JP4726845B2 - 冷凍空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の熱源機を1つの冷媒系統で利用側負荷と接続した冷凍空気調和装置に関し、特に各熱源機の圧縮機に戻る冷媒量の均等化を図る冷凍空気調和装置に関するものである。
従来から、圧縮機から吐出した冷媒の吐出温度と、凝縮器での凝縮温度と、蒸発器での蒸発温度とから圧縮機に吸入される冷媒の乾き度を正確に検知し、その検知結果に基づいて圧縮機の吸入乾き度が適切な状態になるように膨張弁の開度を制御することで運転効率の向上を図るようにした冷凍空気調和装置が存在する(たとえば、特許文献1参照)。この冷凍空気調和装置は、検知した冷媒の乾き度を予め設定してある目標値の範囲内となるように制御することで、運転効率の向上を図るようにしている。
また、特許文献1のような冷凍空気調和装置において、複数台の熱源機を組み合わせて大容量の熱源手段を形成し、それを一つの冷媒系統により利用側負荷と接続することも一般的となっている。このように複数台の熱源機を組み合わせて大容量の熱源手段を形成するものでは、各熱源機で想定している馬力を実現するために、利用側負荷に搭載される利用側熱交換器から戻る冷媒が各熱源機から吐出した分量だけ、それぞれの熱源機に戻ることが望ましい。
しかしながら、各熱源機が個別に配置されるので、実際に各熱源機から吐出される冷媒量に対して、戻って来る冷媒量が等しくなるように制御することは、設置される熱源機台数の増加に比例して困難となる。このため、一部の熱源機で冷媒が過剰気味になり、他の熱源機で冷媒が不足気味になり、冷媒の戻りが過剰になる熱源機では液溜部の液冷媒量が過剰になってしまう。このような状態が放置されると圧縮機への液戻しが過多となり、また冷媒の戻りが不足すると圧縮機への適正な液戻しができなくなって過熱運転となる。このため、熱源機における圧縮機の動作信頼性が低下してしまう。
そこで、各熱源機に液溜部を設け、液溜部入口における冷媒の過熱度(乾き度)から、各熱源機への液冷媒の戻り量の不均衡を検知し、不均衡を是正する均液制御を行うようにした冷凍空気調和装置が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。この冷凍空気調和装置は、液溜部入口における冷媒の過熱度(乾き度)に基づいて各熱源機に戻る冷媒量の均等化を図り、一方の熱源機への過剰な液戻りに起因する過熱運転を防止して圧縮機の動作信頼性を向上している。
特開2001−221526号公報(第4−6頁、第1図) 特開平11−142010号公報(第4、5頁、第1図)
特許文献2に記載の冷凍空気調和装置では、過熱度演算手段を設け、各熱源機の液溜部入口における冷媒の過熱度、すなわち乾き度を演算し、各熱源機への液冷媒の戻り量の不均衡を検知するようにしている。このような空気調和装置では、各熱源機が設置される場所や、各熱源機の容量(又は馬力)によって各熱源機に分配される冷媒量が決定することとなる。このような理由から、各熱源機への液冷媒の戻り量の不均衡を更に高精度で検知することができる冷凍空気調和装置が要求されている。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、利用側熱交換器から戻る冷媒流量が複数の熱源機それぞれの圧縮機に、より高精度で均等分配できる冷凍空気調和装置を提供することを目的とする。
本発明に係る冷凍空気調和装置は、圧縮機、四方切換弁、熱交換器及びアキュムレータを搭載した熱源機を複数台搭載した冷凍空気調和装置であって、前記熱交換器から流出する冷媒の過熱度を演算する熱交換器出口過熱度演算手段と、前記圧縮機から吐出する冷媒の過熱度を演算する圧縮機吐出過熱度演算手段と、前記熱交換器出口過熱度演算手段、及び、前記圧縮機吐出過熱度演算手段によって演算された複数の演算値を全ての熱源機に対して共通の値として予め設定してある所定値と比較することで、前記アキュムレータの液冷媒量の不均衡を判断し、前記複数の演算値のうち少なくとも1つが前記所定値よりも小さいと判断したとき、前記熱交換器に供給する風量を制御し、前記熱交換器のそれぞれから流出する冷媒の過熱度のそれぞれ、及び、前記圧縮機のそれぞれから吐出される冷媒の過熱度のそれぞれを前記所定値に収束させることで均液制御を実行する均液制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る冷凍空気調和装置は、均液制御手段が、各熱交換器出口過熱度演算手段及び各圧縮機吐出過熱度演算手段による各熱源機の各アキュムレータの入口における冷媒の過熱度を介して、各熱源機への液冷媒の戻り量の不均衡を高精度に検知できるので、各アキュムレータ内の液量不均衡を高精度で是正することが可能になる。したがって、圧縮機の一方への過剰な液戻りを未然に防止し、各圧縮機の動作信頼性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る冷凍空気調和装置100の冷媒回路構成を示す冷媒回路図である。図1に基づいて、冷凍空気調和装置100の回路構成について説明する。この冷凍空気調和装置100は、冷媒を循環させる冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)を利用して、冷房運転及び暖房運転を行なうものである。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、複数の熱源機に便宜的に主従を付して説明するものとする。
冷凍空気調和装置100は、2台の熱源機(主熱源機1及び従熱源機101)と、2台の利用側負荷50とで構成されている。つまり、冷凍空気調和装置100には、複数系統の熱源機が搭載されているのである。2台の利用側負荷は、液配管及びガス配管で構成される冷媒配管20で2台の熱源機に並列接続されて連絡するようになっている。この冷媒配管20によって、2台の熱源機に搭載される各機器と、2台の利用側負荷50に搭載される各機器とを接続することで冷媒回路を形成し、この冷媒回路を冷媒が循環することによって、冷凍空気調和装置100は冷房運転及び暖房運転することができるようになっているのである。
主熱源機1には、それぞれ同容量又は互いに異容量の1台以上の出力制御可能な主圧縮機2、主油分離器3、主四方切換弁4、主熱交換機器5、1台以上の出力制御可能な主送風機6、主アキュムレータ7、及び、主油分離器3から主圧縮機2に冷凍機油を戻すための主返油回路8が設けられている。主圧縮機2は、冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にするものである。主油分離器3は、冷凍機油が混在している冷媒ガスから冷凍機油成分を分離する機能を有している。
主四方切換弁4は、冷房運転時及び暖房運転時で冷媒の流れを切り替えるものである。主熱交換器5は、冷房運転時には凝縮器、暖房運転時には蒸発器として機能し、主送風機6から供給される空気と冷媒との間で熱交換を行ない、冷媒を蒸発ガス化又は凝縮液化するものである。主送風機6は、ファン等で構成されており、主熱交換器5に空気を送風するための機能を有している。主アキュムレータ7は、過剰な冷媒を貯留するものであり、過剰な冷媒を貯留できる容器であればよい。主返油回路8は、主油分離器3で分離された冷凍機油を主圧縮機2に戻すものである。
また、主熱源機1には、主圧縮機2の吸入部及び主四方切換弁4との間の管路に設けられた主低圧圧力検知手段13、主熱交換器5から主四方切換弁4及び主アキュムレータ7を経て主圧縮機2吸入部に至る管路に設けられた主熱交換器出口温度検知手段14、及び、主低圧圧力検知手段13の低圧圧力検知値と主熱交換器出口温度検知手段14の温度検知値により主熱交換器5の出口過熱度を演算する主熱交換器出口過熱度演算手段17が設けられている。
主低圧圧力検知手段13は、圧力センサ等で構成され、主圧縮機2に吸入する冷媒の圧力(低圧)を検知する機能を有している。主熱交換器出口温度検知手段14は、サーミスタ等の温度センサで構成されており、主熱交換器5の出口(暖房運転時における冷媒出口)の温度を検知する機能を有している。主熱交換器出口過熱度演算手段17は、マイクロコンピュータ等で構成され、後述する均液制御手段19に演算した出口過熱度を送る機能を有している。
さらに、主熱源機1には、主圧縮機2の吐出部及び主四方切換弁4との間の管路に設けられた主高圧圧力検知手段15、主圧縮機2の吐出温度検知手段16、及び、主高圧圧力検知手段15の高圧圧力検知値と主圧縮機2の吐出温度検知手段16の温度検知値により主圧縮機2の吐出過熱度を演算する主圧縮機吐出過熱度演算手段18が設けられている。主高圧圧力検知手段15は、圧力センサ等で構成され、主圧縮機2から吐出する冷媒の圧力(高圧)を検知する機能を有している。吐出温度検知手段16は、サーミスタ等の温度センサで構成されている。主圧縮機吐出過熱度演算手段18は、マイクロコンピュータ等で構成され、均液制御手段19に演算した吐出過熱度を送る機能を有している。
なお、主熱交換器出口過熱度演算手段17及び主圧縮機吐出過熱度演算手段18は、一体として主熱源機1に設けられていてもよく、それぞれ別体として主熱源機1に設けられていてもよい。また、図1では、主熱交換器出口過熱度演算手段17及び主圧縮機吐出過熱度演算手段18を主熱源機1に設けている状態を例に示しているが、主熱源機1の外部に設けるようにしてもよい。さらに、主熱交換器出口過熱度演算手段17及び主圧縮機吐出過熱度演算手段18を後述する均液制御手段19の1つの機能としてもよい。
従熱源機101には、それぞれ同容量又は互いに異容量の1台以上の出力制御可能な従圧縮機102、従油分離器103、従四方切換弁104、従熱交換機器105、1台以上の出力制御可能な従送風機106、従アキュムレータ107、及び、従油分離器103から従圧縮機102に冷凍機油を戻すための従返油回路108が設けられている。これらの従熱源機101に設けられる各機器は、主熱源機1に設けられる各機器と同様の機能を果たすようになっている。
また、従熱源機101には、従圧縮機102の吸入部及び従四方切換弁104との間の管路に設けられた従低圧圧力検知手段113、従熱交換器105から従四方切換弁104及び従アキュムレータ107を経て従圧縮機102吸入部に至る管路に設けられた従熱交換器出口温度検知手段114、及び、従低圧圧力検知手段113の低圧圧力検知値と従熱交換器出口温度検知手段114の温度検知値により従熱交換器105の出口過熱度を演算する従熱交換器出口過熱度演算手段117が設けられている。これらの従熱源機101に設けられる各手段は、主熱源機1に設けられる各手段と同様の機能を果たすようになっている。
さらに、従熱源機101には、従圧縮機102の吐出部及び従四方切換弁104との間の管路に設けられた従高圧圧力検知手段115、従圧縮機102の吐出温度検知手段116、及び、従高圧圧力検知手段115の高圧圧力検知値と従圧縮機2の吐出温度検知手段116の温度検知値により従圧縮機102の吐出過熱度を演算する従圧縮機吐出過熱度演算手段118が設けられている。これらの従熱源機101に設けられる各手段も、主熱源機1に設けられる各手段と同様の機能を果たすようになっている。なお、従熱交換器出口過熱度演算手段117及び従圧縮機吐出過熱度演算手段118を後述する均液制御手段19の1つの機能としてもよい。
利用側負荷50には、利用側熱交換器9及び利用側流量制御弁10が直列に接続されて設けられている。利用側熱交換器9は、冷房運転時には蒸発器、暖房運転時には凝縮器として機能し、冷媒と空気との間で熱交換を行ない、冷媒を蒸発ガス化又は凝縮液化するものである。利用側流量制御弁10は、減圧弁や膨張弁として機能し、冷媒を減圧して膨張させるものである。この利用側流量制御弁10は、開度が可変に制御可能なもの、たとえば電子式膨張弁等で構成するとよい。また、利用側負荷50には、図示省略のファン等で構成された送風機が利用側熱交換器9の近傍に設けられている。なお、2台の利用側負荷50は、それぞれの容量が異なっていてもよく、同一であってもよい。
主熱源機1及び利用側負荷50を接続した冷媒配管20と、従熱源機101及び利用側負荷50を接続した冷媒配管20とは、液側合流部11及びガス側合流部12で接続するようになっている。また、冷凍空気調和装置100には、主熱源機1及び従熱源機101に接続された均液制御手段19が設けられている。この均液制御手段19は、主熱交換器出口過熱度演算手段17、主圧縮機吐出過熱度演算手段18、従熱交換器出口過熱度演算手段117、及び、従圧縮機吐出過熱度演算手段118からの演算値によって主アキュムレータ7及び従アキュムレータ107内の液量不均衡を是正する均液制御を行う機能を有している(詳細は後述する)。
以上説明した、主熱源機1に設けられる各機器、従熱源機101に設けられる各機器、及び利用側負荷50に設けられる各機器を主要部とし、これらを冷媒配管20で順次接続することで冷媒回路が構成される。そして、冷凍空気調和装置100は、この冷媒回路に冷媒を循環させることによって、その冷媒の循環方向に基づいて冷房運転又は暖房運転等の空気調和を行なうことができるようになっている。すなわち、冷凍空気調和装置100は、主熱源機1及び従熱源機101の出力を冷媒を介して利用側熱交換器9に伝達し、所要の空気調和を実現しているのである。
ここで、冷凍空気調和装置100における冷媒の挙動について説明する。
まず、図1に実線矢印で示す冷房運転の場合における冷媒の挙動について説明する。すなわち、主熱源機1の主圧縮機2から吐出した高温・高圧のガス冷媒は、主四方切換弁4を経て主熱交換器5へ流入する。主熱交換器5に流入したガス冷媒は、この主熱交換器5で放熱し、低温・高圧の液冷媒に状態変化する。その後、液冷媒は、主熱源機1から流出して液側合流部11に到達する。
また、従熱源機101においても主熱源機1の場合と同様に、従圧縮機102から吐出した高温・高圧のガス冷媒が、従四方切換弁104を経て従熱交換器105へ流入し、液冷媒に状態変化する。この液冷媒は、従熱源機101から流出して、液側合流部11で主熱源機1からの液冷媒と合流する。次いで、合流した液冷媒は、利用側負荷50に流入する。そして、利用側流量制御弁10へ流入し、減圧されて低温・低圧の二相冷媒に状態変化する。その後、この気液二相冷媒は、利用側熱交換器9に流入し、空気から吸熱することで、その殆どがガス状態に状態変化する。この低圧ガス冷媒は、ガス側合流部12で主熱源機1側と従熱源機101側とに分配される。
主熱源機1に流入した冷媒は、主四方切換弁4を経て主アキュムレータ7に流入し、一部未蒸発であった液冷媒が分離されて、ガス冷媒のみが主圧縮機2に戻ることになる。また、従熱源機101に流入した冷媒も、主熱源機1側と同様に、従四方切換弁104を経て従アキュムレータ107に流入し、一部未蒸発であった液冷媒が分離されて、ガス冷媒のみが従圧縮機102に戻ることになる。以上のように、冷媒が挙動することによって冷凍空気調和装置100の冷房運転を実現している。
次に、図1に破線矢印で示す暖房運転の場合における冷媒の挙動について説明する。すなわち、主熱源機1の主圧縮機2から吐出した高温・高圧のガス冷媒は、主四方切換弁4を経てガス側合流部12に到達する。このガス冷媒は、ガス側合流部12で、主熱源機1側と同様な挙動によって従熱源機101から流出するガス冷媒と合流する。次いで、合流したガス冷媒は、利用側負荷50の利用側熱交換器9に流入する。利用側熱交換器9に流入したガス冷媒は、この利用側熱交換器9で放熱、凝縮して低温・高圧の液冷媒に状態変化する。
そして、利用側熱交換器9から流出した液冷媒は、利用側流量制御弁10に流入し、減圧されて低圧の二相冷媒に状態変化する。この気液二相冷媒は、利用側負荷50から流出し、そのまま液側合流部11に到達し、そこで主熱源機1側と従熱源機101側とに分配される。主熱源機1側に流れた冷媒は、主熱交換器5でその液部の殆どが吸熱蒸発し、主四方切換弁4を経て、主アキュムレータ7により気液分離され、ガス冷媒のみが主圧縮機2に戻ることになる。また、従熱源機101に流れた冷媒も、主熱源機1側の場合と同様に、従熱交換器105、従四方切換弁104及び従アキュムレータ107を経て従圧縮機102に戻ることになる。
ここで、冷媒の挙動によって生じる各熱源機の冷媒の過不足発生状況について説明する。このような冷媒の過不足状態発生の経過を暖房運転時に基づいて説明する。すなわち、暖房運転時において、各熱源機から吐出される冷媒量に対して、液側合流部11又はガス側合流部12から各熱源機へ戻る冷媒量に不均衡が発生することによって、主熱源機1又は従熱源機101の一方で冷媒が不足し、他方で冷媒過剰となってしまう場合について説明する。なお、冷房運転時では、冷媒が液冷媒として液管内に滞留し、利用側熱交換器9で吸熱されることになるため、殆どがガス状態に状態変化するので主アキュムレータ7及び従アキュムレータ107には余剰冷媒が比較的に発生し難い。
暖房運転時に利用側熱交換器9から流出し、主熱源機1及び従熱源機101に戻ってくる冷媒は、液側合流部11で主熱源機1側及び従熱源機101側に分配されることになるが、このときに主圧縮機2と従圧縮機102の冷媒吐出量に見合った割合で分流することが望ましい。しかしながら、冷媒の流れの良否は、冷媒配管20内の圧損に支配されるため、圧縮機(主圧縮機2及び従圧縮機102)の冷媒流量と管路径、管路長によって左右されることになる。
たとえば、図1の場合において、液側合流部11から主熱交換器5までの管路径が、液側合流部11から従熱交換器105までの管路径よりも太いときには、同じ冷媒量が流れるとすると、主熱源機1側の方が圧損が小さくなることになる。したがって、主熱源機1側に流れる冷媒流量が、従熱源機101側に流れる冷媒流量よりも多くなる。このため、主熱交換器5に流れる二相冷媒流量が多くなって、主熱交換器5で蒸発しきれない液冷媒が増加してしまうことになる。
また、圧損の小さい主熱交換器5では、液側合流部11に対して圧力低下が小さいため、蒸発器として作用する主熱交換器5の蒸発温度が高くなってしまう。そして、蒸発温度が高い場合には、被冷却流体(たとえば、空冷式では空気、水冷式では水)との温度差が小さくなるので、蒸発能力も低下してしまう。このような現象が発生することによって、気液二相冷媒流の液蒸発量も少なくなってしまうので、主熱交換器5を流出する冷媒の乾き度も小さくなり易い。
このような状況のために、主返油回路8から主圧縮機2に戻される冷媒量よりも、未蒸発液冷媒量が上回ると主アキュムレータ7内の余剰冷媒量が増加することになる。すなわち、主熱源機1及び従熱源機101のそれぞれに運転出力の異なる主圧縮機2及び従圧縮機102並びに主熱交換器5及び従熱交換器105を設けると、液側合流部11から主熱交換器5までの管路径及び液側合流部11から従熱交換器105までの管路径がそれぞれ異なる冷媒回路が構成されることになる。
このような液側合流部11から主熱交換器5までの管路径及び液側合流部11から従熱交換器105までの管路径がそれぞれ異なる冷媒回路において、主圧縮機2及び従圧縮機102の冷媒吐出量に見合った割合で冷媒を分流する望ましい状態に近づけるためには、主熱源機1及び従熱源機101の圧縮機冷媒循環量に対して、液側合流部11から主熱交換器5及び従熱交換器105までの圧力損失を同等として、蒸発器として作用する主熱交換器5及び従熱交換器105の蒸発温度を同等にする必要がある。
以上の説明における冷媒の状況に基づいて、この実施の形態1に係る冷凍空気調和装置100では、図2に示すフローチャートのように冷媒回路が制御される。すなわち、冷凍空気調和装置100は、主圧縮機2及び従圧縮機102の冷媒吐出量に対し、液側合流部11から主熱源機1及び液側合流部11から従熱源機101の両者へ戻る冷媒量に不均衡が生じることによって、上記両者の一方で冷媒が不足し、他方で冷媒過剰となる状態を迅速、かつ確実に検知して早急に均液制御が実行可能になっているのである。
図2は、冷媒回路に対する制御の流れを示すフローチャートである。図2に基づいて、冷凍空気調和装置100が実行する冷媒回路の制御の流れについて説明する。まず、主低圧圧力検知手段13で検知した低圧圧力と主熱交換器出口温度検知手段14で検知した温度から、主熱交換器出口過熱度演算手段17により主熱交換器5の出口過熱度HEXSHaが、主高圧圧力検知手段15で検知した高圧圧力と主圧縮機吐出温度検知手段16で検知した温度から、主圧縮機吐出過熱度演算手段18により主圧縮機2の吐出過熱度TdSHaがそれぞれ演算される(ステップS201)。
同様に、従低圧圧力検知手段113で検知した低圧圧力と従熱交換器出口温度検知手段114で検知した温度から、従熱交換器出口過熱度演算手段117により従熱交換器105の出口過熱度HEXSHbが、従高圧圧力検知手段115で検知した高圧圧力と従圧縮機吐出温度検知手段116で検知した温度から、従圧縮機吐出過熱度演算手段118により従圧縮機102の吐出過熱度TdSHbがそれぞれ演算される(ステップS202)。次いで、均液制御手段19は、熱交換器出口過熱度HEXSHaと熱交換器出口過熱度HEXSHbが共に予め設定してある所定値Aよりも大きいかどうか判断する(ステップS203)。
均液制御手段19は、熱交換器出口過熱度HEXSHaと熱交換器出口過熱度HEXSHbが共に予め設定してある所定値Aよりも大きいと判断すると(ステップS203;YES)、圧縮機吐出過熱度TdSHaと圧縮機吐出過熱度TdSHbが共に予め設定してある所定値Bよりも大きいかどうか判断する(ステップS204)。そして、均液制御手段19は、圧縮機吐出過熱度TdSHaと圧縮機吐出過熱度TdSHbが共に予め設定してある所定値Bよりも大きいと判断すると(ステップS204;YES)、通常運転を継続するように各機器を制御する(ステップS205)。
一方、均液制御手段19は、熱交換器出口過熱度HEXSHa又は熱交換器出口過熱度HEXSHbの少なくともいずれかが予め設定してある所定値Aよりも小さいと判断したとき(ステップS203;NO)や、圧縮機吐出過熱度TdSHa又は圧縮機吐出過熱度TdSHbの少なくともいずれかが予め設定してある所定値Bよりも小さいと判断したとき(ステップS204;NO)には、主熱源機1側に流れる冷媒流量と、従熱源機101側に流れる冷媒流量とを調整する均液制御を実行する(ステップS206)。
すなわち、熱交換器出口過熱度HEXSHa、熱交換器出口過熱度HEXSHb、所定値Aに基づく演算、及び圧縮機吐出過熱度TdSHa、圧縮機吐出過熱度TdSHb、所定値Bに基づく演算により、主熱源機1及び従熱源機101の主アキュムレータ7、従アキュムレータ107の入口における冷媒の過熱度、すなわち乾き度の検知、及び主熱源機1及び従熱源機101の主圧縮機2、従圧縮機102の入口における冷媒の過熱度、すなわち乾き度の検知を介して主熱源機1及び従熱源機101への液戻り量の不均衡が検知される。
つまり、均液制御手段19は、主アキュムレータ7及び従アキュムレータ107内の液量不均衡を予め設定してある所定値に収束させることによって是正する均液制御が行われる。この均液制御によって、主圧縮機2及び従圧縮機102の一方への過剰な液戻りを未然に防止して、圧縮機(主圧縮機2及び従圧縮機102)の動作信頼性を向上することができる。つまり、冷凍空気調和装置100では、各アキュムレータの入口における冷媒の乾き度、及び各圧縮機の入口における冷媒の乾き度で、主熱源機1及び従熱源機101への液戻り量の不均衡を検知し、その検知結果に基づいて高精度に均液制御が実行できるようになっているのである。
なお、この実施の形態1では、冷凍空気調和装置100に主熱源機1及び従熱源機101の2台が搭載されている場合を例に示しているが、これに限定するものではなく、3台以上が搭載されていてもよい。また、この実施の形態1では、冷凍空気調和装置100に2台の利用側負荷50が搭載されている場合を例に示しているが、これに限定するものではなく、3台以上が搭載されていてもよい。さらに、均液制御手段19は、主熱源機1及び従熱源機101に接続されていればよく、主熱源機1や従熱源機101、利用側負荷50のいずれかに備えてもよく、それらの外部に備えてもよい。
実施の形態2.
図3は、実施の形態2に係る冷凍空気調和装置の特徴を説明するための説明図である。また、図4は、実施の形態2に係る冷凍空気調和装置の冷媒回路に対する制御の流れを示すフローチャートである。図3及び図4に基づいて、本発明の実施の形態2に係る冷凍空気調和装置について、冷媒回路に対する制御を中心に説明する。なお、実施の形態2に係る冷凍空気調和装置の構成、通常運転時の冷媒の挙動については、実施の形態1に係る冷凍空気調和装置100と同様である。したがって、実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。図で示すaは主熱源機1、bは従熱源機101に関わることを表している。
図3(a)は蒸発器熱交換容量(縦軸)と送風機風量(横軸)との関係を示すグラフであり、図3(b)は熱交換器出口過熱度(縦軸)と送風機風量(横軸)との関係を示すグラフであり、図3(c)は圧縮機吐出過熱度(縦軸)と送風機風量(横軸)との関係を示すグラフであり、図3(d)はアキュムレータ内液量(縦軸)と送風機風量(横軸)との関係を示すグラフである。また、図3の横軸に示すVAa及びVAbが送風機風量を表している。
図3では、冷媒循環量に対して従熱源機101側の熱交換器能力が小さく、従熱源機101側に液冷媒が偏在する場合を例として説明する。実施の形態1で説明したように主圧縮機2と従圧縮機102の冷媒吐出量に見合った割合で冷媒が分流する望ましい状態に近づけるためには、主圧縮機2と従圧縮機102の冷媒循環量に対して液側合流部11から主熱交換器5及び液側合流部11から従熱交換器105の出口までの過熱度を同等とすると共に主圧縮機2及び従圧縮機102の吐出過熱度を所定値以上あるいは同等とすればよい。
このことから、図3(b)において主熱交換器5の出口過熱度HEXSHaと従熱交換器105の出口過熱度HEXSHb、及び図3(c)において主圧縮機2の吐出過熱度TdSHaと従圧縮機102の吐出過熱度TdSHbをもとに、それぞれの過熱度が所定値となるように、少なくとも主送風機6の運転出力を増加するか、従送風機106の運転出力を減少すればよい。前者により、主熱源機1側の蒸発器熱交換容量を増加させることで(図3(a))、主熱交換器5の出口過熱度、すなわち乾き度が増加すると共に(図3(b))、主圧縮機2の吐出過熱度が増加する(図3(c))。
また、後者により、従熱源機101側の蒸発器熱交換容量を低下させることで(図3(a))、従熱交換器105の出口過熱度、すなわち乾き度が低下すると共に(図3(b))、従圧縮機102の吐出過熱度が低下する(図3(c))。このため、主熱交換器5の過熱度、すなわち乾き度、及び従熱交換器105出口の過熱度、すなわち乾き度を同等とすることができ、従熱源機101側に液冷媒が偏在することが解消される。つまり、主送風機6の運転出力の増加、又は、従送風機106の運転出力の減少によって、aの値とbの値とを近づけることができ、主熱源機1側に流れる冷媒流量と、従熱源機101側に流れる冷媒流量とを調整することができる。
以上の説明における冷媒の状況に基づいて、この実施の形態2に係る冷凍空気調和装置では、図4に示すフローチャートのように冷媒回路が制御される。図4に基づいて、実施の形態2に係る冷凍空気調和装置が実行する冷媒回路の制御の流れについて説明する。まず、主低圧圧力検知手段13で検知した低圧圧力と主熱交換器出口温度検知手段14で検知した温度から、主熱交換器出口過熱度演算手段17により主熱交換器5の出口過熱度HEXSHaが、主高圧圧力検知手段15で検知した高圧圧力と主圧縮機吐出温度検知手段16で検知した温度から、主圧縮機吐出過熱度演算手段18により主圧縮機2の吐出過熱度TdSHaがそれぞれ演算される(ステップS301)。
同様に、従低圧圧力検知手段113で検知した低圧圧力と従熱交換器出口温度検知手段114で検知した温度から、従熱交換器出口過熱度演算手段117により従熱交換器105の出口過熱度HEXSHbが、従高圧圧力検知手段115で検知した高圧圧力と従圧縮機吐出温度検知手段116で検知した温度から、従圧縮機吐出過熱度演算手段118により従圧縮機102の吐出過熱度TdSHbがそれぞれ演算される(ステップS302)。次いで、均液制御手段19は、熱交換器出口過熱度HEXSHaと熱交換器出口過熱度HEXSHbが共に予め設定してある所定値Aよりも大きいかどうか判断する(ステップS303)。
均液制御手段19は、熱交換器出口過熱度HEXSHaと熱交換器出口過熱度HEXSHbが共に予め設定してある所定値Aよりも大きいと判断すると(ステップS303;YES)、圧縮機吐出過熱度TdSHaと圧縮機吐出過熱度TdSHbが共に予め設定してある所定値Bよりも大きいかどうか判断する(ステップS304)。そして、均液制御手段19は、圧縮機吐出過熱度TdSHaと圧縮機吐出過熱度TdSHbが共に予め設定してある所定値Bよりも大きいと判断すると(ステップS304;YES)、熱交換器出口過熱度HEXSHaと熱交換器出口過熱度HEXSHbが共に予め設定してある所定値Aよりも大きいかどうかの判断を繰り返す(ステップS303)。
一方、均液制御手段19は、熱交換器出口過熱度HEXSHa又は熱交換器出口過熱度HEXSHbの少なくともいずれかが予め設定してある所定値Aよりも小さいと判断したとき(ステップS303;NO)や、圧縮機吐出過熱度TdSHa又は圧縮機吐出過熱度TdSHbの少なくともいずれかが予め設定してある所定値Bよりも小さいと判断したとき(ステップS304;NO)には、吐出過熱度TdSHaと吐出過熱度TdSHbとを比較する(ステップS305)。
均液制御手段19は、吐出過熱度TdSHaが吐出過熱度TdSHbよりも大きいと判断すると(ステップS305;YES)、主熱源機1側に液冷媒が偏在していると判断し、圧縮機吐出過熱度の差が予め設定された所定値よりも小さくなるまで(つまり、圧縮機吐出過熱度が所定値に収束するまで)、少なくとも1台以上の運転出力制御可能な主送風機6の運転出力を減少させるか、1台以上の運転出力制御可能な従送風機106の運転出力を増加させる(ステップS306)。
一方、均液制御手段19は、吐出過熱度TdSHaが吐出過熱度TdSHbよりも小さいと判断すると(ステップS305;NO)、従熱源機101側に液冷媒が偏在していると判断し、圧縮機吐出過熱度の差が予め設定された所定値よりも小さくなるまで(つまり、圧縮機吐出過熱度が所定値に収束するまで)、少なくとも1台以上の運転出力制御可能な主送風機6の運転出力を増加させるか、1台以上の運転出力制御可能な従送風機106の運転出力を減少させる(ステップS307)。
すなわち、熱交換器出口過熱度HEXSHa、熱交換器出口過熱度HEXSHb、所定値Aに基づく演算、及び圧縮機吐出過熱度TdSHa、圧縮機吐出過熱度TdSHb、所定値Bに基づく演算により、主熱源機1及び従熱源機101の主アキュムレータ7、従アキュムレータ107の入口における冷媒の過熱度、すなわち乾き度の検知、及び主熱源機1及び従熱源機101の主圧縮機2、従圧縮機102の吐出された冷媒の過熱度、すなわち乾き度の検知を介して主送風機6及び従送風機106へ少なくとも一方の運転出力を調整する。
つまり、均液制御手段19によって主アキュムレータ7及び従アキュムレータ107内の液量不均衡を是正する均液制御が行われる。この均液制御によって、主圧縮機2及び従圧縮機102の一方への過剰な液戻りを未然に防止して、圧縮機(主圧縮機2及び従圧縮機102)の動作信頼性を向上することができる。つまり、冷凍空気調和装置100では、各アキュムレータの入口における冷媒の乾き度、及び各圧縮機の出口における冷媒の乾き度で、主熱源機1及び従熱源機101への液戻り量の不均衡を検知し、その検知結果に基づいて高精度に均液制御が実行できるようになっているのである。
実施の形態3.
図5は、実施の形態3に係る冷凍空気調和装置の特徴を説明するための説明図である。また、図6は、実施の形態3に係る冷凍空気調和装置の冷媒回路に対する制御の流れを示すフローチャートである。図5及び図6に基づいて、本発明の実施の形態3に係る冷凍空気調和装置について、冷媒回路に対する制御を中心に説明する。なお、実施の形態3に係る冷凍空気調和装置の構成、通常運転時の冷媒の挙動については、実施の形態1に係る冷凍空気調和装置100と同様である。したがって、実施の形態3では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。図で示すaは主熱源機1、bは従熱源機101に関わることを表している。
図5(a)は圧力損失(縦軸)と圧縮機冷媒循環量(横軸)との関係を示すグラフであり、図5(b)は熱交換器蒸発温度(縦軸)と圧縮機冷媒循環量(横軸)との関係を示すグラフであり、図5(c)は熱交換器出口過熱度(縦軸)と圧縮機冷媒循環量(横軸)との関係を示すグラフであり、図5(d)は圧縮機吐出過熱度(縦軸)と圧縮機冷媒循環量(横軸)との関係を示すグラフであり、図5(e)はアキュムレータ内液量(縦軸)と圧縮機冷媒循環量(横軸)との関係を示すグラフである。また、図5の横軸に示すGR、Gr及びGr’が圧縮機冷媒循環量を表している。
実施の形態3に係る冷凍空気調和装置では、液側合流部11から主熱交換器5までの管路径が、液側合流部11から従熱交換器105までの管路径よりも太い場合、すなわち同じ冷媒循環量に対して主熱源機1側の方が圧損が小さい場合を例として説明する。実施の形態1で説明したように主圧縮機2と従圧縮機102の冷媒吐出量に見合った割合で冷媒が分流する望ましい状態に近づけるためには、主圧縮機2と従圧縮機102の冷媒循環量に対して液側合流部11から主熱交換器5及び液側合流部11から従熱交換器105の出口までの圧力損失、すなわち過熱度を同等とすればよい。
このことから、図5(c)において主熱交換器5の出口過熱度HEXSHaと従熱交換器105の出口過熱度HEXSHbをもとに、それぞれの過熱度が所定値となるように少なくとも主圧縮機2の運転出力を増加するか、従圧縮機102の運転出力を減少すればよい。前者により、主熱源機1側の圧力損失を増加させ(図5(a))、蒸発温度を低下させる(図5(b))。また、後者により、従熱源機101側の圧力損失を低下させ(図5(a))、蒸発温度を増加させる(図5(b))。こうすることによって、主熱源機1側と従熱源機101側の蒸発温度、過熱度、圧損が同等となって、主熱源機1及び従熱源機101の一方の側に冷媒が偏在することが解消される。
以上の説明における冷媒の状況に基づいて、この実施の形態3に係る冷凍空気調和装置では、図6に示すフローチャートのように冷媒回路が制御される。図6に基づいて、実施の形態3に係る冷凍空気調和装置が実行する冷媒回路の制御の流れについて説明する。まず、主低圧圧力検知手段13で検知した低圧圧力と主熱交換器出口温度検知手段14で検知した温度から、主熱交換器出口過熱度演算手段17により主熱交換器5の出口過熱度HEXSHaが、主高圧圧力検知手段15で検知した高圧圧力と主圧縮機吐出温度検知手段16で検知した温度から、主圧縮機吐出過熱度演算手段18により主圧縮機2の吐出過熱度TdSHaがそれぞれ演算される(ステップS401)。
同様に、従低圧圧力検知手段113で検知した低圧圧力と従熱交換器出口温度検知手段114で検知した温度から、従熱交換器出口過熱度演算手段117により従熱交換器105の出口過熱度HEXSHbが、従高圧圧力検知手段115で検知した高圧圧力と従圧縮機吐出温度検知手段116で検知した温度から、従圧縮機吐出過熱度演算手段118により従圧縮機102の吐出過熱度TdSHbがそれぞれ演算される(ステップS402)。次いで、均液制御手段19は、熱交換器出口過熱度HEXSHaと熱交換器出口過熱度HEXSHbが共に予め設定してある所定値Aよりも大きいかどうか判断する(ステップS403)。
均液制御手段19は、熱交換器出口過熱度HEXSHaと熱交換器出口過熱度HEXSHbが共に予め設定してある所定値Aよりも大きいと判断すると(ステップS403;YES)、圧縮機吐出過熱度TdSHaと圧縮機吐出過熱度TdSHbが共に予め設定してある所定値Bよりも大きいかどうか判断する(ステップS404)。そして、均液制御手段19は、圧縮機吐出過熱度TdSHaと圧縮機吐出過熱度TdSHbが共に予め設定してある所定値Bよりも大きいと判断すると(ステップS404;YES)、熱交換器出口過熱度HEXSHaと熱交換器出口過熱度HEXSHbが共に予め設定してある所定値Aよりも大きいかどうかの判断を繰り返す(ステップS403)。
一方、均液制御手段19は、熱交換器出口過熱度HEXSHa又は熱交換器出口過熱度HEXSHbの少なくともいずれかが予め設定してある所定値Aよりも小さいと判断したとき(ステップS403;NO)や、圧縮機吐出過熱度TdSHa又は圧縮機吐出過熱度TdSHbの少なくともいずれかが予め設定してある所定値Bよりも小さいと判断したとき(ステップS404;NO)には、吐出過熱度TdSHaと吐出過熱度TdSHbとを比較する(ステップS405)。
均液制御手段19は、吐出過熱度TdSHaが吐出過熱度TdSHbよりも大きいと判断すると(ステップS405;YES)、主熱源機1側に液冷媒が偏在していると判断し、圧縮機吐出過熱度の差が予め設定された所定値よりも小さくなるまで(つまり、圧縮機吐出過熱度が所定値に収束するまで)、少なくとも1台以上の運転出力制御可能な圧縮機含む主圧縮機2の運転出力を減少させるか、1台以上の運転出力制御可能な圧縮機を含む従圧縮機102の運転出力を増加させる(ステップS406)。
一方、均液制御手段19は、吐出過熱度TdSHaが吐出過熱度TdSHbよりも小さいと判断すると(ステップS405;NO)、従熱源機101側に液冷媒が偏在していると判断し、圧縮機吐出過熱度の差が予め設定された所定値よりも小さくなるまで(つまり、圧縮機吐出過熱度が所定値に収束するまで)、少なくとも1台以上の運転出力制御可能な圧縮機含む主圧縮機2の運転出力を増加させるか、1台以上の運転出力制御可能な圧縮機含む従圧縮機102の運転出力を減少させる(ステップS407)。
すなわち、熱交換器出口過熱度HEXSHa、熱交換器出口過熱度HEXSHb、所定値Aに基づく演算、及び圧縮機吐出過熱度TdSHa、圧縮機吐出過熱度TdSHb、所定値Bに基づく演算により、主熱源機1及び従熱源機101の主アキュムレータ7、従アキュムレータ107の入口における冷媒の過熱度、すなわち乾き度の検知、及び主熱源機1及び従熱源機101の主圧縮機2、従圧縮機102の吐出された冷媒の過熱度、すなわち乾き度の検知に基づいて主圧縮機2及び従圧縮機102の少なくとも一方の運転出力を調整する。
つまり、均液制御手段19によって主アキュムレータ7及び従アキュムレータ107内の液量不均衡を是正する均液制御が行われる。この均液制御によって、主圧縮機2及び従圧縮機102の一方への過剰な液戻りを未然に防止して、圧縮機(主圧縮機2及び従圧縮機102)の動作信頼性を向上することができる。つまり、冷凍空気調和装置100では、各アキュムレータの入口における冷媒の乾き度、及び各圧縮機の出口における冷媒の乾き度で、主熱源機1及び従熱源機101への液戻り量の不均衡を検知し、その検知結果に基づいて高精度に均液制御が実行できるようになっているのである。
各実施の形態に係る冷凍空気調和装置は、冷凍装置やルームエアコン、パッケージエアコン、冷蔵庫や、加湿器、調湿装置、ヒートポンプ給湯機等に適用することが可能である。したがって、冷凍空気調和装置の適用される目的・用途に応じて使用する冷媒や、各熱源機の接続台数、利用側負荷50の接続台数を決定するとよい。また、均液制御手段19は、冷凍空気調和装置の全体を統括制御できるようなマイクロコンピュータ等で構成するとよい。
実施の形態1に係る冷凍空気調和装置の冷媒回路構成を示す冷媒回路図である。 実施の形態1に係る冷凍空気調和装置の冷媒回路に対する制御の流れを示すフローチャートである。 実施の形態2に係る冷凍空気調和装置の特徴を説明するための説明図である。 実施の形態2に係る冷凍空気調和装置の冷媒回路に対する制御の流れを示すフローチャートである。 実施の形態3に係る冷凍空気調和装置の特徴を説明するための説明図である。 実施の形態3に係る冷凍空気調和装置の冷媒回路に対する制御の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 主熱源機、2 主圧縮機、3 主油分離器、4 主四方切換弁、5 主熱交換器、6 主送風機、7 主アキュムレータ、8 主返油回路、9 利用側熱交換器、10 利用側流量制御弁、11 液側合流部、12 ガス側合流部、13 主低圧圧力検知手段、14 主熱交換器出口温度検知手段、15 主高圧圧力検知手段、16 主圧縮機吐出温度検知手段、17 主熱交換器出口過熱度演算手段、18 主圧縮機吐出過熱度演算手段、19 均液制御手段、20 冷媒配管、50 利用側負荷、100 冷凍空気調和装置、101 従熱源機、102 従圧縮機、103 従油分離器、104 従四方切換弁、105 従熱交換器、106 従送風機、107 従アキュムレータ、108 従返油回路、113 従低圧圧力検知手段、114 従熱交換器出口温度検知手段、115 従高圧圧力検知手段、116 従圧縮機吐出温度検知手段、117 従熱交換器出口過熱度演算手段、118 従圧縮機吐出過熱度演算手段。

Claims (4)

  1. 圧縮機、四方切換弁、熱交換器及びアキュムレータを搭載した熱源機を複数台搭載した冷凍空気調和装置であって、
    前記熱交換器から流出する冷媒の過熱度を演算する熱交換器出口過熱度演算手段と、
    前記圧縮機から吐出する冷媒の過熱度を演算する圧縮機吐出過熱度演算手段と、
    前記熱交換器出口過熱度演算手段、及び、前記圧縮機吐出過熱度演算手段によって演算された複数の演算値を全ての熱源機に対して共通の値として予め設定してある所定値と比較することで、前記アキュムレータの液冷媒量の不均衡を判断し、前記複数の演算値のうち少なくとも1つが前記所定値よりも小さいと判断したとき、前記熱交換器に供給する風量を制御し、前記熱交換器のそれぞれから流出する冷媒の過熱度のそれぞれ、及び、前記圧縮機のそれぞれから吐出される冷媒の過熱度のそれぞれを前記所定値に収束させることで均液制御を実行する均液制御手段と、を備えた
    ことを特徴とする冷凍空気調和装置。
  2. 前記熱源機は、
    前記圧縮機の吸入側に至る流路における冷媒の圧力を検知する低圧圧力検知手段と、
    前記熱交換器から前記四方切換弁に至る流路における冷媒の温度を検知する熱交換器出口温度検知手段と、
    前記圧縮機の吐出側から前記四方切換弁に至る流路における冷媒の圧力を検知する高圧圧力検知手段と、
    前記圧縮機の吐出側から前記四方切換弁に至る流路における冷媒の温度を検知する圧縮機吐出温度検出手段とを備え、
    前記熱交換器出口過熱度演算手段は、
    前記低圧圧力検知手段からの低圧圧力検知値、及び、前記熱交換器出口温度検知手段からの温度検知値により前記熱交換器から吐出する冷媒の過熱度を演算し、
    前記圧縮機吐出過熱度演算手段は、
    前記高圧圧力検知手段からの高圧圧力検知値、及び、前記圧縮機吐出温度検知手段からの温度検知値により前記圧縮機から吐出する冷媒の過熱度を演算する
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷凍空気調和装置。
  3. 前記熱源機に、前記熱交換器に空気を供給するための送風機を設け、
    前記均液制御手段は、
    前記熱交換器出口過熱度演算手段、及び、前記圧縮機吐出過熱度演算手段の演算値に基づき前記送風機の運転出力を制御して、
    前記熱交換器のそれぞれから流出する冷媒の過熱度のそれぞれ、及び、前記圧縮機のそれぞれから吐出される冷媒の過熱度のそれぞれを予め設定してある所定値に収束させることで均液制御を実行する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷凍空気調和装置。
  4. 前記均液制御手段は、
    前記熱交換器出口過熱度演算手段、及び、前記圧縮機吐出過熱度演算手段の演算値に基づき前記圧縮機の運転出力を制御して、
    前記熱交換器のそれぞれから流出する冷媒の過熱度のそれぞれ、及び、前記圧縮機のそれぞれから吐出される冷媒の過熱度のそれぞれを予め設定してある所定値に収束させることで均液制御を実行する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷凍空気調和装置。
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