JP5388060B2 - エレベータの部品改善計画システム及びその部品改善計画方法 - Google Patents

エレベータの部品改善計画システム及びその部品改善計画方法 Download PDF

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本発明は、エレベータを構成する部品の交換時期、使用方法の改善及び部品出荷の前後の段階で問題部品を抽出し改善するエレベータの部品改善計画システム及びその部品改善計画方法に関する。
ビル等に設置されるエレベータは、事故等を未然に防ぐために、保守員により定期的にエレベータの保守・点検等(以下、単にエレベータの保守と呼ぶ)を実施する。このエレベータの保守において、当該エレベータを構成する部品のうち、例えば長年使用されたことにより寿命に達した部品の補修,交換等が行われる。
近年、エレベータの保守のために、エレベータを構成する各部品の出荷先である顧客データ、当該エレベータの稼動時間等を示す出荷情報、またはエレベータを構成する各部品の故障時期等を示す保全情報がデータベース化されて保存されるシステムが知られている。この保全情報には、故障等により交換された部品の交換履歴が含まれる。従って、エレベータを構成する各部品の交換時期は、例えば保全情報に含まれる交換履歴等に基づいて設定される。
なお、このようなシステムにおいては、出荷情報または保全情報がエレベータの保守員によって入力されるか、遠隔操作によりエレベータから収集することにより、データベース化される。
このようにデータベース化された出荷情報または保全情報は、ネットワーク上で確認可能になっている。これにより、保守員を含む関係者等は、自身が管理するエレベータの仕様または当該エレベータを構成する部品の交換状況等を確認することができる。
また、エレベータを構成する回路基板や部品の出荷試験については、所要の試験器等を用いて収集される回路基板の入出力データや部品の特性データと予め設定される判定基準値とを比較し、良否判定を行っている。
さらに、部品の手配については、予め部品の製造元が登録され、ネットワーク上から製造元機器にアクセスし、部品注文データを送信し、所望とする部品を受領できる仕組みとなっている。
ところで、前述したエレベータを構成する部品の交換に関する技術としては、部品の使用状態に則した交換を行うことができ、かつ、保守員の負担を軽減することができる技術が開示されている(特許文献1)。
この技術によれば、管轄する全エレベータの各部品については、顧客データ、寿命予測テーブル、作業実績に基づいて、自動的に交換時期を算出することになる。
特開平6−345348号公報
従って、従来のシステムにおいては、エレベータの保守に利用される出荷情報または保全情報がデータベースに保存され管理されている。
しかし、以上のようなシステムでは、データベース化された出荷情報または保全情報から個々のエレベータの状態を確認することが可能であるが、複数のエレベータ全体の状況を把握することはできない。すなわち、各地(複数箇所)に設置されている複数のエレベータを想定した場合、これらのエレベータを構成する各部品レベルでは、1つ1つの部品の故障状況等を把握することはできない。また、複数のエレベータのうち、特定の地域(例えば関東等)に設置されている複数のエレベータにおける特定の部品の故障状況等についても把握することはできない。
また、エレベータを構成する部品の交換時期は、保全情報に含まれる交換履歴に基づいて設定されるが、当該エレベータを構成する部品には様々な部品があるにも拘らず、交換時期が一定である場合がある。逆に、交換時期の設定は保守員の経験に左右されることが多いため、エレベータが設置されている地域によっては同一の部品であっても交換時期が異なる場合がある。
また、上記システムでは、データベース化された保全情報には例えば故障等により交換された部品の交換履歴は含まれているが、当該故障の要因等を調べる場合には、調査に時間がかかるために対応が遅れる場合がある。
また、部品の交換履歴に基づいて交換時期が設定された場合、当該交換時期に行われる部品交換に必要な時間または当該部品代等は物件により異なるため画一的に対応はできない。
また、前述したように部品の交換時期の設定が難しいため、故障発生を事前に予測することは困難である。その結果、部品交換前に当該部品に故障が発生する場合も可能性として考えられる。
さらに、エレベータを構成する部品が使用される環境(使用環境)または使用方法が適切でないために、当該部品の使用期間が短くなる場合がある。しかしながら、このような場合であっても、要因(原因)が不明であるために、根本的に改善できず、部品を変更することで対応する場合がある。
さらに、エレベータを構成する部品に不具合が発生したとき、同様な不具合を発生する可能性のある部品等がどのくらい存在するか不明である。その結果、不具合発生の可能性ある部品の数量の把握に時間がかかる。また、部品の不具合発生時、どのくらいの部品を確保する必要があるか不明確な点もあり、交換部品等をストック量から、涸渇してしまう可能性も考えられる。
さらに、部品を出荷する際の特性データ(出荷試験データ)には異常がなかったが、出荷後に異常が発生した場合、特性データとの整合性がとれない。そのため、不具合部品の出荷を止めて出荷後に発生する不具合を未然に防ぐことができない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、信頼性解析情報を用いて得られる対象部品の故障交換時期に対し、対象部品の故障要因を分析し、当該故障に至る前の交換予測時期を正確に算出し、かつ、必要な改善内容を提示するエレベータの部品改善計画システム及びその部品改善計画方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、エレベータを構成する部品(回路基板を含む。以下、同じ)の部品識別情報及び当該部品の出荷先を示す顧客識別情報を含む出荷情報を格納する出荷情報格納手段と、この出荷情報格納手段に格納される出荷情報に含まれる部品識別情報に対応付けて、当該部品の故障発生を示す故障発生情報を含む保全情報を格納する保全情報格納手段と、前記出荷情報に含まれる部品識別情報に対応付けて、当該部品の使用状態を示す使用環境情報を格納する使用環境情報格納手段と、前記出荷情報に含まれる部品識別情報に対応付けて、当該部品の出荷試験データを格納する出荷試験データ格納手段と、前記出荷情報に含まれる部品識別情報に対応付けて、当該部品の製造履歴情報を格納する製造履歴情報格納手段と、ユーザにより指定された対象部品データに基づき、前記出荷情報格納手段及び前記保全情報格納手段から当該対象部品の部品識別情報に対応付けられた同一の出荷先を表す顧客識別情報を含む出荷情報及び前記対象部品の故障発生を示す故障発生情報を含む保全情報を抽出し保存する情報抽出手段と、この情報抽出手段で抽出された対象部品の出荷抽出情報に基づき、同一の出荷先に出荷される対象部品の出荷台数を求める演算手段と、この演算手段で求めた出荷台数及び前記情報抽出手段で抽出された保全抽出情報に含む故障発生情報に基づき、前記対象部品の故障台数を算出する第1の解析処理手段と、前記対象部品の出荷台数及び前記第1の解析処理手段で算出された対象部品の故障台数と所定の複数の信頼性解析用関数を用いて信頼性解析情報を生成保存し、かつこの生成保存された信頼性解析情報を用いてワイブル解析を実施して前記対象部品の故障交換時期を算出し保存する第2の解析処理手段と、前記対象部品の保全抽出情報と前記使用環境情報格納手段格納される当該対象部品の使用環境情報から故障要因を分析し、また、前記出荷試験データ格納手段と前記製造履歴情報格納手段とにそれぞれ格納される出荷試験データと製造履歴情報との因果関係から対象部品の故障要因を分析し、前記故障交換時期に至る前の交換予測時期を算出するとともに、前記各故障要因の分析結果を保存する第3の解析処理手段と、前記第2の解析処理手段で保存された前記信頼性解析情報ないし前記第3の解析処理手段で保存された分析結果をもとに、随時収集される対象部品の稼動状況データと比較し、稼動状況データが前記交換予測時期に近づいたとき、当該対象部品の交換時期を通知する管理手段とを備えたエレベータの部品改善計画システムである。
また、上記課題を解決するために、本発明は、エレベータを構成する部品の部品識別情報及び当該部品が出荷された出荷先を示す顧客識別情報を含む出荷情報、当該出荷情報に含まれる部品識別情報に対応付けて、故障発生情報を含む保全情報、使用状態を示す使用環境情報、部品出荷時の試験データ、製造履歴情報をそれぞれ格納する情報格納ステップと、ユーザにより指定された対象部品データに基づき、当該対象部品の部品識別情報に対応付けられた同一の出荷先を表す顧客識別情報を含む出荷情報及び前記対象部品の故障発生情報を含む保全情報を抽出し保存する情報抽出ステップと、このステップで抽出された対象部品の出荷抽出情報に基づき、同一の出荷先に出荷される対象部品の出荷台数を求める演算ステップと、前記対象部品の故障発生情報と前記出荷台数とに基づき、当該出荷台数に対する故障台数の割合から故障率を算出し、複数の所定の信頼性解析用関数を用いて信頼性解析情報を生成し、かつ、ワイブル解析を実施し、前記対象部品の故障交換時期を算出する交換時期解析ステップと、前記情報格納ステップで格納された対象部品の少なくとも前記使用環境情報、前記出荷時試験データ及び前記製造履歴情報に基づき、使用環境や製造履歴を認識して故障要因を分析し、前記故障交換時期に至る前の交換予測時期を算出する交換予測時期算出ステップとを有するエレベータの部品改善計画方法である。
本発明によれば、信頼性解析情報を用いて得られる対象部品の故障交換時期に対し、対象部品の故障要因を分析し、当該故障交換時期に至る前の段階で正確に交換予測時期を算出でき、かつ、分析結果から効率率的な改善策を見つけて提示するエレベータの部品改善計画システム及びその部品改善計画方法を提供できる。
本発明に係るエレベータの部品改善計画システムの一実施の形態を示すブロック構成図。 抽出結果データベースに格納される出荷抽出情報のデータ構造の一例を示す図。 抽出結果データベースに格納される保全抽出情報のデータ構造の一例を示す図。 本発明に係るエレベータの部品改善計画システムの動作及び部品改善計画方法による処理の流れを説明する図。 エレベータの部品改善計画システムによって生成される信頼性解析情報のデータ構造の一例を示す図。 信頼性解析関数である不信頼度関数F(t)による解析結果図。 信頼性解析関数である故障発生確率密度関数f(t)による解析結果図。 ワイブル解析による解析結果図。 リスクを考慮した対象部品の交換時期を説明する図。 MT法を用いて分析された結果の一例を示す図。 分析ソフトを用いて分析された結果の一例を示す図。 図11に示す分析結果をもとに、要因毎の対象部品の稼動時間に与える影響を示す図。 対象部品の交換時期がきたことを通知する際に表示される表示画面の一例を示す図。 センサや監視カメラで得られる対象部品の映像情報を収集した際の管理部の処理を説明するための図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るエレベータの部品改善計画システムの一実施の形態を示すブロック構成図である。
エレベータの部品改善計画システムは、出荷情報データベース11、保全情報データベース12、使用環境情報データベース13、リスク管理データベース14、出荷試験データベース15、製造履歴情報データベース16、CPUで構成される部品改善計画支援処理部17、キーボード及びポインティングデバイス等からなる入力部18及び表示部19、抽出結果データベース20及び信頼性解析データベース21で構成される。
エレベータの部品改善計画システムには、LAN,WAN等の内部ネットワーク22を介して各エレベータの制御盤やエレベータ監視装置(以下,エレベータ制御用コントローラと呼ぶ)231〜23の他、部品手配システム24が接続されている。
出荷情報データベース11には、エレベータを構成する各部品の出荷に関する出荷情報が格納されている。この出荷情報には、例えばエレベータを構成する部品を識別するための部品識別情報及び当該部品が出荷された顧客(出荷先)を識別するための顧客識別情報等が含まれる。
保全情報データベース12には、エレベータを構成する各部品の保全(保守)に関する保全情報が格納されている。この保全情報は、例えば出荷情報に含まれる部品識別情報に対応付けて格納されている。保全情報には、当該保全情報に対応付けられている部品識別情報によって識別される部品の故障発生を示す故障発生情報等が含まれる。
使用環境情報データベース13には、出荷情報データベース11に格納されている出荷情報に含まれる部品識別情報に対応付けて、当該部品識別情報によって識別される部品の使用される環境を示す環境情報(使用環境情報)が格納されている。この環境情報には、稼動中の各エレベータの地域、機器、部品及びその設置場所の温度、湿度、当該エレベータ(エレベータを構成する各部品)の起動回数、当該部品にかかる電圧、電流、当該部品に関する硬度、応力データその他当該部品の寿命に関するデータ等が含まれる。
この温度、湿度、機械部品に関する硬度または応力データは、例えば各エレベータに設置される計測センサを使用することにより、随時収集できる。収集されたデータは、例えばエレベータ制御用コントローラ231,…,23等を介して使用環境情報データベース13に送られる。
また、起動回数、電流または電圧は、例えば計測センサを介さずにエレベータ制御用コントローラ231,…,23によって直接に自動的に測定及びカウントすることにより収集し、使用環境情報データベース13に送られる。
なお、データの測定は、エレベータ制御用コントローラ231,…,23やセンサばかりでなく、さらにその環境下で使用されている製品や部品が個々に寿命に関するデータを収集する機能を備えている。例えばリレーやバッテリー自体が内部に温度、湿度、起動回数、電圧、電流等の各種データを収集する機能を込み込んだ状態で使用することが可能である。
さらに、エレベータには、上記各種センサの他、例えば監視カメラ等が設置されている。これにより、例えばエレベータを構成する回路基板または部品の熱分布や各部品取付エリアを画像(情報)または映像(情報)を収集できる。この収集された画像または映像により、例えば異常な状況が発生していないか常に監視及び確認することができる。
また、エレベータを構成する各部品の熱分布や取付位置により、各種センサの配置を自由に変更できる。また、各種センサからのデータ送信方法は、例えば有線または無線のどちらでも構わない。また、データの測定にあっては、測定内容により電源を一時的にオフさせるとか、エレベータを停止させる等の処理を採ることも有り得る。
リスク管理データベース14には、エレベータを構成する各部品を識別するための部品識別情報に対応付けられて各部品の交換作業に必要な交換作業時間及び当該各部品のリードタイムを示すリスク管理情報が格納されている。なお、交換作業時間については、例えば交換作業時間管理システム(図示せず)等の別のデータベースより自動収集する。また、リードタイムについては、生産者管理システム(図示せず)等の別のデータベースより自動収集する。
なお、使用環境情報及びリスク管理情報は、例えば一定期間経過後のように使用環境情報データベース13及びリスク管理データベース14に送信する時期を設定することができる。また、使用環境情報及びリスク管理情報は、前述したように例えば設置されているエレベータ(構成する各部品)の製造番号(製番)のような識別情報(部品識別情報)毎に対応付けられた状態で保存される。
出荷試験データベース15には、回路基板や部品の出荷時の出荷試験データが例えばエレベータを構成する回路基板や部品を識別するための部品識別情報に対応付けられて格納されている。出荷試験データには、回路基板の入出力データ、部品の特性データ(例えばリレーであれば、接触抵抗、通電電流、定格電流等)、回路基板や部品の動作に関するデータ、出荷時試験判定基準値データ等が含まれる。
部品製造元あるいは特定の試験機関は、部品等の出荷前に所要の試験器を用いて所定の試験手順に従って試験を実施し、出荷試験データを取得する。そして、エレベータを構成する回路基板や部品の部品識別情報のもとに、ネットワークあるいは試験成績書の形式で部品改善計画システムに送られてくる。
部品改善計画システムでは、ネットワークを通して出荷試験データを受け取ると、自動的に出荷試験データベース15に保存する。また、試験成績書の形式で受け取った場合にはユーザ(例えば保守員等)の操作のもとに入出部18から出荷試験データベース15に送られる。
製造履歴情報データベース16には、例えばエレベータを構成する回路基板や部品の製造履歴情報が部品識別情報に対応付けられて格納されている。製造履歴情報には、例えば回路基板、部品の製造時の温度、湿度、デバイス情報、製造ロット情報、製造環境、製造工程その他部品等の動作に関するデータ等が含まれる。
製造履歴情報は、出荷試験データと同様にネットワークまたは書面の形式で受け取り、製造履歴情報データベース16に保存される。
部品改善計画支援処理部17は、CPUで構成され、例えば記憶媒体(図示せず)に保存されている分析ツール(プログラム)に従って所定の処理を実行するものであって、機能的には、情報抽出部17A、母集団演算部17B、解析処理部17C及び管理部17Dが設けられている。
情報抽出部17Aは、例えばユーザ(保守員)によって入力部18から指定される部品(対象部品)に基づき、当該対象部品に関するデータ(項目データ)を出荷情報データベース11から抽出する。
このとき、情報抽出部17Aは、出荷情報データベース11に格納されている出荷情報に含まれる部品識別情報に基づいて、抽出処理を実行する。この項目データには、例えば出荷情報データベース11に格納されている出荷情報に含まれる顧客識別情報等が含まれる。出荷情報データベース11から抽出された複数の項目データは、対象部品の出荷抽出情報20a(図2参照)として抽出結果データベース20に保存され管理される。
また、情報抽出部17Aは、ユーザによって入力部18から指定された対象部品に関するデータ(項目データ)を保全情報データベース12から抽出する。この項目データには、例えば保全情報データベース12に格納されている保全情報に含まれている故障発生情報等が含まれる。保全情報データベース12から抽出された複数の項目データは、対象部品の保全抽出情報20b(図3参照)として抽出結果データベース20に保存され管理される。
なお、出荷情報や保全情報の抽出は、例えばシステム単位、装置単位、製品の型式単位、部品の型式単位でもよい。
母集団演算部17Bは、抽出結果データベース20で管理される対象部品の出荷抽出情報20aに基づいて各部品について、同一顧客(出荷先)に出荷された対象部品の出荷台数を算出する。出荷されたエレベータを構成する機器が、同一形式の基板または同一形式の部品を備えている場合、当該機器の出荷台数と、当該機器に含まれる基板数または部品数とを掛け合わせた数を用いて、各部品(基板)の出荷台数を算出する。
そして、母集団演算部17Bで算出された同一顧客に出荷された対象部品の出荷台数(母数)を、対象部品の出荷台数を含む母集団情報20cとして抽出結果データベース20に保存され管理される。母集団情報20cには、例えば出荷先となる顧客名及び出荷時期を示す情報等が含まれる。
解析処理部17Cは、抽出結果データベース20に格納された対象部品の保全抽出情報20bに含まれる故障発生情報及び母集団情報20cに含まれる出荷台数に基づき、当該故障発生情報で示される今回信頼性解析時点に至るまでに故障発生した対象部品の台数(故障台数)を算出する。
解析処理部17Cは、抽出結果データベース20で管理される母集団情報20cに含まれる出荷台数情報によって示される対象部品の出荷台数と算出された対象部品の故障台数との差から、現場で正常に動作(稼動)している対象部品の台数を算出する。また、解析処理部17Cは、例えば故障率を算出する場合には、対象部品の出荷台数に対して故障台数の割合を算出する。
また、解析処理部17Cは、例えば解析処理日時(解析日時)と稼動開始日時とから、対象部品が正常に動作している時間(稼動時間)を算出し、当該算出された時間を打ち切りデータとして用いる。
すなわち、解析処理部17Cとしては、前述したように抽出結果データベース20に管理される母集団情報20cに含まれる出荷台数情報で示される対象部品の出荷台数と算出された対象部品の故障台数とを用いて信頼性解析情報を生成するが、その解析手法としては、対象部品に関する信頼度関数R(t)、不信頼度関数F(t)、故障発生確率密度関数f(t)及び累積ハザード関数H(t)等の関数を用いて、信頼性解析情報を生成する。この生成された信頼性解析情報は信頼性解析データベース21に格納される。
解析処理部17Cとしては、信頼度関数R(t)及び不信頼度関数F(t)を用いて、ワイブルハザード紙へのあてはめを行い、ワイブル解析を実施することにより、対象部品の累積ハザード関数H(t)及び当該累積ハザード関数H(t)の自然対数lnH(t)に基づく尺度パラメータη、形状パラメータmを定めることにより、対象部品の稼動時間ひいては交換時期を算出する。
また、対象部品の稼動時間は部品の使用環境等によっても異なる。そこで、解析処理部17Cは、例えば使用環境情報データベース13に格納されている使用環境情報やリスク管理データベース14に格納されているリスク管理情報を取得し、対象部品の不信頼度や累積ハザード関数H(t)に対して、重み付けを実施する。
また、解析処理部17Cは、出荷試験データベース15に格納されている対象部品の出荷試験データ(回路基板の入出力データ、部品の特性データ等)及び製造履歴情報データベース16に格納されている対象部品の製造履歴情報(デバイス情報、製造環境、製造工程等)を取得し、出荷試験データと製造履歴情報との因果関係を分析し、その分析結果を信頼性解析情報として信頼性解析データベース21に保存し管理する。
さらに、解析処理部17Cは、製造段階や出荷試験時に異常データが抽出された場合や出荷後に異常が発生した場合、対象部品のロット情報、製造環境、使用方法等で問題となる部分を分析し、この分析結果を信頼性解析情報として信頼性解析データベース21に保存し、かつ、分析結果を得られる効率的な改善方法を例えば管理部17D及び部品手配システム24等を経由させて部品製造元に提供する。
さらに、解析処理部17Cは、抽出結果データベース20に格納されている対象部品の出荷抽出情報20aと保全抽出情報20bとを比較し、各部品の故障発生情報に基づき、故障に係る対象部品が各顧客にどの程度の台数が出荷されているか、ひいては交換に必要な対象部品のストック数を把握し、部品手配番号及び数量を管理部17Dを介して部品手配システム24に送信し、部品手配を促す。
管理部17Dは、信頼性解析データベース21に格納される信頼性解析情報を表示部19に表示したり、あるいは当該信頼性解析情報のもとに、随時収集されるフィールドデータ(実際に稼動しているエレベータを構成する対象部品の稼動状況を示すデータ)を確認し、対象部品がリミット(寿命)に近づき、あるいは達したとき、対象部品の交換時期が近づき、あるいは到達したことを通知する。このとき、管理部17Dは、例えば表示部19に表示することにより、対象部品の交換時期が近づき、あるいは到達したことを保守員に通知する。
また、管理部17Dは、前述した計測センサや監視カメラ等で撮像された対象部品の熱分布画像や部品取付エリアの部品取付状態の映像を取り込み、例えば表示部19に表示し、対象部品の異常状態を常時監視することができる。
前記部品手配システム24は、部品手配番号(部品)ごとに部品製造元のメールアドレス等が対応付けられ、管理部17Dから部品手配番号及び数量を受信すると、部品製造元のメールアドレスのもとに自動的に部品手配番号及び数量データを送信し、対象部品の補充を行う。
次に、以上のように構成されたエレベータの部品改善計画システムの動作ないし本発明に係る部品改善計画方法の一実施の形態について、図4を参照して説明する。
先ず、部品改善計画支援処理部17の情報抽出部17Aは、ユーザが入力部18を介して分析対象部品(以下、単に対象部品と呼ぶ)を指定し、出荷情報データベース11から当該対象部品の項目データを抽出し、対象部品の出荷抽出情報20aとして抽出結果データベース20に保存する(S1)。
図2は抽出結果データベース20に保存された出荷抽出情報20aのデータ構造の一例を示す図である。この出荷抽出情報20aには、例えば注番(仮番)、対象部品の部品識別情報(部品名)、建物名(顧客識別情報)、項番、保守工番、号機、略仕様、稼動開始年月日等が含まれる。なお、部品識別情報に代えて、部品型式の項目データを追加し、当該部品型式から対象部品を特定してもよい。
引き続き、情報抽出部17Aは、ユーザが入力部18を介して対象部品を指定し、保全データベース12から当該対象部品の項目データを抽出し、対象部品の保全抽出情報20bとして抽出結果データベース20に保存する(S2)。
図3は抽出結果データベース20に保存される保全抽出情報20bのデータ構造の一例を示す図である。この保全抽出情報20bには、例えば建物名(官庁届出建物名N)、注番(仮番)、部品識別情報(部品名)、保守工番(設置番号)、略仕様、稼動開始年月日、故障発生年月日、使用年数、故障発生時刻、故障番号、担当事業所CD、故障受付年月日等が含まれる。部品識別情報の項目を削除した場合、「注番」から部品形式を辿り、対象部品を特定してもよい。すなわち、この保全抽出情報20bには、対象部品に故障が発生したことを示す故障発生情報(例えば故障発生年月日、故障発生時刻、故障番号の何れか1種類以上)が含まれる。なお、故障発生情報は、故障年数としては、例えば(故障発生年月日−稼動開始年月日)×24で算出される時間で表される。
母集団演算部17Bは、抽出結果データベース20に保存管理される対象部品の出荷抽出情報20aに基づき、同一顧客(出荷先)に出荷された対象部品の出荷台数(母数)Niを求め、顧客名、出荷時期、対象部品の出荷台数(母数)Niを含む母集団情報20cを抽出し、抽出結果データベース20に保存する(S3)。
しかる後、解析処理部17Cは、抽出結果データベース20に保存される保全抽出情報20bに含まれる故障発生情報及び母集団情報20cに含まれる出荷台数情報に基づき、当該出荷台数情報によって示される対象部品の出荷台数のうち、当該故障発生情報によって示される故障が発生した対象部品の台数(故障台数)を算出する(S4)。これにより、解析処理部17Cは、ステップS3で求めた出荷台数NiとステップS4で求めた故障台数とから現場で正常に動作している対象部品の台数を算出する。
このことは、現場に出荷された対象部品の出荷台数Niを正確に把握することにより、累積ハザード解析を実施することが可能となり、出荷台数Niに対する故障台数の割合から正確に故障率を算出できる。
解析処理部17Cによる信頼性解析情報の生成手法としては、例えば累積ハザード関数H(t)、信頼度関数R(t)、不信頼度関数F(t)及び故障発生確率密度関数f(t)等を用いて、信頼性解析情報の生成処理を実行する(S5)。
ここで、累積ハザード関数H(t)は、
Figure 0005388060
で表される。上式において、Niは母集団演算部17Bで算出された対象部品の出荷台数、σiは対象部品の各々に故障が発生したか否かを示す。例えば対象部品に故障が発生していない場合にはσi=0を示し、対象部品に故障が発生している場合にはσi=1を示す。
また、信頼度関数R(t)は、
Figure 0005388060
で表され、不信頼度関数F(t)は、
Figure 0005388060
で表される。
そこで、解析処理部17Cは、ワイブル解析処理を実行する。すなわち、解析処理部17Cは、上記式(2)、式(3)から例えば不信頼度関数F(t)の両辺に二度対数を行うことにより、
Figure 0005388060
なる式を導き、横軸X,縦軸Yの座標系を有するワイブルハザード紙にあてはめを行い、線形近似によって下記のような近似式(式(5)及び式(6))を生成し、η、mを定める。ηは尺度を決めるパラメータであり、mは直線の傾きとなる形状パラメータ(ワイブル係数)である。
Figure 0005388060
以上のような各種の関数を用いて解析処理を実施することにより、図5に示す信頼性解析情報を生成し(S51)、不信頼性関数F(t)の解析結果(図6)及び故障発生確率密度関数f(t)の解析結果(図7)等の必要関数解析結果の取得(S52)、ワイブル解析の導入により、ワイブル解析結果(図8)の取得(S53)、リスクを考慮した対象部品の交換時期(図9)の算出(S54)を実行し、信頼性解析データベース21に保存し管理する。
図5ないし図9について具体的に説明する。
図5は信頼性解析データベース21に保存される信頼性解析情報のデータ構造例であって、対象部品毎に、例えば時間、Ln(t)(図8のワイブル解析図の横軸値)、σi、ハザード値h(t)、H(t)、F(t)及びLnH(t)等が含まれている。なお、図示していないが、信頼性解析情報には、対象部品が出荷された顧客を識別するための顧客名(顧客識別情報)当該対象部品を識別するため部品識別情報及び故障発生確率密度関数f(t)等も含まれる。
また、時間に対応付けられたσi=0の場合には対象部品は故障していないので、対象部品の正常稼動時間を示す。一方、σi=1の場合には対象部品が故障発生しているので、対象部品の故障(発生時間)を示す。Ln(t)は、当該Ln(t)に対応付けられた時間の自然対数であって、図8のワイブル解析図の横軸に対応する。LnH(t)は前述したH(t)の自然対数であって、図8のワイブル解析図の縦軸に対応する。
図6は信頼性解析情報に含まれる対象部品の不信頼度関数F(t)の解析結果を示すグラフである。このグラフには、例えば製品(エレベータの機種)毎に対象部品の稼動時間に応じた不信頼度F(t)が示されている。曲線31は、例えばあるエレベータ(第1のエレベータ)を構成する対象部品の不信頼度F(t)を示し、曲線32は、別の第2のエレベータを構成する対象部品の不信頼度F(t)を示す。なお、グラフの縦軸に示す不信頼度F(t)=1のとき、対象部品の完全故障を意味する。
このグラフから、例えば稼動時間毎の対象部品の故障台数の推移を確認することで、統計的に第1及び第2のエレベータを構成する対象部品の寿命となる稼動時間(交換時期)等を算出することができる。
図7は信頼性解析情報に含まれる対象部品の故障発生確率密度関数f(t)の解析結果を示すグラフである。このグラフには、図6のグラフと同様に、例えば製品(エレベータの機種)毎に対象部品の稼動時間に応じた故障発生確率密度関数f(t)の値が示されている。折れ線41は、例えば第1のエレベータを構成する対象部品の故障発生確率密度関数f(t)の値を示し、折れ線42は、第2のエレベータを構成する対象部品の故障発生確率密度関数f(t)の値を示す。
この故障発生確率密度関数f(t)の算出は、例えば故障時間と不信頼度関数F(t)を利用して行う。例えば故障発生確率密度関数f(t)は、故障発生時間間隔T時間毎にF(t)の最大値F(nT)Max(nは正の整数)を求め、現在区間の最大値から前の区間の最大値を引いたもの、つまり、f(t)=F(nT)−F((n−1)T)とする。但し、F(0)=0とする。
なお、図7のグラフに示す例では、対象部品が故障するまでの平均値である平均故障時間MTBF(Mean Time Between Failure)は、140400(時間)である。
従って、このグラフから、例えば第1、第2のエレベータを構成する対象部品の平均故障時間等を確認することで、当該対象部品の交換時期等を算出することが可能となる。
図8は信頼性解析情報に含まれる対象部品の累積ハザード関数H(t)に対してワイブル解析を行って得られた解析結果を示す図である。この図には、例えば対象部品の稼動時間の自然対数Ln(t)に応じたLnH(t)のプロット値が示されている。このプロット値は、前述した式(4)〜式(6)で説明するように、線形近似となっており、その傾きから、mの値は、1.6327となる。
このワイブル解析による解析結果を得ることは、広範囲の寿命データを対象とすることができ、また、mの値から対象部品の初期故障型(m<1)、偶発故障型(m=1)、摩耗故障型(m>1)等の故障パターンを知ることができる。
因みに、図8に示す対象部品の形状パラメータm=1.6327であることから、摩耗故障型の故障パターンであることが判る。対象部品の形状パラメータmについても、信頼性解析データベース21に保存される。
また、部品の使用環境、例えば当該部品の取付位置、入手時間、交換作業時間等によっても故障発生時間に影響を及ぼすことが考えられる。このため、解析処理部17Cは、使用環境情報データベース13に格納されている使用環境情報やリスク管理データベース14に格納されているリスク管理情報を取得し、例えば対象部品の不信頼度関数F(t)や累積ハザード関数H(t)を用いて算出された値に対し、これらの重み付けを行う。
図9は信頼性解析情報に含まれる対象部品の不信頼度関数F(t)の値に対してリスク管理を実施して交換時期を定めた図である。
この図は、図6のグラフにリスク曲線51を追加したものである。このリスク曲線51は、例えば対象部品に係る基板のコストや保守員単価等を掛け合わせたものを示し、稼動時間毎に応じた対象部品の交換にかかるコストを示す。
このようにリスク曲線51を追加することにより、図6のグラフと比較して、より最適な対象部品の交換時期を割り出し(S54)、交換時期の最適化を図ることができる。
解析処理部17Cは、例えば環境情報に含まれる温度、湿度、起動回数または算出された交換時期(交換最適時間)等を信頼性解析情報として信頼性解析データベース21に格納し、リミットデータとして活用する。つまり、このリミットデータ(信頼性解析情報)に基づいて、対象部品等の交換時期が判断される。
すなわち、解析処理部17Cは、ステップS5の一連の処理により、エレベータを構成する対象部品がどの程度の年数で故障するか、つまり故障年数が判定できる。
しかし、最終的に故障年数を算出したとしても、故障結果を踏まえた事後データであるので、できれば対象部品が如何なる要因によって故障したのかを分析し、故障前に該当対象部品を交換すれば、エレベータシステムに影響を与えずに安全に稼動させることができる。
そこで、引き続き、解析処理部17Cは、保全情報及び使用環境から故障要因(1)を分析し、使用環境や使用方法で問題のある部分を抽出し、この抽出結果をもとに改善する方法を表示部19に表示し、かつ、エレベータ設置現場にフィードバックする(S6)。すなわち、解析処理部17Cは、抽出結果データベース20に保存される対象部品の保全抽出情報20b及び使用環境情報データベース13に格納されている対象部品の使用環境情報を取得し、MT(Mahalanobis−Taguchi)法や分析ソフト等を用いることにより、対象部品の故障に影響を及ぼしている故障要因を分析する。
これにより、対象部品の故障要因として影響の強い要因の洗い出しを行い、対象部品の長期化を図るための改善方法を見つけ出し、その改善方法を製造元にフィードバックする。
なお、故障要因の分析においては、MT法または分析ソフトのどちらを用いても構わない。
さらに、解析処理部17Cは、出荷試験データ及び製造履歴情報から故障要因(2)を分析する(S7)。すなわち、解析処理部17Cは、出荷試験データベース15に格納されている対象部品の出荷試験データ(回路の入出力データ、部品の特性データ等)及び製造履歴情報データベース16に格納されている対象部品の製造履歴情報(デバイス情報、製造環境、製造工程等)を取得し、MT法や分析ソフト等を用いることにより、出荷試験データと製造履歴情報との因果関係を分析し、その分析結果を信頼性解析情報として信頼性解析データベース21に保存する。
このとき、解析処理部17Cは、製造段階及び出荷時に異常データを抽出した場合、異常が発生した対象部品をリジェクトするとともに、前述した出荷試験データと製造履歴情報との因果関係を抽出し、異常が発した要因(故障要因)の分析を実施する。例えば故障要因が対象部品のロットや製造環境、使用方法に問題有りと抽出したとき、当該対象部品の故障要因となった製造履歴情報を信頼性解析情報として信頼性解析データベース21に保存し、かつ、当該抽出された製造履歴情報を対象部品の製造元にフィードバックし、対象部品の出荷時に発生する不具合の改善を実施させる。
さらに、出荷試験の段階でなく、対象部品の出荷後に同様に対象部品に異常が見つかった場合も出荷試験データと製造履歴情報との因果関係を抽出し、異常が発生した要因(故障要因)の分析を実施し、その分析結果を信頼性解析情報として信頼性解析データベース21に保存し、かつ、当該抽出された製造履歴情報を対象部品の製造元にフィードバックし、対象部品の出荷時に発生する不具合の改善を実施させる。
従って、以上のような故障要因を分析することにより、後記する図12で説明するように対象部品の稼動時間(故障交換時間)に与える影響の大きい要因を洗い出すことにより、事前に故障前交換予測時期を算出し(S8)、信頼性解析情報として信頼性解析データベース21に保存することが可能である。
図10ないし図12は前述したMT法や分析ソフトを用いて分析された結果を説明する図である。
図10はMT法を用いて分析された結果の一例を示す図である。図10の例では、解析処理部17Cで作成される基準データと対象部品A〜Dとの関係を表している。これら対象部品A〜Dは、それぞれ異なるエレベータを構成する同一の部品であって、現在稼動している部品であるとする。
一方、図10の中央領域が解析処理部17Cで作成される基準データ(基準空間)を示すものとする。つまり、MT法は、対象部品A〜Dの位置と中心となる基準データとの距離関係から、各対象部品A〜Dの各々の不具合を判定する手法である。
具体的には、例えば対象部品Aの位置は、基準データから遠い位置にある。このことは、対象部品Aの出荷抽出情報20a、保全抽出情報20b、使用環境情報及び製造履歴情報には、故障が発生しない基準となる基準データと距離的に離れていることから、不具合が発生し、あるいは不具合が発生する可能性が高いと判定できる。
一方、対象部品Cの位置は、基準データに近い位置にあることから、当該対象部品Cには不具合が発生しておらず、正常に稼動していると判定できる。
これにより、不具合が発生している対象部品が使用される環境(使用環境)や製造履歴情報等を認識することになり、故障要因(1),(2)を認識(分析)することができる。
図11は、例えば分析ソフトを用いて分析された結果の可視化例を示す図である。この図11には2つのグラフ61、62が表されている。グラフ61は、例えば対象部品が構成するエレベータの機種毎の当該対象部品の稼動時間(年数)と起動回数との分布状態を表し、グラフ62は、対象部品の出荷年数毎の当該対象部品の稼動時間の分布状態を表している。
これにより、例えば稼動年数の短い対象部品が使用される環境等を認識することにより、故障要因を認識(分析)することができる。
図12は、前述した図11の分析結果をもとに、要因毎の対象部品の稼動時間(年数)、満足度に与える影響を示す図であって、表示部19に表示し、保守員等に提示される。
図12には、例えば製品毎の対象部品の稼動時間(故障交換時期)X=2000時間とした場合、当該対象部品の稼動時間に影響を与える各要因の値及び当該値に対応する稼動時間及び満足度が示されている。ここで、対象部品の稼動時間に影響を与える要因としては、点検日までの期間、平均起動回数(月)、累積起動回数、走行距離(月平均)、停止階床等が含まれる。
図12に示す例では、例えば点検日までの期間が「1947」、平均起動回数(月)が「38627」、累積起動回数が「2064358」、走行距離(月平均)が「277.3311」及び停止階床が「2.503704」のとき、対象部品の稼動時間が設定された2000時間となることを示す。これらの値のとき、満足度は1.00となる。なお、この対象部品の稼動時間は変更可能であり、例えば当該対象部品の稼動時間が3000時間に設定された場合、当該稼動時間に応じた各要因の値が示されることになる。
この図12から言えることは、要因となる累積起動時間と走行距離との関係を見ると、例えば累積起動時間を減少させた場合に満足度の減少の度合いが急減し、かつ、稼動時間の傾きが大きいとき、走行距離よりも対象部品の稼動時間に与える影響が大きいことを表している。つまり、各要因の値を変化させた場合に満足度や稼動時間の変化が激しいとき、その要因が対象部品の稼動時間に与える影響が大きいと言える。逆に、要因の値を変化させた場合にその満足度や稼動時間の変化が緩やかであれば、当該要因が対象部品の稼動時間に与える影響が小さいと言える。
なお、要因としては、以上述べた項目だけでなく、例えば略仕様、温度、湿度、製造履歴等の要因項目を増やして対象部品の稼動時間に与える影響を調べることにより、大きな影響を持つ幾つかの要因を見つけ出すことができる。これにより、影響の強い要因を洗い出すことが可能となり、故障前に事前により正確に故障予測時期を抽出し(S8)、信頼性解析情報として信頼性解析データベース21に保存し、また特に影響の強い要因に基づき、最適な環境、製造プロセスの改善を実現できる。
再び、図4に戻り、管理部17Dによる処理を実行する。
管理部17Dは、前述したように信頼性解析データベース21に保存された信頼性解析情報ないし各種の分析結果をもとに、随時収集される例えばエレベータ(エレベータを構成する対象部品)の稼動状況を示すフィールドデータと比較し、フィールドデータが事前故障予測時期に達したとき、当該対象部品の交換時期(メンテナンス時期)がきたことを表示部19に表示するか、アラームを鳴動し、保守員等に通知する(S9)。
図13は対象部品が故障前交換予測時期にきたことを通知する際の表示画面19aの一例図である。この表示画面19aには、対象部品の出荷先となる顧客が全国的に散在している場合、そのサービス管理地域を覆う例えば全国地図が表示される。そして、例えば対象部品に対する交換予測時期が来たとき、その対象部品の出荷先となる地域(イ),(ロ)が赤等で表示され、対象部品の交換予測時期に近づいているか、あるいは達していることからメンテナンスが必要であることを表示する。
ここで、保守員等が赤色等で表示された出荷先となる地域例えば(イ)をクリックすると、当該対象部品が使用されているエレベータの詳細情報等を確認することができる。これにより、何れの地域に設置の稼動中のエレベータの何れの対象部品が交換予測時期に近づき、あるいは達しているかを確認でき、対象部品の交換作業の行動を取ることが可能となる。このとき、同時に、出荷試験データベース15から出荷試験の状況を、一覧表示等で確認することができるため、より早い段階で改善につなげることが可能となる。
次に、図14は計測センサや監視カメラで取り込んだ例えば対象部品の映像情報に対する管理部17Dの処理例を説明する図である。
管理部17Dは、画像収集部171、データ比較部172及び異常判定部173を含む構成である。
画像収集部171は、エレベータの各箇所に設置される計測センサや監視カメラからエレベータ制御用コントローラ231,…,23を通して当該エレベータが稼動した初期の段階で対象とする回路基板や部品の熱分布その他必要事象に関する初期状態のセンサ出力画像81a、カメラ出力画像82aを取り込んで適宜な記憶手段,例えば使用環境情報データベース13に保存する。
さらに、画像収集部171は、予め定められた期間毎(周期)に計測センサや監視カメラからエレベータ制御用コントローラ231,…,23を通して当該エレベータを構成する対象とする回路基板や部品の熱分布その他必要事象に関する時間経過状態のセンサ出力画像81b、カメラ出力画像82bを取り込んで使用環境情報データベース13に保存する。
管理部17Dは、時間経過状態のセンサ出力画像81b、カメラ出力画像82bを取り込んだ後、データ比較部1721を実行する。データ比較部172は、使用環境情報データベース13から初期状態のセンサ出力画像81a、カメラ出力画像82aと時間経過状態のセンサ出力画像81b、カメラ出力画像82bとを読み出して表示部19の表示画面19aに表示し、例えば画像を構成する各画素のデータから熱分布が変化しているかを比較する。
異常判定部173は、画像データの比較結果、時間経過状態のセンサ出力画像81b、カメラ出力画像82bが例えば予め定められる熱変化の大きさや広がりを超えているか否かを監視及び確認する。すなわち、対象とする回路基板や部品に異常ないし異常予兆が発生していないかを監視する。
また、管理部17Dは、表示部19の表示画面19aにセンサ出力画像やカメラ出力画像を表示せずに、内部的に熱分布の変化の有無を比較することも可能である。
従って、以上のような実施の形態によれば、同一出荷先に出荷した対象部品の故障発生情報から求められた不安定な故障交換時期に対し、使用環境情報,保全情報,出荷試験情報及び製造履歴情報を用いて、使用環境や使用方法等の故障要因を分析し、故障要因の中から影響の強い要因の洗い出すことにより、故障交換時期に至る前の段階でより正確な交換予測時期を求めるとか、あるいは不当に短い期間で交換されるような状況を防止することができる。
また、リスク管理を行うことにより、精度の高い交換時期を把握できるとともに、対象部品が交換時期に近づいたことを表示することで、保守員が各エレベータの状況を手間なく把握することが可能となり、保守員の負担軽減にも貢献する。
また、対象部品の出荷試験での不具合状況や事前に交換時期に近づいたことを提示することにより、先行して交換部品の準備を進めることができ、さらに、出荷試験の段階で部品の特性等の状況を把握できるため、出荷前、故障発生前に部品交換を実施可能となり、重大故障を未然に防止できる。
さらに、保守員や関係部門等が必要関数の解析結果(図6,図7)やワイブル解析による解析結果(図8)、故障要因の分析結果等を確認することが可能であるため、個々の部品の故障モードをおさえることができ、また、初期故障が発生している、または摩耗故障であるが、故障発生時間が早いものに対しては、設計フィードバックを実施し、より早い段階で改善につなげることができる。
さらに、分析の結果について確認を行い、フィールドの状況と整合性がない場合には、使用環境情報やリスク情報の確認及び修正を行い、より正確な交換時期を計画することが可能である。
さらに、交換予測時期に近づいた回路基板,部品に対し、地図上に当該回路基板,部品を組み込んだエレベータの設置地域が所定のマークにより表示され、当該マークをクリックすることで詳細情報を把握することが可能となり、稼動中のエレベータのどの部品が交換予測時期に近づいているかを確認でき、交換作業の行動をとることができる。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
上記実施の形態では、各種の分析結果が信頼性解析データベース21に保存されているが、例えば保守員等が入力部18から分析結果の確認指示を入力することにより、例えば少なくともステップS6及びS7の処理で取得された情報及び分析結果を表示部19に表示し確認し、分析に必要なデータが不足していると判断したとき、当該不足データを入力部18から設定し追加すれば、より正確に交換予測時期を算出するのに役立つ。
また、エレベータ制御用コントローラ231,…,23は、所定期間ごとに計測センサから収集した例えば使用環境情報を前記使用環境情報データベース13に格納するようにしているが、例えばエレベータ制御用コントローラ231,…,23に接続される故障データベースに保存し、部品改善計画支援処理部17からの収集指示に従って故障データベースから使用環境情報を取得し、使用環境情報データベース13に格納する構成であってもよい。
11…出荷情報データベース、12…保全情報データベース、13…使用環境情報データベース、14…リスク管理データベース、15…出荷試験データベース、16…製造履歴情報データベース、17…部品改善計画支援処理部、17A…情報抽出部、17B…母集団演算部、17C…解析処理部、17D…管理部、18…入力部、19…表示部、20…抽出結果データベース、20a…出荷抽出情報、20b…保全抽出情報、20c…出荷台数を含む母集団情報、21…信頼性解析データベース、22…LAN、WAN等の内部ネットワーク、231〜23…エレベータ制御用コントローラ、24…部品手配システム、171…画像収集部、172…データ比較部、173…異常判定部。

Claims (13)

  1. エレベータを構成する部品(回路基板を含む。以下、同じ)の部品識別情報及び当該部品の出荷先を示す顧客識別情報を含む出荷情報を格納する出荷情報格納手段と、
    この出荷情報格納手段に格納される出荷情報に含まれる部品識別情報に対応付けて、当該部品の故障発生を示す故障発生情報を含む保全情報を格納する保全情報格納手段と、
    前記出荷情報に含まれる部品識別情報に対応付けて、当該部品の使用状態を示す使用環境情報を格納する使用環境情報格納手段と、
    前記出荷情報に含まれる部品識別情報に対応付けて、当該部品の出荷試験データを格納する出荷試験データ格納手段と、
    前記出荷情報に含まれる部品識別情報に対応付けて、当該部品の製造履歴情報を格納する製造履歴情報格納手段と、
    ユーザにより指定された対象部品データに基づき、前記出荷情報格納手段及び前記保全情報格納手段から当該対象部品の部品識別情報に対応付けられた同一の出荷先を表す顧客識別情報を含む出荷情報及び前記対象部品の故障発生を示す故障発生情報を含む保全情報を抽出し保存する情報抽出手段と、
    この情報抽出手段で抽出された対象部品の出荷抽出情報に基づき、同一の出荷先に出荷される対象部品の出荷台数を求める演算手段と、
    この演算手段で求めた出荷台数及び前記情報抽出手段で抽出された保全抽出情報に含む故障発生情報に基づき、前記対象部品の故障台数を算出する第1の解析処理手段と、
    前記対象部品の出荷台数及び前記第1の解析処理手段で算出された対象部品の故障台数と所定の複数の信頼性解析用関数を用いて信頼性解析情報を生成保存し、かつこの生成保存された信頼性解析情報を用いてワイブル解析を実施して前記対象部品の故障交換時期を算出し保存する第2の解析処理手段と、
    前記対象部品の保全抽出情報と前記使用環境情報格納手段格納される当該対象部品の使用環境情報から故障要因を分析し、また、前記出荷試験データ格納手段と前記製造履歴情報格納手段とにそれぞれ格納される出荷試験データと製造履歴情報との因果関係から対象部品の故障要因を分析し、前記故障交換時期に至る前の交換予測時期を算出するとともに、前記各故障要因の分析結果を保存する第3の解析処理手段と、
    前記第2の解析処理手段で保存された前記信頼性解析情報ないし前記第3の解析処理手段で保存された分析結果をもとに、随時収集される対象部品の稼動状況データと比較し、稼動状況データが前記交換予測時期に近づいたとき、当該対象部品の交換時期を通知する管理手段と
    を備えたことを特徴とするエレベータの部品改善計画システム。
  2. 請求項1に記載のエレベータの部品改善計画システムにおいて、
    前記第3の解析処理手段は、前記対象部品の出荷試験データ及びデバイス情報,製造環境,製造工程を含む製造履歴情報に基づいて、前記保全抽出情報と照合し、故障発生部品の特定、故障発生による交換を必要とする部品台数、前記交換予測時期を把握し、かつ、部品交換の優先順位や各部品のストック数を把握した上で所要の情報を前記管理手段に送出し、
    この管理手段は、前記解析処理手段から受け取る所要の情報に基づき、少なくとも部品手配番号を含む手配数量の情報を、内部ネットワークに接続される部品手配システムに送出し、部品の自動手配を促すことを特徴とするエレベータの部品改善計画システム。
  3. 請求項1に記載のエレベータの部品改善計画システムにおいて、
    前記第3の解析処理手段は、前記出荷試験データ格納手段に格納される前記対象部品の出荷試験データと製造履歴情報格納手段に格納される当該対象部品のデバイス情報,製造環境,製造工程を含む製造履歴情報とに基づき、当該対象部品の故障に影響を及ぼす故障要因を分析するとともに、故障要因の中から影響の強い要因の洗い出しを行い、
    前記管理手段は、影響の強い要因の洗い出し結果を表示することを特徴とするエレベータの部品改善計画システム。
  4. 請求項1に記載のエレベータの部品改善計画システムにおいて、
    前記第3の解析処理手段は、対象部品の製造段階や出荷試験で異常データが抽出された場合、当該対象部品のロット、製造環境、使用方法で問題となる部分を分析し、この分析結果から得られる効率的な改善方法を前記管理手段を介して製造元に提供し、
    また、前記出荷試験データと前記製造履歴情報との因果関係に基づく故障要因の分析結果から出荷後の異常と判断したとき、当該分析結果から得られる効率的な改善方法を前記管理手段を介して製造元に提供することを特徴とするエレベータの部品改善計画システム。
  5. 請求項1に記載のエレベータの部品改善計画システムにおいて、
    稼動中の各エレベータの設置場所、機器、部品に関する温度、湿度、起動回数、電圧、電流、部品に関する硬度、応力データその他寿命に関するデータを計測し収集するデータ計測収集手段が設けられ、
    このデータ計測収集手段は、収集した各種データである使用環境情報を前記使用環境情報格納手段に保存し、前記第3の解析処理手段にて前記故障交換時期に至る前の交換予測時期を算出する際に使用することを特徴とするエレベータの部品改善計画システム。
  6. 請求項1に記載のエレベータの部品改善計画システムにおいて、
    前記第2の解析処理手段は、前記対象部品の故障交換時期を算出する際、信頼性解析情報に含まれる対象部品の不信頼度関数の値に対して、対象部品の交換作業時間、部品コスト、保守員単価等の損益を考慮しつつリスク管理を実施し、前記故障交換時期を算出することを特徴とするエレベータの部品改善計画システム。
  7. 請求項1または請求項5に記載のエレベータの部品改善計画システムにおいて、
    前記第3の解析処理手段は、前記対象部品の保全抽出情報と前記使用環境情報格納手段に格納される当該対象部品の使用環境情報とから、当該対象部品の故障が発生する要因分析を実施し、使用環境や使用方法で問題がある部分を抽出し、この抽出結果をもとに前記対象部品の交換時期の延長を図る効率的な改善方法をエレベータ設置現場に提供することを特徴とするエレベータの部品改善計画システム。
  8. 請求項7に記載のエレベータの部品改善計画システムにおいて、
    前記第3の解析処理手段は、前記対象部品の使用環境情報をもとに、MT法を用いて、
    当該対象部品の故障が発生しないデータを中心の基準空間とし、それぞれ異なるエレベータに設置される現在稼動中の前記対象部品と同一の部品の使用環境情報を随時確認し、各部品の基準空間に対する距離から事前に不具合情報を分析し、エレベータ設置現場に提供することを特徴とするエレベータの部品改善計画システム。
  9. 請求項1、請求項7、請求項8の何れか一項に記載のエレベータの部品改善計画システムにおいて、
    保守員からの分析結果の確認指示基づき、少なくとも前記第3の解析処理手段で取得された情報及び分析結果を表示し確認し、分析に必要なデータの不足時に当該不足データを入力部から入力し設定することを特徴とするエレベータの部品改善計画システム。
  10. 請求項5に記載のエレベータの部品改善計画システムにおいて、
    前記データ計測収集手段は、稼動中のエレベータの設置場所、機器、部品の測定ポイントから所望の使用環境情報を計測する計測センサと、この計測センサで計測した使用環境情報及び当該計測センサを介さずに所望の使用環境情報を直接収集するエレベータ制御用コントローラとを有し、
    当該エレベータ制御用コントローラは、予め指定された時期ごとに収集した使用環境情報を前記使用環境情報格納手段に送信し、あるいは当該エレベータ制御用コントローラに接続される故障データベースに転送し保存することを特徴とするエレベータの部品改善計画システム。
  11. 請求項1、請求項5、請求項7、請求項8、請求項9の何れか一項に記載のエレベータの部品改善計画システムにおいて、
    エレベータの設置場所、機器、対象部品の熱分布及び前記対象部品の取付け状態エリアを監視する計測センサ及び監視カメラの少なくとも1種類を設置し、これら計測センサ、監視カメラで得られる熱分布情報、取付け状態映像と初期の熱分布情報、取付け状態映像とを比較し、前記エレベータの設置場所、機器、対象部品に異常が発生しているか監視することを特徴とするエレベータの部品改善計画システム。
  12. エレベータを構成する部品の部品識別情報及び当該部品が出荷された出荷先を示す顧客識別情報を含む出荷情報、当該出荷情報に含まれる部品識別情報に対応付けて、故障発生情報を含む保全情報、使用状態を示す使用環境情報、部品出荷時の試験データ、製造履歴情報をそれぞれ格納する情報格納ステップと、
    ユーザにより指定された対象部品データに基づき、当該対象部品の部品識別情報に対応付けられた同一の出荷先を表す顧客識別情報を含む出荷情報及び前記対象部品の故障発生情報を含む保全情報を抽出し保存する情報抽出ステップと、
    このステップで抽出された対象部品の出荷抽出情報に基づき、同一の出荷先に出荷される対象部品の出荷台数を求める演算ステップと、
    前記対象部品の故障発生情報と前記出荷台数とに基づき、当該出荷台数に対する故障台数の割合から故障率を算出し、複数の所定の信頼性解析用関数を用いて信頼性解析情報を生成し、かつ、ワイブル解析を実施し、前記対象部品の故障交換時期を算出する交換時期解析ステップと、
    前記情報格納ステップで格納された対象部品の少なくとも前記使用環境情報、前記部品出荷時の試験データ及び前記製造履歴情報に基づき、使用環境や製造履歴を認識して故障要因を分析し、前記故障交換時期に至る前の交換予測時期を算出する交換予測時期算出ステップと
    を有することを特徴とするエレベータの部品改善計画方法。
  13. 請求項12に記載のエレベータの部品改善計画方法において、
    前記信頼性解析情報ないし各種の分析結果をもとに、随時収集されるエレベータを構成する対象部品の稼動状況データと比較し、稼動状況データが前記交換予測時期に近づいたとき、当該対象部品の交換時期を通知する第1の管理ステップと、
    前記交換予測時期算出ステップにより使用環境や製造履歴を認識して故障要因を分析し、その分析結果に基づいて効率的な改善方法をエレベータ設置現場または製造元に提供する第2の管理ステップとを、さらに有することを特徴とするエレベータの部品改善計画方法。
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