JP4988238B2 - シートバック用テーブル - Google Patents

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Description

この発明は、座席のシートバックの背部に仕舞い位置と使用位置との間に亘る回動可能に備えられて、この使用位置においてこの座席の後方においてテーブルとして利用されるシートバック用テーブルの改良に関する。
ヒンジ部を介してシートバックに上下回動可能に取り付けられるテーブル本体と、ブラケットを介してシートバック側に後端で回動可能に支持されるシャフトとを備え、このシャフトの先端をテーブル本体に設けたガイド溝に入れ込ませることにより、テーブル本体が水平となる使用位置にある状態を維持するようにした座席用テーブルとして特許文献1に示されるものなどがある。
ここで、軽量化の観点からはかかるテーブル本体は薄肉の板体、特に合成樹脂の薄肉の板体から構成することが望まれるところであるが、単純に前記のようなテーブル本体を薄肉に構成するとテーブル本体が使用時に歪むなどし易く、このためまた、前記使用位置と格納位置とに亘るテーブル本体の回動操作時にテーブル本体に捩れを生じこの回動操作を円滑に行い難くする。こうしたことから、この種のテーブル本体をできるだけ薄肉に構成させながら、その剛性を効果的に高めることが望まれるところであった。
特開2002−36930号公報
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種のシートバック用テーブルにおいて、テーブル本体自体の剛性を高めなくても、これをシートバックに回動可能に組み付けるためのヒンジ体を利用してテーブル本体の使用時の歪みや回動操作時の捩れなどを効果的に減じるようにする点にある。
前記課題を達成するために、この発明にあっては、シートバック用テーブルを、以下の(1)〜(4)この構成を備えたものとした。
(1)テーブル本体と、
(2)シートバックの背部への取り付け部を備えた一方ヒンジ構成体と、この一方ヒンジ構成体に一端側で回動可能に組み付け合わされると共にこの一端と他端との間にテーブル本体の裏面部への取り付け支持部を備えた他方ヒンジ構成体とからなるヒンジ体とを備えており、
(3)このヒンジ体によってテーブル本体の裏面部をシートバックの背部に沿わせた仕舞い位置とテーブル本体の表面部を略水平に位置させた使用位置との間でのテーブル本体の回動がなされるようになっていると共に、
(4)このヒンジ体の取り付け支持部が、テーブル本体の使用位置においてシートバックの背部から突き出す方向に長く延びるように構成してある。
かかる構成によれば、使用位置にあるテーブル本体に、その利用によって荷重が作用されたときの、テーブル本体の変形を、ヒンジ体の取り付け支持部の長さによって、テーブル本体の剛性を高めることなく、できる限り減少させることができる。また、テーブル本体の使用位置と仕舞い位置とに亘る回動操作においても、テーブル本体の捩れ歪みを生じることなく、ヒンジ体における一方ヒンジ構成体と他方ヒンジ構成体との回動組み付け箇所を中心としてテーブル本体を安定的に回動させることができる。すなわち、テーブル本体を軽量な合成樹脂などによって構成させておきながら、このテーブル本体のいわば骨としてヒンジ体の取り付け支持部を機能させることにより、このテーブル本体にできるだけ歪みなどが生じないようにすることができる。
かかるヒンジ体の取り付け支持部を、テーブル本体の使用位置においてシートバックの背部から突き出す方向におけるこのテーブル本体の寸法の約半分かそれ以上の長さを持つようにしておけば、かかる取り付け支持部による前記機能を効果的に発揮させることができる。
左右一対のヒンジ体によってテーブル本体を支持するようにしておくこともある。このようにした場合、テーブル本体をより変形少なく、かつ、安定的に、ヒンジ体を介してシートバックに取り付け、また、支持することができる。
前記一方ヒンジ構成体と他方ヒンジ構成体との回動組み付け部分に、少なくともテーブル本体の仕舞い位置とテーブル本体の使用位置とにおいて掛合し合って、少なくともこの両位置において一方ヒンジ構成体と他方ヒンジ構成体とがなす姿勢を維持する掛合手段を備えさせておくこともある。
この場合にはさらに、掛合手段の掛合が、使用位置にあるテーブル本体に上方より所定の大きさ以上の荷重が作用されたときには、解除されるようにしておくこともある。
このようにした場合、テーブル本体が使用位置にある状態と仕舞い位置にある状態をそれぞれ、ヒンジ体によって安定的に維持することができる。また、例えば、使用位置にあるテーブル体に通常のテーブルとしての使用では作用されない大きさの力が作用されたときには、テーブル体の仕舞い位置への回動を生じさせてこうした大きさの力の作用によるヒンジ体の破損を防止することができる。
また、前記テーブル本体の、使用位置において前端側となる縁部、及びこの前端と後端との間に亘る側縁部との間に間隔を開けた位置において、このテーブル本体の裏面部にヒンジ体の取り付け支持部を取り付けるようにしておけば、かかる間隔によってテーブル本体の縁部を把持などしてなすその回動操作などにあたり指がヒンジ体に接することがない。
前記テーブル本体の縁部に、その裏面部側において、周回立ち上がり部を形成させ、取り付け支持部がこの周回立ち上がり部の突き出し端から突き出さないようにしておけば、他方ヒンジ構成体の取り付け支持部を周回立ち上がり部の突き出し端とテーブル本体の裏面部との間内に納めることができる。
前記テーブル本体に容器の胴部の通し穴を形成させておくと共に、
このテーブル本体の裏面部側に、テーブル本体に回動可能に組み付けられたアーム部と、容器の底部の支持部とを備えた容器支持体を備えさせ、
さらに、スプリング一端をテーブル本体に止着させ、かつ、スプリング他端をアーム部に止着させたターンオーバースプリングによって、この容器支持体が、テーブル本体の裏面部側から通し穴を支持部により塞ぐ第一回動位置と、この裏面部から離れたこの通し穴の直下に支持部を位置させる第二回動位置とにおいてそれぞれ、位置づけられるようにしておくこともある。
このようにした場合、テーブル本体を使用位置に回動させただけでは通し穴が開放されないようにすることができる。この状態から通し穴に容器を入れ込むと支持部が押されて容器支持体は第一回動位置から第二回動位置に回動され、入れ込まれた容器の底部を支持部によって支える。この状態から容器を通し穴から抜き出しても容器支持体は第二回動位置に位置づけさせ続けられる。
この発明にかかるシートバック用テーブルにあっては、一方ヒンジ構成体をその取り付け部をもってシートバックに取り付けるだけでテーブル本体をシートバックに回動可能に備え付けることができると共に、他方ヒンジ構成体の取り付け支持部をもって、かかるテーブル本体自体の剛性を高めなくても、テーブル本体の使用時の歪みや回動操作時の捩れなどを効果的に減じることができる。
以下、図1〜図12に基づいて、この発明を実施するための最良の形態について説明ずる。
なお、ここで図1は、実施の形態にかかるシートバック用テーブルをテーブル本体1の裏面部10側から見た状態として、図2〜図5は、使用位置にあるテーブル本体1の要部をそれぞれ示しており、特に、図2および図3このテーブル本体1に備えられた容器支持体13が第二回動位置にある状態を、また、図4はこのテーブル本体1に備えられた容器支持体13が第一回動位置にある状態を示している。また、図6は、かかるテーブルを、ヒンジ体2の化粧カバー3、4を取り外した状態で示している。
図7〜図11はぞれぞれ、ヒンジ体2の一つを表しており、特に図8はテーブル本体1を仕舞い位置に位置づけるときのヒンジ体2の様子を示している。また、図12は、一対のヒンジ体2と、これらに対する化粧カバー3、4とを、分離させた状態で示している。
この実施の形態にかかるシートバック用テーブルは、座席のシートバックSB(背もたれ部)の背部SB’に仕舞い位置と使用位置との間に亘る回動可能に備えられて、この使用位置においてこの座席の後方においてテーブルとして利用されるものである。
かかるテーブルは、典型的には、自動車、航空機、鉄道車両、船舶などの座席に取り付けられて、その座席の後方に位置される座席を利用する者のテーブルとして利用されるものである。
かかるテーブルは、テーブル本体1と、ヒンジ体2とを備えている。
テーブル本体1は、かかるヒンジ体2によって、テーブル本体1の裏面部10をシートバックSBの背部SB’に沿わせた仕舞い位置とテーブル本体1の表面部を略水平に位置させた使用位置との間での回動可能な状態でシートバックSBの背部SB’に取り付けられるようになっている。
図示の例では、かかるテーブル本体1を、取り付け対象となる座席の左右方向に沿った向きに長く、かつ、この座席の前後方向に短い、略長方形の盤状をなすように構成させている。かかるテーブル本体1の縁部には、このテーブル本体1の裏面部10側において、周回立ち上がり部11が形成されており、前記仕舞い位置ではこの周回立ち上がり部11の突き出し端がシートバックSBの背部SB’に接するようになっている。また、この周回立ち上がり部11によってテーブル本体1の裏面部10側は、その使用位置において下面を開放させた箱状を呈しており、後述する他方ヒンジ構成体20の取り付け支持部21aは周回立ち上がり部11の突き出し端とテーブル本体1の裏面部10との間内に納められ、また、前記仕舞い位置において折りたたまれたヒンジ体2はテーブル本体1内に納まるようになっている。
また、この実施の形態にあっては、前記テーブル本体1に飲料容器などの容器の胴部の通し穴12が形成されていると共に、このテーブル本体1の裏面部10側に、テーブル本体1に回動可能に組み付けられたアーム部13aと、容器の底部の支持部13bとを備えた容器支持体13が備えられている。そして、スプリング一端13dをテーブル本体1に止着させ、かつ、スプリング他端13eをアーム部13aに止着させたターンオーバースプリングによって、この容器支持体13が、テーブル本体1の裏面部10側から通し穴12を支持部13bにより塞ぐ第一回動位置(図3の位置)と、この裏面部10から離れたこの通し穴12の直下に支持部13bを位置させる第二回動位置(図4の位置)とにおいてそれぞれ、位置づけられるようになっている。
図示の例では、かかるテーブル本体1の巾方向に沿った縁部の一方側に、容器の胴部の通し穴12が形成されている。また、容器支持体13は、テーブル本体1の裏面部10であって、その後端側にアーム基部を回動可能に組み付けたアーム部13aと、このアーム部13aの突き出し端側に回動可能に組み付けられた容器の底部の支持部13bとから構成されている。アーム部13aの長さ方向略中程の位置とその突き出し端との間は上下方向において開放された略方形の枠状をなすように構成されており、一方、支持部13bはこの枠状部13g内に納まる板状をなすように構成されている。支持部13bはこのアーム部13aの突き出し端において枠状部13gに左右方向に軸線を沿わせた回動軸13iをもって回動可能に組み付けられている。容器支持体13の第一回動位置において支持部13bは略水平に位置され通し穴12を下方から塞ぐ。容器支持体13が第二回動位置にありアーム部13aが突き出し端に向かうに連れて次第に斜め下がりとなったときは、支持部13bは前記回動軸13iより後方にあるその前端をアーム部13aの突き出し端側にある枠状部13gの内部に形成された段差面13hに下方から突き当てて容器支持体13が第一回動位置にあるときと同様に略水平に位置づけられるようになっている。
図示の例では、ターンオーバースプリングは、スプリング巻回部13fの巻回軸線を左右方向に配したねじりコイルバネ13cによって構成されている。そのスプリング一端13dは、アーム部13aの回動軸13jと通し穴12との間においてをテーブル本体1に止め着けられている。また、そのスプリング他端13eは、前記回動軸13jと枠状部13gとの間においてアーム部13aに止め着けられている。アーム部13aの回動軸13jとスプリング一端13dの止着位置およびスプリング他端13eの止着位置の位置関係は、スプリング一端13dとスプリング他端13eとの間の前後方向でのピッチを容器支持体13が第一回動位置と第二回動位置との間の中間回動位置にあるときに最も狭くするようにしてある。そして、この中間回動位置に容器支持体13があるときねじりコイルバネ13cのスプリング巻回部13fが弾性的に絞られるようになっている。これにより、容器支持体13が第一回動位置にあるときは第二回動位置に向けた回動にねじりコイルバネ13cが抵抗を与え、かつ、容器支持体13が第二回動位置にあるときは第一回動位置に向けた回動にねじりコイルバネ13cが抵抗を与えるようになっている。
これによりこの実施の形態にあっては、テーブル本体1を使用位置に回動させただけでは通し穴12が開放されないようにすることができる。この状態から通し穴12に容器を入れ込むと支持部13bが押されて容器支持体13は第一回動位置から第二回動位置に回動され、入れ込まれた容器の底部を支持部13bによって支える。この状態から容器を通し穴12から抜き出しても容器支持体13は第二回動位置に位置づけさせ続けられる。
ヒンジ体2は、一方ヒンジ構成体20と他方ヒンジ構成体21とを組み合わせてなる。かかる一方ヒンジ構成体20は、シートバックSBの背部SB’への取り付け部20aを備えている。他方ヒンジ構成体21は、この一方ヒンジ構成体20に一端側で回動可能に組み付け合わされると共にこの一端と他端との間にテーブル本体1の裏面部10への取り付け支持部21aを備えている。
図示の例では、一方ヒンジ構成体20は、金属の板材に曲げ加工などを施すことにより構成されている。取り付け部20aは、シートバックSBの背部SB’の傾斜に倣った傾斜を持ち、かつ、上下方向に長い板状をなすように構成されている。この取り付け部20aには上下に間隔を開けて一対のネジの通し穴20b、20bが備えられており、この通し穴20bを利用してシートバックSBへの取り付けがなされるようにしてある。また、一方ヒンジ構成体20はこの取り付け部20aの上下方向に沿った一方縁部から後方に突き出す突き出し部20cを備えている。この突き出し部20cは、一辺を取り付け部20aの上下方向に沿った一方縁部に一体に連接させた三角板部20dと、略円形をなす丸板部20fと、この丸板部20fの内外面を共に三角板部20dの内外面と平行に位置づけるようにこの丸板部20fの下部と三角板部20dの上辺とをつなぐ連接板部20hとから構成されている。連接板部20hは、三角板部20dの上辺から斜め上方に突き出しており、この連接板部20hによって丸板部20fの面は三角板部20dの外面20e(取り付け部20aとの間に内隅を作る側と反対側にある面)の外側に位置されるようになっている。また、丸板部20fには、軸体22の通し穴20gが形成されている。
一方、他方ヒンジ構成体21も、金属の板材に曲げ加工などを施すことにより構成されている。他方ヒンジ構成体21の取り付け支持部21aは、テーブル本体1の仕舞い位置において上下方向に長く、かつ、その使用位置において前後方向に長くなるように配された長板状をなすように構成されている。この取り付け支持部21aにはその長さ方向に間隔を開けて三箇所のネジの通し穴21bが備えられており、この通し穴21bを利用してテーブル本体1の裏面部10への取り付けがなされるようにしてある。また、他方ヒンジ構成体21における取り付け支持部21aの長さ方向に沿った一方縁部は、テーブル本体1の使用位置において上方に突き出す立ち上がり部21cによって縁取られている。他方ヒンジ構成体21も、軸体22の通し穴21fを備えた略円形をなす丸板部21eを備えている。この丸板部21eは、その面を取り付け支持部21aの面に直交させる向きに配させるように、連接板部21gを介して取り付け支持部21aの一端側に連接されている。具体的には、接続板部21gは前記立ち上がり部21cに連続しており、取り付け支持部21aの一端からこの取り付け支持部21aの一方縁部から離れる向きの傾斜を持ちながら突き出しており、この連接板部21gによって丸板部21eの面は、立ち上がり部21cの外面21d(取り付け支持部21aとの間に内隅を作る側と反対側にある面)の外側に位置されるようになっている。
そして、図示の例にあっては、かかる一方ヒンジ構成体20の丸板部20fの通し穴20gと他方ヒンジ構成体21の丸板部21eの通し穴21fとに軸体22を通し固定することで、一方ヒンジ構成体20に他方ヒンジ構成体21を回動可能に組み合わせている。図示の例では軸体22は、頭部22aと脚部22bとを有しており、一方ヒンジ構成体20の取り付け部20aの外面と他方ヒンジ構成体21の立ち上がり部21cの外面との間に軸体22の軸線方向(左右方向)において両者を干渉させない間隔を開けるようにして一方ヒンジ構成体20の丸板部20fの一面と他方ヒンジ構成体21の丸板部21eの一面とを向き合わせた状態から、他方ヒンジ構成体21の丸板部21eの通し穴21fから入れ込ませた軸体22の脚部22bをカシメて一方ヒンジ構成体20に固定することにより、一方ヒンジ構成体20に他方ヒンジ構成体21を軸支させている。
また、この実施の形態にかかるシートバックSB用テーブルにあっては、ヒンジ体2の取り付け支持部21aが、テーブル本体1の使用位置においてシートバックSBの背部SB’から突き出す方向におけるこのテーブル本体1の寸法L1の約半分かそれ以上の長さL2を持つようにしてある。
これにより、使用位置にあるテーブル本体1に、その利用によって荷重が作用されたときの、テーブル本体1の変形を、ヒンジ体2の取り付け支持部21aの長さによって、テーブル本体1の剛性を高めることなく、できる限り減少させることができる。また、テーブル本体1の使用位置と仕舞い位置とに亘る回動操作においても、テーブル本体1の捩れ歪みを生じることなく、ヒンジ体2における一方ヒンジ構成体20と他方ヒンジ構成体21との回動組み付け箇所を中心としてテーブル本体1を安定的に回動させることができる。すなわち、テーブル本体1を軽量な合成樹脂などによって構成させておきながら、このテーブル本体1のいわば骨としてヒンジ体2の取り付け支持部21aを機能させることにより、このテーブル本体1にできるだけ歪みなどが生じないようにすることができる。かかるヒンジ体2は前記金属の他、剛性の高い合成樹脂から構成してあっても良い。
また、この実施の形態にあっては、左右一対の前記ヒンジ体2によって前記テーブル本体1を支持するようにしてあり、テーブル本体1をより変形少なく、かつ、安定的に、ヒンジ体2を介してシートバックSBに取り付け、また、支持できるようになっている。
また、この実施の形態にあっては、一方ヒンジ構成体20と他方ヒンジ構成体21との回動組み付け部分に、少なくともテーブル本体1の仕舞い位置とテーブル本体1の使用位置とにおいて掛合し合って、少なくともこの両位置において一方ヒンジ構成体20と他方ヒンジ構成体21とがなす姿勢を維持する掛合手段23が備えられている。
図示の例では、一対のヒンジ体2のそれぞれにおいて、一方ヒンジ構成体20の丸板部20fと他方ヒンジ構成体21の丸板部21eの間にある軸体22に二枚のワッシャー体23a、23aが通されこれらの間に挟み込まれている。二枚のワッシャー体23a、23aは、スプリングワッシャーとしての機能を持つように構成されており、その弾発力によって、二枚のワッシャー体23a、23aの一方の一面は一方ヒンジ構成体20の丸板部20fの面に、二枚のワッシャー体23a、23aの他方の一面は他方ヒンジ構成体21の丸板部21eの面にそれぞれ常時押し付けられていると共に、両ワッシャー体23a、23aの他面同士は圧接されている。この二枚のワッシャー体23a、23aの一方にはその直径方向両側に隆起部23bが形成されており、一方、二枚のワッシャー体23a、23aの他方にはこのワッシャー体23aの円周方向において略90度毎に隆起部23bの入り込む凹所23cが形成されている。そして、この例では、使用位置と仕舞い位置との間に亘ってテーブル本体1が略90度回動されるようになっていると共に、それぞれの位置においてワッシャー体23aの一方の隆起部23bが他方の凹所23cに入り込むようになっている。すなわち、この実施の形態にあっては、かかる二枚のワッシャー体23a、23aが前記掛合手段23として機能するようになっている。
これにより、この実施の形態にあっては、テーブル本体1が使用位置にある状態と仕舞い位置にある状態をそれぞれ、ヒンジ体2によって安定的に維持することができるようになっている。
かかる掛合手段23の掛合が、使用位置にあるテーブル本体1に上方より所定の大きさ以上の荷重が作用されたときに、解除されるようにしておけば、例えば、使用位置にあるテーブル体に通常のテーブルとしての使用では作用されない大きさの力が作用されたときには、テーブル体の仕舞い位置への回動を生じさせてこうした大きさの力の作用によるヒンジ体2の破損を防止することができる。
図示の例では、前記ワッシャー体23aの弾発力、隆起部23bの高さ、隆起部23bの形状、凹所23cの形状などを調整することにより、この解除が生じる場合の力の設定をなすことができる。
また、この実施の形態にあっては、テーブル本体1の、使用位置において前端側となる縁部14、及びこの前端と後端との間に亘る側縁部15との間に間隔Sを開けた位置において、このテーブル本体1の裏面部10にヒンジ体2の取り付け支持部21aが取り付けられている。これにより、この実施の形態にあっては、かかる間隔Sによってテーブル本体1の縁部を把持などしてなすその回動操作などにあたり指がヒンジ体2に接することがないようになっている。
図示の例にあっては、テーブル本体1の長さ方向略中程の位置を挟んだ一方側において、この一方側の長さ方向略中程の位置に一対のヒンジ体2の一方の一方ヒンジ構成体20の取り付け支持部21aが配されるようにこのヒンジ体2の他方ヒンジ構成体21がテーブル本体1の裏面部10に取り付けられていると共に、
テーブル本体1の長さ方向略中程の位置を挟んだ他方側において、この他方側の長さ方向略中程の位置に一対のヒンジ体2の他方の一方ヒンジ構成体20の取り付け支持部21aが配されるようにこのヒンジ体2の他方ヒンジ構成体21がテーブル本体1の裏面部10に取り付けられている。
この例では、他方ヒンジ構成体21の取り付け支持部21aは、テーブル本体1の裏面部10に形成されたこのテーブル本体1の巾方向に沿った細長い台状部16の長さ方向に沿った一側面に立ち上がり部21cを接しさせ、かつ、この台状部16の突き出し端面に取り付け支持部21aを接しさせるようにして、テーブル本体1に取り付けられている。この台状部16に取り付けられた取り付け支持部21aの一端とテーブル本体1の後端側にある周回立ち上がり部11の内面および取り付け支持部21aの他端とテーブル本体1の前端側にある周回立ち上がり部11の内面との間にはそれぞれ間隔が形成されるようになっており、また、一方ヒンジ構成体20と他方ヒンジ構成体21は前記のように干渉しないように組み合わされていることから、仕舞い位置にテーブル本体1を回動させるとヒンジ体2はこのテーブル本体1の裏面部10内に納められる。
左右一対のヒンジ体2は、その軸体22の中心軸線を、シートバックSBの左右方向に沿った同一の仮想の直線上に位置させるように配される。また、図示の例では、一対のヒンジ体2の他方ヒンジ構成体21はそれぞれテーブル本体1の中央側にそれぞれ位置されるようになっている。
また、この例にかかるテーブルは、前記ヒンジ体2における一方ヒンジ構成体20の化粧カバー3と、他方ヒンジ構成体21の化粧カバー4とを備えている。両化粧カバー3、4共に合成樹脂から構成されている。
一方ヒンジ構成体20の化粧カバー3は、
取り付け部20aを前方から覆うと共に、ネジの通し穴30aを備えた基部カバー部30と、
丸板部20fにおける他方ヒンジ構成体21の丸板部21eに向き合わない側を覆う先端カバー部31と、
連接板部20hを覆う中間カバー部32とを備えている。
この一方ヒンジ構成体20の化粧カバー3は、基部カバー部30の通し穴30aを通じて取り付け部20aの通し穴20bを通ってシートバックSBの背部SB’に止着されるネジを利用して、一方ヒンジ構成体20と一体化される。
他方ヒンジ構成体21の化粧カバー4は、
取り付け支持部21aにおけるテーブル本体1への取り付け側と反対の側を覆う主カバー部40と、
丸板部21eにおける一方ヒンジ構成体20の丸板部20fに向き合わない側を覆う基部カバー部41と、
連接板部21gを覆う中間カバー部42とを備えている。
この例では、かかる化粧カバー4には、取り付け支持部21aの長さ方向の両側にある縁部に掛合する爪部43が備えられており、この爪部43をこの縁部におけるテーブル本体1への取り付け側に引っかけて、化粧カバー4は他方ヒンジ構成体21と一体化される。
テーブルの裏面図 図1におけるA−A線断面図 図1におけるB−B線断面図 容器支持体13が第一回動位置にあるときの断面図 テーブルの要部平面図 テーブルの要部斜視図 ヒンジ体2の斜視図 ヒンジ体2の斜視図 同平面図 同正面図 同右側面図 ヒンジ体2と化粧カバー3、4の分離斜視図
符号の説明
1 テーブル本体
10 裏面部
2 ヒンジ体
20 一方ヒンジ構成体
20a 取り付け部
21 他方ヒンジ構成体
21a 取り付け支持部
SB シートバック
SB’ 背部
L1 寸法
L2 長さ

Claims (5)

  1. テーブル本体と、
    シートバックの背部への取り付け部を備えた一方ヒンジ構成体と、この一方ヒンジ構成体に一端側で回動可能に組み付け合わされると共にこの一端と他端との間にテーブル本体の裏面部への取り付け支持部を備えた他方ヒンジ構成体とからなるヒンジ体とを備えており、
    このヒンジ体によってテーブル本体の裏面部をシートバックの背部に沿わせた仕舞い位置とテーブル本体の表面部を略水平に位置させた使用位置との間でのテーブル本体の回動がなされるようになっていると共に、
    このヒンジ体の取り付け支持部が、テーブル本体の使用位置においてシートバックの背部から突き出す方向に長く延び、かつ、このテーブル本体の寸法の約半分かそれ以上の長さを持つようにしてあり、
    しかも、テーブル本体の縁部に、その裏面部側において、周回立ち上がり部が形成されており、取り付け支持部がこの周回立ち上がり部の突き出し端から突き出さないようになっており、
    加えて、テーブル本体に容器の胴部の通し穴が形成されていると共に、
    このテーブル本体の裏面部側に、テーブル本体に回動可能に組み付けられたアーム部と、容器の底部の支持部とを備えた容器支持体を備えており、
    しかも、スプリング一端をテーブル本体に止着させ、かつ、スプリング他端をアーム部に止着させたターンオーバースプリングによって、容器支持体が、テーブル本体の裏面部側から通し穴を支持部により塞ぐ第一回動位置と、この裏面部から離れたこの通し穴の直下に支持部を位置させる第二回動位置とにおいてそれぞれ、位置づけられるようになっていることを特徴とするシートバック用テーブル。
  2. 左右一対のヒンジ体によってテーブル本体を支持するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載のシートバック用テーブル。
  3. 一方ヒンジ構成体と他方ヒンジ構成体との回動組み付け部分に、少なくともテーブル本体の仕舞い位置とテーブル本体の使用位置とにおいて掛合し合って、少なくともこの両位置において一方ヒンジ構成体と他方ヒンジ構成体とがなす姿勢を維持する掛合手段が備えられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシートバック用テーブル。
  4. 掛合手段の掛合が、使用位置にあるテーブル本体に上方より所定の大きさ以上の荷重が作用されたときには、解除されるようになっていることを特徴とする請求項3に記載のシートバック用テーブル。
  5. テーブル本体の、使用位置において前端側となる縁部、及びこの前端と後端との間に亘る側縁部との間に間隔を開けた位置において、このテーブル本体の裏面部にヒンジ体の取り付け支持部が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のシートバック用テーブル。
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