JP5401819B2 - 封止用フィルム及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents

封止用フィルム及びそれを用いた半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、保護機能と充てん性を有し、半導体チップの保護及び充てんに用いられ、充てん時の流動性を制御することによってより充てん性、密着性、形状維持性に優れる封止用フィルム、及びそれを用いた半導体装置に関する。
従来から、電子機器の小型化・軽量化が進められており、これに伴い基板への高密度実装が要求され、電子機器に搭載する半導体パッケージの小型化、薄型化、軽量化が進められている。従来から、LOC(Lead On Chip)やQFP(Quad Flat Package)等と呼ばれるパッケージが有り、LOCやQFP等のパッケージよりもさらに小型化・軽量化したμBGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)等のパッケージが開発されている。さらに、半導体素子の回路面が半導体配線基板側に向けられている、いわゆるフェイスダウン型パッケージであるフリップチップ、WL−CSP(Wafer Level Chip Size Package)などが開発されている。
上述したパッケージでは、固形のエポキシ樹脂封止材をトランスファー成形法により成形することで封止パッケージを得ていたが、パッケージが薄型あるいは大型の場合には成形は難しかった。また、無機フィラーの含有量が増大すると、一般にトランスファー成形時の溶融粘度が高くなり、成形時のボイドの残存、キャビティ充てん不良、ワイヤーフロー及びステージシフトの増大等と成形物の品質が低下するなどの問題が発生する。
また、近年、フリップチップやWL−CSPなどで、突起状電極を有するものが有り、その突起部の保護及び突起間の充填のため、封止材を使用することがあったが、固形のエポキシ樹脂封止材による充てんは難しかった。そのため、エポキシ樹脂、無機フィラーを主体とした封止用フィルムが提案されている(特許文献1〜3参照)。
特開平5−283456号公報 特開平8−73621号公報 特開2005−60584号公報
しかし、従来の封止用フィルムを、例えば、突起状電極を有するパッケージや封止後の形状に制約のあるパッケージに用いると、流動性を制御することが困難であり、充てん性、密着性及び形状維持性を同時には満足できないことがあった。本発明の目的は、保護機能と充てん性を有し、半導体チップの保護及び充てんに用いられ、充てん時の流動性を制御することによって、より充てん性に優れる封止用フィルム、及びそれを用いた半導体装置を提供するものである。
本発明は、以下に関する。
1.(A)架橋性官能基を含む重量平均分子量が10万以上かつTgが−50〜50℃である高分子量成分と、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性成分とを含む樹脂、(B)平均粒子径が1〜30μmのフィラー、及び(C)着色剤を含有する樹脂層を備える封止用フィルムであって、そのBステージ状態の樹脂層の熱硬化粘弾性測定における50℃〜100℃の粘度が10000〜100000Pa.sであることを特徴とする封止用フィルム。
2.樹脂層において、(A)架橋性官能基を含む重量平均分子量が10万以上かつTgが−50〜50℃である高分子量成分5〜85重量%と、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性成分15〜95重量%とを含む樹脂10重量部に対し、(B)平均粒子径が1〜30μmのフィラーを1〜300重量部及び(C)着色剤を0.01〜10重量部含有する、項1記載の封止用フィルム。
3.前記樹脂層と基材層からなる項1または2記載の封止用フィルムであって、基材層の厚さが5〜300μmであり、樹脂層の厚さが10〜800μmである封止用フィルム。
4.前記樹脂層、基材層及び保護層からなる項1または2記載の封止用フィルムであって、基材層の厚さが5〜300μmであり、樹脂層の厚さが5〜500μmであり、保護層の厚さが5〜300μmであり、基材層/樹脂層/保護層の順で積層されていることを特徴とする封止用フィルム。
5.(B)平均粒子径が1〜30μmのフィラーが、無機フィラーである項1〜4のいずれか1項記載の封止用フィルム。
6.(C)着色剤が白色以外のものである項1〜5のいずれか1項記載の封止用フィルム。
7.硬化後の35℃での動的粘弾性測定装置における貯蔵弾性率が100〜20000MPaである項1〜6のいずれか1項記載の封止用フィルム。
8.項1〜7のいずれか1項記載の封止用フィルムを用いた半導体装置。
保護機能と充てん性を有し、半導体チップの保護及び充てんに用いられ、充てん時の流動性を制御することによってより充てん性に優れる封止用フィルム、及びそれを用いた半導体装置を提供することが可能となった。
本発明の封止用フィルムは樹脂層を備える。樹脂層は、以下の成分(A)〜(C)を含み、かつ、Bステージ状態の熱硬化粘弾性測定における50℃〜100℃の粘度が10000〜100000Pa.sである。
(A)架橋性官能基を含む重量平均分子量が10万以上かつTgが−50〜50℃である高分子量成分と、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性成分とを含む樹脂
(B)平均粒子径が1〜30μmのフィラー
(C)着色剤
<高分子量成分>
本発明の樹脂成分は、架橋性官能基を含む重量平均分子量が10万以上かつTgが−50〜50℃である高分子量成分を含む。このような高分子量成分は、架橋性官能基を有するモノマーを構成単位として含有することが好ましい。
架橋性官能基とは、官能基同士が反応することにより互いに結合することで分子ネットワークを形成させることができる官能基をいう。例えば、アクリル基、メタクリル基、イソシアネート基、カルボキシル基等が挙げられる。
高分子量成分としては、エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体が好ましい。本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」と「メタクリル」の両方を示す。
エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体は、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリルエステル共重合体、アクリルゴムなどが挙げられるが、アクリルゴムがより好ましい。アクリルゴムは、アクリル酸エステルを主成分とし、主として、ブチルアクリレートとアクリロニトリルなどの共重合体や、エチルアクリレートとアクリロニトリルなどの共重合体などからなるゴムであってもよい。このようなエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体としては、例えば、ナガセケムテックス株式会社製HTR−860P−3DRなどが挙げられる。
また、上記エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体として、グリシジル(メタ)アクリレート等の架橋性官能基を有するエポキシ基含有モノマーを重合させた共重合体を用いることもでき、このエポキシ基含有モノマーにさらに、エチル(メタ)アクリレートやブチル(メタ)アクリレート等のモノマーを共重合させた共重合体を用いることもできる。
エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体におけるエポキシ基含有モノマーの量は、0.5〜6重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましく、0.8〜5.0重量%が特に好ましい。エポキシ基含有モノマーの量が0.5重量%未満だと、得られた樹脂層の接着力が低下する傾向が有り、6重量%を超えると、得られる樹脂層の保存安定性が低下する傾向が有る。
高分子量成分のガラス転移温度(以下「Tg」という)は−50℃〜50℃の範囲であって、より好ましくは−40℃以上50℃以下、さらに好ましくは−40℃以上40℃以下である。Tgがこの範囲であると、Bステージ状態での樹脂層のタック性が適当であり、取り扱い性に問題を生じないからである。
高分子量成分の重量平均分子量は10万以上であるが、30万〜300万であることが好ましく、50万〜200万であることがより好ましい。重量平均分子量がこの範囲にあると、フィルム状としたときの強度、可とう性、およびタック性が適当であり、また、樹脂層と被着体との密着性を確保できる。なお、本発明において、重量平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。
高分子量成分の使用量は、(A)成分の総量100重量部に対して好ましくは5〜85重量部であり、より好ましくは5〜80重量部であり、さらに好ましくは10〜80重量部であり、特に好ましくは10〜75重量部である。架橋性官能基を含む重量平均分子量の使用量が5重量部未満だと、得られる樹脂層の可とう性が不足して脆くなる可能性が有り、85重量部を超えると得られる樹脂層の流動性が低下する可能性がある。
高分子量成分を製造する場合、その重合方法としては特に制限はなく、例えば、パール重合、溶液重合などの方法を使用することができる。
<熱硬化性成分>
本発明の樹脂成分は、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性成分を含む。このような熱硬化性成分としては、硬化して接着作用を有するものであれば特に制限は無く、例えば、ビスフェノールA型エポキシなどの二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂などを使用することができる。また、多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂または脂環式エポキシ樹脂など、一般に知られているものを使用することができる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ株式会社製 エピコート807,815,825,827,828,834,1001,1004,1007,1009、ダウケミカル社製 DER−330,301,361、東都化成株式会社製 YD8125,YDF8170などが挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ株式会社製 エピコート152,154、日本化薬株式会社製 EPPN−201、ダウケミカル社製 DEN−438などが、また、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製 EOCN−102S,103S,104S,1012,1025,1027、東都化成株式会社製 YDCN700−10,701,702,703,704などが挙げられる。多官能エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ株式会社製 Epon 1031S、チバスペシャリティーケミカルズ社製 アラルダイト0163、ナガセ化成株式会社製 デナコールEX−611,614,614B,622,512,521,421,411,321などが挙げられる。アミン型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ株式会社製 エピコート604、東都化成株式会社製 YH−434、三菱ガス化学株式会社製 TETRAD−X,TETRAD−C、住友化学株式会社製 ELM−120などが挙げられる。複素環含有エポキシ樹脂としては、チバスペシャリティーケミカルズ社製 アラルダイトPT810等の、UCC社製 ERL4234,4299,4221,4206などが挙げられる。脂環式エポキシ樹脂としては、ダイセル化学工業社製、エポリードシリーズ、セロキサイドシリーズ等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独でまたは2種類以上を組み合わせても、使用することができる。
熱硬化性成分の使用量は、(A)成分の総量100重量部に対して好ましくは15〜95重量部であり、より好ましくは20〜95重量部であり、さらに好ましくは20〜90重量部であり、特に好ましくは25〜90重量部である。架橋性官能基を含む重量平均分子量の使用量が15重量部未満だと、得られる樹脂層の耐熱性及び流動性が低下する傾向が有り、95重量部を超えると得られる樹脂層の可とう性が低下する傾向がある。
<樹脂成分>
本発明の樹脂成分には、上記高分子量成分及び上記熱硬化性成分の他に、必要に応じて上記以外の樹脂成分を配合することもできる。上記以外の樹脂成分としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂/あるいはその前駆体、ポリイミド樹脂/あるいはその前駆体等の樹脂成分を用いることができる。
また、樹脂成分は、上記の熱硬化性成分の触媒として、エポキシ樹脂硬化剤及び硬化促進剤を含んでいてもよい。エポキシ樹脂硬化剤としては、特に制限は無く、通常用いられている公知の硬化剤を使用することができ、例えば、アミン類、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、ビスフェノールA、ビスフェノールF,ビスフェノールSのようなフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有するビスフェノール類、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂などのフェノール樹脂などを使用することができる。特に吸湿時の耐電食性に優れる点で、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂などのフェノール樹脂が好ましい。
好ましいフェノール樹脂硬化剤としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:プライオーフェンLF2882、プライオーフェンLF2822、プライオーフェンLF4871、プライオーフェンTD−2090、プライオーフェンTD−2149、プライオーフェンVH−4150、プライオーフェンVH4170などが挙げられる。
硬化促進剤としては、特に制限はないが、例えば、4級ホスホニウム塩系、4級アンモニウム塩系、イミダゾール系、DBU脂肪酸塩系、金属キレート系、金属塩系、トリフェニルフォスフィン系等を用いることができる。
<フィラー>
本発明のフィラーとしては、特に制限が無いが、無機フィラーであることが好ましく、例えば、結晶性シリカ、非晶性シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等を使用することができる。
フィラーの平均粒径は1〜30μmであり、1〜25μmが好ましく、2〜25μmがより好ましく、2〜20μmが特に好ましい。平均粒径が1μm未満であると、得られる樹脂層の流動性が低下して半導体装置の信頼性が低下する傾向があり、一方、30μmを超えると、得られる樹脂層の表面凹凸が大きくなり、埋め込み性が低下する傾向がある。
フィラーの使用量は、(A)樹脂の全総量10重量部に対して好ましくは1〜300重量部であり、より好ましくは1〜250重量部であり、さらに好ましくは1〜200重量部であり、特に好ましくは3〜200重量部である。フィラーの使用量が1重量部未満だと得られる封止用フィルムが軟らかくなって得られる半導体装置の信頼性が低下する傾向があり、300重量部を超えると得られる封止用フィルムの樹脂層と半導体基板との密着性が低下する傾向がある。
<着色剤>
本発明の着色剤としては、特に制限が無く、例えば、カーボンブラック、黒鉛、チタンカーボン、二酸化マンガン、フタロシアニン系等の顔料あるいは染料を使用することができる。分散性、レーザーマーキング性を考慮すると、カーボンブラック等の白色以外の着色剤が好ましい。
着色剤の使用量は、(A)樹脂の全総量100重量部に対して好ましくは0.01〜10重量部であり、より好ましくは0.02〜8重量部であり、さらに好ましくは0.03〜6重量部であり、特に好ましくは0.05〜5重量部である。着色剤の使用量が0.01重量部未満だとフィルムへの着色が十分で無く、レーザーマーキング後の視認性が低下する傾向があり、着色剤の使用量が10重量部を超えると得られる封止用フィルムと半導体基板との密着性が低下する傾向がある。
<樹脂層>
本発明の樹脂層は、さらに、カップリング剤等の添加剤を含んでいてもよい。カップリング剤としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系などが挙げられるが、シラン系カップリング剤が最も好ましい。
シラン系カップリング剤としては、特に制限は無く、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノプロピル−トリメトキシシラン、3−4,5−ジヒドロイミダゾール−1−イル−プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル−メチルジメトキシシラン、3−クロロプロピル−メチルジメトキシシラン、3−クロロプロピル−ジメトキシシラン、3−シアノプロピル−トリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、アミルトリクロロシラン、オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリ(メタクリロイルオキエトキシ)シラン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、トリメチルシリルイソシアネート、ジメチルシリルイソシアネート、メチルシリルトリイソシアネート、ビニルシリルトリイソシアネート、フェニルシリルトリイソシアネート、テトライソシアネートシラン、エトキシシランイソシアネートなどを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
チタン系カップリング剤としては、特に制限は無く、例えば、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリス(n−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアエチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタンチリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、テトラメチルオルソチタネート、テトラエチルオルソチタネート、テタラプロピルオルソチタネート、テトライソブチルオルソチタネート、ステアリルチタネート、クレシルチタネートモノマー、クレシルチタネートポリマー、ジイソプロポキシ−ビス(2,4−ペンタジオネート)チタニウム(IV)、ジイソプロピル−ビス−トリエタノールアミノチタネート、オクチレングリコールチタネート、テトラ−n−ブトキシチタンポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートなどを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
アルミニウム系カップリング剤としては、特に制限は無く、例えば、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトイス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウム=モノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−n−ブトキシド−モノ−エチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−イソ−プロポキシド−モノ−エチルアセトアセテート等のアルミニウムキレート化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム−sec−ブチレート、アルミニウムエチレート等のアルミニウムアルコレートなどを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
上記の添加剤は(A)樹脂の全総量100重量部に対して50重量部以下の配合量にすることが好ましい。上記添加剤の添加量が50重量部より多いと、得られる封止用フィルムの耐熱性が低下する可能性がある。
樹脂層は、そのBステージ状態の熱硬化粘弾性測定における50℃〜100℃の粘度が10000〜100000Pa.sであり、10000〜95000が好ましく、10000〜90000がより好ましく、15000〜90000が特に好ましい50℃〜100℃の粘度が10000Pa・s未満だと封止用フィルムが軟らかくなって得られる半導体装置の信頼性が低下する傾向があり、100000を超えると得られる封止用フィルムと半導体基板との密着性が低下する傾向がある。
上記の粘度は、封止用フィルムの樹脂層のみを直径8mmの円盤状に打ち抜き、粘度・粘弾性測定装置(サーモハーケ社製、レオストレス RS 600型)を用いて、歪一定モード、周波数:1Hz、印加歪:1%、昇温速度:5℃/minで測定することができる。
このフィルム粘度は、例えば、フィラーの充填量を増やしたり、流動性に優れるフィラーを使用したり、多官能エポキシ樹脂を使用して樹脂層の橋架け密度を向上させたり、フィルム化する際の熱履歴を増やすことによってBステージ状態での硬化度を向上させることによって小さくすることができる。流動性に優れるフィラーとしては、真球状のものを用いればよい。
樹脂層は170℃で1時間硬化した後の35℃での動的粘弾性測定装置における貯蔵弾性率が、通常100〜20000MPaであり、100〜19000MPaが好ましく、200〜18000MPaがより好ましく500〜16000MPaが特に好ましい。貯蔵弾性率が500MPa未満だと得られる封止用フィルムと半導体素子との密着性が低下する可能性があり、20000MPaを超えると半導体装置の信頼性が低下する可能性がある。なお、上記貯蔵弾性率は、厚み150μmのBステージ状態の上記樹脂層について、レオロジー社製の動的粘弾性スペクトロメーター(DVE−4型)を用いて、35℃、10Hzの条件で測定した値である。
この弾性率は、例えば、フィラーの充填量を増やしたり、流動性に優れるフィラーを使用したり、多官能エポキシ樹脂を使用して樹脂層の橋架け密度を向上させたり、フィルム化する際の熱履歴を増やしたりすることによって、Bステージ状態での硬化度を向上させて大きくすることができる。ここで、「熱履歴を増やす」とは、加熱時間を長くする、又は温度を高くすることを言う。
<封止用フィルム>
本発明の封止フィルムは、図1に示すように、基材層1の上に樹脂層2を備えていてもよく、また、図2に示すように、基材層1の上に樹脂層2を備え、さらに、樹脂層2の上に保護層を備えていてもよい。
基材層の厚さは好ましくは5〜300μmであり、5〜200μmがより好ましく、5〜100μmがさらに好ましく、10〜100μmが特に好ましい。基材層の厚さが5μm未満ではフィルム作製時の強度不足によりフィルム自体が作製できない可能性が有り、フィルムの厚さが300μmを超えても特に利点は無く、フィルム自体が高価になる傾向が有る。
基材層として使用する材料としては特に制限が無く、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルアミドフィルム、ポリエーテルアミドイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムを使用できる。また、必要に応じて、プライマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理、離型処理等の表面処理を行っても良い。
樹脂層の厚さは、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、20μm以上がさらに好ましく、30μm以上が特に好ましい。また、本発明の封止用フィルムを構成する樹脂層の厚さは、800μm以下が好ましく、600μm以下がより好ましく500μm以下がさらに好ましく、400μm以下が特に好ましい。樹脂層の厚さが5μm未満だと、半導体素子との密着性が低下する傾向があり、800μmを超えると半導体素子の厚さが増えてパッケージ設計の障害になる傾向がある。
保護層の厚さは、好ましくは5〜300μmであり、5〜200μmがより好ましく、5〜100μmがさらに好ましく、10〜100μmが特に好ましい。保護層の厚さが5μm未満ではフィルム作製時の強度不足により十分に保護できない可能性が有り、フィルムの厚さが300μmを超えても特に利点は無く、フィルム自体が高価になる可能性が有る。
保護層として使用する材料は特に制限が無く、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルアミドフィルム、ポリエーテルアミドイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムを使用できる。また、必要に応じて、プライマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理、離型処理等の表面処理を行っても良い。
本発明の封止用フィルムは、次のように作製できる。例えば、上記(A)樹脂成分、(B)フィラー、及び(C)着色剤を少なくとも含んだ樹脂層成分に、溶剤を加えてワニスを作製する。封止フィルムが基材層を有する場合は基材層上に、樹脂層のみの構成される場合は型等の上に該ワニスを塗布した後、加熱乾燥により溶剤を除去して、Bステージ状態の樹脂層を形成することにより作製することができる。さらに保護層を形成する場合には、樹脂層状に保護層を形成する。
樹脂層用ワニスに用いられる溶剤は、特に制限が無いが、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン等の含硫黄系溶媒;γ−ブチロラクトン、酢酸セロソルブ等のエステル系溶媒;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアセド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン等の含窒素系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
上記加熱乾燥条件は、樹脂層の成分や溶剤の種類によって異なるが、一般的には60〜200℃の温度で3〜30分間加熱するものである。上記加熱乾燥条件は、本発明の封止フィルムの樹脂層の「粘度」の値に影響を与えるものであるため、粘度が小さすぎる場合は、加熱乾燥温度を上げる、加熱乾燥時間を長くする、又は加熱乾燥回数を増やす等の熱履歴を増やして適宜調製する。
また、ワニスの塗布方法は、特に制限が無いが、作業性等を考慮すると、マルチコーターを使用して塗工するのが好ましい。
<半導体装置>
本発明の半導体装置は、本発明の封止フィルムを用いてなることをその特徴とするものである。以下、その製造例と形態に関して図を用いて説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
図3は、半導体基板上の電極を本発明の封止フィルム(樹脂層)をロール状封止フィルム8として用い、封止する工程を示す模式図である。ここで、図1に示す構成を有する本発明の封止フィルムを用いる場合には、半導体基板4の電極面に樹脂層2が接するように、図2に示す構成を有する本発明の封止フィルムを用いる場合には、保護層3をはく離した後、ロール9においてフィルムのテンションを均一にして、半導体基板4の電極面に樹脂層2が接するように封止フィルムをラミネートロール10でラミネートし、半導体基板上の電極を封止する。ラミネート工程におけるラミネート温度は、半導体基板に負荷を与えず、作業性に優れる点で、180℃以下であることが好ましく、140℃以下であることがより好ましく、120℃以下であることが好ましい。また、本発明の封止フィルムは、上記電極が突起状電極である場合に特に好適である。
また、本発明の封止フィルムによる封止は、上述したフィルムラミネートによる方法に限らず、半導体基板に封止フィルムを熱圧着あるいは真空圧着する方法、半導体素子に直接封止フィルムをヒートプレスで接着する方法等を使用することもできる。なお、圧着条件等は封止使用する封止フィルムの種類、半導体基板あるいは素子の形状によって異なる。
図4は、本発明の封止フィルム(樹脂層)で封止された突起状電極を有する半導体素子7の模式図である。このような半導体素子は、図3に示すようにして半導体基板の突起状電極5を封止した後、例えば、封止フィルムの基材層を剥離する工程、加熱によって樹脂層2を硬化させる工程、はんだボール6を突起状電極5上に搭載する工程、半導体基板の、樹脂層封止側と反対側にダイシングテープをラミネートする工程、半導体基板を所定の大きさにダイシングする工程、突起状電極5を有する半導体基板とダイシングテープをはく離する工程を経て得ることができ、さらに、得られた半導体素子を回路基板上の所定位置に搭載することで半導体装置を得ることができる。
上記突起状電極を有する半導体基板4としては、特に制限はないが、例えば、シリコンウエハ等が挙げられる。また、このような方法で半導体素子を作製した後、封止フィルム側からYAGレーザー等を照射し、製品を識別するための識別情報を表示することもできる。
本発明の封止用フィルムによって封止されることによって得られる半導体素子は、信頼性等に優れるため、種々の半導体装置に使用することができ、さらに、SAWデバイス等の各種デバイス、各種センサー等の封止にも使用することができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
<封止フィルムの作製>
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製商品名:YD−8170C、エポキシ当量:160)33.6重量部、フェノール・p−キシリレングリコールジメチルエーテル共重合樹脂(三井化学株式会社製商品名:ミレックス XLC−LL、水酸基当量174)33.8重量部、エポキシ基含有アクリルゴム(ナガセケムテックス株式会社製商品名:HTR−860P−3DR、重量平均分子量:80万、Tg:−7℃)33.4重量部、1−シアノ−1−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製商品名:キュアゾール2PZ−CN)0.5重量部、シリカフィラー(株式会社龍森製商品名:TFC−12、平均粒径:約4μm)152.6重量部、樹脂系加工顔料(山陽色素株式会社製商品名:FP BLACK J308、カーボンブラック含有率:29.0重量%)2.5重量部からなる組成物にシクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、真空脱気して不揮発分(以降NVと略記する)約60重量%のワニスを得た。なおNVの測定方法は下記の通りとした。
NV(重量%)=(加熱乾燥後のワニス量(g)/加熱乾燥前のワニス量(g))×100
乾燥条件:170℃−1時間
得られたワニスを基材層(帝人デュポンフィルム株式会社商品名:ピューレックスA31B、表面離型処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、膜厚:38μm)上に塗布し、90℃、5分及び140℃、5分間加熱乾燥して、樹脂層の膜厚を150μmとしたBステージ状態のフィルムAを得た。
<フィルムの評価>
・フィルム粘度
得られたフィルムAの樹脂層のみを直径8mmの円盤状に打ち抜き、粘度・粘弾性測定装置(サーモハーケ社製、レオストレス RS 600型)を用いて、歪一定モード、周波数:1Hz、印加歪:1%、昇温速度:5℃/minで50℃及び100℃にてフィルム粘度を測定した。
・引張り弾性率及びガラス転移温度
得られたフィルムAの樹脂層のみを170℃で1時間硬化後、動的粘弾性スペクトロメーター(レオロジー社製、DVE−4型)により、引張り弾性率(35℃、10Hz)及びガラス転移温度(周波数10Hz、昇温速度2℃/min)を測定した。
・熱分解開始温度
示差熱天秤(セイコーインスツルメント株式会社製、SSC5200型)により下記条件で熱分解開始温度を測定した。
昇温速度:10℃/min,雰囲気:空気
・埋め込み性
得られたフィルムAを、配線及び銅ポストが形成された半導体基板((ピッチ寸法5.3mm×6.3mm、スクライブライン100μm、銅ポスト径:300μm、銅ポスト高さ:100μm)上にホットロールラミネータ(大成ラミネータ株式会社製商品名、VA−400III型)を使用して貼付けた。
ラミネート後、フィルムAの基材フィルムを除去し、フィルムAの樹脂層のみを貼り付けた半導体基板を銅ポスト部分で切断し、その断面を工学顕微鏡で観察し、封止用フィルムの埋め込み性を下記基準で評価した。
○:埋め込み不足によるボイドの発生無し
△:埋め込み不足によるボイドの発生が実用上問題ない程度に僅かに有り
(ボイドの発生率:銅ポスト総数の10%未満)
×:埋め込み不足によるボイドの発生若干有り
(ボイドの発生率:銅ポスト総数の10〜50%)
××:埋め込み不足によるボイドの発生ほぼ全面に有り
(ボイドの発生率:銅ポスト総数の50%以上)
・レーザーマーキング視認性
上記で得られた封止フィルムAを、300μm厚のシリコンウエハ鏡面にホットロールラミネータ(大成ラミネータ株式会社製、商品名VA−400III型)を使用して貼付け(ラミネート条件:80℃、0.2MPa、0.5m/min)、封止フィルム付きシリコンウエハを得た後、基材層をはく離して170℃で1時間硬化した樹脂層付きシリコンウエハの樹脂層側に、出力5.0J/パルスのYAGレーザーによってレーザーマーキングを行い、その視認性を確認した(サンプル数:各100個)。
視認性の評価方法は、レーザーマーキング後の表面をスキャナによって画像取り込みを行い、画像処理ソフト(Adobe社製商品名、PHOTSHOP)によってマーキング部分及びその周りの非マーキング部分の2階調化を行い(マーキング部分を白、非マーキング部分を黒)、明度によって白黒の256段階に分けた。次に、マーキング部分と非マーキング部分との明度の差(「2階調化する境界のしきい値」)を求め、黒と白の境界が視覚的に認識できなくなるような明度の差(「2階調化する境界のしきい値」)との相異が40以上である場合に視認性良好とし(評価○)、その相異が30以上40未満である場合に視認性がほぼ良好とし(評価△)、その相異が30未満である場合に視認性が不良とした(評価×)。なお、表1には、評価○、△、×に該当するサンプル数を示した。
<半導体装置の作製と評価>
上記で得られた封止フィルムAを、配線及び銅ポストが形成された半導体基板(ピッチ寸法:5.3mm×6.3mm、スクライブライン:100μm、銅ポスト径:300μm、銅ポスト高さ:100μm)上にホットロールラミネータ(大成ラミネータ株式会社製、商品名VA−400III型)を使用して貼付け(ラミネート条件:80℃、0.2MPa、0.5m/min)、基材層をはく離した後、170℃で1時間加熱して樹脂層を硬化させる工程、樹脂層を研削して銅ポストを表面に露出させる工程、銅ポスト上に外部端子を形成する工程、ダイシングする工程、得られた半導体素子をピックアップして有機基板に実装する工程を行い、半導体装置を作製した。
ついで、この半導体装置について、−55℃/30min←→125℃/30minを1サイクルとするヒートサイクル試験を1000サイクル行い(サンプル数10)、樹脂層にクラックが発生していないかどうかを調べた。結果を表1に示す。なお、表1には、(樹脂層にクラックが発生した半導体装置の個数)/(総サンプル数)を示した。
以上の評価結果をまとめて表1に示す。
(実施例2)
シリカフィラー(株式会社龍森製商品名:TFC−12、平均粒径:約4μm)を、シリカフィラー(株式会社龍森製商品名:TFC−24、平均粒径:約8μm)に変更した以外は、実施例1と同様にフィルムを作製しフィルムBとした。
得られたフィルムBの特性を実施例1と全く同様の条件で評価した。結果をまとめて表1に示す。
(実施例3)
1−シアノ−1−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製商品名:キュアゾール2PZ−CN)を0.5重量部から0.3重量部に変更し、シリカフィラー(株式会社龍森製商品名:TFC−12、平均粒径:約4μm)をシリカフィラー(株式会社龍森製商品名:TFC−24、平均粒径:約8μm)に変更した以外は実施例1と同様にフィルムを作製し、フィルムCとした。
得られたフィルムCの特性を実施例1と全く同様な条件で評価した。結果をまとめて表1に示す。
(実施例4)
シリカフィラー(株式会社龍森製商品名:TFC−12、平均粒径:約4μm)152.6重量部を、シリカフィラー(株式会社龍森製商品名:TFC−24、平均粒径:約8μm)105.2重量部に変更した以外は、実施例1と同様にフィルムを作製し、フィルムDとした。
得られたフィルムDの特性を実施例1と全く同様の条件で評価した。結果をまとめて表1に示す。
(実施例5)
シリカフィラー(株式会社龍森製商品名:TFC−12、平均粒径:約4μm)152.6重量部を、シリカフィラー(株式会社龍森製商品名:TFC−24、平均粒径:約8μm)209.8重量部に変更した以外は、実施例1と同様にフィルムを作製し、フィルムEとした。
得られたフィルムEの特性を実施例1と全く同様の条件で評価した。結果をまとめて表1に示す。
(実施例6)
シリカフィラー(株式会社龍森製商品名:TFC−12、平均粒径:約4μm)152.6重量部を、シリカフィラー(電気化学工業株式会社製商品名:FB−35、平均粒径:約10μm)152.6重量部に変更した以外は、実施例1と同様にフィルムを作製し、フィルムFとした。
得られたフィルムFの特性を実施例1と全く同様の条件で評価した。結果をまとめて表1に示す。
(実施例7)
シリカフィラー(株式会社龍森製商品名:TFC−12、平均粒径:約4μm)152.6重量部を、シリカフィラー(アドマファイン株式会社商品名:SO−C2、平均粒径:約1.3〜2.0μm)152.6重量部に変更した以外は、実施例1と同様にフィルムを作製し、フィルムGとした。
得られたフィルムGの特性を実施例1と全く同様の条件で評価した。結果をまとめて表1に示す。
(比較例1)
シリカフィラー(株式会社龍森製商品名:TFC−12、平均粒径:約4μm)152.6重量部を、シリカフィラー(アドマファイン株式会社商品名:SO−C5、平均粒径:約0.4〜0.6μm)152.6重量部に変更した以外は、実施例1と同様にフィルムを作製し、フィルムHとした。
得られたフィルムHの特性を実施例1と全く同様の条件で評価した。結果をまとめて表2に示す。
(比較例2)
実施例1において、乾燥条件を90℃、5分及び140℃、5分から、90℃、15分及び140℃、15分にした以外は実施例1と全く同様の操作を行い、Bステージ状態のフィルムIを得た。
得られたフィルムIの特性を実施例1と全く同様な条件で評価した。結果をまとめて表2に示す。
(比較例3)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製商品名:YD−8170C、エポキシ当量:160)47.04重量部、フェノール・p−キシリレングリコールジメチルエーテル共重合樹脂(三井化学株式会社製商品名:ミレックス XLC−LL、水酸基当量174)47.32重量部、エポキシ基含有アクリルゴム(ナガセケムテックス株式会社製商品名:HTR−860P−3DR、重量平均分子量:80万、Tg:−7℃)4.72重量部、1−シアノ−1−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製商品名:キュアゾール2PZ−CN)0.5重量部、シリカフィラー(株式会社龍森製商品名:TFC−24、平均粒径:約8μm)152.6重量部、樹脂系加工顔料(山陽色素株式会社製商品名:FP BLACK J308、カーボンブラック含有率:29.0重量%)2.5重量部からなる組成物にシクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、真空脱気して不揮発分(以降NVと略記する)約60重量%のワニスを得た。
得られたワニスを基材層(帝人デュポンフィルム株式会社商品名:ピューレックスA31B、表面離型処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、膜厚:38μm)上に塗布し、90℃、5分及び140℃、5分間加熱乾燥して、膜厚が150μmの塗膜とし、Bステージ状態のフィルムJ(樹脂層の膜厚:100μm)得た。
得られたフィルムJの特性を実施例1と全く同様の条件で評価した。結果をまとめて表2に示す。
(比較例4)
シリカフィラーを加えなかったこと以外は、比較例3と同様にフィルムを作製し、フィルムKとした。
得られたフィルムKの特性を実施例1と全く同様の条件で評価した。結果をまとめて表2に示す。
(比較例5)
シリカフィラー及び樹脂系加工顔料を加えなかったこと以外は、比較例3と同様にフィルムを作製し、フィルムLとした。
得られたフィルムLの特性を実施例1と全く同様の条件で評価した。結果をまとめて表2に示す。
Figure 0005401819
Figure 0005401819
実施例1〜7の本発明のフィルムによると、優れた埋め込み性を示す。これに対して、フィラーの平均粒子径が本願発明範囲以下であって50℃におけるフィルム粘度が本願発明範囲を超える比較例1のフィルムによると、埋め込み性が劣る。50℃におけるフィルム粘度が本願発明範囲を超える比較例2のフィルムによると、埋め込み性が非常に劣る。100℃におけるフィルム粘度が本願発明の範囲以下である比較例3のフィルムによると、得られる半導体装置の信頼性が劣る。シリカを含まず100℃におけるフィルム粘度が本願発明範囲以下である比較例4のフィルムによると、得られる半導体装置の信頼性(半導体装置の評価)が非常に劣る。フィラー及び着色剤を含まない比較例5のフィルムによると、レーザーマーキング性が劣る。
本発明の封止用フィルムは、保護機能と充てん性を有し、半導体チップの保護及び充てんに用いられ、充てん時の流動性を制御することによってより充てん性に優れるため、種々の半導体装置、電子部品等に適用できるものである。
基材層1及び樹脂層2から形成された封止用フィルムの模式図である。 基材層1、樹脂層2及び保護層3から形成された封止用フィルムの模式図である。 封止用フィルムの樹脂層2側を突起状電極を有する半導体基板4にラミネートする工程の模式図である。 封止用フィルムで封止した突起状電極を有する半導体素子の模式図である。
符号の説明
1;基材層
2;樹脂層
3;保護層
4;突起状電極を有する半導体基板
5;突起状電極
6;はんだボール
7;突起状電極を有する半導体素子

Claims (8)

  1. (A)架橋性官能基を含む重量平均分子量が10万以上かつTgが−50〜50℃である高分子量成分と、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性成分とを含む樹脂、
    (B)平均粒子径が1〜30μmのフィラー、及び
    (C)着色剤を含有し、
    前記高分子量成分は、エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体であり、
    Bステージ状態の熱硬化粘弾性測定における50℃〜100℃の粘度が10000〜100000Pasである樹脂層を備える封止用フィルム。
  2. 前記樹脂層において、
    (A)架橋性官能基を含む重量平均分子量が10万以上かつTgが−50〜50℃である高分子量成分5〜85重量%と、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性成分15〜95重量%とを含む樹脂10重量部に対し、
    (B)平均粒子径が1〜30μmのフィラーを1〜300重量部、及び
    (C)着色剤を0.01〜10重量部含有する請求項1記載の封止用フィルム。
  3. さらに基材層を備え、前記基材層の厚さが5〜300μmであり、前記樹脂層の厚さが10〜800μmである請求項1又は2に記載の封止用フィルム。
  4. さらに基材層及び保護層を備え、前記基材層の厚さが5〜300μmであり、前記樹脂層の厚さが5〜500μmであり、前記保護層の厚さが5〜300μmであり、基材層/樹脂層/保護層の順で積層される請求項1又は2に記載の封止用フィルム。
  5. 前記フィラーが無機フィラーである請求項1〜4のいずれかに記載の封止用フィルム。
  6. 前記着色剤が白色以外のものである請求項1〜5のいずれかに記載の封止用フィルム。
  7. 前記樹脂層の硬化後の35℃での動的粘弾性測定装置における貯蔵弾性率が100〜20000MPaである請求項1〜6のいずれかに記載の封止用フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の封止用フィルムを用いた半導体装置。
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