JP5391347B2 - 同期モータの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、永久磁石を有する同期モータの制御装置し、特に、q相電流指令およびd相電流指令に基づいて、永久磁石を有する同期モータを電流ベクトル制御する同期モータの制御装置に関する。
永久磁石を有する3相交流同期モータの制御方法として、q相電流指令およびd相電流指令を用いた電流ベクトル制御が知られている。図13は、同期モータのベクトル電流制御に用いられるdq各電流指令と三相電流指令との関係を説明する模式図である。永久磁石を有する三相交流同期モータ3の制御装置において、同期モータ3に対するトルク指令および同期モータ3からフィードバックされるモータ速度などに基づいて生成されたq相電流指令iqおよびd相電流指令idが入力された電流ベクトル制御ブロック51は、所望の電流ベクトル制御を実現するためのq相電流指令iq *およびd相電流指令id *を生成する。DQ/三相変換ブロック52では、q相電流指令iq *およびd相電流指令id *を二相三相変換して同期モータ3のu相、v相およびw相の各相ごとの電流指令iu *、iv *およびiw *を作成する。通常、同期モータ3はインバータ装置(図示せず)によって駆動されるが、DQ/三相変換ブロック52から出力された三相電流指令iu *、iv *およびiw *は、当該インバータ装置内において各相ごとに設けられた半導体スイッチング素子に対するスイッチング指令として用いられる。インバータ装置は三相電流指令iu *、iv *およびiw *に基づきスイッチング動作を行うことで、同期モータ3の各相巻線に駆動電力を供給する。
図14は、永久磁石を有する同期モータに発生する各電圧を説明するベクトル図である。dq電流座標平面上において、永久磁石を有する同期モータを高速回転させたときの同期モータの電気角速度(以下、単に「モータ速度」と称する。)ωおよび永久磁石のΨaに依存する誘起電圧ωΨa、ならびにモータ速度ωと同期モータのq軸インダクタンスLqおよびq相電流iqに依存する電圧ωLqiqが発生する。これらの合計電圧Vが、図14に示すように制御装置に設定された電圧制限値Vomを超えると、駆動電圧が不足する事態となり、同期モータを回転させることができなくなる。
図15は、特許文献1(特開平9−084400号公報)に記載されたサーボモータの電流制御方法を説明するベクトル図である。上述のモータ印加電圧が不足する問題を解消して同期モータの高速回転を実現する方法として、たとえばd軸のマイナス方向にd相電流idを流し、これによりモータ速度ωとd軸インダクタンスLdとd相電流idとに依存する電圧ωLddを発生させることで、モータ印加電圧を小さくし、制御装置に設定された電圧制限値Vomを超えないようにする方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
またさらに、いわゆる「弱め磁束制御」により、モータ印加電圧が不足する問題に対処することができることもよく知られている(例えば、非特許文献1参照。)。非特許文献1によれば、同期モータのモータ速度をω、電機子鎖交磁束をΨa、q軸およびd軸インダクタンスをLqおよびLd、制御装置に設定された電圧制限値をVom、q相電流をiq、d相電流をid、誘起電圧をVoとしたとき、誘起電圧Voをその制限値Vomに保つ場合、式1の関係式が得られる。
Figure 0005391347
弱め磁束制御では、同期モータのモータ速度ωおよびq相電流指令iqが与えられると、d相電流指令idは式2のように表わされる。
Figure 0005391347
上述の式2で示される弱め磁束制御は、電圧制限については考慮することができるが、電流制限については考慮することができない。電圧制限および電流制限の両方を考慮する場合は、非特許文献1に記載されているような、同期モータのモータ速度ωに応じて制御モードを変えていく制御方法が考えられる。図16は、非特許文献1(「埋込磁石同期モータの設計と制御」)に記載された複数の制御モードを有する同期モータの制御方法を説明する模式図である。非特許文献1の記載によれば、電流および電圧の制限を考慮して最大の出力を得る最大出力制御を実現するためには、電流ベクトルを同期モータのモータ速度ωに応じて適切に制御する必要がある。すなわち、同期モータの制御装置内に同期モータのモータ速度ωを判定する速度判定器53を設け、モータ速度ωが「電圧制限値に達する基底速度」ωbase以下の場合は電流制限のみを考慮してトルクを最大化する制御である制御モードIに基づいて、あるいはモータ速度ωが基底速度ωbaseより大きく所定の高速度ωd以下の場合は電流制限および電圧制限を考慮してトルクを最大化する制御である制御モードIIに基づいて、またあるいはモータ速度ωが所定の高速度ωdより大きい場合は電圧制限のみを考慮してトルクを最大化する制御である制御モードIIIに基づいて、それぞれq相電流指令iqおよびd相電流指令idを作成する。
また、上述の弱め磁束制御を類似した方法として、d相電流をトルク指令に応じて変化させる制御方法がある(例えば、特許文献2参照。)。この制御方法によれば、モータ回転数に応じて最大負荷時のモータ端子電圧をモータ制御装置の最大出力電圧内にする最大負荷時d相電流指令値と、無負荷時のモータ端子電圧をモータ制御装置の最大出力電圧内にする最小負荷時d相電流指令値を求め、トルク指令の大きさに応じて上記2つのd相電流指令値を内挿した値をd相電流指令とするものである。
また、永久磁石を持つ同期式電動機の制御において、電力増幅器に入力される交流の電源電圧、あるいは入力電圧を整流した直流のDCリンク電圧を測定し、この電源電圧に応じて無効電流(d軸電流)を変化させ、あるいは、電流制御位相進め量を変化させることによって、無効電流制御や位相制御を入力電源電圧の変化に応じて直接的に行う制御方法がある(例えば、特許文献3参照。)。
また、特定の計算式を用いてモータ速度に応じてd軸電流指令に制限をかける制御方法もいくつか提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
また、非特許文献1にも記載されている最大トルク/電流制御を、近似式を用いた計算により実現する制御方法も提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
特開平9−084400号公報 特開2003−052199号公報 特開2006−020397号公報 特開2008−086138号公報 国際公開WO2008/038338号
武田洋次、松井信行、森本茂雄、本田幸夫著、「埋込磁石同期モータの設計と制御」、株式会社オーム社、第1版第7刷、17〜27頁および38〜46頁、2007年
非特許文献1に記載された同期モータのモータ速度ωに応じて制御モードを変えていく制御方法によれば、基底速度ωbaseや制御モードIIと制御モードIIIとを切り替えるときの速度ωdを事前に予想して設定しておき、制御モードを切り替えてq相電流指令およびd相電流指令を独立に算出している。そのため、これら基底速度ωbaseおよび速度ωdの予想が正しくなかった場合には、制御方式を切り替える際に電流が不連続となってしまい、同期モータが振動するという問題がある。
また、式1のような計算式は、ルートの計算や割り算などを含んでいるため、プログラムが複雑となり、計算処理速度が遅い。そのため、短い制御周期で同期モータの制御装置を動作させることが難しく、永久磁石モータの制御性の向上は難しいという問題がある。
従って本発明の目的は、上記問題に鑑み、永久磁石を有する同期モータを電流ベクトル制御するのに用いられるq相電流指令およびd相電流指令を高速に生成し、同期モータを安定に制御することができる同期モータの制御装置を提供することにある。
上記目的を実現するために、本発明の第1の態様においては、q相電流指令およびd相電流指令に基づいて、永久磁石を有する同期モータの電流ベクトル制御を行う同期モータの制御装置であって、制御装置に設定された制御装置電流制限値および制御装置電圧制限値ならびに同期モータのモータ速度を用いて、dq電流座標平面上において、制御装置電流制限値の電流ベクトル軌跡を表す電流制限円と、モータ速度に対応して制御装置電圧制限値の電流ベクトル軌跡を表す電圧制限楕円と、の交点に基づいて、第1のd相電流制限候補値および第1のq相電流制限候補値を算出する第1の候補値演算部と、制御装置電圧制限値および同期モータのモータ速度を用いて、dq電流座標平面上において、同一鎖交磁束に対してトルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・磁束曲線と、モータ速度に対応した制御装置電圧制限値の電流ベクトル軌跡を表す電圧制限楕円と、の交点に基づいて、第2のd相電流制限候補値および第2のq相電流制限候補値を算出する第2の候補値演算部と、第1のd相電流制限候補値の絶対値が第2のd相電流制限候補値の絶対値よりも小さい場合には第1のq相電流制限候補値を、それ以外の場合は第2のq相電流制限候補値を、q相電流制限値として設定して、トルク指令に基づいて作成したq相電流指令がq相電流制限値を超える場合には、q相電流指令をq相電流制限値に制限して出力するq相電流指令部と、第1のd相電流制限候補値の絶対値が第2のd相電流制限候補値の絶対値よりも小さい場合には第1のd相電流制限候補値を、それ以外の場合は第2のd相電流制限候補値を、d相電流制限値として設定して、モータ速度およびq相電流指令に基づいて作成したd相電流指令がd相電流制限値を超える場合には、d相電流指令をd相電流制限値に制限して出力するd相電流指令部と、を備える。
また、本発明の第2の態様においては、q相電流指令およびd相電流指令に基づいて、永久磁石を有する同期モータの電流ベクトル制御を行う同期モータの制御装置は、制御装置に設定された制御装置電流制限値および制御装置電圧制限値ならびに同期モータのモータ速度を用いて、dq電流座標平面上において、制御装置電流制限値の電流ベクトル軌跡を表す電流制限円と、モータ速度に対応して制御装置電圧制限値の電流ベクトル軌跡を表す電圧制限楕円と、の交点に基づいて、第1のd相電流制限候補値および第1のq相電流制限候補値を算出する第1の候補値演算部と、制御装置電圧制限値および同期モータのモータ速度を用いて、dq電流座標平面上において、同一鎖交磁束に対してトルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・磁束曲線と、モータ速度に対応した制御装置電圧制限値の電流ベクトル軌跡を表す電圧制限楕円と、の交点に基づいて、第2のd相電流制限候補値および第2のq相電流制限候補値を算出する第2の候補値演算部と、第1のd相電流制限候補値の絶対値が第2のd相電流制限候補値の絶対値よりも小さい場合には第1のq相電流制限候補値を、それ以外の場合は第2のq相電流制限候補値を、q相電流制限値として設定して、トルク指令に基づいて作成した第1のq相電流指令候補値がq相電流制限値を超える場合には、第1のq相電流指令候補値をq相電流制限値に制限して出力する第1のq相電流指令部と、第1のd相電流制限候補値の絶対値が第2のd相電流制限候補値の絶対値よりも小さい場合には第1のd相電流制限候補値を、それ以外の場合は第2のd相電流制限候補値を、d相電流制限値として設定し、モータ速度および第1のq相電流指令候補値に基づいて作成した第1のd相電流指令候補値がd相電流制限値を超える場合には、第1のd相電流指令候補値をd相電流制限値に制限して出力する第1のd相電流指令部と、dq電流座標平面上において、同一電流に対して発生トルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・電流曲線と、制御装置電流制限値の電流ベクトル軌跡を表す電流制限円と、の交点に基づいて、第3のd相電流制限候補値および第3のq相電流制限候補値を算出する第3の候補値演算部と、トルク指令に基づいて生成した第2のq相電流指令候補値が第3のq相電流制限候補値を超える場合には、第2のq相電流指令候補値を第3のq相電流制限値に制限して出力する第2のq相電流指令部と、第2のq相電流指令部から出力された第2のq相電流指令候補値と、dq電流座標平面上における同一電流に対して発生トルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・電流曲線と、を用いて第2のd相電流指令候補値を作成して出力する第2のd相電流指令部と、第2のd相電流指令候補値の絶対値が第1のd相電流指令候補値の絶対値よりも大きい場合には、第2のq相電流指令候補値および第2のd相電流指令候補値を、それ以外の場合には、第1のq相電流指令候補値および第1のd相電流指令候補値を、それぞれd相電流指令およびq相電流指令として出力するdq相電流指令判断部と、を備える。
また、上述の第2の態様では、第2のd相電流指令部は、第2のq相電流指令部から出力された第2のq相電流指令候補値を変数とする2次関数で表される近似式に基づき、第2のd相電流指令候補値を算出してもよい。
上述の第1および第2の態様では、第1の候補値演算部および第2の候補値演算部は、同期モータのモータ速度を変数とする2次関数で表される近似式に基づいて、第1のd相電流制限候補値、第1のq相電流制限候補値および第2のq相電流制限候補値をそれぞれ算出してもよい。
上述の第1および第2の態様では、同期モータの電源入力端に設けられた電圧検出センサによって検出される同期モータへの入力電圧に対応して、近似式で表される関数における係数を決定する係数決定部をさらに備えてもよい。
同期モータの近傍に設けられた温度センサによって検出される同期モータの温度に対応して、近似式で表される関数における係数を決定する係数決定部をさらに備えてもよい。
また、上述の第1の態様において、d相電流指令部は、所定の近似式に基づいてd相電流指令を算出するようにしてもよい。
また、上述の第2の態様において、第1のd相電流指令部は、所定の近似式に基づいて、前記第1のd相電流指令候補値を算出するようにしてもよい。
また、上述の第1の態様において、d相電流指令部は、同期モータの電源入力端に設けられた電圧検出センサによって検出される同期モータへの入力電圧および同期モータの近傍に設けられた温度センサによって検出される同期モータの温度のうちの少なくとも1つに基づく変数を含む所定の近似式に基づいてd相電流指令を算出し、第1の候補値演算部は、所定の近似式に基づいて、第1のd相電流制限候補値および第1のq相電流制限候補値をそれぞれ算出するようにしてもよい。
また、上述の第2の態様において、第1のd相電流指令部は、同期モータの電源入力端に設けられた電圧検出センサによって検出される同期モータへの入力電圧および同期モータの近傍に設けられた温度センサによって検出される同期モータの温度のうちの少なくとも1つに基づく変数を含む所定の近似式に基づいて第1のd相電流指令候補値を算出し、第1の候補値演算部は、所定の近似式に基づいて、第1のd相電流制限候補値および第1のq相電流制限候補値をそれぞれ算出するようにしてもよい。
本発明によれば、永久磁石を有する同期モータを電流ベクトル制御するのに用いられるq相電流指令およびd相電流指令を高速に生成し、同期モータを安定に制御することができる同期モータの制御装置を実現することができる。本発明によればd相電流指令およびq相電流指令を求める際に、モータ速度による切り替えがないので、制御方式が切り替わっても電流が不連続とならず、同期モータが振動する問題は生じない。制御に用いる計算式が複雑ではないため、計算処理速度を高速化することができ、同期モータをより安定に制御することができる。
本発明の第1の実施例による同期モータの制御装置の原理ブロック図である。 本発明の第2の実施例による同期モータの制御装置の原理ブロック図である。 本発明の第1および第2の実施例による同期モータの制御装置における、q相電流制限値およびd相電流制限値の切替えを説明するためのdq電流座標平面を示す図である。 q相電流制限値およびd相電流制限値が図3に示す関係を有する場合におけるモータ速度とq相電流およびd相電流との関係を示す図であって、(a)はq相電流を示し、(b)はd相電流を示す。 本発明の第2の実施例と第3の実施例のd相電流についての比較結果を示す図である。 本発明の第2の実施例と第3の実施例のq相電流についての比較結果を示す図である。 電圧制限Vo=170Vrmsとした場合における本発明の第2の実施例と第5の実施例のd相電流についての比較結果を示す図である。 電圧制限Vo=170Vrmsとした場合における本発明の第2の実施例と第5の実施例のq相電流についての比較結果を示す図である。 電圧制限Vo=200Vrmsとした場合における本発明の第2の実施例と第5の実施例のd相電流についての比較結果を示す図である。 電圧制限Vo=200Vrmsとした場合における本発明の第2の実施例と第5の実施例のq相電流についての比較結果を示す図である。 電圧制限Vo=264Vrmsとした場合における本発明の第2の実施例と第5の実施例のd相電流についての比較結果を示す図である。 電圧制限Vo=264Vrmsとした場合における本発明の第2の実施例と第5の実施例のq相電流についての比較結果を示す図である。 同期モータのベクトル電流制御に用いられるdq各電流指令と三相電流指令との関係を説明する模式図である。 永久磁石を有する同期モータに発生する各電圧を説明するベクトル図である。 特許文献1(特開平9−084400号公報)に記載されたサーボモータの電流制御方法を説明するベクトル図である。 非特許文献1(「埋込磁石同期モータの設計と制御」)に記載された複数の制御モードを有する同期モータの制御方法を説明する模式図である。
以下、本発明の第1の実施例および第2の実施例による、永久磁石を有する同期モータへのトルク指令および同期モータのモータ速度に基づいて生成されるq相電流指令およびd相電流指令に基づいて同期モータの電流ベクトル制御を行う同期モータの制御装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施例による同期モータの制御装置の原理ブロック図である。
本発明の第1の実施例によれば、q相電流指令およびd相電流指令に基づいて、永久磁石を有する同期モータの電流ベクトル制御を行う同期モータの制御装置1は、制御装置1に設定された制御装置電流制限値および制御装置電圧制限値ならびに同期モータ(図示せず)のモータ速度を用いて、第1のd相電流制限候補値および第1のq相電流制限候補値を算出する第1の候補値演算部11と、制御装置電圧制限値および同期モータのモータ速度を用いて第2のd相電流制限候補値および第2のq相電流制限候補値を算出する第2の候補値演算部12と、第1のd相電流制限候補値の絶対値が第2のd相電流制限候補値の絶対値よりも小さい場合には第1のq相電流制限候補値を、それ以外の場合は第2のq相電流制限候補値を、q相電流制限値として設定して、トルク指令に基づいて作成したq相電流指令がq相電流制限値を超える場合には、q相電流指令をq相電流制限値に制限して出力するq相電流指令部13と、第1のd相電流制限候補値の絶対値が第2のd相電流制限候補値の絶対値よりも小さい場合には第1のd相電流制限候補値を、それ以外の場合は第2のd相電流制限候補値を、d相電流制限値として設定して、モータ速度およびq相電流指令に基づいて作成したd相電流指令がd相電流制限値を超える場合には、d相電流指令をd相電流制限値に制限して出力するd相電流指令部14と、を備える。なお、q相電流指令部13およびd相電流指令部14から出力されたq相電流指令およびd相電流指令は、その後、三相の電流指令に変換される。三相の電流指令は、同期モータを駆動するインバータ装置に送られ、インバータ装置は、受信した電流指令に基づき、内部の半導体スイッチング素子をスイッチング動作させ、所望の三相駆動電力を生成し、同期モータへ供給する。
ここで、上記制御装置電流制限値は、モータまたはインバータ装置が許容する最大電流に相当する。また、上記制御装置電圧制限値は、同期モータを駆動するインバータ装置が出力可能な最大電圧に相当するものであり、インバータ装置の直流側のDCリンク電圧に依存する。以下、各構成部について説明する。
図1に示す第1の候補値演算部11は、dq電流座標平面上において、制御装置電流制限値の電流ベクトル軌跡を表す電流制限円と、モータ速度に対応して制御装置電圧制限値の電流ベクトル軌跡を表す電圧制限楕円と、の交点に基づいて、第1のd相電流制限候補値および第1のq相電流制限候補値を算出する。
制御装置電流制限値Iamの電流ベクトル軌跡は、非特許文献1によれば、dq電流座標平面上において、式3で表わされる電流制限円となる。
Figure 0005391347
また、制御装置電圧制限値Vomの電流ベクトル軌跡は、非特許文献1によれば、dq電流座標平面上において、式4で表わされる電圧制限楕円となる。
Figure 0005391347
同期モータのモータ速度をω、電機子鎖交磁束をΨa、q軸およびd軸インダクタンスをLqおよびLd、制御装置電圧制限値をVom、制御装置電流制限値をIamとしたとき、第1の候補値演算部11は、dq電流座標平面上において、制御装置電流制限値Iamの電流ベクトル軌跡を表す電流制限円と、モータ速度ωに対応して制御装置電圧制限値Vomの電流ベクトル軌跡を表す電圧制限楕円と、の交点に基づいて、第1のd相電流制限候補値Id1および第1のq相電流制限候補値Iq1を算出する。式3および式4から、式5が得られる。
Figure 0005391347
第1の候補値演算部11内の第1の演算部11−1は、式5に基づいて第1のd相電流制限候補値Id1を算出する。
また、第1の候補値演算部11内の第2の演算部11−2は、式3を変形した式6に基づいて、第1のq相電流制限候補値Iq1を算出する。
Figure 0005391347
図1に示す第2の候補値演算部12は、dq電流座標平面上において、同一鎖交磁束に対してトルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・磁束曲線と、モータ速度に対応した制御装置電圧制限値の電流ベクトル軌跡を表す電圧制限楕円と、の交点に基づいて、第2のd相電流制限候補値および第2のq相電流制限候補値を算出する。
永久磁石を有する同期モータの鎖交磁束Ψo(dq電流座標平面上においてΨodおよびΨoq)は、非特許文献1によれば、式7および式8のように表わされる。
Figure 0005391347
Figure 0005391347
また、永久磁石を有する同期モータのトルクTは、非特許文献1によれば、マグネットトルクをTm、リラクタンストルクをTrとして式9のように表わされる。
Figure 0005391347
鎖交磁束Ψoを表す式8を用いて式9よりq相電流iqを消去し、トルクTをd相電流idと鎖交磁束Ψoで表して∂T/∂id=0とおくと、同一トルク発生時に鎖交磁束が最小となる条件は、式10、式11および式12で表わされる。これは、同一鎖交磁束に対してトルクが最大となる条件でもある。
Figure 0005391347
Figure 0005391347
Figure 0005391347
式10、式11および式12について、Ψo=Vom/ωと置き換えてモータ速度ωの関係式として表すと、式13、式14および式15が得られる。
Figure 0005391347
Figure 0005391347
Figure 0005391347
式13、式14および式15の関係をdq電流座標平面上で表すと曲線状となる。この曲線は、同一鎖交磁束に対してトルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表すものであり、ここでは、「最大トルク・磁束曲線」と称する。
第2の候補値演算部12は、dq電流座標平面上において、同一鎖交磁束に対してトルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・磁束曲線と、モータ速度ωに対応した制御装置電圧制限値Vomの電流ベクトル軌跡を表す電圧制限楕円と、の交点に基づいて、第2のd相電流制限候補値Id2および第2のq相電流制限候補値Iq2を算出する。
第2の候補値演算部12内の第3の演算部12−1は、式13および式14に基づいて、第2のd相電流制限候補値Id2を算出する。
第2の候補値演算部12内の第4の演算部12−2は、式15に基づいて、第2のq相電流制限候補値Iq2を算出する。
図1に示すq相電流指令部13は、トルク指令に基づいてq相電流指令iqを作成するものである。本発明の第1の実施例では、q相電流指令部13においてq相電流指令iqを作成する際に適用されるq相電流制限値Iqo1を、第1のq相電流制限候補値Iq1もしくは第2のq相電流制限候補値Iq2の中から選択する。その選択判断には、第1のd相電流制限候補値Id1および第2のd相電流制限候補値Id2を用いる。すなわち、q相電流指令部13は、第1のd相電流制限候補値Id1の絶対値と第2のd相電流制限候補値Id2の絶対値との大小関係を判定し、第1のd相電流制限候補値Id1の絶対値が第2のd相電流制限候補値Id2の絶対値よりも小さい場合には、q相電流指令iqを作成する際に適用されるq相電流制限値Iqo1として第1のq相電流制限候補値Iq1を設定する。一方、第1のd相電流制限候補値Id1の絶対値が第2のd相電流制限候補値Id2の絶対値よりも大きい場合には、q相電流指令iqを作成する際に適用されるq相電流制限値Iqo1として第2のq相電流制限候補値Iq2を設定する。q相電流指令部13は、トルク指令に基づいて作成したq相電流指令iqが、上記のように設定したq相電流制限値Iqo1を超える場合には、q相電流指令iqを当該q相電流制限値Iqo1に制限して出力する。
図1に示すd相電流指令部14は、モータ速度ωおよびq相電流指令iqに基づいてd相電流指令idを作成するものである。d相電流指令idの作成には式16が用いられる。なお、式16は、上述した式1と同一であるので、詳細な説明は省略する。
Figure 0005391347
本発明の第1の実施例では、d相電流指令部14においてd相電流指令idを作成する際に適用されるd相電流制限値Ido1を、第1のd相電流制限候補値Id1もしくは第2のd相電流制限候補値Id2の中から選択する。すなわち、d相電流指令部14は、第1のd相電流制限候補値Id1の絶対値と第2のd相電流制限候補値Id2の絶対値との大小関係を判定し、第1のd相電流制限候補値Id1の絶対値が第2のd相電流制限候補値Id2の絶対値よりも小さい場合には、d相電流指令idを作成する際に適用されるd相電流制限値Ido1として第1のd相電流制限候補値Id1を設定する。一方、第1のd相電流制限候補値Id1の絶対値が第2のd相電流制限候補値Id2の絶対値よりも大きい場合には、d相電流指令idを作成する際に適用されるd相電流制限値Ido1として第2のd相電流制限候補値Id2を設定する。d相電流指令部14は、式16を用いてモータ速度ωおよびq相電流指令iqに基づいて作成したd相電流指令idが、上記のように設定したd相電流制限値Ido1を超える場合には、d相電流指令を当該d相電流制限値Ido1に制限して出力する。
図2は、本発明の第2の実施例による同期モータの制御装置の原理ブロック図である。
本発明の第2の実施例によれば、q相電流指令およびd相電流指令に基づいて、永久磁石を有する同期モータの電流ベクトル制御を行う同期モータの制御装置2は、制御装置2に設定された制御装置電流制限値および制御装置電圧制限値ならびに同期モータのモータ速度を用いて、第1のd相電流制限候補値および第1のq相電流制限候補値を算出する第1の候補値演算部21と、制御装置電圧制限値および同期モータのモータ速度を用いて第2のd相電流制限候補値および第2のq相電流制限候補値を算出する第2の候補値演算部22と、第1のd相電流制限候補値の絶対値が第2のd相電流制限候補値の絶対値よりも小さい場合には第1のq相電流制限候補値を、それ以外の場合は第2のq相電流制限候補値を、q相電流制限値として設定して、トルク指令に基づいて作成した第1のq相電流指令候補値がq相電流制限値を超える場合には、第1のq相電流指令候補値をq相電流制限値に制限して出力する第1のq相電流指令部23と、第1のd相電流制限候補値の絶対値が第2のd相電流制限候補値の絶対値よりも小さい場合には第1のd相電流制限候補値を、それ以外の場合は第2のd相電流制限候補値を、d相電流制限値として設定し、モータ速度ωおよび第1のq相電流指令候補値に基づいて作成した第1のd相電流指令候補値がd相電流制限値を超える場合には、第1のd相電流指令候補値をd相電流制限値に制限して出力する第1のd相電流指令部24と、dq電流座標平面上において、同一電流に対して発生トルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・電流曲線と、制御装置電流制限値の電流ベクトル軌跡を表す電流制限円と、の交点に基づいて、第3のd相電流制限候補値および第3のq相電流制限候補値を算出する第3の候補値演算部25と、トルク指令に基づいて生成した第2のq相電流指令候補値が第3のq相電流制限候補値を超える場合には、第2のq相電流指令候補値を第3のq相電流制限値に制限して出力する第2のq相電流指令部26と、第2のq相電流指令部26から出力された第2のq相電流指令候補値と、dq電流座標平面上における同一電流に対して発生トルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・電流曲線と、を用いて第2のd相電流指令候補値を作成して出力する第2のd相電流指令部27と、第2のd相電流指令候補値の絶対値が第1のd相電流指令候補値の絶対値よりも大きい場合には、第2のd相電流指令候補値および第2のq相電流指令候補値を、それ以外の場合には、第1のd相電流指令候補値および第1のq相電流指令候補値を、それぞれd相電流指令およびq相電流指令として出力するdq相電流指令判断部28と、を備える。なお、dq相電流指令判断部28から出力されたq相電流指令およびd相電流指令は、その後、三相の電流指令に変換される。三相の電流指令は、同期モータを駆動するインバータ装置に送られ、インバータ装置は、受信した電流指令に基づき、内部の半導体スイッチング素子をスイッチング動作させ、所望の三相駆動電力を生成し、同期モータへ供給する。
すなわち、本発明の第2の実施例による同期モータの制御装置2は、上述した第1の実施例による同期モータの制御装置1のq相電流指令部13およびd相電流指令部14をそれぞれ第1のq相電流指令部23および第1のd相電流指令部24とした上で、新たに、第3の候補値演算部25、第2のq相電流指令部26、第2のd相電流指令部27およびdq相電流指令判断部28を追加したものである。
図2に示す第1の候補値演算部21および第2の候補値演算部22は、図1を参照して説明した第1の実施例における第1の候補値演算部11および第2の候補値演算部12と同一であるので説明は省略する。
図2に示す第1のq相電流指令部23および第1のd相電流指令部24は、図1を参照して説明した第1の実施例におけるq相電流指令部13およびd相電流指令部14に対応するものであり、その動作原理は同じである。すなわち、第1の実施例におけるq相電流指令部13から出力されるq相電流指令を、第2の実施例における第1のq相電流指令部23から出力される第1のq相電流指令候補値に置き換え、第1の実施例におけるd相電流指令部14から出力されるd相電流指令を、第2の実施例における第1のd相電流指令部24から出力される第1のd相電流指令候補値に置き換えればよい。
以下に、本発明の第2の実施例が第1の実施例とは異なる点である第3の候補値演算部25、第2のq相電流指令部26、第2のd相電流指令部27およびdq相電流指令判断部28について説明する。
第3の候補値演算部25は、dq電流座標平面上において、同一電流に対して発生トルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・電流曲線と、制御装置電流制限値の電流ベクトル軌跡を表す電流制限円と、の交点に基づいて、第3のd相電流制限候補値および第3のq相電流制限候補値を算出する。
同一電流に対して発生トルクが最大となる条件を満たす最適な電流位相は、式9で表わされるトルクの式をβで偏微分し0とおくことで式17のように表される。ここで、Iaは電流の振幅、βは電流位相を表す。
Figure 0005391347
式17より、q相電流iqとd相電流idとの関係は式18のように表わされる。
Figure 0005391347
すなわち、dq電流座標平面上において、式18を満たすq相電流iqとd相電流idとの関係を表す曲線は、同一電流に対して発生トルクが最大となるものとなり、ここは「最大トルク・電流曲線」と称する。本発明の第2の実施例では、第3の候補値演算部25は、dq電流座標平面上において、同一電流に対して発生トルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・電流曲線と、制御装置電流制限値の電流ベクトル軌跡を表す電流制限円と、の交点に基づいて、第3のd相電流制限候補値Id3および第3のq相電流制限候補値Iq3を算出する。
第3の候補値演算部25内の第5の演算部25−1は、最大トルク・電流曲線を表わす式18と、電流制限円を表わす式3とから得られる式19に基づいて、第3のd相電流制限候補値Id3を算出する。
Figure 0005391347
第3の候補値演算部25内の第6の演算部25−2は、電流制限円を表わす式3を変形して得られる式20に基づいて、第3のq相電流制限候補値Iq3を算出する。
Figure 0005391347
図2に示す第2のq相電流指令部26は、トルク指令に基づいてq相電流指令候補値Iqo2を作成するものである。本発明の第2の実施例では、第2のq相電流指令部26においてq相電流指令候補値Iqo2を作成する際に適用されるq相電流制限値Iqo2として第3のq相電流制限値Iq3を設定する。第2のq相電流指令部26は、トルク指令に基づいて作成した第2のq相電流指令候補値Iqo2が、上記のように設定した第3のq相電流制限値Iq3を超える場合には、第2のq相電流指令候補値Iqo2を当該第3のq相電流制限値Iq3に制限して出力する。
図2に示す第2のd相電流指令部27は、第2のq相電流指令部26から出力された第2のq相電流指令候補値Iqo2と、dq電流座標平面上における同一電流に対して発生トルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・電流曲線と、を用いて第2のd相電流指令候補値Ido2を作成して出力する。第2のd相電流指令候補値Ido2の作成には式21が用いられる。式21は上述した式18と同一である。
Figure 0005391347
図2に示すdq相電流指令判断部28は、最終的に出力すべきq相電流指令iqおよびd相電流指令idを、第1のq相電流指令部23および第1のd相電流指令部24から出力された第1のq相電流指令候補値Iqo1および第1のd相電流指令候補値Ido1、または第2のq相電流指令部26および第2のd相電流指令部27から出力された第2のq相電流指令候補値Iqo2および第2のd相電流指令候補値Ido2の中から選択する。その選択判断には、第1のd相電流指令候補値Ido1および第2のd相電流指令候補値Ido2を用いる。すなわち、dq相電流指令判断部28は、第1のd相電流指令候補値Ido1の絶対値と第2のd相電流指令候補値Ido2の絶対値との大小関係を判定し、第2のd相電流指令候補値Ido2の絶対値が第1のd相電流指令候補値Ido1の絶対値よりも大きい場合には、最終的に出力すべきq相電流指令iqおよびd相電流指令idを第2のq相電流指令候補値Iqo2および第2のd相電流指令候補値Ido2に決定し、これらを出力する。一方、第2のd相電流指令候補値Ido2の絶対値が第1のd相電流指令候補値Ido1の絶対値よりも小さい場合には、最終的に出力すべきq相電流指令iqおよびd相電流指令idを第1のq相電流指令候補値Iqo1および第1のd相電流指令候補値Ido1に決定し、これらを出力する。
発生するトルクを最大化することが、同期モータを開発する上でひとつの重要な目的であるが、トルクはq相電流iqに比例するので、q相電流iqが電圧制限および電流制限を超えない範囲でできるだけ大きくするのが望ましい。同期モータの発生トルクは、同期モータを駆動するためのインバータ装置の電流制限と、電源側から入力される電圧などで決まる電圧制限により、制限される。本発明の第1および第2の実施例においては、電流制限や電圧制限に達しない状態で同期モータを駆動した場合、同期モータのマグネットトルクとリラクタンストルクの合計トルクが最大化するリラクタンストルク制御を行い、電流制限を受ける領域で同期モータを駆動する場合は、弱め磁束制御を行うことで、同期モータのトルクを最大化する。本発明の第1および第2の実施例においては、リラクタンストルク制御と弱め磁束制御のうち、発生するトルクが最大化する方を採用するため、算出された第1のd相電流制限値Id1の絶対値と第2のd相電流制限値Id2の絶対値との大小関係をリラクタンストルク制御と弱め磁束制御との切替えの判断基準に用いる。図3は、本発明の第1および第2の実施例による同期モータの制御装置における、q相電流制限値およびd相電流制限値の切替えを説明するためのdq電流座標平面を示す図である。図3では、モータ速度ω1、ω2およびω3(ただし、ω1<ω2<ω3)に対応する制御装置電圧制限の電流ベクトル軌跡を表す電圧制限楕円をP1、P2およびP3で示し、制御装置電流制限の電流ベクトル軌跡を表す電流制限円をQで示す。第1の候補演算部11および21は、電圧制限楕円P1、P2およびP3と電流制限円Qとの交点(図中、黒丸「●」で表す。)の各qd座標を、第1のq相電流制限候補値Iq1および第1のd相電流制限候補値Id1として採用する。一方、第2の候補演算部12および22は、同一鎖交磁束に対してトルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・磁束曲線と、電流制限円Qとの交点(図中、三角「△」で表す。)の各qd座標を、第2のq相電流制限候補値Iq2および第2のd相電流制限候補値Id2として採用する。なお、図示の例では、図面を見やすくするために、最大トルク・磁束曲線を一定値Id2としている。図3から、第1のd相電流制限候補値Id1の絶対値が第2のd相電流制限候補値Id2の絶対値よりも小さいときは、q相電流制限値およびd相電流制限値として第1のq相電流制限候補値Iq1および第1のd相電流制限候補値Id1を採用し、第1のd相電流制限候補値Id1の絶対値が第2のd相電流制限候補値Id2の絶対値よりも大きいときは、q相電流制限値およびd相電流制限値として第2のq相電流制限候補値Iq2および第2のd相電流制限候補値Id2を採用すれば、q相電流指令を、できるだけ大きな制限値で制限したものとすることができるので、q相電流に比例する発生トルクも最大化する。
図4は、q相電流制限値およびd相電流制限値が図3に示す関係を有する場合におけるモータ速度とq相電流およびd相電流との関係を示す図であって、(a)はq相電流を示し、(b)はd相電流を示す。モータ速度がω2未満である場合は、電流制限値として第2のq相電流制限候補値Iq2および第2のd相電流制限候補値Id2を採用すると、制御装置電流制限Iamを超えてしまう。したがってこの場合は、電流制限値として第1のq相電流制限候補値Iq1および第1のd相電流制限候補値Iq1を採用する。一方、モータ速度がω2以上である場合は、発生トルクの大きさに関与するq軸成分である第2のq相電流制限候補値Iq2は第1のq相電流制限候補値Iq1よりも大きいため、より大きなトルクを発生させることが可能な第2のq相電流制限候補値Iq2および第2のd相電流制限候補値Id2を採用する。
本発明の第1および第2の実施例では、各電流制限候補値の算出およびq相電流指令およびd相電流指令の決定を理論式に基づいて算出するものであるが、以下に説明する本発明の第3〜第6の実施例は、同期モータが有する種々のパラメータや実際に同期モータを駆動した際に得られる各種データを、所定の近似式に当てはめて、q相電流指令およびd相電流指令を決定するものである。
本発明の第3の実施例を説明すると次の通りである。
まず、q相電流の制限値は次のようにして設定する。第3の候補値演算部25は、第3のq相電流制限候補値Iq3を、式22に示すように、第3のq相電流制限候補値Iq3_approxで表される近似式に基づいて設定する。ここで、係数をc1とする。
Figure 0005391347
第1の候補値演算部11および21ならびに第2の候補値演算部12および22は、第1のq相電流制限候補値Iq1および第2のq相電流制限候補値Iq2を、同期モータのモータ速度ωを変数とする2次関数で表される近似式に基づいて設定するようにしてもよい。ここでは一例として、式23に示すような近似式で第1のq相電流制限候補値および第2のq相電流制限候補値(まとめてIq12_approxで表す。)を算出するものとする。ここで、係数をa2、b2およびc2とする。
Figure 0005391347
q相電流については、上述のように近似式にて算出されたIq3_approxとIq12_approxとの大小関係を比較し、小さいほうの値を、q相電流制限値iq_limに設定する。
次に、d相電流の制限値は次のようにして設定する。第3の候補値演算部25は、第3のd相電流制限候補値Id3を、式24に示すように、第3のd相電流制限候補値Id3_approxで表される近似式に基づいて設定する。ここで、係数をc3とする。
Figure 0005391347
第1の候補値演算部11および21ならびに第2の候補値演算部12および22は、第1のd相電流制限候補値Id1および第2のd相電流制限候補値Id2を、同期モータのモータ速度ωを変数とする2次関数で表される近似式に基づいて設定するようにしてもよい。ここでは一例として、式25に示すような近似式で第1のd相電流制限候補値Id1_approxを算出する。式25において、係数をa4、b4およびc4とする。また、第2のd相電流制限候補値Id2_approxについては、一例として、式26に示すように、近似式に従って算出したものが定数(すなわち、モータ速度ωの2次の項および1次の項の係数が0)であるとする。式26において、係数をc5とする。
Figure 0005391347
Figure 0005391347
d相電流については、上述のように近似式にて算出されたId3_approxの絶対値とId1_approxの絶対値との大小関係を比較し、Id3_approxの絶対値がId1_approxの絶対値より大きいときはId3_approxをd相電流制限値id_limに設定し、Id1_approxの絶対値がId2_approxの絶対値より大きいときはId2_approxをd相電流制限値id_limに設定し、それ以外のときは、Id1_approxをd相電流制限値id_limに設定する。
次に近似式を用いたq相電流指令およびd相電流指令の決定について以下に説明する。
第2のd相電流指令部27は、式27に示すように、第2のq相電流指令部26から出力された第2のq相電流指令候補値iq2を変数とする2次関数で表される近似式に基づき、第2のd相電流指令候補値id2_ * approxを算出する。ここで、係数をd6、e6およびf6とする。
Figure 0005391347
d相電流指令部14および第1のd相電流指令部24は、同期モータのモータ速度をω、q相電流指令部13もしくは第1のq相電流指令部23から出力されたq相電流指令もしくはq相電流指令候補値をiq1、任意の係数をa7、b7、c7、d7、e7、f7およびg7としたとき、式28で表わされる近似式に基づき、d相電流指令もしくは第1のd相電流指令候補値id1_ * approxを算出する。ここで、係数をa7、b7、c7、d7、e7およびf7とする。
Figure 0005391347
d相電流指令もしくは第1のd相電流指令候補値id1の絶対値が上述のd相電流制限値Id_limの絶対値よりも大きいときは、d相電流指令もしくは第1のd相電流指令候補値id1を当該制限値に制限する。
図5は、本発明の第2の実施例と第3の実施例のd相電流についての比較結果を示す図であり、図6は、本発明の第2の実施例と第3の実施例のq相電流についての比較結果を示す図である。図5および図6では、永久磁石を有する3相動機モータで、それぞれ1相あたりの電気子鎖交磁束Ψa=0.0965 Vp sec/rad、q軸インダクタンスLq=0.00217H、d軸インダクタンスLd=0.0013H、電圧制限Vo=200Vrms、電流制限Iam=42.4Armsの場合に、本発明の第2の実施例にしたがって計算したときの、モータ速度ωとd相電流idとq相電流iqの関係と、本発明の第3の実施例の近似式にしたがって計算したときの、モータ速度ωとd相電流idとq相電流iqの関係を示している。ここでは、式22〜式28の各係数を次の通りに設定した。すなわち、c1=39.69、a2=0.0001539、b2=−0.1938、c2=76.18、c3=15、a4=−0.0002477、b4=0.3112、c4=−42.78、c5=36、d6=1、e6=0.142、f6=0.4、a7=−0.0001267、b7=0.1592、c7=−18、d7=1.2、e7=0、f7=1、g7=30といったように設定した。図5および図6から分かるように、本発明の第2の実施例と比較しても、本発明の第3の実施例による近似式で十分に本発明の同期モータの制御装置をモデル化できていることがわかる。
なお、本発明の第3の実施例において式22〜式28で用いた各係数は、同期モータの逆起電力やインダクタンスといった固有値を、モータ固体毎に予め測定しておき、設定すればよい。測定したモータ個体後の値に応じて係数を変化させることで、その同期モータに適したより高出力で高効率な制御が可能となる。このモータ固体毎の固有値は、同期モータ内部に付属するメモリなどに記憶させておけば、同期モータと本発明による制御装置を接続するだけで係数を変化させることも容易となる。また、同期モータの電源入力端に設けられた電圧検出センサによって検出される同期モータへの入力電圧に対応して、前記近似式で表される関数における係数を決定する係数決定部(図示せず)をさらに備えてもよい。あるいはまた、同期モータの近傍に設けられた温度センサによって検出される同期モータの温度に対応して、前記近似式で表される関数における係数を決定する係数決定部をさらに備えてもよい。
次に、本発明の第4の実施例について説明する。本発明の第4の実施例は、上述の第3の実施例における式28の係数g7の部分を、式29に示すようにq相電流指令もしくはq相電流指令候補値であるiq1の2次関数に置き換えることで、第3の実施例の場合に比べてより高出力で高効率が制御を可能にしたものである。ここで、係数をa1、b1、c1、d1、e1、f1、g1、h1およびj1とする。
Figure 0005391347
d相電流指令部14および第1のd相電流指令部24は、同期モータのモータ速度をω、q相電流指令部13もしくは第1のq相電流指令部23から出力されたq相電流指令もしくはq相電流指令候補値をiq1、任意の係数をf4、g4およびh4としたとき、式29で表わされる近似式に基づき、d相電流指令もしくは第1のd相電流指令候補値id1 * _approxを算出する。
なお、本発明の第4の実施例において式29で用いた各係数は、同期モータの逆起電力やインダクタンスといった固有値を、モータ固体毎に予め測定しておき、設定すればよい。測定したモータ個体後の値に応じて係数を変化させることで、その同期モータに適したより高出力で高効率な制御が可能となる。このモータ固体毎の固有値は、同期モータ内部に付属するメモリなどに記憶させておけば、同期モータと本発明による制御装置を接続するだけで係数を変化させることも容易となる。
次に、本発明の第5の実施例を説明する。本発明の第5の実第5の実施例施例は、上述の第3の実施例同様、同期モータが有する種々のパラメータや実際に同期モータを駆動した際に得られる各種データを、所定の近似式に当てはめて、q相電流指令およびd相電流指令を決定するものであるが、d相電流の制限値、q相電流制限値、およびd相電流を算出する際に、共通の速度項を用いることで、第3の実施例よりも計算量を低減したものである。
まず、q相電流の制限値は次のようにして設定する。第3の候補値演算部25は、第3のq相電流制限候補値Iq3を、式30に示すように、第3のq相電流制限候補値Iq3_approxで表される近似式に基づいて設定する。ここで、係数をc1とする。
Figure 0005391347
第1の候補値演算部11および21ならびに第2の候補値演算部12および22は、第1のq相電流制限候補値Iq1および第2のq相電流制限候補値Iq2を、同期モータのモータ速度ωを変数とする2次関数である式31に示すような近似式で第1のq相電流制限候補値および第2のq相電流制限候補値(まとめてIq12_approxで表す。)を算出する。なお、速度項kについては後述する。ここで、係数をp10およびq10とする。
Figure 0005391347
q相電流については、上述のように近似式にて算出されたIq3_approxとIq12_approxとの大小関係を比較し、小さいほうの値を、q相電流制限値iq_limに設定する。
次に、d相電流の制限値は次のようにして設定する。第3の候補値演算部25は、第3のd相電流制限候補値Id3を、式32に示すように、第3のd相電流制限候補値Id3_approxで表される近似式に基づいて設定する。ここで、係数をc3とする。
Figure 0005391347
第1の候補値演算部11および21は、第1のd相電流制限候補値Id1としてを、同期モータのモータ速度ωを変数とする2次関数である式33に示すような近似式で第1のd相電流制限候補値Id1_approxを算出する。式33において、係数をl10およびm10とする。また、第2の候補値演算部12および22は、第2のd相電流制限候補値Id2については、式34の第2のd相電流制限候補値Id2_approxとして示すように、近似式に従って算出したものが定数(すなわち、モータ速度ωの2次の項および1次の項の係数が0)であるとする。式34において、係数をc5とする。なお、速度項kについては後述する。
Figure 0005391347
Figure 0005391347
d相電流については、上述のように近似式にて算出されたId3_approxの絶対値とId1_approxの絶対値との大小関係を比較し、Id3_approxの絶対値がId1_approxの絶対値より大きいときはId3_approxをd相電流制限値id_limに設定し、Id1_approxの絶対値がId2_approxの絶対値より大きいときはId2_approxをd相電流制限値id_limに設定し、それ以外のときは、Id1_approxをd相電流制限値id_limに設定する。
次に近似式を用いたq相電流指令およびd相電流指令の決定について以下に説明する。
d相電流指令部14および第1のd相電流指令部24は、同期モータのモータ速度をω、q相電流指令部13もしくは第1のq相電流指令部23から出力されたq相電流指令もしくはq相電流指令候補値をiq1、任意の係数をf4、g4およびh4としたとき、式35で表わされる近似式に基づき、d相電流指令もしくは第1のd相電流指令候補値id1 * _approxを算出する。ここで、係数をf4、g4およびh4とする。
Figure 0005391347
第2のd相電流指令部27は、式36に示すように、第2のq相電流指令部26から出力された第2のq相電流指令候補値iq2を変数とする2次関数で表される近似式に基づき、第2のd相電流指令候補値id2 * _approxを算出する。ここで、係数をa10、d10、e10、f10、g10、h10およびj10とする。なお、速度項kについては後述する。
Figure 0005391347
図2に示すdq相電流指令判断部28は、id1 * _approxの絶対値がid2 * _approxの絶対値よりも大きいときは、d相電流指令もしくは第1のd相電流指令候補値をid1 * _approxに設定し、それ以外の時はid2 * _approxに設定する。ただし、dq相電流指令判断部28は、idの絶対値がid_limの絶対値よりも大きいときには、d相電流指令もしくは第1のd相電流指令候補値を式32〜式34で定まるd相電流制限値id_limに設定する。
ここで、q相電流の制限値の算出に用いられる式31、d相電流の制限値の算出に用いられる式33、d相電流の算出に用いられる式36における速度項kについて説明すると次の通りである。速度項kは式37を用いて算出する。ここで、Vinを同期モータの電源入力端に設けられた電圧検出センサによって検出される同期モータへの入力電圧とする。また、Tinを同期モータの近傍(例えばモータ巻線)に設けられた温度センサ(サーミスタ)によって検出される同期モータの温度とする。また、係数をb4、c4およびd4とする。
Figure 0005391347
ここで、式37において、Vbaseは、パラメータ調整時に、同期モータの電源入力端に設けられた電圧検出センサによって検出される同期モータへの入力電圧Vinが変動する際、その影響を電流の速度項kに反映させるための基準電圧である。例えば電圧が170V〜264Vの間で変動する場合、基準電圧Vbaseを170Vに設定すると、式37に基づいて、電圧検出センサによって検出される同期モータへの入力電圧Vinが170Vの場合は0に、200Vの場合は30に、264Vの場合は94に、係数c4がかけられて速度項kが算出され、この速度項kが式36に代入されることになる。したがって、式36から、電圧検出センサによって検出される同期モータへの入力電圧Vinが高くなるほど、第2のd相電流指令候補値id2 * _approxの値は小さくなる。
また、式37において、Tbaseは、同期モータの近傍(例えばモータ巻線)に設けられた温度センサ(サーミスタ)によって検出される同期モータの温度Tinが変動する際、その影響を電流の速度項kに反映させるための基準電圧である。一般に、同期モータの動作パターンや同期モータにかかる負荷によって同期モータの温度の上昇の程度は変わるが、ある基準でのベース温度Tbaseを予め決めておいて、温度変化による第2のd相電流指令候補値id2 * _approxの調整が可能になる。同期モータの近傍(例えばモータ巻線)に設けられた温度センサ(サーミスタ)によって検出される同期モータの温度が高温になるほど、第2のd相電流指令候補値id2 * _approxの値は小さくなる。同期モータの温度が高温になるほど逆起電力が減るため、第2のd相電流指令候補値id2 * _approxの値が小さくなっても高速回転ができるなど省エネになる。
なお、式37において、係数c4を0に設定すると、同期モータの温度Tinの影響のみを速度項kに反映させることができ、係数d4を0に設定すると、同期モータへの入力電圧Vinの影響のみを速度項kに反映させることができる。
このように、本発明の第5の実施例では、d相電流の制限値、q相電流制限値、およびd相電流を算出する際に、式37に示す共通の速度項kを用いることで、第3の実施例よりも計算量を低減することができるとともに、同期モータの温度や同期モータへの入力電圧が変動する際の補正の計算が容易になる。
d相電流指令部14および第1のd相電流指令部24は、同期モータのモータ速度をω、q相電流指令部13もしくは第1のq相電流指令部23から出力されたq相電流指令もしくはq相電流指令候補値をiq1、任意の係数をf4、g4およびh4としたとき、式37で表わされる近似式に基づき、d相電流指令もしくは第1のd相電流指令候補値id1 * _approxを算出する。ここで、係数をa5、b5、c5、d5、e5、f5、g5、h5およびj5とする。
式36におけるa10×(d10q 2+e10q+f10)は、式29における(d1q 2+e1q+f1)に対応し、式36における(g10q 2+h10q+j10)は、式29における(g1q 2+h1q+j1)に対応する。したがって、式36を整理すると、式38が得られる。式38では、係数をa11、b11、c11、d11、e11、f11、g11、h11およびj11として整理している。
Figure 0005391347
なお、本発明の第5の実施例において式32〜式38で用いた各係数は、同期モータの逆起電力やインダクタンスといった固有値を、モータ固体毎に予め測定しておき、設定すればよい。測定したモータ個体後の値に応じて係数を変化させることで、その同期モータに適したより高出力で高効率な制御が可能となる。このモータ固体毎の固有値は、同期モータ内部に付属するメモリなどに記憶させておけば、同期モータと本発明による制御装置を接続するだけで係数を変化させることも容易となる。本発明の第5の実施例では、同期モータの電源入力端に設けられた電圧検出センサによって検出される同期モータへの入力電圧に対応して、前記近似式で表される関数における係数を決定する係数決定部(図示せず)をさらに備える。あるいはまた、同期モータの近傍に設けられた温度センサによって検出される同期モータの温度に対応して、前記近似式で表される関数における係数を決定する係数決定部をさらに備える。
図7は、電圧制限Vo=170Vrmsとした場合における本発明の第2の実施例と第5の実施例のd相電流についての比較結果を示す図であり、図8は、電圧制限Vo=170Vrmsとした場合における本発明の第2の実施例と第5の実施例のq相電流についての比較結果を示す図である。また、図9は、電圧制限Vo=200Vrmsとした場合における本発明の第2の実施例と第5の実施例のd相電流についての比較結果を示す図であり、図10は、電圧制限Vo=200Vrmsとした場合における本発明の第2の実施例と第5の実施例のq相電流についての比較結果を示す図である。また、図11は、電圧制限Vo=264Vrmsとした場合における本発明の第2の実施例と第5の実施例のd相電流についての比較結果を示す図であり、図12は、電圧制限Vo=264Vrmsとした場合における本発明の第2の実施例と第5の実施例のq相電流についての比較結果を示す図である。図7〜図12では、永久磁石を有する3相動機モータで、それぞれ1相あたりの電気子鎖交磁束Ψa=0.5204 Vp sec/rad、q軸インダクタンスLq=0.00177H、d軸インダクタンスLd=0.00149H、電流制限Iam=113.1Armsの場合に、本発明の第2の実施例にしたがって計算したときの、モータ速度ωとd相電流idとq相電流iqの関係と、本発明の第5の実施例の近似式にしたがって計算したときの、モータ速度ωとd相電流idとq相電流iqの関係を示している。ここでは、また、関係式については式39を用いた。
Figure 0005391347
また、式39の各係数を次の通りに設定した。すなわち、c1=113.1、a1=0.0008、e1=35、c3=0、a2=−0.00095、c2=123、c5=96、f4=0、g4=0、h4=0、a3=−0.0014、i=1.5、e3=95、J=2.3、b=−6000、c=−0.35、Vbase=170、d=0、Tbase=90といったように設定した。d相電流制限値id_limを一点鎖線で示す。図7〜図12から分かるように、本発明の第2の実施例と比較しても、本発明の第5の実施例による近似式で十分に本発明の同期モータの制御装置をモデル化できていることがわかる。
以上説明した制御装置における上記各構成部は、同期モータの制御装置内のプロセッサなどを用いて構成される。
本発明は、永久磁石を有する同期モータの制御装置に適用することができる。特に、表面貼り付け型ロータを有する同期モータ(SPMSM)の場合はリラクタンストルクが発生しないので、本発明を適用すると、より効率的に同期モータを制御することができる。
1 制御装置
2 制御装置
11 第1の候補値演算部
11−1 第1の演算部
11−2 第2の演算部
12 第2の候補値演算部
12−1 第3の演算部
12−2 第4の演算部
13 q相電流指令部
14 d相電流指令部
21 第1の候補値演算部
21−1 第1の演算部
21−2 第2の演算部
22 第2の候補値演算部
22−1 第3の演算部
22−2 第4の演算部
23 第1のq相電流指令部
24 第1のd相電流指令部
25 第3の候補値演算部
25−1 第5の演算部
25−2 第6の演算部
26 第2のq相電流指令部
27 第2のd相電流指令部
28 dq相電流指令判断部

Claims (16)

  1. q相電流指令およびd相電流指令に基づいて、永久磁石を有する同期モータの電流ベクトル制御を行う同期モータの制御装置であって、
    前記制御装置に設定された制御装置電流制限値および制御装置電圧制限値ならびに同期モータのモータ速度を用いて、dq電流座標平面上において、前記制御装置電流制限値の電流ベクトル軌跡を表す電流制限円と、モータ速度に対応して前記制御装置電圧制限値の電流ベクトル軌跡を表す電圧制限楕円と、の交点に基づいて、第1のd相電流制限候補値および第1のq相電流制限候補値を算出する第1の候補値演算部と、
    前記制御装置電圧制限値および同期モータのモータ速度を用いて、dq電流座標平面上において、同一鎖交磁束に対してトルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・磁束曲線と、モータ速度に対応した前記制御装置電圧制限値の電流ベクトル軌跡を表す電圧制限楕円と、の交点に基づいて、第2のd相電流制限候補値および第2のq相電流制限候補値を算出する第2の候補値演算部と、
    前記第1のd相電流制限候補値の絶対値が前記第2のd相電流制限候補値の絶対値よりも小さい場合には前記第1のq相電流制限候補値を、それ以外の場合は前記第2のq相電流制限候補値を、q相電流制限値として設定して、トルク指令に基づいて作成したq相電流指令が前記q相電流制限値を超える場合には、前記q相電流指令を前記q相電流制限値に制限して出力するq相電流指令部と、
    前記第1のd相電流制限候補値の絶対値が前記第2のd相電流制限候補値の絶対値よりも小さい場合には前記第1のd相電流制限候補値を、それ以外の場合は前記第2のd相電流制限候補値を、d相電流制限値として設定して、前記モータ速度および前記q相電流指令に基づいて作成したd相電流指令が前記d相電流制限値を超える場合には、前記d相電流指令を前記d相電流制限値に制限して出力するd相電流指令部と、
    を備えることを特徴とする同期モータの制御装置。
  2. q相電流指令およびd相電流指令に基づいて、永久磁石を有する同期モータの電流ベクトル制御を行う同期モータの制御装置であって、
    前記制御装置に設定された制御装置電流制限値および制御装置電圧制限値ならびに同期モータのモータ速度を用いて、dq電流座標平面上において、前記制御装置電流制限値の電流ベクトル軌跡を表す電流制限円と、モータ速度に対応して前記制御装置電圧制限値の電流ベクトル軌跡を表す電圧制限楕円と、の交点に基づいて、第1のd相電流制限候補値および第1のq相電流制限候補値を算出する第1の候補値演算部と、
    前記制御装置電圧制限値および同期モータのモータ速度を用いて、dq電流座標平面上において、同一鎖交磁束に対してトルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・磁束曲線と、モータ速度に対応した前記制御装置電圧制限値の電流ベクトル軌跡を表す電圧制限楕円と、の交点に基づいて、第2のd相電流制限候補値および第2のq相電流制限候補値を算出する第2の候補値演算部と、
    前記第1のd相電流制限候補値の絶対値が前記第2のd相電流制限候補値の絶対値よりも小さい場合には前記第1のq相電流制限候補値を、それ以外の場合は前記第2のq相電流制限候補値を、q相電流制限値として設定して、トルク指令に基づいて作成した第1のq相電流指令候補値が前記q相電流制限値を超える場合には、前記第1のq相電流指令候補値を前記q相電流制限値に制限して出力する第1のq相電流指令部と、
    前記第1のd相電流制限候補値の絶対値が前記第2のd相電流制限候補値の絶対値よりも小さい場合には前記第1のd相電流制限候補値を、それ以外の場合は前記第2のd相電流制限候補値を、d相電流制限値として設定し、前記モータ速度および前記第1のq相電流指令候補値に基づいて作成した第1のd相電流指令候補値が前記d相電流制限値を超える場合には、前記第1のd相電流指令候補値を前記d相電流制限値に制限して出力する第1のd相電流指令部と、
    dq電流座標平面上において、同一電流に対して発生トルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・電流曲線と、前記制御装置電流制限値の電流ベクトル軌跡を表す電流制限円と、の交点に基づいて、第3のd相電流制限候補値および第3のq相電流制限候補値を算出する第3の候補値演算部と、
    トルク指令に基づいて生成した第2のq相電流指令候補値が前記第3のq相電流制限候補値を超える場合には、前記第2のq相電流指令候補値を前記第3のq相電流制限値に制限して出力する第2のq相電流指令部と、
    前記第2のq相電流指令部から出力された前記第2のq相電流指令候補値と、dq電流座標平面上における同一電流に対して発生トルクが最大となる電流ベクトル軌跡を表す最大トルク・電流曲線と、を用いて第2のd相電流指令候補値を作成して出力する第2のd相電流指令部と、
    前記第2のd相電流指令候補値の絶対値が前記第1のd相電流指令候補値の絶対値よりも大きい場合には、前記第2のq相電流指令候補値および前記第2のd相電流指令候補値を、それ以外の場合には、前記第1のq相電流指令候補値および前記第1のd相電流指令候補値を、それぞれd相電流指令およびq相電流指令として出力するdq相電流指令判断部と、
    を備えることを特徴とする同期モータの制御装置。
  3. 第1の候補値演算部は、同期モータのモータ速度をω、電機子鎖交磁束をΨa、q軸およびd軸インダクタンスをLqおよびLd、前記制御装置電圧制限値をVom、前記制御装置電流制限値をIam、前記第1のd相電流制限候補値をId1、前記第1のq相電流制限候補値をIq1としたとき、
    Figure 0005391347
    に基づいて前記第1のd相電流制限候補値Id1を算出し、
    Figure 0005391347
    に基づいて前記第1のq相電流制限候補値Iq1を算出する請求項1または2に記載の同期モータの制御装置。
  4. 第2の候補値演算部は、同期モータのモータ速度をω、電機子鎖交磁束をΨa、q軸およびd軸インダクタンスをLqおよびLd、前記制御装置電圧制限値をVom、前記第2のd相電流制限候補値をId2、前記第2のq相電流制限候補値をIq2としたとき、
    Figure 0005391347
    に基づいて前記第2のd相電流制限候補値Id2を算出し、
    Figure 0005391347
    に基づいて前記第2のq相電流制限候補値Iq2を算出する請求項1または2に記載の同期モータの制御装置。
  5. 前記第3の候補値演算部は、同期モータの電機子鎖交磁束をΨa、q軸およびd軸インダクタンスをLqおよびLd、前記制御装置電流制限値をIam、前記第3のd相電流制限候補値をId3、前記第3のq相電流制限候補値をIq3としたとき、
    Figure 0005391347
    に基づいて前記第3のd相電流制限候補値Id3を算出し、
    Figure 0005391347
    に基づいて前記第3のq相電流制限候補値Iq3を算出する請求項2に記載の同期モータの制御装置。
  6. 前記第2のd相電流指令部は、同期モータの電機子鎖交磁束をΨa、q軸およびd軸インダクタンスをLqおよびLd、前記第2のq相電流指令部から出力された前記第2のq相電流指令候補値をiq2、前記第2のd相電流指令候補値をid2としたとき、
    Figure 0005391347
    で表される近似式に基づいて前記第2のd相電流指令候補値id2を算出する請求項2に記載の同期モータの制御装置。
  7. 前記d相電流指令部は、同期モータのモータ速度をω、前記q相電流指令部から出力された前記q相電流指令をiq1、任意の係数をa、b、c、d、e、fおよびg、前記d相電流指令をid1としたとき、
    Figure 0005391347
    で表される近似式に基づいて前記d相電流指令id1を算出する請求項1に記載の同期モータの制御装置。
  8. 前記第1のd相電流指令部は、同期モータのモータ速度をω、前記第1のq相電流指令部から出力された前記第1のq相電流指令候補値をiq1、任意の係数をa、b、c、d、e、fおよびg、前記第1のd相電流指令候補値をid1、としたとき、
    Figure 0005391347
    で表される近似式に基づいて、前記第1のd相電流指令候補値id1を算出する請求項2に記載の同期モータの制御装置。
  9. 前記第2のd相電流指令部は、前記第2のq相電流指令部から出力された前記第2のq相電流指令候補値を変数とする2次関数で表される近似式に基づき、前記第2のd相電流指令候補値を算出する請求項2に記載の同期モータの制御装置。
  10. 前記第1の候補値演算部および前記第2の候補値演算部は、同期モータのモータ速度を変数とする2次関数で表される近似式に基づいて、第1のd相電流制限候補値、第1のq相電流制限候補値および第2のq相電流制限候補値をそれぞれ算出する請求項1または2に記載の同期モータの制御装置。
  11. 同期モータの電源入力端に設けられた電圧検出センサによって検出される同期モータへの入力電圧に対応して、前記近似式で表される関数における係数を決定する係数決定部をさらに備える請求項7〜10のいずれか一項に記載の同期モータの制御装置。
  12. 同期モータの近傍に設けられた温度センサによって検出される同期モータの温度に対応して、前記近似式で表される関数における係数を決定する係数決定部をさらに備える請求項7〜10のいずれか一項に記載の同期モータの制御装置。
  13. 前記d相電流指令部は、同期モータのモータ速度をω、前記q相電流指令部から出力された前記q相電流指令をiq1、任意の係数をa、b、c、d、e、f、g、hおよびj、前記d相電流指令をid1としたとき、
    Figure 0005391347
    で表される近似式に基づいて前記d相電流指令id1を算出する請求項1に記載の同期モータの制御装置。
  14. 前記第1のd相電流指令部は、同期モータのモータ速度をω、前記第1のq相電流指令部から出力された前記第1のq相電流指令候補値をiq1、任意の係数をa、b、c、d、e、f、g、hおよびj、前記第1のd相電流指令候補値をid1としたとき、
    Figure 0005391347
    で表される近似式に基づいて、前記第1のd相電流指令候補値id1を算出する請求項2に記載の同期モータの制御装置。
  15. 前記d相電流指令部は、同期モータのモータ速度をω、前記q相電流指令部から出力された前記q相電流指令をiq1、任意の係数をf、g、hおよびj、同期モータの電源入力端に設けられた電圧検出センサによって検出される同期モータへの入力電圧および同期モータの近傍に設けられた温度センサによって検出される同期モータの温度のうちの少なくとも1つに基づく変数をk、前記d相電流指令をid1としたとき、
    Figure 0005391347
    で表される近似式に基づいて前記d相電流指令id1を算出し、
    前記第1の候補値演算部は、任意の係数をl、m、pおよびqとしたとき、
    Figure 0005391347
    で表される近似式に基づいて、第1のd相電流制限候補値id1、および第1のq相電流制限候補値iq1をそれぞれ算出する請求項1に記載の同期モータの制御装置。
  16. 前記第1のd相電流指令部は、同期モータのモータ速度をω、前記第1のq相電流指令部から出力された前記第1のq相電流指令候補値をiq1、任意の係数をf、g、hおよびj、同期モータの電源入力端に設けられた電圧検出センサによって検出される同期モータへの入力電圧および同期モータの近傍に設けられた温度センサによって検出される同期モータの温度のうちの少なくとも1つに基づく変数をk、前記第1のd相電流指令候補値をid1としたとき、
    Figure 0005391347
    で表される近似式に基づいて、前記第1のd相電流指令候補値id1を算出し、
    前記第1の候補値演算部は、任意の係数をl、m、pおよびqとしたとき、
    Figure 0005391347
    で表される近似式に基づいて、第1のd相電流制限候補値id1、および第1のq相電流制限候補値iq1をそれぞれ算出する請求項2に記載の同期モータの制御装置。
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