JP5399731B2 - 赤外線光学フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線光学フィルタに関するものである。
従来から、赤外線検出素子および赤外線光学フィルタを利用して各種ガスや炎のセンシングを行う技術が知られている(例えば、特許文献1〜5)。
ここにおいて、上記特許文献1〜3には、半導体基板(例えば、Si基板やGe基板など)と、当該半導体基板の一表面側に形成され、屈折率が互いに異なり且つ光学膜厚が同じ2種類の薄膜の積層構造の途中に所望の選択波長の赤外線を透過させるための波長選択層(スペーサ層)を有する狭帯域透過フィルタ部とを備えた赤外線光学フィルタが記載されている。なお、上記特許文献1〜3には、複数の選択波長の赤外線を透過可能とするために半導体基板の上記一表面側に複数の狭帯域透過フィルタ部を形成してなる赤外線光学フィルタも記載されている。
上述の狭帯域透過フィルタ部は、2種類の薄膜の積層構造による屈折率周期構造の中に光学膜厚の異なる波長選択層を設けて屈折率周期構造に局所的な乱れを導入することにより、屈折率周期構造を構成する2種類の薄膜の屈折率差に応じて決まる反射帯域の中に反射帯域幅に比べてスペクトル幅の狭い透過帯域を局在させることができ、波長選択層の光学膜厚を適宜変化させることによって、当該透過帯域の透過ピーク波長を変化させることができる。
ここで、波長選択層の光学膜厚を変調することによって透過ピーク波長の移動可能な範囲は、屈折率周期構造の反射帯域幅に依存し、この反射帯域幅が広いほど透過ピーク波長の移動可能な範囲も広くなる。ここにおいて、上述の高屈折率材料の屈折率をn、低屈折率材料の屈折率をn、各薄膜に共通する光学膜厚の4倍に相当する設定波長をλ、反射帯域幅をΔλとすれば、当該反射帯域幅Δλを広くするには、屈折率比n/nの値を大きくすること、つまり、高屈折率材料と低屈折率材料との屈折率差を大きくすることが重要である。なお、反射帯域は、図7に示すように入射光の波長の逆数である波数を横軸、透過率を縦軸とした透過スペクトル図において、1/λを中心として対称となる。
ところで、上記特許文献1では、2種類の薄膜に関して、高屈折率材料としてPbTeを採用し、低屈折率材料としてZnSを採用しており、上記特許文献2,3では、高屈折率材料としてSiを採用しているが、屈折率差を大きくするために高屈折率材料としてGe、低屈折率材料としてZnSを採用することも考えられる。
また、特許文献4,5には、Si基板などを用いて形成され所望の選択波長の赤外線を透過させる狭帯域のバンドパスフィルタと、サファイア基板を用いて形成され遠赤外線を遮光する遮光フィルタとを組み合わせて用いることが記載されており、当該遮光フィルタを設けることで、太陽光や照明光などの外乱光の遠赤外線を遮断することができる。
なお、上述の赤外線光学フィルタの狭帯域透過フィルタ部における各薄膜および波長選択層の成膜方法としては、蒸着法やスパッタ法などの一般的な薄膜形成方法が考えられる。
特開昭58−58441号公報 特開2001−228086号公報 特開平5−346994号公報 特開2006−39736号公報 特開2003−227751号公報
ところで、上記特許文献1〜3に記載の赤外線光学フィルタを800nm〜20000nmの波長域の赤外線の制御に用いることが考えられるが、遠赤外線を遮断するには、上記特許文献4,5と同様に、遠赤外線を遮断するためのサファイア基板からなる遮光フィルタを別途に設ける必要がある。しかしながら、サファイア基板は半導体基板に比べて高価であり、コストが高くなってしまうので、結果的に、赤外線光学フィルタを用いるガスセンサや炎検知センサなどの低コスト化が制限されてしまう。これに対して、狭帯域透過フィルタ部の高屈折率材料としてGe、低屈折率材料としてZnSを採用した赤外線光学フィルタにおいて、サファイア基板からなる遮光フィルタを別途に設けることなく遠赤外線遮断機能を発現させるためには、2種類の薄膜の積層数を70層以上とする必要があり、製造コストが高くなってしまうとともに、狭帯域透過フィルタ部にクラックが発生してしまう恐れがある。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を有する低コストの赤外線光学フィルタを提供することにある。
請求項1の発明は、ガスもしくは炎のセンシングに利用するために800nm〜20000nmの波長域の赤外線を制御する赤外線光学フィルタであって、半導体基板と、当該半導体基板の一表面側に形成された広帯域遮断フィルタ部とを備え、前記広帯域遮断フィルタ部は、屈折率が異なる複数種類の薄膜が積層された多層膜からなり、前記複数種類の薄膜のうち少なくとも1種類の薄膜が遠赤外線を吸収する遠赤外線吸収材料により形成されてなり、前記遠赤外線吸収材料は、Al、Ta、SiOの群から選択される酸化物もしくはSiからなる窒化物であり、前記多層膜は、前記遠赤外線吸収材料よりも高屈折率材料であるGeにより形成された前記薄膜と前記遠赤外線吸収材料により形成された前記薄膜とが交互に積層されてなり、前記広帯域遮断フィルタ部が、9000nm〜20000nmの遠赤外線領域、800nm〜3000nmの近赤外線領域の赤外線を遮断するように構成されており、前記半導体基板は、Si基板であることを特徴とする。
この発明によれば、多層膜による光の干渉効果と、当該多層膜を構成する薄膜の遠赤外線吸収効果とにより、サファイア基板を用いることなく、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を実現することができるので、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を有する低コストの赤外線光学フィルタを実現できる。
また、この発明によれば、前記遠赤外線吸収材料は、Al 、Ta 、SiO の群から選択される酸化物もしくはSi からなる窒化物であるので、前記遠赤外線吸収材料からなる前記薄膜が酸化して光学特性が変化するのを防止することができる。
また、この発明によれば、前記多層膜は、前記遠赤外線吸収材料よりも高屈折率材料であるGeにより形成された前記薄膜と前記遠赤外線吸収材料により形成された前記薄膜とが交互に積層されてなるので、前記高屈折率材料がSi、PbTe、ZnSである場合に比べて、前記多層膜における高屈折率材料と低屈折率材料との屈折率差を大きくすることができ、前記多層膜の積層数を低減できる。
また、この発明によれば、前記半導体基板は、Si基板であるので、前記半導体基板がGe基板やZnS基板である場合に比べて低コスト化を図れる。
本願の別の第1の発明は、800nm〜20000nmの波長域の赤外線を制御する赤外線光学フィルタであって、半導体基板と、当該半導体基板の一表面側に形成された広帯域遮断フィルタ部とを備え、広帯域遮断フィルタ部は、屈折率が異なる複数種類の薄膜が積層された多層膜からなり、当該多層膜による光の干渉効果と、当該多層膜を構成する薄膜の遠赤外線吸収材料の遠赤外線吸収効果とにより、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を有することを特徴とする。
上記別の第1の発明によれば、多層膜による光の干渉効果と、当該多層膜を構成する薄膜の遠赤外線吸収効果とにより、サファイア基板を用いることなく、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を実現することが可能となるので、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を有する低コストの赤外線光学フィルタを実現できる。
本願の別の第2の発明は、800nm〜20000nmの波長域の赤外線を制御する赤外線光学フィルタであって、半導体基板と、当該半導体基板の一表面側に形成された広帯域遮断フィルタ部とを備え、前記広帯域遮断フィルタ部は、屈折率が異なる複数種類の薄膜が積層された多層膜からなり、前記複数種類の薄膜のうち少なくとも1種類の薄膜が遠赤外線を吸収する遠赤外線吸収材料により形成されてなる赤外線光学フィルタの製造方法であって、前記遠赤外線吸収材料からなる前記薄膜の成膜にあたっては、イオンビームアシスト蒸着法により成膜することを特徴とする。
上記別の第2の発明によれば、前記遠赤外線吸収材料からなる前記薄膜の化学的組成を精密に制御できるとともに、前記薄膜の緻密性を高めることができ、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を有する低コストの赤外線光学フィルタを提供できる。
本願の別の第3の発明は、800nm〜20000nmの波長域の赤外線を制御する赤外線光学フィルタにおいて、半導体基板と、当該半導体基板の一表面側に形成された広帯域遮断フィルタ部とを備え、広帯域遮断フィルタ部は、屈折率が異なる2種類の薄膜が積層された多層膜からなり、前記2種類の薄膜のうちの一方の薄膜が遠赤外線を吸収する遠赤外線吸収材料であるSiOもしくはSiNにより形成され、前記2種類の薄膜のうちの他方の薄膜がSiにより形成されてなる赤外線光学フィルタの製造方法であって、多層膜の形成にあたっては、Siを蒸発源とするイオンビームアシスト蒸着装置を用い、Siからなる薄膜を成膜するときは真空雰囲気とし、SiOからなる薄膜を成膜するときは酸素イオンビームを照射し、SiNからなる薄膜を成膜するときは窒素イオンビームを照射することを特徴とする。
上記別の第3の発明によれば、2種類の薄膜の蒸発源を共通化することができ、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を有する低コストの赤外線光学フィルタを提供できる。
本願の別の第4の発明は、800nm〜20000nmの波長域の赤外線を制御する赤外線光学フィルタにおいて、半導体基板と、当該半導体基板の一表面側に形成された広帯域遮断フィルタ部とを備え、広帯域遮断フィルタ部は、屈折率が異なる2種類の薄膜が積層された多層膜からなり、前記2種類の薄膜のうちの一方の薄膜が遠赤外線を吸収する遠赤外線吸収材料であるSiOもしくはSiNにより形成され、前記2種類の薄膜のうちの他方の薄膜がSiにより形成されてなる赤外線光学フィルタの製造方法であって、多層膜の形成にあたっては、Siをターゲットとするスパッタ装置を用い、Siからなる薄膜を成膜するときは真空雰囲気とし、SiOからなる薄膜を成膜するときは酸素雰囲気とし、SiNからなる薄膜を成膜するときは窒素雰囲気とすることを特徴とする。
上記別の第4の発明によれば、2種類の薄膜のターゲットを共通化でき、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を有する低コストの赤外線光学フィルタを提供できる。
請求項1の発明は、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を有する低コストの赤外線光学フィルタを実現できるという効果がある。
上記別の第2〜4の発明は、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を有する低コストの赤外線光学フィルタを提供できるという効果がある。
実施形態の赤外線光学フィルタの概略断面図である。 同上の赤外線光学フィルタにおける遠赤外線吸収材料により形成した薄膜の透過スペクトル図である。 同上の赤外線光学フィルタの製造に用いるイオンビームアシスト蒸着装置の概略構成図である。 同上におけるイオンビームアシスト蒸着装置を用いて形成した薄膜の膜質をFT−IR(フーリエ変換赤外分光法)により分析した結果を示す図である。 (a)はSi基板上に膜厚が1μmのAl膜を成膜した参考例の透過スペクトル図、(b)は(a)の透過スペクトル図に基づいて算出したAl膜の光学パラメータ(屈折率、吸収係数)の説明図である。 同上の赤外線光学フィルタの透過スペクトル図である。 設定波長と反射帯域との関係説明図である。
本実施形態の赤外線光学フィルタは、800nm〜20000nmの波長域の赤外線を制御する赤外線光学フィルタであって、図1に示すように、半導体基板1と、当該半導体基板1の一表面側(図1における下面側)に形成された広帯域遮断フィルタ部2と、当該半導体基板1の他表面側(図1における上面側)に形成された狭帯域透過フィルタ部3とを備えている。
ここにおいて、半導体基板1としては、Si基板を用いているが、Si基板に限らず、例えば、Ge基板やZnS基板などを採用してもよい。なお、本実施形態では、半導体基板1の平面形状を数mm□の正方形状としてあるが、半導体基板1の平面形状や寸法は特に限定するものではない。
また、広帯域遮断フィルタ部2は、屈折率が異なる複数種類(ここでは、2種類)の薄膜2a,2bが積層された多層膜により構成されている。ここにおいて、広帯域透過フィルタ部2は、相対的に屈折率の低い低屈折率層である薄膜2aの材料として、遠赤外線を吸収する遠赤外線吸収材料の一種であるAlを採用し、相対的に屈折率の高い高屈折率層である薄膜2bの材料としてGeを採用しており、薄膜2aと薄膜2bとを交互に積層し積層数を11としてあるが、この積層数は特に限定するものではない。ただし、広帯域遮断フィルタ部2は、半導体基板1から最も遠い最上層を低屈折率層である薄膜2aにより構成することが光学特性の安定性の観点から望ましい。ここで、遠赤外線吸収材料としては、Alに限らず、Al以外の酸化物であるSiO、Taを採用してもよく、SiOの方がAlよりも屈折率が低いので、高屈折率材料と低屈折率材料との屈折率差を大きくできる。また、遠赤外線吸収材料としては、窒化物であるSiNを採用してもよい。
上述のように、広帯域遮断フィルタ部2は、2種類の薄膜2a,2bのうちの1種類の薄膜2aが遠赤外線を吸収する遠赤外線吸収材料であるAlにより形成されているが、複数種類のうちの少なくとも1種類が遠赤外線吸収材料により形成されていればよく、例えば、3種類の薄膜としてGe膜とAl膜とSiO膜とが、Si基板よりなる半導体基板1に近い側からGe膜−Al膜−Ge膜−SiO膜−Ge膜−Al膜−Ge膜・・・の順に積層された多層膜としてもよく、この場合は、3種類の薄膜のうち2種類の薄膜が遠赤外線吸収材料により形成されることとなる。
また、狭帯域透過フィルタ部3は、屈折率が異なり且つ光学膜厚が等しい複数種類(ここでは、2種類)の薄膜3a,3bの積層構造を有する屈折率周期構造の途中に薄膜3a,3bとは光学膜厚の異なる波長選択層3cを設けてある。この狭帯域透過フィルタ部3は、波長選択層3cよりも半導体基板1に近い側の薄膜3a,3bの積層膜が第1のλ/4多層膜31を構成し、波長選択層3cよりも半導体基板1から遠い側の薄膜3a,3bの積層膜が第2のλ/4多層膜32を構成している(つまり、第1のλ/4多層膜31と第2のλ/4多層膜32との間に波長選択層3cを介在させてある)。
ここにおいて、狭帯域透過フィルタ部3は、相対的に屈折率の低い低屈折率層である薄膜3aの材料として、遠赤外線を吸収する遠赤外線吸収材料の一種であるAlを採用し、相対的に屈折率の高い高屈折率層である薄膜3bの材料としてGeを採用しており、薄膜3aと薄膜3bと波長選択層3cとの合計の積層数を29としてあるが、この積層数は特に限定するものではない。また、狭帯域透過フィルタ部3で用いる遠赤外線吸収材料としては、Alに限らず、Al以外の酸化物であるSiO、Taを採用してもよく、SiOの方がAlよりも屈折率が低いので、高屈折率材料と低屈折率材料との屈折率差を大きくできる。また、遠赤外線吸収材料としては、窒化物であるSiNを採用してもよい。また、狭帯域透過フィルタ部3の高屈折率材料としては、Geの代わりに、SiやPbTeなどを採用してもよいし、低屈折率材料としては、遠赤外線吸収材料に限らず、ZnSなどの赤外線透過材料を採用してもよい。ただし、狭帯域透過フィルタ部3は、半導体基板1から最も遠い最上層を低屈折率層である薄膜3aにより構成することが望ましく、当該薄膜3aを酸化物もしくは窒化物により構成することが光学特性の安定性の観点から、より望ましい。
また、狭帯域透過フィルタ部3の波長選択層3cは、所望の選択波長に応じて光学膜厚を各薄膜21a,21bの光学膜厚とは異ならせてある。なお、住宅内などで発生する可能性のある各種ガスや炎を検知(センシング)するための特定波長は、CH(メタン)が3.3μm、SO(三酸化硫黄)が4.0μm、CO(二酸化炭素)が4.3μm、CO(一酸化炭素)が4.7μm、NO(一酸化窒素)が5.3μm、炎が4.3μmである。そこで、これらのいずれか1つをセンシングするには、センシング対象の特定波長からなる選択波長を含む反射帯域が形成されるように第1のλ/4多層膜31および第2のλ/4多層膜32の設定波長λを設定し、選択波長を含む狭帯域の透過帯域が局在するように波長選択層3cの光学膜厚を適宜設定すればよい。
ところで、上述の広帯域遮断フィルタ部2では、狭帯域透過フィルタ部3により設定される赤外線の反射帯域よりも長波長域の遠赤外線を吸収する。ここにおいて、広帯域遮断フィルタ部2では、赤外線を吸収する遠赤外線吸収材料としてAlを採用しているが、遠赤外線吸収材料としては、MgF、Al、SiO、Ta、SiNの5種類について検討した。
具体的には、MgF膜、Al膜、SiO膜、Ta膜、SiN膜それぞれについて膜厚を1μmに設定してSi基板上に成膜する際の成膜条件を下記表1のように設定し、MgF膜、Al膜、SiO膜、Ta膜、SiN膜それぞれの透過スペクトルを測定した結果を図2に示す。図2は、横軸が波長、縦軸が透過率であり、同図中の「イ」がAl膜、「ロ」がTa膜、「ハ」がSiO膜、「ニ」がSiN膜、「ホ」がMgF膜、それぞれの透過スペクトルを示している。
Figure 0005399731
ここで、MgF膜、Al膜、SiO膜、Ta膜、SiN膜の成膜装置としては、イオンビームアシスト蒸着装置を用いた。このイオンビームアシスト蒸着装置は、図3に示すように、成膜用の真空チャンバ61と、真空チャンバ61内に配置され半導体基板1を保持するヒータ付き基板ホルダ62と、真空チャンバ61内の排気を行うための排気管63と、るつぼ64aに蒸発源64bを入れた電子銃64と、イオンビームを出射するRF型イオン源65と、蒸発源64bからの蒸気およびRF型イオン源65からのイオンビームのヒータ付き基板ホルダ62側への通過を可能とする位置と阻止する位置との間でシャッタ軸67の回動により回動可能なシャッタ66と、半導体基板1に成膜する膜の膜厚を検出する光学式膜厚計からなる光学モニタ68とを備えている。
ここにおいて、上述の表1中の「IB条件」は、イオンビームアシスト蒸着装置で成膜する際のイオンビームアシストの条件であり、「IBなし」は、イオンビームの照射なし、「酸素IB」は、酸素イオンビームの照射あり、「ArIB」は、アルゴンイオンビームの照射あり、を意味している。
ところで、本願発明者らは、イオンビームアシストの効果を確認するために、Si基板上にAl膜を成膜する時のイオンビームの照射量を種々変化させたサンプルを用意し、各サンプルのAl膜の膜質の違いをFT−IR(フーリエ変換赤外分光)により分析した。図4は、FT−IRによる分析結果を示し、横軸が波数、縦軸が吸収率であり、同図中の「イ」はイオンビームアシストなしの場合のサンプル、「ロ」、「ハ」、「ニ」、「ホ」、「ヘ」はイオンビームの照射量を少ない方から多い方へ変化させた場合の各サンプルそれぞれの分析結果を示しており、イオンビームを照射することにより、水分に起因した3400cm−1付近の吸収率を低減でき、イオンビームの照射量を多くするほど水分に起因した3400cm−1付近の吸収率が低下していることが分かる。要するに、イオンビームアシストによりAl膜の膜質を向上でき、緻密性を高めることができるものと推測される。
また、上述のMgF膜、Al膜、SiO膜、Ta膜、SiN膜について、「光学特性:吸収」、「屈折率」、「成膜容易性」を評価項目として、検討した結果を下記表2に示す。
Figure 0005399731
ここにおいて、「光学特性:吸収」の評価項目については、図2の透過スペクトルから算出した6μm以上の遠赤外線の吸収率により評価した。表2では、各評価項目それぞれについて、評価の高いランクから低いランクの順に「◎」、「○」、「△」、「×」を記載してある。ここで、「光学特性:吸収」の評価項目については、遠赤外線の吸収率が高い方が評価のランクを高く、遠赤外線の吸収率が低い方を評価のランクを低くしてある。また、「屈折率」の評価項目については、高屈折率材料との屈折率差を大きくする観点から、屈折率が低い方が評価のランクを高く、屈折率が高い方が評価のランクを低くしてある。また、「成膜容易性」の評価項目については、蒸着法もしくはスパッタ法により緻密な膜の得やすい方が評価のランクを高く、緻密な膜の得にくい方が評価のランクを低くしてある。ただし、各評価項目について、SiOはSiOして、SiNはSiとして評価した結果である。
表2より、MgF、Al、SiO、Ta、SiNの5種類に関して、「成膜容易性」の評価項目については大差がなく、「光学特性:吸収」および「屈折率」の評価項目に着目した結果、遠赤外線吸収材料としては、Al、SiO、Ta、SiNのいずれかを採用することが好ましいとの結論に至った。ここにおいて、遠赤外線吸収材料としてAlもしくはTを採用する場合には、遠赤外線吸収材料がSiOやSiNである場合に比べて、遠赤外線の吸収性を向上させることができる。ただし、高屈折率材料との屈折率差を大きくするという観点からは、TよりもAlの方が好ましい。また、遠赤外線吸収材料としてSiNを採用する場合には、遠赤外線吸収材料により形成される薄膜2aの耐湿性を高めることができる。また、遠赤外線吸収材料としてSiOを採用すれば、高屈折率材料との屈折率差を大きくすることができ、薄膜2aと薄膜2bとの積層数の低減を図れる。
また、本願発明者らは、Si基板上に1μmのAl を成膜した参考例の透過スペクトルを測定したところ図5(a)の「イ」に示すような実測値が得られ、実測値「イ」が同図(a)中の「ロ」に示す計算値からずれているという知見を得て、Alにより形成される薄膜2aの光学パラメータ(屈折率、吸収係数)を図5(a)の実測値「イ」からCauchyの式により算出した。この算出した光学パラメータを図5(b)に示してある。図5(b)に示した新規の光学パラメータでは、屈折率および吸収係数のいずれも800nm〜20000nmの波長域で一定という訳ではなく、波長が長くなるにつれて屈折率が徐々に低下し、また、波長が7500nm〜15000nmの波長域では波長が長くなるにつれて吸収係数が徐々に大きくなる。
上述のAl膜の新規の光学パラメータを用いて赤外線光学フィルタとして波長4.4μmの狭帯域バンドパスフィルタを設計した実施例の狭帯域透過フィルタ部3および広帯域遮断フィルタ部2それぞれの多層膜の膜厚(物理膜厚)の設計例を下記表3,4に示し、この実施例の透過スペクトルのシミュレーション結果を図6の「イ」に示す。また、上述のAl膜の新規の光学パラメータを用いずに、Al膜の屈折率を一定、吸収係数を0で一定とした比較例のシミュレーション結果を図6の「ロ」に示す。なお、実施例、比較例のいずれもGeの屈折率を4.0で一定、吸収係数を0.0で一定としてシミュレーションした。
Figure 0005399731
Figure 0005399731
上述の図6は、横軸が入射光(赤外線)の波長、縦軸が透過率であり、Al膜の新規の光学パラメータを用いていない比較例の透過スペクトル「ロ」では、9000nm〜20000nmの遠赤外線が遮断されていないのに対して、Al膜の新規の光学パラメータを用いた実施例の透過スペクトル「イ」では9000nm〜20000nmの遠赤外線も遮断されており、積層数が29層の広帯域遮断フィルタ部2と積層数が11層の狭帯域透過フィルタ部3とで波長が800nm〜20000nmの広帯域の赤外線を遮断でき、4.4μm付近のみに狭帯域の透過帯域を局在させ得ることが分かる。なお、本実施形態の赤外線光学フィルタは、Si基板からなる半導体基板1と、当該半導体基板1の上記一表面側に形成された広帯域遮断フィルタ部2と、当該半導体基板1の上記他表面側に形成された狭帯域透過フィルタ部3とを備えているが、少なくとも、広帯域遮断フィルタ部2を備えていれば、9000nm〜20000nmの遠赤外線領域、800nm〜3000nmの近赤外線領域の赤外線を遮断することができる。なお、実施例の赤外線光学フィルタでは、狭帯域透過フィルタ部3により、3000nm〜6000nmの波長域に反射帯域を設定し、当該反射帯域に局在させる透過帯域の中心波長(上述の選択波長)として4.4μmを設定している。
本実施形態の赤外線光学フィルタの製造にあたっては、まず、Si基板からなる半導体基板1の上記一表面側に例えばAl膜からなる薄膜2aと例えばGe膜からなる薄膜2bとを交互に積層することで広帯域遮断フィルタ部2を形成する広域遮断フィルタ部形成工程を行い、その後、半導体基板1の上記他表面側に例えばAl膜からなる薄膜3aと例えばGe膜からなる薄膜3bとを交互に積層することで第1のλ/4多層膜31を形成する第1のλ/4多層膜形成工程を行い、続いて、半導体基板1の上記他表面側(ここでは、第1のλ/4多層膜31上)に波長選択層3cを形成する波長選択層形成工程を行い、その後、第2のλ/4多層膜32を形成する第2のλ/4多層膜形成工程を行えばよい。
ここにおいて、各薄膜2a,2b、各薄膜3a,3bおよび波長選択層3cの成膜方法としては、例えば、蒸着法やスパッタ法を採用すれば、広帯域遮断フィルタ部2の各薄膜2a,2bを連続的に成膜することができるとともに、狭帯域透過フィルタ部3の第1のλ/4多層膜31と波長選択層3cと第2のλ/4多層膜32とを連続的に成膜することができるが、低屈折率材料が上述のようにAlの場合には、イオンビームアシスト蒸着法を採用し、薄膜2a,3aの成膜時に酸素イオンビームを照射するようにして薄膜2a,3aの水分量を低減し緻密性を高めることが好ましい。なお、低屈折率材料としては、Al以外の遠赤外線吸収材料であるSiO、T、SiNを採用してもよい。いずれにしても、遠赤外線吸収材料からなる薄膜2a,3aの成膜にあたっては、イオンビームアシスト蒸着法により成膜することが望ましく、低屈折率材料からなる薄膜2a,3aの化学的組成を精密に制御できるとともに、薄膜2a,3aの緻密性を高めることができ、光学パラメータが変動するのを防止することができる。
また、上述の製造方法において、上述の2種類の薄膜2a(3a),2b(3b)のうち一方の薄膜2a(3a)の遠赤外線吸収材料がSiO(SiO)もしくはSiN(Si)であり、他方の薄膜2b(3b)の材料がSiである場合には、例えば図3のイオンビームアシスト蒸着装置において蒸発源64bとしてSiを用い、Siからなる薄膜2b(3b)を成膜するときは真空チャンバ61内を真空雰囲気とし、酸化物であるSiOからなる薄膜2a(3a)を成膜するときはRF型イオン源65から酸素イオンビームを照射し、窒化物であるSiNからなる薄膜2a(3a)を成膜するときは窒素イオンビームを照射するようにすれば、2種類の薄膜2a(3a),2b(3b)の成膜に利用する蒸発源64を共通化することができるので、複数の蒸発源を備えたイオンビームアシスト蒸着装置を用意する必要がなく、製造コストの低コスト化を図れる。同様に、上述の製造方法において、上述の2種類の薄膜2a(3a),2b(3b)のうち一方の薄膜2a(3a)の遠赤外線吸収材料がSiO(SiO)もしくはSiN(Si)であり、他方の薄膜2b(3b)の材料がSiである場合、Siをターゲットとするスパッタ装置を用い、Siからなる薄膜2b(3b)を成膜するときは当該スパッタ装置の真空チャンバ内を真空雰囲気とし、SiOからなる薄膜2a(3a)を成膜するときは酸素雰囲気とし、SiNからなる薄膜2a(3a)を成膜するときは窒素雰囲気とするようにすれば、2種類の薄膜2a(3a),2b(3b)のターゲットを共通化することができるので、複数のターゲットを備えたスパッタ装置を用意する必要がなく、製造コストの低コスト化を図れる。
以上説明した本実施形態の赤外線光学フィルタによれば、半導体基板1と、当該半導体基板1の上記一表面側に形成された広帯域遮断フィルタ部3とを備え、広帯域遮断フィルタ部3は、屈折率が異なる複数種類の薄膜2a,2bが積層された多層膜からなり、当該複数種類の薄膜2a,2bのうち1種類の薄膜2aが遠赤外線を吸収する遠赤外線吸収材料により形成されているので、多層膜による光の干渉効果と、当該多層膜を構成する薄膜2aの遠赤外線吸収効果とにより、サファイア基板を用いることなく、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を実現することができ、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を有する低コストの赤外線光学フィルタを実現できる。要するに、広帯域遮断フィルタ部2は、屈折率が異なる複数種類の薄膜2a,2bが積層された多層膜からなり、当該多層膜による光の干渉効果と、当該多層膜を構成する薄膜2aの遠赤外線吸収材料の遠赤外線吸収効果とにより、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を有している。
また、本実施形態の赤外線光学フィルタでは、半導体基板1の上記他表面側に狭帯域透過フィルタ部3が形成されており、第1のλ/4多層膜31および第2のλ/4多層膜32による光の干渉効果と、第1のλ/4多層膜21と波長選択層3cと第2のλ/4多層膜22とで構成される多層膜における薄膜3aの遠赤外線吸収材料での遠赤外線吸収効果とにより、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を有するから、近赤外線から遠赤外線までの広帯域における赤外線遮断機能を有し、且つ、所望の選択波長の赤外線を選択的に透過させることが可能な低コストの赤外線光学フィルタを実現できる。
また、本実施形態の赤外線光学フィルタでは、遠赤外線吸収材料として、酸化物もしくは窒化物を採用しているので、遠赤外線吸収材料からなる薄膜2a,3aが酸化して光学特性が変化するのを防止することができる。また、本実施形態の赤外線光学フィルタでは、広帯域遮断フィルタ部2および狭帯域透過フィルタ部3のいずれも半導体基板1から最も遠い最上層が上述の酸化物もしくは窒化物により形成されているので、空気中の水分や酸素などとの反応や不純物の吸着や付着などに起因して最上層の薄膜2a,3aの物性が変化するのを防止できてフィルタ性能の安定性が高くなるとともに、広帯域遮断フィルタ部2および狭帯域透過フィルタ部3の表面での反射を低減でき、フィルタ性能の向上を図れる。
また、本実施形態の赤外線光学フィルタでは、遠赤外線吸収材料により形成された薄膜2aと、遠赤外線吸収材料よりも高屈折率材料であるGeにより形成された薄膜2bとが交互に積層されて広帯域遮断フィルタ部2の多層膜が構成されているので、高屈折率材料がSiやPbTeやZnSである場合に比べて、高屈折率材料と低屈折率材料との屈折率差を大きくすることができ、当該多層膜の積層数を低減できる。また、高屈折率材料としてSiを採用した場合には、高屈折率材料がZnSである場合に比べて、多層膜における高屈折率材料と低屈折率材料との屈折率差を大きくすることができ、多層膜の積層数を低減できる。また、狭帯域透過フィルタ部3に関しても、同様の理由により積層数を低減できる。また、本実施形態では、半導体基板1としてSi基板を用いているので、半導体基板1がGe基板やZnS基板である場合に比べて低コスト化を図れる。
また、上述の赤外線光学フィルタでは、半導体基板1の上記他表面側に1つの狭帯域透過フィルタ部3を設けてあるが、半導体基板1の上記他表面側に、互いに選択波長の異なる複数の狭帯域透過フィルタ部3を並設するようにして、1チップで複数の選択波長の赤外線を選択的に透過させる赤外線光学フィルタとしてもよい。この場合には、選択波長の異なる狭帯域透過フィルタ部3ごとに波長選択層23の光学膜厚を適宜設定すればよい。この場合、第1のλ/4多層膜31および第2のλ/4多層膜32の低屈折率材料としてAlもしくはSiOを採用し、高屈折率材料としてGeを採用すれば、低屈折率材料と高屈折率材料との両方が半導体材料である場合に比べて、高屈折率材料と低屈折率材料との屈折率差を大きくすることが可能となって、反射帯域幅Δλを広くすることが可能となり、各波長選択層23の膜厚の設定により選択できる選択波長の範囲が広くなるから、選択波長の設計の自由度が高くなる。
ここにおいて、波長選択層23のパターン形成方法は、特に限定するものではなく、薄膜形成技術とフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを組み合わせた方法でもよいし、リフトオフ法を採用してもよいし、マスク蒸着法を採用してもよい。
なお、薄膜形成技術とフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを組み合わせた方法においては、上述のように低屈折率材料が酸化物(Al)、高屈折率材料が半導体材料(Ge)であれば、エッチング液としてフッ酸系溶液を用いたウェットエッチングを採用することにより、ドライエッチングを採用する場合に比べて、エッチング選択比の高いエッチングが可能となる。これは、AlやSiOのような酸化物はフッ酸系溶液に溶解しやすいのに対して、Geはフッ酸系溶液に非常に溶けにくいためである。一例を挙げれば、フッ酸系溶液としてフッ酸(HF)と純水(HO)との混合液からなる希フッ酸(例えば、フッ酸の濃度が2%の希フッ酸)を用いてウェットエッチングを行えば、Alのエッチングレートが300nm/min程度で、AlとGeとのエッチングレート比が500:1程度であり、エッチング選択比の高いエッチングを行うことができる。
なお、第1のλ/4多層膜31および第2のλ/4多層膜32は、屈折率周期構造を有していればよく、3種類以上の薄膜を積層したものでもよい。
1 半導体基板
2 広帯域遮断フィルタ部
2a,2b 薄膜
3 狭帯域透過フィルタ部
3a,3b 薄膜
3c 波長選択層

Claims (1)

  1. ガスもしくは炎のセンシングに利用するために800nm〜20000nmの波長域の赤外線を制御する赤外線光学フィルタであって、半導体基板と、当該半導体基板の一表面側に形成された広帯域遮断フィルタ部とを備え、前記広帯域遮断フィルタ部は、屈折率が異なる複数種類の薄膜が積層された多層膜からなり、前記複数種類の薄膜のうち少なくとも1種類の薄膜が遠赤外線を吸収する遠赤外線吸収材料により形成されてなり、前記遠赤外線吸収材料は、Al、Ta、SiOの群から選択される酸化物もしくはSiからなる窒化物であり、前記多層膜は、前記遠赤外線吸収材料よりも高屈折率材料であるGeにより形成された前記薄膜と前記遠赤外線吸収材料により形成された前記薄膜とが交互に積層されてなり、前記広帯域遮断フィルタ部が、9000nm〜20000nmの遠赤外線領域、800nm〜3000nmの近赤外線領域の赤外線を遮断するように構成されており、前記半導体基板は、Si基板であることを特徴とする赤外線光学フィルタ。
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