JP5393946B2 - C.i.ピグメントイエロー74を含有するインク組成物 - Google Patents

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Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー74を含有するインク組成物に関し、さらに詳細には、耐光性に優れかつ吐出不良を起こさない、C.I.ピグメントイエロー74含有インク組成物に関する。
背景技術
着色剤として顔料を用いた顔料系インクは、一般に水に不溶であるため、顔料を安定分散させて沈降を防ぎ、長期にわたる良好な経時安定性が求められている。
例えば、再公表2003−97753号公報(特許文献1)には、微細なノズルからインク滴を噴射させるために、顔料を微分散させ、さらに顔料に高分子系分散剤を十分に吸着させる処理を施した、吐出性が良好で経時安定性にも優れる顔料分散液が報告されている。
インクジェット記録用インクに使用されるイエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー74が知られている。この顔料は、C.I.ピグメントイエロー 110やC.I.ピグメントイエロー 128等の他のイエロー顔料と比較して、発色性の観点からは優れるものの、耐光性に劣るといった問題がある。
この耐光性の問題に対し、C.I.ピグメントイエロー74の製造工程において反応温度を制御することにより1次粒子径を大きくさせ、かつ粒子径を均一化させることにより、耐光性が向上することが知られている。また、特開平5−70725号公報(特許文献2)には、C.I.ピグメントイエロー74において、置換基の異なる特定成分の一部を置き換え、ロジン等の表面処理を行うことにより、耐光性などの各種堅牢性が向上することが開示されている。
さらに、耐光性の観点から、C.I.ピグメントイエロー74の製造工程において反応温度を50℃以上とし、かつ顔料の粒子径を均一化させることにより耐光性が向上することが知られているが、このようなC.I.ピグメントイエロー74を用いたインクは、吐出性が問題となる場合があった。
再公表2003−97753号公報 特開平5−70725号公報
発明の概要
本発明者らは、今般、イエロー顔料として、m−ニトロ−o−アニシジンとアセト酢酸−o−アニシダイドとを50℃以上でカップリングさせたC.I.ピグメントイエロー74用いると、インク流路内でインクが目詰まりを起こし、インクの吐出不良が生じる場合があること気づき、この吐出不良の原因が、C.I.ピグメントイエロー74の合成時の副生成物であるアニシダイド化合物がインク流路内に析出することによるものであることを見出した。
そして、インク組成物中に含まれるこのアニシダイド化合物の含有量を特定の範囲とすることにより、耐光性に優れかつ吐出不良を起こさない、C.I.ピグメントイエロー74含有インク組成物が得られる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、耐光性に優れかつ吐出不良を起こさない、C.I.ピグメントイエロー74含有インク組成物を提供することにある。
本発明によるインク組成物は、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー74を少なくとも含んでなるインク組成物であって、前記C.I.ピグメントイエロー74の副生成物である、下記式(I):
Figure 0005393946
および/または下記式:
Figure 0005393946
で表されるアニシダイド化合物の含有量が1〜20ppmである。
本発明によれば、インク組成物中の式(I)および/または式(II)で表されるアニシダイド化合物の含有量を所定量とすることにより、耐光性に優れかつ吐出不良を起こさない、C.I.ピグメントイエロー74含有インク組成物を実現できる。
発明の具体的説明
本発明によるインク組成物は、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー74を含んでなるインク組成物である。以下、本発明によるインク組成物の各構成成分について説明する。
着色剤
本発明によるインク組成物は、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー74を使用する。このC.I.ピグメントイエロー74は、通常、m−ニトロ−o−アニシジンとアセト酢酸−o−アニシダイドとをカップリング反応させることにより得られる。具体的には、m−ニトロ−o−アニシジンのジアゾ化反応を行い、この反応液中にアセト酢酸−o−アニシダイドの溶液を混合し、カップリング反応を行うことにより、C.I.ピグメントイエロー74を合成することができる。
本発明においては、このカップリング反応の際に、C.I.ピグメントイエロー74の副生成物として、アセト酢酸−o−アニシダイドの環状三量体が生成することを見出すとともに、この副生成物がインク組成物中で結晶化して析出することが原因で、C.I.ピグメントイエロー74を用いたインク組成物が吐出不良や目詰まりを生じる原因であることを見出した。
C.I.ピグメントイエロー74の合成時の副生成物であるアセト酢酸−o−アニシダイドの環状三量体(以下、アニシダイド化合物とも言う。)は、下記の2種類の化学構造(I)および(II)を有している。
Figure 0005393946
Figure 0005393946
本発明においては、このアニシダイド化合物のインク組成物中含有量を1〜20ppmとすることで、耐光性に優れかつ吐出不良を起こさない、C.I.ピグメントイエロー74含有インク組成物を実現できる。
インク組成物中のアニシダイド化合物の含有量を定量する方法としては、例えば、高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCとも言う。)が挙げられ、下記の定量条件にて、アニシダイド化合物由来の特定ピークのエリア面積によって定量することができる。
高速液体クロマトグラフィーの定量条件:
・分析装置:HPLC(Shimazu製)
・カラム:TOSOH
・検出器:UV254nm
・流速:0.7ml/分
・溶離液:アセトニトリル:イオン交換水:酢酸=500:500:0.1
アニシダイド化合物のインク組成物中含有量を1〜20ppmとするには、用いる着色剤であるC.I.ピグメントイエロー74を、デカンテーションや限外濾過等によって精製し、アニシダイド化合物の結晶物を除去することにより達成できる。
また、C.I.ピグメントイエロー74の合成の際のカップリング反応温度を制御することによっても副生成物であるアニシダイド化合物の含有量を上記の範囲にすることができる。C.I.ピグメントイエロー74の色相は、通常、m−ニトロ−o−アニシジンとアセト酢酸−o−アニシダイドとのカップリング反応温度によって調節されている。C.I.ピグメントイエロー74の色相を所望の範囲内とするためには、カップリング反応の温度を50℃とする必要がある。
本発明においては、このカップリング温度と副生成物であるアニシダイド化合物の含有量とが密接に関係していることを見出した。すなわち、通常行われているカップリング温度(50℃)よりも低い温度でカップリング反応を行うことにより、アニシダイド化合物の生成が抑制されることを見出した。具体的には、カップリング温度を30℃以下とすることにより、インク組成物中のアニシダイド化合物の含有量を1〜20ppmとすることができる。しかしながら、カップリング温度を下げると、得られる顔料の色相において、L*a*b*表色系で表示した場合にL*やb*の値はほとんど変化しないものの、a*の値が増加して色彩が赤味を帯び、所望する色彩(すなわち、a*値が−1〜10の範囲)からずれてしまう。所望の色彩とするためには、カップリング温度を、30〜50℃とすることが好ましい。あるいは、分散時間を増加させて赤味へのシフトを抑制し、所望の色彩を維持することもできる。例えば、30℃以下のカップリング反応によってC.I.ピグメントイエロー74を合成した場合であっても、顔料の分散工程を通常よりも長時間行うことによって、赤味を帯びていない所望の色彩に調製することができる。
着色剤以外の成分
本発明によるインク組成物は、上記のイエロー顔料を着色剤として含んでなるものであり、着色剤に加えて、水、水溶性有機溶剤、湿潤剤、高分子分散剤、界面活性剤、その他各種添加剤を含むことができる。
本発明においては、着色剤をインク全体に対して1〜10重量%程度の範囲で含有していることが好ましい。
本発明によるインク組成物の溶媒は水と水溶性有機溶媒からなるものが好ましい。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。また、紫外線照射、または過酸化水素添加などにより滅菌した水を用いることにより、インク組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
また、水溶性有機溶媒は、好ましくは低沸点有機溶剤であり、その例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどが挙げられる。特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶剤は、インクの乾燥時間を短くする効果がある。低沸点有機溶剤の添加量はインクの0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは1.5〜6重量%の範囲である。
本発明よるインク組成物は、さらに高沸点有機溶媒などの湿潤剤を含んでなることが好ましい。湿潤剤の好ましい例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。
これら湿潤剤の添加量は、インクの0.5〜40重量%が好ましく、より好ましくは2〜20重量%の範囲である。
本発明によるインク組成物は、高分子分散剤を含んでいるのが好ましい。高分子分散剤としては、天然高分子が挙げられる。具体的には、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、アルブミンなどのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸およびアルギン酸プロピレングリコールエステルアルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。さらに、高分子分散剤の好ましい例として合成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸/アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム/アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸/アクリル酸エステル共重合体などのアクリル酸系樹脂、スチレン/アクリル酸共重合体、スチレン/メタクリル酸共重合体、スチレン/メタクリル酸/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/α−メチルスチレン/アクリル酸共重合体、スチレン/α−メチルスチレン/アクリル酸/アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン/アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン/マレイン酸共重合体、および酢酸ビニル/エチレン共重合体、酢酸ビニル/脂肪酸ビニル/エチレン共重合体、酢酸ビニル/マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、および疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体、例えばスチレン/アクリル酸共重合体、スチレン/メタクリル酸共重合体等が好ましい。
本発明によるインク組成物は、さらに界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなど)および、アセチレングリコール(オレフィンY、並びにサーフィノール82、104、440、465、および485(いずれもAir Products and Chemicals Inc.製))、オルガノシロキサン系界面活性剤(BYK347、348(いずれもビックケミー製))、リン酸エステル系界面活性剤(フォスファノールRS−410、RS−610、RS−710(いずれも東邦化学工業株式会社製))が挙げられる。これらは単独使用または二種以上を併用することができる。
また、本発明においては、上記した着色剤以外の顔料および/または染料を適当量添加することもできる。
本発明によるインク組成物は、さらにノズルの目詰まり防止剤、防腐剤、酸化防止剤、導電率調整剤、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤などを添加することができる。
防腐剤・防かび剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジンチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBND、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等を挙げることができる。
さらに、pH調整剤、溶解助剤又は酸化防止剤の例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリンなどのアミン類及びそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩など、あるいはN−メチル−2−ピロリドン、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸及びその塩を挙げることができる。
また、本発明によるインク組成物は、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を含んでいてもよく、その例としては、チバガイギー社のTinuvin 328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor 252 153、Irganox 1010、1076、1035、MD1024、ランタニドの酸化物等を挙げることができる。
本発明によるインク組成物は、上記の各成分を適当な方法で分散・混合することよって製造することができる。好ましくは、まず顔料と高分子分散剤と水とを適当な分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなど)で混合し、均一な顔料分散液を調製し、次いで、別途調製した樹脂(樹脂エマルジョン)、水、水溶性有機溶媒、糖、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等を加えて十分溶解させてインク溶液を調製する。十分に攪拌した後、目詰まりの原因となる粗大粒径及び異物を除去するためにろ過を行って目的のインク組成物を得ることができる。
本発明によれば、前述したインク組成物を使用して記録媒体に画像を形成する記録方法が提供される。とりわけ、本発明によるインク組成物は、インクジェット記録方式による記録方法に使用されることが好ましい。上記した着色剤を用いることにより、インクジェット記録方式においても、ノズル等のインク流路の目詰まりがなく、吐出不良が低減される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準である。
C.I.ピグメントイエロー74(PY74)の調製
(1)着色剤(PY74―1)の調製
m−ニトロ−o−アニシジン70.4部を水600部と35%塩酸128部とからなる溶液に溶解攪拌し、0℃に冷却した。さらに亜硝酸ナトリウム30.3部を加え、5℃以下を保持しながら1時間攪拌して、ジアゾ化成分とした。一方、アセト酢酸−o−アニシダイド90部を水2300部と水酸化ナトリウム18部とからなる溶液に溶解した。これに90%酢酸16部を添加析出させ、ついで酢酸ナトリウム85部を加えてカップリング成分とした。カップリング成分にジアゾ成分を3時間要して加えた。この間の反応は30℃※1に保持した。カップリング終了後に、ロジン15部を加え表面処理した。得られた顔料スラリーを濾過水洗し、さらにデカンテーションをおこない、圧搾して顔料(PY74−1)分45%のウエットケーキ367部を得た。
(2)着色剤(PY74―2)の調製
反応温度を50℃とした以外は、上記と同様の工程にて着色剤を調製し、PY74−2を得た。
(3)着色剤(PY74―3)の調製
反応温度を5℃とした以外は、上記と同様の工程にて着色剤を調製し、PY74−3を得た。
インク組成物の調製
下記表1に示す各インク組成物を調製した。具体的には、上記に得られた顔料と分散剤とを混合し、サンドミルで直径0.5mmガラスビーズとともに2時間分散させた。その後ガラスビーズを取り除き、粗大粒子を除去した後、10μmのメンブランフィルターでろ過し、実施例のインク組成物1〜7を得た。なお、表1に記載した各成分の添加量の単位は、特に指定する場合を除き「重量%」である。また、インク組成物中の色材濃度(固形分)は3%とした。
Figure 0005393946
表中、
PY 74は、C.I.ピグメントイエロー74を表し、
顔料分散剤は、スチレン−アクリル酸樹脂を表し、
1,2-HDは、1,2−ヘキサンジオールを表し、
TEAは、トリエタノールアミンを表し、
BYK348は、オルガノシロキサン系界面活性剤(ビックケミー製)を表す。
評価
(1)保存安定性評価(目詰まり性代替評価)
上記のようにしてインク組成物を調製した後、インクを60℃で1日以上放置し、その後10μmのフィルターを通過させた。そのフィルター表面を光学顕微鏡にて観察することにより異物発生の有無について確認した。
アニシダイド化合物が確認されなかったものを○、確認されたものを×とした。評価結果は、下記表2に示される通りであった。なお、この評価が×のインク組成物を用いてインクジェットプリンタによる印字を行ったところ、吐出不良(目詰まり)が生じた。
(2)耐光性評価
インク ジェット記録用プリンタEM−930C(セイコーエプソン(株)製)のカートリッジのイエロー部分に各インク組成物を充填したものを搭載した。このプリンタを用い、PM写真用紙(セイコーエプソン(株)製)に印刷を行った。
印刷パターンはOD値が1.0となるように印刷dutyを調整し、10mm×10mmのカラーパッチを印刷した。印刷解像度は720×720dpiとした。
光照射はキセノンウエザオメーターCi−5000(ATLAS社製)を使用して行い、照度105W/G(300〜400nm=約150,000lux)、温度24℃、湿度60%の条件で、サンプル上に空気層と2mm厚のソーダライムガラスを設置した。
照射400時間後および600時間後のOD値をそれぞれ、分光光度計GRETAGSPM100(GRETAG社製)を用いて測定し、OD値保持率を以下の基準で評価した。
A: 初期に対してOD値が70%以上残っている。
B: 初期に対してOD値が50%以上70%未満残っている。
C: 初期に対してOD値が50%未満になっている。
上記の評価の際の条件は、光源D50、光源フィルターなしで、白色標準は絶対白とし、視野角は2°とした。
評価結果は、表2に示される通りであった。
Figure 0005393946

Claims (5)

  1. 着色剤としてC.I.ピグメントイエロー74を少なくとも含んでなるインク組成物であって、前記C.I.ピグメントイエロー74の副生成物である、下記式:
    Figure 0005393946
    および/または下記式:
    Figure 0005393946
    で表されるアニシダイド化合物の含有量が1〜20ppmである、インク組成物。
  2. 前記C.I.ピグメントイエロー74が、m−ニトロ−o−アニシジンとアセト酢酸−o−アニシダイドとのカップリング反応によって得られるものである、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記着色剤が、インク組成物全体に対して、1〜10重量%含まれてなる、請求項1または2に記載のインク組成物。
  4. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、インクジェット記録方法。
  5. 請求項4に記載のインクジェット記録方法によって記録が行われた、記録物。
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