本発明の実施の形態を図1ないし図33に基づいて以下に説明する。
図2に示すように、本実施の形態の光ディスク(光記録媒体)1は、中心部にセンター穴2を有し、このセンター穴2に対する径方向の外方側に記録可能領域3を有している。この記録可能領域3では、図4および図5に示すように、案内溝・ピット形成層12および案内溝・ピット形成中間層14に記録再生のための案内溝Gがスパイラル状(同心円状であってもよい)に形成され、この案内溝Gに沿って情報の記録再生が可能となっている。また、センター穴2の周囲には最内周端部4が設けられる一方、光ディスク1の外周側には最外周端部5が設けられている。
そして、光ディスク1は、内周プリピット領域6aおよび外周プリピット領域6bからなるプリピット領域6を有している。内周プリピット領域6aは最内周端部4の周囲に隣接して設けられる一方、外周プリピット領域6bは最外周端部5の内側に隣接して設けられている。プリピット領域6では、図6に示すように、案内溝・ピット形成層12および案内溝・ピット形成中間層14にピットPがスパイラル状(同心円状であってもよい)に並んで形成され、このピットPが並んだピット列に沿ってプリピット情報の再生が可能となっている。ピット列は、一般に、光ディスク1の記録パワー、再生パワー等の情報が、予め、凹状または凸状(図示せず)のピットPとして記録されている。
上記の光ディスク1は、その縦断面図である図3に示すように、ディスク基板11上に、案内溝・ピット形成層12、第2記録層(最終情報記録層)13、案内溝・ピット形成中間層14、第1記録層(光入射側記録層)15および表面コート層16が順次積層された構造を有している。この光ディスク1の第1記録層15および第2記録層13に対する記録再生は、光ビーム17を同一の側、即ち表面コート層16側から第1および第2記録層15、13のそれぞれに集光させて照射することにより行われる。
上記光ディスク1は、さらに詳細には図4に示すように構成されている。図4において、ディスク基板11は、例えば、板厚1.2mmの透明なポリカーボネート製の基板からなる。案内溝・ピット形成層12は、例えば層厚20μmの紫外線硬化樹脂層からなり、例えば2P法と呼ばれるパターン転写技術を用いて形成される。この案内溝・ピット形成層12における第2記録層13側の面には、記録可能領域3では前述の案内溝Gが形成され、プリピット領域6では前述のピットP(図4では示さず)が形成される。
第2記録層13は、例えば、AlTi合金反射膜13a、ZnS−SiO2 干渉膜13b、SiN保護膜13c、GeSbTe相変化記録膜13d、SiN保護膜13eおよびZnS−SiO2 干渉膜13fを有している。これらの膜は、スパッタリングにより案内溝・ピット形成層12上に順次積層されることで形成されている。
案内溝・ピット形成中間層14は、案内溝・ピット形成層12と同様、例えば層厚20μmの紫外線硬化樹脂層からなり、例えば2P法と呼ばれるパターン転写技術を用いて形成される。この案内溝・ピット形成中間層14における第1記録層15側の面には、記録可能領域3では前述の案内溝Gが形成され、プリピット領域6では前述のピットP(図4では示さず)が形成される。
第1記録層15は、第2記録層13と同様、例えば、ZnS−SiO2 干渉膜15a、SiN保護膜15b、GeSbTe相変化記録膜15c、SiN保護膜15dおよびZnS−SiO2 干渉膜15eを有している。この第1記録層15は、これらの各膜がスパッタリングにより順次案内溝・ピット形成中間層14上に積層されることにより形成されている。
表面コート層16は、例えば層厚80μmの紫外線硬化樹層からなり、紫外線硬化樹脂をスピンコーティングにより第1記録層15上に塗布した後、紫外線照射により硬化させることにより形成されている。
なお、光ディスク基板11としては、上記のように透明なポリカーボネート製の基板を使用している。しかしながら、本実施の形態の光ディスク1のように、表面コート層11側から光ビーム17を入射させる構成の場合、ディスク基板11は、透明である必要は無く、不透明な金属製の基板であってもよい。
また、本実施の形態の光ディスク1は、2P法により形成され、案内溝GおよびピットPを有する案内溝・ピット形成層12および案内溝・ピット形成中間層14を備えている。しかしながら、その表面に直接案内溝GおよびピットPを有するディスク基板11を例えば射出成形法により形成してもよい。このディスク基板11を有する構造では、案内溝・ピット形成層12および案内溝・ピット形成中間層14が不要になる。
また、表面コート層16は、スピンコート法により第1記録層15上に形成されているが、これの代わりに、第1記録層15上に貼り付けられた均一な厚みを有する透明シートであってもよい。
また、光ディスク1は、光ディスク基板11上に、案内溝・ピット形成層12、第2記録層13、案内溝・ピット形成中間層14、第1記録層15および表面コート層16が順次積層された構造をなしているが、これに限らない。例えば、光ディスク1は、図7に示すように、光ディスク基板11上に、案内溝・ピット形成層12、第1記録層15、案内溝・ピット形成中間層14、第2記録層13および表面コート層16が順次積層され、光ディスク基板11側から光ビーム17を照射する構成とすることも可能である。この構造では、第1記録層15および第2記録層13を構成する各膜の成膜順序が図4に示した構造と逆になっている。
上記の光ディスク1に対して記録再生を行う光ディスク記録再生装置(光記録再生装置)は、図8に示すように構成されている。この光ディスク記録再生装置31において、光ディスク1は、センターハブ32によってモータのスピンドル33に固定され、回転駆動される。
光ディスク記録再生装置31は、光学系部(光照射手段)34および信号処理・制御部(制御手段)35を備えている。光学系部34は、半導体レーザ等の光源41、コリメートレンズ42、ビームスプリッター43、対物レンズ44、2軸アクチュエーター45、集光レンズ46および受光素子47を備えている。対物レンズ44は、2軸アクチュエーター45により支持され、かつフォーカシング方向およびトラッキング方向に駆動される。受光素子47は、再生信号検出素子、フォーカス誤差信号検出素子およびトラック誤差信号検出素子を有し、これら各検出素子の出力は信号処理・制御部35へ入力される。
また、光学系部34は、図示しないスライド駆動部に駆動されて、光ディスク1の半径方向へ往復移動するようになっている。
信号処理・制御部35は、各種信号処理および各種制御を行う。例えば、記録再生時の光源41のパワー制御を行うとともに、対物レンズ44のフォーカシングおよびトラッキングを行うため、フォーカス誤差信号検出素子およびトラック誤差信号検出素子からの出力に応じて、2軸アクチュエーター45の駆動を制御する。さらに、前記スライド駆動部による光ディスク1の半径方向への光学系部34の移動を制御し、光学系部34、即ち対物レンズ44を、所定のトラックについて記録再生可能な位置へ移動させる。その他、後述の各制御等を行う。
光ディスク記録再生装置31では、上記のようにして光ビーム17を第1記録層15または第2記録層13の何れかに集束させ、案内溝Gに沿って第1記録層15または第2記録層13の記録再生を行う。
ここで、本実施の形態において、光ディスク記録再生装置31では、第2記録層13に対する記録再生を、第1記録層15の記録可能領域3の全領域についての記録が完了した後に行うようになっている。この場合の動作は、前記光学系部(光照射手段)34およびスライド駆動部(光照射手段)に対する信号処理・制御部35の制御により行われる。
上記の構成において、光ディスク記録再生装置31による光ディスク1に対しての記録再生動作について以下に説明する。
光ディスク記録再生装置31において、光源41から出射した光ビーム17は、コリメートレンズ42により平行光となり、ビームスプリッター43を透過し、対物レンズ44に入射する。その後、光ビーム17は、対物レンズ44により、光ディスク1の第1記録層15上または第2記録層13上に集束される。光ディスク1からの反射光は、対物レンズ44を経た後、ビームスプリッター43により反射され、集光レンズ46により受光素子47上に集束される。
その後、受光素子47からの出力に基づき、信号処理・制御部35は、2軸アクチュエーター45を制御して、対物レンズ44のフォーカシング制御およびトラッキング制御を行う。光ディスク記録再生装置31では、このようにして光ビーム17を第1記録層15または第2記録層13の何れかに集束させ、案内溝13に沿って第1記録層15または第2記録層13の記録再生を行う。
ここで、光ディスク記録再生装置31による光ディスク1に対しての記録再生動作において、光ディスク1の第1記録層15に対して記録可能領域3の内周プリピット領域6a側から記録を開始し、記録可能領域3の途中で第1記録層15の記録を終了した後、第2記録層13の記録再生に移行した場合について説明する。なお、光ディスク1にはスペース部が記録マーク部より高い反射率を有するハイツウロー媒体が使用され、相変化記録が行われるものとする。
上記の第1記録層15に対する記録動作では、図9および図10に示すように、第1記録層15の記録可能領域3における内周プリピット領域6a側から中途位置までの間に、網目模様によって示す記録完了部3a1が形成される。
このとき、第1記録層15では、記録完了部3a1 の光透過率が、それ以外の領域の光透過率よりも高くなる。したがって、同一強度の光ビーム17を第2記録層13に照射した場合、記録完了部3a1を通過して第2記録層13へ集束される光ビーム17bの強度は、記録完了部3a1 以外の領域(未記録領域)を通過して第2記録層13へ集束される光ビーム17aの強度よりも強くなる。即ち、第2記録層13に記録を行う際、第1記録層15を経て第2記録層13に達する光ビーム17の強度は、光ビーム17が記録完了部3a1を通過したか否かにより異なる。この場合には、第2記録層13の記録を行う際には、第1記録層15の記録の有無に応じて光ビーム17の強度を変化させる複雑な記録システムが必要となる。
上記の光ビーム17の強度の差は、第2記録層13の再生を行う場合も同様に生じ、光ビーム17が第1記録層15の記録完了領域3a1を通過したか否かにより、第2記録層13からの反射光量が異なり、同様に、複雑な再生システムが必要となる。
そこで、本実施の形態の光ディスク記録再生装置31では、図11に示すように、第1記録層15の記録可能領域3の全領域を記録完了状態とした後に、第2記録層13への記録再生を行うようにしている。即ち、光ディスク記録再生装置31は、光ディスク1に対して記録を行う際に、まず、第1記録層15から記録を開始し、第1記録層15の記録可能領域3の全領域について記録が完了した後に、第2記録層13への記録または再生に移行するように動作する。
このような動作により、第2記録層13に対して記録再生を行う際、第2記録層13に照射する光ビーム17は、常に、記録が完了した第1記録層15を通過して第2記録層13へと入射する。したがって、記録および再生の各場合において、第2記録層13に照射する光ビーム17の強度を一定にすることができる。この結果、光ビーム17の強度を制御するための複雑な記録再生システムを用いることなく、安定した記録再生を実現することができる。
図1は、光ディスク1の外周端部における第1記録層15および第2記録層13の初期状態を示している。この光ディスク1では、第1記録層15に、未記録状態の記録可能領域3aおよび最外周端部5を構成するブランク領域5aとが存在し、第2記録層13に、未記録状態の記録可能領域3b、外周プリピット領域6aおよび最外周端部5を構成するブランク領域5bとが存在する。ここで、ブランク領域5a、5bとは、案内溝GやピットPが形成されていない領域である。図示はしないが、第1および第2記録層15、13における最内周端部4にも、同様なブランク領域が存在する。
上記のような状態の光ディスク1では、第1記録層15の記録可能領域3aが未記録状態であるので、その透過率が均一である。したがって、第2記録層13の外周プリピット領域6bに光ビーム17を集束させてプリピット情報を再生した場合、再生信号強度の変動は発生しない。また、プリピット領域6が第2記録層13に設けられているので、第2記録層13への記録または再生をプリピット領域6の影響を受けることなく安定して行うことができる。
次に、図12に示すように、未記録状態の記録可能領域3aの一部に記録が行われた結果、記録完了部3a1が形成され、他の部分が未記録部3a2 として残る。この場合、図13に示すように、記録完了部3a1 には、案内溝Gに透過率の低くなった記録マークMが形成されるが、記録完了部3a1は、記録マークMが形成されないので透過率が変化しない。このため、記録完了部3a1 を通過した光ビーム17cの強度と、未記録部3a2 を透過した光ビーム17dの強度とが異なり、光ビーム17c・17dによって得られたプリピット情報の再生信号強度が異なる。
また、光ディスク1においては、一般に、第1記録層15に形成されているスパイラル状の案内溝Gの中心と、第2記録層13に形成されているスパイラル状のピット列の中心とを完全に一致させることができない。このため、図12に示すように、光ビーム17eが、記録完了部3a1と未記録部3a2 とをまたいで第2記録層13の外周プリピット領域6bに集束されるような場合、光ディスクの回転に伴い、記録完了部3a1と未記録部3a2 との境界位置が、光ビーム17e内で移動することになる。
したがって、図14に示すように、プリピット情報の再生信号強度は、光ディスク1の回転に伴い変動してしまう。図14は、再生信号のエンベロープEのみ示しており、縦軸が再生信号強度を、横軸が回転に伴う光ディスク1の角度位置を示している。図15は、図14の角度位置0度におけるプリピット情報の再生信号S1と、図14の角度位置180度におけるプリピット情報の再生信号S2 とを角度軸を拡大して示している。これらの再生信号S1、S2 をデジタル信号に変換するためには、再生信号S1 、S2 の中心レベルにスライスレベルを設定して検波を行う必要がある。しかしながら、再生信号S1と再生信号S2 とを比較すると、それぞれの中心レベルが大きく異なっており、同一のスライスレベルでの検波が不可能となってしまう。
この問題は、図16に示すように、再生信号のエンベロープEを構成する上側エンベロープE1 および下側エンベロープE2 を検出し、その中心レベルを可変のスライスレベルLv とすることにより解決することが可能である。図17は、そのスライスレベルLv を用いてデジタル信号を得るための再生回路の構成を示している。
この再生回路は、エンベロープ検波回路51と、スライスレベル生成回路52と、コンパレータ53とを備えている。
エンベロープ検出手段としてのエンベロープ検波回路51は、例えば、ピークホールド回路とボトムホールド回路とを有しており、ピークホールド回路を用いて上側エンベロープE1を検出し、ボトムホールド回路を用いて下側エンベロープE2 を検出する。
中心レベル生成手段としてのスライスレベル生成回路52は、検出された上側エンベロープE1 および下側エンベロープE2 の値の平均を出力してスライスレベルLv を生成する回路である。スライスレベル生成回路52は、例えば、両エンベロープE1、E2 の値を加算する加算回路と、その加算値を2で除算する除算回路とを含んだ演算回路によって構成されている。
デジタル変換手段としてのコンパレータ53は、再生信号をスライスレベル生成回路52で生成されたスライスレベルLv と比較して、2値のデジタル信号に変換する回路である。例えば、コンパレータ3は、再生信号がスライスレベルLv を超えるとレベル“1”を出力し、再生信号がスライスレベルLv 未満であるとレベル“0”を出力する。
上記のように構成される再生回路において、再生信号は、エンベロープ検波回路51およびコンパレータ53に入力される。エンベロープ検波回路51では、再生信号の上側エンベロープ信号E1と下側エンベロープE2 とが検出される。スライスレベル生成回路52では、両エンベロープE1 、E2 からスライスレベルLv が生成される。そして、コンパレータ53では、再生信号とスライスレベルLv とを比較することにより、デジタル信号の生成が行われる。
また、図18は、図19に示す再生回路によって、再生信号からデジタル信号を得る方法についての、再生信号強度と光ディスク1の角度位置との関係を示している。図19に示す再生回路は、ハイパスフィルター61と、スライスレベル生成回路62と、コンパレータ63とを備えている。
低周波変動除去手段としてのハイパスフィルター61は、再生信号の低周波変動を除去して、高域成分を通過させるフィルターである。スライスレベル生成回路62は、一定電圧のスライスレベルを生成する回路である。デジタル変換手段としてのコンパレータ63は、ハイパスフィルター61を経た再生信号を上記のスライスレベルと前述のコンパレータ53と同様に比較して、2値のデジタル信号に変換する回路である。
上記のように構成される再生回路において、まず、入力された再生信号は、ハイパスフィルター61で低周波変動が除去される。ハイパスフィルター61に入力される前の再生信号は、低周波変動を含んでいるために、図16に示すようにエンベロープEの中心レベルが変化する。しかしながら、この再生信号は、ハイパスフィルター61を通過することによって、図18に示すように、エンベロープEの中心レベルが角度によらずほぼ一定になる。
そして、コンパレータ63では、ハイパスフィルター61を経た再生信号が、スライスレベル生成回路62から出力される一定値のスライスレベルLc と比較されることにより、デジタル信号が生成される。
なお、上記の再生回路、スライスレベル生成回路62によりスライスレベルLc を生成しているが、通常、再生信号がハイパスフィルター61を通過することにより、上側エンベロープE1と下側エンベロープE2 との中心レベルが0Vとなるので、0VをスライスレベルLc として用いてもよい。したがって、この場合は、スライスレベル生成回路62を省くことができる。
以上のように、プリピット領域6を第2記録層13に設けることにより、記録可能領域3の記録再生感度を変えることなく、第2記録層13への記録再生を行うことができる光ディスク1を実現することが可能となる。また、図17または図19に示す再生回路を用いることにより、光ビーム17eが、記録完了部3a1と未記録部3a2 とをまたいで第2記録層13の外周プリピット領域6bに集束されたときに、プリピット情報の再生信号強度が、光ディスク1の回転に伴い変動しても、再生信号から安定してデジタル信号を得ることができる。
しかしながら、前述のように、未記録部3a2 の透過率が記録完了部3a1 の透過率に比べて低いので、第1記録層15の未記録部3a2 を通過する光ビーム17dにより、外周プリピット領域6bを含むプリピット領域6の再生を行うとき、図16および図18からわかるように、再生信号の信号振幅が小さくなり、プリピット情報を安定して再生できなくなる。すなわち、光ビーム17eが通過する部分の第1記録層15は、透過率の高い記録完了状態であることが望ましいことになる。
図20は、第2記録層13に形成されたプリピット領域6(外周プリピット領域6bのみ図示)の再生信号振幅を大きくすることができる光ディスク1の構造を示す。
この光ディスク1では、第1記録層15のプリピット領域6に対応する第1記録層15の領域に、予め擬似的な情報が記録された擬似記録領域7が、記録可能領域3aとブランク領域5aとの間に設けられている。この擬似記録領域7は、図21に示すように、記録可能領域3と同様、案内溝Gに記録マークMが形成されることによって、記録マークMの形成部分における透過率が低下する。これにより、擬似記録領域7の透過率が記録可能領域3と同様に高くなるので、擬似記録領域7を通過する光ビーム17の強度が高くなる。その結果、第2記録層13に形成されたプリピット領域6の再生信号振幅を大きくすることができる。
なお、上記の擬似記録領域7に形成される記録マークMは、記録可能領域3に形成される記録マークMと異なり、主記録情報を含まず、擬似的な記録情報を含んでいる。擬似的な記録情報としては、特定の情報を記録する必要はなく、全く内容のない情報や無意味な情報を記録してもよい。あるいは、光ディスク1の出荷前に予め擬似記録領域7を形成する場合には、擬似記録領域7に個々の光ディスク1の識別情報や暗号化情報を記録しておくことも可能である。
ここで、図20に示すように、擬似記録領域7は、第2記録層13のプリピット領域6bにおけるディスク半径方向の両端で再生を行う場合でも、常に、光ビーム17f、17gが第1記録層15の擬似記録領域7を通過するように、擬似記録領域7が形成されていることが望ましい。このため、擬似記録領域7は、第2記録層13の外周プリピット領域6bより広い範囲で形成されている。
例えば、第1記録層15と第2記録層13との間隔が20μmである場合、第2記録層13に光ビーム17を集束させた場合の第1記録層15における光ビームスポットの半径は、10μm程度である。したがって、少なくとも、第2記録層13のプリピット領域6の両端より、10μm程度広く擬似記録領域7を形成することが必要である。また、第1記録層15に形成された案内溝Gの中心位置と、第2記録層13に形成されたピット列の中心位置とがずれて偏心が存在する場合、その偏心量に対応する広さだけ擬似記録領域7を広くする必要がある。これを考慮すれば、第2記録層13のプリピット領域6の両端より、100μm程度広く擬似記録領域7を形成することが望ましい。
なお、図20では、外周プリピット領域6bについて擬似記録領域7が設けられた例について示したが、内周プリピット領域6aについても同様な擬似記録領域が設けられることは勿論である。
ここで、上記の擬似記録領域7は、光ディスク1の出荷前に予め形成されてもよいし、未使用の光ディスク1を光ディスク記録再生装置31に再生または記録可能となるようにセットした際に、光ディスク記録再生装置31により形成されてもよい。光ディスク記録再生装置により上記擬似記録領域7を設けることにより、光ディスク出荷前に上記擬似記録領域7を設ける必要がなくなり、光ディスクの低コスト化を実現することが可能となる。
図22は、光ディスク記録再生装置31により擬似記録領域7を形成するための擬似記録回路の構成を示している。この構成では、前述の信号処理・制御部35に設けられる擬似記録状態判別回路71を備えている。
記録状態判別手段としての擬似記録状態判別回路71は、擬似記録領域7からの反射光を受けた受光素子47から得られた、擬似記録領域7からの再生信号に基づいて、擬似記録領域7にすでに擬似的な記録情報が記録されているか否かを判別する回路である。この擬似記録状態判別回路71は、擬似記録領域7からの反射光量に応じた再生信号が所定のしきい値を超えたか否かによって、擬似記録領域7への記録の有無を判別するために、コンパレータなどの回路を含んでいる。
上記の構成では、光ディスク1が光ディスク記録再生装置31にセットされた直後、擬似記録領域7の再生が行われる。擬似記録状態判別回路71は、その再生信号に基づいて、擬似記録領域7が記録完了状態であるか記録未完了状態であるかを判別する。
擬似記録領域7が記録未完了状態であれば、擬似記録状態判別回路71は、その光ディスク1が未使用であると判断し、擬似記録指示信号を信号処理・制御部35に設けられる擬似的記録手段としての光照射部制御回路36に与える。この結果、光照射部制御回路36の制御によって、第1記録層15の擬似記録領域7に擬似的な情報が記録される。一方、擬似記録領域7が記録完了状態であれば、擬似記録状態判別回路71は、セットされた光ディスク1が既使用であると判断し、通常記録指示信号を光照射部制御回路36に与える。この結果、光照射部制
御回路36の制御によって、光ディスク1に対して通常の記録動作が行われる。
続いて、第1記録層15にプリピット領域6を有する光ディスク1について説明する。まず、比較例として、第2記録層15の記録再生感度が考慮されていない光ディスク81について説明する。
この光ディスク81では、図23に示すように、第1記録層15のブランク領域5aと、第2記録層13のブランク領域5bとが同じ範囲に形成されており、第1記録層15において、記録可能領域3aとブランク領域5aとの間に外周プリピット領域6bが設けられている。また、図示はしないが、内周プリピット領域6aも第1記録層15に設けられている。
このような構造の光ディスク81では、プリピット領域6が光入射側に存在するため、プリピット領域6からの再生信号は、常に同一強度となり、図12に示した状態のように、プリピット領域6からの再生信号強度が変動するといった問題は生じない。しかしながら、第1記録層15にプリピット領域6を設けた場合、従来の光ディスク(図36参照)と同様の問題が生じる。つまり、第1記録層111の記録可能領域103とプリピット領域106とで光透過率が異なるため、第2記録層112の記録再生感度が変動してしまう。以下に、上記の光ディスク81における記録感度の変動について詳細に説明する。
光ディスク81においては、まず、第1記録層15の記録可能領域3aが光ディスク記録再生装置31による記録動作によって、全面記録完了状態となる。ここで、記録完了状態なった記録可能領域3aが、透過率の高い記録マークMを有するため、その記録可能領域3aを透過して第2記録層13に集束される光ビーム17hは相対的に高強度である。一方、記録マークMの存在しないプリピット領域6を透過して第2記録層13へと集束される光ビーム17iは、相対的に低強度である。
次に、第2記録層13の記録可能領域3bに記録を行う際、一定強度であっても、光ビーム17hと光ビーム17iとでは、第2記録層13へ到達する強度が異なる。このため、記録を行う位置により記録感度が異なり、安定した記録を行うことが極めて困難となる。さらに、光ビームが、記録完了状態なった記録可能領域3aとプリピット領域6との境界を透過して第2記録層13へと集束される場合、第1記録層15の案内溝Gの中心と第2記録層13の案内溝Gの中心との位置ずれである偏心が存在することにより、光ディスク81の回転に伴い記録感度が変化するといった問題も発生する。
これに対し、図24に示す光ディスク1では、ブランク領域5bの範囲を拡張して上記のような問題を解決している。次に、その光ディスク1について説明する。
図24に示す光ディスク1では、第2記録層13のブランク領域5bの範囲が内周側に広げられているので、光ディスク1に入射した光ビーム17jが、常に第1記録層15の記録完了状態となった記録可能領域3aを通過して、第2記録層13に集束される。このように、上記の光ディスク1では、第1記録層15の記録可能領域3aが第2記録層13の記録可能領域3bよりも広く形成され、記録可能領域3aの外周側にプリピット領域6が形成されている。これにより、第2記録層13に到達する光ビーム17jの強度が常に一定になるので、第2記録層13への安定した記録を実現することが可能となるとともに、第1記録層15から、プリピット情報を安定して再生することが可能になる。
ここで、第1記録層15の記録可能領域3aを第2記録層13の記録可能領域3bよりも、どの程度広くすべきかについて説明する。第1記録層15と第2記録層13との間隔が20μmである場合、第2記録層13に光ビーム17jを集束させた場合の第1記録層15における光ビームスポットの半径は、10μm程度である。したがって、少なくとも、記録可能領域3aの端より、10μm程度広く記録可能領域3bを形成することが必要である。さらに、第1記録層15に形成された案内溝Gの中心位置と、第2記録層13に形成された案内溝Gの中心位置とがずれて偏心が存在する場合、その偏心量に対応する広さだけ記録可能領域3aを広くする必要がある。つまり、この場合、記録可能領域3bの端より、100μm程度広く記録可能領域3aを形成することが望ましい。
上記の光ディスク1においては、第2記録層13の記録可能領域3bが狭くなるので、記録容量が低下してしまう。これに対し、図25および図26に示す光ディスク1は、プリピット領域6による記録感度の低下を回避しつつ、記録容量が向上する構造を有している。
この光ディスク1は、図25に示すように、前述のプリピット領域6の代わりに内周プリピット領域8aおよび外周プリピット領域8bからなるプリピット領域8を備えている。このプリピット領域8の光透過率は、図26に示す第1記録層15の記録完了状態となった記録可能領域3aの光透過率と一致する。
図27に示すように、プリピット領域8においては、スパイラル状(同心円状であってよい)に並ぶピットPからなるピット列上に、一本おきに連続記録状態とされた連続記録領域Rが形成されている。この連続記録領域Rでは、ピットPとピットP間の領域とが連続的に記録可能領域3aの記録マークMと同じ状態、すなわち同じ透過率となる。
記録が行われた記録可能領域3aでは、案内溝Gにおいて、記録完了部分(記録マークM)と記録未完了部分とが交互に形成されている。実際には、その記録完了部分および記録未完了部分の案内溝Gの長手方向の長さは記録情報に応じて変わる。しかしながら、案内溝Gにおいては、記録完了部分と記録未完了部分とがほぼ等しい比率で形成されるように記録が行われる。また、隣り合う案内溝Gの間の凸状の領域(ランド領域)は、非記録領域であり、案内溝Gとほぼ同じ幅に形成されている。したがって、記録マークMが形成された部分の総面積は、記録可能領域3aの全面積の1/4となる。
一方、プリピット領域8では、隣り合うピット列の間の非記録領域は、ピットPの直径とほぼ等しい幅に形成されている。したがって、記録可能領域3aの記録完了部分とほぼ等しい面積の記録完了部分(プリピット領域8全体の1/4)を形成するには、ピット列の1本おきに連続記録領域Rを形成するように記録を行えばよい。
また、上記の案内溝記録方式の他に、案内溝Gだけではなく、ランド領域にも記録マークMを形成するランドグルーブ記録方式を採用する場合には、記録可能領域3aに形成される記録マークMの総面積が、記録可能領域3aの全面積の1/2となる。したがって、記録可能領域3aの記録完了部分(プリピット領域8全体の1/2)とほぼ等しい面積の記録完了部分を形成するには、ピット列に連続して連続記録領域Rを形成するように記録を行えばよい。
連続記録領域Rでは、上記のように記録マークMと同様に光透過率が高くなっている。このため、図28に示すように、記録完了状態となった記録可能領域3aを通過して第2記録層13へと集束される光ビーム17kと、外周プリピット領域8bを通過して第2記録層13へと集束される光ビーム17lとは、第1記録層15を通過する際に、それぞれの光ビームスポット内に存在する記録完了状態となった部分の面積がほぼ等しくなる。これにより、第2記録層13に到達する光ビーム17k、17lの強度がほぼ等しくなるので、プリピット領域8が存在しても第2記録層13の記録感度が変動しなくなる。したがって、図24の光ディスク1と比較して、第2記録層13の記録可能領域3bを広げることによって、記録容量を増大させることが可能となる。
ここで、ブランク領域5a、5bは、未記録状態であり、光透過率が低いため、図26に示すように、第2記録層13の記録可能領域3bの端は、第2記録層13に到達する光ビーム17lが、常に外周プリピット領域8bを通過するように決定される必要がある。
このように、上記の光ディスク1では、第1記録層15のプリピット領域8において、1本おきのピット列上に連続記録領域Rが形成され、外周プリピット領域8bの外周側端が第2記録層13の記録可能領域3bの外周側端よりも外周側に位置している。内周プリピット領域8aの場合、その内周側端が第2記録層13の記録可能領域3bの内周側端よりも内周側に位置している。これにより、第2記録層13に到達する光ビーム17k、17lの強度が常に一定となる。したがって、第2記録層13への安定した記録を実現することが可能となるとともに、より大容量の光ディスク1を実現することが可能となる。
ここで、外周プリピット領域8bの端を記録可能領域3bの端よりも、どの程度外周側に位置させるべきかについて説明する。第1記録層15と第2記録層13との間隔が20μmである場合、第2記録層13に光ビームを集束させる場合の第1記録層15における光ビームスポットの半径は、およそ10μm程度である。したがって、少なくとも、その端が、記録可能領域3bの端より10μm程度外周側に位置するように外周プリピット領域8bを形成することが必要である。同様に、内周プリピット領域8aについては、その端が、少なくとも記録可能領域3bの端より10μm程度内周側に位置するように形成することが必要である。
さらに、第1記録層15に形成された案内溝Gの中心位置と、第2記録層13に形成された案内溝Gの中心位置がずれて偏心が存在する場合、その偏心量に対応する広さだけ外周プリピット領域8bを広くする必要がある。この場合、その端が記録可能領域3bの端より100μm程度外周側に位置するように、外周プリピット領域8bを形成することが望ましい。内周プリピット領域8aについても同様に形成することが望ましい。
ここで、プリピット領域8のピット列に連続記録領域Rを形成することを、光ディスク1の出荷前に行ってもよいし、未使用の光ディスク1を光ディスク記録再生装置31にセットした際に、光ディスク記録再生装置31により行ってもよい。光ディスク記録再生装置31により連続記録領域Rを形成することにより、光ディスク1の出荷前に連続記録領域Rを形成する必要がなくなり、光ディスク1の低コスト化を実現することが可能となる。
図29は、光ディスク記録再生装置31によりプリピット領域8のピット列に上記のようにして連続記録領域Rを形成するための構成を示す。この構成においては、前述の信号処理・制御部35に設けられる連続記録領域有無判定回路91を備えている。
連続記録領域判定手段としての連続記録領域有無判定回路91は、プリピット領域8からの反射光を受けた受光素子47から得られた、プリピット領域8からの再生信号に基づいて、プリピット領域8に連続記録領域Rが上記のように形成されているか否かを判定する回路である。この連続記録領域有無判定回路91は、プリピット領域8からの反射光量に応じた再生信号が所定のしきい値を超えたか否かによって、擬似記録領域7への記録の有無を判別するために、コンパレータなどの回路を含んでいる。
上記の構成では、連続記録領域Rの有無を判定する際、まず、光ディスク1が光ディスク記録再生装置31にセットされた直後、プリピット領域8の再生が行われる。このとき、信号処理・制御部35に設けられる光照射部制御回路36の制御によってプリピット領域8に光ビームが照射され、トラッキングが行われる。このとき、ピット列が案内溝Gと同等のトラッキングガイドとしての役割を果たす。
連続記録領域Rがすでに形成されている場合、プリピット領域8からの反射光量がピット列の1本おきに変化するので、反射光量が反映された再生信号も同様に変化する。連続記録領域有無判定回路91では、上記のように変化する再生信号が、ローパスフィルターによって一定レベルの信号に変えられ、さらにコンパレータで所定の基準値と比較される。この場合、その信号が基準値より大きいので、連続記録領域有無判定回路91は、セットされた光ディスク1が既使用のディスクであると判断し、光照射部制御回路36に通常記録指示信号を与える。この結果、光照射部制御回路36の制御によって、光ディスク1に対して通常の記録動作が行われる。
一方、連続記録領域Rが形成されていない場合、プリピット領域8からの反射光量が変化しないので、再生信号も同様に変化しない。このため、ローパスフィルターからの信号が基準値より小さいので、連続記録領域有無判定回路91は、セットされた光ディスク1が未使用のディスクであると判断し、連続的記録手段としての光照射部制御回路36に連続記録指示信号を与える。この結果、光照射部制御回路36の制御によって、光ディスク1に対して、プリピット領域8に連続記録領域Rが形成されるように記録動作が行われる。
ここまでは、情報記録層が2層のみ存在する光ディスク1について説明したが、3層以上の複数の情報記録層を用いることも可能である。以下に、3層の情報記録層を有する光ディスク1について説明する。
この光ディスク1は、図30に示すように、第1記録層15および第2記録層13に加えて、光入射面から最も遠い所に位置する最終情報記録層としての第3記録層18を有している。プリピット領域6は、第1記録層15および第2記録層13ではなく、第3記録層18にのみ設けられており、記録可能領域3cとブランク領域5cとの間に形成されている。
この光ディスク1では、図1に示す光ディスク1と同様に、第3記録層18の設プリピット領域6を再生する際、光ビーム17m、17nが通過する第1記録層15および第2記録層13が記録完了状態であるか、または記録未完了状態であるかにより、プリピット領域6からの反射光量が異なる。ところが、図17に示す再生回路を用いることによって、再生信号のエンベロープからスライスレベルを生成し、このスライスレベルを基準としてデジタル信号を得ることで、プリピット情報を安定して再生することが可能である。また、図19に示す再生回路を用いることによって、ハイパスフィルターでプリピット領域6からの再生信号の低周波成分を除去した再生信号を一定スライスレベルと比較してデジタル信号を得ることで、プリピット情報を安定して再生することが可能である。
ここで、光ディスク1に対して記録を行う際、第1記録層15の記録が完了してから、第2記録層13の記録を開始し、第2記録層13の記録が完了してから、第3記録層18に記録を開始する。また、第2記録層13に光ビームを集束させるときに、光ビームを常に第1記録層15の記録完了領域3aを通過させ、一定強度の光ビームを第2記録層13に到達させる必要がある。このため、記録可能領域3aが内外周の両側で記録可能領域3bよりも広く形成されている。
次に、図31に示す光ディスク1は、第3記録層18にプリピット領域6を有し、第1記録層15と第2記録層13とに、それぞれ擬似的な情報が記録された擬似記録領域7a、7bを有している。この光ディスク1では、第3記録層18のプリピット領域6に集束される光ビーム17m、17lが、常に、擬似記録領域7a、7bを通過してプリピット領域6に到達できるような位置に、擬似記録領域7a、7bが形成されている。
このような光ディスク1を用いれば、図20に示す光ディスク1と同様に、擬似記録領域7a、7bの光透過率が高いことにより、擬似記録領域7a、7bを通過する光ビーム7m、17lの強度が高く維持される。それゆえ、第3記録層18におけるプリピット領域6の再生信号振幅を大きくすることが可能となるとともに、再生信号の周方向に沿った変動をなくすことができる。
なお、この光ディスク1も、出荷前擬似記録領域7a、7bを形成してもよいし、光ディスク記録再生装置31によって、前述のように擬似記録領域7a、7bを形成してもよい。
さらに、図32に示す光ディスク1は、光入射面側の第1記録層15にのみプリピット領域6を有している。この光ディスク1では、プリピット領域6が光入射面側に存在するため、プリピット領域6からの反射光量の変動がなく、安定してプリピット情報を再生することが可能になる。
また、記録感度の変動をなくすため、図24の場合と同様に、第2記録層13の記録可能領域13の記録または再生を行う際、常に、光ビーム17oが第1記録層15の記録完了状態とされた記録可能領域3aを通過して第2記録層13に到達するとともに、第3記録層18の記録または再生を行う際、常に、光ビーム17pが第1記録層15および第2記録層13の記録完了状態とされた記録領域3a、3bを通過して第3記録層18に到達することが必要である。このため、記録可能領域3bは記録可能領域3cよりも広く形成され、記録可能領域3aは記録可能領域3bよりも広く形成される。
そして、図33に示す光ディスク1は、図32の光ディスク1の第1記録層15において、プリピット領域6の代わりにプリピット領域8(図示は外周プリピット領域8bのみ)を有している。この光ディスク1では、図26の光ディスク1と同様、光透過率の高いプリピット領域8を有するとともに、内周プリピット領域8aの内周側端が記録可能領域3b、3cの内周側端よりも内周側に位置し、かつ外周プリピット領域8bの外周側端が記録可能領域3b、3cの外周側端よりも外周側に位置している。
これにより、第2記録層13に到達する光ビーム17rおよび第3記録層18に到達する光ビーム17sの強度が常に一定となる。したがって、第2記録層13および第3記録層18への安定した記録を実現することが可能となるとともに、より大容量の光ディスク1を実現することが可能となる。