JP5393855B1 - 荷室用掛止器 - Google Patents

荷室用掛止器 Download PDF

Info

Publication number
JP5393855B1
JP5393855B1 JP2012174414A JP2012174414A JP5393855B1 JP 5393855 B1 JP5393855 B1 JP 5393855B1 JP 2012174414 A JP2012174414 A JP 2012174414A JP 2012174414 A JP2012174414 A JP 2012174414A JP 5393855 B1 JP5393855 B1 JP 5393855B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
luggage compartment
retainer
shaft
latch
compartment latch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012174414A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014031150A (ja
Inventor
晴一 加藤
Original Assignee
トモヱ工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by トモヱ工業株式会社 filed Critical トモヱ工業株式会社
Priority to JP2012174414A priority Critical patent/JP5393855B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5393855B1 publication Critical patent/JP5393855B1/ja
Publication of JP2014031150A publication Critical patent/JP2014031150A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Step Arrangements And Article Storage (AREA)

Abstract

【課題】安価に製造可能で掛止部がスムーズに回転する荷室用掛止器の提供。
【解決手段】車両200に取り付けられた際に、起立状態と倒伏状態とに切り替え可能に支持される掛止部材15を有する荷室用掛止器10において、掛止部材15に備えられる回転軸となる軸部17を保持し、車両200に備えられる被取付面100側に開口部24を備えて軸部17を支持する軸支部22と、被取付面100に当接する接続部27と、を有する取付金具20と、取付金具20と被取付面100との間に配置され、開口部24より挿入されて軸部17を押圧する押圧部28を有するよう形成されたリテーナ25と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の荷室にて荷物固定用のネット又はロープを掛け止めるために設けられる荷室用掛止器の技術に関する。
自動車の荷室には、車種によって荷室に荷物固定用のネットやロープを取り付けるために設けられる荷室用掛止器が設けられているものがある。近年は、安全思想の向上によってこうした荷室用掛止器を車両に取り付ける事を求められるケースも増えてきた。ところで、この様な荷室用掛止器は、意匠性が求められると共にスムーズに動作することが求められる。また、安価な自動車にも取り付けるニーズが高まってきているので、可能な限りのコストダウンも要求されている。
特許文献1には、荷室固定用ネットの取付構造に関する技術が開示されている。荷室フロアに設けられる収納凹所内に設けられるU字形状のフックは、その両足端が軸体に回動自在に結合され、起立姿勢から平倒姿勢にまで可変可能に構成されている。
特許文献2には、掛止部材に関する技術が開示されている。中央に凹部を有し両側に軸受け部を有してボルトを介して被取付面に取り付けられる基枠と、基枠の軸受部に軸支されて凹部内に入り込んだ収納位置と凹部から引き出された引出位置との間を回動するフック体と、基枠の軸受部に軸支されて凹部内に入り込んでボルト頭を隠蔽する倒伏状態とボルト頭を露呈する起立状態とに回動するカバー体と、カバー体の起立状態を維持する解除可能なロック手段を備えている。そして、外観上の見栄えを害することなく、基枠の凹部内に露呈するボルト頭を完全に隠蔽することができると共に、カバー体はロック手段を介してその起立状態に維持されるので、ボルトを介して基枠を被取付面に取り付ける場合には、カバー体自体の存在がその作業に支障を来すことがない。
特許文献3には、荷室用掛止器に関する技術が開示されている。その構成は、略箱形のケースと、ケースに収納されて起立位置と倒伏位置とに切り替え配置可能に指示されるフックと、ケースの底壁を貫通して設けられるボルトとを備えており、車両の荷室に設けられた凹部に嵌め込まれてボルトで固定される。また、ケースのフランジは全周に渡って切り欠きの無い平面部を有し、ケースの周壁に形成された連通孔と、連通孔の底辺から延設され折り曲げ可能に設けられる帯片とを備えている。帯片は折り曲げて連通孔からケースの中に差し入れ、帯片を折り曲げた状態で係止部をボルト又はケースに係止することによりボルトを帯片で覆う。フックは指掛孔を含み、帯片はその上面に凹曲部を含み、係止部がボルト又はケースに係止され、フックが倒伏位置に配置された状態で、帯片の凹曲部が指掛孔に整合する構成となっている。
特開2001―180384号公報 特開2006−046548号公報 特許第3955024号公報
しかしながら、特許文献1乃至特許文献3に開示される技術を用いた、荷室用掛止器には、以下に説明する課題があると考えられる。
特許文献1乃至特許文献3においては、ネットなどを引っかけるために倒伏位置と起立位置に可変可能なフックの保持は、別部品として用意されたシャフトによって行われている。シャフトはケースなどに別途保持されていると考えられる。したがって、車体に取り付けるケースにフックを配置した後、シャフトをケースとフックの脚部を貫通して配置し、シャフトをケースに保持させるといった組み立て手法が必要となる。このような組み立て工程は煩雑であり、コストダウンには不向きであると考えられる。
そこで、出願人はフックにD形金具を用いてシャフトと一体化する方法を提案した。図14に、出願人が提案した荷室用掛止器110の側面断面図を示す。D形金具115の湾曲部分は図示しないフックが掛けられる。一方で、D形金具115の直線部分は取付金具120から縁設された部分が巻き付けられる形状に加工され、軸支部122が形成されている。したがって、部品の状態でD形金具115は取付金具120の軸支部122によって軸支されている。このような荷室用掛止器110を用いることで、シャフトをケースとフックの脚部を貫通して組み立てると言った手間を省くことが出来るので、車両への取付性を向上させることに貢献が出来る。
ただし、ここで提案した荷室用掛止器110は、金属製の取付金具120を曲げ加工してD形金具115を軸支する軸支部122を形成している。具体的にはD形金具115の軸部を中心として巻き込むように曲げ加工し、軸支部122を形成する。このため、軸支部122の加工精度を高めることが困難であり、軸支部122の内周とD形金具115の軸部分の外周とのクリアランスを一定に保つことが難しい。この結果、製品のバラツキによってD形金具115の動きが若干渋くなるものが発生することを出願人は確認した。このような動きの渋さは、荷室用掛止器としての性能には何ら問題を生じないが、自動車の使用者には製品不良と判断される虞があり、望ましくない。
そこで、本発明はこのような課題を解決するために、安価に製造可能で掛止部がスムーズに回転する荷室用掛止器を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の一態様による荷室用掛止器は、以下のような特徴を有する。
(1)車両に取り付けられた際に、起立状態と倒伏状態とに切り替え可能に支持される掛止部材を有する荷室用掛止器において、前記掛止部材に備えられる回転軸となる軸部を保持し、前記車両に備えられる被取付面側に開口部を備えて前記軸部を支持する軸支部と、前記被取付面にリテーナを介して接する接続部と、を有する取付具と、前記取付具と前記被取付面との間に配置され、前記開口部より挿入されて前記軸部を押圧する押圧部を有するよう形成された前記リテーナと、を備えること、を特徴とする。
上記(1)に記載の態様により、掛止部材の回転軸となる軸部をリテーナによって押圧する形態で、車両の被取付面に掛止部材が取り付けられる。こうすることで、掛止部材の軸部には常に予圧が掛かった状態となり、起立状態から倒伏状態に切り替える場合にもスムーズな動作が得られる。課題で示した金属製の取付金具に軸部を支持させる場合、軸支部に曲げ加工を用いる為に寸法精度を高めることが困難で、製品によってスムーズさにバラツキが出てしまう虞がある。しかし、リテーナによって軸部に予圧を与えることでこの加工精度のバラツキの問題を解消できる。また、リテーナの構造は押圧部を備える簡素な構成で実現できるため、コストを抑えることが可能である。したがって、安価な荷室用掛止器の提案が可能となる。
(2)(1)に記載の荷室用掛止器において、前記リテーナは、薄板金属体が立体的に形成され、前記押圧部と、前記押圧部に縁設され前記取付具に接合され保持される基部と、を有し、前記接続部が前記被取付面に取り付けられた際に、前記リテーナが前記取付具の前記接続部に押され、前記押圧部が前記開口部内で前記軸部を加圧すること、を特徴とする。
上記(2)に記載の態様により、立体的に形成された薄板金属体を用いることで、リテーナが板バネとして働き、掛止部材の軸部を加圧する。例えば、取付具を被取付面に取り付けることで、リテーナの押圧部が開口部内に深く挿入されるような形状にリテーナを形成されれば、予圧のコントロールが薄板金属体の厚みや材質、或いは形状によってコントロールすることができる。つまり、リテーナにより適切な加圧力を得られる。よって、安価に製造可能でフック部分がスムーズに回転させることが可能な荷室用掛止器の提供が可能となる。
(3)(1)又は(2)に記載の荷室用掛止器において、前記掛止部材は、環状に成形され前記軸部で接合されて接合部分が形成され、前記リテーナの前記押圧部には、前記軸部の前記接合部分に対応する部分に切欠部が形成されていること、を特徴とする。
上記(3)に記載の態様により、リテーナに切り欠き部が形成されていることで、掛止部材の軸部に形成された接合部分との干渉を避けることが可能となる。掛止部材は所定の強度を要求される場合には金属で形成されることが望ましいが、線材を環状に曲げ接合することを想定すると、接合は溶接などの方法に頼ることになる。よって、接合部分に溶接ビードなどが形成され、これを削る等の処理はコストに影響するため最小限に抑えたい。そこで、リテーナ側に切欠部を設け、この接合部分との干渉を避ける。こうすることで、接合部分にビードなどによる突起があった場合にも、リテーナとの干渉を避けることが可能であり、掛止部材の回動に影響を与えることを防ぐことが可能となる。
(4)(3)に記載の荷室用掛止器において、前記取付具の前記軸支部に、前記軸部の前記接合部分に対応する部分に、前記接合部分と干渉することを避けるための退避部が形成されていること、を特徴とする。
上記(4)に記載の態様により、軸支部に退避部が設けられていることで、(3)の効果と同様に接合部分と軸支部との干渉を避けることが可能となる。この結果、軸支部と軸部に設けられた接合部分とが干渉することで発生する、掛止部材の回動に影響を与えることを防ぐことが可能となる。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の荷室用掛止器において、前記取付具は、前記被取付面に対して前記接続部に有するボルト孔にボルトを貫通させて取り付けられ、前記ボルト孔に、前記リテーナの一部がかしめられていること、を特徴とする。
上記(5)に記載の態様により、取付具にリテーナの一部をかしめ加工して保持させることで、取付具と、取付具の軸支部に保持される掛止部材と、リテーナとが一体の部品として組み付け可能となる。このことにより、荷室用掛止器を車両の被取付面に取り付ける際の作業性を向上させることが可能となる。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の荷室用掛止器において、前記軸支部は、その一端が前記接続部と接続し、他端が前記被取付面に貫通して挿入される挿入部と接続し、前記挿入部は、前記被取付面の裏面に引っ掛けられるよう折り曲げられていること、を特徴とする。
上記(6)に記載の態様により、荷室用掛止器は接続部と挿入部によって被取付面に保持されることとなる。この為、掛止部材がフックなどによって引っ張られた際に、構造的に軸支部の両側に被取付面と係合しているので、荷室用掛止器の変形を抑えることが可能である。この様な構造は、図14に示す荷室用掛止器のような片持ち構造の荷室用掛止器に比べて、同じ板厚でより大きな引っ張り応力に耐えることが可能であり、荷室用掛止器自身に生じる歪みを抑えることが可能となる。
第1実施形態の、荷室用掛止器の平面図である。 第1実施形態の、荷室用掛止器の側面図である。 第1実施形態の、掛止部材の平面図である。 第1実施形態の、取付金具の平面図である。 第1実施形態の、取付金具の側面図である。 第1実施形態の、荷室用掛止器の取付状況を示した側面断面図である。 第1実施形態の、リテーナの平面図である。 第1実施形態の、リテーナの側面図である。 第1実施形態の、車内に荷室用掛止器を取り付けた様子を示す斜視図である。 第2実施形態の、荷室用掛止器の平面図である。 第2実施形態の、荷室用掛止器の側面図である。 第2実施形態の、掛止部材の平面図である。 第2実施形態の、取付金具の平面図である。 比較のために用意した、荷室用掛止器の取付状況を示した側面断面図である。
まず、本発明の第1の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1に、第1実施形態の荷室用掛止器の平面図を示す。図2に、荷室用掛止器の側面図を示す。荷室用掛止器10は、図1に示すようにリング状に形成された掛止部材15と取付金具20、そしてリテーナ25よりなる。掛止部材15は円形断面の金属製線材をD形状に曲げ加工してなる。図3に、掛止部材15の平面図を示す。掛止部材15は掛止部16と軸部17とからなり、軸部17にはバット溶接によって形成された接合部18が設けられている。その表面にはハードクロムメッキが施されている。
取付金具20は、2〜3mmの厚みのあるSPH590等の金属平板を曲げ加工して形成されている。図4に、取付金具20の平面図を示す。図5に、取付金具20の側面図を示す。取付金具20には取付金具接続部21と軸支部22を有しており、曲げ加工によって軸支部22は略U字形に形成されている。したがって、軸支部22の開口部24は、後述する車両に設けられる被取付面100側に開口するよう形成されることとなる。取付金具接続部21の中央部付近には、図示しない車両の被取付面100にボルト50を用いて荷室用掛止器10を取り付け可能なようにボルト孔23が設けられている。軸支部22には図2に示される様に掛止部材15の軸部17が配置される。軸支部22の一端には挿入部22bが延設されている。
図7に、リテーナの平面図を示す。図8に、リテーナの側面図を示す。リテーナ25は0.8mmの厚みの薄板で形成されており、材質にはSPCC270等の軟質の鉄材が用いられている。リテーナ25はバーリング加工部26を備えるリテーナ基部27と、リテーナ基部27より縁設される押圧部28が備えられる。押圧部28は曲げ加工で形成されており、取付金具20に形成される軸支部22の曲げ部22aとリテーナ25の曲げ加工部28aとは、取付金具20にリテーナ25を組み付けた際に干渉しないように、曲げ部22aより曲げ加工部28aの方が曲げ半径が大きくなるよう形成されている。
このような掛止部材15、取付金具20、及びリテーナ25が組み合わされて荷室用掛止器10が形成されている。具体的には、取付金具20の軸支部22に掛止部材15の軸部17が配置され、その状態で、リテーナ25のバーリング加工部26が取付金具20のボルト孔23にバーリング加工されて保持される。この結果、掛止部材15は軸支部22の内部に押圧部28で押さえられて保持されるので、掛止部材15、取付金具20及びリテーナ25が一体的な部品として、車両200に取り付け可能となる。この状態の荷室用掛止器10をハードクロムメッキ加工して、荷室用掛止器10の美観を整える。なお、掛止部材15、取付金具20及びリテーナ25はパーツ毎にメッキ加工され、その後組み立てられても良い。
図6に、荷室用掛止器の取付状況を側面断面図に示す。図9に、車両に設けられた荷室用掛止器の様子を斜視図に示す。図9には、車両200の荷室のサイドに荷室用掛止器10が設けられている。図6に示される様に、荷室用掛止器10は、開口部24を貫通して通されたボルト50によって、被取付面100に締め付けられて固定されている。被取付面100には挿入部22bの挿入されるスリット100aも形成されている。挿入部22bがスリット100aに挿入されることで被取付面100に荷室用掛止器10が位置決めされ、ボルト50によって固定される。荷室用掛止器10は被取付面100に固定された状態で、軸部17を中心に回転して起立状態Aと倒伏状態Bとに切り替えが可能である。荷室用掛止器10は対向する面にも設けられており、図示しない引掛け具を引っかけたり、紐を用いて荷室150に収納する荷物を固定する用途に用いたりすることが可能である。
第1実施形態の荷室用掛止器10は上記構成であるので、以下に説明するような作用又は効果を奏する。
第1実施形態に示すような構造の荷室用掛止器10を用いることで、安価に製造可能で掛止部材15がスムーズに回動可能な荷室用掛止器10を提供することが可能となる。これは、車両200に取り付けられた際に、起立状態と倒伏状態とに切り替え可能に支持される掛止部材15を有する荷室用掛止器10において、掛止部材15に備えられる回転軸となる軸部17を保持し、車両200に備えられる被取付面100側に開口部24を備えて軸部17を支持する軸支部22と、被取付面100にリテーナ25を介して接する取付金具接続部21と、を有する取付金具20と、取付金具20と被取付面100との間に配置され、開口部24より挿入されて軸部17を押圧する押圧部28を有するよう形成されたリテーナ25と、を備える構成である為である。
すなわち、荷室用掛止器10の掛止部材15は、軸部17が取付金具20の軸支部22によって、その半分を覆われ、被取付面100側からリテーナ25の押圧部28によって押圧されて支持される。これは、車両200の被取付面100に荷室用掛止器10が取り付けられた状況で実現される。この結果、車両200に取り付けられた荷室用掛止器10は、軸部17に押圧部28が常に押圧力を掛けている状況となる。
このように、軸部17に押圧部28が押圧力を掛けた状態が保持されることで、掛止部材15の動作がスムーズに行われるようになる。この構成によって、取付金具20の加工精度に殆ど左右されずに押圧力を維持できるので、荷室用掛止器10の個体差を少なくできるメリットがある。押圧部28が軸部17に対して掛ける押圧力は、リテーナ25の材質及び形状に左右される。したがって、材質や形状を適宜選択することで、調整が可能である。
課題に示したように、従来の構成では掛止部材の回転軸となるシャフトを別途用意して組み付ける手法であり、コストダウンをすることが困難であった。一方で、課題に示したような掛止部材15にD形金具を用いて、保持する側を曲げ加工によって形成するようなケースだと、部品点数は削減できるものの、保持側の金具の曲げ加工精度によって掛止部材15の動きが渋くなる問題があった。しかし、第1実施形態の荷室用掛止器10では、押圧部28によって軸支部22の内面側に軸部17を押し付ける力によって掛止部材15を保持できる。このため、掛止部材15の動きが取付金具20の加工精度に左右されにくくなる。この為、安価に製造可能で掛止部材15がスムーズに回転する荷室用掛止器10の提供が可能となる。
また、リテーナ25の加工精度に関しては、加工精度高めることが比較的容易である。これは、リテーナ25は、薄板金属体が立体的に形成され、押圧部28と、押圧部28に縁設され取付金具20に接合され保持されるリテーナ基部27と、を有し、取付金具接続部21が被取付面100に取り付けられた際に、リテーナ25が取付金具20の取付金具接続部21に押され、押圧部28が開口部24内で軸部17を加圧する構成である為である。すなわち、リテーナ25をプレス加工等で形成可能な図8に示される様な立体的な形状に形成することが可能であり、つまり、加工精度を高めることが比較的容易である。これによって、荷室用掛止器10の掛止部材15の動作について、製品毎のバラツキが少なくなるように提供することが可能となる。
また、第1実施形態の荷室用掛止器10は、取付金具20に対してリテーナ25がバーリング加工部26によってかしめ加工されているため、掛止部材15、取付金具20及びリテーナ25が一体的な部品となっている。このため、荷室用掛止器10を被取付面100へ直接取り付ける事が容易となる。
また、荷室用掛止器10の開口部24と曲げ部22aとが軸支部22を挟んだ位置に設けられていることで、取付金具20の板厚を薄くしても引っ張り強度を維持できる効果が得られる。図14に示したように、スリット100aに挿入される挿入部123が図14の右側、即ちボルト50側に設けられている場合、軸支部122を引っ張られると取付金具120が片持ち構造となる。荷室用掛止器110は、例えばISO27955やISO27956に対応し、規定された引っ張り応力に耐え、歪みを抑える必要がある。しかし、荷室用掛止器110の変形を抑えるためには取付金具120の板厚を厚くする手法を採る必要がある。しかし、出願人の試算ではA1方向の引っ張り強度が規定値をクリアするために板厚を4mm以上にしなければならず、軸支部22の形状精度を高めることがより難しくなる。
一方、第1実施形態の荷室用掛止器10の場合は、被取付面100に取り付けられた荷室用掛止器10の掛止部材15が起立状態Aの状態である際に、図6に示すように図示しないフックなどから矢印A1方向に引っ張り力を受ける。この力を直接受けるのが軸支部22であり、ボルト50と挿入部22bとの関係で荷室用掛止器10の取付強度を高めている。具体的には、軸支部22が引っ張られると挿入部22bは例えば図6の図面上方向である矢印A1に引っ張られる(なお、実際は所定の角度範囲内で引っ張られても、所定の歪み範囲内に収まる必要があるが、説明を簡略化している)。この際に、ボルト50が被取付面100に締め付けられる締結力と、挿入部22bが設けられていることで生じる抗力によって、軸支部22の変形を抑えることができる。
軸支部22が矢印A1の方向に引っ張られることで、挿入部22bにも矢印A2方向に引っ張られることになる。しかし挿入部22bは被取付面100に設けられたスリット100aに挿入され、挿入部22bが図面左方向に曲げられて形成されているために、挿入部22bが被取付面100に引っかかる。この結果、軸支部22は曲げ部22aと取付金具接続部21の両側で支持される結果となり、軸支部22の変形を抑制することが可能となる。このことは、図14に示される例に比べ、取付金具20に用いる金属の板厚を抑えることにも繋がり、荷室用掛止器10を車両200に取り付けている際の引っ張り強度を高め、歪み量を抑えることに繋がる。また、取付金具20の板厚を抑えられることで、製品の軽量化を図ることにも貢献できる。また、軸支部22の変形が抑えられることで、リテーナ25の押圧部28からの圧力も維持される結果となる。
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、第2実施形態の荷室用掛止器10は第1実施形態の取付金具20とほぼ同じ構成であるが、取付金具20及びリテーナ25の構成が若干異なる。
図10に、第2実施形態の、荷室用掛止器10の平面図を示す。図11に、荷室用掛止器10の側面図を示す。図12に、掛止部材15の平面図を示す。図13に取付金具20の平面図を示す。第1実施形態の荷室用掛止器10と異なる点は、図12に示す掛止部材15の接合部18である。通常、バット溶接などの溶接手法を用いると溶接部分に該当する接合部18が外周側に盛り上がってしまう。この溶接ビードを第1実施形態では削っているが、第2実施形態では、取付金具20の軸支部22に退避部22cとしてプレス加工で凹み部分を設けている。また、リテーナ25にも図7に示される様に押圧部28に切欠部29が設けられている。
この退避部22cに関しては、まず平板状の取付金具20に対して退避部22cをプレス加工等で設け、その後に軸支部22を曲げ加工することで形成することができる。また、リテーナ25の切欠部29に関しては、リテーナ25をプレス加工機などで打ち抜き加工する際に一緒に形成することが可能である。
このような取付金具20の退避部22cと、リテーナ25の切欠部29によって、掛止部材15の接合部18との干渉を回避することが出来るので、掛止部材15のバット溶接後に接合部18のビード部分を削り取る工程を要しない。この為、荷室用掛止器10のコストダウンに貢献することが可能である。また、接合部18の強度低下の虞なども考慮しなくて良く、接合部18が軸支部22及びリテーナ25に干渉して掛止部材15の回動に影響する心配も不要となる。車両200の安全基準などが見直され、荷室用掛止器10に求められる引っ張り強度は高くなる傾向にある。特に欧州の基準は厳しいため、掛止部材15の強度が高められることは望ましい。
以上、本実施形態に則して発明を説明したが、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更することにより実施することもできる。例えば、荷室用掛止器10の車両200への取付位置は、車両の設計思考によって異なる為、これを変更することを妨げない。また、例示した材質やその厚み等はこれに限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で変更することを妨げない。また、表面にはハードクロムメッキが施されているとしているが、これに限定されることなく別の表面処理方法を用いても良い。
10 荷室用掛止器
15 掛止部材
16 掛止部
17 軸部
18 接合部
20 取付金具
21 取付金具接続部
22 軸支部
22a 曲げ部
22b 挿入部
22c 退避部
23 ボルト孔
24 開口部
25 リテーナ
26 バーリング加工部
27 リテーナ基部
28 押圧部
28a 曲げ加工部
29 切欠部
100 被取付面

Claims (5)

  1. 車両に取り付けられた際に、起立状態と倒伏状態とに切り替え可能に支持される掛止部材を有する荷室用掛止器において、
    前記掛止部材に備えられる回転軸となる軸部を保持し、前記車両に備えられる被取付面側に開口部を備えて前記軸部を支持する軸支部と、前記被取付面にリテーナを介して接する接続部と、を有する取付具と、
    前記取付具と前記被取付面との間に配置され、前記開口部より挿入されて前記軸部を押圧する押圧部を有するよう形成された前記リテーナと、を備え、
    前記取付具は、前記被取付面に対して前記接続部に有するボルト孔にボルトを貫通させて取り付けられ、
    前記ボルト孔に、前記リテーナの一部がかしめられていること、
    を特徴とする荷室用掛止器。
  2. 請求項1に記載の荷室用掛止器において、
    前記リテーナは、薄板金属体が立体的に形成され、前記押圧部と、前記押圧部に縁設され前記取付具に接合され保持される基部と、を有し、
    前記接続部が前記被取付面に取り付けられた際に、前記リテーナが前記取付具の前記接続部に押され、前記押圧部が前記開口部内で前記軸部を加圧すること、
    を特徴とする荷室用掛止器。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の荷室用掛止器において、
    前記掛止部材は、環状に成形され前記軸部で接合されて接合部分が形成され、
    前記リテーナの前記押圧部には、前記軸部の前記接合部分に対応する部分に切欠部が形成されていること、
    を特徴とする荷室用掛止器。
  4. 請求項3に記載の荷室用掛止器において、
    前記取付具の前記軸支部に、前記軸部の前記接合部分に対応する部分に、前記接合部分と干渉することを避けるための退避部が形成されていること、
    を特徴とする荷室用掛止器。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載の荷室用掛止器において、
    前記軸支部は、その一端が前記接続部と接続し、他端が前記被取付面に貫通して挿入される挿入部と接続し、
    前記挿入部は、前記被取付面の裏面に引っ掛けられるよう折り曲げられていること、
    を特徴とする荷室用掛止器。
JP2012174414A 2012-08-06 2012-08-06 荷室用掛止器 Expired - Fee Related JP5393855B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012174414A JP5393855B1 (ja) 2012-08-06 2012-08-06 荷室用掛止器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012174414A JP5393855B1 (ja) 2012-08-06 2012-08-06 荷室用掛止器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5393855B1 true JP5393855B1 (ja) 2014-01-22
JP2014031150A JP2014031150A (ja) 2014-02-20

Family

ID=50112273

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012174414A Expired - Fee Related JP5393855B1 (ja) 2012-08-06 2012-08-06 荷室用掛止器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5393855B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105253065A (zh) * 2015-11-12 2016-01-20 张家港孚冈汽车部件有限公司 汽车行李箱货物捆绑器
KR20160119091A (ko) * 2014-02-06 2016-10-12 가부시키가이샤 파이오락꾸스 유지장치
TWI707790B (zh) * 2019-12-10 2020-10-21 黃漢卿 隱藏式繫繩勾之穩定結構

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101943846B1 (ko) * 2017-04-03 2019-04-18 (주)베바스토동희 홀딩스 디플렉터 링크 조립구조

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160119091A (ko) * 2014-02-06 2016-10-12 가부시키가이샤 파이오락꾸스 유지장치
JPWO2015118572A1 (ja) * 2014-02-06 2017-03-23 株式会社パイオラックス 保持装置
US10040400B2 (en) 2014-02-06 2018-08-07 Piolax, Inc. Retaining device
KR102178026B1 (ko) * 2014-02-06 2020-11-12 파이오락스(주) 유지장치
CN105253065A (zh) * 2015-11-12 2016-01-20 张家港孚冈汽车部件有限公司 汽车行李箱货物捆绑器
TWI707790B (zh) * 2019-12-10 2020-10-21 黃漢卿 隱藏式繫繩勾之穩定結構

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014031150A (ja) 2014-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5393855B1 (ja) 荷室用掛止器
EP1950085A2 (en) Seat apparatus for vehicle
JP4405327B2 (ja) フロントフェンダ構造
JP5489320B2 (ja) アームレスト
US20150321589A1 (en) Seat device
JP5691872B2 (ja) シートバック
JP2010184647A (ja) カーゴネット装置
US10604079B2 (en) Handle-integrated hanger
US7559599B2 (en) Panel side door structure for a motor vehicle
JP2019006257A (ja) 車両用シート
JP3755702B2 (ja) 自動車のテールエンドメンバートリム構造
JP4563860B2 (ja) トノカバー装置
JP6267000B2 (ja) 車両におけるシート装置
JP6094944B2 (ja) シートクッショントリムの取付構造
JP4029955B2 (ja) 車両用サンバイザ
JP6984330B2 (ja) 内装部品の取付構造
JP5713177B2 (ja) 車両の荷室構造
CN211493654U (zh) 一种油箱支架
JP7452229B2 (ja) 車室用フック構造
JP2015096362A (ja) 車両用ドアトリム
JP6479503B2 (ja) グローブボックス構造
JP2017030479A (ja) 車両用シートの取付構造
JP4988238B2 (ja) シートバック用テーブル
CN220929915U (zh) 网兜卡扣、侧围网兜、车门和车辆
JP2018114863A (ja) 車両用ドアのアームレスト

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131015

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5393855

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees