以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の前提技術1》
図1は、本発明の前提技術1に係る空気調和装置(1)の全体構成を示す冷媒回路図である。この空気調和装置(1)は、3台の第1〜第3室内ユニット(2a,2b,2c)と、3台の第1〜第3室外ユニット(3a,3b,3c)と、コントローラ(4)とを備えている。この空気調和装置(1)では、互いに並列に接続された各室内ユニット(2a,2b,2c)と、互いに並列に接続された各室外ユニット(3a,3b,3c)とがガス配管(5)及び液配管(6)によって接続されることで、冷媒回路(7)が構成されている。この冷媒回路(7)では、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われ、冷房運転又は暖房運転が実行可能となっている。
(室内ユニット)
各室内ユニット(2a,2b,2c)は、第1〜第3室内熱交換器(8a,8b,8c)、第1〜第3室内膨張弁(9a,9b,9c)及び第1〜第3室内ファン(10a,10b,10c)を備えていて、各室内熱交換器(8a,8b,8c)と各室内膨張弁(9a,9b,9c)とが冷媒配管によって接続されることで、冷媒回路(7)の一部である第1〜第3室内側冷媒回路(11a,11b,11c)が構成されている。第1〜第3室内側冷媒回路(11a,11b,11c)の構成は互いに同じである。
上記第1〜第3室内熱交換器(8a,8b,8c)は、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。この第1〜第3室内熱交換器(8a,8b,8c)は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能して室内の空気を冷却する一方、暖房運転時には冷媒の凝縮器として機能して室内の空気を加熱する。
上記第1〜第3室内膨張弁(9a,9b,9c)は、室内側冷媒回路(11a,11b,11c)内を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第1〜第3室内熱交換器(8a,8b,8c)の液側に接続された電子膨張弁である。各室内ユニット(2a,2b,2c)のガス側端から順に室内熱交換器(8a,8b,8c)と室内膨張弁(9a,9b,9c)とが設けられている。
上記第1〜第3室内熱交換器(8a,8b,8c)の近傍には第1〜第3室内ファン(10a,10b,10c)がそれぞれ設けられていて、各室内熱交換器(8a,8b,8c)は、冷媒が各室内ファン(10a,10b,10c)によって取り込まれた空気と熱交換するように構成されている。
(室外ユニット)
上記第1〜第3室外ユニット(3a,3b,3c)は互いに並列接続され、ガス配管(5)及び液配管(6)を介して第1〜第3室内ユニット(2a,2b,2c)に接続されている。各室外ユニット(3a,3b,3c)は、第1〜第3圧縮機(12a,12b,12c)、第1〜第3室外熱交換器(13a,13b,13c)、第1〜第3室外膨張弁(14a,14b,14c)、第1〜第3四路切換弁(15a,15b,15c)及び第1〜第3室外ファン(16a,16b,16c)を備えている。これらの室外ユニット(3a,3b,3c)では、圧縮機(12a,12b,12c)、四路切換弁(15a,15b,15c)、室外熱交換器(13a,13b,13c)及び室外膨張弁(14a,14b,14c)が接続されることによって、冷媒回路の一部である第1〜第3室外側冷媒回路(17a,17b,17c)が構成されている。
第1〜第3室外側冷媒回路(17a,17b,17c)の構成は互いに同じであるが、第1室外ユニット(3a)は親室外ユニットとして、また第2及び第3室外ユニット(3b,3c)は子室外ユニットとして構成されていて、各室外ファン(16a,16b,16c)の容量が互いに異なっている。
上記第1〜第3圧縮機(12a,12b,12c)は運転容量が可変なインバータ式であり、第1〜第3室外熱交換器(13a,13b,13c)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。これらの室外熱交換器(13a,13b,13c)は、冷房運転時には冷媒の凝縮器として機能する一方、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する。
上記第1〜第3室外膨張弁(14a,14b,14c)は、室外側冷媒回路(17a,17b,17c)内を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第1〜第3室外熱交換器(13a,13b,13c)の液側に接続された電子膨張弁である。
上記第1〜第3四路切換弁(15a,15b,15c)は、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁であって4つのポートを有し、第1ポートが各圧縮機(12a,12b,12c)の吐出側と繋がり、第2ポートが各室外熱交換器(13a,13b,13c)のガス側と繋がっている。また、四路切換弁は、第3ポートが各圧縮機(12a,12b,12c)の吸入側と繋がり、第4ポートがガス配管(5)と繋がっている。これらの第1〜第3四路切換弁(15a,15b,15c)は、第1ポートと第2ポートとが連通するとともに、第3ポートと第4ポートとが連通する冷媒運転時の状態(図1の実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートとが連通するとともに、第2ポートと第3ポートとが連通する暖房運転時の状態(図1の破線で示す状態)とに設定が切換可能に構成されている。
上記第1〜第3室外熱交換器(13a,13b,13c)の近傍には第1〜第3室外ファン(16a,16b,16c)がそれぞれ設けられていて、各室外熱交換器(13a,13b,13c)は、各室外ファン(16a,16b,16c)により供給された室外空気を冷媒と熱交換させるように構成されている。
本発明の第1〜第3室外ファン(16a,16b,16c)は互いに容量が異り、例えば、8HP,10HP,12HP(1),12HP(2),14HP,16HP,18HP等から任意に設定される。ここで、12HP(2),14HP,16HP及び18HPはそれぞれファンを2つ有している。
なお、本前提技術1における室外ファン(16a,16b,16c)は、第1室外ファン(16a)が8HPで、第2室外ファン(16b)が10HPで、また第3室外ファン(16c)が16HPの容量にそれぞれ設定されている。
上記液配管(6)と各室外ユニット(3a,3b,3c)との接続口には、液側閉鎖弁(18a,18b,18c)がそれぞれ設けられている。また、ガス配管(5)と各室外ユニット(3a,3b,3c)との接続口には、ガス側閉鎖弁(19a,19b,19c)がそれぞれ設けられている。液側閉鎖弁(18a,18b,18c)は室外膨張弁(14a,14b,14c)に接続され、ガス側閉鎖弁(19a,19b,19c)は四路切換弁(15a,15b,15c)に接続されている。
各室外ユニット(3a,3b,3c)の室外熱交換器(13a,13b,13c)の液側と室外膨張弁(14a,14b,14c)との間には、冷媒の温度を検出する第1〜第3液側温度センサ(20a,20b,20c)がそれぞれ設けられている。これらの液側温度センサ(20a,20b,20c)は、冷媒配管に取り付けられたサーミスタである。
また、各室外ユニット(3a,3b,3c)の圧縮機(12a,12b,12c)の吐出側に、圧縮機(12a,12b,12c)から吐出された高圧冷媒の高圧圧力(Ph)を検出する第1〜第3高圧側圧力センサ(21a,21b,21c)がそれぞれ設けられている。この高圧側圧力センサ(21a,21b,21c)が検出する圧縮機(12a,12b,12c)の吐出圧力は、冷凍サイクルの高圧を示す指標となる物理量である。
(コントローラ)
上記コントローラ(4)は、図2に示すように、記憶手段(30)、切換手段(31)及び高圧制御手段(32)を備えていて、上記第1高圧側圧力センサ(21a)の検出信号が入力されるようになっている。
上記記憶手段(30)は、図3に示すように、各室外ファン(16a,16b,16c)の容量(馬力)ごとに、室外ファン(16a,16b,16c)の回転数を最大で14段階のファンステップ(S1,S2,S3)で記憶している。各ファンステップ(S1,S2,S3)における各段階の回転数は、各室外熱交換器(13a,13b,13c)の吐出側での冷媒の過冷却度が互いに同一となるように算出された回転数で組となっている。すなわち、各室外ファン(16a,16b,16c)の回転数を互いに同じ段階のファンステップ(S1,S2,S3)の回転数にすることで(S1=S2=S3)、異なる容量の第1〜第3室外ファン(16a,16b,16c)を有する室外ユニット(3a,3b,3c)の過冷却度が揃うことが想定されている。
本前提技術1の第1〜第3室外ファン(16a,16b,16c)においては、例えば、各ファンステップ(S1,S2,S3)を5とした場合(S1=S2=S3=5)、容量が8HPの第1室外ファン(16a)の回転数が360RPMとなり、容量が10HPの第2室外ファン(16b)の回転数が380RPMとなり、容量が16HPの第3室外ファン(16c)の回転数が380RPMとなる。これらの回転数で各室外ファン(16a,16b,16c)を作動させることにより、各室外ユニット(3a,3b,3c)の過冷却度が揃うことが想定されている。
上記切換手段(31)は、各室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)を切り換えて、上記記憶手段(30)で記憶した回転数とするように構成されている。
上記高圧制御手段(32)は、親室外ユニットである第1室外ユニット(3a)の第1高圧側圧力センサ(21a)に接続されている。高圧制御手段(32)は、該第1高圧側圧力センサ(21a)で検出された高圧圧力(Ph)を室外側冷媒回路(17a,17b,17c)における冷媒の高圧圧力(Ph)として、該高圧圧力(Ph)と、予め設定された目標高圧値(Pta)とを比較して各室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)をいずれの組にするかを決定し、上記切換手段(31)にファンステップ(S1,S2,S3)を切り替えさせる制御を行うように構成されている。
(運転動作)
次に、上記空気調和装置(1)の動作について説明する、なお、本前提技術1の空気調和装置(1)のコントローラ(4)による制御は冷房運転時に機能するものであるため、冷房運転のみについて説明する。
冷房運転では、各室外熱交換器(13a,13b,13c)を凝縮器とし、各室内熱交換器(8a,8b,8c)を蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。まず、各室外ユニット(3a,3b,3c)の各四路切換弁(15a,15b,15c)は、第1ポートと第2ポートとが連通するとともに、第3ポートと第4ポートとが連通する状態(図1の実線で示す状態)に切り換えられる。
各圧縮機(12a,12b,12c)から吐出した高圧ガス冷媒は、四路切換弁(15a,15b,15c)を通過した後、室外熱交換器(13a,13b,13c)を流れる。各室外熱交換器(13a,13b,13c)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮し、液冷媒となる。各室外熱交換器(13a,13b,13c)で凝縮した冷媒は、室外膨張弁(14a,14b,14c)を通過して液管で合流し、その後各室内ユニット(2a,2b,2c)へ分流する。
各室内ユニット(2a,2b,2c)においては、冷媒が室内膨張弁(9a,9b,9c)を通過する際に、低圧まで減圧されて低圧ガス冷媒となり、室内熱交換器(8a,8b,8c)に流れて室内空気から吸熱して蒸発し、その結果、各室内ユニット(2a,2b,2c)に対応する室内の冷房が行われる。各室内熱交換器(8a,8b,8c)で蒸発した冷媒がガス配管(5)で合流し、その後各室外ユニット(3a,3b,3c)へ分流する。この循環動作を繰り返して冷媒運転が行われる。
上記冷房運転中には、図4に示すように、上記コントローラ(4)の高圧制御手段(32)によって各室外ファン(16a,16b,16c)の回転数が制御されている。
具体的には、まず、第1高圧側圧力センサ(21a)で検出された第1室外ファン(16a)の高圧圧力(Ph)及び目標高圧値(Pta)の差の絶対値と閾値(Pth)とを比較する(ステップS1)。高圧圧力(Ph)及び目標高圧値(Pta)の差の絶対値が、予め設定された閾値(Pth)よりも小さい場合、制御を終了する。
高圧圧力(Ph)及び目標高圧値(Pta)の差の絶対値が閾値(Pth)以上である場合、高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)よりも大きいか小さいかを判断する(ステップS2)。
高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)よりも大きい場合、全ての室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)を同じ段階だけ上げる(ステップS3)。
具体的には、高圧制御手段(32)が上げるファンステップ(S1,S2,S3)の組を決定し、上記切換手段(31)に、各室外ファン(16a,16b,16c)の回転数を該組に対応するファンステップ(S1,S2,S3)に切り替えさせる。この際、高圧圧力(Ph)と目標高圧値(Pta)との差の程度によって上げるファンステップ(S1,S2,S3)の組を決定する。このように、各ファンステップ(S1,S2,S3)を上げて室外ファン(16a,16b,16c)の回転数を増やすことで放熱量を多くし、高圧圧力(Ph)を下げるように制御する。
一方、高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)よりも小さい場合、全ての室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)を同じ段階だけ下げる(ステップS4)。この際も同様に、高圧制御手段(32)が下げるファンステップ(S1,S2,S3)の組を決定し、切換手段(31)に各室外ファン(16a,16b,16c)の回転数を該ファンステップ(S1,S2,S3)に切り替えさせる。このように、各ファンステップ(S1,S2,S3)を下げて室外ファン(16a,16b,16c)の回転数を減らすことで放熱量を少なくし、高圧圧力(Ph)を上げるように制御する。
上記ステップS1からステップS4までの制御を冷房運転時に任意の間隔を空けて繰り返し行う。
(前提技術1の効果)
本前提技術1の空気調和装置(1)によれば、高圧制御手段(32)が第1高圧側圧力センサ(21a)で検出した高圧圧力(Ph)、すなわち冷凍サイクル全体の高圧に基づいて、、この高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)になるように各室外ファン(16a,16b,16c)の回転数を増減させる。回転数の増減は、各室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)を個別に増減させずに、全ての室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)を同時に増減させるので、各室外ファン(16a,16b,16c)の容量が相互に異なっても、各室外ユニット(3a,3b,3c)の運転のばらつきを抑制することができる。
また、高圧制御手段(32)によって、各室外ユニット(3a,3b,3c)の過冷却度が互いに同じになるように予め設定した室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)の組で増減するので、高圧圧力(Ph)に基づいた制御によって、各室外ユニット(3a,3b,3c)の過冷却度のばらつきを抑制することができ、各室外ユニット(3a,3b,3c)における冷媒の循環量の差を小さくすることができる。
《発明の前提技術2》
次に、本発明の前提技術2に係る空気調和装置(1)について説明する。
本前提技術2の空気調和装置(1)は、室内ユニット(2a,2b,2c)及び室外ユニット(3a,3b,3c)の構成は上記前提技術1と同じであり、コントローラ(4)の構成及び制御方法が前提技術1と異なる。なお、前提技術1と同じ構成要素については同じ符号を付し、同じ部分については、その詳細な説明は省略する。
上記コントローラ(4)は、図5に示すように、記憶手段(30)、切換手段(31)及び高圧制御手段(32)に加えて、過冷却度検出手段(33)及び個別制御手段(34)を備えている。記憶手段(30)、切換手段(31)及び高圧制御手段(32)は上記前提技術1と同じ構成となっている。
上記過冷却度検出手段(33)は、上記第1〜第3液側温度センサ(20a,20b,20c)と第1〜第3高圧側圧力センサ(21a,21b,21c)とに接続されており、各液側温度センサ(20a,20b,20c)によって検出された冷媒の温度と、各高圧側圧力センサ(21a,21b,21c)によって検出された圧力とに基づいて、凝縮器として機能する各室外熱交換器(13a,13b,13c)の液側(吐出側)での冷媒の過冷却度を算出する。具体的には、高圧側圧力センサ(21a,21b,21c)の検出値における冷媒の相当飽和温度を算出し、その相当飽和温度から、各室外熱交換器(13a,13b,13c)の出口における冷媒温度である液側温度センサ(20a,20b,20c)で検出された冷媒温度の実測値を差し引いて得られる値を冷媒の過冷却度として算出する。
上記個別制御手段(34)は、上記過冷却度検出手段(33)で検出された各室外ユニット(3a,3b,3c)の過冷却度に基づいて、各室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)を個別に制御するように構成されている。
具体的には、この個別制御手段(34)は、高圧圧力(Ph)及び目標高圧値(Pta)の差の絶対値が閾値(Pth)よりも小さくなるまで上記高圧制御手段(32)においてファンステップ(S1,S2,S3)の制御を行った後、さらに各室外ファン(16a,16b,16c)について、過冷却度に基づいた個別のファンステップ(S1,S2,S3)の制御を行うものである。
以下、上記個別制御手段(34)による制御について、図6に基づいて説明する。
まず、親室外ユニットである第1室外ユニット(3a)における第1高圧側圧力センサ(21a)で検出した高圧圧力(Ph)及び予め定められた目標高圧値(Pta)の差の絶対値と、予め定められた閾値(Pth)とを比較する(ステップS5)。
高圧圧力(Ph)及び目標高圧値(Pta)の差の絶対値が閾値(Pth)以上である場合、上記高圧制御手段(32)による制御を行う(ステップS6)。この高圧制御手段(32)による制御(図4に示す制御)を行った後、ステップS5に戻る。
高圧圧力(Ph)及び目標高圧値(Pta)の差の絶対値が閾値(Pth)よりも小さい場合、過冷却度検出手段(33)において、各室外熱交換器(13a,13b,13c)の過冷却度を検出する(ステップS7)。
次に、上記過冷却度検出手段(33)において検出した過冷却度のうち、最大過冷却度(SCmax)及び最小過冷却度(SCmin)の差と予め設定された閾値(SCth)とを比較する(ステップS8)。最大過冷却度(SCmax)及び最小過冷却度(SCmin)の差が閾値(SCth)以下である場合、制御を終了する。
最大過冷却度(SCmax)及び最小過冷却度(SCmin)の差が閾値(SCth)よりも大きい場合、最小過冷却度(SCmin)が検出された室外ユニット(3n)の室外ファン(16n)のファンステップ(Sn)を1つ上げる(Sn=Sn+1)(ステップS9)。
次に、ステップS8に戻り、再び最大過冷却度(SCmax)及び最小過冷却度(SCmin)の差と閾値(SCth)とを比較する。最大過冷却度(SCmax)及び最小過冷却度(SCmin)の差が閾値(SCth)よりも小さい場合、制御を終了する。
最大過冷却度(SCmax)及び最小過冷却度(SCmin)の差が未だ閾値(SCth)以上である場合、最大過冷却度(SCmax)及び最小過冷却度(SCmin)の差が閾値(SCth)よりも小さくなるまで、ステップS9で最小過冷却度(SCmin)が検出された室外ユニット(3n)の室外ファン(16n)のファンステップ(Sn)を1つ上げる制御を繰り返す。
このように、上記個別制御手段(34)においては、各過冷却度の差が小さくなるように、すなわち、各冷却度が互いに同じとなるように各室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)を制御する。
上記ステップS5からステップS9までの制御を冷房運転時に任意の間隔を空けて繰り返し行う。
(前提技術2の効果)
本前提技術2の空気調和装置(1)によれば、高圧制御手段(32)によって、各室外ユニット(3a,3b,3c)の運転のばらつきを抑制しながら、高圧圧力(Ph)を目標高圧値(Pta)となるように室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)を制御している。さらに、個別制御手段(34)によって、過冷却度検出手段(33)で検出した各室外ユニット(3a,3b,3c)の過冷却度の差が小さくなるように室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)を制御している。
このため、各室外ユニット(3a,3b,3c)の運転のばらつきを抑制することができるとともに、検出した過冷却度に基づいて各過冷却度が同じになるように制御するので、各室外ファン(16a,16b,16c)の容量が相互に異なっても、過冷却度のばらつきをより一層抑制することができ、各室外ユニット(3a,3b,3c)における冷媒の循環量の差を小さくすることができる。
《発明の実施形態1》
次に、本発明の実施形態1に係る空気調和装置(1)について説明する。
本実施形態1の空気調和装置(1)は、室内ユニット(2a,2b,2c)及び室外ユニット(3a,3b,3c)の構成は上記前提技術1と同じであり、コントローラ(4)の構成及び制御方法が前提技術1と異なる。なお、前提技術1と同じ構成要素については同じ符号を付し、同じ部分については、その詳細な説明は省略する。
コントローラ(4)は、図7に示すように、記憶手段(30)、切換手段(31)及び優先度制御手段(35)を備えている。記憶手段(30)及び切換手段(31)は上記前提技術1と同じ構成となっている。
上記優先度制御手段(35)は、第1高圧側圧力センサ(21a)で検出した高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)になるように、第1〜第3室外ファン(16a,16b,16c)の容量に基づいて予め設定した優先度でもって第1〜第3室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)を増減するように構成されている。
具体的には、上記優先度は、各室外ユニット(3a,3b,3c)における、いわゆる過冷却度のつきやすさを基準に設定する。この過冷却度のつきやすさは、各室外ファン(16a,16b,16c)の容量や、その室外ファン(16a,16b,16c)に対応する室外熱交換器(13a,13b,13c)の熱交換能力の大小等に関係する。本実施形態1においては、互いに容量の異なる第1〜第3室外ファン(16a,16b,16c)において、容量の小さいものほど過冷却度がつきにくいものとして優先度を決定する。なお、本実施形態1においては、第1室外ファン(16a)の容量は8HP、第2室外ファン(16b)の容量は10HP、第3室外ファン(16c)の容量は18HPとなっている。
第1高圧側圧力センサ(21a)で検出した高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)よりも高い場合、高圧圧力(Ph)を下げるためにファンステップ(Sn)を上げて回転数を増やす。ファンステップ(Sn)を上げる場合は、第1室外ファン(16a)、第2室外ファン(16b)、第3室外ファン(16c)の順に優先度を高く設定する。
すなわち、第1〜第3室外ファン(16a,16b,16c)のうち最も容量の小さく、過冷却度がつきにくいと考えられる第1室外ファン(16a)の第1ファンステップ(S1)から上げることで、各室外ユニット(3a,3b,3c)の過冷却度のばらつきを抑制する。
一方、高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)よりも低い場合、高圧圧力(Ph)を上げるためにファンステップ(Sn)を下げて回転数を減らす。この場合は、逆に、容量の大きいものほど優先度を高くする。具体的には、第3室外ファン(16c)、第2室外ファン(16b)、第1室外ファン(16a)の順に優先度を高く設定する。
容量の比較的小さい第1室外ファン(16a)のファンステップ(S1)を下げると、過冷却度がつかなくなる場合も考えられるため、より安全側の容量の大きな第3室外ファン(16c)から下げるように設定する。
なお、過冷却度のつきやすさは、室外ファン(16a,16b,16c)の容量だけでなく、上記室外熱交換器(13a,13b,13c)の熱交換能力や他の要因も関係するため、それらを総合的に考慮して設定する。
そして、上記優先度制御手段(35)において、各室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)を制御する際には、各ファンステップ(S1,S2,S3)に2以上の差があかないように制御する。これは、各室外ファン(16a,16b,16c)相互の回転数に大きな差ができると室外ユニット(3a,3b,3c)の運転にばらつきがでてしまうためである。このため、優先度制御手段(35)では、優先度に基づいて各室外ファン(16a,16b,16c)を個別に制御するのであるが、各ファンステップ(S1,S2,S3)相互の関係を考慮して行う。なお、このファンステップ(S1,S2,S3)の差の制限は、設定する回転数によって3以上の差があかないようにするなど、任意に設定すればよい。
以下、上記優先度制御手段(35)による制御を図8に基づいて説明する。
まず、第1室外ユニット(3a)における第1高圧側圧力センサ(21a)で検出した高圧圧力(Ph)及び予め定められた目標高圧値(Pta)の差の絶対値と、予め定められた閾値(Pth)とを比較する(ステップS11)。高圧圧力(Ph)及び目標高圧値(Pta)の差の絶対値が閾値(Pth)よりも小さい場合は制御を終了する。
一方、高圧圧力(Ph)及び目標高圧値(Pta)の差の絶対値が閾値(Pth)以上である場合は、高圧圧力(Ph)と目標高圧値(Pta)との差が0よりも大きいか小さいかを判断する(ステップS12)。
高圧圧力(Ph)と目標高圧値(Pta)との差が0よりも大きい場合、すなわち、高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)よりも大きい場合、ファンステップ(Sn)を上げる指示が出される(ステップS13)。
次に、優先度に基づいて、ファンステップ(Sn)を上げる室外ファン(16n)を選定する。具体的には、まず、各ファンステップ(S1,S2,S3)が全て同じであるか否かを判断する(ステップS14)。各ファンステップ(S1,S2,S3)が全て同じである場合、優先度の一番高い第1室外ファン(16a)の第1ファンステップ(S1)を1つ上げる(S1=S1+1)(ステップS15)。
各ファンステップ(S1,S2,S3)が全て同じではない場合、第1室外ファン(16a)の第1ファンステップ(S1)が第2室外ファン(16b)の第2ファンステップ(S2)よりも1つ大きいか否かを判断する(ステップS16)。第1ファンステップ(S1)が第2ファンステップ(S2)よりも1つ大きい場合、第1ファンステップ(S1)を1つ上げると、第2ファンステップ(S2)との差が2つあいてしまうため、2番目に優先度の高い第2室外ファン(16b)の第2ファンステップ(S2)を1つ上げる(S2=S2+1)(ステップS17)。
第1ファンステップ(S1)が第2ファンステップ(S2)よりも1つ大きくない場合、第1ファンステップ(S1)と第2ファンステップ(S2)とが同じで、第3室外ファン(16c)の第3ファンステップ(S3)が第1及び第2ファンステップ(S1,S2)よりも1つ小さいと考えられるため、第3ファンステップ(S3)を1つ上げる(S3=S3+1)(ステップS18)。
ステップS12において、高圧圧力(Ph)と目標高圧値(Pta)との差が0よりも小さい場合、すなわち、高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)よりも小さい場合、ファンステップ(Sn)を下げる指示が出される(ステップS19)。
そして、優先度に基づいて、ファンステップ(Sn)を下げる室外ファン(16n)を選定する。具体的には、まず、各ファンステップ(S1,S2,S3)が全て同じであるか否かを判断する(ステップS20)。各ファンステップ(S1,S2,S3)が全て同じである場合、優先度の一番高い第3室外ファン(16c)の第3ファンステップ(S3)を1つ下げる(S3=S3-1)(ステップS21)。
各ファンステップ(S1,S2,S3)が全て同じではない場合、第1ファンステップ(S1)が第2ファンステップ(S2)よりも1つ大きいか否かを判断する(ステップS22)。第1ファンステップ(S1)が第2ファンステップ(S2)よりも1つ大きい場合、第2ファンステップ(S2)と第3ファンステップ(S3)とが同じで、第1ファンステップ(S1)が第2及び第3ファンステップ(S2,S3)よりも1つ大きいと考えられる。このため、優先度の高い第2及び第3ファンステップ(S2,S3)を1つ下げると、第1ファンステップ(S1)との間に差が2つあいてしまうので、第1ファンステップ(S1)を1つ下げる(S1=S1-1)(ステップS23)。
第1ファンステップ(S1)が第2ファンステップ(S2)よりも1つ大きくない場合、第1及び第2ファンステップ(S1,S2)が同じで、第3ファンステップ(S3)が第1及び第2ファンステップ(S1,S2)よりも1つ小さいと考えられるため、2番目に優先度の高い第2ファンステップ(S2)を1つ下げる(S2=S2-1)(ステップS24)。
このように、いずれかの室外ファン(16n)のファンステップ(Sn)を増減して制御を終了する。上記ステップS11からステップS24までの制御を冷房運転時に任意の間隔を空けて繰り返し行う。
(実施形態1の効果)
本実施形態1の空気調和装置(1)によれば、高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)になるように室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)の増減を決定し、優先度制御手段(35)によって、各室外ファン(16a,16b,16c)の容量に基づいて予め設定した優先度でもって室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)を順に増減させる。このため、各室外ファン(16a,16b,16c)の回転数に大きな差が生じないので、各室外ユニット(3a,3b,3c)の運転のばらつきを抑制することができる。
また、高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)よりも大きい場合に室外ファン(16a,16b,16c)の回転数を増やして高圧圧力(Ph)を下げる制御をする際に、過冷却度がつきにくいと考えられる、室外ファン(16a)の容量の小さいものから優先度を高く設定する。容易に過冷却度がついてしまうものから室外ファン(16a,16b,16c)の回転数を増やすと、他の過冷却度との間に差が大きくあいてしまうため、このように過冷却度のつきにくいものから優先度を高く設定することで、各室外ユニット(3a,3b,3c)における過冷却度のばらつきを抑制することができる。
一方、高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)よりも小さい場合に室外ファン(16a,16b,16c)の回転数を減らして高圧圧力(Ph)を上げる制御をする際には、回転数を減らしても、過冷却度がつかなくなる等の影響が小さいと考えられる容量の大きい第3室外ファン(16c)、第2室外ファン(16b)、第1室外ファン(16a)の順に優先度を高く設定している。このため、容量の小さい第1室外ファン(16a)から回転数を減らす場合に比べて、安全側の制御を行うことができる。
このように、過冷却度を検出せずに高圧圧力(Ph)のみに基づいて室外ファン(16a,16b,16c)の回転数制御を行う場合においても、各室外ファン(16a,16b,16c)の容量に基づいた優先度でもって制御することにより、容量の互いに異なる室外ファン(16a,16b,16c)において過冷却度のばらつきを抑制することができるので、各室外ユニット(3a,3b,3c)における冷媒の循環量の差をより一層小さくすることができる。
また、優先度制御手段(35)で制御する際に、各ファンステップ(S1,S2,S3)の間に2以上の差が空かないように制御しているため、高圧圧力(Ph)に基づいて各室外ファン(16a,16b,16c)を個別に制御しても、各室外ファン(16a,16b,16c)の回転数に大きな差が生じないので、各室外ユニット(3a,3b,3c)の運転のばらつきをより一層抑制することができる。
《発明の実施形態2》
次に、本発明の実施形態2に係る空気調和装置(1)について説明する。
本実施形態2の空気調和装置(1)は、室内ユニット(2a,2b,2c)及び室外ユニット(3a,3b,3c)の構成は上記前提技術1と同じであり、コントローラ(4)の構成及び制御方法が前提技術1と異なる。なお、前提技術1と同じ構成要素については同じ符号を付し、同じ部分については、その詳細な説明は省略する。
コントローラ(4)は、図9に示すように、記憶手段(30)、切換手段(31)、過冷却度検出手段(33)、個別制御手段(34)及び優先度制御手段(35)を備えている。記憶手段(30)、切換手段(31)及び過冷却度検出手段(33)は、上記前提技術2と同じ構成となっている。
本実施形態2においては、個別制御手段(34)で各室外ユニット(3a,3b,3c)の過冷却度に基づいてファンステップ(S1,S2,S3)を制御するとともに、優先度制御手段(35)で高圧圧力(Ph)に基づいてファンステップ(S1,S2,S3)を制御する。個別制御手段(34)では、他の室外ファン(16n)のファンステップ(Sn)に拘わらず最小過冷却度が検出された室外ユニット(3n)における室外ファン(16n)のファンステップ(Sn)を上げる制御を行う。一方、優先度制御手段(35)では、各室外ファン(16a,16b,16c)のファンステップ(S1,S2,S3)同士が2つ以上差があかないように制御する。したがって、この制御においては、実際のファンステップ(Sn)と、優先度制御手段(35)で優先度を決める際に用いる優先度ファンステップ(Spn)とを用いる。
以下、個別制御手段(34)及び優先度制御手段(35)による制御を図10に基づいて説明する。
まず、過冷却度検出手段(33)によって、各室外ユニット(3a,3b,3c)の過冷却度を検出する(ステップS25)。検出した過冷却度のうち、最大過冷却度(SCmax)及び最小過冷却度(SCmin)の差と予め設定した閾値(SCth)とを比較する(ステップS26)。
最大過冷却度(SCmax)及び最小過冷却度(SCmin)の差が閾値(SCth)よりも大きい場合は、最小過冷却度(SCmin)が検出された室外ユニット(Sn)における室外ファン(16n)のファンステップ(Sn)を1つ上げて、切換手段(31)にファンステップ(Sn)を切り替えさせる(Sn=Sn+1)(ステップS27)。ここでは、上記優先度ファンステップ(Spn)は変更せずにそのままとする(Spn=Spn)。
そして、ステップS26に戻り、最大過冷却度(SCmax)及び最小過冷却度(SCmin)の差と閾値(SCth)とを再び比較する。最大過冷却度(SCmax)及び最小過冷却度(SCmin)の差が閾値(SCth)よりも大きい場合、ステップS27に戻り、最大過冷却度(SCmax)と最小過冷却度(SCmin)との差が閾値(SCth)よりも小さくなるまで、最小過冷却度(SCmin)が検出された室外ファン(16n)のファンステップ(Sn)を1つ上げる制御を繰り返す。
ステップS26において、最大過冷却度(SCmax)と最小過冷却度(SCmin)との差が閾値(SCth)以下である場合、優先度制御手段(35)による制御を開始する。
なお、本実施形態2における各室外ファン(16a,16b,16c)の容量は上記実施形態1と同じであり、ファンステップ(Sn)を上げる場合は、容量の小さいものほど優先度が高く、第1室外ファン(16a)、第2室外ファン(16b)、第3室外ファン(16c)の順になっている。一方、ファンステップ(Sn)を下げる場合は、容量の大きいものほど優先度が高く、第3室外ファン(16c)、第2室外ファン(16b)、第1室外ファン(16a)の順になっている。
まず、第1室外ユニット(3a)で検出した高圧圧力(Ph)及び予め設定された目標高圧値(Pta)の差の絶対値と予め設定された閾値(Pth)とを比較する(ステップS28)。
高圧圧力(Ph)及び目標高圧値(Pta)の差の絶対値が閾値(Pth)よりも小さい場合、制御を終了する。高圧圧力(Ph)及び目標高圧値(Pta)の差の絶対値が閾値(Pth)以上である場合、高圧圧力(Ph)と目標高圧値(Pta)との差が0よりも大きいか小さいかを判断する(ステップS29)。
高圧圧力(Ph)と目標高圧値(Pta)との差が0よりも大きい場合、すなわち、高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)よりも大きい場合、ファンステップ(Sn)を上げる指示が出される(ステップS30)。
次に、優先度に基づいて、ファンステップ(Sn)を上げる室外ファン(16n)を選定する。具体的には、まず、優先度ファンステップ(Sp1,Sp2,Sp3)が全て同じであるか否かを判断する(ステップS31)。
優先度ファンステップ(Sp1,Sp2,Sp3)が全て互いに同じである場合、優先度の一番高い第1室外ファン(16a)の第1優先度ファンステップ(Sp1)を1つ上げる(Sp1=Sp1+1)(ステップS32)。これとともに、実際の第1ファンステップ(S1)も1つ上げて切換手段(31)に切り替えさせる(S1=S1+1)。
優先度ファンステップ(Sp1,Sp2,Sp3)が全て互いに同じではない場合、第1室外ファン(16a)の第1優先度ファンステップ(Sp1)が第2室外ファン(16b)の第2優先度ファンステップ(Sp2)よりも1つ大きいか否かを判断する(ステップS33)。
第1優先度ファンステップ(Sp1)が第2優先度ファンステップ(Sp2)よりも1つ大きい場合、第1優先度ファンステップ(Sp1)を1つ上げると、第2優先度ファンステップ(Sp2)との差が2つあいてしまうため、2番目に優先度の高い第2優先度ファンステップ(Sp2)を1つ上げる(Sp2=Sp2+1)(ステップS34)。これとともに、実際の第2ファンステップ(S2)も1つ上げて、切換手段(31)に切り替えさせる(S2=S2+1)。
ステップS31において、第1優先度ファンステップ(Sp1)が第2優先度ファンステップ(Sp2)よりも1つ大きくない場合、第1優先度ファンステップ(Sp1)と第2優先度ファンステップ(Sp2)とが同じで、第3優先度ファンステップ(Sp3)が第1及び第2優先度ファンステップ(Sp1,Sp2)よりも1つ小さいと考えられるため、第3優先度ファンステップ(Sp3)を1つ上げる(Sp3=Sp3+1)(ステップS35)。これとともに、実際の第3優先度ファンステップ(Sp3)も1つ上げて、切換手段(31)に切り替えさせる(S3=S3+1)。
一方、ステップS29において、高圧圧力(Ph)と目標高圧値(Pta)との差が0よりも小さい場合、すなわち、高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)よりも小さい場合、ファンステップ(Sn)を下げる指示が出される(ステップS36)。
そして、優先度に基づいて、ファンステップを下げる室外ファン(16n)を選定する。具体的には、まず、優先度ファンステップ(Sp1,Sp2,Sp3)が互いに全て同じであるか否かを判断する(ステップS37)。
優先度ファンステップ(Sp1,Sp2,Sp3)が全て同じである場合、優先度の一番高い第3室外ファン(16c)の第3優先度ファンステップ(Sp3)を1つ下げる(Sp3=Sp3-1)(ステップS38)。これとともに、実際の第3ファンステップ(S3)も1つ下げて、切換手段(31)に切り替えさせる(S3=S3-1)。
優先度ファンステップ(Sp1,Sp2,Sp3)が互いに全て同じではない場合、第1優先度ファンステップ(Sp1)が第2優先度ファンステップ(Sp2)よりも1つ大きいか否かを判断する(ステップS39)。
第1優先度ファンステップ(Sp1)が第2優先度ファンステップ(Sp2)よりも1つ大きい場合、第2優先度ファンステップ(Sp2)と第3優先度ファンステップ(Sp3)とが同じで、第1優先度ファンステップ(Sp1)が第2及び第3優先度ファンステップ(Sp2,Sp3)よりも1つ大きいと考えられる。このため、優先度の高い第2及び第3優先度ファンステップ(Sp3)を1つ下げると、第1優先度ファンステップ(Sp1)との間に差が2つあいてしまうので、第1優先度ファンステップ(Sp1)を1つ下げる(Sp1=Sp1-1)(ステップS40)。これとともに、実際の第1ファンステップ(S1)も1つ下げて、切換手段(31)に切り替えさせる(S1=S1-1)。
第1優先度ファンステップ(Sp1)が第2優先度ファンステップ(Sp2)よりも1つ大きくない場合、第1及び第2優先度ファンステップ(Sp1,Sp2)が同じで、第3優先度ファンステップ(Sp3)が第1及び第2優先度ファンステップ(Sp1,Sp2)よりも1つ小さいと考えられるため、2番目に優先度の高い第2優先度ファンステップ(Sp2)を1つ下げる(Sp2=Sp2-1)(ステップS41)。これとともに、実際の第2ファンステップ(S2)も1つ下げて、切換手段(31)に切り替えさせる(S2=S2-1)。
このように、いずれかの室外ファン(16n)のファンステップ(Sn)を増減して制御を終了する。上記ステップS25からステップS41までの制御を冷房運転時に任意の間隔を空けて繰り返し行う。
(実施形態2の効果)
本実施形態2の空気調和装置(1)によれば、個別制御手段(34)によって、実際の各室外熱交換器(13a,13b,13c)の過冷却度を検出し、この過冷却度に基づいて各過冷却度が同じになるように室外ファン(16a,16b,16c)を個別に制御する。その後、さらに優先度制御手段(35)によって室外ファン(16a,16b,16c)の容量に基づいた優先度で冷媒の高圧圧力(Ph)が目標高圧値(Pta)となるように室外ファン(16a,16b,16c)の制御を行う。このため、個別制御手段(34)によって各過冷却度が同じになるように制御するので、各室外ユニット(3a,3b,3c)の過冷却度のばらつきを抑制することができ、各室外ユニット(3a,3b,3c)における冷媒の循環量の差をより一層小さくすることができる。これとともに、高圧圧力(Ph)を基に優先度の順に室外ファン(16a,16b,16c)の回転数を増減することで各室外ユニット(3a,3b,3c)の運転のばらつきを抑制することができる。
なお、上述の実施形態は、本発明の例示であって、本発明はこの例に限定されるものではない。