JP4208748B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
そして、従来の遊技機においては、かかる新台入れ替えで遊技内容を変更する際には、遊技機全体を略まるごと交換しなければならなかった。しかし、遊技ホールにおいて、遊技内容を変更するための新台入れ替えの台交換の際、遊技内容の変更に無関係な部品も多数、同時に交換されることとなり、交換に要する費用がかかるだけでなく、資源の無駄になっていた。
さらに、リールユニット及び主基板(主制御装置)を固定した前扉に、ホッパー装置(メダル払出装置)や電源装置を固定して、前扉ごと一体に筐体から着脱自在に形成して交換可能にする発明がなされている(例えば、特許文献1、図4参照。)。
さらに、近年では、遊技機を、遊技性に関わる部分と、遊技性に直接関わらない部分とに分け、このうち遊技性に関わる部分を交換することにより、全体を略まるごと交換することなく、新しい遊技機で遊技しているかのような印象を与えることができる分離型の遊技機の開発が進められている。
また、枠体等の構造用部材に前記リールユニット及び主基板(主制御装置)を設置した交換ユニットを、筐体内部に着脱自在に形成して、新旧の交換作業を容易にしたスロットマシンに関する技術がある(例えば、特許文献3。)。
そして、上述したような、遊技ホールでの新台入れ替えの際、遊技内容を変更するために遊技機全体を交換するのではなく、遊技内容を変更可能な交換ユニット等の部品だけを交換する、いわゆる分離型の遊技機において、交換ユニットを、この交換ユニットを収納する筐体の開口上部に固定する場合、いわゆるクリップを使用して両者を固定していた(例えば、特許文献4、図1〜図12。)。
(請求項1)
すなわち、請求項1記載の発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、交換ユニットの着脱作業を容易にすることができる遊技機を提供しようとするものである。
請求項に記載された各発明は、上記した目的を達成するためになされたものであり、発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものでない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
そして、前記係止体(82)の前記係止溝(91)に、前記係止突起(71)が係止した状態を、前記係止体(82)の標準状態として定義し、かかる前記係止体(82)の標準状態から、前記係止体(82)が反付勢方向に回転移動する回転移動の角度を反付勢方向回転角度として定義し、前記保持片折り曲げ部(76)が前記突出段差面(96)に係止した状態における前記係止体(82)の前記反付勢方向回転角度は、前記傾斜部(93)が前記係止突起(71)に当たって、前記係止体(82)が反付勢方向に回転移動した場合の反付勢方向回転角度の最大値よりも、大きくなるように形成している。
そして、前記係止装置(80)を前記筐体係止部(70)から取り外すとき、前記係止体(82)を反付勢方向に回転移動させ、前記突出傾斜面(95)が前記折り曲げ部を前記係止体(82)の外方に向かって押し込んだ後、前記突出段差面(96)を前記保持片折り曲げ部(76)に係止させて、前記係止溝(91)と前記係止突起(71)との係止を解除するように形成されている。
また、ここで、「遊技機(10)」とは、具体的には、例えば、スロットマシンであるが、筐体(1)内部に交換可能な交換ユニット(2)を有するパチンコ機や、その他の遊技機を含むものである。
(作用)
本発明は、係止装置(80)を、筐体係止部(70)に係止する場合、すなわち、交換ユニット(2)を筐体(1)内部に収納する場合、交換ユニット(2)を筐体(1)の正面側に開口する正面開口部(11)の手前から奥方向に向かって押し込む。このように押し込むと、係止体(82)が筐体(1)内部を手前から奥方向に向かって移動する。そして、係止体(82)のかかる移動により、係止体(82)の傾斜部(93)が係止突起(71)に当たって、係止体(82)が反付勢方向に回転移動する。そして、さらに押し込むと、係止突起(71)が傾斜部(93)の位置から、係止溝(91)の位置となるように係止体(82)が移動し、係止突起(71)が係止溝(91)の内部に入り込んで、係止突起(71)及び係止溝(91)が係止する。これにより、係止装置(80)が筐体係止部(70)に係止されることとなって、交換ユニット(2)を筐体(1)内部に固定することができる。
一方、筐体(1)内部に固定された交換ユニット(2)を取り外すために、係止装置(80)を筐体係止部(70)から取り外す場合、交換作業者は、係止体(82)を反付勢方向に回転移動させる。そして、この係止体(82)を反付勢方向に回転移動させると、突出傾斜面(95)が保持片折り曲げ部(76)を係止体(82)の外方に向かって押し込む。すなわち、保持片折り曲げ部(76)が、突出傾斜面(95)に沿って、係止体(82)の外方に向かって移動する。その後、突出傾斜面(95)が保持片折り曲げ部(76)を通り過ぎると、係止体(82)の外方に向かって弾性変形していた保持片折り曲げ部(76)は、元の位置、すなわち係止体(82)の内方に向かって移動する。これにより、突出段差面(96)を保持片折り曲げ部(76)に係止させて、係止溝(91)と係止突起(71)との係止を解除した状態を維持することができる。
そして、かかる保持片折り曲げ部(76)及び突出段差面(96)が係止した状態で摺動する摺動距離(L)は、筐体保持片(72)と突出部(94)とが係止した状態で交換ユニット(2)を手前方向に引っ張った場合、係止突起(71)が係止溝(91)の側方の位置から、傾斜部(93)の側方の位置へ移動した後、保持片折り曲げ部(76)から突出段差面(96)が外れて、その結果、筐体保持片(72)及び突出部(94)の係止状態を解除する奥方向長さ(図3及び図4に示す奥方向長さS)に形成されている。
このため、係止体(82)が手前側に移動して、係止突起(71)が係止溝(91)の側方の位置から、傾斜部(93)の側方の位置になった後、筐体保持片(72)の保持片折り曲げ部(76)から突出部(94)の突出段差面(96)が外れる。この保持片折り曲げ部(76)から突出段差面(96)が外れることで、付勢手段(92)により係止体(82)は、付勢方向に回転する。その際、係止体(82)が移動して、係止突起(71)が、係止溝(91)の側方の位置から、少なくとも傾斜部(93)の側方の位置となっているため、係止突起(71)が、再び係止溝(91)の内部に入り込んで、係止突起(71)及び係止溝(91)が係止状態となることはなく、係止装置(80)及び筐体係止部(70)の係止状態を解除することができる。
(請求項1)
請求項1記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、交換ユニットの着脱作業を容易にすることができる遊技機を提供することができる。
図1乃至図13は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1から図4は、係止装置及び筐体係止部の横断面図であって、図1は係止装置を筐体内部に押し込んでいる状態の係止装置及び筐体係止部の横断面図、図2は係止溝及び係止突起が係止した状態の係止装置及び筐体係止部の横断面図、図3は筐体保持片及び突出部が係止した状態の係止装置及び筐体係止部の横断面図、図4は突出部が筐体保持片から外れる直前の状態の係止装置及び筐体係止部の横断面図、図5は係止体の奥の一部の外観斜視図、図6及び図7は係止装置を取り付けた状態の交換ユニットの一部の外観斜視図、図8は筐体係止部の外観斜視図、図9は突出部が移動して、突出傾斜面が保持片折り曲げ部を押し広げている状態の概略正面図、図10は突出部が移動して、保持片折り曲げ部及び突出段差面が係止状態となるまでの概略正面図、図11は保持片折り曲げ部と突出段差面とが係止して摺動する状態の概略平面図、図12は前扉、交換ユニット及び筐体を分解した状態の遊技機の外観斜視図、図13は前扉及び筐体を分解した状態の遊技機の外観斜視図をそれぞれ示すものである。
本実施の形態に係る遊技機Sは、具体的には、スロットマシンであって、大きく分けて、正面側に開口する正面開口部11を有する筐体1、筐体1内部に着脱自在に設けられる交換ユニット2、筐体1の正面開口部11を開閉可能に塞ぐための前扉3とから構成されている。そして、筐体1の正面開口部11は、筐体1の上部に開口する開口上部13と、筐体1の下部に開口する開口下部14とを備えている。そして、前記前扉3は、筐体1の開口上部13を開閉可能に塞ぐための上扉30と、筐体1の開口下部14を開閉可能に塞ぐための下扉40とを備えている。そして、交換ユニット2の手前側には、上扉30が取り付けられてあり、この交換ユニット2及び上扉30により、扉一体型交換ユニットを形成している。すなわち、通常のいわゆる新台入れ替えの際には、交換ユニット2及び上扉30が一体となった扉一体型交換ユニット毎に入れ替えることができるものである。もちろん、新台入れ替えの際、上扉30は、そのままで、交換ユニット2だけを交換することもできる。
上記筐体1は、全体形状が略箱状であって、底板15、左右の側板16、天板17及び裏板18からなる正面側に開口する筺体である。そして、この筐体1の高さ方向略中央部には、二つの側板16の間に水平方向に中板12が渡してある。そして、この中板12は、扉一体型交換ユニットを筐体1の奥側内部に案内するためのガイド73を左右側部に備えている。また、中板12は、金属板からなるものである。そして、底板15には、各部品に電気を供給するための電源装置4と、投入された遊技メダルを貯留するとともにメダル受け43に遊技メダルを払い出し可能なホッパーユニットとも呼ばれる払い出し装置5とが固定されている。
上記電源装置4及び払い出し装置5は、交換ユニット2の交換に際し、必ずしも交換する必要のないものであり、交換時には設置されたままにしておけるようになっているものである。
また、側板16の正面左側の下部には、前記下扉40を係合させ、回転自在に支持するための本体係合部62が、上下方向に間隔をおいて二つ設けられている。
さらに、正面から向かって右側の側板16には、下扉40を閉めた際、下扉40をロックするためのロック突出片69が、上下方向に間隔をおいて二つ設けられている。
(ガイド73)
上記ガイド73は、交換ユニット2を筐体1の奥側内部に案内するためのものである。このガイド73は、中板12の左右に位置して、前後方向に形成された2本の帯板レール状のものであって、交換ユニット2の下部に配置されたローラーが回転移動可能なものである。
(扉一体型交換ユニット)
上記扉一体型交換ユニットは、遊技ホールにおける、いわゆる新台入れ替えの際、遊技内容を変更するために筐体1に対して交換可能に形成されているものである。この扉一体型交換ユニットは、交換ユニット2と、この交換ユニット2の手前側に開閉可能に取り付けられた上扉30とから形成されているものである。この交換ユニット2及び上扉30は、両者が一体となった状態で、筐体1から取り外し、また、取り付けることができるように形成されている。なお、交換ユニット2から上扉30を取り外せば、いわゆる新台入れ替えの際、上扉30はそのまま交換せずに、交換ユニット2だけを交換することができる。このように、交換ユニット2だけの取り付けや、取り外しも可能となるように形成されている。
上記扉一体型交換ユニットの交換ユニット2は、筐体係止部70及び係止装置80を介して、筐体1に着脱自在に取り付けられているものである。
前記交換ユニット2は、図12に示すように、リールユニット20及び基板ユニット24を装着するための四角枠状の部材を組み合わせた枠21を備えている。すなわち、リールユニット20及び主制御装置25は、これらを装着するための枠21を介して、交換ユニット2に組み込まれているものである。交換ユニット2は、前記枠21の下部に固定されたリールユニット20と、枠21の上部奥側に固定された基板ユニット24とを備えている。
前記枠21の正面左側の縦枠には、前記上扉30を回転自在に係合するための枠体係合部60が、上下方向に間隔をおいて二つ設けられている。
さらに、枠21の正面右側の縦枠には、上扉30を閉めた際、上扉30をロックするためのロック突出片69が、上下方向に間隔をおいて二つ設けられている。このように、枠21の左側の枠体係合部60と、枠21の右側のロック突出片69とにより、上扉30が枠21に回動可能に固定され、両者を一体のものにすることができる。
(上扉30)
上記上扉30は、筐体1の開口上部13の開閉を行うための扉であって、交換ユニット2の枠21に回転自在かつロック可能に形成されている板状の扉である。そして、上扉30は、略中央部に前記回転リール23の図柄を正面側から見ることができる図柄表示窓31を有し、周囲に飾り部33が設けられ、種々の表示を行うための表示装置32が設けられているものである。
(下扉40)
上記下扉40は、筐体1の開口下部14を開閉自在に塞ぐための、上扉30よりも幅厚の扉であり、筐体1の側板16に回転自在かつロック可能に形成されているものである。
前記下扉40の上部は、遊技機Sを作動させるための操作部41となっており、下扉40の上面は、閉扉時においては、上扉30よりも前側に突出するようになっている。また、下部には払い出されたメダルを溜めておくための箱状のメダル受け43が形成されており、下扉40の略中央部には、遊技内容その他の案内表示をするための前パネル50が嵌め込まれている。
さらに、下扉40の裏面側には、前記メダル投入口42から投入された遊技メダルを誘導しながら遊技メダルの正偽を判断するためのメダルセレクター48が設けられている。
(筐体係止部70)
上記筐体係止部70は、図12及び図13に示すように、筐体1の左右の側板内面にそれぞれ取り付けられているとともに、交換ユニット2の左右の係止装置80にそれぞれ固定するためのものである。
前記筐体係止部70は、図1〜4や、図8に示すように、筐体1の側板16の内面に固定される横断面形状が略クランク状の筐体係止部本体74と、この筐体係止部本体74の奥側から筐体1の内方に突出する帯板状の係止突起71と、筐体係止部本体74の左右端縁の途中から筐体1内方に向かって突出する2本の筐体保持片72とを備えている。
なお、筐体係止部本体74は、その手前側付近を、ねじ等の締結部材により、筐体1の側板16の内面に固定されている。
上記係止装置80は、図12に示すように、交換ユニット2の左右の縦方向の枠21の上部にそれぞれ固定されるとともに、前記筐体係止部70に係止可能に形成されているものである。
前記係止装置80は、図1〜図4、図6、図7及び図12に示すように、交換ユニット2の枠21の前面側の左右の縦枠の高さ方向の途中の筐体1内方側の面に回転可能に固定された回転中心軸81と、交換ユニット2の回転中心軸81の回りに回転可能に軸支された係止体82とを備えている。
前記係止体82は、交換ユニット2を筐体1内部に取り付けた状態において、回転中心軸81よりも奥方向に位置して、筐体1の側板16の内面に臨んで係止突起71に係止する係止溝91と、この係止溝91を係止突起71に向かって付勢する付勢手段92と、係止体82の係止溝91の奥方向に位置して、奥方向に向かうにつれて前記筐体1内面からの距離が次第に離れるように傾斜する傾斜部93と、係止体82の回転中心軸81の奥方向に位置して、回転中心軸81の軸方向に平行で、且つ、係止体82から係止体82の外方に向かって突出するとともに保持片折り曲げ部76に係止する突出部94とを備えている。
前記付勢手段92は、弾性金属からなるいわゆるばねであって、係止体82を回転中心軸81の回りに、係止溝91を係止突起71に向かって押しつける回転方向(図1の回転中心軸81の回りの反時計回転方向)に付勢するように形成されている。具体的には、この付勢手段92は、回転中心軸81の回りに配置されている渦巻きばねである。もちろん、かかる方向に付勢することができるものであれば、他のコイルや板ばね等の弾性体からなるものでもよい。
前記突出部94は、係止体82の上下に1個ずつ、合計2個、形成されている。係止体82の上面に位置する突出部94は、上面から上方に向かって突出するように形成され、係止体82の下面に位置する突出部94は、下面から下方に向かって突出するように形成されている。前記突出部94は、その突出する厚みが、係止溝91の底方向が薄く、係止溝91の開放側の方向が厚くなるように傾斜する突出傾斜面95と、突出傾斜面95の係止溝91の開放側の端部には、段差状であって、保持片折り曲げ部76に当接することにより係止する突出段差面96とを有している。この突出段差面96は、突出部94の筐体係止部70側に臨む面からなるものである。
(突出段差面96及び保持片折り曲げ部76が係止した状態で摺動する摺動距離L)
係止装置80を筐体係止部70に係止した位置における保持片折り曲げ部76及び突出段差面96の係止位置(図11に示す点線の突出部94の位置)から、保持片折り曲げ部76及び突出段差面96が係止した状態で、突出段差面96を手前方向に摺動する摺動距離L(図3、図4及び図11参照)を、以下のように設定している。
上述した摺動距離Lの起点における突出段差面96と保持片折り曲げ部76とが係止した状態から、上述した摺動距離Lの終点における突出段差面96と保持片折り曲げ部76とが外れる直前までに、保持片折り曲げ部76の係止体82側の端縁に沿って、突出段差面96が、摺動する長さを摺動距離Lに設定している。具体的には、図2に示す位置の交換ユニット2の係止体82を、前後方向には移動させずに、係止体82のみを反付勢方向に回転移動させたものが図3に示す係止体82である。そして、かかる図3の状態の係止体82の突出部94と筐体保持片72との相対位置関係を拡大したものが、図11に示す点線の突出部94と実線の筐体保持片72との位置関係になっている。そして、この図11に示す点線の突出部94が、手前方向に移動して、保持片折り曲げ部76から外れる直前の突出部94(図11の実線で示した突出部94或いは図4に示す突出部94)までの前後方向の移動距離が、上述した摺動距離Lとして設定されているものである。
(反付勢方向回転角度A及びB)
図2に示すように、係止体82の係止溝91に、係止突起71が係止した状態を、係止体82の標準状態(回転角度0度)として定義する。そして、かかる係止体82の標準状態から、係止体82が反付勢方向に回転移動する回転移動の角度を反付勢方向回転角度として定義する。
具体的には、図3に示すような突出段差面96及び保持片折り曲げ部76の係止状態の際の係止体82の反付勢方向回転角度Bは、15度に設定されている。そして、図1に示すような傾斜部93が係止突起71に当たって、係止体82が反付勢方向に回転移動した場合の反付勢方向回転角度の最大値Aが、7度となるように形成されている。
そして、係止体82の手前側を交換作業者が指で筐体1の側板16側に押すことによって、係止体82の手前側に反付勢方向に開こうとする力が加わって、係止体82が反付勢方向回転角度Bまで回転した場合のみ、突出段差面96が保持片折り曲げ部76に係合して、係止体82が反付勢方向に開いた状態を保持することができる。そして、交換ユニット2を手前側に引くと、係止体82はかかる反付勢方向に開いた状態を保持したまま、引き抜かれる。そして、係止突起71が、係止溝91の側方の位置から外れた後に、突出段差面96及び保持片折り曲げ部76の係止状態が解除されて、係止体82は付勢方向に回転する。その際、係止突起71は、既に係止溝91の側方の位置から外れているので、再度、係止突起71及び係止溝91が係合してロックされることはない。
本実施の形態は、係止装置80を、筐体係止部70に係止する場合、すなわち、交換ユニット2を筐体1内部に収納する場合、交換ユニット2を筐体1の正面側に開口する正面開口部11の開口上部13の手前から奥方向に向かって押し込む。このように押し込むと、係止体82が筐体1の内部を手前から奥方向に向かって移動する。そして、係止体82のかかる奥への移動により、係止体82の奥側の傾斜部93が係止突起71に当たって、係止体82が回転中心軸81を回転の中心軸として反付勢方向に回転移動する。そして、さらに押し込むと、係止突起71の位置が、傾斜部93の位置から、係止溝91の位置へ相対的に移動して、係止突起71が係止溝91の内部に入り込む。そして、付勢手段92の付勢力により、係止体82が付勢方向に回転移動して係止突起71及び係止溝91が係止する。そして、付勢手段92により、係止体82は係止溝91を係止突起71へ押しつける方向に付勢力が絶えず加わる。これにより、係止装置80が筐体係止部70に係止されることとなって、係止体82の前後方向への移動が制限され、交換ユニット2を手前方向へ引き抜くことができなくなって、交換ユニット2を筐体1内部に固定することができる。
一方、筐体1の内部に固定された交換ユニット2を取り外すために、係止装置80を筐体係止部70から取り外す場合、交換作業者は、指で係止体82の手前側を、筐体1の側板16側に向かって押し込むことで、係止体82を回転中心軸81の回りに反付勢方向に回転移動させることができる。
そして、この係止体82を反付勢方向に回転移動させると、図9に示すように、突出傾斜面95が保持片折り曲げ部76を係止体82の外方に向かって押し広げる。すなわち、保持片折り曲げ部76が、突出傾斜面95に沿って、係止体82の外方に向かって移動する。そして、さらに、突出部94が反付勢方向に回転移動して、突出傾斜面95が保持片折り曲げ部76を通り過ぎると、図10に示すように、係止体82の外方に向かって弾性変形していた保持片折り曲げ部76は、元の状態へ戻ろうとして、すなわち係止体82の内方に向かって移動する。これにより、突出段差面96と保持片折り曲げ部76とが係止した状態となり、突出部94が付勢方向に戻ろうとしても、突出段差面96に当接する保持片折り曲げ部76が邪魔をして、突出部94の付勢方向への移動が制限され、結果として、突出段差面96及び保持片折り曲げ部76が係止状態となる。そして、突出段差面96及び保持片折り曲げ部76の係止状態の係止体82の反付勢方向回転角度B(15度)の方が、傾斜部93が係止突起71に当たって、係止体82が反付勢方向に回転移動した場合の反付勢方向回転角度の最大値A(7度)よりも、大きいため、係止溝91と係止突起71との係止を解除した状態を維持することができる。
そして、かかる保持片折り曲げ部76及び突出段差面96が係止した状態で摺動する摺動距離Lは、筐体保持片72と突出部94とが係止した状態で交換ユニット2を手前方向に引っ張った場合、係止突起71が係止溝91の側方の位置から、傾斜部93の側方の位置へ移動した後、保持片折り曲げ部76から突出段差面96が外れて、その結果、筐体保持片72及び突出部94の係止状態を解除する奥方向長さ(図3及び図4に示す奥方向長さS)に形成されている。
このため、係止体82が手前側に移動して、係止突起71が係止溝91の側方の位置から、傾斜部93の側方の位置になった後、筐体保持片72の保持片折り曲げ部76の手前の端縁から突出部94の突出段差面96の奥の端縁が外れる。この保持片折り曲げ部76から突出段差面96が外れることで、付勢手段92により係止体82は、付勢方向に回転する。その際、係止体82は、係止突起71が、係止溝91の側方の位置から、傾斜部93の側方の位置となるような位置に移動しているため、係止突起71が、再び係止溝91の内部に入り込んで、係止突起71及び係止溝91が係止状態となることはなく、係止装置80及び筐体係止部70の係止状態を解除することができる。
以上のように構成されたスロットマシンからなる遊技機Sについて、遊技内容変更のための台交換は、以下のように行うことができる。
本実施の形態に係る遊技機Sは、上扉30及び交換ユニット2からなる扉一体型交換ユニットを取り替えることができる。すなわち、下扉40を開けてから上扉30の扉ロック機構7のロックを解除して、上扉30を開く、そして、筐体1の左右内部の係止体82の手前側を反付勢方向に押して回転移動させ、筐体保持片72及び突出部94を係止状態とする。これにより、係止突起71が、係止溝91から外れて、係止装置80及び筐体係止部70との係止状態は解除される。そして、開いていた上扉30を再度、筐体1の開口上部13側に向かって閉じる。これにより、扉ロック機構7が作動して上扉30は交換ユニット2の手前側に固定される。そして、上扉30及び交換ユニット2が一体となった扉一体型交換ユニットを手前側に移動させるだけで、上扉30及び交換ユニット2が一体となった扉一体型交換ユニットを筐体1から取り外すことが可能となる。
もちろん、前扉3は、従来使用のものをそのまま使用して、交換ユニット2だけを交換するような場合には、扉一体型交換ユニットから前扉3を取り外した交換ユニット2だけを、上述した手順により、容易に交換することができる。
2 交換ユニット 3 前扉
4 電源装置 5 払い出し装置
7 扉ロック機構 11 正面開口部
12 中板 13 開口上部
14 開口下部 15 底板
16 側板 17 天板
18 裏板 20 リールユニット
21 枠 23 回転リール
24 基板ユニット 25 主制御装置
26 基板ケース 30 上扉
31 表示窓 32 表示装置
33 飾り部 40 下扉
41 操作部 42 メダル投入口
43 メダル受け 44 鍵穴
48 メダルセレクター 49 スピーカー
50 前パネル 60 枠体係合部
61 上扉係合部 62 本体係合部
63 下扉係合部 69 ロック突出片
70 筐体係止部 71 係止突起
72 筐体保持片 73 ガイド
74 筐体係止部本体 75 保持片本体
76 保持片折り曲げ部 80 係止装置
81 回転中心軸 82 係止体
91 係止溝 92 付勢手段
93 傾斜部 94 突出部
95 突出傾斜面 96 突出段差面
Claims (1)
- 正面側に開口する正面開口部を有する筐体と、
前記筐体の内部に交換可能に配置される交換ユニットとを備えた遊技機において、
前記遊技機の正面側の前に前記遊技機の方を向いて位置している遊技者から見た場合の前記遊技機の奥から手前への方向を手前方向とし、かかる場合の前記遊技機の手前から奥への方向を奥方向と定義し、
前記筐体は、前記交換ユニットを固定するための筐体係止部を備え、
前記交換ユニットは、前記筐体係止部に係止される係止装置を備え、
前記筐体係止部は、前記筐体内方に突出する係止突起及び筐体保持片を備え、
前記筐体保持片は、前記交換ユニットを前記筐体内部に取り付けた状態で前記係止装置に向かって延設されて前記係止装置に係止する保持片折り曲げ部を備え、
前記係止装置は、
上下方向に回転の中心軸を有する回転中心軸と、
前記交換ユニットの前記回転中心軸の回りに回転可能に軸支された係止体とを備え、
前記交換ユニットを前記筐体内部に取り付けた状態での前記係止体は、
前記回転中心軸よりも奥方向に位置して、前記筐体内面に臨んで前記係止突起に係止する係止溝と、
前記係止溝を前記係止突起に向かって付勢する付勢手段と、
前記係止体の前記係止溝の奥方向に位置して、奥方向に向かうにつれて前記筐体内面からの距離が次第に離れるように傾斜する傾斜面を有する傾斜部と、
前記係止体の前記回転中心軸の奥方向に位置して、前記回転中心軸の軸方向に平行で、且つ、前記係止体から前記係止体の外方に向かって突出するとともに前記保持片折り曲げ部に係止する突出部とを備え、
前記突出部は、
その突出する厚みが、前記係止溝の底方向が薄く、前記係止溝の開放側の方向が厚くなるように傾斜する突出傾斜面と、
前記突出傾斜面の前記開放側には、段差状であって、前記保持片折り曲げ部に当接することにより係止する突出段差面とを有し、
前記係止装置を筐体係止部に係止した位置における前記保持片折り曲げ部及び前記突出段差面の係止位置から、前記保持片折り曲げ部及び前記突出段差面が係止した状態で手前方向に摺動する摺動距離を、前記保持片折り曲げ部と前記突出段差面とが係止した状態で前記交換ユニットを手前方向に引っ張った場合、前記係止突起が前記係止溝の側方の位置から、前記傾斜部の側方の位置へ移動した後、前記保持片折り曲げ部から前記突出段差面が外れて、その結果、係止状態を解除する奥方向長さ以上に形成し、
前記係止体の前記係止溝に、前記係止突起が係止した状態を、前記係止体の標準状態として定義し、
かかる前記係止体の標準状態から、前記係止体が反付勢方向に回転移動する回転移動の角度を反付勢方向回転角度として定義し、
前記保持片折り曲げ部が前記突出段差面に係止した状態における前記係止体の前記反付勢方向回転角度は、前記傾斜部が前記係止突起に当たって、前記係止体が反付勢方向に回転移動した場合の反付勢方向回転角度の最大値よりも、大きくなるように形成し、
前記係止装置を前記筐体係止部に係止するとき、前記交換ユニットを、前記筐体の前記正面開口部の手前から奥方向へ向かって押し込むと、前記傾斜部が前記係止突起に当たって、前記係止体が反付勢方向に回転移動した後、前記係止溝の内部に前記係止突起が入り込んで係止し、
前記係止装置を前記筐体係止部から取り外すとき、前記係止体を反付勢方向に回転移動させ、前記突出傾斜面が前記折り曲げ部を前記係止体の外方に向かって押し込んだ後、前記突出段差面を前記保持片折り曲げ部に係止させて、前記係止溝と前記係止突起との係止を解除し、
前記保持片折り曲げ部及び前記突出段差面は、前記係止装置を前記筐体係止部から手前方向に引いて取り外すとき、前記係止突起が、前記係止溝の側方の位置から少なくとも前記傾斜部の側方に位置するまで、係止状態を維持するように形成されていることを特徴とする遊技機。
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