以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、打球発射装置が遊技球を発射する速さ(すなわち、遊技球を弾くばねの強さ)を調整する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
遊技者は、操作ノブ5を回転させることにより、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができる。具体的には、操作ノブ5を右に回転させていくことにより、打球発射装置から発射される遊技球の速さが徐々に増していき、所定の速さを越えると、発射された遊技球は打球レールを通って上方より遊技領域7の左側領域に入る。さらに操作ノブ5を右に回転させていくと、発射された遊技球は上方より遊技領域7の右側領域に入る。よって、操作ノブ5を右に回転させた状態で回転量を変化させることで、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができ、遊技球を打ち込む領域を調整することができる。
ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には誘導レールで区画された遊技領域7が形成されている。
遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置20が配置されている。また、可変入賞球装置20の左方には、始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置61が設けられている。なお、始動入賞口203は、普通可変入賞球装置61が、内在している後述する舌部63’が、遊技球が通過する通路に進出状態(突出状態ともいう)になることによって入賞可能になる。また、始動入賞口203(図17参照)は、普通可変入賞球装置61が後退状態(没状態ともいう)になることによって入賞が困難となる。つまり、普通可変入賞球装置61は、普通可変入賞球装置61が進出状態であるときは、後退状態に比較して、入賞しやすい状態となる。尚、普通可変入賞球装置61が後退状態になるときには、入賞が完全に不能とするようにしてもよい。始動入賞口203に入った入賞球は遊技盤6の背面に導かれて始動口スイッチ60によって検出される。
可変入賞球装置20内の右下方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する可変表示装置としての特別図柄表示器8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、特別図柄表示器8は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、打球が始動入賞口に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである。
なお、小型の表示器は、方形状に形成されている。また、特別図柄表示器8は、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
特別図柄表示器8の下方には、始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、特別図柄表示器8での可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技球が始動入賞口203に入賞し始動口スイッチ60によって検出され、特別図柄表示器8に所定の数字(または、記号)が導出表示された場合には、可変入賞球装置20が所定の回数開閉制御される。開閉制御によって、可変入賞球装置20の上方に設けられた開放扉76A,76Bが連動して開放状態となることによって、可変入賞球装置20は開放状態になり、開放扉76A,76Bが連動して閉鎖状態に戻ることによって可変入賞球装置20は閉鎖状態になる。このように始動口スイッチ60の入賞検出に応じて可変入賞球装置20が開放動作を行う状態を始動動作状態という。以下、可変入賞球装置20を、役物ということがある。また、遊技盤6には種々の役物が設けられているが、以下、役物という場合には、可変入賞球装置20を意味する。
可変入賞球装置20の内部における背面側には、演出表示を行うLCDなどによる演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する。この実施の形態では、演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
特別図柄表示器8の上方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。可変入賞球装置20の下方に設けられているゲート32を遊技球が通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄(この例では、緑色と赤色とに交互に点灯を繰り返す6つのLED)の可変表示が開始される。この実施の形態では、縦方向に並ぶ6つのLEDが緑色に点灯した状態と赤色に点灯した状態とに交互に変化することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に6つのLEDが緑色に点灯した状態で停止すれば当りとなる。当りの場合には、普通可変入賞球装置61が所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の左上方(演出表示装置9の右下方)には、ゲート32を通過した通過球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32の通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
可変入賞球装置20の下方には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板16が開状態にされる大入賞口が設けられている。開閉板16は、大入賞口を開閉する手段である。大入賞口に入った入賞球はカウントスイッチ23で検出される。
また、ゲート32の下方には入賞口(普通入賞口)33が設けられ、大入賞口の左上方には入賞口(普通入賞口)38が設けられ、さらに入賞口38の左上方には入賞口(普通入賞口)39が設けられている。遊技球の入賞口33,38,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ33a,38a,39aによって検出される。入賞口33,38,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口203も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成し、大入賞口の内部にも入賞領域が設けられている。入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の遊技球が景品(賞球)として遊技者に払い出される。
また、遊技領域7上において、ゲート32、開閉板16によって開閉される大入賞口および入賞口33は、一体化された部材34として形成されている。入賞口33はゲート32の真下に位置しており、ゲート32を通過した遊技球のみが入賞口33に入賞可能である。具体的には、遊技領域7上において、ゲート32の左右両側に円弧状に前面側に突出した円弧状部材30が設けられており、入賞口33の上方はゲート32の箇所を除いて円弧状部材30によって覆われた状態となっている。そのため、この実施の形態では、遊技球がゲート32を通過したときにのみ入賞口33に入賞することが可能であり、円弧状部材30に阻まれることによって他方向から遊技球が入賞口33に入賞することはない。なお、ゲート32を通過した遊技球のみが入賞口33に入賞可能な構成とするために、例えば、円弧状部材30に代えて、入賞口33の上方を覆うように(遊技球が通過可能な隙間がないように)釘を複数配置するようにしてもよい。
入賞口33の下部には前面側に突出した突出部33b(この実施の形態では、遊技機を上面側から見たときに、突出部33bは前面側に三角形状に突出している)が設けられている。ゲート32を通過した遊技球は、まず突出部33bに当り、うまく後方側に跳ねると入賞口33に入賞する。また、ゲート32を通過したものの、突出部33bに当たった際に左方向や右方向に跳ねた場合には、うまく入賞口33に入賞しない場合もある。また、ゲート32と入賞口33との間には、釘を配置することが可能な釘用穴32bが設けられており、釘用穴32bに釘を配置したり、配置した釘の角度を調整したりすることによって、ゲート32を通過したい遊技球が入賞口33に入賞する確率を変えることができる。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(可変入賞球装置20等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を落下する。打球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄表示器10での普通図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、普通図柄始動記憶表示器41における点灯するLEDを1増やす。普通図柄表示器10に表示された停止図柄が予め決められた表示結果(当り図柄)であった場合に、普通可変入賞球装置61が所定回数、所定時間だけ進出状態になり、打球が、始動入賞口203に進入可能になる。そして、打球発射装置から発射された打球が始動入賞口203に入り始動口スイッチ60で検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、特別図柄始動記憶表示器18aにおける点灯するLEDを1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄(「0」〜「9」)の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果:具体的には、例えば「7」)であると、大当り遊技状態のうちの第1大当り遊技状態(始動動作状態を経ずに開始される大当り遊技状態)に移行する。また、停止時の特別図柄が小当り図柄(所定の表示結果:具体的には、例えば「1」、「3」、「5」)である場合には、始動動作状態に移行する。始動動作状態において、可変入賞球装置20の内部に設けられている特定領域に遊技球が入賞すると、第2大当り遊技状態(始動動作状態を経た後に開始される大当り遊技状態)に移行する。
次に、可変入賞球装置20について、図2〜図15を参照して説明する。図2は、可変入賞球装置20を右斜め上方から見た斜視図である。図2に示すように、可変入賞球装置(役物)20内の上方には、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bの2つの開放扉が設けられている。また、可変入賞球装置20内の上方には、遊技球が進入する第1進入口71および第2進入口72(図2において図示せず)の2つの進入口が設けられている。この実施の形態では、第1開放扉76Aが閉鎖状態である場合には、第1開放扉76Aによって第1進入口71が覆われた状態となり、第1進入口71に遊技球は進入不可能である。また、第2開放扉76Bが閉鎖状態である場合には、第2開放扉76Bによって第2進入口72が覆われた状態となり、第2進入口72に遊技球は進入不可能である。また、この実施の形態では、第1開放扉76Aが開放状態となることによって第1進入口71が開放状態となり、遊技球が第1進入口71に進入可能な状態となる。また、第2開放扉76Bが開放状態となることによって第2進入口72が開放状態となり、遊技球が第2進入口72に進入可能な状態となる。
なお、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bは閉鎖状態において第1進入口71および第2進入口72をそれぞれ完全に覆った状態となるのではなく、一部を覆った状態となるようにしてもよい。そのようにすることによって、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bが閉鎖状態である場合には、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bが開放状態であるときと比較して、遊技球が第1進入口71および第2進入口72にそれぞれ進入しにくくするようにしてもよい。また、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bが開放状態である場合には、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bが閉鎖状態であるときと比較して、遊技球が第1進入口71および第2進入口72にそれぞれ進入しやすくするようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bは、1つの部品として一体形成されている。したがって、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bとは、連動して同じタイミングで開放状態に制御され、同じタイミングで閉鎖状態に制御される。
また、可変入賞球装置20内において、開放扉76A,76Bの下方には、所定の装飾が施されるとともに可動可能な装飾部材78が設けられている。また、可変入賞球装置20内において、装飾部材78の背面側には、装飾部材78と連動して可動する可動部材77(図2において図示せず)が設けられている。図2に示すように、この実施の形態では、装飾部材78は、剣を模した形状に形成され、剣に応じた色彩などの装飾が施されている。また、装飾部材78は、可変入賞球装置20内にて遊技球が通過する領域よりも前面側に配置さており、可変入賞球装置20内に進入した遊技球の挙動に影響を与えないように配置されている。また、可動部材77は、装飾部材78の背面側に配置されるとともに、透明または略透明な合成樹脂を用いて形成され、遊技機の正面から見ると(すなわち、遊技者からみると)、装飾部材78に覆われて視認できない(または、視認しにくい)。
また、可変入賞球装置20内の下方には、回転駆動可能な回転体86が設けられている。回転体86には、遊技球を特定入賞口(V入賞口)に導く開口66が上面に設けられており、回転体86上に落下した遊技球が回転体86の上面に設けられた開口66に進入することによって特定入賞口に入賞可能に構成されている。また、回転体86には、側面にも遊技球を特定入賞口に導く開口66bが設けられており、遊技球が開口66bに進入することによっても特定入賞口に入賞可能に構成されている。以下、特定入賞口に導く開口66を特定開口といい、特定入賞口に導く側面側の開口66bを特定側面側開口ともいう。
開放扉76A,76Bの開閉動作と、可動部材77および装飾部材78の可動動作とについて説明する。図3は、可変入賞球装置20の開放扉76A,76Bの開閉機構部と、可動部材77および装飾部材78の可動機構部との構造部分を正面方向から見た正面図である。また、図4は、可変入賞球装置20の開放扉76A,76Bの開閉機構部と、可動部材77および装飾部材78の可動機構部との構造部分を右斜め上方から見た斜視図である。
図3および図4に示すように、開放扉76A,76Bは、連結部76Cを介して一体形成されている。具体的には、開放扉76A,76Bは、あらかじめ合成樹脂材料などを用いて成形することによって一体形成されている。なお、各開放扉76A,76Bおよび連結部Cを別々の部品として作製し組み立てることによって、開放扉76A,76Bを一体形成してもよい。また、開放扉76A,76Bの背面側には、開放扉76A,76Bを開閉するための開放ソレノイド75が配置されている。開放扉76A,76Bは、開放ソレノイド75が駆動された状態となることによって、連動して開放状態に制御される。また、開放扉76A,76Bは、開放ソレノイド75の駆動が停止された状態となることによって、連動して閉鎖状態に制御される。図3および図4に示す例では、開放扉76A,76Bが閉鎖状態に制御されている状態が示されている。図3および図4に示すように、開放扉76A,76Bが閉鎖状態である場合には、開放扉76A,76Bによって第1進入口71および第2進入口72が閉鎖された状態となり、第1進入口71および第2進入口72への遊技球の進入が不可能な状態となっている。
図5は、開放扉76A,76Bを開放状態とした場合の開閉機構部および可動機構部を正面から見た正面図である。また、図6は、開放扉76A,76Bを開放状態とした場合の開閉機構部および可動機構部を右斜め上方から見た斜視図である。図5および図6に示すように、開放ソレノイド75が駆動された状態とすることによって、開放扉76A,76Bは、開放扉76A,76Bの下方を軸として反時計方向に回転駆動し、連動して開放状態となる。また、開放扉76A,76Bが開放状態となることによって、第1進入口71および第2進入口72への遊技球の経路が形成された状態となり、第1進入口71および第2進入口72に遊技球が進入可能な状態となる。また、図5および図6に示すように、少なくとも一体形成された第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bは、所定の面部76a,76bを有し、面部76a,76bは開放状態で上方に対向するとともに第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bの下方に位置して遊技球を第1進入口71および第2進入口72に導くことが可能となる。
なお、第2開放扉76Bは、第1開放扉76Aと比較して小さい。各開放扉76A,76Bは開放状態において遊技球を各進入口71,72に導くための受け皿の役目を果たすのであるが、第2開放扉76Bは第1開放扉76Aと比較して小さいのであるから、第2進入口72は、第1進入口71と比較して遊技球の受け皿が小さいことになり、第1進入口71よりも進入しにくい。
なお、図5および図6に示すように、各開放扉76A,76Bは、開放状態において、斜め上方に突き出た状態に制御される。そのように制御することによって、開放状態において開放扉76A,76Bの受皿となる面に落下した遊技球を開閉扉76A,76Bの斜面を通して各進入口71,72に導かれやすくする。
また、図3および図4に示すように、可変入賞球装置20内の左方には、表面が螺旋状に溝が形成された2つのボルト状部材77A,78Aが配置されている。このうちボルト状部材77Aには、内面が螺旋状に溝が形成されたナット状部材77Cが嵌め込まれており、さらにナット状部材77Cは可動部材77に連結されている。また、ボルト状部材78Aには、内面が螺旋状に溝が形成されたナット状部材78Cが嵌め込まれており、さらにナット状部材78Cは装飾部材78に連結されている。なお、ナット状部材77C,78Cは、それぞれボルト状部座宇77A,78Aに形成された溝とかみ合うように、内面に螺旋状に溝が形成されている。また、図3に示す例では、ナット状部材77Cは、ナット状部材78Cの背面側に位置している。
また、ボルト状部材77A,78Aの下方には、可動部材77を可動するための可動部材駆動モータ77Bと、装飾部材78を可動するための装飾部材駆動モータ78Bとが配置されている。この実施の形態では、可動部材駆動モータ77Bを駆動することによってボルト状部材77Aが回転駆動される。また、ナット状部材77Cは、ボルト状部材77Aの回転駆動にしたがって、ボルト状部材77Aの表面に形成された溝とナット状部材77Cの内面に形成された溝とが摺動することによって、ボルト状部材77Aに沿って上方または下方に移動する。すると、ナット状部材77Cに連結された可動部材77は、ナット状部材77Cの移動にしたがって可動する。また、この実施の形態では、装飾部材駆動モータ78Bを駆動することによってボルト状部材78Aが回転駆動される。また、ナット状部材78Cは、ボルト状部材77Aの回転駆動にしたがって、ボルト状部材78Aの表面に形成された溝とナット状部材78Cの内面に形成された溝とが摺動することによって、ボルト状部材78Aに沿って上方または下方に移動する。すると、ナット状部材78Cに連結された装飾部材78は、ナット状部材78Cの移動にしたがって可動する。
なお、図3および図4に示す例では、ナット状部材77C,78Cが最も上方に位置している状態が示されている。この状態において、図3および図4に示すように、可動部材77および装飾部材78は可変入賞球装置20内において水平な状態となっている。
図7は、ナット状部材77C,78Cが最も下方に移動した場合の開閉機構部および可動機構部を正面から見た正面図である。また、図8は、ナット状部材77C,78Cが最も下方に移動した場合の開閉機構部および可動機構部を右斜め上方から見た斜視図である。この実施の形態では、ナット状部材77Cは、可動部材77の左端部分に連結されている。また、ナット状部材78Cは、装飾部材78の左端部分(剣の先端部分)に連結されている。そのため、図7および図8に示すように、ナット状部材77C,78Cが最も下方に移動すると、可動部材77および装飾部材78の左端部分がナット状部材77Cの移動にしたがって下方に下がり、可動部材77および装飾部材78は、右端部分から左端部分に向かって斜め下方向に傾いた状態となる。この場合、図7および図8に示すように、可動部材77および装飾部材78は、可動して右端部分から左端部分に向かって斜め下方向に傾いた状態において、演出表示装置9の正面側に、演出表示装置9の表示領域と重なった状態となる。
なお、可動部材77および装飾部材78の右端部分にはレール部材が設けられており、可動部材77および装飾部材78の右端部分は左右方向に若干移動することが可能である。すなわち、可動部材77および装飾部材78の左端部分が下方に下がるにしたがって、可動部材77および装飾部材78の右端部分も左方に引っ張られるのであるが、レール部材によって可動部材77および装飾部材78の右端部分が左方向に移動することによって吸収している。
また、装飾部材78には、装飾部材78自体を開閉動作させるための剣駆動モータ79が搭載されている。この実施の形態では、図7および図8に示すように、装飾部材78が可動され右端部分から左端部分に向かって斜め下方向に傾いた状態となる際に、剣駆動モータ79を駆動することによって、装飾部材78が開いた状態(本例では、剣が長手方向に2つに開いた状態)となる。なお、この実施の形態では、装飾部材78が閉じた状態であるときには、正面から見ると可動部材77は装飾部材78によって覆われ視認することができないのであるが、図7および図8に示すように、装飾部材78が開いた状態となることによって、装飾部材78の背面側に位置する可動部材77が正面から視認できることができるようになる。また、可動部材77は透明または略透明の合成樹脂材料を用いて形成され、後述するように遊技球の経路の一部を形成しているのであるから、装飾部材78が開いた状態となることによって、可動部材77内部を通過する遊技球を視認することができるようになる。
また、可動入賞球装置20には、可動部材77および装飾部材78の位置を検出するための位置センサ91a,91bが配置されている。この実施の形態では、ボルト状部材77A,78Aの上方に上側位置センサ91aが配置され、可動部材77および装飾部材78が上方に可動され、ナット状部材77C,78Cが最も上方に位置した状態となると、上側位置センサ91aによって検出され検出信号が出力される。また、この実施の形態では、ボルト状部材77A,78Aの下方に下側位置センサ91bが配置され、可動部材77および装飾部材78が下方に可動され、ナット状部材77C,78Cが最も下方に位置した状態となると、下側位置センサ91bによって検出され検出信号が出力される。
次に、可変入賞球装置20内における遊技球の経路を説明する。この実施の形態では、可変入賞球装置20内には、遊技球の2つの経路が設けられている。具体的には、第1開放扉76Aが開放状態となることによって進入可能となる第1進入口71から進入した遊技球を通す第1経路と、第2開放扉76Bが開放状態となることによって進入可能となる第2進入口72から進入した遊技球を通す第2経路とが設けられている。この実施の形態では、前述したように第1進入口71は第2進入口72と比較して進入しやすいのであるが、第1経路を経ることによって、第2経路を経由する場合と比較して、特定入賞口または排出口まで短い時間で到達するとともに、特定入賞口に入賞しにくい。また、前述したように第2進入口72は第1進入口71と比較して進入しにくいのであるが、第2経路を経ることによって、第1経路を経由する場合と比較して、特定入賞口または排出口まで長い時間をかけて到達するとともに、特定入賞口に入賞しやすい。
まず、第1開放扉76Aが開放状態となることによって第1進入口71から進入した遊技球が経由する第1経路について説明する。図9は、可変入賞球装置20内に設けられた第1経路を示す説明図である。第1進入口71から進入した遊技球は、第1進入口71付近に設けられた第1役物入賞スイッチ71aによって検出され、可変入賞球装置20内の左方に導かれる。そして、可変入賞球装置20内の左方に設けられた経路部材92内部を通って可変入賞球装置20内の左下方に導かれる。
図9に示すように、可変入賞球装置20の左下方には、正面方向に対して前後に可動可能な第1貯留部材93aが設けられており、経路部材92を通って導かれた遊技球を一旦貯留する第1貯留部が形成されている。また、可変入賞球装置20の左下方には、第1進入口71に進入して第1経路から導かれた2個目以降の遊技球を排出する排出口83が設けられている。
図10は、第1進入口71に進入して第1経路から導かれた遊技球を貯留する態様を示す説明図である。図10(A)に示すように、経路部材92を通って導かれた遊技球は、第1貯留部材93aによって進路を阻まれ貯留された状態となる。また、第1進入口71にさらに2つ目以上の遊技球が進入し、経路部材92を通って導かれると、図10(B)に示すように、既に第1貯留部に貯留されている遊技球によってはじかれ、排出口83から排出される。
図11は、第1貯留部に貯留された遊技球の貯留状態を解除した態様を示す説明図である。可変入賞球装置20の左下方の背面には、第1貯留部材93aを駆動するための第1貯留部ソレノイド90a(図11において図示せず)が配置されており、第1貯留部ソレノイド90aを駆動することによって、第1貯留部材93aが背面方向に可動する。すると、第1貯留部に貯留された遊技球の貯留状態が開放され、可変入賞球装置20内の下方に導かれる。可変入賞球装置20内の下方には、回転体86に向かって斜め下方向に傾斜する傾斜部73が設けられており、遊技球は回転体86の前面側に導かれ、傾斜部73を遊技球が転動し、その後回転体86の開口66b,84(特定入賞口へ導かれる開口またははずれとなる開口)に入球する。なお、図11において図示していないが、傾斜部73の前面側(ステージ端部)には、上向きに延びる合成樹脂性の透明板が設けられており、前面側に導かれた遊技球がステージ前面側から落ちないように構成されている。
図11に示すように、回転体86には、上面に設けられた特定開口66と隣接する側の側面部分に特定側面側開口66bが設けられている。回転体86の特定側面側開口66bが設けられている側面が正面側を向いているタイミングで、遊技球が回転体86の前面側に導かれた場合には、遊技球が特定側面側開口66bに進入し特定入賞口に入賞する。具体的には、特定入賞口は回転体86の下方に位置するように設けられており、特定側面側開口66bに進入した遊技球は、さらに回転体86の下方に設けられた特定入賞口に進入する。また、特定入賞口には特定領域スイッチ66aが設けられており、特定入賞口に入賞した遊技球は特定領域スイッチ66aで検出される。なお、特定入賞口に入賞し特定領域スイッチ66aで検出された遊技球は、さらに役物排出スイッチ85aで検出される。
また、回転体86は、特定側面側開口66bとともに複数の側面側開口84が設けられている。回転体86の特定側面側開口66bが設けられている側面が正面側を向いているタイミングで、遊技球が回転体86の前面側に導かれなかった場合には、遊技球は特定側面側開口66bに進入することはできず、特定側面側開口66b以外の側面側開口84に進入することになる。この場合、遊技球は回転体86の下方に設けられた特定入賞口に入賞することはできず、回転体86の側方に設けられた排出口から排出されることになる。なお、排出口には役物排出スイッチ85aが設けられており、排出口から排出された遊技球は役物排出スイッチ85aで検出される。また、第1進入口71に2個目以降に進入し排出口83から排出された遊技球も役物排出スイッチ85aで検出される。
なお、この実施の形態では、特定側面側開口66bの開口部の大きさ1に対して、回転体86の側面に設けられた全ての側面側開口86の開口部の合計の大きさは9である。したがって、第1進入口71に進入して第1経路に導かれた遊技球は、10分の1の確率で特定側面側開口66bに進入して特定入賞口に入賞し、特定領域スイッチ66aで検出される。すなわち、10分の1の確率で大当りとなる。
次に、第2開放扉76Bが開放状態となることによって第2進入口72から進入した遊技球が経由する第2経路について説明する。図12および図13は、可変入賞球装置20内に設けられた第2経路を示す説明図である。第2進入口71から進入した遊技球は、第2進入口72付近に設けられた第2役物入賞スイッチ72aによって検出され、可変入賞球装置20内の上方に設けられた経路部材94内部を通って可変入賞球装置20内の右上方に導かれる。可変入賞球装置20の右上方には、左右に可動可能な第2貯留部材93bが設けられており、経路部材94を通って導かれた遊技球を一旦貯留する第2貯留部が形成されている。したがって、図12に示すように、第2進入口72から進入し経路部材94を通って導かれた遊技球は第2貯留部で一旦貯留される。なお、以下、第1役物入賞スイッチ71aと、第2役物入賞スイッチ72aとを、「役物入賞スイッチ」と総称することがある。
可変入賞球装置20の右上方の背面には、第2貯留部材93bを駆動するための第2貯留部ソレノイド90bが配置されている。遊技球が第2貯留部で一旦貯留された状態で所定時間が経過すると、第2貯留部ソレノイド90bを駆動することによって、図13に示すように、第2貯留部材93bが左方向に可動し、第2貯留部が開放された状態となる。そして、第2貯留部に一旦貯留されていた遊技球は、第2貯留部が開放されたことによって下方に導かれ、可動部材77内に導かれる。また、可動部材駆動モータ77Bおよび装飾部材可動モータ78Bを駆動することによって、可変部材77および装飾部材78が連動して可動し、可動部材77および装飾部材78が右上方から左下方に斜めに傾いた状態となる。また、剣駆動モータ79を駆動することによって、装飾部材78が長手方向に2つに開いた状態となる。
可動部材77が斜めに傾いた状態となることによって、第2貯留部から導かれた遊技球は可動部材77内部を通過し、可変入賞球装置20内の下方に設けられた経路部材95に導かれる。この場合、図13に示すように、装飾部材78が長手方向に2つに開いた状態に制御されているので、可動部材77内を通る遊技球を正面から視認することが可能である。可変入賞球装置20内の下方に設けられた経路部材95は左方から右方に向かって斜め下方向にやや傾斜しており、経路部材95に導かれた遊技球は、経路部材95内を転がって右方に導かれ、回転体86の上面に落下する。
図14は、回転体86上面に落下した後の遊技球の動きを示す説明図である。この実施の形態では、回転体86は、図14(A)に示すように、可変入賞球装置20の各開放扉76A,76Bが開放状態となった後、時計方向に一定速度で回転駆動を開始する。なお、回転体86は、反時計方向に一定速度で回転駆動するようにしてもよく、所定のタイミングで回転方向を反転するようにしてもよい。また、回転体86の上面には、外周部の一領域に特定開口66が設けられている。また、回転体86の側面には、特定側面側開口66bと複数の側面側開口84が設けられている。また、回転体86の上面には、遊技球を誘導するための溝形状部96が複数形成されており、回転体86の上面に落下した遊技球はいずれかの溝形状部96を通って特定開口66または側面側開口84に導かれる。
図14(B)は、特定開口66が遊技者に対して正面側に位置するタイミングで、遊技球が回転体86上面に落下した場合の遊技球の動きを示している。回転体86は、遊技者に対して背面方向から正面方向に向かって下方にやや傾斜するように配置されており、回転体86上面に落下した遊技球は、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って正面側方向に転がる。図14(B)に示す例では、正面側に特定開口66が位置するタイミングであるので、回転体86上面に落下した遊技球は回転体86上面を正面方向に転がり特定開口66に進入する。そして、回転体86の下方に設けられた特定入賞口66Aに入賞し、図14(B)に示すように、特定入賞口66A内に設けられた特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出される。なお、回転体86上面の特定開口66が設けられている外周部分には壁部66cが設けられており、回転体86上面を特定開口66に向かった遊技球が勢い余って特定開口66を飛び越えて回転体86より正面側に飛び出してしまうことはない。
図14(C),(D)は、特定開口66が遊技者に対して正面側と対向する側に位置するタイミングで、遊技球が回転体86上面に落下した場合の遊技球の動きを示している。回転体86上面において特定開口66が設けられている領域と対向する側の領域の外周部には壁部66dが設けられており、回転体86上面に落下した遊技球は、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って壁部66d方向に転がる。すると、図14(C)に示すように、遊技球は壁部66dによって進行を遮られ、回転体86上面において一旦貯留された状態となる。次いで、回転体86が時計方向に回転し、特定開口66が遊技者に対して正面側に位置する状態となると、図14(D)に示すように、壁部66d付近に一旦貯留された遊技球は、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って正面側方向に転がる。図14(D)に示す例では、正面側に特定開口66が位置している状態であるので、壁部66d付近に一旦貯留された遊技球は回転体86上面を正面方向に転がり特定開口66に進入する。そして、回転体86の下方に設けられた特定入賞口66Aに入賞し特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出される。したがって、この実施の形態では、第2進入口72に進入し第2経路を経由した遊技球は、特定開口66が正面側に位置するタイミングで回転体86に落下したときと、特定開口66が正面側と対向する側に位置するタイミングで回転体86に落下したときとの2種類のタイミングで、特定入賞口66Aに入賞して特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出されることがある。
なお、特定開口66が正面側に位置するタイミング、および特定開口66が正面側と対向する側に位置するタイミング以外のタイミングで、遊技球が回転体86の上面に落下したときには、回転体86上面に落下した遊技球は、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って回転体86の側面側に落下する。
また、図14に示すように、この実施の形態では、回転体86の上面には溝形状部96が6方向に形成されており、図14(B),(C),(D)に示すように、それら6方向の溝形状部96のうちの2方向の溝形状部96に導かれた場合に、遊技球が特定入賞口66Aに入賞し特定領域スイッチ66aで検出される可能性がある。したがって、第2進入口72に進入して第2経路に導かれた遊技球は、3分の1の確率で特定開口66に進入して特定入賞口66Aに入賞し、特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出される。すなわち、3分の1の確率で大当りとなる。
図15は、特定開口66が正面側に位置するタイミング、および特定開口66が正面側と対向する側に位置するタイミング以外のタイミングで、遊技球が回転体86の上面に落下したときの遊技球の動きを示す説明図である。この場合、回転体86上面に落下した遊技球は、図15(B)に示すように、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って回転体86の側面側に落下する。この場合、回転体86の側面側に落下した後、そのまま側面側開口84に遊技球が進入してしまった場合には、遊技球は特定入賞口66Aに入賞することはできず、回転体86の側方に設けられた排出口から排出されることになる(すなわち、はずれとなる)。具体的には、回転体86の側面側に設けられた各側面側開口84は、図15に示すように、側面側に流下した遊技球が嵌るように内側に窪んだ形状となっているのでるが、その窪み部分の奥行きが回転体86の下方に設けられた特定入賞口66Aまで達しない程度の大きさに形成されている。したがって、側面側開口84に嵌った遊技球は、特定入賞口66Aに入賞することなく、回転体86の回転駆動にしたがって回転体86の左方に導かれる。回転体の左方には排出口83と連結する排出口連結口83aが設けられており、回転体86の左方に導かれた遊技球は、排出口連結口83aから排出口83に導かれ、役物排出スイッチ85aで検出される。
一方、回転体86の側面側に落下しても、落下した勢いでバウンドするなどの理由により、側面側開口84に進入せずに傾斜部73に遊技球が留まる場合がある。この場合、図15(B)に示すように、回転体86の回転にしたがって特定側面側開口66bが次に正面側に位置する状態となる場合には、傾斜部73に留まった遊技球が特定側面側開口66bに進入して特定入賞口66Aに入賞し、特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出されることになる。したがって、この実施の形態では、第2進入口72に進入して第2経路を経由した遊技球が回転体86上面の特定開口66に進入できずに側面側に落下したとしても、さらに特定側面側開口66bに進入して特定入賞口66Aに入賞する可能性がある。なお、回転体86の回転にしたがって次に正面側に位置する開口が特定側面側開口66b以外の側面側開口84である場合には、傾斜部73に遊技球が留まったとしても、遊技球は特定入賞口66Aに入賞することはできず、回転体86の左方に設けられた排出口連結口83aを介して排出口83から排出され、役物排出スイッチ85aで検出されることになる(すなわち、はずれとなる)。
なお、この実施の形態では、図14および図15に示すように、特定入賞口66Aに入賞した遊技球を検出する役物排出スイッチ85aと、排出口83から排出される遊技球を検出する役物排出スイッチ85aとを別々に設ける場合を示したが、1つの役物排出スイッチ85aのみを用いて検出するようにしてもよい。例えば、特定入賞口66Aに入賞した遊技球が通る経路と排出口83に進入した遊技球が通る経路とを遊技盤6の裏側で合流させるようにし、合流後の経路に1つの役物排出スイッチ85aを設けて、特定入賞口66Aに入賞した遊技球と排出口83に進入した遊技球との両方を検出するようにしてもよい。
なお、回転体86の近傍には、位置検出のためのセンサが設けられている。センサは、例えば、回転体86を挟むように設置されている発光ダイオード等の発光素子とフォトダイオードやフォトトランジスタ等の受光素子とからなり、回転体86の下部に設けられ回転体86とともに回転する円盤部材にスリット(穴部)が設けられている。スリットは、回転体86の内部領域における所定位置に形成されている。具体的には、円盤部材が回転体86とともに回転して、スリットを含む領域がセンサ設置位置に対応する位置にくると発光素子からの光を受光素子側に通過させるような位置に形成されている。なお、受光素子を、以下、回転体位置センサ87aという。なお、この実施の形態では、回転体位置センサ87aは、回転体86の特定開口66および特定側面側開口66bが設けられている側が正面側に到達したタイミングで、スリットを検出する位置に設けられている。したがって、回転体86の特定開口66および特定側面側開口66bが設けられている側が正面側に到達したタイミングで、回転体位置センサ87aは、オン信号を出力する。
次に、普通可変入賞球装置61について、図16〜図20を用いて説明する。本実施の形態の普通可変入賞球装置61は、図16、図19に示すように、主に、遊技盤6の前面に形成された遊技領域に突出配置され、内部を遊技球が通過可能な遊技球通路204、205を備える飾り部65と、該飾り部65の後方側に飾り部65に連結され、飾り部65の遊技球通路204内に進出する舌部63’を前方に有する樹脂製の可動部材63と、該可動部材63を、前後方向に進退駆動する可動部ソレノイド62と、これら可動部材63並びに可動部ソレノイド62を収納する樹脂製の主ケース体68a並びにカバーケース体68bから成るケース体68から、構成されている。
ケース体68は、図16、図18に示すように、可動部材63や可動部ソレノイド62等を収納した後に、主ケース体68aの開口をカバーケース体68bが覆うように左右水平方向に合体されて形成されるともに、その形状が、前方に突出口67を有する上部収納室R2と該上部収納室R2よりも後方側に位置するように形成された下部収容室R1とを有する断面視略Z字状の形状とされており、上部収納室R2に可動部材63が収納され、下部収容室R1に可動部ソレノイド62が収納されるようになっている。
つまり、突出口67を有する上部収納室R2が前方にオフセットされた形状とされていることで、ケース体68の前方面M1の突出口67の周囲が、前方方向に突出する突出部とされており、該突出部の突出口67と、飾り部65の背面板に遊技球通路204に臨むように形成されている開口207とが合致するように、飾り部65の背面に形成された図示しない嵌合部に嵌着されることで一体化されるようになっている。
このように、前方面M1の突出口67の周囲を突出部とすることは、図19に示すように、突出口67周囲以外の前方面に対応する部分にも、遊技球が流下する遊技球通路を配置したり、或いは、装飾部65を設けない場合であれば、障害釘等を配置することが可能となるので、遊技球通路や障害釘等の配置自由度を向上することができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら前方面M1を突出部を有しない平面としても良い。
ケース体68の下部収容室R1に収納される可動部ソレノイド62は、ソレノイド素子62cと該ソレノイド素子62cにより進退駆動される駆動軸の周囲に設けられたスプリング62bを有しており、該ソレノイド素子62cが通電によりON状態とされることで、駆動軸の先端に設けられている駆動子62aが、ソレノイド素子62cに近い後方側の位置に移動してスプリング62bが縮んだ状態となる一方、ソレノイド素子62cの通電が解除されてOFF状態とされると、縮んだスプリング62bの復元力によって駆動子62aが、ソレノイド素子62cから遠い位置となる前方側に移動するようようになっている。
このように、ソレノイド素子62cにより進退駆動される駆動子62aは、可動部材63と連結部材64にて連結されている。つまり、連結部材64の一方(上方)の端部64aが可動部材63に連結され、連結部材64の他方(下方)の端部64cが駆動子62aに連結されている。また、連結部材64は、可動部材63および駆動子62aとそれぞれ連結された端部64a,64cの間に、主ケース体68aの側壁面に形成されている固定軸64b’に挿通される固定軸孔64bが形成されており、可動部ソレノイド62のON/OFFによる駆動子62aの動作にともなって、該固定軸孔64bを中心とした揺動運動を行う。
可動部材63は、図16に示すように、前方分部が、突出口67から前方側へ突出できるように、突出口67の幅寸法よりも狭幅とされ、その前方端面が上下方向に曲率を有する曲面とされた舌部63’を有し、該舌部63’の導出部分と後端部分とが厚肉とされた板状体とされており、該厚肉とされた部分に、図18(b)に示すように、主ケース体68aとカバーケース体68bに形成されているガイド溝69a、69b間に架け渡される金属製の円柱シャフトS1とS2とが挿通可能とされた、該円柱シャフトS1とS2の外径よりも大きな内径を有する挿通孔63a、63bを有している。つまり、円柱シャフトS1、S2を挿通した状態で、円柱シャフトS1、S2が外周面の全てが、挿通孔63a、63bの内周面と接しないようになっている。よって、円柱シャフトS1、S2と挿通孔63a、63bとの寸法差は、公知の嵌りはめ寸法よりも大きいものとされている。
尚、本実施の形態では、舌部63’側の円柱シャフトS1と挿通孔63aとの寸法差を、円柱シャフトS2と挿通孔63bとの寸法差よりも小さいものとすることにより、遊技球との衝突で振動する等により舌部63’が不安定とならないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、舌部63’側の円柱シャフトS1と挿通孔63aとの寸法差と、円柱シャフトS2と挿通孔63bとの寸法差とを同一とするようにしても良い。
ガイド溝69a、69bは、円柱シャフトS1とS2の端部を挿入可能な所定の深さと、該挿入される端部の外径よりもやや大きな幅を有することで、該ガイド溝69a、69b間に架け渡される円柱シャフトS1、S2が、回転しながら移動可能に保持されている。よって、これら円柱シャフトS1、S2が挿通孔63a、63bに挿通された可動部材63が、該ガイド溝69a、69b上を前後方向に進退移動可能とされている。
つまり、ケース体68は、可動部材63が出没する突出口67を有する前方面M1と、可動部材63の進退移動を誘導するために、可動部材63の進退方向を横断するように金属製の円柱シャフトが架け渡されるガイド溝69a、69bを有するとともに該前方面M1を介して対向する側方面M2、M3とを有している。
円柱シャフトS1、S2は、摩耗に強い金属であれば好適に使用することができるが、移動する際の慣性力を低減できることから軽いものが好ましく、本実施の形態では、アルミ材を使用している。
また、これら円柱シャフトS1、S2が挿通される挿通孔63a、63bを有する可動部材63は、回転する円柱シャフトS1、S2との摩擦の少ない樹脂、例えば、ポリアセタール樹脂や、これらポリアセタール樹脂を含むアロイ樹脂等が例示される。
尚、本実施の形態では、可動部材63に挿通孔63a、63bを形成するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら挿通孔63a、63bを孔ではなく、例えば、下方端部が切欠部とされた断面視C字状の挿通部としても良い。
また、本実施の形態では、挿通孔63a、63bとして、一本状の円柱シャフトS1、S2をガイド溝69a、69b間に架け渡すようにしており、このようにすることは、可動部材63にかかる機械的な負荷を低減でき、可動部材63の割れ等を防止できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、挿通孔63a、63bを貫通した孔ではなく、有底の穴として、各穴に、短尺の円柱シャフトS1’、S2’を装着して、可動部材63を介してガイド溝69a、69b間に架け渡すようにしても良い。さらに、これら挿通孔63a、63b以外の孔についても同様に、貫通している孔ではなく、有底の穴としても良い。つまり、本発明における孔は、貫通している孔のみではなく、有底の穴をも含むものである。
円柱シャフトS1、S2が挿通される挿通孔63a、63b間の主ケース体68a側の部分は、連結部材64の端部64aを収容可能な切欠部とされているとともに、挿通孔63a、63b間のほぼ中央となる該切欠部内の位置には、連結部材64の端部64aが連結される、金属製(本実施の形態では、円柱シャフトS1、S2と同じくアルミ製)で円柱状の連結シャフトRSが装着される連結シャフト穴63cが形成されており、該連結シャフト穴63cに装着された連結シャフトRSに、端部64aに形成されている長孔とされた連結孔64a’が挿通されて連結されることで(図18a参照)、可動部ソレノイド62の駆動力が連結部材64にて可動部材63に伝達される。
ここで、飾り部65内部の構成を図17に基づいて説明すると、飾り部65の上部には、遊技領域7を流下してきた遊技球が流入可能な流入口201が設けられ、該流入口201の直下位置となる飾り部65の下部には、該流入口201に流入した遊技球が流出する流出口202が設けられているとともに、これら流入口201と流出口202を結ぶ直線状の遊技球通路204が設けられている。
そして、遊技球通路204のほぼ中間位置には、始動入賞口203に繋がる始動入賞通路205への流入口206を有する分岐部が設けられており、該分岐部に前述した突出口67と合致する開口207を有することで、図19に示すように、可動部材63が進退動作することにより、該開口207から舌部63’が出没するようになっている。
つまり、図19(a)に示すように、可動部ソレノイド62がOFF状態であるときには、駆動子62aがスプリング62bにより前方に移動されることに応じて可動部材63が後方に後退することで、舌部63’が遊技球通路204内に進出(突出)しない没状態となり、遊技球通路204を通過(流下)する遊技球と舌部63’とが衝突することがないので、図17(a)に示すように、遊技球は流入口206から始動入賞通路205へ進入することなく、流入口201から流出する。
一方、図19(b)に示すように、可動部ソレノイド62がON状態であるときには、駆動子62aがソレノイド素子62cにより後方に移動されることに応じて可動部材63が前方に進出することで、舌部63’が遊技球通路204内に進出(突出)した進出(突出)状態となって、遊技球通路204を通過(流下)する遊技球と舌部63’とが衝突して遊技球通路204の進路を塞ぐようになるので、図17(b)に示すように、これら舌部63’に衝突した遊技球が流入口206から始動入賞通路205へ進入して、始動入賞口203に入賞するようになる。
尚、これら舌部63’が前方に進出するタイミングにて、遊技球通路204を遊技球が通過した場合には、舌部63’の前方端面と遊技球通路204の内壁面との間に、遊技球が挟まれてしまい、可動部材63や連結部材64や可動部ソレノイド62が損傷したり故障したりする畏れがあるが、本実施の形態では、舌部63’の形状を、前方方向が漸次薄肉となる形状として、先端部が比較的容易に湾曲可能とするとともに、該前方端面の形状を上下方向に曲率を有する曲面としているので、遊技球が挟まれてしまうことが著しく少なく、よって、遊技球が挟まれてしまうことによる損傷や故障の発生を防止でき、遊技を円滑に進行することができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら舌部63’の肉厚を均一としたり、或いは、前方端面の形状を曲率のない平面としても良い。
また、舌部63’の形状を、上下方向に曲率を有する曲面としているが、更に、進出時において遊技球が通過してしまうような空隙を生じない範囲で、左右方向に曲率を形成するようにしても良い。
尚、本実施の形態では、可動部材63を、ほぼ垂直な遊技球通路204の内壁面に対して直角後方となる水平方向に進退移動するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図26に示すように、前方方向が高くなるようにガイド溝69a’、69b’を形成して、前方端面が平面とされた舌部63”を水平方向に対して斜め上方向に進出させることで、舌部63’の前方端面と遊技球通路204の内壁面との間に、遊技球が挟まれてしまうことを防止して、遊技を円滑に進行できるようにしても良い。また、これら図26においても、更に、舌部63”を、曲率を有する舌部63’とするようにしても良い。
ここで、可動部材63に形成された挿通孔63a、63bや、連結シャフト穴63cと、円柱シャフトS1、S2や、連結シャフトRSとの寸法関係について、図20を用いて詳述する。
まず、連結シャフト穴63cと連結シャフトRSについては、図20(a)に示すように、連結シャフト穴63cの内径と連結シャフトRSの外径とがほぼ等しい寸法であるL1とされており、該連結シャフト穴63cに連結シャフトRSの端部が装着されることで、連結シャフトRSが回転不能に可動部材63に装着される。
そして、該連結シャフト穴63cに装着された連結シャフトRSが挿通される、連結部材64の端部64aに形成された長孔状の連結孔64a’は、図20’(b)に示すように、その最小径となる寸法L2が、連結シャフトRSの外径寸法であるL1よりもD1だけ大きな寸法とされていることで、連結部材64の端部64aが、連結シャフトRSに対して自由に相対回転できるようになっており、このようにすることで、遊技球の衝突によって可動部材63が振動したり変位しても進退移動をスムーズに行うことができるとともに、連結シャフトRSを耐摩耗性に優れる金属製とすることで、これら相対回転による連結シャフトの摩耗も低減できるようになっている。
尚、本実施例では、連結シャフト穴63cの内径寸法を連結シャフトRSの外径とがほぼ等しい寸法とすることで、連結シャフトRSを回転させないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら連結シャフト穴63cの内径寸法を、連結孔64a’と同様に、連結シャフトRSの外径よりも大きな寸法とすることで、連結シャフトRS自体が回転できるようにして、連結シャフトRSの摩耗を更に低減できるようにしても良い。
また、挿通孔63a、63bの内径W2は、円柱シャフトS1、S2の外径W1よりもD2だけ大きな寸法とされることで、円柱シャフトS1、S2が挿通孔63a、63b内部において回転できるようになっている。
尚、D1とD2の大きさは、これが大きすぎると可動部材63にがたつきを生じたり、連結部材64により伝達される駆動力に時間差が大きくなって不都合を生じる場合があるので、これらの不都合が生じない範囲の適宜な値とすれば良いが、本実施の形態では、図20(b)に示すように、D1の大きさをD2の大きさよりも大きくするようにしており、このようにすることは、遊技球が可動部材63の舌部63’に衝突することによる衝撃が、小さなD2の寸法差を有する円柱シャフト側によって主に吸収されるようになり、これらの衝撃が、連結部材64を介して駆動部となる可動部ソレノイド62に伝達されてしまうことによる可動部ソレノイド62の故障を低減することができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらD1とD2の寸法を同一としたり、逆にD2の大きさをD1の大きさよりも大きくするようにしても良い。
また、本実施の形態では、前述したように、連結シャフト穴63cを、円柱シャフトS1、S2が挿通される挿通孔63a、63b間のほぼ中央位置に設けて、連結シャフトRSにより連結するようにしており、このようにすることは、図20(c)に示すように、遊技球が可動部材63の舌部63’に衝突して、可動部材63の位置が、ガイド溝69a、69b内において、後方側の円柱シャフトS2が上方に持ち上がったり、或いは、該衝突の反動にて、前方側の円柱シャフトS1が上方に持ち上がって変位したとしても、連結シャフトRSが設けられている円柱シャフトS1、S2のほぼ中央部分は、殆ど変位しないので、これら変位に伴って連結シャフトRSに印加される機械的な負荷の大きさを低減できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら連結位置を、挿通孔63a、63b間で、中央以外の位置に設けたり、或いは、挿通孔63a、63b間以外の位置に設けるようにしても良い。
図22は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図22には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が内蔵されている。乱数回路503は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されるのではなく、主基板31において、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部に設けられていてもよい。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ60、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、上側位置センサ91a、下側位置センサ91b、回転体位置センサ87a、入賞口スイッチ33a,38a,39aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、普通可変入賞球装置61を進退動作させるための可動部ソレノイド62、開閉板16を開閉するためのソレノイド21、可動部材77を可動するための可動部材駆動モータ77B、回転体86を回転駆動するための回転駆動モータ87、開放扉76A,76Bを連動して開閉させる開放ソレノイド75、第1貯留部材93aを可動する第1貯留部ソレノイド90a、第2貯留部材93bを可動する第2貯留部ソレノイド90bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板177を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の表示制御、ランプの点灯制御およびスピーカ27の制御を行う。
図23は、中継基板177、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図23に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板177を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板177から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、中継基板177には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路177Aが搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図23には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板177から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板177からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図22に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板177側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ(図示せず)に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して、装飾部材78を可動するための装飾部材駆動モータ78B、装飾部材78を開閉動作するための剣駆動モータ79を駆動する信号を出力する。
次に、遊技機の動作について説明する。図24は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する処理も実行する。CPU56は、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。乱数回路503は、所定のクロック信号を用いて乱数を発生させる。一例として、乱数回路503は、CPU56から数値が読み出されるときに、0〜598の数値のいずれかの数値をCPU56に出力するように設定される。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS10〜S12の処理によって、例えば、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値(例えば0)が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、普通図柄の停止図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の表示結果を当り図柄とするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数、および特別図柄の変動パターンを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(特別図柄変動パターン決定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう。)において、普通図柄当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図25に示すステップS20〜S36のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ60、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ33a,38a,39a、カウントスイッチ23、上側位置センサ91a,下側位置センサ91bおよび回転体位置センサ87aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
(1)ランダム1:特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)ランダム2:普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(普通図柄変動パターン決定用)
(3)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
(5)ランダム5:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(特別図柄変動パターン決定用)
(6)ランダム6:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
これらの処理が実施されることによる、本実施の形態の遊技機における遊技の進み方の例を、図21に示す。遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aの検出信号がオン状態になると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。この実施の形態では、抽選の結果は、当りまたははずれである。そして、普通図柄の変動(可変表示)が開始される。また、普通図柄の変動(可変表示)に同期して飾り図柄の変動(可変表示)が開始される。普通図柄および飾り図柄の変動が終了すると、当りに決定されている場合には、普通可変入賞球装置61を入賞可能な進出状態に制御する。そして、遊技球が始動入賞口203に入賞して始動口スイッチ60の検出信号がオン状態になると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。この実施の形態では、抽選の結果は、大当りまたは小当りのうちいずれかであり、はずれはない。そして、抽選の結果が小当りの場合に、遊技の進行を制御する遊技制御手段は、抽選を実行し、第1小当り、第2小当りまたは第3小当りのいずれかに決定する。
そして、特別図柄の変動(可変表示)が開始される。また、特別図柄の変動に同期して飾り図柄の変動(可変表示)が開始される。特別図柄および飾り図柄の変動が終了すると、大当りに決定されている場合には、遊技状態が大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行される。この大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)では、開閉板16による大入賞口が例えば16回(16ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。なお、特別図柄の変動(可変表示)に同期した飾り図柄の変動(可変表示)は、普通図柄の変動(可変表示)に同期した飾り図柄の変動(可変表示)よりも優先して行われる。したがって、例えば、特別図柄の変動に同期した飾り図柄の変動中に、普通図柄の変動が開始されても、飾り図柄は、当該普通図柄の変動には同期することなく、特別図柄の変動に同期して変動を継続する。
小当りに決定されている場合には、遊技制御手段は、役物20を開放状態に制御して始動動作を開始させる。始動動作状態において、役物20は、所定の時間、所定の回数開放状態になる。始動動作状態において、遊技球が役物20に入賞し、さらに、遊技球が特定入賞口66Aに入賞して特定領域スイッチ66aで検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行される。この大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)では、開閉板16による大入賞口が例えば3回(3ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)、7回(7ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)、または16回(16ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。V入賞が発生しなかった場合には、第2大当り遊技状態に移行しない。すなわち、はずれになる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記した実施の形態では、本発明の振分け装置を、普通可変入賞球装置61に適用した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図27に示すように、開放扉76a’,76b’を備えた飾り部を有するとともに、各開放扉76a’,76b’が開放することで遊技球が流入する遊技球通路内に、V入賞口への分岐部を設け、該分岐部において舌部63’が進出するようにケース体68を設けて、遊技球通路内に流入した遊技球が進出した舌部63’に衝突したときにV入賞口へ入賞する役物装置20’としても良い。
また、前記した実施の形態では、装飾部65を有する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら装飾部65を有せずに、遊技盤6の障害釘等により形成された流路の分岐部に、舌部63’が進出するようにケース体68を設けても良い。
また、前記した実施の形態では、連結シャフトRSを個別に設けた形態としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、円柱シャフトS1、S2を連結シャフトRSとして代用するようにしても良い。
また、前記した実施の形態では、ガイド溝69a、69bの溝幅を均一としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前方側(突出口67側)のガイド溝69a、69bの溝幅を、後方側のガイド溝69a、69bの溝幅よりも狭くすることで、可動部材63の舌部63’が、遊技球との衝突で振動する等により不安定とならないようにしても良い。
また、前記した実施の形態では、挿通孔63a、63b等の各孔の形状を円形としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら挿通孔63a、63b等の各孔を連結シャフト穴63cと同様に長孔としてもよく、このように長孔とした場合には、その最小幅を円形として場合の径と同じ寸法となるようにすれば良い。つまり、本発明における孔径は、孔が長孔である場合の最小幅を含むものである。