JP5399135B2 - ヘミング加工装置 - Google Patents
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これにより、一方のワークのフランジ部の意匠面に係る品質不良を改善することができる。
なお、本発明のヘミング加工装置の各種態様およびそれらの作用については、以下の発明の態様の項において詳しく説明する。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項乃至(5)項の各々が、請求項1乃至請求項5の各々に相当する。
(1)項のヘミング加工装置では、押圧部材が一方のワークのフランジ部を他方のワーク側に折り曲げながら押圧する際、アプローチアングル(一方のワークの押圧面に対する押圧部材の入力角度)を所望値に設定すべく各ローラ部材間の間隔を調整可能であり、該アプローチアングルが、従来のローラヘッドによるアプローチアングルよりも小さくなるために、ヘミング加工時における、一方のワークのフランジ部の被曲げ加工部と、これから曲げ加工が成される未曲げ加工部との間における伸び量を減少させることができ、ひいては、従来発生していた、一方のワークのフランジ部の波状のしわが改善されて、意匠面の品質不良が改善される。
(2)項のヘミング加工装置では、押圧部材の張力を適宜調整することができる。
(3)項のヘミング加工装置では、簡易な構成でヘム加工ヘッドを形成することが可能になる。
(5)前記ヘム加工ヘッドには、前記チェーンに当接される当接部が設けられ、前記チェーンを前記付勢手段により前記当接部を介して各ワークに向かって付勢することを特徴とする(4)項に記載のヘミング加工装置。
(4)項及び(5)項のヘミング加工装置では、チェーンを付勢手段により当接部を介して各ワークに向かって付勢するので、ヘム加工ヘッドの組立ガタ等を吸収することができ、ロボットからの押圧力を減少させることなくヘム加工ヘッドを介して各ワークに伝達することができる。
(6)項のヘミング加工装置では、ヘム加工ヘッドの形状が、各ワークへの押圧に対して最適形状となる。
本発明の実施の形態に係るヘミング加工装置1a、1bは、図1に示すように、アウターワーク2のフランジ部4(図2参照)をインナーワーク3(図2参照)側に折り曲げながら押圧するヘム加工ヘッド5a、5bと、該ヘム加工ヘッド5a、5bがアーム先端に連結され、該ヘム加工ヘッド5a、5bをアウターワーク2のフランジ部4に沿って移動させるロボット6とから構成される。
なお、後述する本発明の第1の実施形態に係るヘミング加工装置1aが、特許請求の範囲に記載した発明に対応するものである。
ヘム加工ヘッド5aは、図2及び図3に示すように、ロボット6のアーム先端(図1参照)に連結される本体部10と、該本体部10に連結され、アウターワーク2のフランジ部4をインナーワーク3側に折り曲げながら押圧する、複数のローラ部材12に巻回される無端状の押圧部材11aと、該押圧部材11a内に備えられ、該押圧部材11aの張力を調整する張力調整用部材13とから構成される。
なお、本実施の形態では、図3に示すように、ローラ部材12はアウターワーク2のフランジ部4に沿って2個配置されると共に、張力調整用部材13は各ローラ部材12間に配置され、各ローラ部材12及び張力調整用部材13の各中心を結ぶ形状が三角形状を呈している。
一方、ローラ部材12としてのスプロケットユニット23は、アウターワーク2のフランジ部4に沿ってそれぞれ2個配置されると共に、その連結シャフト27を介してヘム加工ヘッド5aの本体部10に設けた各支持部15に互いに接近・遠退する方向に移動自在に支持される。また、ローラ部材12としての各スプロケットユニット23は、互いに接近・遠退する方向に移動可能で、所望位置にて固定できる構成である。
なお、各ローラ部材12、12としてのスプロケットユニット23、23間の間隔を適宜距離に設定して、押圧部材11aのアプローチアングルを従来のローラヘッドのアプローチアングルよりも小さくなるように設定している。
そして、まず、ロボット6のアーム先端に連結されたヘム加工ヘッド5aをアウターワーク2のフランジ部4と対向するように配置する。
次に、ロボット6によりヘム加工ヘッド5aを、押圧部材11a(各押圧ブロック34)がアウターワーク2のフランジ部4をインナーワーク3側に折り曲げ押圧するように移動させる。
すなわち、ヘム加工ヘッド5aをアウターワーク2のフランジ部4に沿って前進させると、ローラ部材12及び張力調整用部材13としての3個のスプロケットユニット23が回転しながら押圧部材11aが回転しつつ、該押圧部材11aがアウターワーク2のフランジ部4をインナーワーク3側に折り曲げ押圧しながら進行方向へ移動される。この時、アウター及びインナーワーク2、3側に回ってきた各チェーン24は、スプリング20により当接部36を介してアウター及びインナーワーク2、3側に付勢されるため、押圧部材11aのアウター及びインナーワーク2、3への押圧を補助するようになる。
本発明の第2の実施形態に係るヘミング加工装置1bに採用されるヘム加工ヘッド5bは、図4及び図5に示すように、ロボット6のアーム先端に連結される本体部40と、該本体部40に連結され、アウターワーク2のフランジ部4をインナーワーク3側に折り曲げながら押圧する押圧部材11bと、該押圧部材11bに連結されるリンク機構41とから構成される。
リンク機構41は、図5及び図6に示すように、リンク機構支持体50の突設部51に一端が枢着され、アウター及びインナーワーク2、3側に向かって延びる第1リンク材52と、該第1リンク材52の他端に枢着され、ヘム加工ヘッド5bの進行方向に延びる第2リンク材53とからなる。
また、図4〜図6に示すように、リンク機構41の第2リンク材53にブロック状の押圧部材11bが固定される。この押圧部材11bのアウター及びインナーワーク2、3を押圧する押圧部位58は、進行方向に沿って次第にワーク2、3から離間される湾曲面で構成される。図7に示すように、押圧部材11bは、進行方向に直交する方向の断面形状がL字状に形成され、押圧部位58の図視下部の角部が面取り63されて構成される。押圧部材11bの段部59に第2リンク材53が固定される。なお、押圧部材11bの面取り部分63は、図4に示すように、アウターワーク3のフランジ部4の先端側に位置するようになる。
まず、ロボット6のアーム先端に連結されたヘム加工ヘッド5bを、アウターワーク2のフランジ部4と対向するように配置する。
次に、ロボット6によりヘム加工ヘッド5bを、押圧部材11bがアウターワーク2のフランジ部4をインナーワーク3側に折り曲げ押圧するように移動させる。
すると、ヘム加工ヘッド5bの進行に伴って、エアシリンダ46の駆動により押圧部材11bのアウター及びインナーワーク2、3への押圧を補助し、これと同時に、図6に示すように、サーボモータ54の駆動により第2伝達シャフト57がサーボモータ54の主軸55の中心Oを中心に回動し、第2リンク材53の一端が主軸55の中心Oを中心に回動する。この動作により、第1リンク材52は、リンク機構支持体50との枢着部位を中心にスイングする。
その結果、図8から解るように、第2リンク材53に連結された押圧部材11bは、アウターワーク2のフランジ部4をインナーワーク3側に折り曲げ押圧しつつ、アウター及びインナーワーク2、3に向かって進退するような環状軌跡を描くようになる。すなわち、図8に示す押圧部材11bの移動軌跡を参照すると、サーボモータ54が反時計周りで回転した場合、押圧部材11bは、太実線で示す位置→薄実線で示す位置→2点鎖線で示す位置→点線で示す位置を移動し、環状軌跡を繰り返し描くようになる。なお、押圧部材11bのA部は楕円形状の軌跡を描き、B部は略円形状の軌跡を描くようになる。
これにより、本発明の第2の実施形態に係るヘミング加工装置1bでは、第1の実施形態に係るヘミング加工装置1aと同様に、ヘミング加工時における、アウターワーク2のフランジ部4の被曲げ加工部と、これから曲げ加工が成される未曲げ加工部との間における伸び量を減少させることができ、ひいては、アウターワーク2のフランジ部4の波状のしわが改善されて、意匠面の品質不良が改善される。
Claims (5)
- 一方のワークのフランジ部を他方のワーク側に折り曲げながら押圧して、両者を折り曲げ接合するヘミング加工装置であって、
該ヘミング加工装置は、各ワークを押圧する、2個のローラ部材に巻回される無端状の押圧部材を備えたヘム加工ヘッドを有しており、
前記各ローラ部材は、前記ワークに沿って配置され互いに接近・遠退方向に移動自在に支持され、アプローチアングルを所望値に設定すべく各ローラ部材間の間隔を調整可能であることを特徴とするヘミング加工装置。 - 前記ヘム加工ヘッドは、前記押圧部材内に備えられ、該押圧部材の張力を調整する張力調整用部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載のヘミング加工装置。
- 前記各ローラ部材及び前記張力調整用部材はそれぞれスプロケットで構成され、
前記押圧部材は、前記各スプロケットに巻回されるチェーンに連結部材を介して連結される複数の押圧ブロックで構成されることを特徴とする請求項2に記載のヘミング加工装置。 - 前記ヘム加工ヘッドはロボットのアーム先端に連結され、前記ヘム加工ヘッドと前記ロボットのアーム先端との間に、互いに遠退する方向に付勢する付勢手段が備えられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヘミング加工装置。
- 前記ヘム加工ヘッドには、前記チェーンに当接される当接部が設けられ、
前記チェーンを前記付勢手段により前記当接部を介して各ワークに向かって付勢することを特徴とする請求項4に記載のヘミング加工装置。
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