JP5402243B2 - リフタ機構付き乗物用シート - Google Patents

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本発明は、自動車等の乗物に装着される乗物用シートに関する。
従来の乗物用シートは、例えばシートクッションと、シートクッションにリクライニング装置を介して角度調整可能に取付けられるシートバックと、シートクッションを上下動させるリフタ機構を有している(特許文献1参照)。リクライニング装置は、シートクッションのフレームに複数のボルトで取付けられる取付プレートを有している。リフタ機構は、シートクッションの前側に配設される左右一対の前側リフタリンクと、シートクッションの後側に配設される左右一対の後側リフタリンクを有している。各リフタリンクは、上端部がシートクッションのフレームに回転可能に取付けられ、下端部がフロア側に回転可能に取付けられる。
特開2008−260324号公報
しかし後側リフタリンクの上端部は、リクライニング装置の取付プレートが取付けられるシートクッションのフレームの後部に取付けられる。そのためシートクッションの後部に取付けられる部品が多くなり、シートクッションの後下部が大きくなる。そのためシートクッションの後下部が床面側のセンターコンソール等に干渉してシートクッションの上下動量等が規制される場合がある。あるいはシートをフロアに装着し難い場合がある。あるいは該シートの後側に配設されたシートに着座する使用者の足元スペースが狭くなる場合がある。そこで本発明は、シートクッションの後部の部品点数を少なくし得るリフタ機構付き乗物用シートを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備えるリフタ機構付き乗物用シートであることを特徴とする。請求項1に記載の発明によると、リフタ機構は、下端部がフロア側に回転可能に取付けられるリフタリンクを有している。リフタリンクの上端部が取付具によってシートクッションのフレームに回転可能に取付けられ、かつ同取付具によってリクライニング装置の取付プレートがリフタリンクの上端部と同軸上にフレームに取付けられる。
したがってリフタリンクをフレームに取付けるための取付具によってリクライニング装置の取付プレートがフレームに取付けられ得る。そのためリフタリンクと取付プレートを別々の取付具によってフレームに取付ける従来構造に比べてシートクッションの後部側の部品点数を少なくし得る。これによりシートクッションの後部を小さくし得る。またリフタリンクは、シートクッションに着座した使用者のヒップポイントを所定の軌跡にて移動させる必要があり、これにより取付具の位置が制限される。しかし本発明によるとその取付具の位置に対応して取付プレートがフレームに取付けられ得る。なおリフタリンクの下端部は、フロアに直接取付けられても良いし、フロアに装着されたフロア側の部材(スライド装置等)に取付けられても良い。
請求項に記載の発明によると、取付具はピン部材を有している。ピン部材は、フレームと取付プレートに回転可能に挿通されかつリフタリンクが回転不能に取付けられ、またはリフタリンクに回転可能に挿通されかつフレームと取付プレートが回転不能に取付けられる。したがってピン部材に回転不能に取付けられた部材は、ピン部材を回転中心としてピン部材が回転可能に挿通された部材に対して回転し得る。そのためこれら部材がピン部材によって安定良く相対回転され得る。
請求項に記載の発明によると、ピン部材は、第一ピンと第一ピンに螺合される第二ピンを有し、第一ピンと第二ピンによってピン部材に回転可能に挿通されるフレームと取付プレートまたはリフタリンクを回転軸方向に移動規制する。そして取付プレートがフレームに取付けられる複数の取付箇所の内、最後下位置の取付箇所にピン部材が配設されている。

したがって第一ピンと第二ピンは、螺合によって容易に組付けられ得る。そして第一ピンと第二ピンによってピン部材が回転可能に挿通される部材がピン部材に対して軸方向に抜止めされ得る。またピン部材は、取付プレートがフレームに取付けられる取付箇所の最後下位置に配設されている。そのためピン部材よりも後下側に張出し得るフレームの後下部と取付プレートの後下部を小さくし得る。これによりシートクッションの後下部を小さくし得る。
乗物用シートの一部左側面図である。 図1のII―II線断面矢視図である。 乗物用シートの一部分解斜視図である。
本発明の実施の形態を図1〜3にしたがって説明する。図1に示すように乗物用シート1は、自動車等の乗物に搭載されるシートであって、シートクッション2とシートバック3を有している。シートクッション2とシートバック3は、フレーム2a,3aと、フレーム2a,3aに装着されるパッド2b,3bと、パッド2b,3bを覆う表皮2c,3cを有している。
図1に示すようにシートバック3とシートクッション2の間には、これらを角度調整可能に連結するリクライニング装置4が設けられている。シートクッション2と乗物のフロア10の間には、シートクッション2を前後動させるためのスライド装置7と、シートクッション2を上下動させるためのリフタ機構5が設けられている。
スライド装置7は、図1,2に示すようにフロア10に取付けられるロアレール7aと、ロアレール7aにスライド可能に装着されるアッパレール7bを有している。アッパレール7bにはアンダフレーム8が立設される。アンダフレーム8は、アッパレール7bの上面に取付けられる底片8aと、底片8aの一端縁(内側縁)に立設される内側片8bと、底片8aの他側縁(外側縁)に立設される外側片8cを有している。
リフタ機構5は、図1,2に示すように左右一対の前側リフタリンク5aと、左右一対の後側リフタリンク5bを有している(四節リンク機構)。前側リフタリンク5aの上端部はピン11によってフレーム2aの前部に回転可能に取付けられ、前側リフタリンク5aの下端部はピン11によってアンダフレーム8の前部に回転可能に取付けられる。後側リフタリンク5bの上端部は、取付具6によってフレーム2aの後下部に回転可能に取付けられる。後側リフタリンク5bの下端部は、ピン11によってアンダフレーム8の内側片8bの後部に回転可能に取付けられる。
リフタ機構5は、さらに図1,3に示すように後側リフタリンク5bの一つに形成されたセクタギヤ5eと、リフタ本体5cを有している。セクタギヤ5eは、扇形状であって後側リフタリンク5bの上前部に一体に形成される。セクタギヤ5eの前側縁には複数の歯が形成されており、歯にリフタ本体5cに取付けられたピニオンギヤ5dが噛合わされる。リフタ本体5cは、フレーム2aの外側面に装着され、ピニオンギヤ5dは、フレーム2aの孔2a3を通ってフレーム2aの内側においてセクタギヤ5eに噛合う。
図1,3に示すようにリフタ本体5cには、操作レバー5fが略水平の中立位置に付勢された状態でかつ傾動可能に取付けられる。操作レバー5fの前端部を持上げると、持上げる度にピニオンギヤ5dが一方向に回転して、ピニオンギヤ5dがセクタギヤ5eに対して相対移動する。これにより後側リフタリンク5bが起立方向に傾動して、シートクッション2が上昇する。操作レバー5fの前端部を押し下げた場合は、押し下げる度にピニオンギヤ5dが他方向に回転して、ピニオンギヤ5dがセクタギヤ5eに対して相対移動する。これにより後側リフタリンク5bが後方に倒れ、シートクッション2が下降する。
リクライニング装置4は、図1,2に示すようにリンクライニング本体4aと取付プレート4bを有している。リンクライニング本体4aは、回転可能に重ねられる一対の円盤部材と、一対の円盤部材を回転不能なロック状態と回転可能なフリー状態とに変え得るロック機構を有している。円盤部材の一つは、シートバック3のフレーム3aに回転不能に取付けられる。他の一つの円盤部材には、取付プレート4bが回転不能に取付けられる。
取付プレート4bは、図1,3に示すようにリンクライニング本体4aから前下方向に張出す取付部4b1を有している。取付部4b1の前部上側と前部下側には取付孔4b2,4b3が形成されている。取付孔4b2とフレーム2aの後上部に形成された取付孔2a2にボルト12が挿入される。そしてボルト12の先端部がフレーム2aの内側面に装着されたナット2a4に螺合される。これにより取付プレート4bがボルト12によってフレーム2aに取付けられる。
取付プレート4bの取付孔4b3には、図2,3に示すように取付具6のピン部材6aが挿入される。ピン部材6aは、金属製の第一ピン6bと第二ピン6cを有している。第一ピン6bは、円筒状の筒部6b1と、筒部6b1の一端部に形成されたフランジ部6b2を一体に有している。第一ピン6bの軸中心には、軸方向に貫通しかつ内周面にねじが形成された雌ねじ部6b3が形成されている。第二ピン6cは、円柱状の円柱部6c1と、円柱部6c1の一端部に形成されたフランジ部6b2と、円柱部6c1の他端部に形成された雄ねじ部6c3を一体に有している。
図2,3に示すように第一ピン6bの筒部6b1は、後側リフタリンク5bの上部に形成された取付孔5b1に挿入される。後側リフタリンク5bは、溶接によって筒部6b1の外周面に回転不能に取付けられる。筒部6b1の先端部にはロッド9が嵌合されて、ロッド9が溶接によって筒部6b1の外周面に回転不能に取付けられる。ロッド9は、左右一対の後側リフタリンク5bの間を延出して、両端部が各第一ピン6bを介して各後側リフタリンク5bに取付けられる。したがってリフタ本体5cから後側リフタリンク5bの一つがトルクを受けると、そのトルクがロッド9を介して他の後側リフタリンク5bに伝わる。これにより左右一対の後側リフタリンク5bが同期して傾動し得る。
図2,3に示すように第二ピン6cの円柱部6c1は、取付プレート4bの取付孔4b3とフレーム2aの後下部に形成された取付孔2a1に挿入される。円柱部6c1の外周面と取付孔2a1,4b3の内周面の両面間には金属製の摺動リング6dが装着される。したがって両面間に生じ得る摺動抵抗が摺動リング6dによって小さくなり、両面間に生じる隙間を摺動リング6dによって小さくすることで両面間のガタ付きが小さくなる。
図2,3に示すように第二ピン6cの雄ねじ部6c3は、第一ピン6bの雌ねじ部6b3に螺合される。第二ピン6cのフランジ部6c2と第一ピン6bの筒部6b1は、協働して第二ピン6cに対してフレーム2aと取付プレート4bが軸方向へ移動することを規制する。そして取付具6によって取付プレート4bと後側リフタリンク5bがフレーム2aに対して同軸位置に取付けられる。
以上のように図1に示すようにリフタリンク5bの上端部が取付具6によってシートクッション2のフレーム2aに回転可能に取付けられ、同取付具6によってリクライニング装置4の取付プレート4bがリフタリンク5bの上端部と同軸上にフレーム2aに取付けられる。
したがってリフタリンク5bをフレーム2aに取付けるための取付具6によってリクライニング装置4の取付プレート4bがフレーム2aに取付けられ得る。そのためリフタリンクと取付プレートを別々の取付具によってフレームに取付ける従来構造に比べてシートクッションの後部側の部品点数を少なくし得る。これによりシートクッションの後部を小さくし得る。またリフタリンク5bは、シートクッション2に着座した使用者のヒップポイントを所定の軌跡にて移動させる必要があり、これにより取付具6の位置が制限される。しかし本形態によるとその取付具6の位置に対応して取付プレート4bがフレーム2aに取付けられ得る。
また取付具6は、図2に示すようにピン部材6aを有している。ピン部材6aは、フレーム2aと取付プレート4bに回転可能に挿通されかつリフタリンク5bが回転不能に取付けられる。したがってピン部材6aに回転不能に取付けられたリフタリンク5bは、ピン部材6aを回転中心としてフレーム2aと取付プレート4bに対して回転し得る。そのためこれら部材がピン部材6aによって安定良く相対回転され得る。
またピン部材6aは、図2に示すように第一ピン6bと第一ピン6bに螺合される第二ピン6cを有し、第一ピン6bと第二ピン6cによってピン部材6aに回転可能に挿通されるフレーム2aと取付プレート4bを回転軸方向に移動規制する。そして図1に示すようにフレーム2aに取付プレート4bが取付けられる複数の取付箇所の内、最後下位置の取付箇所にピン部材6aが配設されている。
したがって第一ピン6bと第二ピン6cは、螺合によって容易に組付けられ得る。そして第一ピン6bと第二ピン6cによってフレーム2aと取付プレート4bがピン部材6aに対して軸方向に抜止めされ得る。またピン部材6aは、取付プレート4bがフレーム2aに取付けられる取付箇所の最後下位置に配設されている。そのためピン部材6aよりも後下側に張出し得るフレーム2aの後下部と取付プレート4bの後下部を小さくし得る。これによりシートクッション2の後下部を小さくし得る。
(他の実施の形態)
本発明は、上記実施の形態に限定されず、以下の形態等であっても良い。
(1)図1のリフタリンク5a,5bはスライド装置7を介してフロア10に取付けられる。しかしリフタリンクがスライド装置を介さずにフロアに直接取付けられても良い。
(2)図2,3に示す取付具6は、棒状のピン部材6aを有している。しかし取付具がフレームの内側と外側に跨って延出しかつフレームの内側と外側からリフタリンクと取付プレートを挟む構成等であっても良い。
(3)図3に示すピン部材6aは、取付プレート4bがフレーム2aに取付けられる複数の取付箇所の内、最後下位置に配設される。しかし取付プレートがフレームに取付ける複数の取付箇所の内、他の取付箇所にピン部材が配設されても良い。
(4)図2,3に示すピン部材6aは、フレーム2aと取付プレート4bに回転可能に挿通されかつ後側リフタリンク5bが回転不能に取付けられる。しかしピン部材がリフタリンクに回転可能に挿通されかつフレームと取付プレートが回転不能に取付けられても良い。
(5)図2,3に示すピン部材6aは、複数の部品(第一ピン6bと第二ピン6c)から構成されているが、一部品から構成されても良い。
(6)図2,3に示すピン部材6aは、雌ねじ部5b3が第一ピン6bに設けられ、雄ねじ部6c3が第二ピン6cに形成されている。しかし雌ねじ部が第二ピンに設けられ、雄ねじ部が第一ピンに形成されても良い。
(7)図2に示す第一ピン6bと第二ピン6cは、協働してピン部材6aに回転可能に挿通される取付プレート4bとフレーム2aを回転軸方向に移動規制する。しかしピン部材がリフタリンクに回転可能に挿通され、リフタリンクが第一ピンと第二ピンの協働によって回転軸方向に移動規制されても良い。
(8)図1に示すシート1は自動車に装着されているが、他の車両または航空機または船舶に装着されても良い。
1…乗物用シート
2…シートクッション
2a,3a…フレーム
3…シートバック
4…リクライニング装置
4a…リンクライニング本体
4b…取付プレート
5…リフタ機構
5a…前側リフタリンク
5b…後側リフタリンク
6…取付具
6a…ピン部材
6b…第一ピン
6c…第二ピン
7…スライド装置
9…ロッド
10…フロア
11…ピン
12…ボルト

Claims (2)

  1. シートクッションと、前記シートクッションにリクライニング装置を介して角度調整可能に取付けられるシートバックと、前記シートクッションを乗物のフロアに対して上下動させるリフタ機構を有するリフタ機構付き乗物用シートであって、
    前記リフタ機構は、下端部が前記フロア側に回転可能に取付けられるリフタリンクを有し、前記リフタリンクの上端部が取付具によって前記シートクッションのフレームに回転可能に取付けられ、かつ同取付具によって前記リクライニング装置の取付プレートが前記リフタリンクの上端部と同軸上に前記フレームに取付けられ
    前記取付具は、ピン部材を有し、
    前記ピン部材は、前記フレームと前記取付プレートに回転可能に挿通されかつ前記リフタリンクが回転不能に取付けられ、または前記リフタリンクに回転可能に挿通されかつ前記フレームと前記取付プレートが回転不能に取付けられることを特徴とするリフタ機構付き乗物用シート。
  2. 請求項に記載のリフタ機構付き乗物用シートであって、
    ピン部材は、第一ピンと前記第一ピンに螺合される第二ピンを有し、前記第一ピンと前記第二ピンによって前記ピン部材に回転可能に挿通されるフレームと取付プレートまたはリフタリンクを回転軸方向に移動規制し、
    前記取付プレートが前記フレームに取付けられる複数の取付箇所の内、最後下位置の前記取付箇所に前記ピン部材が配設されていることを特徴とするリフタ機構付き乗物用シート。
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