手段1.固定枠の左右一側部側に対して開閉可能に支持された扉体と、前記固定枠の左右他側部に対して前記扉体を施錠する施錠装置とを備えた遊技機であって、
前記施錠装置は、
前記扉体のうち前記固定枠に支持された一辺部側とは反対側の他辺部に沿って、前記扉体の背面に取付固定される基体と、
前記基体に取付固定され、前記施錠状態にある前記扉体を開放可能な解錠状態とする際に所定の解錠操作が行われる錠部材と、
前記錠部材の解錠操作に連動して、前記固定枠に設けられた被係止部に係止されて前記扉体の開放を規制する係止位置から、前記被係止部から離脱して前記扉体の開放を許容する非係止位置へと変位する鉤部材と、
上下方向において前記基体のほぼ全域に対応して設けられ、前記基体と前後に重なって配置される板状部を有し、第1の状態と第2の状態とに状態変化する侵入防止手段とを備え、
前記扉体が閉鎖状態のときに前記侵入防止手段が前記第1の状態にある場合には、前記板状部が前記固定枠の左右他側部から離間した位置となり、前記侵入防止手段を前記固定枠に当接させることなく閉鎖状態にある前記扉体を開放可能とし、
前記扉体が閉鎖状態のときに前記侵入防止手段が前記第2の状態にある場合には、前記侵入防止手段が前記第1の状態にあるときよりも、前記板状部が前記基体から前記固定枠の左右他側部側に突出することを特徴とする遊技機。
手段1によれば、侵入防止手段を第2の状態とし、板状部を基体から固定枠の左右他側部側に突出させることで、施錠装置(施錠装置には侵入防止手段が含まれる)と固定枠の左右他側部との間に形成される隙間を極力なくすことができる。これにより、前記隙間から金属片や線材等を遊技機内部に侵入させるといった行為を困難又は不可能とすることができる。結果として、扉体の不正解錠等に対する防御性能を高めることができる。一方、侵入防止手段を第1の状態とすることで、前記隙間が広げられ、侵入防止手段と固定枠とを当接させることなく扉体を開閉することができる。
尚「前記侵入防止手段が第1の状態にある場合には、前記板状部の全体又はほぼ全体が前記基体と前後に重なる」こととしてもよい。
手段2.前記扉体が閉鎖状態のときに前記侵入防止手段が前記第2の状態にある場合には、前記板状部と前記固定枠の左右他側部の内側面とが当接又は略当接することを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段2によれば、扉体が閉鎖状態のときに、板状部と固定枠の左右他側部とが当接又は略当接することで、施錠装置と固定枠の左右他側部との間に形成される隙間を極力なくすといった作用効果がより確実に奏される。
手段3.前記侵入防止手段を前記第1の状態から前記第2の状態へと状態変化させるように付勢する状態変化手段を備えたことを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
手段3によれば、扉体を閉鎖(施錠)した際には、自動的に侵入防止手段が第1の状態から第2の状態となるため、扉体が施錠状態となったにもかかわらず、侵入防止手段が第2の状態のままであるといった事態を回避することができる。従って、扉体の不正解錠等に対する防御性能を高めるといった手段1の作用効果が確実に奏される。また、侵入防止手段を第1の状態から第2の状態に状態変化させるべく、作業者の手によって直接侵入防止手段に触れて状態変化させるといった作業を行う必要がなく、作業性の向上を図ることができる。さらに、侵入防止手段は常に第2の状態となるように付勢されることから、例えば、侵入防止手段に対して第1の状態となる側に直接力を加えたとしても、侵入防止手段を動かしにくくなる。結果として、侵入防止手段を動かして施錠装置と固定枠との間の隙間を広げ、金属片や線材等を遊技機内部に侵入させるといった行為をより困難なものとすることができる。
手段4.第1位置と第2位置とに変位可能に設けられた保護部材と、前記保護部材を前記第1位置側へ付勢する付勢手段とを備え、
少なくとも前記扉体の開状態において、前記保護部材が前記第1位置にある場合には、当該保護部材が前記固定枠の前面に当接可能な位置となって前記扉体の閉鎖が規制され、前記保護部材が前記第2位置にある場合には、当該保護部材が前記固定枠に当接不能な位置となることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段1に記載のように、侵入防止手段は、第2の状態にあるときには、第1の状態にあるときよりも基体から固定枠の左右他側部側に突出した位置となる。このため、例えば、開放状態にある扉体を閉じるときに侵入防止手段が第2の状態にある場合には、侵入防止手段が固定枠の前面に当接(衝突)し、侵入防止手段が変形、破損してしまうおそれがある。
この点、手段4によれば、扉体の閉鎖を規制することのできる保護部材が設けられる。これにより、開放状態にある扉体を閉じるときに侵入防止手段が第2の状態にある場合であっても、侵入防止手段と固定枠とが当接するよりも先に、保護部材を固定枠に当接させることができる。従って、侵入防止手段と固定枠との当接を回避することができ、侵入防止手段が変形、破損してしまうといったおそれを防止することができる。
尚、保護部材を第2位置とし、侵入防止手段を第1の状態とすることで、保護部材及び侵入防止手段と固定枠とを当接させることなく開放状態にある扉体を閉鎖することができる。
手段5.前記付勢手段により前記第1位置側に付勢される前記保護部材は、前記第2位置から前記第1位置となる際に前記侵入防止手段と当接し、前記侵入防止手段に対して前記第1の状態から前記第2の状態へと状態変化させるように力を作用させることを特徴とする手段4に記載の遊技機。
手段5によれば、付勢手段により第1位置側に付勢される保護部材を利用して侵入防止手段を第1の状態から第2の状態へと状態変化させることができる。つまり、保護部材及び付勢手段が上記手段2に記載の状態変化手段を兼ねることになる。従って、上記手段4に記載の作用効果が奏される上、保護部材及び付勢手段の他に別途状態変化手段を設けるといった事態を回避することができ、構成の簡素化が図られる。尚、付勢手段による付勢力だけでは、侵入防止手段を第2の状態とすることが困難又は不可能である場合には、保護部材及び付勢手段の他にも状態変化手段を設けてもよい。このような場合であっても、付勢手段による付勢力を侵入防止手段の状態変化に利用しない場合に比べて、付勢手段とは別に設けられる状態変化手段の受け持つ負担を少なくすることができ、例えば状態変化手段の数を減らす等して構成の簡素化を図ることができる。
手段6.前記錠部材の解錠操作に連動して、前記侵入防止手段が前記第2の状態から前記第1の状態に状態変化することを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
手段6によれば、錠部材の解錠操作を行うことで、鉤部材を非係止位置へと変位させるとともに、侵入防止手段を第1の状態へと状態変化させることができる。従って、例えば、施錠状態にある扉体を開放する際に、錠部材の解錠操作の他に、侵入防止手段を第1の状態とするための操作が必要な場合に比べ、扉体の開放作業性の向上を図ることができる。また、錠部材の解錠操作を行い、鉤部材を非係止位置に変位させた状態で、扉体を閉じる際には、侵入防止手段についても第1の状態となるため、侵入防止手段を固定枠に当接させることなく、扉体を完全に閉め切ることができる。従って、侵入防止手段を作業者の手で押えつつ、扉体を閉めるといった面倒な作業を行う必要もなく、作業性の向上を図ることができる。
尚、手段4に対応しては、錠部材の解錠操作が行われた場合、当該錠部材の解錠操作に連動して保護部材が第1位置から第2位置側に変位するとともに、当該保護部材の変位に連動して侵入防止手段が第2の状態から第1の状態に状態変化することとしてもよい。この場合、錠部材の解錠操作を行うことで、保護部材を第2位置へと変位させるとともに、侵入防止手段を第1の状態へと状態変化させることができることから、保護部材及び侵入防止手段を別々に操作する場合に比べ、扉体の開閉作業性の向上が図られる。また、保護部材を利用して侵入防止手段を第1の状態に状態変化させることができるため、別途侵入防止手段を錠部材の解錠操作に連動させるための機構を設ける必要がなくなるため、構成の簡素化が図られる。
手段7.前記侵入防止手段の前記板状部は、前記基体の前面と前記扉体の背面との間において左右方向にスライド可能に設けられていることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
侵入防止手段の板状部を基体に沿わせてスライドさせるためには、基体に突設される部材等を避けるようにして、板状部に対し切欠き部を形成する必要がある。一般に、施錠装置には基体の前面側よりも背面側に対して多数の部材が配置されるため、板状部を基体の背面に沿わせてスライドさせる場合には、板状部を基体の前面側においてスライドさせる場合に比べ、板状部に対してより多くの切欠き部を形成する必要がある。このように切欠き部の面積が大きくなってしまうと、侵入防止手段が第2の状態にあっても、かかる切欠き部を介して、遊技機内部に金属片や線材等を侵入させるといった不正行為が行われてしまうおそれがある。この点、本手段7によれば、基体の前面側に板状部が配置されるため、前記切欠き部の面積を極力小さくすることができ、上記不具合を抑制することができる。
手段8.前記固定枠の左右他側部には、前記扉体の施錠状態において、前記第2の状態にある前記侵入防止手段の前記板状部うち少なくとも前記固定枠の左右他側部側の端縁を前方から覆う接触防止手段が設けられていることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
手段8によれば、扉体の施錠状態においては、板状部のうち固定枠の左右他側部側の端縁が接触防止手段によって覆われる。このため、かかる端縁に金属片や線材等を引っ掛けるといった行為、すなわち、侵入防止手段に対して第1の状態となるように力を加えるといった行為を抑止することができる。従って、侵入防止手段に直接力を加えることで、侵入防止手段(施錠装置)と固定枠との間に隙間を形成し、当該隙間から線材等を遊技機内部に侵入させるといった不正行為を抑止することができる。
尚、接触防止手段の背面と侵入防止手段(板状部)の前面との間に隙間が生じてしまうと、当該隙間を介して、侵入防止手段の先端部に金属片や線材等を引っ掛けられてしまうおそれがあるため、接触防止手段の背面と侵入防止手段(板状部)の前面とが当接又は略当接していることが望ましい。また、本手段8の作用効果を確実なものとするためには、侵入防止手段(板状部)の前面側においては、押圧することで侵入防止手段を第1の状態へと状態変化させることのできる段差部が形成されないことが望ましい。
手段9.前記扉体の施錠状態において、前記第2の状態にある前記侵入防止手段の前記第1の状態への状態変化を規制する規制手段を設けたことを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
手段9によれば、扉体の施錠状態においては侵入防止手段の第1の状態となる状態変化が規制される。従って、侵入防止手段に対して直接力を加えて動かすことで侵入防止手段と固定枠との間に隙間を形成し、当該隙間から線材等を遊技機内部に侵入させるといった不正行為を防止することができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、所定条件が成立した場合には特別遊技状態が発生する弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成され、所定条件が成立した場合には特別遊技状態が発生する弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
E.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。
以下、遊技機としての球使用式回胴遊技機の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここでいう球使用式回胴遊技機とは、パチンコ機とスロットマシンとを融合したタイプの遊技機であり、特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機を指す。図1は球使用式回胴遊技機1の全体を示す正面斜視図であり、図2は正面図であり、図3は後述する固定枠としての外枠2に対して前扉3を開放した状態を示す斜視図であり、図4は前扉3に装着された後述するメインユニット4及び裏機構ユニット5を開放した状態を示す斜視図であり、図5は球使用式回胴遊技機1の背面図である。
図1〜図5に示すように、球使用式回胴遊技機1は、当該球使用式回胴遊技機1の外殻を形成する外枠2と、外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前扉3とを備えている。
外枠2は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。外枠2の下部には樹脂製の幕板飾り6が取着されている。この外枠2を構成する上下の横板は、釘等によって遊技ホールに設けられた遊技機設置島などに固定される。また、左右の縦板は、隣接する球貸装置などに接続される。
前扉3は、外形が略矩形状のベース枠10と、その前面側に取着される装飾枠11とを主体に構成されている。ベース枠10及び装飾枠11は主に合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。装飾枠11はベース枠10に対しネジ等の締結具により固定されている。
球使用式回胴遊技機1の正面から見て、前扉3の左上部及び左下部には上下一対の開閉機構12が設けられている。これに対応して外枠2の左上部及び左下部(幕板飾り左端)には上下一対の支持機構13が設けられている。開閉機構12を支持機構13に組付けることにより、前扉3が外枠2に対し開閉自在に組付けられる。
ここで、開閉機構12及び支持機構13について、両者の関連性をふまえてより詳しく説明する。前扉3の背面側の斜視図である図6等に示すように、開閉機構12は、ベース枠10の左上部及び左下部において左右方向に沿って設けられたベース金具14と、当該ベース金具14の左右方向略中央部において回動自在に軸支された連結アーム15とにより構成されている。
ベース金具14の左端(図6では右端)には上方又は下方へ向け突出した突部16が設けられている。これに対応して、外枠2側の支持機構13の左端には、図3等に示すように、前記突部16が左右方向にスライド自在に嵌め込まれるレール部17が設けられている。レール部17の左端は突部16が抜落ち不能となるよう閉鎖されており、右端は突部16を出し入れ可能に開口している。レール部17の開口側には、突部16の抜落ち防止用の係止片19が設けられている。係止片19は図示しないバネによって常には前方へ付勢された状態に維持されている。
また、連結アーム15の先端部には連結具20が設けられている。これに対応して、支持機構13の右端には、連結アーム15の連結具20が連結される連結部21が設けられている。連結具20が連結部21に対し連結された状態では、連結アーム15が支持機構13に対し回動自在に軸支された状態となる。
外枠2に対する前扉3の装着手順としては、まず、上下とも前扉3側の突部16を外枠2側の係止片19に押し当てる。そして、バネの付勢力に抗して係止片19を没入状態として、突部16をレール部17に嵌め込む。その後、連結アーム15の連結具20を連結部21に対し連結すると、前扉3の装着が完了する。前扉3を開閉させる際には、突部16がレール部17に沿って左右方向にスライドすることにより、前扉3が回動する。
次に装飾枠11について詳しく説明する。装飾枠11は、主に、略矩形状の窓孔30を有した窓枠部31と、当該窓枠部31の下方に設けられた上皿構成部32と、当該上皿構成部32の下方に設けられた下皿構成部33とから構成されている。
窓孔30には透明のガラス板34が取付けられている。ここで図6〜図10を参照してより詳しく説明する。図7は正面側から見た前扉3の分解斜視図であり、図8は背面側から見た前扉3の分解斜視図であり、図9はガラス板34等を取外した状態のベース枠10及び装飾枠11を正面側から見た斜視図であり、図10はガラス板34等を取外した状態のベース枠10及び装飾枠11を背面側から見た斜視図である。
ガラス板34は、窓孔30と略同形状をなし、前扉3の背面側より窓孔30の周縁部に当接した状態で取付けられる。また、窓枠部31の内周側には合成樹脂よりなる環状の内周枠35が取着される。内周枠35は、前端部がガラス板34の背面側に当接した状態で、装飾枠11に対しネジ等の締結具により固定される。これにより、ガラス板34は、内周枠35と、窓孔30の周縁部とにより挟持された状態で位置決め固定されることとなる。
また、窓孔30の下方位置かつ上皿構成部32の上方位置にあたる窓枠部31の下辺部には、左右方向に長い略矩形状の開口部36が設けられている。この開口部36には透明の透視パネル37が取付けられている。透視パネル37は、開口部36と略同形状をなし、前扉3の背面側より開口部36の周縁部に当接した状態でネジ等の締結具により装飾枠11に対し固定される。この透視パネル37は、後述する情報表示パネル538に貼付された情報を視認可能とするものである。
また、装飾枠11にはランプやスピーカ等が設けられている。例えば、図11に示すように、窓枠部31の周縁部のうち、上辺部40には、中央に中央ランプ表示部41、その左右両側方に上部スピーカ42が設けられ、これら中央ランプ表示部41及び上部スピーカ42を覆う装飾カバー43が取着されている。なお、装飾カバー43は、中央ランプ表示部41及び上部スピーカ42に対応して、中央ランプカバー部43a及びスピーカカバー部43bを有している。
また、窓枠部31の左右両側辺部46には、側部ランプ表示部47が設けられるとともに、これを覆う側部ランプカバー48が取着されている。
下皿構成部33の後方にはベース枠10において下部スピーカ51(図4等参照)が設けられ、その前面側にあたる下皿構成部33には下部スピーカ51の前面側を覆う下部スピーカカバー52が設けられている。
下皿構成部33の左右両側方には下部ランプ表示部53が設けられるとともに、これを覆う下部ランプカバー54が取着されている。
これら各種ランプ表示部やスピーカにより、遊技の進行に伴って各種報知や演出が行われる。例えば、後述するように「7」図柄が有効ライン上に揃った場合(ビッグボーナスゲームを獲得した場合)には、それを点灯、点滅等によって報知する。
次に上皿構成部32について詳細に説明する。この上皿構成部32に対応する部分、すなわち装飾枠11のうち透視パネル37の下方にあたる部分には、装飾枠11の一部が前方へアーチ状に膨出した膨出部60が形成されている。図7等に示すように、膨出部60の上面には開口部61が形成されており、当該膨出部60は装飾枠11の背面側に貫通している。そして、この膨出部60に対し、前扉3の背面側から上皿ユニット70が取着されている。
ここで上皿ユニット70について詳細に説明する。図12は上皿ユニット70の全体を示す斜視図であり、図13は上皿ユニット70の分解斜視図である。また、図14は上皿71の平面図である。
上皿ユニット70は、本体部となる球貯留手段としての上皿71と、この上皿71に組み付けられるカードユニット操作装置72、球返却機構73、球止め機構74、マックスベットスイッチ75、天井カバー76などからなる。以下、順に上皿71等について詳細に説明していく。
上皿71は、後述する払出機構部565より払い出される遊技球や、遊技機設置島などにおいて球使用式回胴遊技機1に併設される球貸サンドなどの球貸装置(プリペイドカード対応又は非対応の球貸装置)のノズルから供給される遊技球を貯留するとともに、後述する取込装置300へ供給する機能を有している。
上皿71は、合成樹脂材料により左右方向に長く上方に開口した略箱状に形成されており、その内部に遊技球を貯留可能となっている。また、本実施形態における上皿71は、その前後幅が比較的幅広に設定されており、膨出部60への取着時においては前後方向略中央部より前側が上記透視パネル37の位置より前方に位置し、後側部分が透視パネル37より後方に位置する。
上皿71の開口部周縁にはフランジ79が設けられており、上皿ユニット70はこのフランジ79が膨出部60の開口部61周縁に載置された状態で取付けられる。上皿71の左右側壁部71a,71bには固定部88が設けられており、上皿71はこの固定部88を介してネジ等により装飾枠11に対し固定される。
上皿71の奥壁部80の左端には切欠き状の受口部81が形成されており、この受口部81を介して払出手段としての払出機構部565から払い出される遊技球が上皿71へ排出される。
一方、最下流側にあたる底部82の右端には、前後方向略中央部より後側部分すなわち透視パネル37より後方に位置する後側部分において、下方へ開口した取込口83が形成されている。この取込口83は後述する取込装置300の上方に位置する。
上皿71の底部82は球使用式回胴遊技機1正面から見て左側から右側に向けて下方へ傾斜しており、上皿71上の遊技球は取込口83へ向けて流れ、この取込口83を介して取込装置300へと導かれる。
上皿71の左右方向略中央部より左側部分すなわち上流側部分には、前後幅が比較的広く、より多くの遊技球を貯留できるスペース(以下、貯留部84という)が確保されている。
一方、上皿71の右側部分すなわち下流側部分には、取込口83へ通じる前後幅の比較的狭い整流部85が設けられている。この整流部85は、取込口83ひいては取込装置300に向けて遊技球を整列しつつ誘導する機能を有する。より詳しくは、上皿71の奥壁部80の右端部分は後方に向けて膨出しており、これに伴い整流部85は下流側に向け前後幅が広がった構成となっている。
また、整流部85の下流側には、奥壁部80が膨出した区間に対応して、2つの誘導リブ86が設けられている。これにより、遊技球を1列に整列させつつ取込口83へ向けて流下させる3条の整流球通路87が形成される。なお、誘導リブ86は奥壁部80の膨出部分の形状に合わせて前後方向に緩やかに湾曲するとともに、下流側に向けて先太りした形状となっている。そして、3つの整流球通路87は下流側で左右方向に沿って延在し前後方向に等間隔で並んでいる。この3つの整流球通路87の最下流部における配置間隔は、取込装置300の3つの取込ユニット305の配置間隔に合わせたものである。
上記整流部85の前方には、整流部85の傾斜方向とは逆方向、すなわち左側に向け下方へ傾斜した逆傾斜部90が設けられている。従って、整流部85では、当該整流部85と逆傾斜部90との間に形成された段差部91により、遊技球の前方への動きが規制される。また、逆傾斜部90の奥側には仕切リブ92が突設されている。これにより、逆傾斜部90から整流部85側へ遊技球が落下し、整流部85において遊技球が重畳されることを防止している。
さらに、逆傾斜部90の手前側には奥側に向け下方に傾斜した奥向き傾斜部95が形成されている。逆傾斜部90と奥向き傾斜部95との間には段差96が形成され、逆傾斜部90から前方への遊技球の動きが規制されている。同様に、上皿71の前壁部98の頂部と奥向き傾斜部95との間には段差99があり、奥向き傾斜部95から前方への遊技球の動きが規制されている。
奥向き傾斜部95の左方にはマックスベットスイッチ75が取着されている。より詳しくは、奥向き傾斜部95の左方の背面側にはマックスベットスイッチ75を取付けるための収容凹部100が形成されており、ここにマックスベットスイッチ75が取着されている。
マックスベットスイッチ75は、上皿71に開口形成されたボタン孔102を介して上皿71の上面側に露出したマックスベットボタン78と、当該マックスベットボタン78の押圧操作を検出する検出センサを搭載し収容凹部100に取付けられるスイッチ基板77とからなる。また、マックスベットボタン78内には図示しないLEDが設けられており、当該LEDが点灯表示されることによって押圧操作が可能であることが報知され、消灯表示によって押圧操作が不能であることが報知されるようになっている。
また、逆傾斜部90及び奥向き傾斜部95の右方かつ取込口33の前方位置には、その背面側においてカードユニット操作装置72を取付けるための収容凹部110が形成されている。この収容凹部110に対応する上皿71の上面部は膨出しており、この膨出した部位にカードユニット操作装置72を操作するための操作面111が形成される。
ここでカードユニット操作装置72について詳しく説明する。カードユニット操作装置72は、プリペイドカード対応の球貸装置のカードユニットを操作するものであり、ベース部材112と、当該ベース部材112に搭載されたカードユニット操作基板113とを備えている。カードユニット操作基板113には、球貸スイッチ115と、返却スイッチ116と、7セグメントLEDよりなる3桁表示の度数表示部119とが設けられている。さらに、球貸スイッチ115を操作するための球貸ボタン117と、返却スイッチ116を操作するための返却ボタン118とが、操作面111側に載置されている。
遊技ホールにおいて球使用式回胴遊技機1の側方に配置される球貸装置に紙幣やカード等を投入した状態でカードユニット操作装置72が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出しが行われる。球貸ボタン117はカード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球(貸球)を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿71に供給される。返却ボタン118はカードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作されるものである。度数表示部119はカード等の残額情報を表示するものである。なお、プリペイドカード非対応の球貸装置等からカードユニットを介さずに上皿71へ遊技球が直接貸出される遊技機、いわゆる現金機ではカードユニット操作装置72が不要となる。この場合、操作面111(又は上カバー141)部分に装飾シール等が貼付される。つまり、本実施形態における球使用式回胴遊技機1は、プリペイドカード対応又は非対応の球貸装置どちらにも対応するように構成されている。
収容凹部110にはボス123が設けられており、当該ボス123に対しベース部材112がネジ等の締結具により固定される。
操作面111には、度数表示部119に対応した表示部用開口部131、球貸ボタン117に対応したボタン孔132、返却ボタン118に対応したボタン孔133が、それぞれ収容凹部110に貫通するように設けられている。そして、球貸ボタン117及び返却ボタン118から垂下した図示しない軸部がボタン孔132,133を介して各スイッチ115,116に当接している。これにより各スイッチ115,116が操作される。
また、操作面111側には、その上面を覆う下カバー140と、当該下カバー140の上面を覆う上カバー141とが取付けられている。
下カバー140の前側及び後側にはそれぞれ一対の係止爪143,144が設けられており、この係止爪143,144を上皿71に係止することにより下カバー140が固定される。
上カバー141は、下カバー140の上側から、前側に設けられた一対の係止爪145を皿体71に係止するとともに、後側をネジ等により固定することにより、上皿71に対し固定される。
下カバー140は、内部を視認困難とするよう着色の施された半透明の合成樹脂材料により形成されている。但し、度数表示部119に対応する部分は透視可能に構成されている。また、球貸ボタン117及び返却ボタン118に対応した位置にはボタン孔151,152が設けられている。
上カバー141は、無色透明の合成樹脂材料により形成されており、下カバー140の表面に記載される各種情報(例えば「球貸」等の文字)を視認可能となっている。さらに、上下カバー140,141を透かして度数表示部119を視認可能となる。また、球貸ボタン117及び返却ボタン118に対応した位置にはボタン孔153,154が設けられている。従って、下カバー140のボタン孔151,152、及び、上カバー141のボタン孔153,154を介して、球貸ボタン117及び返却ボタン118が操作可能なように露出した状態となる。
また、上カバー141の上面は、前側が前方に向けて下方へ傾斜し、後側が後方に向けて下方へ傾斜した構成となっており、遊技球を停留させない構成となっている。
次にカードユニット操作装置72の下側に取付けられる球返却機構73について詳しく説明する。球返却機構73は取込装置300の返却シャッタ341を駆動させ、上皿71に貯留されている遊技球を後述する下皿253へ排出させるために操作されるものである。
球返却機構73は、各部材の取付台となるベースカバー160と、当該ベースカバー160の上面側に回動自在に軸支された第1回動部材161と、当該第1回動部材161より後方位置において回動自在に軸支された第2回動部材162と、第1回動部材161の前方位置に設けられた返却操作手段としての返却レバー163とを備えている(図13参照)。ベースカバー160は、上記カードユニット操作装置72のベース部材112の裏面に設けられたボス165に対しネジ等により固定される。
また、第1回動部材161及び第2回動部材162、第1回動部材161及び返却レバー163は、それぞれ連動可能に係合されている。そして、返却レバー163の左右方向の動きに連動して第1回動部材161が回動し、第1回動部材161の回動に連動して第2回動部材162が回動する。なお、第1回動部材161の前片部と前記ボス165との間にはコイルばね180が掛けられており、通常時には返却レバー163が右側に付勢されている。
また、上記上皿構成部32の膨出部60の右下部には返却レバー163に対応して開口部181が設けられており、返却レバー163が遊技者により操作可能なように球使用式回胴遊技機1前面側に露出している。
そして、遊技者が上皿71に貯留されている遊技球を取り出そうとした場合には、コイルばね180の付勢力に抗して返却レバー163を左方へスライドさせる。これに連動して、第1回動部材161が、球返却機構73の上方から見て時計回りに回動するとともに、第2回動部材162が反時計回りに回動する。この結果、第2回動部材162の右片部により取込装置300の返却シャッタ341が操作され、上皿71内の遊技球が下皿253へ排出される。返却シャッタ341の動作態様の詳細については後述する。
次に上皿71の裏面側に取付けられた球止め機構74について説明する。球止め機構74は、取込口83近傍の整流部85裏面側に取付けられており、当該球止め機構74の内部機構を下側から覆うベースカバー185と、上皿71の裏面に略当接した状態で左右方向にスライド自在に設けられたスライドベース186と、当該スライドベース186を操作する操作レバー187とを備えている。ベースカバー185は上皿71の裏面に対しネジ等により固定される。
また、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側にあたる、スライドベース186の取込口83側には3つの突出部205が設けられている。各突出部205は、上記整流部85の裏面側において3条の整流球通路87に沿って形成された図示しない溝部に嵌め込まれており、スライドベース186のスライド動作に伴って突出部205が取込口83内外に出没可能となっている。
通常時、スライドベース186は、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て右側によっており、突出部205が取込口83から没した状態となっている。この状態から、操作レバー187を球使用式回胴遊技機1の背面側から見て時計回りに回動させることにより、スライドベース186が取込口83側へスライドし、突出部205が取込口83内に突出した状態となる。この状態では、突出部205と後述する箱体212の底壁部231との間隔が遊技球の通過不能な間隔となり、遊技球が取込口83から落下不能となる。
球止め解除する際には、操作レバー187を球使用式回胴遊技機1の背面側から見て反時計回りに回動させる。これにより、スライドベース186が右方へスライドし、突出部205が取込口83から没した状態となる。これにより遊技球が取込口83へ落下可能となる。
次に上皿71に組付けられる天井カバー76について説明する。天井カバー76は、上皿71と装飾枠11との間に隙間を生じさせないために設けられたものであり、透視パネル37の位置より後側部分、すなわち上皿71の前後方向略中央部より後側部分の天井部分を覆うように設けられている。
天井カバー76は、上皿71の奥壁部80に沿って左右方向略全域に設けられるとともに後方へ向け下方に傾斜した天板体210と、当該天板体210の左右両側部から下方へ垂設された側壁部211と、天板体210とは別体で設けられ、当該天板体210に組付けられる箱体212とからなる。天板体210の後縁部及び側壁部211が、上皿71の奥壁部80及び左右側壁部71a,71bに対しそれぞれネジ等により固定されることにより、天井カバー76が上皿71に対し固定される。
また、天板体210は、その前縁部が装飾枠11の背面側にネジ等により固定される。天板体210の前縁部には前方へ突出したリブ216が設けられており、天板体210の前縁部が固定される際には、このリブ216が装飾枠11の背面側に設けられた図示しない溝部に係合された状態となる。これにより、天板体210と装飾枠11との隙間から球使用式回胴遊技機1内部へ針金等を侵入させ、内部機器を操作するといった不正行為の防止が図られている。
天板体210の右端部近傍には、上記整流球通路87及び取込口83に対応してその上方位置に開口部217が設けられており、この開口部217の上方から上記箱体212が嵌め込まれている。
箱体212は、上方に開口した略箱状をなし、その開口部の周縁形状が前記天板体210の開口部217の周縁形状と略同一形状となっている。また、箱体212の開口周縁部にはフランジ218が形成されており、これが天板体210の開口部217周縁に形成された段差部に係合することにより、箱体212が天板体210に対し位置決めされた状態で組付けられる。そして、メインユニット4が上方位置に配置された際には、当該メインユニット4により上方への移動が規制される。換言すれば、メインユニット4が上方位置より移動した場合には、箱体212の上方への規制がなくなるため、前扉3の背面側から箱体212を容易に取外すことができる。これにより、整流球通路87や、取込口83の下方に位置する取込装置300等の清掃作業や点検、修理等を行うことができ、メンテナンス性の向上が図られる。
箱体212の組付け状態において、その底壁部231は取込装置300(停留傾斜部308)や整流球通路87の天井部を構成する(図16参照)。これにより、後述するように上記整流球通路87により案内される遊技球を一列で通過させ、取込装置300内へと通じる球通路が形成される。
また、箱体212により、上皿71内を流れる遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側の整流球通路87へ流下していく。従って、整流部85に多量の遊技球が流れ込んできたとしても、遊技球の噛み込みが抑制され、取込口83近傍における球詰まりが解消されるようになっている。
さて、一般的に、遊技ホールでは球使用式回胴遊技機1の左側に球貸装置が設けられており、プリペイドカード対応の球貸装置の場合、上述したように紙幣やカード等を投入した状態でカードユニット操作装置72が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。実際には球貸装置に設けられたノズルを介して遊技球が球使用式回胴遊技機1(上皿71)に供給される。このノズルは、通常、回動可能かつ上方に跳ね上げ可能に構成されている。そこで、本実施形態では、ノズルが上皿71に向いた球供給位置(貯留部84上方)にある場合に、このノズルと、装飾枠11とが干渉しない構成を採用している。具体的には、装飾枠11における上皿構成部32より上方でかつ透視パネル37の側方にあたるノズル対応箇所に、切欠き状の凹部250を設けている。
次に下皿構成部33について図1等を参照して詳しく説明する。装飾枠11の下部には前方へ膨出した膨出部252が設けられており、当該膨出部252に遊技球を貯留するための下皿253が取付けられている。また、下皿構成部33(下皿253)の奥壁部254の中央部には下部スピーカ51用のスピーカ開口部255が設けられており、このスピーカ開口部255に装飾枠11の背面側から上記下部スピーカカバー52が取付けられている(図8等参照)。また、球使用式回胴遊技機1の正面から見て、スピーカ開口部255の右方には排出口257が形成されている。
また、下皿構成部33(下皿253及び膨出部252)には球抜き孔260が形成されている。この球抜き孔260は、通常、膨出部252の内部においてスライド自在に設けられた開閉弁261により閉塞されている。そして、膨出部252の前面に設けられた球抜きレバー262を操作してスライドした場合に、球抜き孔260が開放され、下皿253に貯留されていた遊技球が球抜き孔260から下方へ排出される。
次に装飾枠11に設けられた各種操作手段について詳しく説明する。
上皿構成部32の膨出部60の前面左側には後述する各リール511〜513を回転開始させるための始動操作手段としてのスタートレバースイッチ268が設けられている。
スタートレバースイッチ268は、膨出部60の前面側に突出したスタートレバー268aと、当該スタートレバー268aの操作を検出する検出スイッチを搭載し膨出部60の背面側に取付けられるスイッチ基板268bとからなる。
スタートレバースイッチ268の右方には、回転中の各リール511,512,513を個別に停止させるための停止操作手段としてのストップボタンスイッチ271,272,273が設けられている。各ストップボタンスイッチ271〜273は、それぞれ停止対象となるリール511〜513の下方に位置している。各ストップボタンスイッチ271〜273は、左リール511が回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には各ボタン内に設けられた図示しないLEDが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
ストップボタンスイッチ271,272,273は、膨出部60の前面側に露出したストップボタン271a,272a,273aと、当該ストップボタン271a〜273aの押圧操作を個別に検出する検出センサを搭載し膨出部60の背面側に取付けられる図示しないスイッチ基板とからなる。
この他、操作手段としては、遊技球を投入するため(ベット操作を行うための)の入力手段を構成するボタン状の各種ベットスイッチが設けられている。各ベットスイッチは、共に遊技媒体(又は記憶遊技媒体)たる遊技球を必要数分だけ投入するためのものである。本実施の形態では、1ベットスイッチ274と上述したマックスベットスイッチ75とが設けられている。
1ベットスイッチ274は上記透視パネル37の左方位置に設けられており、マックスベットスイッチ75は、上述したように上皿ユニット70の手前やや左側で、スタートレバースイッチ268の上方やや右側に位置している。
1ベットスイッチ274は、取付部275の前面側に露出した1ベットボタン274aと、当該1ベットボタン274aの押圧操作を検出する検出センサを搭載し取付部275の背面側に取付けられるスイッチ基板274bとからなる。
1ベットスイッチ274に関しては、1回押圧操作される毎に、5個の遊技球が投入されるよう設定されている。より詳しくは、1ベットスイッチ274の1回の押圧操作で、上皿71の遊技球が「5個」ずつ取り込まれる。
マックスベットスイッチ75は、前記1ベットスイッチ274の複数回(3回)の押圧操作を省略することができるよう設けられているものであって、1回押圧操作される毎に、15個(3ベット分)の遊技球が取り込まれるよう設定されている。より詳しくは、マックスベットスイッチ75の1回の押圧操作で、上皿71の遊技球が「15個」ずつ取り込まれる。本実施形態における遊技球の取込みは取込装置300によって行われる。但し、特別遊技状態であるビッグボーナスゲーム中にあっては、マックスベットスイッチ75の1回の押圧操作により5個分(1ベット分)の遊技球が取り込まれるようになっている。
また、本実施形態では、後述する5ラインが有効化された(15個の遊技球が投入された)時点で最大ベット(3ベット)状態となる。つまり、1ベットスイッチ274の3回の押圧操作或いはマックスベットスイッチ75の1回の押圧操作がなされた時点で、それ以上の投入は行われないようになっている。従って、本実施形態では最大ベット(3ベット)状態となった上で、さらにベットスイッチ274,75が押圧操作された場合には、該操作が無効化される構成となっている。
さて、1ベットスイッチ274の配置位置とは反対側にあたる上記透視パネル37の右方位置には第1演出スイッチ277と第2演出スイッチ278が設けられている。
第1演出スイッチ277は、取付部279の前面側に露出した第1演出ボタン277aと、当該第1演出ボタン277aの押圧操作を検出する検出センサを搭載し取付部279の背面側に取付けられる図示しないスイッチ基板とからなる。また、第2演出スイッチ278は、取付部279の前面側に露出した第2演出ボタン278aと、当該第2演出ボタン278aの押圧操作を検出する検出センサを搭載し取付部279の背面側に取付けられる図示しないスイッチ基板とからなる。
第1演出スイッチ277及び第2演出スイッチ278は、液晶表示装置501等の演出形式を変更するために操作されるスイッチである。これにより、遊技者は自身の好みに応じた形式の演出を実行することができる。
次に、前扉3の背面構成について説明する。図7等に示すように、ベース枠10は、上辺部10a、下辺部10b、左辺部10c及び右辺部10dからなる枠体形状をなし、そのほぼ中央部には略矩形状の窓孔281が形成され、その下部には下辺部10bに沿って左右方向略全域に下部スピーカ51や取込装置300等を取付けるための取付台部282が形成されている。
窓孔281は、ほぼ装飾枠11の窓孔30、透視パネル37、及び上皿構成部32(膨出部60)に対応する範囲、すなわち下皿構成部33を除く範囲に設けられている。一方、取付台部282は、ほぼ装飾枠11の下皿構成部33に対応する範囲に設けられている。
取付台部282の背面側には、図6に示すように上記上皿71の取込口83の下方位置において取込装置300が取付けられている。取込装置300は、図8に示すように取付台部282の背面側に形成された収容凹部283に取付けられている。
取込装置300は、遊技者による遊技球の投入操作が行われた場合に、遊技球を所定個数ずつ取り込む装置である。そして、この取込装置300により、所定個分の遊技球が取り込まれる毎にその都度の遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられる。なお、取込装置300により取り込まれた遊技球は、収容凹部283の下部に設けられた排出通路285を介して後述する第2排出通路581dへ導かれ、球使用式回胴遊技機1外部へ排出される。
取付台部282の背面側ほぼ中央には下部スピーカ51が取付けられている。下部スピーカ51は取付台部282の背面側に設けられた収容部284に取付けられている。収容部284には取付台部282の前面側に貫通するスピーカ用開口部284aが形成されており、このスピーカ用開口部284aを介して下部スピーカ51が装飾枠11側のスピーカカバー52に対峙する。
ここで取込手段としての取込装置300について詳細に説明する。図15は取込装置300を背面側から見た斜視図であり、図16は取込装置300の内部機構を説明するための断面図である。
取込装置300は、上皿体71の3つの整流球通路87に対応して3つの取込ユニット305を備えている。取込装置300はネジ等によりベース枠10に対し固定される。
各取込ユニット305の外形をなす略箱状のハウジング306は、合成樹脂製の前後一対のハウジング構成部材(前側ハウジング構成部材306a及び後側ハウジング構成部材306b)をネジ等の締結具により連結することにより構成されている。
各取込ユニット305のハウジング306の上部には、当該取込ユニット305に対応した上記整流球通路87に通じる停留傾斜部308が形成されている。停留傾斜部308は、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側(図16左側)に向けて比較的緩やかに下方に傾斜している。開放された停留傾斜部308の上方位置には上記箱体212の底壁部231が位置する(図16参照)。これにより、上記整流球通路87から案内される遊技球を取込んで一列で通過させ、ハウジング306内へと通じる断面略矩形状かつ筒状の球通路309が形成される。球通路309は、一般的な遊技球の直径が約11mmであることから、所要の隙間が出来るように各辺ともその長さが約12mmに設定されている。
球通路309は、ハウジング306内で分岐され、その一方は略鉛直方向に延びる取込通路311となり、他方は停留傾斜部308に沿って斜め下方に延びる返却通路312となる。取込通路311は排出通路285に連通し、返却通路312は下皿253の排出口257へ通じる図示しない返却中継路に連通している。従って、遊技球の取込みが行われる際には取込通路311を遊技球が通り、排出通路285及び後述する第2排出通路581dを介して球使用式回胴遊技機1外部へ排出される。一方、上皿71に貯留された遊技球の返却を行う際には返却通路312を介して遊技球が下皿253へと排出される。なお、通常の場合、すなわち上記球返却機構73の返却レバー163が操作されていない場合、返却通路312は返却シャッタ341により遊技球が通過不能に閉鎖されている。返却シャッタ341の詳細については後述する。
次に遊技球の取込みを制御する内部機構について説明する。取込通路311より、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て右側(図16右側)の通路外スペースには、遊技球の取込みを制御する取込機構315が設けられている。
取込機構315は、フリッカー316と、ソレノイド317と、両者を連動させる駆動伝達部材318とから構成されている。
ソレノイド317は、下方に向けて突出するプランジャ320を有している。プランジャ320の先端部にはプランジャキャップ321が取着されている。また、プランジャ320にはコイルばね322が取着されており、通常時つまりソレノイド317の非励磁状態においては、コイルばね322の付勢力によりプランジャ320が下方へ押下げられている。そして、ソレノイド317が励磁状態となると、プランジャ320がコイルばね322に抗して上方へ引き上げられる。
フリッカー316は、取込通路311近傍において支軸323により回動自在に軸支されている。一方、取込通路311の上端部近傍の通路壁337には開口部338が設けられている。そして、フリッカー316の回動に伴い、フリッカー316先端の爪部316aが開口部338を介して取込通路311内外へ出没する。これにより、取込通路311は開放又は閉鎖され、遊技球の通過が許容又は阻止される。より詳しくは、フリッカー316の爪部316aが取込通路311内へ突出している状態においては、取込通路311を遊技球が通過不能となる。この場合、返却シャッタ341が通路閉鎖位置にある通常時においては、それより上流側の球通路309(停留傾斜部308)おいて遊技球が停留されることとなる。一方、フリッカー316の爪部316aが取込通路311外へ没している状態においては、取込通路311を遊技球が通過可能となる。この場合、返却シャッタ341が通路閉鎖位置にある通常時においては、取込通路311を通って遊技球が流下していくこととなる。
また、フリッカー316の下方において、略く字形状をなす上記駆動伝達部材318が支軸324により回動自在に軸支されている。そして、この駆動伝達部材318の先端部がフリッカー316の下端部に係合され、駆動伝達部材318の動きに連動してフリッカー316が回動可能となる。
また、駆動伝達部材318の下後端には上記プランジャキャップ321が係合され、プランジャ320の上下動に連動して、駆動伝達部材318、ひいてはフリッカー316が回動することとなる。
また、取込通路311には、フリッカー316の爪部316aが突出する位置のすぐ下流側に第1カウントセンサ328が設置され、下流側端部において第2カウントセンサ329が設置されている。これらカウントセンサ328,329は、取込機構315による取込通路311の開放時において当該取込通路311を通過する遊技球を検知するものである。これにより、遊技の開始条件である所定個数の遊技球の取込みが検知できる。
第1カウントセンサ328は、上下一対の検知部328a,328bを有している。各検知部328a,328bは、発光素子及び受光素子を備えたフォトセンサにて構成されており、取込通路311を挟んで例えば前側に発光素子が、後側に受光素子が配設されている。また、各検知部328a,328bは、取込通路311の中心線よりも側方にずれた位置に設けられるとともに、1つの遊技球を同時に検出可能な上下間隔に配置されている。
また、各検知部328a,328bの発光素子及び受光素子は、前側ハウジング構成部材306a及び後側ハウジング構成部材306bの通路壁に設けられた透孔330a,330bを通じて発光又は受光して、遊技球の通過を検知する。
また、第2カウントセンサ329は近接センサであり、遊技球が孔部329aを通過することにより遊技球の通過を検知する。本実施形態では、第1カウントセンサ328の検出結果と、第2カウントセンサ329の検出結果に基づき、第1カウントセンサ328により遊技球の通過が検知されたにも関わらず、第2カウントセンサ329によって、遊技球が検知できない場合等は、取込通路311内において球詰まりなどの不具合や不正行為が発生したと判別される。
また、3つの取込ユニット305の側方には、当該3つの取込ユニット305に跨って1つの取込中継基板335と、当該取込中継基板335を覆う1つの基板カバー336とが取付けられている。取込中継基板335は、各取込ユニット305のソレノイド317やカウントセンサ328,329等と、後述する主制御装置520との電気的接続を中継する基板である。
次に返却通路312を開閉する開閉機構について説明する。各取込ユニット305の返却通路312の通路前後壁には貫通孔340が形成されている。この貫通孔340には、3つの取込ユニット305を貫くように返却シャッタ341が挿し込まれている。
貫通孔340は、取込通路311との分岐部分近傍において設けられており、当該貫通孔340に挿し込まれた返却シャッタ341は、通常時すなわち上記球返却機構73の返却レバー163が操作されていない場合においては取込通路311の通路壁として機能する。つまり、通常時は、返却通路312は返却シャッタ341により遊技球が通過不能に閉鎖されている。
より詳しくは、返却シャッタ341は、前後方向に長い略平板状をなし、遊技球が通過可能な略矩形状の通過口342を各返却通路312に対応して3つ備えている。また、返却シャッタ341の前端部には、上記球返却機構73の第2回動部材162が接触する受部343が設けられている。一方、返却シャッタ341の後端部には、コイルばね345が嵌め込まれるバネ受部346と、その下方において図示しないシャッタセンサにより検知される図示しないインデックス部とが設けられている。また、各通過口342の下方位置には規制爪344がそれぞれ突設されている。
また、取込装置300の後部には、コイルばね345とシャッタセンサを収容するシャッタキャップ348が設けられている。シャッタセンサは、発光素子及び受光素子を備えたフォトセンサにて構成されている。
図17(a)に示すように、通常時、返却シャッタ341は、コイルばね345によりバネ受部346が最後部の取込ユニット305の背面側(後側ハウジング構成部材306)に付勢された状態となっており、各通過口342の位置が停留傾斜部308及び返却通路312の位置より前方へずれた状態となっている。つまり、返却シャッタ341は、遊技球が返却通路312へ流入できない通路閉鎖位置にある。この際、インデックス部は、シャッタセンサの位置より前方に位置している。
図17(b)に示すように、上記球返却機構73の返却レバー163が操作された場合には、第2回動部材162に押されることにより、返却シャッタ341はコイルばね345に抗して後方へスライドする。これにより、返却シャッタ341は、遊技球が返却通路312へ流入可能な通路開放位置をとる。この状態では、各通過口342の位置が停留傾斜部308及び返却通路312の位置と一致する。そして、規制爪344により取込通路311への遊技球の落下が規制されるため、遊技球は返却通路312へと流れていく。これにより、上皿71内の遊技球が返却通路312を介して下皿253へ排出されることとなる。この際、シャッタセンサによってインデックス部が検知されることにより、球返却機構73の操作がなされたことが検知される。この検知がなされている間、取込装置300による取込みは停止される。また、取込装置300によって既に取り込まれ遊技球が存在する場合には、インデックス部が検知されることによって、取込球数分の遊技球が払出機構部565より上皿71へ返却される。
また、球返却機構73の返却レバー163の操作を止めることにより、コイルばね345の付勢力によって返却シャッタ341は通路閉鎖位置へ復帰する。
次に球使用式回胴遊技機1の背面構成について詳しく説明する。ベース枠10の背面には各種制御基板や払出機構等がメインユニット4及び裏機構ユニット5としてまとめられた状態で取付けられている。
メインユニット4は、リールユニット、主制御装置、サブ制御装置などを1ユニットとしたものである。また、裏機構ユニット5は、払出制御装置、電源装置、払出機構などを1ユニットとしたものである。
ここで、まずメインユニット4について詳しく説明する。図18はメインユニット4の正面側の斜視図であり、図19はメインユニット4の背面側の斜視図である。
メインユニット4は、合成樹脂材料よりなる遊技パネルベース500を備えている。遊技パネルベース500は、その前面側ほぼ全域が前扉3の窓孔30(ガラス板34)を介して視認可能となる。
遊技パネルベース500には、その上部に液晶表示装置501、ほぼ中央部に可変表示手段としてのリールユニット502、下部に情報表示装置503が取付けられている。
液晶表示装置501は、取付台504に搭載された状態で遊技パネルベース500の背面側にネジ等により固定される。この液晶表示装置501が取付けられる遊技パネルベース500の上部には、液晶表示装置501に対応した略矩形状の開口部505が形成されており、液晶表示装置501の表示部501aが前面側に露出している。つまり、液晶表示装置501の表示部501aが前面側から視認可能となっている。
リールユニット502は、遊技パネルベース500の背面側にネジ等により固定される。リールユニット502は、略箱状をなす金属フレーム507内に円筒状の左リール511,中リール512,右リール513を備えている。
各リール511〜513は、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール511〜513の回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設されている。
このリールユニット502が取付けられる遊技パネルベース500の略中央部には、リール511〜513に対応した略矩形状の開口部515が形成されており、各リール511〜513の表面の一部が開口部515を介して視認可能な状態となっている。
リール511〜513が正回転すると、開口部515を介してリール511〜513の表面が上から下へ向かって動いているように視認される。
これら各リール511〜513は、それぞれが駆動手段としての図示しないステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール511〜513が個別に回転駆動する構成となっている。また、各リール511〜513の回転位置を個別に検出する図示しない回転位置検出センサが設けられており、その検出結果に基づき各リール511〜513の回転制御が行われる。
各リール511〜513の外表面には、それぞれ識別情報としての図柄(シンボル)が多数付されている。これらの図柄のうち、開口部515を介して視認可能な図柄数は、主として開口部515の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施の形態では、各リール511〜513毎に3個ずつの図柄が視認可能となるよう開口部515の上下方向の長さが設定されている。また、各リール511〜513の内側には、開口部515を介して視認可能な図柄を後方より照明するための図示しないバックライトが配置されている。
リール511〜513に付される図柄としては、例えば(1)ビッグボーナスゲームに移行するためのビッグボーナス図柄としての「7」図柄及び「BAR」図柄、(2)リプレイゲームに移行するための「リプレイ図柄」、(3)小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄、「ベル」図柄、「チェリー」図柄がある。本実施形態におけるリール511〜513にはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。但し、各リール511〜513ではそれぞれ同一図柄の数や配置順序が相違している。
本実施形態では、例えば各リール511〜513を結ぶようにして、横方向に平行となるように3本、斜め方向にたすき掛けとなるように2本、計5本の有効ラインが設定されている。すなわち、有効ラインとして、上・中・下の横ライン(上ライン、中央ライン、下ライン)と、一対の斜めライン(右上がりライン、右下がりライン)とが設定されている。上記各種ゲームや小役等の遊技価値の付与に関わる図柄が本実施形態における特定識別情報を構成する。例えば後述する「7」図柄は、特別遊技状態としてのビッグボーナスゲームの付与に関わる特定識別情報を構成する。また、各種図柄が停止する各種有効ラインが本実施形態における所定領域を構成する。
これら各組合せラインに対応して、開口部515の正面から見て左側には有効ライン表示部516,517,518が設けられている。第1有効ライン表示部516は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部517は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部518は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が特定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められた球払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。なお、本実施形態では、各有効ラインは、上記バックライトが上記各ラインに沿って点灯することにより示される。
本実施形態において、ビッグボーナス図柄の組合せである「7」図柄や「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、ビッグボーナスゲームに突入する。また、「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、遊技球の払出しは行われずリプレイゲームに突入する。
更に、小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には75個の遊技球の払出しが行われ、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には40個の遊技球の払出しが行われる。また、左リール511の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には10個の遊技球の払出しが行われる。
また、遊技パネルベース500の背面側に遊技に関する各種の制御を統括的に管理する主制御装置520と、当該主制御装置520に対して従属的に動作するサブ制御装置521とが設置されている。
ここで主制御装置520及びサブ制御装置521について詳しく説明する。主制御装置520は、リールユニット502の右側方に固定される取付台522に搭載され、サブ制御装置521はリールユニット502の上部に固定される取付台523に搭載されている。主制御装置520は縦長の向きに配置されると共に、サブ制御装置521は前後方向にやや傾いた状態で横長の向きに配置されている。
主制御装置520は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス526に収容(被包)されて構成されている。
基板ボックス526は、封印ユニット527によって開封不能に封印されている。但し、主基板525には各ケーブルコネクタのコネクタを接続するための端子部が設けられており、該端子部は、基板ボックス526から露出状態となっている。かかる端子部の露出は、他の基板及び基板ボックスについても同様である。
また、サブ制御装置521は、主制御装置520からの指示に従い各種演出制御を司るCPUや、各種プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含むサブ基板を具備しており、このサブ基板についても当該サブ基板に対応する基板ボックス531に収容されて構成されている。
また、遊技パネルベース500の前面側右下部にはカウント表示部533及びベット数表示部534が設けられている。
カウント表示部533は、3桁或いは2桁の7セグメント表示器によって構成されており、遊技球の投入個数、入賞により獲得した遊技球の個数(獲得賞球数)等が表示される。
ベット数表示部534は、複数のLEDランプにより構成され、ベット数に対応したLEDランプが点灯する。例えば、中央ラインのみが有効化された場合には、1ベットに対応するLEDランプが点灯する。
次に遊技パネルベース500の下部に設けられた情報表示装置503について説明する。情報表示装置503は、遊技パネルベース500の下辺部に沿って左右方向略全域に設けられた略平板状の情報表示パネル538を備えるとともに、当該情報表示パネル538を背面側より照らす図示しない冷陰極管(蛍光灯)と、当該冷陰極管を点灯させるためのインバータユニットとを備えている。本実施形態における情報表示パネル538は透明樹脂材料により構成されている。
情報表示パネル538の前面側には、遊技説明や入賞に係る図柄の組合せ等を記した情報シール、球使用式回胴遊技機1の型式名を記したシール、製造番号及び製造業者名を記した証紙などが貼付けられる。
そして、前扉3に対しメインユニット4が相対向して配置された状態では、情報表示パネル538は上記透視パネル37の後方位置に配置されるようになっており、球使用式回胴遊技機1の前面側から透視パネル37を介して、情報表示パネル538に貼付けられた各種情報が視認可能となる。また、前扉3に対しメインユニット4が相対向して配置された状態では、上記上皿ユニット70の天井カバー76(天板体210及び箱体212)が情報表示装置503の下方に位置する。
また、遊技パネルベース500の背面側右上コーナー部には、図示しないホールコンピュータなどに情報を送信する外部中継端子板547が取着されている。便宜上、図示は省略するが、外部中継端子板547には、各種ケーブルコネクタが接続される外部接続端子が設けられている。また、裏機構ユニット5の背面側右上コーナー部には、外部中継端子板547に対応して孔部548が形成されている。そして、当該孔部548を介して、外部中継端子板547に接続されたケーブルコネクタが外部に引き出されている。
次に裏機構ユニット5について詳細に説明する。図20は裏機構ユニット5の背面側の斜視図であり、図21は裏機構ユニット5の正面側の斜視図であり、図22は裏機構ユニット5の背面図であり、図23は後述する払出制御装置555等を取外した状態の背面図である。
裏機構ユニット5は合成樹脂材料により略矩形状に一体成形された樹脂ベース550を有している。樹脂ベース550は、その略矩形状の外形が上記ベース枠10の外形と略同一形状となっている。
樹脂ベース550のほぼ中央部には、背面側に膨出し前面側が開口した略箱型の保護カバー部551が設けられている。保護カバー部551は、メインユニット4に対応して設けられており、メインユニット4のほぼ全域を囲む大きさを有している。
また、保護カバー部551の下方には、下辺部に沿って左右方向略全域に取付台部552が形成されている。この取付台部552の背面側には払出制御装置555、電源装置556及びカードユニット接続基板557が横並びの状態で搭載されている。
払出制御装置555及び電源装置556は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置555の払出制御基板により、賞品球(賞球)や貸出球(貸球)の払出しが制御される。また、電源装置556の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板557は、球使用式回胴遊技機1前面のカードユニット操作装置72及び図示しない球貸装置(カードユニット)に電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置555に出力する中継基板である。なお、カードユニット操作装置72及びカードユニットを介さずに球貸装置等から上皿71に遊技球が直接貸出される遊技機(現金機)では、カードユニット接続基板557を省略することも可能である。
上記払出制御装置555、電源装置556及びカードユニット接続基板557は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置555では、前述した主制御装置520と同様、基板ボックスを構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット555cによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
電源装置556は、電源スイッチ560、リセットスイッチ561や設定キー挿入部562などを備えている。
電源スイッチ560は、主制御装置520を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチ561は、球使用式回胴遊技機1の各種状態をリセットするためのスイッチである。球使用式回胴遊技機1は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復旧(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ561を押しながら電源スイッチ560をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ560がオンされている状態でリセットスイッチ561を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入部562は、ホール管理者などが出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入部562へ挿入して操作することにより、球使用式回胴遊技機1の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。本実施形態では、図21に示すように裏機構ユニット5の正面側からしか設定キーを挿入できないようになっている。つまり、後述するように裏機構ユニット5を前扉3から開放しない限り設定変更が不能となっており、不正防止対策が施されている。また、設定変更操作は、上記スタートレバースイッチ268により行うように構成されている。
また、樹脂ベース550には、保護カバー部551を迂回するようにして払出機構部565が配設されている。
払出機構部565の最上流部となる樹脂ベース550の上部には、上方に開口したタンク575が設けられている。このタンク575には遊技ホールの島設備に設けられた遊技球供給機構から供給される遊技球が逐次補給される。
タンク575の下方には、複数の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール576が連結され、さらにタンクレール576の下流側には縦向きにケースレール577が連結されている。
ケースレール577の下流側には払出装置578が連設され、この払出装置578により必要個数の遊技球の払出しが適宜行われる。払出装置578から払い出された遊技球は払出樋579を介して遊技球分配部580へ導かれる。遊技球分配部580は樹脂ベース550に一体形成されている。
また、取付台部552には、遊技球分配部580に通じる各種球通路が形成されており、遊技球分配部580により振分けられた遊技球が上皿71、下皿253、又は球使用式回胴遊技機1外部の所定排出部へと導かれる。
また、タンク575から払出樋579に至るまでの払出機構部565は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば黒色の導電性ポリカーボネイト樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
ここからタンク575等について個々に詳しく説明していく。
タンク575は、前後方向よりも左右方向に長く、上方に開口した略箱状に構成されており、その内部に遊技球を貯留するように構成されている。
タンク575の底部には、その左右一側部(本実施形態では球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側)において、遊技球をタンクレール576へ導出するための略矩形状の導出口575aが形成されており、当該タンク575の底部は導出口575aへ向けて下方傾斜している。
タンクレール576は、上方に開口した長尺樋状をなすとともに、長手方向(左右方向)に延びる4列の球通路576aを有している。
ケースレール577は、タンクレール576の4列の球通路576aに対応して4列の球通路577aを備えており、これら球通路577aにより、タンクレール576から流下してくる遊技球を待機(停留)させ、払出装置578へと導く。
払出装置578は、前後に連結された2つの球払出ユニット600により構成されている。ここで払出装置578を構成する2つの球払出ユニット600について説明する。図24は球払出ユニット600の内部構成を説明するための断面図である。
各球払出ユニット600は略直方体形状をなすハウジング601を有している。ハウジング601は複数のハウジング構成部材の連結により構成されている。
ハウジング601内には上下両側に通じる並行した2つの球通路607が形成され、各球通路607の側方において停留機構608が配設されている。なお、本実施形態では、球通路607は、断面略四角形の筒状に形成されており、一般的な遊技球の直径が約11mmであることから、所要の隙間が出来るように球通路607の一辺の長さは約12mmに設定されている。
各球通路607は、ハウジング601上面に開口した開口部615から緩やかに下方傾斜した停留通路部617と、停留通路部617の下流側に連通し略鉛直方向に沿って延びる払出通路部619と、当該払出通路部619の途中から分岐し下方傾斜した球抜き通路部621とから構成されている。そして、ハウジング601下面において払出通路部619及び球抜き通路部621がそれぞれ開口している。
各球払出ユニット600は、各球通路607がそれぞれ対応する上記ケースレール577の球通路577aと連通するように配置される。一方、各球払出ユニット600の下部においては、払出通路部619が払出樋579の第1導出通路579aに連通し、球抜き通路部621が払出樋579の第2導出通路579bと連通するようになっている。
各停留機構608は停留通路部617の下方、払出通路部619の側方(図24の右側)、球抜き通路部621の上方に形成される空間部631に配設されている。各停留機構608はそれぞれ独立して駆動するよう構成されている。
停留機構608は、フリッカー633と、これを駆動させるソレノイド635と、両者を連動させるための駆動伝達部材637とから構成されている。
ソレノイド635は、下方に向けて突出するプランジャ641を備えている。プランジャ641の先端部には、プランジャ641と一体的に上下にスライドするプランジャキャップ643が取着されている。なお、プランジャ641には図示しないコイルばねが取着されており、通常時つまりソレノイド635の非励磁状態においては、プランジャ641が下方へ押下げられている。そして、ソレノイド635が励磁状態となると、プランジャ641が上方へ引き上げられる。
フリッカー633は、支軸647により払出通路部619近傍において回動自在に軸支されている。フリッカー633は略円弧形状をなし、支軸647より上に位置する先端部は先細りしている。
一方、払出通路部619の上端部近傍における空間部631側の壁部には、開口部651が設けられている。そして、フリッカー633が回動することにより、フリッカー633の先端部が開口部651を介して払出通路部619内外へ出没する。フリッカー633の先端部が払出通路部619内へ突出している状態においては遊技球が通過不能となり、それより上流において遊技球が停留されることとなる。
また、フリッカー633の下方には、略く字形状をなす上記駆動伝達部材637が配設されている。駆動伝達部材637は、支軸648により回動自在に軸支されている。駆動伝達部材637の先端部はフリッカー633の下部に係合(遊嵌)されており、駆動伝達部材637の動きに連動してフリッカー633が回動する。
一方、駆動伝達部材637の下部には上記プランジャキャップ643の端部が差し込まれており、プランジャ641の上下動に連動して、駆動伝達部材637、ひいてはフリッカー633が回動することとなる。
また、ハウジング601の側部には、フリッカー633の先端部近傍において球検出センサ664が取着されている。球検出センサ664は、発光素子と受光素子とからなる透過型フォトセンサである。ハウジング601には、上記球検出センサ664の発光素子及び受光素子に対応して透孔677が設けられており、これを介して球検出センサ664は投光又は受光を行う。
また、球通路607における払出通路部619と球抜き通路部621との分岐点には切換え部材679が設けられている。より詳しくは、切換え部材679は、前後方向を軸心として回動可能に設けられており、遊技球を払出通路部619に沿って流下させる払出通路開放位置と、遊技球が通過不能なように払出通路部619を閉じた状態とするとともに、遊技球を球抜き通路部621へ導き当該球抜き通路部621に沿って流下させる球抜き通路開放位置とに回動変位する。
ハウジング601の前面側には、切換え部材679の切換え操作及び上記停留機構608の停留解除操作を行うための操作レバー688が手動操作可能に設けられている。操作レバー688は前後方向を軸心として回動自在となっており、当該操作レバー688を回動操作することにより、切換え部材679が連動して回動する。なお、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て、操作レバー488が右寄りの第1操作位置(図24の二点鎖線で示す位置)にある場合には、切換え部材679が上記払出通路開放位置に位置し、操作レバー688が左寄りの第2操作位置にある場合には、切換え部材679が上記球抜き通路開放位置に位置する。
また、ハウジング601内には、各ソレノイド635(プランジャ641)の下方において作用伝達部材692が配設されている。作用伝達部材692は、上記操作レバー688の動作に連動してプランジャ641を動かすための部材である。作用伝達部材692は前後方向を軸心として回動可能に構成されている。そして、操作レバー688を回動操作することにより、作用伝達部材692が回動するようになっている。より詳しくは、操作レバー688を前記第1操作位置から前記第2操作位置へと回動操作し、作用伝達部材692を回動させることにより、作用伝達部材692がプランジャ641を押し上げることとなる。その結果、ソレノイド635が励磁された場合と同様に、フリッカー633の先端部が払出通路部619外へ没した状態となり、遊技球が流下可能な状態となる。
また、本実施形態では、2つの球払出ユニット600の連結時において、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て手前側の球払出ユニット600の操作レバー688と、奥側の球払出ユニット600の操作レバー688とが連結される構成となっている。これにより、手前側の球払出ユニット600の操作レバー688を回動操作することにより、奥側の球払出ユニット600の操作レバー688も回動操作されることとなる。
ここで、払出装置578(球払出ユニット600)の払出動作及び球抜き動作について説明する。
通常時、各球払出ユニット600では遊技球の流下を規制する規制状態となっており、フリッカー633の先端部が払出通路部619内へ突出した状態となっている。一方、切換え部材679は払出通路開放位置にあり、遊技球が払出通路部619に沿って流下可能な状態となっている。
そして、払出制御装置555からの払出指令に基づき、ソレノイド635が励磁されると、プランジャ641が引き上げられる。これに連動してフリッカー633の先端部が払出通路部619外へ没した状態となり、フリッカー633により制止されていた遊技球が払出通路部619に沿って流下し、上皿71や下皿253へと導かれる。また、球検出センサ664が所定数の遊技球を検出すると、払出制御装置555から停止指令が出て、再びソレノイド635が非励磁状態となり、各停留機構608は上記通常時の状態(規制状態)に戻る。
次に、球払出ユニット600内に停留された遊技球の球抜き作業について説明する。球抜き作業は、出荷時における検査終了後やエラー発生時(故障時)等に行われる。
遊技球を球抜きするためには、まず操作レバー688を反時計回り方向へ回動操作する。この操作レバー688の動きに連動して、切換え部材679が球抜き通路開放位置へと反時計回りに回動変位するとともに、作用伝達部材692が時計回りに回動変位する。その結果、プランジャ641が押し上げられる。そして、ソレノイド635が励磁された場合と同様に、フリッカー633の先端部が払出通路部619外へ没した状態となると、遊技球が流下可能な状態となる。フリッカー633により制止されていた遊技球は、払出通路部619に沿って流下し、切換え部材679によって球抜き通路部621へ導かれ、当該球抜き通路部621及び第2導出通路579bを介して第1排出通路581cへ、ひいては遊技ホールの島設備の所定の排出部などへと導かれる。
また、ハウジング601の側部には、球検出センサ664の下方において払出中継基板W1が設けられている。払出中継基板W1は、球検出センサ664とコネクタW1aを介して電気的に接続され、ソレノイド635とコネクタW1bを介して電気的に接続され、払出制御装置555とコネクタW1cを介して電気的に接続されている。但し、便宜上、図面において電気配線は省略されている。これにより、球払出ユニット600(ソレノイド635)が払出制御装置555からの出力信号に基づいて駆動制御されるとともに、払出制御装置555が球検出センサ664からの入力信号に基づいて払出個数を計数するように構成されている。
次に払出樋579、遊技球分配部580、及び取付台部552に形成された各種球通路について詳しく説明する。上述したように払出樋579は、払出装置578(球払出ユニット600)の払出通路部619と連通する第1導出通路579aと、払出装置578の球抜き通路部621と連通する第2導出通路579bとを備えている。
一方、樹脂ベース550の取付台部552には、遊技球分配部580を介して、第1導出通路579aと連通する第1払出通路581a及び第2払出通路581bが設けられている。第1払出通路581aの他端は上皿71の受口部81と連通し、第2払出通路581bの他端は、下皿253の排出口257と連通している。さらに、取付台部552には、遊技球分配部580を介して、第2導出通路579bと連通する第1排出通路581cが設けられており、当該第1排出通路581cの他端は遊技ホールの島設備の所定排出部などと連通している。これにより、球払出ユニット600の払出通路部619から導出される遊技球は上皿71や下皿253へと導かれ、球抜き通路部621から導出される遊技球は遊技ホールの島設備の所定排出部へと導かれる。
この他、取付台部552には、上記取込装置300により取り込まれた遊技球を島設備の所定排出部などへ導くため、上記前扉3側の排出通路285に連通する第2排出通路581dが設けられている。
次にメインユニット4及び裏機構ユニット5の前扉3(ベース枠10)に対する組付構成について詳細に説明する。これら両ユニット4,5は、ユニット単位で何ら工具等を用いずにベース枠10の背面側に着脱できるよう構成されるとともに、ベース枠10の背面に対し個別に開閉可能に構成されている。これは、メインユニット4だけを交換することで球使用式回胴遊技機1本体を再利用することを主たる目的としている。
図19に示すようにメインユニット4(遊技パネルベース500)の左側部には上下一対の支軸541が設けられており、この支軸541を図8等に示す上下一対の支持孔部542に上方から挿通させることで、メインユニット4がベース枠10に対して開閉可能に支持される。
図21等に示すように裏機構ユニット5(樹脂ベース550)の左側部には上下一対の支軸543が設けられており、この支軸543を図8等に示す上下一対の支持孔部544に上方から挿通させることで、裏機構ユニット5がベース枠10に対して開閉可能に支持される。
また、メインユニット4(遊技パネルベース500)の右側部には上下一対の係止レバー545が設けられている。これに対し、裏機構ユニット5(樹脂ベース550)の右側部には上下一対の係止片546が設けられている。係止レバー545は手動で回動操作できるように構成されており、この係止レバー545を係止片546へ係止させることにより、メインユニット4が裏機構ユニット5に係止される。この状態では両者が一体にベース枠10に対し開閉可能となる。また、係止レバー545を操作することにより係止解除できる。
また、メインユニット4を裏機構ユニット5に係止させた状態では、メインユニット4の背面側が裏機構ユニット5により覆われた状態となり、主制御装置520及びサブ制御装置521が遊技パネルベース500と樹脂ベース550とにより包まれた状態となる。
次に、前扉3の施錠機構及び裏機構ユニット5の施錠機構について説明する。本実施形態では、前扉3は外枠2に対し施錠され、裏機構ユニット5は前扉3に対し施錠される。従って、前扉3は本実施形態における遊技機本体(扉体)を構成し、裏機構ユニット5は扉体を構成する。本実施形態における両施錠機構は、前扉3の背面側に設けられた単一の施錠装置900によって具現化されている。ここで、図26は、施錠装置900の背面図であり、図27は右側面図、図28は左側面図、図29は正面図である。また、図30は、背面側から見た施錠装置900の分解図であり、図31は、側面側から見た施錠装置900の分解図である。
尚、本実施形態では、施錠装置900は、施錠装置900と外枠2の右辺部内側面との間に形成される隙間を埋めることのできる侵入防止部材401を備えているが、当該侵入防止部材401については後述することにして、まず施錠装置900の基本構成について説明する。また、図27、図30、図31、図37では、便宜上、侵入防止部材401の図示を省略している。
後述するように施錠装置900は、前扉3の前面側に露出するシリンダ錠930(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠930の鍵穴932に鍵Kを挿入し、一方に回動操作することで前扉3を解錠でき、他方に回動操作することで裏機構ユニット5を解錠できるようになっている。
施錠装置900は、ベース枠10の背面側において右辺部10dに沿って取付けられている。施錠装置900の外郭を構成する縦長の基枠901は、右辺部10dの背面部に固定される基体としての取付板902と、当該取付板902のベース枠10内方側(窓孔281側)の端縁から後方へ突出した支持板903とを備えており、これらが一体となって横断面略L字状をなしている。
ここで、まず前扉3の施錠機構に関連する部分について説明する。支持板903のベース枠10外方側(図26左側)には、第1摺動杆904及び上下一対の鉤部材905,906が配設されている。第1摺動杆904は、長尺状をなし、支持板903に沿って上下方向に摺動可能に配設されている。
鉤部材905,906は、軸ピン907により支持板903のベース枠10外方側にて回動可能に軸支されている。なお、第1摺動杆904は、図27に示すように、ベース枠10外方側から鉤部材905,906の前端部近傍(図27左側)に重畳するように支持板903に配設されており、当該重畳部分において、第1摺動杆904と鉤部材905,906とが軸ピン909を介して係合されている。これにより、第1摺動杆904の上下方向の摺動変位に連動して、鉤部材905,906が回動変位する。
鉤部材905,906は、その上部に係止凹部905a,906aが形成されるとともに、その後部(図27右側)が支持板903より後方へ突出している。これにより、鉤部材905,906は、支持板903より後方へ突出した部分が鉤状となっており、当該突出部分が係止部(係止爪)として機能する。
これに対し、外枠2の右辺部(右の縦板)内側には、鉤部材905,906が係止される被係止部としての上下一対の受け金具(爪馬)792が設けられている(図5、図35参照)。
また、鉤部材905,906における係止凹部905a,906aより後端側、すなわち鉤部材905,906の頭部は、その後端縁部が上下方向に沿って略直線状に形成されるとともに、その上縁部が略水平方向に沿って略直線状に形成されている。
なお、取付板902には、上下2箇所において、第1摺動杆904のベース枠10外方側への動きを規制する規制突起902aが設けられている。規制突起902aは、第1摺動杆904の取付状態の安定性を高める機能とともに、第1摺動杆904の摺動動作の安定性を高めるガイド部としての機能を備えている。従って、第1摺動杆904は、取付板902の規制突起902aや支持板903の支持突部903aにより左右方向(図26左右方向)への動きを規制され、かつ、鉤部材905,906との係合により前後方向(図27左右方向)への動きを規制されつつ、上下方向へ摺動できるようになっている。
次に裏機構ユニット5の施錠機構について説明する。支持板903のベース枠10内方側(図26右側)には、裏機構ユニット5の施錠機構の主要構成部となる第2摺動杆910が配設されている。
第2摺動杆910は、長尺状をなし、支持板903に沿って上下方向に摺動可能に配設されている。第2摺動杆910は本実施形態における第2摺動部材を構成する。
第2摺動杆910の上部、中部及び下部には、それぞれガイド孔911が設けられている。ガイド孔911は、上下方向に長い長円状をなす。当該ガイド孔911を通してガイドピン912が支持板903に対し固定されている。これにより、第2摺動杆910は、前後方向及び左右方向への動きを規制されつつ、上下方向へ摺動できるようになっている。
また、支持板903の後端縁部にはベース枠10内方側に向け突出したフランジ部913が形成されている。当該フランジ部913には、ベース枠10内方側の端縁部において、上下一対の係合突部915,916が後方に向け突出形成されている。
係合突部915,916に対応して、第2摺動杆910の上下端部には、裏機構ユニット5施錠用の裏機構鉤部917,918が一体形成されている。
裏機構鉤部917,918は、その上部に係止凹部917a,918aが形成されるとともに、その後部がフランジ部913より後方へ突出している。これにより、裏機構鉤部917,918は、フランジ部913より後方へ突出した部分が鉤状となっており、当該突出部分が係止部(係止爪)として機能する。なお、裏機構鉤部917,918は、係合突部915,916と略当接状態となるように、フランジ部913の幅分を考慮し、その付根部において第2摺動杆910の本体部と段差をもって形成されている。
これに対し、裏機構ユニット5(樹脂ベース550)の右側部には係合突部915,916及び裏機構鉤部917,918が挿入される上下一対の鉤受部791が形成されている(図21等参照)。この鉤受部791内には裏機構鉤部917,918が係止される受け金具(爪馬)793が設けられている。
また、裏機構鉤部917,918における係止凹部917a,918aより後端側、すなわち裏機構鉤部917,918の頭部は、その後端縁部が上下方向に沿って略直線状に形成されるとともに、その上縁部が略水平方向に沿って略直線状に形成されている。そして、裏機構鉤部917,918は、通常時、その大部分が係合突部915,916に重畳し、その頭部上端が係合突部915,916より上方へ突出している。
さて、第1摺動杆904及び第2摺動杆910は、弾性手段としてのコイルばねC1により、それぞれ下方又は上方へ付勢されている。そして、後述するシリンダ錠930が操作された場合には、コイルばねC1の引張力に抗して、第1摺動杆904が上方へ、又は第2摺動杆910が下方へ摺動変位する。
より詳しくは、第1摺動杆904の後端縁部には、後述するシリンダ錠930よりやや上方位置において、後方に向け延出した延出部920が形成されている。また、シリンダ錠930とほぼ同一高さ位置において、支持板903には上下方向に延びる長孔921が形成されている。そして、第1摺動杆904の延出部920に設けられたフック部923にコイルばねC1の一端が掛けられるとともに、他端が、長孔921を介して支持板903のベース枠10外方側に露出した第2摺動杆910のフック部924に掛けられている。
通常時、第1摺動杆904は、コイルばねC1の引張力によって、図27に示すような基準位置において保持されている。この状態では、第1摺動杆904に係合された鉤部材905,906は、その前端部が下方に引っ張られ、支持板903に設けられた下規制突起925,926(図31参照)に当接することにより略水平状態に維持されている。なお、下規制突起925,926によって鉤部材905,906の動きが規制されることにより、第1摺動杆904の下方への動作も規制された状態となっている。
そして、第1摺動杆904が上方へ摺動する場合には、これに連動して鉤部材905,906が回動変位する。但し、鉤部材905,906は、支持板903に設けられた上規制突起927,928(図31参照)に当接することにより、それ以上の回動が規制される。この状態では、鉤部材905,906は、その前端側が上に、後端側が下となるよう傾いた状態となる。
従って、鉤部材905,906の回動変位範囲のうち、鉤部材905,906が下規制突起925,926に当接する位置が、鉤部材905,906が受け金具792に係止される係止位置(基準位置)に相当する。これに対し、鉤部材905,906が上規制突起927,928に当接する位置が、鉤部材905,906が受け金具792から離脱する非係止位置に相当する。
一方、第2摺動杆910は、通常時、ガイド孔911の下縁部がガイドピン912に付勢される位置において上方への動作が抑えられた状態で保持されている。つまり、この位置が第2摺動杆910の基準位置となる。この状態では、上述したように裏機構鉤部917,918の上端部が係合突部915,916より上方に突出した状態となっている。
そして、第2摺動杆910が下方へ摺動した場合には、裏機構鉤部917,918の上端部が係合突部915,916より下方に没した状態となる。
従って、裏機構鉤部917,918の摺動範囲のうち、第2摺動杆910のガイド孔911の下縁部がガイドピン912に当接する位置が裏機構鉤部917,918の係止位置(基準位置)に相当する。これに対し、第2摺動杆910のガイド孔911の上縁部がガイドピン912に当接する位置が裏機構鉤部917,918の非係止位置に相当する。
さて、取付板902には、錠部材としてのシリンダ錠930が取付けられており、その前面側は前扉3の前面側に露出している。図32に示すように、シリンダ錠930は、略筒状をなすシリンダ本体931と、シリンダ本体931内部に設けられ、内部に鍵穴932を有してなる錠軸933と、シリンダ本体931の外周に設けられた外筒934とを備えている。
シリンダ錠930は、取付板902の取付孔902bに対しシリンダ本体931を挿通した状態で、フランジ部935を取付板902の背面側にネジ止めすることにより固定されている。
シリンダ本体931には、該シリンダ本体931の内外を連通する上下8つずつ、合計16個の透孔936が形成されている。これに対応して、錠軸933にも、各透孔936と連通する16個の透孔938が形成されている。かかる透孔938の鍵穴932側は、後述するピン944等の収容部材が鍵穴932内に脱落しないように他の部位よりも小径に形成されている。
各透孔936内には、それぞれバネ939が収容されている。バネ939の一端は前記外筒934に当接し、他端には台座941が連結されている。また、各透孔938内には、前記台座941に支持されるようにして、複数のスペーサ942,943及びピン944が収容されている。そして、これらピン944、スペーサ942,943、台座941は、バネ939の伸縮によって各透孔936,938内を上下動可能となっている。このうち、ピン944は、前記透孔938の鍵穴932側の小径部を介して鍵穴932内に出没可能となっている。
上記構成により、鍵穴932内への鍵Kの挿入時には、当該鍵Kの上下両側の凹凸形状に沿って各ピン944等が上下動する。そして、鍵Kの挿入完了状態にあっては、図33に示すように各ピン944がそれぞれ鍵Kの溝に入り込んだ状態となり、ピン944の基端面、又は、スペーサ942若しくは943の一方の端面と、錠軸933の外周面とが面一になる。これにより、鍵Kの挿入完了状態にあっては、鍵Kの回動操作に伴って錠軸933が回動可能となる。つまり、このシリンダ錠930は、少なくとも鍵穴932に鍵Kを挿し込まない限り錠軸933を回動させることができない内部構造となっている。
また、錠軸933の後端部には、鍵穴932に挿入された鍵Kの回動動作(シリンダ錠930のキー操作)を第1摺動杆904又は第2摺動杆910に伝達する係合部材としてのカム板945が固定されている。
カム板945は、図34に示すように上下一対の上係合爪945a及び下係合爪945bを備えている。これらの係合爪945a,945bは、カム板945の回動方向に所定間隔を置いて形成されるとともに、前後方向にずれて形成されている。より詳しくは、上係合爪945aが下係合爪945bよりも後方に位置している(図27等参照)。
これに合わせて、第1摺動杆904には、上係合爪945aが出入可能な上係合孔947と、下係合爪945bが出入可能な下係合孔948とが形成されている。また、支持板903には、両係合爪945a,945bが出入可能な透孔950が形成されている。さらに、第2摺動杆910には、その前端縁部において、上係合爪945aが係合可能な係合凹部951が形成されている。また、その下方位置には、下係合爪945bの動作を妨げないように切欠き部952が形成されている。
なお、第1摺動杆904側では、上方に位置する上係合孔947の上下方向の形成区間が、下方に位置する下係合孔948の形成区間よりも比較的長めに設定されている。これに対し、第2摺動杆910側では、下方に位置する切欠き部952の上下方向の形成区間が、上方に位置する係合凹部951の形成区間よりも比較的長めに設定されている。これは、後述するように第1摺動杆904又は第2摺動杆910の一方をカム板945が摺動させる際に、上係合爪945a又は下係合爪945bを他方に接触させないようにして、他方を摺動させないようにするためである。
上記構成のもと、図34(a)に示すように、錠軸933及びカム板945が基準位置にある場合には、上係合爪945aが第1摺動杆904の上係合孔947及び第2摺動杆910の係合凹部951に挿通状態となっている。一方、下係合爪945bは、第1摺動杆904の下係合孔948に挿通状態となるとともに、第2摺動杆910の切欠き部952の前方に位置している。
上述したように、本実施形態のシリンダ錠930は、鍵穴932に鍵Kの挿入がない場合には錠軸933及びカム板945を回動させることができない状態(ロック状態)となるため、カム板945が基準位置にある場合には、係合爪945a,945bにより第1摺動杆904及び第2摺動杆910の摺動が規制されることとなる。例えば、仮に鍵Kを用いずに(シリンダ錠930のキー操作を行わずに)、基準位置にある第1摺動杆904に対し線材等を不正に引っ掛けて、当該第1摺動杆904に対し解錠方向への外力がかけられた場合には、下係合爪945bが第1摺動杆904の下係合孔948の下縁部に引っ掛かり、第1摺動杆904の解錠方向への摺動変位が、下係合孔948の遊び長を除き実質的に規制される。
また、施錠装置900には、シリンダ錠930の背面側を覆うカバー部材としての施錠カバー955がネジ等の固定手段により取付固定されている。但し、図26〜図29においては、便宜上、図示を省略している。施錠カバー955によって、カム板945及びこれと第1摺動杆904との係合部が覆われている。
さらに本実施形態では、鍵Kを用いずに前扉3を無理に閉じようとした場合に、鉤部材905,906が受け金具792に衝突して、当該鉤部材905,906や受け金具792が変形や破損してしまうのを防止するために、合成樹脂材料により形成された保護部材960が上下2箇所に設けられている。
図36に示すように、保護部材960は、その本体部961が略直方体形状に形成されており、その上端部近傍にてネジ962により取付板902に対し軸支されている。これにより、保護部材960は、下端側が自由端となって回動可能となっている。
また、保護部材960の回動軸には、付勢手段としてのねじりバネ963が組付けられている。ねじりバネ963は、その一端が保護部材960に固定され、他端が取付板902のベース枠10外方側の端縁部に沿って形成されたフランジ部964に当接している。これにより、保護部材960は、通常時(保護部材960に外力が加わっていない状態)には、ねじりバネ963の弾性力により、下端部が取付板902からベース枠10外方側へ突出した状態となる〔図36(a)参照〕。
本体部961の支持板903側には、上下一対の係合片965,966が突出形成されている。下係合片966の突出長は、上係合片965の突出長よりも長く設定されている。
係合片965,966に対応して、第1摺動杆904には、係合片965,966が出入可能な一対の係合孔967,968が形成されている。また、支持板903には、第1摺動杆904の下係合孔968を介して、下係合片966が出入可能な係合孔971が形成されている。また、第2摺動杆910には、支持板903の係合孔971を介して、下係合片966が出入可能な係合凹部972が形成されている。
保護部材960の上係合片965は、常時、第1摺動杆904の上係合孔967に挿通状態にある。これに対し、下係合片966は、通常時、図36(a)に示すように、第1摺動杆904の下係合孔968には挿通されつつも、支持板903の係合孔971及び第2摺動杆910の係合凹部972からは抜け出た状態となる。そして、図36(b)に示すように、保護部材960が回動することにより、保護部材960の下係合片966は、第1摺動杆904の下係合孔968を介して、支持板903の係合孔971及び第2摺動杆910の係合凹部972に挿通した状態となる。
また、保護部材960の本体部961には、ベース枠10外方側の下部及びベース枠10内方側の上部において、それぞれコーナー部を面取りしたような下部テーパ部975及び上部テーパ部976が形成されている。両テーパ部975,976は略平行に形成されている。そして、図36(a)に示すように、通常時には、上部テーパ部976が第1摺動杆904に面接触した状態で当接し、下部テーパ部975はフランジ部964に略平行状態で取付板902の外方に位置している。
また、本実施形態における保護部材960の厚み(前後幅)は、後述するように当該保護部材960が外枠2と前扉3との間に挟まった際、鉤部材905,906と受け金具792とが接触しない厚みに設定されている。
次に、施錠装置900の作用について詳しく説明する。先ず前扉3の施錠及び解錠について詳しく説明する。前扉3の施錠状態においては、図37(a)に示すように、第1摺動杆904が基準位置をとることにより、鉤部材905,906が外枠2の受け金具792の背面側にて係止され、前扉3の開放が規制されている。
前扉3が外枠2に施錠された状態では、保護部材960が(後述する侵入防止部材401の当接部403を介して)外枠2の内周面に押えられているため、当該保護部材960は、上述したように下係合片966が第1摺動杆904の下係合孔968を介して、支持板903の係合孔971及び第2摺動杆910の係合凹部972に挿通された状態となっている〔図36(b)参照〕。これにより、前扉3の施錠時においては第2摺動杆910の下方摺動が規制された状態となる。つまり、前扉3が外枠2に施錠された状態では、カム板945を球使用式回胴遊技機1の正面側から見て反時計回り方向に回動させるキー操作を行うことができず、後述するような前扉3に対する裏機構ユニット5の解錠を行えない構成となっている。
そして、前扉3を解錠する際には、シリンダ錠930の鍵穴932に鍵Kを挿入し、球使用式回胴遊技機1の正面側(図1参照)から見て時計回り方向に回動させる。これにより、カム板945が同方向に回動して、下係合爪945bが第1摺動杆904の下係合孔948の上縁部に接触する〔図34(b)参照〕。但し、図34は、球使用式回胴遊技機1の背面側から見た図であるため、カム板945の回動方向は反時計回り方向となっている。
その後、さらにカム板945を回動させていくに従って、下係合爪945bがコイルばねC1の引張力に抗して第1摺動杆904を上方へ押し上げていく。同時に、上係合爪945aは第1摺動杆904及び第2摺動杆910に作用を及ぼすことなく、第1摺動杆904の上係合孔947、支持板903の透孔950及び第2摺動杆910の係合凹部951から抜け出した状態となる。この際、下係合爪945bが前方に位置する第2摺動杆910の切欠き部952には、下係合爪945bが上方へ変位するスペースが確保されているため、第1摺動杆904を押し上げていく過程において、下係合爪945bが第2摺動杆910に当接せず、その動作が妨げられないようになっている。
第1摺動杆904が上方へ摺動すると、図37(b)に示すように、鉤部材905,906が回動し、外枠2側の受け金具792との係合が解除される。これにより、前扉3が解錠され、前扉3の開放が許容される。
また、前扉3が開放された時点で、鍵Kを操作する手の力を緩めると、コイルばねC1の引張力により、第1摺動杆904は下方へ引き下げられ、基準位置に復帰する。これに伴い、カム板945及び錠軸933も基準位置に復帰する。
前扉3が開放された場合、保護部材960は、ねじりバネ963の弾性力により、下端部が取付板902からベース枠10外方側へ突出した状態となる〔図3等参照〕。この位置が本実施形態における保護部材960の第1位置(外位置)に相当する。尚、前扉3が開放された場合、前扉3の周縁部(ベース枠10の右辺部10d)よりも外方に突出することとしてもよい。
上述したように、本実施形態では、シリンダ錠930の鍵穴932に鍵Kが挿入されていない場合には、第1摺動杆904の摺動が規制されるため、開状態にある前扉3を施錠する際には、鍵Kを用いなければ施錠を行うことができない。
従って、開状態にある前扉3を施錠する際には、鍵Kを用いてシリンダ錠930を操作し、鉤部材905,906を非係止位置、すなわち外枠2側の受け金具792によって妨げられない位置に変位させた状態で前扉3を閉じていき、鉤部材905,906の頭部が受け金具792を越えて前扉3を完全に閉じた状態とした上で、鉤部材905,906を係止位置へ戻すといった方法がとられる。
この際、第1摺動杆904が上方へ摺動することにより、保護部材960は、その上係合片965が第1摺動杆904の上係合孔967の下縁部によって上方へ押し上げられることで回動し、図36(b)に示すように取付板902の内側に収容された状態となる。従って、前扉3を閉じていく際に、保護部材960が邪魔にならない構成となっている。この位置が本実施形態における保護部材960の第2位置(内位置)に相当する。
これに対し、仮に鍵Kを用いずに開状態にある前扉3を閉じようとした場合には、前扉3を閉じていく過程で、保護部材960が前扉3と外枠2との間に挟まった状態となり、前扉3を完全な閉状態とすることはできない。
次に裏機構ユニット5の施錠及び解錠について詳しく説明する。裏機構ユニット5の施錠状態においては、図37(a),(b)に示すように、第2摺動杆910が基準位置をとることにより、裏機構鉤部917,918が裏機構ユニット5側の受け金具793の背面側にて係止され、裏機構ユニット5の開放が規制されている。
そして、裏機構ユニット5を解錠する際には、前扉3を開放した状態で、シリンダ錠930の鍵穴932に鍵Kを挿入し、球使用式回胴遊技機1の正面側から見て反時計回り方向に回動させる。これにより、カム板945が同方向に回動して、上係合爪945aが第2摺動杆910の係合凹部951の下縁部に接触する〔図34(c)参照〕。但し、図34は、球使用式回胴遊技機1の背面側から見た図であるため、カム板945の回動方向は時計回り方向となっている。
その後、さらにカム板945を回動させていくに従って、上係合爪945aがコイルばねC1の引張力に抗して第2摺動杆910を下方へ押し下げていく。同時に、下係合爪945bは第1摺動杆904及び第2摺動杆910に作用を及ぼすことなく、第1摺動杆904の下係合孔948、支持板903の透孔950及び第2摺動杆910の切欠き部952の前方位置から抜け出した状態となる。この際、上係合爪945aが挿通された第1摺動杆904の上係合孔947の下部には、上係合爪945aが下方へ変位するスペースが確保されているため、第2摺動杆910を押し下げていく過程において、上係合爪945aが第1摺動杆904に当接せず、その動作が妨げられないようになっている。
第2摺動杆910が下方へ摺動すると、図37(c)に示すように、裏機構鉤部917,918と裏機構ユニット5側の受け金具793との係合が解除され、裏機構ユニット5の開放が許容される。また、裏機構ユニット5が開放された時点で、鍵Kを操作する手の力を緩めると、コイルばねC1の引張力により、第2摺動杆910は上方へ引き上げられ、基準位置に復帰する。これに伴い、カム板945及び錠軸933も基準位置に復帰する。
また、開状態にある裏機構ユニット5を施錠する際には、前扉3の場合と同様に、鍵Kによる施錠操作を要する。仮に鍵Kを用いずに開状態にある裏機構ユニット5を閉じた場合には、裏機構鉤部917,918の先端側縦縁部(後端縁部)と受け金具793の前面部とが面接触するようにぶつかることとなる。従って、第2摺動杆910は下方へ摺動せず、裏機構ユニット5を閉状態とすることはできない。なお、裏機構鉤部917,918は、第2摺動杆910に一体形成されているため、受け金具793に衝突した場合でも、鉤部材905,906のような構成に比べ変形等は発生しにくい。
さて、本実施形態では、前扉3の閉鎖状態において、外枠2の前面と前扉3の背面とが当接状態とされる。このため、前扉3を閉鎖状態とするためには、前扉3の背面側に設けられた施錠装置900や制御基板等の各種部材を、外枠2の内側に挿通させる必要がある。特に、前扉3は、球使用式回胴遊技機1の正面から見て、外枠2の左辺部側にて開閉可能に支持されており、回動するようにして開閉されるため、前扉3の右辺部10dに沿って設けられた施錠装置900を外枠2の右辺部前面に当てずに外枠2の内側に挿通させるためには、外枠2の右辺部の内側面と施錠装置900との間に隙間を設けておく必要がある。
ところが、外枠2の内側面と施錠装置900との間に隙間が形成される場合、前扉3と外枠2との間に無理やりねじ込んだ金属片や線材等を、かかる隙間から球使用式回胴遊技機1の内部に侵入させ、前扉3を不正解錠する等の行為が行われるおそれがある。このため、本実施形態では、外枠2の右辺部内側面と施錠装置900との間に形成される隙間を極力小さくすることのできる侵入防止部材401が設けられる。以下、侵入防止部材401について図面を参照しつつ説明する。
図38、図39等に示すように、侵入防止部材401は、基体としての取付板902の前面に沿ってスライド可能に配設された長板状のスライド部402と、スライド部402のベース枠10外方側の端縁(図26では左側の端縁)から後方に延出する当接部403とを備え、これらが一体となって横断面略L字状をなしている。スライド部402は、その縦幅が取付板902の縦幅よりも若干短くなっており、その横幅が取付板902の横幅の約2/3程度となっている。本実施形態では、スライド部402が板状部を構成する。
スライド部402の背面には、後方に突出する摺動突起411、及び操作片412が固定されており、摺動突起411、及び操作片412は、取付板902に形成された横長の摺動孔413、及び連通孔414に係合状態で挿通されている。これにより、侵入防止部材401(スライド部402)が取付板902に対して左右方向にスライド可能に取付けられている。
また、操作片412に関しては、上下の保護部材960(保護部材)と対応する位置に設けられており、シリンダ錠930のキー操作が行われ、保護部材960が取付板902の内側に引っ込むようにして図26、図36(a),(b)の反時計回りに回動する際には、当該保護部材960と操作片412とが当接するようになっている。さらに、保護部材960が操作片412と当接した後も同方向に回動することで、操作片412が窓孔281側(図26,図36においては右側)に押され、侵入防止部材401が窓孔281側にスライドさせられることとなる。尚、保護部材960はシリンダ錠930のキー操作に連動して回動することから、シリンダ錠930のキー操作を行うことで侵入防止部材401を窓孔281側に引っ込めることができる。
図36(b)、図41等に示すように、本実施形態では、侵入防止部材401は、当接部403と取付板902(フランジ部964)とが当接する位置まで窓孔281側にスライド可能である。このように、当接部403と取付板902とが当接した状態においては、侵入防止部材401(施錠装置900)と外枠2の右辺部との間に形成される隙間が大きくなる。従って、侵入防止部材401が外枠2と当接不能な位置となり、侵入防止部材401を外枠2に当接させることなく前扉3を開閉することができる。本実施形態では、当接部403と取付板902とが当接し、侵入防止部材401と外枠2とが当接不能となったときの状態が、侵入防止手段の第1の状態に相当する。
また、図36(a)に示すように、シリンダ錠930のキー操作が行われていない状態においては、侵入防止部材401の当接部403と、取付板902からベース枠10外方側に突出する保護部材960の下端部とが当接するようになっている。より詳しくは、上記のように、保護部材960は、ねじりバネ963(付勢手段)によって取付板902からベース枠10外方側に突出するように付勢されており、この保護部材960が当接部403に当接することによって、侵入防止部材401がベース枠10外方側に付勢されることとなる。このため、侵入防止部材401(スライド部402)は、常には取付板902からベース枠10外方側に突出した状態とされる。尚、本実施形態では、保護部材960及びねじりバネ963が状態変化手段に相当する。
図40等に示すように、侵入防止部材401は、前扉3の閉鎖状態においては、外枠2の右辺部内側面と当接部403とが当接する位置まで、ベース枠10外方側にスライド可能である。このように、当接部403(スライド部402の先端部)と外枠2右辺部内側面とが当接することで、侵入防止部材401(施錠装置900)と外枠2の右辺部との間に形成される隙間が埋められる。
尚、図42に示すように、侵入防止部材401は、前扉3が開放状態にあるときには、前扉3が閉鎖状態にあるときよりも、ベース枠10外方側に大きく突出可能となっている。このように構成することで、上記のように保護部材960を確実に外枠2の右辺部前面に当接させることができる。また、外枠2や前扉3の製造誤差、外枠2の変形等に起因して、外枠2の右辺部と施錠装置900(取付板902)との間の距離が若干広がるような場合であっても許容することができ、外枠2の右辺部内側面と侵入防止部材401とを確実に当接させることができる。尚、本実施形態では、侵入防止部材401(当接部403)と外枠2の右辺部とが当接可能であるときの状態が、侵入防止手段の第2の状態に相当する。
ここで、前扉3(ベース枠10)のうち施錠装置900が配設される部位について、図38を参照しつつ説明する。同図に示すように、ベース枠10背面の右側部(図38では左側の部位)には、後方に突出する台座部431が設けられている。台座部431は、窓孔281の右側部に対応して上下に延在する窓壁部441に沿って形成された段差部442と、段差部442の所定部位からベース枠10外方側に延びる複数の横壁部433とを備えている。施錠装置900の取付状態においては、取付板902のうち、窓孔281側1/3程度の部位が段差部442背面と当接状態とされる。これにより、取付板902のうち、ベース枠10外方側2/3程度の部位の前面とベース枠10背面との間にスペースが形成されることとなる。また、本実施形態では、上記のように横壁部433を設け、取付板902のうちベース枠10外方側の部位を所々横壁部433の背面に当接させて支持することで、施錠装置900の取付状態の安定化を図っている。
また、段差部442背面にはねじ穴437が形成されており、取付板902の前面と台座部431とを当接させ、取付板902に形成された取付孔451とねじ穴437とを位置合わせし、ねじ固定することで、施錠装置900が前扉3に取付固定される。尚、前扉3の背面(ベース枠10及び装飾枠11)のうち横壁部433よりもベース枠10外方側には、前扉3の閉鎖状態において、外枠2の右辺部前面と面当接する平坦面が確保されている。
次に、台座部431に取付板902を当接固定することで取付板902前面とベース枠10背面との間に形成されたスペースに対して挿通状態とされるスライド部402の形状について説明する。スライド部402には、ベース枠10背面に突設された横壁部433、取付板902から前方に突出するシリンダ錠930(シリンダ本体931)、及び施錠カバー955を取付板902に係止するための係止部等の、スライド部402のスライド軌道上に位置する部材を避けるようにして、切欠き部471が形成されている。当該切欠き部471の存在により、取付板902とベース枠10との間に形成されるスペースへのスライド部402の挿通が許容される。
以上のような構成を採用することで、取付板902前面に対して侵入防止部材401をスライド可能に設けても、施錠装置900を前扉3に取付固定することができる。
また、図35等に示すように、本実施形態では、外枠2の右辺部の前端部から、外枠2内側に突出する接触防止手段としてのリブ481が設けられている。図40に示すように、リブ481は、前扉3の閉鎖状態において、侵入防止部材401のスライド部402よりも前方に位置するとともに、前扉3が施錠状態とされ、侵入防止部材401が外枠2の右辺部内側面と当接状態となったときには、当該リブ481の後面とスライド部402の前面とが略当接するようになっている。
次に、開放状態にある前扉3を閉鎖する際の侵入防止部材401等の動きについて説明する。まず、前扉3を閉鎖する際には、前扉3を解錠するときと同様のシリンダ錠930のキー操作を行う。これにより、鉤部材905,906が非係止位置へと変位するとともに、保護部材960が取付板902内側に引っ込むようにして回動する。さらに、保護部材960の回動に連動して、侵入防止部材401が当接部403において取付板902と当接するまで窓孔281側にスライドする(図36(b)参照)。これにより、図41に示すように、侵入防止部材401と外枠2との間隔が広がり、保護部材960及び侵入防止部材401と外枠2とを当接させることなく、前扉3を閉めることができる。
上記のように前扉3を閉鎖した後、シリンダ錠930のキー操作をやめる(鉤Kから手を放す)と、鉤部材905,906と受け金具792とが係合して施錠が行われるとともに、ねじりバネ963の付勢力により保護部材960が取付板902からベース枠10外方側に突出するようにして回動する。さらに、図40に示すように、当該保護部材960の回動に連動して、侵入防止部材401が当接部403において外枠2の右辺部内側面と当接するまで、取付板902からベース枠10外方側に突出するようにしてスライドする。
尚、シリンダ錠930のキー操作が行われていない状態においては、図42に示すように、保護部材960及び侵入防止部材401が取付板902からベース枠10外方側に突出した状態となっている。この状態で開放されている前扉3を閉じようとしても、保護部材960が外枠2の右辺部前面(本例ではリブ481)に当接して前扉3を閉鎖できない。尚、シリンダ錠930のキー操作を行うことなく前扉3を閉めていく場合には、上記のように、侵入防止部材401よりも先に保護部材960の後面が外枠2の右辺部の前面と当接し、侵入防止部材401と外枠2前面とが当接することはない。また、前扉3の閉鎖状態においてシリンダ錠930のキー操作が行われていない場合には、侵入防止部材401のうちスライド部402前面の先端部がリブ481の背面と当接して係合されるため、施錠状態の安定化が図られる。
以上詳述したように、本実施形態では、侵入防止部材401によって、施錠装置900と外枠2の右辺部との間に形成される隙間を狭めたり広げたりすることができる。より詳しくは、前扉3の閉鎖状態において、侵入防止部材401をベース枠10外方側にスライドさせ、侵入防止部材401と外枠2の右辺部とを当接させることで、前記隙間を極力なくすことができる。これにより、前記隙間から金属片や線材等を球使用式回胴遊技機1内部に侵入させるといった行為を困難、又は不可能とすることができる。結果として、前扉3の不正解錠等に対する防御性能を高めることができる。一方、侵入防止部材401を窓孔281側にスライドさせ、当接部403と取付板902とを当接させることで、前記隙間が広げられ、侵入防止部材401と外枠2とを当接させることなく前扉3を開閉することができる。
また、侵入防止部材401は、ねじりバネ963によってベース枠10外方側に付勢されている保護部材960によってベース枠10外方側に付勢されているため、前扉3を閉鎖し、シリンダ錠930の鍵Kから手を放すことで、自動的に侵入防止部材401が外枠2右辺部内側面と当接した状態となる。従って、前扉3が施錠状態とされたにもかかわらず、侵入防止部材401がベース枠10外方側に移動せずに、侵入防止部材401と外枠2右辺部との間に隙間が形成されているといった事態を回避することができ、前扉3の不正解錠等に対する防御性能を高めるといった作用効果が確実に奏される。また、侵入防止部材401が自動的にベース枠10外方側に移動するといった構成を採用することで、侵入防止部材401を取付板902からベース枠10外方側に突出させるべく、作業者が直接侵入防止部材401を押圧するといった作業を行う必要がなく、作業性の向上が図られる。加えて、侵入防止部材401が常にベース枠10外方側に付勢されることから、付勢されていない場合に比べ、侵入防止401に対して窓孔281内周側に直接力を加えたときに、侵入防止部材401を動かしにくくなる。結果として、侵入防止部材401を動かして施錠装置900と外枠2との間の隙間を広げ、金属片や線材等を球使用式回胴遊技機1内部に侵入させるといった行為をより困難なものとすることができる。また、球使用式回胴遊技機1が振動する等何らかのはずみで、侵入防止401が窓孔281内周側にスライドしてしまうといったおそれを防止することができる。
さらに、保護部材960の存在により、開放状態にある前扉3を閉じる際に、侵入防止部材401と前扉3とが当接してしまうといった事態を回避することができる。結果として、侵入防止部材401が変形、破損してしまうといったおそれを防止することができる。
加えて、本実施形態では、保護部材960を利用して侵入防止部材401を左右方向にスライドさせている。つまり、シリンダ錠930のキー操作を行うことで、鉤部材905,906を非係止位置へと変位させるのはもちろんのこと、保護部材960及び侵入防止部材401を外枠2の右辺部と当接しない位置へと変位させることができる。従って、侵入防止部材401をスライドさせるために、前扉3の開閉作業性が低下したり、構成が複雑化を招いたりしてしまうといった事態を抑止することができる。
また、侵入防止部材401は、スライド部402と取付板902前面とが摺接するようにして、左右方向にスライド可能に設けられている。上記のように、施錠装置900には取付板902の前面側よりも背面側に対して多数の部材(保護部材960、施錠カバー955、シリンダ錠930のフランジ部935やカム板945等)が配置されるため、侵入防止部材401を取付板902の背面側においてスライドさせる場合に比べ、侵入防止部材401に対して形成する切欠き部471の面積を小さくすることができる。従って、切欠き部471を介して、球使用式回動遊技機1内部に金属片や線材等を侵入させるといった不正行為を抑制することができる。
また、前扉3の施錠状態において、当接部403の前方を覆うリブ481が設けられることにより、侵入防止部材401の当接部403(スライド部402の突出側先端部)に対し、前扉3と外枠2との間から不正に球使用式回胴遊技機1の内部に侵入させた金属片や線材等を引っ掛けて、侵入防止部材401を窓孔281側にスライドさせるといった行為を防止することができる。従って、侵入防止部材401に対して直接力を加えることで侵入防止部材401(施錠装置900)と外枠2内側面との間に隙間を形成し、当該隙間から線材等を球使用式回胴遊技機1内部に侵入させるといった不正行為を抑止することができる。
次に球使用式回胴遊技機1の電気的構成について詳しく説明する。図25は、球使用式回胴遊技機1の電気的構造を示したブロック図である。但し、便宜上、各種中継基板については図示を省略している。
球使用式回胴遊技機1の主制御装置520には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU801が搭載されている。CPU801には、該CPU801により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM802と、そのROM802内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM803と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM803は、球使用式回胴遊技機1の電源のオフ後においても電源装置556からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM803には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア803aが設けられている。
バックアップエリア803aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時に球使用式回胴遊技機1の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア803aへの書き込みは、所定の停電時処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア803aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の所定の復電時処理において実行される。なお、CPU801のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路842から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電時処理が即座に実行される。
かかるROM802及びRAM803を内蔵したCPU801には、アドレスパス及びデータパスで構成されるバスライン804を介して入出力ポート805が接続されている。
入出力ポート805には、後述するリセットスイッチ回路843、払出制御装置555、スタートレバースイッチ268、ストップボタンスイッチ271,272,273、マックスベットスイッチ75、1ベットスイッチ274、カウント表示部533、ベット数表示部534、取込装置300、有効ライン表示部516,517,518、その他図示しない電気機器などが接続されている。
サブ制御装置521は、ランプやスピーカ等を制御するための制御装置であり、演算装置であるCPU851、該CPU851により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM852、該ROM852内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM853、入出力ポート854、バスライン855を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM853は、CPU851による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート854には、バスライン855を介してCPU851、ROM852、RAM853が接続されるとともに、液晶表示装置501、各ランプ表示部41,47,53、スピーカ42,51、第1演出スイッチ277、第2演出スイッチ278等が接続されている。
サブ制御装置521のCPU851は、例えば主制御装置520から送信される指令信号に基づいて種々の演出を実行する。例えば、液晶表示装置501において、後述するビッグボーナスフラグ等の成立を報知する「ナビゲーション表示」や、ビッグボーナスフラグの成立時に小役フラグ等の成立と思わせる「ナビゲーション外れ表示」といった補助演出表示を行う。
また、払出制御装置555は、上記払出装置578により賞球や貸球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU811は、そのCPU811により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM812と、ワークメモリ等として使用されるRAM813とを備えている。
払出制御装置555のRAM813は、前述した主制御装置520のRAM803と同様に、球使用式回胴遊技機1の電源のオフ後においても電源装置556からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM813には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア813aが設けられている。
バックアップエリア813aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時に球使用式回胴遊技機1の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア813aへの書き込みは、所定の停電時処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア813aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の所定の復電時処理において実行される。
かかるROM812及びRAM813を内蔵したCPU811には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン814を介して入出力ポート815が接続されている。
入出力ポート815には、リセットスイッチ回路843、主制御装置520、払出装置578などがそれぞれ接続されている。
また、電源装置556は、球使用式回胴遊技機1の各部に電力を供給するための電源部841と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路842と、リセットスイッチ561に接続されてなるリセットスイッチ回路843と、設定キー挿入部562に接続されてなる設定キー回路844とを備えている。
電源部841は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置520、サブ制御装置521、払出制御装置555等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部841は、外部より供給される交流24ボルト電源〔AC24V=主電源(外部電源)〕を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置520等に対して供給する。
停電監視回路842は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置520のCPU801及び払出制御装置555のCPU811の各NMI端子へ停電信号SK1を出力するための回路である。停電監視回路842は、電源部841から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置520及び払出制御装置555へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置520及び払出制御装置555は、停電の発生を認識し、停電時処理を実行する。
なお、電源部841は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置520及び払出制御装置555は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
リセットスイッチ回路843は、リセットスイッチ561のスイッチ信号を取り込み、そのリセットスイッチ561の状態に応じて主制御装置520のRAM803及び払出制御装置555のRAM813のバックアップデータをクリアするための回路である。リセットスイッチ561が押下された際、リセットスイッチ回路843は、リセット信号SK2を主制御装置520及び払出制御装置555に出力する。リセットスイッチ561が押下された状態で球使用式回胴遊技機1の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置520及び払出制御装置555においてそれぞれのRAM803,813のデータがクリアされる。
設定キー回路844は、設定キー挿入部562への設定キーの挿入を検知し、その旨を主制御装置520のCPU801に認識させるための回路である。設定キー挿入部562に対しキー挿入があると、設定キー回路844は、キー入力信号SK3を主制御装置520に出力する。これに基づき、主制御装置520は設定変更を許可する。
次に、球使用式回胴遊技機1の遊技に係る制御について説明する。主制御装置520は、各種遊技制御として、「小役抽選」、「小役制御」「リプレイゲーム抽選」「リプレイゲーム制御」「ビッグボーナス抽選」「ビッグボーナス制御」「ビッグボーナス中抽選」、「リール制御」等の処理を実行する。
小役抽選では、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、小役払出条件が成立したか否かの抽選が行われ、これによって小役フラグの成立の有無が決定される。なお、小役抽選は、他の抽選とともに、遊技球の投入個数(ベット数)に応じて変化するよう構成されており、概して投入個数が多い程遊技者に有利な抽選結果が得られるようになっている。
小役制御では、通常遊技中に小役フラグが成立している場合、各リール511〜513の停止時に、後述する小役成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的に小役図柄を有効ライン上に停止させる制御が行われる。
リプレイゲーム抽選では、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、リプレイゲーム移行条件が成立したか否かの抽選が行われ、これによってリプレイフラグの成立の有無が決定される。
リプレイゲーム制御では、通常遊技中にリプレイフラグが成立している場合、各リール511〜513の停止時に、後述するリプレイ成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にリプレイ図柄を有効ライン上に停止させる制御が行われる。そして、有効ライン上にリプレイ図柄が停止することを条件に、次回の遊技を無償で行うことができるようにする。勿論、このリプレイゲームが行われる場合にも各種抽選は実行されている。
ビッグボーナス抽選では、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、ビッグボーナス移行条件が成立したか否かの抽選が行われ、これによってビッグボーナス成立フラグの有無が決定される。
ビッグボーナス制御では、通常遊技中にビッグボーナスフラグが成立している場合、各リール511〜513の停止時に、後述するビッグボーナス成立テーブルの内容を参照しつつ、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にビッグボーナス図柄を有効ライン上に停止させる制御が行われる。そして、有効ライン上にビッグボーナス図柄が停止することを条件に通常遊技からビッグボーナスゲームに移行させ、予め設定された最大獲得賞球数(本実施形態では2325個)を上限として、その後、原則的には元の通常遊技状態に復帰させる制御が行われる。
ビッグボーナス中抽選では、ビッグボーナス中において、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、小役図柄の抽選及びジャックインの抽選が行われ、小役フラグ及びジャックインフラグの成立の有無が決定される。
そして、ビッグボーナス中は、前記ビッグボーナス制御により、小役フラグの成立に基づく所定の小役図柄を有効ライン上に揃わせるべく小役成立テーブルを参照しつつ各リール511〜513を半強制的に引き込み停止する制御が行われる。また、ジャックインフラグの成立に基づきジャックインさせるべく、リプレイ成立テーブルの内容を参照しつつ、各リール511〜513を半強制的に引き込み停止する制御が行われる。
ジャックインとは、ビッグボーナスゲーム中に所定のジャックインゲームを実行させる状態であり、具体的には「リプレイ」図柄が揃うことによって生じる。従って、ジャックイン実行のためにビッグボーナス制御では、ジャックイン図柄(リプレイ図柄)を有効ライン上に揃わせるべく各リール511〜513を半強制的に引き込み停止する制御が行われる。ジャックインされるとジャックインゲームが実行される。
このジャックインゲーム中は、有効ラインが1ライン(中央ライン)のみとされている。ジャックインゲーム中においては、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、所定の図柄(ここでは、リプレイ図柄)の抽選を行う。かかる図柄の抽選は、通常の抽選とは異なり、リプレイ図柄が有効ライン(中央ラインのみ)に揃った場合に所定個数(例えば75個)の遊技球が払い出されるように設定しておき、かかるリプレイ図柄を遊技球払出図柄として、当該遊技球払出図柄が揃う条件を満たすか否かの抽選とされている。そして、前記抽選の結果、リプレイフラグ(ここでいうリプレイフラグは通常遊技中のものとは異なり、ジャックインゲーム用に新たに設定されたものである。)が成立した場合には前記遊技球払出図柄以外の図柄が有効ライン上に揃わないように各リール511〜513が制御され、しかも遊技球払出図柄が所定回数(例えば8回)揃った場合には所定の遊技回数(12回)に達していなくとも所定のジャックインゲームは終了する。なお、かかる所定のジャックインゲームに際しては、投入される遊技球として5個が上限、すなわち、1ベットのみが有効化される。
また、ビッグボーナスゲームでは、当該ビッグボーナスゲーム中に獲得した賞球数が、予め設定された最大獲得賞球数(2325個)に達するまで、当該ビッグボーナスゲームを継続して行うことができるとともに、何度でもジャックインが可能となっている。そして、ビッグボーナス制御では、最大獲得賞球数に達した時点に行われている遊技又はジャックインゲームの終了時点でビッグボーナスゲームを強制的に終了させる。
また、リール制御により、ROM等の記憶手段の記憶内容に応じて各リール511〜513が制御され、特に記憶手段に記憶された各種テーブルの記憶内容に応じて各リール511〜513の停止位置が制御される。
各種テーブルとは、成立した各種フラグに応じて個々に設定されたものである。具体的には、例えば何らフラグが成立していない場合にいずれの図柄をも有効ライン上に揃えないようにするための「外れテーブル」、小役フラグに対応して所定の小役図柄を有効ライン上に揃えるための「小役成立テーブル」、リプレイフラグに対応してリプレイ図柄を有効ライン上に揃えるための「リプレイ成立テーブル」、ビッグボーナスフラグに対応して「7」図柄を有効ライン上に揃えるための「ビッグ成立テーブル」等の他、以上の成立図柄をどの有効ライン上に揃えるかを決定するための「ラインテーブル」等である。
次に、以上の構成からなる球使用式回胴遊技機1の作用について、遊技方法を踏まえて説明する。
遊技の開始に際し、遊技者は、1ベットスイッチ274又はマックスベットスイッチ75を操作することにより遊技球を投入する。主制御装置520は、各ベットスイッチ274,75の検出信号を受けて、取込装置300を駆動制御する。そして、上皿71にある遊技球が取込まれ投入されることとなる。例えば、マックスベットスイッチ75が押圧操作された場合には、上皿71上の15個の遊技球が取込装置300によって取込まれる。このとき、カウント表示部533には投入個数が表示される。
また、遊技球の投入数に応じて主制御装置520は各ラインを有効化する。ここで、1ベットスイッチ274の1回の押圧操作(5個の遊技球の投入)であれば、中央ラインのみが有効化される。また、1ベットスイッチ274の2回の押圧操作(10個の遊技球の投入)であれば、上下ラインが有効化される。さらに、マックスベットスイッチ75の押圧操作等(15個の遊技球の投入)であれば、全ラインが有効化される。
少なくとも1ラインが有効化されている時点で、遊技者がスタートレバースイッチ268を操作すると、主制御装置520は、全てのリール511〜513を一斉に回転させる。これとともに、主制御装置520は、その旨の情報をサブ制御装置521へ送信する。
また、スタートレバースイッチ268の操作に基づく検出信号が主制御装置520に入力されたタイミングで、通常遊技中では、小役抽選、リプレイゲーム抽選、ビッグボーナス抽選など各抽選が行われる。
小役抽選の結果、小役フラグが成立した場合には、適宜の小役図柄を有効ライン上に停止させ得る権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、リプレイゲーム抽選の結果、リプレイフラグが成立した場合には、リプレイゲームへ移行する権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、ビッグボーナス抽選の結果、ビッグボーナスフラグが成立した場合には、ビッグボーナスゲームへ移行する権利が与えられ、そのフラグはビッグボーナスゲームへ移行するまで保持される。
以上の各抽選が終了した後、遊技者がストップボタンスイッチ271,272,273を操作すると、主制御装置520は、操作された各ストップボタンスイッチ271,272,273に対応した各リール511,512,513を個別に停止させる制御を行う。
これら各リール511,512,513の停止位置は、上記各抽選結果である各成立フラグに基づき、上記各テーブルを参照して決定される。このとき、有効ラインから各リール511,512,513の回転方向手前の4図柄分までに成立フラグに対応した図柄が存在すれば、原則として、その図柄が積極的に有効ライン上に引き込まれるような制御が行われることとなり、リール停止タイミングが4図柄分手前までの誤差であれば、その誤差を吸収することができる。
また、サブ制御装置521は、主制御装置520の制御に合わせて、液晶表示装置501における上記「ナビゲーション表示」等の補助演出を行う。
各リール511,512,513の停止時において、有効ライン上の停止図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せである場合、即ち小役図柄の組合せ、リプレイ図柄の組合せ、ビッグボーナス図柄の組合せである場合、各停止図柄の組合せに応じた数の遊技球(賞球)を払出すための制御が行われる。
主制御装置520が、払出制御装置555へ払出制御を行う旨の指示を出し、払出制御装置555が払出装置578を駆動制御することにより、上皿71等へ遊技球が払出される。この際、今回獲得した賞球数がカウント表示部533に表示される。
有効ライン上に揃った図柄が小役図柄或いは何ら払出しのない図柄の組合せである場合には、通常遊技が続行される。一方、有効ライン上に揃った図柄の組合せがリプレイ図柄の組合せである場合にはリプレイゲーム制御によって次回のゲームを無償で行うことができるリプレイゲームが実行される。また、有効ライン上に揃った図柄の組合せがビッグボーナス図柄の組合せである場合にはビッグボーナス制御によってビッグボーナスゲームが実行される。そして、上記最大獲得賞球数を獲得したことを条件に、ビッグボーナスゲームが終了する。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、保護部材960や侵入防止部材401を窓孔281側に押せば、同方向に移動させることが可能であるが、少なくとも前扉3の施錠状態において、シリンダ錠930のキー操作が行われていない場合(侵入防止部材401と外枠2の右辺部とが当接している場合)には、侵入防止部材401が動かないように構成してもよい。例えば、保護部材960の上係合片965が常に挿通状態とされる第1摺動杆904の上係合孔967を小さく構成しておき、第1摺動杆904が上方に摺動しない限り、保護部材960が取付板902内側に引っ込むようにして回動しようとしても、上係合片965が上係合孔967の上縁部に引っ掛かって、かかる回動が規制されるよう構成してもよい。この場合、侵入防止部材401の内側への移動を規制することができ、侵入防止部材401を内側に押圧することによって侵入防止部材401を動かして、施錠装置900と外枠2の右辺部との間に隙間を形成するといった行為を防止することができる。尚、この場合、上係合片965及び上係合孔967が、侵入防止手段の状態変化を規制する規制手段を構成する。
(b)上記実施形態では、ねじりバネ963及び保護部材960のみを利用して侵入防止部材401をベース枠10外方側にスライドさせているが、ねじりバネ963及び保護部材960の他にも、侵入防止部材401をベース枠10外方側にスライドさせるための機構を設けてもよい。例えば、取付板902と当接部403との間に縮んだ状態にあるコイルばね等を設け、侵入防止部材401をベース枠10の外方側に付勢する付勢力をより強めてもよい。このような構成を採用する場合であっても、ねじりバネ963による付勢力を、侵入防止部材401をスライドさせるために利用しない場合に比べて、ねじりバネ963とは別に設けられる侵入防止部材401をスライドさせるための機構の簡素化を図ることができる。尚、保護部材960を省略してもよく、この場合は、侵入防止部材401をスライドさせるため機構を別途用意することとする。
(c)上記実施形態では、前扉3の施錠機構及び裏機構ユニット5の施錠機構が単一の施錠装置900によって具現化されている。しかしながら、施錠装置900の構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えば裏機構ユニット5の施錠機構を省略した構成としてもよい。
(d)上記実施形態では、保護部材960が第1摺動杆904に連動して回動変位する構成となっている。これに限らず、例えば左右方向に摺動変位する保護部材を採用してもよい。また、第1摺動杆904に連動しない保護部材を採用してもよい。但し、この場合には、手動操作により、保護部材の変位操作を行うこととなる。また、保護部材960の数は、上記実施形態の2つに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上としてもよい。
(e)鉤部材905,906や裏機構鉤部917,918の構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、鉤部材905,906が第1摺動杆904に一体形成され、上下方向に摺動変位する構成を採用してもよい。また、裏機構鉤部917,918が、第2摺動杆910に対し相対変位可能(例えば回動変位可能)に係合された構成を採用してもよい。
また、鉤部材905,906や裏機構鉤部917,918の数及びこれらに対応する受け金具の数は、上記実施形態の2つに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上備えた構成としてもよい。
また、上記実施形態における鉤部材905,906や裏機構鉤部917,918の頭部は、その後端縁部が上下方向に沿って略直線状に形成されるとともに、その上縁部が略水平方向に沿って略直線状に形成されている。これに限らず、例えば後端に向け先細りした略三角形状の頭部を有した鉤部材(鉤部)を採用してもよい。
(f)上記実施形態のシリンダ錠930は、鍵Kの挿入がない場合にはロック状態となり、カム板945が変位不能となる。そして、ロック状態にあるカム板945により、第1摺動杆904及び第2摺動杆910の摺動が規制されるようになっている。これに限らず、シリンダ錠930と異なるシリンダ錠を採用してもよい。例えば、鍵Kの非挿入状態でもカム板945が変位不能とならないシリンダ錠を採用してもよい。但し、この場合には、鍵Kを用いずに鉤部材905,906や第1摺動杆904に対して直接行われる不正な解錠操作に対して防御制御を高めるため、少なくとも鉤部材905,906が変位しないように、当該鉤部材905,906又は第1摺動杆904の変位を規制する何らかの変位阻止手段(ロック手段)を備えなければならない。
また、例えばキーコードを変更可能なシリンダ錠を採用してもよい。キーコードの変更手順の一例としては、まず、所定のリセットピンを押圧した状態で鍵穴に現状の鍵を挿入して回動操作した後、該鍵を引き抜く。そして、リセットピンを押圧したまま、新たに設定したい鍵を鍵穴に挿入し、前記現状の鍵とは逆向きに回動操作した後、リセットピンの押圧状態を解除してから鍵を引き抜く。以上のような操作を行うことで、新たに設定したい鍵に合ったキーコードとすることができる。これにより、遊技ホール単位で鍵を統一できるとともに、不正防止のため、定期的に鍵を変更することができる。
(g)上記実施形態では、シリンダ錠930の背面側を覆うように施錠カバー955が取付固定されているが、施錠カバー955を省略した構成としてもよい。
(h)上記実施形態の保護部材960は合成樹脂材料により形成されている。保護部材960を形成する素材は、これに限定されるものではなく、例えば金属やゴム材料等であってもよい。ゴム等の弾性材料により構成すれば、外枠2と前扉3との間に保護部材960が挟まった場合に受ける衝撃を緩和することができる。結果として、保護部材960自身が破損等してしまう不具合を低減することができる。
(i)上記実施形態では、外枠2の左辺部側に対して前扉3が開閉可能に支持されているが、外枠2の右辺部側に対して前扉3が開閉可能に支持される構成を採用してもよい。この場合、前扉3の左辺部に沿って施錠装置900が設けられることとなる。
(j)上記実施形態とは異なるタイプの遊技機として実施してもよい。例えば、発射手段を備えたパチンコ機等の弾球遊技機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。この他、遊技媒体として遊技球とは異なる媒体(例えばメダル等)を使用する遊技機(例えばスロットマシン等の回胴式遊技機)として実施してもよい。