JP2016120390A - 遊技機 - Google Patents

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坂本 哲也
Tetsuya Sakamoto
哲也 坂本
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Abstract

【課題】ホール管理者によって操作部が操作される場合の作業を容易なものとしつつ、同操作部の不意の切り替わりを抑制することができる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機10の裏パックユニット15は、同裏パックユニット15の上部に配された遊技球貯留用のタンク221と同タンク221の下方に配された保護カバー部212とを有している。保護カバー212により覆われていない下方領域には電源・発射制御装置243が配されており、この電源・発射制御装置243に電源オン/オフ切替用の電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247の操作片は、前後に回動可能に保持されているとともに基板ボックスに形成された開口部を通じて後方に突出している。基板ボックスには操作片の回動中心部に対して後方から対峙する突出部が形成され、同突出部によって操作片の下部に対する上方からの遊技球の衝突が規制されている。
【選択図】 図11

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、島設備から供給された遊技球を貯留するタンクと、そのタンクに貯留されている遊技球を払い出す払出装置とを備えているものがある。例えば遊技領域に設けられた入賞口や入賞装置等への入球が発生した場合には予め設定された個数の遊技球が球受け皿等に払い出される。
タンクは、遊技機の背面側の上部等に配設されており、島設備からの遊技球の供給を許容すべく上方に開放されている。例えば、タンクの下方には、絵柄表示装置や制御装置等の各種遊技機器が配されており、これら遊技機器を背面側から覆うようにしてカバーが設けられている。これにより、島設備における遊技球供給部やタンク等の球通路から遊技球が零れ落ちた場合等にそれら遊技球が上記遊技機器に衝突することを回避し、同遊技機器の保護を図っている(例えば特許文献1参照)。
また、上述したタイプの遊技機においては、遊技に関する各種設定を行うための操作部や、電源投入用の操作部等が同遊技機の背面側に設けられているのが一般的である。このように、遊技機の背面側に操作部を配することにより、同操作部に対する不正なアクセスを抑制することができる。特に、操作部を上記カバーによって覆われていない領域に遊技機後方へ露出するようにして配することにより、ホール管理者等によって上記操作部の操作が行われる場合に作業が煩雑になることを回避することができる。
特開2001−104603号公報
しかしながら、上述の如く操作部を遊技機後方に露出させた場合には、作業性の向上に貢献できる反面、上記球通路等から溢れた遊技球が落下した際に、上記操作部に対して衝突する可能性が生じる。このような衝突に起因して操作部が切り替ることは、遊技進行を妨げる要因となったり、遊技者や遊技ホールに不測の不利益を与える要因となったりするため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、ホール管理者によって操作部が操作される場合の作業を容易なものとしつつ、同操作部の不意の切り替わりを抑制することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
各種遊技機器が搭載されてなる遊技機本体と、
前記遊技機本体をその背面側から覆うカバー体及び当該カバー体に併設された球通路を有してなる背面ユニットと、
前記球通路よりも下側であって前記カバー体によって覆われていない領域に遊技機背面側へ露出するようにして設けられた操作手段を有し、前記操作手段の変位に基づいて遊技機を稼動させるオン状態又は遊技機を停止させるオフ状態に切り替える切替手段と
を備えた遊技機において、
前記操作手段は、回動可能に設けられた指掛け操作部を有し、
前記指掛け操作部を遊技機背面側に開放する開放部を通じて遊技機背面側へ露出するようにして前記操作手段を収容する収容凹部を備え、
前記切替手段は、前記オフ状態となっている状況下での前記指掛け操作部の遊技機正面側への変位に基づいて前記オン状態への切り替えを行い、前記オン状態となっている状況下での前記指掛け操作部の遊技機背面側への変位に基づいて前記オフ状態への切り替えを行うものであり、
前記指掛け操作部は、前記操作手段に対して前記収容凹部の外側から遊技球が衝突した場合に、変位しない又は遊技機正面側へ変位するようになっており、
前記収容凹部は、当該収容凹部の奥部が前記指掛け操作部と隙間を挟んで対峙し、当該隙間が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように形成され、当該収容凹部の開口縁と前記指掛け操作部の回動先端部との隙間が遊技球の直径寸法よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする。
ホール管理者によって操作部が操作される場合の作業を容易なものとしつつ、同操作部の不意の切り替わりを抑制することができる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機を斜め前方から見た斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 前扉枠を背面側から見た分解斜視図である。 図1のA−A線部分断面図である。 内枠の構成を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 内枠の構成を示す背面図である。 遊技盤の背面構成を示す斜視図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 裏パックユニットの構成を示す正面図である。 (a)外枠を後方から見た斜視図、(b)図11のB−B線部分断面図である。 内枠から遊技盤を取り外した状態を示す正面斜視図である。 図7のC−C線部分断面図である。 開放された前扉枠と遊技盤及び挿入部との位置関係を示す概略図である。 図8の部分拡大図である。 レールカバーの正面斜視図である。 レールカバーとガラスユニットとの位置関係を示す概略図である。 図1のD−D線部分断面図である。 遊技盤とガラスユニットとの位置関係を示す概略図である。 遊技盤の取外作業を説明するための概略図である。 遊技盤の装着作業を説明するための概略図である。 遊技盤の装着作業を説明するための概略図である。 レールカバーと外レールとの関係を示す概略図である。 図14の部分拡大図である。 内枠から主要な構成を取り外した状態を示す分解斜視図である。 図7のE−E線部分断面図である。 (a)ロック装置の斜視図、(b)ロック装置の分解斜視図である。 図7のF−F線部分断面図である。 ロック装置の動作説明図である。 図8の部分拡大図である。 遊技領域区画部材及びそれに付随する構成を示す分解斜視図である。 図1のG−G線部分断面図である。 タンクと電源・発射制御装置との位置関係を示す概略図である。 電源・発射制御装置の正面図である。 図36のH−H線部分断面図である。 衝突回避の様子を示す概略図である。 第1の実施の形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態における電源スイッチ及びそれに付随する構成を示す概略図である。 第3の実施の形態における電源スイッチ及びそれに付随する構成を示す概略図である。 位置決め手段の変形例を示す概略図である。 (a)ガラスユニットの取付構造の変形例を示す概略図、(b)ガラスパネルの保持構造の変形例を示す概略図である。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を斜め前方から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
この外枠11によって遊技機主部12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、図2に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が固定されている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図3に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15(図4参照)とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
内枠13における回動基端側の端部には、前扉枠14が回動可能に取り付けられており、同前扉枠14は正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13における回動基端側の端部には、図4に示すように、裏パックユニット15が回動可能に取り付けられており、同裏パックユニット15が正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図3及び図5を参照する。図5は前扉枠14を背面側から見た分解斜視図である。
図3に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面側のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を遊技機前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21(図1参照)が形成されており、その窓部21はガラスユニット30によって同前扉枠14の背面側から覆われている。
図5に示すように、枠体20には窓部21を囲むようにしてガラスユニット設置部22が形成されている。詳しくは、ガラスユニット設置部22は、枠体20の背面側に配されているとともにパチンコ機10の前方に向けて凹んでおり、その底部に上記窓部21が配設されている。ガラスユニット30は、ガラスユニット設置部22に嵌まることで上下方向及び左右方向への変位が規制されている。
ガラスユニット30は、透明性を有するガラスパネル31,32と、それらガラスパネル31,32を保持するガラスホルダ33とを備えている。ガラスホルダ33は、窓部21に沿って形成された環状の枠部34を有しており、同枠部34によって囲まれた領域にガラスパネル31,32が収容されている。
より具体的には、枠部34には、上記囲まれた領域を前後に仕切る仕切り部が形成されている。仕切り部は枠部34の中央側へ起立するとともに当該枠部34の周方向に延びる突条をなしており、この仕切り部によってガラスパネル31,32を個別に収容する収容部が区画形成されている。
各ガラスパネル31,32は、仕切り部を挟んで相対向した状態で、同仕切り部に対して接着されている。これにより、ガラスパネル31,32の間に所定の隙間が確保され、両ガラスパネル31,32同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル31,32によって遊技領域PEがパチンコ機10の正面側から2重に覆われた状態となっている。
また、枠部34には、ガラスパネル31,32を収容している側とは反対側に突出するようにして枠体20に対する取付部35が複数形成されている。取付部35は枠体20の背面に対向する板状をなしており、枠体20には、これら取付部35を同枠体20との間に挟んで挟持するレバー部材23が配設されている。
レバー部材23は、取付部35を挟持する挟持位置と挟持しない解除位置とに回動可能な状態で取り付けられている。レバー部材23において取付部35と対向している部分には同取付部35側に突出する凸部が形成されており、同凸部が取付部35に形成された凹部に嵌まることにより、上記挟持位置から解除位置への移動が規制された状態、すなわち挟持位置にて保持された状態となる。
本実施の形態においては、ガラスユニット30を枠体20に対して装着する際に同ガラスユニット30をガラスユニット設置部22から脱落しないようにして簡易的に保持するための手段が上記レバー部材23と併設されている。
具体的には、枠体20の背面には当該背面から後方へ突出するとともに先端部分に上方への返しが形成された突起40が設けられており、ガラスホルダ33の取付部35には突起40(詳しくは上記返し)が引っ掛かる受け部36が形成されている。この受け部36に突起40が引っ掛かることで装着完了位置からのガラスユニット30の脱落が簡易的に回避された状態となる。なお、突起40の返しをかわすようにしてガラスユニット30を上方に持ち上げることで、上記引っ掛かりが解除され、枠体20からのガラスユニット30が取り外し可能となる。
上記ガラスユニット30については重量が嵩みやすい。このため、仮にレバー部材23による固定操作が完了するまで同ガラスユニット30を手で支え続ける必要が生じると、ガラスユニット30の装着作業にかかる作業負荷が大きくなると想定される。この点、上述したようにガラスユニット30を装着完了位置にて簡易的に保持すれば、レバー部材23による固定作業を行う際に手でガラスユニット30を支え続ける必要がなくなり、作業の容易化を実現することができる。故に、ガラスユニット30の装着作業にかかる作業負荷が大きくなることを抑制できる。
再び図1を参照して説明すれば、窓部21の周囲には各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部24が設けられている。環状電飾部24では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。より詳しくは、環状電飾部24の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯する機能が付与されたトップランプ部25が設けられ、窓部21の左右両側には賞球払出中に点灯する機能が付与されたサイドランプ部26が設けられている。また、トップランプ部25の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部27が設けられている。
以下、図1及び図6を参照して、サイドランプ部26及びそれに付随する構成について説明する。図6は図1のA−A線部分断面図である。
図1に示すようにサイドランプ部26は枠体20における左右両端部に沿うようにして上下に延びている。サイドランプ部26の中央部分については上記窓部21の内側へ張り出しており、当該中央部分が前側のガラスパネル31(窓部21によって区画された領域)に遊技機前方から隙間を隔てて対峙している(図6参照)。より詳しくは、サイドランプ部26の中央部分が遊技領域PEに対して前方からガラスパネル31を挟んで対峙している。
図6に示すように、サイドランプ部26は、発光体(詳しくはLED)が実装されてなる発光基板26aと、発光基板26aの前方に配置され発光体からの光を拡散する光拡散部26bと、それら発光基板26a及び光拡散部26bを遊技機前方から覆うカバー部26cとを有している。光拡散部26bによって拡散された光は、カバー部26cを通じて遊技機前方に照射されることとなる。
遊技領域PEにおいてサイドランプ部26の後方に位置している部分(以下、便宜上「後方領域BE」と称する)をサイドランプ部26の前方から視認しようとした場合、当該視認はサイドランプ部26によって妨げられることとなる。故に、一見するとサイドランプ部26を遊技領域PE側へ張り出して設けサイドランプ部26の占有領域を拡げることが遊技領域PEの視認性の低下を招来する要因になると懸念される。
しかしながら、上述の如くサイドランプ部26を前側のガラスパネル31に対して遊技機前方に離間させて配設し、遊技盤80からサイドランプ部26までの距離を大きくすることにより、後方領域BEの視認性を実質的に担保することができる。具体的には、遊技を行っている際には遊技者の目が遊技領域PEの中央部位の前方に位置しやすい。このため、遊技者はサイドランプ部26側に目線を移すことにより、サイドランプ部26をかわして後方領域BEを視認することができる。これにより、サイドランプ部26に付与された報知機能及び演出機能を向上しつつ、それに起因した遊技領域PEの視認性の低下を抑えることが可能となる。
以上詳述したように、サイドランプ部26の左右幅を拡げることで、演出用の発光体と報知用の発光体とを左右に並べて配置することが容易となっている。つまり、報知用の発光体をパチンコ機10の外側寄りに配置して、ホール管理者等の他者による確認を容易化するとともに、演出用の発光体をパチンコ機10の内側寄り(遊技者寄り)に配置して演出機能を好適に発揮させることが可能となっている。これにより、上記報知機能と演出機能とを好適に共存させている。
図2又は図6に示すように、サイドランプ部26とガラスパネル31との間には透明パネル41が配設されており、この透明パネル41によって上記隙間が塞がれている。上述の如くサイドランプ部26を遊技機前方へオフセットして配設する構成においては、メンテナンス作業等を行う場合に、同サイドランプ部26に対してガラスパネル31側から指を引っ掛ける等して前扉枠14が遊技機前方へ引っ張られる可能性がある。仮にこのような行為が行われた場合には、サイドランプ部26に破損や変形等の不都合が生じ得る。
この点、透明パネル41によって上記隙間への指等の挿入を妨げる構成を採用することにより、サイドランプ部26が引っ張られるといった不都合を生じにくくすることができる。故に、上記後方領域BEの視認性を担保しつつサイドランプ部26を好適に保護することができる。
再び図2を参照して説明すれば、前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部28と下側膨出部29とが上下に並設されている。上側膨出部28には上方に開口した上皿28aが設けられており、下側膨出部29には同じく上方に開口した下皿29aが設けられている。上皿28aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導く機能を有している。また、下皿29aは、上皿28a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
下側膨出部29と横並びとなる位置には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル45が設けられている。遊技球発射ハンドル45が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図5に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿28aに通じる前扉側上皿通路51と、下皿29a(図2等参照)に通じる前扉側下皿通路52とが形成されてなる。通路形成ユニット50の上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿28aに導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿29aに導かれる。
次に、図7に基づき内枠13について詳細に説明する。図7は内枠13の正面図である。なお、図7においては、図3と同様にパチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース60を主体に構成されている。樹脂ベース60の前面における回動基端側(図7の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。また、前扉枠14の背面における回動基端側(図5の右側)には、それら支持金具71,72に対応させて軸受け金具57,58が設けられている。支持金具71,72には軸部が形成されており、それら軸部が前扉枠14の軸受け金具57,58の軸受け孔に挿入されることで内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。つまり、これら支持金具71,72及び軸受け金具57,58は内枠13に対する組付機構を構成している。
内枠13の前面には施錠装置75が設けられている。施錠装置75は、前扉枠14に向けて延びる複数の前扉用鉤部材76を有している。これら前扉用鉤部材76に対応させて、前扉枠14の背面には内枠13側に延びる鉤受け部材59が複数設けられている(図3参照)。前扉用鉤部材76が鉤受け部材59に引っ掛かることにより前扉枠14が閉じた状態で施錠される。また、図4に示すように、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
再び図7を参照して説明すれば、樹脂ベース60の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、その先端部分(鍵穴部分)が上記前扉枠14に設けられた孔部を通じてパチンコ機10の前方に露出している。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すことで内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、同キーを左に回すことで外枠11に対する内枠13の施錠が解除される。
樹脂ベース60の前面における略中央部分には、遊技盤80を収容する遊技盤収容部61が形成されている。遊技盤収容部61は、パチンコ機10の後方に凹み、遊技盤80を収容する収容空間を区画形成しており、樹脂ベース60に取り付けられた遊技盤80がその収容空間に嵌まった状態となっている。
遊技盤収容部61は、遊技盤80の背面に対向する平板状の対向板部62と、同対向板部62から遊技機前方へ起立し遊技盤80の周縁に沿って延びる周壁部63とによって構成されている。対向板部62は、その略中央に中央開口64が形成されており、内枠13の正面視において略矩形枠状をなしている。周壁部63は、遊技盤80における上下左右の各端面に対して個々に対向する上側壁部65,下側壁部66,左側壁部67,右側壁部68が連なってなり、全体として遊技盤80を囲む環状をなしている。なお、周壁部63は中央開口64を囲むようにして形成されているとも言える。
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が遊技盤収容部61の開放部分を通じて樹脂ベース60の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスパネル31,32によって覆われている。後側のガラスパネル32は、遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図8に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図8は遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84及び可変表示ユニット85等がそれぞれ設けられている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口86が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口86を通って遊技領域PEから排出される。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘87が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘87や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
可変入賞装置82は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置82の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、同可変入賞装置82の開放が複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返されるように設定されている。
可変表示ユニット85は遊技盤80の中央上寄りに配置されており、その下方に作動口83a,83bが配置されている。より詳しくは、作動口83a,83bは、作動口83aを上側、作動口83bを下側として上下に並設されている。下側の作動口83bには、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物が設けられている。電動役物は、作動口83bへの入球が不可又は困難となる閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、当該閉鎖状態よりも遊技球の入球が容易となる開放状態(サポート状態又はガイド状態)とに切り替え可能となっており、上記スルーゲート84への入賞に基づく抽選に当選した場合に主制御装置によって開放状態となるように制御される。電動役物の開閉態様としては、上側の作動口83aよりも下側の作動口83bへの入賞頻度が低くなるように設定された低頻度サポートモードと、上側の作動口83aよりも下側の作動口83bへの入賞頻度が高くなるように設定された高頻度サポートモードとが設定されており、各作動口83a,83bへの入球に基づく抽選によって所定の当たり結果となった場合に低頻度サポートモードから高頻度サポートモードへ移行される構成となっている。
可変表示ユニット85及び作動口83a,83bは、遊技性を司る部位であり遊技者の注意が集まりやすい。それら可変表示ユニット85及び作動口83a,83bを遊技機中央において上下に並べて配置することで両者間での視線の移動量を抑え、遊技者の目に生じる負担の低減に貢献している。
可変表示ユニット85は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置94を備えている。図柄表示装置94は、液晶ディスプレイ(表示画面94a)を備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御されている。具体的には、表示画面94aにおいては、上段,中段及び下段に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、大当たり発生時には、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示され、特別遊技状態へと移行される。なお、表示画面94aにおける表示態様を以下のように変更してもよい。すなわち、左,中及び右に並べて図柄を表示し、それら図柄を上下スクロールさせるようにして変動表示させてもよい。
また、可変表示ユニット85は、図柄表示装置94を囲むようにして形成されたセンターフレーム95を備えている。センターフレーム95の上部には、第1特定ランプ部96及び第2特定ランプ部97が設けられている。また、センターフレーム95の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部98,99が設けられている。下側の保留ランプ部98は、図柄表示装置94及び第1特定ランプ部96に対応しており、遊技球が作動口83を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部98の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部99は、第2特定ランプ部97に対応しており、遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部99の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
再び図7を用いて説明すれば、樹脂ベース60における遊技盤収容部61(遊技盤80)の下方には、遊技球発射ハンドル45の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が後述する補強プレートを介して樹脂ベース60に取り付けられている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、後述する遊技領域区画部材と共に遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
誘導レール100は、遊技球発射ハンドル45が遊技球を遊技領域PEに到達させることができる程度に操作された場合に、すなわち遊技球発射ハンドル45の操作量が第1の規定量を超えた場合に、発射レール112から打ち出された遊技球が当該誘導レール100の入口部分104、詳しくは外レール102において発射レール112の延長上に位置する特定部位SPに着地するように形成されている。
外レール102は、その特定部位SPにおける接線TLの向きが発射レール112のレール方向と略同一となるように形成されている。発射された遊技球の移動方向と、特定部位SPにおける接線TLの方向とを揃えることにより、遊技球の着地によって生じる衝撃を低減するとともに同遊技球の跳ね返りを抑え、誘導レール100によるそれら遊技球の円滑な誘導を可能としている。
なお、図8に示すように、外レール102は、当該外レール102を遊技盤80に対して固定する固定手段として複数の固定ピン102aを備えている。固定ピン102aは外レール102に沿って配設されており、それら固定ピン102aの間に上記特定部位SPが設定されている。これにより、特定部位SPでの外レール102の若干の撓み変形(弾性変形)を許容し、同特定部位SPに遊技球が着地した際の衝撃を低減することが可能となっている。
図7に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55(図3参照)が配設されている。ファール球通路55は前扉枠14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1等に示した下皿29aに排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
また、樹脂ベース60には、遊技盤収容部61からの遊技盤80の取り外しを不可とするロック状態と、同遊技盤80の取り外しを許容するアンロック状態とに切替可能なロック装置が複数設けられている。ロック装置はロック状態にて遊技盤80の前面に当接する当接部を有しており、同当接部が遊技盤80の前面に当接することによって遊技盤80の前扉枠14側への変位が抑えられることとなる。なお、ロック装置による遊技盤の保持強度は、ガラスユニット30を枠体20に固定するレバー部材23の保持強度よりも高くなるように設定されている。
樹脂ベース60において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース60を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔を覆うようにして通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース60に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53(図3参照)が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている(図7参照)。
樹脂ベース60において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123からの遊技球の流出を規制するシャッタ124が設けられている。シャッタ124は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能な状態で樹脂ベース60によって支持されている。また、樹脂ベース60にはシャッタ124を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられており、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ124が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により上記付勢力に抗してシャッタ124が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51と、本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52とがそれぞれ連通し、遊技球の移動が許容されることとなる。
次に、図9に基づき内枠13(樹脂ベース60及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図9は内枠13の背面図である。
樹脂ベース60の背面における回動基端側(図9の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース60の背面には、裏パックユニット15を内枠13に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように樹脂ベース60における遊技盤収容部61の底部分(すなわち上記対向板部62)には樹脂ベース60の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース60の背面側に開放された中央開口64が形成されており、その中央開口64が遊技盤収容部61に収容された遊技盤80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口64を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、図10に基づき遊技盤80の背面の構成について詳細に説明する。図10は遊技盤80を後方から見た斜視図である。
遊技盤80の背面には、可変表示ユニット85(図8参照)を遊技盤80に対して搭載する合成樹脂製の台座部材141が固定されている。台座部材141は、遊技盤80側に開放された略箱状をなしており遊技盤80の背面のほぼ全域を覆っている。台座部材141の一部は樹脂ベース60の中央開口64を通じて同樹脂ベース60の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置94(図8参照)と、その図柄表示装置94を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置94及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース60の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤80には、表示制御装置の後方に位置するようにして音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
音声ランプ制御装置ユニット142の下方には、台座部材141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
台座部材141において遊技盤80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82,上作動口83a,下作動口83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、台座部材141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口86についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口86を介して排出通路内に導出される。
また、上記回収通路には、遊技盤80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知するカウントスイッチと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口スイッチとが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。更に、台座部材141において可変表示ユニット85の左右両側には、スルーゲート84を通過する遊技球を検知するゲートスイッチが設けられている。これら各種スイッチは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図11及び図12に基づき裏パックユニット15について説明する。図11はパチンコ機10の背面図、図12は裏パックユニット15の正面図である。
図11に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図12に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット85を囲むのに十分な大きさを有する(図11参照)。
ベース部211には、その右上部に外部端子板(図示略)が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、図12に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバー134が挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿28a、下皿29a又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿28aに通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿29aに通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
図12に示すように、制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル45の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。上記主制御装置162には、RAM消去スイッチ166が設けられている。当該RAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
(遊技機主部12の開放)
本実施の形態においては、施錠装置75による遊技機主部12の開放規制を強制的に解除することで、上記キーを紛失した場合であっても遊技機主部12を開放させることが可能となっている。以下、図13に基づき当該機能を実現するための構成について説明する。図13(a)は外枠11を遊技機後方から見た斜視図、図13(b)は図11のB−B線部分断面図である。
既に説明したように、外枠11には、施錠装置75の内枠用鉤部材77に1対1で対応させて鉤受け部材19が配設されている。鉤受け部材19は、外枠11において遊技機主部12(詳しくは内枠13)を軸支している側とは反対側の枠部(すなわち右枠部380)に取り付けられている。鉤受け部材19は、右枠部380側に開放された略箱状の鉤受け部351と、右枠部380に対する取付部としてのベース板部361とを有してなり、同ベース板部361が右枠部380に対してネジ止めされることで外枠11に対して一体化されている。
ベース板部361は、前側板部352における外枠11の右枠部380側の端部から前方に延びており、同右枠部380の内面に面接触した状態で固定されている。ベース板部361を固定しているネジは右枠部380の内面側から螺着されており、その頭部が切断されることで取り外し操作が規制されている。これにより、外枠11からの鉤受け部材19の取り外しが規制されている。
固定手段を構成している複数のネジのうち少なくとも1つは鉤受け部351の前方に位置しており、内枠13が外枠11に対して閉じられることで、同ネジの取り外し経路上に内枠13の樹脂ベース60が位置することとなる(図13(b)参照)。これにより、鉤受け部材19を外枠11から取り外して外枠11と内枠13との施錠状態を解除しようとする不正行為を困難なものとしている。
鉤受け部351においてパチンコ機10の正面側を向いている板部(以下、「前側板部352」と称する)には、内枠用鉤部材77の先端部の進入を許容する開口353が形成されている。内枠用鉤部材77の鉤部77aが開口353の縁部に対して下側から引っ掛かることにより上述した施錠状態が実現される。
このように鉤部77aが鉤受け部351に対して引っ掛かった状態では、鉤部77aの先端部分は鉤受け部351内に収容され、それ以外の部分は内枠13の施錠装置75用の収容領域内に位置することとなる。これにより、内枠用鉤部材77の露出が回避され、鉤部77aにアクセスして同鉤部77aを変位させるといった行為が困難となっている。
図13に示すように、鉤受け部351の後側板部354には、当該後側板部354において内枠用鉤部材77と対峙している部分と、それ以外の部分とを区画するようにしてスリット355が形成されている。スリット355は略コ字状をなしており(図13(a)参照)、当該スリット355によって囲まれている部分(以下、区画部354aと称する)は、その一端部が後側板部354の本体部354bに対して繋がっており、当該端部を基端として撓み変形可能なっている。
区画部354aにおける上記基端部とは反対側の端部には、本体部354bに対して繋がる繋ぎ部356が形成されている。繋ぎ部356は後側板部354における他の部位を破壊するよりも破壊容易となっている。
ドライバ等の工具を用いて区画部354aを鉤受け部351の内側へ押し込むことで、繋ぎ部356が破壊され、区画部354aが内枠用鉤部材77側へ折れ曲ることとなる。これにより、鉤受け部材19に遊技機後方へ開放された開放部が形成され、当該開放部を通じた内枠用鉤部材77(詳しくは鉤部77a)へのアクセスが許容される。
上記開放部を通じて、内枠用鉤部材77を操作することで施錠状態が解除される。このような強制解除作業(開放作業)が実施された場合には、上記繋ぎ部356が破壊され、その痕跡が残存することとなる。このように強制解除作業を行った場合にその痕跡が残存する構成を採用することにより、当該開放作業が行われた事実を事後的に確認可能となっている。
遊技機主部12を開放した後は、開口353を通じて挿入したドライバ等の工具により、区画部354aを変形前の位置へ復帰させる。これにより、上述したような緊急開放を行った後であっても上記開放部を通じた内枠用鉤部材77への不正なアクセスを抑制することができる。
(遊技盤80の取付構造)
次に、図7,図14及び図15に基づき遊技盤80の取付構造について説明する。図14は内枠13から遊技盤80を取り外した状態を示す斜視図、図15は図7のC−C線部分断面図である。
既に説明したように、内枠13の樹脂ベース60には、遊技盤80の背面に対向する平板状の上記対向板部62と同対向板部62から起立し遊技盤80の周縁に沿って延びる周壁部63とからなる遊技盤収容部61が形成されており、当該遊技盤収容部61に対して同内枠13の正面側(遊技機前方)から嵌まっている。
図14に示すように、内枠13の左側壁部67、すなわち前扉枠14を支持している側の壁部67には、遊技盤80の前方への変位を抑える複数のストッパ部271が設けられている。各ストッパ部271は、左側壁部67の内壁面から遊技盤収容部61側へ張り出しており、遊技盤80(詳しくは後述するレールカバー400)に対してパチンコ機10の前方から当接している。また、各ストッパ部271は、遊技盤収容部61内に収められており、前扉枠14側への突出が抑えられている。
それらストッパ部271は、遊技盤80の上端寄り及び下端寄りとなる位置に配置されており、遊技盤80の変位をバランスよく抑えることが可能となっている。ストッパ部271の配置に関して補足すれば、上端寄りのストッパ部271Uは、上記誘導レール100において遊技盤80の回動基端側に凸となっている部分よりも上側に配置されており、下端寄りのストッパ部271Lは同凸となっている部分よりも下側に配置されている。これにより、ストッパ部271及び誘導レール100を遊技盤80の前面側にて好適に共存させ、ストッパ部271の採用に起因した遊技領域PEの圧迫を抑制している。
内枠13には、左側壁部67の先端縁に沿うようにして金属製のプレート部材281が配設されている。プレート部材281は、内枠13の上側枠部13a及び下側枠部13bの両枠部に跨って延びる長尺状をなしており、同プレート部材281の両端部分が内枠13の左側枠部13cに対して固定(ネジ止め)されているとともに、同プレート部材281の中間部分が上述したストッパ部271に対して固定(ネジ止め)されている。これにより、内枠13において外枠11や前扉枠14に連結されている部分を補強し、更にはストッパ部271の変形を抑制している。
以上詳述したストッパ部271と対向板部62とによって、遊技盤80の一側部を挿入可能な挿入部290が構成されている(図15参照)。挿入部290は、前扉枠14の回動基端側に位置し、内枠13において同前扉枠14を支持している側とは反対側からの遊技盤80の挿入を許容すべく同内枠13の回動先端側(右側壁部68側)に開放されている。特にストッパ部271と対向板部62(詳しくは後述するリブを除いた部分)との隙間寸法は、遊技盤80の厚さ寸法よりも大きく設定されている。これにより、遊技盤80を挿入部290に対して斜め前方から挿入可能とするとともに、同挿入部290に挿入された遊技盤80を当該挿入部290を中心として回動可能としている。また、挿入部290の挿入口を斜め前方に向けることにより、遊技盤挿入時に遊技盤80が前扉枠14の後方への張出部分や内枠13の右側枠部13d等に干渉することを抑制している。
なお、図15に示すように、ストッパ部271の先端部において遊技盤80と対向している部位には面取りが施されており、挿入部290の入口部分が拡張されている。これにより、上記隙間寸法を大きくし、遊技盤80を斜めに挿入する際のストッパ部271と遊技盤80との引っ掛かりを抑制している。
図14に示すように、挿入部290(ストッパ部271群)の下方、詳しくは内枠13において左側壁部67と下側壁部66とが交わる位置には、挿入部290に挿入された遊技盤80を仮置き可能な仮置き部125が設けられている。仮置き部125は、上記通路形成部材121に形成され、挿入部290側(上方)を向く面状をなしている。なお、仮置き部125は、必ずしも通路形成部材121に形成する必要はなく、樹脂ベース60に形成することも可能である。
仮置き部125は、遊技盤収容部61の下側壁部66よりも上側に位置しているとともに、遊技盤80の下端部に対して対向している(図7参照)。一方、遊技盤80における回動基端側の下隅部にはこの仮置き部125に対応した切欠き部88が形成されている(図8参照)。遊技盤80を挿入部290に挿入し回動させる場合には、この仮置き部125に対して遊技盤80の切欠き部88が仮置き(一時的に載置)されることで同遊技盤80の重量の少なくとも一部が内枠13の樹脂ベース60によって支えられることとなる。これにより、遊技盤80を装着する際の作業負担を減らし、遊技盤80の回動操作の容易化を図っている。
また、仮置き部125は、挿入部290よりも同挿入部290の開放先側に延びている。これにより、挿入部290に挿入する前に遊技盤80を仮置き可能となっており、更なる作業の容易化に貢献している。
遊技盤80を着脱する際には、内枠13の正面側から作業が行われる。この際、言うまでも無く前扉枠14が開放された状態で作業が行われる。ここで、開放された前扉枠14と遊技盤80及び挿入部290との位置関係について図16に基づき説明を補足する。図16は、開放された前扉枠14と遊技盤80及び挿入部290との位置関係を示す概略図である。
既に説明したように前扉枠14は内枠13に設けられた上記支持金具71,72によって回動可能に軸支されており、この軸支された部分(回動中心軸線CL)を中心として開閉される構成となっている。図16に示すように、下側の支持金具72には前扉枠14の最大開放位置を規定する規定部72aが形成されている。前扉枠14が開放され、規定部72aに対して当たった場合には、それ以上の開放が不可となる。本実施の形態においては、前扉枠14の最大開放量が凡そ100°に設定されている。これは、パチンコ機10がホール等の島設備に設置された状態にて前扉枠14が開放された場合に、隣接して設けられた他の遊技機等に対して同前扉枠14が干渉しないように、また隣接する遊技機での遊技を妨げないようにするための工夫である。なお、前扉枠14の最大開放量は100°に限定されるものではない。少なくとも遊技盤80の着脱が許容される範囲であれば任意に設定してよい。
前扉枠14の回動中心軸線CLは同前扉枠14の前面寄りに位置しており、前扉枠14を閉じた状態にて内枠13の内側に当該前扉枠14の回動基端部分が嵌まり込む構成となっている。これにより、前扉枠14と内枠13との境界部位(特に前扉枠14の回動基端側の境界部位)を介して不正具が挿入されるといった不都合を生じにくくし、防犯機能の強化を図っている。
この回動中心軸線CLの後方に上記挿入部290が配置されている。前扉枠14は所定の厚さを有しているため、上述の如く最大開放位置まで開放された場合であってもその背面の一部が挿入部290よりも右側(前扉枠14を支持している側とは反対側)に張り出した状態となる。挿入部290は、その張出部分よりも奥まった位置に存在しているものの、遊技盤80を出し入れする際に当該遊技盤80の通過する軌道PLと前扉枠14との干渉が回避されるようにしてその挿入口の向きが定められている。これにより、遊技盤80を装着する際の前扉枠14の張り出し部分と遊技盤80との干渉が抑えられている。
(誘導レール100の保護に関する構成)
しかしながら、上述の如く挿入部290の挿入口の向きを工夫したとしても、上記干渉の発生機会を減らすことは可能ではあるが、遊技盤80の挿入方向のばらつきや前扉枠14の開放不足等に起因した同干渉の発生を完全に払拭することは難しいと想定される。つまり、作業ばらつきに起因した干渉の発生を挿入口等の工夫のみで抑えることは難しいと考えられる。更には、遊技盤80を着脱可能な構成を採用しているため、遊技盤80の輸送時等に遊技盤80をぶつける可能性もあり、遊技盤80の保護機能には改善の余地がある。
特に、遊技領域PEを区画している誘導レール100については、遊技盤80の前面から突出しているだけでなく同遊技盤80において挿入部290側に位置しているため、同誘導レール100等によって囲まれている釘87等の各種構成と比較して、上記干渉の対象になりやすいと想定される。また、誘導レール100は挿入部290とは反対側、すなわち遊技盤80の回動先端側に開放された弧状をなしており、遊技盤80の前面にはその開放部位を塞ぎ誘導レール100と共に遊技領域PEを区画するブロック状の遊技領域区画部材が設けられている。言い換えれば、誘導レール100と遊技領域区画部材とは、前者が遊技盤80の回動基端側、後者が遊技盤80の回動先端側に配置されることで両者併せて環状をなしている。このように誘導レール100が回動基端側に配置されているため、誘導レール100は遊技領域区画部材と比較しても上記干渉が発生しやすいと想定される。
既に説明したように誘導レール100には遊技球発射機構110から発射された遊技球を遊技領域PEに導く機能が付与されている。このため、誘導レール100に上記干渉に起因した変形等が発生した場合には、遊技領域区画部材に同様の変形が生じた場合と比較して、遊技球の動きに対する影響が大きくなると想定される。そこで、本実施の形態においては、レールカバー400によって誘導レール100を遊技領域PEの外側から覆う構成とすることにより、誘導レール100を上記干渉等から保護している。
レールカバー400は、透明性を有する合成樹脂材料を用いて遊技盤80とは別体で形成されており、図8に示すように同遊技盤80の前面から前方へ突出した状態で当該遊技盤80に固定されている。より詳しくは、レールカバー400は、遊技盤80の前面において遊技領域PEの外側となる領域、詳しくは遊技盤80における挿入部290側の端部と誘導レール100(詳しくは外レール102)との間に配置されている。このレールカバー400によって誘導通路103のほぼ全域が遊技盤80の挿入方向先側から覆われている。
以下、図17及び図18に基づきレールカバー400について詳しく説明する。図17は図8の部分拡大図、図18はレールカバー400の構成を示す斜視図である。なお便宜上、図17においては2点鎖線を用いて内枠13を示し、図18においては2点鎖線を用いて遊技盤80を示している。
図17に示すように、レールカバー400は、遊技盤80の前面において遊技領域PEの外側となる領域、詳しくは遊技盤80における挿入部290側の端部と誘導レール100(詳しくは外レール102)との間に配されており、同端部に沿って延びる縦長状をなしている。
レールカバー400は、遊技盤80の前面と対向する(詳しくは面当たりする)平板状のベース部410を有している。ベース部410は、遊技盤80の左側縁部に沿って上下に延びており、同ベース部410の上端が外レール102において挿入部側(左側)に凸となっている部分の頂部102bよりも上方、且つ同ベース部410の下端が頂部102bよりも下方に位置するように形成されている。ベース部410における外レール102側の縁部は、その中央部分が同外レール102に沿って湾曲しており、外レール102とは反対側の縁部は遊技盤80の縁部に沿って直線状に延びている。つまり、ベース部410は自身の長手方向における中央部分にて幅が狭くなるように括れている(図18参照)。
ベース部410には、当該ベース部410から外レール102と同一側(すなわちパチンコ機10の前方)に起立する起立部420が一体成形されている。起立部420は、外レール102に対して遊技領域PEとは反対側から対向する壁状をなし、当該起立部420の前端縁が外レール102の前端縁よりも前方に突出するように形成されている。この起立部420によって、外レール102において挿入部290側に凸となっている部分、すなわち上記誘導通路103を構成している部分が同挿入部290側から覆われた状態となっている。
起立部420は、ベース部410における湾曲部分に沿って形成された湾曲部421を有している。湾曲部421は、外レール102に対して平行、且つ同外レール102との間に僅かな隙間が確保されるように構成されている。また、起立部420は、湾曲部421の上端から上方に延びているとともに、同湾曲部421の下端から下方に延びている。以下便宜上、起立部420において湾曲部421よりも上側となる部分を「上側起立部422」と称し、同湾曲部421よりも下側となる部分を「下側起立部423」と称する。
上側起立部422及び下側起立部423は、上下に延びる平板状をなしており、上記頂部102bから離れるにつれて外レール102との隙間が大きくなるように形成されている。この隙間の拡がりに合わせて、ベース部410が起立部420よりも外レール102側に延出している。つまり、湾曲部421がベース部410における外レール102側の縁部に沿って形成されているのに対して、上側起立部422及び下側起立部423はベース部410の幅方向における略中央に位置するように形成されている。以下便宜上、ベース部410において起立部420よりも外レール102側となる部分を「内側ベース部411」、同ベース部410において起立部420よりも挿入部290側となる部分を「外側ベース部412」と称する。
図18に示すように、内側ベース部411及び外側ベース部412にはレールカバー400の固定手段を構成するネジ孔413,414が形成されている。これらネジ孔413,414に挿通されたネジ416,417が遊技盤80に対して螺着されることにより、レールカバー400と遊技盤80とが一体化されている。
外側ベース部412に設けられているネジ孔414及びネジ417は、内側ベース部411に設けられているネジ孔413及びネジ416よりも湾曲部421寄りとなるようにレールカバー400の長手方向(上下方向)にずらして配されている。これは限られたスペースにてレールカバー400の固定強度を向上させるための工夫である。
上側起立部422における湾曲部421とは反対側の端部(上端部)には、挿入部290側に突出するアーム部430が形成されている。アーム部430は上記ストッパ部271の上面272と若干の隙間を挟んで対向しており、その対向している部分にはストッパ部271側に凸となる突起431が形成されている。この突起431に対応させてストッパ部271の上面272には下方に凹んだ受け部275が形成されており、その受け部275に突起431が引っ掛かった状態となっている。
突起431において挿入部290側を向いている部分にはアーム部430の先端部分から根元部分に向けて下り傾斜する傾斜面432が形成されており、遊技盤80を挿入部290に挿入する際には傾斜面432がストッパ部271の上面272及び側面273の境界部位に当たる。これにより、アーム部430が根元部分(上側起立部422と繋がっている部分)を基端として撓み変形し、突起431がストッパ部271の上面272へと導かれる。この後、アーム部430が弾性力によって変形前の状態に復帰することにより、突起431が受け部275に引っ掛かることとなる。このようにして突起431が受け部275に対して引っ掛かることにより、挿入部290からの遊技盤80の脱落が阻止される。
既に説明したように、突起431が受け部275に対して引っ掛かっている状態では、遊技盤80がそれら突起431及び受け部275の引っ掛かり位置よりも回動先端側にて仮置き部125に載っている。つまり、遊技盤80が仮置き部125によって支えられた状態にて、遊技盤80の脱落が阻止されている。これにより、遊技盤80の重さ等による負荷が突起431や受け部275に集中することを好適に回避している。
ここで、図15及び図17に基づきレールカバー400と挿入部290との関係について補足説明する。図15に示すように遊技盤80が内枠13に対して装着された状態では、挿入部290(詳しくはストッパ部271)がレールカバー400の上側起立部422及び下側起立部423の側方に位置し、レールカバー400の外側ベース部412が挿入部290に嵌まっている。
外側ベース部412は、ストッパ部271の背面274に対してパチンコ機10の後方から当接している。外側ベース部412においてストッパ部271に当接している部分には、起立部420とは反対側(遊技盤80側)に突出する突出部440が一体成形されている。突出部440は遊技盤80の厚さ方向に延びる筒状をなしており、遊技盤80にはこれら突出部440が嵌合する嵌合孔89が形成されている。嵌合孔89は遊技盤80の前面側及び背面側に開放されており、突出部440の先端部分が同嵌合孔89を通じて遊技盤80の背面側に突出している。
突出部440にはレールカバー400(詳しくは起立部420等)に加わった負荷を当該突出部440を通じて遊技盤80へ分散させる分散機能が付与されており、レールカバー400の特定箇所に負荷が集中することを抑制している。特に突出部440は、レールカバー400の長手方向に拡がる縦長状をなしていることで、起立部420に対して同起立部420の根元部分を基端とした傾きが生じるような負荷が加わった場合に、そのような負荷を好適に分散させることが可能となっている。
図15に示すように、内枠13の対向板部62においてストッパ部271よりも遊技盤80の回動先端寄りとなる部分、詳しくは中央開口64側の縁部には、同縁部から前方に起立するリブが形成されており、このリブに対して突出部440が当接している。このように、突出部440の先端部分が対向板部62のリブに当接することで、遊技盤収容部61の奥側への遊技盤80の変位が規制されている。
本実施の形態においては特に、挿入部290の前後幅寸法が遊技盤80の厚さ寸法、詳しくはベース部410の前面から突出部440の先端までの前後寸法よりも僅かに小さく設定されており、遊技盤80を装着完了位置に配置した状態では、遊技盤80が挿入部290に対して強干渉した状態となる。このように、挿入部290に対して遊技盤80を強干渉させることにより、遊技盤80の前後位置のばらつきを抑えることが可能となっている。
しかしながら、このような構成を採用する場合、挿入部290への遊技盤80の挿入が難しくなることは好ましくない。そこで、上述の如くレールカバー400のベース部410とストッパ部271との当接箇所よりも、同レールカバー400の突出部440と対向板部62のリブとの当接箇所のほうが、遊技盤80の回動先端側に位置する構成とすることにより、遊技盤80の挿入を容易化しつつ、装着完了位置に配置した状態での位置ばらつきを好適に抑制することが可能となっている。
(隙間の拡がり規制に関する構成)
本実施の形態においては特に、遊技盤80が装着された状態、すなわち同遊技盤80の前後位置がストッパ部271や上記ロック装置によって規定されている状態にて前扉枠14が閉じている場合に、当該遊技盤80とガラスユニット30(詳しくはガラスパネル32)との隙間の拡がりを規制する規制機構を備えていることを特徴の1つとしている。以下、図15,図16,図19及び図20に基づき規制機構について詳しく説明する。図19はレールカバー400とガラスユニット30との位置関係を示す概略図、図20は図1のD−D線部分断面図である。なお、図19においては、便宜上ガラスユニット30の一部を2点鎖線及びドットハッチングを用いて表している。
図19に示すように、起立部420の湾曲部421には、その前端縁から外レール102側に突出し、遊技盤80に対して同外レール102を挟んで対向する対向部450が形成されている。対向部450は、上側起立部422と下側起立部423とに跨るように形成さており、湾曲部421の補強機能が付与されている。
対向部450は、湾曲部421の中央寄りに配された第1対向部451と、両起立部422,423寄りに配された第2対向部452,453とを有している。より詳しくは、対向部450は、図18に示すように、第1対向部451が遊技盤80側且つ第2対向部452,453が前扉枠14側となる段差状に形成されている。
図20に示すように、第1対向部451は外レール102の前端縁に対して僅かな隙間を隔てて対向しており、第2対向部452,453は同外レール102の前端縁に対して第1対向部451よりも大きな隙間を隔てて対向している。この外レール102と第2対向部452,453との隙間に前扉枠14の一部が嵌まっている。
より具体的には、既に説明したように前扉枠14のガラスホルダ33は遊技盤80の外周縁に沿って形成された環状をなしており、遊技盤80の前方に配されている。ガラスホルダ33の枠部34は、同枠部34における遊技盤80側の縁部がレールカバー400の対向部450よりも遊技盤80の前面寄りとなるように、ガラスユニット設置部22から遊技盤80側に張り出している。枠部34においてレールカバー400に遊技領域PE側から対向している部分には、同レールカバー400へ向けて延出する延出部37が形成されている。
延出部37は、枠部34の外壁面からレールカバー400の湾曲部421へ向けて延びる平板状をなしており、少なくともその先端部分が第2対向部452,453と外レール102との隙間に嵌まっている。延出部37の板面は、遊技盤80及びガラスユニット30の並設方向(前後方向)と直交しているとともに、第2対向部452,453に対して僅かな隙間を隔ててパチンコ機10の後方から対向している。また、同延出部37の板面は後側のガラスパネル32の後側の板面と略同一の仮想平面上に位置している。つまり、延出部37と後側のガラスパネル32とが略面一となるように形成されている。なお、延出部37が第2対向部452に対してパチンコ機10の後方から当接する構成とすることも可能である。
ガラスユニット30及び遊技盤80のうち少なくとも一方が他方から遠ざかる側に変位した場合には、延出部37が第2対向部452,453に当接し、ガラスユニット30(詳しくは後側のガラスパネル32)と遊技盤80との隙間の拡がりが規制される。特に延出部37の先端部分は、湾曲部421(図19参照)に沿うように湾曲しており、第2対向部452,453に対する掛かり代ができるだけ大きくなるように工夫されている。
例えば、図21(遊技盤とガラスユニットとの位置関係を示す概略図)(a)→(b)に示すように、内枠13と前扉枠14との境界部位にバール等の不正具Tが挿入され、同境界部位が前後方向へ押し拡げられた場合であっても、それに追従してガラスユニット30(詳しくは後側のガラスパネル32)と遊技盤80との隙間が拡がることを抑制できる。特に、上記境界部位の拡がりが大きくなった場合には、ガラスユニット30を枠体20に固定しているレバー部材23(図5等参照)が撓むことにより、遊技盤80の前面とガラスパネル32との間隔の拡がりが規制されることとなる。
ここで、対向部450の配置について補足説明する。既に説明したように前扉枠14を同前扉枠14の上端部寄り及び下端部寄りに配置された支持金具71,72によって支持している構成において、前扉枠14の回動安定性の向上が期待できる反面、それら両支持金具71,72の間となる部位にて、同前扉枠14と内枠13との境界部位が拡がりやすくなると想定される。この点、本実施の形態における第2対向部452は、支持金具71,72の間に配置されており、上記規制機能が好適に発揮される。
また、両第2対向部452のうち少なくとも下側の一方は、内枠13において前扉枠14を支持している側の端部と上記作動口83との間に配置されている。これにより、作動口83付近における上記隙間の拡がりを好適に抑制可能となっている。
(遊技盤80の交換作業の流れ)
以下、図22〜図24に基づき遊技盤の交換作業の流れについて説明する。図22〜図24は遊技盤80の交換作業時の様子を概略的に示す斜視図である。なお、便宜上、図22(a)及び図23(a)においては前扉枠14を2点鎖線で示し、他の図においては前扉枠14を省略している。
遊技盤80をパチンコ機10から取り外す際には、図22(a)に示すように前扉枠14を開放した後、ロック装置600をロック解除状態に切り替える。これにより、遊技盤80の回動が許容された状態となる。
遊技盤80が回動可能となった後は、図22(a)→図22(b)に示すように、同遊技盤80を挿入部290を中心として手前側に回動させる。この際、遊技盤80を仮置き部125に載せたまま回動させることができるため遊技盤80を手で支える必要がない。また、遊技盤80の突起431が樹脂ベース60の受け部275に引っ掛かった状態のまま維持され、挿入部290からの遊技盤80の脱落が回避される。つまり、遊技盤80を所定位置まで回動させたとしても、引っ掛かり維持される。
次に、図22(b)→図22(c)に示すように、遊技盤80を手で抱える等して上方に持ち上げる。これにより遊技盤80は仮置き部125から離間し、遊技盤80が作業者によって支えられることとなる。そして、この操作に基づいき突起431が受け部275から離脱し、上記引っ掛かりが解除される。これにより、挿入部290からの遊技盤80の引き抜き操作が許容される。
その後、図22(c)→図22(d)に示すように、遊技盤80を挿入部290の開放先側へ移動させることで、同遊技盤80の取り外しが完了する。
遊技盤80を装着する際には、図23(a)→図23(b)→図23(c)→図23(d)→図24(e)→図24(f)の順に作業が行われる。
先ず図23(a)に示すように、前扉枠14を最大開放位置へ回動させる。その後、図22(b)に示すように、遊技盤80を抱えて、同遊技盤80(詳しくは切欠き部88)を仮置き部125に載せる。これにより、遊技盤80が樹脂ベース60によって支えられ、同遊技盤80の重量の少なくとも一部を樹脂ベース60側に預けることができ、以後の作業の容易なものとすることができる。
図23(b)→図23(c)に示すように遊技盤80を仮置き部125に載せたまま挿入部290に向けて押し込むと、具体的には切欠き部88を支点として、同遊技盤80の上端を挿入部290側に傾倒させると、遊技盤80の一部が挿入部290に嵌まり、その後レールカバー400の突起431(詳しくは傾斜面432)がストッパ部271の上面272及び側面273の境界に当たる。
このように傾斜面432がストッパ部271に当接した状態から遊技盤80が挿入部290の奥側へ向けて更に押し込まれると、アーム部430が撓み変形し、上記突起431がストッパ部271の受け部275に誘導される。そして、突起431が受け部275に引っ掛かることにより、挿入部290からの遊技盤80の脱落が阻止される。このように、遊技盤80の脱落が阻止された状態では、遊技盤80の自重が樹脂ベース60によって支えられることとなり、作業者が遊技盤80を支える必要がなくなる。
その後、図23(c)→図23(d)に示すように、挿入部290を基端として遊技盤80を回動させることにより同遊技盤80が遊技盤収容部61に収容される。遊技盤80を遊技盤収容部61に収容した後、ロック装置600をロック状態に切り替えることで、遊技盤80の樹脂ベース60に対する装着作業が完了する。
遊技盤80の装着が完了した後は、図24(e)→図24(f)に示すように前扉枠14を閉じることで、ガラスユニット30の延出部37が、レールカバー400と外レール102との間に挿入され、同延出部37が第2対向部452に対して後方から対向した状態となる。これにより、遊技盤80とガラスユニット30(詳しくは後側のガラスパネル32)との隙間の拡がりが規制される。
以上詳述した遊技盤80の装着に際しては、内枠13側と前扉枠14側とを電気的に接続するためのハーネスの装着作業がなされる。ここで、この電気的接続にかかる構成について補足説明する。
レールカバー400(ベース部410)の上端部は、遊技盤80の上隅部に形成された切欠き部から上方に突出している。つまり、レールカバー400の上端部は遊技盤80の切欠き部を通じて同遊技盤80の背面側に露出している。
この露出している部分には、遊技盤80の背面側からの中継基板460が取り付けられている。より具体的には、ベース部410の上端部には中継基板460を設置する設置部415が形成されている(図18参照)。設置部415は、ベース部410から後方に起立する周壁部と、当該周壁部によって囲まれた領域を前後に仕切る仕切り板部とを有している。仕切り板部によって仕切られた領域のうち後側の領域が、遊技盤80の背面側に開放された中継基板460用の収容領域となっている。
中継基板460は設置部415に対して遊技盤80の背面側から取り付けられており、その両板面にはコネクタ等の各種構成が配設されている。詳しくは、表側の板面には前扉枠14に設けられた遊技機器(例えばランプ部24〜26やスピーカ部27等)用のハーネスを接続するための表側コネクタが設けられており、裏側の板面には音声ランプ制御装置143用のハーネスを接続するための裏側コネクタが設けられている。
仕切り板部には前後に貫通する開口が形成されており同開口を通じて表側コネクタが遊技盤80の正面側に露出している。これにより、裏側コネクタについては遊技盤80の背面側に露出し、表側コネクタについては遊技盤80の表側に露出した状態となっている。
図24(a)→図24(b)に示す遊技盤80の挿入作業に先だって、中継基板460と音声ランプ制御装置143とを電気的に接続するためのハーネスを遊技盤80の背面側から当該中継基板460(詳しくは上記表側コネクタ)に対して取り付ける。その後、図24(d)に示したように遊技盤80を装着完了位置へと配置し、中継基板460と前扉枠14に設けられた遊技機器(例えばランプ部24〜26やスピーカ部27等)とを接続するためのハーネスを当該中継基板460に対して取り付ける。これにより、音声ランプ制御装置143と上記遊技機器とが電気的に接続され、同音声ランプ制御装置143によって遊技機器が制御可能な状態となる。
以上詳述したように、レールカバー400には、遊技盤80を着脱する際の簡易的な支持機能、誘導レール100(詳しくは外レール102)を保護する機能、前後方向におけるガラスユニット30と遊技盤80との相対位置の変化を規制する機能等が付与されている。本実施の形態においては更に、同レールカバー400が遊技領域PEへの不正なアクセスを妨げる防壁として活用されていることを特徴の1つとしている。以下、図8及び図25を参照して、レールカバー400における防犯にかかる構成について説明する。図25は、レールカバー400と誘導レール100との関係を示す概略図である。
(レールカバー400に付与された防犯機能)
図8に示すように、レールカバー400には、ベース部410の下端部から延出する延出部470が形成されている。延出部470は、外レール102に沿うようにして誘導通路103の入口部分104側へ延びており、起立部420と同様に外レール102に対して遊技領域PEとは反対側から隙間を隔てて対向する壁部471を有している。遊技盤80に対してレールカバー400が取り付けられた状態では、外レール102において上記特定部位SPを含んだ所定の範囲が壁部471によって遊技領域PEの外側から覆われている。
図25に示すように、壁部471における後側の端部は遊技盤80の前面に対して当接しており、同壁部471の遊技盤80からの起立量については外レール102の起立量よりも大きく設定されている。つまり、壁部471は外レール102よりも遊技機前方へ突出している。
壁部471における前側の端部には、外レール102を挟んで遊技盤80の前面と対向する対向部472が形成されている。すなわち、延出部470の先端部分(対向部472)については、外レール102とガラスユニット30との間に入り込んでいる。
仮に内枠13と前扉枠14との境界部位において前扉枠14の回動基端側となる箇所からワイヤ等の不正具が挿入された場合には、同不正具がレールカバー400(詳しくは起立部420や延出部470)に当たることで当該不正具の遊技領域PEへの到達を妨げることができる。これにより、遊技領域PEへの不正なアクセスを抑制することができる。
遊技盤80の取付対象を前扉枠14の枠体20ではなく内枠13の樹脂ベース60とした場合には、遊技盤80(詳しくは誘導レール100)と前扉枠14(詳しくは枠体20やガラスユニット30)との間の隙間を完全に払拭することは難しい。上述した不正行為を行う場合には当該隙間が大きくなる箇所を狙うことで、不正行為が容易になると想定される。
上述の如く遊技球発射機構110から発射された遊技球が特定部位SPに着地する構成においては、着地時に発生する衝撃を低減したり着地後の遊技球の挙動(球飛び)を安定させたりすることを目的として、外レール102の調整が行われることがある。より詳しくは、製造ばらつき等に起因して遊技球の着地位置や角度が設計上の狙いとはことなるものになり得るため、パチンコ機10の出荷前の検査時、遊技ホールでの動作確認時やメンテナンス作業時等にて上記調整が行われることがある。
上記調整においては、外レール102において特定部位SP及びその周辺部位を撓ませて、外レール102の曲率を加減したり遊技盤80に対する外レール102の傾きを加減したりする。仮に遊技盤80に対する傾きの調整がなされた場合には、図25の2点鎖線に示すように、外レール102とガラスユニット30との間の隙間が大きくなりやすい。故に、特定部位SP周辺については遊技領域PEへ不正なアクセスをする際の足掛かりとして狙われやすくなると想定される。
この点、本実施の形態におけるレールカバー400(詳しくは延出部470)については、外レール102において調整の対象となり得る範囲(特定部位SP及びその周辺部位)を覆うようにして配設されている。レールカバー400は上記調整の対象ではないため、上記調整が行われたとしても前後方向における当該レールカバー400(例えば延出部470)と前扉枠14(例えばガラスユニット30)との位置関係が変化することはない。つまり、遊技盤80(詳しくは誘導レール100)と前扉枠14(詳しくは枠体20やガラスユニット30)と隙間の拡がりが回避される。故に、外レール102の調整を許容したとしても、それに起因して不正行為が容易になるといった不都合を生じにくくすることができる。
特に、延出部470の対向部472については、外レール102が実質的に調整され得る範囲(変位し得る範囲)にて、前後方向における同外レール102との重なりが担保されるように構成されている。上述の如く外レール102の撓み変形を許容する構成においては、遊技盤80の装着作業時等に外レール102が前扉枠14等と干渉することで、意図しない変形が生じる可能性が高くなる。そこで、外レール102が調整された場合であっても、対向部472によって同延出部470を保護することにより、上記不都合の発生を抑えることができる。
延出部470によって外レール102の調整対象箇所(特定部位SPを含む領域)を覆う構成を採用した場合には、上記各種効果を享受することができる。しかしながら、その反面、以下の懸念が生じる。すなわち、延出部470によって上記調整作業が妨げられやすくなると懸念される。
そこで、本特徴においては、このような不都合を解消すべく以下の工夫が施されている。すなわち、レールカバー400においてはベース部410における延出部470寄りとなる端部に遊技盤80に対する固定箇所が設けられており、延出部470については遊技盤80に対する固定箇所が設けられていない。このため、延出部470は、ベース部410側の端部が固定端、入口部分104側の端部が自由端となっており、当該固定端を中心とした撓み変形が許容されている。
上述した調整作業を行う際には、延出部470の自由端を指等で摘んで同延出部470を遊技領域PEから遠ざかる側へ遊技盤80の前面に沿うようにして撓ませる(弾性変形させる)ことで、図25の1点鎖線に示すように外レール102との隙間を拡げることができる。この際、前後方向における延出部470の対向部472と外レール102との重なりが回避されるまで延出部470を変形させることで、当該延出部470が上記調整作業の妨げとなることを回避できる。
調整作業を終えた後は、延出部470を放すことにより、同延出部470が自身に蓄えられた弾性力によって変形前の状態に復帰する。これにより、外レール102が延出部470によって再び覆われた状態となる。
延出部470が固定端を中心として撓み変形している場合であっても、変形前と同様に遊技盤80の前面に対して当接した状態が維持される。上述した外レール102の調整作業によって外レール102が遊技領域PEから遠ざかる側へ傾けられた場合に、延出部470が同外レール102によって外側へ押圧されたとしても、延出部470と遊技盤80との前後方向での位置関係が変化しない。故に、延出部470と遊技盤80との隙間を通じて不正具が挿入されるといった不都合を生じにくくし、延出部470の撓み変形によって防犯機能が低下することを回避している。
また、図25に示すように、前扉枠14の枠体20には、同前扉枠14を閉じた状態にて延出部470を挟んで外レール102とは反対側に位置するようにしてストッパ部20aが形成されている。ストッパ部20aは、延出部470に対して隙間を隔てて対峙している。仮に、延出部470に対して不正具を引っ掛ける等して、延出部470を外レール102から遠ざかる側へと無理矢理変形させるといった行為が行われた場合であっても、当該延出部470の変形がストッパ部20aによって妨げられることとなる。
延出部470とストッパ部20aとの隙間については、ストッパ部20aに当接する位置まで延出部470が変位した場合であっても対向部472と外レール102との重なりが担保されるように設定されている。これにより延出部470と外レール102とを引き離す等して防犯機能を低下させるといった行為を難しくしている。
ストッパ部20aと同様の構成を内枠13側(例えば遊技盤80や樹脂ベース60)に配設することも可能である。しかしながら、上記調整作業については、遊技盤80を樹脂ベース60に搭載した状態で行われることを考慮すれば、調整作業の都度、ストッパ部20aに相当する構成を着脱する必要が生じる。この点、本実施の形態に示すように前扉枠14に対してストッパ部20aを配設することにより、調整作業の際にストッパ部20aが邪魔になることを好適に抑制することができる。
また、延出部470に相当する構成とストッパ部20aを統合した変位不能な防壁を、遊技盤80(詳しくはレールカバー400)ではなく、前扉枠14側に設けることも可能である。しかしながら、このような構成においては、前扉枠14が回動式であることを考慮すれば、同前扉枠14の回動時の防壁と外レール102との干渉を回避しようとすることで、外レール102と延出部に相当する構成との隙間を小さくすることや延出部に相当する構成と外レール102との重なりを大きくすることが困難になる。このため、防犯機能の向上が難しくなる。
この点、本実施の形態に示したように遊技盤80側に設けられた延出部470と前扉枠14側に設けられたストッパ部20aとを併用する構成を採用すれば、上記各種不都合の発生を抑えつつ防犯機能を向上することができる。
(遊技盤80の配置に関する構成)
既に説明したように、本実施の形態における遊技盤80は樹脂ベース60に対して着脱可能な構成となっており、装着完了位置への配置作業の容易化や装着完了位置での位置精度の向上等の各種工夫がなされている。ここで、先ず内枠の補強に関する構成について説明する。内枠13の樹脂ベース60には、当該樹脂ベース60を補強する補強プレート550が設けられ、この補強プレート550によって樹脂ベース60の撓みや捩れ等を抑制することで遊技盤80の位置精度の向上等が図られている。以下、図26、図27及び図28に基づき補強プレート550について説明する。図26は図14の部分拡大図、図27は内枠13から主要な構成を取り外した状態を示す分解斜視図、図28は図7のE−E線部分断面図である。
図26及び図27に示すように、補強プレート550は、金属製の板材を折り曲げて形成され、樹脂ベース60の左右両端部、すなわち内枠13の左右の枠部に跨って延びる横長状をなしている。図27に示すように、樹脂ベース60において遊技盤収容部61の下側には、下側壁部66(言い換えれば遊技盤80の下端縁)に沿うようにして補強プレート550を設置可能なプレート設置部69が形成されており、当該プレート設置部69に対して補強プレート550がパチンコ機10の前方から取り付けられている。
プレート設置部69は、遊技盤収容部61を形成している下側壁部66に連なるとともに、パチンコ機10の前方を向いた平面状をなしている。補強プレート550は、このプレート設置部69に対応するベース部561を有しており、当該ベース部561がプレート設置部69に対して面接触することにより、その樹脂ベース60に対する前後位置が規定されている。
ベース部561は補強プレート550の長手方向に延びる長尺状をなしており、その中央部分には前後に貫通する丸孔562が複数形成されており、それら丸孔562に対してプレート設置部69に形成された突起70がそれぞれ挿通されることにより、樹脂ベース60に対する補強プレート550の左右位置及び上下位置が規定されている。
また、ベース部561には、上記長手方向に並ぶようにして複数の貫通孔563が形成されており、これら貫通孔563に挿通されたネジ591がプレート設置部69に螺着されることで、樹脂ベース60に対して一体化されている。特に、同ベース部561において、支持金具71,72が設けられている側の端部には、上記プレート部材281側に延びるアーム部564が形成されており、このアーム部564がプレート部材281と樹脂ベース60との間に挟み込まれた状態で同プレート部材281と共に樹脂ベース60に対して共締めされている。
図28に示すように、ベース部561は、遊技盤80の下方に位置しており、同遊技盤80の下端面に対して下側から対峙している。ベース部561の上端縁は、プレート設置部69と下側壁部66との境界部位よりも僅かに上方に突出しており、当該上端縁には下側壁部66に沿って後方へ延びる延出部571が形成されている。延出部571は、下側壁部66と平行な平板状をなしており、同下側壁部66と遊技盤80の下端部との間に挟まれている。延出部571の後端縁は遊技盤80よりも後方に位置しており、その後端縁には樹脂ベース60の対向板部62に沿って上方へ起立し、遊技盤80の背面と対向する対向部581が形成されている。つまり、これらベース部561,延出部571,対向部581によって補強プレート550がクランク状をなす構成となっており、同補強プレート550の強度向上に貢献している。
樹脂ベース60の対向板部62の縁部には、下側壁部66に対して上記対向部581を挟んで対向するようにして前方へ起立する起立部73が形成されており、これら起立部73及び下側壁部66によって挟まれた領域に対向部581が嵌まった状態となっている。
図27に示すように、対向板部62において下側壁部66の上方、詳しくは補強プレート550の対向部581と対向している部位には、遊技盤80の左右位置を規定する位置決め突起79が設けられている。以下、図8、図26、図27及び図28に基づき位置決め突起79及びそれに付随する構成について説明する。
図27に示すように、位置決め突起79は、下側壁部66の付け根部分の近傍に配され、対向板部62の前面から遊技盤80側に起立している。補強プレート550の対向部581にはこの位置決め突起79との干渉を回避すべく逃げ孔582が形成されており、同逃げ孔582を通じて位置決め突起79の先端部分が遊技盤80側に突出している。このように突出している部分が、遊技盤80に形成された貫通孔91(図28参照)に挿通されることで、遊技盤80の左右方向への移動が規制される。
位置決め突起79は対向板部62に一体成形されている。対向板部62は、複数の平板部が連なってなり、それら平板部のうち誘導レール100の入口部分104に最も近いものは周壁部63のコーナ部に連なっている。この平板部に位置決め突起79が配置されている。すなわち、周壁部63を構成する下側壁部66及び左側壁部67に連なる平板部に位置決め突起79が配置されている。このように、隣り合う複数の壁部に対して連なっている平板部においては、同平板部に対して負荷が加わった場合の変形を抑え、1の壁部に連なっている場合と比較して当該平板部の変位量を小さくすることができる。特に、誘導レール100の入口部分104に対して最寄となるコーナ部に連なる平板部に位置決め突起79を配置することで、上述した変位量を好適に低減し、位置決め突起79の位置精度の向上に貢献できる。
図8に示すように遊技盤80に形成された貫通孔91は、位置決め突起79の左右位置のばらつきを抑えつつ上下位置のばらつきを許容可能となるように形成されている。具体的には、位置決め突起79が円柱状をなしているのに対して、貫通孔91は上下方向に拡がる長孔状をなしている。これにより、位置決め突起79に遊技盤80の自重が加わることを回避しやすくし、同位置決め突起79による左右位置の位置精度の低下を抑制している。
図7及び図8に示すように、これら位置決め突起79及び貫通孔91は、誘導レール100の入口部分104後方となる位置、具体的には遊技盤80の正面視にて外レール102の背後に重なる位置に配されている。より詳しくは、位置決め突起79及び貫通孔91は、遊技盤80の正面視にて外レール102における上記特定部位SPに隣接する位置に配されている。このように、特定部位SPに近い位置にて遊技盤80の左右位置を規定することにより、外レール102の位置ばらつき、ひいては遊技球の着地位置のばらつきを抑えやすくしている。
再び図28を参照して説明すれば、位置決め突起79の起立量は、貫通孔91の深さ寸法よりも小さく設定されており、貫通孔91の中間位置に位置決め突起79の先端が位置している。これは、内枠13により遊技盤80を回動可能に支持する構成において、貫通孔91と位置決め突起79との合わせを好適なものとするための工夫である。
貫通孔91において位置決め突起79が届いていない部分には、外レール102の外側への撓み変形を規制するを撓み規制部材107が取り付けられている。つまり、貫通孔91における凡そ前側半分は遊技盤80の位置決め用の領域、同貫通孔91における凡そ後側半分は撓み規制部材107の取付用の領域として活用されている。
撓み規制部材107は、貫通孔91に嵌合する嵌合部108と、外レール102の外面に対して当接する当接部109とを有し、それら嵌合部108及び当接部109が合成樹脂材料によって一体成形されてなる。遊技球発射機構110から発射された遊技球が外レール102(詳しくは特定部位SP)に着地した際には、遊技球の着地によって生じる衝撃の一部を撓み規制部材107及び遊技盤80に分散することができ、外レール102を保護することが可能となっている。
また、撓み規制部材107は、上記固定ピン102aの間に配置されている。同撓み規制部材107を外レール102に対して撓み規制部材107を当接させておくことにより、遊技球の着地に伴う外レール102の振動を抑制することができる。なお、上述の如く貫通孔91は長孔状をなしており、嵌合部108はその外形が同貫通孔91の内形に合わせて形成されている。これにより、撓み規制部材107が上述した遊技球衝突時の衝撃等により回動(位置ずれ)することを回避しつつ、遊技盤80に対して上記衝撃を分散させやすくしている。また、そのように撓み規制部材107の位置ずれを生じにくくすることで、上記保護機能の低下が抑えられている。
以上詳述したように貫通孔91を遊技盤80の位置決めと、撓み規制部材107の取り付けに活用することで、遊技盤80の位置精度のみならず、撓み規制部材107の位置精度及び外レール102の位置精度の向上を図っている。これにより、外レール102における特定部位SPへの遊技球の着地精度を向上させることを可能としている。
ここで、上述した外レール102の調整について補足説明する。外レール102によって遊技球が誘導される際に同遊技球が遊技機正面側へ移動することは同遊技球とガラスユニット30との衝突を招く要因となり得るため好ましくない。そこで、遊技盤80に対する外レール102の傾きを調整する場合には、専ら同外レール102を遊技領域PE側へ傾けるようにして当該調整が行われる。本実施の形態においては、図28に示したように、撓み規制部材107によって外側への撓み変形を規制することで、特定部位SP及びその周辺部位における外側への傾きを抑えている。これにより、上述したガラスユニット30に対する遊技球の衝突を抑制している。
なお、撓み規制部材107については必須の構成ではなく、これを省略して外レール102の外側への撓み変形を規制しない構成としてもよい。また、撓み規制部材107によって外レール102を保持する構成とし、外レール102の外側及び内側への撓み変形を規制する構成とすることも可能である。このように内外への撓み変形を規制する構成としたとしても、撓み規制部材107が特定部位SPから外れた位置に配置されているため、同特定部位SPにおいてはある程度の撓み変形(調整)が許容される。
(遊技盤80の固定構造)
以上詳述した、位置決め突起79と横並びとなる位置等には、上述したロック装置600が設けられている。図7に示すように、ロック装置600は、内枠13において前記挿入部290とは反対側、すなわち右側壁部68寄りに配置されているものと、挿入部290側、詳しくは上記位置決め突起79の近傍に配置されているものと、遊技盤80の下端寄り(遊技球発射機構110寄り)に配置されているものと、遊技盤80の上端寄りに配置されているものとに大別される。
これら各ロック装置600については、内枠13における上記遊技盤収容部61からの遊技盤80の取り外しを不可とするロック状態と、同遊技盤収容部61からの遊技盤80の取り外しを許容するアンロック状態とに切替可能となっており、基本構成が共通となっている。言い換えれば、ロック装置600の取り付けに関する構成及び同ロック装置600に付随する構成のみが若干異なっている。そこで、先ず図27、図29及び図30に基づき位置決め突起79に対して横並びとなる位置に配設されたロック装置600の基本構成について説明し、後に個々のロック装置600に付随する構成の差異について説明する。図29(a)はロック装置600を正面側から見た斜視図、図29(b)はロック装置600の分解斜視図、図30は図7のF―F線部分断面図である。なお、図30では便宜上、ロック装置600の一部の構成(後述する操作レバー640及び軸ピン620)についてはパチンコ機10の側方から見た状態で表示している。
図27に示すように、遊技盤80の下端寄りに配置されているロック装置600は上記補強プレート550(詳しくは対向部581)を介して樹脂ベース60の対向板部62に取り付けられている。より詳しくは、図29(b)に示すように、ロック装置600は、金属板を折り曲げて形成されたベースプレート610を有しており、このベースプレート610が補強プレート550の対向部581にパチンコ機10の前方から設置された状態で樹脂ベース60の対向板部62に取り付けられている。
より具体的には、ベースプレート610は補強プレート550の対向部581に平行な平板部611を有しており、この平板部611が対向部581に対して面接触している。平板部611は、補強プレート550の長手方向と同一方向(左右方向)に延びる長板状をなしており、その長手方向に並べて2つの貫通孔612が形成されている。図27及び図29(b)に示すように、これら貫通孔612には補強プレート550とは反対側(パチンコ機10の前方)からネジ618が挿通されており、それら挿通されたネジ618が樹脂ベース60の対向板部62に螺着されることでベースプレート610が固定されている。なお、貫通孔612及びネジ618の個数は2つに限定されるものではなく任意に設定してもよい。
本実施の形態においては、上述の如く補強プレート550が自身のベース部561及び樹脂ベース60のプレート設置部69を基準として固定されており、樹脂ベース60の対向板部62に成形ばらつき等が生じた場合には、そのばらつきによって補強プレート550の対向部581と対向板部62との間に所定の隙間が生じる構成となっている。このような隙間が生じている場合には、上記ネジ618を螺着することにより、対向板部62が対向部581側に引き付けられることとなる。言い換えれば、対向板部62の強度は、対向部581と比較して高く設定されており、ネジ618をねじ込んだ場合に、対向部581が対向板部62側に傾倒することが抑制されている。これにより、補強プレート550のベース部561に対する対向部581の位置精度(すなわちベースプレート610の位置精度)が好適に担保されている。
平板部611における両貫通孔612の間には前後方向に延びる筒状部613が形成されている。筒状部613は、ベースプレート610の前面から補強プレート550とは反対側に起立しており、平板部611には同筒状部613に連通するように開口部位が形成されている。
この筒状部613に対して、対向板部62側(後方)から軸ピン620が回動可能な状態で挿通されている。軸ピン620は、その頭部621がベースプレート610の背面に対して当接することにより、前方への変位が規制されている。なお、上述した補強プレート550の対向部581及び樹脂ベース60の対向板部62には軸ピン620の頭部621との干渉を回避するべく貫通孔583,62aが形成されている(図27参照)。
軸ピン620には、遊技盤80を背面側から押すプッシャ630が組み付けらている。プッシャ630はベースプレート610を遊技盤80側から覆う略平板状の本体部631を有し、本体部631には本体部631には軸ピン620が挿通される挿通部632が形成されている。挿通部632に軸ピン620が挿通されることにより、プッシャ630が軸ピン620の中心軸線方向にスライド移動可能となっている。
本体部631は正面視にて略矩形状をなしており、その左右両側部には平板部611の左右両端から前方に起立したフランジ部614に対応させてキー溝633が形成されている。これらキー溝633に対してフランジ部614が嵌合することにより、軸ピン620の中心軸線を中心としたプッシャ630の回動が阻止されている。すなわち、プッシャ630については、上述の如く軸ピン620の中心軸線方向(前後方向)へのスライド移動が許容されつつ、同中心軸線を中心とした回動が不可とされている。
また、ベースプレート610の両長辺には、プッシャ630を遊技盤80側に付勢する付勢部615が形成されている。付勢部615は、前後方向へ撓み変形可能となるようにベースプレート610の一部を折り曲げて形成されており、その先端部分がプッシャ630(詳しくは本体部631)に対して背面側から当接している(図30参照)。より具体的には、それら付勢部615は、先端側にて両者の間隔が拡がるように、平板部611に対して斜めに傾けて(本実施の形態においては凡そ45°に傾けて)形成されている。なお、ベースプレート610に板バネとしての機能が付与されている点に着目すれば、「ベースプレート610」を「板バネ610」と称することも可能である。
因みに、本体部631には、自身の厚み方向(前後方向)に貫通する貫通孔634が上述したネジ618に対応させて形成されており、当該貫通孔634を通じたネジ618の着脱作業が許容されている。
図30に示すように、本体部631の厚さ寸法(軸線方向の長さ寸法)は、対向板部62,起立部73,下側壁部66によって形成された凹部74の深さ寸法よりも小さくなるように設定されており、同凹部74からの突出が抑えられ当該本体部631の前面が対向板部62の前面に対して略面一になる待機位置と、凹部74から突出して遊技盤80を前方へ変位させる作用位置とに切替可能となっている。以下、プッシャ630の位置の切り替えを実現する構成について説明する。
軸ピン620の先端部はプッシャ630の挿通部632を通じてその前方に突出しており、その突出している先端部には特定の操作に基づいてプッシャ630の位置を切り替える操作レバー640が固定されている。詳しくは、ネジ649(図29(b)参照)によって操作レバー640と軸ピン620とが固定されることによりベースプレート610及びプッシャ630の脱落が阻止され、それら各種構成がユニット化された状態となっている。
操作レバー640は、軸ピン620の中心軸線を中心とした回動が許容されており、軸ピン620と一体となって回動する。操作レバー640は、軸ピン620が嵌め込まれている円筒状の基部641と、同基部641におけるプッシャ630とは反対側の端部から当該基部641の放射方向両側に突出している操作部646とを有し、全体として略T字状をなしている。
図29(b)に示すように、プッシャ630において基部641の端面と対向している部分には同基部641側に起立する突起635が設けられている。より詳しくは複数の突起635が、挿通部632を囲むようにして配置されている。一方、基部641の端面には、回動中心軸線と直交する方向(すなわち回動中心軸線の放射方向)に広がる平面状をなすとともに、プッシャ630の突起635が当接した状態で停留可能な一対の停留部642,643が形成されている。それら各停留部642,643は、プッシャ630の前端面からの距離が相違しており、軸ピン620の周方向に離して配置されている。以下、便宜上プッシャ630の前端面からの距離が大きい一方を「第1停留部642」、同第1停留部642よりも前記距離が小さい他方を「第2停留部643」と称する。
また、基部641の端面にはそれら第1停留部642及び第2停留部643を繋ぐ連結部644が形成されている。連結部644は、第1停留部642及び第2停留部643を滑らかに繋ぐ曲面状をなしている。プッシャ630の突起635が連結部644を辿ることで、各停留部642,643での停留状態の切り替えが許容される。なお、連結部644が第2停留部643から第1停留部642向けて傾斜する平面状をなす構成とすることも可能である。
突起635、停留部642,643及び連結部644は、プッシャ630の位置を切り替える切替手段を構成しており、ロック装置600にはこれら各種構成を1組とする切替手段が複数(本実施の形態においては3つ)設けられている。それら切替手段は、軸ピン620の周方向において等間隔となるよう並べて配置されている。これにより、付勢部615の付勢力によって操作レバー640を歪ませるような応力が生じることを抑制している。なお、突起635,停留部642,643及び連結部644の配設対象を入れ替えることも可能である。すなわち、プッシャ630に停留部642,643及び連結部644に相当する構成を配設し、基部641に突起635に相当する構成を配設してもよい。
ロック装置600がアンロック状態である場合には、プッシャ630の各突起635が各第2停留部643に当接することにより、凹部74からのプッシャ630の突出が抑えられる。この場合、第2停留部643が付勢部615による付勢方向と直交しているため、操作レバー640はアンロック位置で保持された状態となる。操作レバー640がアンロック位置に保持された状態では、操作部646が水平方向(横方向)を向いている。
ここで、図31に基づきロック装置600の切替操作について説明する。図31は、ロック装置600の切替操作を示す概略図である。
ロック装置600をロック状態に切り替える場合には、図31(a)→図31(b)に示すように操作レバー640を時計回りに回動させ、操作部646を縦向きにすることで、各突起635が第2停留部643から連結部644を経由して第1停留部642に移る。これにより、プッシャ630が凹部74から突出し、遊技盤80を背面側から押す状態となる。この場合、第1停留部642が付勢部615による付勢方向と直交しているため、操作レバー640はロック位置で保持された状態となる。操作レバー640がロック位置で保持された状態では操作部646が水平方向と鉛直方向との中間を向くように傾いている。
遊技盤80には操作部646に対応する挿通部92が形成されており、操作部646が同挿通部92を通じて遊技盤80の前面よりも前方に張り出している。より具体的には、挿通部92は、遊技盤80の厚さ方向に貫通しているとともに、遊技盤80の回動基端側から回動先端側、詳しくは水平方向に延びており、ロック装置600がアンロック状態にある場合には操作部646の通過を許容し、ロック装置600がロック状態である場合には操作部646の通過を阻止するように形成されている。このため、ロック装置600がロック状態に切替えられた場合には、操作部646において遊技盤80の前面と対向する部分が同遊技盤80に対して当接し、上述した付勢部615の付勢力による遊技盤80の移動が阻止される。つまり、操作部646は遊技盤80の移動を阻止するストッパ部としての機能を併せ有している。
なお、操作部646において遊技盤80側(遊技機後方)を向いている部分は、当該遊技盤80側に凸となる滑らかな曲面状をなしている。かかる構成を採用することにより、操作レバー640を回動させた場合に操作部646の端部が遊技盤80のシート材の端部と干渉することを回避している。故に、操作レバー640の操作に起因したシート材の捲れが生じにくくなっている。
ロック装置600をアンロック状態に切り替える場合には、図31(b)→図31(a)に示すように、操作レバー640を反時計回りに回動させ、操作部646が水平となるように操作する。これにより、プッシャ630が凹部74側に引っ込み、遊技盤80の付勢が解除されるとともに、操作レバー640(操作部646)の上記挿通部92の通過が許容される。これにより、遊技盤80を遊技盤収容部61から取り出すことが可能となる。
遊技盤80の下端よりに配置されたロック装置600Lと遊技盤80の上端寄りに配置されたロック装置600Uとの共通点及び相違点について説明する。ロック装置600Uは、上記ロック装置600Lと同様に、ベースプレート610,軸ピン620,プッシャ630及び操作レバー640を有しており、これら各種構成がユニット化されてなる。上記ロック装置600Lが補強プレート550に設置されていたのに対して、ロック装置600は対向板部62に設置されている点で相違している。
以上詳述したように、ロック装置600によって遊技盤80の前後位置が規定される点に着目すれば、同ロック装置600に位置決め機能が付与されているといえる。
次に、図26に基づきロック装置600及び上記位置決め突起79の関係について説明する。
ロック装置600は、操作部646の前端部が位置決め突起79の先端よりも前方に位置するように配置されている。このため、遊技盤80を装着完了位置に向けて回動させる場合には、先ずロック装置600の操作部646が遊技盤80の挿通部92に入り、その後、位置決め突起79が遊技盤80の貫通孔91に入ることとなる。より詳しくは、操作部646の少なくとも一部が挿通部92に嵌まっている状態にて、位置決め突起79が貫通孔91に入ることとなる。挿通部92の内形は操作部646の外形よりも僅かに大きく形成されており、挿通部92内での操作部646の移動ばらつきが制限される。つまり、操作部646が挿通部92内に入ることで、遊技盤80の組み付けばらつき(例えば左右方向での位置ばらつき)が抑えられることとなる。このように、遊技盤80の位置ばらつきが抑えられた状態にて、位置決め突起79が貫通孔91に入る構成とすることで、位置決め突起79が貫通孔91に上手く嵌まらないといった不都合を生じにくくしている。
特に、本実施の形態においては、位置決め突起79の左右両側にロック装置600が配置されている。つまり、位置決め突起79が2つのロック装置600の間に配されている。各ロック装置600に対応する挿通部92は、左側の挿通部92が遊技盤80の回動基端側に開放され、右側の挿通部92が遊技盤80の回動先端側に開放されており(図8参照)、その開放されている方向以外の方向へのロック装置600の位置ずれを抑える構成となっている。このように各ロック装置600に位置ずれ抑制機能を分与することにより、一方のロック装置600に負担が集中することを抑制している。
特に、左側のロック装置600に対応する挿通部92については、遊技盤80の切欠き部88に連なるとともに、遊技盤80の回動基端側に開放されている。
ロック装置600が誘導レール100の入口部分104を挟んだ左右両側に配置されている構成においては、両ロック装置600のうち入口部分104よりも遊技盤80の回動基端側に位置する一方によって挿入部290への遊技盤80の挿入が妨げられやすくなることが懸念される。入口部分104を遊技盤80の幅方向における略中央に配置していることで、そのような不都合が顕著になると想定される。
また、図7を参照しめすように、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123が各皿28a,29aよりも上位に位置することにより遊技球を同皿28a,29aへ誘導する際にそれら遊技球の自重を利用して同遊技球の移動を実現している。しかしながら、遊技領域PEが拡張されている本実施の形態においては、このような遊技領域PEの拡張によって本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の配置が制限されやすくなっている。これは、各皿28a,29aへの遊技球の誘導を難しくする要因となり得る。
この点、本実施の形態においては、遊技盤80に切欠き部88を形成することで、上記本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123と遊技盤80との共存が可能となっている。つまり、遊技領域PEを拡張しつつ本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の位置を各皿28a,29aよりも上位に配置することが可能となっている。更に、上述の如くこの切欠き部88に連なるようにして左側の挿通部92を形成し(図8参照)、その挿通部92を遊技盤80の回動基端側に開放させることで、挿入部290に遊技盤80を挿入する際の左側のロック装置600と挿通部92との干渉を回避することができる。これにより、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の配置と遊技領域PEの拡張とを好適に実現し、更には位置決め精度の向上と遊技盤80の挿入作業の容易化とを好適に両立している。
(遊技球発射機構110の位置決めに関する構成)
以上詳述したように、遊技盤80の配置に関しては様々な工夫が施されており、その位置精度が好適に確保されている。本実施の形態においては、この遊技盤80と遊技球発射機構110(詳しくは発射レール112)との相対位置の精度を向上するための工夫がなされている。以下、再び図27及び図28を用いて補強プレート550と遊技球発射機構110との関係について補足説明する。
図27に示すように、遊技球発射機構110のベースプレート114は補強プレート550の長手方向と同じ方向に延びる横長状をなしており、同方向に並ぶようにして、上記発射レール112,球送装置113及びソレノイド111等が配置されている。発射レール112の先端部分、すなわち誘導レール100の入口部分104側の端部はベースプレート114の上端に位置しており、遊技球発射機構110が同ベースプレート114の上端部が補強プレート550のベース部561に対して面接触した状態で設置されている。つまり、ベースプレート114がベース部561に対して面接触することで、遊技球発射機構110の前後位置が規定されている。特に、ベース部561は上下方向に所定の幅を有しており、ベースプレート114は、発射レール112の上記先端部分がベース部561の前方に位置するようにして配置されており、ベース部561とベースプレート114との重なり(接触面積)を稼いでいる。
ベース部561及びベースプレート114は上述の如く同一方向に延びており、それら両者の接触範囲についても同様に、同方向へ拡がっている。詳しくは、ベースプレート114は左右両端に亘ってベース部561に接触した状態となっている。特に、発射レール112やソレノイド111等をベースプレート114に対して搭載することで、それら両者の位置関係を好適なものとすることができるとともに、個々の構成を個別に補強プレート550に設置する構成と比較して、上記接触範囲を拡げやすくなっている。
ベースプレート114において発射レール112の先端(誘導レール100側の端部)寄りとなる部位と、それとは反対側となる部位(詳しくはソレノイド111の上方)とには、樹脂ベース60側に突出する突起117,118がそれぞれ形成されている。補強プレート550のベース部561には、それら突起117,118に対応させて挿通孔365が形成されており、それら挿通孔365に対して突起117,118が嵌まることにより、遊技球発射機構110の左右位置及び上下位置が規定されている。特に、発射レール112の先端寄りの挿通孔365は丸孔状をなしているとともに、他方の挿通孔366は左右に延びる長孔状をなしており、発射レール112の左右位置が発射レール112の先端寄りとなる部分を基準として規定されている。
また、ベースプレート114において上記突起117,118の間には、前後に貫通する貫通孔119が形成されている。貫通孔119に対して挿通されたネジ120が補強プレート550のベース部561に形成された貫通孔367を通じてプレート設置部69に螺着されることにより、遊技球発射機構110(ベースプレート114)が樹脂ベース60に対して一体化されている。
図28に示すように、ベースプレート114の前面は遊技盤80の前面と面一となるように構成されており、同ベースプレート114の前面に搭載された発射レール112は遊技盤80の前面よりも前側に位置している。これにより、発射レール112から飛び出した遊技球が遊技盤80と補強プレート550のベース部561との境界を横切る際の、遊技盤80の下端縁に対する遊技球の引っ掛かりが回避されている。
(遊技領域区画部材650)
本実施の形態における遊技盤80には本パチンコ機10に対応する固有の識別情報が付与されており、かかる識別情報を前扉枠14の窓部21(ガラスパネル31,32)を通じて遊技機正面側から視認可能となっている。遊技ホール等においては、この識別情報を確認することにより、当該パチンコ機10が正式な認可を得て納入されたものであるか否か等の識別を行うことが可能となっている。以下、再び図8及び図32を参照して識別情報の表示にかかる構成について説明する。図32は遊技盤80の右部を示す図8の部分拡大図である。
既に説明したように、遊技盤80に装着された誘導レール100は、同遊技盤80の回動先端側に開放された弧状をなしている。遊技盤80の前面には、その開放部位を塞ぎ誘導レール100とともに遊技領域PEを区画するブロック状の遊技領域区画部材650が設けられている。言い換えれば、誘導レール100及び遊技領域区画部材650は、前者を遊技盤80の回動基端側、後者を遊技盤80の回動先端側として両者併せて環状をなすように配置されており、それら誘導レール100及び遊技領域区画部材650によって区画された領域が上記遊技領域PEとなっている。
遊技領域区画部材650は遊技盤80の前面から張り出しており、その前面部がガラスパネル32に対して僅かな隙間(詳しくは遊技球の直径寸法以下の隙間)を隔てて対峙している。これにより、遊技球が遊技領域区画部材650を乗り越えて遊技領域PE外に流出することを回避している。なお、本実施の形態においては遊技盤80の前面からの遊技領域区画部材650の張り出し量を、遊技盤80の前面からの誘導レール100の起立量と同等となるように設定しているが、これは、遊技盤80全体の厚さの増加を抑えるための工夫である。
図32に示すように、遊技領域区画部材650は、遊技盤80の回動先端側の端部(左端部)に沿って配置されており、遊技盤80の上端部から下端部に跨って上下に延びている。遊技領域区画部材650において外レール102の先端に隣接する部位、詳しくは遊技領域区画部材650の上端部において遊技領域PEの内側を向く壁面には、外レール102に沿って移動(飛翔)する遊技球が衝突することにより同遊技球を遊技領域PEの中央側へ跳ね返す返しゴムが装着されている。遊技領域区画部材650は遊技盤80に対して複数箇所でネジ止めされており、それらネジの少なくとも1つは返しゴムの近傍、具体的には遊技球の衝突方向において返しゴムよりも先側となる位置に配されている。これにより、上記衝突荷重を遊技盤80に対して分散させやすくし、遊技球の繰り返しの衝突に対する耐久性の向上が図られている。
また、遊技領域区画部材650は、上述した右側のロック装置600L(図7参照)を遊技盤80の回動基端側から迂回するようにして遊技盤80の下端縁に至っており、同遊技領域区画部材650の下部、詳しくは誘導レール100の右側開放部分よりも下側となる部位には、誘導レール100の内レール101に外側から対向する対向部651が形成されている。対向部651は、内レール101において遊技盤80のアウト口86と内レール101の下側の開放端との間となる部位に対して下側から若干の隙間を隔てて対向している。すなわち、内レール101と遊技領域区画部材650とが遊技領域PEの内外に重なっている。
既に説明したように、遊技領域PEに達した遊技球の一部は、同遊技領域PEを流下する過程で一般入賞口81等の入球口に入るが、それら入球口に入らなかった遊技球については内レール101によって排出口としてのアウト口86に導かれる。より具体的には、内レール101は、下方に凸となる円弧状をなしており、その最下部にアウト口86が配置されている。このため、入球口に入らなかった遊技球は、内レール101に衝突した後、内レール101に沿ってアウト口86に誘導される。
内レール101については、遊技盤80側の開放端及びその周辺での固定強度が同内レール101における他の部位と比べて低くなりやすい。このため、遊技球の衝突による衝撃の影響が同内レール101の開放端及びその周辺では大きくなりやすいと想定される。仮に、内レール101が変形等した場合には、アウト口86へ向けての遊技球の円滑な誘導が妨げられると懸念される。この点、本実施の形態では、内レール101が下方に押される等した場合に遊技領域区画部材650の対向部651に当たることで、同内レール101の変形や位置ずれ等が抑制されることとなる。故に、遊技領域区画部材650によって内レール101を保護することができ、上記不都合を好適に払拭できる。言い換えれば、遊技領域区画部材650には、内レール101のバックアップ機能が付与されている。
内レール101は、複数の固定手段を併用して遊技盤80に固定されている。具体的には、アウト口86よりも左側となる部位では、固定手段として固定ピンが採用されており、アウト口86よりも右側となる部位では固定ピンに代えて遊技領域区画部材650が固定手段として採用されている。
詳しくは、遊技領域区画部材650の対向部651には内レール101の端部が挿入される挿入孔652が形成されており、同端部が挿入孔652に挿入されることで内レール101が遊技盤80に対して固定されている。内レール101については、遊技機の仕様等に応じてその長さや配置が多様になり得る。そこで、内レール101の先端部を差し込むことで同内レール101を固定する構成を採用することにより、内レール101の配置等の多様化に対応可能となっている。これにより、各機種間での共通化に貢献している。
遊技領域区画部材650において対向部651を挟んで内レール101とは反対側となる部位には、識別ユニット660が配設されている。ここで、図33を参照して、識別ユニット660について詳しく説明する。図33は遊技領域区画部材650から識別ユニット660を取り外した状態を示す分解斜視図である。
(識別ユニット660)
図33に示すように、識別ユニット660は、各パチンコ機毎に固有となる識別情報(識別番号等)が付与された証紙661と、同証紙661が貼り付けられた証紙ホルダ671とによって構成されている。証紙ホルダ671は有色不透明な合成樹脂材料を用いて略平板状に形成されており、その一方の板面が証紙661の貼付面671aとなっている。証紙ホルダ671に貼り付けられた証紙661は、当該証紙661を破壊することなく、同証紙ホルダ671から取り外すことが困難又は不可となっている。
遊技領域区画部材650には、識別ユニット660を収容するユニット収容部653が設けられている。ユニット収容部653は遊技機前方に開放された凹状をなしており、この開放部位を通じて識別ユニット660がユニット収容部653内に収容されている。
識別ユニット660がユニット収容部653に収容された状態では証紙661の印字面661aが遊技機正面側を向いており、ユニット収容部653の上記開放部位を通じて証紙661に付与された識別情報を視認可能となっている。つまり、識別ユニット660を遊技領域区画部材650から取り外すことなく証紙661の識別情報を確認可能となっている。
遊技領域区画部材650が対向部651を有する構成を採用した場合には、遊技領域区画部材650における対向部651周りでの強度を向上させることで上述した誘導レール100のバックアップ機能を向上することができる。このような強度の向上を実現するには、遊技領域区画部材650を大型化することが1つの手法として考えられる。この点、識別ユニット660を収容するユニット収容部653を遊技領域区画部材650に設け、それらユニット収容部653と対向部651とを併存させることで、遊技領域区画部材650の占有スペースを有効利用している。つまり、遊技領域区画部材650の強度向上と識別手段の設置領域の確保(すなわちスペースの有効利用)とを可能とし、実用上好ましい構成を実現している。
ユニット収容部653の底部654には前後に貫通する中央開口656が形成されており、同底部654にはこの中央開口656を遊技機前方から塞ぐようにして台座部材680が配設されている。台座部材680は、遊技機前方からネジ等の固定具685を用いて遊技領域区画部材650に固定されているとともに、他の固定具686によって遊技盤80に対して固定されている。これら底部654及び台座部材680によって、識別ユニット660を設置する設置面ASが構成されている。
台座部材680は、貼付面671aとは反対側の板面に設けられ遊技領域区画部材650に対して引っ掛かる爪部672及び台座部材680に対して引っ掛かる爪部673を有している。識別ユニット660を装着した場合には、これら爪部673及び上記固定具685,686が証紙661等によって覆われた状態となり、遊技領域区画部材650の正面側から爪部673や固定具685,686に対するアクセスが妨げられている。これにより、少なくとも遊技領域区画部材650や台座部材680を破壊することなく、遊技盤80から識別ユニット660を取り外すことが困難となっている。
なお、パチンコ機10を遊技ホールに納入した際の確認作業等にて同パチンコ機10に修復困難又は修復不能な破損等の不具合が見つかった場合には、台座部材680を破壊することで、識別ユニット660を無傷のまま取り外すことができる。その後、取り外した識別ユニット660を別途用意したパチンコ機10に取り付けることで、異常が見つかったパチンコ機10を正常なものと入れ替えることができる。
近年では、遊技の多様化や独自性の向上等を目的として遊技領域PEが拡張される傾向にある。故に、識別ユニット660等の占有領域の確保のために遊技領域PEの拡張が妨げられることは好ましくない。そこで、本実施の形態においては、遊技盤80の前面にて遊技領域PEと識別ユニット660とを好適に共存させるための工夫が施されている。以下、図32〜図34を参照して、識別ユニット660の配置について補足説明する。図34は図1のG−G線部分断面図である。
図34に示すように、識別ユニット660は、前扉枠14の枠体20に対して後方から対向する位置、すなわち上皿28aの後方に配置されている。このため、識別ユニット660をその前方から視認しようとした場合には、当該視認が枠体20(詳しくは上皿28a)によって妨げられることとなる。
ここで、識別ユニット660については、窓部21よりも下側となる位置に配されているものの、識別ユニット660と枠体20の背面との間には所定の隙間が確保されており、ガラスパネル31,32を通じて上方から覗き込むことで、当該識別ユニット660を視認可能となっている。
識別ユニット660用の設置面ASは、当該識別ユニット660の上方に配された遊技領域PE側を向く成分(上方を向く成分)と、遊技機前方を向く成分とを有し、全体として斜め上方を向くようにして傾いている。識別ユニット660は、台座部材680に対して固定された状態では証紙ホルダ671の裏面が設置面ASに対して面接触しており、証紙661の印字面661aが斜め上方を向いている。
識別ユニット660の上下位置は窓部21に対して僅かに下側となるように設定されており、印字面661aの向く先にはガラスパネル31,32が位置している。識別情報の確認の際に上述の如くガラスパネル31,32を通じて上方から覗き込んだ場合には、印字面661aが確認者側を向くこととなる。これにより、印字面661aが見づらくなることを抑制している。
このように識別ユニット660を斜めに傾けて配置することにより、識別情報の視認性を担保しつつ上下方向における識別ユニット660の占有領域の拡がりを抑え、遊技盤80に識別ユニット660を設けたことに起因する遊技領域PEの圧迫を抑えている。
遊技領域区画部材650の厚さ寸法は、遊技盤80の前面からの内レール101の起立寸法と同等となるように設定されており、上記識別ユニット660については、ユニット収容部653からの突出が回避されるようにして収容されている。つまり、識別ユニット660の傾きは、内レール101の起立量よりも小さく抑えられている。このため、識別ユニット660を上述の如く傾けて配置したとしても、それに起因して遊技盤80の厚さが嵩むことはない。すなわち、遊技盤80が本来有する誘導レール100の前後幅を利用し、同誘導レール100よりも遊技機前方へ突出することを回避できるようにして識別ユニット660の傾きを抑えることで、遊技盤80と前扉枠14(例えばガラスユニット30)との前後関係を好適に担保することができる。
上述の如く、識別ユニット660を枠体20の後方に配置した場合には、ガラスユニット30の後方に配置する場合と比較して、識別ユニット660に届く光が少なくなりやすい。これは、上記識別情報(印字面661a)の確認を難しくする要因となり得るため好ましくない。そこで、本実施の形態においては、このような見づらさを抑えるための工夫が施されている。以下、図32〜図34を参照して、見づらさを抑えるための工夫について説明する。
(識別ユニット660と主表示部690との関係)
図32に示すように、識別ユニット660用のユニット収容部653の上方(詳しくはユニット収容部653と対向部651との間)であって、ガラスパネル31,32の後方となる部位には、所定の絵柄等が変動表示及び停止表示される主表示部690が設けられている。主表示部690は、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する上作動口用表示部DUと、下作動口83bへの入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部DLとを有してなる。
上作動口用表示部DUでは、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、上作動口用表示部DUにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて特別遊技状態に移行される。
下作動口用表示部DLでは、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する表示部DU,DLにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
表示部DU,DLに表示された停止結果は、次の遊技回に移行されるまでそのままの状態で保持される。つまり、所定の絵柄が点灯表示されている場合には、作動口83a,83bへの入球に基づく遊技回が開始されるまでは点灯状態のままとなる。なお、パチンコ機10の電源投入時には、上記RAMクリアが行われた場合には初期絵柄(予め設定された外れ絵柄)が表示され、RAMクリアが行われなかった場合には前回の抽選結果に対応する絵柄の表示が継続されることとなる。言い換えれば、パチンコ機10の電源がオンとなっている状況下(より詳しくは遊技が行われていない状況下)においては、表示部DU,DLを構成する発光体691のうち少なくと何れかが点灯した状態となる。
また、主表示部690には両表示部DU,DL以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されており、主表示部690にはその保留個数を表示する保留数用表示部DHが設けられている。
これら各表示部DU,DL,DS,DHについては、前扉枠14のガラスユニット30を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DU,DL,DS,DHの前方を遊技球が移動することを回避することで当該視認性が担保されている。
以下、主表示部690の具体的な構成について説明し、その後、識別ユニット660との関係について説明する。
主表示部690は、複数の発光体691が実装された発光基板692と、遊技領域区画部材650に設けられ同発光基板692を収容する基板収容部657とを有してなる。発光基板692は、主制御装置162に対してハーネス等を介して電気的に接続されており、発光体691の発光態様については主制御装置162によって制御される構成となっている。
基板収容部657は、ユニット収容部653の上方に配されており、遊技盤80側に開放された凹状をなしている。この基板収容部657に対して識別ユニット660とは反対側から(遊技機後方から)発光基板692が取り付けられている。発光基板692には、基板収容部657の底部658に対して素子搭載面692aが対向するようにして遊技領域区画部材650に固定されている。
基板収容部657の底部658、すなわち遊技領域区画部材650の前面部には、各発光体691に1対1で対応する貫通孔658aが形成されている。各貫通孔658aは対応する発光体691の前方に位置しており、当該発光体691からの光は同貫通孔658aを通じて遊技機前方へ照射される。つまり、貫通孔658aには、光の照射方向を規制する機能が付与されている。
本実施の形態においては特に、素子搭載面692a(発光体691)と底部658との間に所定の隙間が確保されており、基板収容部657内での光の拡がりが許容されている。かかる構成を採用した場合であっても、貫通孔658aによって光の照射方向を規制しておくことで、どの発光体691が発光しているかを容易に識別可能となっている。
基板収容部657における基板収容領域E1と、ユニット収容部653におけるユニット収容領域E2とは、同ユニット収容部653の周壁部655を隔てて並設されている。周壁部655には、両収容領域E1,E2側に開放された開放部659が形成されており、同開放部659を通じてそれら収容領域E1,E2の一部が連なっている。
また、発光基板692については上記識別ユニット660の上方に位置しており、発光体691からの光の一部がこの開放部659を通じて証紙661の印字面661aに到達することとなる。これにより、印字面661aに照射される光量が確保されている。
なお、基板収容部657に反射部を内蔵し、発光体691からの光のうち上記貫通孔658aへ向わない光を印字面661a側へ案内する構成とすれば、発光体691からの光の無駄な拡がりを抑え、印字面661aの視認性を好適に向上させることができる。
複数の発光体691のうち、上記表示部DU,DLを構成しているものについては、識別ユニット660(証紙661)の上端に沿うようにして並べて配置されている。発光体691において発光対象となるものは、都度のタイミングや上記抽選の結果等に応じて異なることとなる。そこで、各表示部DU,DLを構成している発光体691を並べて配置することで、証紙661に対して近い位置にて発光させることが可能となり、光量の担保を図っている。
ここで、各表示部DU,DLの発光態様について補足説明する。作動口83への入球に基づいて遊技回が開始されると、それまで点灯又は消灯されていた各発光体691が所定の順序で点滅を繰り返す。そして、遊技回が終了するタイミングで一部の発光体691が点灯し他の発光体691が消灯したままとなるように発光態様が変化する。そして、次の遊技回が開始されるまでは、点灯しているものは点灯したまま、消灯しているものも消灯したままの状態で維持される。つまり、遊技の進行状況に応じて可変表示と停止表示とが繰り返される構成となっている。
停止表示の態様に関しては当たり結果に対応するものと外れ結果に対応するものとがそれぞれ複数ずつ設定されており、表示態様の多様化が図られている。ここで、外れ結果に対応する表示態様については特に、複数の発光体691のうち識別ユニット660寄りに配置されているものの少なくとも1つが常時点灯状態となるように設定されている。
上述した識別情報の確認作業は、主として営業時間外(例えば開店前、閉店後、定休日等)に行われることとなる。上述の如く上記抽選の結果が外れ結果となった場合に、識別ユニット660の最寄の発光体691から光が供給される構成を採用することで、識別情報の視認性を好適に向上することが可能である。
特に、下作動口用表示部DLは上作動口用表示部DUよりも識別ユニット660の中央寄りに配置されているとともに、外れ結果となった場合に点灯表示となる発光体691の数(例えば識別ユニット660の上端に沿って配置されている発光体691のうち点灯表示となるものの数)が下作動口用表示部DLよりも多く設定されている。これは、消費電力の増大を抑えつつ、証紙661に照射される光の量を効果的に増大させるための工夫である。
以上詳述したように、主表示部690(詳しくは発光体691)からの光を利用して識別情報(印字面661a)の視認性を向上させる構成においては、主表示部690が遊技者に対する報知機能を主として有しているため、その発光レベルが高く設定されていることに起因した以下の不都合が生じ得る。すなわち、識別情報を見ようとして証紙661を覗き込んだ際に、発光体691からの光が直接目に入ることで眩しくなり、同識別情報の視認性を低下させる恐れがある。つまり、主表示部690からの光が識別情報の確認の妨げになり得る。
ここで、本実施の形態においては、基板収容部657の底部658(詳しくは貫通孔658a)によって印字面661aの向きと同じ向きへの光の照射を規制している(図34参照)。詳しくは、貫通孔658aによって当該貫通孔658aの中心軸線と交差する方向への光の照射を抑えることにより(詳しくは印字面661aの向きと同じ向きとならない程度に抑えることにより)光の照射方向を規制している。このため、証紙661を印字面661aの向いている先から覗き込んだ際(印字面661a)、つまり最も見やすくなる角度から覗き込んだ際には、発光体691からの光のうち貫通孔658aを通じて射出されたものが直接作業者の目に入ることが回避される。これにより、発光レベルを高く設定して報知機能を高めたとしても、それに起因して識別情報が見づらくなるといった不都合が生じにくくなっている。
<電源スイッチの切り替えを規制する構成>
遊技球を使用して遊技を行うタイプの遊技機においては、その特性上、遊技球の自重を利用して同遊技球を移動させる構成が採用されることが一般的である。このため、島設備から供給された遊技球を一時的に貯留しておくタンク221については、遊技球の移動経路の最上流に位置する構成であるため、図35(遊技機を側方から見た概略図)に示すようになるべくパチンコ機10の上部に配置することが望ましい。
しかしながら、このようにタンク221をパチンコ機10の上部に配置した場合には、同タンク221から遊技球が零れ落ちた場合に、同遊技球が遊技機背面側に設けられた各種制御装置等の電気機器に当たることで、それら電気機器が誤作動したり故障したりするといった不都合が生じやすくなると懸念される。そこで、既に説明したように、それら電気機器を裏パック201の保護カバー部212によってパチンコ機10の背面側から覆うことで同電気機器に対する遊技球の衝突を回避し、上記不都合の発生を抑えている。
保護カバー部212よりも更に下側に配された電源・発射制御装置243はホール管理者等によって操作される操作部として電源スイッチ247を有し、同電源スイッチ247については保護カバー部212によって覆われている範囲外に位置している。つまり、電源スイッチ247については、パチンコ機10の背面側に露出した状態となっている。これは、遊技機主部12を開放した際に裏パック201を閉じたまま電源スイッチ247を操作可能とし、同電源スイッチ247の操作の準備作業が複雑になることを抑制するための工夫である。
しかしながら、このように、電源スイッチ247を背面側に露出させた場合には、作業性の向上を実現できる反面、以下の不都合が生じ得る。すなわち、タンク221から零れた遊技球が電源スイッチ247に対して直接又は何かに跳ね返って衝突することで、突如として電源がオフになるといった不都合が生じ得る。このような事象が遊技中に発生するこは、遊技者に対して不快感を与える要因となり得る。
ここで、本実施の形態における電源・発射制御装置243については、そのような不慮の切り替え(遊技球の衝突に起因した切り替え)を規制するための切替規制手段が採用されている。以下、図12、図36及び図37を参照して、この切替規制手段について説明する。図36は電源・発射制御装置243の正面図、図37は図36のH−H線部分断面図である。
図12に示すように、電源・発射制御装置243については、電源・発射制御基板249の素子搭載面249aが遊技機後方を向くようにして取付台241に搭載されている。素子搭載面249aには、遊技機後方に突出するようにして上記電源スイッチ247が取り付けられており、基板ボックス246において電源スイッチ247に対応する部位(素子搭載面249aに対向する表側対向部248)には当該基板ボックス246の内外に貫通するスイッチ用開口部251が形成されている。このスイッチ用開口部251を通じて電源スイッチ247のほぼ全体が基板ボックス246外に突出している。
電源スイッチ247は上下に延びる操作片701を有している。操作片701は、その中間位置にて回動可能に支持されており(シーソー式となっており)、回動中心部よりも上側が第1操作部702、下側が第2操作部703となっている。
第1操作部702が遊技機前方又は後方へ変位することで第2操作部703がそれとは反対側へ変位し、オン/オフの切り替えがなされる。より具体的には、第1操作部702が最前位置且つ第2操作部703が最後位置となることでオン状態となり、第1操作部702が最後位置且つ第2操作部703が最前位置となることでオフ状態となるように構成されている。
なお、操作片701の後面は略平面状をなすようにして形成され、この後面の上側半分が第1操作部702における操作面、下側半分が第2操作部703における操作面となっており、それら各操作面の向きが同一方向となるように構成しているが、これに限定されるものではない。例えば、各操作面の向きが異なる方向となるように構成することも可能である。
ここで、上記切替規制手段にかかる構成について説明する。
図36に示すように、基板ボックス246において電源・発射制御基板249の素子搭載面249aに対向している部分には、上記スイッチ用開口部251を跨ぐようにしてアーチ状の突出部252が形成されている。突出部252は、スイッチ用開口部251の右側縁部から後方へ起立する右側起立部253と、左側縁部から後方へ起立する左側起立部254と、それら両起立部253,254を連結する連結部255とによって構成されている。起立部253,254は操作片701の回動中心部を左右両側から挟むようにして配置されており、連結部255が操作片701の回動中心部に対して後方から対峙している。
連結部255と操作片701との隙間寸法は遊技球の直径寸法よりも小さくなるように(詳しくは半径寸法よりも小さくなるように)設定されており、連結部255と操作片701との間を遊技球が通過できない構成となっている。また、起立部253,254の起立量については、電源スイッチ247がオン状態及びオフ状態の何れであっても連結部255が操作片701(詳しくは第2操作部703)よりも後方に位置するようにして設定されている。
タンク221から零れた遊技球が電源スイッチ247に向けて落下した場合には、後方に張り出した突出部252によって少なくとも第2操作部703に対する上方からの衝突が抑制される。これにより、オン状態となっている場合に、当該衝突に起因してオフ状態に切り替るといった不都合が生じにくくなっている(図38の概略図参照)。
また、連結部255は、左右に延びる棒状をなしており、当該連結部255の中心軸線と直交する断面が後方に凸となる三角形状となるように形成されている(図37参照)。このため、連結部255に対して上方又は下方から遊技球が衝突した場合に、同遊技球の操作片701に向けた跳ね返りが生じにくくなっている(図38の概略図参照)。
以上詳述した切替規制手段を採用して電源スイッチ247に対する遊技球の衝突を抑えることにより、オン状態又はオフ状態に突如として切り替るといった不都合を生じにくくすることができる。特に、タンク221から遊技球が零れるといった事象は、非稼動中と比較して稼動中(詳しくは遊技に伴って遊技球が流動している場合)に発生する可能性が高い。つまり、オフ状態の場合と比較してオン状態の場合に発生しやすい。そこで、オン状態での第2操作部703に対する遊技球の衝突を抑制することにより、突如として遊技が中断されるといった不都合を生じにくくすることができる。
電源スイッチ247に対する遊技球の衝突を抑えるには、防壁となるものをなるべく電源スイッチ247に近づけて配置することが好ましい。しかしながら、単に電源スイッチ247に近づけて配置しただけでは、衝突抑制効果を発揮することができる反面、電源スイッチ247(操作片701)に対するアクセスが妨げられやすくなったり、切替操作が難しくなったりすると想定される。この点、切替規制手段を構成する突出部252を操作片701の回動中心部の後方に配することにより、上述したようなシーソータイプの電源スイッチ247における上記操作上の不都合を生じにくくすることができる。つまり、電源スイッチ247を操作する際には各操作部702,703における回動中心部から遠い側の端部を指で押すことで当該操作を容易に行うことができる。そこで、端部ではなく回動中心部寄りに突出部252を配することで、オン操作及びオフ操作の両操作を妨げにくくすることができる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図39のブロック図に基づき説明する。図39では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板801には、主制御回路802と停電監視回路803とが内蔵されている。主制御回路802には、MPU811が搭載されている。MPU811には、当該MPU811により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM812と、そのROM812内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM813と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM813は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置243に設けられた電源・発射制御基板249からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
MPU811には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路802の入力側には、主制御基板801に設けられた停電監視回路803、払出制御装置242に設けられた払出制御基板822及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路803には電源・発射制御基板249が接続されており、主制御回路802には停電監視回路803を介して電力が供給される。
一方、主制御回路802の出力側には、主表示部690の発光基板692、停電監視回路803、払出制御基板822及び中継端子板823が接続されている。主表示部690における発光態様については主制御装置162によって制御される。また、払出制御基板822には賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力され、中継端子板823を介して主制御回路802から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板824に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路803は、主制御回路802と電源・発射制御基板249とを中継し、また電源・発射制御基板249から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板822は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU831は、そのMPU831により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM832と、ワークメモリ等として使用されるRAM833とを備えている。
払出制御基板822のRAM833は、主制御回路802のRAM813と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板249からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板822のMPU831には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板822の入力側には、主制御回路802、電源・発射制御基板249、及び裏パック基板829が接続されている。また、払出制御基板822の出力側には、主制御回路802及び裏パック基板829が接続されている。
電源・発射制御基板249は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路802や払出制御基板822等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル45の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板824は、各種ランプ部24〜26やスピーカ部27、及び表示制御装置825を制御するものである。演算装置であるMPU841は、そのMPU841により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM842と、ワークメモリ等として使用されるRAM843とを備えている。
音声ランプ制御基板824のMPU841にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板824の入力側には中継端子板823に中継されて主制御回路802が接続されており、主制御回路802から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部24〜25、スピーカ部27、及び表示制御装置825を制御する。表示制御装置825は、音声ランプ制御基板824から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置94を制御する。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技盤80を内枠13の正面側から着脱可能とすることにより、内枠の背面側から遊技盤を着脱する構成と比較して作業の容易化を促進できる。遊技盤を内枠の背側から着脱する構成を想定した場合、内枠を開放した状態で遊技盤の着脱を行う必要が生じる。この場合、例えば内枠が移動しないように同内枠の移動を手で押さえることで、遊技盤の装着作業を円滑に行うことができる。しかしながら、遊技盤の着脱作業の円滑化のために、内枠を手で押える等した場合には、作業が煩雑化し得る。この点、上記実施の形態に示したように内枠13を外枠11に対して閉じた状態で遊技盤80の着脱作業が可能であれば、押し込み操作等によって内枠13が移動することを回避できる。これにより、遊技盤80の着脱作業時に内枠13を手で押さえるといった予備的作業を不要とし、作業の容易化に貢献できる。なお、裏パックユニット15の開閉操作を省略することが可能となるため、作業手順の簡略化を図ることもできる。
遊技盤80を装着する際には、同遊技盤80を内枠13の仮置き部125に載せた状態で回動させることが可能となっている。つまり、遊技盤80の重量の少なくとも一部を内枠13側に預けることができるため、同遊技盤80を支えたまま回動させる必要がない。これにより、作業負担の軽減を図っている。
遊技盤80を挿入部290に挿入することにより同遊技盤80の突起431と樹脂ベース60の受け部275とが引っ掛かり、当該遊技盤80の挿入部290からの脱落が阻止される。このため、例えば上記回動操作中に遊技盤80から手を離したとしても、それに起因して遊技盤80の装着作業のやり直しが発生するといった不都合が生じにくくなっている。これにより、作業の容易化に貢献できる。
また、遊技盤80の挿入部290からの外れを抑制することにより、遊技盤80の装着軌道のばらつきを抑えることも可能となる。これにより、遊技盤80を回動させる際に同遊技盤80が他の構成と干渉することを好適に抑制できる。
遊技盤80の装着作業時には、遊技盤80を挿入部290に挿入することによって阻止状態に移行されるため、阻止状態への移行のための別途操作を必要としない。故に、脱落阻止構造を採用することによる遊技盤装着作業の煩雑化を回避することができる。
上記突起431及び受け部275は遊技盤80の前面側に配されている。これにより、遊技盤80の脱落が阻止されている状態に切り替っているか否かを目視にて確認しやすくなっている。特に、突起431をレールカバー400に一体形成することにより、つまり強度を確保する必要がある構成をまとめることにより、遊技盤80の前面側での占有領域の拡がりを抑えている。この場合、レールカバー400の起立部420等によって上記視認性が低下することが懸念されるが、本実施の形態においてはレールカバー400を透明とすることにより、起立部420を通して突起431を視認可能となっている。これにより、占有領域の拡がりを抑えつつ、それに起因した突起431等の視認性の低下を抑えている。
遊技盤80を回動可能とする場合、例えば同遊技盤80を回動可能に支持する軸ピンを樹脂ベース60に設けることも可能である。しかしながら、そのように軸ピンを有する構成を採用した場合、遊技盤80を軸ピンに挿通するための作業スペースを確保する必要が生じる。具体的には、少なくとも軸ピンの中心軸線の延長上にて上記作業スペースを確保する必要が生じる。例えば、軸ピンを樹脂ベースの前方又は後方へオフセットして配置することにより同樹脂ベースと上記作業スペースとの重なりを回避することも可能であるが、このように軸ピンをオフセットして配置することはパチンコ機10の薄型化を難しくする要因となり得るため好ましくない。この点、突起431及び受け部275によって遊技盤80を回動可能とすれば、上記不都合を回避し、パチンコ機10の薄型化を促進することができる。
上述の如く遊技盤80を樹脂ベース60に対して着脱可能な構成とすることにより、例えばメンテナンス作業の容易化や遊技盤80の交換(機種変更等)の容易化に貢献できる。しかしながら、遊技盤80を着脱可能とすることにより、以下の不都合が生じやすくなると想定される。つまり、遊技盤80の輸送時に同遊技盤80がぶつけられたり、遊技盤80の着脱作業時に同遊技盤80が前扉枠14や内枠13等に干渉したりする可能性がある。
遊技盤80の前面には釘87や誘導レール100等の遊技球の動きに影響を与える部品が配設されており、これらの部品が上記干渉の対象となり変形等が生じた場合には、遊技球の動きが想定外のものとなり得るため好ましくない。特に、誘導レール100については釘87等の遊技領域PEに配設された各種構成を囲っているため、それら釘87等と比べて干渉の対象になりやすいと想定される。また、同誘導レール100は遊技球発射機構110から発射された遊技球を遊技領域PEに誘導する機能を有しており、仮に上記干渉により変形等が生じると、誘導機能が低下すると懸念される。本実施の形態によれば、誘導レール100をレールカバー400によって覆うことにより、誘導レール100を保護し、上記不都合の発生を抑えることが可能となっている。
レールカバー400は、誘導レール100を遊技領域PEの外側且つ遊技盤80の正面側から覆っている。これにより、誘導レール100の保護機能の向上が図られている。
特に、上述の如く前扉枠14と内枠13(樹脂ベース60)との間から挿入部290へ遊技盤80を挿入する構成においては、遊技盤80の正面側に前扉枠14が位置するため、同前扉枠14と誘導レール100とが干渉しやすくなると想定される。そこで、レールカバー400によって同前扉枠14側から誘導レール100を覆うことにより、同誘導レール100と前扉枠14との干渉を好適に抑制できる。
遊技盤80を挿入部290に挿入する際には、誘導レール100において挿入先側となる部分が干渉する可能性が他の部位と比べて干渉しやすくなると想定される。この点、本実施の形態によれば、レールカバー400によって誘導レール100における遊技盤80の挿入方向先側となる部位を覆う構成とすることにより、上記保護機能を好適に発揮させることができる。
また、遊技球発射機構110から発射された遊技球は、誘導レール100において上記レールカバー400によって覆われている部分を経由して遊技領域PEに到達する。つまり、レールカバー400により誘導レール100において誘導通路103を構成している部分を覆うことにより、遊技球の誘導機能の担保することが可能となっている。
本実施の形態においては特に、レールカバー400のベース部410に括れを形成するとともに起立部420が湾曲部421を有することにより、誘導レール100とレールカバー400と遊技盤80の前面において好適に共存させている。つまり、誘導レール100によって区画されている遊技領域PEの圧迫を抑えつつレールカバー400を配置している。うまり、レールカバー400の保護機能を享受しつつ同レールカバー400の占有領域の拡がりを抑えることにより、実用上好ましい構成が実現されている。
特に誘導レール100(詳しくは外レール102)において挿入部290側に凸となっている部分と遊技盤80の端部との間となる部位では、レールカバー400の設置が許容される領域が狭くなっている。この点、起立部420に外レール102に沿って湾曲する湾曲部421を形成することにより、占有領域の拡がりを抑えつつ、起立部420の強度(詳しくは遊技領域PEの外側から加わる外力に対する耐性)を向上させている。
また、起立部420の湾曲部421には対向部450が形成されており、同対向部450が上側起立部422と下側起立部423とに繋がる構成とすることにより、湾曲部421の更なる強度向上が期待できる。特に、対向部450は第1対向部451及び第2対向部452,453が前後に段差状となるように形成されている。これにより、更なる強度向上が可能となっている。
上側起立部422及び下側起立部423は、外レール102の頂部102bから遠ざかるにつれて同外レール102との間の隙間が拡がっており、その隙間を埋めるようにして内側ベース部411が形成されている。つまり、湾曲部421を挟んだ上下両側においては、内側ベース部411及び外側ベース部412が形成されている。これら内外のベース部411,412を有する構成とすることにより、湾曲部421の変形を好適に抑えることが可能となっている。
このように強度が要求されるレールカバー400に上記突起431を配設することにより、突起431に相当する構成を別途設ける場合と比較して遊技盤80前面側での設置領域の減縮が可能となっている。
内枠を前扉枠で覆うタイプの遊技機においては内枠と前扉枠との位置関係に配慮した構成が採用されているものがある。このような構成では、内枠の樹脂ベースと前扉枠との位置関係を好適に維持することはできるものの、樹脂ベースとは別体で設けられた遊技盤と前扉枠に設けられたガラスパネルとの位置関係を好適に維持することは困難であると想定される。つまり、遊技盤及びガラスパネルの相対位置(前後位置)の変化やばらつきを抑えることは難しいと想定される。
遊技盤とガラスパネルとの間に遊技領域が設けられ、その遊技領域を遊技球が流下する構成においては、上述した遊技盤及びガラスパネルの相対位置の変化は遊技領域における遊技球の挙動に影響を及ぼす要因となり得る。遊技盤を有する遊技機においては遊技領域における遊技球の挙動によって有利不利が決定されるため、上述したような遊技盤とガラスパネルとの相対位置の変化は好ましくない。
この点、本実施の形態においては、前扉枠14の延出部37が遊技盤80のレールカバー400と外レール102との間に挿通される構成とすることにより上記不都合の発生を好適に抑え、遊技領域を流下する遊技球の挙動を好適なものとすることができる。
特に、本実施の形態においては、遊技盤80を樹脂ベース60に対して着脱可能とする構成を採用することにより、メンテナンス作業の容易化や機種変更の促進等に貢献している。しかしながら、このように遊技盤80を着脱可能とすることで、上記効果が期待できる反面、樹脂ベース60に対する遊技盤80の位置ばらつきが生じやすくなると想定される。このため、仮に前扉枠14と樹脂ベース60との位置関係を好適に維持することができたとしても、上述した遊技盤80と樹脂ベース60との位置ばらつきは、遊技盤80とガラスパネル32との位置関係に影響を及ぼすと想定される。この点、前扉枠14の延出部37と遊技盤80のレールカバー400とを設けることによって、上記不都合を抑制し、メンテンナンス作業の容易化等と遊技盤及びパネル部材の位置関係の維持とを好適に両立させることができる。
誘導通路103と対向部450との間に前扉枠14の延出部37を介在させるとともに、その延出部37における後側の板面とガラスパネル32における後側の板面とを面一とすることで誘導通路103を通過する遊技球の挙動の安定化に貢献できる。
例えば、誘導通路103をガラスパネル32とレールカバー400の対向部450とによって前方から覆う構成とすることも可能ではあるが、ガラスパネル32が前扉枠14側に設けられているとともに対向部450が遊技盤80側に設けられているため、それらガラスパネル32と対向部450との間には隙間や段差が生じやすくなると想定される。このため、誘導通路103により誘導されている遊技球の挙動がこれら隙間や段差等を通過する際に乱れて、安定した遊技球の誘導が困難となり得る。この点、上述の如く、面一となるように設けられた延出部37とガラスパネル32とによって誘導通路103を覆う構成とすれば、そのような不都合を払拭し、実用上好ましい構成を実現できる。
また、遊技盤80において前扉枠14の回動基端部寄りとなる位置に対向部450を配するとともに前扉枠14の回動基端部に延出部37を配することにより、上記隙間に延出部37が挿入される際の同延出部37の移動方向を遊技盤80の前面と略平行とすることが可能となる。故に、例えば対向部450と延出部37との隙間を小さくしたり、それら対向部450及び延出部37の掛かり代(すなわち前後方向における重なり代)を大きくしたりすることができ、上述した隙間の拡がりを規制する機能を一層好適なものとすることができる。
前扉枠14の上端及び下端寄りに配置された支持金具71,72によって支持しているため、それら支持金具71,72の中間部位では、前扉枠14と内枠13と隙間が拡がりやすくなると想定される。そこで、上記延出部37等を前扉枠14の回動基端側に配することにより、そのような不都合の発生を好適に抑制することが可能となっている。
また、前扉枠14の回動先端側においては施錠装置75により前扉枠14の浮き上がりが好適に抑制されているもの、回動基端側では上記支持金具71,72の中間位置での浮き上がりが容易になり得る。仮に前扉枠14の回動基端側における内枠13との境界部位からバール等の不正具が挿入され、無理に上記境界部位が押し拡げられると、遊技領域PEにて意図的に球詰まりを発生させることが可能となる。仮に、このような球詰まりが作動口83等の入球口の傍で発生すると、後続する遊技球がそれら球詰まりしている遊技球群によって作動口83等に誘導され、作動口83等への入賞確率が変わってしまうと想定される。つまり、意図的に球詰まりを発生させることにより、不正に特典を享受しようとする試みがなされると懸念される。この点、本実施の形態においては、上記延出部37及び対向部450(詳しくは第2対向部453)を作動口83と上記回動基端側の境界部位との間に配置することにより、上述した不正行為を好適に抑制することが可能となっている。
延出部37と対向部450とが当接している場合には、レールカバー400に対して遊技盤80から浮き上がるような応力が加わることとなる。レールカバー400は起立部420を有しており、前後方向への変形に対する強度が高められている。これにより、延出部37によって前方へ引っ張られたとしても、同レールカバー400の変形を抑えることができる。故に、上記隙間の拡がりを好適に抑制できる。
遊技盤80を樹脂ベース60の正面側から取り付けるタイプの遊技機においては、樹脂ベースの背面側から遊技盤の取り付けるタイプの遊技機と比較して、遊技盤の前面の位置精度(例えば前後方向の位置精度)を向上させることが難しくなると想定される。この点、本実施の形態においては、ロック装置600の付勢部615によって遊技盤80を正面側に押すとともに、操作部646を遊技盤80の前面に当接させることによって遊技盤80の前方への移動を抑えることで、遊技盤80の前面を対象とした位置決めを可能としている。これにより、遊技盤80の背面を基準としての前後の位置決めを行う構成と比較して、遊技盤80の前面における位置精度を高やすくなっている。
このように遊技盤80の前面の位置精度を高めることにより、遊技球発射機構110から発射された遊技球の誘導レール100に対する着地位置がばらつくことを抑えている。これにより、誘導レール100を通過する際の遊技球の暴れを抑制し、遊技領域PEへの誘導の円滑化に貢献している。特に、誘導レール100が遊技盤80の前面から起立している構成においては、同誘導レール100の先端側に遊技球が着地すると、衝突時の負荷が大きくなり、誘導レール100の根元部分(詳しくは固定ピン102a等)に変形等が生じやすくなると想定される。これは、遊技球の円滑な誘導を妨げる要因となり得るため好ましくない。この点、遊技盤80の前面の前後位置精度を向上することで、遊技球の着地位置が前後にばらつくことを抑制し、上述した不都合の発生を好適に回避できる。
また、本実施の形態においては、内枠13が外枠11によって回動可能に軸支され、その開放作業の容易化が図られている。しかしながら、このような構成においては、作業性の向上に貢献できる反面、内枠13(詳しくは樹脂ベース60)が撓んだり捩れたりすることにより、上述した位置精度の向上が妨げられることが懸念される。この点、樹脂ベース60の回動基端部から回動先端部に跨るようにして、補強プレート550を配設することにより、上記変形を抑制している。特に、補強プレート550を遊技盤収容部61の前方開放部位(詳しくは下端縁)に沿うようにして配置しており、開放部位周辺で低下しがちな強度を補い、上記補強効果を好適に享受することが可能となっている。
この補強プレート550に対して、遊技球発射機構110及びロック装置600を配設(詳しくは設置)することにより、遊技球発射機構110(詳しくは発射レール112)及び遊技盤80(詳しくは誘導レール100)の相対位置の精度を高めることができ、発射レール112から発射された遊技球の誘導レール100に対する着地位置の精度向上に貢献できる。故に、誘導手段による遊技球の誘導の円滑化が期待できる。
遊技盤80を前方から装着する構成において、後方へ凹む遊技盤収容部61を設けるとともに、プレート設置部69,下側壁部66,対向板部62に沿うようにして補強プレート550をクランク状に形成することにより、同補強プレート550の強度向上を図りつつ、遊技盤80の前面(詳しくは誘導レール100)と発射レール112との前後位置を好適に揃えることができ、上記精度向上効果を一層顕著なものとすることができる。
特に、遊技球発射機構110は、発射レール112において誘導レール100寄りとなる端部付近にて補強プレート550(詳しくはベース部561)の前面に当接している。これにより、上述した位置精度向上効果を一層顕著なものとすることができる。
遊技球発射機構110のベースプレート114と補強プレート550とを面接触させることで、遊技球発射機構110の安定性向上に貢献している。特に、補強プレート550のベース部561は左右に延びる長尺状をなしており、この長手方向に並ぶようにして発射レール112及びソレノイド111を並設することにより遊技球発射機構110(詳しくはベースプレート114)も横長状に構成されている。これにより、占有領域の無駄な拡がりを抑えつつ、ベース部561とベースプレート114との接触面積を拡張しており、上述した安定効果を一層好適なものとしている。
誘導レール100の入口部分104は、遊技盤80の下端寄りとなる位置に配されており、その下端寄りとなる位置に上記ロック装置600,補強プレート550及び遊技球発射機構110が集約されている。これにより、入口部分104詳しくは特定部位SPと、遊技球発射機構110との相対位置の精度を好適なものとすることができる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、遊技球の衝突に起因した電源スイッチ247の切り替りを抑える切替規制手段が採用されていたが、本実施の形態においては同切替規制手段に関する構成が第1の実施の形態と相違している。
そこで以下、図40に基づき当該相違する構成について説明する。図40(a)は電源スイッチ247及びそれに関連する構成を拡大して示す電源・発射制御装置243Xの概略図、図40(b)は図40(a)のI−I線断面図である。なお、以下の説明では上記第1の実施の形態と同一符号に係る構成についてはその説明を援用して同構成に関する説明を簡略化又は省略し、主として第1の実施の形態との違いを説明する。
図40に示すように、電源・発射制御装置243Xの基板ボックス246Xには、電源スイッチ247を収容するスイッチ収容部250Xが形成されている。スイッチ収容部250Xは、基板ボックス246Xの表側対向部248Xを音声ランプ制御基板824側へ凹ませてなり、遊技機後方に開放されている。以下便宜上、スイッチ収容部250Xにおける後方への開放部分を開放部250aXと称する。
スイッチ収容部250Xの底部250bXには、基板ボックス246Xの内外に貫通するスイッチ用開口部251Xが形成されており、このスイッチ用開口部251Xを通じて電源スイッチ247(詳しくは操作片701)が遊技機後方へ露出している。なお、第1操作部702及び第2操作部703は互いに異なる方向を向く略平面状をなしており、全体として上記回動中心部を境界として折れ曲る略く字状となるように形成されている。オン状態となっている場合には第1操作部702が後方を向くとともに第2操作部703が斜め上方を向き、オフ状態となっている場合には第1操作部702が斜め下方を向くとともに第2操作部703が後方を向く。
スイッチ収容部250Xはスイッチ用開口部251を囲む周壁部250cXを有しており、同周壁部250cXには、上記開放部250aXを仕切る仕切り部257Xが形成されている。つまり、仕切り部257Xによって開放部250aXが上下に2分されている(細分化されている)。
図40(b)に示すように、仕切り部257Xは、操作片701の回動中心部の後方に配されており、開放部250aXを、第1操作部702へのアクセスを許容する上側開放領域UEと第2操作部703へのアクセスを許容する下側開放領域LEとに仕切っている。上側開放領域UE及び下側開放領域LEについては、遊技球の通過を不可とする大きさとなるように、その大きさが制限されている。これにより、遊技球が開放部250aXを通じてスイッチ収容部250内に侵入することを回避している。故に、遊技球の衝突に起因した電源スイッチ247の切り替わりを抑制している。
かかる構成を採用した場合には、両開放領域UE,LEが遊技球の通過を不可とする大きさに制限されていることで切替規制機能を好適に享受できる反面、以下の不都合が生じ得る。すなわち、各操作部702,703へのアクセスが困難になって、切替操作が難しくなると想定される。ここで、上側開放領域UEについては、オン状態となっている場合に第1操作部702の最後部となる端部に対して対峙する位置に配されており、下側開放領域LEについてはオフ状態となっている場合に第2操作部703の最後部となる端部に対して対峙する位置に配されている。これにより、各操作部702,703が開放領域UE,LEに対して近い位置に存在することとなり、操作部702,703へのアクセスが難しくなることを抑制可能となっている。
更には、操作片701については、オン状態となる側及びオフ状態となる側にそれぞれ付勢されており、オン状態でもなくオフ状態でもない中間状態においてはそれら各付勢力が均衡するように設定されている。このため、各操作部702,703の押し込み操作を行う場合には、上記中間状態を経由して一方へ偏った状態になるまで押し込むことで、その後は上記付勢力によって所望とする状態へ移行されることとなる。
このように、各操作部702,703を押し込む場合には、それら各操作部702,703を最奥位置に達するまで押し込む必要がない。これにより、切替操作を行う際の押し込み量(ストローク量)を低減し、開放領域UE,LEを通じた操作の容易化を実現している。
以上詳述した、第2の実施の形態によれば、操作片701に対して遊技球が衝突する機会を好適に低減することができ、第1の実施の形態に示した構成と比較して、遊技球の衝突に起因した電源スイッチ247の切り替わりを一層好適に抑えることができる。オン状態からオフ状態への切り替わりだけでなく、オフ状態からオン状態への切り替わりについても好適に抑制することができる。
<第3の実施の形態>
上記各実施の形態においては、電源スイッチ247(詳しくは操作片701)に対する遊技球の衝突を抑えることにより、電源スイッチ247の切り替わりを抑制する構成を採用したが、本実施の形態においては電源スイッチ247Yへの遊技球の衝突を許容し、仮に遊技球が衝突した場合であってもそれに起因した切り替わりを抑制する構成が採用されている。
以下、図41に基づいて本実施の形態における電源スイッチ247Y及びそれに付随する構成について説明する。図41(a)は電源スイッチ247Y及びそれに関連する構成を拡大して示す電源・発射制御装置243Yの概略図、図41(b)は図41(a)のJ−J線断面図である。なお、以下の説明では上記第1の実施の形態と同一符号に係る構成についてはその説明を援用して同構成に関する説明を簡略化又は省略し、主として第1の実施の形態との違いを説明する。
図41に示すように、電源・発射制御装置243Xの基板ボックス246Xには、電源スイッチ247を収容するスイッチ収容部250Yが形成されている。スイッチ収容部250Yは、基板ボックス246Yの表側対向部248Yの一部を音声ランプ制御基板824側へ凹ませてなり、遊技機後方に開放されている。以下、便宜上後方への開放部分を開放部250aYと称する。
スイッチ収容部250Yの底部250bYには、基板ボックス246Yの内外に貫通するスイッチ用開口部251Yが形成されており、このスイッチ用開口部251Yを通じて電源スイッチ247Y(詳しくは操作片701Y)が遊技機後方へ露出している。
本実施の形態における電源スイッチ247Yについては、シーソー式ではなく、レバー式となっている。具体的には、操作片701Yは上下に延びており、開放部250aYにおける凡そ上側半分を覆う略板状をなしている。操作片701Yはその上端部が回動基端部、下端部が回動先端部となるようにして保持されており、左右方向に延びる軸線を中心として前後に回動可能となっている。
操作片701Yは底部250bYに対して隙間を隔てて対峙しており、スイッチ収容部250Y内には操作片701Yの動作領域が確保されている。つまり、操作片701Yについては、開放部250aYを通じてスイッチ収容部250Yから突出する側への回動だけでなく、スイッチ収容部250Yの奥側へ埋没する側への回動も許容されている。なお、操作片701Yは、コイルバネ等の付勢部材を用いて待機位置に留まるように付勢されており、待機位置から回動した場合には同付勢力によって待機位置へ復帰することとなる。
ここで、本実施の形態における電源スイッチ247Yの切替操作について説明する。上記各実施の形態においては、同一方向(遊技機前方)への押し込み操作によってオン状態及びオフ状態の切り替えが許容されていたのに対して、本実施の形態においてはオン状態への切り替え操作の方向とオフ状態への切り替え操作の方向とが逆になっている。具体的には、操作部704Yを底部250bY側へ押し込むことにより、オフ状態である場合にはオン状態へ切り替わるとともにオン状態である場合にはオン状態のまま維持される。一方、操作部704Yを開放部250aYをスイッチ収容部250Yから突出する側へ引っ張ることにより、オン状態である場合にはオフ状態に切り替わるとともにオフ状態である場合にはオフ状態のまま維持される。
図41(b)に示すように、スイッチ収容部250Yの外部から操作片701Yに対して遊技球が衝突する場合を想定すると、当該衝突によって生じる外力については操作片701Yを底部250bY側へ押すように作用する。故に、遊技球がスイッチ収容部250Yの外部から衝突したとしても、それによりオフ状態に切り替わることはない。
また、操作片701Yの回動先端部と開放部250aYの縁部との隙間寸法は遊技球の直径寸法よりも大きく設定されており、当該隙間への指等の挿入が容易化されている。一方、操作片701Yと底部250bYとの隙間寸法は遊技球の直径寸法よりも小さく設定されている。このため、開放部250aYを通じてスイッチ収容部250Y内に遊技球が飛び込んだ場合であっても、底部250bY等に反射した遊技球が操作片701Yに対してスイッチ収容部250Yの内部から衝突するといった不都合が生じにくくなっている。このようにして各隙間寸法を設定することにより、遊技球の衝突に起因したオフ状態への切り替わりを規制しつつ、それに起因した操作片701Yの操作性の低下を抑制している。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、「支持枠補強部材」としての補強プレート550を「支持枠」としての樹脂ベース60にネジ591を用いて固定する構成としたが、補強プレート550の固定方法はこれに限定されるものではない。例えば、接着材を用いて固定することも可能であるし、樹脂ベース60及び補強プレート550の少なくとも一方に他方を係止する係止部を設け、同係止部によって固定することも可能である。
また、樹脂ベース60に対する補強プレート550の位置決めができればよく、必ずしもプレート設置部69を採用する必要はない。
(2)上記各実施の形態では、「支持枠補強部材」として板状の補強プレート550を採用した。支持枠補強部材は必ずしも板状である必要はなく、例えば棒状とすることも可能であるし、ブロック状とすることも可能である。特にブロック状をなす構成を採用する場合には、支持枠補強部材を中空状に形成し、強度を確保しつつ、重量増を抑えることが好ましい。
(3)上記各実施の形態では、「位置決め手段」としてのロック装置600によって遊技盤80の前後位置を規定する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、位置決め手段によって遊技盤80の上下位置や左右位置を規定する構成とすることも可能である。以下、図42(a)に基づきその具体例について説明する。図42(a)は位置決め手段の変形例を示す概略図である。
上記実施の形態では、樹脂ベース60に位置決め突起79を形成し、この位置決め突起79によって遊技盤80の左右位置を規定した。この位置決め突起を補強プレートに設けることも可能である。詳しくは、補強プレート900の対向部901において、遊技盤80の貫通孔91の後方となる位置に貫通孔902を形成し、同貫通孔902に位置決めピン910を挿通させた状態で固定することも可能である。
既に説明したように遊技球発射機構110(詳しくは発射レール112)の左右位置は、補強プレートによって規定されている。このため、補強プレート900の位置決めピン910によって遊技盤80の左右位置を規定することにより、遊技球発射機構110と遊技盤80との相対位置(左右位置)の精度を好適に向上させることができる。
(4)上記各実施の形態では、「位置決め手段」としてのロック装置600を補強プレート550に設置させた状態で樹脂ベース60に固定する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、ロック装置の固定対象を補強プレートに変更し、同ロック装置が補強プレートに設置されるとともに固定される構成とすることも可能である。以下、図42(b)に基づきその具体例について説明する。図42(b)はロック装置の取付構造の変形例を示す概略図である。
図42(b)に示すように、補強プレート920の対向部921には、前後に貫通する貫通孔922が設けられている。貫通孔922はネジ418の挿通を許容する大きさに形成されており、対向部921において遊技盤80とは反対側の板面、すなわち樹脂ベース60の対向板部62側の板面には、貫通孔922と連通するようにしてナット925が固定されている(詳しくは溶着されている)。ロック装置600は、それらナット925に対してネジ418がねじ込まれることにより補強プレート920に対して固定されている。このようにロック装置600を補強プレート920に固定することにより、更なる位置決め精度の向上に貢献することができる。
(5)上記各実施の形態では、補強プレート550をプレート設置部69,下側壁部66,対向板部62に沿って折り曲げることにより、全体としてクランク状に形成したが、必ずしも補強プレートをクランク状にする必要はない。但し、補強プレートによって樹脂ベース60を補強する点に着目すれば、同補強プレートの断面(自身の長手方向と直交する断面)がL字状やコ字状とすることにより強度向上を図ることが望ましい。このように、強度の向上を図る際には、補強プレートの占有領域の拡がりを抑えることが困難になると想定される。この点、上記実施の形態に示したように樹脂ベース60の前面に沿って補強プレートを折り曲げる構成とすれば、そのような不都合を好適に払拭し、実用上好ましい構成を実現できる。
(6)上記各実施の形態では、遊技盤80を「支持枠」としての樹脂ベース60に対してパチンコ機10の前方から取り付ける構成としたが、支持枠に対して遊技盤80を後方から取り付ける構成とすることも可能である。この場合、遊技盤を補強プレートの背面に当接させることにより、同遊技盤の前後位置を規定し、同補強プレートの前面に遊技球発射機構(詳しくはベースプレート)を当接させることにより、同遊技球発射機構の前後位置を規定することにより、それら遊技盤と遊技球発射機構との相対位置の精度を好適に高めることができる。
(7)上記各実施の形態では、遊技盤80がロック装置600の操作部646に対してパチンコ機10の後方から当接することにより、同遊技盤80の前後位置を規定する構成としたが、これを変更し、ロック装置によって押された遊技盤が補強プレート550の対向部381に当接することにより、遊技盤80の前後方向での位置決めを行う構成としてもよい。言い換えれば、遊技盤80の前面を対象として同遊技盤80の位置決めを行うのではなく、遊技盤80の背面を対象として同遊技盤80の位置決めを行うことも可能である。しかしながら、このような変更を行った場合には、遊技盤80の厚みのばらつき等に起因して、遊技球発射機構110と遊技盤80の前面との相対位置の位置精度が低下しやすくなると想定される。故に、望ましくは、遊技盤80の前面を対象に位置決めを行うとよい。
(8)上記各実施の形態では、ロック装置600のベースプレート610が樹脂ベース60に対して固定される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、軸ピン620や操作レバー640を樹脂ベースに対して固定する構成とすることも可能である。
なお、ロック装置600は必ずしもユニット化する必要はく、個々の構成を個別に取り付ける構成とすることも可能である。この場合、少なくとも操作レバーを補強プレート550に取り付けることにより、実用上好ましい構成を実現できる。
(9)上記各実施の形態では、「発射部」としてのソレノイド111,「発射レール部」としての発射レール112等を「ベース体」としてのベースプレート114に固定することにより、発射に関する構成をユニット化した。このベースプレート114を補強プレート550に設置することにより、同補強プレート550に対する発射レール112の位置決めを行う構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、発射レール112をベースプレート114を介することなく、補強プレート550に対して直接設置する構成とすることも可能である。
(10)上記各実施の形態では、補強プレート550の長手方向に離れた2箇所、すなわち左右2箇所にて遊技球発射機構110(詳しくは発射レール112)の位置決めを行ったが、これを変更し、上下2箇所にて位置決めを行うことも可能である。但し、このような変更を行った場合には、補強プレート550が上下に拡張されると想定される。補強プレートは、樹脂ベース60の回動基端部と回動先端部とを繋ぐように形成することにより、その補強効果を好適に発揮させることができる一方、回動中心軸線方向に延びる場合、補強効果によるメリットよりも重量増によるデメリットのほうが大きくなることが懸念される。故に、望ましくは遊技球発射機構110の位置決めを、左右の複数箇所にて行うとよい。
また、ベースプレート114と補強プレート550のベース部561とを面接触させるとともに、その接触範囲が補強プレート550の短手方向(上下方向)と比較して長手方向(左右方向)に拡がる構成としたが、これを変更し、上記接触範囲が補強プレート550の長手方向と比較して短手方向に拡がる構成とすることも可能である。
(11)上記各実施の形態では、補強プレート550をプレート部材281とともに樹脂ベース60に対して共締めする構成としたが、両者を別個独立してネジ止めする構成とすることも可能である。
(12)上記各実施の形態では、遊技球発射機構110のベースプレート114の前面(詳しくは発射レール112)が設置されている面と、遊技盤80の前面とが面一となる構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも、発射レール112から発射される遊技球の通過軌道と遊技盤の下端縁との干渉が回避されていればよい。例えば、発射レール112が遊技盤の前面よりも前側に位置する構成とするとよい。
(13)上記各実施の形態では、ロック装置600の操作部646を回動させることでロック状態とアンロック状態とを切り替える構成としたが、これを変更し、操作部を特定方向にスライド移動させることでロック状態とアンロック状態とを切り替える構成としてもよい。
(14)ロック装置600の配置は任意である。例えば遊技盤80の回動基端に寄せて配置することも可能である。但し、前扉枠14の回動基端側に寄せて配置している場合には、ロック装置600を回動させるための作業スペースの確保が難しくなり得る。故に、好ましくは前扉枠14の回動先端側、すなわち遊技盤80の回動先端側に寄せて配置するとよい。
(15)上記各実施の形態では、操作部646の操作量が所定量に達すると、遊技盤80を押すプッシャ630が一気に突出する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、操作部646の操作量の増加に応じてプッシャ630の突出量が徐々に増加する構成としてもよい。
(16)上記各実施の形態では、操作部646がアンロック位置から遊技盤80の前面に対して当接する位置まで回動した場合に、プッシャ630が遊技盤80を押す構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、操作部646がアンロック位置から遊技盤80の前面に対して当接する位置まで回動する前の時点で、プッシャ630が遊技盤80を押す構成とすることも可能である。但し、このような変更を行った場合には、操作部646の操作がプッシャ630に押された遊技盤80によって妨げられやすくなると想定される。これは、ロック装置600の切替操作をやりにくくする要因となり得る。この点、上記実施の形態に示すように、操作部646が遊技盤80によって邪魔されない位置まで回動した後、プッシャ630が遊技盤80を押す構成とすれば、確かに操作部646と遊技盤80との間に摩擦は生じるものの、操作部646が遊技盤80(詳しくは挿通部92の内面)につかえるといった不都合を回避することができる。
(17)上記各実施の形態では、ロック装置600がアンロック状態である場合に、操作部646の長手方向と、遊技盤80の回動中心軸線に直交する方向とが一致する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、操作部646の長手方向と、遊技盤80の回動中心軸線に直交する方向とが相違する構成としてもよい。但しこの場合、遊技盤80が回動する構成であるが故に、挿通部92における操作部646の通過隙を大きく設定する必要が生じる。これは、操作部646において遊技盤80に当接する部位を操作レバー640の基部641から遠ざける要因となる。すなわち、遊技盤80との掛かり代を減少させるとともに操作レバー640に加わる応力を増大させる要因となり得る。故に、望ましくは、アンロック状態においては操作部646の長手方向を遊技盤80の回動中心軸線に直交する方向に揃えるとよい。
(18)上記各実施の形態では、操作レバー640の操作部646が基部641の中心軸線を中心として対称形状をなす構成としたが、必ずしもそのように対称形状を成す必要はなく、中心軸線を挟んだ両側で形状が異なっていてもよい。
また、操作部646が基部641を挟んだ上下両側にて遊技盤80の前面と当接する構成としたが、これを変更し、基部641の上下両側のうち一方で遊技盤80の前面と当接する構成とすることも可能である。例えば操作レバー640をT字状からL字状に変形し、遊技盤80の前面に対する当接箇所を減らすことも可能である。
(19)上記各実施の形態では、各操作レバー640が同一形状をなす一方で遊技盤80の挿通部92はそれぞれ異なる形状をなす構成としたが、これを変更し、各操作レバー640と同様に各挿通部92の形状を統一してもよい。
(20)上記各実施の形態では、操作レバー640の回動範囲を凡そ90°に制限し、その範囲内でロック状態とアンロック状態とが切り替えられる構成としたが、操作レバー640の回動範囲はこれに限定されるものではない。例えば180°としてもよいし360°としてもよい。
また、アンロック状態から時計回りに回動させることでロック状態に切り替えられ、ロック状態から反時計回りに回動させることでアンロック状態に切り替えられる構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、同一方向への回動操作によりロック状態とアンロック状態との切り替えがなされる構成としてもよい。例えば、時計回りに180°回動させる毎にロック状態とアンロック状態とが切り替わる構成とすることも可能である。これにより、上記変形例(17)に示した遊技盤80と操作部646との掛かり代を確保しやすくできる。
(21)上記各実施の形態では、対向板部62が環状(詳しくは矩形枠状)をなす構成としたが、対向板部は遊技盤80の背面に対向する平板状をなしていればよく、その外形は必ずしも環状でなくてもよい。例えば、対向板部を内枠13の左側枠部13c及び右側枠部13dに跨って延びる長板状に形成してもよい。
また、対向板部62に補強や部材取付等を目的としたリブや凹み等の凹凸を有する構成としたが、それら凹凸等を有さない構成とすることも可能である。
(22)上記各実施の形態では、対向板部62と周壁部63とによって遊技盤収容部61を構成したが、同遊技盤収容部61は必須ではない。少なくとも対向板部62に相当する構成を有していればよく、周壁部63を省略することも可能である。
(23)上記各実施の形態では、遊技盤80を固定する左右のロック装置600の間に同遊技盤80の左右位置を規定する位置決め突起79を配置したが、ロック装置600及び位置決め突起79の位置関係は任意であり、2つのロック装置600の間に位置決め突起79を配置する必要はない。また、位置決め突起79を左側のロック装置600に寄せて配置したが、同位置決め突起を右側のロック装置600に寄せて配置することも可能である。
(24)上記各実施の形態では、遊技盤80を装着完了位置に配置する過程で、先ずロック装置600の操作部646が遊技盤80の挿通部92に入り、その後、位置決め突起79が遊技盤80の貫通孔91に入る構成としたが、これを変更し、位置決め突起79が貫通孔91に入った後、操作部646が挿通部92に入る構成とすることも可能である。但し、この場合、遊技盤80の左右位置が大きくばらついた状態にて位置決め突起79が貫通孔91には入ろうとするため、同位置決め突起79が貫通孔91に嵌らず遊技盤80の背面等に衝突することが懸念される。これは、位置決め突起79を変形させ、位置決め精度の低下を招く要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、先ず操作部646及び挿通部92によって遊技盤80の大まかな位置ずれを抑え、ある程度位置決めの目処が立った状態にて位置決め突起79が貫通孔91に入る構成とするとよい。
(25)上記各実施の形態では、位置決め突起79が円柱状をなす構成としたが、同位置決め突起を角柱状とすることも可能である。また、位置決め突起79の先端部分を縮径したが、これを省略することも可能である。
(26)上記各実施の形態では、遊技盤80の左右位置を規定する位置決め突起79を同遊技盤80の外レール102の背後に配置したが、これを変更し、位置決め突起79をパチンコ機10の正面視において外レール102よりも内側又は同外レール102よりも外側に配置することも可能である。但し、このように位置決め突起79の配置を変更する場合であっても、特定部位SPになるべく近づけて配置することが好ましい。
(27)上記各実施の形態では、誘導レール100の入口部分104を遊技盤80の下端寄りに配したが、同入口部分104を遊技盤80の上端寄りに配することも可能である。但し、このような変更を行った場合には、入口部分104と遊技球発射機構110との間隔が拡がることで、遊技球の着地位置のばらつきが大きくなると想定される。この場合、入口部分104の近傍にて位置決め突起によって位置ばらつきを抑えたとしても、遊技球の発射ばらつきが支配的となり、位置決め突起による着地位置の安定化機能の恩恵を十分に享受できなくなると懸念される。故に、望ましくは、誘導レール100の入口部分104を遊技盤80の下端、すなわち遊技球発射機構110に近づけて配置するとよい。
また、誘導レール100の入口部分104を遊技盤80の中央付近に配したが、例えば入口部分104を遊技盤80の回動基端側の端部に寄せて配することも可能である。この場合、遊技球発射機構110についても同一側に寄せて配置するとよい。
(28)上記各実施の形態では、遊技球発射機構110から発射された遊技球が、遊技盤80の下端縁すなわち下側壁部66の前方を斜めに横切る構成とした。言い換えれば、誘導レール100の入口部分104と遊技球発射機構110における発射レール112の先端部分とが、下側壁部66を挟んで斜めに対峙する構成とした。これを変更し、誘導レール100の入口部分104と遊技球発射機構110における発射レール112の先端部分とを下側壁部66を挟んで上下に配置し、遊技球発射機構110から発射された遊技球が、遊技盤80の下端縁すなわち内枠13の下側壁部66を縦に横切る構成としてもよい。但し、この場合には、遊技球が内レール101側に逸れる可能性が生じ、遊技球の着地位置を特定するのが困難なものとなり得る。故に、望ましくは、遊技球の飛翔方向をわずかにでも外レール102側に傾けるのがよい。
(29)上記各実施の形態では、外レール102が円弧状をなし、同外レール102の特定部位SPにおける接線TLが発射レール112のレール方向と同一方向とすることにより、遊技球着地時の衝撃を和らげるとともに、外レール102に沿った円滑な誘導を可能とした。これを以下のように変更してもよい。すなわち、外レール全体を円弧状にするのではなく、上記特定部位SPを含んだ一部が発射レール112のレール方向と同一方向に延びる構成としてもよい。これにより、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
(30)上記各実施の形態では、位置決め突起79が挿通される貫通孔91に撓み規制部材107を取り付けたが、この撓み規制部材107を省略することも可能である。また、貫通孔91以外の孔等を用いて撓み規制部材107を取り付けることも可能である。
(31)遊技盤80の厚さ方向に貫通している貫通孔91に代えて、遊技盤80の厚さ方向に貫通していない穴部又は凹部を用いることも可能である。更には、貫通孔が上下に拡張された長孔状をなし、位置決め突起79の上下方向への移動を許容する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば貫通孔91の内形を位置決め突起79の外形に合わせて形成し、それら貫通孔91及び位置決め突起79に上下方向の位置決め機能を付与することも可能である。しかしながら、このような変更を行った場合、位置決め突起79に生じる負担が大きくなり、同位置決め突起79の変形等を生じやすくなると想定される。これは、位置決め機能の低下を招く要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、貫通孔91を、遊技盤80の上下の位置ばらつきを許容する隙間が位置決め突起79との間に生じるように形成するとよい。
(32)上記各実施の形態では、誘導レール100を内レール101及び外レール102によって構成したが、必ずしもそれら両レールを必須とするものではない。少なくとも外レール102に相当するレールを有していればよい。また、内レール101及び外レール102を別体で設ける必要はなく、両者を一体的に設けること(例えば一体成形すること)も可能である。
(33)上記各実施の形態では、遊技球発射ハンドル45の操作量が第1規定量以上となった場合に、遊技球が外レール102の特定部位SPに着地する構成としたが、これを変更し、操作量が第2規定量以上となった場合に、遊技球が外レール102の特定部位SPに着地する構成とすることも可能である。遊技球発射ハンドル45の操作量が増せば、遊技球の発射速度も増加する。遊技球の発射速度が、例えば返しゴムに到達するレベルまで高まると、外レール102に着地した際の衝撃も大きくなると想定される。少なくとも、このような高い発射速度で打ち出された遊技球の衝突位置のばらつきを抑制することで、外レール102の耐久性向上に貢献しやすくできる。
(34)上記各実施の形態では、「カバー部」としてのレールカバー400により「区画部」としての誘導レール100(詳しくは外レール102)において誘導通路103を構成している部分を覆う構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、誘導レール100において誘導通路103を構成していない部分をカバー部により覆う構成とすることも可能であり、誘導レール100全体をカバー部により覆う構成とすることも可能である。
但し、誘導レール100の誘導機能の担保を考慮すると、同誘導レール100において発射された遊技球を遊技領域PEへ誘導する部分、すなわち上記誘導通路103を構成している部分は覆う構成とすることが望ましい。また、遊技盤80を「支持枠」としての樹脂ベース60に装着する際には同遊技盤80を挿入部290に挿入する構成を採用している。このため、既に説明したように誘導レール100において挿入部290側となる部分が他の部分と比較して干渉の対象となりやすいと想定される。故に、望ましくは挿入部290側となる部分を覆う構成とすることが望ましい。
(35)上記各実施の形態では、レールカバー400に湾曲部421や対向部450等を設け、同レールカバー400の変形を抑える構成としたが、これに限定されるものではない。上述した湾曲部421等の強度向上を担っている構成を省略してレールカバー400の強度を下げることにより同レールカバー400の変形を促進させる構成とすることも可能である。このような変更を行う場合には、レールカバー400と誘導レール100との隙間を拡げ、レールカバー400→誘導レール100への力の伝播を回避するとよい。
但し、このような隙間の拡大は、遊技盤80の前面側という限られた領域において、誘導レール100との共存が難しくなる要因となり得る。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したようにレールカバー400の強度を高めつつ同レールカバー400の占有領域の拡がりを抑えるとよい。
(36)上記各実施の形態では、誘導レール100において挿入部側に凸となっている部分の上下両側にてレールカバー400を遊技盤80に固定する構成としたが、レールカバー400の固定箇所は任意である。
例えば、外側ベース部412における固定箇所(ネジ孔413)を、内側ベース部411における固定箇所(ネジ孔414)よりも湾曲部421寄りとなるように構成したが、これに限定されない。内側ベース部411における固定箇所(ネジ孔414)を、外側ベース部412における固定箇所(ネジ孔413)よりも湾曲部421寄りとなるように構成してもよい。
なお、レールカバー400を固定する固定手段は、ネジ416,417に限定されるものではない。例えばレールカバー400に爪部を形成し、同爪部が遊技盤80の受け部等に係合することによりレールカバー400が遊技盤80に固定される構成とすることも可能である。また、レールカバー400を遊技盤80に対して機構的に固定するのではなく、接着剤等を用いて固定することも可能である。
(37)上記各実施の形態では、レールカバー400の起立部420が誘導レール100(詳しくは外レール102)に沿って湾曲する湾曲部421を有する構成としたが、必ずしも湾曲部421を有する必要はない。例えば、起立部が遊技盤80の縁部に沿って真っ直ぐに延びる構成としてもよい。但し、このような変更を行った場合、起立部の強度が低下し、遊技領域PEの外側から起立部が押される等した場合の同起立部の変形量が増大すると想定される。故に、湾曲部を省略する場合には起立部を補強する等して、同起立部の変形量の増大を抑えることが望ましい。
(38)上記各実施の形態では、レールカバー400のベース部410において湾曲部421が起立している部分では内側ベース部411を省略したが、これを変更し、湾曲部421が起立している部分に内側ベース部を形成することも可能である。
但し、このような変更を行った場合、湾曲部421と外レール102との隙間を拡げ、内側ベース部の設置領域を確保する必要が生じる。これは、遊技領域PEを圧迫する要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、湾曲部421においては内側ベース部411を省略し、誘導レール100とレールカバー400とを好適に共存させるとよい。
(39)上記各実施の形態では、レールカバー400がベース部410を有し、同ベース部410を遊技盤80に対して固定したが、これに限定されるものではない。例えばベース部410を省略し、起立部420を遊技盤80に対して直接固定することも可能である。
更には、カバー部を遊技盤80に対して必ずしも別体で設ける必要はなく、カバー部を遊技盤80と一体成形することも可能である。
(39)上記各実施の形態では、レールカバー400によって誘導レール100(詳しくは外レール102)を遊技盤80の正面側及び遊技領域PEの外側から覆う構成としたが、カバー部は誘導レール100を少なくとも遊技領域PEの外側から覆っていればよく、必ずしも遊技盤80の正面側から覆う必要はない。例えば、レールカバー400における対向部450を省略することも可能である。
なお、上記実施の形態における対向部450には誘導レール100を覆う機能の他に遊技盤80とガラスユニット30との隙間の拡がりを規制する機能が付与されている。故に、上記変更を採用する場合には、対向部450における後者の機能を満足する構成を別途設けることが望ましい。
(40)上記各実施の形態では、内枠13(詳しくは樹脂ベース60)において前扉枠14を軸支している側と同一側に挿入部290を配したが、これを変更し、内枠13において前扉枠14を軸支している側とは反対側に挿入部290を配することも可能である。但し、このような変更を行った場合には、遊技盤80を着脱する際に前扉枠14が作業の邪魔になりやすいと想定される。確かに、前扉枠14の開放量を大きくすることで、作業性の低下を抑えることは可能であるが、このような対応は作業スペースが無駄に拡がる要因となり得るため好ましくない。特に、遊技ホール等の島設備に設置されている状態にて前扉枠14を大きく開放させる必要があると、隣接する遊技機での遊技を妨げる要因となり得るため好ましくない。この点、上記実施の形態に示したように、前扉枠14を軸支している側と同一側に挿入部290を配すれば、上記不都合を払拭し、実用上好ましい構成を実現できる。
(41)上記各実施の形態では、遊技盤80を回動させることにより装着完了位置へ配置可能な構成としたが、これに限定されるものではない。例えば遊技盤80を所定の方向にスライド移動させることで装着完了位置へ配置可能な構成とすることも可能である。
(42)上記各実施の形態では、樹脂ベース60に対して遊技盤80を同樹脂ベース60の前方から着脱可能な構成としたが、これを変更し、同遊技盤80を樹脂ベース60の後方から着脱可能な構成とすることも可能である。
(43)上記各実施の形態では、「阻止手段」を構成する突起431及び受け部275を遊技盤80の前面側に配したが、これに限定されるものではない。例えば、それら突起431及び受け部275に相当する構成を遊技盤80の背面側に配することも可能である。但し、遊技盤80を樹脂ベース60の正面側から着脱する構成においては、突起431等を遊技盤80の背面側に配することで、同突起431等が遊技盤80によって遮られ視認性が低下すると想定される。故に、遊技盤80を樹脂ベース60の正面側から着脱する構成においては、突起431等を遊技盤80の前面側に配することが望ましい。
(44)上記各実施の形態では、「挿入部」を構成しているストッパ部271に「阻止手段」を構成している受け部275を配設したが、これに限定されるものではない。受け部275に相当する構成をストッパ部271とは別個独立して設けることも可能である。
また、「カバー部」としてのレールカバー400に「阻止手段」を構成する突起431を配設したが、これに限定されるものではない。突起431に相当する構成をレールカバー400とは別個独立して設けることも可能である。
(45)上記各実施の形態では、レールカバー400を無色透明な構成としたが、例えば有色半透明であって有色不透明であってもよい。また、レールカバー400を合成樹脂材料ではなく、アルミニウム等の金属材料によって形成することも可能である。
なお、このような変更を行う場合であっても、遊技盤着脱時の突起431等の視認性を確保しておくことが好ましい。
(46)「阻止手段」を構成する突起431及び受け部275に遊技盤80の位置決め機能を付与することも可能である。但し、このような変更を行った場合、突起431を受け部275に引っ掛けることが難しくなり、遊技盤80を装着する際の作業性が低下すると想定される。故に、突起431及び受け部275については、上記実施の形態に示したように、遊技盤80の位置を規定するのではなく、ある程度の位置ばらつきを許容する(仮止め)程度にしておくことが好ましい。
(47)上記各実施の形態では、「載置部」としての仮置き部125を「規制手段」を構成するストッパ部271よりも下方に配置したが、両者の配置を逆転することも可能である。
(48)上記各実施の形態では、レールカバー400のアーム部430が起立部420から突出する構成としたが、これを変更し、アーム部がベース部410から突出する構成としてもよい。但し、このような変更を行った場合には、挿入部290に遊技盤80を挿入する際にアーム部が撓みにくくなると想定される。故に、望ましくは、アーム部は起立部420に形成するとよい。
(49)上記各実施の形態では、遊技盤80を仮置き可能な仮置き部125を有する構成としたが、この仮置き部を省略することも可能である。このような変更を行う場合には、アーム部430,突起431及びストッパ部271を補強し、遊技盤80をそれらアーム部430等によって支えるすることが可能となるように構成することで、作業負荷の増大を抑えることができる。しかしながら、このような強度確保は、ストッパ部271やレールカバー400の大型化を招来し、遊技領域PEを圧迫する要因となり得る。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように遊技盤80の前面から外れた位置に仮置き部を設け、アーム部430等に負荷が集中することを回避するとよい。
(50)上記各実施の形態では、遊技盤80を挿入部290に挿入することにより、同挿入部290からの遊技盤80の取り外しが規制される構成とした。つまり、遊技盤80の挿入操作に基づいて、「阻止手段」としての突起431と受け部275とが係合状態(規制状態)に切り替る構成とした。これを以下のように変更することも可能である。すなわち、遊技盤80を挿入部290に挿入する挿入操作とは別の操作により遊技盤80の取り外し不能にロックするロック機構を設けてもよい。この場合、例えばロック機構が回動操作可能に形成されたロックレバーを有し、同ロックレバーを操作することで遊技盤80の取り外しが不可となる構成を採用するとよい。
(51)上記各実施の形態では、「阻止手段」を構成する受け部275を遊技盤収容部61内に配したが、これを変更し、受け部275を遊技盤収容部61外に配することも可能である。例えば、遊技盤収容部61の前方に配することも可能である。しかしながら、このような変更は、内枠13の厚みを嵩みやすくし、パチンコ機10の薄型化を妨げる要因となり得る。故に、望ましくは、受け部275を遊技盤収容部61内に収容するとよい。
(52)上記各実施の形態では、遊技盤80の突起431が樹脂ベース60の受け部275の底部に当接しない構成とし、更には遊技盤80のアーム部430がストッパ部271の上面272に当接しない構成としたが、これを変更し、突起431が受け部275の底部に当接する又はアーム部430が上面272に当接する構成とすることも可能である。
但し、このような変更を行った場合には、遊技盤80の重さがアーム部430等に伝わりやすくなり、それらアーム部430に加わる負荷が大きくなることで、挿入部290からの取外規制機能が低下することが懸念される。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、突起431と受け部275とが引っ掛かっている状態において、それら突起431や受け部275に付随する構成が上下に当接することを回避するとよい。
(53)上記各実施の形態では、挿入部290を「区画部」としての誘導レール100において同挿入部290側に凸となっている部分の上方及び下方にそれぞれ配置したが、これに限定されるものではない。挿入部290を上記凸となっている部分に対して横並びとなる位置に配置することも可能である。また、挿入部を複数に分けて設けるのではなく、遊技盤の縁部に沿って、上記凸となっている部分の上方及び下方に延びる一連の挿入部を形成することも可能である。
但し、このような変更を行った場合には、遊技盤80の前面側にて誘導レール100と挿入部とを共存させることによる遊技領域PEの圧迫が顕著になると想定され好ましくない。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、上記凸となっている部分を避けるようにして挿入部を配置するとよい。
(54)上記各実施の形態では、「規制手段」を構成する延出部37をガラスユニット30のガラスホルダ33に配設したが、これを変更し、同延出部37に相当する構成を前扉枠14の枠体20に配設することも可能である。但し、このような変更を行う場合には、延出部37に相当する構成をガラスパネル32に近づけて配置することが望ましい。
(55)上記各実施の形態では、延出部37がレールカバー400に当接する(引っ掛かる)構成としたが、延出部37が引っ掛かる対象はレールカバー400に限定されるものではない。例えば、レールカバー400とは別体で、引っ掛かり用の部材を遊技盤80に配設してもよいし、同係合部が遊技盤80に対して直接引っ掛かる構成としてもよい。
(56)上記各実施の形態では、「パネル部材」としてのガラスパネルを2枚有する構成としたが、「パネル部材」の枚数は任意である。但し、安全性や防犯性の向上を念頭に置けば、パネル部材を少なくとも2枚採用することが好ましい。
(57)上記各実施の形態では、ガラスパネル31,32をガラスホルダ33を介して枠体20に取り付ける構成としたが、このガラスホルダ33を省略し、ガラスパネル31,32を枠体20に対して直接取り付ける構成とすることも可能である。この場合、上述したように延出部37に相当する構成を枠体20に配設するとよい。
(58)上記各実施の形態では、「規制手段」を構成する延出部37等を前扉枠14の回動基端側に配したが、これを変更し、前扉枠14の回動先端側に配することも可能である。但し、このような変更を行った場合には、前扉枠14の回動によって延出部37をレールカバー400に挿通することが難しくなり、前扉枠14の回動を契機として動作する別の機構が必要となり得る。故に、望ましくは上記実施の形態に示したように前扉枠14の回動基端側に配するとよい。
(59)上記各実施の形態では、「規制手段」を構成する延出部37及び対向部450を前扉枠14の回動基端部及び内枠13の境界部位と「入球口」としての作動口83との間に配したが、これに限定されるものではない。例えば、延出部37及び対向部450を前扉枠14の回動基端部及び内枠13の境界部位と「入球口」としての一般入賞口81や可変入賞装置82との間に配置することも可能である。
なお、「規制手段」を「入球口」とは関係のなく、任意に配置することも可能である。但し、防犯性向上の観点から、前扉枠14の回動基端部及び内枠13の境界部位と「入球口」との間に配することが望ましい。
(60)前扉枠14の枠体20に対するガラスユニット30の取付構造はレバー部材23に限定されるものではない。以下、図43(a)を参照して具体的な変形例について説明する。
図43(a)に示すように、ガラスユニット930は、ガラスパネル931,932とパネルホルダ933とを有している。前扉枠14のガラスユニット設置部22は、パネルホルダ933の外形に合わせて形成されており、同ガラスユニット設置部22内での前後方向へのガラスユニット930のスライド移動を許容している。
前扉枠14の枠体20には後方へ延びる軸ピン941が固定されており、同軸ピン941がパネルホルダ933に形成された貫通孔935に挿通されている。軸ピン941にはパネルホルダ933に対して遊技盤80側から当接する頭部942が形成されており、同頭部942によってガラスユニット設置部22からのガラスユニット930の脱落が阻止されている。
また、軸ピン941にはコイルバネ943が挿通されており、同コイルバネ943が頭部942とパネルホルダ933とによって挟まれた状態となっている。つまり、コイルバネ943によってガラスユニット930が遊技盤80から遠ざかる側に付勢された状態となっている。
このため、前扉枠14及び遊技盤80のうち少なくとも一方が他方から遠ざかる側に変位した場合には延出部37が第2対向部452,453に当接し、上記変位が増すとコイルバネ943が圧縮され、ガラスユニット930は上記変位に追従することなくその場に留まるととなる。これにより、ガラスユニット930(詳しくは後側のガラスパネル932)と遊技盤80との隙間の拡がりを規制することができるとともに、延出部37やレールカバー400に過剰な負荷が加わって変形等が生じることを抑制できる。故に、ガラスユニット930と遊技盤80との離れを規制する機能を好適に維持することが可能となる。
なお、上記コイルバネ943が最も圧縮された状態となっている場合でも、ガラスユニット930の一部がガラスユニット設置部22に対して嵌まった状態となることにより、ガラスユニット930と枠体20との隙間を通じた不正具等の挿入が容易になることを抑制し、防犯性の低下を抑えることができる。
(61)上記各実施の形態では、「パネル部材」をガラス製としたが、合成樹脂製とすることも可能である。このようにパネル部材を合成樹脂製とする場合には、併せて以下の変更を行うことも可能である。すなわち、延出部37に相当する構成を、パネル部材に設けることも可能である。
更には、パネル部材を変位可能に保持する構成とすることにより、パネル部材と遊技盤80との隙間の拡がりを一層好適に規制することができる。以下、図43(b)を参照して具体的な変形例について説明する。図43(b)は、規制手段の変形例を示す概略図である。
図43(b)に示すように、ガラスユニット950のパネル部材951,952のうち少なくとも後側のパネル部材952は無色透明な合成樹脂材料により形成されている。パネルホルダ953には両パネル部材951,952に個別に対応する溝部954,955が形成されている。前側のパネル部材951に合わせて形成された溝部954の幅寸法は、前側のパネル部材951の厚さ寸法と同等となるように設定されており、前側のパネル部材951の前後方向への変位を阻止されている。一方、後側のパネル部材952に合わせて形成された溝部955の幅寸法は、後側のパネル部材952の厚さ寸法よりも大きく設定されており、後側のパネル部材952の前後方向への変位が許容されている。
後側の溝部955には、パネル部材952に対して遊技盤80側から当接する板バネ956が配設されており、同板バネ956によってパネル部材952が遊技盤80から遠ざかる側(前方)に付勢されている。
後側のパネル部材952には、遊技盤80のレールカバー400(詳しくは第2対向部452,453)に係合可能な係合部957が形成されている。
前扉枠14及び遊技盤80のうち少なくとも一方が他方から遠ざかる側に変位した場合には、係合部957が第2対向部452,453に係合する。この際、上記変位が増すと、上記板バネ956が圧縮され、後側のパネル部材952は上記変位に追従することなくその場に留まることとなる。これにより、後側のパネル部材952と遊技盤80との隙間の拡がりを規制することができるとともに、係合部957やレールカバー400に過剰な負荷が加わって変形等が生じることを抑制できる。故に、後側のパネル部材952と遊技盤80との離れを規制する機能を好適に維持することが可能となる。
(62)上記各実施の形態では、「規制手段」を構成する延出部37及びレールカバー400が遊技盤80の前方にて引っ掛かる構成としたが、これに限定されるものではない。遊技盤80の後方にて引っ掛かる構成とすることも可能である。例えば、上述したように遊技盤80の背面に対して延出部37が引っ掛かる構成にするとよい。
(63)上記各実施の形態では、「規制手段」として前扉枠14の延出部37と遊技盤80のレールカバー400とを有し、延出部37が前扉枠14の動きに追従して、レールカバー400に対する引っ掛かる位置へ移動する構成としたが、これに限定されるものではない。「規制手段」は、少なくとも前扉枠14を閉じた状態にて遊技盤80とガラスユニット30(詳しくは後側のガラスパネル32)との隙間の拡がりを規制することができるものであればよい。例えば、遊技盤80及びガラスユニット30の相対移動が不可となるようにロックするロック状態と、遊技盤80及びガラスユニット30の相対移動を許容するロック解除状態とに切替可能なロック装置を設け、同ロック装置を前扉枠14が開放されている場合にはロック状態に切り替わるとともに前扉枠14が閉じた場合にロック状態に切り替る構成とすることも可能である。なお、このようなロック装置を採用する場合、同ロック装置が施錠装置と連動してロック状態とロック解除状態とに切り替る構成とすることで、更なる防犯性の向上が期待できる。
(64)上記各実施の形態では、挿入部290に遊技盤80のレールカバー400が嵌まることにより、遊技盤80の前後方向への移動が規制される構成とした。詳しくは、レールカバー400のベース部410が挿入部290を構成するストッパ部271の背面274に当接し、同レールカバー400の突出部440が対向板部62のリブに当接することにより前後位置が規定される構成とした。これを以下のように変更することも可能である。例えば、対向板部62に遊技盤80をストッパ部271側に付勢する付勢部材としての板バネを配設し、同板バネによって遊技盤80(詳しくはベース部410)がストッパ部271に押し付けられることにより、同遊技盤80の前後位置が規定される構成とすることも可能である。
(65)上記第1の実施の形態では、突出部252によって「操作手段」としての第2操作部703に対する遊技球の衝突を回避する構成としたが、これに限定されるものではなく、電源スイッチ247のオフ状態への切り替りを回避できるのであれば、衝突規制にかかる構成を以下のように変更することも可能である。例えば、「切替規制部」として少なくとも第2操作部703を遊技機後方から覆うスイッチカバーを採用することも可能ある。
但し、かかるスイッチカバーを採用した場合には同スイッチカバーによって第2操作部703を覆ったままでは、同第2操作部703の操作が困難となる。このため、スイッチカバーを取り外したり、スイッチカバーを操作の邪魔にならない位置へ移動させたりするといったオフ操作のための準備作業が必要となり得る。これは、作業性の低下を招来する要因となり得るため好ましくない。
そこで、このような変形例を採用する場合には、合わせて以下の構成を採用することが望ましい。すなわち、スイッチカバーの配設対象を外枠11とし、遊技機主部12を閉じることで同スイッチカバーによって第2操作部703が覆われた状態になるととともに遊技機主部12を所定位置まで回動させる(開放する)ことで第2操作部703が露出した状態になるようにするとよい。但し、遊技機主部12を動かしている最中に遊技球が落下してくる可能があるため、遊技機主部12が所定の作業位置へ到達するまでは、第2操作部703がスイッチカバーによって覆われたままとすることが好ましい。
なお、本変形例においては、スイッチカバーによって覆う対象を第2操作部703としたが、スイッチカバーによって覆う対象を第1操作部702としたり、両操作部702,703としたりすることも可能である。
(66)上記各実施の形態では、電源・発射制御装置243が「切替手段」としての電源スイッチ247を有する構成としたが、「操作手段」の配設対象は電源・発射制御装置243に限定されるものではない。少なくとも「カバー体」としての裏パック201によって覆われていない箇所に設けられていればよく、例えば主制御装置162において裏パック201により覆われていない部分に配設することも可能である。また、「操作手段」の配設対象については、「背面ユニット」としての裏パックユニット15を「遊技機本体」としての内枠13に対して閉じたまま同操作手段へアクセス可能となるのであれば足り、配設対象を各制御装置に代えて例えば内枠13の樹脂ベース60や裏パックユニット15の払出機構部202等とすることも可能である。
(67)上記各実施の形態においては、電源・発射制御装置243の基板ボックス246に「規制手段」を構成するスイッチ収容部250や仕切り部257を設けたが、これに代えて、裏パック201に「規制手段」を配設することも可能である。
例えば、裏パック201に「操作手段」としての操作部703を覆う覆い部を設け、同覆い部に操作部703を遊技機背面側に露出させる開口部を形成してもよい。この場合、開口部を仕切り部によって細分化することにより、切替操作時に裏パック201を閉じたまま操作手段へアクセス可能としつつ、当該開口部を通じた操作部703への遊技球の衝突を回避すればよい。
(68)上記各実施の形態では、電源・発射制御装置243の電源スイッチ247(詳しくは第2操作部703)を保護対象として「規制手段」を配したが、これに限定されるものではない、裏パック201の保護カバー部212等によって覆われていない箇所に配されている他のスイッチ(例えばRAM消去スイッチ166や状態復帰スイッチ245等)を保護対象として「規制手段」を配することも可能である。
(69)電源スイッチ247の切り替え操作にかかる構成を以下のように変更することも可能である。すなわち、操作片を初期位置から上方へ変位可能とし、上方への変位によって所定の切替位置に到達することで、オン/オフの切替えが行われる構成とするとよい。この場合、切替位置に到達した操作部をバネ等の付勢力を利用して、初期位置へ復帰させるとよい。オン→オフ時、オフ→オン時の両方で、操作部の上方への変位を必須とすることにより、より好適な構成を実現することができる。
かかる変更を行う場合には、電源がオンであることを検出する状態検出手段(又は電源がオフであることを検出する検出手段)と、スイッチが操作されたことを検出する操作検出手段とを採用し、電源がオンである場合に上記操作が検出されたことで、電源をオフとし、電源がオフである場合に上記操作が検出されたことで電源をオンとする処理を電源・発射制御装置にて実行させるとよい。
(70)上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、電源スイッチ247の操作片701を回動式とし、その回動中心部の後方に「規制手段」を構成する突出部252や仕切り部257を配したが、これに限定されるものではなく、第1操作部702の後方や第2操作部703の後方に突出部252等を配することも可能である。
但し、第2操作部703に対する遊技球の衝突を規制しつつ各操作部702,703の操作が難しくなることを抑制する点を考慮すれば、突出部252等は回動中心部の後方に配することが好ましい。
(71)上記各実施の形態では、電源スイッチ247のオフ状態への切り替わりが常時規制される構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも遊技機主部12が外枠11に対して閉じている場合に、オフ状態への切り替わりが規制される構成とすれば足りる。
(72)上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態に示した、「規制手段」に相当する構成に代えて、操作片701(詳しくは第2操作部703)を囲むフレーム部を採用することも可能である。各フレーム同士の隙間を遊技球の通過を不可とする程度に設定することで、遊技球の衝突に起因した電源スイッチ247の切り替わりを規制することができる。
(73)上記第3の実施の形態では、スイッチ収容部250Yの底部250bYと操作片701Yと隙間が、同操作片701Yの回動先端部とスイッチ収容部250Yの開放部250aYとの隙間寸法よりも小さくなるように設定したが、少なくとも底部260bYと操作片701Yと隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さく設定されていればよく、操作片701Yの回動先端部とスイッチ収容部250Yの開放部250aYとの隙間寸法については任意である。
但し、操作片701Yの回動先端部とスイッチ収容部250Yの開放部250aYとの隙間寸法を遊技球の直径寸法よりも小さく設定することは、操作性を低下させる要因となり得る。故に、操作片701Yの回動先端部とスイッチ収容部250Yの開放部250aYとの隙間寸法については、底部260bYと操作片701Yと隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さく設定されている場合には、遊技球の直径寸法よりも大きく設定することが好ましい。
(74)上記第3の実施の形態では、電源スイッチ247Yを縦向きに配置したが、これを横向きに配置することも可能である。具体的には、操作片701Yの回動中心軸線が上下に延びるようにして操作片701Yを配置してもよい。
遊技機主部12(内枠13)が外枠11によって回動可能に支持されている構成においては、操作片701Yの回動基端部を遊技機主部12の回動先端側、操作片701Yの回動先端部が遊技機主部12の回動基端側となるようにして配置することにより、切替操作の容易化を実現することができる。
パチンコ機を製造する工場においては、遊技機主部12を全開位置まで回動させて電源スイッチの切替操作を行うことが時間効率の低下を招くため、遊技機主部12を同遊技機主部12と外枠11との隙間に腕を挿入できる程度に開放し、遊技機主部12の背後に腕を回し込んで手探りで電源スイッチの操作が行われることがある。また、パチンコ機が遊技ホールに設置されている場合には、遊技中にエラー等が発生した場合に、電源スイッチが操作されることがあり、この際、周辺の遊技機での遊技を妨げないようにして同操作が行われる。具体的には、上記向上での検査時と同様に、遊技機主部の開放量を最小限として、遊技機主部12の背後に腕を回し込んで手探りで切替操作が行われることがある。
そこで、上記変形例に示すように、操作片701Yの回動基端部を遊技機主部12の回動先端側、操作片701Yの回動先端部が遊技機主部12の回動基端側となるようにして配置することにより、操作片701Yに対して指を引っ掛けた後に同操作片701Yを遊技機主部12の回動先端側への引っ張ることで、オフ状態への切替を行うことができる。これにより、操作片701Yの配置が左右逆になっている場合と比較して、操作の容易化を実現することができる。
(75)上記各実施の形態に示した電源スイッチ247を基板ボックス246の縁部(例えば上側縁部や下側縁部)に配置することも可能である。これにより、変形例(74)に示したように、手探りで電源スイッチ247の操作が行われる場合に、同電源スイッチ247を見つけやすくなる。
(76)上記各実施の形態では、「識別部材」として証紙661を採用したが、同証紙661については、必ずしもシート状をなす必要はない。
証紙ホルダ671(板材)に識別情報を印字する構成とすることも可能である。この場合、証紙ホルダ671が「識別部材」に相当することとなる。また、例えば遊技領域区画部材650に識別情報を直接印字することも可能である。
(77)上記各実施の形態では、証紙661(識別ユニット660)を遊技領域区画部材650を介して遊技盤80に配設したが、証紙ホルダ671については必須の構成ではなく、これを省略することも可能である。この場合、証紙661を遊技領域区画部材650に対して直接貼り付ける構成とするとよい。
(78)上記各実施の形態では、識別ユニット660を前扉枠14の枠体20に対して後側から対峙する位置に配置したが、これに限定されるものではない。例えば、樹脂ベース60に形成された窓部21に対峙する位置に識別ユニット660を配置してもよい。
(79)上記各実施の形態では、証紙661(識別ユニット660)を遊技盤80の下部に配置したが、証紙661の配置については任意である。但し、遊技領域PEの圧迫を抑えるには、遊技領域PE外であって、前扉枠14の枠体20と対峙する位置に配置することが好ましい。
また、証紙661については、遊技領域PE側を向く成分を有するようにして傾けて配置することが好ましい。例えば証紙661を遊技領域PEの左方に配置した場合には、証紙661を右に傾けた状態(望ましくは遊技領域PE側を向く成分を有するようにして右側に傾けた状態)とすることが好ましい。
(80)上記各実施の形態では、証紙661と遊技領域PEとの間に配された報知用の主表示部690(詳しくは発光基板692)からの光によって証紙661を照らす構成としたが、これに限定されるものではない。演出用ランプ部等の発光部からの光によって証紙661を照らす構成とすることも可能である。但し、証紙661の確認作業については遊技中でないタイミングで実施されることが多い点を考慮すれば、遊技中以外のタイミングにおいても継続して光の供給が可能となる発光部を証紙661への光の供給源として利用することが好ましい。
(81)上記各実施の形態では、パチンコ機10の電源がオンになっている状況下にて複数の発光体691のうち少なくともいずれかが発光する構成(常時点灯する構成)としたが、これに限定されるものではない。例えば発光体691が単数である場合には、この発光体が常時点灯する構成とすることにより、上記各実施の形態と同様に証紙661の視認性を向上することができる。
(82)上記各実施の形態では、複数の発光体691を証紙661の上端部に沿うようにして並べて配置したが、必ずしもこれに限定されるものではない。少なくとも停止表示される際の発光対象となる発光体が証紙661の上端部に沿う位置に配されていればよい。
(83)上記各実施の形態では、「発光部」としての主表示部690と「識別部材」としての証紙661とを前者が遊技領域PEに対して近い側、後者が遊技領域PEに対して遠い側となるように併設したが、少なくとも主表示部690からの光が証紙661に対して供給可能であれば足り、両者の位置関係については任意である。但し、光の供給経路の煩雑化等を抑える上では、主表示部690及び証紙661を並設することが好ましい。
(84)上記各実施の形態では、遊技盤80の前面に対する証紙661の傾き(前後の傾き)を証紙661の向く先に窓部21(ガラスパネル31,32)が位置するように設定したが、これに限定されるものではない。但し、遊技機正面側から窓部21を通じて証紙661を覗き込んだ際の同証紙661の視認性を向上する上では、証紙661の向く先に窓部21が位置するように設定することが好ましい。
また、基板収容部657の底部658(詳しくは貫通孔658a)によって光の照射方向を規制し、証紙661の向きと光の照射方向とが同一とならないようにしたが、これに限定されるものではない。少なくとも主表示部690からの光が遊技機前方及び証紙661に照射されるのであれば足り、必ずしも上記同一方向への光の照射を妨げる必要はない。
(85)上記各実施の形態では、証紙661を前後に傾ける構成としたが、これに限定されるものではなく、左右に傾ける構成としてもよい。この場合、証紙661を遊技領域PEの側方とすることが好ましい。このような場合であっても、証紙661が遊技領域PE側を向く成分を有する構成とすることで、当該証紙661の視認性を好適に担保することができる。
また、証紙661については必ずしも傾けて配置する必要はなく、全体として遊技領域PE側を向く成分を有するのであれば当該証紙661を湾曲させるようにして配置することも可能である。
(86)上記各実施の形態では、証紙661の前側の端部が、遊技盤80の前面に対して誘導レール100よりも前方に突出しない構成としたが、これに限定されるものではない。但し、遊技盤80の薄型化を考慮すれば、証紙661の傾きについては、同証紙661の前側の端部が誘導レール100よりも前方に突出しない程度に抑えることが好ましい。
(87)上記各実施の形態では、遊技盤80の回動先端側に証紙661を配設したが、これを変更し、回動基端側に識別シールを配設することも可能である。
(88)上記各実施の形態では、「カバー手段」としてのレールカバー400によって誘導レール100(詳しくは外レール102)の一部を遊技領域PE側から覆う構成とした。レールカバー400については、遊技盤80を装着する際の回動軸としての機能や外レール102を保護する機能等が付与されていたが、少なくともワイヤ等の不正具の侵入を妨げる機能を有していればよく、他の機能を省略することも可能である。
(89)上記各実施の形態では、「カバー部」としての延出部470をレールカバー400に対して一体成形したが、延出部470に相当する構成をレールカバー400の本体部分(例えばベース部410)とは別に設け、当該構成を別個独立して遊技盤80に固定することも可能である。
(90)上記各実施の形態では、延出部470が壁部471及び対向部472を有する構成としたが、必ずしもこれら両者を有する構成とする必要はなく、それら壁部471及び対向部472の一方を省略することも可能である。
(91)上記各実施の形態では、延出部470が遊技盤80の前面に対して当接する構成としたが、これを変更し、延出部470を遊技盤80に対して浮かせた状態で配置することも可能である。
(92)上記各実施の形態では、「規制部」としてのストッパ部20aを枠体20に配設したが、当該ストッパ部20aに相当する構成については前扉枠14に設けられていればよく、その具体的な配設対象については任意である。例えば、ガラスユニット30のガラスホルダ33に対して当該ストッパ部20aを配設することも可能である。
(93)上記各実施の形態では、延出部470の固定端を誘導通路103の上流側、自由端を誘導通路103の下流側としたが、固定端及び自由端を逆にすることも可能である。
(94)上記各実施の形態では、遊技機がタンク221を有する構成としたが、少なくとも島設備等から供給される遊技球を払出装置等へ案内するための通路を有していればよく、同タンク221を省略することも可能である。
(95)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技盤(遊技盤80)と、
その遊技盤の前面から前方へ起立して、前記遊技盤の前面に遊技領域(遊技領域PE)及びその遊技領域へ遊技球を誘導する誘導部(誘導通路103)を区画形成する区画部(誘導レール100)と、
前記遊技盤を着脱可能に支持する支持枠(内枠13の樹脂ベース60)と、
少なくとも前記遊技盤を遊技機前方から覆うとともに、前記支持枠に対して開閉可能な扉体(前扉枠14)と、
前記遊技盤に設けられ、前記区画部の少なくとも一部を前記遊技領域の外側から覆うカバー部(レールカバー400)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技盤に設けられたカバー部によって区画部の少なくとも一部を遊技領域の外側から覆うことにより、区画部を保護することができる。例えば支持枠に対して遊技盤を取り付ける際に同扉体や支持枠等に対して区画部が衝突することを抑制し、同衝突に起因した区画部の変形等を抑えることができる。
区画部には、遊技球を遊技領域へ誘導する機能が付与されており、仮に上記変形等が生じた場合にはその誘導機能が低下し得る。特に、支持枠に対して遊技盤を着脱可能とすることによりメンテナンスや機種変更等の容易化を図った場合、上記衝突が発生する機会が増え、誘導機能の低下が生じやすくなると想定される。この点、上述の如くカバー部によって区画部を覆う構成とすれば、同区画部の誘導機能の低下を抑制することができる。
特徴A2.前記遊技盤は略矩形状をなしているとともに、前記遊技領域は略円形状をなしており、
前記区画部は、前記遊技盤の一辺側に凸となる円弧状をなしており、
前記カバー部は、前記区画部において少なくとも前記一辺側に凸となっている部分を覆っていることを特徴とするA1に記載の遊技機。
特徴A1に示したように区画部によって遊技領域を囲っている構成においては、区画部において遊技盤の外周縁に近い部分が同区画部における他の部分と比べて支持枠等に衝突しやすいと想定される。そこで、本特徴に示すように、区画部において遊技盤の一辺側に凸となっている部分をカバー部によって覆う構成とすれば、区画部の保護機能を好適に向上させることができる。
特徴A3.前記カバー部は、前記区画部において少なくとも前記誘導部を区画形成している部分を覆っていることを特徴とするA1に記載の遊技機。
特徴A1に示したように区画部に誘導機能が付与されている構成においては、その誘導機能が付与されている部分、特に誘導部を区画形成している部分を覆う構成とすることにより、カバー部の保護効果を好適に享受することが可能となり、誘導機能の維持に貢献することができる。
特徴A4.前記支持枠には、前記遊技盤の一側部が挿入される遊技盤挿入部(挿入部290)が設けられており、
前記遊技盤は、前記遊技盤挿入部に挿入された状態で当該遊技盤挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記区画部は、前記誘導部が前記遊技領域よりも前記遊技盤挿入部側となるように構成されており、
前記カバー部は、前記区画部において少なくとも前記誘導部を区画形成している部分を前記遊技盤挿入部側から覆っていることを特徴とするA1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、遊技盤の一側部を遊技盤挿入部に挿入した状態で同遊技盤挿入部を中心として同遊技盤を回動させることにより当該遊技盤を着脱することができる。遊技盤挿入部へ遊技盤の一側部を挿入させる場合、区画部における遊技盤挿入部側となる部分が同区画部における他の部分と比べて支持枠等に対して衝突しやすいと想定される。そこで、区画部において遊技盤挿入部側となる部分をカバー部によって覆うことにより、区画部の保護機能を好適に向上させることができる。
特徴A5.前記遊技領域は略円形状をなしており、
前記区画部は、内外二重に設けられた内レール(内レール101)及び外レール(外レール102)を有しているとともに、それら内レール及び外レールが遊技球の通過を許容する隙間を隔てて対向している部分によって前記誘導部を区画形成しており、更には前記誘導部が前記遊技領域よりも前記遊技盤の回動基端側となるように構成されており、
それら内レール及び外レールにおいて前記誘導部を区画形成している部分は、前記遊技盤挿入部側に凸となる湾曲状に形成されており、
前記カバー部は、前記外レールにおいて前記遊技盤挿入部側に凸となっている部分を覆っていることを特徴とするA4に記載の遊技機。
区画部の外レールが遊技盤挿入部側に凸となる円弧状をなしている場合、外レールにおいて遊技盤挿入部側となる部分(特に上記凸となっている部分)が同外レールにおける他の部分と比べて遊技盤挿入部の入口部分等に衝突しやすいと想定される。そこで、遊技盤挿入部側に凸となっている部分をカバー部によって覆うことにより、実用上好ましい構成を実現できる。
また、各レールが遊技領域側を中心として湾曲している構成においては、遊技球が外レールに沿って移動しやすいと想定される。つまり、内レールと外レールとを比較した場合、区画部の誘導機能に対する貢献度は外レールのほうが大きいと想定される。そこで、上述の如くカバー部によって外レールを保護する構成とすれば、同カバー部による保護効果を好適に享受することができる。
特徴A6.前記カバー部は、前記外レールにおける前記凸となっている部分に対して前記遊技盤挿入部側から対向する対向部(起立部420)を有していることを特徴とするA5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、遊技盤を挿入する際の挿入方向において外レールよりも先側にカバー部(詳しくは対向部)が位置するため、同対向部によって外レールと支持枠や扉体等との衝突を好適に抑制することができる。
なお、遊技盤前面からの対向部の起立量を区画部(例えば外レール)の起立量よりも大きく設定するとよい。これにより、区画部の保護機能を好適に向上させることができる。
特徴A7.前記対向部は、前記外レールにおける前記凸となっている部分に沿うようにして同遊技盤挿入部側に凸となるように湾曲していることを特徴とするA6に記載の遊技機。
近年では遊技領域の拡張に伴って区画部(詳しくは外レール)が遊技盤の縁部に近づけて配設されることが多く、遊技盤における遊技盤挿入部側の縁部と外レールとの間にカバー部の設置領域を広く確保することは遊技領域の拡張を妨げる要因となり得るため好ましくない。しかしながら、特徴A5に示したように対向部を有する構成においては、上述の如く設置領域の確保が難しくなれば対向部の強度を確保することが困難になり、保護機能の向上が難しくなると懸念される。
この点、本特徴に示すように、外レールの凸となっている部分に沿うようにして対向部を湾曲させることにより、対向部の強度向上に貢献できる。つまり、遊技盤の挿入する際に、対向部が支持枠(例えば遊技盤挿入部の入口部分)や扉体等に衝突した場合であっても、同対向部の変形を抑え、外レールを好適に保護することができる。これにより、上記設置領域の拡がりを抑えつつ保護機能を向上することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A8.前記カバー部は、前記遊技盤の前面と平行となるように形成されたベース部(ベース部410)を有し、
前記ベース部は、前記遊技盤の前記一側部に沿って延びる長板状をなしているとともに、前記外レールにおける前記凸となっている部分を挟んだ両側にて前記遊技盤に固定されており、
前記対向部は、前記ベース部から起立していることを特徴とするA6又はA7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、ベース部を外レールにおける凸となっている部分(以下便宜上、凸部分と称する)を挟んだ両側にて遊技盤に固定することにより、固定部分の占有領域の確保が容易となり、限られた領域にて区画部とカバー部とを好適に共存させることができる。
また、特徴A6に示したように対向部によって区画部(詳しくは外レール)を保護する構成においては、対向部を遊技盤に対して固定することも可能である。しかしながら、上述の如く外レールの凸部分から遠い位置にて固定すると、対向部自身の強度によって、同対向部の変形を抑える必要が生じ、保護機能の向上に制限が生じやすいと想定される。
この点、本特徴によれば、遊技盤に対する固定対象としてのベース部から対向部が起立している。これにより、対向部に対して挿入方向先側から支持枠等が当たった場合であっても、同対向部の変形をベース部によって変形を抑えることができ、カバー部全体の強度を好適に向上できる。故に、遊技盤の縁部と外レールの凸部分との間にてカバー部の省スペース化に貢献でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A9.前記対向部は、
前記ベース部に沿って前記外レールにおける前記凸となっている部分に沿って湾曲する湾曲部(湾曲部421)と、
前記湾曲部から前記ベース部の長手方向へ延出する延出部(上側起立部422や下側起立部423)と
を有し、
前記ベース部は、当該ベース部において前記湾曲部が起立している部分が同湾曲部に対して前記遊技盤挿入部側に延び、同ベース部において前記延出部が起立している部分が前記遊技盤挿入部側及び前記外レール側に延びるように形成されていることを特徴とするA8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、ベース部による対向部の補強機能を好適に向上し、カバー部全体としての保護機能の向上に好適に貢献することができる。具体的には、カバー部の設置可能領域は上述したように外レールの凸部分と遊技盤の縁部との間では狭く、同縁部に沿って凸部分から遠ざかるにつれて広くなる。そこで、対向部の湾曲部をベース部における外レール側の縁部から起立させるとともに、対向部の延出部をベース部における幅方向の中間部位から起立させることにより、記挿入方向及び同挿入方向とは反対方向への対向部の変形を好適に抑えることができる。例えば、対向部が外レール側へ押された場合であっても、ベース部において外レール側に延びている部分が踏ん張ることで、カバー部全体が区画部側へ傾倒することを抑制できる。これにより、区画部(詳しくは外レール)とカバー部とを好適に共存させることが可能となる。
特徴A10.前記ベース部の固定部は、前記対向部よりも前記遊技盤挿入部側となる位置、及び当該対向部よりも前記外レール側となる位置に配されていることを特徴とするA9に記載の遊技機。
特徴A9に示した構成においては対向部を挟んだ両側にてベース部を固定することで、上記効果を一層好適なものとすることができる。
なお、各固定部のうち遊技盤挿入部側の固定部を外レール側の固定部よりも上記凸部分寄りに配するとよい。これにより、固定部の占有スペースの確保を容易化しつつ、遊技盤挿入時にカバー部が支持枠等に衝突した場合のカバー部の変形を好適に抑制できる。
また、固定部を外レールの凸部分を挟んだ両側に配置することにより実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A11.前記カバー部は、前記ベース部から前記遊技盤側に突出する突出部(突出部440)を有し、
前記遊技盤は、前記突出部が嵌合する嵌合部(嵌合孔89)を有していることを特徴とするA8乃至A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11によれば、ベース部に対向部とは反対側(遊技盤側に)突出する突出部を形成し、同突出部が遊技盤に形成された嵌合部に対して嵌合することで、対向部に対して負荷が加わった場合、同負荷を突出部及び嵌合部を通じて遊技盤に対して好適に分散させることができる。
このような分散構造を採用する際に、遊技盤前面側での占有領域を必要としないため、カバー部材の設置領域が拡がって遊技領域が圧迫されることを好適に回避できる。
特徴A12.前記対向部は第1対向部であり、
前記カバー部には、前記第1対向部から前記遊技領域側に延び、前記外レールの前記凸となっている部分を挟んで前記遊技盤の前面と対向する第2対向部(対向部450)が形成されていることを特徴とするA6乃至A11のいずれか1つに記載の遊技機。
第1対向部及び第2対向部によって外レールを囲むことにより、同外レールの保護機能を好適に向上させることができる。
特徴A7以降に示したようにカバー部(詳しくは対向部)の強度向上を図る様々な工夫を施した場合であっても、強度向上には改善の余地がある。特に、カバー部の固定部分が外レールの凸部分から遠ざけて配置されている場合には、その凸部分付近での強度の向上が難しくなる。この点、本特徴に示すように第2対向部を形成することにより、凸部分付近での強度を好適に向上させることができ、例えば第1対向部が外レール側へ押された場合であっても、同第1対向部の変形を第2対向部によって抑えることができる。
なお、特徴A9(湾曲部を有する構成)との組み合わせにおいては特に、湾曲部に第2対向部を形成するとよい。
特徴A13.前記扉体は、
前記遊技領域を隔てて前記遊技盤に対向し、同遊技領域を遊技機前方から視認可能とするパネル部材(例えばガラスパネル32)と、
同扉体が前記遊技機本体に対して閉じた位置へ移動することにより、前記遊技盤と前記第2対向部との間に挿入される挿入片(延出部37)と
を有していることを特徴とするA12に記載の遊技機。
遊技盤とパネル部材との間に遊技領域が設けられ、その遊技領域を遊技球が流下する構成においては、それら遊技盤及びパネル部材の相対位置の変化は遊技領域における遊技球の挙動に影響を及ぼす要因となり得る。遊技盤を有する遊技機においては遊技領域における遊技球の挙動によって有利不利が決定されるため、上述したような遊技盤とパネル部材との相対位置の変化は好ましくない。
この点、本特徴によれば、遊技盤側の第2対向部に対して扉体の挿入片が後方から当接することにより、遊技盤とパネル部材との隙間の拡がりを抑えることができ、上記不都合の発生を好適に抑えることができる。
また、カバー部は、上述の如く強度が確保されており、取付部としてのベース部から起立するようにして第1対向部が形成されている。このため、第2対向部が挿入片によって遊技機前方へ押された場合であっても、カバー部が遊技盤の前方へ撓む等することを好適に抑制することができる。このように、カバー部に対して遊技盤とパネル部材との隙間の拡がりを抑える機能を付与することにより、強度の要求される構成が独立して存在することを回避できる。故に、遊技領域の圧迫を好適に抑制することが可能となる。
特徴A14.前記扉体は、前記支持枠によって回動可能に支持されており、
前記遊技盤挿入部は、前記支持枠において前記扉体を支持している側と同一側に配されているとともに、同扉体を支持している側とは反対側に開放されており、
前記挿入片は、前記扉体の回動基端側に配されていることを特徴とするA13に記載の遊技機。
特徴A13に示したように、扉体を支持枠に対して閉じることにより同扉体に設けられた挿入片が第2対向部と遊技盤との間(隙間)に挿入するには、扉体の回動基端側となる位置にカバー部(詳しくは第2対向部)を配置するとともに扉体の回動基端側に挿入片を配置するとよい。これにより、上記隙間に挿入片が挿入される際の同挿入片の移動方向を遊技盤の前面と略平行とすることが可能となる。故に、例えば第2対向部と挿入片との隙間を小さくしたり、それら第2対向部及び挿入片の掛かり代(すなわち前後方向における重なり代)を大きくしたりすることができ、上記規制機能を一層好適なものとすることができる。
支持枠に対して遊技盤が遊技機前方から取り付ける構成において遊技盤挿入部を扉体の回動基端側に配した場合には、以下の不都合が生じやすくなると想定される。すなわち、扉体の開放度合いによっては、遊技盤を遊技盤挿入部に挿入する際に同遊技盤の一側部(カバー部が取り付けられている側の端部)が扉体と衝突しやすくなると懸念される。この点、カバー部によって区画部(詳しくは外レール)を保護することにより、同区画部が扉体に衝突することを好適に抑制できる。
特徴A15.前記扉体は、
扉枠(枠体20)と、
前記パネル部材及び同パネル部材を保持するパネルホルダ(ガラスホルダ33)を有してなり、前記扉枠に搭載されているパネルユニット(ガラスユニット30)と
を備え、
前記挿入片は、前記パネルホルダに配設されていることを特徴とするA13又はA14に記載の遊技機。
例えば扉枠にパネル部材を直接取り付ける構成においては、挿入片を扉枠に形成することも可能である。しかしながらこの場合、扉体の支持枠からの浮き上がりに起因して第2対向部や挿入片に加わった外力が、それら第2対向部や挿入片の強度を上回ると、それら第2対向部や挿入片が変形等し、規制機能が損なわれる低下すると想定される。この点、パネルユニットを扉枠によって保持する構成とした場合、第2対向部や挿入片の強度よりもパネルユニットの保持強度を低く設定しておくことが可能となり、それら第2対向部や挿入片の変形等を回避することができる。つまり、第2対向部や挿入片が変形する前にパネルユニットを変位又は変形させることで、隙間の拡がりを規制している状態を維持することが可能となる。これにより、上記隙間の変化を好適に抑制することができる。例えば、パネルユニットが扉枠に対して変位可能な状態で同扉枠により保持される構成を採用するとよい。
特徴A16.前記カバー部は、前記遊技盤とともに前記遊技盤挿入部に挿入され、同遊技盤挿入部の内壁面に対して前記扉体とは反対側から対向していることを特徴とするA13乃至A15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A13等に示したように、カバー部(詳しくは第2対向部)と挿入片とによってパネル部材と遊技盤との隙間の拡がりを抑える構成においては、カバー部が遊技盤から浮き上がる等することにより、上記規制機能が発揮されなくなると想定される。そこで、カバー部が遊技盤挿入部の内壁面に対して扉体とは反対側から対向る構成とすれば、内壁面に対してカバー部が当接することにより同カバー部の浮き上がりが遊技盤挿入部によって抑えることができる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制し、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A17.前記支持枠の前面に対して前記遊技盤が遊技機前方から取り付けられているとを特徴とするA1乃至A16のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A17によれば、遊技盤が支持枠に対して遊技機前方から取り付けられている。このように、支持枠前方からの取り付けを可能とすることで、遊技盤を支持枠に対して遊技機後方から取り付けられている構成と比較して、遊技盤取付作業の容易化に貢献できる。
しかしながら、遊技盤を遊技機前方から取り付ける構成においては、遊技盤と扉体とが衝突し得る。このような構成に特徴A1等に示した構成を適用することにより、区画部の保護効果が一層顕著なものとなる。
特徴A18.前記カバー部は、前記区画部に対して隙間を隔てて対峙するようにして形成されていることを特徴とするA1乃至A17のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A18によれば、カバー部が衝突した際に、同カバー部に加わる力が当該カバー部を通じて区画部に伝播することを抑制することができる。これにより、カバー部の保護機能を一層好適なものとすることができる。
上記特徴A群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技盤を枠体に搭載してなる遊技機本体を備えているものがある。遊技盤には同遊技盤の前面から起立するレール部材が取り付けられており、当該遊技盤の前面のうち同レール部材によって囲まれた領域が遊技領域となっている。遊技機本体の前面側には当該遊技機本体を覆う扉体が設けられており、同扉体に配設された透明パネルを介して遊技領域が視認可能となっている。遊技者により遊技球発射ハンドルが操作されると遊技球発射装置から遊技球が発射され、それら遊技球は上記レール部材に沿って移動することにより遊技領域に導かれることとなる。
このような遊技機においては、一般的に遊技盤が枠体に対して着脱可能に取り付けられており、遊技盤を着脱可能とすることで遊技盤等のメンテナンス作業の容易化や機種変更時における同遊技盤の入替作業の容易化が図られている(例えば特開2008−104468号公報参照)。
上述の如く遊技盤を着脱可能なタイプの遊技機においては、例えば遊技盤の取付作業時に同遊技盤が枠体や扉体等に対して衝突する可能性がある。特に遊技盤の前面から起立している上記レール部材については、遊技領域を囲っているため遊技領域に配設された各種構成と比較して枠体等に対する衝突の対象になりやすいと想定される。レール部材は遊技領域へ遊技球を誘導する機能を有しており、仮に上述した衝突等に起因して変形等が生じた場合には遊技球の誘導機能が低下し、遊技球の円滑な誘導が難しくなると懸念される。
特徴B1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が前面側に形成された遊技盤(遊技盤80)を、枠体(樹脂ベース60)に搭載してなる遊技機本体(内枠13)と、
前記遊技機本体を遊技機前方から覆うとともに、同遊技機本体に対して開閉可能な扉体(前扉枠14)と、
前記扉体に設けられ、前記遊技盤の前面に対して前記遊技領域を隔てて対向しているとともに、前記遊技領域が視認可能となるように形成されたパネル部材(例えばガラスパネル32)と、
前記扉体及び前記遊技盤に設けられ、前記扉体が前記遊技機本体に対して閉じている場合に前記遊技盤と前記パネル部材との隙間の変化を規制する規制手段(ガラスユニット30の延出部37及びレールカバー400の対向部450)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機本体を扉体で覆うタイプの遊技機においては枠体と扉体との位置関係に配慮した構成が採用されているものがある。このような構成では、枠体と扉体との位置関係を好適に維持することはできるものの、枠体とは別体で設けられた遊技盤と扉体に設けられたパネル部材との位置関係を好適に維持することは困難であると想定される。つまり、遊技盤及びパネル部材の相対位置(前後位置)の変化やばらつきを抑えることは難しいと想定される。
遊技盤とパネル部材との間に遊技領域が設けられ、その遊技領域を遊技球が流下する構成においては、上述した遊技盤及びパネル部材の相対位置の変化は遊技領域における遊技球の挙動に影響を及ぼす要因となり得る。遊技盤を有する遊技機においては遊技領域における遊技球の挙動によって有利不利が決定されるため、上述したような遊技盤とパネル部材との相対位置の変化は好ましくない。
この点、本特徴によれば、扉体及び遊技盤に設けた規制手段によって同遊技盤とパネル部材との隙間の変化(例えば遊技盤とパネル部材との間隔の変化)を規制する構成とすることにより上記不都合の発生を好適に抑え、遊技領域を流下する遊技球の挙動を好適なものとすることができる。
なお、本特徴に示す遊技盤とパネル部材とは必ずしも平行である必要はない。つまり、例えば遊技盤の前面が平面である場合にパネル部材の後面を曲面とすることも可能であり、上記隙間が全て箇所で一定となる構成に限定されるものではない。
特徴B2.前記遊技盤は、前記枠体に対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とするB1に記載の遊技機。
遊技盤を枠体に対して着脱可能とする構成を採用した場合には、メンテナンス作業の容易化等が期待できる反面、枠体に対する遊技盤の位置ばらつきが生じやすくなると想定される。仮に扉体と枠体との位置関係を好適に維持することができたとしても、上記遊技盤と枠体との位置ばらつきは、遊技盤とパネル部材との位置関係に影響を及ぼすと想定される。この点、遊技盤を着脱可能な構成に対して特徴B1に示した構成を適用すれば、上記不都合を抑制し、メンテンナンス作業の容易化と遊技盤及びパネル部材の位置関係の維持とを好適に両立させることができる。
特徴B3.前記規制手段は、前記遊技盤と前記パネル部材との隙間の拡がりを規制するように構成されていることを特徴とするB1又はB2に記載の遊技機。
遊技領域には各種遊技部品(例えば釘87や一般入賞口81)が配されているのが一般的であり、仮に遊技盤とパネル部材との隙間が狭くなった場合には、それら遊技部品がパネル部材に当たることで、それ以上の隙間の変化が抑制される。一方、遊技盤とパネル部材との隙間が拡がった場合には、それら各種遊技部品とパネル部材との隙間が拡がることとなる。そこで、本特徴に示すように、規制手段によって遊技盤とパネル部材との隙間の拡がりを規制すれば、実用上好ましい構成を実現できる。これにより、例えば遊技領域での球詰まり等の発生を好適に抑制できる。
特徴B4.前記扉体は、前記枠体によって回動可能に支持されており、
前記規制手段は、前記扉体の回動基端側に配されていることを特徴とするB1乃至B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B1等に示した隙間の変化は、遊技機組立時等に扉体の組み付けばらつきが生じるといった偶発的な要因によってのみ発生するのではなく、故意に扉体の位置をずらすといった意図的な要因によっても同様に発生する。例えば、扉体と遊技機本体との境界部位にバール等の不正具を挿入し、扉体を遊技機本体から浮かせることで遊技盤とパネル部材との隙間を拡げ、遊技領域における任意の位置(例えば作動口83等の傍)にて球詰まりを発生させるといった行為が行われると想定される。この場合、本来上記作動口等に到達するはずのない遊技球が、先行して詰っている遊技球に沿って同所定位置へと案内され、不正に利益が取得されるといった不都合が生じ得る。
扉体を回動可能に支持する構成においては、上記不正行為の足がかりとして遊技機本体と扉体との回動基端側の境界部位が狙われやすいと想定される。そこで、本特徴に示すように、規制手段を扉体の回動基端側に配することで、上記不正行為を困難なものとし、防犯機能を好適に高めることができる。
特徴B5.前記枠体は、前記扉体を回動可能に支持する複数の支持部(支持金具71,72)を有し、
前記規制手段は、それら支持部の間に配置されていることを特徴とするB4に記載の遊技機。
複数の支持部によって扉体を回動可能に支持する場合、支持部近辺と比較してそれら支持部の間となる位置での扉体の浮き上がり等が発生しやすいと想定される。そこで、本特徴に示すように、支持部と支持部との間に規制手段を配置すれば、特徴B4に示した防犯効果を好適に享受することができる。
特徴B6.前記規制手段は、
前記遊技盤側に設けられ、前記遊技盤の前面に隙間を隔てて対向する遊技盤側規制部(対向部450)と、
前記扉体側に設けられ、同扉体が前記遊技機本体に対して閉じた位置へ移動することにより、前記遊技盤と前記遊技盤側規制部との間に挿入される扉体側規制部(延出部37)と
を有していることを特徴とするB1乃至B5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6によれば、扉体を遊技機本体に対して閉じると、扉体側規制部が遊技盤側規制部と遊技盤との間に挿入される。扉体が閉じた状態にて、例えば遊技盤及び扉体(詳しくはパネル部材)の一方が他方から遠ざかる側に押される等した場合、扉体側規制部と遊技盤側規制部とが当接することで、遊技盤とパネル部材との隙間の拡がりが規制されることとなる。これにより、特徴B1等に示した構成を好適に実現することができる。
特徴B7.前記扉体は、前記枠体によって回動可能に支持されており、
前記遊技盤側規制部は、前記遊技盤において前記扉体の回動基端部寄りとなる位置に配置されており、
前記扉体側規制部は、前記扉体の回動基端部に配置されていることを特徴とするB6に記載の遊技機。
特徴B6に示したように、扉体を遊技機本体に対して閉じることにより同扉体に設けられた扉体側規制部を遊技盤側規制部と遊技盤との間(隙間)に挿入するには、本特徴に示すように遊技盤において扉体の回動基端部寄りとなる位置に遊技盤側規制部を配置するととともに扉体の回動基端部に扉体側規制部を配置するとよい。これにより、上記隙間に扉体側規制部が挿入される際の同扉体側規制部の移動方向を遊技盤の前面と略平行とすることが可能となる。故に、例えば遊技盤側規制部と扉体側規制部との隙間を小さくしたり、それら両規制部の掛かり代(すなわち前後方向における重なり代)を大きくしたりすることができ、規制手段の規制機能を一層好適なものとすることができる。
特徴B8.前記遊技盤には、その遊技盤の前面から前方へ起立して、前記遊技盤の前面に前記遊技領域及びその遊技領域へ遊技球を誘導する誘導部(誘導通路103)を区画形成する区画部(誘導レール100)が設けられており、
前記区画部は、前記誘導部が前記遊技領域よりも前記扉体の回動基端部寄りとなるように構成されており、
前記遊技盤側規制部は、前記区画部における前記誘導部を区画形成している部分の前方に配されていることを特徴とするB7に記載の遊技機。
特徴B1等に示したように、規制手段によって遊技盤とパネル部材との隙間の変化を規制する場合、同規制手段をなるべく遊技領域に近づけて配置することが好ましい。しかしながら、遊技領域に規制手段を配置すると、遊技とは関連のない構成によって遊技領域が圧迫されるため好ましくない。また、特徴B7に示したように、規制機能の向上を図った場合には、扉体側規制部が遊技盤と遊技盤側規制部との間に挿入される際に、遊技盤の前面と略平行に移動することとなる。扉体側規制部の移動経路との干渉を回避すべく区画部を小さくすることは、遊技領域の拡張等を妨げる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴によれば、扉体側規制部が区画部における誘導部を区画形成している部分の前方にて上記隙間に挿入されるため遊技領域の圧迫を抑制することができる。つまり、遊技盤の前面側にて区画部と遊技盤側規制手段とを好適に共存させつつ、規制機能を好適なものとすることができる。
特徴B9.前記扉体側規制部は、前記遊技盤と対向する板状をなしているとともに、当該扉体側規制部において前記遊技盤側を向いた板面が前記パネル部材において同遊技盤側を向いている板面と略同一平面上に位置するように形成されており、
前記誘導部は、前記パネル部材及び前記扉体側規制部によって覆われていることを特徴とするB8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、誘導部と遊技盤側規制部との間に扉体側規制部を介在させるとともに、その扉体側規制部とパネル部材とを面一とすることで誘導部を通過する遊技球の挙動の安定化に貢献できる。
例えば、誘導部をパネル部材と遊技盤側規制部とによって前方から覆う構成とすることも可能ではあるが、パネル部材が扉体側に設けられているとともに遊技盤側規制部が遊技機本体側に設けられているため、それらパネル部材と遊技盤側規制部との間には隙間や段差が生じやすくなると想定される。このため、誘導部によって誘導されている遊技球の挙動がこれら隙間や段差等を通過する際に乱れて、安定した遊技球の誘導が困難となり得る。この点、上述の如く、面一となるように設けられた扉体側規制部とパネル部材とによって誘導部を覆う構成とすれば、そのような不都合を払拭し、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B10.前記遊技盤は、
その遊技盤の前面から前方へ起立して、前記遊技盤の前面に前記遊技領域及びその遊技領域へ遊技球を誘導する誘導部(誘導通路103)を区画形成する区画部(誘導レール100)と、
前記区画部において前記誘導部を区画形成している部分を遊技機前方から覆うカバー部(レールカバー400)と
を有し、
前記規制手段は、
前記カバー部において前記遊技盤と対向している部分に設けられた遊技盤側規制部(対向部450)と、
前記扉体側に設けられ、同扉体が前記遊技機本体に対して閉じた位置へ移動することにより、前記遊技盤側規制部と前記遊技盤との間に挿入される扉体側規制部(延出部37)と
を有しており、
前記扉体側規制部は、前記遊技盤と対向する板状をなし、その遊技盤側を向いた板面が前記パネル部材において同遊技盤側を向いている板面と略同一平面上に位置するように形成されており、
前記誘導部は、前記パネル部材及び前記扉体側規制部によって覆われていることを特徴とするB1乃至B5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B10によれば、区画部には遊技領域へ遊技球を誘導する機能が付与されている。このように遊技球の動きに影響を与える部分をカバー部によって遊技機前方から覆うことにより、区画部を保護し、誘導機能を担保することができる。すなわち、遊技盤装着時等に区画部が扉体や枠体等に衝突し誘導機能が低下することを抑制できる。
このようにカバー部が保護機能を有する構成においては、同カバー部にある程度の強度を付与することが望ましく、このように強度が確保されている構成に遊技盤側規制部を設けることで実用上好ましい構成を実現できる。特に、扉体側規制部が区画部における誘導部を区画形成している部分の前方にて遊技盤側規制部と遊技盤との間に挿入されるため遊技領域の圧迫を抑制することができる。つまり、遊技盤の前面側にて区画部と遊技盤側規制部とを好適に共存させつつ、規制機能を好適なものとすることができる。
また、本特徴によれば、誘導部と遊技盤側規制部との間に扉体側規制部を介在させるとともに、その扉体側規制部とパネル部材とを面一とすることで誘導部を通過する遊技球の挙動の安定化に貢献できる。例えば、誘導部をパネル部材と遊技盤側規制部とによって前方から覆う構成とすることも可能ではあるが、パネル部材が扉体側に設けられているとともに遊技盤側規制部が遊技機本体側に設けられているため、それらパネル部材と遊技盤側規制部との間には隙間や段差が生じやすいと想定される。このため、誘導部によって誘導されている遊技球の挙動がこれら隙間や段差等を通過する際に乱れて安定した遊技球の誘導が困難となり得る。この点、上述の如く、面一となるように設けられた扉体側規制部とパネル部材とによって誘導部を覆う構成とすれば、そのような不都合を払拭し、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B11.前記扉体は、前記枠体によって回動可能に支持されており、
前記枠体は、前記扉体を支持している側と同一側に設けられ、前記遊技盤の一側部が挿入される挿入部(挿入部290)を備え、
前記遊技盤は、前記挿入部に挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記枠体に対して着脱されるものであり、
前記カバー部は、
前記遊技盤の前面に平行となるように形成され、同遊技盤に固定されているベース部(ベース部410)と、
前記ベース部から起立するとともに、前記区画部を前記挿入部側から覆う起立部(起立部420)と
を有し、
前記遊技盤側規制部は、前記ベース部の先端部から前記区画部側に延びていることを特徴とするB10に記載の遊技機。
特徴B11に示すように、遊技盤を挿入部に対して挿入する構成においては、同挿入部に挿入される遊技盤の一側部にて区画部と枠体や扉体との衝突が発生しやすいと想定される。そこで、カバー部により区画部において挿入部側となる部位を同挿入部側から覆う起立部を設け、ベース部,起立部,遊技盤側規制部によって区画部を囲むことにより、カバー部による区画部の保護機能を好適に向上できる、上記不都合を好適に払拭することができる。
特徴B12.前記区画部は、内外二重に設けられた内レール(内レール101)及び外レール(外レール102)を有しているとともに、それら内レール及び外レールが遊技球の通過を許容する隙間を隔てて対向している部分によって前記誘導部を区画形成しており、更には前記誘導部が前記遊技領域よりも前記遊技盤の回動基端側となるように構成されており、
それら内レール及び外レールは、前記遊技領域の外方に凸となる湾曲状に形成されており、
前記起立部は、前記外レールに沿って湾曲する湾曲部(湾曲部421)を有しており、
前記遊技盤側規制部は、前記湾曲部に形成されていることを特徴とするB11に記載の遊技機。
特徴B12によれば、起立部において外レールの外壁と対抗している部分(湾曲部)は、扉体の遊技領域とは反対側へ凸となるように湾曲しているため、遊技領域とは反対側から枠体等が当たった場合であってもカバー部の変形を好適に抑えることができる。また、湾曲部はベース部及び遊技盤側規制部と一体的に形成されており、湾曲部の変形をそれらベース部や遊技盤側規制部等によって抑えることができ、カバー部全体としての強度を向上できる。
また、湾曲部に遊技側規制部を形成することにより、単なる平板に遊技盤側規制部を形成する場合と比べて同遊技盤側規制部の変形を好適に抑制することができる。これにより、規制機能を向上し、遊技盤とパネル部材との隙間の変化を好適に抑えることができる。
特徴B13.前記カバー部は、前記遊技盤と共に前記挿入部に挿入され、同挿入部の内壁面に対して前記扉体とは反対側から対向するように形成されていることを特徴とするB10乃至B12のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば遊技盤側規制部と扉体側規制部とが当接した状態にて扉体が遊技機本体から浮き上がった場合には、遊技盤側規制部が扉体側規制部によって遊技機前方に押されることとなる。この際、仮にカバー部が扉体側規制部に追従して遊技盤から浮き上がる(例えば変形すると)と、遊技盤とパネル部材との隙間の変化を規制することが難しくなる。この点、本特徴によれば、カバー部の一部が挿入部の内壁面に対して扉体とは反対側から当接するため、同カバー部の浮き上がりを挿入部(枠体)によって抑えることができる。これにより、規制手段の機能担保に貢献できる。
特徴B11又はB12の組み合わせにおいては特に、ベース部が挿入部の内壁面に対して扉体とは反対側から対向するように形成するとよい。
特徴B14.前記扉体は、
扉枠(枠体20)と、
前記パネル部材及び同パネル部材を保持するパネルホルダ(ガラスホルダ33)を有してなり、前記扉枠に搭載されているパネルユニット(ガラスユニット30)と
を備え、
前記扉体側規制部は、前記パネルホルダに配設されていることを特徴とするB6乃至B13のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば扉枠にパネル部材を直接取り付ける構成においては、扉体側規制部を扉枠に形成することも可能である。しかしながらこの場合、扉体の遊技機本体からの浮き上がりに起因して両規制部に加わった外力が、扉体側規制部や遊技盤側規制部の強度を上回ると、それら規制部が変形等し、規制機能が損なわれる低下すると想定される。この点、パネルユニットを扉枠によって保持する構成とした場合、各規制部の強度よりもパネルユニットの保持強度を低く設定しておくことが可能となり、各規制部の変形等を回避することができる。つまり、各規制部が変形する前にパネルユニットを変位又は変形させることで、隙間の拡がりを規制している状態を維持することが可能となる。これにより、上記隙間の変化を好適に抑制することができる。
例えば、パネルユニットが扉枠に対して変位可能な状態で同扉枠により保持される構成を採用するとよい。
特徴B15.前記遊技盤は、前記枠体に対して遊技機前方から着脱可能となっており、
前記規制手段による規制は、前記扉体を開放することにより解除されることを特徴とするB1乃至B14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B15によれば、遊技盤を取り外す際には、必ず扉体を開放する必要が生じ、扉体を開放することで、上記規制が解除される。これにより、作業手順を明確化し、規制が解除されていない状態で遊技盤が無理やり取り外されるといった不都合を回避することができる。
上記特徴B群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技盤を枠体に搭載してなる遊技機本体と、その遊技機本体に取り付けられているとともに同遊技機本体を前面側から覆う扉体とを備えているものがある。扉体には遊技盤の前面と対向するパネル部材が配設されており、それら遊技盤とパネル部材との間に形成された遊技領域が同パネル部材を通して視認可能となっている。パネル部材は、例えば遊技球の直径寸法よりも若干大きな隙間を隔てて遊技盤の前面と対向しており、上記遊技領域での遊技球の流下が担保されている。
遊技領域には入賞口や入賞装置等の各種構成が設けられている。遊技者により遊技球発射ハンドルが操作されると遊技球が遊技領域に向けて発射され、それら遊技球が入賞口や入賞装置等に入賞した場合には予め設定された個数の遊技球が払い出される。
上述の如く遊技盤とパネル部材との間に遊技領域が形成されているタイプの遊技機においては、遊技領域内での遊技球の挙動によって有利不利が決定されるため、それら遊技盤とパネル部材との位置関係がばらついたり変化したりすることは好ましくない。
特徴C1.遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤を着脱可能に支持する支持枠(内枠13の樹脂ベース60)と、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤の一側部が挿入される挿入部(挿入部290)と
を備え、
前記遊技盤が前記挿入部に挿入された状態にて当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して遊技機前方から装着される遊技機であって、
前記遊技盤の回動を許容するとともに、少なくとも前記遊技盤が装着完了位置に向けて回動されている場合に前記挿入部からの前記遊技盤の離脱を阻止する阻止手段(樹脂ベース60の受け部275及び遊技盤80の突起431)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、支持枠の挿入部に遊技盤の一側部を挿入し、同遊技盤をその挿入部を中心として回動させることにより、支持枠に対する装着完了位置に遊技盤を配置することができる。このように遊技盤を装着する場合には、詳しくは少なくとも遊技盤を装着完了位置に向けて回動させている場合には、挿入部からの同遊技盤の離脱が阻止されることとなる。故に、遊技盤を回動させる過程にて同遊技盤が挿入部から外れることを抑制し、遊技盤の装着作業の容易化に貢献することができる。
特徴C2.前記阻止手段は、
前記遊技盤の回動基端部に設けられた遊技盤側係合部(突起431)と、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤が前記挿入部に挿入されることで前記遊技盤側係合部に係合する支持枠側係合部(受け部275)と
を備えていることを特徴とするC1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、遊技盤の回動基端部に遊技盤側係合部を設け、同遊技盤側係合部と支持枠側係合部とが係合する構成とすることにより、遊技盤の回動を許容しつつ同遊技盤の挿入部からの離脱を阻止することができ、特徴C1に示した構成を好適に実現することができる。
また、例えば阻止手段として軸ピン及び軸受けを採用し、軸ピンの軸線方向にて遊技盤をスライド移動させることにより、軸ピン及び軸受けを係合させることも可能であるが、このような構成を採用した場合、遊技盤を挿入部へ挿入する操作と、軸ピンを軸受けに挿通させる操作とを個別に行う必要が生じるため、遊技盤の装着作業が煩雑なものとなり得る。特に、挿通時には、遊技盤を抱えたまま軸ピンと軸受けとの位置を合わせる必要が生じるため作業負担が大きくなると想定される。この点、本特徴に示すように、遊技盤を挿入部に挿入することで遊技盤側係合部と支持枠側係合部とが係合する構成とすれば、阻止手段を有する構成を採用することで特徴C1に示した効果を享受しつつ、それに起因した作業負担の増加を抑制することができる。
例えば、遊技盤側係合部が支持枠側係合部に対して挿入部への挿入方向先側から引っ掛かる構成を採用すればよい。これにより、挿入方向手前側への遊技盤の変位を抑えることができる。
特徴C3.前記挿入部は、前記支持枠の左右両端部のうち一方側に配されているとともに、他方側に向けて開放されており、
前記支持枠において前記挿入部が配されている側と同一側の端部に設けられ、少なくとも前記遊技盤の前記挿入部からの離脱が阻止されている場合に、前記遊技盤の回動基端部が載置される載置部(仮置き部125)を備えていることを特徴とするC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、遊技盤を載置部によって支えることにより、阻止手段(詳しくは遊技盤側係合部や支持枠側係合部)に生じる負荷を低減することができる。つまり、阻止手段によって遊技盤の全重量を受ける必要がなく、阻止手段の簡素化に貢献できる。
例えば、遊技盤の前面側に阻止手段を配する場合、周辺部品等との共存を考慮すると阻止手段の占有領域が制限されやすくなると想定される。この点、阻止手段の強度向上を抑える同阻止手段を簡素化可能となれば、上記占有領域を減縮し、実用上好ましい構成の実現に貢献することができる。
特徴C4.前記載置部は、前記挿入部が開放されている側に延び、当該載置部に載置されている状態での前記挿入部の奥側へ向けての前記遊技盤の移動を許容しているとともに、前記遊技盤において前記支持枠側係合部よりも当該遊技盤の回動先端寄りとなる部位を支えるように形成されていることを特徴とするC3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、載置部によって支持枠側係合部よりも回動先端寄りとなる部位を支える構成とすることにより、阻止手段(詳しくは遊技盤側係合部や支持枠側係合部)に生じる負荷を好適に低減することが可能となり、特徴C3に示した阻止手段の保護機能を一層好適なものとすることができる。
また、載置部は挿入部が開放されている側に延びていることにより、遊技盤を挿入部に挿入する前の段階にて同遊技盤を載置部に載せることができる。つまり、遊技盤を載置部に沿って移動させることにより挿入部へ挿入させることができ、遊技盤を抱えたまま挿入部へ挿入する必要がなくなる。これにより、挿入操作の容易化に貢献することができる。
特徴C5.前記載置部は前記遊技盤の下端寄りに配されているとともに、前記阻止手段は前記遊技盤の上端寄りに配されていることを特徴とするC3又はC4に記載の遊技機。
特徴C3等に示したように遊技盤を載置部に載せることで阻止手段に生じる負荷を低減する構成においては、遊技盤が載置部から脱落等することにより、阻止手段に生じる負担が増大すると想定される。この点、本特徴においては、載置部を阻止手段(例えば支持枠側係合部)よりも下側に配している。これにより、仮に遊技盤の回動先端部分が下方に変位するようにして同遊技盤が傾倒した場合であっても、遊技盤において載置部に載っている部分が同載置部から遠ざかる側に変位することを抑制することができる。故に、遊技盤が載置部から脱落することを抑制し、阻止手段を好適に保護することができる。
また、載置部を遊技盤の下端寄り、阻止手段を遊技盤の上端寄りに配することにより、遊技盤の保持バランスを向上させ、遊技盤を回動させる際の作業の円滑化を促進できる。
特徴C6.前記載置部と前記阻止手段との間に前記挿入部が配されていることを特徴とするC5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、特徴C5に示した保持バランスを一層好適なものとすることができ、回動操作時の遊技盤の安定性を向上させることができる。
特徴C7.前記遊技盤側係合部と前記支持枠側係合部とは、前記遊技盤が前記載置部に載置され、それら遊技盤側係合部及び支持枠側係合部が係合している状態において、前記遊技盤側係合部が前記挿入部への挿入方向先側から前記支持枠側係合部に対して対向するとともに、同遊技盤側係合部が前記支持枠に対して上方から当接しないように形成されていることを特徴とするC5又はC6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、遊技盤側係合部が支持枠側係合部に対して挿入方向先側から当接することにより上述した遊技盤の離脱が阻止されることとなる。遊技盤側係合部は支持枠に対して上方から当接しないように形成されているため、阻止手段(遊技盤側係合部及び支持枠側係合部)に対して遊技盤の自重負荷が加わることを抑制することができる。これにより、阻止手段を保護し、同阻止手段の機能保全に貢献することができる。
特徴C8.前記遊技盤側係合部は前記支持枠側係合部よりも上側に配されており、
前記遊技盤側係合部及び前記支持枠側係合部は、前記遊技盤が前記載置部から離間するようにして上方へ移動することにより、両者の係合が解除されるように構成されていることを特徴とするC5乃至C7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C8によれば、遊技盤を支持枠から取り外す際には、同遊技盤を上方に持ち上げることにより遊技盤側係合部が支持枠側係合部から遠ざかる側に変位し、両係合部の係合が解除される。
このように、遊技盤を載置部に載せている場合には両係合部の係合状態が維持され、遊技盤を載置部から持ち上げることにより同係合状態が解除される構成とすることにより、遊技盤の着脱作業の容易化に貢献することができる。
特徴C9.前記遊技盤側係合部は、前記遊技盤の前面側に配されていることを特徴とするC2乃至C7のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技盤側係合と支持枠側係合部とを有する構成においては、両者に若干の遊びを設定することにより、遊技盤の挿入方向のばらつき(作業ばらつき)を好適に許容することができ、遊技盤の挿入操作が係合部によって妨げられることを抑制することができる。しかしながら、このような遊びが過度に大きくなった場合には、上記効果を享受できる反面、遊技盤の回動安定性が低下する要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴によれば、遊技盤側係合部を遊技盤の前面側に配することにより、遊技盤を回動させる際の遊技盤側係合部の変位量を、同遊技盤側係合部を遊技盤の背面側に配する構成と比較して小さくすることが可能となる。つまり、上述した遊びが過度に大きくなることを抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
また、遊技盤を支持枠に対して遊技機前方から取り付ける構成においては、遊技盤側係合部を遊技盤の前面側に配することにより、遊技盤を挿入する際の遊技盤側係合部の移動先(例えば支持枠側係合部に向かっているか否か)を目視によって確認しやすくし、遊技盤装着作業の確実性向上に貢献することができる。
特徴C10.前記挿入部は、前記支持枠の左右両端部のうち一方側に配されているとともに、他方側に向けて開放されており、
前記遊技盤の前面から前方へ起立しているとともに、前記挿入部側に凸となる円弧状をなしており、前記遊技盤の前面に遊技領域(遊技領域PE)及びその遊技領域へ遊技球を誘導する誘導部(誘導通路103)を区画形成する区画部(誘導レール100)と、
前記支持枠に設けられているとともに、前記区画部の凸となっている部分よりも下側に配され、前記遊技盤が前記挿入部に挿入されている状態にて、同遊技盤を載置可能な載置部(仮置き部125)と
を備え、
前記遊技盤側係合部は、前記遊技盤の前面側において前記区画部の前記凸となっている部分を挟んで前記載置部とは反対側となる位置に配されていることを特徴とするC9に記載の遊技機。
特徴C10によれば、遊技盤の前面側には区画部によって遊技領域や誘導部が区画形成されている。つまり、遊技盤の前面側には上記遊技盤側係合部のみならず遊技領域や誘導部が配設されている。近年では遊技領域の拡張に伴い区画部が遊技盤の縁部に近づけて配設されることが多く、遊技盤における挿入部側の縁部と区画部との間に遊技盤の装着に関する構成(例えば阻止手段や載置部)の設置領域を広く確保することは遊技領域の拡張を妨げる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴においては、区画部の凸となっている部分よりも下側に載置部を配するとともに、その凸となっている部分を挟んで載置部とは反対側に遊技盤側係合部を配することにより、区画部(すなわち遊技領域や通路部)と遊技盤側係合部及び載置部とを好適に共存させることが可能となり、上述した遊技領域の拡張を促進しつつ、遊技盤の装着作業の容易化に貢献することができる。
なお、上記特徴C3等との組み合わせにおいては特に、それら特徴C3等に示した「載置部」と、本特徴に示す「載置部」とを同一のものとすることも可能である。
特徴C11.前記支持枠を遊技機前方から覆うとともに、同遊技機本体に対して開閉可能な扉体(前扉枠14)を備え、
前記挿入部は、前記支持枠において前記扉体が支持されている側と同じ側に設けられていることを特徴とするC2乃至C10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C11によれば、扉体の回動基端側に挿入部を配することにより、遊技盤を装着する際の扉体の開放量を小さくすることができる。これにより、例えば遊技機を遊技ホール等に設置している状態にてメンテンナンスを行う際に、隣接して配置されている遊技機での遊技を妨げにくくすることができる。
特徴C1に示したように、挿入部からの遊技盤の脱落を阻止するには、阻止手段として、例えば軸ピン及び軸受け孔を採用し、軸ピンの軸線方向へ遊技盤を移動させることにより当該軸ピンを軸受け孔に挿通させ、挿入部からの遊技盤の離脱を阻止する構成とするこも可能である。このような構成においては、遊技盤において阻止手段が設けられている部分の周辺を把持することにより上述した挿通作業の容易化を図ることができる。
しかしながら、上述の如く扉体の回動基端側に挿入部を配している場合には、上述の如く把持位置を工夫し挿通作業を容易に行おうとすれば、遊技盤を把持している手が扉体に干渉しやすくなると想定される。このような干渉を回避すべく扉体を大きく開放することは周辺の遊技機での遊技を妨げる要因となり得るため、必然的に遊技盤において把持できる箇所は、挿入部側の端部とは反対側(すなわち回動先端側)に制限されやすいと考えられる。つまり、軸ピンから遠い位置にて遊技盤を把持する必要が生じ得る。これは上記挿通作業を困難にするとともに作業負担を増大させる要因となり得るため好ましくない。
この点、特徴C2等に示した構成、すなわち挿入部へ遊技盤を挿入することにより、両係合部が係合される構成との組み合わせにおいては、それら各種不都合を好適に払拭することができる。つまり、隣接する遊技機との関係を考慮して扉体の開放量を小さく抑えつつ、遊技盤における挿入部とは反対側を把持した状態での作業(すなわち両係合部を係合状態に移行する作業)を容易に行うことができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C12.前記遊技盤の前面から前方へ起立しているとともに、前記挿入部側に凸となる円弧状をなしており、前記遊技盤の前面に遊技領域(遊技領域PE)及びその遊技領域へ遊技球を誘導する誘導部(誘導通路103)を区画形成する区画部(誘導レール100)と、
前記遊技盤に設けられ、少なくとも前記区画部の前記凸となっている部分を前記挿入部側から覆うカバー部(レールカバー400)と
を備え、
前記遊技盤側係合部は、前記カバー部に配設されていることを特徴とするC2乃至C11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C12によれば、区画部において挿入部側に凸となっている部分がカバー部によって挿入部側から覆われている。挿入部を有する構成においては、同挿入部へと挿入される遊技盤の一側部が、遊技盤装着作業時に支持枠等に対して衝突しやすいと想定される。特に、区画部は遊技盤の前面から起立しており、遊技領域を区画しているため、遊技領域に配された他の構成(例えば釘87)と比較して衝突の対象になりやすいと想定される。区画部は、遊技球を遊技領域へと誘導する機能を有しているため、上記衝突によって変形等することは好ましくない。そこで、この区画部をカバー部によって覆うことにより、そのような不都合の発生を抑えることができる。
カバー部は、区画部を保護する機能を有しており、支持枠等との衝突に耐え得る程度の強度を付与することが望ましい。このように強度が要求される構成に対して遊技盤側係合部を配設することにより、遊技盤前面側での限られたスペースにて遊技領域及び通路部と阻止手段(遊技盤側係合部)及びカバー部とを好適に共存させることができる。
なお、特徴C10との組み合わせにおいては特に、同特徴C10に示した「区画部」と本特徴に示す「区画部」とを同一のものとすることも可能である。
特徴C13.前記カバー部は、
前記遊技盤の前面に平行となるように形成され、同遊技盤に固定されているベース部(ベース部410)と、
前記ベース部から起立するとともに、前記区画部に前記挿入部側から対向する対向部(起立部420)と
を有し、
前記遊技盤側係合部は、前記対向部から前記挿入部側に起立しているとともに、その付け根部分を基端として撓み変形することにより、前記支持枠側係合部との係合状態へと移行されることを特徴とするC12に記載の遊技機。
特徴C13によれば、遊技盤の一側部を挿入部へ挿入すると、遊技盤側係合部が対向部側の付け根部分を基端として撓み変形性、支持枠側係合部との係合状態へと移行される。特に、遊技盤側係合部は遊技盤に固定されているベース部から起立しているのではなく、対向部から挿入部側に起立している。これにより、遊技盤係合部の撓み変形を円滑なものとし、係合状態への移行時にカバー部に加わる負荷を低減している。また、遊技盤係合部からの伝わる負荷を対向部を経由してベース部に伝えることで、カバー部における負荷の分散効率を高めている。故に、阻止手段(遊技盤側係合部)の占有領域の拡大を抑え、限られた領域において阻止手段とカバー部とを好適に共存させることができる。
特徴C14.前記カバー部は透明性を有しており、当該カバー部を通じて前記挿入部及び前記阻止手段が視認可能となるように形成されていることを特徴とするC12又はC13に記載の遊技機。
特徴C14によれば、カバー部によって挿入部や阻止手段が遮蔽されることがない。故に、カバー部を採用したために挿入部への遊技盤の挿入が難しくなったり、阻止手段の状態把握が難しくなったりすることを好適に抑制できる。
上記特徴C群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤を枠体に搭載してなる遊技機本体と、遊技機本体の前面側に取り付けられた扉体とを備えているものがあり、同扉体に配設された透明パネルを介して遊技領域が視認可能となっている。遊技領域には入賞口や入賞装置等の各種構成が設けられている。遊技者により遊技球発射ハンドルが操作されると遊技球が遊技領域に向けて発射され、それら遊技球が入賞口や入賞装置等に入賞した場合には予め設定された個数の遊技球が払い出される。
一般的に、このような遊技機においては遊技盤が枠体に対して着脱可能に取り付けられており、遊技盤の着脱を可能とすることで遊技盤等のメンテナンス作業の容易化や機種変更時における同遊技盤の入替作業の容易化が図られている。特に、近年では遊技盤を枠体の前方から着脱可能とする遊技機が提案されており、上述した遊技盤着脱作業の更なる容易化が図られている。
しかしながら、遊技盤を枠体の前方から取り付けるタイプの遊技機においては、遊技盤の取付容易性や取付安定性等、未だ改善の余地がある。
特徴D1.前面側に遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤の前面から起立する壁状をなし、遊技球がその壁面に沿って移動することにより同遊技球を前記遊技領域に誘導する誘導手段(誘導レール100)と、
前記遊技盤を着脱可能に支持する支持枠(内枠13の樹脂ベース60)と、
前記支持枠に固定されているとともに、前記遊技盤の下端に沿って配置されている支持枠補強部材(補強プレート550)と、
前記支持枠補強部材に設けられ、前記支持枠に対しての前記遊技盤の取付位置を規定する位置決め手段(例えばロック装置600)と、
前記支持枠補強部材に設けられ、遊技球発射部(ソレノイド111)によって発射された遊技球を前記誘導手段に導く発射レール部(発射レール112)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、遊技盤を支持枠に対して着脱可能な構成とすることにより、同遊技盤のメンテナンス作業の容易化等に貢献することができる。遊技球発射部によって発射された遊技球は、発射レール部→誘導手段の順に移動し遊技領域に到達する。
発射レール部は支持枠補強部材に設けられているとともに、遊技盤(詳しくは誘導手段)は支持枠補強部材に設けられた位置決め手段によって位置決めされている。これにより、発射レール部及び遊技盤(詳しくは誘導手段)の相対位置の精度を高めることができ、発射レール部から発射された遊技球の誘導手段に対する着地位置の精度向上に貢献できる。故に、誘導手段による遊技球の誘導の円滑化が期待できる。
特徴D2.前記支持枠には、前記遊技盤の通過を許容する開口部位を有し、同遊技盤を収容する収容部(遊技盤収容部61)が形成されており、
前記支持枠補強部材は、前記支持枠における前記開口部位を挟んで設けられた1組の枠部(左側枠部13c及び右側枠部13d)に跨るようにして形成されていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
遊技盤を収容部に収容する構成においては、その収容部の開口部位周辺にて強度が低下すると想定される。そこで、上述した支持枠補強部材を開口部位を挟んで設けられた1組の枠部に跨るようにして形成することにより、上述した補強効果を好適に発揮させることができる。
例えば、支持枠補強部材を、支持枠の前面と、収容部の周壁面において遊技盤の下端部に相対向している部位と、収容部の奥壁とに沿って前後に折れ曲がるように形成するとよい。これにより、開口部位周辺での補強効果を一層好適なものとすることができる。
特徴D3.前記支持枠は、前記遊技盤が前記支持枠に対して遊技機前方から着脱可能となるように構成されており、
前記支持枠補強部材は、前記遊技盤の背面に対向する対向部(対向部581)と前記遊技盤の前面に対して略同一平面上に位置する平面部(ベース部561)とを有し、それら対向部及び平面部が段差部(延出部571)を介して連なるようにして一体成形されており、
前記位置決め手段は前記対向部に配されているとともに、前記発射レール部は前記平面部に配されていることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、支持枠補強部材の強度向上を図りつつ、遊技盤の前面(詳しくは誘導手段)と発射レール部との前後位置を好適に揃えることができ、上記精度向上効果を一層顕著なものとすることができる。
特徴D4.前記発射レール部は、前記支持枠補強部材とは別体で形成されているとともに、少なくとも前記遊技盤側の端部が前記支持枠補強部材に設置されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D1等に示した構成を実現する場合、発射レール部における遊技盤側の端部を支持枠補強部材に設置するとよい。このように少なくとも遊技盤側の端部を設置しておくことで、上述した着地位置のばらつきを好適に抑えることができる。
特徴D5.前記発射レール部と、前記遊技球発射部と、それら発射レール部及び遊技球発射部が搭載されているベース体(ベースプレート114)とを有する発射ユニット(遊技球発射機構110)を備え、
前記発射レール部は、前記ベース体が前記支持枠補強部材に取り付けられることにより、前記支持枠に対して一体化されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D5によれば、発射に関する構成をユニット化した上で、その発射ユニットと支持枠と一体化することにより、メンテナンス作業の容易化と位置精度の向上とに貢献できる。
特徴D6.前記発射レール部は、前記誘導手段側の端部が上位となるように傾けて配置されており、
前記遊技球発射部は、前記発射レール部の上流側に配されており、
前記ベース体は、当該ベース体において前記遊技盤側となる部位であって前記発射レール部の上流側端部寄りとなる部位と前記遊技球発射部寄りとなる部位にて前記支持枠補強部材に対して位置決めされていることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
特徴D6によれば、発射レール部において誘導手段側となる部位の位置精度を向上することができる。特に支持枠補強部材は遊技盤の下端に沿って延びており、この支持枠補強部材の長手方向にて、詳しくは発射レール部の上流側端部寄りとなる部位と遊技球発射部寄りとなる部位にて位置決めを行うことにより、発射レール部の位置精度を好適に高めることができる。確かに、支持枠補強部材を上下に幅広となるように形成し、ベース体の上端寄り及び下端寄りとなる両部位にて位置決めを行うことも可能である。しかしながら、このような対応を行った場合、支持枠補強部材が無駄に大型化し、補強機能の向上よるメリットりも重量増によるデメリットのほうが大きくなると想定される。この点、上述の如く、ベース体の位置決めを工夫することにより、支持枠補強部材の大型化を抑えつつ、位置決め精度を向上でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴D7.前記支持枠は、合成樹脂により形成され、
前記支持枠補強部材は、前記支持枠よりも高強度の金属板により形成されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D6のいずれか1つに記載の遊技機。
支持枠を合成樹脂によって形成している場合、遊技機の軽量化及び製造容易化が期待できる反面、同支持枠の撓みや捩れが生じやすいと想定される。そこで、高強度の金属板からなる支持枠補強部材によって支持枠を補強することにより、上述した撓みや捩れを好適に抑えることができる。このように、強度が確保されている部材に対して発射レール部及び位置決め手段を配設することで、実用上好ましい構成が実現できる。
特徴D8.前記位置決め手段は、前記遊技盤の下端寄りに配置されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D8によれば、少なくとも発射レール側の端部近傍における遊技盤の位置精度を向上することができる。これにより、例えば遊技球の着地位置のばらつきを抑えやすくできる。例えば、遊技盤の下端縁に沿って複数の位置決め手段を配列するとよい。
特徴D9.前記支持枠は、前記遊技盤を遊技機前方から着脱可能となるように構成されており、
前記位置決め手段は、前記誘導手段において前記遊技球発射装置から発射された遊技球が入る入口部(入口部分104)の近傍に配されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D9によれば、遊技盤を遊技機前方(支持枠の前面側)から着脱可能とすることにより、遊技盤を遊技機後方(支持枠の背面側)から着脱する構成と比較して、位置決め手段の配置自由度を高め、特定の位置における位置精度を担保しやすくしている。具体的には、遊技盤を支持枠の背面側から着脱する構成においては、例えば遊技領域に対して前後に重なる位置や、遊技盤に装着されている各種遊技部品等に対して前後に重なる位置には位置決め手段を配置することが困難であるが、遊技盤を支持枠の前面側から着脱する構成においては、位置決め手段の配置に上述したような制限が生じることを抑制できる。このように位置決め手段の配置自由度を向上し、特に誘導手段の入口部の近傍に位置決め手段を設けることにより、入口部の位置精度を向上し、遊技球の着地位置のばらつきを抑制することが可能となる。これにより、誘導手段による遊技球の誘導の円滑化に貢献できる。また、遊技球着地時の衝撃が想定以上に大きくなることを抑制し、誘導手段や同誘導手段の取り付け構造の強化を回避しつつ、誘導手段の耐久性を向上できる。故に、構造の煩雑化を抑制しつつ誘導手段の耐久性を向上することが可能となる。
特徴D10.前記位置決め手段は、前記誘導手段の入口部を挟んだ左右両側にそれぞれ配置されていることを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
特徴D10によれば、遊技盤の位置精度を誘導手段の入口部にて更に向上させることができ、特徴D9に示した効果を更に顕著なものとすることができる。
特徴D11.前記支持枠によって回動可能に支持され、前記遊技盤を前方から覆う扉体(前扉枠14)と、
前記支持枠において前記扉体が支持されている側と同一側に設けられているとともに、前記扉体が支持されている側とは反対側に開放されており、同扉体が支持されている側とは反対側から前記遊技盤が挿入される挿入部(挿入部290)と
を備え、
前記遊技盤は、前記挿入部に挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記扉体に設けられ、遊技球を貯留する貯留皿(上皿28aや下皿29a)と、
前記遊技盤において前記入口部の回動基端側となる部位に形成され、当該遊技盤の回動基端側に開放された開放部(切欠き部88)と、
前記開放部を通じて前記支持枠及び前記扉体に跨って設けられているとともに、前記貯留皿よりも上位に配置され、遊技球を前記貯留皿に導く誘導通路部(通路形成部材121等)と
を備え、
前記挿通部は、前記開放部に連なるとともに前記遊技盤の回動基端側に開放されていることを特徴とする特徴D10に記載の遊技機。
特徴D10に示したように位置決め手段が入口部を挟んだ両側に配置されている場合には、両位置決め手段のうち入口部よりも回動基端側に位置する一方によって挿入部への遊技盤の挿入が妨げられやすくなることが懸念される。特に、入口部を遊技盤の幅方向における中央に配置している場合には、そのような不都合が顕著になると想定される。
また、誘導通路が貯留皿よりも上位に位置することにより遊技球を同貯留皿へ誘導する際にそれら遊技球の自重を利用して同遊技球を移動させることが可能となる。しかしながら、近年においては遊技領域が拡張される傾向にあり、これによって誘導通路の配置が制限されやすくなっている。つまり、誘導通路が遊技領域(遊技盤)の拡張によって下方へと押しやられることが懸念される。これは、貯留皿への遊技球の誘導を難しくする要因となり得る。
この点、本特徴においては、遊技盤に開放部を設けることで、上記誘導通路と遊技盤との共存が可能となっている。つまり、遊技領域を拡張しつつ誘導通路の位置を貯留皿よりも上位に配置することが可能となっている。更に、この開放部に連なるようにして回動基端側の位置決め手段用の挿通部を形成し、その挿通部を回動基端側に開放させることで、遊技盤を挿入する際の同位置決め手段と同挿通部との干渉を回避することができる。これにより、誘導通路の配置と遊技領域の拡張とを好適に実現し、更には位置決め精度の向上と遊技盤の挿入作業の容易化とを好適に両立することができる。
例えば、遊技盤における回動基端側の下隅部にて回動基端側及び下側に開放された切欠きによって前記開放部を構成するとよい。
特徴D12.前記遊技盤を前記支持枠に対して遊技機前方から取付可能な遊技機であって、
前記遊技盤には、前記遊技盤の厚さ方向に貫通する挿通部(挿通部92)が形成されており、
前記位置決め手段は、
前記挿通部を通って前記遊技盤の前面側に突出して設けられているとともに前記支持枠補強部材に取り付けられ、前記遊技盤の前面に対向し当該遊技盤の前面と当接することで同遊技盤の遊技機前方への移動を不可とする位置決め状態、及び前記遊技盤の遊技機前方への移動を許容する位置決め解除状態の両状態に切替可能に設けられた操作部(操作レバー640の操作部646)と、
前記遊技盤の後方に設けられ、前記操作部が前記位置決め解除状態から前記位置決め状態に切り替えられた場合に同遊技盤の背面を前記操作部側に向けて押える押え部(プッシャ630)と
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D12によれば、位置決め手段の操作部を位置決め状態に切り替えることにより、操作部が遊技盤の前面に対向する位置に配置され、且つ遊技盤が押え部によって遊技機前方に向けて押されることとなる。遊技盤の前方には操作部が位置しているため、同遊技盤は操作部に押えつけられることとなる。操作部は支持枠補強部材に取り付けられているため、同操作部に対して遊技盤が当接することにより同遊技盤の前後位置が規定される。
このように、遊技盤を前方から取り付ける構成において同遊技盤の前面基準で位置決めを行う構成とすれば、遊技盤の背面基準で位置決めを行う構成と比較して、同遊技盤の前面(すなわち上記遊技領域)の位置精度を向上できる。詳しくは、遊技盤の背面基準で位置決めをした場合、遊技盤における厚み等の製造ばらつきの影響により、遊技盤の前面の位置精度が低下しやすくなる。この点、本特徴においては、このような不都合を好適に払拭し、位置精度の向上に貢献できる。
特徴D13.前記支持枠によって回動可能に支持され、前記遊技盤を前方から覆う扉体(前扉枠14)と、
前記支持枠において前記扉体が支持されている側と同一側に設けられているとともに、前記扉体が支持されている側とは反対側に開放されており、同扉体が支持されている側とは反対側から前記遊技盤が挿入される挿入部(挿入部290)と
を備え、
前記遊技盤は、前記挿入部に挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記位置決め手段は、前記支持枠補強部材において前記挿入部が設けられている側とは反対に配置され、
前記挿通部は、前記遊技盤を取付完了位置へ回動させる過程において前記操作部の通過を許容するものであることを特徴とする特徴D12に記載の遊技機。
特徴D12によれば、支持枠側(詳しくは支持枠補強部材)に位置決め手段を設けたことで、例えば遊技盤を交換することにより機種変更を行うタイプの遊技機においては、位置決め手段の機種間での使いまわしが可能となり、リユース率の向上に貢献できる。更には、位置決め手段を支持枠補強部材に設けることにより、遊技盤ごとに位置決め精度がばらつくことを抑制可能となっている。
また、支持枠に扉体が設けられている場合には、扉体を開放した状態で遊技盤を遊技機前方から真っ直ぐ押し込んで取り付けるのは難しくなり得る。特に、遊技機が遊技ホールの島設備に設置されている場合には、扉体の回動基端側において遊技盤を取り付ける際の作業スペースの確保や取付軌道の確保が困難になりやすいと想定される。この点、本特徴によれば、遊技盤を挿入部に挿入した後で、支持枠に対して回動させることにより取付完了位置に配置することができるため、上述した不都合を好適に払拭することができる。
しかしながら、仮に上記位置決め手段を扉体の回動基端側(すなわち挿入部側)に配置すると、遊技盤を挿入する際に位置決め手段が引っ掛かりやすくなったり、上記操作部を操作しにくくなったりし得る。そこで、本特徴においては、位置決め手段を挿入部が設けられている側とは反対に配置した。これにより、位置決め手段が遊技盤の取付作業の妨げとなることを抑制している。
特徴D14.前記位置決め手段には、前記支持枠補強部材から前記遊技盤に向けて起立し、前記挿通部に沿って延びる軸部(軸ピン620)が設けられ、
前記操作部は、前記軸部において前記挿通部から突出している先端部分から当該軸部と交差する方向に延出するようにして形成されているとともに、前記位置決め解除状態では当該操作部の長手方向が遊技盤の回動基端側から回動先端側に向き、前記位置決め解除状態ではそれとは異なる方向を向くように前記軸部の中心軸線を中心とした回動が許容されており、
前記挿通部は、当該遊技盤の回動基端側から回動先端側に延び、前記位置決め解除状態での前記操作部の通過を許容するように形成されていることを特徴とする特徴D12又は特徴D13に記載の遊技機。
特徴D13及び特徴D14に示した構成においては、遊技盤回動時の同遊技盤と位置決め手段との干渉を回避すべく挿通部の開放部位を大きくすると、操作部と遊技盤との掛かり代を確保しにくくなる。特に位置決め手段を回動式とした場合には、回動中心から掛かり部分までの距離が大きくなると、遊技盤の押えが難しくなり、上記押え部の押え力によってかえって遊技盤の位置決め精度が低下し得る。
この点、本特徴によれば、挿通部の開放部位の大きさを操作部に対して無駄に大きくしなくてもよくなり、操作部と遊技盤との掛かり代を確保しやすくできる。更には、操作部の回動中心から掛かり部分までの距離を小さくすることができる。これにより、操作部(詳しくは位置決め手段)の変形を抑え、位置決め精度の向上に貢献できる。
特徴D15.前記操作部と前記押え部とが前記遊技盤を挟んで対峙していることを特徴とする特徴D12乃至特徴D14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D15によれば、遊技盤を操作部と押え部とで挟み込むことで遊技盤の位置決め精度の向上に貢献できる。
特徴D16.前記押え部は、前記操作部が前記位置決め解除状態から前記位置決め状態に切り替えられた場合に、前記遊技盤を当該遊技盤の背面側から押す状態から、同遊技盤を押さない状態に切り替えられるものであることを特徴とする特徴D12乃至特徴D15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D16によれば、操作部を位置決め解除状態に切り替えることにより、遊技盤の取り外しが可能となる。この際、操作部を操作することで、押え部による遊技盤の押えが回避されるため、位置決め解除後に遊技盤が押え部に押されて移動することを抑制できる。これにより、例えば操作部を操作している手等が遊技盤に干渉するといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴D17.前記押え部は、前記操作部が前記遊技盤の前面と対向している状態において、前記遊技盤を当該遊技盤の背面側から押す状態と、同遊技盤を押さない状態との切り替えがなされるものであることを特徴とする特徴D12乃至特徴D16のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D17によれば、操作部が遊技盤と対向している状態にて、同遊技盤を押す状態と押さない状態との切り替えがなされる。これにより、遊技盤を装着する際の抵抗を抑えることができ、更には遊技盤を取り外す際に同遊技盤が押え部に押されて不意に移動して手等に干渉するといった不都合を生じにくくできる。
特徴D18.前記位置決め手段は、前記操作部と前記押え部とがユニット化された状態で前記支持枠補強部材に設置されていることを特徴とする特徴D12乃至特徴D17のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D12に示した位置決め手段を採用する場合、本特徴に示すように操作部と押え部とをユニット化しておくことにより、メンテナンス作業の容易化等に貢献することができる。また、押え部と操作部との位置関係のばらつきを抑制し、操作部に加わる負荷の増大を抑えることができる。
特徴D19.前記位置決め手段は、前記発射レール部の略延長上に配されていることを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
特徴D19によれば、遊技球発射部によって発射された遊技球は、発射レール部に沿って移動し、同発射レール部の延長先に向けて移動する。この場合、同遊技球は、位置決め手段において発射レール部の延長上に位置する部分(特定部位SP)に着地しやすくなると想定される。本特徴においては特に、位置決め手段を発射レール部の略延長上に配することにより、遊技球の着地想定位置の近くにて位置決めを行うことが可能となる。これにより、特徴D5に示した各種効果を更に高めることができる。
特徴D20.前記誘導手段は、遊技球が通過可能な隙間を隔てて内外二重に設けられた内レール(内レール101)及び外レール(外レール102)によって構成されており、
それら内レール及び外レールは、前記遊技領域の外方に凸となる湾曲状に形成されており、
前記位置決め手段は、遊技機の正面視において前記外レールと前後に重なる位置に配置されていることを特徴とする特徴D9又は特徴D19に記載の遊技機。
特徴D20によれば、位置決め手段を、遊技機の正面視において外レールと前後に重なる位置に配置することにより、発射レール部に対する誘導手段の位置精度を一層好適に向上でき、特徴D9等に示した効果を更に高めることができる。
特徴D21.前記位置決め手段は、前記遊技盤に形成された挿通部(貫通孔91)に挿通されることにより前記遊技盤の前記支持枠に対しての取付位置を規定する突起(位置決め突起79)を有していることを特徴とする特徴D20に記載の遊技機。
特徴D21に示すように支持枠補強部材の突起が遊技盤の挿通部に挿通される構成とすることで、外レールの背後に位置決め手段を配置でき、特徴D20に示した構成を好適に実現することができる。
特徴D22.前記挿通部は、前記遊技盤の厚さ方向に貫通する孔状をなし、
前記挿通部において前記突起が挿入される側とは反対には、前記外レールに対して前記内レールと対向している側とは反対から当接することにより、同外レールの変形を規制する規制部材(撓み規制部材107)が取り付けられていることを特徴とする特徴D21に記載の遊技機。
特徴D22によれば、規制部材によって外レールの変形を規制する構成とすることにより、外レールに遊技球が着地した際の衝撃を分散することが可能となる。特に、この規制部材を位置決め用の貫通孔に取り付けることにより、規制部材を例えば遊技球の着地位置に対応して配置しやすくできる。つまり、位置決め用の貫通孔を利用して規制部材を取り付けることで、より的確な位置にて外レールの変形を抑えることが可能となる。
なお、貫通孔を規制手段の取付孔として活用することにより、構成の煩雑化を最小限に留めることができる。
特徴D23.前記外レールに沿って配置され、当該外レールを前記遊技盤に固定する複数の固定部(固定ピン102a)を備え、
前記規制部材は、前記複数の固定部の間にて前記外レールに対して当接していることを特徴とする特徴D22に記載の遊技機。
特徴D23によれば、外レールの撓み変形を許容しつつ、過度な変形(例えば塑性変形)を規制部材によって規制することができる。これにより、遊技球が着地(衝突)した際の接触時間を長くすることができ、同遊技球の着地によって発生する衝撃力を低減することができる。
なお、外レールの撓み変形を許容する構成とした場合には、外レールが復元した際に振動が残留しやすくなると想定される。そこで、規制部材を外レールとは異なる固有振動値を有するように形成するとよい。これにより、誘導手段の緩衝機能と制振機能とを強化でき、実用上好ましい構成を実現可能となる。
特徴D24.前記支持枠補強部材には前記遊技盤の背面に対向する対向部(対向部381)が設けられているとともに、前記突起は当該対向部に配されており、
前記支持枠補強部材に設けられ、前記遊技盤の前面に当接する当接部(ロック装置600の操作部646)と、
前記支持枠補強部材に設けられ、前記遊技盤を前記当接部側に押す押し部(ベースプレート610の付勢部615やプッシャ630)と
を備え、
前記遊技盤が前記押し部に押され前記当接部に当接している状態では、前記対向部と前記挿通部との間に隙間が形成されることを特徴とする特徴D21乃至特徴D23のいずれか1つに記載の遊技機。
突起による位置決め精度を向上させようとすれば、挿通部と突起とのクリアランスを小さくし、突起を挿通部内に完全に埋没させるとよい。しかしながら、このような構成を採用した場合、遊技盤の位置をずらすような負荷が僅かにでも加わると、その負荷が突起の根元部分に集中しやすくなると想定される。この負荷は例えば突起をせん断させるように作用するため、突起の耐久性の確保に課題が生じると想定される。
この点、本特徴においては対向部と挿通部との間に隙間を形成し、突起の根元部分を挿通させない構成とすることで、突起の撓み(弾性変形)を利用して上述した負荷による同突起のせん断や折れ等の発生を抑制できる。これにより、位置決め手段による位置精度の向上を図りつつ同位置決め手段の耐久性を好適に向上させることができ、繰り返しの使用に耐え得る構成の実現に貢献できる。
例えば、当接部及び押し部によって遊技盤の前後位置を規定するとよい。
特徴D25.前記挿通部は、前記突起が挿通された状態にて、同突起との間にそれら突起及び挿通部の上下方向での相対移動を許容する隙間が形成されるように形成されていることを特徴とする特徴D21乃至特徴D24のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D25によれば、仮に遊技盤の上下位置がばらついた場合であっても、そのばらつきによる影響が突起に及ぶことを抑制できる。つまり、上下位置のばらつきに伴って左右位置もばらつきやすくなるといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、上述した遊技盤(詳しくは誘導手段)の位置精度の低下を極力抑えることができる。
特に特徴D22や特徴D23(規制部材を有する構成)との組み合わせにおいては、例えば挿通部が上下に拡がる長孔状とし、同挿通部に規制部材の取付部分が嵌合する構成とすることで、以下の効果を享受できる。すなわち、規制部材の位置ずれ等を好適に抑制し、例えば、外レールから規制部材に負荷が伝播した場合に同規制部材が挿通部を中心に回動して誘導手段(詳しくは外レール)に対する規制位置がずれることを抑制できる。このように簡素な構成によって、規制部材の位置ずれを抑えることで実用上好ましい構成を実現できる。
上記特徴D群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技盤を枠体に搭載してなる遊技機本体を備えているものがある。遊技盤の前面にはレール部材が設けられており、同遊技盤の前面のうちこのレール部材によって囲まれた領域が遊技領域となっている。遊技機本体の前面側には当該遊技機本体を覆う扉体が設けられており、同扉体において遊技盤の前方となる位置に配設された透明パネルを介して遊技領域が視認可能となっている。遊技者により遊技球発射ハンドルが操作されると遊技球発射装置から遊技球が発射される。遊技球発射装置は遊技球の発射方向を規定する発射レールを有している。この発射レールから発射された遊技球は、上記レール部材に沿って移動することにより遊技領域に導かれることとなる。
一般的に、このような遊技機においては遊技盤が枠体に対して着脱可能に取り付けられており、遊技盤の着脱を可能とすることで遊技盤等のメンテナンス作業の容易化や機種変更時における同遊技盤の入替作業の容易化が図られている(例えば特開平6−47157号公報参照)。
しかしながら、遊技盤を枠体に対して着脱可能なタイプの遊技機においては、遊技盤の取付位置精度や取付安定性等、未だ改善の余地がある。
特徴E1.各種遊技機器(図柄表示装置94や音声ランプ制御装置143等)が搭載されてなる遊技機本体(内枠13)と、
前記遊技機本体をその背面側から覆うカバー体(裏パック201の保護カバー部212)及び当該カバー体に併設された球通路(タンク221)を有してなる背面ユニット(裏パックユニット15)と、
前記球通路よりも下側となる領域であって前記カバー体よって覆われていない領域に遊技機背面側へ露出するようにして設けられた操作手段(例えば操作片701)を有し、前記操作手段の変位に基づいて遊技機の状態を電気的に切り替える切替手段(電源・発射制御装置243)と、
少なくとも上方からの前記操作手段への遊技球の衝突に起因する切り替えを規制しつつ、遊技機背面側からの前記操作手段の操作を許容する規制手段(基板ボックス246の突出部252や仕切り部257Y等)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1に示すようにカバー体によって覆われていない領域に操作手段を配することにより、背面ユニット(カバー体)を取り外したり変位させたりすることなく切替操作を行うことができる。これにより、切替操作を行う際の作業の容易化に貢献している。
島設備の遊技球供給部や上記球通路等から遊技球が溢れる等した場合に、それら溢れた遊技球が球通路等から零れ落ちることとなる。この際、カバー体によって覆われている部位に同遊技球が当たることはないが、上述の如く作業の容易化を目的として操作手段をカバー体によって覆われていない領域に配している構成においては当該操作手段に対して遊技球が上方から衝突し得る。このような遊技球の衝突によって遊技機の状態が切り替わることは、正常な遊技進行を妨げて遊技機に対する信頼性を低下させる要因となるため好ましくない。この点、本特徴に示すように、少なくとも上方からの操作手段への遊技球の衝突に起因する切り替えを規制する構成とすることにより、上述した不都合の発生を好適に抑制することができる。
例えば箱状のカバー等を採用して操作手段を完全に囲う構成(操作手段の露出を回避する構成)を採用すれば、操作手段への遊技球の衝突を回避できると考えられる。しかしながら、そのような構成を採用した場合には、操作手段を操作する際にカバーを取り外したり取付位置から移動させたりする必要が生じ、切替作業時の手間が増えることとなる。この点、本特徴に示すように遊技機背面側からの操作手段の操作を許容すれば、規制手段の取り外し等が不要となる。故に、遊技機の信頼性を担保しつつそれに起因して作業の手間が増えることを抑制できる。
なお、本特徴に対して以下に示す技術的思想「前記操作手段は、遊技機の電源をオフ状態にする場合に押圧操作される操作部を有し、前記規制手段は、前記操作部の上方に位置し、当該操作部に対する上方からの遊技球の衝突を規制するものである」を適用することにより、球通路から零れた遊技球の衝突によって遊技機の電源がオフになるといった不都合を好適に抑制することができる。
特徴E2.前記球通路は、前記カバー体の上方に配されていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2に示すように、カバー体の上方に球通路が配されている場合には、当該球通路からの遊技球が操作部へ向けて落下する可能性が高くなる。そこで、このように構成に対して特徴E1に示した技術的思想を適用することで実用上好ましい構成を実現できる。
特徴E3.各種遊技機器(図柄表示装置94や音声ランプ制御装置143等)が搭載されてなる遊技機本体(内枠13)と、
前記遊技機本体をその背面側から覆うカバー体(裏パック201の保護カバー部212)及び当該カバー体の上方に設けられた球通路(タンク221)を有してなる背面ユニット(裏パックユニット15)と、
前記球通路よりも下側となる領域であって前記カバー体よって覆われていない領域に遊技機背面側へ露出するようにして設けられた操作手段(例えば操作片701)を有し、前記操作手段の変位に基づいて遊技機の状態を電気的に切り替える切替手段(電源・発射制御装置243)と、
前記操作手段への遊技球の到達を回避することで遊技球の衝突に起因した前記切替手段による切り替えを規制しつつ、遊技機背面側からの前記操作手段の操作を許容する規制手段(基板ボックス246の突出部252や仕切り部257Y等)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E3に示すようにカバー体によって覆われていない領域に操作手段を配することにより、背面ユニット(カバー体)を取り外したり変位させたりすることなく切替操作を行うことができる。これにより、切替操作を行う際の作業の容易化に貢献している。
球通路から遊技球が溢れる等した場合に、それら溢れた遊技球が球通路から零れ落ちることとなる。この際、カバー体によって覆われている部位に同遊技球が当たることはないが、上述の如く作業の容易化を目的として操作手段をカバー体によって覆われていない領域に配している構成においては当該操作手段に対して遊技球が衝突し得る。このような遊技球の衝突によって遊技機の状態が切り替わることは、正常な遊技進行を妨げて遊技機に対する信頼性を低下させる要因となるため好ましくない。この点、本特徴に示すように、規制手段によって操作手段への遊技球の衝突を回避する構成とすることにより、上述した不都合の発生を好適に抑制することができる。
例えば箱状のカバー等を採用して操作手段を完全に囲うことにより、操作手段への遊技球の衝突を回避できる。しかしながら、このような構成を採用した場合には、操作手段を操作する際にカバーを取り外したり移動させたりする必要が生じ作業の手間が増えることとなる。この点、本特徴に示すように遊技機背面側からの操作手段の操作を許容すれば、規制手段の取り外し等が不要となる。故に、遊技機の信頼性を担保しつつそれに起因して作業の手間が増えることを抑制できる。
特徴E4.前記規制手段は、
遊技機後方に開放された開放部(開放部250aX)を有し、当該開放部から前記操作手段が突出しないようにして同操作手段を収容する収容部(スイッチ収容部250X)と、
前記開放部の遊技球の通過が規制されるとともに当該開放部を通じた前記操作手段の操作が許容されるように同開放部を細分化する仕切り部(仕切り部257X)と
を有していることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
特徴E4によれば、開放部を完全に閉じてしまうのではなく、仕切り部によって細分化するに留めることで操作手段に対する遊技球の衝突が回避されるとともに開放部を通じた切替操作が許容される。これにより、規制手段を取り外したり移動させたりすることなく、切替操作を行うことができ、手間の増加を抑えつつ上記信頼性の向上を実現できる。
特徴E5.前記操作手段を回動可能に支持する支持部(電源スイッチ247における操作片701用の台座)を備え、
前記操作手段は、当該操作手段の回動中心部を挟んだ一方側が第1操作部(第1操作部702)、他方側が第2操作部(第2操作部703)となっているとともに、前記第1操作部及び前記第2操作部の一方が前記開放部側に近づくことで他方が前記開放部側から遠ざかるようにして構成されており、
前記第1操作部と前記第2操作部との前後位置が逆転することで前記切り替えがなされ、
前記第1操作部と前記第2操作部との位置関係が逆転した場合に前記開放部から遠い側の一方が同開放部から更に遠ざかる側へ変位するようにして前記操作手段を付勢する付勢手段を有していることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
特徴E4に示したように開放部を遊技球の通過が規制されるようにして細分化した構成においては、切替操作を行う際に仕切り部等が邪魔になって指等を収容部の奥側まで挿入することが難しくなり得る。
そこで、本特徴に示すように、第1操作部及び第2操作部を開放部側に近づくようにして変位させる構成を採用すれば、指等を奥側まで挿入することなく操作部へアクセスすることができる。
また、両操作部の位置関係が逆転する位置まで押し込むことで、その後は付勢手段の付勢力によって操作対象となった操作部が最奥位置へ変位させることができる。つまり、最奥位置まで各操作部を押し込む必要がなくなり、指等の挿入量を小さくしつつ切替操作を完遂可能となる。故に、開放部を細分化する構成を採用したとしても、それに起因して切替操作がやりにくくくなることを好適に抑制することができる。
特徴E6.前記仕切り部は、前記回動中心部に対して遊技機後方から対峙する位置に配されており、
当該仕切り部によって、前記開放部が前記第1操作部側の開放部分(上側開放領域UE)と前記第2操作部側の開放部分(下側開放領域LE)とに仕切られていることを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
特徴E6によれば、第1操作部側の開放部分を通じて第1操作部へアクセスできるとともに、第2操作部側の開放部分を通じて第2操作部へアクセスできる。かかる構成を採用することで、第1操作部及び第2操作部のうち何れか一方が操作しづらくなるといった不都合を生じにくくし、特徴E4に示した効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す技術的思想を上記特徴E1に適用することも可能である。すなわち「前記操作手段を回動可能に支持する支持部(電源スイッチ247における操作片701用の台座)を備え、前記操作手段は、当該操作手段の回動中心部を挟んだ一方側が第1操作部(第1操作部702)、他方側が第2操作部(第2操作部703)となっているとともに、前記第1操作部及び前記第2操作部の一方が前記開放部側に近づくことで他方が前記開放部側から遠ざかるようにして構成されており、前記第1操作部と前記第2操作部との前後位置が逆転することで前記切り替えがなされ、前記規制手段は、前記操作手段の前記回動中心部の後方に配されていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機」とすることも可能である。かかる構成によれば、規制手段によって切り替え操作が妨げられることを好適に抑制することができる。
特徴E7.前記仕切り部には、当該仕切り部に衝突した遊技球を前記操作手段側とは反対へ誘導する誘導傾斜面(連結部255の上面)が形成されていることを特徴とする特徴E5又は特徴E6に記載の遊技機。
特徴E7によれば、衝突した遊技球を受け止めるのではなく逸らす構成とすることにより、仕切り部の強度を無駄に高める必要がなく、当該仕切り部の占有領域の拡がりを抑制可能となっている。つまり、仕切り部の強度確保を目的として開放部から操作手段が遠ざけて配置されるといった不都合を生じにくくすることができる。
このように衝突した遊技球を操作手段とは反対側へ逸らす構成においては、仕切り部が操作手段側へ撓む可能性が生じる。仕切り部によって操作手段が押されることを回避しようとすれば、操作手段を開放部に近づけて配置することが困難になる。これは、切替操作を行う際の操作手段に対するアクセスを難しくする要因となり得る。
この点、特徴E6(仕切り部が回動中心部に対して遊技機後方から対峙する位置に配されている構成)との組み合わせによれば、上記不都合を払拭し、操作手段を開放部に対してなるべく近づけて配置することが可能となる。つまり、仮に仕切り部が撓んで操作手段に当たったとしても仕切り部によって回動中心部が押されるため、操作手段が回動することを回避することができる。これにより、仕切り部(開放部)と操作手段とを近づけることができ、切替操作の容易化に貢献することができる。
特徴E8.前記遊技機本体は支持対象(外枠11)によって開閉可能に支持され、
前記規制手段は、前記支持対象に設けられた支持対象側規制部を有し、
前記支持対象側規制部は、前記遊技機本体が前記支持対象に対して閉じている状態においては前記操作手段を覆うとともに、前記遊技機本体が開放されている状態では前記操作手段を覆わないように構成されていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E8によれば、支持対象側規制部によって操作手段を覆うことにより、当該操作手段に対して遊技球が衝突することを回避できる。
また、管理者等が切替操作を行う場合には、遊技機本体の背面側へのアクセスが可能となるように当該遊技機本体を開放すると想定されるが、かかる開放操作によって操作手段が露出した状態となり、上記切替操作を容易に行うことができる。これにより、実用上好ましい構成が実現できる。
なお、本特徴に示す技術的思想、すなわち「各種遊技機器(図柄表示装置94や音声ランプ制御装置143等)が搭載されてなる遊技機本体(内枠13)と、前記遊技機本体をその背面側から覆うカバー体(裏パック201の保護カバー部212)及び当該カバー体の上方に設けられた球通路(タンク221)を有してなる背面ユニット(裏パックユニット15)と、前記球通路よりも下側であって前記カバー体よって覆われていない領域に遊技機背面側へ露出するようにして設けられた操作手段(操作片701)を有し、前記操作手段の変位に基づいて遊技機の状態を電気的に切り替える切替手段(電源・発射制御装置243)とを備え、前記遊技機本体が支持対象(外枠11)によって開閉可能に支持されている遊技機であって、遊技球が前記操作手段へ衝突することを阻止することにより前記切替手段による切り替えを規制する規制手段(基板ボックス246の突出部252や仕切り部257Y等)を備え、前記規制手段は、前記支持対象に設けられ、前記遊技機本体が前記支持対象に対して閉じている状態においては前記操作手段を覆うとともに、前記遊技機本体が開放されている状態では前記操作手段を覆わないように構成されている」構成を単独で採用してもよい。
特徴E9.各種遊技機器(図柄表示装置94や音声ランプ制御装置143等)が搭載されてなる遊技機本体(内枠13)と、
前記遊技機本体をその背面側から覆うカバー体(裏パック201の保護カバー部212)及び当該カバー体の上方に設けられた球通路(タンク221)を有してなる背面ユニット(裏パックユニット15)と、
前記球通路よりも下側であって前記カバー体よって覆われていない領域に遊技機背面側へ露出するようにして設けられた操作手段(操作片701)を有し、前記操作手段の変位に基づいて遊技機を稼動させるオン状態と遊技機を停止させるオフ状態とに切り替える切替手段(電源・発射制御装置243)と
を備え、
前記操作手段は、遊技球が前記操作手段に対して上側又は遊技機背面側から衝突した場合に、当該衝突に起因した前記オン状態から前記オフ状態への切り替えが回避されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴E9によれば、カバー体によって覆われていない領域に操作手段を配することにより、背面ユニット(カバー体)を取り外したり、変位させたりすることなく切替操作を行うことができる。これにより、切替操作を行う際の作業の容易化に貢献できる。
球通路から遊技球が溢れる等した場合に、それら溢れた遊技球が球通路から零れ落ちることとなる。この際、カバー体によって覆われている部位に同遊技球が当たることはないが、上述の如く操作性の向上等を目的として操作手段をカバー体によって覆われていない領域に配している構成においては当該操作手段に対して遊技球が衝突し得る。このような遊技球の衝突によってオフ状態に切り替わることは、正常な遊技進行の妨げとなるため好ましくない。この点、本特徴に示すように、球通路から落下した遊技球が操作手段に対して上側又は遊技機背面側から衝突した場合に、当該衝突に起因したオン状態からオフ状態への切り替えが回避される構成とすれば、上述した不都合の発生を好適に抑制することができる。また、操作手段を遊技機背面側へ露出させておくことにより、切り替え操作を行う際の操作手段に対するアクセスを容易なものとすることができる。故に、上記効果を享受しつつ、それに起因した作業性の低下を抑制することができる。
特徴E10.前記操作手段は、指掛け操作部(操作片701Y)を有し、
遊技機背面側に開放された開放部(開放部250aY)を有し、前記操作手段を前記指掛け操作部が前記開放部を通じて遊技機背面側へ露出するようにして収容する収容部(スイッチ収容部250Y)を備え、
前記切替手段は、前記オフ状態となっている状況下での前記指掛け操作部の遊技機正面側への変位に基づいて前記オン状態への切り替えを行い、前記オン状態となっている状況下での前記指掛け操作部の遊技機背面側への変位に基づいて前記オフ状態への切り替えを行うものであり、
前記指掛け操作部の外周部は、当該操作手段に対して前記収容部の外側から遊技球が衝突した場合に、同指掛け操作部が変位しない又は遊技機正面側へ変位するようにして形成されていることを特徴とする特徴E9に記載の遊技機。
特徴E10によれば、電源の切替を行う場合には、指掛け操作部を遊技機背面側へ引っ張ることでオフ状態となり、指掛け操作部を遊技機正面側へ押し込むことでオン状態となる。遊技球が収容部の外側から指掛け操作部に対して衝突した場合には、指掛け操作部は変位しない又は遊技機正面側へ変位する(遊技機背面側へ変位することはない)。このため、遊技球の衝突によってオフ状態に切り替ることを抑制することができる。故に、遊技機背面側へ指掛け操作部を露出させる構成を採用したとしてもそれに起因した信頼性の低下を抑えることができる。
特徴E11.前記指掛け操作部は、前記開放部に隣接して設けられ、当該開放部を跨いで前記収容部の内外に変位するように構成されていることを特徴とする特徴E10に記載の遊技機。
操作手段を収容部に収容する構成においては、操作手段(指掛け操作部)が収容部の奥側へ配されることで、誤作動回避機能を向上し得る。しかしながら、このような配置を採用した場合には、指掛け操作部へのアクセスが難しくなり、切り替え作業が行いにくくなると想定される。
そこで、本特徴に示すように、指掛け操作部を開放部に隣接して設け、開放部を跨いで収容部の内外に変位するように構成することで、指掛け操作部へのアクセス及び切替操作の容易化も貢献できる。
特徴E12.前記指掛け操作部は、前記開放部の一部を覆う板状をなすとともに、前記収容部の奥部に対して隙間を隔てて対峙しており、
さらに、前記指掛け操作部はその一端部が前記開放部の縁部に対して隙間を隔てて対峙しており、
それら両隙間が一連となっていることを特徴とする特徴E10又は特徴E11に記載の遊技機。
特徴E12によれば、指掛け操作部と開放部の縁部との隙間を通じて指掛け操作部と奥部との隙間に指を挿入し、当該指を指掛け操作部に遊技機正面側から引っ掛けた状態で引っ張ることにより、オフ状態への切り替えを行うことができる。かかる構成によれば、遊技球が仮に指掛け操作部と開放部の縁部との隙間から収容部内に侵入したとしても、収容部の内壁面にて反射することで減勢され同指掛け操作部をオフ状態となる側へ変位させることは困難になる。これにより、遊技球の衝突によってオフ状態に切り替るといった不都合を好適に回避することができる。
特徴E13.前記指掛け操作部と前記収容部の奥部との隙間寸法は、遊技球の直径寸法よりも小さく設定されており、
前記指掛け操作部の前記一端部と前記開放部の縁部との隙間寸法は、遊技球の直径寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする特徴E12に記載の遊技機。
特徴E13によれば、指掛け操作部の一端部と開放部の縁部との隙間寸法を遊技球の直径寸法よりも大きく設定することで、指掛け操作部に対して指を引っ掛ける作業が難しくなることを抑制することができる。この場合、当該隙間を通じて収容部内に遊技球が侵入し得るが、指掛け操作部と収容部の奥部との隙間寸法を遊技球の直径寸法よりも小さく設定することで、奥部で跳ね返った遊技球が指掛け操作部を遊技機背面側へ押すといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、遊技球の衝突に起因した切り替わりを抑制しつつ、それに起因した操作性の低下を抑えることができる。
特徴E14.前記オン状態又は前記オフ状態への切替操作が行われた場合に、前記指掛け操作部を変位前の位置へと復帰させる復帰手段(電源スイッチ247Yのバネ)を有していることを特徴とする特徴E10乃至特徴E13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E10等に示したように、オン状態とオフ状態との変位方向が逆となる構成を採用することで、誤切替の回避と作業性の向上とを実現している。この際、変位位置で待機すると作業がやりにくくなったり、遊技球との無駄な衝突が発生しやすくなったりする。故に、好ましくは、本特徴に示す復帰手段を採用し、切替操作が行われた後は、指掛け操作部が変位前の位置(初期位置)に復帰する構成とするとよい。
特徴E15.前記遊技機本体は支持対象(外枠11)によって回動可能に支持され、
前記指掛け操作部は、前記遊技機本体の回動中心軸線と同じ方向を向く中心軸線を中心として回動可能となるように支持されており、
さらに、前記指掛け操作部は、当該操作手段の回動基端部が前記遊技機本体の回動先端側、同操作手段の回動先端部が前記遊技機本体の回動基端側となるようにして配されており、同指掛け操作部の回動先端部が遊技機正面側へ変位することでオン状態となり、遊技機背面側へ変位することでオフ状態となるように構成されていることを特徴とする特徴E10乃至特徴E14のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技機本体が支持対象に対して回動可能に支持されている構成においては、本特徴に示すように、指掛け操作部を回動可能とするとともに、当該操作手段の回動基端部が遊技機本体の回動先端側、同操作手段の回動先端部が遊技機本体の回動基端側となるようにして配することで、以下の効果が期待できる。すなわち、遊技機本体を大きく開放するのではなく、同遊技機本体を小さく開放した場合であっても、切替操作を容易に行うことができる。具体的には、遊技機本体と支持対象との隙間から手を差し込んで切替操作を行う際に、指掛け操作部に対して指を引っ掛けた後、そのまま指掛け操作部を遊技機本体の回動先端側へ引き寄せることで、同指掛け操作部が遊技機背面側へ変位する。このため、オフ状態への切替を容易に行うことができる。
特徴E16.各種遊技機器(図柄表示装置94や音声ランプ制御装置143等)が搭載されてなる遊技機本体(内枠13)と、
前記遊技機本体をその背面側から覆うカバー体(裏パック201の保護カバー部212)及び当該カバー体の上方に設けられた球通路(タンク221)を有してなる背面ユニット(裏パックユニット15)と、
前記球通路よりも下側であって前記カバー体よって覆われていない領域に遊技機背面側へ露出するようにして設けられた操作手段(操作片701)を有し、前記操作手段の変位に基づいて遊技機を稼動させるオン状態と遊技機を停止させるオフ状態とに切り替える切替手段(電源・発射制御装置243)と、
遊技機背面側に開放された凹状をなし、前記操作手段を収容する収容部(スイッチ収容部250Y)と
を備え、
前記切替手段は、前記操作手段の遊技機背面側への変位により前記オフ状態に切り替えるものであることを特徴とする遊技機。
特徴E16によれば、カバー体によって覆われていない領域に操作手段を配することにより、背面ユニット(カバー体)を取り外したり、変位させたりすることなく切替操作を行うことができる。これにより、切替操作を行う際の作業の容易化に貢献できる。
球通路から遊技球が溢れる等した場合に、それら溢れた遊技球が球通路から零れ落ちることとなる。この際、カバー体によって覆われている部位に同遊技球が当たることはないが、上述の如く操作性の向上等を目的として操作手段をカバー体によって覆われていない領域に配している構成においては当該操作手段に対して遊技球が衝突し得る。このような遊技球の衝突によってオフ状態に切り替わることは、正常な遊技進行の妨げとなるため好ましくない。この点、本特徴に示すように、球通路から落下した遊技球が操作手段に対して上側又は遊技機背面側から衝突した場合に、当該衝突に起因したオン状態からオフ状態への切り替えが回避される構成とすれば、上述した不都合の発生を好適に抑制することができる。また、操作手段を遊技機背面側へ露出させておくことにより、切り替え操作を行う際の操作手段に対するアクセスを容易なものとすることができる。故に、上記効果を享受しつつ、それに起因した作業性の低下を抑制することができる。
上記特徴E群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、島設備から供給された遊技球を貯留するタンクと、そのタンクに貯留されている遊技球を払い出す払出装置とを備えているものがある。例えば遊技領域に設けられた入賞口や入賞装置等への入球が発生した場合には予め設定された個数の遊技球が球受け皿等に払い出される。
タンクは、遊技機の背面側の上部等に配設されており、島設備からの遊技球の供給を許容すべく上方に開放されている。例えば、タンクの下方には、絵柄表示装置や制御装置等の各種遊技機器が配されており、これら遊技機器を背面側から覆うようにしてカバーが設けられている。これにより、島設備における遊技球供給部やタンク等の球通路から遊技球が零れ落ちた場合等にそれら遊技球が上記遊技機器に衝突することを回避し、同遊技機器の保護を図っている(例えば特開2001−104603号公報参照)。
また、上述したタイプの遊技機においては、遊技に関する各種設定を行うための操作部や、電源投入用の操作部等が同遊技機の背面側に設けられているのが一般的である。このように、遊技機の背面側に操作部を配することにより、同操作部に対する不正なアクセスを抑制することができる。特に、操作部を上記カバーによって覆われていない領域に遊技機後方へ露出するうようにして配することにより、ホール管理者等によって上記操作部の操作が行われる場合に作業が煩雑になることを回避することができる。
しかしながら、上述の如く操作部を遊技機後方に露出させた場合には、作業性の向上に貢献できる反面、上記球通路等から溢れた遊技球が落下した際に、上記操作部に対して衝突する可能性が生じる。このような衝突に起因して操作部が切り替ることは、遊技進行を妨げる要因となったり、遊技者や遊技ホールに不測の不利益を与える要因となったりするため好ましくない。
特徴F1.前面に遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
少なくとも前記遊技領域を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)と、
固有の識別情報が付与された表示面(印字面661a)を有し、前記遊技盤の前面において前記遊技領域外となっている部位に配設されたシート状の識別部材(証紙661)とを備え、
前記扉体に設けられたパネル部(ガラスパネル31,32)を通じて遊技機正面側から前記表示面が視認可能な遊技機であって、
前記識別部材は、前記表示面が前記遊技盤の前面に対して傾いた状態で配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、表示面が遊技盤の前面に対して平行となるように識別部材を配設する場合と比較して、遊技盤の前面における識別部材の占有領域の拡がりを抑えることができる。これにより、遊技盤の前面にて遊技領域と識別部材とを共存させつつ、遊技領域の拡張等を実現することができる。
特徴F2.前記識別部材は、前記遊技盤の前面において前記遊技領域を囲む領域に配設されているとともに、前記表示面が遊技機正面側を向く成分及び前記遊技領域側を向く成分の両成分を有するようにして傾けた状態で配置されていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2に示すように遊技盤の前面において遊技領域を囲む領域に識別部材が配設されている構成においては、同識別部材を表示面が遊技領域側を向く成分を有するようにして傾けた状態で配置することにより、識別部材の占有領域の低減結果を遊技領域の拡張に好適に反映することができる。
また、識別情報を確認する際には、遊技領域中央側から外側へと視線を移すことで識別部材を視認可能となる。この際、識別部材の表示面が作業者側を向くため、上記確認作業の容易化に貢献することができる。
特に、前後に貫通する開口部(窓部21)が形成された枠体(枠体20)と、前記開口部を覆うようにして前記枠体に搭載されたパネル部(ガラスパネル31,32)とを有する遊技機においては、開口部を通じて識別部材を見た場合に表示面の視認が枠体によって妨げられることを抑制することが可能となる。
特徴F3.前記扉体は、前後に貫通する開口部(窓部21)が形成された枠体(枠体20)を有し、
前記パネル部は、前記開口部を覆うようにして前記枠体に搭載されており、
前記遊技盤は、当該遊技盤の端部が前記枠体に遊技機後方から隙間を隔てて対向するように構成されており、
前記識別部材は、前記遊技盤における前記枠体と対向している部分に配されており、前記表示面が遊技機正面側を向く成分及び前記開口部側を向く成分を有するようにして傾けた状態で配置されていることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、遊技盤の端部(外周部)が枠体に対して遊技機正面視にて重なる。かかる構成によれば、同遊技盤の端部の露出が回避され、遊技機の見栄えの向上が期待できる。
識別部材に関してはホール管理者によって視認可能であれば足り、遊技者から視認可能とする必要がない。そこで、遊技盤において枠体と対向している部分に識別部材を配することで、パネル部を通じて視認可能となる遊技領域を一層好適に拡張することができる。
かかる構成を採用した場合であっても、確認作業を行う際に顔を遊技盤に近づけることで上記枠体を回避して識別部材を視認可能となる。特に、識別部材が開口部側を向く成分を有するようにして傾けた状態で配置されていることにより、当該識別部材の視認性を好適に向上することができる。
特徴F4.前記識別部材は、前記開口部寄りとなる位置に配置されていることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
特徴F3に示したように、遊技盤と枠体とで挟まれた位置に識別部材を配置した場合、同識別部材に対して光が届きにくくなることで当該識別部材の視認性が低下すると懸念される。そこで、本特徴に示すように開口部寄りに識別部材を配設すれば、遊技盤と枠体との隙間を通じて外部光等が識別部材に届きやすくなり、識別部材の視認性の担保に貢献できる。
例えば、識別部材を開口部の下側に配するとよい。これにより、ホールの天井等に配設されたライト等からの光を識別部材用の照明として活用しやすくなる。
特徴F5.前記識別部材の傾きは、当該識別部材の前記表示面が向く先に前記開口部の少なくとも一部が位置するように設定されていることを特徴とする特徴F3又は特徴F4に記載の遊技機。
特徴F5によれば、表示面の向く先に開口部の少なくとも一部が位置することにより、同開口部(パネル部)を通じて識別部材を視認する際の当該表示面の視認性を好適に向上することができる。
特徴F6.前記枠体において前記パネル部の下側となる部位には、遊技球を貯留可能な皿部(上皿28a)が遊技機前方に膨出するようにして設けられており、
前記識別部材は、前記皿部の後方に配置されていることを特徴とする特徴F3乃至特徴F5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F1に示したように識別部材が遊技盤において前記枠体と対向している部位に設けられている構成においては、枠体を避けるようにして開口部から遊技機内部を覗き込むことにより、識別部材を視認可能となる。しかしながら、このような姿勢をとるとすれば、作業者にかかる負担が大きくなると想定される。そこで、遊技機前方に膨出する皿部の背後に識別部材を配すれば、当該識別部材を覗き込む際に、皿部に手をかけて体重の一部を遊技機に預けることが可能となり、作業者の負担の軽減に貢献することができる。
本特徴に示すように皿部の背後に識別部材を配設している場合、例えば皿部に識別部材用の視認窓部等を形成することで当該識別部材の視認性を担保することが可能である。しかしながら、かかる構成においては皿部の前後の厚さを考慮すれば、必然的に前後方向における透視窓部の長さが嵩み、目視による確認が許容される方向が限定されやすくなる。皿部が遊技機の中央よりも下側に配置されることを考慮すれば、確認作業を中腰で行う必要が生じ、作業者への負担が大きくなると想定される。この点、本特徴に示す構成に特徴F3等に示した技術的思想を適用し、開口部を通じた覗き込みを許容すれば、確認作業が困難になることを抑制できる。
なお、特徴F3等に示した技術的思想によって識別部材の視認性を担保することにより、皿部に対して上記視認窓部に相当する構成を設ける必要がなくなる。これにより、皿部の大型化による容量増大に好適に実現することができる。
特徴F7.前記遊技盤の前面から前方へ起立して設けられ、当該遊技盤の前面に遊技領域(遊技領域PE)及びその遊技領域へ遊技球を誘導する誘導部(誘導通路103)を区画形成する区画部(誘導レール100)を備え、
前記遊技盤の前面に対する前記識別部材の傾きは、当該識別部材における前側の端部が前記区画部における前側の端部よりも後方となるように設定されていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F1等に示したように、識別部材を傾ける際に同識別部材の前側の端部が遊技盤に設けられた区画部よりも前方へ突出しない構成とすることで、識別部材を傾けることに起因して遊技盤全体の厚さが嵩むことを回避することができる。これにより、遊技機の薄型化を好適に促進することができる。
特徴F8.前記パネル部の後方に位置し、遊技演出又は遊技に関する情報の報知を行う発光部(主表示部690)を備え、
前記パネル部を通じて前記発光部を遊技機前方から視認可能な遊技機であって、
前記発光部は、当該発光部が前記識別部材よりも前記遊技領域寄りとなるようにして同識別部材に並設され、
前記発光部からの光の一部が前記表示面に照射されることを特徴とする特徴F3乃至特徴F7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F3等に示したように遊技盤と枠体とによって挟まれた領域に識別部材を配設する場合には、開口部と対向する位置に識別部材を配設する場合と比較して表示面に届く光量が少なくなる。これにより、表示面の視認性が低下すると懸念される。
ここで、本特徴に示すように遊技演出や情報の報知を担っている発光部から表示面へ光が供給される構成を採用すれば、例えば識別部材用の発光手段を別途設ける構成と比較して、構成の複雑化を抑えることができる。
例えば、遊技機に電源が投入されている状況下においては、上記発光部の発光が継続され、表示面への光の供給が担保される構成とすればよい。
特徴F9.前記発光部は、複数の発光体(発光体691)を有してなり、
遊技機に電源が投入されている状況下においては、前記発光体の何れかによって前記識別部材に光が供給されることを特徴とする特徴F8に記載の遊技機。
識別部材の確認作業は営業時間外に実施されやすい。仮に特定のタイミング(報知や演出が実行されるタイミング:例えば遊技中)でないと識別部材に光が照射されない構成が採用されていると、確認作業時に発光部の照明機能を活用しづらくなると想定される。また、仮にこのような不都合を回避すべく発光部を常時点灯させる構成とした場合には、発光部の演出機能や報知機能の向上の妨げとなり得る。
そこで、本特徴に示すように複数の発光体の何れかによって光が供給される構成とすれば、上記各種不都合の発生を抑えることができ、確認作業の容易化を図りつつ、それに起因した演出・報知機能の低下を抑制することができる。
特徴F10.前記発光体は、前記識別部材における遊技領域側の端部に沿うようにして配列されていることを特徴とする特徴F9に記載の遊技機。
特徴F10に示すように発光体を識別部材における遊技領域側の端部に沿うようにして配列することにより、発光対象によって識別部材の視認性が低下しやすくなることを抑制できる。故に、識別部材の視認性を好適に担保することができる。
特に、複数の発光体によって遊技に関する抽選結果を所定の絵柄で表示する構成においては、その抽選の結果に応じてどの発光体が発光するかが変化し得る。このような構成に対して本特徴に示す構成を適用すれば、発光部の発光態様に依存した視認性の低下を好適に抑制することができる。
特徴F11.前記発光部は、光を発する発光体(発光体691)を有してなり、
前記発光体は、前記識別部材の表示面(印字面661a)が向く先から外れた位置に配置されていることを特徴とする特徴F8乃至特徴F10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F11によれば、発光部(発光体)自身によって識別部材の視認が妨げられることを抑制し、確認作業の容易化に貢献することができる。
特徴F12.前記発光部は、光を発する発光体(発光体691)を有してなり、
前記発光体と前記パネル部との間に位置し、同発光体からの光が遊技機前方に照射されるように規制する光規制部(底部658の貫通孔658a)を備え、
前記識別部材における前記表示面の向きは、前記光規制部によって規制された光の照射方向と異なる方向となるように設定されていることを特徴とする特徴F8乃至特徴F11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F8等に示したように、発光部によって遊技演出や情報の報知を行う構成においては、当該発光部からの光が強くなりやすいと想定される。このため、仮に発光部からの光が、直接目に入ると表示面が見づらくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように、表示面の向きを光規制部によって規制された光の照射方向と異なる方向となるように設定すれば、表示面の確認作業の際に発光体からの光が直接目に入ることを抑制することができる。故に、眩しさ等によって表示面の確認作業が困難になるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴F13.前記発光部及び前記識別部材が搭載されるベース部(遊技領域区画部材650)を備え、
前記ベース部は、
前記発光部の前方に当該発光部に対して隙間を隔てて設けられ、前記発光部からの光を規制する光規制部(底部658の貫通孔658a)と、
前記発光部を収容する収容領域と前記識別部材を収容する収容領域とを仕切壁部(周壁部655)と
を有しており、
前記光規制部によって規制された光が、前記パネル部を通じて遊技機前方に射出され、
前記仕切壁部には、前記両収容領域を連通させる連通口(開放部659)が形成されており、
前記識別部材は、前記連通口に対して対峙するとともに前記発光部からの光が前記連通口を通じて当該識別部材の表示面(印字面661a)に照射されるように配置されていることを特徴とする特徴F8乃至特徴F12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F13によれば、発光部の前方に位置する光規制部によって規制された光が遊技機前方へ射出される構成とすることにより、発光部と光規制部との間に隙間を設ける構成を採用したことに起因して発光演出や報知が不明瞭になることを抑制可能となっている。発光部と光規制部との間に隙間を設けることで、同発光部からの光が発光部用の収容領域内にて拡がりやすくし、同光が連通口を通じて識別部材側の収容領域の広域へ達しやすくしている。
ここで、識別部材を連通口に対して対峙するようにして配置することにより、発光部からの光が連通口を通じて識別部材(表示面)に照射される。故に、発光部自身の演出/報知機能を担保しつつ同発光部からの光を利用した識別部材の視認性の向上を好適に実現することができる。
特徴F14.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(作動口83)と、
前記入球部への入球に基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162において抽選処理を実行する機能)と、
前記発光部を可変表示させるとともに、同発光部にて前記抽選手段による抽選の結果を表示させる発光制御手段(主制御装置162において発光制御処理を実行する機能)と
を備え、
前記発光制御手段は、前記発光部の可変表示の開始から終了までを1遊技回として各遊技回の可変表示が行われるように前記発光部を表示制御するものであり、少なくとも次回の遊技回が開始されるまで前回の抽選結果の点灯表示を継続させる又は予め定められた態様で点灯表示させるものであることを特徴とする特徴F8乃至特徴F13のいずれか1つに記載の遊技機。
既に説明したように識別部材の確認作業は、開店中(例えば遊技中)以外のタイミングで実施される。この際、仮に特定のタイミング(報知や演出が実行されるタイミング)でないと識別部材に光が照射されない構成が採用されていると、光の照射機能を活用しづらくなると想定される。また、仮にこのような不都合を回避すべく発光部を常時点灯させる構成とした場合には、発光部の演出機能や報知機能の向上の妨げとなり得る。
そこで、本特徴に示すように遊技回中でない場合に発光部が点灯表示のままとなる構成(発光部が常時点灯となる構成)を採用すれば、確認作業が行われ得るタイミングにおいては識別部材に対する発光部からの光の供給が継続されることとなる。これにより、上記各種不都合の発生を抑えることができ、確認作業の容易化を図りつつ、それに起因した演出・報知機能の低下を抑制することができる。
上記特徴F群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、前面に遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技盤には、証紙、遊技機製造者が遊技機の製造期日を確認するためのシール、遊技機管理者が遊技機内容を確認するための印字部材等の識別部材が設けられており、遊技機の検査等を行う場合には、遊技機管理者によって識別部材(識別情報)の目視による確認が行われる(例えば、特開2003−10499号公報参照)。
識別部材は遊技盤の隅角部等に配されることが多く、遊技領域の圧迫が抑制されている。特に、同識別部材を遊技機前方から前扉を通じて視認可能とすることにより、前扉の開放を必須とする場合と比較して上記確認作業の効率を向上している。
近年では遊技機の興趣向上等を目的として遊技領域が拡張される傾向にあり、上述した識別部材と遊技領域とを遊技盤の前面にて共存させることが難しくなっている。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、識別情報の視認性を担保しつつ、遊技盤の前面にて遊技領域と識別部材とを好適に共存させることができる遊技機を提供することを目的とするものである。
特徴G1.前面に遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
少なくとも前記遊技領域を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)と、
固有の識別情報が付与された表示面(印字面661a)を有し、前記遊技盤の前面において前記遊技領域外となっている部位に配設された識別部材(証紙661)と
を備え、
前記扉体は、
前後に貫通する開口部(窓部21)が形成された枠体(枠体20)と、
前記開口部を覆うようにして前記枠体に搭載されたパネル部(ガラスパネル31,32)と
を有し、
前記パネル部を通じて前記遊技領域を視認可能となっている遊技機であって、
前記識別部材は、前記遊技盤において前記枠体と対向している部位に設けられているとともに遊技機正面側から視認可能となるように配置されており、
前記遊技盤において前記パネル部に対向している箇所に設けられており、遊技演出又は遊技に関する情報の報知を行う発光部(主表示部690)を備え、
前記発光部は、前記識別部材に並設されているとともに、当該識別部材よりも前記遊技領域側となる位置に配され、前記パネル部を通じて遊技機正面側から視認可能となっており、
前記発光部からの光の一部が前記識別部材に照射されることを特徴とする遊技機。
識別部材(表示面)に関してはホール管理者によって視認可能であれば足り、必ずしも遊技者から視認可能とする必要がない。そこで、識別部材を遊技領域外であって枠体の開口部から外れた位置に配することにより、パネル部を通じて視認可能となる遊技領域の拡張を好適に実現することができる。
しかしながら、遊技盤と枠体とによって挟まれた領域に識別部材を配設する場合には、開口部と対向する位置に識別部材を配設する場合と比較して表示面に届く光量が少なくなる。これにより、識別部材の視認性が低下すると懸念される。
ここで、本特徴に示すように遊技演出や情報の報知を担っている発光部からの光の一部を識別部材に照射させる構成を採用すれば、例えば識別部材用の発光手段を別途設ける構成と比較して、構成の複雑化を抑えることができる。故に、識別部材の視認性を向上しつつそれに起因した構成の複雑化を抑えることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
例えば、遊技機に電源が投入されている状況下においては、上記発光部の発光が継続され、表示面への光の供給が担保される構成とすればよい。
特徴G2.前記発光部は、複数の発光体(発光体691)を有してなり、
遊技機に電源が投入されている状況下においては、前記発光体の何れかによって前記識別部材に光が供給されることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
識別部材の確認作業は、開店前や閉店後等の開店中(例えば遊技中)以外の期間にて実施されやすい。仮に特定のタイミング(報知や演出が実行されるタイミング)でないと識別部材に光が照射されない構成が採用されていると、確認作業時に発光部の照明機能を活用しづらくなると想定される。また、仮にこのような不都合を回避すべく発光部を常時点灯させる構成とした場合には、発光部の演出機能や報知機能の向上の妨げとなり得る。
そこで、本特徴に示すように複数の発光体の何れかによって光が供給される構成とすれば、上記各種不都合の発生を抑えることができ、確認作業の容易化を図りつつ、それに起因した演出・報知機能の低下を抑制することができる。
特徴G3.前記発光体は、前記識別部材における遊技領域側の端部に沿うようにして配列されていることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
特徴G3に示すように発光体を識別部材における遊技領域側の端部に沿うようにして配列することにより、発光対象によって識別部材の視認性が低下しやすくなることを抑制できる。故に、識別部材の視認性を好適に担保することができる。
特に、複数の発光体によって遊技に関する抽選結果を所定の絵柄で表示する構成においては、その抽選の結果に応じてどの発光体が発光するかが変化し得る。このような構成に対して本特徴に示す構成を適用すれば、発光部の発光態様に依存した視認性の低下を好適に抑制することができる。
特徴G4.前記発光部は、光を発する発光体(発光体691)を有してなり、
前記発光体は、前記識別部材の表示面(印字面661a)が向く先から外れた位置に配置されていることを特徴とする特徴G1乃至特徴G3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G4によれば、発光部(発光体)によって識別部材の視認が妨げられることを抑制することができ、確認作業の容易化に貢献することができる。
特徴G5.前記発光部は、光を発する発光体(発光体691)を有してなり、
前記発光体と前記パネル部との間に位置し、同発光体からの光が遊技機前方に照射されるように規制する光規制部(底部658の貫通孔658a)を備え、
前記識別部材における前記表示面の向きは、前記光規制部によって規制された光の照射方向と異なる方向となるように設定されていることを特徴とする特徴G1乃至特徴G4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G1に示したように、発光部によって遊技演出や情報の報知を行う構成においては、当該発光部からの光が強くなりやすいと想定される。このため、発光部からの光が、直接目に入ると表示面が見づらくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように、表示面の向きを光規制部によって規制された光の照射方向と異なる方向となるように設定すれば、表示面の確認作業の際に発光体からの光が直接目に入ることを抑制することができる。故に、眩しさ等によって表示面の確認作業が困難になるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴G6.前記発光部及び前記識別部材が搭載されるベース部(遊技領域区画部材650)を備え、
前記ベース部は、
前記発光部の前方に当該発光部に対して隙間を隔てて設けられ、前記発光部からの光を規制する光規制部(底部658の貫通孔658a)と、
前記発光部を収容する収容領域と前記識別部材を収容する収容領域とを仕切壁部(周壁部655)と
を有しており、
前記光規制部によって規制された光が、前記パネル部を通じて遊技機前方に射出され、
前記仕切壁部には、前記両収容領域を繋ぐ開口部(開放部659)が形成されており、
前記識別部材は、前記開口部に対して対峙するとともに前記発光部からの光が前記開口部を通じて当該識別部材の表示面(印字面661a)に照射されるように配置されていることを特徴とする特徴G1乃至特徴G5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G6によれば、発光部の前方に位置する光規制部によって規制された光が遊技機前方へ射出される構成とすることにより、発光部と光規制部との間に隙間を設ける構成を採用したことに起因して発光が不明瞭になることを抑制可能となっている。発光部と光規制部との間に隙間を設けることで、同発光部からの光が発光部用の収容領域内にて拡がりやすくし、同光が開口部を通じて識別部材側の収容領域の広域へ達しやすくしている。
ここで、識別部材を開口部に対して対峙するようにして配置することにより、発光部からの光が開口部を通じて識別部材(表示面)に照射される。故に、発光部自身の演出/報知機能を担保しつつ同発光部からの光を利用した識別部材の視認性の向上を好適に実現することができる。
特徴G7.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(作動口83)と、
前記入球部への入球に基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162において抽選処理を実行する機能)と、
前記発光部を可変表示させるとともに、同発光部にて前記抽選手段による抽選の結果を表示させる発光制御手段(主制御装置162において発光制御処理を実行する機能)と
を備え、
前記発光制御手段は、前記発光部の可変表示の開始から終了までを1遊技回として各遊技回の可変表示が行われるように前記発光部を表示制御するものであり、少なくとも次回の遊技回が開始されるまで前回の抽選結果の点灯表示を継続させる又は予め定められた態様で点灯表示させるものであることを特徴とする特徴G1乃至特徴G6のいずれか1つに記載の遊技機。
既に説明したように識別部材の確認作業は、開店中(例えば遊技中)以外のタイミングで実施される。この際、仮に特定のタイミング(報知や演出が実行されるタイミング)でないと識別部材に光が照射されない構成が採用されていると、光の照射機能を活用しづらくなると想定される。また、仮にこのような不都合を回避すべく発光部を常時点灯させる構成とした場合には、発光部の演出機能や報知機能の向上の妨げとなり得る。
そこで、本特徴に示すように遊技回中でない場合に発光部が点灯表示のままとなる構成(発光部が常時点灯となる構成)を採用すれば、確認作業が行われ得るタイミングにおいては識別部材に対する発光部からの光の供給が継続されることとなる。これにより、上記各種不都合の発生を抑えることができ、確認作業の容易化を図りつつ、それに起因した演出・報知機能の低下を抑制することができる。
上記特徴G群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、前面に遊技領域が形成された遊技盤と当該遊技盤(遊技領域)を遊技機前方から覆う扉体とを備えているものがある。扉体には前後に開放された開口部が形成されており、当該開口部を通じて遊技領域を視認可能となっている。
遊技盤には、証紙、遊技機製造者が遊技機の製造期日を確認するためのシール、遊技機管理者が遊技機内容を確認するための印字部材等の識別部材が設けられており、遊技機の検査等を行う場合には、遊技機管理者によって識別部材(識別情報)の目視による確認が行われる(例えば、特開2003−10499号公報参照)。
識別部材は遊技盤の隅角部等に配されることが多く、遊技領域の圧迫が抑制されている。特に、同識別部材を遊技機前方から上記開口部(パネル部)を通じて視認可能とすることにより、前扉の開放を必須とする場合と比較して上記確認作業の効率を向上している。
近年では遊技機の興趣向上等を目的として遊技領域が拡張される傾向にあり、これに合わせて扉体の開口部についても大型化されている。しかしながら、遊技機の大きさには限りがあり、遊技領域や開口部の大型化には限度ある。このように、限られた領域を利用して遊技機の興趣向上を図る上では、開口部と遊技領域及び識別部材との関係に未だ改善の余地がある。
特徴H1.遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤の前面から遊技機前方へ起立して、当該遊技盤の前面に遊技領域(遊技領域PE)及びその遊技領域へ遊技球を誘導する誘導部(誘導通路103)を区画形成する区画部(誘導レール100)と、
前記遊技盤を着脱可能に支持する支持枠(内枠13)と、
少なくとも前記遊技領域を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)と
を備え、
前記支持枠に対して前記遊技盤が遊技機前方から取り付けられ、前記扉体に設けられたパネル部(ガラスパネル31,32)を通じて前記遊技領域を視認可能となっており、
前記遊技領域に設けられた入球部(例えば一般入賞口81)への入球に基づいて、遊技者に特典が付与される遊技機において、
前記遊技盤に設けられ、前記区画部の少なくとも一部を前記遊技領域の外側から覆うカバー部(レールカバー400)を備え、
前記カバー部における前側の端部は、前記区画部における前側の端部よりも前記パネル部側へ突出するようにして形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、区画部の少なくとも一部を遊技領域の外側から覆うカバー部を採用することにより、以下の効果が期待できる。すなわち、仮に支持枠と扉体との境界部位を介してワイヤ等の不正具が挿入された場合には、同不正具の遊技領域(例えば入球部)へ向けた移動を同カバー部によって妨げることができる。特に、カバー部における前側の端部が区画部における前側の端部よりもパネル部側へ突出しているため、当該カバー部を越えて遊技領域へ到達することを困難にすることができる。故に、例えば入球部への入球頻度を不正に高める(特典を不正に取得する)といった行為を難しくして防犯機能の向上に貢献することができる。
特徴H2.前記カバー部は、前記区画部に対向する壁状をなしており、
前記カバー部における前記遊技盤側の端部は、同遊技盤の前面に対して当接していることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
支持枠と扉体との境界部位を介してワイヤ等の不正具が挿入された場合には、同不正具が遊技盤の前面に沿うようにして移動し得る。ここで、カバーにおける遊技盤側の端部を同遊技盤の前面に対して当接させておくことにより、以下の効果が期待できる。すなわち、遊技盤に沿って移動する不正具がカバー部と遊技盤との間をすり抜けて区画部へ到達することを抑制し、カバー部による防犯機能を好適に発揮させることができる。
特徴H3.前記扉体は、前記支持枠に対して回動可能に取り付けられており、
前記カバー部は、前記区画部において前記扉体の回動基端部寄りとなる部分を覆うようにして配設されていることを特徴とする特徴H1又は特徴H2に記載の遊技機。
遊技盤を支持枠に対して遊技機後方から取り付ける構成を想定した場合、カバー部に相当する構成を支持枠に設けることが可能である。一方、特徴H1等に示したように遊技盤を支持枠に対して遊技機前方から取り付ける構成においては、上述の如く遊技機後方から取り付ける構成と比較して遊技盤の着脱作業の容易化を実現することができるものの、カバー部に相当する構成を支持枠に設けることが困難になる。また、カバー部によって区画部における扉体の回動基端部寄りとなる部分を覆う構成においては、扉体側にカバー部に相当する構成を適用することが可能であるものの、かかる構成を採用することで以下の不都合を招来し得る。すなわち、遊技領域の外側から区画部を覆うことで扉体を開閉する際にカバー部が通過する経路と区画部との干渉を回避する必要が生じ、それらカバー部や区画部の起立量等に制約が生じやすくなる。これは、遊技球の誘導機能の担保や防犯機能の向上の妨げとなるため好ましくない。
この点、本特徴に示す構成に対して特徴H1等に示した構成(遊技盤にカバー部を配設する構成)を適用すれば、それら各種不都合を回避しつつ、防犯機能を向上することが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴H4.前記カバー部は、前記区画部において少なくとも前記誘導部の入口部分(入口部分104)を構成している箇所を前記遊技領域の外側から覆うようにして配置されていることを特徴とする特徴H1乃至特徴H3のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技領域への不正具の侵入を抑制する上では、例えば区画部における前側の端部をパネル部等に近づけることにより、区画部自体に防壁としての機能を付与することも可能である。しかしながら、区画部によって遊技球を誘導する構成においては、遊技球の誘導機能を好適に発揮させることを目的として誘導部への入口部分にて区画部の傾きや曲り具合等の調整が行われることがあり、このような調整が行われた場合には区画部とパネル部等との隙間が大きくなり得る。このため、入口部分においては他の部分と比較して不正具の侵入が容易になりやすいと懸念される。そこで、本特徴に示すようにカバー部によって少なくとも上記入口部分を覆う構成とすれば、遊技機における防犯機能を好適に向上させることができる。
特徴H5.遊技球を発射する遊技球発射装置(遊技球発射機構110)を備え、
前記遊技球発射装置は、遊技球の発射方向を規定する発射レール(発射レール112)を有し、
前記誘導部は、当該誘導部の前記入口部分が前記発射レールの延長上に位置するようにして形成されており、
前記カバー部は、前記区画部に対向する壁状をなしており、
前記カバー部において少なくとも前記区画部における前記入口部分を構成している箇所の外側に位置している部分は、前記区画部との間隔が拡がる側への変形又は変位が許容されていることを特徴とする特徴H1乃至特徴H4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H1等に示したように区画部によって遊技球を誘導する構成においては、遊技球発射装置から発射された遊技球を円滑に誘導すること(遊技球の飛びを安定させること)等を目的として、誘導部への入口部分(遊技球の着地位置付近)にて区画部の傾きや曲り具合等の調整が行われやすい。仮に、カバー部を変形/変位不能に固定した場合には、許容される調整代が小さくなるだけでなく、調整作業を困難にする要因となり得る。
この点、本特徴によれば、カバー部を区画部との間隔が拡がる側へ変形又は変位可能とすることにより、上記調整代の担保を図ることができる。更には、上記調整作業を行う際に、指等でカバー部を区画部から引き離すことが可能となり、作業スペースを容易に確保できる。故に、カバー部を採用して防犯機能の向上を図りつつ、それに起因した区画部の調整機能の低下及び調整作業の煩雑化を好適に抑制することができる。
特徴H6.前記カバー部は、前記区画部に沿って延びているとともに、撓み変形可能な弾性体によって構成されており、
さらに、前記カバー部は前記遊技盤の前面に沿った撓み変形と比較して同遊技盤の厚さ方向への撓み変形が困難となるように構成されていることを特徴とする特徴H5に記載の遊技機。
特徴H5に示したようにカバー部の撓み変形を許容する構成においては、当該カバー部に対して不正具を引っ掛ける等してカバー部を撓ませるといった行為が行われる可能性がある。このような行為によってカバー部とパネル部との間隔が拡がったり、カバー部と遊技盤との間隔が拡がったりすることは、当該カバー部の回避が容易になる要因となるため好ましくない。そこで、本特徴に示すように、遊技盤の前面に沿った撓み変形と比較して同遊技盤の厚さ方向への撓み変形が困難となるように構成すれば、上述した調整作業の容易化を図りつつ、上記不正行為を困難なものとし、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴H7.前記カバー部は、前記区画部に沿って延びているとともに、撓み変形可能な弾性体によって構成されており、
さらに、前記カバー部は、前記入口部分に対して当該カバー部の長手方向にてずれた位置で前記遊技盤に固定されているとともに、少なくとも前記入口部分側の端部が自由端となっていることを特徴とする特徴H5又は特徴H6に記載の遊技機。
特徴H7によれば、カバー部を撓み変形させることにより、当該カバー部を入口部分から遠ざけることができる。このため、カバー部を取り外すことなく上記調整作業を行うことが可能となる。特に、固定箇所を入口部分に対して当該カバー部の長手方向にてずれた位置に配しているため、作業スペースを一層容易に確保することができる。
特徴H8.前記固定箇所は、前記入口部分に対して遊技球の発射方向における先側となる位置に配されていることを特徴とする特徴H5乃至特徴H7のいずれか1つに記載の遊技機。
区画部の調整作業をする際には、着地箇所をピンポイントで変形させるのではなく、その周辺部位を含んだ所定の範囲を滑らかに変形させることが好ましい。上述したように入口部分にて遊技球が着地する構成においては、入口部分側の端部から撓ませることにより上述した滑らかな変形を実現できる。そこで、固定箇所を入口部分に対して遊技球の発射方向における先側に配し、カバー部における入口部側の端部を自由端とすることにより、調整を好適に行うことが可能となり、球飛びの安定化等に貢献することができる。
特徴H9.前記カバー部は、当該カバー部の先端部の少なくとも一部が前記区画部と前記パネル部との間に介在するようにして形成されていることを特徴とする特徴H5乃至特徴H8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H5等に示したように、カバー部の撓み変形を許容する構成においては、不正具によってカバー部をパネル部から遠ざかる側へ撓ませることで同カバー部とパネル部との隙間を拡げることにより、不正具の侵入ルートを確保するといった試みがなされると想定される。
ここで、本特徴に示すように、パネル部と区画部との間にカバー部の先端部を介在させる構成(カバー部がパネル部と区画部とによって挟まれる構成)とすれば、上述したような隙間の拡がりを好適に抑えることができる。これにより、更なる防犯機能の向上が期待できる。
特徴H10.前記カバー部における前側の端部には、前記遊技領域側に凸となる突部(対向部472)が形成されており、
前記扉体が閉じている場合に前記突部が前記パネル部と前記区画部との間に留まるようにして前記カバー部の変形又は変位を規制する規制部(枠体20のストッパ部20a)を有し、
前記扉体が開放されている状況下においては、前記規制部による規制が解除されることにより、遊技機正面視にて前記区画部と前記突部との重なりが回避される位置への前記カバー部の変形又は変位が許容されることを特徴とする特徴H5乃至特徴H9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H5等に示したように、カバー部の撓み変形を許容する構成においては、不正具によってカバー部をパネル部から遠ざかる側へ撓ませることで同カバー部とパネル部との隙間を拡げることにより、不正具の侵入ルートを確保するといった試みがなされると想定される。
ここで、本特徴に示すように、パネル部と区画部との間にカバー部の先端部を介在させる構成(カバー部がパネル部と区画部とによって挟まれる構成)とすれば、上述したような隙間の拡がりを好適に抑えることができる。これにより、更なる防犯機能の向上が期待できる。
また、扉体を開放した場合には、区画部と突部との重なりを回避可能となることにより、突部によって上述した調整作業が妨げられるといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、防犯機能の向上を図りつつそれに起因した作業性の低下を好適に抑制することができる。
特徴H11.前記扉体は、前記支持枠に対して回動可能に取り付けられており、
前記カバー部は、前記区画部において前記扉体の回動基端部寄りとなる部分を覆うようにして配設されており、
前記扉体には、当該扉体が前記遊技機本体に対して閉じている場合に前記カバー部に対して前記区画部とは反対側に位置し、前記カバー部に対して当接することで当該カバー部の変形又は変位を規制する規制部(枠体20のストッパ部20a)が形成されており、
前記扉体が開放されることにより、前記規制部による前記規制が解除されることを特徴とする特徴H5乃至特徴H10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H11によれば、特徴H3に示した効果に加え、以下の効果が期待できる。すなわち、扉体が回動可能な構成において上述したように扉体にカバー部に相当する構成を設けることは、区画部による誘導機能の向上やカバー部による防犯機能の向上の妨げとなるため好ましくない。そこで、遊技盤にカバー部を設けるととともに扉体にカバー部の変位を規制する規制部(区画部を覆う機能を有さない単なるストッパとしての規制部)を設ける構成とすれば、当該規制部によってカバー部の不要な変形/変位を規制することができ、更なる防犯機能の向上に貢献することができる。
なお、作業ミス等によってカバー部が正規の位置に復帰していない場合には、カバー部と規制部とが干渉することにより扉体の閉位置への変位を妨げる構成とすることが好ましい。これにより、上記調整作業を行った後にカバー部を復帰させるのを忘れる等して、同カバー部による防犯機能が上手く発揮されなくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴H12.前記支持枠には、前記遊技盤の一側部が挿入される遊技盤挿入部(挿入部290)が設けられており、
前記遊技盤は、前記遊技盤挿入部に挿入された状態で当該遊技盤挿入部により支持される被支持部を有し、前記被支持部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記区画部は、前記誘導部が前記遊技領域よりも前記遊技盤挿入部側となるように構成されており、
前記カバー部は、前記被支持部に一体的に設けられており、前記区画部において少なくとも前記誘導部を区画形成している部分を前記遊技盤挿入部側から覆っていることを特徴とする特徴H1乃至特徴H11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H12によれば、遊技盤の一側部を遊技盤挿入部に挿入した状態で同遊技盤挿入部を中心として同遊技盤を回動させることにより当該遊技盤を着脱することができる。遊技盤挿入部へ遊技盤の一側部を挿入させる場合、区画部における遊技盤挿入部側となる部分が同区画部における他の部分と比べて支持枠等に対して衝突しやすいと想定される。そこで、区画部において遊技盤挿入部側となる部分をカバー部によって覆うことにより、区画部の保護機能を好適に向上させることができる。
また、遊技盤を支えることができるように、ある程度の強度を確保されている部分(被支持部)に対してカバー部を一体的に設けることにより、被支持部を遊技盤に対して固定するための構成をカバー部を固定するための手段として活用することができる。これにより、遊技盤の前面にてカバー部の固定にかかる占有領域が無駄に拡がることを抑え、遊技領域とカバー部とを好適に共存させることができる。
特徴H13.前記被支持部は、前記遊技盤に対する取付部(例えばベース部410)を有し、
前記カバー部は、前記取付部から延設されていることを特徴とする特徴H12に記載の遊技機。
特徴H13に示すように、カバー部を取付部から延設することにより、カバー部の取り外しを規制しつつ、同カバー部の変形を好適に実現することができる。このように、カバー部及び被支持部の取り付け構造を共用とすることにより、遊技盤の前面領域における取り付けにかかる構成の占有領域の拡がりを好適に抑えることができる。
特徴H14.遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤の前面から遊技機前方へ起立して、当該遊技盤の前面に遊技領域(遊技領域PE)及びその遊技領域へ遊技球を誘導する誘導部(誘導通路103)を区画形成する区画部(誘導レール100)と、
前記遊技盤を着脱可能に支持する支持枠(内枠13)と、
少なくとも前記遊技領域を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)と
を備え、
前記支持枠に対して前記遊技盤が遊技機前方から取り付けられ、前記扉体に設けられたパネル部(ガラスパネル31,32)を通じて前記遊技領域を視認可能となっており、
前記遊技領域に設けられた入球部(例えば一般入賞口81)への入球に基づいて、遊技者に特典が付与される遊技機において、
前記遊技盤に設けられた遊技部品(レールカバー400)を備え、
前記遊技部品は、少なくともその一部(例えば延出部470の対向部472)が前記区画部と前記パネル部との間に介在するようにして形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴H14に示すように区画部によって誘導部が区画形成されている場合には、遊技球の誘導機能を安定して発揮させること等を目的として、遊技機の出荷時や遊技ホールでのメンテナンス時等に遊技盤の前面に対する傾きが調整されることがある。このため、区画部とパネル部との隙間は多様になりやすい。このため、区画部とパネル部との隙間については、ワイヤ等の不正具を遊技領域に到達させるといった不正行為が行われる際の足掛かりとして狙われやすい。
この点、本特徴に示すように、遊技盤に設けられた遊技部品の少なくとも一部を区画部とパネル部との間に介在させることにより、当該隙間を通じた遊技領域への侵入を妨げることができる。これにより、故に、例えば入球部への入球頻度を不正に高める(特典を不正に取得する)といった行為を難しくして防犯機能の向上に貢献することができる。
また、遊技盤及び扉体が支持枠に対して取り付けられている場合には、それら遊技盤と扉体(詳しくはパネル部)との位置関係がばらつきやすい。そこで、防犯機能が付与された遊技部品を扉体側ではなく遊技盤側(区画部の配設対象と同一対象)に設けることで、遊技盤と扉体との位置ばらつきに起因した同遊技部品の防犯機能の低下を抑えることができる。
特徴H15.前記遊技部品は、前記遊技盤の前面から遊技機前方に起立し、その先端部が前記区画部と前記パネル部との間に介在しており、
前記先端部は、前記パネル部に対して当接又は近接していることを特徴としていることを特徴とする特徴H14に記載の遊技機。
特徴H15によれば、遊技部品と区画部との隙間を通じて不正具が挿入されるといった不都合を好適に抑制することができる。
例えば、遊技盤から起立している部分を遊技領域外側から区画部を覆う壁状に形成することにより、区画部と遊技部品(詳しくは上記先端部)との隙間を狙って不正具を挿入するといった行為を難しくすることができる。これにより、更なる防犯機能の向上が期待できる。
なお、特徴H14及び特徴H15に対して特徴H1〜特徴H13に示した各技術的思想を適用することも可能である。
上記特徴H群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には遊技盤が枠体に搭載されてなる遊技機本体を備えているものがある。遊技盤には遊技領域を区画する区画部として誘導レール等が設けられており、同遊技領域には遊技球が入球可能な入球部が配設されている。遊技者等により特定の操作が行われた場合には、遊技球発射装置から遊技球が発射され、同遊技球が上記誘導レールによって遊技領域へと導かれる。遊技領域へ到達した遊技球が入球部へ入った場合には、当該入球に基づいて当否抽選や遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与されることとなる。
遊技機本体には遊技領域を正面側から覆うようにして扉体が取り付けられており、同扉体によって遊技領域(詳しくは入球部)の露出が抑えられている。扉体はガラス等のパネル部を有しており、このパネル部を通じて遊技領域の視認性が担保されている(例えば、特開2008−104468号公報参照)。
この種の遊技機においては、遊技機本体と扉体との境界部位や扉体に設けられた遊技球払出用の開口部等を通じて挿入したワイヤ等の不正具を遊技領域に到達させることにより、当該不正具を上記入球部へのガイドとしたり、当該不正具によって通常は遊技球が入球しないように閉鎖している入球部を開放させたりするといった行為がなされる可能性がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル45)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘87等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、11…支持対象としての外枠、13…遊技機本体としての内枠、14…扉体としての前扉枠、15…背面ユニットとしての裏パックユニット、20…扉枠又は枠体としての枠体、20a…規制部としてのストッパ部、21…開口部としての窓部、30…パネルユニットとしてのガラスユニット、28a…皿部としての上皿、32…パネル部材又はパネル部としてのガラスパネル、33…パネルホルダとしてのガラスホルダ、39…規制手段を構成する延出部、70…支持枠としての樹脂ベース、71,72…支持部としての支持金具、73…遊技盤収容部、80…遊技盤、81…一般入賞口、83…入球部としての作動口、94…各種遊技機器を構成する図柄表示装置、100…区画部としての誘導レール、101…内レール、102…外レール、102a…頂部、103…誘導部としての誘導通路、110…発射装置としての遊技球発射機構、112…発射レール、143…各種遊技機器を構成する音声ランプ制御装置、162…主制御装置、201…裏パック、212…カバー体としての保護カバー部、221…球通路としてのタンク、243…切替手段を構成する電源・発射制御装置、246…基板ボックス、250aY,250bY…開放部、遊技機本体としての内枠、252…規制手段としての突出部、251…対向板部、271…ストッパ部、275…阻止手段を構成する受け部、290…挿入部、400…カバー部としてのレールカバー、410…ベース部、420…起立部、421…湾曲部、430…アーム部、431…阻止手段を構成する突起431、450…規制手段を構成する対向部、451…第1対向部、452,453…第2対向部、472…突部としての対向部、650…遊技領域区画部材、655…仕切壁部としての周壁部、658…光規制部を構成する底部、658a…光規制部を構成する貫通孔、659…連通口としての開放部、660…識別ユニット、661…識別部材としての証紙、661a…表示面としての印字面、671…証紙ホルダ、690…発光部としての主表示部、691…発光体、701…操作手段としての操作片、701Y…指掛け操作部としての操作片、702…第1操作部、703…第2操作部、LE…下側開放領域、PE…遊技領域、UE…上側開放領域。

Claims (1)

  1. 各種遊技機器が搭載されてなる遊技機本体と、
    前記遊技機本体をその背面側から覆うカバー体及び当該カバー体に併設された球通路を有してなる背面ユニットと、
    前記球通路よりも下側であって前記カバー体によって覆われていない領域に遊技機背面側へ露出するようにして設けられた操作手段を有し、前記操作手段の変位に基づいて遊技機を稼動させるオン状態又は遊技機を停止させるオフ状態に切り替える切替手段と
    を備えた遊技機において、
    前記操作手段は、回動可能に設けられた指掛け操作部を有し、
    前記指掛け操作部を遊技機背面側に開放する開放部を通じて遊技機背面側へ露出するようにして前記操作手段を収容する収容凹部を備え、
    前記切替手段は、前記オフ状態となっている状況下での前記指掛け操作部の遊技機正面側への変位に基づいて前記オン状態への切り替えを行い、前記オン状態となっている状況下での前記指掛け操作部の遊技機背面側への変位に基づいて前記オフ状態への切り替えを行うものであり、
    前記指掛け操作部は、前記操作手段に対して前記収容凹部の外側から遊技球が衝突した場合に、変位しない又は遊技機正面側へ変位するようになっており、
    前記収容凹部は、当該収容凹部の奥部が前記指掛け操作部と隙間を挟んで対峙し、当該隙間が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように形成され、当該収容凹部の開口縁と前記指掛け操作部の回動先端部との隙間が遊技球の直径寸法よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする遊技機。
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