JP5386778B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
例えば、遊技機であるスロットマシンは、スロットマシンのコイン投入口から投入された遊技媒体であるコインをスロットマシンの筐体内に設けられているホッパ装置のメインタンクに貯留すると共に、遊技の入賞結果に応じた枚数のコインをメインタンクから外部に排出する構成を有する。
したがって、例えば特別入賞が連続して成立し、遊技者に大量のコインの払い出しが行われる等、コインの投入枚数に対して排出枚数の方が多い遊技が続いた場合、メインタンクのコイン貯留量は減少する。
このようなメインタンクにコインを補給する方法として、従来より手動式と自動式がある。手動式は、遊技店の従業員等が手作業によりスロットマシンの前面扉を開いてメインタンク内に直接コインを補給するものであり、自動式は、スロットマシンが設置される設備、いわゆる島設備に設けられた既知のコイン自動補給装置によってメインタンク内に自動的にコインを補給するものである。
自動式は、手動式と比較した場合に、前面扉を開くことなく、メインタンク内に自動的にコインが補給されることから、遊技者による遊技を中断させることがなく、従業員等の作業負担も軽減することができる。
コイン自動補給装置は、ホッパ装置のメインタンク内にコインを自動的に補給するものであり、スロットマシンとは別個に設けられているコイン貯留タンクからスロットマシンまでコインを搬送するコイン補給管を有している。
このコイン補給管は、例えばスロットマシンの上方からスロットマシンの背面側を筐体の背板に沿って下方に向かって延在し、筐体の背板に開口する孔部に挿通されて筐体内に突出し、コイン補給管の下端部がメインタンクの上方位置で下方に向かって開口し、コイン貯留タンクから搬送されたコインが、スロットマシンの上方からコイン補給管内を通過してメインタンク内に補給されるように設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
スロットマシンが設置される店舗には、コイン自動補給装置を備えている店舗と、備えていない店舗の2種類が存在し、また、同一店舗内であっても、コイン自動補給装置を備えている島設備と、備えていない島設備とが混在する店舗も存在する。したがって、スロットマシンの筐体は、コイン自動補給装置を備えている場合と備えていない場合の両方に対応できる構造を採用している。
例えば、筐体の背板に予め切断線が形成されており、その切断線に沿って背板の一部を切り取ることにより、孔部を形成でき、コイン補給管を挿通することができるように筐体が構成されている。したがって、スロットマシンの設置場所にコイン自動補給装置があるか否かに応じて、適宜選択することができる。
また、筐体の背板に予め孔部が形成されており、その孔部を塞ぐように、閉塞蓋を締結部材で背板に仮止めし、設置場所にコイン自動補給装置があるとき、すなわち上述の自動式のときには、閉塞蓋を取り除くことで孔部を開放する技術が開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2004−65511号公報(図5) 特開2006−122306号公報
しかしながら、上述の背板の一部を切り取って背板に孔部を形成する方法の場合、例えば、コイン自動補給装置を備えた店舗或いは島設備に設置したスロットマシンを、その後、コイン自動補給装置を備えていない店舗或いは島設備に移設したときには、孔部を塞ぐことができず、筐体の背板に孔部が大きく開口した状態で設置されることになる。
このような不要な孔部をそのままの状態で放置しておくと、例えば孔部を介して筐体内に器具を侵入させて、筐体内のコインを盗んだり、電源ボックス内の設定キーを操作する等の不正行為を誘引するおそれがある。また、孔部からゴミ等の異物が筐体内に入り込み、その異物がスロットマシンの遊技動作に影響を与えるおそれもある。
本発明は、筐体内に器具等を侵入させるといった不正行為を防ぐことのできる遊技機を提供することにある。
上記課題を解決する請求項1に記載の発明による遊技機は、箱状の筐体に、コインを通過させるための孔部が穿設された遊技機において、前記孔部を閉塞可能な大きさの蓋部を有する開閉蓋を備え、前記蓋部には、前記孔部に嵌入可能な凸起部が設けられ、前記孔部は、略矩形状に形成され、前記凸起部は、前記孔部の内径寸法より一回り小さい外形寸法を有する矩形枠状の枠体として形成された第1リブと、前記第1リブに対して直交する方向で、前記第1リブから前記孔部の内壁面に向かって突出し、前記嵌入状態で前記孔部の内壁面に対向する第2リブと、を有し、前記第2リブは、前記蓋部の裏面から突出する方向に移行するにしたがって面取りされていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、筐体内に器具等を侵入させるといった不正行為を防ぐことができる。
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=0,1,2・・・)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
手段0.手段0の遊技機は、箱状の筐体に、コインを通過させるための孔部が穿設された遊技機において、前記孔部を閉塞可能な大きさの蓋部を有する開閉蓋を備え、前記蓋部には、前記孔部に嵌入可能な凸起部が設けられたことを特徴とする。
手段1.手段1の遊技機は、箱状の筐体に、コインを通過させるための孔部が穿設された遊技機において、前記筐体に固定される固定部と、前記孔部を閉塞可能な大きさを有し、前記固定部に支持されて前記孔部を閉塞する閉塞位置及び前記孔部を開放する開放位置のいずれか一方に選択的に移動可能な蓋部とを有する開閉蓋を備えたことを特徴とする。
これにより、開閉蓋は、筐体に固定部が固定された状態で、蓋部を閉塞位置と開放位置のいずれか一方に選択的に移動できるので、孔部を開放する際に、開閉蓋を筐体から取り外す必要がない。したがって、孔部を開放しているときに開閉蓋の紛失を防ぐことができる。また、スロットマシンを設置する際に、背板の一部を切り取る作業を行う必要がなく、設置作業を簡素化でき、作業時間を短縮することができる。
手段2.手段2の遊技機は、前記開閉蓋は、前記蓋部を閉塞位置に係止する第1係止手段を有することを特徴とする。これにより、蓋部を閉塞位置に係止することができるので、蓋部が閉塞位置から孔部を開放する方向に移動するのを防ぎ、孔部が勝手に開放されるのを防ぐことができる。
手段3.手段3の遊技機は、前記開閉蓋は、前記蓋部を開放位置に係止する第2係止手段を有することを特徴とする。これにより、蓋部を開放位置に係止することができるので、蓋部が開放位置と閉塞位置の間で勝手に動くのを防止できる。したがって、例えば蓋部の振動等に起因した騒音の発生を防ぐことができる。そして、ヒンジ部によって、蓋部を固定部に対して回動自在に支持し、蓋部を回動させ、蓋部を開放位置と閉塞位置のいずれか一方に選択的に移動することができる。
以下、本発明の本実施の形態について遊技機の一例としてスロットマシン1の場合を例に図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態に係わるスロットマシン1の全体斜視図、図2は、スロットマシン1の前面扉3を開いた状態を示す斜視図、図3は、スロットマシン1の筐体2内を正面から示す図である。そして、図4は、開閉蓋70の表面側を示す斜視図、図5は、開閉蓋70の裏面側を示す斜視図、図6は、孔部2jを開閉蓋70によって閉塞した状態を示す斜視図、図7は、孔部2jを開放した状態を示す斜視図、図8は、図6に示すスロットマシン1の断面図、図9は、図7に示すスロットマシン1の断面図、図10は、図8の要部を拡大して示す図、図11は、図9の要部を拡大して示す図である。
尚、本実施の形態におけるコイン自動補給装置は、従来と同様の構成を有するものであるので、その詳細な説明を省略する。
スロットマシン1は、図1及び図2に示すように、筐体2と前面扉3を備えている。筐体2は、スロットマシン1の骨格をなす部材であり、天板2a、底板2b、背板2c、左側板2d、右側板2eからなり、前面が開放された箱形状を有している。
前面扉3は、図2に示すように、左端部の上下複数カ所がヒンジ5によって筐体2に取り付けられ、上下方向の回動中心軸線を回動中心として略水平に回動自在に支持され、回動によって筐体2の前面を閉塞及び開放するように構成されている。
前面扉3の右端部には、筐体2に対して前面扉3を閉塞して施錠状態とする施錠装置6と、その施錠装置による施錠状態を解除して前面扉3を開放するためのキーシリンダ7が備え付けられている。
そして、図1に示すように、前面扉3の中央部上寄り位置には、遊技者に遊技状態を示す遊技パネル8が設けられている。遊技パネル8には、縦長の表示窓9が3つ横並びに形成されている。表示窓9は透明又は半透明な材質によって構成されており、各表示窓9を介してリール52(図2及び図3を参照)を視認できるようになっている。
遊技パネル8の下方左側には、各リール52の回転を開始させるために操作されるスタートレバー11が設けられている。スタートレバー11は、揺動操作によって各リール52の回転開始を指示する信号を出力する。
スタートレバー11の右側には、回転している各リール52を個別に停止させるためのストップボタン12がそれぞれ設けられている。各ストップボタン12は、停止させるリール52が表示される表示窓9の下方位置に対応して各々配置されており、押し操作によってリール52の回転停止を指示する信号を出力する。
各ストップボタン12は、各リール52の停止操作が可能であるか否かを表示するための発光ランプを内蔵しており、リール52の回転速度が一定になって回転を停止させることが可能な状態になると点灯し、リール52の回転が停止すると消灯するようになっている。
遊技パネル8の下方右側には、コイン投入口21が設けられている。コイン投入口21から投入されたコインは、図2に示すように、前面扉3の背面に設けられたセレクタ22によって貯留用通路23か排出用通路24のいずれかに案内される。セレクタ22は、通路切替用のソレノイドを有しており、非励磁時に排出用通路24側とし、励磁時に貯留用通路23側に切り換える動作を行う。
貯留用通路23に案内されたコインは、筐体2内に収容されたホッパ装置61に供給され、排出用通路24に案内されたコインは、前面扉3の前面下部に設けられたコイン排出口25からコイン受け皿26に排出されて遊技者に返還される。
そして、図1に示すように、コイン投入口21の下方には、コイン返却スイッチ13が設けられている。コイン返却スイッチ13は、コイン投入口21に投入されたコインがセレクタ22内に詰まった際に押し操作することにより、セレクタ22を機械的に動作させて、セレクタ22内のコインを強制的に排出用通路24内(図2を参照)に導き、コイン排出口25からコイン受け皿26に排出させる。
表示窓9の下方左側には、クレジットされた仮想コインを3枚投入するための3枚投入用のベットボタン14が設けられている。そして、3枚投入用のベットボタン14の左方には、クレジットされた仮想コインを2枚投入するための2枚投入用のベットボタン15と、1枚投入するための1枚投入用ベットボタン16が設けられている。
スタートレバー11の左側にはクレジット精算ボタン17が設けられている。クレジット精算ボタン17は、予め設定された最大枚数、例えば50枚となるまでの余剰の投入コイン数や入賞時に獲得した獲得コイン数を電子的に記憶する貯留モード(クレジット機能)と、獲得コイン数を記憶せずに実際に支払う支払モードとを切り替えるように構成されている。
例えば、クレジット精算ボタン17が1回操作されると、貯留モードとなり蓄積されたコインの枚数の記憶が開始され、再び操作されると貯留モードが解除されて支払モードとなり記憶させた枚数分のコインが実際に排出される。
表示窓9の下方中央には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたコイン数を表示する残数表示部31と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に、残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部32と、獲得コインの枚数を表示する獲得枚数表示部33とがそれぞれ設けられている。
前面扉3の上部には、遊技の進行に伴って点灯・点滅する上部ランプ34と、画像・映像等によって種々の情報を表示する液晶表示部35が設けられている。そして、コイン受け皿26の上方には、スロットマシン1の機種名や遊技に係わるキャラクタなどが表示された下段プレート36が装着されている。コイン受け皿26の左側には灰皿37が設けられている。コイン排出口25の左右両側位置には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技の状態を報知するスピーカ38が各々設けられている。
筐体2は、図3に示すように、仕切板2fによってその内部が上下に2分割されており、仕切板2fの上部には、リールユニット51が固設されている。
リールユニット51は、円筒状に形成された3個のリール52を備えており、各リール52は、その中心軸線が回転中心軸線となるように、リールユニット51のベース53に回転自在に支持されている。各リール52の回転中心軸線は、筐体2の横幅方向に略水平に左右に延びる同一軸線上に配置されており、各リール52が各表示窓9に対して1対1で対応している。
各リール52の表面には、周回方向に所定間隔をおいて複数種類の図柄が表示されており、一つの表示窓11内から3つの図柄が上下に視認できるように配置されている。そして、リール52の正転により、各表示窓9には各種図柄が上から下に移動しているように映し出される。
各リール52は、個々にステッピングモータ(図示せず)に連結されており、各ステッピングモータにより別個独立して回転駆動され、リール表面の図柄が各表示窓9から視認可能な位置に停止される。
リールユニット51の上方には、主基板ユニット40が配設されている。主基板ユニット40は、スロットマシン1の制御を行う主制御装置41を備えており、台座装置42によって筐体2内の背板2cに取付支持されている。
仕切板2fと底板2bとの間には、ホッパ装置61と電源ボックス55が配設されている。電源ボックス55は、筐体2の左側板2dに沿って設けられており、開閉扉56を開くことで露出される正面部には、電源スイッチ、リセットスイッチ、設定キー挿入孔(いずれも図示せず)が設けられている。電源スイッチは、主制御装置等を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチは、スロットマシンの各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン1は、各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復旧(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチを押しながら電源スイッチをオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチがオンされている状態でリセットスイッチを押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入孔は、ホール管理者などがコインの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔へ挿入して操作することにより、スロットマシン1の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
ホッパ装置61は、図3に示すように、コインを貯留するメインタンク62と、メインタンク62内のコインを前面扉3のコイン払出口から1枚ずつ払い出すコイン払出ユニット63と、メインタンク62のコイン排出口64から排出されたコインを貯留する補助タンク65を備えている。
ホッパ装置61のメインタンク62とコイン払出ユニット63は、取付ベース66によって筐体2内に固定されている。取付ベース66は、底板2bの左右方向中央位置に固定され、上部にコイン払出ユニット63が取り付けられ、そのコイン払出ユニット63の上部にメインタンク62が取り付けられている。
メインタンク62は、略四角筒状の胴部62aを有する有底の箱形状をなし、胴部62aが筐体2の右側板2e、左側板2d、背板2cに沿って上下に延在し、胴部62aの上端部で投入口が上方に向かって開口するように配置される。
メインタンク62の胴部62aには、コイン排出口64が設けられている。コイン排出口64は、メインタンク62内に貯留されているコインのうち、予め設定された上限量を超える量のコインをメインタンク62内から排出するためのものであり、胴部62aの右側部分の前後方向略中央位置に開口している。
コイン払出ユニット63は、メインタンク62内に貯留されたコインを順次搬送するコイン払出用回転板とコイン払出機構(いずれも図示せず)を有しており、コイン払出用回転板がメインタンク62の下方に臨むように配置されている。コインは、コイン払出用回転板によってコイン払出機構まで搬送され、コイン払出機構によってコイン払出口から払い出される。
補助タンク65は、図3に示すように、コイン払出ユニット63と筐体2の右側板2eとの間に形成されたスペースに収容されており、筐体2の前部開口部分2gから前方に引き出すことによって筐体2内から取り出すことができるようになっている。そして、筐体2内でメインタンク62のコイン排出口64の下方に位置してコイン排出口64から排出されたコインを貯留するように構成されている。
補助タンク65は、合成樹脂製材料によって構成されており、タンク本体65aと、補助タンク65を筐体2の前方に引き出すための引掛部65bとを備えている。タンク本体65aは、所定枚数のコインを貯留可能な容積を有する有底の箱形状を有し、筐体2内に収容された状態で上方に向かって開口しかつメインタンク62のコイン排出口64の下方位置に配置される上部開口部65cを有している。
筐体2の背板2cには、コイン自動補給装置のコイン補給管Sを挿通可能な孔部2jが穿設されている。孔部2jは、図3に示すように、底板2bと仕切板2fとの間でかつホッパ装置61のメインタンク62よりも上方位置に開口するように形成されて背板2cを貫通している。孔部2jは、正面視で略正方形状を有しており、孔部2jの下辺がメインタンク62の投入口に沿って延在し、孔部2jの上辺が仕切板2fの下面に沿って延在している。
そして、孔部2jの近傍位置には、後述する開閉蓋70を固定するための固定孔2kが穿設されている。固定孔2kは、図8〜図11に示すように、孔部2jの下方位置でかつ孔部2jに対して左右方向略中央位置に背板2cを貫通して設けられており、一定幅を有して上下に延在する略矩形の長穴形状をなす。
筐体2の背板2cには、孔部2jを開閉する開閉蓋70が設けられている。
開閉蓋70は、図4及び図5に示すように、筐体2に固定される固定部71と、孔部2jを閉塞可能な蓋部81とを有する。そして、本実施の形態では、固定部71と蓋部81が可撓性を有する、例えばポリプロピレン等の合成樹脂製材料によって一体に形成されている。
まず最初に、固定部71の構成について説明する。固定部71は、帯板状の固定基板72を有している。固定基板72は、背板2cの固定孔2kよりも大きく、固定孔2kに固定された状態で固定基板72の外縁部が筐体2の背板2cに対向して固定孔2kを完全に閉塞する大きさを有している。
これにより、例えば固定孔2kが固定部71によって閉塞された状態で固定孔2kを通して筐体2内に器具等を挿入しようとした場合には、一旦、固定基板72と背板2cとの間を背板2cに沿う方向に器具等を差し込み、それから、90度向きを変えて、孔部2jの内壁面に沿う方向に器具等を差し込む略L字状の挿入経路を必ず経るようにさせ、器具等を容易に挿入できないようにしている。
固定基板72の裏面には、固定孔2kに嵌入される凸起部73と、固定部71を固定孔2kに係止する第1固定爪74、第2固定爪75が突設されている。
凸起部73は、固定孔2kに嵌入された状態で固定孔2kの内壁面との間に所定の間隙を形成し、固定孔2kに対して若干のガタつき、いわゆる遊びを持つ大きさを有している。そして、固定基板72の剛性を確保するとともに、固定孔2kに対する固定部71の位置決めを行う役割を有している。
凸起部73は、本実施の形態では、図5に示すように、固定基板72の裏面から突出する複数本のリブ73a〜73fによって構成されている。
リブ73a、73bは、後述するヒンジ部83側の位置である固定基板72の長手方向一方側の端部72A寄りの位置に対をなして設けられており、それぞれが固定基板72の幅方向に沿って延在し、互いに固定基板72の長手方向に離間して平行に配置されている。
リブ73a、73bの高さ寸法は、図10及び図11に示すように、背板2cの板厚よりも大きく、凸起部73を固定孔2kに嵌入した状態で筐体2内に突出する大きさに設定されている。リブ73a、73bの横幅寸法は、凸起部73を固定孔2kに嵌入した状態で、両端部が固定孔2k内で左右の内壁面にそれぞれ所定の間隙を有して対向する大きさに設定されている。
リブ73a、73bの両端部には、固定基板72から突出する方向に移行するにしたがって漸次固定基板72の幅方向中央側に向かって移行するように面取りがなされている。リブ73a、73bの面取りは、凸起部73を固定孔2kに嵌入する際に、リブ73a、73bの角が固定孔2kの開口縁に突き当たるのを防止すると共に、面取りの傾斜面によって適切な位置に案内して固定基板72の幅方向の位置ずれを修正し、凸起部73の固定孔2kへの嵌入作業を容易ならしめるように形成されている。
リブ73cは、リブ73a、73bの間の位置に対をなして設けられており、固定基板72から起立し、それぞれがリブ73a、73bの間に亘って固定基板72の長手方向に沿って延在し、互いに固定基板72の幅方向に離間して平行に配置され、リブ73a、73bの間を連結している。
リブ73dは、リブ73bよりも固定基板72の長手方向他方側の端部72B寄りの位置に設けられており、固定基板72の長手方向に沿って延在してリブ73bと固定基板72とを連結している。
そして、リブ73eは、リブ73aよりも固定基板72の端部72Aよりの位置に設けられており、固定基板72の長手方向に沿って延在してリブ73aと固定基板72及び第2固定爪75とを連結している。
リブ73fは、固定基板72の端部72Bに設けられている。リブ73fは、固定基板72から垂直に突出して固定基板72の長手方向に沿って延在し、互いに固定基板72の幅方向に離間して平行に配置されて、固定基板72の端部72A側に位置する端部間が互いに連結された平面視略コ字形を有しており、凸起部73を固定孔2kに嵌入した状態で、リブ73fの端部が固定孔2k内の下方の内壁面に対して所定の間隙を有して対向する寸法形状を有している。
リブ73fは、図10及び図11に示すように、背板2cの板厚の約2分の1の大きさにその高さ寸法が設定されている。そして、固定基板72の端部72B側に位置する端部は、固定基板72から突出する方向に向かって移行するにしたがって漸次固定基板72の端部72A側に移行するように面取りがなされている。
リブ73fの面取りは、凸起部73を固定孔2kに嵌入する際に、リブ73fの角が固定孔2kの開口縁に突き当たるのを防止すると共に、面取りの傾斜面によって固定部71全体が固定孔2kの上方に向かって移動する方向に案内して固定基板72の長手方向の位置ずれを修正し、凸起部73の固定孔2kへの嵌入作業を容易ならしめるように形成されている。
固定基板72は、端部72A側に比較的大きなリブ73a〜73eが形成されており、端部72B側よりも端部72A側の方が剛性が高くなるように構成されている。したがって、蓋部81を閉塞位置から開放位置に向かって移動させる際、及び開放位置から閉塞位置に向かって移動させる際に、ヒンジ部83が設けられている固定基板72の端部72A側には端部72B側よりも大きな力が作用するが、そのような大きな力が作用した場合にも、固定基板72の端部72A側の撓み変形を抑制して固定部71の固定孔2kへの固定を強固にできる。
第1固定爪74は、固定基板72の長手方向のリブ73bとリブ73fとの間の略中間位置に設けられており、固定基板72の幅方向に離間して互いに対向するように2つが配置されている。各第1固定爪74は、固定基板72から突出する腕部74aと、腕部74aの先端に連続して形成された爪部74bとを有している。
腕部74aは、筐体2の背板2cの厚さ寸法と略同一若しくは若干大きな高さ寸法で突出する板形状を有しており、凸起部73が固定孔2kに嵌入された状態で、固定孔2k内の左右の内壁面に沿って延在するように形成されている。
爪部74bは、腕部74aの先端で固定基板72の幅方向外側に向かって突出するように板厚を腕部74aよりも拡大することによって形成されている。そして、固定孔2kに挿着した状態で固定孔2kの周端縁よりも外側に突出して背板2cに対向する係止面と、腕部74aの長さを延長する方向に向かって移行するにしたがって漸次固定基板72の幅方向中央に向かって移行するように傾斜した傾斜面とを有している。
そして、凸起部73を固定孔2kに嵌入する際に、爪部74bの傾斜面を固定孔2k内の左右の内壁面に当接させ、腕部74aの先端側が互いに接近する方向に腕部74aを弾性変形させて、爪部74bを固定孔2kに通過させ、爪部74bが固定孔2kを通過した後に、腕部74aの復元により、爪部74bの係止面を固定孔2kよりも側方に突出させて背板2cに対向させ、固定部71を固定孔2kに係止するように形成されている。爪部74bの係止面は、筐体2の背板2cに対して平行に対向するように、腕部74aに対して略直角に形成されている。
一方、第2固定爪75は、リブ73aよりも更に固定基板72の端部72A寄りの位置に離間して設けられており、固定基板72から突出してリブ73aと平行に延在する垂直片75aと、垂直片75aの先端でリブ73aから離間する方向(端部72A側)に向かって折曲された舌片75bとからなる断面が略L字形状を有している。
第2固定爪75の垂直片75aは、筐体2の背板2cの厚さ寸法よりも若干大きな高さ寸法を有しており、凸起部73を固定孔2kに嵌入した状態で、固定孔2k内の上方の内壁面に沿って延在する。そして、舌片75bは、かかる状態で背板2cに対向し、固定基板72との間に背板2cを保持するように形成されている。
第2固定爪75は、リブ73eによってリブ73aに連結されており、垂直片75aをリブ73aに接近する方向に曲げる力、及び、舌片75bを固定基板72から離間させる方向に曲げる力に抗する高い曲げ剛性を有する。
したがって、蓋部81を閉塞位置から開放位置に向かって移動させる際、及び開放位置から閉塞位置に向かって移動させる際に、ヒンジ部83が設けられている固定基板72の端部72A側に作用する力によって、第2固定爪75が固定基板72の長手方向に沿って倒れて垂直片75aと舌片75bが開く方向に撓み変形するのを抑制でき、固定部71の固定孔2kへの固定を強固にできる。
一方、固定基板72の表面には、蓋部81を開放位置に係止する第2係止手段である第2係止爪76が突設されている。
第2係止爪76は、図7、図9、図11に示すように蓋部81を開放位置に移動させた際に、蓋部81の係止孔87内に挿通されて、蓋部81を開放位置に係止するように構成されている。第2係止爪76は、図4、図10、図11に示すように、固定基板72の表面でかつ端部72B側寄りの位置から突出する腕部76aと、腕部76aの先端に連続して形成された爪部76bとを有している。
腕部76aは、蓋部81が開放位置に移動された状態で、係止孔87に挿通可能な大きさと、蓋部81を貫通する高さ寸法を有している。爪部76bは、腕部76aの先端で固定基板72の端部72B側に向かって突出するように板厚を腕部76aよりも拡大することによって形成されている。そして、係止孔87に挿通した状態で係止孔87の開口縁よりも外側に突出して蓋部81の裏面と対向する係止面と、腕部76aの長さを延長する方向に向かって移行するにしたがって漸次固定基板72の端部72A側に移行するように傾斜した傾斜面とを有している。
そして、蓋部81を閉塞位置から開放位置に移動させた際に、爪部76bの傾斜面を蓋部81の係止孔87内の内壁面に当接させ、腕部76aを弾性変形させて、爪部76bを固定基板72の端部72A側に押し移動させた状態で係止孔87に通過させ、爪部76bが係止孔87を通過した後に、腕部76aの復元により、爪部76bを固定基板72の端部72B側に移動させて、爪部76bの係止面を蓋部81の裏面に対向させ、蓋部81を開放位置に係止するように構成されている。
上記構成を有する固定部71の固定孔2kへの固定は、まず最初に、凸起部73のうち、固定基板72の端部72A側を固定孔2k内に挿入する。その際、リブ73a、73bの面取りが固定孔2kの左右の開口縁に当接して、面取りの傾斜面によって適切な位置に案内され、固定孔2kに対する固定基板72の幅方向の位置ずれが修正される。
そして、固定基板72の端部72A側が固定孔2k内に挿入された姿勢状態のまま、固定孔2k内を筐体2の上方に向かって移動させ、第2固定爪75の舌片75bと固定基板72との間に背板2cを介在させる。
それから、固定基板72の端部72B側を固定孔2k内に押し込み、第1固定爪74の爪部74bを固定孔2k内に挿入する。これにより、爪部74bの傾斜面が固定孔2k内の左右の内壁面に当接されて、固定孔2kに対する固定基板72の幅方向の位置ずれが修正される。
それから、さらに固定基板72の端部72B側を押し込むことにより、腕部74aの先端が互いに接近する方向に腕部74aを弾性変形させて、爪部74bを固定孔2kに通過させる。その際に、リブ73fの面取りが固定孔2kの下側の開口縁に当接して、面取りの傾斜面によって固定部71全体が固定孔2kの上方に向かって移動する方向に案内され、固定孔2kに対する固定基板72の長手方向の位置ずれが修正される。
そして、爪部74bが固定孔2kを通過した後に、腕部74aの復元により、爪部74bの係止面が固定孔2kよりも側方に突出して背板2cに対向し、第1固定爪74、第2固定爪75によって固定孔2kに係止される。
したがって、凸起部73を固定孔2kに嵌入する際に、固定孔2kに対する固定基板72の幅方向及び長手方向の位置ずれを修正することができ、かかる嵌入作業を容易に行うことができる。
次に、蓋部81の構成について以下に説明する。蓋部81は、孔部2jを閉塞可能な大きさを有し、固定部71に支持されて孔部2jを閉塞する閉塞位置及び孔部2jを開放する開放位置のいずれか一方に選択的に移動可能な構成を有する。
蓋部81は、基端辺82a、先端辺82b、及び左右の側端辺82c、82dからなる、孔部2jよりも一回り大きな矩形の蓋基板82を有している。蓋基板82は、所定の板厚で平面状に延在する板形状を有しており、その大きさは、孔部2jに被せた際に、孔部2jを十分に閉塞し、孔部2jの外縁部に沿って一定幅に亘って背板2cに対向する大きさに設定されている。
これにより、例えば孔部2jが蓋部81によって閉塞された状態で孔部2jを通して筐体2内に器具等を挿入しようとした場合には、一旦、蓋基板82と背板2cとの間を背板2cに沿う方向に器具等を差し込み、それから、90度向きを変えて、孔部2jの内壁面に沿う方向に器具等を差し込む略L字状の挿入経路を必ず経るようにさせ、器具等を容易に挿入できないようにしている。
蓋基板82は、固定基板72と略同一の板厚を有しており、固定基板72と面一に延在するように、基端辺82aの中央部分が固定基板72の端部72Aに連結されている。
蓋基板82と固定基板72との連結部分には、ヒンジ部83が介在して設けられている。ヒンジ部83は、蓋基板82の基端辺82aの中央部分と固定基板72の端部72Aとの間に亘って一直線状の凹溝83aを設けることによって構成されている。
この凹溝83aにより、蓋基板82の基端辺82aと固定基板72の端部72Aとの間に亘って板厚が薄く形成され、かかる箇所を回動中心として、蓋基板83を固定基板72に対して相対的に回動させ、蓋基板82と固定基板72とが面一に延在する状態(図10を参照)から互いに対向して平行に延在する状態(図11を参照)まで回動させることができる。
蓋基板82の裏面には、蓋部81を閉塞位置まで回動させた際に、孔部2jに嵌入される凸起部84と、蓋部81を閉塞位置に係止する第1係止手段である第1係止爪85が突設されている。
凸起部84は、孔部2jに嵌入された状態で孔部2jの内壁面との間に所定の間隙を形成し、孔部2jに対して若干のガタつき、いわゆる遊びを持つ大きさを有している。
凸起部84は、蓋基板82の剛性を確保するとともに、孔部2jに対する蓋基板82の位置決めを行う役割を有している。凸起部84は、本実施の形態では、図5に示すように、蓋基板82の裏面から突出するリブ84a〜84cによって構成されている。
リブ84aは、蓋基板82の基端辺82a、先端辺82b、側端辺82c、82dに沿って延在し、孔部2jよりも一回り小さな平面視略矩形の枠体を形成し、図10に示すように、蓋基板82からの高さ寸法が背板2cの板厚とほぼ同一の高さを有している。リブ84bは、リブ84aによって形成された枠体内で上下左右方向に亘って延在して設けられている。リブ84cは、リブ84aに対して直交する方向でかつリブ84aから枠体の外側に向かって突出するように設けられている。
リブ84cは、凸起部84を孔部2jに嵌入した状態で、外端部が孔部2j内で上下左右の各内壁面にそれぞれ対向する寸法形状を有している。そして、図10及び図11に示すように、蓋基板82から突出する方向に移行するにしたがって漸次枠体84aに接近する方向に移行するように面取りがなされている。
リブ84cの面取りは、凸起部84を孔部2jに嵌入する際に、リブ84cの角が孔部2jの開口縁に突き当たるのを防止すると共に、面取りの傾斜面によって適切な位置に案内して蓋基板82の孔部2jに対する上下及び左右方向の位置ずれを修正し、凸起部84の孔部2jへの嵌入作業を容易ならしめるように形成されている。
第1係止爪85は、例えば図10に示すように蓋部81を閉塞位置に移動させた状態で孔部2jに挿通されて蓋部81を閉塞位置に係止するように構成されている。
第1係止爪85は、例えば図5に示すように、蓋基板82の基端辺82aと先端辺82bとの間の中央位置よりも若干先端辺82b側に偏移した位置であって、凸起部84を間に介して側端辺82c、82d側に離間して対向する位置に設けられており、対をなしている。
各第1係止爪85は、蓋基板82から突出する腕部85aと、腕部85aの先端に連続して形成された爪部85bとを有している。
腕部85aは、筐体2の背板2cの厚さ寸法と略同一若しくは若干大きな高さ寸法で突出する帯板形状を有しており、凸起部84を孔部2jに嵌入した際に、孔部2j内の左右の内壁面に沿って延在するように形成されている。
爪部85bは、腕部85aの先端で蓋基板82の側方に向かって突出するように板厚を腕部85aよりも拡大することによって形成されている。そして、孔部2jに挿着した状態で孔部2jよりも側方に突出して背板2cに対向する係止面と、腕部85aの長さを延長する方向に向かって移行するにしたがって漸次蓋基板82の幅方向中央に向かって移行するように傾斜した傾斜面とを有している。
そして、凸起部84を孔部2jに嵌入する際に、爪部85bの傾斜面を孔部2j内の左右の内壁面に当接させ、腕部85aの先端側が互いに接近する方向に腕部85aを弾性変形させて、爪部85bを孔部2jに通過させ、爪部85bが孔部2jを通過した後に、腕部85aの復元により、爪部85bの係止面を孔部2jよりも側方に突出させて背板2cに対向させ、蓋部81を閉塞位置に係止するように構成されている。
第1係止爪85の腕部85aは、第1固定爪74の腕部74aよりも板厚が薄く形成され、また、図10に示すように、第1係止爪85の爪部85bは、第1固定爪74の爪部74bよりも長く、第1固定爪74よりも第1係止爪85の方が全体の長さ寸法がより長くなっており、第1固定爪74よりも第1係止爪85の方が剛性が低く、容易に撓み易いように形成されている。
そして、第1係止爪85の爪部85bは、第1固定爪74の爪部74bよりも傾斜面の長さが長く、傾斜角度も鋭角に形成されている。
したがって、固定部71の凸起部73を固定孔2kに嵌入する際に必要とされる力よりも、蓋部81の凸起部84を孔部2jに嵌入させる際に必要とされる力を小さくすることができ、蓋部81の閉塞位置への係止作業を、固定部71の固定孔2kへの固定作業よりも容易に行うことができる。
また、第1係止爪85の爪部85bは、第1固定爪74の爪部74bよりも係止面の突出量が少なく、さらに、第1固定爪74では爪部74bの係止面が腕部74aに対してほぼ直角に形成されて筐体2の背板2cに対して平行に対向するのに対し、第1係止爪85では爪部85bの係止面が腕部85aから離間するにしたがって漸次第1係止爪85の先端側に移行するように傾斜して形成されており、筐体2の背板2cに対して斜めに傾いて対向するように形成されている。
したがって、閉塞位置にある蓋部81を開放側に移動させて第1係止爪85による閉塞位置への係止を解除する際に、爪部85bの引っ掛かりを小さくし、第1係止爪85の傾斜した係止面の上を滑らせて、腕部85aを容易に撓ませることができ、係止を簡単に解除することができる。
したがって、第1固定爪74が固定部71を固定孔2kに係止する係止力よりも、第1係止爪85が蓋部81を閉塞位置に係止する係止力を小さくすることができ、蓋部81の閉塞位置への係止を解除する作業、即ち、孔部2jの開放作業を、固定部71の固定孔2kからの取外作業よりも容易に行うことができる。
換言すると、蓋部81を孔部2jから外し易くする一方、固定部71を固定孔2kに強固に固定し、蓋部81を外すときに固定部71に作用する力では固定部71が固定孔2kから外れ難くしている。
一方、蓋基板82の表面には、指掛部86が設けられている。
指掛部86は、蓋基板82の先端辺82bの一部を蓋基板82の表面側に膨出させることによって形成されている。本実施の形態では、蓋基板82の先端辺82bの両側に互いに離間した位置に各々設けられている。そして、図10に示すように、蓋部81が閉塞位置に係止された状態で、指掛部86と背板2cとの間に、上方から指先を挿入することが可能な程度の間隙を形成するように構成されている。したがって、第1係止爪85による係止を解除して蓋部81を閉塞位置から開放位置に移動させる際に、指掛け部86に指先を引っ掛けることができ、蓋部81の開放動作を容易に行うことができる。
指掛け部86は、蓋部81が閉塞位置に係止された状態で、指掛け部86と背板2cとの間に形成される間隙が孔部2jに連通しない範囲で膨出して形成されている。
これにより、例えば孔部2jが蓋部81によって閉塞された状態で孔部2jを通して筐体2内に器具等を挿入しようとした場合には、一旦、蓋基板82と背板2cとの間を背板2cに沿う方向に器具等を差し込み、それから、90度向きを変えて、孔部2jの内壁面に沿う方向に器具等を差し込む略L字状の挿入経路を必ず経るようにし、孔部2jを通して器具等を筐体2内に容易に挿入できないようにしている。
また、指掛け部86は、図11に示すように、蓋部81を開放位置に係止した状態で背板2cに対向することによって、蓋基板82と背板2cとの間に下方から指先を挿入することが可能な程度の間隙を形成することができる。したがって、第2係止爪76による係止を解除して蓋部81を開放位置から閉塞位置に移動させる際に、指先を引っ掛けることができ、蓋部81の閉塞動作を容易に行うことができる。
係止孔87は、蓋基板82の略中央位置よりも先端辺82b側寄り位置に穿設されている。係止孔87は、蓋部81を回動させて閉塞位置から開放位置に移動させた際に、第2係止爪76が挿入され、蓋部81を開放位置に係止する位置に設けられている。
上記構成を有する開閉蓋70は、図6〜図10に示すように、固定基板72が上下に亘って延在しかつ端部72A側が上方に位置する姿勢状態で、固定部71が背板2cに固定される。
蓋部81は、スロットマシン1を設置する店舗或いは島設備がコイン自動補給装置を備えているか否かに応じて、孔部2jを閉塞する閉塞位置と、孔部2jを開放する開放位置のいずれか一方に選択的に配置される。
例えば、コイン自動補給装置を備えている店舗或いは島設備から、コイン自動補給装置を備えていない店舗或いは島設備にスロットマシン1を移設した場合には、孔部2jを閉塞すべく、蓋部81を開放位置から閉塞位置に移動させる。
蓋部81を開放位置から閉塞位置に移動させるには、蓋基板82の係止孔87に挿通されて係止されている第2係止爪76の爪部76bを上方に持ち上げて、係止孔87との係止を解除する。
そして、ヒンジ部83を回動中心として蓋部81を上方に回動させて閉塞位置まで移動させ、蓋部81の凸起部84を孔部2jに嵌入し、蓋基板82によって孔部2jを閉塞し、第1係止爪85によって閉塞位置に係止する。
これにより、蓋部81は閉塞位置に移動され、固定部71の固定基板72と蓋部81の蓋基板82とが互いに面一となって背板2cに沿って延在し、孔部2jが閉塞される。したがって、例えばコイン自動補給装置を備えている店舗或いは島設備から、コイン自動補給装置を備えていない店舗或いは島設備にスロットマシンを移設した場合であっても、筐体2の背板2cに孔部2jが大きく開口した状態で設置されることはない。
したがって、孔部2jを介して筐体2内に器具等を侵入させるといった不正行為を防ぐことができ、また、孔部2jからゴミ等の異物が筐体2内に入り込んでスロットマシン1の遊技動作に影響を与えるのを防ぐことができる。
また、凸起部84を孔部2jに嵌入する際、リブ84bの面取部分によって、突起部84を孔部2j内に誘導案内でき、孔部2jに円滑に嵌入することができる。
そして、第1係止爪85によって、蓋部81を閉塞位置に係止することができるので、蓋部81が閉塞位置から、孔部2jを開放する方向に移動するのを防ぎ、孔部2jが勝手に開放されるのを防ぐことができる。
一方、コイン自動補給装置を備えている店舗或いは島設備にスロットマシンを設置する場合、或いは、コイン自動補給装置を備えていない店舗或いは島設備からコイン自動補給装置を備えている店舗或いは島設備にスロットマシン1を移設する場合には、蓋部81を回動させて閉塞位置から開放位置に移動させる。
蓋部81を閉塞位置から開放位置に移動させるには、蓋部81の上方から指掛部86と背板2cとの間に指先を挿入し、ヒンジ部83を回動中心として蓋部81を下方に向かって回動させる。この蓋部81の回動により、第1係止爪85による孔部2jへの係止が解除され、凸起部84が孔部2jから抜き出される。
そして、更に蓋基板82の表面と固定基板72の表面とが互いに対向して平行に延在する位置まで回動させて、蓋部81の係止孔87に固定部71の第2係止爪76を挿入し、蓋部81を開放位置に係止する。
したがって、例えば、コイン自動補給装置を備えている店舗或いは島設備にスロットマシン1を設置する際、或いは、コイン自動補給装置を備えていない店舗或いは島設備からコイン自動補給装置を備えている店舗或いは島設備にスロットマシン1を移設する際に、背板2cの一部を切り取る等の作業を行う必要がなく、スロットマシン1の設置時間を短縮することができる。
また、蓋部81は、固定部71に支持されており、固定部71は、筐体2に固定されているので、孔部2jを開放した状態において蓋部81を紛失するおそれがなく、例えば、コイン自動補給装置を備えている店舗或いは島設備からコイン自動補給装置を備えていない店舗或いは島設備にスロットマシン1を移設したときには、孔部2jを迅速かつ確実に閉塞することができる。
そして、第2係止爪76によって、蓋部81を開放位置に係止することができるので、蓋部81が開放位置と閉塞位置との間で勝手に移動するのを防ぐことができる。
したがって、例えば、蓋部81の振動や、その振動に起因した騒音の発生を防ぐことができる。また、蓋部81を開閉方向に移動させる振動の発生も防ぎ、ヒンジ部33に過度の折り曲げストレスが加えられることによるヒンジ部33の破損も防ぐことができる。
さらに、蓋部81を開放位置に係止できるので、例えばコイン補給管Sの取付作業等の他の作業時に、蓋部81を手で押さえながら作業する必要がなく、かかる作業において両手を使用することができる。したがって、作業性が向上し、安全に作業することができる。
上記構成を有する開閉蓋70によれば、固定基板72は、固定孔2kよりも大きく、固定孔2kに固定された状態で固定基板72の外縁部が筐体2の背板2cに対向して固定孔2kを完全に閉塞する大きさを有しており、例えば固定孔2kが固定部71によって閉塞された状態で固定孔2kを通して筐体2内に器具等を挿入しようとした場合には、一旦、固定基板72と背板2cとの間を背板2cに沿う方向に器具等を差し込み、それから、90度向きを変えて、孔部2jの内壁面に沿う方向に器具等を差し込む略L字状の挿入経路を必ず経るようにし、器具等を容易に挿入できないようにしている。したがって、固定孔2kを介して筐体2内に器具等を侵入させるといった不正行為を防ぐことができる。
また、蓋基板82は、孔部2jよりも大きく、孔部2jに被せた状態で蓋基板82の外縁部が孔部2jの外縁部に沿って一定幅に亘って背板2cに対向し、孔部2jを閉塞する大きさを有しており、例えば孔部2jが蓋部81によって閉塞された状態で孔部2jを通して筐体2内に器具等を挿入しようとした場合には、一旦、蓋基板82と背板2cとの間を背板2cに沿う方向に器具等を差し込み、それから、90度向きを変えて、孔部2jの内壁面に沿う方向に器具等を差し込む略L字状の挿入経路を必ず経るようにし、孔部2jを通して器具等を筐体2内に容易に挿入できないようにしている。したがって、孔部2jを介して筐体2内に器具等を侵入させるといった不正行為を防ぐことができる。
また、上記構成を有する開閉蓋70によれば、蓋部81を閉塞位置から開放位置に向かって移動させる際、及び開放位置から閉塞位置に向かって移動させる際に、ヒンジ部83が設けられている固定基板72の端部72A側には端部72B側よりも大きな力が作用するが、そのような大きな力が作用した場合にも、固定部71は、凸起部73によって端部72B側よりも端部72A側の剛性が高く形成されているので、固定基板72の端部72A側の撓み変形を抑制して固定部71を固定孔2kに強固に固定でき、蓋部81の開閉操作について安定した操作感を得ることができる。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施の形態では、蓋部81をヒンジ部83によって固定部71に回動自在に支持し、蓋部81を回動させることによって孔部2jを開閉させる場合を例に説明したが、以下の構成を有するものであってもよい。
例えば、本発明に係わるスロットマシン1は、図12に示すように、一対のレール102を有する固定部101を背板2cに沿って設けて、その一対のレール102に往復移動自在に蓋部111を支持し、蓋部111を孔部2jを開放する開放位置と閉塞する閉塞位置との間で往復移動させる構成としてもよい。
固定部101は、断面が略L字状のフレーム部材を平面視略矩形の枠状となるように連結して形成された枠体103を有している。枠体103は、枠体103内を長手方向に二分した領域部分の大きさが孔部2jとほぼ同一若しくは若干大きくなる大きさを有しており、筐体2の背板2cに上下に延在して下半分の領域が孔部2jの位置に一致するように取り付けられている。
枠体103には、取付穴105aが穿設された取付フランジ105が設けられており、その取付穴105aに挿通した取付ネジ104によって背板2cに取り付けられる。尚、レール102は、枠体103の長手方向に沿って上下に延在する一対のフレーム部材によって構成される。
蓋部111は、一対のレール102に案内されて、枠体103の長手方向にスライド移動自在に支持される矩形の蓋基板112を有している。蓋基板112は、一定の板厚からなる平板形状を有しており、その大きさは、孔部2jに被せた場合に、孔部2jを十分に閉塞し、孔部2jの外縁部に沿って一定幅に亘って背板2cに接面する大きさに設定されている。
したがって、例えば孔部2jが蓋部111によって閉塞された状態で孔部2jを通して筐体2内に器具等を挿入しようとした場合には、一旦、蓋基板112と背板2cとの間を背板2cに沿う方向に器具等を差し込み、それから、90度向きを変えて、孔部2jの内壁面に沿う方向に器具等を差し込む略L字状の挿入経路を必ず経るようにさせ、孔部2jを通して器具等を筐体2内に容易に挿入できないようにしている。
また、蓋部111の下端部、右端部、左端部は、枠体103によって覆われているので、かかる部分から孔部2jを通して筐体2内に器具等を挿入しようとした場合に、枠体103が邪魔になって、挿入することができない。
蓋部111による孔部2jの閉塞は、孔部2jに挿入されているコイン補給管Sを取り外し、孔部2jの自重或いは手動によって開放位置から閉塞位置に移動させることにより行われる。
蓋部111による孔部2jの開放は、蓋部111を下方の閉塞位置から上方の開放位置に移動させることによって行われ、蓋部111の開放位置への保持は、開放された孔部2jに挿通されたコイン補給管Sに当接させ、或いは別個に設けた保持手段によって行われる。
上記構成では、背板2cに固定孔2kを設ける必要がないので、筐体2内に連通する孔部の数を減らすことができ、かかる孔部を利用した不正行為の可能性を低くすることができる。また、筐体2の加工工程数を減らすことができ、筐体2の製造コストを低くすることができる。
尚、枠体103の上半分の領域が孔部2jの位置に一致するように固定部101を背板2cに取り付けて、蓋部111を上方の閉塞位置に移動させて孔部2jを閉塞する構成としてもよい。また、枠体103の取付方向は上下に沿う方向に限定されるものではなく、左右に沿う方向とし、蓋部111を左右にスライドさせて、孔部2jを開閉する構成としてもよい。
更に、本発明に係わるスロットマシン1では、図13に示すように、固定軸124を有する固定部121を背板2cに取り付けて固定し、固定部121の固定軸124に軸孔134を挿通させて蓋部131を回転自在に支持し、蓋部131を固定軸124まわりに回転させて孔部2jを開放する開放位置と閉塞する閉塞位置との間で選択的に移動させる構成としてもよい。
固定部121は、合成樹脂製材料からなる一定厚さの板部材によって構成された固定板122を有している。固定板122は、取付ネジを挿通するための貫通孔(図示せず)が固定板122の長手方向一方寄り位置に穿設されており、その貫通孔に挿通した取付ネジ123によって背板2cの孔部2jよりも下方でかつ近傍位置に固定して取り付けられる。
固定軸124は、固定板122の長手方向他方寄り位置で固定板122に直交して突出するように設けられている。固定軸124の先端部は、段差を介して拡径されており、蓋部131の抜け止めを構成している。
蓋部131は、合成樹脂製材料からなる一定厚さの平板部材によって形成された蓋基板132を有している。蓋基板132は、孔部2jに被せた状態で、孔部2jを十分に閉塞し、孔部2jの外縁部に沿って一定幅に亘って背板2cに接面する大きさを有しており、蓋基板132の裏面には、凸起部(図示せず)が設けられている。
凸起部は、蓋基板132の剛性を確保するとともに、孔部2jを閉塞する閉塞位置で孔部2j内に入り込み、蓋基板132を閉塞位置に位置決め保持するように構成されている。そして、孔部2jが蓋部81によって閉塞された状態で孔部2jを通して筐体2内に器具等を挿入しようとした場合には、一旦、蓋基板112と背板2cとの間を背板2cに沿う方向に器具等を差し込み、それから、90度向きを変えて、孔部2jの内壁面に沿う方向に器具等を差し込む略L字状の経路を必ず経るようにし、孔部2jを通して器具等を筐体2内に容易に挿入できないようにしている。
蓋基板132には、舌片133が一体に形成されている。舌片133は、蓋基板132の基端辺から同一平面上に突出するように設けられており、その略中心位置には軸孔134が穿設されて、固定部121の固定軸124が挿通されている。
蓋部131による孔部2jの閉塞は、蓋部131を下方の開放位置から上方の閉塞位置に回転移動させ、蓋部131の凸起部を孔部2jに係入させて位置決め保持することにより行われる。
そして、蓋部131による孔部2jの開放は、蓋部131の凸起部による孔部2jへの位置決め保持を解除し、蓋部131を上方の閉塞位置から下方の開放位置に回転移動させることによって行われる。
上記構成では、背板2cに固定孔2kを設ける必要がないので、筐体2に形成される孔部の数を減らすことができ、かかる孔部を利用した不正行為の可能性を低くすることができる。また、筐体2の加工工程数を減らすことができ、筐体2の製造コストを低くすることができる。
尚、固定部121を、背板2cの孔部2jよりも上方でかつ近傍位置に固定して取り付けて、蓋部131を上方の開放位置に移動させて孔部2jを開放する構成としてもよい。
また、固定部121を、背板2cの孔部2jよりも側方でかつ近傍位置に固定して取り付けて、開放位置決め手段と閉塞位置決め手段を別個に設け、蓋部131を回転移動させて、開放位置と閉塞位置に選択的に移動させる構成としてもよい。
本実施の形態に係わるスロットマシンの全体斜視図である。 図1に示すスロットマシンの前面扉を開いた状態を示す斜視図である。 スロットマシンの筐体内を正面から示す図である。 開閉蓋の表面側を示す斜視図である。 開閉蓋の裏面側を示す斜視図である。 孔部を開閉蓋によって閉塞した状態を示す斜視図である。 孔部を開放した状態を示す斜視図である。 図6に示すスロットマシンの断面図である。 図7に示すスロットマシンの断面図である。 図8の要部を拡大して示す図である。 図9の要部を拡大して示す図である。 本発明に係わる他の実施の形態を説明する図である。 本発明に係わる更に他の実施の形態を説明する図である。
1 スロットマシン(遊技機)
2 筐体
2c 背板
2j 孔部
2k 固定孔
70 開閉蓋
71 固定部
74 第1固定爪
75 第2固定爪
76 第2係止爪(第2係止手段)
81 蓋部
83 ヒンジ部
85 第1係止爪(第1係止手段)
S コイン補給管

Claims (4)

  1. 箱状の筐体に、コインを通過させるための孔部が穿設された遊技機において、
    前記孔部を閉塞可能な大きさの蓋部を有する開閉蓋を備え、
    前記蓋部には、前記孔部に嵌入可能な凸起部が設けられ
    前記孔部は、略矩形状に形成され、
    前記凸起部は、前記孔部の内径寸法より一回り小さい外形寸法を有する矩形枠状の枠体として形成された第1リブと、前記第1リブに対して直交する方向で、前記第1リブから前記孔部の内壁面に向かって突出し、前記嵌入状態で前記孔部の内壁面に対向する第2リブと、を有し、
    前記第2リブは、前記蓋部の裏面から突出する方向に移行するにしたがって面取りされていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記開閉蓋は、前記筐体に固定される固定部を備え、
    前記蓋部は、前記固定部に支持されて前記孔部を閉塞する閉塞位置及び前記孔部を開放する開放位置の何れか一方に選択的に移動可能であることを特徴とする請求項に記載の遊技機。
  3. 前記開閉蓋は、前記蓋部を閉塞位置に係止する第1係止手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記開閉蓋は、前記蓋部を開放位置に係止する第2係止手段を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の遊技機。
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