図 フォーカスサーチ時の対物レンズ230と、光スポットが多層BDディスクの各層を通過したときのS字信号を表した模式図 実施形態1における多層ディスクのグループ判別方法を示すフローチャート グループ内の層判別方法の一例を示すフローチャート 多層BDに対して複数の球面収差の設定を行った場合のTE信号出力を示した図 グループ内の層判別方法の他の例を示すフローチャート 実施形態2における多層ディスクのグループ判別方法を示すフローチャート 多層BDディスク群の第1の構成を示した図 多層BDディスク群の第2の構成を示した図 多層BDディスク群の第3の構成を示した図 多層BDディスク群の第4の構成を示した図 多層BDディスク群の第5の構成を示した図 多層BDディスク群の第6の構成を示した図 多層BDディスク群の第7の構成を示した図 実施形態3における多層ディスクのグループ判別方法を示すフローチャート 実施形態3におけるグループ内の層判別方法の例を示すフローチャート 実施形態4における多層ディスクのグループ判別方法を示すフローチャート 実施形態4におけるグループ内の層判別方法の例を示すフローチャート 実施形態5、6におけるグループ1〜3の内容を示す表 従来の単層、2層ディスクと、第5、第6の実施形態における3層、4層ディスクの仕様諸元を示す表 実施形態5における判別手順を示すフローチャート 実施形態6における判別手順を示すフローチャート 実施形態7における判別手順を示すフローチャート 3層BDおよび4層BDの層構成を示す表 トラバース動作に関連する部分のブロック図 光ディスクのスパイラル方向とトラバース方向との関係を説明するための図
2000年にBD−RE(Rewritable)の規格が定まり、その後、BD−R、BD−ROMの規格が発表された。BDでは、当初より、単層ディスク(25GB)に加えて、片面2層ディスク(50GB)の規格が決定された。2層BDの奥側の情報層(L0層)の深さは、単層ディスクにおける情報層の深さと共通の0.1mm(100μm)に設定されている。一方、2層BDにおける手前側の情報層、すなわち、ディスク表面に最も近い情報層(L1層)の深さ(カバー厚)は0.075mm(75μm)に設定されている。
現在、BDでは、3層以上の情報層が積層された多層ディスクの研究や開発がなされている。既に実用化されている単層BD、2層BDとの互換性を考え、これらの多層ディスクでも、基準となる最も奥の情報層(L0層)の深さは0.1mmに設定されることが好ましいと考えられる。その条件下で、多層ディスクにおける情報層の構成を設計する場合、以下の2つのアプローチを取り得る。
1)層間ピッチを25μmより小さくする。
2)最近層の深さ(カバー厚)を0.075mm(75μm)より小さくする。
多層BDおいては、3層、4層BDから10層、16層、20層といった大容量タイプまで、一気に技術開発を行って規格を策定することは困難である。したがって、ユーザ、市場のニーズに応じて、世代を更新してリリースしていくのが常道である。
以上のことから、例えば現在商品化されている単層BDおよび2層BDのグループと、次に商品化されるであろう3層BD、4層BDからなるグループと、さらに将来商品化されるであろう8層BD、10層BDといった商品化のフェーズ(世代)毎で、多層光ディスクをグループ分けすることが好ましい。そして、グループ毎に、層間ピッチおよび/またはカバー厚に特徴を持たせ、それぞれのグループを判別できるようにすることが好ましい。このように多層光ディスクをグループ分けすることにより、基本的なディスク判別のアルゴリズムを大きく変更することなく、世代毎で商品化された多層BDに対して柔軟に対応することが可能となる。
各グループは、以下のいずれかの特徴を付与することが好ましい。
1)カバー厚(ディスク表面と最近層との距離)をグループ毎(世代毎)にほぼ一定とする。層間クロストークを低減するため、同一グループ内の光ディスクでも各々の層数に応じて各層間距離を調整する。層数が多いグループでは、相対的に層間ピッチを狭くする。
2)層間ピッチをグループ毎(世代毎)にほぼ一定とする。層数が多いグループほど、カバー厚が小さくなる。
上記1)の場合は、カバー厚によってグループを判別できるように、グループが異なるとカバー厚を判別可能な程度に変化させる。
一方、上記2)の場合は、カバー厚によってグループを判別するよりも、層間ピッチによってグループを判別することが容易になるように、グループが異なると層間ピッチを判別可能な程度に変化させる。
これによって世代毎のグループ判別が容易になる。同一グループに含まれる光ディスクについて、カバー厚または層間ピッチが完全に等しい必要はなく、他のグループからの識別が可能な程度に近ければよい。また、1つのグループに含まれる光ディスクは、1種類でもよい。
カバー厚または層間ピッチでグループを判別するには、光ディスク装置が装填された光ディスクにおけるカバー厚または層間ピッチを検出することが必要になる。光ディスク装置では、光ディスクの表面または情報層に光ビームを照射し、それらの反射光から各種の信号を生成することができる。これらの信号を用いて、カバー厚や層間ピッチを求めることが可能である。例えば光ピックアップの対物レンズを光ディスクに接近させる場合、光ビームの収束点が各層を横切るときにFE信号にS字信号が発生する。最初のS字信号と2番目のS字信号の時間間隔を測定すれば、その間隔から対物レンズの移動量を決定し、それによってカバー層の厚さを求めることができる。また、同様にしてS字信号が現れる間隔に基づいて、隣接する任意の2層間の距離(層間ピッチ)を求めることができる。
他の方法でカバー厚や層間ピッチを求めることもできる。例えば、最もディスク表面に近い層(最近層)でフォーカスを引き込み、その層でTEmaxあるいは再生信号がベストとなるように球面収差を調整すると、その球面収差の調整値からカバー厚を求めることもできる。
以下、本発明による光ディスク装置の実施形態を説明する。
(実施形態1)
まず、本実施形態における多層ディスク対応の光ディスク装置の構成例を説明する。図10〜図13は、本実施形態の光ディスク装置でサポートする単層、2層〜16層までの多層BDディスク群の構成を示した図である。図1は本第1実施形態に係る光ディスクドライブ装置のブロック図である。
多層ディスクの構成としては、種々の組み合わせが考えられる。すでに商品化されている単層、2層のBDとの互換性を考慮すると、基準層の深さは100μmで統一しておくことが非常に好ましい。
各層が極端に接近すると層間のクロストークが発生するために、層間の距離(LP:Layer Pitch)は少なくとも3μm以上が好ましい。また傷や塵の影響を考えると、光透過層(ディスク表面と最近層との距離:カバー層)をあまり薄くすることもできない。BDの高NA0.85を考えると、層間距離は、20μm以上にすることが好ましく、25μm以上にすることが更に好ましい。
以上のことから、例として、2層、4層、6層、8層、10層、12層、14層、16層のメディアの構成を考えると、図10〜図13のようなパターンの多層BDディスク群の構成が考えられる。図10、図11に示すパターン1、2は層間の距離をできるだけ確保した場合であり、パターン1は層間距離が等間隔の場合で16層のメディアは層間が5μm、表面から最も近い情報層までの距離は25μmになる。パターン2は、クロストークをキャンセルするための手段として層間距離を交互に変えた場合で、16層のメディアは層間距離が奇数層と偶数層間が5μm、偶数層と奇数層間が4μmで、表面から最も近い情報層までの距離は32μmになる。多層光ディスクのグループ分けは、上記の図10〜図13に示す例に限定されない。他の例についても、後に詳しく説明する。
図12に示すパターン3、および図13に示すパターン4は、ディスク表面と最近層までの距離(光透過層の厚さ)を優先して確保したパターンである。パターン3によれば、層間が等間隔であり、16層のメディアにおいては、層間が3.125μm、ディスク表面から最近層までの距離は53.125μmになる。パターン4は、クロストークをキャンセルするために層間を交互に変えている。パターン4によれば、16層のメディアにおいて、層間が奇数層と偶数層が3.125μm、偶数層と奇数層が3μmで、ディスク表面から最近層までの距離は54μmになる。メディア製造時の基板厚さや積層するときのばらつき、層間距離や光透過層厚さばらつきなどでそれぞれの寸法は多少増減する。以下の説明は、図10のパターン1について説明を行い、パターン2、3、4については必要な部分を補足する。
次に図1を用いて、実施形態1を実現する多層光ディスク装置の基本動作について説明をする。なお従来の技術と同様の部分はその説明を省略する。
本多層光ディスク装置は、光ビームを光ディスク100上に集束させる光学系、光ディスクからの反射光を検出する光検出器、および光源としてレーザダイオードを有する光ピックアップ103と、光ディスクモータ101を駆動して所定のモータ回転数とするモータ駆動回路102と、光ピックアップ103の動作を制御するサーボ制御回路106と、光ピックアップ103で検出した光ディスク100上の情報信号を再生する再生回路110と、記録する情報に基づいて所定の変調方式でレーザダイオードをレーザ駆動回路107によってパルス状に発光させることにより、前記情報を光ディスク100に書き込む記録回路123とを備えている。
光ピックアップ103は、光ディスクモータ101上に装填された光ディスク100に対し、集束されたレーザ光を照射する。RFサーボアンプ104は、光ディスク100から反射された光に基づいて電気信号を生成する。サーボ制御回路106は、光ディスクモータ101に装填された光ディスク100にフォーカス制御およびトラッキング制御を実施する。また、サーボ制御回路106は、光ディスク100に対して光源およびレンズを用いて光ビームを照射することによって光ディスク100がBDディスクであるかのディスク判別、単層もしくは2層か、あるいは2層より多い情報層をもつ多層判別を行うディスク判別部260を含む。
再生回路110は、RFサーボアンプ104から出力された電気信号を波形等価回路などでイコライジングしてアナログ再生信号を生成する。生成された再生信号はデジタル化された後、PLLによってリードクロック(基準クロック)と同期し、データ抽出がなされる。その後、所定の復調、エラー訂正をなされた後、システムコントローラ130に入力される。システムコントローラ130は、I/F回路131を介してホスト140へと転送される。
記録回路123は、ヘッダやエラー訂正のための冗長ビットなどが付加されて、所定の変調パターン(変調方式)に変調した後、レーザ駆動回路107によって、ホスト140からI/F回路131を介して送られてくる情報を光ディスク100に記録するため、光ピックアップ103の中のレーザダイオードをパルス状に発光させる。光ディスク100に入射するレーザ光の強度変調に応じて、光ディスク100の記録材料(たとえば有機材料や相変化材料)の反射率を変えることで、「1」または「0」の情報の記録を行う。
図2は、図1の光ピックアップ103、サーボ制御回路106とその周辺部分をより詳細に記載したブロック図である。図2を用いてさらに説明する。
まず光ピックアップの構成を説明する。光ピックアップ103は、光源222と、カップリングレンズ224と、偏光ビームスプリッタ226と、球面収差補正装置228、対物レンズ230と、トラッキングアクチュエータ231と、フォーカスアクチュエータ232と、集光レンズ234と、光検出部236とを有している。
光源222は、光ビームを放射する半導体レーザダイオードから構成される。簡単のため、図2には単一の光源222が示されているが、実際の光源は、異なる波長の光ビームを放射する例えば3つの半導体レーザから構成される。具体的には、1つの光ピックアップがCD、DVD、およびBD用に異なる波長の光ビームを放射する複数の半導体レーザを備える。
カップリングレンズ224は、光源222から放射された光ビームを平行光にする。偏光ビームスプリッタ226は、カップリングレンズ224からの平行光を反射する。光ディスクの種類に応じて光源222における半導体レーザの位置や、放射される光ビームの波長が異なるため、光ディスク100の種類に応じて最適な光学系の構成は異なる。このため、実際の光ピックアップ103の構成は、図示されているものに比べて複雑である。
対物レンズ230は、偏光ビームスプリッタ226で反射された光ビームを集束する。
対物レンズ230の位置は、アクチュエータ232がFE信号およびTE信号に基づいて所定の位置に制御する。光ディスク100の情報層からデータを読み出し、あるいは情報層にデータを書き込むとき、対物レンズ230によって集束された光ビームの焦点は、情報層上に位置し、情報層上に光ビームのスポットが形成される。図2には、1つの対物レンズ230が記載されているが、現実には複数の対物レンズ230が備えられており、光ディスク100の種類に応じて異なる対物レンズ230が用いられることになる。データの記録/再生時は、光ビームの焦点が情報層における所望のトラックを追従するようにフォーカスサーボおよびトラッキングサーボが動作し、対物レンズ230の位置が高精度に制御される。
本実施形態は、光ディスク100が特に青紫色のレーザダイオード222と高NAの対物レンズ230で記録再生を行う光ディスク装置を用いたBDの多層判別方法に特徴があるので、説明をわかりやすくするため、光ピックアップは図2に示すような簡易な構成で記載している。BDディスク100が装填された後、データの記録/再生動作を行なう前に、装填されたBDが多層か、また何層のBDかを判別するためにディスク判別の動作を実行する。ディスク判別動作が行われるとき、対物レンズ230は、フォーカスアクチュエータ232の働きにより光軸方向に沿って大きく位置を変化させることになる。
球面収差補正素子228は、例えば光軸方向に位置を変化させることのできる補正用レンズ(不図示)を備え、補正用レンズの位置を調節することにより、球面収差の状態(補正量)を変化させることができる(ビームエキスパンダ方式)構成を備えている。球面収差補正部228の構成は、このようなビームエキスパンダ方式の構成を備えている必要は無く、液晶素子やヒンジなどによって収差を補正する構成を備えていても良い。
BDディスク100の情報層で反射された光ビームは、対物レンズ230、球面収差補正部228、および偏光ビームスプリッタ226を通過し、集光レンズ234に入射する。集光レンズ234は、対物レンズ230および偏光ビームスプリッタ226を通過してきた、光ディスク100からの反射光を光検出部236上に集束させる。光検出部236は、集光レンズ234を通過した光を受け、その光信号を各種の電気信号(電流信号)に変換する。光検出部236は、例えば4分割の受光領域を有している。
光ピックアップ103は、トラバースモータ363により、光ディスク100の半径方向に広い範囲で移動することができる。
図2のサーボ制御回路106は、フォーカス制御部240、トラッキング制御部241、球面収差制御部242、およびトラバース駆動回路243を備えており、これらを介してCPU246が光ピックアップ103の各種動作を制御する。サーボ制御回路106は、FE信号生成部250と、S字検出部252、TE信号検出部261、振幅検出部262、およびディスク判別部260を備えている。
フォーカス制御部240は、CPU246の指示に従ってフォーカスアクチュエータ232を駆動し、対物レンズ230を光軸方向に沿って任意の位置に移動させることができる。FE信号生成部250から出力されたFEによって、光ディスク100上の光スポットが所定の収束状態になりようにフォーカス制御を行う。
またトラッキング制御部241は、トラッキングアクチュエータ231を駆動し、対物レンズ230を光ディスク100の半径方向に沿って任意の位置に移動させることができ、TE信号生成部261から出力されたTE信号によって、光ディスク100上の光スポットがトラックを走査するようにトラッキング制御を行う。
トラバース制御回路243は、CPU246およびTE信号生成部261の出力に応じてトラバースモータ363を制御し、光ピックアップ103を光ディスク100の半径方向における目的の位置に移動させる。
球面収差制御部242は、CPUの指示に従って球面収差補正部228を所定の設定状態に制御する。具体的には、図3に示すステッピングモータ8が球面収差制御部242からの制御信号に基づいて動作し、例えば2層ディスクの場合には、収差補正レンズ228を1層目、2層目のカバー厚に対応した所定の位置に移動させる。収差補正レンズ228の位置(光軸方向の位置)を変えることにより、光ビームの球面収差状態を調節することができる。これは4層〜16層、20層まで全て同じような動作、機能を有するものである。
FE信号生成部250は、光検出部236に含まれる複数の受光領域から出力される電気信号に基づいてFE信号を生成する。FE信号の生成法は、特に限定されず、非点収差法を用いたものでもよいし、ナイフエッジ法を用いたものでもよい。また、SSD(スポット・サイズド・ディテクション)法を用いたものでもよい。FE信号生成部250から出力されるFE信号は、CPUからの指令で所定の検出閾値が設定されるS字検出部252に入力される。
TE信号生成部261は、光検出部236に含まれる複数の受光領域から出力される電気信号に基づいてTE信号を生成する。TE信号の生成法は、一般的にはBD−RやBD−REに代表される記録メディアのように凸凹のトラックを有するものはプッシュプル検出法、BD−ROMに代表される再生専用メディアのようにエンボス形状の情報プリピットを有するものは位相差検出法が主に用いられるが、特にトラッキングの方式で限定はされない。
TE信号生成部261から出力されるTE信号は、トラックを横断するときに正弦波状に現れる信号振幅を、所定の球面収差の設定値において測定、検出する振幅検出部262に入力される。
S字検出部252は、フォーカスサーチ動作によって対物レンズ230が光軸方向に移動している間において、FE信号の振幅が所定の閾値を越えたかどうかでS字信号の検出を行う。本実施形態では、まず、サポートする多層ディスクのうち最もカバー層の薄い多層BDディスクの最近層の深さに対応した球面収差値を設定する。その後、最下点から対物レンズを上昇させながら、ディスク表面のS字信号と、ディスク表面に最も近い情報層(最近層)でのS字信号とを、S字検出部252によって検出する。ディスク判別部260は、ディスク表面のS字信号が現れたときのフォーカス駆動値すなわち対物レンズ230の高さと、最近層のS字信号が現れたときのフォーカス駆動値すなわちレンズ高さとを比較する。こうして、ディスク表面と最近層との距離SLP(Surface Layer Pitch)を求めることができる。また、同様にして、情報層とその情報層に隣接した情報層との距離(層間距離または層間ピッチ)を求めることもできる。
図4は、フォーカスサーチ時の対物レンズ230と、光スポットが多層BDディスクの各層を通過したときのS字信号を表した模式図である。図4に示すように、閾値によるFE信号の検出方法は、FE信号の片振幅だけでなく、FE信号の極大値および極小値の両方を比較することにより行う。絶対値回路などを用いてFE信号の極性を正のみにすることで、極小値、極大値のいずれか一方が検出できたとき、S字信号を検出したと判断する。S字信号が検出されると、S字信号検出の出力FEPがONとなる。S字信号の極小値および極大値の一方に基づいてS字信号の検出を行うと、球面収差や非点収差の影響によりS字信号が非対称になったときでもS字信号を検出することができる。
次に、本実施形態における多層判別フローについて説明する。
図5は、最近層の深さ(カバー厚)、すなわちディスク表面と最近層との距離SLPを測定し、その測定値SLPの大きさによって、多層ディスクのグルーピングを行うフローを示すフローチャートである。
図6はグルーピングを行った後のグループ内の層判別のフローを示すフローチャートである。このフローに従って光ディスク装置は装填されたディスクが何層BDかを判別できる。
以下、図5、図6を参照しながら、多層ディスクのグループ判別動作および層判別動作について説明を行う。
図5に示すように、ステップS51では、光ディスク装置に単層、2層あるいは多層のBDディスクが装填されると、球面収差SAをひとまず2層BDの最近層L2に対応した所定の値、カバー厚換算で75μmに設定する。そして、フォーカスサーチを実行する。フォーカスサーチによって、図4に示すようにディスク表面のS字信号と最近層(2層BDの第2層L1、4層BDの第4層L4、または16層BDの第16層L16など)でのS字信号が必ず検出される。ディスク判別部260は、ディスク表面のS字信号を検出した時点におけるフォーカスアクチュエータ232のフォーカス駆動値と、最近層のS字信号を検出した時点におけるフォーカスアクチュエータ232のフォーカス駆動値との差を測定する。この駆動値の差は、対物レンズ230の移動距離、すなわちディスク表面から最近層までの距離SLPに対応する。このため、駆動値の差をフォーカスアクチュエータのDC感度で換算すれば、距離SLPを容易に算出することができる。
ステップS52では、ディスク判別部260は、算出されたSLPが80μmより長いか否かを判定する。SLP≧80μmであると判定されると、ステップS53では、BD単層ディスクと決定する。BDの場合は厚さばらつきスペックによって規定されており、BD2層ではカバー厚は75μmを中心に70μm〜80μmが想定される。逆に2層以上の多層BDではカバー厚が80μm以上であることはないため、排他的にSLPが80μm以上の場合は、単層ディスクと決定することができる。
SLPが80μmより小さい場合は、装填されたディスクが2層BDか、4層あるいは8層や16層のグループである可能性がある。その場合、今度はステップS54において、球面収差を4層BDの最近層L4の深さ70μmに対応する値に設定し、フォーカスサーチを実行する。同様に、ディスク表面のS字信号を検出した時点におけるフォーカスアクチュエータ232のフォーカス駆動値と、最近層のS字信号を検出した時点におけるフォーカスアクチュエータ232のフォーカス駆動値との差を測定する。こうして、球面収差条件を変更した上で、あらためて距離SLPを算出する。
ステップS55では、ディスク判別部260は算出されたSLPがどの範囲に該当するかを判定する。つまり、65μm<SLP≦70μmの場合は4層BDに確定、75μm<SLP<80μmの場合は2層と確定する(ステップS55,S56)。SLPが1つ前の条件判定と併せて、70μm<SLP≦75μmの場合は、2層BDの薄い側のカバー厚ばらつきと、4層BDの厚い側のカバー厚ばらつきと重なってしまうため、グループ1内判別処理ステップS57へ移行する。グループ内判別処理については後で説明する。
SLP≦65μmの場合は、4層より多い6層以上のBDであると推定される。よってステップS58では、球面収差を8層BDの最近層L8に対応した所定の値(カバー厚換算で56.25μm)に設定し、フォーカスサーチを実行する。その時、同様にフォーカス駆動値の差を測定し、SLPを求める。
ステップS59では、SLPが51.25μm以上の場合は、6層あるいは8層ディスクであるのでグループ2判別ステップ520に移行する。SLPが51.25μmより小さい場合は、10層以上のBDと推定される。
次にステップS510では、球面収差を16層BDの最近層L16に対応した所定の値(カバー厚換算で25μm)に設定し、フォーカスサーチを実行する。同様にフォーカス駆動差を測定し、SLPを求める。
ステップS530では、SLPが20μm以上の場合は、10層、12層、14層、16層何れかのディスクであるため、グループ3判別ステップ550に移行する。SLPが20μmより小さい場合は、ステップS540においてサポート外のディスクと判別し、その旨の表示あるいは速やかのディスクを排出する。
以上説明したように、本実施形態における球面収差SAの設定は、その時点で可能性のある多層ディスクのグループの中で、最もカバー層の薄くなる(あるいは容量が最大となる)光ディスクの、カバー層の厚さに相当する球面収差を設定する。こうすることにより、より確実な排他判別が可能となる。
また球面収差の設定を別の設定にすることができる。本実施形態の基本原理は、ディスク表面に最も近い情報層(最近層)のS字信号出力を検出することである。そのため、フォーカスサーチ時においてディスク表面のS字信号の次に検出されるS字信号で光ディスクのグループを特定することができる。この場合、S字信号を検出し易いように検出閾値を低く設定することが可能である。検出閾値を低く設定しておけば、初期設定で球面収差を基準層(単層)の深さ100μm換算値、あるいは2層のL2層の深さ(75μm)、あるいは16層のL16層の深さや20層のL20層の深さ(25μm)の換算値に設定しておいても、SLPは正確に測定することができる。
次に、各グループ内の判別手順について説明する。
まず、設定されている球面収差のまま、最近層でフォーカス制御およびトラッキング制御を引き込む。そして、ディスク上にプリフォーマットされたピットあるいはウォブルアドレスをリードすることで、それぞれのグループ内でディスク判別が可能である。図6はその手順を示すフローチャートである。
グループ1内の判別は2層BDまたは4層BDかを判別する。グループ2内の判別は6層BDまたは8層BDかを判別する。グループ3内の判別は、10層、12層、14層、16層BDのいずれかを判別する。
グループ1内判別において、4層BDは2層BDの2倍の容量であるので4層の最近層L4においては任意の位置でもそのアドレスの値は2層BDの最大値L2MAXより必ず大きくなる。すなわち2層BDは必ずアドレスはL2MAX以下である。これを利用してステップS61〜S63において、フォーカストラッキングを引き込んでリードしたアドレスの値が2層BDのアドレスの最大値2MAX以下であれば、ステップS64では2層ディスクとし、それより大きければステップS65では4層とする。
同様にグループ2では、6層BDか8層BDかを判別する。8層BDは6層BDより容量が1.2倍大きいため、8層の最近層L8においては任意の位置でもそのアドレスの値は6層BDの最近層L6MAXでの最大値より必ず大きくなる。これを利用してステップS66〜S68においてフォーカストラッキングを引き込んでリードしたアドレスの値が6層BDの最大値6MAX以下であれば、ステップS69では6層ディスクとし、それより大きければステップS610では8層とする。
また同様にグループ3では、10層BDか12層BDか14層BDか16層BDかを判別する。それぞれのBDで2層分の容量差があるため、各ディスクの最近層での任意の位置のアドレスの値を比較することで判別が可能である。よってステップS620〜S640において、フォーカストラッキングを引き込んでリードしたアドレスの値が10層BDの最大値10MAX以下であればステップS650では10層ディスクとし、12層BDの最大値12MAX以下であればステップS610では12層BDとし、14層BDの最大値14MAX以下であればステップS670では14層BDとする。さらに16層BDの最大値16MAX以下であればステップS680では16層BDとする。
この比較は逆でもよく、グループ1内判別において、フォーカストラッキングを引き込んでリードしたアドレスの値が2層BDのアドレスの最大値2MAXを超えれば、4層ディスクとし、それ以下であれば2層とする。グループ2内判別においては、フォーカストラッキングを引き込んでリードしたアドレスの値が6層BDのアドレスの最大値6MAXを超えれば、8層ディスクとし、それ以下であれば6層とする。
またグループ3では、フォーカストラッキングを引き込んでリードしたアドレスの値が14層BDの最大値14MAXを超え、16層BDの最大値16MAX以下であれば16層ディスクとし、12層BDの最大値12MAXを超え、14層BDの最大値14MAX以下であれば14層BDとし、10層BDの最大値10MAXを超え、12層BDの最大値12MAX以下であれば12層BDとし、10層BDの最大値以下であれば、10層BDと判定する。
上記の方法では、最近層から得られた情報に基づいてグループ内判別を行っているが、本発明は、このような例に限定されない。他の情報層、例えば最近層に隣接する情報層から得られる情報に基づいてグループ内判別を行うことも可能である。
次にグループ内判別の別な方法を説明する。この第2のグループ内の判別方法は、球面収差の設定値と、そのときのTE振幅の増減によって最近層の深さ(カバー厚)を確定し、その値から何層のBDかを判定する方法である。
図7(a)は、4層BDでその最近層であるL4での球面収差の設定を、カバー厚換算値70μmに合わせた場合と、2層BDの最近層L2でのカバー厚換算値75μmまでずらした場合のTE信号の出力を示した図である。図7(b)は、2層BDでその最近層であるL2での球面収差の設定を、カバー厚換算値75μmに合わせた場合と、4層BDの最近層L4でのカバー厚換算値70μmまでずらした場合のTE信号の出力を示した図である。
図7に示すように、球面収差の設定値が最近層でのカバー厚と合致したときはTE振幅は増加し、そこから球面収差をずらしていくとTE振幅は減少していくことがわかる。この特性を利用すれば、フォーカスを引き込んだ最近層の深さ(カバー厚)を算出することができる。なお、TE信号に基づいて球面収差の設定を調整(補正)する代わりに、FE信号に基づいて球面収差の設定を調整(補正)することも可能である。
図8は、この球面収差の設定でのTE振幅の増減によってグループ内判別を行う処理のフローチャートである。なお、グループ1〜3のグループ分けは、上記した方法を使用すればよい。同様に、グループ1内判別は2層BDまたは4層BDかを判別、グループ2内判別は6層BDまたは8層BDかを判別、グループ3内判別は、10層、12層、14層、16層BDのいずれかを判別する。
グループ1において、まずステップS81では最近層でフォーカス制御を行い、球面収差を4層の最近層であるL4のカバー層70μmの換算値に設定する。ステップS82ではその状態でのTE振幅TE4を測定する。次にステップS83では球面収差を2層の最近層L2の深さ(カバー層)75μmの換算値に設定する。ステップS84ではその状態でのTE振幅TE2を測定する。
ステップS85ではTE4とTE2を比較する。この時、装填されているディスクが2層ディスクであった場合はカバー厚が75μmであるので、球面収差が合っているTE2がTE4より大きくなる。4層ディスクであった場合はカバー厚が75μmであるので、球面収差が合っているTE4がTE2より大きくなる。したがってTE4≦TE2であれば、ステップS86では2層BDと判定する。TE4>TE2であれば、ステップS87では4層BDと判定する。これによりグループ1で2層BDか4層BDかをフォーカス制御を引き込んだだけで(トラッキング制御、アドレスリードなど無しで)簡易に判別することができる。
次にグループ2においては、ステップS801では球面収差を8層の最近層であるL8のカバー層56.25μmの換算値に設定する。ステップS802ではその状態でのTE振幅TE8を測定する。次にステップS803では球面収差を6層の最近層であるL6のカバー層68.25μmの換算値に設定する。ステップS804ではその状態でのTE振幅TE6を測定する。ステップS805ではTE8とTE6を比較する。この時、装填されているディスクが6層ディスクであった場合はカバー厚が68.25μmであるので、球面収差が合っているTE6がTE8より大きくなり、8層ディスクであった場合はカバー厚が56.25μmであるので、球面収差が合っているTE8がTE6より大きくなる。したがってTE8≦TE6であれば、ステップS806では6層BDと判定する。TE8>TE6であれば、ステップS807では8層BDと判定する。これによりグループ2で6層BDか8層BDかをフォーカス制御を引き込んだだけで(トラッキング制御、アドレスリードなど無しで)簡易に判別することができる。
同様にグループ3においても、ステップS808から〜S822を実行する。つまり、16層、14層、12層、10層でのカバー厚に換算値に球面収差を設定して、そのときのTE振幅を測定する。その各々の測定値TE16、TE14、TE12、TE10を比較して、その大小によって16層BD、14層BD、12層BD、10層BDのグループ内判別を行うことができる。
以上のように、本実施形態では、フォーカスサーチ動作を利用してディスク表面と最近層との距離(カバー厚)を測定することによって、多層ディスクを複数グループ(本実施形態では3グループ)に分ける。さらに最近層でリードしたアドレス情報の大小、あるいは最近層で測定した(球面収差の設定値に対する)TE振幅(またはFE振幅)の大小によって、グループ内での最近層の深さ(カバー厚)を確定する。カバー層の厚さが決まれば、装填されたディスクの層数(何層ディスクか)の判別を容易に実現することができる。球面収差補正量に基づいてカバー層の深さ(カバー厚)を測定することは、フォーカスサーチ動作を利用してカバー厚を測定する精度が高いが、時間を要する。このため、本実施形態では、グループ判別にはフォーカスサーチ動作を用い、グループ内判別には球面収差補正を用いている。
なお、20層ディスク(20層BD)は、表面に近い方向にさらに積層する、あるいは基準層(カバー厚100μm)よりも表面から遠い方向に積層する場合が考えられるが、16層ディスクグループと同様に上記方法で判別すればよい。
(実施形態2)
以下、本発明の第2の実施形態を説明する。
本実施形態では、情報層でS字信号を検出したときの対物レンズの位置(高さ)の差から情報層の距離(層間距離)を測定する方法は、用いない。本実施形態では、それぞれの情報層でフォーカスを引き込み、さらに球面収差を最適値に調整する。その情報層に隣接した情報層に対応する球面収差との差分は、層間距離に対応するため、球面収差の調整値の差分から、層間距離を求めることができる。層間距離が求まると、装填されたディスクが、どのグループであるかの判別を正確に精度良く行うことができる。本実施形態では、最近層でフォーカスを引き込み、球面収差補正量からディスク表面と最近層との距離(カバー厚)を測定し、それによってグループ判別を行う。
図9は、この各層における球面収差の設定値(補正量)の比較によって、グループ判別を行う処理のフローチャートである。この例では、球面収差の設定値に基づいてカバー厚を測定し、そのカバー厚によってグループ判別を行う。しかし、球面収差の設定値に基づいて層間ピッチ(ある情報層と、その情報層に隣接する情報層との距離)を測定し、層間ピッチに基づいてグループ判別を行うことも可能である。
以下、図9を用いて多層判別方法について説明する。本実施形態では、実施形態1で用いた光ディスク装置と同じ装置を使用する。
図9に示すようにステップS91では装置に単層、2層あるいは多層のBDディスクが装填されると、球面収差SAをひとまず2層BDの最近層L2の所定の値、カバー厚換算で75μmに設定し、フォーカスサーチを実行する。フォーカスサーチによって、図4に示すようにディスク表面のS字信号を1つ飛び越してから、最初に検出されるS字信号は、最近層(2層BDの第2層L1、4層BDの第4層L4、16層BDの第16層L16など)のS字信号であるので、その検出したS字信号によって最近層であれば容易にフォーカス制御を引き込むことが可能である。
ステップS92では最近層でフォーカスを引き込んだ後、その最近層でTE信号がMAXとなるように球面収差を調整する。この調整値によって現在フォーカス制御を引き込んでいる最近層の深さ(カバー厚:以下、SLPと略記する場合がある)を測定することができる。TE信号の代わりにFE信号に基づき、FE信号の振幅がMAXとなるように球面収差を調整してもよい。ステップS93ではディスク判別部260は最近層の表面からの距離(カバー厚SLP)によって図10の多層BDのグループ判別を行うことができる。
ステップS96ではカバー厚SLPが55μm以下の場合はグループ3であり、SLP=25μm±2であれば16層BD、SLP=35μm±2であれば14層BD、SLP=45μm±2であれば12層BDと確定することができる。SLP=55μm±2の場合は、10層BDかグループ2の8層BDの何れかである。この場合は、フォーカスジャンプによって隣接した1つ奧の層に移動し、そこの層で再度TEmaxとなるように球面収差を調整する。その調整値から算出した表面からの距離(カバー厚)SLP-1と、移動前のカバー厚SLPの差が層間ピッチLPとなり、このLPの値で8層BDまたは10層BDかを判別することができる。判別の方法は測定した装填ディスクのLPを10層の最大値LP10と8層の最小値LP8と単純に比較すればよく、LP≦LP10(5.5μm)であれば10層BDであり、LP>LP8(6μm)であれば8層ディスクと判定できる。
またステップS95ではカバー厚SLPが55μmより大きく、70μmより小さい場合はグループ2であり、SLP=56.25μm±2であれば8層BDと確定でき、SLP=68.75μm±2の場合は、6層BDかグループ3の4層BDの何れかである。この場合も同様に1つ奧側の隣接層にフォーカスジャンプによって移動し、その層で再度TEmaxとなるように球面収差を調整する。その調整値から算出した表面からの距離(カバー厚)SLP-1と、移動前のカバー厚SLPの差が層間ピッチLPとなり、このLPの値で4層BDか6層BDかを判別することができる。
さらにステップS94ではカバー厚SLPが70μm以上の場合はグループ1または単層BDであるので、SLPが70μm±2であれば4層BD、 SLPが75μm±2であれば2層BD、SLPが100μm±2であれば単層BDと判定することができる。
第2の実施形態の多層判定方法は、後述する第4の実施形態の方法と同様に、カバー厚を球面収差の調整値を使って測定するものである。BDのように高NAになると、球面収差に対するTE振幅またはFE振幅の感度が高いため、その測定精度、判別精度は非常に高い。この方法は、ディスク表面と最近層との距離(カバー厚)だけではなく、任意の情報層とその情報層との距離(層間ピッチ)も高い精度で測定可能である。したがって、グループの判別がカバー厚ではなく層間ピッチによって可能な場合は、2つの情報層で球面収差補正量を求め、それによって層間ピッチを測定すれば、グループの判別が可能にある。
本実施形態では最近層あるいは他の情報層でTE振幅またはFE振幅が最大になるように調整するように説明したが、球面収差による感度が十分とれるのであれば信号品質、すなわちジッタ(MLSE含む)や再生信号振幅で調整してもよい。
(実施形態3)
以下、実施形態1、2について説明したグループ分けの例とは異なるグループ分けの例を説明する。
図14に示すパターンは、各グループ内でカバー厚を略一定とし、グループが変わると、カバー厚を大きく変化させるようにしている。層間ピッチはグループ内で総層数に応じて最適なるように設定されている。
図15に示すパターンは、各グループ内で、層間ピッチを略一定とし、グループが変わると、層間ピッチを大きく変化させるようにしている。光透過層厚はグループ内で総層数に応じて最適なるような厚さに設定されている。
図16は、図15のパターンの変形パターンを示している。クロストークの影響を除去するため、層間ピッチLP=3.125のグループ4について、層間ピッチを交互に変えている。16層のメディアでは、層間距離が奇数層と偶数層間が3.25μm、偶数層と奇数層間が3μmで、16ディスクで表面から最も近い情報層までの距離は53.25μmになる。
以下、図14のパターンと、図15のパターンについて説明を行いう。図16のパターンに対するディスク判別処理は、図15のパターンに対するディスク判別処理と同じである。
図17は、最近層の深さ(カバー厚、すなわちディスク表面と最近層との距離SLP)を測定し、その測定値SLPの大きさによって、多層ディスクのグルーピングを行うフローを示すフローチャートである。
図18はグルーピングを行った後のグループ内の層判別のフローを示すフローチャートである。このフローに従って光ディスク装置は装填されたディスクが何層BDかを判別できる。
以下図17、図18を用いて多層ディスクのグループ判別動作および層判別動作について説明を行う。
図17に示すようにステップS171では、光ディスク装置に単層、2層あるいは多層のBDディスクが装填されると、球面収差SAをひとまず単層BDの最近層L1に対応した所定の値、カバー厚換算で100μmに設定する。そして、フォーカスサーチを実行する。フォーカスサーチによって、図4に示すようにディスク表面のS字信号と最近層(2層BDの第2層L1、4層BDの第4層L4、または16層BDの第16層L16など)でのS字信号が必ず検出される。ディスク判別部260は、ディスク表面のS字信号を検出した時点におけるフォーカスアクチュエータ232のフォーカス駆動値と、最近層のS字信号を検出した時点におけるフォーカスアクチュエータ232のフォーカス駆動値との差を測定する。この駆動値の差は、対物レンズ230の移動距離、すなわちディスク表面から最近層までの距離SLPに対応する。このため、駆動値の差をフォーカスアクチュエータのDC感度で換算すれば、距離SLPを容易に算出することができる。
ステップS172では、ディスク判別部260は、算出されたSLPが80μmより長いか否かを判定する。SLP≧80μmであると判定されると、ステップS173では、BD単層ディスクと決定する。BDの場合は厚さばらつきスペックによって規定されており、BD2層ではカバー厚は75μmを中心に70μm〜80μmが想定される。逆に2層以上の多層BDではカバー厚が80μm以上であることはないため、排他的にSLPが80μm以上の場合は、単層ディスクと決定することができる。
SLPが80μmより小さい場合は、装填されたディスクが2層BDか、3層、4層あるいは6層、7層、8層や10、14層、16層の各グループである可能性がある。その場合、今度はステップS174において、球面収差を2層BDの最近層L4の深さ75μmに対応する値に設定し、フォーカスサーチを実行する。同様に、ディスク表面のS字信号を検出した時点におけるフォーカスアクチュエータ232のフォーカス駆動値と、最近層のS字信号を検出した時点におけるフォーカスアクチュエータ232のフォーカス駆動値との差を測定する。こうして、球面収差条件を変更した上で、あらためて距離SLPを算出する。
ステップS175では、ディスク判別部260は算出されたSLPがどの範囲に該当するかを判定する。つまり、70μm<SLP<80μmの場合は2層と確定し(ステップS177)、SLP≦70μmの場合は3層BD以上と判定し、ステップS178に移行する。
SLP≦70μmの場合は、ステップS178で、球面収差を3層および4層BDの最近層L3、L4に対応した所定の値(カバー厚換算で55μm)に設定し、フォーカスサーチを実行する。その時、同様にフォーカス駆動値の差を測定し、SLPを求める。
ステップS179では、SLPが50<SLP<60μmである場合、3層あるいは4層BDであるので、グループ2内判別(ステップS1720)へ移行する。SLPが50μmより小さい場合は、6層以上のBDと推定される。この場合、ステップS1710に進む。
ステップS1710では、球面収差を6層、7層、8層BDの最近層L6、L7、L8に対応した所定の値(カバー厚換算で35μm)に設定し、フォーカスサーチを実行する。同様にフォーカス駆動差を測定し、SLPを求める。
ステップS1730では、SLPが30<SLP<40μmの場合、6層、7層、8層何れかのディスクであるため、グループ3判別ステップ(ステップS1750)に移行する。
ステップS1740では、球面収差を10層、14層、16層の最近層L10、L14、L16に対応した所定の値(カバー厚換算で20μm)に設定し、フォーカスサーチを実行する。同様にフォーカス駆動差を測定し、SLPを求める。
ステップS1760では、SLPが15<SLP<25μmの場合、10層、14層、16層何れかのディスクであるため、グループ4判別ステップ(ステップS1780)に移行する。
SLPが15μmより小さい場合は、ステップS1770においてサポート外のディスクと判別し、その旨の表示あるいは速やかのディスクを排出する。
以上説明したように、本実施形態における球面収差SAの設定は、その時点で可能性のある多層ディスクのグループの中で、最もカバー層の薄くなる(あるいは容量の最大となるディスクのカバー厚の)光ディスクの、カバー層の厚さに相当する球面収差を設定する。こうすることにより、より確実な排他判別が可能となる。
また球面収差の設定を別の設定にすることができる。本実施形態の基本原理は、ディスク表面に最も近い情報層(最近層)のS字信号出力を検出することである。そのため、フォーカスサーチ時においてディスク表面のS字信号の次に検出されるS字信号で光ディスクのグループを特定することができる。この場合、S字信号を検出し易いように検出閾値を低く設定することが可能である。検出閾値を低く設定しておけば、初期設定で球面収差を基準層(単層)の深さ100μm換算値、あるいは2層のL2層の深さ(75μm)、あるいは16層のL16層(20μm)の深さや20層のL20層の深さの換算値に設定しておいても、SLPは正確に測定することができる。
次に、各グループ内の判別手順について説明する。
まず、設定されている球面収差のまま、最近層でフォーカス制御およびトラッキング制御を引き込む。そして、ディスク上にプリフォーマットされたピットあるいはウォブルアドレスをリードすることで、それぞれのグループ内でディスク判別が可能である。図18はその手順を示すフローチャートである。
グループ2内の判別は3層BDまたは4層BDかを判別する。グループ3内の判別は6層BD、7層BDまたは8層BDかを判別する。グループ4内の判別は、10層、14層、16層BDのいずれかを判別する。
グループ2内判別において、4層BDは3層BDより容量が大きく、かつ4層の最近層L4の最内周でデータ領域の終端でアドレスMAXになっており、3層ディスクの最近層L3では、最外周でデータ領域の終端でアドレスMAXとなっている。
これを利用してステップS181〜S183において、フォーカストラッキングを引き込んで、最内周付近に位置決めしてリードしたアドレスの値が3層BDのMAXよりも大きい場合は4層BDと、小さい場合は3層BDとなる(ステップS184、ステップS185)。
同様にグループ3では、6層BD、7層BD、8層BDかを判別する。6層BDの最近層L6、8層BDの最近層L8は最内周でデータ領域の終端でアドレスMAXになっており、7層BDの最近層L7では最外周でデータ領域の終端でアドレスMAXになっている。また6層BDより容量が1.2倍大きいため、8層の最近層L8においては任意の位置でもそのアドレスの値は6層BDの最近層L6MAXでの最大値より必ず大きくなる。これを利用してステップS186〜S188においてフォーカストラッキングを引き込んで、最内周付近に位置決めしてリードしたアドレスの値が6層BDの最大値6MAX以下であれば、ステップS189では6層ディスクとし、7層BD最大値の7MAXより大きければステップS1810では8層BDとする。さらにステップS1811では6層BDの最大値6MAXより大きく、7層BDの最大値7MAXより小さければ7層BDとする。
また同様にグループ4では、10層BDか14層BDか16層BDかを判別する。それぞれのBDで2層分〜4層分の容量差があるため、この場合は各ディスクの最近層での最内周でなくても任意の位置のアドレスの値を比較することで判別が可能である。よってステップS1820〜S1840において、フォーカストラッキングを引き込んでリードしたアドレスの値が10層BDの最大値10MAX以下であればステップS1850では10層ディスクとし、14層BDの最大値14MAX以下であればステップS1870では14層BDとする。さらに16層BDの最大値16MAX以下であればステップS1880では16層BDとする。
上記説明では最内周付近で位置決めをしてアドレスをリードしたが、同じグループで各層の密度が等しい場合は、どの半径位置でも、リードしたアドレスと対象とする各多層BDのアドレスの最大値を比較することで判別することが可能である。
以上のように、本実施形態では、ディスク表面と最近層との距離を測定することによって、多層ディスクを複数グループ(本実施形態では4グループから3グループ)に分ける。さらに最近層の最内周付近でリードしたアドレス情報の大小によって、規格化されているグループ内での最近層までの枚数を確定し、装填されたディスクの層数(何層ディスクか)の判別を容易に実現することができる。
なお、20層ディスク(20層BD)は、表面に近い方向にさらに積層する、あるいは基準層(カバー厚100μm)よりも表面から遠い方向に積層する場合が考えられるが、16層ディスクグループと同様に上記方法で判別すればよい。
(実施形態4)
以下、本発明の第4の実施形態を説明する。
本実施形態では、図15のパターンのグループ分けに対応するものであり、ディスク表面と情報層(最近層)との距離ではなく、2つの情報層の距離、すなわち層間ピッチから多層詳細判別を実施する。
本実施形態では、多層化が進むと層間距離極めて短くなるため、情報層でS字信号を検出したときの対物レンズの位置(高さ)の差では十分な精度が得られないので、情報層の距離(層間距離)を測定する方法は用いない。本実施形態では、それぞれの層でフォーカス制御を引き込み、さらに球面収差を最適値に調整する。その層に隣接した層に対応する球面収差との差分は、層間距離に対応するため、球面収差の調整値の差分から、層間距離を求めることができる。層間距離が求まると、装填されたディスクが、どのグループであるかの判別を正確に精度良く行うことができる。
図19は、この各層の球面収差の設定値の比較によって、層間ピッチを測定し、それによってグループ判別を行う処理のフローチャートである。以下この図面を用いて多層判別方法について説明する。本実施形態では、実施形態3における光ディスク装置と同じ装置を使用する。
図19に示すようにステップS191では装置に単層、2層あるいは多層のBDディスクが装填されると、球面収差SAをひとまず2層BDの最近層L2の所定の値、カバー厚換算で75μmに設定し、フォーカスサーチを実行する。フォーカスサーチによって、図4に示すようにディスク表面のS字信号を1つ飛び越してから、最初に検出されるS字信号は、最近層(2層BDの第2層L2、4層BDの第4層L4、16層BDの第16層L16など)のS字信号であるので、その検出したS字信号によって最近層であれば容易にフォーカス制御を引き込むことが可能である。
ステップS192では最近層でフォーカスを引き込んだ後、その最近層でTE信号がMAXとなるように球面収差を調整する。この調整値SA1によって現在フォーカス制御を引き込んでいる最近層の深さ(カバー厚)を測定することができる。ステップS193ではディスク判別部260は最近層から対隣接する情報層(隣接層)へジャンプすることによって移動する。
ステップS194では、その隣接層において同様にTE信号がMAXとなるように球面収差を調整する。この調整値SA2によって現在フォーカス制御を引き込んでいる隣接層の深さ(ディスク表面から隣接層までの距離)を測定することができる。
ステップS195では、SA1、SA2から、層間距離を算出する。ステップS196では、算出した層間距離LPの大きさを所定値と比較し、LP=0の場合は単層BDと判定する(ステップS1901)。LP=25の場合はグループ1すなわち2層BDと判定する(ステップS1902)。LP=12.5の場合は3層BDか4層BDが含まれるグループ2と判定する(ステップS1903)。LP=6.25の場合は6層BD、7層BD、8層BDの何れかが含まれるグループ3と判定する(ステップS1904)。LP=3.125の場合は10層BD、14層BD、16層BDが含まれるグループ4と判定する(ステップS1905)。こうして、図15に示す多層BDのグループ判別を行うことができる。
ここで、層間距離については、ディスクのばらつきと測定精度の点から、LP=25と正確な値とはならず、その比較においては、その規格値である±5μmの範囲で判定することが好ましい。
次に第4の実施形態におけるグループ内判別方法を説明する。この判別方法は、グループ判別時に測定した球面収差の設定値によって最近層の深さ(カバー厚)を確定し、その値からグループ内における何層のBDかを判定する方法である。
図20は、この球面収差の設定でのTE振幅の増減によって、最近層でのTE振幅が最大となる球面収差の調整値でグループ内判別を行う処理のフローチャートである。
グループ2内判別は3層BDまたは4層BDかを判別、グループ3内判別は6層BD、7層BDまたは8層BDかを判別、グループ4内判別は、10層、14層、16層BDのいずれかを判別する。
グループ2において、まずステップS201では隣接層から最近層に移動しフォーカス制御を行い、球面収差を4層の最近層であるL4のカバー層62.5μmの換算値に設定する。ステップS202ではその状態でのTE振幅TE4を測定する。次にステップS203では球面収差を3層の最近層L2の深さ(カバー層)75μmの換算値に設定する。ステップS204ではその状態でのTE振幅TE3を測定する。
ステップS205ではTE振幅TE4とTE振幅TE3を比較する。この時、装填されているディスクが3層ディスクであった場合はカバー厚が75μmであるので、球面収差が合っているTE振幅TE3がTE振幅TE4より大きくなる。4層ディスクであった場合はカバー厚が62.5μmであるので、球面収差が合っているTE振幅TE4がTE振幅TE3より大きくなる。したがってTE4≦TE3であれば、ステップS206では3層BDと判定する。TE4>TE3であれば、ステップS207では4層BDと判定する。これによりグループ2で3層BDか4層BDかをフォーカス制御を引き込んだだけで(トラッキング制御、アドレスリードなど無しで)簡易に判別することができる。
次にグループ3においては、ステップS2001では球面収差を6層の最近層であるL6のカバー層68.25μmの換算値に設定する。ステップS2002ではその状態でのTE振幅TE6を測定する。次にステップS2003では球面収差を7層の最近層であるL7のカバー層62.5μmの換算値に設定する。ステップS2004ではその状態でのTE振幅TE7を測定する。次にステップS2041では球面収差を8層の最近層であるL8のカバー層56.25μmの換算値に設定する。ステップS2042ではその状態でのTE振幅TE8を測定する。
ステップS2005ではTE振幅TE8、TE7、TE6を比較する。この時、装填されているディスクが6層ディスクであった場合はカバー厚が68.25μmであるので、球面収差が合っているTE振幅TE6が、TE振幅TE7、TE8より大きくなり、3者の中でTE6=TEmaxなる。このとき、ステップS2006で装填されたディスクが6層BDであると判定する。装填されたディスクが7層ディスクであった場合はカバー厚が62.5μmであるので、球面収差が合っているTE振幅TE7がTE振幅TE6、TE8より大きくなる。したがってTE7=TEmaxとなり、ステップS2019では装填されたディスクが7層BDと判定する。さらに装填されたディスクが8層ディスクであった場合はカバー厚が56.25μmであるので、球面収差が合っているTE振幅TE8がTE振幅TE6、TE7より大きくなる。したがってTE8=TEmaxとなり、ステップS2007では装填されたディスクが8層BDと判定する。
これによりグループ3で6層BDか7層BDか8層BDかをフォーカス制御を引き込んだだけで(トラッキング制御、アドレスリードなど無しで)簡易に判別することができる。
同様にグループ4においても、ステップS2008から〜S2018を実行する。つまり、16層、14層、10層でのカバー厚に換算値に球面収差を設定して、そのときのTE振幅を測定する。その各々の測定値TE16、TE14、TE10を比較して、その大小によって16層BD、14層BD、10層BDのグループ内判別を行うことができる。
以上、説明したように上記の各実施形態においては、FE信号(S字信号)の間隔、あるいは球面収差の補正値によって、表面を含む層間の距離を測定する。そして、多層グループ判別を実施した後、球面収差設定によるTE信号あるいはアドレス情報によって装填された何層ディスクかの判別を行う。したがって、S字信号を検出でき、球面収差の切換、補正機構を備えている装置であれば、図10〜16に例示されたパターンや、それらのパターン以外のパターンにも適用可能である。本発明は、実用上、製造可能と想定される種々の多層ディスクに適応することができ、多層ディスクの層数などに何ら制限を受けない。
(実施形態5)
単層、2層BDの次の世代のBDとしては、まず、4層BDとともに3層BDの実用化が進められている。このため、図14から図16に示すように、3層BDと4層BDとを1つのグループに含め、単層BDおよび2層BDから区別されることが好ましい。3層BDおよび4層BDを1つのグループにまとめるためには、以下の1)または2)に示す設計方針を採用することができる。
1)3層BDの層間ピッチと4層BDの層間ピッチを一致させる。この層間ピッチは例えば18μmに設定される。
2)3層BDのディスク表面に最も近い層(L2)の深さと、4層BDのディスク表面に最も近い層(L3)の深さとを一致させる。最近層の深さ、すなわちカバー厚は、例えば55μmに設定される。
情報層の反射率を高くすると、層間クロストークが大きくなる。このため、カバー厚をグループ間で一定にして層間ピッチの微調整を行う方が層間ピッチを一定にするよりも層間クロストークを低減しやすいため、多層ディスクの設計は容易と考えられる。
本実施形態では、単層BDをグループ1に、2層BDをグループ2とし、3層BDおよび4層BDをグループ3とする。グループ3では、カバー層の厚さを同じ程度に設定する。図21の表は、本実施形態におけるグループ1〜3の内容を示している。
層間クロストーク除去や透過率の最適化を行うため、層間ピッチの微調を行うことが好ましい。3層BDのカバー厚を、例えば57μm±5μm、4層BDのカバー厚を、例えば54.5μm±5μmに設定することができる。実際のカバー厚のセンター値が上記の設定値から若干ずれても、他のグループのカバー厚との間で十分に大きな差異があれば良い。次の世代のグループが新たに追加された場合、それらのグループの最小の層間ピッチを変えて、その最小層間ピッチを検出することでグループの判別は可能である。
以下、3層、4層BDディスクからなるグループと、既に商品化されているBD単層、2層ディスクからなるグループとの判別を行う実施形態を説明する。
図22は、従来の単層、2層ディスクと、第5、第6の実施形態における3層、4層ディスクの仕様諸元を示す表である。
BDの開発当初から、複数の情報層の各々に対して1つのディスク表面(片面)から光を照射してデータの記録再生を行う「片面」2層ディスクが開発された。片面ディスクでは、両面ディスクと異なり、1つの光ピックアップを用いる場合でも、記録再生の途中で光ディスクの上下を反転される必要が無く、連続記録時間を長くすることができる。このため、3層、4層ディスクでも、片面ディスクが実用化されようとしている。このような片面多層ディスクの特長である長い連続記録時間を最大限のばすため、3層BDは33GB/層で100GB、4層BDは32GB/層で128GBを達成するように設計がなされている。3層BDと4層BDとの間で一層当たりのデータ記録容量が若干異なる。この理由は、記録時のパワーマージンの確保を図るためであり、区切りのよい数字になるようにデータ記録の線密度を変えている。ここで、データ記録の「線密度」とは、単位長さのトラック上に記録されるデータの密度(ビット数)である。
この3層BDおよび4層BDからなるグループと単層BDからなるグループと、2層BDからなるグループとを判別する方法、ならびに、同一グループ内の3層BDと4層BDとを判別する方法について、図23を用いて参照しながら説明する。
まず、ステップS301で青色レーザの駆動をONし、BDのための光ビームで光ディスクを照射する。ステップS302では、球面収差を基準層(L0層)に対応した値に設定する。ステップS303で、モータの回転数を光ディスクの内周で目標線速度を実現する回転数に設定する。ここでは、単層BD、2層BDに対応した回転数に設定する。以下、この点を詳細に説明する。
図22に示すように、単層BDおよび2層BDの1層あたりの記録容量は25GBであるのに対して、3層BDおよび4層BDの1層あたりの記録容量は、約32GBである。このため、3層BD、4層BDにおけるデータの密度(線密度)は単層、2層BDの線密度よりも高い。このため、3層BDおよび4層BDにおける線速度は、単層BDおよび2層BDの線速度よりも低い。ディスク表面から深さ0,1mmには、全ての光ディスクにおいて、基準層である情報層(L0層)が位置している。このため本実施形態では、上述したように、まず単層、2層BDの線速度にセットする。具体的には、半径25mmの位置では、回転数を約1880rpmに設定することにより目的とする線速度を実現できる。
次に、ステップS304で、対物レンズを臨界点まで上昇させ、光ディスクに接近させるように駆動する。その後、ステップS305で、基準層(L0層)でフォーカスおよびトラッキングのサーボ制御をONする。そして、基準層(L0層)で検出されるウォブルの周波数にPLLを引き込み、ウォブルアドレスを読むための動作を実行する。
ステップS306で、ウォブルアドレスが読めれば、装填されているディスクは単層か、2層BDのいずれか一方であると確定できる。その場合、ステップS307に進む。すなわち、さらに光ディスクの最内周のPIC領域(コントロールトラック)へ移動する。そして、ステップS308で、装填されたディスクのBOOKタイプや層数などの制御情報をリードして、単層か2層かを判別して、その後それぞれの起動処理に移行する(ステップS309、S310)。
ステップS306において、単層、2層の回転数設定ではPLLの引き込みができない(ウォブルアドレスが読めない)、あるいはPLLを引き込んで、モータの回転数が下がれば、装填されているディスクは3層か4層の一方であると判別できる。
このように、PLLを引き込むことができなかった場合でも、排他的に3層か4層と推定できる。その場合には、ステップS311で3層BDでの線速度になるように半径25mmの位置での回転数を1880rpmから1424rpmに下げてPLLを引き込む。そして、ステップS312において、その回転数でPLLを引き込み、ウォブルアドレスを読めれば、3層か4層の一方であると確認できる。装填された光ディスクが4層BDであっても、ステップS311においてPLLが引き込める可能性は高い。4層BDでPLLを引き込むと、モータが追従制御され、回転数が1424rpmから1468rpmへと若干上がる。それをもって、装填された光ディスクが4層BDであると判断することができる。ステップS311,S312で回転数が1424rpmの場合にPLLを引き込むことができなければ、ステップS313で回転数を1468rpmに上げてPLLを引き込ませて4層BDからウォブルアドレスを読むことは容易である。
ステップS312において装填された光ディスクが3層、4層BDのいずれであるかが決定されると、ステップS314でPIC領域へ移動し、ステップS315で装填されたディスクのBOOKタイプや層数などの制御情報をリードする。このとき、制御情報によって、装填されたディスクが3層か4層BDかの最終判断を行い、その後それぞれの起動処理に移行する(ステップS316,S317)。これによって、もし層数と線速度が合わない場合は、装填された光ディスクが海賊版ディスクなどの規格違反ディスクであるので、即座に起動を中止する。
また3層、4層BDの回転数に設定して、リトライしてもPLLが引き込めなかった場合は、正規なディスクでない、あるいは状態の悪いディスクであるので、エラーとして起動停止してもよい。
(実施形態6)
次に、第6の実施形態について説明する。
本実施形態が第5の実施形態と異なるのは、本実施形態では、光ディスク装置がサポートするBDのうち最も層数の多い光ディスクから、優先して起動する点にある。BDでは、多層であれば層毎のサーボや球面収差、パワー学習を実施する必要があるため、最も層数が多いBDを早く確定することが好ましい。
以下、図24を参照しながら、本実施形態を説明する。ステップS318、S319以外の各ステップの動作は、図23を参照して説明した実施形態における動作と基本的に同じである。なお、図24において図23のステップに対応するステップには、同一の参照符号を付している。
まず、前述の実施形態と同様にして、ステップS301〜S302の動作を実行する。本実施形態では、グループ判別のための動作を開始するとき、ステップS318において、線速度が4層BDの線速度となるようにモータの回転数を設定する。例えば内周半径25mmの位置で回転数1468rpmにセットする。そして、ステップS304〜S306の動作を実行する。
ステップS306において、検出されるウォブルの周波数でPLLが引き込まれ、そのままウォブルアドレスが読めれば、装填されているディスクは4層BDであると確定できる。また、装填されている光ディスクが3層BDであった場合にも、PLLが引き込めると、モータが追従して1424rpm付近に回転数が若干あがる。このため、装填されている光ディスクは、すぐに3層BDか4層BDかを確定できる。
その後、ステップS307において、最内周のPIC領域(コントロールトラック)へ移動して、ステップS308で、装填されたディスクのBOOKタイプや層数などの制御情報を確認する。その後、4層、3層BDのそれぞれの起動処理に移行する(ステップS316、S317)。
ステップS306でPLLが引き込めなかった場合は、第5の実施形態と同様に3層BDの線速度になるように回転数を1424rpmに再セットしてステップS312に進んでもよい。本例ではステップS311において、ピックアップの位置を内周半径25mmの位置から半径24.75mmの位置へと0,75mm程度内周に移動する。その位置では、1468rpmが3層BDの回転数となるので、モータの回転数を変えなくても、3層BDでウォブルPLLの引き込みが可能である。上記の移動後、ステップS312でPLLが引き込まれ、ウォブルアドレスが読めれば、装填されている光ディスクは3層BDであると確定できる。
装填された光ディスクが単層BDまたは2層BDでも、PLLが引き込める場合がある。しかし、単層BDまたは2層BDでPLLが引き込めた場合には、モータの回転数が追従して1880rpm付近にあがる。このため、モータ回転数から、装填されているディスクが単層BDあるいは2層BDかであることを確定できる。
ステップS311,S312において4層BDのための回転数1468rpmでPLLが引き込めなければ、ステップS319でモータの回転数を単層、2層BDのための回転数(1880rpm)に切り替える。そして、PLLを引き込んでウォブルアドレスを読めばよい。あるいは、モータの回転数を変更することなく、ピックアップの位置を半径25mmから32mm〜33mmの位置へと移動すれば、その半径位置では、1468rpmが単層、2層BDでの目標回転数となるため、PLLを引き込むことができる。そこでウォブルアドレスを読んで、単層または2層BDの確定をする。また、ステップS312においてウォブルアドレスが読めたら、ステップS314で最内周のPIC領域(コントロールトラック)へ移動して、装填された光ディスクのBOOKタイプや層数などの制御情報を確認して、単層BDか、2層BDかの最終的な確定を行い、それぞれの起動処理に移行する(ステップS309,S310)。このように、モータの回転数を切り替えなくても、光ディスクの外周、あるいは内周に移動しても、PLLが引き込まれるため、光ディスクの判別をすることも可能である。
なお、本実施形態では、ステップS318において、線速度が4層BDの線速度となるようにモータの回転数を設定しているが、本発明のこのような例に限定されない。最初に、線速度が3層BDの線速度となるようにモータの回転数を設定してもよい。
(実施形態7)
第7の実施形態について説明する。
図25は、この実施形態の起動時の判別手順を示すフローチャートである。図26は、3層、4層BDの仕様を示した表である。以下、図25、図26を参照して本実施形態を説明する。
本実施形態は、実施形態5の改変例の1つである。本実施形態では、まずステップS301の動作を実行した後、ステップS320において、光ディスク装置がサポートする光ディスクのうち最も光透過層(カバー層)の薄い4層BDのカバー層厚(54.5μm)に対応した値に球面収差を設定する。
そして、ステップS318において、4層BDに対応した線速度を光ディスクの内周で実現するようにモータ回転数を設定する。ステップS321において、対物レンズを最近層に接近駆動する。
次に、ステップS322において最近層でPLLの引き込みを開始して最近層でフォーカスおよびトラッキングのサーボ制御をONする。このとき、PLLの引き込みに成功して、TEmaxになるように球面収差を合わせる(ステップS323)。光ディスクのばらつきもあるが、カバー層厚に換算した球面収差の平均値は、4層BDで54.5μm、3層BDで57.5μm、2層BDで75μm、単層BDで100μmとなる。最近層でのTE信号を最大化する球面収差の値が得られると、ステップS324でこの値に基づいて、単層(グループ1)、2層(グループ2)、3層および4層(グループ3)のいずれかを判別することが可能である。
装填された光ディスクがグループ3に属することが分かった場合、本実施形態では、ステップS325で光ディスクのスパイライル方向を検出することにより、3層BDか4層BDかを判別する。以下、この点を詳細に説明する。
3層BDの最近層(L2)と4層BDの最近層(L3)は、光ディスク上におけるトラックのスパイラル方向が異なる。このため、トラッキングONした後の光ピックアップの移動方向、すなわちトラックのスパイラル方向を検出し、装填された光ディスクが3層BDか4層BDかを確定することができる。すなわち、3層BDでは、スパイラルに沿って移動する光ピックは、光ディスクの内側から外側に移動する(スパイラル:IN→OUT)。一方、4層BDでは、スパイラルに沿って移動する光ピックは、光ディスクの外側から内側に移動する(スパイラル:OUT→IN)。トラッキング動作中の光ピックアップの移動方向に基づいて、3層BDと4層BDとを区別することができる。
次に、光ピックアップの移動方向の検出について、具体例を説明する。
図27は、対物レンズ230をトラッキング方向に駆動するトラッキングアクチュエータ231と関連部分とを示すブロック図である。
サーボ制御回路364から出力されたトラッキング駆動信号は、トラッキング駆動回路361によって電流増幅あるいはPWM変調がなされ、トラッキングアクチュエータ364に入力される。ディスク100からの反射光を2分割の光検出器236で受光する。トラックでの回折による±1次回折光の強度の差を検出するプッシュプル検出によって光検出器236らトラッキングエラー(TE)信号を生成する。
トラッキングエラー信号は光ビームとトラックとの間に半径方向位置ずれを示す信号であるので、このトラッキングエラー信号をサーボ制御回路364へ入力する。サーボ制御回路364は、トラッキングエラー(TE)信号に対して、デジタルフィルタ演算によって低域補償や位相補償を実行し、トラッキング制御信号を生成する。
トラッキング駆動回路361は、サーボ制御回路364からの信号をリニア駆動のための電流増幅やPWM駆動のための変調を行う。
トラッキングアクチュエータ364は、トラッキング駆動回路361から入力されたトラッキング駆動信号によって対物レンズ230を駆動して光ビームでトラックを走査することができる。
サーボ制御回路364からのトラッキング制御信号は、帯域分離(高域をカット)された後、トラバース駆動回路362へも出力されている。対物レンズ230が光ディスクのスパイラル方向に従ってトラックに追従していくと、対物レンズ230は光ディスクの内周から外周に、あるいは外周から内周に移動する。その結果、光検出部236の中心と対物レンズ230の中心がずれていく。このずれを無くすため、トラッキング制御信号を受けとったトラバース駆動回路362は、トラバース駆動信号を出力し、トラバースモータ363によって対物レンズ230を搭載した光ピックアップ自体を移動させる。
トラバースモータ363の駆動信号の極性を検出すれば、対物レンズ230の移動方向、すなわちトラックのスパイラル方向を検出することができる。
図28(a)〜(c)は、スパイラル方向に沿って光ビームがその方向に移動したときのトラバース駆動信号と、あるトラックでスチルをかけたときのトラバース駆動信号を示した波形図である。図28(a)は、スパイラル方向が外周から内周向きの場合を示している。この場合、光ビームはトラックを追従すると光ディスクの外周から内周に移動する。このとき、トラバースモータ363の駆動信号は、マイナス側に電圧(電流)の絶対値が増加していく。そして、この駆動信号の絶対値が、ある電圧値(電流値)を超え、トラバースモータ363が応答して対物レンズ230と同じ方向に動くと、駆動信号は0付近に戻る。対物レンズ230の外周方向への移動によって再びマイナス側に電圧(電流)の絶対値が増加していき、応答を繰り返す。
同様に図28(c)は、スパイラル方向が内周から外周向きの場合を示している。光ビームはトラックを追従すると、光ディスクの内周から外周に移動する。このとき、トラバースモータ363の駆動信号は、プラス側に電圧(電流)が増加していく。駆動信号が、ある電圧値を超え、トラバースモータ363が応答して対物レンズ230と同じ方向に動くと、駆動信号は0付近に戻る。対物レンズ230の内周方向への移動によって再びプラス側に電圧(電流)が増加していき、応答を繰り返す。
図28(b)は、所定のトラックでスチルしている場合のトラバース駆動信号を示す。このとき、光ビームは外周にも内周にもほとんど移動しておらず、対物レンズ230が光ディスクの偏心に対して追従しているので、その微少な偏心の残差成分のみがトラバース駆動信号上に現れている。
再び、図27を参照する。トラバース移動方向判別部360は、このトラバースモータ363の駆動信号をサンプリングあるいは積分する。この値がマイナスであれば、光ビームは光ディスクの外周から内周に移動していることを検出する。逆に、この値がプラスであれば、光ビームは光ディスクの内周から外周に移動していることを検出することができる。この判別結果はサーボ制御回路364に入力される。スパイラル方向判別部367によって、搭載されている光ディスクが3層BDか4層BDの判別を行うことができる。
このように、本実施形態のスパイラル判別によれば、装填された光ディスクが有する情報層の数が奇数層か偶数層かを判別することができる。
層をまたいでのシームレス再生あるいはシームレスな記録を行うために多層DVDや多層BDでは、オポジットパスが採用されている。例えば最も手前の層でPLLを引き込んで、その層でのスパイラル方向を判定すれば、単層または3層(層数が奇数)か、2層または4層(層数が偶数)かを判別することができる。このため、その情報とFEやTEの振幅値から得られる反射率情報や、あるいは球面収差の調整値から得られるカバー厚情報を組み合わせれば、単層か、3層かの判別、2層か4層かの判別は極めて容易で正確に行うことができる。
光ディスクで積層された情報層の数が「奇数」か「偶数」かを判別する本実施形態の方法は、上記の場合に限定されない。この方法は、N層(Nは3以上の整数)の情報層を備えるN層光ディスクと(N+1)層の情報層を備える(N+1)層光ディスクを判別する光ディスク判別方法に広く適用できる。光ディスクは、BDにも限定されない。また、トラックが形成するスパイラルの向きを検出するために光が照射される情報層は、最近層に限定されない。例えば、最近層に隣接する情報層、あるいは、最も深い位置に設けられた情報層に隣接する情報層でスパイラルの向きを検出するようにしてもよい。
さらに層数が増加して層間ピッチが詰まってきた場合、目的層に対するPLLの引き込みや層間ジャンプを失敗して隣接層に誤って引き込んでしまった場合にも、トラバースの電圧による移動方向判別を適用すれば、その誤動作を検出することができる。
なお、例えば4層BDに対応した設定でフォーカスが不安定でどこの層にも引き込めなかった場合には、4層BD以外のディスクである可能性が高いため、3層BDに対応した設定で再度フォーカスを引き込み、2層、単層と順次、繰り返していくのが好ましい。このとき、最近層でPLLの引き込みをかけるため、対物レンズと光ディスクとが衝突するリスクは極めて少ない。
なお、実施形態5から7では、BD標準速(x1、36Mbps)で光ディスクが駆動される例を説明したが、本発明は、このような場合に限定されない。倍速(x2、72Mbps)あるいは4倍速(x4、144Mbps)を起動時の標準の回転数とした場合でも、回転数をn倍として各種設定をするだけで本発明を容易に適用することができる。
以上のように、本発明は、単層、2層、3層、4層BDに対応した光ディスク装置においても本発明は有効である。
BDでは、DVDでは必要なかった球面収差の補正機構を光ディスク装置に設けることが必須になった。BDでは、目的とする情報層に球面収差を補正しつつフォーカスすることができるため、DVDよりも光ディスクの多層化が容易となった。現在、3層BD、4層BDの具体的な規格が決定されつつあり、商品化の準備が進められている。
2層DVDでは、異なる2つのトラック・スパイラル(パラレルパスとオポジットパス)が存在するが、BDでは、オポジットパスのみが採用される。既に商品化された単層ディスクと2層ディスク、次に商品化される3層と4層ディスクのように、世代毎に奇数層ディスクと偶数層ディスクのグループが商品化されることが予想される。そのような場合、実施形態7におけるグループ内判別が極めて有効になる。同一グループに属する2種類の多層光ディスクでは、最近層のスパイラル方向を検出すれば、偶数層ディスクは必ず外周から内周方向へ、奇数層ディスクは必ず内周から外周方向になっているからである。このようなスパイラル方向の検出は、光ディスク装置に特別な部品を追加することなく容易に実現できる。
最近層におけるデータ領域の終端は、偶数層ディスクでは最内周に、奇数層ディスクでは最外周に位置する。このため、最内周あるいは最外周の位置で読み取られるアドレスと、判別対象となる3層(奇数層ディスク)、4層(偶数層ディスク)の物理アドレスの最大値を比較することでも、容易に奇数層か偶数層かを判別することができる。
なお、特定の情報層からスパイラル方向に2点のアドレスを読み、アドレスが増加するか減少するかを検出しても、その情報層のスパイラルの向きを判別することができる。
本発明のように、既存世代のディスク(例えば単層、二層)と新規世代のディスク(例えば3層、4層)をグループ判別する1次判別と、1次判別の後に既存世代、新規世代でそれぞれ何層のディスクか(例えば単層か二層か、3層か4層か)を詳細に判別する2次判別と分けて判別することにより、過去のソフトウェアやミドルウェアに大きな変更をかけることなく、それを有効活用して新しい世代のディスクをサポートし、過去のディスクに対する互換性を発揮できる。
本発明による判別は、従来の起動手順を大きく変えることなく実施できる。例えば、単層、2層BDのみに対応したレコーダやプレーヤでも、新しい3層、4層BDが装填された場合、本発明による判別動作を実行すればよい。すなわち、3層、4層BDの記録再生ができなくても、装填された光ディスクの最近層で既存グルーブの光ディスクか新しい世代のグルーブかを1次判別することが好ましい。こうすることにより、サポートしてない3層、4層BDが装填された場合でも、精度よく速やかに光ディスクの排出処理などを実行することができる。すなわち、本発明によるグループ判別の手順は、各世代の光ディスクに共通なソフトウェアとして活用できる。
さらに、本発明で採用するスパイラル方向の判別では、トラッキング制御さえ実行できれば、光ディスクからアドレスを読むも必要もない。このため、多層ディスクのフォーカス引き込みやフォーカスジャンプで奇数層に移動するのを失敗して、その先の偶数層まで行ったとき、(あるいはその反対のとき)、所望の層とは逆のスパイラルになっていることがすぐにわかるので、速やかにそのエラーを検出することができる。
本発明は多層化された光ディスク(BD,HD-DVDなどの光ディスク)に対応できる光ディスク装置や、このような光ディスク装置を備えるプレーヤ、レコーダ、PCなどの各種の電子機器に適用できる。
100 光ディスク
103 光ピックアップ
106 サーボ制御回路
228 収差補正レンズ
260 ディスク判別部
360 トラバース移動方向判別部
367 スパイラル方向判別部

Claims (8)

  1. 同一波長の光ビームによって記録情報の再生が可能な構造を有し、かつ、複数のグループに分けられた多層光ディスクのグループ判別方法であって、
    前記複数のグループは、グループ毎に前記多層光ディスクの光ディスクの光入射側表面に最も近い情報層である第1情報層と光ディスク表面との間の距離がほぼ一定であり、
    前記多層光ディスクに含まれる前記第1情報層と光ディスク表面との間の距離を測定するステップ(A)と、
    前記距離に基づいて前記多層光ディスクが属するグループを決定するステップ(B)と、
    を含
    前記ステップ(A)は、
    前記多層光ディスクにおける前記第1情報層に対応した第1の球面収差補正量を生じさせるように前記光ビームを調整するステップと、
    前記調整された光ビームで前記光ディスク装置に装填された多層光ディスクを照射し、
    前記第1情報層でフォーカスエラー信号又はトラッキングエラー信号の振幅が最大になるように前記光ビームの球面収差量を第2の球面収差補正量に調整するステップと、
    前記第2の球面収差補正量に基づいて、前記光ディスク装置に装填された前記多層光ディスクにおける前記第1情報層と前記光ディスク表面との距離を決定するステップと、
    を含む、多層光ディスクのグループ判別方法。
  2. 請求項1に記載の多層光ディスクのグループ判別方法によって光ディスク装置に装填された多層光ディスクが属するグループを決定するステップXと、
    前記多層光ディスに含まれる情報層に光ビームを照射し、前記情報層から反射される光ビームに基づいて、前記多層光ディスクに含まれる情報層の層数を決定するステップYと、
    を含む多層光ディスク判別方法。
  3. 前記ステップYは、
    前記光ディスク表面に最も近い情報層からアドレス情報を読み出すステップと、
    前記アドレス情報に基づいて前記多層光ディスクに含まれる情報層の層数を決定するステップと、
    を含む、請求項に記載の多層光ディスク判別方法。
  4. 前記ステップYは、
    前記グループに属する複数の多層光ディスクのうちの第1候補となる多層光ディスクにおける光ディスク表面に最も近い情報層に対応した第1球面収差補正量を設定するステップと、
    前記第1収差補正量に設定された光ビームで、装填された多層光ディスクの光ディスク表面に最も近い情報層を照射し、第1トラッキングエラー信号を取得するステップと、
    前記グループに属する複数の多層光ディスクのうちの第2候補となる多層光ディスクにおける光ディスク表面に最も近い情報層に対応した第2球面収差補正量を設定するステップと、
    前記第2収差補正量に設定された光ビームで、前記装填された多層光ディスクの光ディスク表面に最も近い情報層を照射し、第2トラッキングエラー信号を取得するステップと、
    前記第1トラッキングエラー信号の振幅が前記第2トラッキングエラー信号の振幅よりも大きな場合は、前記装填された多層光ディスクが第1候補の多層光ディスクであると決定し、
    前記第2トラッキングエラー信号の振幅が前記第1トラッキングエラー信号の振幅よりも大きな場合は、前記装填された多層光ディスクが第2候補の多層光ディスクであると決定する、請求項に記載の多層光ディスク判別方法。
  5. 光ディスク装置に装填された多層光ディスクが属する1つのグループが、N層(Nは3以上の整数)の情報層を備えるN層光ディスクと、(N+1)層の情報層を備える(N+1)層光ディスクとによって構成される場合、
    前記ステップYは、
    前記光ディスク装置に装填された多層光ディスクの光ディスク表面に最も近い情報層におけるトラックが形成するスパイラルの向きを検出するステップを含み、
    前記トラックが形成するスパイラルの向きに基づいて、前記光ディスク装置に装填された多層光ディスクに含まれる情報層の層数を決定する、請求項に記載の多層光ディスク判別方法。
  6. 同一波長の光ビームによって記録情報の再生が可能な構造を有し、かつ、複数のグループに分けられた多層光ディスクからデータを再生することができる光ディスク装置であって、
    前記複数のグループは、グループ毎に前記多層光ディスクの光ディスクの光入射側表面に最も近い情報層である第1情報層と光ディスク表面との間の距離がほぼ一定であり、
    多層光ディスクを回転させるモータと、
    前記波長の光ビームを放射する光源と、
    前記光ビームを収束させる対物レンズと、
    前記光ディスクで反射された光ビームを検知する光検知部と、
    前記光ビームの収束状態を変化させる機構と、
    前記光検知部の出力に基づいて、前記光ディスクに含まれる少なくとも2層の情報層の距離又は情報層と光ディスク表面との間の距離を検出し、前記距離に基づいて前記光ディスクが属するグループを決定する制御部と、
    を備え

    前記制御部は、
    前記多層光ディスクにおける前記第1情報層に対応した第1の球面収差補正量を生じさせるように前記光ビームを調整し、
    前記調整された光ビームで装填された多層光ディスクを照射し、
    前記第1情報層でフォーカスエラー信号又はトラッキングエラー信号の振幅が最大になるように前記光ビームの球面収差量を第2の球面収差補正量に調整し、
    前記第2の球面収差補正量に基づいて、装填された前記多層光ディスクにおける前記第1情報層と前記光ディスク表面との距離を決定する、
    多層光ディスク装置。
  7. 記制御部は、前記多層光ディスに含まれる情報層に光ビームを照射し、前記情報層から反射される光ビームに基づいて、前記多層光ディスクに含まれる情報層の層数を決定する、請求項6に記載の光ディスク装置。
  8. 前記制御部は、N層(Nは3以上の整数)の情報層を備えるN層光ディスクと(N+1)層の情報層を備える(N+1)層光ディスクを判別する場合、装填された光ディスクに含まれる特定の情報層に光ビームを照射することにより、前記特定の情報層におけるトラックが形成するスパイラルの向きを検出し、前記トラックが形成するスパイラルの向きに基づいて前記光ディスクがN層および(N+1)層のいずれかを判別する請求項7に記載の光ディスク装置。
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