JP2008165904A - 光ディスク装置および媒体種類判別方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光ディスクであるBD,HD DVD,DVD,CDの媒体種類判別を行う場合、波長の異なる複数のレーザ光と実効的開口数(NA)が異なる複数の対物レンズが存在するので、どの波長とどのNAの組み合わせで媒体判別のためのフォーカスサーチを行うのかという問題がある。
【解決方法】 複数層媒体の光入射面から最も離れた情報記録層での実効反射率を最大にする波長の光を出射するレーザーモジュール(15)に発光させて、かつ、その波長の光を前提にした光ディスク規格に用いるNAのうち最小のNAの対物レンズ(19)を用いてフォーカスサーチを実行し、検出されるフォーカスS字信号に基づいて媒体種類判別を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ディスク装置および媒体種類判別方法に関し、特に複数種類の光ディスク媒体に対応してデータ記録再生を行う光ディスク装置及びその媒体種類判別方法に関する。
従来、記録媒体である光ディスクは、その記憶容量の大容量化が求められており様々な種類が開発され、それぞれが使用目的に応じて利用されている。代表的なものでは、BD(Blu−ray Disc),HD DVD(High Definition DVD),DVD(Digital Versatile Disk),CD(Compact Disc)がある。
これら光ディスクには、記録再生に用いるレーザ光の波長と対物レンズの実効的開口数(対物レンズの形状と対物レンズへの入射光のビーム径によって決定する開口数。以下、NAとする。)とがそれぞれに対して規定されている。BDは、波長405nmの青色光とNA0.85の対物レンズとを用いた記録再生を前提にしており、HD DVDは波長405nmの青色光とNA0.65の対物レンズ、DVDは波長650nmの赤色光とNA0.60の対物レンズ、CDは波長780nmの赤外光とNA0.50の対物レンズとを用いた記録再生を前提にしている。
このため、複数種類の光ディスクに対してデータの記録再生をする光ディスク装置においては、光ディスクの規格に応じて使用するレーザ光及び対物レンズを選択し切り換えなければならないので、光ディスクへのサーボ投入、記録再生を行う前に、光ディスクの種類を判別する必要がある。また一方で、光ディスクにおいては、情報記録層を多層化することで1枚当たりの記憶容量を増加した光ディスクもあり、光ディスク装置は、光ディスクの情報記録層が単層であるか多層であるかを判別する必要もある。
光ディスクの媒体種類判別方法としては、そのひとつにフォーカスサーチが知られている。この方法は、図2に示すように、レーザ光が対物レンズを通過する際に光軸に沿った方向へ対物レンズアクチュエータを等速度で移動させて、光の焦点位置を光ディスク内で変化させ、光ディスクからの戻り光の変動から検出されるフォーカスエラー信号に示されるフォーカスS字信号を観測する。図3は、CD,DVD,HD DVD,BDの各光ディスクについてフォーカスサーチを行った場合のフォーカスエラー信号を示す図である。フォーカスエラー信号におけるフォーカスS字信号は、照射光の焦点が光ディスクの光入射表面及び情報記録層を通過する際に検出される。
光ディスクの光入射表面から情報記録層の1層目までの距離は、CDの場合1.2mm、HD DVD及びDVDの場合0.6mm、BDの場合0.1mmであり、光入射表面を示すフォーカスS字信号から最も近いフォーカスS字信号までの時間間隔から光ディスクの光入射表面から情報記録層の1層目までの距離を推定し、0.1mm相当であればBD、0.6mm相当であればHD DVD又はDVD、1.2mm相当であればCDと光ディスクの種類を判別することができる。
また、フォーカスS字信号の出現数が2つだけであれば、光入射表面と情報記録層の1層目を示すので情報記録層が1層の光ディスクと判別でき、フォーカスS字信号の出現数が3つであれば、光入射面と情報記録層の1層目と2層目とを示すので情報記録層が2層の光ディスクと判別できる。
このように、フォーカスサーチでは、フォーカスS字信号間の時間間隔から光ディスクの種類が判別でき、フォーカスS字信号の出現回数をカウントすることにより光ディスクの情報記録層が単層であるか多層であるかを判別することができる。
このフォーカスサーチによって光ディスクの種類を判別する装置及び方法が特許文献1に開示されている。特許文献1の光ディスク装置は、光源としては波長405nmの青色光を発光する光源のみを搭載し、波長405nmの青色光に対してNA0.85とNA0.65とを切り替えられる対物レンズを搭載しており、BDとHD DVDの2種類の光ディスクの媒体種類判別が可能である。この光ディスク装置は、波長405nmの青色光とNA0.85,NA0.65のうちNAの小さいNA0.65レンズとの組み合わせでフォーカスサーチを行い、光入射面と光入射面に近い情報記録層とで検出されるフォーカスS字信号の時間間隔によりBDであるかHD DVDであるかを判別し、フォーカスS字信号の出現数から情報記録層数を判別する。
特開2006−134367号公報
しかしながら、特許文献1の装置は、主にBDとHD DVDとの判別を可能とし、BD,HD DVD以外の光ディスクの判別については、波長405nmの青色光と青色光に対してNA0.65レンズの組み合わせでフォーカスサーチを行い、フォーカスS字信号が検出されない場合はBD,HD DVD以外の光ディスクと判別し、その後DVDやCDの判別処理を行い、DVD又はCDに適したレーザ波長とNA条件に切り替えるとしているだけである。つまり、BDとHD DVDとの判別については、波長405nmの青色光と青色光に対してNA0.65レンズの組み合わせでフォーカスサーチを行うが、DVDとCDとの判別についてはそれぞれに適した波長のレーザ光とNAのレンズとに切替えて判別処理を行うと記載されているだけで、DVDとCDとをどう判別するか具体的に開示されていない。
また、特許文献1では、BD及びDVDに対応する装置の場合、波長645nmの赤色光を前提にしたNA0.65条件とBDの記録再生用の波長405nmの青色光との組み合わせでフォーカスサーチを行うとしているが、BDは波長405nmの青色光と青色光に対してNA0.85レンズの組み合わせで記録再生を行い、DVDは波長645nmの赤色光と赤色光に対してNA0.65レンズの組み合わせで記録再生を行うので、NA0.65レンズと波長405nmの青色光との組み合わせはBDやDVDの記録再生という実使用条件を無視した組み合わせであり、具体的実現方法も示されていないので、実際には実施困難である。
また、特許文献1では、BDとHD DVDとを判別するためのフォーカスサーチを行う際に高NAであるNA0.85対物レンズを用いたのでは基板厚0.6mmのHD DVDの情報記録層を示すフォーカスS字信号を検出する場合に、対物レンズが光ディスクの表面に衝突してしまい、これを防止するためにNAの小さいNA0.65レンズを選択するとしているが、最近ではBD用NA0.85対物レンズでもレーザ光焦点からレンズ表面までの距離が0.6mmを超えるようになり、BD用NA0.85対物レンズを選択しても基板厚0.6mmのHD DVDの表面に衝突することなくHD DVDの情報記録層を検出できるようになっている。これにより、特許文献1の記載内容では、BDとHD DVDとの判別において、フォーカスサーチにNAの小さいレンズを選択するのが最適であるか否かは不明となる。
また、BD,HD DVD,DVD,CDの全てに対応して再生記録する光ディスク装置のような、波長が異なるレーザ光を出射する複数の光源とそれぞれの波長光に対して組み合わせるためのNAが異なる複数の対物レンズとを備えた装置の場合、どの波長光とどのNAの対物レンズとを用いてフォーカスサーチを行うのが最適であるか開示されていない。
よって、特許文献1に開示された装置では、波長が異なるレーザ光を出射する複数の光源とそれぞれの波長光に対して組み合わせるためのNAが異なる複数の対物レンズとを備えている場合に、どの波長光とどのNAレンズとの組み合わせでフォーカスサーチを行うのが最適か不明であり、BD,HD DVD,DVD,CDを判別することは困難であるという不都合があった。
[目的]
そこで、本発明は、上記従来技術の不都合を改善し、レーザ光の波長と対物レンズのNAとを組み合わせることによって光ディスクの種類に応じた記録再生を行う光ディスク装置において、簡潔に光ディスクの種類判別を行う手法を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の光ディスク装置は、波長が異なる複数のレーザ光のいずれかを出力する発光手段と、実効的開口数(NA)が異なる1つ以上の対物レンズと、レーザ光のいずれか1つと対物レンズの1つとの組み合わせを用いて光ディスクに集光されたレーザ光の戻り光を検出する光検出器とを備えると共に、1つのレーザ光を1つの光対物レンズを介して光ディスクに集光照射させながら当該対物レンズを光軸に沿った方向に移動させて戻り光の変動を光検出器に検出させるフォーカスサーチを行いその結果得られるフォーカスS字信号に基づいて光ディスクを判別する光ディスク判別手段を備え、この光ディスク判別手段は、判別対象の光ディスクの光入射面に照射した光量に対してこの光ディスクの光入射面から最も離れた情報記録層で反射した戻り光の光量の比率が最も大きくなる波長のレーザ光と、この波長のレーザ光での記録再生を前提にした規格の光ディスクで使用を前提とされているNAのうち最も小さいNAとを、フォーカスサーチを行うための組み合わせとしたことを特徴とする。
このような光ディスク装置によれば、光ディスクの光入射面から最も離れた記録層での実効反射率を最大にする波長のレーザ光を用い、かつ、この波長のレーザ光を前提にした光ディスク規格に用いるNAのうち最小のNAの対物レンズを用いてフォーカスサーチを行うことで、正確にフォーカスS字信号を検出することができ、簡潔に光ディスクを判別することができる。ここで、光入射面から最も離れた記録層での実効反射率とは、光ディスクの光入射面に照射した光量に対してこの光ディスクの光入射面から最も離れた情報記録層で反射した戻り光の光量の比率である。
また、上記の光ディスク装置において、上述した光ディスク判別手段は、光ディスクの光入射面にレーザ光の焦点が位置することを示すフォーカスS字信号とそれに最も近い間隔で検出されるフォーカスS字信号との時間間隔に基づいて当該光ディスクの種類を判別してもよい。
このようにすると、検出されたフォーカスS字信号の間隔を基に光ディスクの基板厚(又はカバー層厚)を推測し、光ディスクの種類を判別することができる。
また、上記の光ディスク装置において、上述した光ディスク判別手段は、フォーカスS字信号の検出数に基づいて光ディスクの情報記録層数を判別してもよい。このようにすると、検出されたフォーカスS字信号の検出回数を基に光ディスクの情報記録層が単層であるか多層であるかを判別することができる。
また、上記の光ディスク装置において、上述した光ディスク判別手段によりフォーカスS字信号に基づいて光ディスクの情報記録層数が特定されると、前記光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し媒体種別情報が記憶されているか否かを判定する媒体種別情報検索手段を備えてもよい。
このようにすると、基板厚(又はカバー層厚)が同じで別の種類の光ディスクについての判別が可能となる。
また、上記の光ディスク装置において、上述した媒体種別情報検索手段が、前記光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し媒体種別情報の有無によって当該光ディスクの種類を判別してもよい。このようにすると、媒体種別情報が記憶されていない規格の光ディスクについて判別することができる。
また、上記の光ディスク装置において、上述した媒体種別情報検索手段により光ディスクに媒体種別情報が記憶されていると判定された場合に、その媒体種別情報に基づいて光ディスクの種類を判別する媒体種別情報読込手段を備えてもよい。このようにすると、光ディスクの種類を正確に判別することができる。
また、上記の光ディスク装置において、上述した媒体種別情報検索手段が、光ディスクにおける媒体種別情報としてBCA(burst cutting area)を検索してもよい。
このようにディスク中心に用意される領域のBCAを検索するように規定しておくことで、迅速に検索処理を実行することができる。
また、上記の光ディスク装置において、発光手段が、波長405±5nmの青色光と1つまたは複数の波長640nmの赤色光より長波長の光とのうちのいずれかを出力する機能を備え、上述した光ディスク判別手段が、青色光を用いてフォーカスサーチを行ってもよい。
このようにすることで、波長405nmの青色光を用いた記録再生を前提にした規格のBlu−ray Diskと、波長405nmの青色光を前提にした規格のHD DVDと、波長650nmの赤色光を前提にした規格のDVDとについて明確に判別でき、それぞれの規格に対応してデータの記録再生を実行することができる。
また、上記の光ディスク装置において、発光手段が、波長405±5nmの青色光と1つまたは複数の波長640nmの赤色光より長波長の光とのうちのいずれかを出力する機能を備えると共に、青色光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAの最小値は0.65であり、長波長の光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAが0.65より小さい条件がある場合に、光ディスク判別手段が、青色光とNA0.65条件でフォーカスサーチを行ってもよい。
このようにすることで、波長405nmの青色光とNA0.85の対物レンズとを用いた記録再生を前提にした規格のBlu−ray Diskと、波長405nmの青色光とNA0.65の対物レンズとを前提にした規格のHD DVDと、波長650nmの赤色光とNA0.60の対物レンズとを前提にした規格のDVDと、波長780nmの赤外光とNA0.50の対物レンズをと前提にした規格のCDとについて明確に判別でき、それぞれの規格に対応してデータの記録再生を実行することができる。
次に、本発明の光ディスク装置は、波長405±5nmの青色光を含む波長が異なる複数のレーザ光のいずれかを出力する発光手段と、実効的開口数(NA)が異なる1つ以上の対物レンズと、レーザ光のいずれか1つと対物レンズの1つとの組み合わせを用いて光ディスクに集光されたレーザ光の戻り光を検出する光検出器とを備えると共に、1つのレーザ光を1つの対物レンズを介して光ディスクに集光照射させながら当該対物レンズを光軸に沿った方向に移動させて戻り光の変動を光検出器に検出させるフォーカスサーチを行いその結果得られるフォーカスS字信号に基づいて光ディスクを判別する光ディスク判別手段を備え、この光ディスク判別手段が、波長405±5nmの青色光と、この波長のレーザ光での記録再生を前提にした規格の光ディスクで使用を前提とされているNAのうち最も小さいNAとを、フォーカスサーチを行うための組み合わせとしたことを特徴とする。
このような光ディスク装置によれば、青色光が選択可能であれば青色光を用い、かつ、この青色光を前提にした光ディスク規格に用いるNAのうち最小のNAの対物レンズを用いてフォーカスサーチを行うことで、正確にフォーカスS字信号を検出することができ、簡潔に光ディスクを判別することができる。波長405nmの青色光を用いた記録再生を前提にした規格のBlu−ray Diskと、波長405nmの青色光を前提にした規格のHD DVDとについて明確に判別することができる。
また、この光ディスク装置において、上述した光ディスク判別手段は、光ディスクの光入射面にレーザ光の焦点が位置することを示すフォーカスS字信号とそれに最も近い間隔で検出されるフォーカスS字信号との時間間隔に基づいて当該光ディスクの種類を判別してもよく、フォーカスS字信号の検出数に基づいて光ディスクの情報記録層数を判別してもよい。
このような光ディスクによれば、検出されたフォーカスS字信号の間隔を基に光ディスクの基板厚(又はカバー層厚)を推測し、光ディスクの種類を判別することができ、検出されたフォーカスS字信号の検出回数を基に光ディスクの情報記録層が単層であるか多層であるかを判別することができる。
また、この光ディスク装置においては、上述した光ディスク判別手段によりフォーカスS字信号に基づいて光ディスクの情報記録層数が特定されると、前記光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し媒体種別情報が記憶されているか否かを判定する媒体種別情報検索手段を備えてもよい。また、この媒体種別情報検索手段が、前記光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し媒体種別情報の有無によって当該光ディスクの種類を判別してもよい。また、この媒体種別情報検索手段は、光ディスクにおける媒体種別情報としてBCAを検索してもよい。
このような光ディスク装置によれば、基板厚(又はカバー層厚)が同じで別の種類の光ディスクについての判別が可能となり、媒体種別情報が記憶されていない規格の光ディスクについて判別することができる。
また、この光ディスク装置においては、媒体種別情報検索手段により光ディスクに媒体種別情報が記憶されていると判定された場合に、その媒体種別情報に基づいて当該光ディスクの種類を判別する媒体種別情報読込手段を備えてもよい。このようにすると、光ディスクの種類を正確に判別することができる。
また、この光ディスク装置において、上述した発光手段が、波長405±5nmの青色光と1つまたは複数の波長640nmの赤色光より長波長の光とのうちのいずれかを出力する機能を備えると共に、青色光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAの最小値は0.65であり、前記長波長の光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAが0.65より小さい条件がある場合に、光ディスク判別手段が、青色光とNA0.65条件でフォーカスサーチを行ってもよい。
このようにすることで、波長405nmの青色光とNA0.85の対物レンズとを用いた記録再生を前提にした規格のBlu−ray Diskと、波長405nmの青色光とNA0.65の対物レンズとを前提にした規格のHD DVDと、波長650nmの赤色光とNA0.60の対物レンズとを前提にした規格のDVDと、波長780nmの赤外光とNA0.50の対物レンズをと前提にした規格のCDとについて明確に判別でき、それぞれの規格に対応してデータの記録再生を実行することができる。
次に、本発明の媒体種類判別方法は、波長が異なる複数のレーザ光のいずれかを出力する発光手段と、実効的開口数(NA)が異なる1つ以上の対物レンズと、レーザ光のいずれか1つと対物レンズの1つとの組み合わせを用いて光ディスクに集光されたレーザ光の戻り光を検出する光検出器とを備えた光ディスク装置における媒体種類判別方法であって、光ディスクの光入射面に照射した光量に対するこの光ディスクの光入射面から最も離れた情報記録層で反射した戻り光の光量の比率が最も大きくなる波長のレーザ光と、この波長のレーザ光での記録再生を前提にした規格の光ディスクで使用を前提とされているNAのうち最も小さいNAとの組み合わせを選択する波長・NA条件選択工程と、選択された組み合わせにより光ディスクにレーザ光を集光照射させながら選択された対物レンズを光軸に沿った方向に移動させて戻り光の変動を光検出器に検出させるフォーカスサーチを行うフォーカスサーチ工程と、フォーカスサーチにおいて検出されるフォーカスS字信号に基づいて光ディスクを判別する光ディスク判別工程とを設けたことを特徴とする。
また、上記の媒体種類判別方法において、上述した光ディスク判別工程では、光ディスクの光入射面にレーザ光の焦点が位置することを示すフォーカスS字信号とそれに最も近い間隔で検出されるフォーカスS字信号との時間間隔に基づいて当該光ディスクの種類を判別してもよい。
また、上記の媒体種類判別方法において、上述した光ディスク判別工程では、フォーカスS字信号の検出数に基づいて光ディスクの情報記録層数を判別してもよい。
また、上記の媒体種類判別方法において、上述した光ディスク判別工程によりフォーカスS字信号に基づいて光ディスクの情報記録層数が特定されると、前記光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し媒体種別情報が記憶されているか否かを判定する媒体種別情報検索工程を設けてもよい。
また、上記の媒体種類判別方法において、上述した媒体種別情報検索工程では、光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し媒体種別情報の有無によって当該光ディスクの種類を判別してもよい。
また、上記の媒体種類判別方法において、上述した媒体種別情報検索工程により光ディスクに媒体種別情報が記憶されていると判定された場合に、その媒体種別情報に基づいて光ディスクの種類を判別する媒体種別情報読込工程を設けてもよい。
また、上記の媒体種類判別方法において、上述した媒体種別情報検索工程では、光ディスクにおける媒体種別情報としてBCA(burst cutting area)を検索してもよい。
また、上記の媒体種類判別方法において、発光手段が、波長405±5nmの青色光を含む波長が異なる複数のレーザ光のいずれかを出力する機能を備え、上述した波長・NA条件選択工程では、波長405±5nmの青色光と、この波長のレーザ光での記録再生を前提にした規格の光ディスクで使用を前提とされているNAのうち最も小さいNAとの組み合わせを選択してもよい。
また、上記の媒体種類判別方法において、発光手段が、波長405±5nmの青色光と1つまたは複数の波長640nmの赤色光より長波長の光とのうちのいずれかを出力する機能を備え、上述した波長・NA条件選択工程では、青色光を選択してもよい。
また、上記の媒体種類判別方法において、発光手段が、波長405±5nmの青色光と1つまたは複数の波長640nmの赤色光より長波長の光とのうちのいずれかを出力する機能を備え、上述した波長・NA条件選択工程では、青色光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAの最小値は0.65であり、長波長の光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAが0.65より小さい条件がある場合に、青色光とNA0.65条件を選択してもよい。
このような媒体種類判別方法によれば、上記の光ディスク装置と同様に、光ディスクの光入射面から最も離れた記録層での実効反射率を最大にする波長のレーザ光を用い、かつ、この波長のレーザ光を前提にした光ディスク規格に用いるNAのうち最小のNAの対物レンズを用いてフォーカスサーチを行うことで、正確にフォーカスS字信号を検出することができ、光ディスクの種類及び記録層数を明確に判別することができる。
次に、本発明の媒体種類判別方法は、波長405±5nmの青色光を含む波長が異なる複数のレーザ光のいずれかを出力する発光手段と、実効的開口数(NA)が異なる1つ以上の対物レンズと、レーザ光のいずれか1つと対物レンズの1つとの組み合わせを用いて光ディスクに集光されたレーザ光の戻り光を検出する光検出器とを備えた光ディスク装置における媒体種類判別方法であって、波長405±5nmの青色光と、この波長のレーザ光での記録再生を前提にした規格の光ディスクで使用を前提とされているNAのうち最も小さいNAとの組み合わせを複数のレーザ光と複数の対物レンズとから選択する波長・NA条件選択工程と、選択された組み合わせにより光ディスクに青色光を集光照射させながら選択された対物レンズを光軸に沿った方向に移動させて戻り光の変動を光検出器に検出させるフォーカスサーチを行うフォーカスサーチ工程と、フォーカスサーチにおいて検出されるフォーカスS字信号に基づいて光ディスクを判別する光ディスク判別工程とを設けたことを特徴とする。
また、上記の媒体種類判別方法において、上述した光ディスク判別工程では、光ディスクの光入射面にレーザ光の焦点が位置することを示すフォーカスS字信号とそれに最も近い間隔で検出されるフォーカスS字信号との時間間隔に基づいて当該光ディスクの種類を判別してもよい。
また、上記の媒体種類判別方法において、上述した光ディスク判別工程では、フォーカスS字信号の検出数に基づいて光ディスクの情報記録層数を判別してもよい。
また、上記の媒体種類判別方法においては、上述した光ディスク判別工程によりフォーカスS字信号に基づいて光ディスクの情報記録層数が特定されると、前記光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し媒体種別情報が記憶されているか否かを判定する媒体種別情報検索工程を設けてもよい。
また、上記の媒体種類判別方法において、上述した媒体種別情報検索工程では、光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し媒体種別情報の有無によって当該光ディスクの種類を判別してもよい。
また、上記の媒体種類判別方法において、上述した媒体種別情報検索工程により光ディスクに媒体種別情報が記憶されていると判定された場合に、その媒体種別情報に基づいて光ディスクの種類を判別する媒体種別情報読込工程を設けてもよい。
また、上記の媒体種類判別方法において、上述した媒体種別情報検索工程では、光ディスクにおける媒体種別情報としてBCAを検索してもよい。
また、上記の媒体種類判別方法において、上述した発光手段が、波長405±5nmの青色光と1つまたは複数の波長640nmの赤色光より長波長の光とのうちのいずれかを出力する機能を備え、波長・NA条件選択工程では、青色光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAの最小値は0.65であり、長波長の光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAが0.65より小さい条件がある場合に、青色光とNA0.65条件とを選択してもよい。
このようにすることで、波長405nmの青色光とNA0.85の対物レンズとを用いた記録再生を前提にした規格のBlu−ray Diskと、波長405nmの青色光とNA0.65の対物レンズとを前提にした規格のHD DVDと、波長650nmの赤色光とNA0.60の対物レンズとを前提にした規格のDVDと、波長780nmの赤外光とNA0.50の対物レンズをと前提にした規格のCDとについて明確に判別でき、それぞれの規格に対応してデータの記録再生を実行することができる。
本発明は以上のように構成され機能するため、これにより、情報の記録再生に使用される光の波長及び対物レンズの実効的開口数(NA)が異なる規格の光ディスクそれぞれに対して情報の記録又は再生を行う光ディスク装置において、光ディスクの光入射面から最も離れた記録層での実効反射率を最大にする波長のレーザ光を用い、かつ、この波長のレーザ光を前提にした光ディスク規格に用いるNAのうち最小のNAの対物レンズを用いてフォーカスサーチを行うことにより、光ディスクの種類及び記録層数を明確に検出することができる。
以下、本発明における一実施形態を、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明にかかる第1実施形態の光ディスク装置の構成を示す図である。
本第1実施形態の光ディスク装置は、波長405nmの青色光と実効的開口数(対物レンズの形状と対物レンズへの入射光のビーム径によって決定する開口数である。以下、NAとする。)が0.85の対物レンズとを用いたデータの記録再生を前提にした規格のBlu−ray Disk(以下、BDとする)と、波長405nmの青色光とNA0.65の対物レンズとを前提にした規格のHD DVDと、波長650nmの赤色光とNA0.60の対物レンズを前提にした規格のDVDとに対応してデータを記録再生する光ディスク装置である。ここで、DVDではNA0.60条件を用いるのが一般的であり、HD DVDで使用されるNA0.65と同じにする必要は無い。
<構成>
図1に示すように、本第1実施形態の光ディスク装置は、波長が異なる複数のレーザ光のいずれかを出力する発光手段として、波長650nmの赤色光を発光するレーザーモジュール(14)と波長405nmの青色光を発光するレーザーモジュール(15)とを備え、NAが異なる複数の対物レンズであるHD DVD・DVD用対物レンズ(19)及びBD用対物レンズ(20)を搭載した対物レンズアクチュエータ(12)を備えている。
レーザーモジュール(14)及びレーザーモジュール(15)それぞれは光検出器を内蔵しており、HD DVD・DVD用対物レンズ(19)及びBD用対物レンズ(20)のいずれか1つにより光ディスク(1)上に集光されたレーザ光の戻り光を検出する機能を備えている。
本第1実施形態の光ディスク装置は、さらに、ミラー駆動モータ(13)によって図1の左右に移動可能な立ち上げミラー(11)を備え、この立ち上げミラー(11)は、レーザーモジュール(14)又はレーザーモジュール(15)からの光を対物レンズアクチュエータ(12)内のHD DVD・DVD用対物レンズ(19)又はBD用対物レンズ(20)に導く機能を有している。
立ち上げミラー(11)をミラー駆動モータ(13)で動かして、光をHD DVD・DVD用対物レンズ(19)又はBD用対物レンズ(20)に導くことによって、光ディスク(1)の種類に応じたNAのレンズに切り替えることができる。
またさらに、本第1実施形態の光ディスク装置は、レンズ駆動モータ(23)によって移動可能な凹レンズ(21)を備えると共に凸レンズ(22)を備え、凹レンズ(21)と凸レンズ(22)とのレンズ間距離を変更調整することにより光ディスク(1)上の焦点位置を光軸上に沿って変化させて球面収差調整が行われる。
本第1実施形態の光ディスク装置においては、レーザーモジュール(15)からの青色光は、予め備えたビームスプリッター(17)を透過し、球面収差補正用の凹レンズ(21)及び凸レンズ(22)を透過し、立ち上げミラー(11)で反射される。一方、レーザーモジュール(14)からの赤色光は、ビームスプリッター(17)で反射された後、球面収差補正用の凹レンズ(21)及び凸レンズ(22)を透過し、立ち上げミラー(11)で反射される。
立ち上げミラー(11)で反射された光は、HD DVD・DVD用対物レンズ(19)又はBD用対物レンズ(20)のいずれかによって集光され光ディスク(1)上に焦点を結ぶ。光ディスク(1)上で反射された光は、HD DVD・DVD用対物レンズ(19)またはBD用対物レンズ(20)のいずれかを透過し、立ち上げミラー(11)で反射し、球面収差補正用の凸レンズ(22)及び凹レンズ(21)を透過し、ビームスプリッター(17)に導かれる。
そして、レーザーモジュール(15)から出射した青色光の戻り光は、ビームスプリッター(17)を透過し、レーザーモジュール(15)内の光検出器にて受光され、電気信号に変換される。一方、レーザーモジュール(14)から出射した赤色光の戻り光は、ビームスプリッター(17)で反射され、レーザーモジュール(14)内の光検出器にて受光され、電気信号に変換される。
本第1実施形態の光ディスク装置は、さらに、レーザーモジュール(14)及びレーザーモジュール(15)に内蔵された光検出器の出力信号からサーボエラー信号およびBCA信号を生成するRF回路部(7)と、RF回路部(7)からのサーボエラー信号に基づいて対物レンズアクチュエータ(12)と光ディスク(1)との位置を制御する制御信号を生成するサーボコントローラ(4)と、この制御信号に従って対物レンズアクチュエータ(12)を駆動するサーボ駆動系(3)とを備えている。
サーボ駆動系(3)は、スピンドルモータ(2)を回転させ、スピンドルモータ(2)に取り付けられた光ディスク(1)を回転させるとともに、ミラー駆動モータ(13),レンズ駆動モータ(23),スレッドモータ(8)の駆動も行う。
対物レンズアクチュエータ(12),立ち上げミラー(11),ミラー駆動モータ(13),凸レンズ(22),凹レンズ(21),レンズ駆動モータ(23),ビームスプリッタ(17),レーザーモジュール(14),レーザーモジュール(15)が光ヘッド(9)を構成しており、この光ヘッド(9)は、スレッドモータ(8)によって光ディスク(1)の半径方向に移動可能である。
また、HD DVD・DVD用対物レンズ(19)が、波長405nmの青色光に対してはNA0.65、波長650nmの赤色光に対してはNA0.60になるように、または、BD用対物レンズ(20)がNA0.85となるように、対物レンズ(19)又は対物レンズ(20)への入射光のビーム径を波長に応じて特定されるように光ヘッド(9)内の光学系が構成されている。このような光学系の構成は、特開2001‐43559号公報に開示されている。
さらに、本第1実施形態の光ディスク装置は、システムコントローラ(5)とLD駆動系(6)とを備え、LD駆動系(6)は、レーザーモジュール(14)及びレーザーモジュール(15)の発光又は消光を制御し、システムコントローラ(5)は、LD駆動系(6),サーボコントローラ(4)を制御して光ディスク装置の動作を統括する機能を有している。
本第1実施形態の光ディスク装置においては、光ディスク(1)がスピンドルモータ(2)にチャッキングされると、システムコントローラ(5)がLD駆動系(6)及びサーボコントローラ(4)を制御することで、レーザーモジュール(15)からのレーザ光をHD DVD・DVD用対物レンズ(19)により光ディスク(1)に集光照射させながら対物レンズアクチュエータ(12)を光軸に沿った方向に移動させてフォーカスサーチを実行する。このとき、システムコントローラ(5)は、レーザーモジュール(15)とHD DVD・DVD用対物レンズ(19)と選択し、この組み合わせによってフォーカスサーチが実行されるようにLD駆動系(6)及びサーボコントローラ(4)を制御する。
サーボコントローラ(4)は、フォーカスサーチの実行によりRF回路部(7)で生成されるフォーカスエラー信号を入力してフォーカスS字信号を検出しこのフォーカスS字信号に基づいて光ディスク(1)を判別する光ディスク判別手段としての機能と、その判別結果に従って対物レンズアクチュエータ(12)と光ディスク(1)との位置を制御する制御信号を生成しサーボ駆動系(3)へ出力する機能とを有している。
光ディスク(1)の記録層には、媒体種別情報を記録した領域としてBCA(Burst Cutting Area)が設けられている場合があり、フォーカスS字信号に基づいて光ディスクの情報記録層数が特定されると、システムコントローラ(5)は、LD駆動系(6),サーボコントローラ(4)を制御して、光ディスク(1)における1つ又は複数の情報記録層のうちの特定の情報記録層に存在するBCAを検索して媒体種別情報が記憶されているか否かを判定し、媒体種別情報の有無によって光ディスク(1)の種類を判別する媒体種別情報検索手段としての機能と、BCAに媒体種別情報が記憶されている場合に媒体種別情報を読み込み光ディスク(1)の種類を判別する媒体種別情報読込手段としての機能とを有している。
ここで、上述したシステムコントローラ(5)及びサーボコントローラ(4)については、その機能内容をプログラム化し、コンピュータに実行させるように構成してもよい。
本第1実施形態の光ディスク装置においては、基板厚0.6mmのHD DVD及びDVD用としてレーザ光を記録層に合焦させた時のレンズ表面から光ディスク(1)の表面までの距離であるワーキングディスタンス(以下、WDとする)を1.5mmとする対物レンズ(19)を用い、カバー層厚0.1mmのBD用としてWDを0.7mmとする対物レンズ(20)を用いている。
ここで、特許文献1では、BD用対物レンズのWDを0.5mmとしており、この場合、BDのカバー層厚が0.1mmなので、BD用対物レンズではレンズの表面から光の焦点までの光軸上の距離が0.6mmとなり、HD DVDやDVDの基板厚0.6mmと一致してしまう。よって、BD用対物レンズでフォーカスサーチを行い、HD DVDやDVDの記録層を検出しようとすると対物レンズが光ディスク(1)の表面に衝突してしまうと言及している。
一般に対物レンズは、WDが大きいほどフォーカスサーチ時に光ディスク表面に衝突する可能性が低くなる。そのため、年々より大きいWDの対物レンズが開発されている。近年ではBD用NA0.85対物レンズでもWDがHD DVDやDVDの基板厚0.6mmを超えるようになり、フォーカスサーチ時に基板厚0.6mmのHD DVDやDVDの表面に衝突することなくHD DVDやDVDの記録層を検出できるようになった。しかし、BD用NA0.85対物レンズのWDはCDの基板厚1.2mmには到達していない。
本第1実施形態の光ディスク装置は、レーザーモジュール(14)からの波長650nmの赤色光、レーザーモジュール(15)からの波長405nmの青色光のうち波長405nmの青色光を用いてフォーカスサーチを実行する。波長405nmの青色光を用いる理由は、光ディスク(1)の表面および記録層にてフォーカスS字信号が明確に検出でき、かつ記録層数の判別が安定に行えるためである。
ここで、波長405nmの青色光を用いることで青色光の使用を前提としているBD,HD DVDだけでなく波長650nmの赤色光の使用を前提にしたDVDでもディスクの表面および記録層にてフォーカスS字信号が検出できる理由を説明する。
<フォーカスサーチに用いるレーザ光と対物レンズについての説明>
BD,HD DVD,DVDともに光の入射面からの構造は、1層光ディスクの場合、基板(BDではカバー層)、記録層の順であり、2層光ディスクの場合、基板(BDではカバー層)、1層目記録層、中間層、2層目記録層に順である。
各光ディスクにおいて光入射面で発生するフォーカスS字信号について説明すると、BD,HD DVD,DVDともに基板又はカバー層は、ポリカーボネイトに代表される樹脂であるので、光の透過率は青色光と赤色光とで差はなくほぼ一定であり、光の波長によってフォーカスS字信号の発生に影響はない。波長405nmの青色光を入射した場合、BD,HD DVDにおいて光入射面でのフォーカスS字信号が検出できるということは、DVDでも光入射面でのフォーカスS字信号が検出できる。
一方で、各光ディスクにおいて記録層で発生するフォーカスS字信号について説明すると、BD,HD DVD,DVDにおける記録層はともに光の波長によって光透過率や反射率が変化するため、入射光の波長がフォーカスS字信号の発生に影響を与える。
BD,HD DVDの2層媒体に波長405nmの青色光を照射すると、1層目記録層及び2層目記録層の2つの記録層を確実に認識できる。しかし、BD,HD DVDの2層媒体にDVD用の波長650nmの赤色光を照射した場合は、2層目記録層(光入射面から最も離れた情報記録層)でのフォーカスS字信号がほぼ検出できないので、BD,HD DVDの2層媒体を1層媒体と誤判断してしまう。
これは青色光に対して1層目記録層は50%以上の透過率であるとすると、赤色光に対して1層目記録層は30%程度の透過率となるためである。2層目記録層からの戻り光は入射時と反射時の2回1層目記録層を通過するので、光ヘッド(9)にて検出される2層目記録層の実効反射率は、2層目記録層の反射率を100%としても、青色光の場合は1層目記録層1回通過毎に50%に低減されるためほぼ25%となるが、赤色光の場合は1層目記録層1回通過毎に30%に低減されるため9%程度にしかならない。
ここで、実効反射率とは、基板またはカバー層の光入射面から目標の記録層に光を照射した際に、基板またはカバー層に照射した光量に対する目標の記録層で反射して基板またはカバー層から出射される光量の比率である。
また、青色光よりも短波長の光をBD,HD DVDの2層媒体に照射した場合は、青色光の場合よりも1層目記録層の透過率は向上する。しかし、例えば、1層目記録層での透過率がΔα%(Δα>0)向上とすると、2層目記録層の反射率は逆にΔα%程度低下する。更に、基板またはカバー層として使われるポリカーボネイトに代表される樹脂の光透過率は、短波長になるほど低下し波長350nmでは1層目記録層の透過率の向上と相反してポリカーボネイトに代表される樹脂の透過率は低下(−Δα%)し、波長200nmでは透過率0%、即ち、透過しないことになる。
BD,HD DVDの2層媒体に波長350nmの光を照射した場合、1層目記録層の透過率はΔα%増加するが、ポリカーボネイトに代表される樹脂の透過率はΔα%低下となり、透過率変化はキャンセルされ2層目記録層の実効反射率は青色光の場合での実効反射率よりΔα%程度低下する。
このように、青色光を前提に作成されたBD,HD DVDの2層媒体に対して青色光より短波長の光を照射した場合、2層目記録層の実効反射率が低下するため、フォーカスS字信号振幅も青色光使用時より低下し、フォーカスS字信号が検出できない恐れがある。
DVDは波長650nmの赤色光の使用を前提とした規格なので、赤色光を入射した場合、記録層でのフォーカスS字信号が明確に検出できる。一方、赤色光よりも短波長である青色光をDVDの1層媒体や2層媒体の1層目記録層に集光照射すると、この1層目記録層での反射率は赤色光の場合よりも低下する。例えば、1層目記録層での反射率がΔA%(ΔA>0)低下とすると、青色光をDVDに集光照射した場合の1層目記録層の実効反射率は、赤色光の場合よりΔA%程度低下する。
DVDにおいて、青色光の場合の1層目記録層の実効反射率は、赤色光の場合に比べてΔA%減少すると半分程度小さくなるが、0%にはならない。フォーカスS字信号は各記録層の実効反射率に比例した振幅で発生するので、青色光の場合の実効反射率が0%ではないなら、青色光をDVDの1層媒体や2層媒体の1層目記録層に集光照射すると、1層目記録層でのフォーカスS字信号を検出することができる。
また、青色光をDVDの2層媒体の2層目記録層に集光照射する場合は、赤色光の場合よりも1層記録層の透過率は反射率とは逆にΔA%向上し、2層目記録層の反射率はΔA%低下する。2層目記録層からの戻り光は入射時と反射時の2回1層目記録層を通過ので、青色光の場合の2層目記録層の実効反射率は、赤色光の場合の実効反射率よりΔA%程度上昇する。よって、青色光をDVDの2層媒体の2層記録層に集光照射すると、2層目記録層でのフォーカスS字信号を検出することができる。
このように、波長650nmの赤色光にてフォーカスサーチを行うと、青色光の使用を前提にしたBD,HD DVDに場合はフォーカスS字信号が検出できない恐れがあるが、波長405nmの青色光にてフォーカスサーチを行うと、BD,HD DVDだけでなく赤色光の使用を前提にしたDVDでもディスク表面及び記録層にてフォーカスS字信号が検出できる。よって、本第1実施形態においては、波長405nmの青色光を用いてフォーカスサーチを実行する。
次に、BD,HD DVD,DVDのいずれかの場合においても、BCAリードに波長405nmの青色光を用いるのが有効である理由について説明する。
一般に光ディスク(1)の記録層には、BCA(Burst Cutting Area)が設けられおり、このBCAに媒体種別情報が記録されている場合がある。
BCAは、BD,HD DVDには形成されているが、DVDにおいては形成されているものとされていないものがある。BCA信号の抽出は、例えば、媒体上の記録領域にて光ヘッド(9)から出力される光量和(SUM)信号を、SUM信号のピークとボトムの中間レベルのスレッショルドにて2値化することで得られる。
抽出されたBCA信号に含まれる媒体種別情報から媒体判別を行うが、青色光を前提に作成されたBD,HD DVDの複数層媒体においてBCAが光入射面から最も離れた記録層に有る場合に、青色光以外の光を媒体に照射してBCA信号を抽出すると、SUM信号のピークとボトムの差が小さくなり、BCA信号の抽出に失敗するという問題点がある。これは青色光以外の光を媒体に照射するとフォーカスS字信号振幅が低下するのと同様の理由によるものである。
BD,HD DVDの2層媒体に青色光を照射した場合は、2層目記録層の反射率を100%としても、2層目記録層の実効反射率は25%程度になるが、赤色光の場合は9%程度にしかならない。このため、赤色光を照射すると2層目記録層のSUM信号のピークとボトムの差は微小でSUM信号からBCA信号を抽出するのが極めて難しくなる。
また、BD,HD DVDの2層媒体では青色光より短波長な光を照射した場合、フォーカスS字信号の検出についてと同様の理由により、2層目記録層の実効反射率が低下するため、2層目記録層のSUM信号のピークとボトムの差は青色光照射の場合より小さくなり、SUM信号からBCA信号を抽出するのが難しくなる。
DVDの2層媒体では赤色光より短波長な青色光を照射した場合、2層目記録層の実効反射率が上昇するため、2層目記録層のSUM信号のピークとボトムの差が増大し安定してSUM信号からBCA信号を抽出することができる。
以上により、波長405nmの青色光、波長650nmの赤色光と複数の波長を用いる光ディスク装置の場合、複数層媒体の光入射面から最も離れた記録層での実効反射率が最大となる波長の光(本第1実施形態の場合波長405nmの青色光)を用いてフォーカスサーチすることで、記録層数を安定して判別することができる。また、BCAリードにおいても、複数層媒体の光入射面から最も離れた記録層での実効反射率が最大となる波長の光である波長405nmの青色光を用いることで安定したリードを実行できる。
次に、波長405nmの青色光を前提にした規格の光ディスク(1)のBD,HD DVDに対して用いる対物レンズのNAは、NA0.65とNA0.85の2条件であるが、NA0.65とNA0.85の両条件についてフォーカスサーチ時のフォーカスエラー信号がどのように観測されるかについて説明する。
図4は、波長405nmの青色光によるフォーカスサーチ時、NA0.65レンズ(19)とNA0.85レンズ(20)とのNAの相違による光ディスク(1)でのフォーカスS字信号波形を示す図である。球面収差は基板厚と光の波長の4乗に比例して発生する。
図4の(イ)は、NA0.85条件にて球面収差を1層目記録層に最適になるよう凹レンズ(21)を動かして球面収差調整を行った場合を示す。図4(イ)では、球面収差調整の結果1層目記録層でのフォーカスS字信号の振幅が大きくなっているが、2層目記録層では中間層厚(BDやHD DVDでは25um)分1層目記録層からずれているので球面収差が発生しフォーカスS字信号の振幅が1層目記録層でのフォーカスS字信号に比べて小さくなり、光入射面でのフォーカスS字信号の振幅よりも小さくなる場合がある。
図4の(ウ)は、NA0.85条件にて球面収差を2層目記録層に最適になるよう凹レンズ(21)を動かして球面収差調整を行った場合を示す。図4(ウ)では、球面収差調整の結果2層目記録層でのフォーカスS字信号の振幅が大きくなっているが、1層目記録層では球面収差が発生しフォーカスS字信号の振幅が2層目記録層でのフォーカスS字信号に比べて小さくなり、光入射面でのフォーカスS字信号の振幅よりも小さくなる場合がある。
一方、図4の(ア)は、NA0.65条件の場合を示しており、NA0.85よりNAが小さいので球面収差の影響が小さく、球面収差を1層目、2層目のどちらで最適にしても、1層目、2層目のフォーカスS字信号の振幅はほぼ同等である。
フォーカスサーチでは、予め定められたスレッショルドを設けてフォーカスエラー信号のゲインを徐々に上げていき、光ディスク(1)の表面や記録層にてフォーカスエラー信号スレッショルドを越えたかでフォーカスS字信号の存在をサーチする。
球面収差の影響の少ないNA0.65条件にてフォーカスサーチをする場合、光ディスク(1)の表面のフォーカスS字信号が検出でき、更に記録層の1層目か2層目のどちらかの層のフォーカスS字信号が見つかれば、もう一方の層のフォーカスS字信号も振幅がほぼ同等なので記録層数を確実に判別できる。
一方、球面収差の影響を受けるNA0.85条件にてフォーカスサーチをする場合、光ディスク(1)の表面のフォーカスS字信号が検出でき、記録層の1層目か2層目のどちらかの層のフォーカスS字信号が検出できても、もう一方の層のフォーカスS字信号の振幅は小さい可能性があり、更にフォーカスエラー信号のゲインを上げて2層目なのか1層目なのか判断せねばならず、フォーカスエラー信号のゲインを上げることで信号のノイズレベルも上昇し、記録層数を誤検出する可能性が増大する。
よって、本第1実施形態では、波長405nmの青色光によるフォーカスサーチの際、NA0.65とNA0.85の両条件のうち、記録層数を安定して検出できるNA0.65条件を選択して用いている。
<動作>
次に、本第1実施形態の光ディスク装置において、波長405nmの青色光とこの青色光に対してNA0.65の対物レンズ(19)を用いて、BD,HD DVD,DVDの媒体種類判別のためフォーカスサーチから媒体種類判別後のフォーカスサーボ引き込み前までの動作を説明する。
図5は、本第1実施形態の光ディスク装置において、BD,HD DVD,DVDの媒体種類判別のためフォーカスサーチから媒体種類判別後のフォーカスサーボ引き込み前までの動作を示すフローチャートである。ここで、本発明の媒体種類判別方法についてもその各工程を示して説明する。
まず、BD,HD DVD,DVDのいずれかの光ディスク(1)がスピンドルモータ(2)にチャッキングされた状態でスピンドルモータ(2)を回転させる。
レーザーモジュール(14)を発光停止にさせて、レーザーモジュール(15)に対して波長405nmの青色光を発光させ、立ち上げミラー(11)を移動させて、青色光をHD DVD・DVD用対物レンズ(19)に導く(図5:ステップS1,波長・NA条件選択工程)。
球面収差用凹レンズ(21)を予め定められた初期位置、例えば、HD DVDの1層目記録層でのフォーカスS字信号振幅を最大にする位置に移動させる。
青色光を光ディスク(1)に集光照射させながら、対物レンズアクチュエータ(12)をフォーカス方向に等速で移動させ戻り光の変動をレーザーモジュール(15)内の光検出器に検出させてフォーカスサーチを実行する(図5:ステップS2,フォーカスサーチ工程)。
サーボコントローラ(4)が、RF回路部(7)からのフォーカスエラー信号においてフォーカスS字信号が検出されたかを判定し、光ディスク(1)の表面と1層目記録層それぞれで検出されるフォーカスS字信号の時間間隔が0.1mm相当であればBDと判別し、0.6mm相当であればHD DVD又はDVDと判別する。また、フォーカスS字信号の出現数が2つであれば1層光ディスク、フォーカスS字信号の出現数が3つであれば2層光ディスクと判別する(図5:ステップS3〜S8,光ディスク判別工程)。
BDと判別した場合、立ち上げミラー(11)を動かして青色光をBD用対物レンズ(20)に導く。対物レンズアクチュエータ(12)をフォーカス方向に等速で移動させ、フォーカスS字信号をモニタしながら凹レンズ(21)を動かし、1層光ディスクであれば1層目記録層のフォーカスS字信号振幅を最大にする球面収差調整を行う。また、2層光ディスクであれば1層目と2層目それぞれの記録層のフォーカスS字信号振幅を最大にする凹レンズ(21)位置を求める球面収差調整を行った後、2層目記録層のフォーカスS字信号振幅を最大にするよう凹レンズ(21)位置を設定する(BDでは記録再生する記録層が1層目から2層目、又は2層目から1層目と切替る度にそれぞれの記録層で最適な球面収差に設定しないと安定して記録再生が行えない)。その後、フォーカスサーボ引き込み動作に移る(図5:ステップS17)。
HD DVD又はDVDと判別した場合は、スレッドモータ(8)により対物レンズアクチュエータ(12)を光ディスク(1)における特定の記憶領域であるBCA(burst cutting area)の位置に移動させる。そして、フォーカスサーチにて1層光ディスクと判別された場合は1層目記録層にフォーカスサーボを引き込み、フォーカスサーチにて2層光ディスクと判別された場合は2層目記録層にフォーカスサーボを引き込む。RF回路(7)にてRF信号中のBCA信号を検出し、システムコントローラ(5)においてBCA信号をリードする。BCAデータが読めない場合はDVDと判別し(媒体種別情報検索工程)、BCAデータ内の媒体種別情報を読めた場合はそれに基づいてHD DVD又はDVDを判別する(図5:ステップS9〜S16,媒体種別情報読込工程)。
HD DVDとDVDの基板厚はともに0.6mmと同じであり、フォーカスサーチではHD DVDかDVDかの判別が不可能である。しかし、HD DVDには内周にBCAがあり、BCA内に光ディスク(1)の種類を示す媒体種別情報が記録されている。DVDではBCAがあるものとないものが存在する。よって、BCAを検索し媒体種別情報を読むことでHD DVDかDVDかの判別が可能である。また、HD DVDの1層光ディスクはBCAを1層目記録層に有し、HD DVDの2層光ディスクはBCAを2層目記録層に有しているので、HD DVDとDVDとの判別には記録層数が既知であることが重要である。
HD DVDと判別した場合は、スレッドモータ(8)により対物レンズアクチュエータ(12)をデータ領域に移動させ、引き続き記録再生のためのサーボ信号調整を行い、DVDと判別された場合には、レーザーモジュール(15)の青色光の発光を停止させ、レーザーモジュール(14)に対して赤色光を発光させ、フォーカスサーボ引き込み動作に移る(図5:ステップS17)。
以上から光ディスク(1)において複数層媒体の光入射面から最も離れた記録層での実効反射率を最大にする波長の光(本第1実施形態の場合は青色光)を用い、この波長光を前提にした規格の光ディスク(1)(本第1実施形態の場合はBD,HD DVD)に用いる対物レンズ(本第1実施形態の場合はNA0.85又はNA0.65のレンズ)の中でNAの小さい条件(本第1実施形態の場合はNA0.65)を選択し、HD DVDとDVDに関してはBCAリードを行うことでBD、HD DVD、DVDの3つの光ディスクの種類を安定かつ確実に判別することができる。
次に、BD及びDVDに対応した光ディスク装置の場合について説明する。
BD及びDVDに対応した光ディスク装置の場合も、光ディスク(1)において複数層媒体の光入射面から最も離れた記録層での実効反射率を最大にする波長の光(この場合は青色光)を用い、この光(青色光)を前提に作られた光ディスク(1)(この場合はBD)に用いる対物レンズ(この場合はNA0.85レンズ(20))の中でNAの小さい条件(この場合はNA0.85レンズ(20))を選択する。
波長405nmの青色光とNA0.85条件の組み合わせで、フォーカスサーチを行い、光ディスク(1)の光入射面と記録層で発生するフォーカスS字信号の時間間隔でBDとDVDを判別する。
基板厚0.6mmの光ディスク(1)はDVDしかないのでフォーカスサーチのみでBDとDVDの判別ができる。NA0.85条件では球面収差の影響で記録層数の判別が確実ではない。しかし、BDでは球面収差調整があるので、そこで記録層数が確実に検出できる。また、DVDでは1層のコントロールゾーンをリードすることで記録層数情報が得られるので、フォーカスサーチで確実に記録層数を得る必要はない。
また、波長405nmの青色光とNA0.85レンズの実使用条件を考慮した組み合わせでフォーカスサーチを行っているのでBDと判別した場合、波長切替やNA切替がなく短時間で媒体判別から記録再生に移行できる。
よって、BD,DVDに対応した光ディスク装置でも本第1実施形態の媒体種類判別方法を用いることでBDとDVDの2つの光ディスクの種類を安定かつ確実に判別できるとともに、実使用条件を考慮した波長の光とNAのレンズとの組み合わせにより、BDの場合短時間で媒体判別から記録再生に移行できる。
[第2実施形態]
次に、本発明にかかる第2実施形態について説明する。
図6は、本発明にかかる第2実施形態の光ディスク装置の構成を示す図である。図6において、図1に示す第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号が付してある。
本第2実施形態の光ディスク装置は、波長405nmの青色光と実効的開口数(対物レンズの形状と対物レンズへの入射光のビーム径によって決定する開口数である。以下、NAとする。)が0.85の対物レンズとを用いた記録再生を前提にした規格のBlu−ray Disk(以下、BDとする)と、波長405nmの青色光とNA0.65の対物レンズとを前提にした規格のHD DVDと、波長650nmの赤色光とNA0.60の対物レンズとを前提にした規格のDVDと、波長780nmの赤外光とNA0.50の対物レンズをと前提にした規格のCDとに対応してデータを記録再生する光ディスク装置である。
<構成>
図6に示すように、本第2実施形態の光ディスク装置は、波長が異なる複数のレーザ光のいずれかを出力する発光手段として、波長405nmの青色光を発光するレーザーモジュール(15)と波長650nmの赤色光を発光するレーザーモジュール(14)と波長780nmの赤外光を発光するレーザーモジュール(16)とを備え、NAが異なる複数の対物レンズであるBD用対物レンズ(20)及びHD DVD・DVD・CD用対物レンズ(24)を搭載した対物レンズアクチュエータ(12)を備えている。
レーザーモジュール(14)及びレーザーモジュール(15),レーザーモジュール(16)それぞれは光検出器を内蔵しており、BD用対物レンズ(20)又はHD DVD・DVD・CD用対物レンズ(24)により光ディスク(1)上に集光されたレーザ光の戻り光を検出する機能を備えている。
立ち上げミラー(11)は、ミラー駆動モータ(13)により図6の左右に移動可能で、レーザーモジュール(14),レーザーモジュール(15)及びレーザーモジュール(16)からの光を対物レンズアクチュエータ(12)に導く機能を有している。
立ち上げミラー(11)をミラー駆動モータ(13)で動かして、光をBD用対物レンズ(20)又はHD DVD・DVD・CD用対物レンズ(24)に導くことによって、光ディスク(1)の規格に応じたNAのレンズに切り替えることができる。
またさらに、本第2実施形態の光ディスク装置は、レンズ駆動モータ(23)によって移動可能な凹レンズ(21)を備えると共に凸レンズ(22)を備え、凹レンズ(21)と凸レンズ(22)とのレンズ間距離を変更調整することにより光ディスク(1)上の焦点位置を光軸上で変化させて球面収差調整が行われる。
本第2実施形態の光ディスク装置においては、レーザーモジュール(15)からの青色光は、ビームスプリッタ(17)及びビームスプリッター(18)を透過し、更に球面収差補正用の凹レンズ(21)及び凸レンズ(22)を透過し、立ち上げミラー(11)で反射される。
レーザーモジュール(14)からの赤色光は、ビームスプリッター(17)で反射された後、ビームスプリッター(18)を透過し、球面収差補正用の凹レンズ(21)及び凸レンズ(22)を透過し、立ち上げミラー(11)で反射される。
レーザーモジュール(16)からの赤外光は、ビームスプリッター(18)で反射された後、球面収差補正用の凹レンズ(21)及び凸レンズ(22)を透過し、立ち上げミラー(11)で反射される。
立ち上げミラー(11)で反射された光は、ミラー駆動モータ(13)によりHD DVD・DVD・CD用対物レンズ(24)またはBD用対物レンズ(20)に導かれ、集光され光ディスク(1)上に焦点を結ぶ。
光ディスク(1)上で反射された光は、BD用対物レンズ(20)またはHD DVD・DVD・CD用対物レンズ(24)を透過し、立ち上げミラー(11)で反射し、球面収差補正用の凸レンズ(22)及び凹レンズ(21)を透過し、ビームスプリッター(18)に導かれる。
レーザーモジュール(15)からの青色光の場合は、ビームスプリッタ(18)及びビームスプリッター(17)を透過し、レーザーモジュール(15)に内蔵された光検出器に受光され電気信号に変換される。レーザーモジュール(14)からの赤色光の場合は、ビームスプリッター(18)を透過後、ビームスプリッター(17)で反射され、レーザーモジュール(14)に内蔵された光検出器に受光され電気信号に変換される。レーザーモジュール(16)からの赤外光の場合は、ビームスプリッター(18)で反射され、レーザーモジュール(16)に内蔵された光検出器に受光され電気信号に変換される。
レーザーモジュール(14),レーザーモジュール(15),レーザーモジュール(16)内の光検出器の出力信号からRF回路部(7)においてサーボエラー信号およびBCA信号が生成され、サーボコントローラ(4)がサーボエラー信号に基づいて対物レンズアクチュエータ(12)と光ディスク(1)との位置を制御する制御信号を生成し、サーボ駆動系(3)はサーボコントローラ(4)からの制御信号に従って対物レンズアクチュエータ(12)を駆動する。
サーボ駆動系(3)は、スピンドルモータ(2)を回転させ、スピンドルモータ(2)に取り付けられた光ディスク(1)を回転させるとともに、ミラー駆動モータ(13),レンズ駆動モータ(23),スレッドモータ(8)の駆動も行う。
対物レンズアクチュエータ(12),立ち上げミラー(11),ミラー駆動モータ(13),凸レンズ(22),凹レンズ(21),レンズ駆動モータ(23),ビームスプリッタ(17),ビームスプリッタ(18),レーザーモジュール(14),レーザーモジュール(15),レーザーモジュール(16)が光ヘッド(9)を構成しており、光ヘッド(9)は、スレッドモータ(8)によって光ディスク(1)の半径方向に移動可能である。
また、HD DVD・DVD・CD用対物レンズ(24)が、波長405nmの青色光に対してはNA0.65、波長650nmの赤色光に対してはNA0.60、波長780nmの赤外光に対してはNA0.50になるように、または、BD用対物レンズ(20)がNA0.85となるように、対物レンズ(19)又は対物レンズ(24)への入射光のビーム径を波長に応じて特定されるように光ヘッド(9)内の光学系が構成されている(特開2001‐43559号公報を参照)。
LD駆動系(6)は、レーザーモジュール(14),レーザーモジュール(15),レーザーモジュール(16)の発光又は消光を制御する。システムコントローラ(5)は光ディスク装置の全体動作を統括する。
本第2実施形態の光ディスク装置においても第1実施形態と同様に、光ディスク(1)がスピンドルモータ(2)にチャッキングされると、システムコントローラ(5)がLD駆動系(6)及びサーボコントローラ(4)を制御することで、レーザーモジュール(15)からのレーザ光をHD DVD・DVD・CD用対物レンズ(24)を介して光ディスク(1)に集光照射させながら対物レンズアクチュエータ(12)を光軸方向に移動させてフォーカスサーチを実行する。このとき、レーザーモジュール(15)からの波長405nmの青色光とHD DVD・DVD・CD用対物レンズ(24)との組み合わせを用いてフォーカスサーチが実行される。
サーボコントローラ(4)は、フォーカスサーチの結果RF回路部(7)で生成されるフォーカスエラー信号を入力してフォーカスS字信号を検出しこのフォーカスS字信号に基づいて光ディスク(1)を判別する光ディスク判別手段としての機能と、その判別結果に従って対物レンズアクチュエータ(12)と光ディスク(1)との位置を制御する制御信号を生成しサーボ駆動系(3)へ出力する機能とを有している。
光ディスク(1)の記録層には、媒体種別情報を記録した領域としてBCA(Burst Cutting Area)が設けられている場合があり、フォーカスS字信号に基づいて光ディスクの情報記録層の層数が特定されると、システムコントローラ(5)は、LD駆動系(6),サーボコントローラ(4)を制御して、光ディスク(1)における1つ又は複数の情報記録層のうちの特定の情報記録層に存在するBCAに媒体種別情報が記憶されているか否かを判定し媒体種別情報の有無によって光ディスク(1)の種類を判別する媒体種別情報手段としての機能と、BCAに媒体種別情報が記憶されている場合に媒体種別情報を読み込み光ディスク(1)の種類を判別する媒体種別情報読込手段としての機能とを有している。
本第2実施形態の光ディスク装置においても、第1実施形態と同様に、HD DVD,DVD,CD用としてWDを1.5mmとする対物レンズ(24)を用い、BD用にWDを0.7mmとする対物レンズ(20)を用いている。
本第2実施形態の光ディスク装置は、波長405nmの青色光を用いてフォーカスサーチを実行する。波長405nmの青色光を用いる理由は、光ディスク(1)の表面および記録層にてフォーカスS字信号が明確に検出でき、かつ記録層数の判別が安定に行えるためである。
ここで、波長405nmの青色光を用いることで青色光の使用を前提としているBD,HD DVDだけでなく波長650nmの赤色光の使用を前提にしたDVDや波長780nmの赤外光の使用を前提にしたCDでもディスクの表面及び記録層でのフォーカスS字信号が検出できる理由を説明する。
<フォーカスサーチに用いるレーザ光と対物レンズについての説明>
BD、HD DVD、DVD、CDともに光の入射面からの構造は、1層光ディスクの場合、基板(BDではカバー層)、1層記録層の順であり、2層光ディスクの場合、基板(BDではカバー層)、1層記録層、中間層、2層記録層の順である。またCDには2層ディスクはない。
各光ディスクにおいて光入射面で発生するフォーカスS字信号について説明すると、BD、HD DVD、DVD、CDともに基板又はカバー層および中間層はポリカーボネイトに代表される樹脂を用いており、光の透過率は青色光、赤色光、赤外光で差はなくほぼ一定であり、光の波長によるフォーカスS字信号の発生に影響はない。波長405nmの青色光を入射した場合、BD,HD DVDにおいて光入射面でのフォーカスS字信号が検出でき、DVD,CDにおいても光入射面でのフォーカスS字信号が検出できる。
一方で、各光ディスクにおいて記録層で発生するフォーカスS字信号について説明すると、BD、HD DVD、DVD、CDにおける記録層はともに光の波長によって光透過率や反射率が変化するため、入射光の波長がフォーカスS字信号の発生に影響を与える。
BD,HD DVDの2層媒体に波長405nmの青色光を照射すると、1層目記録層及び2層目記録層の2つの記録層を確実に認識できる。しかし、BD,HD DVDの2層媒体にDVD用の波長650nmの赤色光を照射した場合は、2層目記録層(光入射面から最も離れた情報記録層)でのフォーカスS字信号がほぼ検出できないので、BD,HD DVDの2層媒体を1層媒体と誤判断してしまう。
これは青色光に対して1層目記録層は50%以上の透過率であるとすれば、赤色光に対して1層目記録層は30%程度の透過率となるためである。2層目記録層からの戻り光は入射時と反射時の2回1層目記録層を通過するので、光ヘッド(9)にて検出される2層目記録層の実効反射率は、2層目記録層の反射率を100%としても、青色光の場合は1層目記録層1回通過毎に50%に低減されるためほぼ25%となるが、赤色光の場合は1層目記録層1回通過毎に30%に低減されるため9%程度にしかならない。
また、BD又はHD DVDの2層媒体にCD用の赤外光を照射した場合は、1層目記録層の透過率は30%未満となり、赤色光の場合よりも更に2層目記録層でのフォーカスS字信号を検出するのが困難になる。
また、青色光よりも短波長の光をBD,HD DVDの2層媒体に照射した場合は、青色光の場合よりも1層目記録層の透過率は向上する。しかし、例えば1層目記録層の透過率がΔα%(Δα>0)向上とすると、2層目記録層の反射率は逆にΔα%程度低下する。更に、基板またはカバー層として使われるポリカーボネイトに代表される樹脂の光透過率は、短波長になるほど低下し波長350nmでは1層目記録層の透過率の向上と相反してポリカーボネイトに代表される樹脂の透過率は低下(−Δα%)し、波長200nmでは透過率0%、即ち、透過しないことになる。
BD,HD DVDの2層媒体に波長350nmの光を照射した場合、1層目記録層の透過率はΔα%増加するが、ポリカーボネイトに代表される樹脂の透過率はΔα%低下となり、透過率変化はキャンセルされ2層目記録層の実効反射率は青色光の場合での実効反射率よりΔα%程度低下する。
このように、青色光を前提に作成されたBD,HD DVDの2層媒体に対して青色光より短波長の光を照射した場合、2層目記録層の実効反射率が低下するため、フォーカスS字信号振幅も青色光使用時より低下し、フォーカスS字信号が検出できない恐れがある。
DVDは波長650nmの赤色光の使用を前提とした規格なので、赤色光に対しては記録層でのフォーカスS字信号が検出できる。一方、赤色光よりも短波長である青色光をDVDの1層媒体や2層媒体の1層目記録層に集光照射すると、赤色光の場合よりも1層目記録層の反射率は低下する。例えば、1層目記録層の反射率がΔA%(ΔA>0)低下とすると、青色光をDVDに集光照射した場合の1層目記録層の実効反射率は、赤色光の場合に比べてΔA%程度減少する。
DVDにおいて、青色光の場合の1層目記録層の実効反射率は、赤色光の場合に比べてΔA%減少すると半分程度小さくなるが、0%にはならない。フォーカスS字信号は各記録層の実効反射率に比例した振幅で発生するので、青色光の場合の実効反射率が0%ではないなら、青色光をDVDの1層媒体や2層媒体の1層目記録層に集光照射すると、1層目記録層でのフォーカスS字信号を検出することができる。
また、青色光をDVDの2層媒体の2層目記録層に集光照射する場合、1層目記録層の透過率は赤色光の場合に比べてΔA%向上するが、2層目記録層の反射率は同程度低下する(−ΔA%)。2層目記録層からの戻り光は入射時と反射時の2回1層目記録層を通過するため、青色光の場合の2層目記録層の実効反射率は赤色光の場合よりΔA%程度上昇する。これにより、青色光をDVDの2層媒体の2層目記録層に集光照射するとフォーカスS字信号を検出できる。
また、DVDの2層媒体にCD用の赤外光を照射した場合は、1層目記録層の透過率が赤色光の場合より低下し、2層目記録層の実効反射率が低下するため、赤色光を用いるよりも2層目記録層でのフォーカスS字信号の検出が困難になる。
CDは波長780nmの赤外光の使用を前提とする規格なので、赤外光に対しては記録層にてフォーカスS字信号が検出できる。赤外光よりも短波長である青色光をCDの1層目記録層に集光照射すると、赤外光の場合に比べて1層目記録層の反射率は低下する。例えばΔB%(ΔB>0)低下とする。
よって、赤外光よりも短波長である青色光をCDに集光照射した場合の1層目記録層の実効反射率は、赤外光の場合に比べてΔB%程度減少する。青色光の場合の1層目記録層の実効反射率は、赤外光の場合に比べてΔB%減少すると半分程度小さくなるが、0%にはならない。
フォーカスS字信号は記録層の実効反射率に比例した振幅で発生するので、青色光の場合の1層目記録層の実効反射率が0%ではないなら、青色光をCDの1層目記録層に集光照射するとフォーカスS字信号を検出できる。
このように、波長405nmの青色光にてフォーカスサーチを行うと、青色光の使用を前提にしたBD及びHD DVDだけでなく赤色光の使用を前提にしたDVDや赤外光の使用を前提にしたCDでもディスク表面及び記録層でのフォーカスS字信号が検出できる。よって、本第2実施形態においては、波長405nmの青色光を用いてフォーカスサーチを実行する。
次に、BD,HD DVD,DVD,CDのいずれかの場合においても、BCAリードに波長405nmの青色光を用いるのが有効である理由ついて説明する。
光ヘッド(9)から出力される光量和(SUM)信号から抽出されたBCA信号に含まれる媒体種別情報から媒体判別を行うが、青色光を前提にしたBD,HD DVDの複数層媒体でBCAが光入射面から最も離れた記録層に有る場合に、青色光以外の光を媒体に照射してBCA信号を抽出すると、SUM信号のピークとボトムの差が小さくなり、BCA信号の抽出に失敗するという問題点がある。これは青色光以外の光を媒体に照射するとフォーカスS字信号の振幅が低下するのと同様の理由によるものである。
BD、HD DVDの2層媒体に青色光を照射すると2層目記録層の反射率を100%としても、2層目記録層の実効反射率は25%程度になるが、赤色光の場合は2層目記録層の実効反射率は9%程度にしかならない。BD、HD DVDの2層媒体に赤色光を照射すると2層目記録層のSUM信号のピークとボトムの差は微小で、SUM信号からBCA信号を抽出するのが極めて難しくなる。
また、CDの記録再生に使われる赤外光の場合は1層目記録層の透過率は30%未満となり、赤色光の場合よりも更に2層目記録層のSUM信号のピークとボトムの差は小さく、SUM信号からBCA信号を抽出するのが極めて難しくなる。
また、BD、HD DVDの2層媒体に青色光より短波長な光を照射した場合、フォーカスS字信号の検出について述べたのと同様の理由により、2層目記録層実効反射率が低下するため、2層目記録層のSUM信号のピークとボトムの差は青色光照射時より小さくなり、SUM信号からBCA信号を抽出するのが難しくなる。
DVDの2層媒体に赤色光より短波長な青色光を照射した場合、2層目記録層の実効反射率がΔβ%上昇するため、2層目記録層の実効反射率が上昇するため、2層目記録層のSUM信号のピークとボトムの差が増大し、安定してSUM信号からBCA信号を抽出できる。
また、DVDの2層媒体にCD用の赤外光を照射した場合は、1層目記録層の透過率が赤色光の場合より低下し、2層目記録層の実効反射率が低下するため、2層目記録層のSUM信号のピークとボトムの差が低下し、SUM信号からBCA信号を抽出するのが難しくなる。
以上から、波長405nmの青色光、波長650nmの赤色光、波長780nmの赤外光と波長の異なる複数のレーザ光を用いる光ディスク装置の場合、複数層媒体の光入射面から最も離れた記録層での実効反射率が最大となる波長の光(第2実施形態では波長405nmの青色光)を用いてフォーカスサーチすることで、記録層数を安定して判別できる。また、BCAリードについても、複数層媒体の光入射面から最も離れた記録層での実効反射率が最大となる波長の光である波長405nmの青色光を用いることで安定して読むことができる。
波長405nmの青色光により媒体判別のためフォーカスサーチする際、波長405nmの青色光を前提にしたNAはNA0.65とNA0.85の2条件であるが、NA0.65とNA0.85の両条件についてフォーカスサーチ時のフォーカスエラー信号がどのように観測されるかは、上述してた第1実施形態の説明と同様である。
よって、波長405nmの青色光により媒体種類判別のためフォーカスサーチする際、波長405nmの青色光を前提にしたNA0.65とNA0.85の両条件のうち、記録層数を安定して検出できるNA0.65条件を選択する。
<動作>
図6に示した本第2実施形態の光ディスク装置において、波長405nmの青色光を出射するレーザモジュール(15)と青色光に対してNA0.65の対物レンズ(24)を選択して使用し、BD,HD DVD,DVD,CDの媒体判別のためフォーカスサーチから媒体判別後のフォーカスサーボ引き込み前までの動作を説明する。
まず、BD,HD DVD,DVD,CDのいずれかの光ディスク(1)がスピンドルモータ(2)にチャッキングされた状態でスピンドルモータ(2)を回転させる。
レーザーモジュール(14)及びレーザーモジュール(16)は発光停止させて、レーザーモジュール(15)に波長405nmの青色光を発光させ、立ち上げミラー(11)を移動させて青色光をHD DVD・DVD・CD用対物レンズ(24)に導く。
球面収差用凹レンズ(21)を予め定められた初期位置(例えばHD DVDの1層で出現するフォーカスS字信号振幅を最大にする位置)に移動させる。
青色光を光ディスク(1)上に集光照射させながら、対物レンズアクチュエータ(12)をフォーカス方向に等速で移動させ戻り光の変動をレーザーモジュール(15)内の光検出器に検出させてフォーカスサーチを実行する。
フォーカスサーチの結果、光ディスク(1)表面と1層目記録層それぞれで出現するフォーカスS字信号の時間間隔が0.1mm相当であればBDと判別し、0.6mm相当であればHD DVDまたはDVDと判別し、1.2mm相当であればCDと判別する。また、フォーカスS字信号の出現数が2つであれば1層光ディスク、フォーカスS字信号の出現数が3つであれば2層光ディスクと判別する。
BDと判別した場合、立ち上げミラー(11)を動かして青色光をBD用対物レンズ(20)に導く。対物レンズアクチュエータ(12)をフォーカス方向に等速で移動させ、フォーカスS字信号をモニタしながら凹レンズ(21)を動かし、1層光ディスクであれば1層目のフォーカスS字信号振幅を最大にする球面収差調整を行う。また2層光ディスクであれば1層目と2層目それぞれの記録層のフォーカスS字信号振幅を最大にする凹レンズ(21)位置を求める球面収差調整を行った後、2層目記録層のフォーカスS字信号振幅を最大にするよう凹レンズ(21)位置を設定する(BDでは記録再生する記録層が1層⇔2層と切替る度にそれぞれの記録層で最適な球面収差に設定しないと安定して記録再生が行えない)。その後フォーカスサーボ引き込み動作に移る。
HD DVDまたはDVDと判別した場合、 スレッドモータ(8)により対物レンズアクチュエータ(12)をBCAに移動させる。フォーカスサーチにて1層光ディスクと判別された場合はBCAデータが1層目記録層に形成されているので1層目記録層にフォーカスサーボを引き込み、フォーカスサーチにて2層光ディスクと判別された場合はBCAデータが2層目記録層に形成されているので2層目記録層にフォーカスサーボを引き込む。RF回路(7)にてRF信号中のBCA信号を検出し、システムコントローラ(5)にてBCAデータをリードする。BCAデータ内の媒体種別情報からHD DVDまたはDVDを判別する。またBCAデータが読めない場合はDVDと判別する。
HD DVDとDVDの基板厚はともに0.6mmと同じであり、フォーカスサーチではHD DVDかDVDかの判別が不可能である。しかし、HD DVDには内周にBCAがあり、BCAデータ内に光ディスク(1)の媒体種別情報がある。DVDではBCAデータ領域があるものとないものが存在する。BCAを検索し媒体種別情報を読むことでHD DVDかDVDかの判別が可能である。HD DVDの1層光ディスクはBCAを1層目記録層に有しており、HD DVDの2層光ディスクではBCAを2層目記録層に有している。よって、HD DVDとDVDの判別時には記録層数が既知であることが重要である。
HD DVDと判別された場合には、スレッドモータ(8)により対物レンズアクチュエータ(12)をデータ領域に移動させ、引き続き記録再生のためのサーボ信号調整を行う。DVDと判別された場合にはレーザーモジュール(15)に青色光の発光を停止させ、レーザーモジュール(14)に対して赤色光を発光させ、フォーカスサーボ引き込み動作に移る。
CDと判別した場合、レーザーモジュール(15)の青色光の発光を停止させ、レーザーモジュール(16)に赤外光を発光させ、フォーカスサーボ引き込み動作に移る。
以上から、光ディスク(1)において複数層媒体の光入射面から最も離れた記録層での実効反射率を最大にする波長光(本第2実施形態では青色光)を用い、この波長光を前提にした光ディスク(1)(本第2実施形態ではBD又はHD DVD)に用いるレンズのNA条件(本第2実施形態ではNA0.85とNA0.65)の中でNAの小さい条件(本第2実施形態ではNA0.65)を選択しフォーカスサーチを行い、HD DVDとDVDとに関してはBCAリードを行うことでBD,HD DVD,DVD,CDの4つの光ディスクの種類を安定かつ確実に判別できる。
以上のように本第2実施形態において、BD,HD DVD,DVD,CDに対応した光ディスク装置について説明したが、BD,DVD,CDに対応した光ディスク装置の場合も説明する。
光ディスク(1)において複数層媒体の光入射面から最も離れた記録層での実効反射率を最大にする波長光(青色光)を用い、この波長光を前提にしている光ディスク(1)(この場合BD)に用いるレンズのNA条件(この場合NA0.85)の中でNAの小さい条件(この場合NA0.85)を選択する。
波長405nmの青色光とNA0.85条件の組み合わせで、フォーカスサーチを行い、光の入射面と記録層で発生するフォーカスS字信号の時間間隔でBD,DVDとCDとを判別する。ここで、NA0.85の対物レンズではWDが0.7mmであり、CDの基板厚は1.2mmなのでフォーカスサーチによりCDの記録層を検出しようとすると対物レンズがCDの表面に衝突してしまう。そこでCDの場合は光の入射面でのみフォーカスS字信号が検出されたことで判別する。基板厚0.6mmの光ディスク(1)はDVDしかないのでフォーカスサーチのみでBD,DVDとCDとの判別ができる。
NA0.85条件では球面収差の影響で記録層数の判別が確実ではない。しかし、BDでは球面収差調整があるので、そこで記録層数が確実に検出できる。またDVDでは1層のコントロールゾーンをリードすることで記録層数情報が得られるので、フォーカスサーチで確実に記録層数を得る必要はない。
また、波長405nmの青色光とNA0.85の実使用条件を考慮した組み合わせでフォーカスサーチを行っているのでBDと判別した場合、波長切替やNA切替がなく短時間で媒体判別から記録再生に移行できる。
よって、BD,DVD,CDに対応した光ディスク装置でも本第2実施形態の媒体種類判別方法を用いることで、BD,DVD,CDの3つの光ディスクの種類を安定かつ確実に判別できるとともに、実使用条件を考慮した波長のレーザ光とNAの対物レンズとの組み合わせにより、BDの場合短時間で媒体判別から記録再生に移行できる。
ここで、上述した第1及び第2実施形態では複数層媒体(BD、HD DVD、DVD)の1層目記録層にAgInSbTe(銀‐インジウム‐アンチモン‐テルル)系を用いた場合を想定しているので、複数層媒体における光入射面から最も離れた記録層での実効反射率を最も大きくするのは青色光である。しかし、1層目記録層はAgInSbTe系以外も想定され、この場合、媒体の種類(BD、HD DVD、DVDや再生専用媒体、記録再生媒体)によって複数層媒体の光入射面から最も離れた記録層での実効反射率を最も大きくする波長が異なる場合が考えられる。この場合は、複数種類の複数層媒体において光入射面から最も離れた記録層での実効反射率を最も大きくする波長のうち短波長のもの(青色光)を選択する。これは既存の複数層媒体の1層目記録層にAgInSbTe系を用いた媒体の記録層数の誤検出を防止するためである。
記録再生に使用される光の波長および対物レンズの実効的開口数(NA)が異なる種類の光ディスクに対して情報の記録、または再生を行う光ディスク装置における媒体種類判別法として、広く適応することができ、媒体種類判別を安定かつ確実に行うことができる。
本発明における第1実施形態の光ディスク装置の構成を示す図である。 フォーカスサーチにおける対物レンズの動きを示す説明図である。 フォーカスエラー信号のタイミングチャートを示す図である。 使用した対物レンズごとのフォーカスエラー信号のタイミングチャートを示す図である。 図1に開示された実施形態の光ディスク装置における動作を示すフローチャートである。 本発明における第2実施形態の光ディスク装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 光ディスク
2 スピンドルモータ
3 サーボ駆動系
4 サーボコントローラ
5 システムコントローラ
6 LD駆動系
7 RF回路
8 スレッドモータ
9 光ヘッド
11 立ち上げミラー
12 対物レンズアクチュエータ
13 ミラー駆動モータ
14 レーザーモジュール(出射光波長650nm)
15 レーザーモジュール(出射光波長405nm)
16 レーザーモジュール(出射光波長780nm)
17,18 ビームスプリッタ
19,24 対物レンズ(NA0.65)
20 対物レンズ(NA0.85)
21 凹レンズ
22 凸レンズ
23 レンズ駆動モータ

Claims (34)

  1. 波長が異なる複数のレーザ光のいずれかを出力する発光手段と、実効的開口数(NA)が異なる1つ以上の対物レンズと、前記レーザ光のいずれか1つと前記対物レンズの1つとの組み合わせを用いて光ディスクに集光されたレーザ光の戻り光を検出する光検出器とを備えると共に、
    前記1つのレーザ光を前記1つの対物レンズを介して前記光ディスクに集光照射させながら当該対物レンズを光軸に沿った方向に移動させて戻り光の変動を前記光検出器に検出させるフォーカスサーチを行いその結果得られるフォーカスS字信号に基づいて前記光ディスクを判別する光ディスク判別手段を備え、
    前記光ディスク判別手段は、前記判別対象の光ディスクの光入射面に照射した光量に対するこの光ディスクの光入射面から最も離れた情報記録層で反射した戻り光の光量の比率が最も大きくなる波長のレーザ光と、この波長のレーザ光での記録再生を前提にした規格の光ディスクで使用を前提とされているNAのうち最も小さいNAとを、前記フォーカスサーチを行うための組み合わせとしたことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記請求項1に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスク判別手段は、前記光ディスクの光入射面に前記レーザ光の焦点が位置することを示すフォーカスS字信号とそれに最も近い間隔で検出されるフォーカスS字信号との時間間隔に基づいて当該光ディスクの種類を判別することを特徴とする光ディスク装置。
  3. 前記請求項1又は2に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスク判別手段は、フォーカスS字信号の検出数に基づいて前記光ディスクの情報記録層数を判別することを特徴とする光ディスク装置。
  4. 前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスク判別手段により前記フォーカスS字信号に基づいて前記光ディスクの情報記録層数が特定されると、前記光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し媒体種別情報が記憶されているか否かを判定する媒体種別情報検索手段を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  5. 前記請求項4に記載の光ディスク装置において、
    前記媒体種別情報検索手段が、前記光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し前記媒体種別情報の有無によって当該光ディスクの種類を判別することを特徴とする光ディスク装置。
  6. 前記請求項4又は5に記載の光ディスク装置において、
    前記媒体種別情報検索手段により前記光ディスクに前記媒体種別情報が記憶されていると判定された場合に、その媒体種別情報に基づいて当該光ディスクの種類を判別する媒体種別情報読込手段を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  7. 前記請求項4乃至6のいずれか一項に記載の光ディスク装置において、
    前記媒体種別情報検索手段が、前記光ディスクにおける媒体種別情報としてBCAを検索することを特徴とする光ディスク装置。
  8. 前記請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光ディスク装置において、
    前記発光手段が、波長405±5nmの青色光及び1つまたは複数の波長640nmの赤色光より長波長の光のうちのいずれかを出力する機能を備え、
    前記光ディスク判別手段が、前記青色光を用いてフォーカスサーチを行うことを特徴とする光ディスク装置。
  9. 前記請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光ディスク装置において、
    前記発光手段が、波長405±5nmの青色光及び1つまたは複数の波長640nmの赤色光より長波長の光のうちのいずれかを出力する機能を備えると共に、
    前記青色光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAの最小値は0.65であり、前記長波長の光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAが0.65より小さい条件がある場合に、前記光ディスク判別手段が、前記青色光と前記NA0.65条件でフォーカスサーチを行うことを特徴とする光ディスク装置。
  10. 波長405±5nmの青色光を含む波長が異なる複数のレーザ光のいずれかを出力する発光手段と、実効的開口数(NA)が異なる1つ以上の対物レンズと、前記レーザ光のいずれか1つと前記対物レンズの1つとの組み合わせを用いて光ディスクに集光されたレーザ光の戻り光を検出する光検出器とを備えると共に、
    前記1つのレーザ光を前記1つの対物レンズを介して前記光ディスクに集光照射させながら当該対物レンズを光軸に沿った方向に移動させて戻り光の変動を前記光検出器に検出させるフォーカスサーチを行いその結果得られるフォーカスS字信号に基づいて前記光ディスクを判別する光ディスク判別手段を備え、
    前記光ディスク判別手段が、前記波長405±5nmの青色光と、この波長のレーザ光での記録再生を前提にした規格の光ディスクで使用を前提とされているNAのうち最も小さいNAとを、前記フォーカスサーチを行うための組み合わせとしたことを特徴とする光ディスク装置。
  11. 前記請求項10に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスク判別手段は、前記光ディスクの光入射面に前記レーザ光の焦点が位置することを示すフォーカスS字信号とそれに最も近い間隔で検出されるフォーカスS字信号との時間間隔に基づいて当該光ディスクの種類を判別することを特徴とする光ディスク装置。
  12. 前記請求項10又は11に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスク判別手段は、フォーカスS字信号の検出数に基づいて前記光ディスクの情報記録層数を判別することを特徴とする光ディスク装置。
  13. 前記請求項10乃至12のいずれか一項に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスク判別手段により前記フォーカスS字信号に基づいて前記光ディスクの情報記録層数が特定されると、前記光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し媒体種別情報が記憶されているか否かを判定する媒体種別情報検索手段を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  14. 前記請求項13に記載の光ディスク装置において、
    前記媒体種別情報検索手段が、前記光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し前記媒体種別情報の有無によって当該光ディスクの種類を判別することを特徴とする光ディスク装置。
  15. 前記請求項13又は14に記載の光ディスク装置において、
    前記媒体種別情報検索手段により前記光ディスクに前記媒体種別情報が記憶されていると判定された場合に、その媒体種別情報に基づいて当該光ディスクの種類を判別する媒体種別情報読込手段を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  16. 前記請求項13乃至15のいずれか一項に記載の光ディスク装置において、
    前記媒体種別情報検索手段が、前記光ディスクにおける媒体種別情報としてBCAを検索することを特徴とする光ディスク装置。
  17. 前記請求項10乃至16のいずれか一項に記載の光ディスク装置において、
    前記発光手段が、波長405±5nmの青色光及び1つまたは複数の波長640nmの赤色光より長波長の光のうちのいずれかを出力する機能を備えると共に、
    前記青色光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAの最小値は0.65であり、前記長波長の光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAが0.65より小さい条件がある場合に、前記光ディスク判別手段が、前記青色光と前記NA0.65条件でフォーカスサーチを行うことを特徴とする光ディスク装置。
  18. 波長が異なる複数のレーザ光のいずれかを出力する発光手段と、実効的開口数(NA)が異なる1つ以上の対物レンズと、前記レーザ光のいずれか1つと前記対物レンズの1つとの組み合わせを用いて光ディスクに集光されたレーザ光の戻り光を検出する光検出器とを備えた光ディスク装置における媒体種類判別方法であって、
    前記光ディスクの光入射面に照射した光量に対するこの光ディスクの光入射面から最も離れた情報記録層で反射した戻り光の光量の比率が最も大きくなる波長のレーザ光と、この波長のレーザ光での記録再生を前提にした規格の光ディスクで使用を前提とされているNAのうち最も小さいNAとの組み合わせを前記複数のレーザ光と複数の対物レンズとから選択する波長・NA条件選択工程と、
    前記選択された組み合わせにより前記光ディスクにレーザ光を集光照射させながら前記選択された対物レンズを光軸に沿った方向に移動させて戻り光の変動を前記光検出器に検出させるフォーカスサーチを行うフォーカスサーチ工程と、
    前記フォーカスサーチにおいて検出されるフォーカスS字信号に基づいて前記光ディスクを判別する光ディスク判別工程とを設けたことを特徴とする媒体種類判別方法。
  19. 前記請求項18に記載の媒体種類判別方法において、
    前記光ディスク判別工程では、前記光ディスクの光入射面に前記レーザ光の焦点が位置することを示すフォーカスS字信号とそれに最も近い間隔で検出されるフォーカスS字信号との時間間隔に基づいて当該光ディスクの種類を判別することを特徴とする媒体種類判別方法。
  20. 前記請求項18又は19に記載の媒体種類判別方法において、
    前記光ディスク判別工程では、前記フォーカスS字信号の検出数に基づいて前記光ディスクの情報記録層数を判別することを特徴とする媒体種類判別方法。
  21. 前記請求項18乃至20のいずれか一項に記載の媒体種類判別方法において、
    前記光ディスク判別工程により前記フォーカスS字信号に基づいて前記光ディスクの情報記録層数が特定されると、前記光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し媒体種別情報が記憶されているか否かを判定する媒体種別情報検索工程を設けたことを特徴とする媒体種類判別方法。
  22. 前記請求項21に記載の媒体種類判別方法において、
    前記媒体種別情報検索工程では、前記光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し媒体種別情報の有無によって当該光ディスクの種類を判別することを特徴とする媒体種類判別方法。
  23. 前記請求項21又は22に記載の媒体種類判別方法において、
    前記媒体種別情報検索工程により前記光ディスクに前記媒体種別情報が記憶されていると判定された場合に、その媒体種別情報に基づいて前記光ディスクの種類を判別する媒体種別情報読込工程を設けたことを特徴とする媒体種類判別方法。
  24. 前記請求項21乃至23のいずれか一項に記載の媒体種類判別方法において、
    前記媒体種別情報検索工程では、前記光ディスクにおける媒体種別情報としてBCAを検索することを特徴とする媒体種類判別方法。
  25. 前記請求項18乃至24のいずれか一項に記載の媒体種類判別方法において、
    前記発光手段が、波長405±5nmの青色光及び1つまたは複数の波長640nmの赤色光より長波長の光のうちのいずれかを出力する機能を備え、
    前記波長・NA条件選択工程では、前記青色光を選択することを特徴とする媒体種類判別方法。
  26. 前記請求項18乃至24のいずれか一項に記載の媒体種類判別方法において、
    前記発光手段が、波長405±5nmの青色光及び1つまたは複数の波長640nmの赤色光より長波長の光のうちのいずれかを出力する機能を備えると共に、
    前記波長・NA条件選択工程では、前記青色光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAの最小値は0.65であり、前記長波長の光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAが0.65より小さい条件がある場合に、前記青色光と前記NA0.65条件とを選択することを特徴とする媒体種類判別方法。
  27. 波長405±5nmの青色光を含む波長が異なる複数のレーザ光のいずれかを出力する発光手段と、実効的開口数(NA)が異なる1つ以上の対物レンズと、前記レーザ光のいずれか1つと前記対物レンズの1つとの組み合わせを用いて光ディスクに集光されたレーザ光の戻り光を検出する光検出器とを備えた光ディスク装置における媒体種類判別方法であって、
    波長405±5nmの青色光と、この波長のレーザ光での記録再生を前提にした規格の光ディスクで使用を前提とされているNAのうち最も小さいNAとの組み合わせを前記複数のレーザ光と複数の対物レンズとから選択する波長・NA条件選択工程と、
    前記選択された組み合わせにより前記光ディスクに青色光を集光照射させながら前記選択された対物レンズを光軸に沿った方向に移動させて戻り光の変動を前記光検出器に検出させるフォーカスサーチを行うフォーカスサーチ工程と、
    前記フォーカスサーチにおいて検出されるフォーカスS字信号に基づいて前記光ディスクを判別する光ディスク判別工程とを設けたことを特徴とする媒体種類判別方法。
  28. 前記請求項27に記載の媒体種類判別方法において、
    前記光ディスク判別工程では、前記光ディスクの光入射面に前記レーザ光の焦点が位置することを示すフォーカスS字信号とそれに最も近い間隔で検出されるフォーカスS字信号との時間間隔に基づいて当該光ディスクの種類を判別することを特徴とする媒体種類判別方法。
  29. 前記請求項27又は28に記載の媒体種類判別方法において、
    前記光ディスク判別工程では、前記フォーカスS字信号の検出数に基づいて前記光ディスクの情報記録層数を判別することを特徴とする媒体種類判別方法。
  30. 前記請求項27乃至29のいずれか一項に記載の媒体種類判別方法において、
    前記光ディスク判別工程により前記フォーカスS字信号に基づいて前記光ディスクの情報記録層数が特定されると、前記光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し媒体種別情報が記憶されているか否かを判定する媒体種別情報検索工程を設けたことを特徴とする媒体種類判別方法。
  31. 前記請求項30に記載の媒体種類判別方法において、
    前記媒体種別情報検索工程では、前記光ディスクにおける1つ又は複数の情報記録層のうちの予め決められた情報記録層を検索し媒体種別情報の有無によって当該光ディスクの種類を判別することを特徴とする媒体種類判別方法。
  32. 前記請求項30又は31に記載の媒体種類判別方法において、
    前記媒体種別情報検索工程により前記光ディスクに前記媒体種別情報が記憶されていると判定された場合に、その媒体種別情報に基づいて前記光ディスクの種類を判別する媒体種別情報読込工程を設けたことを特徴とする媒体種類判別方法。
  33. 前記請求項30乃至32のいずれか一項に記載の媒体種類判別方法において、
    前記媒体種別情報検索工程では、前記光ディスクにおける媒体種別情報としてBCAを検索することを特徴とする媒体種類判別方法。
  34. 前記請求項27乃至33のいずれか一項に記載の媒体種類判別方法において、
    前記発光手段が、波長405±5nmの青色光及び1つまたは複数の波長640nmの赤色光より長波長の光のうちのいずれかを出力する機能を備え、
    前記波長・NA条件選択工程では、前記青色光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAの最小値は0.65であり、前記長波長の光を前提とした光ディスクにおける情報の記録再生に用いるNAが0.65より小さい条件がある場合に、前記青色光と前記NA0.65条件とを選択することを特徴とする媒体種類判別方法。
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