JP5395290B1 - 事業所内自動販売機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 商品リクエスト可能な事業所内自動販売機であって、不正な投票を防止したり、少なくとも抑制したりすることが可能な実用的な事業所内自動販売機を提供する。
【解決手段】 自販機1に装着されたリクエスト用コンピュータ3のディスプレイには、自販機で現在販売されていないが将来販売できる商品のリストである可能商品リストが表示され、所属者がリクエストボタン64をタップすることで商品が選択されると、本人確認の後、商品ID等の商品リクエスト情報がインターネット4経由で外部管理サーバ5に送信される。所属者のユーザー登録の際には、リクエスト用コンピュータ3が内蔵するカメラにより所属者の顔写真が撮影され、写真データが記憶部に記憶されるので、不正なリクエストが防止又は抑制される。本人確認は、所属者が任意に設定したユーザーIDにより行われる。
【選択図】 図3

Description

本願の発明は、事業所内に設置して所属者が利用する自動販売機に関するものである。
企業のオフィスや工場等の事業所には、飲料などの自動販売機が設置されており、所属者に自由に購入させ、利便性を向上させている。尚、「所属者」とは、当該事業所内にいて自動販売機で商品を購入する者という程度の意味である。企業のオフィスや工場の場合には従業員ということになるし、自治体の施設であれば施設を利用する住民ということになる。スポーツクラブのような会員制の施設であれば会員ということになる。ホテルや旅館、保養所のような事業所の場合、宿泊客が「所属者」ということになるので、一時的に当該事業所内に滞在する場合も「所属者」に該当する。
このような事業所内の自動販売機は、所属者へのサービスや利益提供の一環として、街頭に設置されている通常の自動販売機に比べて商品の価格が安く設定されることがある。例えば、オフィスや工場では、従業員への福利厚生の一環として、商品の価格が安く設定される。通常は、商品の仕入れ価格に自販機設置者のマージンが上乗せされるが、このマージンをゼロとし、その分、商品を安くして従業員の福利厚生にするのである。
特許第5035715号公報
このような事業所内自動販売機において、現在は販売されていないが新たに販売して欲しい商品のリクエストを利用者から募り、人気の高い商品について随時販売を開始するようにすれば、各所属者の利便性が向上し、事業所としても各所属者へのサービスの観点で好適となる。このような観点から、本願の出願人により、特許文献1の出願がされており、そのようなリクエストの結果得られた情報を好適に管理するシステムについて開示されている。
特許文献1のシステムは、自動販売機毎に商品のリクエストを募る手法や収集した商品リクエスト情報に基づく商品の入れ替えなどについて好適な構成を提示してはいるものの、情報の収集に関する部分において一部に実現が難しい部分がある。
具体的に説明すると、特許文献1のシステムでは、自動販売機が特定された状態で希望商品を所属者に送信させるのに、所属者がその事業所で使っているコンピュータ(所属者クライアント)を使用させるとしている(段落0019)。事業所内のウェブサイト(所内サイト)にリンクボタンを設け、そこからサーバにリンクさせる例が示されている。しかしながら、自動販売機の管理会社のような外部の会社のサイトへのリンクを自社の社内サイトに設けることを許可していない事業所の場合、この構成は不可能である。
また、特許文献1は、所属者が携帯電話を操作してサーバにアクセスすることで希望商品を送信する例も示している(段落0051〜0053)。ここでは、QRコード((株)デンソーウェーブの登録商標)を自動販売機に表示し、そのQRコードでコーディングされた情報に自販機IDを含ませておき、それを所属者が携帯電話で読み取ってサーバにアクセスすることで自動販売機を特定する例が示されている。
しかしながら、携帯電話の使用について非常に厳格な会社も存在しており、勤務中の私用での携帯電話の使用を認めていなかったり、事業所内での携帯電話の使用を一切認めていない会社もある。このような場合、特許文献1が段落0051〜0053で教示した方法を採用することもできない。
特許文献1の技術を実施していく上での困難性の別の観点は、個人情報保護の点である。特許文献1の段落0015でも教示されているが、同一人が重複して商品リクエストの送信を行うと、公平性が保てなくなるので、同一人が重複して送信できないようにする工夫が必要になる。この場合、重複送信を防止するには、個人の特定が必要になる。
特許文献1では、個人の特定に関し、所内サイトへのログインの際に入力されたID(社員IDなど)を利用する例や、携帯端末の加入者固有ID又は端末固有IDを利用する例を開示している(段落0018、0045等)。しかしながら、上記のように所内サイトにリンクを設けることが許可されない場合や、事業所内での携帯電話の使用が禁じられている場合、これらの構成は採用できない。
事業所の所属者の特定であるから、社員名簿や会員名簿のような個人情報のリストを提供してもらえれば、システムの運営会社の方で個人情報をサーバに登録して個人の特定に利用することができる。しかしながら、このような個人情報の提供が許されるケースは稀である。提供が許されたとしても、社員IDとか会員IDとかいったものが限度で、氏名やメールアドレスは、提供不可の場合が多い。
本願の発明は、このような事情を鑑みて為されたものであり、自動販売機を特定させつつ商品リクエストのアンケートを募ることが可能な機能を有した事業所内自動販売機であって、同一人が重複して商品をリクエストすることを防止できる実用的な事業所内自動販売機を提供することを解決課題とするものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、事業所内に設置されて当該事業所の所属者に利用される事業所内自動販売機であって、
リクエスト用コンピュータを備えており、
リクエスト用コンピュータは、当該事業所内自動販売機を利用する所属者に対して情報を表示するディスプレイと、当該事業所内自動販売機を利用する所属者が情報を入力することが可能な入力部と、記憶部とを備えており、記憶部には、商品リクエスト情報ファイルが記憶されており、
リクエスト用コンピュータには、可能商品表示プログラムと、商品リクエスト保存プログラムと、本人確認プログラムとがインストールされており、
可能商品表示プログラムは、当該リクエスト用コンピュータが備えられた事業所内自動販売機において現在販売されていない商品であって将来販売することが可能な商品のリストである可能商品リストをディスプレイに表示するプログラムであり、
商品リクエスト保存プログラムは、可能商品リスト中の商品であって所属者が入力部で入力することで選択された商品の情報を商品リクエスト情報ファイルに記録して保存するプログラムであり、
本人確認プログラムは、所属者が商品リクエスト保存プログラムによってリクエストする商品の情報を保存させる際、当該所属者の本人確認を、当該所属者が予め入力部で任意のIDを入力することでリクエスト用コンピュータの記憶部に記憶されたファイルに記録されているユーザーIDに従って行うプログラムであり、
商品リクエスト保存プログラムは、本人確認プログラムによって同一の所属者であると特定された者が一定の期間内に所定回数又は所定個数以上の商品を選択する操作を行ったと判断された場合、商品リクエスト情報ファイルへの記録を行わないか又はその旨を特定可能な情報とともに記録するプログラムであり、
前記記憶部又は前記記憶部を含むリクエスト用コンピュータは、事業所内自動販売機内に設けられていて、事業所内自動販売機を利用する所属者は着脱できず、事業所内自動販売を管理する外部管理会社のルートサービスマンが着脱できる状態で設けられており、
商品リクエスト情報ファイルに記録された商品リクエスト情報は、その商品リクエスト情報ファイルを記憶した前記記憶部を備えたリクエスト用コンピュータが設けられた事業所内自動販売機に対して対応付け可能であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記リクエスト用コンピュータは、人間の身体的特徴又は行動的特徴を取得する特徴取得手段を備えており、
前記商品リクエスト情報を前記商品リクエスト保存プログラムに保存させようとする所属者の身体的特徴又は行動的特徴を特徴取得手段により取得し、前記リクエスト用コンピュータの記憶部に記録することが可能であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記リクエスト用コンピュータは、所属者の身体的特徴又は行動的特徴を特徴取得手段により取得する旨を所属者に告知する告知手段を備えているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項2又は3の構成において、前記特徴取得手段は、人間の顔写真を取得する手段であるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1記載の発明によれば、自動販売機に装着されているリクエスト用コンピュータを操作することで商品をリクエストすることができ、自分が使っている事業所のコンピュータを操作したり、自分の携帯電話を操作したりする必要がない。また、同一人が重複してリクエストすることを防止する際、所属者が自ら設定した任意のユーザーIDにより本人確認を行うので、事業所から所属者IDを提供してもらう必要がない。
また、リクエスト用コンピュータが外部のサーバとの間で通信可能なものである必要がないので、LAN設備のような環境が整備されていない事業所においても導入が可能である。
また、請求項記載の発明によれば、上記請求項1の発明の効果に加え、特徴取得手段により所属者の身体的特徴又は行動的特徴を取得するので、不正なリクエスト投票がさらに防止又は抑制される。
また、請求項記載の発明によれば、上記請求項2の発明の効果に加え、身体的特徴又は行動的特徴を取得することが所属者に告知されるので、実際に特徴を取得しなくても防止又は抑制の効果が生じる。
また、請求項記載の発明によれば、上記請求項2又は3の発明の効果に加え、特徴取得手段が人間の顔写真を取得する手段であるので、安価なコストで実現することができるという効果が得られる。
参考例の事業所内自動販売機の斜視概略図である。 図1に示す自動販売機におけるリクエスト用コンピュータ3の着脱構造について示した斜視概略図である。 参考例の事業所内自動販売機を運用する運用システムについて示した概略図である。 参考例の自販機における初期画面を示した概略図である。 可能商品リスト画面の一例を示す概略図である。 商品リクエスト送信プログラムの概略を示したフローチャートである。 本人確認画面の一例を示す概略図である。 商品リクエスト情報DBFの一例を示した概略図である。 ユーザー登録画面の一例について示した概略図である。 ユーザー登録プログラムの概略を示したフローチャートである。 リクエスト状況閲覧プログラムの実行結果の一例を示したものであり、ある自販機において所定の集計期間内に送信された商品リクエスト情報がリクエスト用コンピュータ3のディスプレイに表示された状態を示した概略図である。 本願発明の実施形態の事業所内自動販売機及びその運用システムの概略図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
まず、参考例の事業所内自動販売機について説明する。図1は、参考例の事業所内自動販売機の斜視概略図である。図1に示す事業所内自動販売機(以下、自販機と略称する)1は、筐体10と、筐体10の前面に設けられた前面扉2とを有している。
図1に示す自販機1は、一例として清涼飲料水の自販機となっており、筐体10内には、販売する缶入り又はPETボトル入りの清涼飲料水が収容した商品収容部が設けられている。図1に示すように、前面扉2には、商品の見本を展示した展示部21、購入する商品を選択する選択ボタン22、購入のための硬貨や紙幣を投入する金銭投入部23、購入した商品を取り出す取り出し口24などが設けられている。
また、筐体10内には、選択ボタン22での選択に従い金銭投入部23で投入された金銭が規定の金額に達しているかどうか判断する不図示の制御部が設けられている。一方、商品収容部は、制御部からの信号に従って商品を一つずつ吐出する不図示の吐出機構を備えており、制御部は、投入された金銭が所定の金額に達していると判断した場合、吐出機構に信号を送り、選択された商品を取り出し口24に送るようになっている。これらの構成や機構の構造は、通常の自動販売機と同様のものとすることができるので、詳細な説明及び図示は省略する。
参考例の自販機は、自販機が設置された事業所以外の外部管理事業者(以下、外部管理会社という)により管理される。外部管理会社は、自前で自販機を自販機メーカーから購入し、事業所の許可を取って事業所内に設置する。そして、定期的に商品を補充し、売上金を回収する。
このような自販機は、自販機を利用する所属者に商品のリクエストを行わせるためのリクエスト用コンピュータ3を備えている。この参考例では、リクエスト用コンピュータ3は、購入した自販機を外部管理会社が改造し、後付けで自販機に取り付けたものとなっている。この点について、図1及び図2を使用して説明する。図2は、図1に示す自動販売機におけるリクエスト用コンピュータ3の着脱構造について示した斜視概略図である。
参考例では、リクエスト用コンピュータ3として、アップル社のiPad(同社の登録商標)のようなタブレットPCが採用されている。図1及び図2に示すように、前面扉2には、方形のPC用開口20が形成されている。前面扉2の内側面には、PC用開口20の縁に沿ってコ状の保持枠31が固定されている。保持枠31の幅は、リクエスト用コンピュータ3の幅に適合している。図2に示すように、前面扉2の内側においてリクエスト用コンピュータ3を上側から保持枠31に差し込むことで保持枠31に装着される。
図1に示すように、PC用開口20は、前面扉2において、展示部21を横のスペースに設けられている。PC用開口20は、リクエスト用コンピュータ3の全体の大きさよりも少し小さい方形である。図1に示すように、タブレットPCであるリクエスト用コンピュータ3は、保持枠31に装着されると、前面のディスプレイがPC用開口20を通して視認される状態となる。
このようなリクエスト用コンピュータ3は、商品のリクエストを行わせるため、可能商品表示プログラム、商品リクエスト送信プログラム、本人確認プログラム等が実行可能となっている。また、これらプログラムで扱われるファイルとして、各種画面フォームファイル、登録ユーザーデータベースファイル(以下、登録ユーザーDBF)、可能商品データベースファイル(以下、可能商品DBF)、商品リクエスト情報仮ファイル等がリクエスト用コンピュータ3の記憶部に記憶されている。記憶部とは、ハードディスクやメモリのような記憶装置である。
次に、図1及び図2に示す自販機を運用するシステムについて説明する。図3は、参考例の事業所内自動販売機を運用する運用システムについて示した概略図である。
図3に示すように、各事業所に自販機1が設置されており、一つの事業所に二以上の自販機1が設置されている場合もある。各自販機1には、前述したようにリクエスト用コンピュータ3が装着されている。
図3に示すように、各リクエスト用コンピュータ3は、通信機能を備えたものとなっており、インターネット4に接続可能なものとなっている。この参考例では、各リクエスト用コンピュータ3は、無線LAN経由又はモバイル回線経由でインターネット4に接続されるものである。例えば事業所内に無線LANアクセスポイントが開設され、そこを経由してインターネット4に接続したり、Wi−Fiのような公衆無線LANのアクセスポイントを利用してインターネット4に接続したり、電話会社のモバイル通信サービスを利用してインターネット4に接続したりする構成が挙げられる。
一方、運用システムを構成するものとして、外部管理サーバ5が設けられている。外部管理サーバ5は、図3に示すように、インターネット4を介してリクエスト用コンピュータ3からのアクセスを受け付けるサーバである。外部管理サーバ5は、外部管理会社によって運用される。外部管理サーバ5は、外部管理会社保有の場合もあるが、サーバレンタルサービスが利用される場合もある。尚、外部管理会社は、各事業所に自販機1を設置しており、多数の自販機1を管理している。外部管理サーバ5は、各リクエスト用コンピュータ3からのアクセスを受け付けるものとなっている。
次に、各リクエスト用コンピュータ3において所属者に商品リクエストを送信させるための構成について詳説する。リクエスト用コンピュータ3の記憶部に記憶された画面フォームファイルの一つは、商品リクエスト送信のための初期画面(以下、単に初期画面)用のフォームファイルとなっている。図4は、参考例の自販機における初期画面を示した概略図である。
自販機の本体内には、増設のAC電源コンセントが設けられている。リクエスト用コンピュータ3は、このAC電源コンセントに常時接続されて電源が確保される。商品の補充等のメンテナンスを行う外部管理会社の従業員(以下、ルートサービスマン)は、リクエスト用コンピュータ3の本体スイッチをオンにしてリクエスト用コンピュータ3を立ち上げる。そして、記憶部から初期画面用のフォームファイルを読み出して開き、ディスプレイに表示する。この状態で、リクエスト用コンピュータ3を保持枠31に装着し、前面扉2を閉じる。尚、図1及び図2から解るように、外部からはリクエスト用コンピュータ3の本体スイッチは操作できないようになっている。
図4に示すように、初期画面には、「リクエスト可能な商品を見る」、「ユーザー登録する」、「リクエスト状況を見る」といったボタン61,62,63が設けられている。一方、記憶部には、この自販機で現在は販売されていないが将来販売することができる商品のリスト(以下、可能商品リストと呼ぶ)を表示するための画面(以下、可能商品リスト画面)のフォームファイルが記憶されている。
「リクエスト可能な商品を見る」と表記されたボタン(以下、可能商品閲覧ボタン)61には、可能商品リスト画面を表示するプログラム(以下、可能商品リスト表示プログラム)が埋め込まれており、可能商品閲覧ボタン61にタップすると、可能商品リスト画面が表示されるようになっている。
図5は、可能商品リスト画面の一例を示す概略図である。図5に示すように、可能商品リスト画面では、各商品について、商品名、メーカー名、商品の写真等がリスト表示されるようになっている。可能商品リスト表示プログラムは、記憶部に記憶された可能商品DBFから情報を読み出し、図5に示すような画面フォームに嵌め込んで情報を表示するようプログラミングされている。
一方、リクエスト用コンピュータ3の記憶部には、現在販売中の商品も含め、この外部管理会社が取り扱うことができる全ての商品の情報を記録したデータベースファイル(以下、商品マスタDBF)が記憶されている。商品マスタDBFは、「商品ID」、「商品名」、「メーカー名」、「商品写真ファイル名」などのフィールドに加え、「販売中」のフィールドを有している。「販売中」のフィールドは、Yes/No型のフィールドであり、販売中であれば真値が記録され、販売中でなければ偽値が記録されるフィールドである。
リクエスト用コンピュータ3には、メンテナンス用のプログラムとして可能商品更新プログラムがインストールされている。商品マスタファイルは、それまで販売されていなかった新しい商品を当該自販機に投入した際、ルートサービスマンにより手動で更新される。即ち、新しく投入した商品を記録したレコードの「販売中」のフィールドに真値が記録される。販売を取りやめた商品がある場合、当該商品のレコードの「販売中」のフィールドに偽値が記録される。
このようにして商品マスタファイルが更新された後、作業員が手動にて可能商品更新プログラムを実行する。可能商品更新プログラムは、商品マスタファイルを最初のレコードから一件ずつ参照し、「販売中」のフィールドが偽値であるレコードの全フィールドを読み出し、可能商品DBFに記録するようになっている。商品IDが一致するレコードがあれば、当該レコードを上書きする形で記録する。
一方、図5に示す可能商品リスト画面で表示されたリストの各行には、「リクエストを送信する」と表記されたボタン(以下、リクエストボタン)64が設けられている。リクエストボタン64には、商品リクエスト送信プログラムの実行コマンドが埋め込まれている。
商品リクエスト送信プログラムは、この参考例では、リクエスト用コンピュータにインストールされたプログラム(クライアントサイドプログラム)となっている。図6は、商品リクエスト送信プログラムの概略を示したフローチャートである。商品リクエスト送信プログラムは、商品ID及び自販機IDを引数として起動される。商品IDは、各リクエストボタン64に埋め込まれた変数である。自販機IDは、外部管理会社が管理している各自販機を特定する情報である。自販機IDは、予め定数として商品リクエスト送信プログラムに与えられている。商品ID及び自販機IDは、いったんメモリ変数に格納される。
尚、外部管理サーバ5の記憶部には、管理用のデータベースファイルとして、外部管理会社が管理している全ての自販機の情報をデータベース化したファイル(以下、自販機DBF)が記憶されている。自販機IDは、この自販機DBFの各レコードに記録されている。
図6に示すように、商品リクエスト送信プログラムは、まずサブプログラムとして本人確認プログラムを実行するようになっている。具体的に説明すると、この参考例では、商品のリクエストに際し、二重投票を防止ないし抑制するため、何らかの本人確認を行った後にリクエストさせるようになっている。記憶部には、この本人確認のための画面(以下、本人確認画面)のフォームファイル(以下、本人確認画面ファイル)が記憶されており、本人確認プログラムは、まずこの本人確認画面を表示するようプログラミングされている。
図7は、本人確認画面の一例を示す概略図である。図7に示すように、本人確認画面では、ユーザーID入力欄65と、パスワード入力欄66と、ユーザー登録ボタン67とが表示されるようになっている。この参考例では、ユーザーIDは、所属者が任意に設定したIDである。
図7に示すように、本人確認画面には、OKボタン68が設けられており、OKボタン68がタップされると、本人確認プログラムは、登録ユーザーDBFにアクセスし、入力された情報が登録されている情報に一致するかどうか判断するプログラムである。この参考例では、登録ユーザーDBFは、「ユーザーID」と「パスワード」の二つのフィールドから成るレコードを多数記録したシンプルなものである。本人確認プログラムは、入力されたユーザーIDとパスワードが一致するレコードがあるかどうか判断し、あれば、本人確認ができた旨の戻り値を返す。
本人確認画面において、本人確認ができた旨の戻り値が戻されると、商品リクエスト送信プログラムは、一定の期間内に同一の商品について複数回投票する不正ではないかどうか判断する。具体的に説明すると、本人確認プログラムが終了した際、その戻り値には、ユーザーIDが含まれる。商品リクエスト送信プログラムは、図6に示すように、ユーザーIDと、メモリ変数から読み出した商品IDとを検索キーにして商品リクエスト情報仮ファイルを検索する。商品リクエスト情報仮ファイルは、重複投票防止のためにリクエスト用コンピュータの記憶部に記憶されている仮のファイルであり、「セッション日時」、「ユーザーID」、「商品ID」の三つのフィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルである。
商品リクエスト送信プログラムは、「セッション日時」のフィールドの値が一定の期間内に入っており、「ユーザーID」及び「商品ID」の各値が一致するレコードがあるかどうか判断する。一定の期間とは、例えば、プログラムが実行されたシステム日時における「月」のデータが「セッション日時」におけるものと同じであるかどうか(当該月内に既に送信がされているか)で判断し、同じであれば、一定の期間内の2回目の送信であるとする。
商品リクエスト送信プログラムは、同一のユーザーIDの者が同一の商品IDについて一定の期間内に2回目の送信をしようとしているかどうかをこのようにして判断し、2回目の送信であれば、その旨のエラーメッセージをディスプレイに表示する。例えば、「当月内で同一の商品について同一人が複数回投票すると公平性に欠けますので、投票はご遠慮頂いております。」というような表示である。そして、商品リクエスト送信プログラムは、送信を行わずにプログラムを終了する。
2回目の送信ではない場合、商品リクエスト送信プログラムは、「本人確認ができましたので、リクエスト情報を送信します。」というようなメッセージと、OKボタンとをディスプレイに表示する。そして、ここでOKボタンがタップされると、商品リクエスト送信プログラムは、まず、商品リクエスト情報仮ファイルに新レコードを追加し、「セッション日時」、「ユーザーID」及び「商品ID」の各フィールドにそれぞれ情報を記録する。次に、商品リクエスト送信プログラムは、これらの商品リクエスト情報を外部管理サーバ5に送信する。
この参考例では、商品リクエスト情報DBFは、外部管理サーバ5の記憶部に記憶されており、外部管理5サーバには、商品リクエスト保存プログラムが実装されている。商品リクエスト送信プログラムは、商品リクエスト保存プログラムを実行するスクリプトを含んでおり、図6に示すように、このスクリプトを実行すると、商品リクエスト送信プログラムは終了である。商品リクエスト保存プログラムは、商品リクエスト情報を商品リクエスト情報DBFに記録するプログラムである。
図8は、商品リクエスト情報DBFの一例を示した概略図である。図8に示すように、商品リクエスト情報DBFは、「セッション日時」、「自販機ID」、「商品ID」、「ユーザーID」などのフィールドから成るレコードを多数記録したファイルである。「セッション日時」は、商品リクエストが送信された日時を記録したフィールドである。「自販機ID」は、商品リクエスト情報が送信されたリクエスト用コンピュータ3が装着された自販機を特定する情報を記録したフィールドである。「商品ID」は、リクエストされた商品を特定する情報、「ユーザーID」はリクエストを送信したユーザーを特定する情報である。
商品リクエスト保存プログラムには、商品ID、自販機ID及びユーザーIDが引数として渡されるようになっている。商品リクエスト保存プログラムは、商品リクエスト情報DBFを開き、レコードを新たに追加し、引数として渡された商品ID、自販機ID及びユーザーIDをそれぞれのフィールドに記録し、セッション情報からセッション日時を取得して記録するようプログラミングされている。
一方、図7に示すように、本人確認画面には、「ユーザー登録がお済みでない方はユーザー登録してからご利用ください。」というメッセージが表示されるようになっており、「新しくユーザー登録をする」と表記されたボタン(ユーザー登録ボタン)67が設けられている。リクエスト用コンピュータ3には、ユーザー登録プログラムがインストールされており、リクエスト用コンピュータ3の記憶部にはユーザー登録画面のフォームファイル(以下、ユーザー登録画面ファイル)が記憶されている。ユーザー登録ボタン66には、ユーザー登録画面ファイルがリンクされている。
図9は、ユーザー登録画面の一例について示した概略図、図10は、ユーザー登録プログラムの概略を示したフローチャートである。図9に示すように、ユーザー登録画面には、「任意のユーザーIDを設定して下さい(半角英数6〜10文字)。他の方が使用していなければ設定できます。」というようなメッセージが表示されるようになっており、ユーザーID入力欄69と、OKボタン70とが設けられている。OKボタン70には、ユーザー登録プログラムの実行コマンドが埋め込まれている。登録ユーザーDBFは、「ユーザーID」、「パスワード」及び「写真データファイル名」の各フィールドから成るレコードを多数記録したファイルである。図9に示すように、ユーザー登録プログラムは、まず、ユーザー登録画面で入力されたユーザーIDが既に他の所属者により登録されていないかどうか判断する。
即ち、図10に示すように、ユーザー登録プログラムは、入力されたユーザーIDで登録ユーザーDBFを検索し、ユーザーIDが一致するレコードがあるかどうか判断する。一致するレコードがあれば、「このユーザーIDは既に使用されています。別のIDを入力してOKボタンをタップして下さい。」というようなメッセージを表示し、ユーザーID入力欄69、OKボタン70及びキャンセルボタンが設けられた画面をもう一度表示する。そいて、OKボタン69がタップされたら上記処理を繰り返す。キャンセルボタンがタップされたら、ユーザー登録プログラムを終了し、ユーザー登録画面を閉じる。ユーザーIDが使用可能である旨を表示し、そのIDでユーザー登録する。
ユーザーIDが入力されたものに一致するレコードが無ければ、ユーザー登録プログラムは、そのユーザーIDは使用可能である旨を表示し、さらに、写真撮影を求める旨のメッセージを画面に表示するようになっている。例えば、「不正投票防止のため、顔写真を撮影し登録させて頂きます。宜しいですか? 尚、写真データは、不正投票防止のためにのみ利用し、他の目的では一切使用しません。」というようなメッセージである。
上記メッセージとともに、OKボタンとキャンセルボタンとが表示されるようになっており、OKボタンがタップされると、リクエスト用コンピュータ3が内蔵するカメラにより写真撮影が行われ、写真データの新しいファイルが作成される。ユーザー登録プログラムは、写真データについてユーザーIDを利用して適宜ファイル名を付与し、このファイル名でリクエスト用コンピュータ3の記憶部に写真データを記憶する。その後、ユーザーID、パスワード、写真データファイル名を登録ユーザーDBFに新しいレコードを追加して記録するようになっている。キャンセルボタンがタップされた場合、ユーザー登録を中止する旨のメッセージを表示した後、写真撮影を行わずにユーザー登録プログラムを中止する。
ユーザー登録が正しく行われると、商品リクエスト送信プログラムは、「ユーザー登録が済みましたので、リクエスト情報を送信します。」というようなメッセージと、OKボタンとを表示するようになっている。ここでOKボタンがタップされると、同様に商品リクエスト情報が送信され、外部管理サーバ5上の商品リクエスト情報DBFに記録される。
尚、ユーザー登録プログラムは、ユーザー登録の際、初期パスワードとして共通のもの(例えば“1111”)を設定するようになっている。この点は、図示は省略されているが、ユーザー登録の際に予めユーザーに告知される。図4や図7に示すように、初期画面や本人確認画面には、パスワード変更と表記されたボタン(以下、パスワード変更ボタン)71が設けられている。リクエスト用コンピュータ3の記憶部には、パスワード変更画面のフォームファイルが記憶されており、パスワード変更ボタン71にはパスワード変更画面のフォームファイルがリンクされている。パスワード変更画面には、社員ID欄とパスワード入力欄が設けられており、パスワード入力欄には初期パスワード(例えば“1111”)がデフォルト値として表示されるようになっている。
パスワード変更画面には、OKボタンが設けられており、OKボタンにはパスワード変更プログラムの実行コマンドが埋め込まれている。ユーザーID及びパスワードが入力されてOKボタンがタップされると、パスワード変更プログラムは、不正なパスワード変更を抑止するため、写真撮影の許可を求める旨のメッセージをOKボタン及びキャンセルボタンとともに表示する。そして、OKボタンがタップされたら、写真撮影を行い、ユーザーIDを利用したファイル名で写真データを記憶部に記憶するとともに、入力されたパスワードを登録ユーザーDBFに記録する。即ち、入力されたユーザーIDに「ユーザーID」のフィールドの値が一致するレコードを検索し、該当レコードの「パスワード」のフィールドに、入力されたパスワードを上書きしてレコードを更新する。
尚、上述したユーザー登録の際、既に同一のユーザーIDのレコードが登録ユーザーDBFにあった場合、ユーザー登録プログラムは、「このユーザーは既にユーザー登録されています。」というようなメッセージを表示し、プログラムを終了する。これは、初期パスワードが発行されることで既存のパスワードを初期パスワードで更新してしまうエラーを回避するためである。
このようにしてリクエスト用コンピュータ3から送信されて記録された商品リクエスト情報は、外部管理会社のスタッフがクライアントコンピュータを操作することで閲覧可能となっている。具体的に説明すると、外部管理サーバ5には、管理用のプログラムとして、リクエスト情報閲覧プログラムが実装されている。図1に示すように、外部管理サーバ5は、外部管理会社のスタッフが操作する管理用のクライアントコンピュータ(以下、管理用クライアント)8からのアクセスを許可するようになっている。
リクエスト情報閲覧プログラムは、自販機を指定して一定の期間で商品リクエスト情報DBFの内容を集計し、その集計結果を閲覧させるプログラムである。自販機の特定は、自販機IDを直接入力させるか、事業所名や設置場所の情報をリスト表示して選択させることで行われる。集計は、集計期間内にセッション日時が入っており、自販機IDが一致する全てのレコードについて、商品ID毎にレコード件数を数えるものである。この他、一つの事業所に設置された複数の自販機について集計する場合もある。これらの詳細は、特許文献1に開示されているので、詳細な説明は割愛する。
このようなリクエスト情報の集計結果の閲覧は、各自販機においても可能となっている。図3に示すように、リクエスト用コンピュータ3上に表示される初期画面には、「リクエスト状況を見る」と表記されたボタン(以下、状況閲覧ボタン)63が設けられている。状況閲覧ボタン63には、リクエスト状況閲覧プログラムの実行コマンドが埋め込まれている。状況閲覧ボタン63は、当該リクエスト用コンピュータ3が装着された自販機の自販機IDを引数にしてリクエスト状況閲覧プログラムを起動するようになっている。リクエスト状況閲覧プログラムは、同様に自販機IDを検索キーにして集計期間内で商品リクエスト情報DBFの各レコードを集計する。そして、表示用のフォームファイルに組み込んだ後、アクセスしてきたリクエスト用コンピュータ3に送信し、ディスプレイに表示させるようになっている。
図11は、リクエスト状況閲覧プログラムの実行結果の一例を示したものであり、ある自販機において所定の集計期間内に送信された商品リクエスト情報がリクエスト用コンピュータ3のディスプレイに表示された状態を示した概略図である。図11に示すように、リクエスト情報閲覧プログラムでは、集計期間(例えば1ヶ月)内でリクエスト送信のレコード件数が多い順に商品名等の情報がリスト表示される。
このような構成である参考例の事業所内自動販売機の運用について、以下に説明する。外部管理会社は、事業所の担当部署に自販機の設置について申し入れし、許可を取る。
外部管理会社のスタッフは、商品マスタファイルをリクエスト用コンピュータ3の記憶部に記憶し、この際、設置する自販機に当初投入する予定の商品について当該レコードの「販売中」のフィールドに真値を入力する。それ以外の商品のレコードについては、「販売中」のフィールドはデフォルト値(偽値)のままとする。更新プログラムが実行され、可能商品DBFが新たに生成又は更新される。また、商品リクエスト送信プログラムや、ユーザー登録プログラム等も、当該リクエスト用コンピュータ3の記憶部に記憶されて実行可能とされる。
設置予定の自販機は、図1及び図2に示すように改造された上で、事業所に持ち込まれて設置される。そして、上記のように各種ファイルが記録され、各種プログラムをインストールしたリクエスト用コンピュータ3は、電源スイッチがオンされ、初期画面を表示する操作が行われた後、保持枠31に差し込まれて装着される。リクエスト用コンピュータ3は、自販機の筐体10内の増設ACコンセントにアダプタケーブルで接続される。そして、自販機の電源が入れられ、自販機の前面扉2が閉じられて自販機の稼働が開始される。
所属者は、休憩時間やランチタイム等に自販機を利用し、商品(ここでは清涼飲料)を購入する。この際、初期画面を表示しているリクエスト用コンピュータ3のディスプレイに目がいく。初期画面に表示されているメッセージ「この自販機で販売して欲しい商品のリクエストが送信できます。」に興味を持ち、可能商品閲覧ボタン61にタップする。これにより、可能商品リストがディスプレイに表示される。
所属者は、可能商品リスト画面を適宜スクロールしながら、リストを閲覧し、リクエストしたい商品があったら、その行のリクエストボタン64をタップする。これにより、本人確認画面が表示される。所属者はまだユーザー登録していないので、ユーザー登録ボタン66にタップし、ユーザー登録画面を表示する。そして、自分のユーザーIDを入力し、OKボタン68をタップしてユーザー登録する。そして、ユーザー登録が終わった後の画面でOKボタンをタップすると、選択した商品の商品リクエスト情報が送信され、外部管理サーバ5上の商品リクエスト情報DBFに記録される。尚、所属者は、上記送信の際、又は後日の利用の際、パスワード変更ボタン71をタップし、パスワードを任意のものにする。
他の所属者も、自販機を利用した際、商品リクエストに興味を持った場合、同様に商品リクエスト情報を送信する。外部管理サーバ5の商品リクエスト情報DBFには、送信があるたびに新しいレコードが追加される。
一方、外部管理会社のスタッフは、管理用クライアント8を操作して定期的に外部管理サーバ5にアクセスし、リクエスト情報閲覧プログラムを実行させる。これにより、特定の自販機におけるリクエストの集計結果を確認する。そして、外部管理会社の責任者は、リクエスト件数の多い商品について、当該自販機への新規投入をルートサービスマンに指示する。尚、外部管理会社は、各自販機における商品の販売実績を集計している。新規商品を投入する場合には、売り上げの最も低い商品と入れ替える場合が多く、その場合には、この情報が参照される。
また、所属者は、自販機を利用する際、自分がリクエスト送信をした商品がどの程度のランキングであるか興味を持ったり、自分はリクエスト送信をしていないが、どのような商品がリクエストされているか興味を持ったりする場合がある。このような場合、所属者は、初期画面でリクエスト状況閲覧ボタン63をタップする。この結果、当該集計期間におけるリクエスト状況(件数のランキング)がディスプレイに表示される。
尚、自販機に新しく投入されるにはあと何票の投票が必要であるというような表示を併せて行い、同僚などにリクエスト送信を行わせるように動機付けしても良い。また、特許文献1に教示されているように、リクエスト状況の表示だけではなく、当該自販機において販売中の商品について販売数の少ない順のランキングを表示するようにし、販売数を多くしないと入れ替え対象になってしまう旨のメッセージを表示しても良い。
上記構成に係る参考例の事業所内自動販売機によれば、所属者は、自販機に装着されているリクエスト用コンピュータ3を操作することで商品リクエストを送信することができ、自分が使っている会社のコンピュータを操作したり、自分の携帯電話を操作したりする必要がない。このため、所属者の個人情報の管理について厳しい会社であっても参考例の自販機の設置について許可を得ることができ、所属者に商品をリクエストさせるサービスを容易に導入することができる。
尚、ユーザー登録の際に顔写真を撮ることを告知するユーザー登録プログラム及びディプレイは、参考例における告知手段を構成している。告知手段としては、この他、音声により告知する手段などが採用できる。また、告知手段により告知し、実際には顔写真を撮らないようにして不正投票を防止又は抑制すると、顔写真データを記録する記憶部の容量が不要になったり、顔写真データを記録したり読み取ったりする処理が不要になったりする。このため、ハードウェアを簡略化してコスト低減を図ったり、情報の送信や保存を高速化して画面遷移を速めたりすることが可能になるというメリットがある。
上述した参考例において、商品リクエスト送信プログラムは、商品リクエスト情報仮ファイルを検索した際、一定の期間内に同一のユーザーID及び同一の商品IDのレコードがあった場合でも、商品リクエスト情報を外部管理サーバに送信するようにしても良い。この場合でも、送信される情報にユーザーIDと商品IDが含まれる限り、外部管理サーバにおいて重複投票であることを判断できる。外部管理サーバにおいて、重複投票の場合には商品リクエスト情報DBFへの記録をしないように商品リクエスト保存プログラムをプログラミングすることができるし、リクエスト情報閲覧プログラムやリクエスト状況閲覧プログラムにおいて、重複投票の場合にはカウントしないようにして集計することができる。
上記の場合、ユーザーID及び商品IDは重複投票を特定する情報ということになるが、重複投票であることを示す情報を別途設定し、この情報とともに商品リクエスト情報を外部管理サーバに送信しても良い。具体的には、重複投票である旨の情報を引数に含ませて、商品リクエスト保存プログラムを実行するようにする。
次に、本願発明の実施形態の事業所内自動販売機について説明する。図12は、本願発明の実施形態の事業所内自動販売機及びその運用システムの概略図である。
この実施形態の自販機1は、装着されたリクエスト用コンピュータ3が異なる。他の部分については参考例とほぼ同様である。この実施形態の自販機1も、参考例と同様にリクエスト用コンピュータ3を装着している。この実施形態では、商品リクエスト情報DBFは、外部管理サーバ5の記憶部ではなくリクエスト用コンピュータ3の記憶部に記憶されている。即ち、リクエスト用コンピュータ3は、外部管理サーバ5に送信することなく自身の記憶部の商品リクエスト情報DBFに商品リクエスト情報を集積するようになっている。
より具体的に説明すると、本実施形態においても、リクエスト用コンピュータ3には、可能商品リスト表示プログラムや本人確認プログラムがインストールされており、記憶部には商品マスタファイル、可能商品DBF、登録ユーザーDBFが記憶されている。したがって、初期画面で可能商品表示ボタン61がタップされると、可能商品リストがディスプレイに表示され、リクエストボタン64がタップされると、本人確認画面が表示される。
この実施形態では、リクエスト用コンピュータ3には商品リクエスト保存プログラムがインストールされており、本人確認画面のOKボタン67には、商品リクエスト保存プログラムの実行コマンドが埋め込まれている。
参考例と同様に、可能商品閲覧ボタン61には当該行の商品の商品IDが埋め込まれており、タップされた際に商品IDはメモリ変数に格納される。本人確認画面のOKボタン67は、メモリ変数を読み出し、これを引数にして商品リクエスト保存プログラムを実行するようになっている。また、各自販機には自販機IDが予め付与されており、商品リクエスト保存プログラムに対して定数として自販機IDが与えられる。即ち、変数としての商品ID及びユーザーIDと定数としての自販機IDとを引数にして商品リクエスト保存プログラムが実行される。
この実施形態では、商品リクエスト情報DBFはリクエスト用コンピュータ3の記憶部に記憶されており、商品リクエスト保存プログラムは、このファイルに商品リクエスト情報を記録して保存するプログラムである。商品リクエスト情報DBFは、同様に、「商品ID」、「ユーザーID」、「自販機ID」、「実行日時」等のフィールドから成るレコードを多数記録したファイルである。
商品リクエスト保存プログラムは、参考例の場合と同様、重複投票でないかどうかチェックしてから商品リクエスト情報の記録を行うようになっている。即ち、商品リクエスト保存プログラムは、引数として渡されたユーザーID及び商品IDを検索キーにして商品リクエスト情報DBFを検索し、「実行日時」が一定の期間内に入っており、ユーザーID及び商品IDが一致するレコードがあるかどうか同様に判断する。あれば、同様にエラーメッセージを表示し、ファイル記録を行わずにプログラムを終了する。無ければ、商品リクエスト情報DBFに新しいレコードを追加し、実行日時、ユーザーID、商品ID及び自販機IDをそれぞれのフィールドに記録する。その上で、商品リクエスト情報DBFを更新する。実行日時は、プログラム実行の際のシステム時刻である。
この実施形態でも、状況閲覧プログラムがリクエスト用コンピュータ3にインストールされており、商品リクエスト状況の閲覧が可能である。状況閲覧プログラムは、リクエスト用コンピュータ3の記憶部から商品リクエスト情報DBFを読み出し、リクエスト件数が多い順に商品のリストをディスプレイに表示する。
この実施形態では、リクエスト投票結果に応じて当該自販機1への投入商品を切り替えていくため、商品リクエスト情報DBFを記憶した記憶部を定期的に回収し、商品リクエスト情報DBFの読み取りを行う。具体的に説明すると、ルートサービスマンは、自販機の前面扉2を開けて商品の補充を行った際、リクエスト用コンピュータ3を取り外して回収する。そして、別のリクエスト用コンピュータ3を保持枠31に装着する。別のリクエスト用コンピュータ3の記憶部には、空の(レコード件数がゼロの)商品リクエスト情報DBFが記憶されており、それ以外のプログラムやファイルは、それまで装着されていたリクエスト用コンピュータ3と同様である。
尚、登録ユーザーDBFについては、別のリクエスト用コンピュータ3に引き継ぐ必要があるので、ルートサービスマンは、装着されていたリクエスト用コンピュータ3の記憶部にある登録ユーザーDBFを、新たに装着する別のリクエスト用コンピュータ3にコピーする。例えば、装着されていたリクエスト用コンピュータ3にUSBメモリを装着して登録ユーザーDBFをコピーし、そのUSBメモリを別のリクエスト用コンピュータ3に着け換えて登録ユーザーDBFをコピーする。図2に示すように、リクエスト用コンピュータ3は、筐体10内(前面扉2の内側)に装着されているので、この作業は、ルートサービスマンは行うことができるが、自販機1を利用する所属者は行えない。
回収されたリクエスト用コンピュータ3は、外部管理サーバ5との間で通信が可能な環境下に置かれ、その上で、外部管理サーバ5に対する情報の一括送信が行われる。例えば、図11に示すように、回収されたリクエスト用コンピュータ3は、外部管理会社のオフィスに持ち込まれ、そのオフィスのLAN経由でインターネット4に接続され、外部管理サーバ5へのアクセスが行われる。外部管理サーバ5には、商品リクエスト情報をまとめて送信させるプログラム(以下、一括送信プログラム)が実装されており、外部管理会社のスタッフなど、権限のある者がアクセスした場合にのみ実行されるようになっている。
一括送信プログラムは、回収されたリクエスト用コンピュータ3の記憶部にある商品リクエスト情報DBFの各レコードについて1件ずつ情報を送信させ、外部管理サーバ5の記憶部にある商品リクエスト情報DBF(以下、区別するため、このDBFを商品リクエスト情報マスタDBFと呼ぶ)に記録するプログラムである。回収されたリクエスト用コンピュータ3から商品リクエスト情報DBFをファイルごと転送させ、サーバ上でファイルを開いてレコードを一件ずつコピーするようにしても良い。
このようにして、ルートサービスマンは、定期的に各リクエスト用コンピュータ3を交換し、回収したリクエスト用コンピュータ3は通信可能な環境下に置かれて外部管理サーバ5に対して商品リクエスト情報を一括送信する。尚、図12に示すように、インターネット4への接続環境が整えられている事業所については自販機に装着された状態で商品リクエスト情報が逐次送信されるから、参考例の自販機と実施形態の自販機とが混在した状態となる場合もある。
尚、実施形態において、回収されたリクエストコンピュータを外部管理サーバ5に直接つなげるのではなく、商品リクエスト情報DBFを別の管理用クライアント8の記憶部にコピーし、別の管理用クライアント8が外部管理サーバ5にアクセスして各レコードを商品リクエスト情報マスタDBFにコピーするようにしても良い。
いずれにしても、この実施形態によれば、商品リクエスト情報はリクエスト用コンピュータ3の記憶部にまず集積され、その後、リクエスト用コンピュータ3が回収された後、一括して外部管理サーバ5に送信されて商品リクエスト情報マスタDBFに集積される。このため、リクエスト用コンピュータ3は、自販機に装着されている環境下では、外部管理サーバ5との通信機能を持つ必要がない。
つまり、ある事業所に自販機が設置された場合、その事業所では、Wi−Fiのような無線LANの設備は用意されておらず、有線のLAN設備の使用も許可されない場合があり得る。さらに、電波状態が悪くてモバイル通信サービスも利用できない場合もあり得る。このような場合、参考例のような自販機では、リクエスト用コンピュータ3から商品リクエスト情報を外部管理サーバ5に送信することができない。一方、実施形態によれば、商品リクエスト情報を最初はリクエスト用コンピュータ3の記憶部に記憶しておき、リクエスト用コンピュータ3を自販機から回収して外部管理サーバ5にアクセス可能な環境下においた上で商品リクエスト情報を一括送信することができる。したがって、インターネット4への接続環境が整っていない場所に設置された自販機であっても、当該自販機を利用する所属者のリクエストを取り入れつつ新規商品の投入を行うことができる。
尚、実施形態において、リクエスト用コンピュータ3が外部管理サーバ5と交信しないことを前提にすると、外部管理サーバ5に送信される各商品リクエスト情報について、そのリクエストがどの自販機経由でされたかを特定する情報が必要になる。つまり、商品リクエスト情報とそのリクエスト情報が入力されたリクエスト用コンピュータを装着した自販機との対応付けが必要になる。実施形態では、商品リクエスト保存プログラムに定数として渡される自販機IDがこの対応付けを可能にしている。自販機IDは、最終的には外部管理サーバ5上の商品リクエスト情報DBFの各レコードに記録されるので、そのリクエストがどの自販機で行われたかを特定することができる。対応付けとしては、この他、リクエスト用コンピュータ3の記憶部に記憶された商品リクエスト情報DBFを他のリクエストコンピュータ3の記憶部に記憶された商品リクエスト情報DBFと識別できるようにファイル名を付与し、これに従って自販機を識別できるように各商品リクエスト情報を外部管理サーバ5に一括送信するようにしても良い。商品リクエスト情報DBFのファイル名を自販機毎に変える構成の他、外部管理サーバ5に送信する際に外部管理会社のスタッフが何らかの識別情報を管理用コンピュータ上で入力して各商品リクエスト情報とともに送信するようにしても良い。
上記実施形態の説明では、リクエスト用コンピュータ3ごと回収するとしたが、USBメモリや着脱式ハードディスクのように、リクエスト用コンピュータ3の記憶部が本体から切り離して回収できるものである場合、記憶部のみを回収する場合もあり得る。回収された記憶部は、管理用クライアント8に装着される。そして、商品リクエスト情報DBFが読み取られ、各レコードの情報が外部管理サーバ5に送信されて商品リクエスト情報マスタDBFに記録される。
また、実施形態においても、重複投票であると判断された場合でも商品リクエスト情報DBFへの記録、保存を行うようにしても良い。この場合、同様にリクエスト状況閲覧などの際に重複投票をオミットして集計を行うようにする。
上述した参考例及び実施形態において、ユーザーIDは所属者が任意に設定したIDであるが、ユーザーIDは一つの自販機のリクエスト用コンピュータ3で登録された範囲において重複がないかどうかチェックするのみであるので、外部管理サーバ5で扱う場合には、さらに識別情報を付与して管理することが望ましい。例えば、「ユーザーID+自販機ID」をグローバルユーザーIDとして設定し、外部管理サーバ5に商品リクエスト情報を送信する際には、ユーザーIDからグローバルIDを自動生成して送信情報に含めるようにする。
また、パスワードについても、上記のように初期パスワードを共通設定するのではなく、任意のパスワードを最初から所属者に設定させても良い。
上記参考例及び実施形態において、同一のユーザーID及び同一の商品IDで一定の期間内に重複して商品リクエスト情報を送信したり保存したりすることは禁止されるが、異なる商品IDであれば制限はない。つまり、同一の所属者が、商品aも希望し、商品bも希望し、商品cも希望し、・・・ということはあり得るので、許容される。ただ、あまり多数の商品についてリクエストを許容すると、やはり公平性に欠けるので、一定に制限しても良い。具体的には、参考例において、商品リクエスト情報仮ファイルを検索した際、セッション日時が一定の期間内に入っており、商品IDは異なるもののユーザーIDが一致するレコードの件数をカウントし、この件数が一定値以上であれば、エラーメッセージを表示して商品リクエスト情報を送信しないようプログラミングしても良い。実施形態の場合も、エラーメッセージを表示して商品リクエスト情報DBFへの記録をしないようプログラミングしても良い。尚、重複投票についても、例えば2回を限度に認めるとか、3回を限度に認めるとかいった扱いをしても良い。
また、上記参考例及び実施形態において、定期的に可能商品更新プログラムを実行して可能商品DBFを更新するのではなく、可能商品閲覧ボタン61がタップされた際、その都度、可能商品リストを作成して表示するようにしても良い。具体的には、可能商品閲覧ボタン61がタップされた際、商品マスタDBFにアクセスし、「販売中」のフィールドが偽値であるすべてのレコードの情報を読み出し、リストにしてディスプレイに表示するようプログラミングしても良い。この場合には、可能商品DBFそのものが不要になる。
また、商品マスタDBFにおける「販売中」のフィールドの値の変更は、ルートサービスマンが商品の補充の際に併せて行うとしたが、参考例の場合は、インターネット4を介したアクセスによって変更するようにしても良い。例えば、外部管理サーバ5に商品マスタDBFの更新プログラムを実装する。この更新プログラムは、管理用クライアント8からの指示で実行されるものである。外部管理サーバ5の記憶部には、自販機DBFが記憶されており、自販機DBFには各自販機に装着されたリクエスト用コンピュータ3のIPアドレス等を記録したフィールドを含ませるようにする。更新プログラムは、自販機IDを引数にして実行されるようにし、該当するレコードのIPアドレスを読み出し、そのIPアドレスのコンピュータ(リクエスト用コンピュータ3)にアクセスするようにする。そして、商品マスタDBFを開き、新たに投入された商品については「販売中」のフィールドを真値に変更し、販売を取りやめた商品については「販売中」のフィールドを偽値に変更する。このように更新プログラムをプログラミングすることで、ルートサービスマンによるマニュアル操作を不要にすることができる。
また、実施形態において、入れ替えて装着する別のコンピュータの記憶部には空の商品リクエスト情報DBFが記憶されているとしたが、空でなくとも良い。即ち、それまで装着されていたリクエスト用コンピュータ3の商品リクエスト情報DBFを、装着する別のリクエスト用コンピュータ3の記憶部にコピーし、そこにさらに商品リクエスト情報を集積していくようにしても良い。このようにすると、商品リクエスト情報DBFにどんどん情報が溜まっていくので、例えば年1回程度の頻度で商品リクエスト情報DBFの全レコードをコピーした上で(バックアップを取った上で)、空にする(全レコードを削除する)ようにしても良い。
上記参考例及び実施形態において、所属者の顔写真を撮影することは、前述したように不正なリクエスト送信を抑制する意義がある。不正なリクエスト送信とは、他の所属者に成りすましてリクエスト送信したり、不正に多数回リクエスト送信したりすることである。所属者に任意のユーザーIDを設定させてユーザー登録する場合、既にユーザー登録をしているのに、別のユーザーIDを設定して別人としてユーザー登録し、重複してリクエスト送信することも可能である。この場合、商品Aというものを希望するリクエスト送信が、Xという所属者とYという所属者からあったように商品リクエスト情報DBFでは確認されるが、ユーザーIDに従って登録ユーザーDBFを検索し、「写真データファイル名」に従って写真ファイルを開いてみたところ、同じ人の顔であったということがあり得る。つまり、写真を撮っておけば、結果的に不正利用を見抜くことができる。
不正利用の防止や抑制は、「顔写真を撮影させて頂きます。」というメッセージを告知(ディスプレイへの表示、又は音声による告知等)するだけで、実際に顔写真を撮らなくても、効果がある。顔写真を撮られるということで、不正な利用を思いとどまってしまうからである。
尚、顔写真の撮影は、ある所属者がリクエスト用コンピュータに商品リクエスト情報を送信させる際、少なくも一回行われることが好ましい。上記の例では、送信に必要なユーザー登録の際に行われたが、ユーザー登録の際には行われず、商品リクエスト情報の送信のたびに行われるようにしても良い。この場合も、重複投票をさせようとした者(又はさせた者)は顔写真の解析によりある程度特定することができる。また、他人のユーザーIDを不正利用して投票した場合、後から本人が送信しようとした際に、重複投票になるので、エラーメッセージで本人が気がつく。したがって、本人からの知らせを受けて顔写真データを解析すれば、誰が不正をしたか判明する場合が殆どである(同じ事業所の所属者であるので)。
また、不正利用の防止や抑制は、顔写真撮影以外の手段でも可能である。例えば、指紋を撮影して登録する指紋認証の技術や、静脈パターンを登録する静脈認証の技術、その他声紋による認証技術や筆跡による認証技術などが使用できる。即ち、いわゆる生体認証(身体的特徴又は行動的特徴によって人によって人を認証すること。顔写真撮影もこれに属する)の技術全般について、利用可能である。
但し、顔写真撮影以外の生体認証技術については、タブレットPCに標準装備されていない場合が多いので、別途取り付ける必要があり、その分でコストアップが問題となり得る。
また、リクエスト用コンピュータについては、タブレットPC以外のコンピュータであって実施可能である。例えば、ノートパソコンを開いた状態にして前面扉2の内側面に装着しても良い。この場合も、予めPC用開口を前面扉に設けておき、ノートパソコンのディスプレイがPC用開口を通して視認され、キーボードが操作できるようにする。また、PC用開口の部分にディスプレイのみを装着するようにし、ディスプレイとPC本体とをケーブルでつなぐようにすれば、通常のデスクトップパソコンをリクエスト用コンピュータとして使用することも可能である。この場合、PC本体は、筐体10内の適当な空きスペースに設置され、キーボードを装着する開口を別途設ける。タブレットPCのように、ソフトウェアキーボード及びタッチスクリーンの構成を採用しても良い。
尚、上記参考例の構成において、可能商品表示プログラムや商品リクエスト送信プログラム、本人確認プログラムなどは、サーバサイトプログラム(外部管理サーバ5に実装されたプログラム)として設けられていても良い。例えば、可能商品DBFを外部管理サーバ5の記憶部に記憶しておき、リクエスト用コンピュータ3からの要求により外部管理サーバ5上の可能商品表示プログラムを実行し、記憶部から可能商品DBF内の情報を読み込んでリクエスト用コンピュータ3に送信して表示するようにしても良い。本人確認や商品リクエスト情報の送信についても同様である。但し、このようにすると、いちいち外部管理サーバ3と交信するので、リクエスト用コンピュータ3上の画面遷移に時間がかかり、ユーザー(所属者)においてストレスを感じる可能性もある。この点で、前述した参考例の方が優れている。
また、参考例及び実施形態において、可能商品リストの表示においては、販売中の商品も併せて表示しても良い。この場合、販売中の商品は例えば暗く表示されるようにし、リクエスト対象の商品(現在は販売されていないが販売可能な商品)は明るく表示されるようにして識別できるようにすると好適である。
尚、上記参考例及び実施形態において、商品マスタDBFや商品リクエストDBFに記録されている商品IDは、商品を特定する情報であるが、併せて商品の金額や温冷の別(加温での販売か冷温での販売か)を特定する情報を含ませることもある。例えば、同一の商品であっても自販機を設置する事業所によって販売金額が多少異なる場合がある。Xという会社のAという商品について“XA01”という商品IDが与えられる場合、例えば10円引きに商品についてはさらに01というIDを付加してAX0101という商品IDとし、20円引きの商品についてはAX0102とする場合がある。また、冷温での販売の場合にはさらにこれに“C”という符号を加えて“XA0101C”としたり、加温での販売の場合には“H”という符号を加えて“XA0101H”とする場合がある。したがって、同一の商品であっても、販売価格や温冷の別により商品IDが異なることがある。
1 事業所内自動販売機
10筐体
2 前面扉
20 PC用開口
3 リクエスト用コンピュータ
31 保持枠
4 インターネット
5 外部管理サーバ
61 リクエストボタン
64 リクエストボタン
8 管理用クライアント

Claims (4)

  1. 事業所内に設置されて当該事業所の所属者に利用される事業所内自動販売機であって、
    リクエスト用コンピュータを備えており、
    リクエスト用コンピュータは、当該事業所内自動販売機を利用する所属者に対して情報を表示するディスプレイと、当該事業所内自動販売機を利用する所属者が情報を入力することが可能な入力部と、記憶部とを備えており、記憶部には、商品リクエスト情報ファイルが記憶されており、
    リクエスト用コンピュータには、可能商品表示プログラムと、商品リクエスト保存プログラムと、本人確認プログラムとがインストールされており、
    可能商品表示プログラムは、当該リクエスト用コンピュータが備えられた事業所内自動販売機において現在販売されていない商品であって将来販売することが可能な商品のリストである可能商品リストをディスプレイに表示するプログラムであり、
    商品リクエスト保存プログラムは、可能商品リスト中の商品であって所属者が入力部で入力することで選択された商品の情報を商品リクエスト情報ファイルに記録して保存するプログラムであり、
    本人確認プログラムは、所属者が商品リクエスト保存プログラムによってリクエストする商品の情報を保存させる際、当該所属者の本人確認を、当該所属者が予め入力部で任意のIDを入力することでリクエスト用コンピュータの記憶部に記憶されたファイルに記録されているユーザーIDに従って行うプログラムであり、
    商品リクエスト保存プログラムは、本人確認プログラムによって同一の所属者であると特定された者が一定の期間内に所定回数又は所定個数以上の商品を選択する操作を行ったと判断された場合、商品リクエスト情報ファイルへの記録を行わないか又はその旨を特定可能な情報とともに記録するプログラムであり、
    前記記憶部又は前記記憶部を含むリクエスト用コンピュータは、事業所内自動販売機内に設けられていて、事業所内自動販売機を利用する所属者は着脱できず、事業所内自動販売を管理する外部管理会社のルートサービスマンが着脱できる状態で設けられており、
    商品リクエスト情報ファイルに記録された商品リクエスト情報は、その商品リクエスト情報ファイルを記憶した前記記憶部を備えたリクエスト用コンピュータが設けられた事業所内自動販売機に対して対応付け可能であることを特徴とする事業所内自動販売機。
  2. 前記リクエスト用コンピュータは、人間の身体的特徴又は行動的特徴を取得する特徴取得手段を備えており、
    前記商品リクエスト情報を前記商品リクエスト保存プログラムに保存させようとする所属者の身体的特徴又は行動的特徴を特徴取得手段により取得し、前記リクエスト用コンピュータの記憶部に記録することが可能であることを特徴とする請求項記載の事業所内自動販売機。
  3. 前記リクエスト用コンピュータは、所属者の身体的特徴又は行動的特徴を特徴取得手段により取得する旨を所属者に告知する告知手段を備えていることを特徴とする請求項記載の事業所内自動販売機。
  4. 前記特徴取得手段は、人間の顔写真を取得する手段であることを特徴とする請求項2又は3いずれかに記載の事業所内自動販売機。
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