JP2008086138A - 同期電動機制御装置とその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 d軸電流指令を速度に依存した制限値で制限するとともに、制限値を導出する式を簡略化し、最適なd軸電流指令を作る同期電動機制御装置とその制御方法を提供する。
【解決手段】 同期電動機に交流電圧を印加する電力変換部(3)と、回転速度を検出する速度検出部(15)と、電力変換器より供給される同期電動機の3相電流を検出する電流検出部(2)と、3相電流をd−q軸電流に変換する3相/2相座標変換部(4)と、d軸電流指令とd軸電流からd軸電圧指令を生成するd軸電流制御部(7)と、q軸電流指令とq軸電流からq軸電圧指令を生成するq軸電流制御部(6)と、dq軸電圧指令を3相電圧指令に変換する2相/3相座標変換部(5)と、d軸電流指令を演算するd軸電流指令演算部(9)とを備えた同期電動機制御装置において、d軸電流指令をモータ速度に応じて制限するd軸電流指令制限部(11)を備えた。
【選択図】図1
【解決手段】 同期電動機に交流電圧を印加する電力変換部(3)と、回転速度を検出する速度検出部(15)と、電力変換器より供給される同期電動機の3相電流を検出する電流検出部(2)と、3相電流をd−q軸電流に変換する3相/2相座標変換部(4)と、d軸電流指令とd軸電流からd軸電圧指令を生成するd軸電流制御部(7)と、q軸電流指令とq軸電流からq軸電圧指令を生成するq軸電流制御部(6)と、dq軸電圧指令を3相電圧指令に変換する2相/3相座標変換部(5)と、d軸電流指令を演算するd軸電流指令演算部(9)とを備えた同期電動機制御装置において、d軸電流指令をモータ速度に応じて制限するd軸電流指令制限部(11)を備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、同期電動機を駆動する同期電動機制御装置とその制御方法に関する。
従来の同期電動機制御装置を図を用いて説明する。図2において、1は同期電動機、2は電流検出器、3は電力変換部、4は3相/2相変換部、5は2相/3相変換部、6はq軸電流制御部、7はd軸電流制御部、9はd軸電流指令演算部、10はq軸電流制限部、12は最大d軸電流演算部、13は電圧飽和検出器、14は飽和積分器、15は速度検出部である。電流検出部2によって検出されたU相、V相、W相の電流Iu、Iv、Iwは、3相−2相変換部4により、d軸電流Idとq軸電流Iqに変換される。ここで、Iu、Iv、Iwの和は0になるので、Iu、Ivの電流を検出し、Iwは、式(1)から求めることもできる。
電力変換部3は電圧指令Vu*、Vv*,Vw*を受けて実際の電圧を発生する。2相−3相変換部5は同期機の界磁であるd軸電圧指令Vd*とトルクを発生するq軸電圧指令Vq*を、3相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に変換する。q軸電流制御部6はq軸電流指令Iq*とフィードバック電流Iqの差が0になるように例えばPI制御を行う。d軸電流制御部7はq軸電流制御部と同様に例えばPI制御をd軸電流について行う。q軸電流制限部10はd軸電流の増加により、q軸電流の最大値が減少していくので、q軸電流指令Iq*をq軸電流の最大値に制限する。d軸電流指令演算部9はq軸電流指令や電圧飽和積分器14からの入力を基にd軸電流指令を計算する。最大d軸電流演算部12はモータ回転速度ωや電力変換装置の最大電圧Vmaxからd軸電流の最大値を計算する。電圧飽和検出器13は電力変換部3の最大電圧Vmaxと電力変換部3で検出した実電圧との比較を行い、電圧飽和を起こしているかどうかの判断を行う。飽和積分器14は電圧飽和検出器13が電圧飽和を検出したときに負の固定値の積分を行い、負のd軸電流指令を作成する。
次に、永久磁石を使用した同期電動機の電圧飽和について説明する。永久磁石を使用した同期電動機は、回転速度に比例した誘起電圧が、同期電動機のq軸に発生するので、誘起電圧を打ち消すだけの電圧がq軸に必要になる。つまり、高回転速度では、同期電動機のトルクの最大値が減少することになり、この領域を電圧飽和領域と言う。
本発明でも利用しているが、この電圧飽和領域でトルクの減少を抑える方法として、適当な負のd軸電流を流して電圧飽和を押さえる公知技術がある。以下に原理を説明する。永久磁石を使用した同期電動機の電圧電流方程式とトルクは、式(2)、式(3)で与えられる。
次に、永久磁石を使用した同期電動機の電圧飽和について説明する。永久磁石を使用した同期電動機は、回転速度に比例した誘起電圧が、同期電動機のq軸に発生するので、誘起電圧を打ち消すだけの電圧がq軸に必要になる。つまり、高回転速度では、同期電動機のトルクの最大値が減少することになり、この領域を電圧飽和領域と言う。
本発明でも利用しているが、この電圧飽和領域でトルクの減少を抑える方法として、適当な負のd軸電流を流して電圧飽和を押さえる公知技術がある。以下に原理を説明する。永久磁石を使用した同期電動機の電圧電流方程式とトルクは、式(2)、式(3)で与えられる。
ただし、Id,Iqは同期電動機のd,q軸電流、Vd、Vqは同期電動機のd、q軸電圧、ωは電気角速度、Rは電気子抵抗、Ld、Lqはd、q軸インダクタンス、pはd/dt、Kは誘起電圧定数、Ktはトルク定数、Pは極対数である。
ここで、同期電動機は非突極構造であるとし、定常状態で考えるとすると、同期電動機のq軸電圧Vqは、
ここで、同期電動機は非突極構造であるとし、定常状態で考えるとすると、同期電動機のq軸電圧Vqは、
となる。この式(4)より、同期電動機のq軸電圧Vqは回転速度に応じて誘起電圧が高くなるが、負のd軸電流−Idを流すと、誘起電圧の増加量を抑える方向に働く。
電圧飽和領域に入ると電圧飽和検出器13が電圧飽和を検出し、飽和積分器14で負の一定値を積分し、この飽和積分器14の値をd軸電流指令Id*とすることで、d軸電流が増加し誘起電圧の増加量を抑える方向に働く。誘起電圧の増加量が押さえられ電圧飽和領域でなくなると、今度は正の一定値を飽和積分器14に積分していくことでd軸電流を減少させていく。そして、また電圧飽和領域に入ると、負の一定値を飽和積分器14に積分していく。この繰り返しで、d軸電流指令を調整することができる。
しかし、電圧飽和領域でない場合、正の一定値を積分していくのでd軸電流指令に余分な正の値がたまることになる。このため、電圧飽和領域でない場合、d軸電流指令演算部9で最適なd軸電流を計算する方法がとられている。計算式としてはいろいろなものがあるが、厳密に解く場合には複雑な式を解かなければならないため、CPUに負担がかかり、処理時間も長くなる問題がある。近似式で解く場合には、今度は誤差が大きくなる問題がおこる。
従来技術では、負のd軸電流を流すためのd軸電流指令をモータ回転速度や電力変換装置の最大電圧、q軸電流指令を基に複雑な計算をして導出してきた。
例えば、特許文献1においては、
電圧飽和領域に入ると電圧飽和検出器13が電圧飽和を検出し、飽和積分器14で負の一定値を積分し、この飽和積分器14の値をd軸電流指令Id*とすることで、d軸電流が増加し誘起電圧の増加量を抑える方向に働く。誘起電圧の増加量が押さえられ電圧飽和領域でなくなると、今度は正の一定値を飽和積分器14に積分していくことでd軸電流を減少させていく。そして、また電圧飽和領域に入ると、負の一定値を飽和積分器14に積分していく。この繰り返しで、d軸電流指令を調整することができる。
しかし、電圧飽和領域でない場合、正の一定値を積分していくのでd軸電流指令に余分な正の値がたまることになる。このため、電圧飽和領域でない場合、d軸電流指令演算部9で最適なd軸電流を計算する方法がとられている。計算式としてはいろいろなものがあるが、厳密に解く場合には複雑な式を解かなければならないため、CPUに負担がかかり、処理時間も長くなる問題がある。近似式で解く場合には、今度は誤差が大きくなる問題がおこる。
従来技術では、負のd軸電流を流すためのd軸電流指令をモータ回転速度や電力変換装置の最大電圧、q軸電流指令を基に複雑な計算をして導出してきた。
例えば、特許文献1においては、
を用いて最適なd軸電流指令の最大値を計算している。
特許文献2の第4実施形態,第5実施形態においても、d軸,q軸電流指令、または、d軸,q軸電圧指令を、計算値やROMに記憶した電流指令,電圧指令補正マップで補正値を決定している。
複雑な計算をしないで、また、余分なROMを必要とせず、d軸電流指令を作る方法として、特許文献3に開示された方法は、電圧指令Vd*とVq*に着目し、
特許文献2の第4実施形態,第5実施形態においても、d軸,q軸電流指令、または、d軸,q軸電圧指令を、計算値やROMに記憶した電流指令,電圧指令補正マップで補正値を決定している。
複雑な計算をしないで、また、余分なROMを必要とせず、d軸電流指令を作る方法として、特許文献3に開示された方法は、電圧指令Vd*とVq*に着目し、
で求めたモータ端子電圧V1*が、モータ端子電圧最大値Vmaxを超えないように、d軸電流指令を、例えばPI制御などで制御している。
このように、従来の同期電動機のd軸電流制御方法では、モータ回転速度や電力変換装置の最大電圧値やq軸電流指令などからd軸電流指令を複雑な計算で導出したり、複雑な計算過程を省くために、モータの端子電圧指令を監視し、基準電圧以下にするように、例えばPI制御をしていた。
従来の同期電動機の制御装置は、d軸電流指令を複雑な計算で導出するので計算負荷が増大するという問題があった。また、複雑な計算を省くために、ROMにあらかじめ計算された補正量を記憶する方法もあるが、大きなROM容量が必要となる。モータの端子電圧指令を監視し、基準電圧以下にするように、例えばPI制御するようにした場合には、それらの問題は解決できるが、電圧飽和領域でモータ電圧端子が基準電圧以下にならない場合が発生するので、d軸電流指令が飽和し、最終的に電圧指令Vd*,Vq*制御ができなくなる問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、d軸電流指令を速度に依存した制限値で制限するとともに、制限値を導出する式を簡略化し、最適なd軸電流指令を作る同期電動機制御装置とその制御方法を提供することを目的とする。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、d軸電流指令を速度に依存した制限値で制限するとともに、制限値を導出する式を簡略化し、最適なd軸電流指令を作る同期電動機制御装置とその制御方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、永久磁石を使用した同期電動機に交流電圧を印加する電力変換部と、前記同期電動機の回転速度を検出する速度検出部と、前記電力変換器より供給される前記同期電動機の3相電流を検出する電流検出部と、前記3相電流をdq軸電流に変換する3相/2相座標変換部と、d軸電流指令とd軸電流からd軸電圧指令を生成するd軸電流制御部と、q軸電流指令とq軸電流からq軸電圧指令を生成するq軸電流制御部と、前記dq軸電圧指令を3相電圧指令に変換する2相/3相座標変換部と、d軸電流指令を演算するd軸電流指令演算部と、を備えた同期電動機制御装置において、前記d軸電流指令をモータ速度に応じて制限するd軸電流指令制限部、を備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の同期電動機制御装置において、前記d軸電流指令制限部は、モータ回路方程式を用いて制限することを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の同期電動機制御装置において、前記モータ回路方程式は、式(7)であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明は、永久磁石を使用した同期電動機に交流電圧を印加する電力変換部と、前記同期電動機の回転速度を検出する速度検出部と、前記電力変換器より供給される前記同期電動機の3相電流を検出する電流検出部と、前記3相電流をdq軸電流に変換する3相/2相座標変換部と、d軸電流指令とd軸電流からd軸電圧指令を生成するd軸電流制御部と、q軸電流指令とq軸電流からq軸電圧指令を生成するq軸電流制御部と、前記dq軸電圧指令を3相電圧指令に変換する2相/3相座標変換部と、d軸電流指令を演算するd軸電流指令演算部と、を備えた同期電動機制御装置において、前記d軸電流指令をモータ速度に応じて制限するd軸電流指令制限部、を備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の同期電動機制御装置において、前記d軸電流指令制限部は、モータ回路方程式を用いて制限することを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の同期電動機制御装置において、前記モータ回路方程式は、式(7)であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、永久磁石を使用した同期電動機に交流電圧を印加する電力変換部と、前記同期電動機の回転速度を検出する速度検出部と、前記電力変換器より供給される前記同期電動機の3相電流を検出する電流検出部と、前記3相電流をd−q軸電流に変換する3相/2相座標変換部と、d軸電流指令とd軸電流からd軸電圧指令を生成するd軸電流制御部と、q軸電流指令とq軸電流からq軸電圧指令を生成するq軸電流制御部と、前記dq軸電圧指令を3相電圧指令に変換する2相/3相座標変換部と、d軸電流指令を演算するd軸電流指令演算部と、を備えた同期電動機制御装置の制御方法において、イニシャル時に式(7)のd軸電流制限第2項と第3項を計算するステップと、通常運転時に式(7)のd軸電流制限第1項を計算するステップと、第1項と第2項と第3項を加算するステップと、を備えることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によると、最適なd軸電流指令を作り、電圧指令Vd*,Vq*の飽和を防止した同期電動機制御装置を提供することができる。
請求項2乃至4に記載の発明によると、計算負荷を軽減し、最適なd軸電流指令を簡単に作る同期電動機制御装置および制御方法を提供することができる。
請求項2乃至4に記載の発明によると、計算負荷を軽減し、最適なd軸電流指令を簡単に作る同期電動機制御装置および制御方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の同期電動機制御装置の構成を示す図である。図において、1は同期電動機、2は電流検出部、3は電力変換部、4は3相/2相変換部、5は2相/3相変換部、6はq軸電流制御部、7はd軸電流制御部、8はリミット処理部、9はd軸電流指令演算部、15は速度検出部である。電流検出部2によって検出されたU相、V相、W相の電流Iu、Iv、Iwは、3相−2相変換部4により、d軸電流Idとq軸電流Iqに変換される。電力変換部3は電圧指令Vu*、Vv*,Vw*を受けて実際の電圧を発生する。2相−3相変換部5は同期機の界磁であるd軸電圧指令Vd*とトルクを発生するq軸電圧指令Vq*を、3相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に変換する。q軸電流制御部6はq軸電流指令Iq*とフィードバック電流Iqの差が0になるように例えばPI制御を行っている。d軸電流制御部7はq軸電流制御部と同様に例えばPI制御をd軸電流について行っている。リミット処理部8はq軸電流指令Iq*をd軸電流指令により制限する。d軸電流指令演算部9はq軸電圧指令Vq*と電力変換部の電圧最大値の二乗からd軸電圧指令の二乗を引いたものの平方根√(Vmax2−Vd*2)の差分によりd軸電流指令の例えばPI制御を行っている。
図3本発明のd軸電流指令演算部の構成を示す図である。図3において、11はd軸電流指令制限部、16はPI制御部である。非突極構造の同期電動機のトルクはq軸電流Iqに比例する。そのため、q軸電流指令Iq*を大きくしていくと、トルクもq軸電流指令に比例して大きくなる。ところが、高回転速度領域では同期電動機の特徴である誘起電圧が大きくなってしまい、q軸電流を流すためのq軸電圧の最大値が制限されてしまう(電圧飽和領域)。d軸電流Idを流すと、誘起電圧の増加分を押さえることができるが、本発明では、簡単な方法で最適なd軸電流指令を作るためにq軸電圧指令Vq*に着目した。q軸電圧指令Vq*と電力変換部の電圧最大値の二乗からd軸電圧指令の二乗を引いたものの平方根√(Vmax2−Vd*2)との比較を行い、その差分によりd軸電流指令をPI制御部16でPI制御することにより、電圧飽和領域でq軸電圧指令Vq*が大きくなり、電力変換装置の最大電圧Vmaxを越えてしまった時に、d軸電流指令演算部9の入力に負の値が入力され、負のd軸電流指令が作られ、負のd軸電流指令により負のd軸電流が同期電動機に流すことで誘起電圧の増加分を押さえる事ができ、q軸電圧指令Vq*が電力変換装置の電圧最大値の二乗からd軸電圧指令の二乗を引いたもの平方根√(Vmax2−Vd*2)と等しくなるように、d軸電流を調整する事ができる。ここで、d軸電流指令演算部9の入力の最大値は0で制限しておく必要がある。電圧飽和でないときには、常に正の値がd軸電流指令演算部9に入力されている。この正の値は、電圧飽和の判断には利用できるが、実際のd軸電流指令値には必要ない値である。そのため、d軸電流指令演算部9の入力の最大値は0で制限しておく。
次に、図1のq軸電流指令のリミット処理部8について説明する。同期電動機のq軸最大電流は、式(8)によって制限される。
次に、図1のq軸電流指令のリミット処理部8について説明する。同期電動機のq軸最大電流は、式(8)によって制限される。
ただし、Imaxは同期電動機の最大電流である。電圧飽和の状態の中でも、より高回転速度、高トルクの境域では大きなd軸電流Idが必要となるため、最適なd軸電流指令Id*を作るためにはq軸電流Iqを減少させてd軸電流Idを増やす必要がある。このため、d軸電流指令Id*とq軸電流指令Iq*をリミット処理部に入力し、上記式によりq軸電流指令Iq*にリミットを掛けることによって、最適なq軸電流指令Iq’*を作ることができる。
電圧飽和領域では、d軸電流を流してもモータ端子電圧が基準電圧以下にならない場合が存在するので、電圧飽和領域での特性方程式(9)を解いた、
電圧飽和領域では、d軸電流を流してもモータ端子電圧が基準電圧以下にならない場合が存在するので、電圧飽和領域での特性方程式(9)を解いた、
式(9)〜式(11)で、d軸電流指令Id*を制限すれば、電圧指令Vd*,Vq*は飽和することなく、最適なd軸電流Id*で制御が可能となる。
ただし、このままだと計算が複雑であり、計算負荷が大きいので、電圧飽和領域はωが十分大きいものとして、特性方程式を
ただし、このままだと計算が複雑であり、計算負荷が大きいので、電圧飽和領域はωが十分大きいものとして、特性方程式を
と近似し、これを解いた、
式(13)で、d軸電流指令を制限すれば良い。式(13)の項2,項3は既知のモータパラメータのみで計算できるので、イニシャル時に計算することにより、リアルタイムで行う計算負荷を大幅に軽減できる。
図4は本発明の同期電動機制御装置の制御方法を示すフローチャートである。ステップST1でイニシャル時に式(13)のd軸電流制限第2項と第3項を計算し、ステップST2で通常運転時に式(13)のd軸電流制限第1項を計算し、ステップST3で第1項と第2項と第3項を加算する。
以上のように、本発明では、同期電動機の電圧飽和時におけるd軸電流制御方法が、q軸電圧指令と電力変換部の電圧最大値の二乗からd軸電圧指令の二乗を引いたもの平方根との比較を行い、その差分によりd軸電流指令を例えばPI制御し、速度に依存したd軸電流指令制限するとしたので、簡単な方法かつ簡単な機器構成で最適なd軸電流指令を作ることができる。
以上のように、本発明では、同期電動機の電圧飽和時におけるd軸電流制御方法が、q軸電圧指令と電力変換部の電圧最大値の二乗からd軸電圧指令の二乗を引いたもの平方根との比較を行い、その差分によりd軸電流指令を例えばPI制御し、速度に依存したd軸電流指令制限するとしたので、簡単な方法かつ簡単な機器構成で最適なd軸電流指令を作ることができる。
1 同期電動機
2 同期電動機の電流検出部
3 電力変換部
4 3相/2相変換部
5 2相/3相変換部
6 q軸電流制御部
7 d軸電流制御部
8 リミット処理部
9 d軸電流指令演算部
10 q軸電流制限部
11 d軸電流指令制限部
12 最大d軸電流演算部
13 電圧飽和検出器
14 飽和積分器
15 速度検出部
16 PI制御部
2 同期電動機の電流検出部
3 電力変換部
4 3相/2相変換部
5 2相/3相変換部
6 q軸電流制御部
7 d軸電流制御部
8 リミット処理部
9 d軸電流指令演算部
10 q軸電流制限部
11 d軸電流指令制限部
12 最大d軸電流演算部
13 電圧飽和検出器
14 飽和積分器
15 速度検出部
16 PI制御部
Claims (4)
- 永久磁石を使用した同期電動機に交流電圧を印加する電力変換部と、前記同期電動機の回転速度を検出する速度検出部と、前記電力変換器より供給される前記同期電動機の3相電流を検出する電流検出部と、前記3相電流をd−q軸電流に変換する3相/2相座標変換部と、d軸電流指令とd軸電流からd軸電圧指令を生成するd軸電流制御部と、q軸電流指令とq軸電流からq軸電圧指令を生成するq軸電流制御部と、前記dq軸電圧指令を3相電圧指令に変換する2相/3相座標変換部と、d軸電流指令を演算するd軸電流指令演算部と、を備えた同期電動機制御装置において、
前記d軸電流指令演算部は、前記d軸電流指令をモータ速度に応じて制限するd軸電流指令制限部、
を備えたことを特徴とする同期電動機制御装置。 - 前記d軸電流指令制限部は、モータ回路方程式を用いて制限することを特徴とする請求項1記載の同期電動機制御装置。
- 前記モータ回路方程式は、式(1)であることを特徴とする請求項2記載の同期電動機制御装置。
- 永久磁石を使用した同期電動機に交流電圧を印加する電力変換部と、前記同期電動機の回転速度を検出する速度検出部と、前記電力変換器より供給される前記同期電動機の3相電流を検出する電流検出部と、前記3相電流をd−q軸電流に変換する3相/2相座標変換部と、d軸電流指令とd軸電流からd軸電圧指令を生成するd軸電流制御部と、q軸電流指令とq軸電流からq軸電圧指令を生成するq軸電流制御部と、前記dq軸電圧指令を3相電圧指令に変換する2相/3相座標変換部と、d軸電流指令を演算するd軸電流指令演算部と、を備えた同期電動機制御装置の制御方法において、
イニシャル時に式(1)のd軸電流制限第2項と第3項を計算するステップと、
通常運転時に式(1)のd軸電流制限第1項を計算するステップと、
第1項と第2項と第3項を加算するステップと、
を備えることを特徴とする同期電動機制御装置の制御方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9000694B2 (en) | 2012-03-23 | 2015-04-07 | Fanuc Corporation | Synchronous motor control apparatus |
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