JP5401826B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ドリフト層内に伸びているトレンチの底面を取り囲む範囲に、ドリフト層とは異なる導電型の不純物拡散領域を備えている半導体装置に関する。特に、半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する際に、主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗に低下するまでの時間を短縮化することができる半導体装置に関する。
なお、以下の説明では、半導体装置がMOSFETである場合について説明するが、本発明は、IGBT等の他の半導体装置にも適用することができる。IGBTの場合には、上記した「主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗に低下するまでの時間」を、「主電極間の電圧が定常状態のオン電圧に低下するまでの時間」と読みかえるものとする。
ドリフト層内に伸びているトレンチの底面を取り囲んでいるとともに、ドリフト層とは異なる導電型の不純物拡散領域を備えている半導体装置が知られている。特許文献1に、上記構成を備えているトレンチゲート型のMOSFETが開示されている。本出願に添付した図37に示すように、半導体層111に形成されているMOSFET100は、n型のソース領域120と、p型のボディコンタクト領域130と、p型のボディ層160と、n-型のドリフト層170と、n+型のドレイン領域172を備えている。また、MOSFET100は、ソース領域120とボディ層160を貫通してドリフト層170に達しているトレンチTを備えている。トレンチTの深部は埋込絶縁体195によって充填されている。トレンチTの浅部にはトレンチゲート電極145が収容されている。トレンチゲート電極145は、ゲート絶縁膜150で覆われている。ドリフト層170内に伸びているトレンチTの底面を取り囲む範囲に、電気的にフローティング状態のp型の埋込拡散領域190が形成されている。
ソース領域120とボディコンタクト領域130をソース電極(図示していない一方の主電極)に接続して接地し、ドレイン領域172をドレイン電極(図示していない他方の主電極)に接続して正電圧を印加している状態で、トレンチゲート電極145に印加する電圧を0Vとする。すると、半導体層111内でキャリアが追い出された領域に空乏層が形成される。空乏層はボディ層160とドリフト層170のpn接合界面から伸びる。また、空乏層は埋込拡散領域190とドリフト層170のpn接合界面からも伸びる。これにより、MOSFET100はオフ状態となる。MOSFET100には埋込拡散領域190が形成されているために、埋込拡散領域190が形成されていない構造と比較すると、ドリフト層170の広い範囲に空乏層が拡がる。2箇所のpn接合界面で電界強度を分担することができるので、ソース領域120とドレイン領域172間の耐圧を向上させることができる。
ソース電極を接地し、ドレイン電極に正電圧を印加している状態で、トレンチゲート電極145に閾値以上のゲート電圧を印加する。すると、空乏層が形成されていた領域に、ボディコンタクト領域130を介して少数キャリア(MOSFET100ではホール)が供給されて空乏層が狭くなる。また、p型のボディ層160のうちでゲート絶縁膜150を介してトレンチゲート電極145と対向する箇所がn型に反転し、チャネル領域(図示していない)が形成される。キャリア(MOSFET100では電子)が、ソース領域120からチャネル領域を介してドレイン領域172に移動し、ソース領域120とドレイン領域172の間を電流が流れる。これにより、MOSFET100がオン状態となる。定常状態では、ソース領域120とドレイン領域172間の電圧(ドレイン・ソース間電圧Vds)は極めて小さく、0Vに近い電圧となる。ソース領域120とドレイン領域172間の抵抗(主電極間の抵抗)は極めて小さくなり、いわゆる「オン抵抗」となる。
しかしながら、上記したように埋込拡散領域190を備えている構成には問題点があった。埋込拡散領域190はボディ層160と分離されている。このため、MOSFET100がオフ状態からオン状態に移行する際に、埋込拡散領域190にホールが速やかに供給され難かった。このため、埋込拡散領域190とドリフト層170のpn接合界面から伸びている空乏層が狭くなり難かった。空乏層が縮小するのに時間を要するために、ソース領域120とドレイン領域172間の抵抗がオン抵抗にまで低下するタイミングが遅れてしまう。すなわち、トレンチゲート電極145に閾値以上のゲート電圧を印加するタイミングからドレイン・ソース間抵抗がオン抵抗に低下するタイミングまでの時間が長かった。
特許文献2には、上記した遅れ時間を短縮化するために、図38に示すように、トレンチTの長手方向の端面145aにゲート絶縁膜150を介して対向する領域に、ホール移動領域180を形成したMOSFET101が開示されている。ホール移動領域180は、p型不純物を低濃度に含んでいる。ホール移動領域180は、p型のボディ層160と、p型の埋込拡散領域190の双方に導通している。
p型のホール移動領域180を設けると、MOSFET101がオフ状態からオン状態に移行する際に、p型のボディコンタクト領域130(図37参照)と、p型のボディ層160と、p型のホール移動領域180を介して、p型の埋込拡散領域190にホールを速やかに供給することができる。このために、埋込拡散領域190とドリフト層170のpn接合界面から形成された空乏層を速やかに狭くすることができる。これにより、MOSFET101がオフ状態からオン状態に移行する際に、主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗に低下するまでの遅れ時間を短縮化することができる。
なお、特許文献2の技術は、本出願の優先権主張の基礎となる出願(特願2007−231910)の出願時点ではまだ公開されていなかったことに留意されたい。
特開2005−116822号公報 特開2007−242852号公報
特許文献2の技術により、半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する際に、主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗に低下するまでの遅れ時間を、従来の技術よりも短縮化することに成功している。
しかしながら、特許文献2の技術によっても、その遅れ時間の短縮化が不充分な場合があった。例えば、半導体装置のチップサイズが大きくなると、半導体装置がオフ状態からオン状態となる際に、空乏層を狭くするためにトレンチ底面を取り囲んでいる埋込拡散領域に供給するべき少数キャリアの量が多くなる。遅れ時間の短縮化のためには、埋込拡散領域に少数キャリアをさらに速やかに供給する必要がある。
本発明は、上記の問題点を解決するために創案された。すなわち、本発明は、ドリフト層内に伸びているトレンチの底面を取り囲む範囲に、ドリフト層とは異なる導電型の不純物拡散領域を備えている半導体装置について、オフ状態からオン状態に移行する際に、主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗に低下するまでの時間をさらに短縮化する技術を提供する。
前記したように、従来の技術では、トレンチの底面を取り囲んでいる不純物拡散領域に少数キャリアが供給されるスピードが遅い。その原因を研究したところ、ボディコンタクト領域とホール移動領域の間に介在しているボディ層の抵抗が大きいことが重要な原因であることが判ってきた。本発明は、この知見に基づいて創作された。
本発明の半導体装置は、トレンチと、ゲート絶縁膜と、トレンチゲート電極と、キャリア供給領域と、ボディコンタクト領域と、ボディ層と、ドリフト層と、トレンチ底面囲繞領域と、トレンチ端面対向領域を備えている。
半導体装置を構成する半導体層には、長手方向に伸びる側面と底面と、端面を備えているトレンチが形成されている。ゲート絶縁膜は、トレンチの側面と底面と端面を覆っている。トレンチゲート電極は、ゲート絶縁膜で覆われた状態でトレンチ内に収容されている。キャリア供給領域は、第1導電型であり、ゲート絶縁膜を介してトレンチゲート電極に対向する範囲に形成されており、半導体層の表面の一部の範囲において露出している。ボディコンタクト領域は、第2導電型であり、半導体層の表面の前記一部の範囲(キャリア供給領域が表面の露出している範囲)とは異なる範囲において露出している。ボディ層は、第2導電型であり、キャリア供給領域とボディコンタクト領域を取囲むとともにこれらの領域に接している。ボディ層のうちのトレンチの側面に接している範囲では、ボディ層がトレンチゲート電極の最深部よりも浅い範囲に形成されている。ドリフト層は、第1導電型であり、ボディ層によってキャリア供給領域とボディコンタクト領域から分離されており、ボディ層に接しており、ボディ層よりも半導体層の深部側に形成されている。トレンチ底面囲繞領域は、第2導電型であり、ドリフト層内においてトレンチの底面を取り囲む範囲に形成されている。トレンチ端面対向領域は、第2導電型であり、トレンチの端面にゲート絶縁膜を介して対向する範囲に形成されている。トレンチ端面対向領域は、第2導電型のボディ層と第2導電型のトレンチ底面囲繞領域の双方に導通している。トレンチ端面対向領域は、図29のホール移動領域80に対応する。
トレンチ端面対向領域に接している範囲のボディ層の最深部は、トレンチの側面に接している範囲のボディ層の最深部よりも深い。
上記した半導体装置は、MOSFETやIGBT等として機能する。
半導体装置がオフ状態からオン状態に移行するときに、少数キャリア(nチャネルの半導体装置の場合にはホール)が、第2導電型(nチャネルの半導体装置の場合にはp型)のボディコンタクト領域と、第2導電型のボディ層と、第2導電型のトレンチ端面対向領域を介して、第2導電型のトレンチ底面囲繞領域に供給される。これにより、トレンチ端面囲繞領域と、第1導電型(nチャネルの半導体装置の場合にはn型)のドリフト層の境界から伸びている空乏層が狭くなる。主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗にまで低下する時間を短縮化することができる。
また、半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する際に、トレンチの側面において薄いゲート絶縁膜を介してトレンチゲート電極と対向している範囲のボディ層に、第1導電型のチャネル領域が形成される。トレンチの側面では、ボディ層にチャネル領域が形成されると、第1導電型のキャリア供給領域から第1導電型のチャネル領域を介して第1導電型のドリフト層にキャリアが供給される。これにより、半導体装置に電流が流れる。チャネル領域がキャリア供給領域からドリフト層に至るまで確実に形成されるためには、トレンチの側面では、ボディ層の最深部が、トレンチゲート電極の最深部よりも浅い構造であることが好ましい。従来は、半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する際には、トレンチの端面において薄いゲート絶縁膜を介してトレンチゲート電極に対向している第2導電型のトレンチ端面対向領域にもチャネル領域が形成されていた。特に、薄いゲート絶縁膜に囲まれているトレンチゲート電極と、第1導電型のドリフト層との間に存在する範囲のトレンチ端面対向領域は、導電型が反転し易かった。この範囲のトレンチ端面対向領域には、容易にチャネル領域が形成されていた。チャネル領域は、前述した少数キャリアの供給経路とは反対導電型である。少数キャリア供給経路にチャネル領域が形成されると、少数キャリアの供給経路が狭くなる。
上記した半導体装置のトレンチ端面対向領域に接している範囲のボディ層の最深部は、トレンチの側面に接している範囲のボディ層の最深部よりも深い。この範囲のボディ層が深いことにより、上記した半導体装置のトレンチの端面において、薄いゲート絶縁膜に囲まれているトレンチゲート電極とドリフト層との間に存在するトレンチ端面対向領域が小さくなる。したがって、トレンチ端面対向領域に、少数キャリアの移動を妨げるチャネル領域が形成され難い。半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する際に、少数キャリアを、少数キャリア供給経路を介してトレンチ底面囲繞領域に速やかに供給することができる。これにより、トレンチ底面囲繞領域とドリフト領域に境界から伸びている空乏層が急速に狭くなる。主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗にまで低下する時間をさらに短縮化することができる。
上記した半導体装置のトレンチ端面対向領域に接している範囲のボディ層が、トレンチゲート電極の最深部よりも深く伸びていることが好ましい。
この構成によると、トレンチの端面において、薄いゲート絶縁膜に囲まれているトレンチゲート電極とドリフト層との間に存在するトレンチ端面対向領域がない。したがって、トレンチ端面対向領域に、チャネル領域が一層形成され難い。
上記した半導体装置では、トレンチの底面を覆うゲート絶縁膜の膜厚が、トレンチの側面を覆うゲート絶縁膜の膜厚よりも厚いことが好ましい。通常であれば膜と称さないほど厚い絶縁体であってもかまわない。
この場合には、半導体装置がオフ状態のときに、トレンチの底面を覆う厚いゲート絶縁膜によって主電極間に印加される電位差による電界のピークを分散することができる。半導体装置の耐圧を向上させることができる。また、ゲート容量を低減化することができる。
上記した半導体装置では、トレンチの端面を覆うゲート絶縁膜の膜厚が、トレンチの側面を覆うゲート絶縁膜の膜厚よりも厚いことが好ましい。
半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する際に、薄いゲート絶縁膜を介してトレンチゲート電極と対向している範囲のボディ層にチャネル領域が形成される。チャネル領域は、前述した少数キャリア供給経路とは反対導電型である。少数キャリア供給経路となる領域にチャネル領域が形成されると、少数キャリアの供給経路が狭くなる。上記した半導体装置では、トレンチの長手方向の端面が厚いゲート絶縁膜で覆われているために、その厚いゲート絶縁膜がトレンチ内に形成されている範囲のトレンチ側面に接しているボディ層と、トレンチの長手方向端面に接しているトレンチ端面対向領域にチャネル領域が形成されない。すなわち、少数キャリア供給経路となる領域にチャネル領域が形成されない。したがって、半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する際に、少数キャリアを、少数キャリア供給経路からトレンチ底面囲繞領域に、一層速やかに供給することができる。
上記した半導体装置は、さらに、半導体層の表面を覆う表面絶縁膜を備えていることが好ましい。この場合、表面絶縁膜の少なくとも一部の範囲の膜厚が、トレンチの側面を覆うゲート絶縁膜の膜厚よりも厚く、表面絶縁膜のうちのトレンチの側面を覆うゲート絶縁膜よりも厚い範囲と、トレンチの端面を覆うゲート絶縁膜のうちのトレンチの側面を覆うゲート絶縁膜よりも厚い範囲とが、離間していることが好ましい。
表面絶縁膜の厚い範囲と、トレンチの端面を覆うゲート絶縁膜の厚い範囲を形成した後に、熱処理工程(例えば、トレンチの側面を熱酸化してゲート絶縁膜を形成する工程)を実施することがある。この際に、表面絶縁膜の厚い範囲と、トレンチの端面を覆うゲート絶縁膜の厚い範囲とが、トレンチの端面上で連続していると、絶縁膜と半導体層との熱膨張率の違い等に起因してトレンチ端面近傍の半導体層にクラックが発生することがある。上記した構成によると、表面絶縁膜の厚い範囲とトレンチの端面を覆うゲート絶縁膜の厚い範囲とが離間しており、半導体層にクラックが発生し難い。
また、本発明は、以下の半導体装置をも実現する。
本発明の半導体装置は、トレンチと、ゲート絶縁膜と、トレンチゲート電極と、キャリア供給領域と、ボディコンタクト領域と、ボディ層と、ドリフト層と、トレンチ底面囲繞領域と、トレンチ端面対向領域と、ゲート導通層を備えていている。
半導体装置を構成する半導体層には、複数本のトレンチが形成されている。各々のトレンチは、半導体層の表面から深さ方向に伸びており、他のトレンチとの間に間隔を設けた状態で他のトレンチと平行に半導体層の表面に沿って長手方向に伸びており、複数本のトレンチの長手方向の端面は同一平面内に揃っている。ゲート絶縁膜は、各々のトレンチの内面を覆っている。トレンチゲート電極は、ゲート絶縁膜で覆われた状態で各々のトレンチ内に収容されている。キャリア供給領域は、第1導電型であり、ゲート絶縁膜を介してトレンチゲート電極に対向する範囲に形成されており、隣接するトレンチ間に存在する半導体層の表面の一部の範囲において露出している。半導体装置がユニポーラタイプであれば、キャリア供給領域はソース領域であり、半導体装置がバイポーラタイプであれば、キャリア供給領域はエミッタ領域である。ボディコンタクト領域は、第2導電型であり、隣接するトレンチ間に存在する半導体層の表面の前記一部の範囲(キャリア供給領域が露出している範囲)とは異なる範囲において露出している。ボディ層は、第2導電型であり、キャリア供給領域とボディコンタクト領域を取囲むとともにこれらの領域に接しており、各々のトレンチ内に収容されているトレンチゲート電極の最深部よりも浅い範囲に形成されている。ドリフト層は、第1導電型であり、ボディ層によってキャリア供給領域とボディコンタクト領域から分離されており、ボディ層に接しており、ボディ層よりも半導体層の深部側に形成されている。トレンチ底面囲繞領域は、第2導電型であり、ドリフト層内においてトレンチの底面を取り囲む範囲に形成されている。トレンチ端面対向領域は、第2導電型であり、各々のトレンチの長手方向の端面にゲート絶縁膜を介して対向する範囲に形成されており、第2導電型のボディ層と第2導電型のトレンチ底面囲繞領域の双方に導通している。トレンチ端面対向領域は、図1のホール移動領域180に対応する。
ゲート導通層は、複数本のトレンチの長手方向の端面近傍の半導体層の表面においてトレンチの長手方向と交差する方向に伸びて複数本のトレンチの間に亘っており、各々のトレンチゲート電極に導通している。上面視したときにトレンチが長く伸びている側(半導体層の中央に向いている側)のゲート導通層には凸状部と凹状部が形成されており、各々のトレンチゲート電極に対応する位置に凸状部が配置されており、隣接するトレンチ間に存在する半導体層の表面が露出する範囲に凹状部が配置されている。ゲート導通層と半導体層との間には絶縁膜が配置されている。本発明の半導体装置では、ゲート導通層の凹状部において露出する半導体層にボディコンタクト領域が形成されている。
上記した半導体装置は、MOSFETやIGBTとして機能する。
トレンチゲート電極とゲート導通層は、同一のプロセスで連続的に形成されていてもよいし、別のプロセスに分けて形成されていてもよい。
一般的に、半導体層に複数本のトレンチが形成されている場合には、トレンチの長手方向の端面近傍の半導体層の表面に、各トレンチ内に収容されているトレンチゲート電極に導通するゲート導通層が形成される。従来のゲート導通層は、上面視したときに略長方形に形成されていた。また、一般的に、ボディコンタクト領域は、ゲート導通層を形成した後に、隣接するトレンチ間に存在する半導体層の表面から第2導電型の不純物イオンを注入することによって形成する。ゲート導通層で覆われている範囲には不純物イオンを注入することができない。従来は、ゲート導通層の中央寄りの辺に凹状部が形成されていなかったため、ボディコンタクト領域とトレンチ端面対向領域が相当な距離をもって離間していた。
本発明の半導体装置のゲート導通層は、上面視したときにトレンチが長く伸びている側(すなわち、半導体層の中央を向いている側のゲート導通層の辺)に、凸状部と凹状部が形成されている。凹状部が、隣接するトレンチ間に存在する半導体層の表面が露出する範囲に配置されている。したがって、凹状部において露出する半導体層の表面にもボディコンタクト領域を形成することができる。ボディコンタクト領域とトレンチ端面対向領域の距離を縮小することができる。
半導体装置がオフ状態からオン状態に移行するときに、少数キャリア(nチャネルの半導体装置の場合にはホール)は、ボディコンタクト領域と、ボディ層と、トレンチ端面対向領域を介して、トレンチ底面囲繞領域に供給される。この少数キャリアの供給経路のうち、ボディ層は不純物濃度が薄い領域であるため、少数キャリアが比較的通り難い。さりとて、ゲートオン電圧を低く抑える必要があるために、ボディ層の不純物濃度を濃くすることもできない。上記した半導体装置によると、ボディコンタクト領域とトレンチ端面対向領域の距離を縮小することができるので、少数キャリアがボディ層内を移動する距離を縮小することができる。したがって、半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する際に、ボディコンタクト領域からトレンチ底面囲繞領域に速やかに少数キャリアを供給することができる。この結果、トレンチ底面囲繞領域の周囲に形成された空乏層を速やかに狭くすることができ、主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗にまで低下する時間を短縮化することができる。
一方、上記した半導体装置では、ゲート導通層の凸状部が各々のトレンチゲート電極に対向する位置に配置されている。これにより、ゲート導通層と各々のトレンチゲート電極を確実に導通させることができる。
上記した半導体装置では、トレンチ端面対向領域に含まれている第2導電型の不純物の濃度が、トレンチ底面囲繞領域に含まれている第2導電型の不純物の濃度よりも低いことが好ましい。
この場合には、半導体装置がオン状態からオフ状態に移行する際に、トレンチ底面囲繞領域に先立ってトレンチ端面対向領域が空乏化する。半導体装置がオン状態からオフ状態に移行する際に、トレンチ底面囲繞領域が迅速に電気的にフローティングな状態となる。上記した半導体装置によると、トレンチ底面を取り囲んでいる不純物拡散領域の構造自体が電気的にフローティングな構造となっている公知の半導体装置と同等の耐圧を確保することができる。
また、上記した半導体装置では、トレンチ端面対向領域に含まれている第2導電型の不純物の濃度が、ボディ層に含まれている第2導電型の不純物の濃度よりも低いことが好ましい。半導体装置がオン状態からオフ状態に移行する際に、ボディ層に先立ってトレンチ端面対向領域が空乏化する。半導体装置の耐圧を確保することができる。
上記した半導体装置では、半導体層を平面視したときに、ゲート導通層の凸状部の幅が、トレンチの幅よりも広いことが好ましい。
この場合、ゲート導通層が、トレンチとトレンチに隣接する半導体層との境界を越え、トレンチに隣接する半導体層の表面側に至って伸びている。半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する非定常状態では、ゲート導通層に既に閾値以上のゲート電圧が印加されている。ゲート導通層の電位に影響され、ゲート導通層が表面側に存在している半導体層の表面領域とトレンチ底面囲繞領域との間に電位差が生じる。これにより、その半導体層の表面領域に形成されているボディコンタクト領域からトレンチ底面囲繞領域に、少数キャリアを一層速やかに供給することができる。主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗に低下するまでの遅れ時間をさらに短縮化することができる。
上記した半導体装置では、ボディコンタクト領域の表面が、コンタクトホールが形成されている絶縁膜で覆われており、キャリア供給領域が、コンタクトホールの外側の端部よりも中央寄りに形成されていることが好ましい。ここでいう外側とは、半導体層の外周に近い側をいい、中央側とは半導体層の中心寄りのことをいう。
半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する際に、各々のトレンチの長手方向の端部において、コンタクトホールから供給される少数キャリアが、ボディコンタクト領域と、ボディ層と、トレンチ端面対向領域を介して、トレンチ底面囲繞領域に移動する。この少数キャリアの供給経路は、トレンチ底面囲繞領域と同様の第2導電型の半導体領域で構成されている。一方、キャリア供給領域は、第1導電型の半導体領域で構成されている。少数キャリアの供給経路に、反対導電型のキャリア供給領域が存在すると、少数キャリアの供給経路が狭くなる。上記した半導体装置では、少数キャリア供給経路となる領域にキャリア供給領域が形成されていない。したがって、少数キャリアを、少数キャリア供給経路を介してトレンチ底面囲繞領域に、一層速やかに供給することができる。
上記した半導体装置では、トレンチの底面を覆うゲート絶縁膜が、トレンチの側面を覆うゲート絶縁膜よりも厚いことが好ましい。通常であれば膜と称さないほど厚い絶縁体であってもかまわない。
この場合には、半導体装置がオフ状態のときに、トレンチの底面を覆う厚いゲート絶縁膜によって主電極間に印加される電位差による電界のピークを分散することができる。半導体装置の耐圧を向上させることができる。また、ゲート容量を低減化することができる。
上記した半導体装置では、トレンチの長手方向の端面を覆うゲート絶縁膜が、トレンチの側面を覆うゲート絶縁膜よりも厚いことが好ましい。
半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する際に、薄いゲート絶縁膜を介してトレンチゲート電極と対向している範囲のボディ層にチャネル領域が形成される。チャネル領域は、前述した少数キャリア供給経路とは反対導電型である。少数キャリア供給経路となる領域にチャネル領域が形成されると、少数キャリアの供給経路が狭くなる。上記した半導体装置では、トレンチ長手方向の端面が厚いゲート絶縁膜で覆われているために、その厚いゲート絶縁膜がトレンチ内に形成されている範囲のトレンチ側面に接しているボディ層と、トレンチの長手方向端面に接しているトレンチ端面対向領域にチャネル領域が形成されない。すなわち、少数キャリア供給経路となる領域にチャネル領域が形成されない。したがって、半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する際に、少数キャリアを、少数キャリア供給経路からトレンチ底面囲繞領域に、一層速やかに供給することができる。
さらに、上記したトレンチの長手方向の端面を覆うゲート絶縁膜が、トレンチの側面を覆うゲート絶縁膜よりも厚い半導体装置では、キャリア供給領域が、トレンチの長手方向の端面を覆うゲート絶縁膜よりも中央側に形成されていることが好ましい。
半導体装置がオン状態の時には、キャリア供給領域から供給されたキャリアが、チャネル領域を介してドリフト層に移動している。前述したように、厚いゲート絶縁膜が形成されているトレンチ長手方向の端面近傍には、このチャネル領域が形成されない。キャリアが移動するチャネル領域が狭いと、半導体装置の定常状態のオン抵抗が高くなる。上記した半導体装置では、キャリア供給領域が、トレンチの長手方向の端面を覆う厚いゲート絶縁膜よりも中央側に形成されている。このため、少なくとも表面にキャリア供給領域が存在している部分のトレンチに接するボディ領域には、チャネル領域が形成される。半導体装置の定常状態のオン抵抗が高くなることを防止することができる。
また、本発明は、以下の半導体装置をも実現する。
本発明の半導体装置は、前述した半導体装置と同様に、トレンチと、ゲート絶縁膜と、トレンチゲート電極と、キャリア供給領域と、ボディコンタクト領域と、ボディ層と、ドリフト層と、トレンチ底面囲繞領域と、トレンチ端面対向領域を備えている。
また、以下のゲート導通層を備えている。ゲート導通層は、複数本のトレンチの長手方向の端面近傍の半導体層の表面においてトレンチの長手方向と交差する方向に伸びて複数本のトレンチの間に亘っており、各々のトレンチゲート電極に導通している。ゲート導通層と半導体層との間に絶縁膜が配置されている。この発明の半導体装置では、ボディコンタクト領域の表面が、コンタクトホールが形成されている絶縁膜で覆われており、キャリア供給領域が、コンタクトホールの外側の端部よりも中央寄りに形成されている。
上記した半導体装置では、少数キャリア供給経路にキャリア供給領域が形成されていない。半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する際に、少数キャリアを、少数キャリア供給経路からトレンチ底面囲繞領域に、一層速やかに供給することができる。主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗に低下するまでの遅れ時間を短縮化することができる。
また、本発明は、以下の半導体装置をも実現する。
本発明の半導体装置は、前述した半導体装置と同様に、トレンチと、ゲート絶縁膜と、トレンチゲート電極と、キャリア供給領域と、ボディコンタクト領域と、ボディ層と、ドリフト層と、トレンチ底面囲繞領域と、トレンチ端面対向領域と、ゲート導通層を備えている。
本発明の半導体装置では、トレンチの長手方向の端面を覆うゲート絶縁膜が、トレンチの側面を覆うゲート絶縁膜よりも厚く、キャリア供給領域が、トレンチの長手方向の端面を覆うゲート絶縁膜よりも中央側に形成されている。
上記した半導体装置では、オフ状態からオン状態に移行する際に、厚いゲート絶縁膜が形成されているトレンチ長手方向の端面近傍にはチャネル領域が形成されない。少数キャリア供給経路にチャネル領域が形成されない。したがって、少数キャリアを、少数キャリア供給経路からトレンチ底面囲繞領域に、一層速やかに供給することができる。主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗に低下するまでの遅れ時間を短縮化することができる。
また、上記した半導体装置では、キャリア供給領域が、トレンチの長手方向の端面を覆う厚いゲート絶縁膜よりも中央側に形成されている。このため、少なくとも表面にキャリア供給領域が存在している部分のトレンチに接するボディ領域には、チャネル領域が形成される。半導体装置の定常状態のオン抵抗が高くなることを防止することができる。
本発明によると、半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する際に、半導体層の表面に形成されているボディコンタクト領域を介してトレンチ底面囲繞領域に少数キャリアが速やかに供給される。主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗に低下するまでの遅れ時間を短縮化することができる。
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。
(第1特徴) トレンチゲート電極45に対応する位置に配置されているゲート導通層40の凸状部41が、隣接するトレンチT間に存在している半導体層2の表面2aに形成されているコンタクトホール32の外側の端部32a近傍まで伸びている。(図21)
(第2特徴) ボディ層60が、トレンチTの端面45aよりも外側の半導体層2にも形成されている。ホール移動領域80(トレンチ端面対向領域の一例)がトレンチTの端面45aに熱酸化膜50を介して対向している。ホール移動領域80が、トレンチTの端面45aよりも外側のボディ層60の下面に接して形成されており、そのボディ層60の下面と埋込拡散領域90を接続している。
(第1実施例)
本発明を具現化した半導体装置の第1実施例を、図1〜図19を参照して説明する。本実施例は、本発明をトレンチゲート型のMOSFETに適用したものである。本実施例の半導体装置1の特徴は、図1と図15等に示すように、上面視したときにトレンチTが長く伸びている側の辺において、ゲート導通層40に凸状部41と凹状部42が形成されていることである。
図1は、半導体装置1の要部斜視図である。図2は、トレンチゲート電極45が形成されている位置での半導体装置1の断面図であり、半導体装置1を上面視した図17のII-II線断面図である。図3は、隣接するトレンチT間に存在する半導体層2での半導体装置1の断面図であり、図1と図17のIII-III線断面図である。図4〜図17は、半導体装置1の製造方法を説明するための図である。図18は、半導体層2の表面2aに形成されている熱酸化膜50とゲート導通層40を省略した半導体装置1の上面図である。図19は、半導体装置1がオフ状態からオン状態に移行する際に、ドレイン領域72とソース領域10間の電圧(ドレイン・ソース間電圧Vds)が変化する様子を示している。
図1は、複数本のトレンチTが半導体層2に形成されている半導体装置1を、トレンチTの長手方向の端面45aの近傍で観測した斜視図である。図1には、複数本のトレンチTのうち、トレンチT1とトレンチT2のみを記載している。
トレンチT1とトレンチT2は、半導体層2の表面2aから深さ方向に伸びている。また、トレンチT1とトレンチT2は、互いに間隔を設けた状態で平行に、半導体層2の表面2aに沿って長手方向に伸びている。トレンチT1とトレンチT2の長手方向の端面45aは同一平面内に揃っている。
トレンチT1とトレンチT2の内面は熱酸化膜50で覆われている。
トレンチT1とトレンチT2の深部は、埋込絶縁体95で充填されている。すなわち、トレンチT1とトレンチT2の底面Bを覆う絶縁膜(熱酸化膜50と埋込絶縁体95)が、トレンチT1とトレンチT2の側面Aを覆う絶縁膜(熱酸化膜50)よりも厚く形成されている。
トレンチT1とトレンチT2の浅部では、トレンチT1とトレンチT2の両側面に形成されている熱酸化膜50の間に、トレンチゲート電極45が収容されている。トレンチゲート電極45を挟んでいるトレンチT1とトレンチT2の側面Aの熱酸化膜50がゲート絶縁膜として機能する。
トレンチT1とトレンチT2の間に存在する半導体層2には、その表面2aの一部において露出する範囲に、n型のソース領域10(キャリア供給領域)が形成されている。ソース領域10は、熱酸化膜50を介してトレンチゲート電極45に対向する範囲に形成されている。また、トレンチT1とトレンチT2の間に存在する半導体層2には、その表面2aにおいて露出するとともに、ソース領域10が形成されていない範囲に、p型のボディコンタクト領域20が形成されている。
トレンチT1とトレンチT2の間に存在する半導体層2の表面2aは、熱酸化膜50で覆われている。この表面2aを覆っている熱酸化膜50には、コンタクトホール32が形成されている。前記したソース領域10は、コンタクトホール32の外側の端部32aよりも中央寄りの範囲に形成されている。ソース領域10の少なくとも一部は、コンタクトホール32内に露出している。
ソース領域10とボディコンタクト領域20を取り囲んでおり、トレンチT1とトレンチT2内に収容されているトレンチゲート電極45の最深部よりも浅い範囲に、p型のボディ層60が形成されている。ボディ層60は、トレンチT1とトレンチT2の端面45aよりも外側(上面視したときにトレンチT1,T2が長く伸びている側とは反対側)にも広く形成されている。
そのボディ層60に接しており、ボディ層60よりも半導体層2の深部側に、n型のドリフト層70が形成されている。ドリフト層70は、ボディ層60によってソース領域10とボディコンタクト領域20から分離されている。ドリフト層70も、トレンチT1とトレンチT2の端面45aよりも外側にも広く形成されている。
そのドリフト層70内においてトレンチT1とトレンチT2の各々の底面を取り囲む範囲に、各々のp型の埋込拡散領域90(トレンチ底面囲繞領域)が形成されている。
トレンチT1とトレンチT2の長手方向の端面45aにゲート絶縁膜(熱酸化膜50)を介して対向する範囲に、p--型のホール移動領域80(トレンチ端面対向領域)が形成されている。ホール移動領域80のp型不純物の濃度は、埋込拡散領域90よりも薄く、ボディ層60よりも薄い。ホール移動領域80は、p型のボディ層60とp型の埋込拡散領域90の双方に導通している。
トレンチT1とトレンチT2の長手方向の端面45a近傍の半導体層2の表面2aに、ゲート導通層40が形成されている。なお、図1では、トレンチTの長手方向の一方の端面45a近傍の表面に形成されているゲート導通層40を記載している。実際には、トレンチTの長手方向の他方の端面近傍の表面にも、ゲート導通層40と同様のゲート導通層が形成されている。双方とも同様の構成であるとともに、同時に形成するので、以下の説明ではゲート導通層40についてのみ説明する。
ゲート導通層40は、トレンチT1とトレンチT2の長手方向と交差する方向に伸びており、トレンチT1とトレンチT2を含む複数本のトレンチTの間に亘っている。ゲート導通層40は、トレンチT1とトレンチT2に収容されているトレンチゲート電極45に導通している。
ゲート導通層40には、上面視したときに、トレンチT1とトレンチT2が長くのびている側において(すなわち中央寄りの辺において)凸状部41と凹状部42が形成されている。トレンチT1とトレンチT2内に収容されているトレンチゲート電極45に対応する各々の位置には、凸状部41が配置されている。トレンチT1とトレンチT2の間に存在する半導体層2の表面2aが露出する範囲には、凹状部42が配置されている。ゲート導通層40と半導体層2との間には熱酸化膜50が配置されており、ゲート導通層40と半導体層2が絶縁されている。
ゲート導通層40の凹状部42において露出する半導体層2には、ボディコンタクト領域20が形成されている。ボディコンタクト領域20は、コンタクトホール32よりも広く拡がっており、一対の凸状部41同士の間隔内にまで伸びている。
図2に、トレンチゲート電極45が形成されている位置での断面図(図1の手前側で露出している断面の図であり、半導体装置1を上面視した図17のII-II線断面図)である。また、図3に、トレンチT1とトレンチT2の間に存在する半導体層2の断面図(図1と図17のIII−III線断面図)を示す。図2に示すように、ゲート導通層40の凸状部41はトレンチゲート電極45と確実に導通している。また、図3に示すように、トレンチT1とトレンチT2の間に存在する半導体層2では、ボディコンタクト領域20が、凹状部42において露出している半導体層2の表面2aに至るまで形成されている。
半導体層2の裏面2bにはn+型のドレイン領域72が形成されている。
図4〜図17を参照して半導体装置1の製造方法を説明する。
半導体装置1を製造するために、最初に、図4に示すように、n+型の半導体層76の上部にn-型の半導体層74が積層されている半導体層2を備えている半導体基板を準備する。
次に、図5に示すように、半導体層2の表面2aからp型不純物を注入する。その後熱処理を行うことにより、n-型の半導体層74の浅部に、p型不純物が拡散しているボディ層60を形成する。n-型の半導体層74の深部はドリフト層70となる。
次に、図6に示すように、トレンチT(図1を参照して前述したトレンチT1とトレンチT2を含む)を形成する部分で開口しているマスクMを半導体層2の表面2aに形成する。異方性エッチングをしてトレンチTを形成する。次に、トレンチTを洗浄する。トレンチTはドリフト層70にまで達している。
次に、図7に示すように、トレンチTの底面Bに向けて、底面Bに接する領域にp型不純物イオンImを注入する。この際に、図8(図7のVIII−VIII線断面図)に示すように、p型不純物イオンImを斜め注入し、トレンチTの長手方向の端面45aに接する領域にもp型不純物イオンImを注入する。図7と図8では、p型不純物イオンImを模式的にバツ印で示している。例えば、p型不純物イオンImを斜め注入する際に、不純物イオンを注入方向が、トレンチTの底面Bと60度(すなわち、トレンチTの端面45aと30度)の角度を成すように設定することが好ましい。この場合には、上記した底面Bに接する領域と端面45aに接する領域にはp型不純物イオンが注入されるとともに、トレンチTの側面Aに接する領域(半導体装置1がオン状態の時に形成されるチャネル領域が形成される領域とその下方のドリフト層70)には、p型不純物イオンが注入され難いので好ましいことが分かっている。
図9に示すように、熱処理を行うことにより、p型不純物がトレンチTの底部を取り囲んで拡散しているp型の埋込拡散領域90が形成される。同時に、トレンチTの長手方向の端面45aに接しているp--型のホール移動領域80が形成される。なお、トレンチTの端面45aに接する領域に注入されたp型不純物イオンImが、注入された位置を中心に拡散し、隣接するトレンチT間の半導体層2にもその一部が拡散する。このため、ホール移動領域80は、図1に示すように、トレンチTの端面45aを包囲するような形状となっている。
ホール移動領域80のp型不純物濃度は、ボディ層60よりも薄く、なおかつ埋込拡散領域90よりも薄くなるように、前記した工程でのp型不純物の注入条件を調整する。これにより、半導体装置1がオン状態からオフ状態に移行する際には、ホール移動領域80が迅速に空乏化され、半導体装置1の耐圧を確保することができる。この点については、特許文献2に記載されているので、詳述は省略する。
先に形成したマスクMを除去する。
なお、必要ならば、p型不純物を注入する工程を実施する前に、トレンチTの内面に犠牲酸化膜を形成する。そして、マスクMを除去する際に犠牲酸化膜も除去し、トレンチTの内面に清浄なシリコン層を露出させる。
次に、図10に示すように、トレンチTの内面に熱酸化膜50を形成した後に、トレンチT内にCVD法によって絶縁体S1を堆積させる。絶縁体S1としてSiOとTEOSを混合したものを用いる。絶縁体S1は、上記材料に限定されるものではなく、例えば、SiOのみでもよい。
次に、図11に示すように、トレンチT内に堆積している絶縁体S1を、ボディ層60とドリフト層70の界面よりも深部側に至るまでエッチバックする。埋込絶縁体95よりも浅部のトレンチTの内面に形成されている熱酸化膜50も除去する。これにより、熱酸化膜50を下地膜とする埋込絶縁体95が形成される。
次に、図12に示すように、再び、シリコン層が露出している面に熱酸化膜50を形成する。
次に、図13と図14に示すように、CVD法を用い、トレンチT内にポリシリコンP1を堆積させる。ポリシリコンP1は、トレンチTを完全に充填した後に、表面2aにも相応量のポリシリコンP1が堆積するに至るまで堆積する。なお、図14は、図13のXIV−XIV線断面図である。
次に、トレンチTの長手方向の端面45aよりも外側であるとともに、トレンチT内よりもポリシリコンP1が高く堆積されている部分に、図15に示すゲート導通層40を形成する。
ゲート導通層40には、図15に示されている左側(トレンチTが長く伸びている側)の辺に、凸状部41と凹状部42を形成する。トレンチゲート電極45に対応する位置には、凸状部41が配置されるように、ポリシリコンP1(図13、図14参照)をパターンニングする。また、隣接するトレンチT間に存在する半導体層2の表面2aが露出する範囲には、凹状部42が配置されるように、ポリシリコンP1をパターンニングする。図15は上面視した図であるために記載されていないが、ゲート導通層40と半導体層2が接する部分には、双方の間に熱酸化膜50が存在している。
図16に示すように、この時点で、隣接するトレンチT間に存在する半導体層2の表面2aは、熱酸化膜50で覆われている。この熱酸化膜50越しに不純物イオンを注入してソース領域10とボディコンタクト領域20を形成する。すなわち、トレンチTの側面Aに形成されている熱酸化膜50を介してトレンチゲート電極45に対向している範囲に、表面2aからn型の不純物イオンを注入する。また、n型の不純物イオンを注入していない範囲に、表面2aからp型の不純物イオンを注入する。熱処理を行うと、ソース領域10とボディコンタクト領域20が形成される。ボディコンタクト領域20は、ゲート導通層40の凸状部41同士の間にまで入り込んでいる。
次に、図17に示すように、ソース領域10の表面の一部と、ボディコンタクト領域20の表面の一部が露出するように、熱酸化膜50を除去する。これにより、コンタクトホール32を形成する。コンタクトホール32の外側の端部32aよりも中央寄りにソース領域10が配置される位置関係となるように、コンタクトホール32を形成する。
次に、コンタクトホール32を介してソース領域10とボディコンタクト領域20に接続するソース電極(図示していない)を既知の方法で形成する。
次に、半導体層2のn+型の半導体層76(図13、図14参照)を所定の厚みになるまで削り、ドレイン領域72(図2、図3参照)とする。ドレイン領域72に接続するドレイン電極(図示していない)を既知の方法で形成する。
このように構成された半導体装置1のオフ状態の動作を説明する。
ソース領域10とボディコンタクト領域20に接続されているソース電極(図示していない一方の主電極)を接地し、ドレイン領域72が接続されているドレイン電極(図示していない他方の主電極)に正電圧を印加している状態で、ゲート導通層40に印加する電圧を0ボルトとする。すると、ゲート導通層40と導通しているトレンチゲート電極45に印加する電圧が0ボルトとなる。すると、半導体層2内でキャリアが追い出された領域に空乏層が形成される。空乏層はボディ層60とドリフト層70のpn接合界面から伸びる。また、空乏層は埋込拡散領域90とドリフト層70のpn接合界面からも伸びる。これにより、半導体装置1がオフ状態となる。2箇所の接合界面から空乏層が伸びるために、広い範囲に空乏層が拡がり、高い耐圧が得られる。
ソース電極を接地し、ドレイン電極に正電圧を印加している状態で、ゲート導通層40に閾値以上のゲート電圧を印加すると、ゲート導通層40と導通しているトレンチゲート電極45に印加する電圧が閾値以上のゲート電圧となる。空乏層が形成されていた領域に、ボディコンタクト領域20を介してホールが供給されて空乏層が狭くなる。また、p型のボディ層60のうちで熱酸化膜50を介してトレンチゲート電極45と対向する箇所がn型に反転し、チャネル領域が形成される。電子がソース領域10からチャネル領域を介してドレイン領域72に移動し、ソース領域10とドレイン領域72の間を電流が流れる。これにより、半導体装置1がオン状態となる。定常状態では、ソース領域10とドレイン領域72間の電圧(ドレイン・ソース間電圧Vds)は極めて小さく、0Vに近い電圧となる。ソース領域10とドレイン領域72間の抵抗(主電極間の抵抗)は極めて小さいオン抵抗となる。
ところで、本実施例で説明したように、ボディコンタクト領域20は、ゲート導通層40を形成した後に、隣接するトレンチT間に存在する半導体層2の表面2aからp型の不純物イオンを注入することによって形成する。
本実施例の半導体装置1は、隣接するトレンチT間に存在する半導体層2の表面2aが露出する範囲に凹状部42が配置されている。したがって、図18に示すように、凹状部42において露出する半導体層2にもボディコンタクト領域20を形成することができる。半導体装置1によると、ボディコンタクト領域20とホール移動領域80の距離を縮小することができる。なお、図18では、理解し易くするために、半導体層2の表面2aに形成されている熱酸化膜50を省略して記載してある。
ここで、半導体装置1がオフ状態からオン状態に移行する際には、ホールが、ボディコンタクト領域20と、ボディ層60と、ホール移動領域80を介して埋込拡散領域90に移動する。半導体装置1によると、その経路の途中で通過するボディ層60の距離を短くすることができる。ボディ層60はp型不純物の濃度が薄い領域であり、比較的ホールが通り難い。本実施例の半導体装置1では、ホールが通過するボディ層60の距離が短く、半導体装置1がオフ状態からオン状態に移行する際に、埋込拡散領域90に速やかにホールを供給することができる。埋込拡散領域90の周囲に形成された空乏層を速やかに狭くすることができる。主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗に低下するまでの遅れ時間を短縮化することができる。
図19は、半導体装置1がオフ状態からオン状態に移行する際において、ゲート電圧Vgと、ドレイン・ソース間電圧Vdsの変化を示している。従来の半導体装置のドレイン・ソース間の電圧Vdsを、グラフVds2で示す。本実施例の半導体装置1のドレイン・ソース間の電圧Vdsを、グラフVds1で示す。従来の半導体装置として、特願2006−062602号の明細書と図面に記載されている半導体装置を用いる。従来の半導体装置には、トレンチTの長手方向の端面45aにゲート絶縁膜を介して対向するホール移動領域80は形成されているものの、ゲート導通層40は、従来通り上面視して略長方形の形状となっている。
従来の半導体装置では、図19のグラフVds2に示すように、ゲート電圧Vgが0Vから上昇するタイミングから、ドレイン・ソース間電圧Vdsがオン状態の定常状態での電圧(極めて0Vに近い電圧)に低下するタイミングまでの間の遅れが、以前と比較して短縮化さされたものの、例えば、500nsec程度の遅れがあった。
本実施例の半導体装置1では、グラフVds1に示すように、ゲート電圧Vgaが0Vから上昇するタイミングから、ドレイン・ソース間電圧Vdsがオン状態の定常状態での電圧になる低下するタイミングまでの遅れが殆どない。測定可能な範囲では、その遅れは「0nsec」に等しい。半導体装置1によると、主電極間の抵抗がオン抵抗に低下するまでの遅れ時間を0nsecに短縮化することができる。
また、本実施例の半導体装置1では、ソース領域10がコンタクトホール32の外側の端部32aよりも中央寄りに形成されている。
半導体装置1がオフ状態からオン状態に移行する際に、各々のトレンチTの長手方向の端部において、コンタクトホール32から供給されるホールが、ボディコンタクト領域20と、ボディ層60と、ホール移動領域80を介して埋込拡散領域90に移動する。このホールの供給経路は、埋込拡散領域90と同様のp型の半導体領域で構成されている。一方、ソース領域10は、n型の半導体領域で構成されている。ホールの供給経路に、反対導電型のソース領域10が存在すると、ホールの供給経路が狭くなる。本実施例の半導体装置1では、コンタクトホール32の外側の端部32aよりも外側に存在しているホールの供給経路に、ソース領域10が形成されていない。したがって、ホールを、その供給経路を介して埋込拡散領域90に速やかに供給することができる。
また、本実施例の半導体装置1では、トレンチTの深部に埋込絶縁体95が形成されている。すなわち、トレンチTの底面Bを覆う絶縁膜(埋込絶縁体95と熱酸化膜50)が、トレンチTの側面Aを覆う絶縁膜(熱酸化膜50)よりも厚い。
埋込絶縁体95が形成されていることにより、半導体装置1がオフ状態のときの主電極間の電位差による電界分布を分散することができる。半導体装置1の耐圧を向上させることができる。また、ゲート容量を低減化することができる。
(第2実施例)
次に、本発明を具現化した半導体装置の第2実施例を、図20を参照して説明する。本実施例の半導体装置1aが、第1実施例の半導体装置1と相違している構成を主に説明する。
図20は、半導体装置1aを上面視した図である。
半導体装置1aのゲート導通層40aは、複数本のトレンチTの長手方向の端面45a近傍の表面2aにおいて、トレンチTの長手方向と交差する方向伸びている。ゲート導通層40aは、複数本のトレンチTの間に亘って伸びている。ゲート導通層40aは、各々のトレンチT内に収容されているトレンチゲート電極45に導通している。ゲート導通層40aには、上面視したときに、トレンチTが長く伸びている側において(図20の左側の辺において)、凸状部41aと凹状部42aが形成されている。凸状部41aが、各々のトレンチT内に収容されているトレンチゲート電極45に対応する位置に配置されている。凹状部42aが隣接するトレンチT間に存在する半導体層2の表面2aが露出する範囲に配置されている。また、ゲート導通層40aと半導体層2との間には熱酸化膜50が配置されており、半導体層2とは絶縁されている。ゲート導通層40aの凹状部42aにおいて露出する半導体層2には、ボディコンタクト領域20が形成されている。
ゲート導通層40aは、トレンチTの長手方向と直交する方向に沿って観測したときに、凸状部41aの幅W2がトレンチTの幅W1よりも広い。
この場合、ゲート導通層40aが、トレンチTと隣接する半導体層2との界面(トレンチTの側面A)を越え、隣接する半導体層2の表面2a側に至って伸びている。半導体装置1aがオフ状態からオン状態に移行する過渡的状態では、ゲート導通層40aには閾値以上のゲート電圧が印加されている。ゲート導通層40aの電位に影響され、ゲート導通層40aが存在している半導体層2の表面2aの領域と、埋込拡散領域90(図1参照)との間に電位差が生じる。この半導体層2の表面2aの領域には、ボディコンタクト領域20が形成されている。ボディコンタクト領域20の表面に正電位が印加されることによってボディコンタクト領域20から埋込拡散領域90に、ホールを速やかに供給することができる。主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗となるまでの遅れ時間を短縮化することができる。
(第3実施例)
次に、本発明を具現化した半導体装置の第3実施例を、図21を参照して説明する。
本実施例の半導体装置1bが、第1実施例の半導体装置1と相違している構成について主に説明する。
図21は、半導体装置1bを上面視した図である。
本実施例のゲート導通層40bは、その凸状部41bが、コンタクトホール32の近傍まで伸びている。なお、凸状部41bの端縁43をコンタクトホール32の外側の端部32aと並ぶ範囲まで伸ばすと、コンタクトホール32を介して接続されるソース電極とゲート導通層40bが短絡することがある。凸状部41bの中央寄りの端縁43がコンタクトホール32の外側の端部32aと並ばない範囲で、凸状部41bをコンタクトホール32の近傍まで伸ばすことが好ましい。
半導体装置1bがオフ状態からオン状態に移行する過渡的状態では、ゲート導通層40bに閾値以上のゲート電圧が印加される。凸状部41bが近傍まで伸びているコンタクトホール32の周囲にあるボディコンタクト領域20が、凸状部41bの電位に影響される。ボディコンタクト領域20と埋込拡散領域90(図1参照)との間に電位差が生じる。その電位差によってコンタクトホール32から供給されるホールを、ボディコンタクト領域20を介して埋込拡散領域90に速やかに供給することができる。主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗に低下するまでの遅れ時間を短縮化することができる。
(第4実施例)
次に、本発明を具現化した半導体装置の第4実施例を、図22〜図26を参照して説明する。本実施例の半導体装置1cが、第1実施例の半導体装置1と相違している構成について主に説明する。
図22は、半導体装置1cを上面視した図である。
本実施例の半導体装置1cは、トレンチTの長手方向の端部に端部堆積絶縁体52を備えている。端部堆積絶縁体52は、端面45aに形成されている熱酸化膜50と接している。端部堆積絶縁体52が形成されている領域では、深部の埋込絶縁体95(図1参照)と端部堆積絶縁体52でトレンチTが表面2aまで充填されている。埋込絶縁体95よりも浅部領域のトレンチTの側面Aは、熱酸化膜50で覆われている。トレンチTの長手方向の端面45aは、熱酸化膜50と端部堆積絶縁体52で覆われている。
図23〜図26を参照して半導体装置1cの製造方法を説明する。
トレンチT内にCVD法によって絶縁体S1を堆積させる工程までは、図4から図10を参照して説明した第1実施例と同様であるので省略する。
図23は、図10のトレンチTを長手方向に切断した断面に対応している。
本実施例では、図23に示すようにトレンチT内にCVD法によって絶縁体S1を堆積させた後に、絶縁体S1の表面にレジストNを形成する。レジストNは、トレンチTの端部に形成する端部堆積絶縁体52の厚みと端面45aに形成されている熱酸化膜50の厚みを加算した厚みHだけ、トレンチTの端面45aの上方位置から中心側に突出するように形成する。
次に、図24に示すように、絶縁体S1を、ボディ層60よりも深い位置までエッチバックする。これにより、トレンチTの深部を埋めている埋込絶縁体95と、トレンチTの端部を埋めている端部堆積絶縁体52が同時に形成される。そして、レジストNを除去する。絶縁体S1で埋められていないトレンチTの側面Aに形成されている熱酸化膜50(図24には示されていない)も除去する。半導体層2の表面2aよりも上部に堆積している絶縁体S1と熱酸化膜50を除去する。
次に、トレンチTの内面と半導体層2の表面2aに熱酸化膜50を形成する。図25には示されていないが、トレンチTの側面A(図22参照)にも熱酸化膜50が形成されている。トレンチTの側面Aに形成された熱酸化膜50がゲート絶縁膜として機能する。次に、図25に示すように、CVD法を用い、トレンチT内にポリシリコンP1を堆積させる。ポリシリコンP1は、トレンチTを完全に充填した後に、表面2aにも相応量のポリシリコンP1が堆積するに至るまで堆積する。
その後に、ポリシリコンP1をパターンニングしてゲート導通層40を形成する。以降は、図13から図17に示す第1実施例の半導体装置1の製造方法と同様にして半導体装置1cを製造する。
図26のトレンチT部の断面図に示すように、半導体装置1cでは、トレンチTの端部が端部堆積絶縁体52で充填されている。
半導体装置1cでは、オフ状態からオン状態に移行する際に、薄い絶縁膜(熱酸化膜50)を介してトレンチゲート電極45と対向しているボディ層60にチャネル領域が形成される。チャネル領域は、ホールの供給経路とは反対導電型である。ホール供給経路にチャネル領域が形成されると、ホールの供給経路が狭くなる。半導体装置1cでは、オフ状態からオン状態に移行する際に、厚い絶縁膜(熱酸化膜50と端部堆積絶縁体52)が形成されているトレンチ長手方向の端面45a近傍にはチャネル領域が形成されない。ホール供給経路にチャネル領域が形成されない。したがって、ホールを、ホール供給経路を介して埋込拡散領域90に、一層速やかに供給することができる。主電極間の抵抗が定常状態でのオン抵抗に低下するまでの遅れ時間を短縮化することができる。
なお、ゲート導通層40の凸状部41は、端部堆積絶縁体52よりも中央側に伸びている。これにより、凸状部41とトレンチゲート電極45との導通状態が確保されている。
また、半導体装置1cがオン状態の時には、ソース領域10から供給された電子が、チャネル領域を介してドリフト層70に移動している。前述したように、端部堆積絶縁体52が形成されているトレンチ長手方向の端面45a近傍には、このチャネル領域が形成されない。キャリアが移動するチャネル領域が狭いと、半導体装置1cの定常状態でのオン抵抗が高くなる。半導体装置1cでは、ソース領域10が、端部堆積絶縁体52よりも中央側に形成されている。このため、少なくとも表面にソース領域10が存在している部分のトレンチTに接するボディ層60には、チャネル領域が形成される。半導体装置の定常状態のオン抵抗が高くなることを防止している。
本実施例では、トレンチT内に端部堆積絶縁体52が形成されており、なおかつゲート導通層40に凸状部41と凹状部42が形成されている場合について説明した。しかしながら、端部堆積絶縁体52が形成されていれば、図27に示す半導体装置1eのように、上面視したときに略長方形のゲート導通層40eであってもよい。トレンチT内に端部堆積絶縁体52が形成されていることにより、オフ状態からオン状態に移行する際に、ボディコンタクト領域20から埋込拡散領域90に速やかにホールが供給される。
また、図28に示す半導体装置1dのように、ソース領域10が、コンタクトホール32の外側の端部32aよりも中心寄りに形成されていれば、ゲート導通層40dが上面視したときに略長方形の形状であってもよい。ソース領域10がコンタクトホール32の外側の端部32aよりも中心寄りに形成されていることにより、オフ状態からオン状態に移行する際に、ボディコンタクト領域20から埋込拡散領域90に速やかにホールが供給される。
(第5実施例)
次に、本発明を具現化した半導体装置の第5実施例を、図29から図32を参照して説明する。本実施例の半導体装置1kが、第1実施例の半導体装置1と相違している構成を主に説明する。本実施例の半導体装置1kの特徴は、ホール移動領域80に接している範囲のボディ層60が、p-型の反転抑制領域61を備えていることである。
図29は、半導体装置1kの要部断面図である。
半導体装置1kが形成されている半導体層2には、図1に示す半導体装置1と同様に、複数本のトレンチTが形成されている。各々のトレンチTは、図29に示す左右方向にその長手方向を揃えて伸びている。複数本のトレンチTは、その周囲を絶縁トレンチZT1で囲まれている。絶縁トレンチZT1は、さらにその外側が絶縁トレンチZT2で囲まれている。図29には記載されていないが、上面視すると、絶縁トレンチZT1,ZT2は、複数本のトレンチTを囲んで一周している。
p-型のボディ層60は、トレンチTの端面45aよりも外側(上面視したときにトレンチTが長く伸びている側とは反対側)にも広く形成されている。絶縁トレンチZT1,ZT2は、表面2aからボディ層60を貫通してドリフト層70に至るまで伸びている。
そのドリフト層70内において絶縁トレンチZT1と絶縁トレンチZT2の各々の底面を取り囲む範囲に、各々のp型の埋込拡散領域91が形成されている。埋込拡散領域91は電気的にフローティング状態となっている。
ゲート導通層40は、図27と図28に示したゲート導通層40e,40dと同様に、上面視したときに略長方形状に形成されている。
半導体装置1kのボディ層60は、ホール移動領域80に接している範囲に、p-型の反転抑制領域61を備えている。反転抑制領域61は、ホール移動領域80に接している部分で最も深くまで伸びており、その深さがトレンチゲート電極45の最深部D2よりも深い。
図29には図示していないが、トレンチTの側面A(併せて図1参照)に接している範囲では、反転抑制領域61が形成されていない範囲のトレンチTの外側のボディ層60と同じ深さのボディ層60が伸びている。したがって、ホール移動領域80に接している範囲でのボディ層60の最深部D1は、トレンチTの側面A(併せて図1参照)に接している範囲でのボディ層60の最深部よりも深い。また、最深部D1は、トレンチゲート電極45の最深部D2よりも深い。
半導体装置1kがオフ状態からオン状態に移行するときに、ホールが、p型のボディコンタクト領域20(併せて図1参照)と、p型のボディ層60と、p型のホール移動領域80を介して、p型の埋込拡散領域90に供給される。これによってオフ時に埋込拡散領域90とドリフト層70との境界から広がっていた空乏層が狭くなる。また、トレンチTの側面A(併せて図1参照)において薄い熱酸化膜50を介してトレンチゲート電極45と対向している範囲のボディ層60に、n型のチャネル領域が形成される。トレンチTの側面Aでは、ボディ層60にチャネル領域が形成されると、n型のソース領域10からn型のチャネル領域を介してn型のドリフト層70に電子が供給される。これによって半導体装置1kに電流が流れる。チャネル領域がソース領域10(併せて図1参照)からドリフト層70に至るまで確実に形成される必要がある。このために、トレンチTの側面Aでは、ボディ層60は、その最深部がトレンチゲート電極45の最深部D2よりも浅い。
従来は、半導体装置がオフ状態からオン状態に移行する際に、トレンチTの端面45aにおいて薄い熱酸化膜50を介してトレンチゲート電極45に対向しているp型のホール移動領域80にもチャネル領域が形成されていた。特に、薄い熱酸化膜50に囲まれているトレンチゲート電極45とn型のドリフト層70との間に存在する範囲のホール移動領域80は、導電型が極めて反転し易く、チャネル領域が形成され易かった。チャネル領域は、前述したホールの供給経路とは反対導電型である。ホール供給経路となる領域にチャネル領域が形成されると、ホールの供給経路が狭くなる。
本実施例の半導体装置1kでは、ホール移動領域80に接している範囲のボディ層60がp型の反転抑制領域61を備えている。この範囲では、ボディ層60の最深部D1が、トレンチTの側面A(併せて図1参照)に接している範囲のボディ層60の最深部よりも深い。また、この範囲では、ボディ層60の最深部D1が、トレンチゲート電極45の最深部D2よりも深い。ホール移動領域80が薄い熱酸化膜50に囲まれているトレンチゲート電極45とn型のドリフト層70に挟まれている構造が存在しない。したがって、ホール移動領域80に、ホールの移動を妨げるチャネル領域が形成され難い。半導体装置1kがオフ状態からオン状態に移行する際に、ホールを、ホール供給経路を介して埋込拡散領域90に速やかに供給することができる。主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗にまで低下する時間を短縮化することができる。
図30から図32を参照して半導体装置1kの製造方法を説明する。
トレンチT内にCVD法によって絶縁体S1を堆積させる工程までは、図4から図10を参照して説明した第1実施例と同様であるので説明を省略する。なお、図6のトレンチTを形成する工程において、トレンチTを取り囲んでいる絶縁トレンチZT1,ZT2も同時に形成する。
図30に示すように、トレンチT内と絶縁トレンチZT1,ZT2内が絶縁体S1によって充填される。
次に、図31に示すように、表面2a上に堆積している絶縁体S1をエッチングする。その後に、トレンチT内を充填している絶縁体S1については、ボディ層60よりも深い位置までエッチバックする(トレンチTの形成範囲以外の表面2aにマスクを形成する等の方法を用いる)。
次に、トレンチTの端面45aにp型不純物イオンを斜め注入する。図31では、p型不純物イオンを模式的にバツ印で示している。
次に、図32に示すように、注入したp型不純物イオンを、熱処理によって活性化させる。これにより、トレンチTの端面45aに接する範囲のホール移動領域80のp型不純物の濃度が濃くなるとともに、p型不純物イオンが拡散してp-型の反転抑制領域61が形成される。なお、この時点でのホール移動領域80のp型不純物濃度は濃くなるものの、ボディ層60よりも薄く、なおかつ埋込拡散領域90よりも薄くなるように、前記した工程でのp型不純物の注入条件を調整する。これにより、半導体装置1kがオン状態からオフ状態に移行する際には、ホール移動領域80が迅速に空乏化され、半導体装置1の耐圧を確保することができる。反転抑制領域61が形成されるのと同時に、熱処理によって、半導体層2の表面2aとトレンチTの端面45aとトレンチTの側面A(併せて図1参照)の熱酸化膜50が形成される。このときに、トレンチTの側面Aに形成された熱酸化膜50をゲート酸化膜として用いても良いし、一度除去して再び熱処理することによってゲート酸化膜となる熱酸化膜50を形成しなおしてもよい。
次に、第1実施例の図13と図14と同様に、トレンチT内と表面2aにポリシリコンP1を堆積させる。表面2aに堆積したポリシリコンP1をパターンニングしてゲート導通層40を形成する。
次に、既知の方法で、表面2a側にソース領域10とボディコンタクト領域20(併せて図1参照)を形成する。また、ソース領域10とボディコンタクト領域20の双方に導通するソース電極(図示していない)を形成する。
その後に、第1実施例の図13と図14と同様に、裏面側からn+型の半導体層76を所定の厚みになるまで削り、ドレイン領域72とする。ドレイン領域72と導通するドレイン電極(図示していない)を形成する。
(第6実施例)
次に、本発明を具現化した半導体装置の第6実施例を、図33と図34を参照して説明する。本実施例の半導体装置1mが、図29に示した第5実施例の半導体装置1kと相違している構成を主に説明する。
図33の要部断面図に示すように、半導体装置1mのボディ層60では、トレンチTの端面45aに接しているホール移動領域80と絶縁トレンチZT1に亘って形成されている領域62が、他の領域よりも深くまで形成されている。領域62の最深部D3は、その深さがトレンチゲート電極45の最深部D2よりも深い。
図34は、半導体装置1mを上面視した図である。複数本のトレンチTを囲んで形成されている絶縁トレンチZT1内の領域のうち、点線で囲んである領域62がボディ層60の他の領域よりも深くまで形成されている。深い領域62を備えているボディ層60は、図5に示すように表面2aからp型不純物を注入した後に、例えば、領域62以外の範囲の表面2aをマスク等で覆い、領域62のみに再度p型不純物を注入することによって形成することができる。
本実施例の半導体装置1mでは、ボディ層60の領域62の最深部D3が、トレンチゲート電極45の最深部D2よりも深い。ホール移動領域80が、薄い熱酸化膜50に囲まれているトレンチゲート電極45とn型のドリフト層70とに挟まれている構造が存在しない。したがって、ホール移動領域80に、ホールの移動を妨げるチャネル領域が形成され難い。半導体装置1mがオフ状態からオン状態に移行する際に、ホールを、ホール供給経路を介して埋込拡散領域90に速やかに供給することができる。主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗にまで低下する時間を短縮化することができる。
(第7実施例)
次に、本発明を具現化した半導体装置の第7実施例を、図35を参照して説明する。本実施例の半導体装置1nが、図29に示した第5実施例の半導体装置1kと相違している構成を主に説明する。
図35の要部断面図に示すように、半導体装置1nは、トレンチTの長手方向の端部に形成されている端部堆積絶縁体52(併せて図22と図27参照)を備えている。端部堆積絶縁体52は、端面45aに形成されている熱酸化膜50に接している。端部堆積絶縁体52が形成されている領域では、深部の埋込絶縁体95と端部堆積絶縁体52でトレンチTが表面2aまで絶縁体で充填されている。端部堆積絶縁体52は、トレンチTの側面A(併せて図22参照)を覆う熱酸化膜50(ゲート絶縁膜)よりも厚い。
また、半導体装置1nでは、半導体層2の表面2aに形成されている表面絶縁膜が、表面堆積絶縁体51を備えている。表面堆積絶縁体51は、表面2aに形成されている熱酸化膜50上に形成されている。表面堆積絶縁体51は、トレンチTの端面45aを超えてトレンチTの上方に伸びている。表面堆積絶縁体51は、トレンチTの側面A(併せて図22参照)を覆う熱酸化膜50(ゲート絶縁膜)よりも厚い。表面堆積絶縁体51と端部堆積絶縁体52は連続している。
本実施例の半導体装置1nは、トレンチTの端面45aに形成されている端部堆積絶縁体52と、前述した反転抑制領域61の双方を備えている。反転抑制領域61を備えていることによってホール移動領域80にチャネル領域が形成され難い。また、図27に示す第4実施例の半導体装置1eと同様に、厚い絶縁膜(熱酸化膜50と端部堆積絶縁体52)が形成されているトレンチの端面45a近傍のホール移動領域80には、チャネル領域が形成され難い。ホール供給経路のホール移動領域80に、チャネル領域が一層形成され難い。したがって、半導体装置1nがオフ状態からオン状態に移行するときに、ホールを、ホール供給経路を介して埋込拡散領域90に速やかに供給することができる。
また、半導体装置1nは、ゲート導通層40と半導体層2の表面2aとの間に形成されている表面堆積絶縁体51を備えている。半導体層2が、ゲート導通層40による電界の影響を受け難い。
(第8実施例)
次に、本発明を具現化した半導体装置の第8実施例を、図36を参照して説明する。本実施例の半導体装置1pが、図35に示した第7実施例の半導体装置1nと相違している構成について主に説明する。
本実施例の半導体装置1pの特徴は、表面2aに形成されている表面堆積絶縁体51aと、トレンチTの長手方向の端部に形成されている端部堆積絶縁体52aが離間していることである。
端部堆積絶縁体52aは、トレンチTの底面を覆う埋込絶縁体95と連続している。そして端部堆積絶縁体52aは、半導体層2の表面2aに至るまで伸びていない。
また、表面2aに形成されている表面堆積絶縁体51aは、トレンチTの端面45aを越えてトレンチTの上方に伸びていない。これにより、表面堆積絶縁体51aと端部堆積絶縁体52aとが離間している。
一般的に、トレンチTを充填した絶縁体S1をパターンニングした後には、何らかの熱処理工程が実施される。例えば、図12に示した絶縁体S1をパターンニングする工程の後に、トレンチTの側面A(併せて図22参照)に、ゲート酸化膜として用いる熱酸化膜50を形成するために熱処理工程を実施する。表面堆積絶縁体と端部堆積絶縁体が連続していると、この際に、表面堆積絶縁体と端部堆積絶縁体を構成する絶縁体S1と、半導体層2との熱膨張率の違い等に起因し、特に、トレンチTの端面45a近傍の半導体層2にクラックが発生することがある。本実施例の半導体装置1pによると、表面堆積絶縁体51aと端部堆積絶縁体52aとが離間している。トレンチTの端面45aと、端面45a近傍の表面2aの双方が、連続する絶縁体S1で固定されていない。絶縁体S1と半導体層2の熱膨張率の違い等に起因して半導体層2にクラックが入り難い。
また、本実施例の半導体装置1pは、トレンチTの端面45aに形成されている端部堆積絶縁体52と、前述した反転抑制領域61の双方を備えている。反転抑制領域61を備えていることによってホール移動領域80にチャネル領域が形成され難い。また、図27に示す第4実施例の半導体装置1cと同様に、厚い絶縁膜(熱酸化膜50と端部堆積絶縁体52)が形成されているトレンチの端面45a近傍のホール移動領域80には、チャネル領域が形成され難い。ホール供給経路のホール移動領域80に、チャネル領域が一層形成され難い。したがって、半導体装置1pがオフ状態からオン状態に移行するときに、ホールを、ホール供給経路を介して埋込拡散領域90に、一層速やかに供給することができる。
表面堆積絶縁体51aと端部堆積絶縁体52aとが離間している構成は、半導体装置1pのように、端部堆積絶縁体52aが表面2aに至るまで伸びていない構成に限定されるものではない。例えば、端部堆積絶縁体52aは表面2aに至るまで伸びているが、表面堆積絶縁体51aがトレンチTの端面45aの上方に至るまで形成されていないことによって表面堆積絶縁体51aと端部堆積絶縁体52aとが離間していてもよい。
第5実施例から第8実施例では、半導体装置1k,1m,1n,1pのゲート導通層40が上面視して略四角形状で形成されている場合について説明した。ゲート導通層40は、図1に示す第1実施例のゲート導通層40と同様に凸状部41と凹状部42を備えていても良い。
第5実施例から第8実施例では、半導体層2の複数本のトレンチTが形成されている場合について説明した。本発明は、半導体層2のトレンチTが1本形成されている場合にも適用することができる。
第5実施例から第8実施例では、ホール移動領域80に接している範囲のボディ層60の最深部D1,D3が、トレンチTの側面Aに接している範囲のボディ層60の最深部D2よりも深い構成について説明した。半導体装置がオフ状態からオン状態に移行するときにホール移動領域80にチャネル領域が形成されることを抑制するために、チャネル領域が形成され易い範囲ではホール移動領域80のp型不純物の濃度を濃くしてもよい。すなわち、ホール移動領域80のうち、薄い熱酸化膜50に囲まれているトレンチゲート電極45とドリフト層70に挟まれている範囲のp型不純物の濃度を濃くしてもよい。この場合には、ボディ層60の深さは均一であってもよい。
第1実施例から第8実施例では、図1に示すように、トレンチTの深部が、埋込絶縁体95で充填されている場合について説明した。半導体装置がオフ状態のときに、トレンチTの底面を覆う厚い熱酸化膜50によって主電極間に印加される電位差による電界のピークを分散することができる。半導体装置の耐圧を向上させることができる。また、ゲート容量を低減化することができる。しかしながら、本発明は、埋込絶縁体95が形成されていない構成にも適用することができる。
第1実施例から第8実施例では、トレンチTの長手方向の双方の端面近傍の表面に、ゲート導通層を形成することを説明したが、ゲート導通層は少なくとも一方の端面近傍に形成されていればよい。
また、第1実施例から第8実施例ではnチャネルのMOSFETについて説明したが、本発明は、pチャネルのMOSFETにも適用することができる。この場合、埋込拡散領域90とホール供給経路を形成する半導体領域がn型の半導体領域となる。オフ状態からオン状態に移行する際に、埋込拡散領域90に供給する少数キャリアが電子となる。
また、各実施例では、本発明をMOSFETに適用したが、本発明をIGBTに適用することもできる。IGBTの場合には、キャリア供給領域をエミッタ領域という。IGBTの場合には、半導体層2の裏面2bに、n型のドレイン領域72に代わってp型のコレクタ領域が形成されている。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
半導体装置1の要部斜視図である。 トレンチゲート電極45に対応する位置でのトレンチTの長手方向の断面図である。 隣接するトレンチT間に存在する半導体層2でのトレンチTの長手方向の断面図である。 半導体装置1の要部を上面視した図である。 半導体装置1の製造工程を示す。 半導体装置1の製造工程を示す。 半導体装置1の製造工程を示す。 半導体装置1の製造工程を示す。 半導体装置1の製造工程を示す。 半導体装置1の製造工程を示す。 半導体装置1の製造工程を示す。 半導体装置1の製造工程を示す。 半導体装置1の製造工程を示す。 半導体装置1の製造工程を示す。 半導体装置1の製造工程を示す。 半導体装置1の製造工程を示す。 半導体装置1の製造工程を示す。 半導体装置1がオフ状態からオン状態に移行する際のホールの移動経路を示す。 半導体装置1がオフ状態からオン状態に移行する際に、主電極間の抵抗が定常状態のオン抵抗となるまでの遅れ時間が「0nsec」になっていることを示すグラフである。 半導体装置1aの要部を上面視した図である。 半導体装置1bの要部を上面視した図である。 半導体装置1cの要部を上面視した図である。 半導体装置1cの製造工程を示す。 半導体装置1cの製造工程を示す。 半導体装置1cの製造工程を示す。 半導体装置1cの製造工程を示す。 端部堆積絶縁体52が形成されており、上面視してゲート導通層が略四角形である構成を説明する図である。 ソース領域10がコンタクトホール32の外側の端部32aよりも中心寄りに形成されており、上面視してゲート導通層が略四角形である構成を説明する図である。 半導体装置1kの要部断面図である。 半導体装置1kの製造工程を示す。 半導体装置1kの製造工程を示す。 半導体装置1kの製造工程を示す。 半導体装置1mの要部断面図である。 半導体装置1mの要部を上面視した図である。 半導体装置1nの要部断面図である。 半導体装置1pの要部断面図である。 従来技術を説明する図である。 従来技術を説明する図である。
符号の説明
1:半導体装置
2:半導体層
2a:表面
2b:裏面
10:ソース領域
20:ボディコンタクト領域
32:コンタクトホール
32a:端部
40:ゲート導通層
41:凸状部
42:凹状部
43:端縁
45:トレンチゲート電極
45a:端面
50:熱酸化膜
52:端部堆積絶縁体
60:ボディ層
61:反転抑制領域
62:領域
70:ドリフト層
72:ドレイン領域
74:n-型の半導体層
76:n+型の半導体層
80:ホール移動領域
90:埋込拡散領域
95:埋込絶縁体
M:マスク
N:レジスト
T:トレンチ
S1:絶縁体
P1:ポリシリコン
W1:幅
W2:幅

Claims (5)

  1. トレンチと、ゲート絶縁膜と、トレンチゲート電極と、キャリア供給領域と、ボディコンタクト領域と、ボディ層と、ドリフト層と、トレンチ底面囲繞領域と、トレンチ端面対向領域を備えている半導体装置であり、
    半導体層に、長手方向に伸びる側面と底面と、端面を備えているトレンチが形成されており、
    ゲート絶縁膜は、トレンチの側面と底面と端面を覆っており、
    トレンチゲート電極は、ゲート絶縁膜で覆われた状態でトレンチ内に収容されており、
    キャリア供給領域は、第1導電型であり、ゲート絶縁膜を介してトレンチゲート電極に対向する範囲に形成されており、半導体層の表面の一部の範囲において露出しており、
    ボディコンタクト領域は、第2導電型であり、半導体層の表面の前記一部の範囲とは異なる範囲において露出しており、
    ボディ層は、第2導電型であり、キャリア供給領域とボディコンタクト領域を取囲むとともにキャリア供給領域とボディコンタクト領域に接しており、トレンチの側面に接している範囲では、トレンチゲート電極の最深部よりも浅い範囲に形成されており、
    ドリフト層は、第1導電型であり、ボディ層によってキャリア供給領域とボディコンタクト領域から分離されており、ボディ層に接しており、ボディ層よりも半導体層の深部側に形成されており、
    トレンチ底面囲繞領域は、第2導電型であり、ドリフト層内においてトレンチの底面を取り囲む範囲に形成されており、
    トレンチ端面対向領域は、第2導電型であり、トレンチの端面にゲート絶縁膜を介して対向する範囲に形成されており、第2導電型のボディ層と第2導電型のトレンチ底面囲繞領域の双方に導通しており、
    ボディコンタクト領域は、ボディ層及びトレンチ端面対向領域を介してトレンチ底面囲繞領域に接続されており、
    トレンチ端面対向領域に接している範囲のボディ層の最深部が、トレンチの側面に接している範囲のボディ層の最深部よりも深いことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記トレンチ端面対向領域に接している範囲のボディ層が、前記トレンチゲート電極の最深部よりも深く伸びていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記トレンチの底面を覆うゲート絶縁膜の膜厚が、前記トレンチの側面を覆うゲート絶縁膜の膜厚よりも厚いことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記トレンチの端面を覆うゲート絶縁膜の少なくとも一部の範囲の膜厚が、前記トレンチの側面を覆うゲート絶縁膜の膜厚よりも厚いことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記半導体層の表面を覆う表面絶縁膜が、さらに形成されており、
    前記表面絶縁膜の少なくとも一部の範囲の膜厚が、前記トレンチの側面を覆うゲート絶縁膜の膜厚よりも厚く、
    前記表面絶縁膜のうちの前記トレンチの側面を覆うゲート絶縁膜よりも厚い範囲と、前記トレンチの端面を覆うゲート絶縁膜のうちの前記トレンチの側面を覆うゲート絶縁膜よりも厚い範囲とが、離間していることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。

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