従来の光ディスク装置は、光ディスク上に記録されているデータを再生するとき、比較的弱い一定の光量の光を光ディスクに照射し、光ディスクからの反射光を検出する。例えば特許文献1に開示されている光ディスク装置では、物理的に特性が異なるピットとスペースとが形成された光ディスクに光を照射する。光ディスクに照射された光の反射光の強度は、このピットとスペースとによって変調されるので、その反射光に基づいて光ディスク上のデータを再生することができる。一方、データを光ディスクに記録するときは、光ディスク装置は記録するデータに応じて光の光量を強弱に変調し、光ディスクに設けられた材料膜(情報面)に照射する。これにより、データに対応するマークとスペースとが光ディスク上に形成される。
再生専用の光ディスクには、ピットとスペースとがスパイラル状に記録されている。一方、データの記録および再生の両方が可能な光ディスクには、スパイラル状の溝および溝間領域からなるトラックを有する層の表面に、蒸着等の手法によって情報面が形成される。データは情報面に光学的に記録され、情報面から光学的に再生される。
光ディスクに情報を記録し、または記録された情報を再生するためには、フォーカス制御およびトラッキング制御が必要とされる。フォーカス制御とは、光ディスクの面の法線方向(以下フォーカス方向と呼ぶ)に関する光ビームの焦点位置の制御であり、光ビームが記録材料膜上で常に所定の収束状態を保つ。以下では、所定の情報面に対して光ビームの焦点位置を制御することを「所定の情報面に対するフォーカス制御」と呼ぶこととする。一方、トラッキング制御とは、光ディスクの半径方向(以下トラッキング方向と呼ぶ)に関する光ビームの焦点位置の制御であり、光ビームの焦点を常に所定のトラック上に位置させる。
以下、図14を参照しながら、従来の光ディスク装置を説明する。図14は、従来の光ディスク装置510における機能ブロックの構成を示す。光ディスク装置510は、収束照射手段として機能する半導体レーザ11および集光レンズ13、フォーカス移動手段として機能するフォーカスアクチュエータ14、フォーカス誤差検出手段として機能するFE生成器20、および、フォーカス駆動手段として機能するフォーカス駆動発生器22を有する。
光ヘッド10は、半導体レーザ11と、集光レンズ13と、ビームスプリッタ12と、フォーカスアクチュエータ14と、光検出器15とを有する。半導体レーザ11から出力された光ビームはビームスプリッタ12を通過し、集光レンズ13で光ディスク1の上に収束される。光ディスク1で反射した光ビームは集光レンズ13を再び通過してビームスプリッタ12で反射され、光検出器15に入射する。集光レンズ13は弾性体(図示せず)で支持されている。フォーカスアクチュエータ14に所定量の電流が流れると、電磁気力によって集光レンズ13はフォーカス方向に移動する。これにより光ビームの焦点位置を変化させることができる。光検出器15は入射した光ビームを検出し、検出した光に応じた信号をFE生成器20へ送る。
FE生成器20は、光検出器15の信号に基づいて、光ディスク1の情報面上における光ビームの収束状態を示す信号、換言すれば光ディスク1の情報面に対する光ビームの焦点の位置ずれに応じた誤差信号(フォーカスエラー信号)を演算し、その結果をディスク判別器43へ送る。フォーカス駆動発生器22は、集光レンズ13を光ディスク1に対して接近あるいは離間するフォーカスアクチュエータ14への駆動信号を生成する。この駆動信号は他にディスク判別器43にも送信される。
次に、図15(a)および(b)を参照しながら、光ディスク装置510のディスク判別動作を説明する。図15(a)はフォーカス駆動発生器22から出力される信号の波形を示す。図15(b)はFE生成器20から出力される信号の波形を示す。図15(a)および(b)のグラフでは、横軸は時間軸を表し、縦軸は信号のレベルを表す。
フォーカス駆動発生器22は、光ディスク1に対して十分離間した位置から光ビームの焦点を移動させ、光ディスク1に接近させる。光ビームの焦点の位置が光ディスク1の情報面の位置に一致すると、図15(b)において「情報面位置」として示すように、FE生成器20から出力される信号のレベルが0になる。この状態を「ゼロクロス」(Zero Cross)という。FE生成器20の出力信号がゼロクロスするとき、ディスク判別器43は、フォーカス駆動発生器22の出力信号のレベルに基づいて光ディスク1の情報面の深さを検出する。フォーカスアクチュエータ14の自然位置から光ディスク1の表面までの距離は一定であり、さらにフォーカス駆動発生器22からの信号に基づくフォーカスアクチュエータ14の移動量も一定であるため、光ディスク1の情報面の深さを検出することができる。光ディスク表面から情報面までの深さは光ディスクの種類に応じて異なるため、光ディスク装置510は、検出した深さに基づいて光ディスク1のディスク種類を判別できる。
次に、図16を参照しながら、従来の他の光ディスク装置を説明する。図16は、従来の光ディスク装置520における機能ブロックの構成を示す。複数の情報面を有する光ディスク1が装填されると、光ディスク装置520は、光ディスク1の所望の情報面に対するフォーカス制御を行って、所望の情報面に光ビームの焦点を位置させることができる。図14の光ディスク装置510と共通する構成要素には共通の参照符号を付し、その説明は省略する。
光ディスク装置520では、FE生成器20からの信号はフォーカスフィルタ21および引込選択器45へ送信される。フォーカスフィルタ21は、FE生成器20からの信号に基づいて、フォーカス制御のために位相を補償する。フォーカスフィルタ21は、位相補償された信号を引込選択器45へ出力する。引込選択器45はフォーカス駆動発生器22からの信号またはフォーカスフィルタ21からの信号を選択して、フォーカスアクチュエータ14へ送る。
次に、光ディスク装置520のフォーカス制御処理を説明する。フォーカス制御を行っていないとき(フォーカス制御が非動作状態のとき)、引込選択器45はフォーカス駆動発生器22から出力された信号を選択してフォーカスアクチュエータ14へ送る。その信号を受け取ったフォーカスアクチュエータ14は、光ビームの焦点を光ディスク1に対して十分離間した位置から光ディスク1に接近させる。光ビームの焦点が光ディスク1の情報面に一致すると、図15(b)において「情報面位置」として示すように、FE生成器20から出力される信号のレベルが0になる。引込選択器45は、FE生成器20からの信号がゼロクロスする時点で選択出力する信号を切り替え、フォーカスフィルタ21からの信号をフォーカスアクチュエータ14へ送る。これにより、光ディスク1の情報面に対して光ビームの焦点の位置が制御される。このとき、フォーカス制御の対象となる情報面は、光ビームが照射されている側の表面に最も近い位置の情報面である。上述の動作とは逆に、フォーカス駆動発生器22が、光ビームの焦点を光ディスク1に十分接近した位置から離間させる場合には、フォーカス制御の対象となる情報面は、光ビームが照射されている側の表面から最も奥の位置の情報面である。以上説明したように情報面に対するフォーカス制御が開始される。
次に、図17を参照しながら、従来のさらに他の光ディスク装置を説明する。図17は、従来の光ディスク装置530における機能ブロックの構成を示す。光ディスク装置530は、光ビームの焦点を合わせている情報面に対する球面収差を設定することができる。光ディスク装置530は、球面収差発生手段として収差発生器16および収差設定器30を有し、球面収差調整手段として収差調整器32を有する。なお図17では、図14および図16の光ディスク装置と共通する構成要素には共通の参照符号を付しており、その説明は省略する。
光ディスク装置530では、光検出器15の出力信号はFE生成器20およびTE生成器24へ送られる。FE生成器20が出力するフォーカスエラー信号は、フォーカスフィルタ21に送られ、所定の処理が行われてフォーカスアクチュエータ14へ送られる。光検出器15からの信号に基づいて、TE生成器24は光ビームと光ディスク1に形成されたトラックとの位置関係を示すトラッキングエラー(TE)信号を生成し、振幅検出器25へ送る。振幅検出器25はTE生成器24からのトラッキングエラー信号の振幅の大きさを検出して、その結果を収差調整器32へ送る。
収差調整器32は、振幅検出器25からの信号を保存するとともに、その信号に基づいて設定信号を生成し、設定信号を収差設定器30に送る。収差設定器30は収差調整器32から信号を受け取ると、光ビームの焦点における球面収差を発生させる収差設定信号を収差発生器16へ送る。収差発生器16は収差設定信号に基づいて、光ビームの球面収差を変更する。その結果、TE生成器24において生成されるトラッキングエラー信号が変化し、再度振幅検出器25に出力される。所定の範囲で球面収差を変化させて、上述の処理(フィードバック処理)が行われる。収差調整器32は、振幅検出器25からの信号とその信号に対する球面収差の程度を対応付けて管理する。そして、収差調整器32は、振幅検出器25からの信号レベルが最大となる球面収差を発生する設定信号を特定して、その設定信号を収差設定器30に送る。
次に、図18(a)および(b)を参照しながら、光ディスク装置530の球面収差調整動作を説明する。図18(a)は、収差調整器32から出力される設定信号の波形を示す。図18(b)は、振幅検出器25から出力される信号の波形を示す。図18(a)および(b)において、横軸は時間軸を表し、縦軸は信号のレベルを表す。
図18(a)に示すように、収差調整器32は、図に示す時刻t
0以前において収差設定器30に対して所定幅のランプ信号を出力する。このような設定信号に基づいて得られるトラッキングエラー信号は、光ビームの焦点における球面収差が最小である場合に最大の振幅をとる。一方、球面収差が多くなると、トラッキングエラー信号の振幅は劣化する。したがって、振幅検出器25の出力信号波形(図18(b))のレベルが最大になるときの設定信号が、最適な球面収差を与えているといえる。収差調整器32は、振幅検出器25の出力信号のレベルが最大となったときの設定信号のレベルを記憶しており、時刻t
0以降は記憶していた設定信号を収差設定器30に送る。その結果、時刻t
0以降はトラッキングエラー信号の振幅は最大となり、振幅検出器25の出力信号の振幅は最大値が維持される(図18(b))。このようにして、光ビームの焦点における球面収差を最適に調整できる。
特開昭52−80802号公報
従来の光ディスク装置510(図14)では、フォーカスアクチュエータ14の感度や回路系の感度等のばらつきにより、検出した情報面の深さに誤差が生じる。また、回転している光ディスク1は光ディスク1の面ぶれおよび装置の駆動機構等による面ぶれによって情報面の位置が上下に変動する。この変動によっても情報面の深さの検出誤差が生じる。検出誤差が大きくなると、ディスクの種類を誤判別してしまうという問題がある。
従来の光ディスク装置520(図16)では、光ディスク1に3以上の情報面が設けられている場合、中間の情報面に対するフォーカス制御を行うことができない。また、光ディスク1の表面から数えて最も奥の情報面にフォーカス制御を行おうとすると、光ディスク1と集光レンズ13が衝突する可能性が生じる。その理由は、フォーカス制御の開始時には光ビームの焦点は情報面より奥に位置する必要があるため、フォーカス制御動作中の光ディスク1と集光レンズ13との距離が小さくなるからである。
従来の光ディスク装置530(図17)では、FE生成器20からのフォーカスエラー信号もTE生成器24からのトラッキングエラー信号と同様に振幅劣化するため、フォーカス制御が不安定になる。動作開始当初は、光ビームの焦点における球面収差が最適ではないからである。これでは、トラッキングエラー信号を発生させるためにフォーカス制御を動作状態にしても、トラッキングエラー信号の振幅を測定することが困難になる。よって球面収差を最適に調整することも困難になる。
本発明の目的は、複数種類の光ディスクが装填される光ディスク装置において、情報面の深さを検出して、装填された光ディスクの種類を高精度に判別することである。また、本発明の他の目的は、複数の情報面を有する光ディスクの所望の情報面に、高精度にフォーカス制御を開始できるようにすることである。本発明のさらに他の目的は、安定した球面収差の調整動作を実現することである。
本発明による光ディスク装置は、光ディスク表面からの情報面の深さが異なる複数種類の光ディスクに対して情報の書き込みおよび/または読み出しができる。光ディスク装置は、光を放射する光源と、前記光を集束させて焦点を形成するレンズと、前記情報面における前記光の反射光を検出して反射光信号を出力する光検出部と、前記焦点が前記複数種類の光ディスクの情報面の深さに基づいて定められた基準深さに位置するときに、最小の球面収差を発生させる球面収差発生部と、前記レンズの位置を制御して、装填された光ディスクの情報面に垂直な方向に前記焦点を移動させるフォーカス駆動部と、前記焦点の移動に応じて前記検出部から出力された前記反射光信号に基づいて、前記反射光の光量を示す光量信号を検出する光量検出部と、前記光量信号の波形の対称性に基づいて前記表面からの前記情報面の深さを特定し 、特定した前記深さに基づいて前記装填された光ディスクの種類を判別する判別部とを備えている。これにより上記目的が達成される。
光ディスク装置は、前記光量信号の波形が所定期間内で対称であるか非対称であるかを検出して、前記光量信号の波形の対称性を示す対称性表示信号を出力する対称性検出部をさらに備え、前記判別部は、前記対称性表示信号に基づいて前記装填された光ディスクの種類を判別してもよい。
光ディスク装置は、前記焦点と前記情報面との位置関係を示すフォーカス信号を生成するフォーカス信号生成部をさらに備え、対称性検出部は、前記所定期間において前記フォーカス信号のレベルが最大になる第1の時刻および最小になる第2の時刻を特定し、前記第1の時刻および前記第2の時刻における前記光量信号のレベルに基づいて、前記光量信号の波形が対称であるか非対称であるかを検出してもよい。
前記対称性検出部は、前記第1の時刻における前記光量信号の第1のレベルと前記第2の時刻における前記光量信号の第2のレベルとの差分が0の場合に前記光量信号の波形が対称であると検出し、0でない場合に前記光量信号の波形が非対称であると検出してもよい。
前記対称性検出部は、前記差分が0、正および負のいずれであるかを示す前記対称性表示信号を生成し、前記判別部は、前記対称性表示信号に基づいて、前記装填された光ディスクの前記表面から前記情報面までの深さが前記基準深さよりも深いか浅いかを特定してもよい。
前記基準深さは、第1の種類の光ディスクの情報面の深さと第2の種類の光ディスクの情報面の深さとによって規定される範囲内の値であってもよい。
前記判別部は、前記光量信号の波形に基づいて前記装填された光ディスクの情報面の数を特定してもよい。
光ディスク装置は、球面収差の発生量を指示する収差設定信号を生成する収差設定部をさらに備え、前記球面収差発生部は、前記収差設定信号に基づいて球面収差を発生させ、前記判別部は、さらに前記収差設定信号に基づいて前記表面からの前記情報面の深さを特定してもよい。
本発明による光ディスク装置は、光ディスク表面からの深さが異なる複数の情報面を有する光ディスクに対して情報の書き込みおよび/または読み出しができる。光ディスク装置は、光を放射する光源と、前記光を集束させて焦点を形成するレンズと、情報面における前記光の反射光を検出して反射光信号を出力する光検出部と、前記焦点が前記複数の情報面の深さに基づいて定められた基準深さに位置するときに、最小の球面収差を発生させる球面収差発生部と、前記レンズの位置を制御して、前記複数の情報面に垂直な方向に前記焦点を移動させるフォーカス駆動部と、前記焦点の移動に応じて前記検出部から出力された前記反射光信号に基づいて、前記反射光の光量を示す光量信号を検出する光量検出部と、前記光量信号の波形に基づいて 前記光ディスク表面から数えた前記情報面の番号を検出する番号検出部とを備えている。これにより上記目的が達成される。
光ディスク装置は、前記番号検出部によって検出された前記情報面の特定の番号を選択し、前記フォーカス駆動部を駆動して前記特定の番号に対応する特定情報面の近傍に前記焦点を移動させる選択部と、前記焦点と前記情報面との位置関係を示すフォーカス信号を生成するフォーカス信号生成部とをさらに備え、前記フォーカス信号生成部は前記特定情報面に対して前記フォーカス信号を生成してもよい。
前記特定情報面は、前記選択部の指示に基づいて変更することが可能であってもよい。
光ディスク装置は、前記光量信号の波形が所定期間内で対称であるか非対称であるかを検出して、前記光量信号の波形の対称性を示す対称性表示信号を出力する対称性検出部をさらに備え、前記番号検出部は、さらに前記対称性表示信号に基づいて前記装填された光ディスクの表面から数えた前記情報面の番号を検出してもよい。
前記対称性検出部は、前記所定期間において前記フォーカス信号のレベルが最大になる第1の時刻および最小になる第2の時刻を特定し、前記第1の時刻および前記第2の時刻における前記光量信号のレベルに基づいて、前記光量信号の波形が対称であるか非対称であるかを検出してもよい。
本発明による光ディスク装置は、情報面を有する光ディスクに対して情報の書き込みおよび/または読み出しができる。光ディスク装置は、光を放射する光源と、前記光を集束させて焦点を形成するレンズと、前記情報面における前記光の反射光を検出して反射光信号を出力する光検出部と、制御信号に基づいて球面収差を発生させる球面収差発生部と、前記レンズの位置を制御して前記情報面に垂直な方向に前記焦点を移動させるフォーカス駆動部であって、前記情報面の一方の側と他方の側との間で前記焦点を往復して移動させるフォーカス駆動部と、前記焦点の移動に応じて前記検出部から出力された前記反射光信号に基づいて、前記反射光の光量を示す光量信号を検出する光量検出部と、前記光量信号の波形が対称であるか非対称であるかを検出して、前記光量信号の波形の対称性を示す対称性表示信号を出力する対称性検出部と、前記対称性表示信号に応じて前記制御信号を生成する収差調整器であって、前記光量信号の波形が対称であることを示す前記対称性表示信号を特定して、特定された前記対称性表示信号を与える制御信号を前記球面収差発生部に設定する収差調整器とを備えている。これにより上記目的が達成される。
光ディスク装置は、前記焦点と前記情報面との位置関係を示すフォーカス信号を生成するフォーカス信号生成部をさらに備え、前記対称性検出部は、所定期間において前記フォーカス信号のレベルが最大になる第1の時刻および最小になる第2の時刻を特定し、前記第1の時刻および前記第2の時刻における前記光量信号のレベルに基づいて、前記光量信号の波形が所定期間内で対称であるか非対称であるかを検出してもよい。
光ディスク装置は、前記焦点と前記情報面との位置関係を示すフォーカス信号を生成するフォーカス信号生成部をさらに備え、前記対称性検出部は、前記所定期間内において前記光量信号のレベルが最大になる第1の時刻および最小になる第2の時刻を特定し、前記第1の時刻および前記第2の時刻における前記フォーカス信号のレベルに基づいて、前記光量信号の波形が対称であるか非対称であるかを検出してもよい。
本発明による光ディスクの種類判別方法は、光ディスク表面からの情報面の深さが異なる複数種類の光ディスクのうちから、装填された光ディスクの種類を判別する。光ディスクの種類判別方法は、光を放射するステップと、レンズによって前記光を集束させて焦点を形成するステップと、前記情報面における前記光の反射光を検出して反射光信号を生成するステップと、前記焦点が前記複数種類の光ディスクの情報面の深さに基づいて定められた基準深さに位置するときに、最小の球面収差を発生させるステップと、前記レンズの位置を制御して、前記装填された光ディスクの情報面に垂直な方向に前記焦点を移動させるステップと、前記焦点の移動に応じて生成された前記反射光信号に基づいて、前記反射光の光量を示す光量信号を検出するステップと、前記光量信号の波形の対称性に基づいて前記表面からの前記情報面の深さを特定し、特定した前記深さに基づいて前記装填された光ディスクの種類を判別するステップとを包含する。これにより上記目的が達成される。
本発明による光ディスクの情報面特定方法は、光ディスク表面からの深さが異なる複数の情報面のうち、光の焦点が存在する情報面を特定する。光ディスクの情報面特定方法は、光を放射するステップと、レンズによって前記光を集束させて焦点を形成するステップと、情報面における前記光の反射光を検出して反射光信号を生成するステップと、前記焦点が前記複数の情報面の深さに基づいて定められた基準深さに位置するときに、前記レンズの球面収差を最小に設定するステップと、前記レンズの位置を制御して、前記複数の情報面に垂直な方向に前記焦点を移動させるステップと、前記焦点の移動に応じて生成された前記反射光信号に基づいて、前記反射光の光量を示す光量信号を検出するステップと、前記光量信号の波形に基づいて 前記光ディスク表面から数えた前記情報面の番号を検出するステップとを包含する。これにより上記目的が達成される。
本発明による球面収差調整方法は、光ディスクの情報面に対する球面収差を調整する。球面収差調整方法は、光を放射するステップと、レンズによって前記光を集束させて焦点を形成するステップと、前記情報面における前記光の反射光を検出して反射光信号を生成するステップと、前記レンズの位置を制御して前記情報面に垂直な方向に前記焦点を移動させるステップであって、前記情報面の一方の側と他方の側との間で前記焦点を往復して移動させるステップと、前記焦点の移動に応じて生成された前記反射光信号に基づいて、前記反射光の光量を示す光量信号を検出するステップと、前記光量信号の波形が対称であるか非対称であるかを検出して、前記光量信号の波形の対称性を示す対称性表示信号を出力するステップと、前記対称性表示信号に応じて前記制御信号を生成するステップであって、前記光量信号の波形が対称であることを示す前記対称性表示信号を特定して、特定された前記対称性表示信号を与える制御信号を設定するステップと、制御信号に基づいて球面収差を発生させるステップとを包含する。これにより上記目的が達成される。
本発明による光ディスクの種類判別プログラムは、光ディスク装置において実行可能であり、光ディスク表面からの情報面の深さが異なる複数種類の光ディスクのうちから、光ディスクの種類を判別するコンピュータプログラムである。光ディスクの種類判別プログラムは、光を放射するステップと、レンズによって前記光を集束させて焦点を形成するステップと、前記情報面における前記光の反射光を検出して反射光信号を生成するステップと、前記焦点が前記複数種類の光ディスクの情報面の深さに基づいて定められた基準深さに位置するときに、最小の球面収差を発生させるステップと、前記レンズの位置を制御して、前記光ディスク装置に装填された光ディスクの情報面に垂直な方向に前記焦点を移動させるステップと、前記焦点の移動に応じて生成された前記反射光信号に基づいて、前記反射光の光量を示す光量信号を検出するステップと、前記光量信号の波形の対称性に基づいて前記表面からの前記情報面の深さを特定し、特定した前記深さに基づいて前記装填された光ディスクの種類を判別するステップとを包含する。これにより上記目的が達成される。
本発明による光ディスクの情報面特定プログラムは、光ディスク装置において実行可能であり、光ディスク表面からの深さが異なる複数の情報面のうち、光の焦点が存在する情報面を特定するコンピュータプログラムである。情報面特定プログラムは、光を放射するステップと、レンズによって前記光を集束させて焦点を形成するステップと、情報面における前記光の反射光を検出して反射光信号を生成するステップと、前記焦点が前記複数の情報面の深さに基づいて定められた基準深さに位置するときに、前記レンズの球面収差を最小に設定するステップと、前記レンズの位置を制御して、前記複数の情報面に垂直な方向に前記焦点を移動させるステップと、前記焦点の移動に応じて生成された前記反射光信号に基づいて、前記反射光の光量を示す光量信号を検出するステップと、前記光量信号の波形に基づいて 前記光ディスク表面から数えた前記情報面の番号を検出するステップとを包含する。これにより上記目的が達成される。
本発明による球面収差調整プログラムは、光ディスク装置において実行可能であり、光ディスクの情報面に対する球面収差を調整するコンピュータプログラムである。球面収差調整プログラムは、光を放射するステップと、レンズによって前記光を集束させて焦点を形成するステップと、前記情報面における前記光の反射光を検出して反射光信号を生成するステップと、前記レンズの位置を制御して前記情報面に垂直な方向に前記焦点を移動させるステップであって、前記情報面の一方の側と他方の側との間で前記焦点を往復して移動させるステップと、前記焦点の移動に応じて生成された前記反射光信号に基づいて、前記反射光の光量を示す光量信号を検出するステップと、前記光量信号の波形が対称であるか非対称であるかを検出して、前記光量信号の波形の対称性を示す対称性表示信号を出力するステップと、前記対称性表示信号に応じて前記制御信号を生成するステップであって、前記光量信号の波形が対称であることを示す前記対称性表示信号を特定して、特定された前記対称性表示信号を与える制御信号を設定するステップと、制御信号に基づいて球面収差を発生させるステップとを包含する。これにより上記目的が達成される。
本発明によれば、光ディスクにおいて反射した光の光量信号の波形の対称性に基づいて、光ディスク表面からの情報面の深さを特定し、特定した深さに基づいて装填された光ディスクの種類を判別するので、光ディスク装置の回路等の感度ばらつきに依存することなく、光ディスクの種類を判別することができる。
また、本発明によれば、光ディスクにおいて反射した光の光量信号の波形に基づいて光ディスク表面から数えた情報面の番号を検出するので、光ディスク装置の回路等の感度ばらつきに依存することなく、光ビームが照射されている記録面の位置を判別することができる。その結果、所望の情報面に対して焦点を合わせることができる。特に、情報面が複数存在する場合であっても情報面の位置に依存することなく判別できるので、光ディスクの表面に最も近い情報面および表面から最も奥に存在する情報面以外の情報面を特定することができる。記録面によってフォーカス誤差信号の振幅や対称性の異なる場合に、記録面別の測定を行うことができる。また、光ビームの焦点距離が短く、フォーカス制御開始時に集光レンズと光ディスクが衝突する可能性の高い光ディスク装置の場合でも、任意の記録面に対するフォーカス制御を短時間で開始できる。光量信号の波形の対称性は、和信号の乱れの方向に基づいて検出できる。これにより、例えば、光ディスクが物理規格で規定された所定の基準(記録面の深さの下限値、上限値等)を満たすかどうか確認することができる。
また、本発明によれば、光ディスクにおいて反射した光の光量信号の波形が対称である場合に、その対称性を与える制御信号を球面収差発生部に設定するので、最適な球面収差を所望の値に設定できる。球面収差を検出するために新たに検出信号を増加させることもなく、またフォーカス制御を行うことなく所望の情報面に最適な球面収差を設定できる。対称性検出部はフォーカス信号が最大となる時の光量検出部の光量信号レベルと、フォーカス信号が最小となる時の光量検出部の光量信号レベルとを比較した結果に基づいて対称性を検出するので、合焦点付近で和信号の変化の少ない場合においても、精度良く和信号の乱れを検出することができる。または、フォーカス信号の最大レベルおよび最小レベル付近で変化の少ない場合においても精度良く和信号の乱れを検出することができる。
以下、添付の図面を参照して本発明を説明する。図面では、同じ参照符号が付された構成要素は、同様の機能および構成を有し、同様の動作を行うとする。本発明の種々の実施形態を説明するに先立って、まず光ディスク装置が情報を記録し、記録された情報を再生する対象である光ディスクを説明する。
図1は、光ディスク1の外観を示す。光ディスク1は、例えばCD、DVD、BD等の円盤状の記録媒体である。光ディスク装置は、光ディスク1の一方の側にレーザ等の光を照射して情報を記録し、または記録された情報を読み出す。情報は、相変化材料等により形成された記録膜に記録される。以下では、記録膜を情報面と称する。情報面は所定の反射率を有し、受けた光を反射する。情報面は、例えばスパイラル状に形成された複数のトラック(図示せず)を有する。各トラックは、情報面の溝部または谷部の領域として規定される。
光ディスク1は、その種類に応じて表面から情報面までの深さが異なる。図2(a)〜(c)は、異なる種類の光ディスク1の断面を示す。具体的には、図2(a)はCD、図2(b)はDVD、図2(c)はBDを示す。断面方向は、光ディスク1の情報面に垂直な方向である。参考のため、表面2から入射して情報面に焦点を結ぶ光110を示す。本明細書では、情報を記録し、または記録された情報を読み出すために光が照射される光ディスクの面を「表面」という。図示されるように、CDの情報面Laは表面2から1200μm、DVDの情報面Lbは表面2から600μm、BDの情報面Lcは表面2から100μmの深さに設けられている。情報面の深さは、例えば情報面を保護する保護膜の厚さに相当する。
また、同じ種類の光ディスクであっても、必要な記憶容量との関係から情報面の数が異なる場合がある。例えばBDでは、1層、2層、4層等の情報面を設けることができる。図3は、複数の情報面L0、L1、・・・、Lnを有する光ディスク1の断面を示す。各情報面は、表面からそれぞれ異なる深さに、例えば25μm間隔(I)で設けられている。
以下、本発明による光ディスク装置の実施形態を説明する。
(実施形態1)
図4は、本実施形態による光ディスク装置100における機能ブロックの構成を示す。光ディスク装置100は、複数種類の光ディスクに情報を記録し、複数種類の光ディスクに記録された情報を再生することができる。ただし、光ディスク装置100は記録機能および再生機能の両方を備えていなくてもよく、例えば、複数種類の光ディスクに記録された情報の再生のみが可能であってもよい。
光ディスク1が装填されると、光ディスク装置100は、まず光ディスク1の種類の判別処理を実行する。その理由は、光ディスク1の種類に応じて光ディスク1から情報を再生等するためのレーザ光の波長、再生処理等が異なるからである。さらに光ディスク1の種類に応じて光ディスク1の構造も異なるからである。図2(a)〜(c)に示すように、光ディスク1の種類に応じて光ディスク1の表面からの情報面の深さは異なっている。
本実施形態では、光ディスク装置100による光ディスクの種類判別処理を説明する。便宜上、以下では装填される光ディスク1の情報面は1つであるとして説明するが、複数の情報面を有する光ディスクの場合には選択された特定の情報面と読み替えることができる。
光ディスク装置100は、光ヘッド10と、フォ―カスエラー(FE)生成器20と、フォーカス駆動発生器22と、収差設定器30と、反射光量検出器40と、非対称性検出器41と、ディスク判別器42とを有する。
光ヘッド10は、フォーカス駆動発生器22および収差設定器30からの収差設定信号に基づいて光ディスク1にレーザ光を照射し、その反射光を検出して出力する。光ヘッド10は、光源11と、ビームスプリッタ12、レンズ13と、フォーカスアクチュエータ14と、光検出器15と、収差発生器16とを有する。
光ヘッド10の光源11は、取り扱い可能な光ディスク1に応じた波長のレーザを放射する。例えば、光ディスク装置100がCD、DVD−ROMおよびBDを再生可能であるとすると、光源11は、CD用の赤色レーザ(波長:750nm)、DVD−ROM用の赤色レーザ(波長:650nm)およびBD用の青紫色レーザ(405nm)の光を放射する。ビームスプリッタ12は、光源11からの光を透過する一方、光ディスク1からの反射光を反射して光検出器15へと方向付ける。レンズ13は、光源11からの光を集光して焦点を形成する。レンズ13は弾性体(図示せず)で支持されている。
フォーカスアクチュエータ14は、フォーカス駆動発生器22からの駆動信号に基づいてレンズ13の位置を制御し、光ディスク装置100に装填された光ディスクの情報面に垂直な方向(以下、「フォーカス方向」と称する)に焦点を移動させる。例えば、駆動信号がフォーカスアクチュエータ14に与えられると、フォーカスアクチュエータ14内部にはその駆動信号のレベル(信号電圧値)に応じた電流が流れ、電磁気力が発生する。その結果、フォーカスアクチュエータ14は電磁気力の大きさに応じてレンズのフォーカス方向の位置を変化できる。
光検出器15は、受け取った光(ここでは光ディスク1からの反射光)の位置および光量に応じて、それらを特定可能な信号に変換した信号を出力する。収差発生器16は、収差設定信号に基づいて球面収差を発生させる。「球面収差」とは、レンズ13の内側を通る光の焦点位置と外側を通る光の焦点位置とのずれ量をいう。収差発生器16は、収差設定信号のレベル(信号電圧値)に応じてレンズ13に入射する光110の経路を調整することにより、球面収差の発生量を調整できる。図5は、球面収差が発生していない場合の収束状態を示す。図から理解されるように、レンズ13の内側を通る光の焦点位置と外側を通る光の焦点位置とは一致しているため、ずれ量は0である。
再び図4を参照しながら、光ディスク装置100の構成を説明する。FE生成器20は、光検出器15が出力した信号に基づいて、光ディスク1上の光の焦点と情報面との位置関係を示すフォーカスエラー信号(FE信号)を生成する。位置関係とは、光ディスク1のフォーカス方向に関する位置関係である。すなわちフォーカスエラー信号は、光ディスク1の情報面に対する光の収束状態を示している。これは焦点位置のずれと同義である。フォーカスエラー信号によれば、光の焦点が情報面上に位置するか、情報面の表面側に位置するか、表面側とは反対側(奥)に位置するかを特定できる。
フォーカス駆動発生器22は、集光レンズ13を光ディスク1に対して接近あるいは離間するフォーカスアクチュエータ14への駆動信号を生成する。例えば、駆動信号のレベル(電圧)が大きい場合には光ディスク1に接近する方向にレンズ13を移動させることができ、小さい場合にはレンズ13を離間する方向にレンズ13を移動させることができる。収差設定器30は、球面収差を発生させるための収差設定信号を出力する。
反射光量検出器40は、光検出器15から出力された信号に基づいて、反射光の光量を示す光量信号を生成して出力する。例えば反射光量検出器40は、光検出器15が出力した信号の総和を演算し光量信号として出力する。
上述のように、光検出器15から出力される信号は光ディスク1からの反射光に基づいて生成される。したがって、光ディスク1への光の当たり方(具体的には球面収差の発生量)と反射光量検出器40から出力される光量信号とは密接に関係がある。以下、図4および図6(a)〜(j)を参照しながらその関係をより詳しく説明する。
図6(a)〜(j)は、球面収差の発生量と光量信号との関係を示す。まず図6(e)に示されるように、光ディスク1の表面から深さD3の位置に存在する情報記録面に対して焦点が合うとともに、球面収差が0の状態(すなわち球面収差が発生していない状態)に調整されているとする。このときの深さD3を基準深さDとおく。いま、収差設定器30は収差発生器16(図4)へ与えている収差設定信号のレベル(信号電圧値)を固定し、さらにレンズ13に入射する光110の経路を固定する。フォーカスアクチュエータ14が駆動されて、基準深さDよりも浅い位置から基準深さDを超えてさらに奥の深い位置まで焦点の位置を徐々に移動させると、反射光量検出器40は図6(f)に示す波形の光量信号を出力する(横軸は時間軸)。図から明らかなように、波形には対称性があり、光量信号の最大振幅を与える時刻Pにおいて、焦点は深さDの記録面上に位置する。
次に、収差設定器30が収差設定信号のレベル(信号電圧値)を固定した状態で、基準深さDと異なる深さに情報記録面を有する光ディスクを装填し、その情報記録面に焦点を合わせる場合を考える。図6(a)は表面からの深さD1(D1<D)の位置に存在する情報記録面に焦点が合った状態を示す。レンズ13の内側を通った光の焦点位置は情報記録面よりも奥に、レンズ13の外側を通った光の焦点位置は情報記録面よりも手前になる。両方の焦点位置が一致していないので、このとき球面収差は発生している。上述の処理と同様に、焦点の位置を、深さD1よりも浅い位置から深さD1を超えたさらに深い位置まで徐々に移動させると、反射光量検出器40は図6(b)に示す波形の光量信号を出力する。時刻Pにおいて、焦点の位置が情報記録面の位置に一致する。すると図6(c)に示すように、深さD2(D1<D2<D)の位置に情報記録面を有する別の光ディスクを装填し、その情報記録面に焦点を合わせた場合には、図6(d)の光量信号が生成される。図6(g)および図6(h)、図6(i)および図6(j)の対応関係も同様である。ただし図6(g)に示す光ディスクの情報記録面は深さD4(D<D4)に位置し、図6(i)に示す光ディスクの情報記録面は深さD5(D<D4<D5)に位置する。いずれの場合も、レンズ13の内側を通ってきた光の焦点位置は情報記録面よりも手前に、レンズ13の外側を通ってきた光の焦点位置は情報記録面よりも奥になる。
図6(b)、(d)、(f)、(h)、(j)から明らかなように、光量信号の波形が対称の場合には球面収差は発生しておらず、非対称の場合には球面収差が発生している。非対称の場合には、情報記録面の位置が基準深さDよりも浅いまたは深いことを意味する。情報記録面の位置が基準深さDよりも浅い場合(図6(b)、(d)の場合)には、反射光量信号の最大レベルは、焦点が情報記録面よりも奥の位置に存在するときに得られる。逆に情報記録面の位置が基準深さDよりも深い場合(図6(h)、(j)の場合)には、反射光量信号の最大レベルは、焦点が情報記録面よりも浅い位置に存在するときに得られる。
これらの事実から、反射光量信号のレベルが最大になった時刻が時刻Pよりも早い場合には、その光ディスクの情報記録面の深さは基準深さDよりも深いと言える。また、反射光量信号のレベルが最大になった時刻が時刻Pよりも遅い場合には、その光ディスクの情報記録面の深さは基準深さDよりも浅いと言える。さらにその遅さの程度および早さの程度に応じて、光ディスクの情報記録面の深さが基準深さDに対してどの程度浅いかまたは深いかを特定できる。以下に説明する処理は、上述の原理に基づいて行われている。なお、他の例として、反射光量信号の波形の相違を、フォーカスエラー信号が最大のときの反射光量信号のレベルとフォーカスエラー信号が最小のときの反射光量信号のレベルとの差に基づいて判定し、情報記録面の深さが基準深さDに対してどの程度浅いかまたは深いかを特定することもできる。
図4に示す非対称性検出器41は、光量信号の波形が対称であるか非対称であるかを検出して、その光量信号の波形の対称性を示す対称性表示信号を出力する。以下の実施形態では、非対称性検出器41は、さらにフォーカスエラー信号を利用して対称性を特定する。具体的には、非対称性検出器41はFE生成器20からの信号のレベルが最大になったときの反射光量検出器40の出力信号と、FE生成器20からの信号のレベルが最小になったときの反射光量検出器40の出力信号との差分を演算する。そして非対称性検出器41は、差分の大きさに応じて対称性を特定し、その差分の正負を示す対称性表示信号を生成する。
以下、図7〜図9を参照しながら、非対称性検出器41の処理を説明する。説明中、焦点の位置を合致させる情報面を「対象情報面」と称する。
図7(a)〜(c)は、最適な球面収差が得られる基準深さと対象情報面の位置とが一致する場合に得られる信号波形を示す。図7(a)はフォーカスエラー信号の波形を示し、図7(b)は反射光量信号の波形を示し、図7(c)は対称性表示信号を示す。図7(a)〜(c)において、横軸は時間軸であり、縦軸は信号のレベルである。対象情報面に対して球面収差が最適な場合、図7(a)の期間Rにおいてフォーカスエラー信号のレベルが0になったときに、焦点が対象情報面上に位置する。このとき球面収差も0になるので、図7(b)に示す反射光量信号のレベルは最大になる。
非対称性検出器41が反射光量信号の対称性を検出する手順は以下のとおりである。まず期間Rにおいて、非対称性検出器41は時刻t1、t2、t3を規定する。これらはそれぞれ、フォーカスエラー信号が最大レベルになる時刻、ゼロクロスの時刻および最小レベルになる時刻である。フォーカスエラー信号の波形は、対象情報面に関して概ね対称となる。そして、非対称性検出器41は、時刻t1、t3における反射光量信号のレベルT(t1)、T(t3)を求め、その差分(T(t1)−T(t3))を計算する。図から理解されるように、この例の場合にはT(t1)=T(t3)であるから、T(t1)−T(t3)=0である。非対称性検出器41は反射光量信号が時刻t2を基準として対称であると判断し、値が0の対称性表示信号を生成して出力する。なお、図では期間Rの終了と同時に対称性表示信号を生成しているが、これは例であり、例えば時刻t3の経過後であれば期間Rの経過前に求めてもよい。
図8(a)〜(c)は、最適な球面収差が得られる基準深さよりも対象情報面の位置が深い場合に得られる信号波形を示す。図8(a)はFE信号の波形を示し、図8(b)は反射光量信号の波形を示し、図8(c)は対称性表示信号を示す。非対称性検出器41は、上述の手順によって時刻t1、t2、t3を規定し、時刻t1、t3における反射光量信号のレベルT(t1)、T(t3)に基づいて反射光量信号の対称性を検出することができる。この例の場合には、T(t1)>T(t3)すなわちT(t1)−T(t3)>0である。非対称性検出器41は反射光量が対称でないと判断し、その差分に応じた正の対称性表示信号(図8(c))を生成して出力する。例えば、対称性表示信号の値を差分と同じ{T(t1)−T(t3)}(>0)として与えることができる。
最適な球面収差が得られる基準深さよりも対象情報面の位置が深い場合には、フォーカスエラー信号の振幅は図7(a)の波形よりも劣化する。そして反射光量信号の波形は、フォーカスエラー信号のゼロクロス時刻t2に関して線対称とならず、反射光量信号のレベルは、焦点の位置が対象情報面より浅い位置において最大になる。
図9(a)〜(c)は、最適な球面収差が得られる基準深さよりも対象情報面の位置が浅い場合に得られる信号波形を示す。図9(a)はFE信号の波形を示し、図9(b)は反射光量信号の波形を示し、図9(c)は対称性表示信号を示す。非対称性検出器41は、上述の手順によって時刻t1、t2、t3を規定し、時刻t1、t3における反射光量信号のレベルT(t1)、T(t3)に基づいて反射光量信号の対称性を検出することができる。この例の場合には、T(t1)<T(t3)すなわちT(t1)−T(t3)<0である。非対称性検出器41は反射光量が対称でないと判断し、その差分に応じた負の対称性表示信号(図9(c))を生成して出力する。例えば、対称性表示信号の値を差分と同じ{T(t1)−T(t3)}(<0)として与えることができる。
図9(a)に示すように、最適な球面収差が得られる基準深さよりも対象情報面の位置が浅い場合には、フォーカスエラー信号の振幅は図7(a)の波形よりも劣化する。そして反射光量信号の波形は、フォーカスエラー信号のゼロクロス時刻t2に関して線対称とならず、反射光量信号のレベルは焦点の位置が対象情報面より深い位置において最大になる。
再び図4を参照しながら光ディスク装置100の構成を説明する。ディスク判別器42は、非対称性検出器41が出力した対称性表示信号に基づいて、光ディスク1の表面からの情報面が存在する深さを特定し、その結果に基づいて装填された光ディスクの種類を判別する。ディスク判別器42はさらに、収差設定器30から出力された収差設定信号をさらに利用して、光ディスクの種類を判別することができる。具体的には、収差設定信号が現在設定を指示している球面収差の位置、大きさ等である。
次に、図4および図10を参照しながら光ディスク装置100の動作を説明する。まず光ディスク装置100が情報を記録し、および/または再生できる光ディスクは複数存在し、その各々は表面から情報面までの深さはすべて固有であり互いに異なる。そのため、情報面が存在する深さが特定できれば、光ディスクの種類を判別することができる。ただし深さは具体的な数値として特定されなくてもよい。
以下では、装填された光ディスクが、2種類の光ディスク(光ディスクAおよびB)のうちのいずれであるかを判別する処理を説明する。この処理では、ディスク表面からの情報面の位置がある基準深さよりも深いか浅いかによって、光ディスク1の種類を判別する。ここでは光ディスクBの情報面に対して、光ディスクAの情報面がより浅い位置に設けられているとする。例えば、光ディスクAは図2(c)のBD、光ディスクBは図2(b)のDVDである。
図10は、光ディスク装置100の動作を示すフローチャートである。まずステップ121において、収差設定器30または中央処理ユニット(図示せず)は、判別可能な光ディスクAと光ディスクBの情報面の深さの平均値を計算する。この平均値を基準深さDとする。この光ディスクAおよびBの各情報面の深さは、設計上定められている深さである。この基準深さDは、光ディスク装置100が動作するたびに計算される必要はなく、プリセット値として保持していてもよい。
次に、ステップ122において、収差設定器30は、焦点が基準深さDに位置したときに球面収差を最小にする収差設定信号を出力する。ここでいう「最小」とは、球面収差が0、または球面収差の量が最も少ないことを意味する。収差発生器16は、収差設定信号にしたがった設定を行う。
なお、ステップ121および122は、種類判別の対象となる光ディスク1が装填される前に行うこともできる。すなわち設定値を予め記憶しておくことにより、例えば光ディスク装置100の電源投入と同時に上述の処理を行ってもよい。
ステップ123において、光ディスクが装填されると、光源11は光を放射する。フォーカス駆動発生器22は光の焦点を光ディスク1から十分離間した位置から接近させる。それに伴って、FE生成器20はフォーカスエラー信号を生成し、反射光量検出器40は反射光量信号を生成する。ステップ124において、非対称性検出器41は、所定期間においてフォーカスエラー信号のレベルが最大になる時刻t1と最小になる時刻t3とを特定する。その後、ステップ125において、非対称性検出器41は、時刻t1での反射光量信号のレベルおよび時刻t3での反射光量信号のレベルの差分を演算し、対称性表示信号を生成する。
ステップ126において、ディスク判別器42は、対称性表示信号が負か否かを判断する。負の場合は、ステップ127に進む。一方、負ではない場合にはステップ128に進む。
ステップ127では、ディスク判別器42は、装填された光ディスクは基準深さDよりも浅い位置に情報面を有する光ディスクAであると判別する。これは、図6(a)〜(d)および図9(a)〜(c)に該当する場合である。その後、処理は終了する。
ステップ128において、ディスク判別器42は、対称性表示信号が正か否かを判断する。正の場合は、ステップ129に進む。一方、正ではない場合には処理を終了する。
ステップ129では、ディスク判別器42は、装填された光ディスクは基準深さDよりも深い位置に情報面を有する光ディスクBであると判別する。これは、図6(g)〜(j)および図8(a)〜(c)に該当する場合である。その後、処理は終了する。
なお、対称性表示信号が正でも負でもない場合、すなわち0の場合はエラーであるとして再度実行してもよい。上述の処理は2つの情報面に対して行われ、かつ、情報面の深さの平均値を基準深さDとしているため、対称性表示信号が0になる(すなわち情報面の深さが基準深さDに一致する)ことはないと考えられるからである。
以上、光ディスク装置100の動作を説明した。
上述の処理は、3種類の光ディスクを判別する場合にも利用できる。具体的には、表面からの情報面の深さを順に並べたときの2番目の情報面の深さを基準深さDとして採用すればよい。そして対称性表示信号が正でも負でもなく、0である場合には、装填された光ディスクは2番目の情報面の深さを有する光ディスクであると判別すればよい。
上述の処理を繰り返し適用すれば、3種類以上の光ディスクを判別することができる。例えば光ディスク装置100が情報を記録し、および/または再生できる光ディスクの種類を4種類(光ディスクA〜D)と仮定する。光ディスクA〜D各々の表面から情報面までの深さをd1、d2、d3、d4(d1<d2<d3<d4)とおく。まず、光ディスクAおよびBの各情報面の深さに基づいて基準深さD1を求め、図10の処理を行う。光ディスクの種類が光ディスクAであると判別されると、装填された光ディスクの種類は光ディスクAであるとして処理を終了する。一方、光ディスクBであると判別されると、次に光ディスクBとCの各情報面の深さに基づいて基準深さD2を求め、再び図10の処理を行う。その結果、光ディスクの種類が光ディスクBであると判別されると、装填された光ディスクの種類は光ディスクBであるとして処理を終了する。一方、光ディスクCであると判別されると、次に光ディスクCとDの各情報面の深さに基づいて基準深さD3を求め、再び図10の処理を行う。その結果、装填された光ディスクの種類が光ディスクCまたはDのいずれであるかが判別される。以上の処理により、光ディスクA〜Dのいずれが装填されたかを判別できる。
上述の説明では、光源11が放射する光(レーザ)の波長は特に限定されない。しかし、より短い波長の方が、種々の信号の検出感度は高くなる。例えば、光ディスク装置100がCD、DVD−ROMおよびBDを再生可能であるとすると、CD用のレーザ(波長:750nm)よりも短いBD用のレーザ(405nm)を用いて上述の処理を行う方が検出感度は高くなる。
なお、本実施形態では、反射光量検出器40の反射光量信号の非対称性を検出するために、FE生成器20から出力されるフォーカスエラー信号が最大および最小になるときの反射光量信号のレベルの差分を計算した。しかしこれは例であり、他には、例えば反射光量検出器40の信号レベルが最大になるときのフォーカスエラー信号のレベルを利用して求めることもできる。
また、本実施形態では、光の焦点が判別可能な光ディスクの情報面の平均深さの位置にあるときに球面収差が最小になるように設定した。しかし、フォーカスエラー信号および反射光量信号の劣化が大きくなり検出不能とならない範囲であればどのように設定してもよい。
本実施形態では、非対称性検出器41からの対称性表示信号を光ディスク1のディスク種類を判別するために用いていたが、光ディスク1の情報面の層数を検出するため、光ディスク1の情報面が規定の範囲に存在するか確認するために用いてもよい。
(実施形態2)
本実施形態の光ディスク装置は、複数の情報面を有する光ディスクに対する処理を行う。具体的には、光ディスク装置は、光ディスクの所望の情報面までの深さを求め、その深さに基づいて所望の情報面に対するフォーカス制御を行う。
図11は、本実施形態による光ディスク装置200における機能ブロックの構成を示す。光ディスク装置200と実施形態1による光ディスク装置100(図4)との相違点は、光ディスク装置100のディスク判別器42に代えて、フォーカスフィルタ21、非対称性検出器41および層別引込選択器46を設けた点にある。以下では主としてこの相違点に関連する構成および動作を説明する。特に説明していない構成要素の機能および動作は、同じ参照符号を付した図4の光ディスク装置100の各構成要素と同じである。また、光ディスク装置200に装填される光ディスク1は、例えば図3に示すように、複数の情報面を有する。光ディスク装置200は、装填された光ディスク1の情報面の数、光ディスク1表面からの各情報面の深さ等に関する情報を予め保持している。
光ディスク装置200は、複数の情報面のうちから、情報の記録および/または再生の対象となる情報面(以下、「所望の情報面」と称する)を指定され、その所望の情報面に対してフォーカス制御を行う。所望の情報面の指定は、例えば情報が記録された位置を特定した中央処理ユニット(図示せず)によって行われる。その結果、所望の情報面への情報の記録および/または再生が可能になる。なお、所望の情報面は、光ディスク1の表面からの深さが最も浅いまたは最も深い情報面に限られることはなく、それらの情報面の間に存在する情報面であってもよい。
まず、FE生成器20から出力されたフォーカスエラー信号は、フォーカスフィルタ21、非対称性検出器41および層別引込選択器46へ送られる。非対称性検出器41から出力された対称性表示信号は層番号検出器44へ送られる。
層番号検出器44は、非対称性検出器41から出力された対称性表示信号と収差設定器30から出力された収差設定信号とに基づいて、光ビームの焦点が位置する情報面が光ディスク1の表面から何番目に位置する情報面であるかを特定する。以下、情報面が3層存在する場合を例にしてより具体的に説明する。まず、中間(2層目)の情報面において球面収差が最小になるように設定し、3層の情報面を有する光ディスク1の表面側から深さ方向に向かって焦点の位置を連続的に移動させる。すると、フォーカスエラー信号の波形として、順に図9(a)、図7(a)および図8(a)の波形が現れる。実施形態1の光ディスク装置100に関連して説明したように、非対称性検出器41から出力された対称性表示信号は、例えば図7(a)に示す所定期間Rにおいて1つの離散値を出力する。よって、図9(a)、図7(a)および図8(a)のフォーカスエラー信号波形が得られた場合、図9(c)、図7(c)および図8(c)に示す対称性表示信号が得られる。
得られる対称性表示信号の離散値のレベルは、情報面の位置に対応する。層番号検出器44は、対称性表示信号の離散値のレベルに基づいて、光ビームの焦点が位置する情報面が光ディスク1の表面から数えて何番目に位置する情報面であるかを特定することができる。具体的に説明すると、層番号検出器44は、対称性表示信号の離散値が負であれば、光ビームの焦点が位置する情報面は表面から数えて最も近い1番目の層に、0であれば2番目の層に、正であれば表面から数えて最も奥の3番目の層に存在すると判断する。層番号検出器44は、何番目の情報面であるかを特定した情報(番号情報)を示す番号表示信号を出力する。
層別引込選択器46は、番号表示信号とフォーカスエラー信号とに基づいて、フォーカスフィルタ21から出力された信号およびフォーカス駆動発生器22から出力された信号のいずれか一方を選択して出力する。選択され出力された信号は、駆動信号としてフォーカスアクチュエータ14に送られている。フォーカスアクチュエータ14はその駆動信号に基づいて焦点を移動させる。その後、番号表示信号が所望の層番号を示し、かつフォーカスエラー信号がゼロクロスすると、その時点で層別引込選択器46は選択出力する信号を切り替える。例えば、動作開始時には、層別引込選択器46はフォーカス駆動発生器22からの信号を選択しており、通常のフォーカス動作が行われている。そして、番号表示信号が所望の層番号を示し、かつフォーカスエラー信号がゼロクロスすると、層別引込選択器46は、フォーカスフィルタ21から出力された信号を選択して出力する。
以下、光ディスク装置200の動作を説明する。本実施形態では、光ディスク表面からの各情報面の深さの平均値を求める。この平均値を基準深さDとする。収差設定器30は、基準深さDに焦点が位置したときに最適な球面収差を発生するように、収差設定信号を生成する。ここでは、光ディスク表面から中間の情報面までの深さを基準深さDとし、基準深さDにおいて球面収差が最小になるように設定する。収差発生器16は、収差設定器30の収差設定信号にしたがった設定を行う。なお、光ディスク表面からの各情報面の深さは設計値として予め得られているので、基準深さDも予め計算してプリセット値として保持しておいてもよい。
動作開始当初は、光ディスク装置200はフォーカス制御を非動作状態にしている。このとき層別引込選択器46は、フォーカス駆動発生器22からの駆動信号を選択してフォーカスアクチュエータ14へ送っている。フォーカスアクチュエータ14は、駆動信号を受けて光ディスク1に対して十分離間した位置から光ビームの焦点を移動させ、光ディスク1に接近させる。
光ビームの焦点がフォーカス方向に移動し続けると、焦点は光ディスク1の情報面を通過する。このときFE生成器20からは、例えば図9(a)に示す波形のフォーカスエラー信号が得られる。そして光ビームの焦点が情報面を通過したとき、フォーカスエラー信号はゼロクロスする(図9(a)の時刻t2)。焦点がより深い位置へ移動し、次の情報面およびさらにその次の情報面を順に通過すると、図7(a)および図8(a)のフォーカスエラー信号が得られる。一方、上述の焦点移動を行ったときに反射光量検出器40から出力される反射光量信号は、図9(b)、図7(b)および図8(b)に示される形状に順に変化する。反射光量信号が一致していない理由は、実施形態1と同様、情報面までの深さと基準深さDとの差に応じて、反射光量信号に球面収差の影響が現れるからである。
非対称性検出器41は反射光量検出器40が最大となるときのFE生成器20からの信号のレベルによって、このような反射光量検出器40からの信号の非対称性を検出する。層番号検出器44は、非対称性検出器41からの非対称性情報と収差設定器30が収差発生器16に指定している球面収差発生量とに基づいて、情報面の深さを特定する。すなわち、情報面の位置が基準深さDよりも深いか浅いかを判定する。そして、検出した深さに基づいて、光ディスク1のどの情報面に光ビームの焦点が位置しているかを判別する。層番号検出器44から所望の層番号が出力され、かつFE生成器20からの信号がゼロクロスする時点で、層別引込選択器46は、フォーカスフィルタ21からの信号を選択してフォーカスアクチュエータ14へ送るように切替わる。これにより、光ディスク1の情報面に対して光ビームの焦点位置が制御される。この結果、所望の情報面に対してフォーカス制御が行われる。
以上説明したように、光ビームの焦点が位置する情報面の深さと、球面収差に応じた反射光量検出器40からの信号の対称性変化とを検出することで、各情報面の位置を特定することができ、特定した位置に基づいて、光ディスク1の所望の情報面に対するフォーカス制御を開始することができる。特に隣接以外の記録面に対してジャンプ動作を行う場合にも、ジャンプ先の情報面を特定した後でジャンプするため、1回のジャンプで短時間に移動することができる。
なお、本実施形態では、反射光量検出器40の信号レベルが最大になるときのフォーカスエラー信号のレベルに基づいて、反射光量検出器40の反射光量信号の非対称性を検出するとした。しかしこれは例であり、他には、FE生成器20から出力されるフォーカスエラー信号が最大および最小になる時刻の反射光量信号の各々のレベルの差分に基づいて反射光量信号の非対称性を検出することもできる。これは実施形態1と同様である。また、本実施形態では、光の焦点が判別可能な光ディスクの情報面の平均深さの位置にあるときに球面収差が最小になるように設定した。しかし、フォーカスエラー信号および反射光量信号の劣化が大きくなり検出不能とならない範囲であればどのように設定してもよい。
本実施形態では、層番号検出器44から出力された番号表示信号に基づいて、所望の情報面に対するフォーカス制御を開始するとした。しかし、番号表示信号は、光ディスク1の情報面別にFE生成器20からの信号振幅等の情報を測定するためにも利用でき、または、フォーカス制御が動作している状態で、他の情報面へ移動するために利用してもよい。
(実施形態3)
本実施形態の光ディスク装置は、フォーカス制御を行うことなく、光ディスクの情報面に光ビームの焦点が位置したときに最適な球面収差を発生する。
図12は、本実施形態による光ディスク装置300における機能ブロックの構成を示す。光ディスク装置300と実施形態1による光ディスク装置100(図4)との相違点は、光ディスク装置100のディスク判別器42に代えて、収差調整器31を設けた点にある。以下では主としてこの相違点に関連する構成および動作を説明する。特に説明していない構成要素の機能および動作は、同じ参照符号を付した図4の光ディスク装置100の各構成要素と同じである。
収差調整器31は、非対称性検出器41から対称性表示信号を受け取る。収差調整器31は、収差設定器30へステップ状の設定信号を送り、球面収差の発生量を変化させる。収差調整器31は、非対称性検出器41からの信号を保持しつつ、フォーカス駆動発生器23に対してハイレベルの信号を送る。その後収差調整器31は、非対称性検出器41からの対称性表示信号が対称であることを示したときの球面収差の発生量を特定し、その球面収差を発生させるように収差設定器30へ設定信号を送る。併せて収差調整器31は、ローレベルの信号をフォーカス駆動発生器23へ送る。
図12および図13(a)〜(c)を参照しながら光ディスク装置300の球面収差調整動作を説明する。図13(a)は、フォーカス駆動発生器23の出力信号を示し、図13(b)は収差調整器31から収差設定器30への設定信号を示し、図13(c)は非対称性検出器41から受け取った対称性表示信号を示す。いずれの図においても横軸は時間軸である。
まず時刻t1に至る前までは、図13(b)に示すように、収差調整器31は収差設定器30に対して所定周期の連続したステップ信号を出力する。そのステップ周期に同期して、図13(a)に示すように、フォーカス駆動発生器23は、
光ビームの焦点が光ディスク1の情報面を挟んでその近傍をフォーカス方向に往復するようにフォーカスアクチュエータ14を駆動する。この結果、光ビームの焦点は、フォーカス方向に関して情報面を繰り返し通過する。光ビームの焦点が光ディスク1の情報面近傍をフォーカス方向に一往復する周期は、収差調整器31から収差設定器30へのステップ状の信号が変化する周期と同期する。収差調整器31からの信号がローレベルになると、フォーカス駆動発生器23はフォーカスアクチュエータ14に対する駆動を停止する。
光ビームの焦点が光ディスク1の各情報面を通過するたびに、FE生成器20から出力されるフォーカスエラー信号は、図7(a)〜図9(a)に示すいずれかの波形を示し、その波形に対応して、反射光量検出器40から出力される光量信号は図7(b)〜図9(b)に示す波形を示す。すなわちフォーカス方向に駆動した結果、光ディスク1表面から情報面までの深さと球面収差が発生しない基準深さとの差に応じて、反射光量検出器40からの信号の対称性が変化する。情報面までの深さが基準深さDよりも浅い場合には図9(a)(b)の波形が得られ、情報面までの深さが基準深さDよりも深い場合には図8(a)、(b)の波形が得られる。
非対称性検出器41は、反射光量検出器40が最大となるときのFE生成器20からの信号のレベルによって、このような反射光量検出器40からの信号の非対称性を検出する。図13(c)に示すように、非対称性検出器41はフォーカス駆動発生器23が一往復するたびに収差調整器31へ信号を送る。収差調整器31は、非対称性検出器41からの対称性表示信号の絶対値が最小となるときの収差設定器30に対する設定信号のレベルを逐次更新する。ここでは、対称性表示信号が0となった時刻の収差設定器30に対する設定信号のレベルが最小値として記憶される。収差調整器31は、図13の時刻t1以降は、最小値として記憶した設定信号を収差設定器30へ送る。これによりその情報面の位置において最適な球面収差を発生させることができる。
このようにして、光ビームの焦点が位置する情報面の深さと収差発生器16によって発生する球面収差に応じた、反射光量検出器40からの信号の対称性変化を検出することで、フォーカス制御を行うことなく光ディスク1の情報面に最適になるような光ビームの焦点における球面収差を発生するように球面収差調整動作を行うことができる。
なお、本実施形態では、反射光量検出器40の信号レベルが最大になるときのフォーカスエラー信号のレベルに基づいて、反射光量検出器40の反射光量信号の非対称性を検出するとした。しかしこれは例であり、他には、FE生成器20から出力されるフォーカスエラー信号が最大および最小になる時刻の反射光量信号の各々のレベルの差分に基づいて反射光量信号の非対称性を検出することもできる。これは実施形態1と同様である。また、本実施形態では、光の焦点が判別可能な光ディスクの情報面の平均深さの位置にあるときに球面収差が最小になるように設定した。しかし、フォーカスエラー信号および反射光量信号の劣化が大きくなり検出不能とならない範囲であればどのように設定してもよい。
以上、本発明の光ディスク装置の実施形態を説明した。上述の各実施形態における光ディスク装置は、コンピュータプログラムに基づいてそれぞれの動作を実行する。コンピュータプログラムは、光ディスク装置全体の動作を制御する中央処理ユニット(図示せず)により実行される。コンピュータプログラムは、光ディスクに代表される光記録媒体、SDメモリカード、EEPROMに代表される半導体記録媒体、フレキシブルディスクに代表される磁気記録媒体等の記録媒体に記録することができる。なお、光ディスク装置100は、記録媒体を介してのみならず、インターネット等の電気通信回線を介してもコンピュータプログラムを取得できる。このようなコンピュータプログラムを内蔵し、コンピュータプログラムに基づく動作を指示するDSP(Digital Signal Processor)は、光ディスク装置の光源11、レンズ13、光検出器15等の物理的に必須の構成を除く構成要素に置き換えることができる。例えば、DSPは、収差設定器30、非対称性検出器41、ディスク判別器42、層別引込選択器46、層番号検出器44、および収差調整器31の処理を実現できる。