JP5393366B2 - チオフェン化合物の製造方法 - Google Patents
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第1工程:酸触媒存在下に、下記の化1で示されるα−ジオン化合物1モル当たり、アルコール又はその等価体を少なくとも0.5モルの割合で反応させて、下記の化2又は化3で示されるジアセタール化合物を得る工程。
第2工程:第1工程で得たジアセタール化合物1モル当たり、硫黄又は無機硫黄化合物を少なくとも0.5モルの割合で反応させて、下記の化4又は化5で示されるチオフェン化合物を得る工程。
X,Y:水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、トリフルオロメタンスルホニル基、トルエンスルホニル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子
R:同時に同一又は異なる1価の炭素数1〜24のアルコールから水酸基を除いた残基
A:2〜6価の炭素数2〜24のアルコールから2個の水酸基を除いた残基
アルゴン気流下で、フラスコにアルコールとして1−オクタノール33.0g(127mmol)をメタノール溶媒63mLを用いて加え、また化1で示されるα−ジオン化合物として2,3−ブタンジオン10.0g(127mmol)、メタノールの等価体としてオルトギ酸トリメチル30.5mL(279mmol)及び酸触媒としてカンファースルホン酸2.93g(12.6mmol)を加えて、加熱還流下に24時間攪拌した。トリエチルアミン1.9mLを加えて反応を停止し、ジエチルエーテルを加えて抽出処理した。ジエチルエーテル層を蒸留水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて脱水した後、綿栓濾過を行い、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1(質量比)の混合溶液)で精製し、化2で示されるジアセタール化合物として2,3−ジオクトキシ−2,3−ジメトキシブタンを得た(第1工程)。次に、アルゴン気流下で、フラスコに酸化剤としてN−クロロスクシンイミド(NCS)3.35g(18.8mmol)を測りとり、充分に乾燥した後、一塩化硫黄1.69g(12.5mmol)及び1,2−ジクロロエタン溶媒10mLを加えて、加熱還流下に24時間攪拌した。反応系の温度を室温に戻した後、前記の2,3−ジオクトキシ−2,3−ジメトキシブタン3.74g(10.0mmol)をヘキサン溶媒5.0mLを用いて加え、更に酢酸ナトリウム1.97g(24.0mmol)を加えて、加熱還流下に20時間攪拌した。撹拌を止め、酢酸エチルを加えて抽出処理した。酢酸エチル層をセライト濾過し、濾液を熱をかけずにロータリーエバポレーターで濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物を、14.22kPa、127℃の条件下で減圧蒸留することにより精製し、更に薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1(質量比)の混合溶液)で精製して、化4で示されるチオフェン化合物として3,4−ジオクトキシチオフェンを得た(第2工程)。
アルゴン気流下で、フラスコにアルコールとしてエチレングリコール7.88g(127mmol)をメタノール溶媒 63mLを用いて加え、また化1で示されるα−ジオン化合物として2,3−ブタンジオン10.0g(127mmol)、メタノールの等価体としてオルトギ酸トリメチル30.5mL(279mmol)及び酸触媒としてカンファースルホン酸2.93g(12.6mmol)を加えて、加熱還流下に24時間攪拌した。トリエチルアミン1.9mLを加えて反応を停止し、ジエチルエーテルを加えて抽出処理した。ジエチルエーテル層を蒸留水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて脱水した後、綿栓濾過を行い、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1(質量比)の混合溶液)で精製し、化3で示されるジアセタール化合物として2,3−ジメチル−2,3−ジメトキシ−ジオキサンを得た(第1工程)。次に、アルゴン気流下で、フラスコに酸化剤としてN−クロロスクシンイミド(NCS)3.35g(18.8mmol)を測りとり、充分に乾燥した後、一塩化硫黄1.69g(12.5mmol)及び1,2−ジクロロエタン溶媒10mLを加えて、加熱還流下に24時間攪拌した。反応系の温度を室温に戻した後、前記の2,3−ジメチル−2,3−ジメトキシ−ジオキサン1.72g(10.0mmol)をヘキサン溶媒5.0mLを用いて加え、更に酢酸ナトリウム1.97g(24.0mmol)を加えて、加熱還流下に20時間攪拌した。撹拌を止め、酢酸エチルを加えて抽出処理した。酢酸エチル層をセライト濾過し、濾液を熱をかけずにロータリーエバポレーターで濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、15.24kPa、100℃の条件下で減圧蒸留することにより精製し、更に薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1(質量比)の混合溶液)で精製して、化5で示されるチオフェン化合物として3,4−エチレンジオキシチオフェンを得た(第2工程)。
アルゴン気流下で、フラスコにアルコールとして1−オクタノール33.0g(127mmol)をメタノール溶媒63mLを用いて加え、また化1で示されるα−ジオン化合物として2,3−ブタンジオン10.0g(127mmol)、メタノールの等価体としてオルトギ酸トリメチル30.5mL(279mmol)及び酸触媒としてカンファースルホン酸2.93g(12.6mmol)を加えて、加熱還流下に24時間攪拌した。トリエチルアミン1.9mLを加えて反応を停止し、ジエチルエーテルを加えて抽出処理した。ジエチルエーテル層を蒸留水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて脱水した後、綿栓濾過を行い、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1(質量比)の混合溶液)で精製し、化2で示されるジアセタール化合物として2,3−ジオクトキシ−2,3−ジメトキシブタンを得た(第1工程)。次に、アルゴン気流下で、フラスコに前記の2,3−ジオクトキシ−2,3−ジメトキシブタン374mg(1.0mmol)を1,2−ジクロロエタン溶媒10mLを用いて加え、酢酸ナトリウム100g(1.2mmol)及び塩化チオニル0.2mL(2.7mmol)を加えて、加熱還流下に20時間攪拌した。反応系の温度を室温に戻した後、酢酸エチルを加えて抽出処理した。酢酸エチル層をセライト濾過し、濾液を蒸留水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムを用いて脱水した後、綿栓濾過を行い、濾液を熱をかけずにロータリーエバポレーターで濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1(質量比)の混合溶液)で精製して、3,4−ジオクトキシチオフェンオキサイドを得た。更に、アルゴン気流下で、フラスコに還元剤として四ヨウ化チタン833mg(1.5mmol)を測りとり、0℃の温度下にて前記のジオクトキシチオフェンオキサイド385mg(1.0mmol)をアセトニトリル溶媒5.0mLを用いて加え、1時間攪拌した。炭酸水素ナトリウム水溶液及び亜硫酸水素ナトリウム水溶液を用いて反応を停止し、酢酸エチルを加えて、抽出処理した。酢酸エチル層をセライト濾過し、濾液を蒸留水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて脱水した後、綿栓濾過を行い、濾液を熱をかけずにロータリーエバポレーターで濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1(質量比)の混合溶液)で精製して、化4で示されるチオフェン化合物として3,4−エチレンジオキシチオフェンを得た(第2工程)。
アルゴン気流下で、フラスコにアルコールとしてエチレングリコール7.88g(127mmol)をメタノール溶媒63mLを用いて加え、また化1で示されるα−ジオン化合物として2,3−ブタンジオン10.0g(127mmol)、メタノールの等価体としてオルトギ酸トリメチル30.5mL(279mmol)及び酸触媒としてカンファースルホン酸2.93g(12.6mmol)を加えて、加熱還流下に24時間攪拌した。トリエチルアミン1.9mLを加えて反応を停止し、ジエチルエーテルを加えて抽出処理した。ジエチルエーテル層を蒸留水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて脱水した後、綿栓濾過を行い、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1(質量比)の混合溶液)で精製し、化3で示されるジアセタール化合物として2,3−ジメチル−2,3−ジメトキシ−ジオキサンを得た(第1工程)。次に、アルゴン気流下で、フラスコに前記の2,3−ジメチル−2,3−ジメトキシ−ジオキサン176mg(1.0mmol)を1,2−ジクロロエタン溶媒10mLを用いて加え、酢酸ナトリウム100mg(1.2mmol)及び塩化チオニル0.2mL(2.7mmol)を加えて、加熱還流下に20時間攪拌した。反応系の温度を室温に戻した後、酢酸エチルを加えて抽出処理した。酢酸エチル層をセライト濾過し、濾液を蒸留水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムを用いて脱水した後、綿栓濾過を行い、濾液を熱をかけずにロータリーエバポレーターで濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1(質量比)の混合溶液)で精製して、エチレンジオキシチオフェンオキサイドを得た。更に、アルゴン気流下で、フラスコに還元剤として四ヨウ化チタン833mg(1.5mmol)を測りとり、0℃の温度下にて前記の3,4−エチレンジオキシチオフェンオキサイド158mg(1.0mmol)をアセトニトリル溶媒5.0mLを用いて加え、1時間攪拌した。炭酸水素ナトリウム水溶液及び亜硫酸水素ナトリウム水溶液を用いて反応を停止し、酢酸エチルを加えて、抽出処理した。酢酸エチル層をセライト濾過し、濾液を蒸留水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて脱水した後、綿栓濾過を行い、濾液を熱をかけずにロータリーエバポレーターで濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1(質量比)の混合溶液)で精製して、化5で示されるチオフェン化合物として3,4−エチレンジオキシチオフェンを得た(第2工程)。
Claims (9)
- 下記の第1工程及び第2工程を経ることを特徴とするチオフェン化合物の製造方法。
第1工程:酸触媒存在下に、下記の化1で示されるα−ジオン化合物1モル当たり、アルコール又はその等価体を少なくとも0.5モルの割合で反応させて、下記の化2又は化3で示されるジアセタール化合物を得る工程。
第2工程:第1工程で得たジアセタール化合物1モル当たり、硫黄又は無機硫黄化合物を少なくとも0.5モルの割合で反応させて、下記の化4又は化5で示されるチオフェン化合物を得る工程。
X,Y:水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、トリフルオロメタンスルホニル基、トルエンスルホニル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子
R:同時に同一又は異なる1価の炭素数1〜24のアルコールから水酸基を除いた残基
A:2〜6価の炭素数2〜24のアルコールから2個の水酸基を除いた残基) - 化2又は化3中のRが、同時に同一又は異なる1価の炭素数1〜18の脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基である請求項1記載のチオフェン化合物の製造方法。
- 化3中のAが、エチレングリコールから2個の水酸基を除いた残基である請求項1又は2記載のチオフェン化合物の製造方法。
- 第1工程の酸触媒が、有機スルホン酸触媒である請求項1〜3のいずれか一つの項記載のチオフェン化合物の製造方法。
- 第1工程のα−ジオン化合物が、2,3−ブタンジオンである請求項1〜4のいずれか一つの項記載のチオフェン化合物の製造方法。
- 第2工程の硫黄又は無機硫黄化合物として硫黄又は一ハロゲン化硫黄化合物を用い、更に酸化剤を用いる請求項1〜5のいずれか一つの項記載のチオフェン化合物の製造方法。
- 第2工程の硫黄又は無機硫黄化合物として塩化チオニルを用い、更に還元剤を用いる請求項1〜5のいずれか一つの項記載のチオフェン化合物の製造方法。
- 第1工程のジアセタール化合物が化2で示される場合のものであり、且つ第2工程のチオフェン化合物が化4で示される場合のものである請求項1〜7のいずれか一つの項記載のチオフェン化合物の製造方法。
- 第1工程のジアセタール化合物が化3で示される場合のものであり、且つ第2工程のチオフェン化合物が化5で示される場合のものである請求項1〜7のいずれか一つの項記載のチオフェン化合物の製造方法。
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