JP3912076B2 - 接着シートならびに半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

接着シートならびに半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着シート、それを使用した半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材の接合には、銀ペーストが主に使用されていた。ところが、近年の半導体素子の小型化・高性能化に伴い、使用される支持部材にも小型化、細密化が要求されるようになったことから、前記銀ペーストでは、はみ出しや半導体素子の傾きに起因するワイヤボンディング時における不具合の発生、接着剤層の膜厚の制御困難性、および接着剤層のボイド発生などにより前記要求に対処しきれなくなってきている。そのため、近年、フィルム状接着剤が使用されるようになってきた。
【0003】
このフィルム状接着剤は、その使用方法から、個片貼付け方式あるいはウェハ裏面貼付け方式に大別される。ここで、両者の違いを明確にするべく、例として半導体装置を製造する際のそれぞれの使用法を概説する。
【0004】
前者の個片貼付け方式のフィルム状接着剤を用いて半導体装置を製造するには、リール状の接着フィルムをカッティングあるいはパンチングによって個片に切り出した後、その個片を支持部材に接着し;前記フィルム状接着剤付き支持部材にダイシング工程によって個片化された半導体素子を接合して半導体素子付き支持部材を作製し;その後、必要に応じてワイヤボンド工程、封止工程などを経ることによって、半導体装置が得られることとなる。
【0005】
しかし、前記個片貼付け方式のフィルム状接着剤を使用するには、接着フィルムを切り出して支持部材に接着する専用の組立装置が必要であることから、銀ペーストを使用する方法に比べて製造コストが高くなるという問題があった。
【0006】
一方、後者のウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤を用いて半導体装置を製造するには、まず半導体ウェハの裏面にフィルム状接着剤を貼付け、さらにフィルム状接着剤の他面にダイシングテープを貼り合わせ;その後、前記ウェハからダイシングによって半導体素子を個片化し;個片化したフィルム状接着剤付き半導体素子をピックアップし、それを支持部材に接合し;その後の加熱、硬化、ワイヤボンドなどの工程を経ることにより、半導体装置が得られることとなる。
【0007】
このウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤は、フィルム状接着剤付き半導体素子を支持部材に接合するため、フィルム状接着剤を個片化する装置を必要とせず、従来の銀ペースト用の組立装置をそのまま、あるいは熱盤を付加するなどの装置の一部を改良することにより使用できるため、フィルム状接着剤を用いた組立方法の中で、製造コストが比較的安く抑えられる方法として注目されている。
【0008】
このウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤と共に用いられるダイシングテープは、感圧型とUV型ダイシングテープに大別される。
【0009】
前者の感圧型ダイシングテープは、通常、ポリ塩化ビニル系やポリオレフィン系のベースフィルムに粘着剤を塗布したものである。このダイシングテープは、ダイシング工程における切断時には、ダイシングソウによる回転で各素子が飛散しないような十分な粘着力が求められ、ピックアップ時には、各素子に接着剤が付着することなくまた素子を傷つけないようにするために、ピックアップできる程度の低い粘着力が求められる。
【0010】
ところが、前記のような相反する2つの性能を充分併せ持つ感圧型ダイシングテープがなかったことより、各工程毎にダイシングテープを切替える作業が行われていた。また素子のサイズや加工条件にあった各種の粘着力を有する多種多様のダイシングテープが必要になることから接着シートの在庫管理が複雑化していた。
【0011】
さらに、近年、特にCPUやメモリの大容量化が進んだ結果半導体素子が大型化する傾向にあり、またICカードあるいはメモリーカードなどの製品にあっては使用されるメモリの薄型化が進んでいる。これらの半導体素子の大型化や薄型化に伴い、前記感圧型ダイシングテープでは、ダイシング時の固定力(高粘着力)とピックアップ時の剥離力(低粘着力)という相反する要求を満足できなくなりつつある。
【0012】
一方、UV型ダイシングテープは、ダイシング時には高粘着力を有するものの、ピックアップする前に紫外線(UV)を照射することにより低粘着力になる。
【0013】
そのため、前記感圧型テープが有する課題が改善されることより、ダイシングテープとして広く採用されるに至っている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、UV型ダイシングテープを用いることにより前記感圧型ダイシングテープの課題は改善されるものの、ウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤にはさらに改善すべき課題が残されていた。
【0015】
即ち、ウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤を用いる方法にあっては、前記ダイシング工程までに、フィルム状接着剤と、ダイシングテープを貼付するといった2つの貼付工程が必要となることから作業が煩雑になるという問題があった。そのため、作業工程の簡略化が求められていた。
【0016】
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑み、ダイシング工程ではダイシングテープとして作用し、半導体素子と支持部材との接合工程では接続信頼性に優れる接着シートとして作用する接着シートを提供することを目的とする。また、本発明は、半導体素子搭載用支持部材に熱膨張係数の差が大きい半導体素子を実装する場合に要求される耐熱性および耐湿性を有し、かつ作業性に優れる接着シートを提供することを目的とする。本発明は、さらに、製造工程を簡略化できる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の発明に関する。
<1> 粘接着剤層と、基材層とを備える熱重合性および放射線重合性接着シートであって、
前記粘接着剤層は、(A)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤、(B)官能性モノマーを含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分、および(C)放射線重合性化合物を含み、
前記基材層は、40mN/mを超える表面張力を有し、
前記粘接着剤層と前記基材層との界面における放射線照射前の接着強度は、200mN/cm以上であることを特徴とする接着シート。
【0018】
<2> 前記接着シートにおいて、放射線照射前後の粘接着剤層/基材層界面の接着強度比(照射後接着強度/照射前接着強度)が0.5以下である前記<1>記載の接着シート。
【0019】
<3> 前記接着シートにおいて、放射線照射前後の粘接着剤層/基材層界面の接着強度差(照射前接着強度−照射後接着強度)が100mN/cm以上である前記<1>記載の接着シート。
【0020】
<4> 前記(B)官能性モノマーを含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分が、エポキシ基含有反復単位を0.5〜6重量%含有するエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体である前記<1>〜<3>のいずれかに記載の接着シート。
【0021】
<5> 前記粘接着剤層が、前記(A)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を100重量部、前記(B)官能性モノマーを含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分を10〜400重量部、および前記(C)放射線重合性化合物を5〜400重量部含有する、前記<1>〜<4>のいずれかに記載の接着シート。
【0022】
<6> 前記粘接着剤層が、25℃で10〜2000MPa、および260℃で3〜50MPaの加熱硬化後の貯蔵弾性率を有する、前記<1>〜<5>のいずれかに記載の接着シート。
【0023】
<7> 前記粘接着剤層と基材層との間の接着力は、放射線を照射することにより制御される、前記<1>〜<6>のいずれかに記載の接着シート。
【0024】
<8> 放射線照射後の接着強度が100mN/cm以下である前記<1>〜<7>記載の接着シート。
【0025】
<9> 前記<1>〜<8>のいずれかに記載の接着シートを用いて、半導体素子と半導体搭載用支持部材とを接着した半導体装置。
【0026】
<10> (a)前記<1>〜<8>のいずれかに記載の粘接着剤層と基材層とを有してなる接着シートを、前記粘接着剤層を挟んで半導体ウェハ上に設けることにより接着シート付き半導体ウェハを得る工程と、(b)前記接着シート付き半導体ウェハをダイシングして接着シート付き半導体素子を得る工程と、(c)前記接着シートに放射線を照射して前記粘接着剤層の前記基材層に対する接着力を低減し、かつ前記基材層を剥離して粘接着剤層付き半導体素子を得る工程と、(d)前記粘接着剤層付き半導体素子と半導体素子搭載用の支持部材とを前記粘着剤層を介して接着する工程と、を含む半導体装置の製造方法。
【0027】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の接着シートについて説明する。
好ましい1実施態様としての、本発明の接着シートは、(A)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤、(B)官能性モノマーを含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分、および(C)放射線重合性化合物を含む粘接着剤層と、表面張力が40mN/mを超える基材層とを有する。これにより、熱重合性および放射線重合性の両方の性質を備える接着シートを得ることができる。
【0028】
本発明の接着シートは、ダイシング時には半導体素子が飛散しない十分な粘着力を有し、その後放射線を照射して、前記粘接着剤層と基材層との間の接着力を制御することにより、ピックアップ時には各素子を傷つけることがないような低い粘着力を有する、という相反する要求を満足するものであり、ダイシングおよびダイボンドの各工程を、一枚のフィルムで完了することができる。ダイシング時(放射線照射前)の粘着力は、例えば、ダイシングすべき半導体ウェハに上記接着シートを室温または加熱しながら圧着して貼り付けた後、基材層のみを、引張り角度:90°、引張り速度:50mm/minで引張った時のピール剥離力(接着強度)が300mN/cm以上であり、350mN/cm以上であることがより好ましく、400mN/cm以上であることがさらに好ましい。この値が300mN/cmに満たないと、ダイシング時に半導体素子が飛散する可能性がある。
【0029】
また本発明において、射線照射前後の粘接着剤層/基材層界面の前記90°ピール剥離力による接着強度比(照射後接着強度/照射前接着強度)が0.5以下であり、0.4以下であることがより好ましく、0.3以下であることがさらに好ましい。この値が0.5よりも大きいと、ピックアップ時に各素子を傷つける傾向がある。一方、前記接着強度比(照射後接着強度/照射前接着強度)の下限は特に制限されるものではないが、例えば作業性の観点からは、0.0001以上であることが好ましい。
【0030】
また本発明において、放射線照射前後の粘接着剤層/基材層界面の前記90°ピール剥離力による接着強度差(照射前接着強度−照射後接着強度)は200mN/cm以上であり、250mN/cm以上であることがより好ましく、300mN/cmであることがさらに好ましい。この値が200mN/cm未満だと、ピックアップ時に各素子を傷つける傾向がある。
【0031】
本発明に使用する(A)エポキシ樹脂は、硬化して接着作用を有するものであれば特に限定されない。ビスフェノールA型エポキシなどの二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂などを使用することができる。また、多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂または脂環式エポキシ樹脂など、一般に知られているものを適用することができる。
【0032】
このようなエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製、エピコート807,815,825,827,828,834,1001,1004,1007,1009、ダウケミカル社製、DER−330,301,361、東都化成(株)製、YD8125,YDF8170などが挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製、エピコート152,154、日本化薬(株)製、EPPN−201、ダウケミカル社製、DEN−438などが、また、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、日本化薬(株)製、EOCN−102S,103S,104S,1012,1025,1027、東都化成(株)製、YDCN701,702,703,704などが挙げられる。多官能エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製、Epon 1031S、チバスペシャリティーケミカルズ社製、アラルダイト0163、ナガセ化成(株)製、デナコールEX−611,614,614B,622,512,521,421,411,321などが挙げられる。アミン型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製、エピコート604、東都化成(株)製、YH−434、三菱ガス化学(株)製、TETRAD−X,TETRAD−C、住友化学(株)製、ELM−120などが挙げられる。複素環含有エポキシ樹脂としては、チバスペシャリティーケミカルズ社製、アラルダイトPT810等の、UCC社製、ERL4234,4299,4221,4206などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独でまたは2種類以上を組み合わせても、使用することができる。
【0033】
本発明に使用する(A)エポキシ樹脂硬化剤としては、通常用いられている公知の硬化剤を使用することができる。たとえば、アミン類、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、ビスフェノールA、ビスフェノールF,ビスフェノールSのようなフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有するビスフェノール類、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂などのフェノール樹脂などが挙げられる。特に吸湿時の耐電食性に優れる点で、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂などのフェノール樹脂が好ましい。
【0034】
好ましいフェノール樹脂硬化剤としては、たとえば、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:フェノライトLF2882、フェノライトLF2822、フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2149、フェノライトVH−4150、フェノライトVH4170などが挙げられる。
【0035】
本発明に使用する(B)官能性モノマーを含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分としては、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートなどの官能性モノマーを含有し、かつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体などが好ましく、さらにエポキシ樹脂と非相溶であることが好ましい。
【0036】
エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体は、たとえば、(メタ)アクリルエステル共重合体、アクリルゴムなどを使用することができ、アクリルゴムがより好ましい。アクリルゴムは、アクリル酸エステルを主成分とし、主として、ブチルアクリレートとアクリロニトリルなどの共重合体や、エチルアクリレートとアクリロニトリルなどの共重合体などからなるゴムである。
【0037】
本発明において、官能性モノマーとは官能基を持つモノマーのことをいう。 前記官能基としては、例えば、グリシジル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、水酸基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0038】
官能性モノマーとしては、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートなどを使用することが好ましい。このような重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体としては、たとえば、帝国化学産業(株)製、HTR−860P−3などが挙げられる。
【0039】
グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートなどのエポキシ樹脂含有反復単位の量は、0.5〜6.0重量%が好ましく、0.5〜5.0重量%がより好ましく、0.8〜5.0重量%が特に好ましい。エポキシ基含有反復単位の量がこの範囲にあると、接着力が確保できるとともに、ゲル化を防止することができる。
【0040】
官能性モノマーとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートのほかに、たとえば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することもできる。なお、本発明において、エチル(メタ)アクリレートとは、エチルアクリレートとエチルメタクリレートの両方を示す。官能性モノマーを組み合わせて使用する場合の混合比率は、エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体のガラス転移温度(以下「Tg」という)を考慮して決定し、Tgは−10℃以上であることが好ましい。Tgが−10℃以上であると、Bステージ状態での粘接着剤層のタック性が適当であり、取り扱い性に問題を生じないからである。
【0041】
上記モノマーを重合させて、(B)官能性モノマーを含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分を製造する場合、その重合方法としては特に制限はなく、たとえば、パール重合、溶液重合などの方法を使用することができる。
【0042】
本発明において、(B)官能性モノマーを含む高分子量成分の重量平均分子量は、10万以上であるが、30万〜300万であることが好ましく、50万〜200万であることがより好ましい。重量平均分子量がこの範囲にあると、シート状またはフィルム状としたときの強度、可とう性、およびタック性が適当であり、また、フロー性が適当のため配線の回路充填性が確保できる。なお、本発明において、重量平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。
【0043】
また、(B)官能性モノマーを含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分の使用量は、(A)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤100重量部に対して、10〜400重量部が好ましい。この範囲にあると、弾性率および成型時のフロー性抑制が確保でき、また高温での取り扱い性も十分に得られる。高分子量成分の使用量は、15〜350重量部がより好ましく、20〜300重量部が特に好ましい。
【0044】
本発明に使用する(C)放射線重合性化合物には、特に制限は無く、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、ペンテニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1,2−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレート、下記一般式(I)
【化1】
Figure 0003912076
(式中、RおよびRは水素又はメチル基を示し、q及びrは1以上の整数である)
で表される化合物、ジオール類及び、一般式(II)
【化2】
Figure 0003912076
(式中、nは0〜1の整数であり、Rは炭素原子数が1〜30の2価あるいは3価の有機性基である)
で表されるイソシアネート化合物及び、一般式(III)
【化3】
Figure 0003912076
(式中、Rは水素又はメチル基であり、Rはエチレン基あるいはプロピレン基である)
で表される化合物からなるウレタンアクリレート又はウレタンメタクリレート、一般式(IV)
【化4】
Figure 0003912076
(式中、Rは炭素原子数が2〜30の2価の有機基を示す)
で表されるジアミン及び、一般式(V)
【化5】
Figure 0003912076
(式中、nは0〜1の整数であり、Rは炭素原子数が1〜30の2価あるいは3価の有機性基である)
で表されるイソシアネート化合物及び、一般式(VI)
【化6】
Figure 0003912076
(式中、nは0〜1の整数である)
で表される化合物からなる尿素メタクリレート、官能基を含むビニル共重合体に少なくとも1個のエチレン性不飽和基と、オキシラン環、イソシアネート基、水酸基、カルボキシル基等の1個の官能基を有する化合物を付加反応させて得られる側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性共重合等などが挙げられる。これらの放射線重合化合物は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0045】
また、本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、硬化促進剤を添加することもできる。硬化促進剤には、特に制限が無く、イミダゾール類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等を用いることができる。これらは単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0046】
硬化促進剤の添加量は、(A)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.2〜3重量部がより好ましい。添加量がこの範囲にあると、硬化性と保存安定性を両立することができる。
【0047】
また、本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、活性光の照射によって遊離ラジカルを生成する光重合開始剤を添加することもできる。このような光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1,2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体などを使用することができ、これらは単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤の使用量として特に制限はないが、(C)放射線重合性化合物100重量部に対して、0.01〜30重量部が好ましい。
【0048】
本発明の接着シートを形成する粘接着剤層は、加熱硬化した段階で、貯蔵弾性率が25℃で10〜2000MPaであり、260℃で3〜50MPaであることが好ましい。25℃での弾性率は、20〜1900MPaがより好ましく、50〜1800MPaが特に好ましい。また、260℃での弾性率は、5〜50MPaがより好ましく、7〜50MPaが特に好ましい。貯蔵弾性率がこの範囲にあると、半導体素子と支持部材との熱膨張係数の差によって発生する熱応力を緩和させる効果が保たれ、剥離やクラックの発生を抑制できるとともに、接着剤の取り扱い性、接着剤層の厚み精度、リフロークラックの発生を抑制できる。
この貯蔵弾性率は、たとえば、動的粘弾性測定装置(レオロジ社製、DVE−V4)を使用し、接着剤硬化物に引張荷重をかけて、周波数10Hz、昇温速度5〜10℃/minの条件で−50℃から300℃まで測定する、温度依存性測定モードによって行うことができる。
【0049】
本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、可とう性や耐リフロークラック性を向上させる目的で、エポキシ樹脂と相溶性がある高分子量樹脂を添加することができる。このような高分子量樹脂としては、特に限定されず、たとえばフェノキシ樹脂、高分子量エポキシ樹脂、超高分子量エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
【0050】
エポキシ樹脂と相溶性がある高分子量樹脂の使用量は、エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤100重量部に対して、40重量部以下とすることが好ましい。この範囲であると、エポキシ樹脂層のTgを確保できる。
【0051】
また、本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、その取り扱い性向上、熱伝導性向上、溶融粘度の調整およびチキソトロピック性付与などを目的として、無機フィラーを添加することもできる。無機フィラーとしては、特に制限はなく、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が挙げられ、フィラーの形状は特に制限されるものではない。これらのフィラーは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0052】
中でも、熱伝導性向上のためには、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。また、溶融粘度の調整やチキソトロピック性の付与の目的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカなどが好ましい。
【0053】
無機フィラーの使用量は、粘接着剤層100重量部に対して1〜20重量部が好ましい。1重量部未満だと添加効果が得られない傾向があり、20重量部を超えると、接着剤層の貯蔵弾性率の上昇、接着性の低下、ボイド残存による電気特性の低下等の問題を起こす傾向がある。
【0054】
また、本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、異種材料間の界面結合を良くするために、各種カップリング剤を添加することもできる。カップリング剤としては、例えば、シラン系、チタン系、アルミニウム系等が挙げられ、中でも効果が高い点でシラン系カップリング剤が好ましい。
【0055】
上記シラン系カップリング剤としては、特に制限はなく、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノプロピルトリメトキシシラン、3−4,5−ジヒドロイミダゾール−1−イル−プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルジメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、アミルトリクロロシラン、オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリ(メタクリロイルオキエトキシ)シラン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、トリメチルシリルイソシアネート、ジメチルシリルイソシアネート、メチルシリルトリイソシアネート、ビニルシリルトリイソシアネート、フェニルシリルトリイソシアネート、テトライソシアネートシラン、エトキシシランイソシアネートなどを使用することができ、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0056】
また、チタン系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリス(n−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアエチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタンチリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、テトラメチルオルソチタネート、テトラエチルオルソチタネート、テタラプロピルオルソチタネート、テトライソブチルオルソチタネート、ステアリルチタネート、クレシルチタネートモノマー、クレシルチタネートポリマー、ジイソプロポキシ−ビス(2,4−ペンタジオネート)チタニウム(IV)、ジイソプロピル−ビス−トリエタノールアミノチタネート、オクチレングリコールチタネート、テトラ−n−ブトキシチタンポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートなどを使用することができ、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0057】
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトイス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウム=モノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−iso−プロポキシド−モノエチルアセトアセテート等のアルミニウムキレート化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム−sec−ブチレート、アルミニウムエチレート等のアルミニウムアルコレートなどを使用することができ、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記カップリング剤の使用量は、その効果や耐熱性及びコストの面から、(A)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤100重量部に対して、0.01〜10重量部とするのが好ましい。
【0058】
本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性をよくするために、さらにイオン捕捉剤を添加することもできる。このようなイオン捕捉剤としては、特に制限はなく、例えば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元剤等の、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため銅害防止剤として知られる化合物、ジルコニウム系、アンチモンビスマス系マグネシウムアルミニウム化合物等の無機イオン吸着剤などが挙げられる。
上記イオン捕捉剤の使用量は、添加による効果や耐熱性、コスト等の点から、(A)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。
【0059】
本発明接着シートは、接着シートを形成する組成物を溶剤に溶解あるいは分散してワニスとし、基材フィルム上に塗布、加熱し溶剤を除去することによって得ることができる。
【0060】
本発明の接着シートに用いる基材としては、40mN/mを超える表面張力を有するものであれば特に制限は無く、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポイエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルム等が挙げられる。
【0061】
本発明の接着シートに用いる基材は、その表面張力が40mN/mを超えるものである。好ましくは40mN/mを超え80mN/m以下であり、さらに好ましくは40mN/mを超え60mN/m以下である。接着シートに用いる基材の表面張力が40mN/mを超えるものであると、接着シートにダイシング加工すべき半導体ウェハを圧着してダイシングする際、接着シートと基材の接着強度が充分にあり、接着シートと基材間で界面剥離してダイシング加工した半導体素子の陥落を引き起こすおそれがないからである。
【0062】
本発明の接着シートは、ダイシング工程終了後、紫外線(UV)よりは電子線(EB)などの放射線を接着シートに照射し、放射線重合性を有する接着シートを重合硬化せしめ、接着シートと基材界面の接着力を低下させて半導体素子のピックアップを可能にするものである。従来の接着シートの場合、基材の表面張力が40mN/mを超えると、接着シートと基材界面の接着力の低下が充分でなく、ピックアップ性に劣る傾向があった。しかし、本発明の接着シートは、基材の表面張力が40mN/mを超えていても、紫外線(UV)あるいは電子線(EB)などの放射線照射後に、接着シートと基材界面の接着力が充分に低下し、半導体素子のピックアップが良好になる。したがって、従来は、基材の表面張力が40mN/m以下にするために、使用する基材フィルムに表面処理をしていたが、本発明の接着シートでは、基材フィルムを表面処理する必要がなく、コスト的にも有利になる。
【0063】
また、上記のワニス化するための溶剤としては、特に限定されないが、フィルム作製時の揮発性などを考慮すると、たとえば、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどの比較的低沸点の溶媒を使用するのが好ましい。また、塗膜性を向上させるなどの目的で、たとえば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノンなどの比較的高沸点の溶媒を使用することもできる。これらの溶媒は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0064】
無機フィラーを添加した際のワニスの製造には、無機フィラーの分散性を考慮して、らいかい機、3本ロール、ボールミル及びビーズミルなどを使用するのが好ましく、また、これらを組み合わせて使用することもできる。また、無機フィラーと低分子量の原料をあらかじめ混合した後、高分子量の原料を配合することによって、混合する時間を短縮することもできる。また、ワニスとした後、真空脱気等によってワニス中の気泡を除去することもできる。
【0065】
基材フィルムへのワニスの塗布方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
【0066】
接着シートの厚みは、特に制限はないが、粘接着剤層、基材層ともに5〜250μmが好ましい。5μmより薄いと応力緩和効果が乏しくなる傾向があり、250μmより厚いと経済的でなくなる上に、半導体装置の小型化の要求に応えられない。
【0067】
また、本発明の接着シートは、所望のシート厚を得るために、さらに1又は2以上の接着剤層又は粘接着剤層を半導体ウェハと粘接着剤層との間に挟むように設けてもよい。この場合、前記所望により設けられる粘接着剤層として、前記の方法によって調製されたものの他に、従来公知の方法によって調製されたものを用いることができる。前記所望により設けられる粘接着剤層として、商業的に入手可能な接着シート、例えば、ポリイミド系、シリコンオリゴマー系、ゴム−エポキシ系、エポキシ系接着剤を用いることができる。但し、粘接着剤層同士の剥離が発生しないような貼り合わせ条件を従来公知の技術に基づいて考慮する必要がある。
以上説明したような構成を有する接着シートに放射線を照射すると、放射線照射後には粘接着剤層の基材層に対する接着力が大きく低下することとなる。そのため、後に説明するように半導体装置を製造する際のダイシング工程において本発明の接着シートを用いることにより、粘接着剤層と、基材層とが容易に剥離することとなる結果、粘接着剤層を付した半導体素子を好適にピックアップすることができる。
【0068】
続いて、本発明に係る接着シートの使用方法の1実施態様として本発明の接着シートを用いた半導体装置の製造方法について説明する。
(a)まず、接着シート上にダイシング加工すべき半導体ウェハを室温又は加熱しながら圧着して半導体ウェハ上に接着シートを設ける。
(b)その後、従来公知の技術に従って、前記接着シートが表面に設けられた半導体ウェハのダイシング、及び前記ダイシング後に得られる半導体素子の洗浄、乾燥を行う。
この際、半導体ウェハ(素子)は接着シートに充分に接着保持されているので、上記各工程の間に半導体素子が飛び散ったり、また脱落することはない。
【0069】
(c)次に、紫外線(UV)あるいは電子線(EB)等の放射線を接着シートに照射し、放射線重合性を有する接着シートの粘接着剤層を重合硬化せしめる。
接着シートへの放射線照射は、放射線重合性を有する接着シートが重合硬化するのであれば特に制限されることなく、従来法に基づいて行われる。その際、その後のピックアップ作業においてピックアップ装置のレイアウトが自由になりまた作業スペースが広くとれるという観点から、あるいは前記接着シートの粘接着剤層が好適に重合硬化するという観点から、放射線照射は半導体ウェハが設置された作業台の下方から上方に向かって、即ち放射線が前記基材層を介して前記粘接着剤層に達するように照射することが都合がよい。
放射線としてEBを用いる場合には接着シートの基材フィルムは光透過性である必要はないが、放射線としてUVを用いる場合には接着シートの基材フィルムは光透過性である必要がある。
【0070】
(d)その後、ダイシングにより得られた前記粘接着剤層付き半導体素子をピックアップし、この粘接着剤層を付した半導体素子を半導体素子搭載用支持部材上に室温又は加熱しながら圧着する。
この際、前記のように放射線照射後に粘接着剤層の基材層に対する接着力が大きく低下することに起因して基材層が容易に剥離されるため、粘接着剤層を付した半導体素子が好適にピックアップされることとなる。また、加熱によって粘接着剤層は信頼性に耐える接着力を発現し、半導体素子と前記支持部材が接着されることとなる。
【0071】
(e)さらに、従来公知の方法に基づいて、ボンディング、封止等の所定の工程を経ることにより半導体装置が得られることとなる。
【0072】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。本発明は、これらに限定されるものではない。
【0073】
(合成例1)
攪拌機、滴下ロート、冷却管及び窒素導入管を備えた四ツ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル90.0質量部及びトルエン60.0質量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちながら、メタクリル酸エチル45.0質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル35.0質量部、メタクリル酸20.0質量部及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)1.0質量部の混合液を4時間かけて均一に滴下した。滴下後、80℃±2℃で6時間攪拌を続けた後、ヒドロキノン0.05質量部を添加した。ヒドロキノン添加後、反応系を100℃に昇温し、0.5時間かけてメタクリル酸グリシジル33.0質量部、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム0.1質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30.0質量部及びトルエン20.0質量部の混合液を滴下した。滴下後、100℃で20時間攪拌を続けた後、室温に冷却して、重量平均分子量が28,000、ガラス転移温度が約5℃の側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性化合物(A−1)を得た。
【0074】
(合成例2)
攪拌機、滴下ロート、冷却管及び窒素導入管を備えた四ツ口フラスコに、VESTANAT IPDI(ダイセル・ヒュルス(株)製商品名、イソフォロンジイソシアネート)888質量部及び酢酸エチル789質量部を仕込み70℃に昇温後、70〜75℃に保温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート232質量部、PTG650SN(保土ヶ谷化学(株)製商品名、ポリオキシテトラメチレングリコール、数平均分子量約650)1950質量部、ヒドロキノンモノメチルエーテル1.53質量部、L101(東京ファインケミカル(株)製商品名、ジブチル錫ラウレート)1.53質量部及び酢酸エチル526質量部の混合液体を3時間で均一滴下し反応を行った。滴下完了後約5時間反応させ、IR測定によってイソシアネート基が消失したことを確認し反応を終了し、放射線重合性化合物(A−2)を得た。
【0075】
(合成例3)
攪拌機、滴下ロート、冷却管及び窒素導入管を備えた四ツ口フラスコに、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン197.06g(0.48モル)及びγ−ブチロラクトン318.14gを仕込んだ後、30℃に昇温し、30〜40℃に保ちながら、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート50.4g(0.24モル)を少量ずつ滴下した。滴下後、30℃で1時間反応を続けた後、カレンズMOI(昭和電工(株)製商品名、イソシアネートエチルメタクリレート)70.68g(0.456モル)及びヒドロキノンモノメチルエーテル0.318gを、30℃に保ちながら、少量ずつ滴下した。滴下後、30℃以下で2時間反応を続け、放射線重合化合物(A−3)を得た。
【0076】
(実施例1)
(接着シート1の調製)
YDCN−703(東都化成(株)製商品名、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)42.3質量部、プライオーフェンLF2882(大日本インキ化学工業(株)製商品名、ビスフェノールAノボラック樹脂)23.9質量部、HTR−860P−3(帝国化学産業(株)製商品名、エポキシ基含有アクリルゴム、分子量100万、Tg−7℃)44.1質量部、キュアゾール2PZ−CN(四国化成工業(株)製商品名、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)0.4質量部、NUC A−187(日本ユニカー(株)製商品名、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)0.7質量部、合成例1で得られた側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性化合物(A−1)22.05質量部及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.5質量部からなる組成物に、メチルエチルケトンを加えて攪拌混合し、真空脱気した。この接着剤ワニスを、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製、テイジンテトロンフィルム:G2−50、表面張力50dyne/cm)上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を備えた膜厚が50μmの接着シート(基材を除いた接着シートの厚みが50μm)(接着シート1)を作製した。
【0077】
この接着シート1を170℃1時間硬化させた場合の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置(レオロジ社製、DVE−V4)を用いて測定(サンプルサイズ:長さ20mm、幅4mm、膜厚80μm、昇温速度5℃/min、引張りモード、10Hz、自動静荷重)した結果、25℃で360MPa、260℃で4MPaであった。
【0078】
(半導体装置サンプルの調製)
得られた接着シート1を用いて、半導体チップと、厚み25μmのポリイミドフィルムを基材に用いた配線基板とを接着シートで貼り合せた半導体装置サンプル(片面にはんだボールを形成)を作製した。
即ち、表面酸化膜付きシリコンウエハをダイシングして得られた10mm×10mm×0.33mmtのチップに、あらかじめ10mm×10mmの大きさに切断した接着シート1を仮圧着した後、配線付ポリイミド基板に160℃、0.02MPaにおいて5secの条件で熱圧着した。その後、日立化成工業(株)製封止材(CEL−9200)で180℃、20secの条件で封止し、180℃において5時間後硬化して半導体装置(12mm×12mm×0.79mmt)を得た。
【0079】
(評価)
前記半導体装置サンプルについて、以下のようにして耐熱性及び耐湿性を調べた。
耐熱性の評価方法には、耐リフロークラック性と温度サイクル試験を適用した。耐リフロークラック性の評価は、サンプル表面の最高温度が240℃でこの温度を20秒間保持するように温度設定したIRリフロー炉にサンプルを通し、室温で放置することにより冷却する処理を2回繰り返したサンプル中のクラックを目視と超音波顕微鏡で視察した。クラックの発生していないものを○とし、発生していたものを×とした。
耐温度サイクル性は、サンプルを−55℃雰囲気に30分間放置し、その後125℃の雰囲気に30分間放置する工程を1サイクルとして、1000サイクル後において超音波顕微鏡を用いて剥離やクラック等の破壊が発生していないものを○、発生したものを×とした。
また、耐湿性評価は、温度121℃、湿度100%、2.03×10Paの雰囲気(プレッシャークッカ−テスト:PCT処理)で72時間処理後に剥離を観察することにより行った。剥離の認められなかったものを○とし、剥離のあったものを×とした。
【0080】
一方、接着シート1を厚さ150μmのシリコンウェハ上に貼付け、接着シート付きシリコンウェハをダイシング装置上に載置した。次いで、半導体ウェハをダイシング装置上に固定して、100mm/secの速度で5mm×5mmにダイシングした後、(株)オーク製作所製UV−330 HQP−2型露光機を使用して、500mJ/cmの露光量で接着シートの支持体フィルム側から露光し、ピックアップ装置にてダイシングしたチップをピックアップし、ダイシング時のチップ飛び及びピックアップ性を評価した。
【0081】
さらに、上記接着シート付きシリコンウェハに500mJ/cmの露光量で接着シートの支持体フィルム側から露光し、露光前後の接着シート/基材界面の接着強度を、90℃ピール強度で測定した(引張り速度:50mm/min)。これらの評価結果をまとめて表1に示す。
【0082】
(実施例2)
実施例1において、側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性化合物(A−1)を合成例2で得られた放射線重合性化合物(A−2)にした以外は実施例1と全く同様の操作を行い、基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を備えた膜厚が50μmの接着シート(基材を除いた接着シートの厚みが50μm)(接着シート2)を作製した。
この接着シート2を170℃1時間硬化させた場合の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置(レオロジ社製、DVE−V4)を用いて測定(サンプルサイズ:長さ20mm、幅4mm、膜厚80μm、昇温速度5℃/min、引張りモード、10Hz、自動静荷重)した結果、25℃で350MPa、260℃で2MPaであった。
得られた接着シート2を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
【0083】
(実施例3)
実施例1において、側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性化合物(A−1)を合成例3で得られた放射線重合性化合物(A−3)にした以外は実施例1と全く同様の操作を行い、基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を備えた膜厚が50μmの接着シート(基材を除いた接着シートの厚みが50μm)(接着シート3)を作製した。
この接着シート3を170℃1時間硬化させた場合の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置(レオロジ社製、DVE−V4)を用いて測定(サンプルサイズ:長さ20mm、幅4mm、膜厚80μm、昇温速度5℃/min、引張りモード、10Hz、自動静荷重)した結果、25℃で380MPa、260℃で5MPaであった。
得られた接着シート3を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
【0084】
(比較例1)
実施例1において、接着剤組成物を塗布する基材を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製、テイジンテトロンフィルム:G2−50、表面張力50dyne/cm)から、片面離型処理ポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製、ピュ−レックスS−31、厚さ50μm、表面張力25dyne/cm)にし、その離型処理面に塗布した以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着シート4を得た。得られた接着シート4を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
【0085】
(比較例2)
実施例2において、接着剤組成物を塗布する基材を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製、テイジンテトロンフィルム:G2−50、表面張力50dyne/cm)から、片面離型処理ポリエチレンテレフタレート(テイジン(株)製、ピュ−レックスS−31、厚さ50μm、表面張力25dyne/cm)にし、その離型処理面に塗布した以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着シート5を得た。得られた接着シート5を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
【0086】
(比較例3)
実施例3において、接着剤組成物を塗布する基材を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製、テイジンテトロンフィルム:G2−50、表面張力50dyne/cm)から、片面離型処理ポリエチレンテレフタレート(テイジン(株)製、ピュ−レックスS−31、厚さ50μm、表面張力25dyne/cm)にし、その離型処理面に塗布した以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着シート6を得た。得られた接着シート6を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
【0087】
(比較例4)
実施例1において、側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性化合物(A−1)及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを除いた以外は実施例1と全く同様の操作を行い、170℃1時間硬化させた場合の貯蔵弾性率が、25℃で380MPa、260℃で5MPaである接着シート7を得た。得られた接着シート7を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
【0088】
【表1】
Figure 0003912076
表1から、本発明の接着シートは耐熱性及び耐湿性に優れ、ダイシング時のチップ飛びも無く、ピックアップ性も良好である。さらに、露光前後の接着強度差が大きいため、作業条件裕度が大きく、作業性に優れるものである。
【0089】
【発明の効果】
本発明の接着シートは、ダイシング工程ではダイシングテープとして、半導体素子と支持部材の接合工程では接続信頼性に優れる接着剤として使用することができる。
また、本発明の接着シートは、半導体搭載用支持部材に熱膨張係数の差が大きい半導体素子を実装する場合に必要な耐熱性、耐湿性を有し、かつ作業性に優れるものである。
また、本発明の接着シートを使用した半導体装置の製造方法は、製造工程を簡略化でき、しかも製造した半導体装置は、半導体搭載用支持部材に熱膨張係数の差が大きい半導体素子を実装する場合に必要な耐熱性、耐湿性および作業性を兼ね備えるものである。

Claims (10)

  1. 粘接着剤層と、基材層とを備える熱重合性および放射線重合性接着シートであって、
    前記粘接着剤層は、(A)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤、(B)官能性モノマーを含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分、および(C)放射線重合性化合物を含み、
    前記基材層は、40mN/cmを超える表面張力を有し、
    前記粘接着剤層と前記基材層との界面における放射線照射前の接着強度は、200mN/cm以上であることを特徴とする接着シート。
  2. 前記接着シートにおいて、放射線照射前後の粘接着剤層/基材層界面の接着強度比(照射後接着強度/照射前接着強度)が0.5以下である請求項1記載の接着シート。
  3. 前記接着シートにおいて、放射線照射前後の粘接着剤層/基材層界面の接着強度差(照射前接着強度−照射後接着強度)が100mN/cm以上である請求項1記載の接着シート。
  4. 前記(B)官能性モノマーを含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分が、エポキシ基含有反復単位を0.5〜6重量%含有するエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体である請求項1〜3のいずれか1項記載の接着シート。
  5. 前記粘接着剤層が、前記(A)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を100重量部、前記(B)官能性モノマーを含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分を10〜400重量部、および前記(C)放射線重合性化合物を5〜400重量部含有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の接着シート。
  6. 前記粘接着剤層が、25℃で10〜2000MPa、および260℃で3〜50MPaの加熱硬化後の貯蔵弾性率を有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の接着シート。
  7. 前記粘接着剤層と基材層との間の接着力は、放射線を照射することにより制御される、請求項1〜6のいずれか1項記載の接着シート。
  8. 放射線照射後の接着強度が100mN/cm以下である請求項1〜7記載の接着シート。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の接着シートを用いて、半導体素子と半導体搭載用支持部材とを接着した半導体装置。
  10. (a)請求項1〜8のいずれか1項記載の粘接着剤層と基材層とを有してなる接着シートを、前記粘接着剤層を挟んで半導体ウェハ上に設けることにより接着シート付き半導体ウェハを得る工程と、
    (b)前記接着シート付き半導体ウェハをダイシングして接着シート付き半導体素子を得る工程と、
    (c)前記接着シートに放射線を照射して前記粘接着剤層の前記基材層に対する接着力を低減し、かつ前記基材層を剥離して粘接着剤層付き半導体素子を得る工程と、
    (d)前記粘接着剤層付き半導体素子と半導体素子搭載用の支持部材とを前記粘着剤層を介して接着する工程と、
    を含む半導体装置の製造方法。
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