JP5396058B2 - ガラス支持構造体 - Google Patents

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Description

本発明はガラス支持構造体に係り、特にデザイン性を持たすためにガラス製の壁、屋根、衝立、庇等を凹凸状に構築するためのガラス支持構造体に関する。
ガラス製の凹凸のある壁面や、躯体に対して様々な傾斜角度で支持されたガラス製の屋根、衝立、庇は、特許文献1、2等に開示されているDPG構法(旭硝子(株)商品名:テンポイント)、すなわち、強化ガラスに孔明け加工を施し、この孔に特殊ヒンジボルト(ロチュール)等の傾動自在なジョイント部材を配置するDPG構法を採用することによって構築することができる。このDPG構法によれば、傾動するジョイント部材によってガラス板の傾斜角度に対する追従性が優れるため、様々な傾斜角度の凹凸面を構築することができるとともに、ガラス板間の隙間にシリコーン系シーリング材を施工することで防水性も高めることができる。
しかしながら、孔加工したガラス板に所定の強度を持たすには、ガラス板を強化ガラスとすることが必須である。しかしながら、ガラス板を強化ガラスとした場合、ガラス内部に含まれる異物の影響で、極まれに、自然破損が生じる場合があるため、強化ガラスを合せガラスとすること、又は強化ガラスに飛散防止フィルムを貼着することが標準となり、コストアップの一因となっていた。
コストを抑えるためにガラス板に孔加工をしない、又は非強化ガラスのように孔加工を施すことができない場合は、ジョイント部材とSSG構法(Structural Silicone Glazing:変形の小さな高モジュラスシリコンシーリング材でガラス板をサッシに接着する構法)との組み合わせで凹凸のある壁面等を構築することが考えられる。
しかしながら、SSG構法は、接着強度をシーリング材のみで持たせているため、ねじりのモーメントをガラス板が受けた場合、そのモーメントによる応力がシーリング材に集中することから、長期耐久性の観点から見ると実施することは困難であった。
また、フロートガラスにジョイント機構を設けるには、ガラス板の4縁部に金属製フレームを配置し、そのフレームにジョイント機構を配置したサッシ構造とする他なく、このサッシ構造を採用すると、機能的にはDPG構法と類似するが、フレームがガラス板の4周縁部に配置されてガラス板の表面から突出するため、ガラスの全面をフラットサーフェスとすることができないという欠点があった。
ところで、特許文献3には、カーテンウォールの多角壁面構造が開示されている。この多角壁面構造は、左右に隣接するカーテンウォールユニットの隣接境界における左右それぞれの側の分割縦枠を、室内側の折れ角中心点を回転中心として室外側を若干開口させて配置することによりカーテンウォール壁面に若干の折れ角を持たせたものである。すなわち、特許文献3では、サッシである分割縦枠の配置方向を変えて多角壁面を構成している。
また、特許文献4には、各カーテンウォールユニットを3次元方向に曲面状としたユニット式カーテンウォールが開示されている。このカーテンウォールは、各カーテンウォールユニットの支持用サッシである枠体を面状に枠組みし、その枠組みした枠体を面外方向にねじり加工して面外方向にねじれた枠体とし、この枠体にガラスを支持させることにより、3次元方向に曲面状のカーテンウォールを構築している。
なお、特許文献3、4では、多角又は曲面状のカーテンウォールユニットを、非強化ガラスであるフロート板ガラスで実現している。
更に、ガラス製の壁面が凹凸である建築物が非特許文献1に掲載されている。この建築物では、壁面の一部が凹凸状に構築されており、これは、特許文献3、4の如く隣接するガラス板の縁部に配置するサッシ(枠体)の角度を調整可能に連結することで実現している。
特開平8−231250号公報 特開平9−78734号公報 特開2001−98687号公報 特開2003−82799号公報 TAISEI CORPORATION(大成建設のデザイン情報が検索できるサイト)におけるM−YAMANO TOWERに関する説明、〔online〕、大成建設株式会社、〔平成20年8月6日検索〕、インターネット〈URL:http://www.taisei−design.jp/de/works/2007/yamano.html〉
しかしながら、非特許文献1のガラス支持構造体では、ガラスの凹凸面を構成する角度が一つの場合にはよいが、様々な傾斜角度で凹凸面を形成しようとした場合には、その角度に対応した他種類のサッシを製造しなければならず、製造コストが増大するという欠点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ガラス板に孔明け加工を施す必要がなく、長期耐久性を有し、且つ、サッシを使用することなくガラス製の壁、屋根、衝立、庇等を所望の傾斜角度に構築するためのガラス支持構造体を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、複数のガラス板を隣接配置して建築物の壁および/または屋根を構築するためのガラス支持構造体において、斜面取り部が形成された第1の小口面を有する第1のガラス板と、斜面取り部が形成された第2の小口面を有する第2のガラス板と、前記第1のガラス板の該斜面取り部に係止する係止部と、前記第1の小口面に沿った長尺形状の凹部とを有する第1の金属製フレームと、前記第2のガラス板の該斜面取り部に係止する係止部と、前記第2の小口面に沿った長尺形状の凹部とを有する第2の金属製フレームと、前記第1の金属製フレームの長尺形状の凹部に嵌合配置された第1のジョイント部材と、前記第2の金属製フレームの長尺形状の凹部に嵌合配置された第2のジョイント部材と、を備え、前記第1のガラス板は前記第1のジョイント部材の第1の傾動中心を中心に傾動し、前記第2のガラス板は前記第2のジョイント部材の第2の傾動中心を中心に傾動し、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板は、それぞれ独立して傾動することを特徴とするガラス支持構造体を提供する。
本発明によれば、前記複数のガラス板をそれぞれ所定の傾斜角度で支持することにより建築物の壁および/または屋根が凹凸状に構築されたことが好ましい。
本発明によれば、前記複数のガラス板を同一の傾斜角度で支持することにより建築物の壁および/または屋根が前記建築物の躯体に対して傾斜するように構築されたことが好ましい。
本発明のガラス支持構造体を使用することにより、凹凸面だけではなく、複数のガラス板を同一の傾斜角度で支持し、建築物の壁および/または屋根を建築物の躯体に対して傾斜するように構築することもできる。
本発明のガラス支持構造体によれば、ガラス板の小口面に斜面取り部を形成し、この斜面取り部に金属製フレームの係止部を係止する。この係止部は、ガラス板の室外側面から突出しない長さに形成されている。そして、金属製フレームの室内側に形成された略コの字形状を有する小口面に沿った長尺形状の凹部に、傾動可能なジョイント部材を嵌合配置し、このジョイント部材の基端部を、建築物の躯体側に接合する。ジョイント部材が取り付けられたガラス板を傾けると、そのガラス板の傾斜角度、及び傾斜方向に応じてジョイント部材が傾動するため、所望の角度、及び所望の方向にガラス板を傾斜して配置することができる。
このような金属製フレーム及びジョイント部材を使用することによって、ガラス板に孔明け加工を施す必要がなく、また、金属フレームによってガラス板を支持するため、シール材だけでガラス板を支持するSSG構法と比較して長期耐久性が向上する。更に、サッシを使用しないためフラットサーフェスを実現することができ、更にまた、ジョイント部材の傾動追従作用によって、ガラス製の壁、屋根、衝立、庇等を所望の角度の凹凸状に構築することができる。
傾動可能なジョイント部材としては、ガラス板の傾斜角度、傾斜方向に良好に追従するように球面軸受が好ましく、また、小型のユニバーサルジョイントを適用してもよく、更に、DPG構法で使用する特殊ヒンジボルト(ロチュール)を適用してもよい。
本発明によれば、前記金属製フレームは、アルミニウム合金の押出成形品であって、前記係止部を含み前記ガラス板の小口を保持する保持部の断面が略L字状に形成され、室内側に形成された前記保持部と前記ガラス板との間の隙間に、シーリング材が施工されることによりガラス板に接着固定されることが好ましい。
本発明では、金属製フレームをアルミニウム合金の押出成形品とし、また、係止部を含みガラス板の小口を保持する保持部の断面を略L字状とすることにより、係止部がガラス板の室外側に突出しない構成とし、そして、室内側に形成された保持部とガラス板との間の隙間にシリコーン系シーリング材を施工して金属製フレームをガラス板に固着する。すなわち、ガラス板の小口に金属製フレームを工場にて接着し、その金属製フレームにジョイント部材を配置する。ジョイント部材は、ファスナ部材やロッド状部品と連結されて躯体側に施工される。ガラス板に風圧力や地震力が加わった際、ジョイント部材が傾動することで、ガラス板に対する負荷を軽減することができる。
本発明によれば、前記ジョイント部材の傾動中心は、前記ガラス板の小口面に近接されるとともにガラス板の板厚の延長上に配置されていることが好ましい。これにより、ジョイント部材にかかる曲げモーメントを小さくできるので、ジョイント部材の耐久性が向上する。また、隣接するガラス板の金属製フレーム間のシール間距離を短くできるのでシール(レインバリア)量を節約することができる。
本発明によれば、前記ガラス板は非強化ガラスであることが好ましい。
本発明は、ガラス板に孔明け加工が不要なので、非強化ガラスを使用することができる。これに対して強化ガラスを使用する場合には、強化ガラスを合せガラスとしたり、強化ガラスに飛散防止フィルムを貼着したりしなければならないが、非強化ガラスはそのまま使用できるので、製造コストを大幅に削減することができる。なお、ガラス板は非強化ガラス製の合せガラスでもよく、非強化ガラス製の複層ガラスであってもよい。
以上説明したように本発明のガラス支持構造体によれば、ガラス板に孔明け加工を施す必要がなく、長期耐久性を有し、且つ、サッシを使用することなくガラス製の壁、屋根、衝立、庇等を所望の傾斜角度に構築することができる。
以下、添付図面に従って本発明に係るガラス支持構造体の好ましい実施の形態について説明する。
図1には、実施の形態のガラス支持構造体10、10…によって凹凸状に構築された建築物のガラス製屋根12の側面図が示されている。なお、実施の形態のガラス支持構造体10を使用すればガラス製屋根12のみではなく、建築物の壁、衝立、庇であってもガラス板で凹凸状に構築することができる。
図2には、ガラス板である合せガラス14がガラス支持構造体10によって支持された要部斜視図が示されている。また、図3には、図2の水平断面図が示されている。
これらの図に示すように、合せガラス14は同じ平面寸法の室外側ガラス16と室内側ガラス18とが互いに対向して配置されるとともに、中間接着層20を介して積層され、これらを加熱圧着して相互に接着することにより構成される。また、室外側ガラス16と室内側ガラス18とには、後述する斜面取加工を行うために、非強化ガラスが適用されている。
中間接着層20としては、ポリ・ビニル・ブチラール(PVB)、エチレン・ビニル・アセテート(EVA)、ウレタン等の接着性フィルムのほか、熱可塑性樹脂接着剤、エラストマー接着剤、熱硬化性樹脂接着剤等が好ましく使用できるが、接着性能や耐水性能に優れるエチレン・ビニル・アセテート製の中間膜を用いることが好ましい。
次に、合せガラス14の製造方法を説明する。
まず、斜面取加工されていない非強化ガラスである室外側ガラス16及び室内側ガラス18を、中間接着層20を介して重ね合わせ、これを加熱圧着して相互に接着し、斜面取加工のない合せガラスを製造する。このときの室外側ガラス16と室内側ガラス18との位置合わせは、室外側ガラス16及び室内側ガラス18が斜面取加工されていないので容易である。また、室外側ガラス16及び室内側ガラス18には斜面取加工が予め施されておらず、その辺部は断面欠損が生じていないため、位置合わせ時に辺部が周辺機器に接触しても、辺部が損傷するという心配も少ない。
次に、この合せガラス14を構成する室外側ガラス16とこの室外側ガラス16に対向する室内側ガラス18とに亘って連続的に斜面取加工を合せガラス14に施す。すなわち、面取機に合せガラス14をセットし、この面取機の面取砥石によって合せガラス14の辺部を研削し斜面取加工を行う。これにより、室外側ガラス16を超えて室内側ガラス18に到達する斜面取り部15が合せガラス14の辺部に形成される。なお、合せガラス14は、上記の如く、室外側ガラス16から室内側ガラス18に亘って連続的に施される斜面取り部15が形成されたものに限定されず、合せガラス14を構成する室外側ガラス16の小口面のみが面取り加工されて斜面取り部15が形成された合せガラスであってもよい。
次に、ガラス支持構造体10について説明する。
このガラス支持構造体10は、合せガラス14の斜面取り部15が形成された辺部(小口面)を囲むように、金属製のフレーム22が取り付けられている。フレーム22は、斜面取り部15に係止されるので、室外側ガラス16も含めて室内側ガラス18を保持する。よって、万一、中間接着層20の接着力が低下しても、室外側ガラス16が脱落する危険性が少ない。
ここで、フレーム22の構造について説明する。
このフレーム22は、押出し成形により製造されたアルミニウム合金製のものであり、係止部22A、バックアップ部22B、及びレール部22Cが一体に構成されている。これらの係止部22A、バックアップ部22B、及びレール部22Cは、合せガラス14の辺部に沿った長尺形状に形成されている。
係止部22Aは、室外側ガラス16の面から外方に突出しない長さに形成され、斜面取り部15の面取加工で切除された部分を埋めるように断面略三角形形状に形成されるとともに、斜面取り部15に緩衝材である弾性ゴム24を介して係止される。すなわち、係止部22Aには、弾性ゴム24と係止する凹条溝23が形成されている。
バックアップ部22Bは室内側に位置され、室内側ガラス18との間で所定の隙間を介して配置された平板状部材である。
更に、フレーム22には、合せガラス14の小口を保持する保持部22Dが形成されている。保持部22Dは、係止部22Aとバックアップ部22Bとを含む断面略L字形状に形成され、バックアップ部22Bと室内側ガラス18との間の隙間に弾性ゴム24とシリコーン系シーリング材26とが室内側から施工される。これにより、フレーム22が合せガラス14に接着固定される。
フレーム22のレール部22Cは、フレーム22の室内側であって合せガラス14の小口面に沿った長尺形状の凹状に形成されている。レール部22Cの長尺形状の凹部内には、棒状の支持金物28の先端部に設けられた特殊ヒンジボルト(ジョイント部材)30が嵌合されている。この特殊ヒンジボルト30は図3に示すように、略半球体状に構成された軸部32と、この軸部32の球面32Aを摺動自在に支持する内面34Aが形成されたブロック状の軸受部34とから構成される。軸受部34の内面34Aに軸部32の球面32Aを相対的に摺動させることにより、軸部32に直線的に連結された支持金物28がフレーム22に対して首振り(傾動)自在となっている。
フレーム22のレール部22Cに軸受部34を嵌合させて、レール部22Cの長手方向に軸受部34を図4の如スライドさせることにより、フレーム22の辺部に対する支持金物28の位置が任意に調整される。位置調整後、図5(A)、(B)の如く支持金物28の基端部36を建築物の例えば支持部材(スラブ)38(躯体側)にボルト40によって固定することにより、屋根12を構成する合せガラス14が支持金物28を介して支持部材(スラブ)38に固定される。
支持金物28は、図1に示すように、長尺なものと短尺なものとが多数本揃えられており、一枚の合せガラスの一方の辺部に長尺な支持金物28が装着され、他方の辺部に短尺な支持金物28が装着されている。そして、隣接する合せガラス14、14において、図5(A)に示すように短尺な支持金物28、28同士が近接配置されるとともに、図5(B)に示すように長尺な支持金物28、28同士が近接配置され、これらの支持金物28、28…が図1の同一高さの支持部材(スラブ)38、38…に固定されることにより、特殊ヒンジボルト30の傾動追従作用によって、凹凸状のガラス製屋根12が構築される。以上がフレーム22の構成である。
次に、実施の形態のガラス支持構造体10の特徴について説明する。
このガラス支持構造体10は前述の如く、係止部22A及びレール部22Cを有するフレーム22と、このフレーム22のレール部22Cに嵌合される特殊ヒンジボルト30を備えた支持金物28とから構成されることを特徴としている。
すなわち、このガラス支持構造体10によれば、合せガラス14の小口面に斜面取り部15を形成し、この斜面取り部15にフレーム22の係止部22Aを係止する。この係止部22Aは、合せガラス14の室外側ガラス16から外方に突出しない長さに形成されている。そして、フレーム22の室内側に形成されたレール部22Cに、傾動可能な特殊ヒンジボルト30を嵌合配置し、この特殊ヒンジボルト30の基端を、すなわち、支持金物28の基端部36を建築物の支持部材(スラブ)38に固定する。
特殊ヒンジボルト30が取り付けられた合せガラス14を、図1の屋根12の傾斜面に沿って傾けると、その合せガラス14の傾斜角度、及び傾斜方向に追従して特殊ヒンジボルト30が傾動する。これにより、屋根12の傾斜角度、及び屋根12の傾斜の方向に合せガラス14を傾斜して配置することができ、図1の凹凸状の屋根12を簡便に構築することができる。隣接する合せガラス14、14間のスリット状の隙間は、図5に示すようにレインバリアシール42によって閉塞される。よって、図5(A)で示すレインバリアシール42は、屋根12の凹部に位置するため雨樋としても機能する。なお、実施の形態のガラス支持構造体10では、隣接する合せガラス14、14間にレインバリアシール42が施工されているが、レインバリアシール42を施工せず、隙間を開けたまま合せガラス14、14を配置し、ルーバー状のスクリーンとしてもよい。
このようなフレーム22及び特殊ヒンジボルト30を使用することによって、合せガラス14に孔明け加工を施す必要がなく、また、フレーム22によって合せガラス14を支持するため、シール材だけでガラス板を支持するSSG構法と比較して長期耐久性が向上し、更に、サッシを使用しないためフラットサーフェスを実現することができ、更にまた、特殊ヒンジボルト30の傾動追従作用によって、ガラス製の屋根12、壁、衝立、庇等を所望の角度の凹凸状に簡便に構築することができる。また、合せガラス14、14…に風圧力や地震力が加わった際、特殊ヒンジボルト30、30…が傾動することで、合せガラス14、14…に対する負荷を軽減することができる。
なお、実施の形態ではジョイント部材として特殊ヒンジボルト30を例示したが、これに限定されるものではなく、合せガラス14の傾斜角度、傾斜方向に良好に追従するものであれば、小型のユニバーサルジョイントを適用してもよい。
また、実施の形態ではガラス板として非強化ガラスの合せガラス14を例示したが、これに限定されるものではなく、単板のガラス板でもよく、非強化ガラス製の複層ガラスであってもよく、強化ガラスであってもよい。強化ガラスを使用する場合には、強化ガラスを合せガラスとしたり、強化ガラスに飛散防止フィルムを貼着したりしなければならないが、非強化ガラスはそのまま使用できるので、製造コストを大幅に削減することができるという利点がある。更に、ガラス板を用いる場合、通常のフロート板ガラスのほか、熱線反射ガラス、ハードコートLow−Eガラス、セラミックプリントガラス、網入り板ガラス等の各種板ガラスが適用可能である。また、無機質のガラスに限定されず、ポリカーボネート樹脂板、アクリル樹脂板等の有機質のガラスでもよい。
一方、フレーム22はアルミニウム合金の押出成形品であり、フレーム22の室内側に形成された保持部22Dと合せガラス14との間の隙間にシリコーン系シーリング材26を施工してフレーム22を合せガラス14に固着している。すなわち、合せガラス14の小口面にフレーム22を工場にて接着し、そのフレーム22のレール部22Cに特殊ヒンジボルト30を装着する。
これにより、合せガラス14、フレーム22、特殊ヒンジボルト30が一体の建材用ガラスユニット品として施工現場に持ち込むことができるので、施工現場で各々を組み立てる施工方法と比較して、施工時間を大幅に短縮することができる。
ところで、実施の形態のガラス支持構造体10は、特殊ヒンジボルト30の傾動中心が、合せガラス14の小口面に近接されるとともに合せガラス14の板厚の延長上に配置されていることが好ましい。
図6では、特殊ヒンジボルト30の傾動中心30Aが、合せガラス14の小口面に近接されるとともに合せガラス14の板厚tの延長上(合せガラス14の室外側表面および室内側表面のそれぞれの仮想延長線に挟まれる領域内)に配置されたガラス支持構造体100が示されている。なお、Aは合せガラス14の板厚中央線である。また、図7(A)、(B)には、図6のガラス支持構造体100が適用された建築物のガラス製屋根の側面図が示されている。
このような構成により、特殊ヒンジボルト30にかかる、合せガラス14の質量による曲げモーメントを小さくできるので、特殊ヒンジボルト30の耐久性が向上する。また、図7の(A)、(B)で示すように、支持部材38に固定された支持金物28の距離を一定としても、合せガラス14の板厚や傾斜角度によらず、レインバリア42に影響を与えることが少なく、シール距離をほぼ一定にできる。これに対して、図5の(A)、(B)では、支持部材38に固定された支持金物28の距離を一定とした場合、合せガラス14の板厚や傾斜角度によってシール距離が異なるため、複数の合せガラス14により凹凸状の壁や屋根を構築する場合にレインバリア42の見付幅を一定とするには、合せガラス14の傾斜角度に応じて支持金物28の距離を変更する必要がある。なお、図7の(B)で示すように、建築物の外部に向かって凸となる傾斜角度で隣接する合せガラス14、14を支持する場合、隣接する合せガラス14、14のフレーム122、122間のシール間距離を短くできるのでレインバリア42のシール量を節約することができる。すなわち、図5(B)と図7(B)に示すように、図5(B)で示したガラス支持構造体10による前記シール間距離S1に対して、図7(B)で示したガラス支持構造体100によるシール間距離S2が短いことが分かる。
合せガラス14、14のシール間距離を最小限に短くするには、特殊ヒンジボルト30の傾動中心30Aを、合せガラス14の板厚中央線Aの延長上に位置させればよい。また、特殊ヒンジボルト30の傾動中心30Aは、前述した合せガラス14の板厚tの延長上に限定されるものではなく、合せガラス14の板厚tの延長上から若干離れた位置であって建築物の室内側であれば同様の効果を得ることができる。
図8(A)、(B)で示すガラス支持構造体200は、図5(A)、(B)で示したガラス支持構造体10よりも、特殊ヒンジボルト30の傾動中心を合せガラス14の板厚の延長上に近接させた別実施例である。
図5に示すガラス支持構造体10は、フレーム22のバックアップ部22Bと合せガラス14との間の隙間にシリコーン系シーリング材26を施工するため、特殊ヒンジボルト30の傾動中心が合せガラス14の板厚中央線の延長上から離間した構造となっている。これに対して、図8に示すガラス支持構造体200は、フレーム222のバックアップ部222Bを合せガラス14の室内側面に近接させるとともに、フレームの側面にシール受部222Eを突設させ、このシール受部222Eと合せガラス14との間の隙間にシリコーン系シーリング材26を施工することにより、特殊ヒンジボルト30の傾動中心を合せガラス14の板厚中央線の延長上に近接させている。なお、図8では、支持部材38に固定された支持金物28の距離を、(A)と(B)とで変更することにより、レインバリア42のシール距離S3をほぼ一定とした。
この場合においても、図5(B)で示したガラス支持構造体10によるシール間距離S1に対して、図8(B)で示したガラス支持構造体200によるシール間距離S3が短いことが分かる。よって、隣接する合せガラス14、14のフレーム222、222間のシール間距離を短くできるのでレインバリア42のシール量を節約することができる。
図9、図10は、実施の形態のガラス支持構造体10、10…によって、複数の合せガラス14、14…を同一の傾斜角度で支持することにより建築物の屋根(壁であってもよい)を建築物の支持部材(スラブ:躯体)38に対して傾斜するように構築した例を示している。なお、図9、図10に示した部材については、図1〜図8に示した実施例と同一又は類似の部材について同一の符号を付している。
図9、図10に示すガラス製屋根12は、同一の傾斜角度で図中左下がり方向に傾斜した屋根であり、この傾斜角度で合せガラス14、14…を支持できるように支持金物28、28…の長さが左方に向うに従って短いものが使用されている。そして、隣接する合せガラス14、14の位置において、支持金物28、28同士が近接配置され、これらの支持金物28、28…が同一高さの支持部材38、38…に固定されることにより、特殊ヒンジボルト30の傾動追従作用によって、同一傾斜角度のガラス製屋根12が構築される。
以上、本発明の実施の形態を、図面を用いて詳述したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。
実施の形態のガラス支持構造体によって構築された屋根の側面図 合せガラスがガラス支持構造体によって支持された要部斜視図 図2の水平断面図 ガラス支持構造体の特殊ヒンジボルトの嵌合形態を示した斜視図 隣接する合せガラスの接合部の構造を示した要部拡大図 特殊ヒンジボルトの傾動中心を合せガラスの板厚中央の延長線上に近接させた説明図 図6のガラス支持構造体によって構築された屋根の要部拡大図 図6に示したガラス支持構造体の別実施例を示した要部拡大図 実施の形態のガラス支持構造体によって同一傾斜角度の屋根を構築した屋根の側面図 図9に示した屋根の要部拡大断面図
符号の説明
10…ガラス支持構造体、12…ガラス製屋根、14…合せガラス、15…斜面取り部、16…室外側ガラス、18…室内側ガラス、20…中間接着層、22…フレーム、22A…係止部、22B…バックアップ部、22C…レール部、22D…保持部、23…凹状溝、24…弾性ゴム、26…シリコーン系シーリング材、28…支持金物、30…特殊ヒンジボルト、30A…傾動中心、32…軸部、32A…球面、34…軸受部、34A…内面、36…基端部、38…支持部材(スラブ)、40…ボルト、42…レインバリアシール、100…ガラス支持構造体、122…フレーム、200…ガラス支持構造体、222…フレーム、222B…バックアップ部、222E…シール受部

Claims (6)

  1. 複数のガラス板を隣接配置して建築物の壁および/または屋根を構築するためのガラス支持構造体において、
    斜面取り部が形成された第1の小口面を有する第1のガラス板と、
    斜面取り部が形成された第2の小口面を有する第2のガラス板と、
    前記第1のガラス板の該斜面取り部に係止する係止部と、前記第1の小口面に沿った長尺形状の凹部とを有する第1の金属製フレームと、
    前記第2のガラス板の該斜面取り部に係止する係止部と、前記第2の小口面に沿った長尺形状の凹部とを有する第2の金属製フレームと、
    前記第1の金属製フレームの長尺形状の凹部に嵌合配置された第1のジョイント部材と、
    前記第2の金属製フレームの長尺形状の凹部に嵌合配置された第2のジョイント部材と、
    を備え、
    前記第1のガラス板は前記第1のジョイント部材の第1の傾動中心を中心に傾動し、
    前記第2のガラス板は前記第2のジョイント部材の第2の傾動中心を中心に傾動し、
    前記第1のガラス板と前記第2のガラス板は、それぞれ独立して傾動することを特徴とするガラス支持構造体。
  2. 前記第1のジョイント部材と直線的に連結する棒状の第1の支持金物と、
    前記第2のジョイント部材と直線的に連結する棒状の第2の支持金物と、
    を有する請求項1に記載のガラス支持構造体。
  3. 前記複数のガラス板をそれぞれ所定の傾斜角度で支持することにより建築物の壁および/または屋根が凹凸状に構築された請求項1または2に記載のガラス支持構造体。
  4. 前記複数のガラス板を同一の傾斜角度で支持することにより建築物の壁および/または屋根が前記建築物の躯体に対して傾斜するように構築された請求項1または2に記載のガラス支持構造体。
  5. 前記第1のジョイント部材の傾動中心は、前記第1のガラス板の第1の小口面に近接されるとともに第1のガラス板の板厚の延長上に配置されている請求項1〜4のいずれかに記載のガラス支持構造体。
  6. 前記第1のガラス板は非強化ガラスである請求項1〜5のいずれかに記載のガラス支持構造体。
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