JP5392452B2 - 表面保護シート体 - Google Patents
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Description
上記特許文献1に開示された表面保護シート体は、60℃における動的弾性率が2×105〜7×106dyne/cm2で、自動車の塗膜に対する接着力が100〜1000g/20mmであり、かつ前記塗膜とのSP値差が1以上であるポリイソブチレン系粘着剤の層を、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物からなる支持基材に設けたものである。
この場合、車体との接着面積が緩衝部のみであり、これに外力が加わったとき、剥離方向の応力でしか接着することができないために相応の強い接着力が必要であり、引き剥がす際に車体に糊残りや塗膜剥離等が生じやすい。
また、広い面積で被着体に接着させられるために、弱い接着力の接着剤を使用でき、これにより、基材を被着体から引き剥がすときにも被着体に糊残りや塗膜剥離を生じることがない。
さらに、緩衝部を、これと基材とが接触する基端部から先端部に向けて次第に柔らかくなるように形成しているので、緩衝効果をさらに向上させられる。
なお、「MD」,「TD」は異方性のある基材20の縦横を示す略号であり、「MD」は流動方向に平行に切り出したもの、「TD」はMDと直行する方向に切り出したものを示している。
換言すると、自動車の走行時や衝撃時に脱落するほどには接着力が弱くはない一方、ドアDの塗装に対して、引き剥がしの際に糊残りや基材20の千切れ等が生じない程度の接着力に設定している。
なお、上記の引張強度は、衝接等による緩衝部10の凝集破壊を防ぐことができる程度のものである。
この緩衝部10の表面10aは、これに加えられた外力を分散する曲面形状に形成されており、本実施形態においては、矢印a方向に加えられる外力Fを分散するように、中央軸線Oから両縁部10b,10bに向けてなだらかに傾斜する曲面に形成している。
本実施形態においては、緩衝部10と基材20とを接着する接着層30の接着力を、基材20とドアDと接着する接着層40の接着力よりも大きく設定している。
なお、上記接着層30の接着力は界面剥離をしない程度のものである。
具体的には、緩衝部10の縦寸法W4に対して、基材20の縦寸法W2を1.2倍以上、緩衝部10の横寸法W3に対して、基材20の縦寸法W1を2.75倍以上に広くしている。
換言すると、外力が作用する方向aにおいて1.2倍以上、当該外力が作用する方向と直交する方向において2.75倍以上にしているのである。
なお、「投影面積S1」については図2に一点鎖線、また、「投影面積S2」については二点鎖線で示している。
なお、上記の緩衝部10と基材20の縦横高さの各寸法は、上記例示した寸法に限るものではなく、適宜に設定することができる。
これにより、例えば人がドアDを開閉する際に、そのドアDの所要の部位に人が衝接するときにも、その衝接時の衝撃を緩衝部10によって分散緩衝して凹陥変形を防ぐとともに、当該ドアDの塗膜に傷や剥がれが生じることを防止することができる。
すなわち、弱い接着力の接着剤からなる接着層40を形成したときにも、剪断方向での接着力を高めることができる。
要約すると、剪断方向に大きな外力が作用したときにも剥がれにくく、引き剥がすときには、糊残りや塗膜剥離を生じさせることがないのである。
また、第二の変形例に係る緩衝部51は、平面視において略楕円形状に形成されており、中央部51aから外周縁部51bにかけてなだらかな曲面で形成したものである。
さらに、第三の変形例に係る緩衝部52は平面視において長方形にしたものであり、中央部52aから外周縁部52bに向けて所定の厚みの階段形に次第に厚みを減少させた略ピラミッド形に形成したものである。
なお、各緩衝部と基材との寸法関係は、上記した第一の実施形態に係るものと同等に設定する。
緩衝部60は、圧縮硬さの高い第一の緩衝材61と、この第一の緩衝材61よりも圧縮硬さの低い第二の緩衝材62とからなり、基材20側に第一の緩衝材61を、かつ、先端部側に第二の緩衝材62を配設した構成のものである。
なお、その緩衝部80を基材90の一方の面90aに接着層30を介して突設し、かつ、その基材90の他方の面90b全域に接着層40を形成している。
上記緩衝部100,100は、これらの中心を基材110の長軸O1に一致させている。
なお、その緩衝部100,100を基材110の一方の面110aに接着層30を介して突設し、かつ、その基材110の他方の面110b全域に接着層40を形成している。
具体的は、表1に示す大きさ,形状の試験片を塗装板に貼着しておき、その試験片に対し、互いに異なる複数の高さ位置からウェイトを落下衝接させることによるものである。
また、実施例1〜4は、上述した投影面積S1と投影面積S2との倍率を満たしているものであり、比較例1〜3は、上述した投影面積S1と投影面積S2との倍率を満たしていないものである。
表1を参照すると、比較例1〜3については、これらの実施結果の一部に「×」の評価を付された項目があるが、これは、上記投影面積の倍率を満たさないときであっても、他の項目については一定の効果を得ることができることを示したものである。
上述した実施形態においては、圧縮硬さの高い第一の緩衝材と、この第一の緩衝材よりも圧縮硬さの低い第二の緩衝材とを有し、基材側に第一の緩衝材を、かつ、先端部側に第二の緩衝材を配設したものについて説明したが、次のようにしてもよい。
(1)圧縮硬さが異なる複数の緩衝材を、圧縮硬さの高いものから低いものにかけて、基材側から先端部に向けて順次積層した構成のもの。
(2)緩衝部を、この緩衝部と基材とが接触する基端部から先端部に向けて次第に柔らかくなるように形成してもよい。換言すると、1つの緩衝材について、これの基材に接触する基端部から先端部にむけて、次第に柔らかくなるように形成してもよい。これらの場合、緩衝効果をさらに向上させられる。
A1〜A1 表面保護シート体
10,50,51 緩衝部
20a 一方の面
20b 他方の面
30,40 接着層
20,90,110 基材
S1,S1 投影面積
60,80,100 緩衝部
70 被覆シート材
61 第一の緩衝材
62 第二の緩衝材
Claims (7)
- 被着体の表面に引き剥がし可能に接着され、その表面を保護するための表面保護シート体において、
加えられた外力を緩衝する緩衝部と、
上記緩衝部を一方の面に突設し、かつ、他方の面全域に被着体に接着するための接着層を形成した基材とを有しており、
上記緩衝部は、これと基材とが接触する基端部から先端部に向けて次第に柔らかくなるように形成され、かつ、被着体に対する投影面積よりも、基材の被着体に対する投影面積を大きく設定していることを特徴とする表面保護シート体。 - 被着体の表面に引き剥がし可能に接着され、その表面を保護するための表面保護シート体において、
圧縮硬さの高い第一の緩衝材と、この第一の緩衝材よりも圧縮硬さの低い第二の緩衝材とを有し、基材側に第一の緩衝材を、かつ、先端部側に第二の緩衝材を配設するとともに、それら第一,第二の緩衝材を被覆シート材によって被覆形成され、加えられた外力を緩衝する緩衝部と、
上記緩衝部を一方の面に突設し、かつ、他方の面全域に被着体に接着するための接着層を形成した基材とを有しており、
上記緩衝部の被着体に対する投影面積よりも、基材の被着体に対する投影面積を大きく設定していることを特徴とする表面保護シート体。 - 緩衝部は、これの周囲に基材の外縁部を残して配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面保護シート体。
- 基材を、被着体の表面形状に対応して変形可能な合成樹脂により形成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面保護シート体。
- 緩衝部を、加えられた外力を分散する外形にしていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面保護シート体。
- 緩衝部と基材とをそれぞれ接着層を介して接着しており、緩衝部と基材とを接着する接着層の接着力を、基材と被着体と接着する接着層の接着力よりも大きく設定していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表面保護シート体。
- 基材と緩衝部とを一体成形していることを特徴とする請求項1、3〜6のいずれか1項に記載の表面保護シート体。
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